./ --- 、 '., ・咲×イナズマイレブンのサッカーバトルスレ 咲でやる意味はやっぱりなかった
,' ./ ./ \\ \ .',
.l / / ヽ.\ ヽ ! ・サッカーのルールを何も知らない>>1でも2スレ目までいけました
.! ,: ./‐‐-.、 ...-‐!l‐\ ', l
l .! ./ ` ´ リ ', .', .l . ・咲キャラが全員同じ学校にいたら? というパラレル世界
ノ,! !/,.-==ミ.、 ,ィ ===ミ、! l l
,'/l .,:'::f/{:::::::::::}ヽー ''./イ{:::::::::::}ヽ:Y l ・ダイス? ねぇよそんなもん! 全部コンマなんだよ!
.,'/ .l 八:{ヾ乂: ゚ ノ,ノ/⌒ヽヽ 乂: ゚: ノ .ノ:/ l
(' .l ト.-=一 ''´ 、 `ー == イ,' l ・必殺技の過剰な威力調整、TP調整
l ト-, ''' '''' / ,' .!
l l ハ -‐ - ,/ .,' ! ・剣城さんは三流じゃねーよ!
l l i>... ,.ィ/ /! .l
l l .j | ! ≧z... ....ィ≦_|/ ,: / ! .l ・【特別ルール】:五分間安価がなかったら>>1が勝手に決定する
/ j j .,' j l/`{_f´ ̄ ̄ /.,:' / l .l
{( ./ ノ /_,'/ .,.ィ:!_,.ィ! /./ ./丶l、 .! ト、 .・そして多分このスレで終わる
\ ヽ`ー':/ .// ./ 〉_::::ハ /./ l / `ー- .、 ! !
、 `ー=イ ,イ_,,..イ /:::::::} .\{/!l .V V ノ
以上のことを容認できる方のみ、宜しくお願いいたします
前スレ:【咲だ】絹恵「サッカーバトルや!」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389619886/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391423165
【あらすじ】
サッカーバトルという四人一組でやる新スポーツが流行っている世界。
その中でも特にそのスポーツのエリート達が集まるりつべ高校の、『全校サッカーバトル大会』にまつわるお話である。
愛宕絹恵は姉である洋榎と、別のチームを作って大会での勝負を約束した。
しかしそこで『人工化身』と呼ばれる無茶苦茶な力を得ることのできる薬(ドーピング)騒ぎが起こり、何だか陰謀の香りすらしはじめた。
果たして絹恵は、そういったややこしいものをブッとばし姉との約束を守ることができるのか――?
【このスレにおける主な登場人物】
【チーム:リベンジャーズ】
・愛宕絹恵
主人公でGK。基本ツッコミである。
スカウトの為に右往左往したり、初登場のキャッチ技をあっさり吹っ飛ばされたり、ちゃんこ鍋に黒糖をブチこまれたり、激辛カレーを食べてたら隣でうるさくされたりする苦労人。
お姉ちゃんのことが凄い好き。主な必殺技は『いかりのてっつい』。
・辻垣内智葉
エースストライカー。『ゴッドファイブ』と陰で呼ばれる最強の五人組の内の一人。
性格は滅茶苦茶勇ましく、刃物を使って『人工化身』から絹恵達を救ったり、悪役みたいな奴と一歩も引かずに口論をしたり活躍は目覚ましい。
チームメイトの呼び方には拘る方。主な必殺技は『伝来宝刀』。
・南浦数絵
ディフェンス。若干影が薄いが、割と試合では活躍している。
自分達のチーム技である『エンペラーロード』という名称を気に入っており、やたら連呼する傾向にある。
因みに穏乃達のチームと当たってたら師匠イベントが発生してました。主な必殺技は『旋風陣』。
・蒲原智美
謎。守りもできるし攻めもできる、そんな娘。
ワハハと笑うボケキャラの筈だが、周りのインパクトが強すぎて普通にツッコミに回らざるをおえない状態になっている。
主な必殺技は『RCシュート』。絹恵が大好きな、サッカーボールが分裂してラジコンのタイヤになるという頭おかしい技の使い手である。
【チーム:関西電気保安協会】
・愛宕洋榎
絹恵の姉。基本ボケ。
ノリのよい性格だが普通に小蒔のチームに敗北したり、その後絹恵との勝負の約束を他人に軽く見られ激昂しパワーアップという主人公っぽい活躍が多数ある。
怜とは何だかんだで仲良し。主な必殺技は『つうてんかくシュート』。
・園城寺怜
病気がちの人。フィールドの魔術師。
>>1の好きなキャラであるノセさんを完全に意識している為、今後もそういった面での活躍が増える予定。後基本ギャグ担当。
辛いものは苦手。主な必殺技は『ザ・フェニックス』。
・清水谷竜華
ディフェンス。
怜がノセさんであるがゆえにこっちは土門ポジ。『無極天』をどうイナイレキャラに当て嵌めるか思いつかなかった、というのが本音でもある。
怜の言う事なら何でも聞いてしまう。主な必殺技は『キラースライド』。
・花田煌
ゴールキーパー。
福岡でゴールキーパーという時点でイナイレプレイヤーなら誰でも分かると思うが、勿論立向井ポジである。
主な必殺技は『化身アームド』に対して何らかの力を持っているらしい技である『魔王・ザ・ハンド』、そして『ムゲン・ザ・ハンド』。
【その他】
・博士
白衣で眼が爬虫類みたいにぎょろぎょろしてるおじさん。この『人工化身』騒ぎの大元の原因。
ドヤ顔で自分の考えを言ったり人を追い詰めたりしているのでサドかと思いきや、その後洋榎や智葉に滅茶苦茶怒られて論破されているのでマゾかもしれない。
因みに、地の文で彼のことを一回も『博士』と書いたことはない。ご存知でした?
・チーム(コピー)ロボッツの皆
語尾に「ロボ」をつける、謎のロボット集団。博士に製作された。人の性能や『化身アームド』をコピーして出てくることが多い。
唯一とも言える敵ポジにも関わらず、基本出てきたら場を和ましたりやられ役になったりしてくれる。
そんな彼らにも迷いがあり、絹恵がアドバイスしたりもした。果たしてどうなるやら……ロボ。
・安福莉子ちゃん
>>1のお気に入り。可愛い。かつての十五番勝負の女にして海底樹海の冒険者。
おでこが出てるのと、そこに「安モノだけど、精一杯のお洒落をしとこう」みたいな精神でつけてるに違いない花のカチューシャが可愛い。
でももう咲本編でもこのスレでも出番はないだろう……残念。
【トーナメント表】
憩┓
┣┓
洋┛┃
┣┓
衣┓┃┃
┣┛┃
蒔┛ ┃
┣
絹┓ ┃
┣┓┃
ゆ┛┃┃
久┓┃
┣┛
咲┛
絹:『リベンジャーズ』:絹
久:『りつべ高校学生議会一同』:久
洋:『関西電気保安協会』:洋榎
蒔:『カミノミゾシル』:小蒔
ゆ:『金槌スピアーフィッシュ』:かじゅと鍋戦士(黒糖)達
咲:『嶺花』:咲
衣:『フルムーン・コロタンイェイ』:衣
憩:『オオサカ・ベイブルース』:憩
……これにてテンプレ貼りは終了です
今日中に試合を行いますので、しばしの間お待ちくださいませませ
では試合です
今日は相手との相性的に長引くことが予想されます ご注意を
……
…………
洋榎達の試合から数日後。
いつも通りの唐突っぷりで申し訳ないが、今日は絹恵達の試合日である……まぁグダグダやってても仕方ないしね。
えり「さぁ、とうとうトーナメント一回戦も第三試合となりました!」
えり「今日の試合は『リベンジャーズ』対『金槌スピアーフィッシュ』! どちらも堅実な戦いを繰り返すチーム、いい試合が期待できそうです!」
観客達が試合開始を今か今かと待ち構える中、絹恵達は静かにウォーミングアップをしながら言葉を交わす。
数絵「蒲原先輩って、相手のチームの人とは知り合いなんですよね?」
蒲原「ん、まぁなー。そこそこ親しくはあるが……今の実力は知らないぞー? 何せあっちも『人工化身』を使っているみたいだし」
絹恵「(相手の中にはあの鍋戦士達もおるんか……)」
吐きそうな顔でのたうち回っていた影の薄い一年生と、鍋に黒糖をブチ込むとかいうヤバすぎる食し方を創造した一年生の姿を思い出しながら、絹恵はなんともいえない気分になった。
あれだけ濃密な記憶だったにも関わらず、何故か手に入れたものは全く無かったような気がするからである。
絹恵「……ま! 相手もあの強力な『化身アームド』を話ですし……何にせよ、負けるわけにはいきませんよね!」
智葉「(コイツ……自分の試合はこんなにリラックスできるのか……)」
智葉が何とも言えない視線で絹恵を見るが、まぁそれはともかく。
激闘の必死のトーナメントの、その最初の戦いが今始まった――!!
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃a1┃a2┃□┃a4┃a5┃a6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃b1┃b2┃b3┃b4┃■┃b6┃
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
┃d1┃d2┃d3┃d4┃■┃d6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃e1┃e2┃□┃e4┃e5┃e6┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛
.中央
【チーム華菜ちゃんズ】:【池田:c4】、【未春:b5】、【文堂:d5】
(白が味方で黒が敵、星は白黒問わずボール所有者)
【ボール所有者】
┃
┗普通に攻めるorパス(自分より前の選手は選択不可、GK可)or『必殺タクティクス』
▼必殺タクティクス
┃
┣使うと色々すげえ効果がある(発動までに既定の回数が必要)
┃
┗ボール所有時に発動できる他、相手の発動にカウンターして使うことができる その場合コンマ判定を行い、勝利した方の効果を得る
【ドリブル・ブロック】
┃
┣ドリブル:通常ドリブルor必殺技orパス(自分より前の選手は選択不可、GK可)
┃
┣ブロック:通常ブロックor必殺技
┃
┗式:ボール所有者【ドリブル+補正値+『10桁の数+10』】 対 奪う方:【ブロック+補正値+『1桁の数+10』】
【シュート・セーブ】
┃
┣シュートはゴールから【二つ前の座標】からシュートを撃てる
┃
┣シュート:通常シュートor必殺技
┃
┣セーブ:通常セーブor必殺技
┃
┗式:撃つ方【キック+補正値+『10桁の数+10』】 対 守る方:【セーブ+補正値+『1桁の数+10』】
【キーパー】
┃
┗【キーパースロー】:中央を越えた場所にいる人間に投げてはならず、また全員前に出ている時は一番味方ゴールに近い味方が中央にまで戻ってくる
▼属性
┃
┗……←風←林←火←山の順で得意。得意な属性相手には『+4』の判定が加算される
▼省略システム
┃
┣基礎値に差がある者同士で判定勝負となった時【勝っている方:『必殺技』を使用 対 負けている方:何も使用しない】
┃
┗……の場合、コンマ判定を行わず基礎値が高い方の勝利とする
▼化身アームド
┃
┗【KP】という概念で扱う。KPは『自分を対象にするありとあらゆるコンマ判定を行う度に、KPを1消費』する KPが0になると『化身アームド』は使用不可になる
▼ターン
┃
┣座標が移動することを意味する。1ターンからスタートする
┃
┗【8ターン】経過すると、PK戦に移行する
▼PK戦
┃
┣【8ターン】経過すると突入
┃
┗自分先攻で、一対一のシュート勝負に入る 一本でも先に入れば勝利
▼リベンジャーズ
┗フォーメーション:【F-ワハハコンボ】…【智葉:d3】、【蒲原c3】、【数絵b3】。蒲原がシュート、とにかくシュート
▼愛宕絹恵【属性:山】 ▼南浦数絵【属性:風】
▼ステータス ▼ステータス
┣キック :16(97/100) ┣キック :15(12/100)
┣ドリブル. :11(97/100) ┣ドリブル. :15(12/100)
┣ブロック. :14(97/100) ┣ブロック. :20(12/100)
┗セーブ ....:18(49/100) ┗セーブ ....:09(12/100)
┗【ロングスロー】:キーパースローで『○4』までボールを投げれる ┗【超耐久力】:コンマ判定を行う度に、試合中ブロック+1
▼必殺技 ┗【無属性】:弱点属性の補正を0にする
┗【いかりのてっつい:キャッチ:3/3】:セーブに+6、使用する度KPを-1
▼必殺技
┗【旋風陣:ブロック:3/3】:ブロックに+4
▼辻垣内智葉【属性:山】 ▼蒲原智美【属性:火】
▼ステータス ▼ステータス
┣キック :18(50/100) ┣キック :15(60/100)
┣ドリブル. :20(00/100) ┣ドリブル. :12(60/100)
┣ブロック. :10(50/100) ┣ブロック. :16(60/100)
┗セーブ ....:05(50/100) ┗セーブ ....:07(60/100)
┗【伝来宝刀:シュート:3/3】:キックに+9 ┗【毒足脚】:コンマ判定を行った相手のブロック、及びセーブを試合終了まで-5する
┗【昇り竜:ドリブル:3/3】:ドリブルに+4 ┗【無属性】:弱点属性の補正を0にする
▼必殺技
┗【RCシュート:シュート:1/1】:キックに+4、補正を+2で『○3』からシュート
▼必殺フォーメーション
┗【エンペラーロード】:( /3):【智葉:c6】、【数絵:a2】、【蒲原:d2】
▼金槌スピアーフィッシュ
┗フォーメーション:【F-ファントマ】…【ゆみ:b4】、【春:c6】、【モモ:??】。モモをどこかに据えた、万能型のフォーメーション
▼加治木ゆみ【属性:林】 ▼滝見春【属性:林】
▼ステータス ▼ステータス
┣キック :13(/100) ┣キック :10(/100)
┣ドリブル. :15(/100) ┣ドリブル. :12(/100)
┣ブロック. :15(/100) ┣ブロック. :15(/100)
┗セーブ ....:03(/100) ┗セーブ ....:01(/100)
┗【グングニル:シュート:4/4】:キックに+5 補正を+2で「○4」から ┗【スパイラルドロー:ブロック:3/3】:ブロック+3
▼化身アームド ▼化身アームド
┗【人工化身プラズマシャドウ:KP2/2】:全判定に+10 ┗【人工化身プラズマシャドウ:KP2/2】:全判定に+10
▼東横桃子【属性:林】 ▼二条泉【属性:山】
▼ステータス ▼ステータス
┣キック :10(/100) ┣キック :05(/100)
┣ドリブル. :16(/100) ┣ドリブル. :05(/100)
┣ブロック. :16(/100) ┣ブロック. :10(/100)
┗セーブ ....:01(/100) ┗セーブ ....:12(/100)
┗【ステルスアタック】:動きが座標上に表示されず、相手に接触しやすくなる ┗【フェンス・オブ・ガイア:キャッチ:2/2】:セーブに+5
▼化身アームド ▼化身アームド
┗【人工化身プラズマシャドウ:KP2/2】:全判定に+10 ┗【人工化身プラズマシャドウ:KP2/2】:全判定に+10
┗【ファントム・ロック】:( /2):各座標そのまま。相手を3ターン行動不能にする。相手の『必殺タクティクス』に対してしか発動できない
【試合終了条件】:【先に一点目を先取せよ!!】
※【8ターン経過でPK戦に移行します】
【リベンジャーズ】
┣辻垣内智葉:山:18:20:10:5
┃
┣南浦数絵:風:15:15:20:9
┃
┣蒲原智美:火15:12:16:7
┃
┗愛宕絹恵:山:16:11:14:18
VS!!
【金槌スピアーフィッシュ】
┣加治木ゆみ:林:13:15:15:3
┃
┣東横桃子:林:10:16:16:1
┃
┣滝見春:林:10:12:15:1
┃
┗二条泉:山:5:5:10:12
【キック オフ!!】
【1/8ターン目】
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃a1┃a2┃a3┃a4┃a5┃a6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃b1┃b2┃□┃b4┃b5┃b6┃
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
┃d1┃d2┃□┃d4┃d5┃d6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃e1┃e2┃e3┃e4┃e5┃e6┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛
.中央
【リベンジャーズ】:【智葉:d3】、【蒲原c3】、【数絵b3】
【金槌スピアーフィッシュ】:【ゆみ:b4】、【春:c6】、【モモ:??】
蒲原「む……モモの匂いがしないなー」クンクン
モモ「(ファブリーズが功を奏したっすね……)」
蒲原「(ちょっとファブリーズの匂いはするけど、でもこれはモモのじゃあないよなー)」ワハハ
モモ「(本当にバレてない……っすよね?)」
▼行動を選択してください
1:普通に攻める
2:パス(人物指定、自分より前の相手には使用できない)
3:『RCシュート』使用(1/1):補正+2で『○3』の座標からシュートを撃てる(蒲原専用)
4:『エンペラーロード』:使用までアト (0/3):【智葉:c6】、【数絵:a2】、【蒲原:d2】
▼↓1
ゆみ ×b4→○c4 失礼失礼…
1:普通に攻める
【2/8ターン目】
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃a1┃a2┃a3┃a4┃a5┃a6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃b1┃b2┃b3┃b4┃b5┃b6┃
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
┃d1┃d2┃d3┃☆┃d5┃d6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃e1┃e2┃e3┃□┃e5┃e6┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛
.中央
【金槌スピアーフィッシュ】:【ゆみ:c4】、【春:c6】、【モモ:??】
ゆみ「――行くぞ! 『プラズマシャドウ』!」
四人「アームドッ!」シャキーン
蒲原「や、やっぱりあの『化身アームド』を装着してくるのかー……」
智葉「本気で、いかねばな……」ゴッ
【ゆみが『人工化身プラズマシャドウ』をアームドしました!】
【モモが『人工化身プラズマシャドウ』をアームドしました!】
【春が『人工化身プラズマシャドウ』をアームドしました!】
【泉が『人工化身プラズマシャドウ』をアームドしました!】
【3/8ターン目】
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃a1┃a2┃a3┃a4┃a5┃a6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃b1┃b2┃b3┃■┃b5┃b6┃
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
┃d1┃d2┃d3┃ ☆■┃d6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃e1┃e2┃e3┃□┃e5┃e6┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛
.中央
【金槌スピアーフィッシュ】:【ゆみ:b4】、【春:c6】、【モモ:??】
モモ「――そこっす!」ヌッ
蒲原「うおわっ! モモ、いつのまに……」
モモ「鼻が衰えたっすね、蒲原元部長――!!」
蒲原「元部長言うな――ッ!!」
絹恵「(……何の部長やったんやろ……)」
▼行動を選択してください
▼また、同安価で 自分:【基礎値+補正値+『10桁の数+10』】 対 相手:【基礎値+補正値+『1桁の数+10』】の判定を行います(0は10扱い、最大20)
▼1:普通のドリブル
モモ:強制勝利
▼2:『RCシュート』使用(1/1、キックに+2)
泉:強制勝利
▼3:パス(人物指定、自分より前の相手には使用できない)
【ヒント:蒲原はスキル『毒足脚』を持っていたり、そもそもKPは強制勝利でも消費するので、そういうのを狙いで動くのもアリっちゃあアリである】
▼↓1
2でぶっ放すことを>>1は推奨します、サー
2:『RCシュート』使用
蒲原「え、ええいこうなったら――『RCシュート』!!」ドシュン
絹恵「ヒャッホオオオオオウッ!! 最高だぜぇぇぇぇッ!!」
まるでちょーかわいい大天使秋山殿みたいな歓声を上げる絹恵を背にして、蒲原がラジコンシュートを放つ。
ボールは友達ならぬボールはタイヤという字面を見たっておかしい『必殺技』を前にして、『金槌スピアーフィッシュ』のゴールキーパー二条泉は――
泉「フッ、あんま舐めんといてほしいなァ……私のことッ!!」シュン
――何かやられキャラっぽい台詞を叫んで、軽く跳躍した。
彼女はそのまま重力に逆らわず静かに落下する間に、地面に向かって両手を勢いよく伸ばした。
泉「いくで……『フェンス・オブ・ガイア』――ッッ!!!」
瞬間。
フィールドが大きな音を立て、土中から巨大な土の柱が何本も現れた。
それらはラジコンと勢いよく衝突し、そしてあっさりとシュートを止める。
泉「フッ……他愛なし……」
モモ「そ、それは死亡フラグっすよ……」
蒲原:【15+2+6】=23
対
泉:【12+5+10+6】=34
蒲原:『RCシュート』使用(0/1、キックに+2)
泉:【人工化身プラズマシャドウ:KP1/2】
泉:【毒足脚】によりセーブ-5
強制終了の為、『エンペラーロード』:使用までアト (0/3):【智葉:c6】、【数絵:a2】、【蒲原:d2】
【3/8ターン目】
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃a1┃a2┃a3┃a4┃a5┃a6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃b1┃b2┃b3┃■┃b5┃b6┃
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
┃d1┃d2┃d3┃□┃d5┃d6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃e1┃e2┃e3┃□┃e5┃e6┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛
.中央
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃a1┃a2┃a3┃a4┃a5┃a6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃b1┃b2┃b3┃■┃b5┃b6┃
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
┃d1┃d2┃d3┃□┃d5┃d6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃e1┃e2┃e3┃□┃e5┃e6┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛
.中央
【リベンジャーズ】:【智葉:e4】、【蒲原c2】、【数絵d4】
【金槌スピアーフィッシュ】:【ゆみ:b4】、【春:c6】、【モモ:??】
――突然。
ゴールキーパーである泉の投げたボールの先を、絹恵達は完全に見失ってしまった。
絹恵「え、な、何や何や……」
数絵「ボールが、消えた……」
蒲原「モモの仕業かー!?」
智葉「――ッ!! 全員下がれ! どんなに消えるのが上手くても、最終的にはシュートを撃つまで前面に出てこなければならない! そこを狙うぞ!」
絹恵達がその居場所を探す間にも、ゆみはどんどんと前進する。
まるで、彼女には消えたボールのその在り処が見えているようだった。
【4/8ターン目】
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃a1┃a2┃★┃a4┃a5┃a6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃b1┃b2┃b3┃b4┃b5┃b6┃
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━
┃d1┃d2┃□┃d4┃d5┃d6┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃e1┃e2┃e3┃e4┃e5┃e6┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛
.中央
【金槌スピアーフィッシュ】:【ゆみ:a3】、【春:c6】、【モモ:??】
そして、再び突然右サイドまで辿りついたゆみの足にボールが乗る。
智葉「何ッ――いつの間に!?」
ゆみ「……行くぞ!」
遮る物が何も無くなったゆみはそこで、足に空いたワームホールから異次元へと移動する。
え、異次元ってどこかって? それはもう異次元さ!
ゆみ「必殺――『グングニル』ッ!!!」スパァーン!!
ゆみはそのまま勢いよくボールをその異空間ごと蹴り飛ばす。
ボールは異次元の膜をまるで槍のようにして纏い――そして、フィールドへとワープして絹恵に襲い掛かった。
絹恵「ちょ、な、何やその『必殺技』ぁーッ!! 『いかりのてっつい』――!!」
突然の異次元攻撃にまごつきながらも、絹恵の反応は早い。
対抗して『必殺技』の拳を素早く槍に叩きつけ――
▼『いかりのてっつい』使用(3/3、セーブに+6、使用する度KPを-1)
▼自分:【基礎値+補正値+『10桁の数+10』】 対 相手:【基礎値+補正値+『1桁の数+10』】の判定を行います(0は10扱い、最大20)
絹恵:【18+6+『10桁の数+10』】
対
ゆみ:【13+10+2+『1桁の数+10』】
▼↓1
……
ありゃりゃ、なんだこの過疎は
もしかして真冬の寒さ再到来ですかね とりあえず続けます
ぐっ、と声が絹恵の口から洩れる。
何なのだ、この威力は。弘世菫の時もそうであったが、絹恵には今まで体験したことのない重みと速度であった。
絹恵「(こ、これが、これが『化身アームド』の、『人工化身』の真の力なんか――!?)」
これは、これは――止めようがない!!
圧倒的な程に、強いその『ちから』。絹恵の『必殺技』如きでは、とても対抗できない――!!
絹恵「(アカン……私、負けてまう……)」
大事な勝負なのに。
負けたくないのに。
勝たなければならないのに。
勝って、勝って――姉と勝負しなければならないのに。
絹恵「……ッ」
まるで絹恵の鉄槌を押しのけようとするかのように、『グングニル』は静かに力強く直進してくる。
既に、叩き落している彼女の拳にも限界が来ていた。
絹恵「(……終わり、か……)」
これで終わりなのか。自分は、自分は約束を守れないまま終わるのか……。
段々と力が抜け、目の前が暗くなっていく絹恵は――ふと、その声を聞いた。
洋榎「――……!!」
洋榎「――きぬ!! 絹ー!!」
絹恵「……ぁ、おねえ、ちゃん……」
彼女はアホみたいに声を張り上げ、
彼女は一人だけ観客席から身を乗り出し、
彼女は回りも気にせず必死の形相で、
彼女は――ただひたすら、自分の妹の勝利を願っていた。
洋榎「絹ー!! こんな所で負けたら……うちとの、うちとの約束はどうなんねーん!!」
洋榎「もっとしっかりせんかぁーい!!!」
絹恵「――」
絹恵は、その言葉を聞き――
コンマ一桁が
偶数:
奇数:
▼↓1
あー、一桁コンマでもか…
とりあえず今日はもう安価は終わりにして、サクっと試合終わらせましょうか
偶数:『いかりのてっつい』進化
奇数:
――そして突然、彼女の背後から『魔神』が消えた。
ゆみ「!? な、何だいきなり……」
絹恵「……そうや」
忘れていた。いや、厳密にはどこか遠くに感じていた。
絹恵は洋榎と戦う為に、今ココに立っているのだ。
それなのに……それなのに!! 『化身アームド』なんかが彼女の邪魔をする!!
絹恵「私は、私はなぁー!! 『化身アームド』も、『人工化身』もォ……!!」
背後から『魔神』は消えたが、しかし拳は今だボールを潰し続けている。
――いや。そうではない。彼女の拳はボールではなく、段々とその前の『フィールド』に叩きつけられようとしていた。
絹恵「興味はないんや! それなのに、どいつもこいつもどいつもこいつも――!!」
拳がボールではなくフィールドに激突し、そしてそこに大きなオーラの壁が出現した。
それはボールを止める為の物ではない。ボールをただ、『ゴールに入れない』が為の必殺技!!
絹恵「私とお姉ちゃんの、邪魔をしやがってぇぇぇ――ッッ!!! 『イジゲン・ザ・ハンド』――!!」
半円形の盾に沿って、ボールが勢いよく滑り出す。
やがてソレは絹恵の背後へと向かうが――しかし、ゴールに入ることはない。
ただ弱弱しい放物線を描いて、ゴールポストよりも後ろへと飛んでいった。
絹恵「ハァッ、ハァッ、ハァッ――」
土壇場での新技でのセーブを終えた絹恵が、肩で荒い息をしながら静かに立ち上がる。
そうだ。『化身アームド』だって、ソレに纏わる陰謀なんてどうでもいい。自分がこの大会でしたいことは、たった一つなのだから――。
絹恵「――ふぅッ!」
絹恵は大きく息を吸い、そして勢いよく吐き出した。
目の前に広がる景色は澄みきっていて、まるで彼女の今の心中を表すかのようだった。
【絹恵が『いかりのてっつい』を忘れ、『イジゲン・ザ・ハンド』を覚えました!】
もう今日は本編はここで終わりにして……少し皆さんに聞きたいことをば
前から思ってて、今日はっきり考えたんですけど
そもそも「五分間安価なしだったら>>1がそこ取る」って、もうコレ安価スレじゃないほうがよくないですかね
今日安価を取ってくれた方達には非常に申し訳ないのですが、この過疎率では正直安価スレでやる意味がないと思うんです
(まぁ根本の原因は、>>1がどっかで安価システム的に人が来ないように作っちゃってる&京太郎スレじゃないってことなんでしょうけどね)
皆さんどうお考えですかね スレ立てて早々こういう話になって申し訳ないですが、今日試合中二連続コンマ>>1は流石にちょっと……ね
因みに予定では後これを除いて三戦(二回戦、決勝、???)やる予定ですが……この人数じゃあ安価でやるより非安価の方が明らかに(普通の安価スレと比べても)効率いいですよね……という話です
……どうなんでしょ?
それではお疲れ様でした 是非ご意見お願いしますね
ずっと張り付いてるわけじゃないんだし、
5分だと反応できないんじゃねって感じはする
>>31 それはそうかもしれないんですが……前スレでもちょくちょくあったんですが、流石にコンマ安価が五分掛かるのは……はい
どうもっす
今日一日考えましたが、後ちょっとで終わるしとりあえず最後までガッと非安価でいくことにします 次やりたいものもたくさんありますしぬぇ
では再開します
トーナメント第一試合、対『金槌スピアーフィッシュ』。
絹恵が新技『イジゲン・ザ・ハンド』に目覚めたといっても、しかしまだ試合は終わらない。
蒲原「――カズカズ!」
絹恵「セイッ――!」ビュッ
前に向かって走る蒲原の言葉を聞いた絹恵が――何故『イジゲン・ザ・ハンド』で背後に吹っ飛ばしたはずのボールが、手元にあるのかは正に謎ではあるが――ボールを勢いよくスローする。
かまぼこの彼女は投げられたボールを上手くトラップし、さらに左にいた智葉に向かってパスをした。
蒲原「智ちん、パスだ!」ドッ
智葉の足元に向かって向かう綺麗なインサイド・キック。
その狙いは正確そのものだったが、しかし。
モモ「甘いっすよ、元部長……!」
蒲原「!?」
智葉と蒲原の間に割り込むようにして、正に『出現』したモモが難なくパスカットに成功した。
完璧なインターセプト。そしてそのままモモは再び消え――向かう先は絹恵と数絵の待つゴール!
絹恵「来るか……!」
数絵「いえ、通しません――!」
再びやってくるであろうシュートに備える絹恵の前に、数絵がざっと立つ。
ボールの行方やそもそもモモが今どこを走っているかさえ数絵には分からないが、それが分からなくてもディフェンスはできる。数絵は静かに目を閉じ意識を別の方向へと向ける――集中させる感覚は、触覚!
数絵「(皮膚の感じ、流れる空気の層――変わる筈だ、絶対に……!)」
いくら目に見えなくとも、耳に聞こえなくとも。
流れる風の動きだけは、消すことはできまい――ッ!!
数絵「……そこッ!! 『旋風陣』!!」シュンシュンシュン
モモ「なッ……!」
一瞬の風の動きを読んだ数絵が、『必殺技』でモモからボールを奪い取る。
この試合で、南浦数絵は初めてステルスを破ったのである。
絹恵「凄い! 数絵ちゃんナイスディフェンス!」
数絵「行きます――!」ダッ
絹恵の感動の声を背にしながら、数絵がドリブルで敵中へと突っ込む。
ハーフラインを越え、そのままゴール前までボールを運ぼうとするが――しかし。
モモ「――今度は、こっちの番っすよ!」スゥ
数絵「!! 来ましたね……!」
一瞬数絵の前にモモが割り込んだかと思うと、すぐにソレの気配は消え失せた。
しかし、今数絵の周りにいることは確かである。
数絵「(おそらく、パスをしようとしても阻まれて終了でしょう……ここは、ドリブルで運ぶ!)」
見えない相手に一対一の勝負を挑むことを決めた数絵は、その場で身構えながらも静止する。
一方モモの方は、この勝負に対して絶対の自信を持ちながら数絵と対峙していた。
モモ「(何せこっちの姿は視認されてないし……さらに、今回はさっきのドリブルとは違ってこっちが守る側!)」グッ
相手が皮膚に感じる風圧の感覚を頼りにするといっても、それはあくまでも激しく動いた場合のみである。
静かにボールだけを奪い去ることができれば勝利は確定し――そしてそんな方法を、モモはいくらでも知っていた。
モモ「(この勝負、貰った……!)」
モモはそう思いながら、一息に数絵の持つボールへと迫る。
最低限以上の風は切っていない。周りもボールの行方に集中しているのか酷く静かで、聞こえるのは自分と相手の心音だけ――!
モモ「……心音?」
数絵「――!」
そう。
数絵が今読んだのは、風ではない。相手の心臓から微弱に流れる音――鼓動の音(ハートビート)!
数絵「『アグレッシブ……ビート』!!」
モモ「な、何すかその滅茶苦茶な『必殺技』はぁ――ッ!!」
いくら気配を消そうとも、その鼓動までは消せない。
『アグレッシブビート』はその心音の差や一致部分を利用し、相手を抜きさる『必殺技』である……わっかんねー、全てがわっかんねー。
とにかく数絵はモモを抜き去り、そのまま阻むものも無く智葉にパスした。
智葉「フッ……他愛なし、か……」
泉「ヒェッ……!」
智葉「『伝 来 宝 刀』――!!」
泉「フェ、『フェンス・オブ・ガイア』!!」
下からの刀の切り上げと、土塊の盾とがぶつかり合う。
伝来宝刀の一閃は、『化身アームド』で造られた土の壁を切り裂き――ゴールにたやすく飛び込んだ。
智葉「……他愛なし」フッ
絹恵「い、言いたかっただけでしょうソレ……」
【GOAL!!!!】
【リベンジャーズ】 1―0 【金槌スピアーフィッシュ】
【試 合 終 了!】
【トーナメント:第一試合終了】
【トーナメント表】
■
┏┓
洋┛┃
┣┓
衣┓┃┃
┗┛┃
■ ┃
┣
絹┓ ┃
┗┓┃
■ ┃┃
┣┛
久┓┃
■
絹:『リベンジャーズ』:絹
久:『りつべ高校学生議会一同』:久
洋:『関西電気保安協会』:洋榎
衣:『フルムーン・コロタンイェイ』:衣
―???―
博士「やれやれ、結局私の『人工化身』のチームは残り『りつべ高校学生議会一同』だけとなってしまいましたか……」
博士「あの忌々しい愛宕姉妹のチームも敗退していないようですし、そろそろ『例の作戦』の準備をしておいた方がいいでしょうかねぇ」
白衣の男はそうぶつぶつと呟いた。
あの女子プロ達にアジトと支援者達との繋がりをぶち壊されたお陰で彼は半ば『詰み』の状態と化していたが、しかしまだ残っているものもある。
それはコピーロボッツと、彼自身の知識と能力である。この二つさえあれば何とか生活はできるだろうし、何より――……。
博士「(……『例の作戦』さえ成功すれば、また私を匿ってくれる所はいくらでも見つかるでしょう……)」
辻垣内 智葉は努力第一主義の女だったが、世界の人間全員があんな風である筈は当然無い。
自分の能力を買ってくれる人間は、この世に腐るほどいるのだ……。
ロボ1「あのー、博士?」
博士「……どうしたのですか、ロボッツ」
ロボ2「我々は、その『例の作戦』っちゅうヤツが始まるまでに何してたいいんだロボ? サッカーバトルの練習でも……」
博士「ああ、そんなのは必要ありませんよ。作戦中にアナタ達の大幅なパワーアップを行いますので……何しろ、それも『作戦』の一部なのです」クックック
ロボ3「……そうロボか……」
白衣の男はその時気づくことができなかった。いや、本当はもっと昔から彼らが発しているサインに気づくことができなかった。
チームロボッツ達が、その哀れな鋼鉄の塊達が彼の言葉に酷く悲しそうにしていたことを――。
絹恵「あああ」
絹恵「ああああああ」
絹恵「あーッ!! あーッ!! あーッ!!」ゴロゴロゴロ
智葉「……カズ、縄は」
数絵「ここに」サッ
智葉「蒲原、ガムテープは」
蒲原「ちゃんと、皮膚に貼ってもかぶれないやつを選んできたぞー」ワハハ
智葉「よし」グルグルグル…
絹恵「んがもごぁ――ッッ!!」ジタバタ
……そう。
この冒頭の流れだけでお分かりいただけただろうが、今日は洋榎達『関西電気保安協会』のトーナメント第二試合である。
彼女達の今日の相手は、天江衣率いる『フルムーン・コロタンイェイ』……洋榎達がグループリーグで敗北した『カミノミゾシル』に勝利したチームである。
数絵「私たちみたいに二戦目がグループリーグで負けた相手というのも嫌ですけど、それに勝ったチームが来ても嫌ですね……」
絹恵「んもがーッ!!(それを言うなぁーッ!)」バタバタ
事実をつきつけられてじたばたともがく絹恵を他所に、試合開始何分か前の笛が鳴った。
愛宕洋榎の第二試合、果たしてその結果は如何に――。
『フルムーン・コロタンイェイ』のフォーメーションは、チームメンバーのキャラの濃さに比べて非常にシンプルである。
『F-アタッカー』。『ゴッドファイブ』の天江衣を先頭に、龍門渕透華と姉帯豊音をバックに副える基本的陣形。
だからこそ、観客も相手選手もその戦法を読みきることは容易である。
洋榎「清水谷! 天江衣を超マークや!」
竜華「了解!」ダッ
怜「(超マークって何やろか……)」
試合開始と共にボールを先取している『関西電気保安協会』内でそんな指示が飛び、素早く竜華が衣に張り付く。
圧倒的マンマーク。衣一人の自由を封じるプレイングであった。
衣「むー、つまらんぞー。衣を自由にさせろー!」プンスカ
竜華「そ、そんなこと言わんといてや……私だって本意じゃないねんから……」
とはいえ、天江衣を自由にしていれば彼女達は間違いなく負ける。
竜華という防御の要を捨ててまで行う、ある意味苦肉の策であった。
洋榎「園城寺! 清水谷がマンマークつけてる間にはよ終わらすで!」
怜「あの、だから超マークって何……」
洋榎「そんなん今どーでもええやろ!!」
ぎゃーぎゃー言い合いながらも、二人はハーフラインを越えて相手ゴールまで突進する。
胡桃「(何あの二人……馬鹿みたい!)トヨネ! ブロック!」
豊音「はーい」ヌゥッ
洋榎「うおッ!」
『フルムーン・コロタンイェイ』のゴールキーパー鹿倉胡桃の言葉に反応して、洋榎達の前に巨大な壁が立ちはだかる。
姉帯豊音。197センチの身長を持つ、同チームの選手である。
洋榎「チィッ……何でコイツがゴールキーパーやなくてディフェンスやねんッ!」ダッ
豊音「だってサッカーバトルじゃ身長あんまり関係ないしー……ってそうじゃなくって。止めちゃうよー」バッ
洋榎「むぎゃーッ!!」
155センチの洋榎と比べると40数センチも身長差がある為、彼女が与える圧迫感は途方もないものである。
その上両腕を広げてプレスをされると、これはもう隙が出ざるを負えず――
豊音「そこだよーっ……『ザ・タワー』!!」ゴゴゴッ
洋榎「げぇーッ!?」
その一瞬の気の遅れを捕まえられた洋榎は、あっさりと電撃を放たれボールを奪われた。
『ザ・タワー』。巨大な塔の上に登り、何故かその天辺から電撃を放って相手ボールを取る『必殺技』である……この技を見るといっつも不思議に思うのだが、何故いちいち塔に登ってから電撃を撃つのだろうか。いやまぁいいけど。塔子ちゃん強いから好きだし。
豊音「えーっとこの次は、どうしよっかなー……」
怜「(ぐっ……足が長いと相手のボールを奪うのも一苦労やな……!)」
ただでさえディフェンスの下手な怜がそう唸る中、豊音の背後から胡桃が叫ぶ。
胡桃「トヨネ! もういいから、さっさと決めちゃって!」
豊音「……はーい! じゃあここから……せいッ!」
胡桃のその言葉を聞いた豊音が――ハーフラインを越えるかどうか、程度の位置からシュート体勢に入る。
竜華「げ、また嫌な予感が……花田!」
煌「はい! 勿論頑張らせていただきますよー!」
――ところで、皆さんは獣の数字と言うのをご存知だろうか。
『新約聖書』の『ヨハネの黙示録』に記述された一つの表記。人を指すとも言われるその数字は、666。
豊音「――これがホントの六曜……なんちゃってー……」
静かに呟きながら、豊音がフィールドに召喚された崖になった道を走っていく。
背後には月。しかもソレには、一切の欠けすらも見あたらない満月だった。
豊音「『ビースト――ロード』!!」ドシュウウウン
狼の遠吠えを響かせながら、豊音がボールを相手ゴールに向かって蹴り落とす。
そしてその直線状には――先程から奇妙に黙ったままの、龍門渕透華!
竜華「やっぱり『シュートチェイン』かぁー!?」
透華「『ノーザン、インパクト』……」
獣の力を纏ったボールを前に置きながら、透華が一瞬そのボールを凍結させる。
そしてそのまま後ろ回し蹴りを放ち、ボールは煌の元へ向かう。
『シュートチェイン』。シュートとシュートの、究極の足し算――!!
煌「ここは新技で……ッ!! 『ムゲン・ザ・ハンド』ォ――ッ!!」
後光(きっと聖人で大天使だからだね!)のようなものが煌の背後で差し込むのと共に、大量の黄金の腕がボールを掴みとる。
煌が以前の試合で発見したこの新技は、今日も絶好調であった。
煌「よし、止めました……!」バシュウウン…
ボールをガッチリとキャッチした煌だったが、しかし彼女の挙動はゴールスローをする際に少し止まった。
何せ豊音は怜と洋榎からほぼ同距離におり、しかもどちらにも接近してボールを奪えるだけの距離的余裕があるのだ。
先程のようなことを繰り返していれば、おそらく自分の気力が尽き果ててしまうだろう――と、煌が思ったその瞬間。
竜華「――花田! こっちや!」ダッ
煌「えっ!? ……了解しましたぁっ!!」ブンッ
突然マンマークを止め前に走り出した竜華に煌は面食らったが、しかしすぐに状況を察しボールを投げる。
竜華は豊音のディフェンス能力が高いと見るや、一気に攻めて勝負をつけるつもりなのであった。
竜華「怜! 洋榎! 今回は私主導で行かせてもらうで!」
怜「えー、『ザ・フェニックス』はー?」
竜華「多様は怜の体に悪影響なので、今日は封印します! 洋榎!」
洋榎「あい……よッ!!」シュン
竜華と洋榎はそう言葉を交わすと唐突に空へと飛び、そして同時にボールを蹴る。
竜華「『ユニコーン』……」
洋榎「『ブースト』!!」
紫色のオーラを纏い、ボールが飛ぶ。
二人で重ねたシュートが相手ゴールに向かって突き進むその様子は、まるで獰猛なことで知られる一角獣のようであった。
衣「胡桃!」
胡桃「分かってる! さっさとブッとばしちゃうからねっ!」
言いながら胡桃はゴールの端まで移動し――そして、突然ゴールポストの中央向かって走り出しやがて飛んだ。
跳躍しながら伸ばす右拳と、『ユニコーンブースト』のボールが激突する。
胡桃「――『ぶっとびパンチ』ィィィッ!!」
ボールはめり込んだ拳によって弾かれ、胡桃の手元へとゆっくり落ちる。
そう。胡桃は見事ボールをセーブすることに成功した……ということは、つまり。
洋榎「あ、ヤバ」
胡桃「衣――ッ!!」ブンッ
衣「えいやっ」ボムッ
ロングスローを衣が受け止め、そしてそのままシュート体勢へと入る。
勿論、『関西電気保安協会』のディフェンスもマーカーも不在であり――
衣「しかも獣の道が拓いたお陰で今は満月――僥倖だ! 千手のごーるきーぱー、行くぞ!」ビュッ
煌「ま、マズいかもですねぇー!?」
『ビーストロード』の影響で満月の力を得た衣はそう吠え、そして天へと舞う。
その背中からは麻雀やってる時に生えるあのぐわんぐわんした腕の代わりに、六枚の天使の羽が生えていった。
衣「――建御雷神。雷の神の力を受けよ!」
煌「な、なんという――」
竜華「――」ダッ
言葉の通り、まさに神の如し神々しさを放つ衣の六枚の羽が華麗に広がる。
空中に浮かんだボールがそれに合わせて雷を纏い、そして――
衣「『ゴット――ノウズ』!!」
シュートの素早さよりかはむしろ神の荘厳さを以って、ゆるやかに放たれた。
しかしその威力は並みのものではない。煌は額に脂汗を浮かべながら両手を合わせ――
煌「『ムゲン――」
竜華「――『ボルケイノカット』ォ!!」
――る寸前、竜華が迫り来るシュートに向かって炎の壁を作った。
本来ならば相手からボールを奪うためのそのブロック『必殺技』だったが、これでも一応ボールの威力は下がる。
竜華「花田!」
煌「竜華さん、すばらですよーっ!! 『ムゲン・ザ・ハンド』――ッ!!」
若干威力を減退させた神の雷を、無限に伸び行く黄金の掌が止める。
先程のシュートチェインよりも何倍も時間は掛かったが、しかし最終的には煌はシュートを止めた。
そうして手の熱さを冷ます為にしばらくボールを握ったままでいる彼女に対し、竜華が勢いよく頭を下げる。
竜華「……ごめん! 私が勝手に出しゃばった所為で!」バッ
煌「いえいえ、こうしてシュートを止めるのを手伝ってくれただけでもすばらです……それに、言ってたじゃないですか。怜さんと二人でゴール前まで攻めたい、って……」
竜華「え、いや、でも……それは……」
あのサドでマゾという複雑な性癖を隠し持ったネタキャラである白衣の男の顔を思い出しながら、竜華がうつむく。
煌はそう言うが、チームの勝利の為にはマンマークにつくことこそが一番理想である筈で――。
洋榎「……別に、ええんちゃうか? 自分達のやりたいことやって、勝てた方がええやろ」
竜華「え」
怜「そうそう。大丈夫や、いざとなったら『化身一発』を飲んでやな……」
洋榎「やめんかコラ」
竜華「……」
竜華はその時、自分が考えすぎだったことに気づいた。
そうだ。サッカーバトルは確かにチームプレイが重要視されるが、しかしその中で動いているのは人間である。自分である。
だったら。
竜華「(だったら……自分のやりたいこと、やらんとな……!)」
竜華「花田! 私にボールを!」
煌「はいっ!」シュン
ボールを受け取った竜華は、そのまま勢いよく前へと進んでいく。
豊音「行かせないよー」ニュッ
竜華「(来たな……!)」
豊音が立ちはだかるのを見て、竜華は静かにドリブルの動きを止める。
彼女に対する対抗策はあるが、その為にはまず相手に先に『必殺技』を使ってもらわねばならなかった。
胡桃「トヨネ! 早く!」
豊音「うん、それじゃあやってみるけどー……『ザ・タワー』!!」ズモモ
竜華「――そこやっ! 怜、お願いっ!」
怜「よっしゃ、久しぶりのぐるぐるタイムやで……っとお!」ガシッ
豊音が巨大な塔を召喚したタイミングに合わせて、竜華も『必殺技』を使用する。
怜に腕を掴まれ回転した竜華はその勢いを使って飛び立つ――背中から羽を生やしながら。
竜華「目の前に高い塔が立ちはだかるなら――それよりも、高く跳んでまえばええんやーっ!!」バッ
豊音「ええっ、そ、それは困るよー」ワタワタ
豊音が慌てて放ってくる電撃を巧みに回避しながら竜華が塔よりも上、太陽を背にして羽を広げる。
その眩しさを前にして豊音が目を伏せた瞬間、竜華は既に彼女の前を通過していた。
竜華「――よし、通過成功や! 怜! フェニックスでお願い!」バムッ
怜「むふふふ、やっぱりあのカッコよさには抗えへんか――よし、いくで!」
二人「「応!」」
怜の言葉に合わせて三人はそれぞれ別方向から炎の線をフィールドに刻み――そして、不死鳥がその場に現れた。
天高く舞う炎の不死鳥。
豪炎を纏いながら相手ゴールへと飛び込むその不屈の精神は、今日一日空へと近づいた誰よりも高く、素早く天を舞ったという――。
【GOAL!!!!】
【関西電気保安協会】 1―0 【フルムーン・コロタンイェイ】
【試 合 終 了!】
透華「……はっ!」ガバッ
衣「おー、目覚めたか!」
透華「試合は!? 試合はどうなりまして!?」
豊音「負けちゃった……」
透華「!? ……何ということですの!? まさかこの龍門渕透華が試合を一秒ともプレイすることなく負けるとはーッ!!」ギャーッ
ってところで今日は終了ですかねー
とりあえず安価から非安価になりましたので、後数日のびのびやらせていただきます
後本当にちょっとなのでエタる心配は皆無です 安心して暇なときにごらんになってくださいませませ
ではまた次回ー
どもっす
書いてたら遅くなりましたが、とにかく「対議会戦」です
洋榎達の試合から少し経った後。
今日はトーナメントの二戦目、絹恵達『リベンジャーズ』対『りつべ高校学生議会一同』という正にリベンジ戦であった。
絹恵「……さて! 今までの練習の成果、ちゃんと出しましょね!」
智葉「相変わらず、自分の試合の時だけ緊張しない奴だ……」
数絵「一回負けてる相手なのに、お姉さんの試合よりの方がおかしくなってますもんね……」
やる気満々の絹恵だったが、しかし相手は前回完敗した『りつべ高校学生議会一同』である。
いくら以前の対『金槌スピアーフィッシュ』戦で同じ化身アームドに勝利したとはいえ、そもそも学生議会一同とはベースパワーが違うのだ。
絹恵「(それにまぁ、勝ったとは言っても加治木先輩には一回シュート決められかけてるし……)」
絹恵「(『イジゲン・ザ・ハンド』を発動できんかったら、ホンマに負けとったしな)」
絹恵はそうやって一瞬ネガティブになりかけたが、問題はそれだけではない。
智葉達攻撃陣もまた、『りつべ高校学生議会一同』の堅いディフェンスに対して苦戦を強いられること必死であった。
智葉「(完璧なコンビネーションから発動されるキーパー技の『デュアルスマッシュ』……あの守りを砕けるのか……?)」
不安要素は多々あったが、しかしそれでも時間の針は進み試合開始の時間となる。
『リベンジャーズ』対『りつべ高校学生議会一同』の試合が、今始まるのであった――!
菫「化身、アームド……!」ゴッ
智葉「来るか……!」
試合開始直後から『プラズマシャドウ』の力を発現させた四人は、静かに絹恵達と向かい合った。
ボール先取は『りつべ高校学生議会一同』。アームドし終わった筈の菫はボールを足に静かに持ったまま、いや他の三人も含めて何故かその場から動こうとしない。
智葉「どうした、動かないのか?」
菫「……智葉。私はな、本当は分かっているんだ」
智葉「何を……」
菫「私達の『化身アームド』が人工の、与えられた物であるということをな……」
智葉「!!」
驚いた顔をする智葉をよそに、黒と赤の鎧を纏った少女は静かに言う。
菫「お前は知っていたんだろう? この『化身アームド』のことを」
智葉「……ああ」
菫「ふふ、やはりそうか……なぁ、智葉。こんなことを言えばお前は怒るかもしれないが、私はこの力、それ程嫌ではなかった」
智葉「人工のものであったと、してもか……」
菫「私はな、智葉。勝つことが、サッカーバトルそのものと同じぐらい好きなんだ……いや、負けるのが嫌いなんだよ」
智葉「……」
菫「酷く汚い話をするぞ……私はな、その勝利の為なら選手のモラルなんてクソ食らえだと思っているんだ」
智葉「菫、それは」
菫「私は愚かか? 間違っているか? ……そうかもしれないな。だが――」
菫はそこで片足を前に出し、智葉達を強い目つきで見た。
菫「――私達の覚悟は、分かってもらえただろう」
智葉「……よく、分かったよ」
菫「そうか……ならば、行くぞ!!」シュン
菫はそこまで言うと、ボールを勢いよく天に放り上げた。
背後に出現するのは巨大な弩弓。絹恵を吹き飛ばした、あの必殺シュートが牙を剥く――!!
絹恵「来る……!」
菫「――!!」
振り上げる足は、まるで張り詰めた弦のようであり。
その前にあるボールは、まるで鋭い一本の矢のようであり。
菫「『バリスタ……ショット』!!」バシュウウウン
強大な弩砲が、音を立てて矢を飛ばした。
ボールが鋭く突き刺さろうとするのを前にして、絹恵は左拳を唸らせながら跳躍し――
絹恵「『イジゲン・ザ・ハンド』――ッッ!!!」
地面に叩き付け、丸いオーラのフィールドを作り出した。
黄金の壁が弩砲の一撃と激突し――やがて、柔らかくゴールの後ろへとボールが飛んでいった。
絹恵「よしッ……止めれたで!」
菫「ほぉ、やるじゃないか。この前とは一味違うな」
絹恵「(さて、次は……)」
初っ端のシュートを何とか受け止めた絹恵は、そこでフィールドを見渡す。
確かにこの一撃を受け止めれたことは大きいが、しかしだからといって『りつべ高校学生議会一同』の攻略ができるという訳でもない。
絹恵「(相手の固い守りを破る為には、一体どうやったらええんや……)」
一瞬PK戦の存在が絹恵の頭を掠めるが、しかしそれは最後の手段であろう。
何しろ、これから試合終了までに果たして自分の気力がどれだけ消耗しているかなど分からないし、そもそも智葉と『化身アームド』した久の『デュアルスマッシュ』ではおそらくほぼ互角。
絹恵「(まぁ多分、辻垣内先輩が勝てるんやろうけど……とにかく、この時間中に連続でシュートを決めてゴールを破るのが一番いい……!)」
絹恵「……蒲原先輩!」シュン
そう心に思った絹恵は前にいた攻めの核の内の一人、蒲原に向かってボールをスローした。
蒲原はそれを上手くトラップした後、素早くボールを蹴り飛ばして言う。
蒲原「ワハハー、『RCシュート』だぞー!!」ギュウイン
四つのボールがラジコンのタイヤとなって、土埃をあげながら激しくフィールドを爆走する。
それがハイ・スピードを保ったまま、芝生に引っかかり一瞬空を浮かんだ瞬間――
久「――美穂子、行くわよ!」シュン
美穂子「はいっ!」シュン
二人「『デュアルスマッシュ』!!」スパァァァーン
久と美穂子、双方から飛んでくる蹴りによってラジコンはベッキベキに砕かれた。
このスレ始まって以来、もうかなりの回数を重ねることとなった残虐非道の超次元ラジコン破壊である。嗚呼恐ろしい!
蒲原「ぐっ……や、やっぱり無理かー……」
久「菫! 速攻!」シュン
智葉「――そうは、させんッ!!」ダッ
菫に向かって投げた久のゴールスローを、途中で智葉が素早くカットする。
さしもの『化身アームド』とはいえ、誰かに向かって空中に投げられたボールまでは強化できない。智葉はインターセプトに易々と成功した。
インターセプトに成功したその場所は『りつべ高校学生議会一同』のゴール前、すなわち智葉のシュートコース内――!
智葉「行くぞ、『りつべ高校学生議会一同』!」
久「あらら、この位置からのシュートはちょっとマズイいかもしれないわね……美穂子! まこ! アレで行くわ!」
美穂子「三人技ですね……行きましょう!」
まこ「あいあい、ようやくわしの出番ってわけか」
言いながら二人は久の左後ろと右後ろに立ち、三人で拳を天高く掲げた。
智葉「――『伝 来 宝 刀』――ッ!!!」スパァァァーン
久「『ゴッドハンドトリプル』――ッ!!」
三人で作り出した巨大な黄金の掌が出現し、前へと突き出される。
刀の一閃と、それを包み込むかのような掌が激突し――やがて、静かにボールはその動きを止めた。
辻垣内智葉の『伝来宝刀』は、絹恵の経験の中でも最強の『必殺技』は『りつべ高校学生議会一同』の三人によって止められたのであった。
絹恵「――嘘」
蒲原「智ちんのシュートが……」
数絵「止められた……?」
一同が攻撃手の失敗に唖然とするが、しかし試合は終わるはずもない。
智葉「……おい、絹! シュートが来るぞ!」
絹恵「え」
菫「そこッ……『バリスタショット』ォ――!!」
絹恵「ッ!!」
弩砲が再び唸りをあげ、絹恵に襲い掛かる。
智葉の言葉によりそれに気づいた絹恵は、再び拳を地面に叩き付けた。
絹恵「『イジゲン・ザ・ハンド』……!」
黄金の膜が、再びボールを後方へと弾き飛ばす。
危ういところでシュートを止めた絹恵に、智葉が言った。
智葉「絹! お前はキーパーだ! 自分のやるべきことを理解しろ!」
絹恵「で、でも先輩のシュートが……止められて……!」
智葉「そんなことはどうでもいい!」
絹恵「ど、どうでもいいって……」
動揺した様子の絹恵に、智葉はニッとクールで素敵な笑顔を向けた。
智葉「――大丈夫さ。安心して、お前はゴールを守れ」
絹恵「……はい」
絹恵はそう言ってうなずいて見せたが、しかし心中の不安は晴れることなく。
まるでその心の中に浮かんだ不安の雲を象徴するかのように、試合はPK戦へと突入してしまった――。
……
…………
智葉「……」
PK戦前の休憩時間中、智葉はベンチに座って静かに俯いていた。
汗が顎を伝って落ちていくのを感じる。先程絹恵達に向けた言葉や、無理に作った自分の笑顔が頭に浮かんだ。
智葉「(どうなっている……)」
荒い息を一人で静めながら、智葉は歯をぎりりと食いしばった。その場にチームメイトがいなければ、おそらく彼女は拳で自分の膝を殴っていただろう。
それほどまでに、彼女は悔しかった。よもや自分のシュートが決まらないまま、PK戦に入ってしまうとは――!!
智葉「(何故だ、何故決まらない……何故入らない……! 全力のシュートの筈だ、全力の……!)」
非常に人聞きの悪い言い方をするのなら。
辻垣内智葉が普段他人に見せる高校生とは思えないような余裕と自信は、その溢れんばかりの強さが源になっている。
それは決して傲慢などから来るものではない。傲慢とは自信の上に他者を見下すものであるが、決して彼女はそんなことをしない。
しかし『傲慢』と彼女のような『強者の寛大』、どちらも弱点は同じである――自信を砕かれれば、それらは酷く脆い。
智葉「(……悔しいな。負けることが、自分の手ではどうにもならないことがこんなに悔しいとは……)」
勿論今まで彼女が敗北を知らないわけではない。しかしそれは今まで格下だった相手に対しての油断であったり、自分よりも圧倒的な強者に対する挑戦であったりしていた。
つまり、どちらも――これまた人聞きの悪い言い方をすれば――言い訳のできる状況での敗北だった。
だが、今回は違う。『本当に』全力を尽くしているシュートが、一発たりとも入らない。
絹恵「……」ジーッ
智葉「……絹、か」
そういった初めて体験すると言っても過言ではない苦しみの中にいる時、智葉はふと目の前に絹恵がいることに気づいた。
いや、絹恵だけではない。数絵も蒲原も、『リベンジャーズ』のメンバー全員が彼女の前に集まっていた。
自分に向けられる六つのその瞳から逃れるように彼女は目を伏せた。ずっと見てきたその優しい視線達を直視していると、まるで智葉の弱い部分まで見透かしてしまうようだったからである。
絹恵「……PK戦、相手の先蹴りに決まりました」
智葉「……そうか。すまんな、流石に少し疲れたらしい。今は一人にしてくれ」
絹恵「……」
智葉「……」
絹恵「……」
智葉の言葉に、絹恵達は従わなかった。何故かただ黙って、三人揃ってその場に立ち続けている。
しばらくの沈黙の後、智葉がもう一度口を開いて言った。その声はまるで彼女の少しの弱気と少しの苛立ちと、そしてそういった感情を見せまいとする意地が混ざり合って、少しだけ震えていた。
智葉「だから、少し一人にしてくれると助か――」
絹恵「辻垣内先輩」
智葉「…………何だ」
絹恵「シュート、入れる自信がないんですか?」
智葉「――」
その一言を。
その一言を聞き、智葉は自分の中の恥部が全て曝け出されたような気分になった。
彼女は顔を勢いよく上げ、そしてその顔を真っ赤に染めた。先程までずっと溜め込んでいたはずの感情の波が、堰を切ったようにどっと溢れ出る。
智葉「ない」
智葉「悪いか、私にだって出来ることと出来ないことぐらいあるさ。人間なんだから」
智葉「入らないんだよ。何回やっても、私の『伝来宝刀』は『ゴッドハンドトリプル』を超えられない」
智葉「おそらくこのPK戦だって負けてしまうだろう。相手の先蹴りだがそのシュートを止めようが止めまいが変わらないぞ、どうせ入らないんだから」
智葉「腹立たしくないのかって? そりゃあ腹立たしいよ、腹立たしいとも。『化身アームド』さえなければ私はシュートを決めれている筈なんだ」
智葉「あんな力さえ無ければ私は勝ててた。勝てていたんだ!」
黒いものも白いものも赤いものも青いものも。
数あまたなる『色』のついた感情がどんどんと智葉の口から吐き出される――が、それを止めることは既に他の『リベンジャーズ』はもとより彼女自身にもできない。
ただ今は、それら全てが吐き出されれるのが収まるのを待つしかなかった。
智葉「正直、何回も私は『化身アームド』を使おうと思ったよ……何せ勝てるんだから! 私だってあれを使えば、『戦国武神ムサシ』を使えば勝てるんだ!」
智葉「だがそれは使えない……三尋木プロとの約束だし、あの白衣の男が言うような弱い人間になってしまうからな」
智葉「だが使わないと勝てない! どっちにせよ私は終わりだ……」
智葉「情けなくないのかって? 情けないさ、情けないとも……私は他人の、お前らや他の人間からの期待にも一切答えられないんだぞ!?」
話している最中に、智葉の目の端には涙の粒が集まろうとしていた。
彼女は怒っていた。
『ゴッドファイブ』みたいな名前をつけて賞賛してくる馬鹿共にも、その名声を頼って自分に期待と信頼を寄せる愚かなる『リベンジャーズ』の連中にも。
そんな彼女のちっぽけなプライドを今打ち砕こうとしている『りつべ高校学生議会一同』にも、そして何よりもそんな矮小なプライドすらも守れない自分にも。
智葉「勝てないんだ、今の私では絶対に! だから『化身アームド』を使えばいい、でもそれだったら勝っても意味が無い!」
またそれと共に、彼女は酷く悲しんでもいた。
自分のことをロクすっぽ何も知らず勝手に期待と言う名の重圧を乗せてくる連中にも、その期待に見合うか見合わないかギリギリの部分でついてくる中途半端な実力にも。
そんな彼女の中途半端な実力を改めて思い知らせてくる『りつべ高校学生議会一同』にも、そして何よりもそんな実力にも関わらず勝ちたいと強く願う自分にも。
智葉「おかしいだろ、コレは! 何が起こってるんだ、何故私は勝てないんだ!? 何故『化身アームド』を使って勝っちゃいけないんだ!? 私は、私は――何がしたいんだ!?」
やがて、口から出てくる感情は特定の『色』を持たなくなる。
何かと何かの色が混ざり合って出てくる、酷く汚く複雑な感情達。哀しみと怒り、疑問と嫉妬、傲慢と自信――そういったものを智葉が殆ど吐き出し。
そして最後に彼女が俯きながら吐き出した感情は――
智葉「……頼む。私はどうしたらいいんだ? 教えてくれ……」
――酷く、弱弱しいものだった。
それは庇護を求めるようなものだった。
それは親が目の前から消えた時に泣き出した幼児が発するようなものだった。
それは、それは――そんな感情を、辻垣内智葉は今まで誰かに見せたことはなかった!
智葉「……」
彼女は俯きながら、真っ赤になった顔がさらに赤くなっていくのを感じた。
顔を上げれない。顔を上げれば、そこには自分のイメージを壊滅させるような感情達が今も空気中を漂っているに違いないのだから。
智葉「(……これは、何と情けない。何と恥ずかしい……!)」
しかし、全て真実だった。
勝ちたいのも真実、でも今のままじゃ勝てる自信がないのも事実。怒りも事実。悲しみも事実。そして――救いを求める、その弱弱しい声も事実。
そしてその真実達は――今まで智葉が必死に隠しておきたかったものを多数含んでいるのも、また真実。
智葉「……」
俯いたままの智葉には、絹恵達がどういう表情をしているのかが分からない。
もしかしたら急に感情を爆発させた先輩に呆れているのかもしれない。いや、頼りにしていた人間が壊れて焦っているのかもしれない。
どちら、いやそれ以外のどれにせよ智葉は顔を上げれなかった。感情は吐き出せても、彼女自身の矮小なプライドまでは吐き出しきれなかったのだ。
智葉「……」
絹恵「……先輩」
智葉「……」
全てを。
正に辻垣内智葉という一人の少女がこの勝負にかける思いの『全て』を聞いた絹恵は、静かに言う。
絹恵「このPK戦。私は、先輩に勝ってほしいです」
智葉「……」
絹恵「それは、先輩が『ゴッドファイブ』やからとかじゃなくて……その、ムカツくやないですか。私達のチームのエースストライカーが負けるなんて」
智葉「……でも、私は」
絹恵「分かってます。今の先輩じゃ無理なんですよね? だったら――」
智葉はそこで、何故か顔を上げた。
視線の先には先程吐き出した感情は空気中を漂ってはおらず、ただ太陽が照らす緑のフィールドと――その前で自分に向かう三人の少女たち。
彼女達は皆――満面の笑みを浮かべていた。
絹恵「――今から、もっと頑張ってください!」
智葉「――は?」
絹恵「だから頑張るんですよ! 一回目が駄目やったら二回目で、二回目が駄目やったら三回目! もっともっと頑張れば――いつかはシュート、決めれますって!」
智葉「いや、でも、それは」
無理だ、と智葉が言うよりも先に絹恵が言う。
絹恵「大丈夫……先輩がシュート決めるまで、私全部相手のシュート止めますから!」
智葉「――」
絹恵「先輩……勝ちましょうね。勝って、最強なのは『ゴッドファイブ』やなくて『リベンジャーズ』やって皆に言いましょうね」
ぎゅっと智葉の拳を握りながら、絹恵はもう一度笑って見せた。
智葉「……私は」
やがて主審が笛を鳴らし、PK戦の始まりを告げた。
智葉を除いた『リベンジャーズ』の瞳には、一切絶望的な色は宿っていなかった。
PK戦、先蹴りは『りつべ高校学生議会一同』。
シュートをする弘世菫と守る愛宕絹恵がそれぞれ所定の場所につくのを、少し離れた場所に立つ智葉は見ていた。
智葉「……」
いや、視線こそそちらの方を見ていたが、実際は先程の出来事のことしか考えていなかった。
絹恵が言った言葉。絹恵が向けてきた笑顔。あれは――……。
智葉「(もっと頑張れ、か……)」
このPK戦の間、たった数秒だけの間にどれだけ頑張れるというのだろうか。
そしてその頑張りは、自分にどれだけの力を与えてくれるというのだろうか。
智葉「(そういえば、私がシュートを決めるまで全て止めると言っていたな……よくもそんなことを言えたものだ……)」
菫「『バリスタショット』!!」
智葉「(まぁ、そういった心意気で頑張る、と言う意味なのだろうが……)」
智葉がそんなどうでもいいことを考えていた、その時。
突然観客たちが驚く声がして、智葉はふと現実に戻された。戻されて、そこで見た。
絹恵「……ぐ、ぐぐぐ……」ギリギリギリ
菫「……」
智葉「……何だ、ソレは」
絹恵は、先程智葉に向かって笑顔を見せた眼鏡のゴールキーパーは――『必殺技』を使わずに、菫のシュートを止めようとしていた。
智葉は一瞬その行動を諦めのものではないかと思ったが――しかし、すぐに理解した。
智葉「(アイツ、アイツは――本当に何回もシュートを止めるために、『必殺技』を温存しているのか――!?)」
必死な形相で弩から打ち出されたボールを、絹恵は全身を使って何とか止める。
グローブは摩擦で擦り切れ、ボールと接触した地肌は血だらけだったが、しかしシュートを止めた絹恵は元気よく叫ぶ。
絹恵「よォーし!! どうや! 止めたったで!」
絹恵「次はこっちの盤や! 見とけー!」
智葉「……絹。お前、お前は……本当に……」
彼女は本当に勝つ気だった……いや、智葉に勝たせる気だった。
全てを、智葉に託すために絹恵は勝負に出たのだ。
智葉「――何と、いうことだ……」
智葉はそこに大きな、今まで感じたことのない大きさの信頼の存在を感じたが――しかし、先程のように嫌ではなかった。
智葉「(勝てと言うのか……私に!)」
攻守交替の為にフィールドから出ていく絹恵が、少し笑ったように智葉には見えた。
フィールドに立ち、目の前にいるゴールキーパーの竹井久を智葉はじっと見る。
サッカーバトルのPK戦は、通常のサッカーとは違い二人や三人で行う『必殺技』がある為ペナルティキックのように相手チームの選手も前に並ぶ。
その中には当然福路美穂子や染谷まこの姿もある訳で――智葉は、無意識の内に自分の足が震えているのを感じた。
智葉「(緊張しているのか……私が)」
これもまた、久しぶりの感覚だった。
智葉は普段殆ど緊張はしない……その理由が自分の実力に自信であったのか、弱い相手に対して勝つ自信であったのかは今となってははっきりとはしないが、それはともかく。
そういったことを過去の出来事にして、今彼女は酷く緊張していた。
智葉「(絹に負担を掛けさせるわけにはいかない。なるべく早く勝たなければな……)」
息が荒い。
智葉「(……しかし、今の私にできるのか?)」
後ろから、左右から、いや正面からをも視線を感じる。
智葉「(『ゴッドハンドトリプル』を、私が……)」
絹恵「先輩!」
智葉「――」
緊張のあまり自分の感覚すらもおぼつかなくなりかけた智葉の耳に、背後からの絹恵の声が飛びこんだ。
一体何を言うつもりだ、と身構える智葉の耳に、絹恵の第二声が響きわたった。
絹恵「――頑張れー!!」
智葉「――」
智葉「……」
智葉「……フッ。たった、それだけか」
智葉「あれだけ怒鳴り散らした私が、たったそれだけの言葉で――」
それだけで。それだけで。それだけで。それだけで。それ、だけで――。
智葉「――十分だッ!!」
ボールを軽く上にあげ、智葉は静かに目を閉じた。
――そうだ。それだけで十分なのだ。使命も、勝利も、『化身アームド』もどうでもいい。
――頑張れれば、自分のやれることだけをすれば、それだけでよかったのだ。
ボールが地面に落ちて跳ねる音を聞き、智葉は脚を刀のように一度振るう。
智葉「(絹――私は、前よりも少しだけ頑張れたよ)」
智葉「『 菊 一 文 字 』ッッッ!!!」
蹴られたボールが菊の花びらのように華麗に一度『咲き』――そして、ゴールへと真っ直ぐ伸びていった。
ゴールを背にした智葉にはそのボールがどうなったかは分からなかったが、おそらく大丈夫なのだろう。
智葉「……綺麗だな」
ボールが放たれると同時に掌に載った菊の花びらの細い一枚。
それをじっと見て、智葉はそう言ったのであった――。
【GOAL!!!!】
【リベンジャーズ】 1―0 【りつべ高校学生議会一同】
【試 合 終 了!】
という訳で今日は終了です サッカーのルールとか殆ど何も知らないのにこういうの書くのが楽しくなってきました
もしこのスレが終わったとして次も別のスポーツを咲キャラにやらせたいなぁ、と思うときもあります
それではお疲れ様でした 多分今週中に終わる……といいな……
乙
咲キャラで勝負ものが書きたいなら、もっと原作みたいに熱い展開があった方が楽しいと思うよ
ただコンマ取って試合して終わりー
だから人が集まらないんだと思うし、咲キャラでやる意味ないってなる
テンブレだか、主人公、仲間、ライバルキャラ、とかちゃん作ったりしてストーリー練ったりとか
>>72
うひぃ 確かにもうちょっと練らんといかんざき……まぁでもホラ、流石に反省して次のスポーツもの? は非安価にする予定です
だから問題は安価以外の部分ですが……それは、その、いかんせん>>1のストーリー展開とかがヘタクソですから……うん……
(主人公とか仲間ってこれ以上どうしたらええんや……)ではやりますー
夜。
絹恵は一人、自宅のベランダから外を見ていた。
絹恵「……」
決勝戦を明日に控えた絹恵は寝付けずに、じっと星達がそこここにちらばる夜の闇を見ていた。
絹恵「(もう明日か……ここまで来るのに、何か色々あったなぁ)」
絹恵「(ただの大会かと思いきや『化身アームド』の騒ぎがあったり、あの変な白衣のおっさんが出てきたり……)」
そういった様々なややこしいことを払いのけ、ようやく絹恵は明日姉との対戦をすることになるのだ。
……と、そこでコンコンとドアがノックされるのを絹恵は聞いた。
洋榎「絹ー、おるかー?」
絹恵「そりゃ、こんな夜中にどっかには出かけへんよ……どうぞ」
部屋に入ってきた洋榎が、ベランダに出て彼女の隣に立つ。
共に会話はない。ただ黙って、二人揃って空を見上げた。
洋榎「……早く、寝んでええんか? 明日に響くで」
絹恵「お姉ちゃんこそ……」
そう言葉を交わしながらも、愛宕姉妹は寝ようとはしない。
思えば、不思議な関係である。彼女達は姉妹でありながら試合を約束したライバルであり、また互いの試合中では精神的な柱でもあった。
そんな彼女達が、今は二人で星を眺めている。これまた、彼女達二人の関係の妙でもあった。
洋榎「なーんか、ここまでに色々あったなぁ……」
絹恵「お姉ちゃん、それ私さっき言ったで」
洋榎「……ぬふふ、やっぱり姉妹で考えることは同じか」
絹恵「ほんまやね」
愛宕姉妹はそこでお互いに顔を見合わせて、ニッと笑った。
そこで笑う二人にはその瞬間、『化身アームド』や『人工化身』といった陰謀などは消滅したようにすら感じた。
洋榎「あのさぁ、絹」
絹恵「んー?」
洋榎「明日……ええ試合にしよな」
絹恵「――うん!」
……
…………
――そして、運命の日はやってきた。
えり「――さぁ、『全校サッカーバトル大会』もこれで最終戦! ついに頂点を決める決勝の時間となりました!」
えり「まず登場するは『リベンジャーズ』! エースストライカーの辻垣内智葉を筆頭に、強力な選手が揃います!」
えり「次は『関西電気保安協会』! 愛宕洋榎を含んだ、優秀な攻撃陣が揃います――」
えり「実はこの試合、お互いのチームに愛宕洋榎と絹恵両選手を含んだ姉妹対決でもあります!」
えり「これは非常に期待できる勝負となりますが――いかがでしょう、三尋木プロ!」
咏「うーん、そうはいってもー……わっかんねー」
えり「は、はぁ……(『人工化身』のアジト潰しが終わって、ようやく解説に来てくれると思ったらこれか……)」
えり「……と、とにかく! 今互いのチームがフォーメションを組み、試合開始の笛を待ちます!!」
――様々な人々の思惑を乗せて、思いを乗せて。
博士「チッ……結局『人工化身』の使えないあの屑チーム二つが残りましたか……」
博士「……ロボッツ! 準備はできていますね!」
ロボ1「……勿論ロボ。博士の命令には従うロボ……」
――しかし対峙する八人に、そのような外野の思いなど関係ない。
彼女達の中にあるのは、ただ勝ちたいというその勝利への純粋な欲求のみであった。
えり「さぁ、今ホイッスルが――」
洋榎「――絹!」
絹恵「――お姉ちゃん!」
えり「鳴った――ッ!!」
二人「勝負だッ!!」
――さて、と。
絹恵「(勢いよく初めてみたはええものの、実際お姉ちゃんところのチームとはちょっと相性悪いねんよな……)」
数絵「『旋風陣』――!!」ビュウン
怜「う、うわっ……」
洋榎「何しとんねん園城寺、はよ奪い返せ!」
いきなり激しい攻めを見せる『関西電気保安協会』を数絵が妨害するのを見ながら、絹恵は考えた。
相手チームはゴールキーパー以外が有効打を撃てる、攻撃型のチームである。洋榎の『つうてんかくシュート』、怜の『ザ・フェニックス』、竜華の『ユニコーンブースト』。
絹恵「(これだけ見れば攻撃偏重のチームのようにも見えるけど、実際は違う……花田先輩は『魔王・ザ・ハンド』と『ムゲン・ザ・ハンド』の両方を持っているから防御力も高いし、何より――)」
洋榎「よしッ、奪えた……絹恵、いくで! 『つうてんかくシュート』!」
絹恵「――!! 『イジゲン・ザ・ハンド』!!」
青いネオンサインを纏ったシュートを、絹恵は黄金色の半円を用いて止める。
絹恵「(何より、花田先輩が二つ『必殺技』を持っているということは――こうやって『必殺技』を使い続ければ私の方が先にガス欠になってまう、ということ……!)」ギュッ
ボールをがっちりと握る絹恵の額に、一筋の汗が流れる。
それは子供の算数であった。攻める手段も守る手段も多いチームと、どちらも少ないチームが戦えばどちらが勝つか。
絹恵「(明らかにマズイけど……勝つにはもう、攻めきってもらうしかないっ!)」
絹恵「蒲原先輩!」ヒュン
蒲原「――よーし! 行くかー!」
蒲原が絹恵からのゴールスローをトラップし、そのままラジコンを登場させる。
蒲原「『RCシュート』だぞーっ!!」
カッコいいぜラジコン。イケてるぜラジコン――まぁそれはともかく。フィールド内を爆走する赤い車が、煌の前まで滑り込む。
それを見た煌が身、構、え、るよりも先に――。
智葉「見よう見まねだが、少しやってみるか……!」ダッ
煌「!?」
蒲原「ちょ、智ちん何をしようと……」
智葉「シュートチェイン、『伝来宝刀』――!!」バキメキョ
蒲原「ああッ!? 私のラジコンがぁー!!」
何と! 最後の最後でラジコンを華麗に破壊したのは智葉だった! なんて残酷なことを!
しかし勘違いしてはならない。これはラジコンに、というか『リベンジャーズ』に対する反逆ではない。
『シュートチェイン』。シュートにシュートを重ね、さらに強化する『必殺技』の足し算――!!
洋榎「ロ、ロングシュートに重ねてきたんか……花田ァ!」
煌「はいはいーっ! いきますよー、『魔王・ザ・ハンド』!!」
快活な声でそう答えた煌が、紫色の魔王を背後から出現させる。
煌「でぇ――……いッ!!」バシーン
魔王「UGOOOOOOOAAAAAAAAAAA!!!!」
『伝来宝刀』と『RCシュート』が重なり合ったシュートに、煌は酷く苦労していたが――やがて、しゅるしゅるとその勢いを止めた。
竜華「よし、ナイスやで花田! 今度は私や!」
煌「はいッ!」ビュン
あっちが攻めたら次はこっち。試合はまさに、殴り合いのような様相を呈していた。
竜華がゴールスローを受け取ると、そのまま前へと向かい――そして洋榎と共に身構えた。
竜華「いくで、洋榎!」
洋榎「おっしゃあぁぁぁッ!!」
二人「『ユニコーンブースト』!!」
絹恵「……ッ!! 『イジゲン・ザ・ハンド』!!」
攻めに次ぐ攻め。
その猛攻撃に絹恵は、消耗すると分かっていながらも『イジゲン・ザ・ハンド』を使用してしまう。
二度目のシュートセーブ。今はまだ、彼女も余裕だった。
洋榎「チッ、やられてもうたか……! やっぱり絹はやるな……!」
絹恵「(ジリ貧になければ負ける……早いところ、花田先輩を削りきってもらわんとまずい……!)」
それも、絹恵が『イジゲン・ザ・ハンド』を使いすぎない内に――彼女は焦りながら、今度は智葉にボールを投げた。
智葉「よし、上手いぞ絹恵……行くぞッ!」バッ
竜華「やらすか……ッ! 『ボルケイノカット』!!」ビュン
シュートチャンスを掴みかけた智葉の前に竜華が立ち塞がり、炎の壁を作る。
竜華の操った火炎が巧みに動き、智葉からボールを奪い取った。
竜華「怜っ!」バシッ
怜「よし、一気に決めさせてもらうで――『アレ』を使うッ!」ダッ
絹恵「(アカン、攻めの速度が速すぎる……! まだ手の痺れが治まってへんのに……!)」
そして、おそらく怜が技を使うというからには――。
身構える絹恵の前で、三人の少女がそれぞれ一点に交わる。
怜「いくでぇ――!!」
絹恵「(状況、最悪――!!)」
この状況下で『ザ・フェニックス』を発動されるのは、絹恵にとって非常に都合が悪かった。
万全の状態の絹恵ですら、その三人技を止めれるかどうかは五分五分ということであったのに――今は『イジゲン・ザ・ハンド』を使った直後である。止めきれない――!!
絹恵「(でも、やるしかない……止めるしか――!!)」
怜「――『ザ・フェニック』――」
智葉「……うおおおおおッ!!」ダッ
『必殺技』を怜達が使用しようとしたその瞬間、前にいた筈の智葉が彼女達に向かって勢いよく走り出した。
といっても何か『必殺技』を使う算段がある訳ではない。おそらく彼女は、絹恵と同じく『ザ・フェニックス』を使われたら危ないという考えの元ほぼ無意識下に走り出したのだろう。
だからこそ――智葉は、炎の不死鳥に対して全身でぶつかりに行ったのだ。
智葉「うあッ……!」バシッ
絹恵「つ、辻垣内先ぱ――」
吹き飛ばされる智葉に向かってそう言いかけた絹恵だったが、勢いを殺された不死鳥が炎を纏って自分の方に吶喊するのが見え、慌てて拳を天高く掲げる。
絹恵「――『イジゲン・ザ・ハンド』ォォォォ――ッ!!」ガシィィン
三発目。
連続使用と強力な『ザ・フェニックス』という最悪の組み合わせだったが、しかし彼女はなんとか吹き飛ばされずに留まった。
不滅の炎によって焼け焦がれたボールをキャッチした彼女は、スローよりもまず慌てて智葉の元に駆け寄ってその安否を確かめた。
絹恵「だ、大丈夫ですか!?」
智葉「も、問題ない……大丈夫だ……」
弱弱しくそう言う智葉は、明らかに大丈夫ではなかった。
無理も無い。ゴールキーパーでも何でもない普通の人間が特に防御行動もせずに『必殺技』にぶつかれば、こうなるのも必然といえた。
蒲原「智ちん!」
数絵「辻垣内先輩!」
洋榎「つ、辻垣内……」
智葉「フフフ、何だこんなに集まって。別に死にはしないんだ、安心しろ……」
気づけば『関西電気保安協会』の一同すらも集まって、智葉を心配そうに覗き込んでいた。
その中の一人にいる絹恵は、強い語調で智葉を叱る。
絹恵「何しとるんですか、ホンマ! うっかりしてたら死んでますよ!?」
智葉「でも、死んでない」ニッ
絹恵「そういう問題やなくて……!」
智葉「――絹」
傷ついている智葉が、普段のような凛々しい声で絹恵の名前を呼んだ。
智葉「お前はこの前の試合で言ったな……これに優勝すれば最強は『ゴッドファイブ』ではなく、『リベンジャーズ』だと」
絹恵「――」
智葉「証明して見せろ。お前の言葉を、お前自身でな」
試合、再開――。
しかし状況は明らかに『リベンジャーズ』不利だった。相手は四人に対し、こちらは攻撃の要を怪我で失い三人。
絹恵「(二対三、この状況ではおそらく今の間にシュートチャンスはない……)」
絹恵「(なら勝つ方法は一つ……PK戦に持ち込むんや!)」
絹恵「(そして、そして――そして、どうするんや……?)」
そこから先のイメージを描けないまま絹恵が呆然と立っている所に――おもむろに、シュートが飛んできた。
絹恵「――ッ!! 『イジゲン・ザ・ハンド』!!」バシィン
慌てて黄金の壁を作ってから、気づく。
『関西電気保安協会』の三人の内二人が、数絵と蒲原をそれぞれがっちりマークしていることを。
それは要するに、圧倒的なゴールスロー封じの意思の表れだった。
絹恵「(時間稼ぎも、させへんって訳か……!)」
今よりもむしろPK戦の方に勝ち目があると見ている絹恵は、当然この通常の試合時間を早く終わらせたい。
その為、ゴールスローを利用して時間稼ぎをしようと思っていたのだが――どうやら、その考えは洋榎に読まれていたらしい。
目の前に立つ、洋榎の目を絹恵は見る。
その目は赤く輝いていた。その目は燃えていた。そしてその目は――明らかに、一切の容赦を見せない目だった。
絹恵「(明らかに私達を潰しにきとる……辻垣内先輩の怪我を慮るって気は、ないってことか……!)」
絹恵「(……そうやな。勝負なんやから、どんな状況でも全力やもんな……!)」
手心を加える気のない自分の姉を見て、絹恵は思わずニヤリと笑った。
それでこそ。それでこそ私の姉だ――!!
絹恵「(なら、止めたろうやないか……全力で!!)」グッ
そこからPK戦に持ち込むまでの、絹恵の活躍はまさに獅子奮迅と言えるべきものだった。
そもそも『リベンジャーズ』が攻めの核を失った今この状況、『関西電気保安協会』の三人がハーフラインよりも後ろに下がるべき理由は何も無い。
二人がそれぞれ数絵と蒲原を延々とプレスし――この所為で三人技は撃てなくなったが――残りの一人が絹恵に向かってシュートを撃つ。
ソレは言わば一切守りが来ないPK戦であり、またさらに言うならばただのリンチでもあった。
絹恵「――う、おおおおおおッ!!」ガシィィン
それでも、絹恵は必死にボールを取りにいった。『イジゲン・ザ・ハンド』が使えなくなると、今度は全身でボールを掴みにかかった。
その意地の源は、実は智葉という友人と交わした約束でもない。
洋榎との勝負を長引かせようという、妹の純粋な心でもない。
無論、『人工化身』のことなど露ほども考えていない。
絹恵「……」ゼエ、ゼエ、ゼエ…
絹恵「(……負けたくない)」
絹恵「(この勝負は絶対、負けたくないんや……)」
それは意地だった。たった一人の大切な自分の姉に、いや自分の姉だからこそ負けたくない――そんな幼稚ともいえる感情が魔物のような執念の源となり、彼女を今突き動かしていたのだ。
絹恵「負けへん、負けへんで私はぁぁぁぁ――ッッ!!」
洋榎「――ッッ!!」バシュン
絹恵「でぇぇりゃあああああああッッ!!」バシーン
そうして絹恵が今日二桁に登ろうかというシュートを止めたその瞬間。
主審が鳴らす笛が、りつべ高校のフィールドに高く響き渡った。
そしてそれが――愛宕絹恵がこの決勝試合で止めた、最後のシュートとなった。
目の前の手から、黄金色の輝きが空に向かって飛ぶ。
それは太陽の輝きを反射しながら美しく回転して手の甲に戻り、そしてその手の主が絹恵に言った。
主審「それではコイントスの結果、チーム『関西電気保安協会』の先蹴りになったから」
絹恵「……」
主審「聞いてるか、『リベンジャーズ』?」
絹恵「あっ、は、はい」
酷くぼんやりとする。
それは視界とか、視線とかの話ではなく……何だかもう既に全体が靄が掛かったようだ、と絹恵は思った。
絹恵「……」
それにしても。
それにしても、この前の試合といい『関西電気保安協会』といい自分が見たりしているチームはどうも後蹴り率が高いような気がする。
神様は自分達の逆転劇を見るのが好きなのかもしれない。
絹恵「(いや、ちゃうな……この前の時はお姉ちゃんのチームが後蹴りやった……別に私達の方が好きってわけでもないんやろうな……)」
ぼんやりとした気持ちを抱えたまま、絹恵がゴールに立った。
実はこの時点で、彼女の体力は限界を超えていた。『イジゲン・ザ・ハンド』はとっくの昔にガス欠、生身のまま『必殺技』を止めた回数は数知れず。
脚も震えを通り越して脱力しか彼女に与えなかったし、脳や視界の方はもう言うまでもない。
しかしそれでも絹恵は――PK戦の為にゴールに立った。そしてシュートを撃つであろう洋榎と向かい合った。
限界の体を引きずるその最後の活力は――やはり、意地と根性だけであった。
ピーッ
絹恵「(……あ、笛が鳴った。PK戦なんかな……)」
絹恵「(……今私の目の前に立ってる人だれやろ。お姉ちゃんかな)」
絹恵「(脚をぐっと引いて――こっちに撃ってきよるんか。なら、止めな……う)」
絹恵「(このシュート、結構強いな……アカン、限界や……)」
絹恵「(……)」
絹恵「(…………やられた。お姉ちゃんって、やっぱ強いなぁ。でも……)」
絹恵「……勝ちたかった、な……」ドサリ
そうして仰向けに倒れた絹恵の『上を通過するように』、洋榎のシュートがゴールに突き刺さる。
絹恵は最後に、自身の脳内で姉が放った幻影のシュートすらも受け止めることが出来なかった。
――こうして、りつべ高校の『全校サッカーバトル大会』の決勝は静かに終わりを告げたのである……。
【GOAL!!!!】
【リベンジャーズ】 0―1 【関西電気保安協会】
【試 合 終 了!】
……
…………
絹恵「うおわっ!」ガバッ
智葉「起きたか」
絹恵「あれ、辻垣内先輩……」
次に絹恵が目を覚ましたソコは、保健室のベッドの上であった。
隣には同じくベッドで横になっている智葉が、いたっていつも通りの顔をしている。
智葉「今、外では閉会式をやっている。お前が起きるのをしばらく待ってたそうだが、時間が押しているらしくてな」
絹恵「そうですか……私達、負けてもうたんですね」
智葉「ああ……悔しいか」
絹恵「ええ、とっても。でもその前に……先輩」
智葉「ん?」
絹恵「すいませんでした」ペコリ
絹恵は悔しさに浸るよりもまず先に、智葉との約束を守れなかったことを彼女に謝った。
彼女は頭を下げた絹恵をじっと見ていたが、やがて穏やかな笑みを浮かべて言う。
智葉「嘘つけ……そんなこと言って、試合中は私の約束なんかの為に戦っていなかっただろうが」
絹恵「な、何故それを!」
智葉「シュートを止めている時の目で分かるさ。私との約束なんて考えられる程の余裕もなさそうだったしな……だが、それでいい」
智葉「お前の本気、見せてもらったぞ」
絹恵「先輩……」
智葉「……ま、もう少し頑張れば勝てていたかもしれないけどな」
絹恵「何を言うてるんですか! 先輩こそ、もう少し頑張ってフィールド出てシュートガスガス撃ってくれたらよかったんですよ!」
そうやって軽口の応酬をしあい、やがて智葉がベッドから起き上がるのに合わせて絹恵も立ち上がった。
智葉「大丈夫か、絹」
絹恵「先輩こそ」
智葉「このぐらい平気だ」
絹恵「私だって!」
そうしてお互いに笑顔を見せながら二人が保健室を出、校庭に出ると、そこには――
校長「――おお、『リベンジャーズ』のお二人! おめでとう!!」
生徒「ワーッ、ワーッ…」パチパチパチ
――大歓声と拍手が二人を待っていた。
校長「感動的な勝負だったよ。今年もいいものを見せてもらった」
菫「全く、どいつもこいつも本気になりすぎだ……カッコよかったがな」
やえ「やるじゃぁーないの!! 流石私を倒した宿敵!!」
内木「なんだこのげっそりとするような感覚はァ!? ……感動したよ、お疲れ様!」
周りから激励の嵐を受けながら、絹恵と智葉は校庭の『リベンジャーズ』の列に並ぶ。
すると、周りの歓声も冷めないうちに後ろから数絵が絹恵に声をかけた。
数絵「……今の先輩の気持ち、当ててみましょうか?」
絹恵「ん?」
数絵「『こんなに周りから褒められたのは嬉しいけど、それならなおのこと、勝ちたかったなぁ』……どうです?」
絹恵「……凄いなぁ。大当たりや」
何で分かったん? と絹恵が聞くと、そこで数絵はくくくっと笑って言った。
数絵「だって――ソレ、私の考えてることですもの!」
蒲原「ワハハー、私もだぞー」
絹恵「……なーんや!」
結局、皆二位なんかじゃ満足できひんのやんか――。
既に橙色に染まった空を見上げると、絹恵は何故かそこで少しだけ視界が滲むのを感じた。
絹恵「(……悔しいなぁ)」
絹恵「(めっちゃ、悔しいなぁ……)」
西に落ちかける太陽が、彼女の体を照らして影を長く伸ばす。
勝ちたかった。特に理由も、根拠も、使命も、名誉も、義務も無いけれど。
何も無いけれど――本当に勝ちたかった。負けるのは凄まじく悔しいから。
絹恵「(でも――)」
でも今だけは。
でも今だけはその悔しさを忘れて、素直に勝者を祝おうではないか。
そう、今だけは――勝者の為に、祝福を。
絹恵「お姉ちゃん、おめでt」
博士「――おっとお!! そんないいお話で終わらせると思いましたかぁぁぁぁ~~~~?」
――その時。空気の読めない白衣の男が、ロボット四体を引き連れて突然生徒達の前に姿を表した――。
という訳で次回、多分最終決戦です お疲れ様でした
……後すみません、折角だから厳しい意見をお出しいただいた>>72様がおられましたら聞きたいのですが
『テンブレだか、主人公、仲間、ライバルキャラ、とかちゃん作ったりしてストーリー練ったりとか』
っていうのはあの、どういうことなんでしょう……できれば今のこのスレにこれらが、どう足りてないかを教えていただけると助かります……割と真面目に、こういった意見は凄く重要だと思うので
>>1の理解力の無さは心より謝罪いたしますので、どうぞご教示くださいませ……次回作とかの糧にしますゆえ
どうかご協力、お願い申し上げます
……あ、>>72様も含めてこちらは皆様全員に聞きたいのですが、やっぱりこのスレにおられるってことは皆様的には次回作も京太郎じゃないほうがいいんですかね
というのも今日、もじもじ心の中で考えてたスポーツものが
『京太郎主人公・莉子ちゃんヒロイン』
か
『莉子ちゃん主人公』
で二通りのストーリーを思いついているのですが、折角非安価になるんだしこのスレの皆さんの意見を大事にしたいなーなんて思っとります
もし宜しければこちらもご意見よろしくお願いしいたします 長くなりまして失礼しました、それではまた次回
どもっす 色々意見ありがとうございました とりあえずどっちも考えて、先にストーリーが纏まった方にします
では最後の最後、明るい最終決戦……と見せかけて普通にエピローグです 嘘ついてごめんなさい
感動のエンディングを迎えかけたところに、突然登場してきた空気の読めない白衣の男に一同は動揺した。
絹恵「な、なんやあのオッサンは……ええ加減こりへんのか……」
博士「フハハハ、御機嫌いかがですか? りつべ高校の選ばれし諸君!」
男「誰だあれ……」ザワザワ
女「いきなり何なのよ……」ザワザワ
周囲のどよめきとざわつきを一身に受けながら、男は言う。
博士「勿論、私のことを知らなくても無理はありません……しかし、彼らのことはどうでしょうか?」
ロボ1「……」ガションガション
白衣の男がそう言いながら、近くにいたロボッツを周りによく見せるように前に出す。
絹恵はそんなことで何かが変わるものか、と思ったが――しかし、意外にも周りの反応は顕著だった。
男「あ! あの妙なロボット、俺達に試合挑んできた奴じゃねーか!」
女「私のチームにも来たよ、あいつら!」
やえ「あれ、皆にも勝負を挑んでたのあの妙なロボット……ま、勝ったのは私達だけだろうけどね!」
久「私達も一応勝ったけど……」
ゆみ「というか、こんなことを言うのもなんだが……あまり強くなかった気がするな……」
ザワザワ、ドヨドヨ
絹恵「ど、どういうことやこれ……」
智葉「おそらく、あのチームロボッツは私達以外のたくさんのチームにも試合を挑んで……そして少なくとも、勝率は高くなかったらしいな……」
数絵「でも、どうしてそんなことを……」
混乱する『リベンジャーズ』や他の生徒達の前で、白衣の男はニマニマと笑顔を浮かべた。
ロボ1「あの、博士……わざわざ我々を呼んだ理由ってもしかして……」
博士「皆さん! このロボットは私の製作したものです! この『全校サッカーバトル大会』の期間中、皆さんの前にこのロボット達が少なくとも一回は立ちはだかったことでしょう!」
博士「どうでしたか? 面白かったですか? 愉快でしたか――
――弱かったですか?」
生徒「……」
博士「――安心してください! アナタ達のその思いは間違っていません! 何故なら私はこれらをわざと『弱く』していたのですから!」
ロボ1「え――博士、それって……」
突然の主人の言葉に、呆気にとられるロボッツ。
そんな彼らをよそに、白衣の男はいつか洋榎や絹恵に見せたように嬉しそうな顔をしながら言葉を続ける。
博士「彼らロボッツは弱い。設計した私が言うのだから間違いありません……弱いのです!」
博士「しかしこの中で『化身アームド』を使った彼らと――勿論、全てのチームではないでしょうが――試合をしたチームは知っている筈です。その強さが相当のものであることを!」
博士「そう! 彼らは弱い……しかし、私がロボッツに、いや皆さんにお配りしたこの『人工化身』は強い!!」グッ
『皆さん』。
博士の言葉に含まれていたその言葉で、事情を知らない生徒達は途端どよめきを大きくした。無理も無い、自分達が突然強くなった理由が目の前の男によるドーピングだと知れば動揺もするだろう。
絹恵達は無論事情を知っていたので騒ぎはしなかった……が、代わりに憎憎しげに目の前で調子に乗る男を睨んでいた。
絹恵「アイツ……自分が造ったロボッツのことを何やと思ってるんや!」
智葉「彼らもまた、あの男の『人工化身』のデモンストレーションに使われていたのか……」
数絵「ひ、酷い……!」
ロボッツは何も言わず、ただぐっと下を向いて何かを堪えていた。
男はやはりそんな彼らに気づかず、より一層笑顔を濃くしながら言う。
博士「しかし残念ながら決勝は、『人工化身』に頼らないチーム同士で決着がついてしまいました……そこで!」
博士「私に、もう一度チャンスを頂きたい!! このチームロボッツに改良した『人工化身』を今から搭載し、そして一位である『関西電気保安協会』と勝負をする――」
博士「どうでしょう! 私の我侭、聞いていただけませんか!?」
そこで男は、おもむろに傍らで固まっていた校長に顔を向けた。
突然のラスボス(?)乱入に動揺していた校長のおじいちゃんはそこで正気に戻ったようで、怒ったような顔で「ふざけるな!」と吐き捨てた。
校長「そんなくだらないことをコチラにさせるメリットが――」
洋榎「――ええやんけ、校長先生」
校長「!? あ、愛宕さん……」
洋榎「ええやんけ……というか。邪魔せんといてくれや。こんな奴に好き放題言われて勝負を受けへんっていうのは、流石に我慢できひんで」
博士「そう言うと思いましたよ……」
洋榎の視線をニヤニヤと受け流しながら、男はロボッツの傍らにあったアタッシュケースを取り出す。
その中には『人工化身』を機械相手でも植えつけれる便利な道具が一式。
そう、これこそが白衣の男の最後の『作戦』であった。要するにこの試合でさえ洋榎相手に勝ててしまえば、自分の技術を高く買う人間も多数見込める。
博士「(追い詰められてはいたものの、ロボッツの弱さと『人工化身』の強ささえこの試合で証明できれば、私はまだいくらでも生きられる……!)」
ロボ1「……ロボ」
博士「(弱き者達に祝福を、強き者達に敗北を――!)」
ロボ1「……ふざけんなロボ」
博士「さぁ! 行きますよロボッ」
ロボ1「ふざけんなロボオラァァァァァァァ――――ッッ!!!」バキィィッ
博士「ぶべらッッッッ!!!」メキョ
アタッシュケースから機械を取り出した瞬間、ロボッツのリーダーの拳が博士の頬にめり込む。
爬虫類の男はそこで華麗に吹っ飛ばされ、そしてそのまま地面に転がった。
博士「ぐ、え……ロ、ロボッツ、一体何を……」
ロボ1「うるせーこのクソカスが!! 最初からそういう目的でこっちに試合をさせてたロボか!! 我々は勝てないという前提で!!」
博士「な、何を怒ることがあるのです……これもまた作戦のひと」
ロボ1「黙りやがれこのボケナスがーッ!! ロボ2! ロボ3! ロボ4! コイツに猿轡をして、簀巻きにしてやれロボー!!」
ロボッツ「おおーッッ!!」ドダドダドダ
それは、正に絹恵達のように彼らのことをよく知っている者から見れば操られるままのロボット達による全力の反逆であり、感動すらもよおしてしまうものだった。
しかしまぁ――何も知らない人から見れば、いきなり現れた人騒がせなおっさんが愉快なロボット達にボッコボコにされたことしか分からないだろう。そんなもんである。
絹恵「ああ、ロボッツ……! よかったなぁ……これでアンタは自由なんやで……!」ウルッ
ロボ1「オラオラオラァ――ッッ!!」ドカバキ
数絵「で、でもアレなんかもう殺しにかかってますよねあの男の人のこと」
博士「わ、分かった! 分かったから許してげぼぐえっ」バキボコ
絹恵「ええねんええねん、やらせとけ!」
数絵「よ、よくはないでしょう……よくは……」
そうしてロボッツが白衣の男を半殺しにした挙句縛ってそこら辺に放置したその後、彼らは洋榎達の方を見て言った。
ロボ1「チーム『関西電気保安協会』!!」
洋榎「な、なんや……?」
ロボ1「まずは、優勝おめでとうと言わせてもらうロボ」
洋榎「ど、どうも……」
突然のことに今だいまいち状況を把握できていない洋榎がとりあえずそう言うと、次にロボッツは頭を下げて言った。
ロボ1「次にお願いしたいロボ――我々と、試合をしてほしいロボッ!」
洋榎「え」
ロボ1「我々はつい最近、ようやく自分がサッカーバトルをやる理由が分かったロボ……『負けたまんまが悔しいから続ける』……アンタの妹さんが言ってくれた言葉ロボ」
絹恵「!!」
その言葉に、絹恵は全てを悟った。
絹恵のその言葉があったからこそ、先程白衣の男に「わざと弱くした」と言われてロボッツは激昂したのだ。
彼らにとって敗北こそがサッカーバトルを続ける原動力になったのであり、それを故意に作り出すような発言はどうしても許せなかったのだろう。
絹恵「(ロボッツ、あんたらは……)」
ロボ1「だからこの場で、我々にリベンジ戦をさせてほしいロボ! お願いしますロボ……!」ガバッ
洋榎「……うーん、別にあんたらはあのオッサンの手先じゃないっぽいしええけど……何で、今のこのタイミングなんや?」
別に日を改めたらええやんか、と言う洋榎に対してロボット達は元気にこう答えた。
ロボ1「――だって、消耗してる今なら勝てるロボ?」
その意外な程勝利に貪欲な言葉に――洋榎も笑って、闘志に燃える瞳でロボッツを見た。
洋榎「フッ、何言うてんのや。あんまり舐めんといてほしいわ……いくら試合後やからって、アンタらみたいなロボットに負ける訳ないやろ?」
突然の乱入者に生徒達はザワついていたが、しかし優勝者である洋榎達『関西電気保安協会』が承諾したのだから問題にしようがない。
結局彼女達四人とロボッツはハーフラインに立ち、試合開始の合図を待っていた……と、そこで。
絹恵「あ、あのっ……!」ダッ
洋榎「ん、どうしたんや絹」
絹恵は思わず、観客達の群れから飛び出していた。
絹恵「わ、私にもそのメンバーに入れてくれへん……?」
それは理性からの行動ではない……がしかし。それでもどうしても絹恵は、チームロボッツ達と試合がしたかったのである。
洋榎「そうは言うけどやな……絹、体は大丈夫なんかいな」
絹恵「全然大丈夫! だからその、私も混ぜてくれへん?」
洋榎「でもこっちは四人おるし……」
絹恵「じゃあ後でもええから! チームに入れてや!」
洋榎「……ま、ええわ! うちと戦ったもんのよしみや、許可したる!」
絹恵「やったぁー!」
そうして絹恵が嬉しそうに『関西電気保安協会』のベンチに座ると――今度は、智葉がゆっくりと現れた。
しかし彼女の足は洋榎達の方ではなく、チームロボッツの方に向かっていはいたが。
智葉「なら、私はこっちに混ぜてもらおうかな……いいだろう、チームロボッツ?」
ロボ1「え、ええー!? な、何でそういうことになるロボ!?」
智葉「だって悔しいじゃないか、負けっぱなしなんて。彼女達にリベンジできるなら早いほうがいい」
ロボ1「え、ええっと……じゃ、じゃあベンチに行けロボ!」
智葉「了解」フッ
軽く笑いながら『チームロボッツ』のベンチに座り込んだ智葉の後に続くように――今度は、数絵と蒲原がひょっこり現れる。
数絵「なら、私達も『チームロボッツ』に参加させてもらいたいですね」
蒲原「ワハハー、早速リベンジマッチだぞー」
絹恵「えー!? そやったら私も、そっち行ったらよかったなー」
さらにその後ろからは、『オオサカ・ベイブルース』のメンバーも。
憩「じゃあ私達も、参加させてもらおうかなぁー」
漫「洋榎先輩達には負けませんよ!」
セーラ「随分痛い目合わされたからなぁ……」
恭子「そういう訳で主将、お覚悟を」
どんどん、どんどん。
状況に動揺していた生徒達は、やがてその戦いに乗り遅れまいとどんどんとその列に参加していった。
何のことは無い……洋榎達を含めた彼女達は、今すぐにでもサッカーバトルをやりたくてたまらなかったのだ。
それは『人工化身』が云々とか、そういうことではなく――ただ絹恵のように、負けっぱなしは嫌な連中ばかりが揃っていたのである。
洋榎「ちょ、な、何やこの展開……」
ロボ1「い、意味が分からんロボ……と、とりあえず分かることはどいつもこいつもサッカーバトル馬鹿だってことだけだロボ――ッッッ!!」
わらわらと人に囲まれる洋榎達とロボッツを見ながら、ふと絹恵はある事を思いついた。
彼女はベンチから立ちあがり、そのまま先程まで白衣の男やら校長やら話していた台に昇り――そして、目当てのものを見つけた。
黒く輝くマイク。彼女はソレを握り、音が入っている事を確かめ――そして、校庭全域に響き渡るかのような声で言った。
絹恵「皆――!!!」
その声に、皆が振り向く。
愛宕洋榎も、辻垣内智葉も。
南浦数絵も、蒲原智葉も。
園城寺怜も、清水谷竜華も、花田煌も。
『魁! 漢組』も『帰ってきた! スーパーセンパンズ』も『りつべ高校学生議会一同』も『グラッシーズ』も『カミノミゾシル』も『華菜ちゃんズ』も。
『金槌スピアーフィッシュ』も『嶺花』も『シーザーカイザーペンギンズ』も『ビッグ・マウンテンズ』も。
『お菓子だけで生きていき隊』も『フルムーン・コロタンイェイ』も『スペシャルフォーリナー』も『オオサカ・ベイブルース』も。
皆が振り向く中――絹恵は大声で吠えた。
絹恵「――サッカーバトル、やろうぜ!!」
全員「おお――ッッ!!」
. / ,.' ,.' / / \、 .',
/ ,' .,' / ,ィ ヾ i
i ! /' .// ':, .!
l .! /_// { l! l
l l ,' {' ̄ ‐- ..,, ,,.-‐l l l
.! l l ‐- 、` ´,,. l.! l
! ! l-z=≡=-ミ ,.-=≦´ .!
l! ! l/,イノ:i:::j:::::lヾ、 ,:'ィ::j::::}`)} リ
.i ! ! lヾ '; : :¨ : ノ=-..、 八:¨: ノ¨ハY.,'
. .i ! .l ト「{`ー‐'' }:;ニ;{.  ̄ ,' .///
.l l .l l ヽヽ、''' _ノ/ ヽ::.......'ノ//
. l ! l .l `ー==一''′ '  ̄ 厂/
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.l .{/.l.l .l ./\≧ー-イ .i /
l 人 .l.l .!\ ,' \ノノ! .l ,'
j/ ∧ l.! l .\、 r } l .! .i
:'- 、 .∧!! l ,`ー〈 '., |..l l
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こうして一つの物語が極めて馬鹿馬鹿しく、しかし平和的にその幕を下ろした。
舞台は『りつべ高校』。サッカーバトルが中心となった世界の中でも、特に極端なそんな学校でのお話である……。
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γ^ヽ , -ヽ:;:;:;:;:;:;ヽ、{:;:;:/
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∫::::ヽ` /:;:;:;:;:/ |:;:;:;:;:}ー┐:;r‐'  ̄
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ノ:l {:ヽ ,――':::::ノ/:ο://:::ハ::〈./::/ _/:;:;:/ 〉:;:;:;:;:;:;:ゝ
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<彡z/ ^ゝ、;:;:_」
 ̄
【エンディング:vs人工化身とロボット達 Bルート】:ロボット達、怒る
絹恵「サッカーバトルや!」 カンッ!
わぁい終わりました 本当は『人工化身』に操られたロボット達と激闘、でもよかったんですがそれだと正直後味悪すぎるんでこういう形にしました
とりあえず皆さんわざわざ今まで追いかけてくれてあざっした 次はいつになるか安価か非安価か誰が主人公か分かりませぬが、とりあえずこれはこれで終わりです
……でも多分次も莉子ちゃんがメインになるのでしょうけどね……スレタイで彼女の存在を感じたらそれは>>1かもしれません
ではちょっと日にち置いて、週明けぐらいにhtml依頼出してきます では皆さんまたの機会に
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