響「新しい家族を紹介するぞ!」 (31)


 美希「…… ねえ響、この…… えーと、"これ"、なんなの?」

  響「犬のティンダ郎! せまい角っことかが好きで、それにすごく鼻が利くんだ!」

 美希「ミキはそういうこと聞いてるんじゃないの」

 雪歩「そうだよ響ちゃん、それきっとわんちゃんじゃないと思う」

  響「うがー!? 犬が苦手だからって何言うんだ雪歩!」

 雪歩「だってその子、わたしのわんちゃんセンサーに反応しないもん」

 美希「問題はそこでもないの」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414837553


 真美「およ……? ひびきん、その子、ねこ吉じゃないよね?」

  響「そうだぞ、猫のウル太郎さー。
    まだ慣れてなくて自分のあげるご飯は絶対食べてくれないけど、それ以外は普通の猫だぞ」

 亜美「へえー…… あれっ? ねえひびきん、このにゃんこ、口の周り赤くない?」

  響「うーん、ウル太郎は夜ごとに勝手に出歩いて、帰ってくるといつもこうなんだよね」

 真美「あとさ、この子なんか白っぽいかけらくわえてるけど、これ何?」

  響「そうそう、それ、ときどき帰ってきたときに持ってることがあるんだ…… んー、なんなんだろ?」


  響「こんどは…… えーと、"鳥"のシャン太だ! 自分にも種類のわかんない鳥だから、きっとレアものだぞ」

やよい「わぁー……! すっごいおおきな鳥さんですねー! わたし、はじめて見ましたー!」

  響「ねっ、すごいだろー?
    それにシャン太自身は喋らないけど賢くて、こっちの言うことカンペキにわかってくれるんだ!」

 伊織「…… えっ…… えっ? なにこれ、やよいと響が普通なの? わたしがおかしいの?
    こんな、象とかよりよっぽど大きくて、馬みたいな頭の鳥なんて…… えっ?」

  響「背中にも乗せてくれるんだけど、ときどき勝手に変な方へ飛んでいこうとするのだけ困るかなー」


  響「この子は黒ヤギのニグラ子だぞ。自分にすごくよくなついてて、
    気がついたら壁とか関係なくどこにでもついてきちゃうんだ!」
 
あずさ「へえ~…… 見た目は雲みたい。こんなヤギさんもいるのねえ、知らなかったわ、わたし」

 律子「あずささんしっかりしてください、それどう見てもヤギじゃありませんし
    むしろ生き物かどうかもかなり危ういです」

あずさ「あらあら、そうかしら……? ねえ響ちゃん、『にぐら子』って、この子は女の子なの?」

  響「うん、子供産むからね。でもちょっと困るのは、産むペースがすっごく早いんだ……
    ねー律子、よかったら子ヤギ一匹飼ってみない?」

 律子「ありがとう、全力でお断りするわ」


  響「自分、今まで魚飼ったことないから初挑戦してみたんだ。マスのインスマス男さー」
  
 千早「おかしいわね、私の知っている鱒には、足はなかったと思うのだけれど」
 
 春香「っていうかコレ二足歩行してるんだけど、おかしいのわたしの目かな、頭かな」
 
  響「えっ…… で、でも海で見つけたし、呼吸はえらでしてるみたいだし」
  
 春香「うん、響ちゃんの魚類についての基準がかなりゆるいことだけはよくわかったよ」
 
 千早「うろこもあるし、水かきもあるし、えらがある。目も大きいし、言われてみれば魚なのかもしれないわね」
 
 春香「千早ちゃんの目か頭もおかしいのかもしれないなあ」

  響「あはは、まあ、なんくるないさー!」


  響「最後にこれは、ミ=ゴのミゴ助! この大きな羽で自分を連れて飛んだりしてくれるんだ!」

  真「ええっと、ボク、これにどこからツッコめばいいんだろう」

 貴音「実はわたくしがもう試みたのですが、面妖なことに触れても手触りが希薄なのです」

  響「もー、ダメだぞ貴音、ミゴ助こう見えて体強くないんだから」

 貴音「なんと、そうですか…… その節は申し訳ないことをしました、みご助殿」

  真「どうしよう、ツッコミどころが増えちゃった」



  響「というわけでプロデューサー、新しく増えた家族のみんなだぞ! これからよろしくね!」


   P「そうか、よし、みんな逃がしてやろうな、俺が正気でいられるうちにだ」


  響「うぎゃー! なんでそんなこと言うんだー!」



おしまい。


ミゴ助・番外編 ※やや閲覧注意




  真「ねえ響、ボクがおかしいのかもしれないけどさ、ミ=ゴって何?」

  響「真は変なこと聞くんだなぁ、ミ=ゴはミ=ゴでしょ?」

  真「そうか、やっぱりボクがおかしいんだ」

 美希「だまされちゃダメなの真クン。おかしいのはこの状況のほうなの」

  真「美希? そ、そう、なのかな、ボクはおかしくないと思って大丈夫?」
 
 美希「うん、響とその家族のほうがおかしいの、だから――」


ミゴ助「……」ガシィ

 美希「ひゃっ!? な、なんなのなの!?」

  響「おっ、ミゴ助が人になつくなんて珍しいな! 美希、気に入られたみたいだぞ」
 
 美希「ちょっ、やっ、は、離し――」

ミゴ助「……」ブーン

 美希「な、なのぉぉぉぉぉ!?」

  響「あ、おーいミゴ助、あんまり遠くまで行っちゃダメだぞー」
 
  真「……行っちゃった。美希、大丈夫かなぁ」


ミゴ助「……」ブーン

  響「よーしよし、ちゃんと戻ってきたなミゴ助、美希も一緒に」

 美希「……」

  真「み、美希…… おかえり、大丈夫?」



 
 美希「真クンコソ大丈夫ナノ?」

  真「えっ」


 美希「みご助ハ友好的デ素晴ラシイ生キ物ナノ。
    みきト真クンガ間違ッテタッテ思ウナ」

  真「ねえ美希、なんか喋り方変わってない?」

 美希「ソンナコトナイノ。真クン疲レテルンジャナイ?」

  真「そ、そう…… なのかなぁ?」

 美希「みご助ガソウイウノ治療スルノトカ、得意ミタイナノ。
    真クンモ治シテモラウトイイヨ」

  真「へっ?」


ミゴ助「……」ガシィ

  真「あ、ちょっ、な、何するんだよ―― って、力が強いっ!?」

ミゴ助「……」ブーン

  真「わあああああ! ちょ、下ろせってば、やめろーっ!」

  響「あはは、真も気に入ったのかミゴ助ー。今度もちゃんと戻ってこいよー」


  響「そういえば、ミゴ助が誰か連れてくと、自分の部屋に金属の筒みたいなのが増えるんだよなー。
    なんなんだろう、あれ」




ミゴ助「……」ブーン

  響「おっ、とか言ってるうちにおかえりミゴ助、真も」

  真「タダイマ響、みご助ノ技術ハ本当ニスゴイネ!」

 美希「アハッ、真クンモヤッパリソウ思ウデショ? みき達、みご助ノコト誤解シテタノ!」

  響「でしょ? 二人がミゴ助のことわかってくれて嬉しいぞ、自分!」


ミゴ助・番外編 おしまい。

以上、ひびきん×クトゥルフのいきものでお送りしました。
このへんないきものたちは、まだ日本にはいないのです。たぶん。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom