マリア「人間失格?」 葉蔵「シンフォギア?」(114)

戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITEDとHUMAN LOST 人間失格の二次創作コラボイベントです。
正式名称「死に戻りの葬送曲(レクイエム) 」

二次創作のため、一部キャラ崩壊・設定変更があります。


あらすじ
ギャラルホルンのアラートに導かれ、また新たな世界への赴いた響達。劣悪な環境汚染の空気に響達は咳き込んでいる所、その世界の人間が異形な姿へと変貌する光景を目撃する。
異形となった人間に戸惑う彼女達に医療国家機関S.H.E.L.L.(シェル)のメンバーに救われ、一同は人間が異形な怪物へと変わる「ヒューマン・ロスト」の原因である「堀木正雄」の確保に協力する。

この世界ではS.H.E.L.L.と体内のGRMP(グランプ)によって、全国民は無病息災長寿を手に入れ、死を克服しようとしてた。異世界の来訪者である奏者達はこの世界の社会と現状に疑問を持ちながらもS.H.E.L.Lに協力する。
しかしこの世界には、この世界に生きるマリア達が存在しており・・・

第1話:第一の手記 狂気の呑まれた日本


世界とは、醜くなるようにデザインされている。どんなに美しい花も、どんなに美しい彫刻も、時間がたつにつれて劣化し、最終的には醜いモノになる・・・
それは人・・人間でもそうである。


「葉蔵さん・・・・」
?「美子・・・・」

どこかの鉄塔
そこに白髪の男が立っている

女「・・またあの子の事を考えてたの?懲りない人ね・・・」
?→葉蔵「マリア・・・それはそっちも同じだろ?」
女→マリア?「・・・そうね。私もよ、葉蔵・・・」
マリアと名乗る女性は葉蔵の隣に立ち、彼はなんかの刃物を、彼女はあるネックレスを掲げ・・・


マリア?「恥の多い生涯を送ってきました」


グサリ!!
その場所で2人の血が舞い散るのであった・・・

ーーーS.O.N.G.ーーーー

響「ふ~~ん・・なるほど・・・・・あぁ、そうなるなんて・・・」
本を読んでる響達

マリア「響、なにをしているの?」
響「マリアさん!今、学校の課題で読書感想文を書くためにこの本を呼んでいるところなんです。」
翼「読書かぁ・・・本を読むことは中々良い事だがらな!」
未来「小説の内容や読んだときの感想文を課題にしてるから、今日学校の図書館で借りてきたの。」
調「借りた本があまりにも面白そうだったからついついみんなで読んでしまって・・」
マリア「そう・・・で、響はなんの本を読んでるの?」
響「これはね・・他人の前で本当の自分をさらけ出せない主人公の人生を描いた小説でね・・その人が色んな事に振り回されてるのがなんか悲しくて・・」
クリス「なんでもこの本を書いた作者が話を完成した後に自殺したって事から、そいつの「遺書」でその人の過去と生涯を本にしたって言われているだよ・・・」
響「私・・・この本を読んでいて、この本を書いた作者に言いたいことがあるの・・・「生きることを諦めないで!!」ってね!」
クリス「確かに言えるな。まぁ、人それぞれの都合ってモノがあるんだし・・昔のひとだからな・・」

翼「本当の自分をさらけ出せないかぁ・・・マリアに似ているな、その人物は。」
マリア「チョ、私の事を言ってるの!?」
切歌「なるほど!確かにあり得るかもしれないデスよ!!」
マリア「ちょっと、切歌まで・・・」
響「読み終わったらマリアさんにも読ませてあげますよ!この本、悲しいけど読み応えがあってねぇ・・・」

突然、艦内に警報が鳴り響く
弦十朗(アナウンス)「緊急事態だ!奏者は全員発令所に集合してくれ!」

未来「緊急事態!?な、何があったんだろう・・・」
響「とにかく行ってみよう!!」

S.O.N.G. 発令所

弦十朗「よし、全員集まったな。」
響「はい!それで師匠。緊急事態というのは・・・・?」
エルフナイン「それについては僕から説明いたします。」

エルフナイン「まずはこれをみてください。」
エルフナインがモニター画面を動かす
そこにはギャラルホルンから異様な煙を吹き立てる光景が見られていた

切歌「な、なんデスかこれは!?」
エルフナイン「先ほど、ギャラルホルンがアラートが発したと同時にこのような煙が吹き出して来たんです。」
マリア「別の平行世界と繋がった後に煙を発するなんて・・・」
エルフナイン「煙について調べて見た結果、濃度の高い二酸化炭素などが検出されまして・・しかも現代の排気ガスとは比べようがないぐらいの濃度なんです。」
翼「高濃度のガス・・・つまり毒ガスのようなモノなのか?」
エルフナイン「多分そうです。このガスの発生源はおそらく、あちら側の世界から発してるのだと思われます。」
クリス「あっちの世界でガスの不法投棄でもやってるのか?とんだはた迷惑だぜ!!」

弦十朗「とにかく早急に繋がった世界に関する調査とこのガスを止める方法を見つけなければならない。今回は響君、翼、マリア君、クリス君の4人で平行世界に向かってくれ!」
弦十朗「今までにない事例の上、煙の事もある。くれぐれも無理せず、体調が優れなくなったらすぐに帰還するんだ。」
響「はい!!」
エルフナイン「皆さん、くれぐれもお気をつけて・・・」

響、翼、クリス、マリアの4人はギャラルホルンを通して、煙の発生源の平行世界に向かう。

平行世界 午前3時過ぎ 浅草橋周辺

翼「なんとか無事にたどり着いたのは良いが・・・」
クリス「ゲホゲホッ!凄い排気ガス・・・」
響「とてもじゃないけど、息ができない・・・」
マリア「シンフォギアの防御フィールドを持ってしてもこの排気ガスに太刀打ちできないなんて・・・」
響「!。マリアさん、あれを‼」
マリア「何・・・これは!?」

ガスマスクのサラリーマン「・・・・・・」
ガスマスクのOL「・・・・・・」
響の指したところに浅草橋駅に向かうガスマスクの人たちがいた

クリス「あたしらには気づいていないが、この光景・・・」
翼「間違いない・・・あの煙の正体はこの世界の異常なまでの環境汚染から来る汚染された空気が我々の世界に流れた結果だろう。」

後ろのギャラルホルンの入り口を見て
マリア「恐らく、ここからギャラルホルンを通して汚染された空気がS.O.N.Gに流れ込んでいることは間違いないわね。」
クリス「ったく平行世界とはいえ、ここまで環境破壊が進んでいるなんて・・・しかもこの人の状況から通勤ラッシュなのか?こんな深夜なのに・・・」
響「うん・・・この人たち、何だか変・・・・・・」
この世界の異様な風景に困惑する奏者達


怪我をしてるガスマスクの男「グゥゥ・・・ゥゥ・・・」

響「あ、あの人!!」駆け寄る
クリス「お、おい!!」追いかける

男「お・・・オレは・・・・人間だ!・・・・オレは・・・取り戻すんだ・・・」
怪我をしている男は大量の血を流しており、男はガスマスクを取り、その場に倒れてしまう

響「大丈夫ですか!?」駆け寄る
男「だ・・・だれだ?」
響「待っててください!今、助けを呼んできますから・・・」
男「なぁ・・・オレは・・人間だよなぁ・・・?」響の腕を掴む
響「は、はい・・・あなたは間違いなく人間ですけど・・・」
男「よかった・・・・最後に天使に看取られるなんて・・・オレは・・間違いなく人間だった・・・」
そう言い、男は動かなくなってしまう・・・

響「そ・・・そんな・・・・・・」
クリス「・・この傷だとこいつはもう助からない・・・」
翼「無理もない・・・その方の最後を看取られた事がせめてもの・・・・・・!?」

突然、男の身体が怪しく光り出し・・・・
翼「雪音、立花!!そいつから離れろ!!」
響「え?」 クリス「なぁ!?」男から離れる

ドゴォォォォ~~~ン!!
響「うわぁ!?」
響とクリスが離れた瞬間に辺りが蒼黒い渦に包まれる

クリス「くぅ、一体どうなってるんだ!?」
マリア「わからないわ!!」


異形の怪物「ゥゥゥ~~・・・・」
渦が収まった場所に正体不明の怪物が現れていた

マリア「な、なんだあれは!?」
響「あの爆発から・・怪物が出てきた・・・?」

異形の怪物「グゥゥゥゥ~~~!!」響達を見ている素振りを見せる
クリス「こ、こっちを見ているぞ!?」
怪物は口らしき所から触手の伸ばしてくる

クリス「コイツ、あたしらを攻撃してやがるッ!」
マリア「アレがなんなのかわからないけど、このまま放っておけないわ!止めるわよ!!」
響「は、はい!!街の人達を巻き込まないためにも・・・」
クリス達は正体不明の異形の怪物に立ち向かった

翼「はぁぁぁぁ~~!!」斬りかかる
異形の怪物「グゥゥゥゥ!!」避けないどころかアメノハバキリの刃が通らない
翼「こいつ・・とんでもない固さの皮膚をしている・・・・」
クリス「だったらこれだ!!」CUT IN CUT OUT
異形の怪物「!!!。グゥゥゥゥ~~~!!!」
口らしき物体を広げ、小型ミサイルを食べてしまった

クリス「冗談だろ!?アレを喰っちまうなんて・・・」
異形の怪物「グゥゥゥゥ~~~!!!」クリスに目をつけてる
クリス「アタシを食べようというのか?」

カタカタ、ガシューン!!
突然、異形の怪物を囲うように4足歩行の機械が現れて、ワイヤーを放った

ビビビビビ!!
異形の怪物「グワァァァ~~~!?」痺れてる
クリス「な、今度はなんだ!?」

黒い武装の人A「おい、あの子達、ロスト体に攻撃しているようだったぞッ!?」
黒い武装の人B「あぁ。だが今は薬液を注入するのが先だ!!」
黒い武装の人達は怪物めがけて突撃する

異形の怪物「ぐぅぅぅ・・・・」触手を伸ばそうとする
響「させるかぁ~~!!」怪物にパンチし、壁に押さえ込む

黒い武装の人B「薬液、注入!!」
チェーンソウのような剣を突き刺し、トリガーを引いて何かの液体を投与した

異形の怪物「ギヤァァァァぁぁぁぁ~~~~・・・・」
叫び声と共に怪物はその場に倒れて動かなくなった

黒い武装の人B「O2より0へ、ロスト体 沈黙。」
通信「よし、回収作業にかかれ!」 黒い武装の人B「了解。」

数秒後、怪物の亡骸は飛んできたオスプレイに運ばれていった
響「あの人達は一体・・・」
マリア「武装からして、あの怪物用に作られているのかも・・・」
翼「だとしたら、あの怪物に対抗する武装組織がいるのか?」
マリア「あの怪物をロスト体と言っていたわね。あんなのはどの平行世界でも見たことがないわ・・」
クリス「しかし、あの爆発といい・・あそこにいた男はどこに・・・・」

?「オイッ!」 クリス「ーっ!?」
ヘリから黒い武装と同じ武装の男と制服を着た女性が降りてきた
響「あの人達の仲間かな?」

武装の男「・・・若いなぁ。グランプが投与されてない事を良い事にロスト体相手に戦ったのか?」
武装の男「お前達は何者だ!それにその武装・・・そんなものは見たことがないぞ、とりあえず、どこの所属の者だ、吐け!」
制服の女性「ちょっと厚木さん!気を静めて・・・」
マリア「そうね。私はマリア・カデンツァヴナ・イヴ。今は所属は明かせないが、敵ではないわ。」
武装の男→厚木「なんだと?ますます怪しい連中だな・・事情聴取として我々と同行してもらう。」
クリス「おい!一緒に戦ったというのに犯罪者扱いかよ!!」
厚木「我々「ヒラメ」の行動を見たからには警戒するのは当たり前だろ!」
クリス「なんだと!?」

翼「やめろ雪音!我々が怪しく見えるのは仕方がない事だ。」
マリア「それに私たちもこの世界の状況を詳しく知る必要がある。ここはおとなしく従いましょう」
クリス「そうだな・・・悪い・・・」
制服の女性「理解してくれてありがとうございます。ではあなた方をS.H.E.L.L.(シェル)へお連れします。」

奏者達は厚木達と共にヘリに乗った


白スーツの男「・・・・・彼女達は一体何者なんだ?」
白スーツの男「だが、俺の計画には関係がないことだな・・・・」
白いスーツの男はそっと闇の中へ消えていった

医療国家機関S.H.E.L.L.(シェル)直属組織、澁田機関(ヒラメ)の所長室

澁田「初めまして、私はS.H.E.L.L.直属組織、ヒラメの所長の澁田と申します。」
厚木「同じくヒラメの実行部隊隊長の厚木だ。お前達が何者なのか、洗いざらい話してもらう。」
制服の女性「厚木さん、GRMP(グランプ)を持っていない人達を問い詰めることはわかりますが・・・」
制服の女性→柊美子「申し遅れましたが、私はS.H.E.L.L.の広報官であり実行部オペレーターの柊美子と申します。」
澁田「厚木君の事は申し訳ない。帰宅ラッシュの浅草橋近くでのロスト体の出現と共に君たちのような体内GRMP(グランプ)を所持していない人物を見たのはS.H.E.L.L.設立以来ですので・・」
美子「私でも感知できなかった上に、あなた方のような人をMAPレベルの巻添えにしたくなかったゆえですので・・」

マリア「そうですか。まずお聞きしたいのですが、その・・ロスト体というのはあの怪物の事ですか?」
響「そうだ!あの場所で・・・私の腕の中で亡くなった人は一体どこへ行ったんですか!?」
美子「そ、それは・・・」 澁田「美子君、話してやれ。」
美子「ハイ・・・あの場所で亡くなった方こそ、あなた方が目撃したロスト体であります。」
翼達「!!?」
響「あの人が・・・・なんであの人が死んだらあんな姿になるんですか!?」
クリス「それにグランプってなんなんだ?あの化け物と関係があるのか!!」

澁田「GRMPさえも知らないとは・・米国や中国、欧州でも認知されているのに・・・」
厚木「浅草橋に出現した不可解な穴のこともある。彼女達はあの穴から・・・」
翼「その通りだ。我々は別の世界から来たシンフォギア装者だ。今、我々の世界はこの世界に流れてくる汚染された空気に困っているんだ。」
厚木「シンフォ・・ギア・・・?」 澁田「なんなんだねそれは?」
マリア「翼!!」 翼「すまん。あの入り口の事を認識されていたとなると・・・」

マリア「はぁ・・・このようにお互いに状況がわかっていない以上、教えていただければ私たちの事を可能な限りお話しします。」
澁田「・・・わかりました、美子君。」
美子「はい。少し長くなりますが、私たちの世界の事をお話しします。」

美子「この世界は、「遺伝子操作・再生医療・ナノマシン・万能特効薬」この4つの医療革命によりこの国の人々は病と怪我による死を克服しました。」
美子「現在、日本の平均人口は5000万人まで減少していますが、過労を無視できる長時間労働と医師を必要としない社会によりGDP第1位と平均限界寿命120歳を約束されました。」
響「120歳!?つまり長生き出来るほかに病気や怪我にならない不死身の身体になれたって事なの!?」
美子「不死身って言うには大げさ過ぎると思いますけど・・・」
澁田「正確に言えば、全国民に投与されたGRMP(グランプ)と呼ばれる医療用ナノマシンをS.H.E.L.L.(シェル)が管理するヒューマン・ネットワークを同期させることで全ての国民の健康が保たれるのだ。」
翼「ネットワークによる健康状態のミラーリング・・・その健康状態の基準は?」
澁田「合格者と呼ばれる健康長寿の優位性によって国民から選ばれた人達だ。彼らのおかげで人々は病苦と怪我を克服し、平均限界寿命120歳を突破可能し、日本は無病長寿大国と言われるように至った。」
クリス「オイッ!その合格者という老人達の介護のためだけに他の奴らは19時間以上も働かされてるのかよ!!」

美子「そのことについては否定はしません。確かにS.H.E.L.L.体制による社会には多くの課題と欠点が存在します・・」
美子「経済活動による環境破壊・アウトサイドとインサイドといった貧困格差・それによる人々の異常行動・・・それは未だに解決に至っていない状況です・・・」
美子「そして最大の問題点はその課程で起こりえるヒューマンロスト現象・・・」
響「ヒューマン・・・ロスト?」
美子「はい。ある個人が突然、S.H.E.L.L.のヒューマン・ネットワークから外れてしまい、基準を見失ったグランプが暴走を起こし、あのようなロスト体になる現象です。」
美子「ロスト体となった人物に人だった頃の魂と記憶は無く、体内グランプの活動を感知し、ただ己の死に引きずり込もうとする危険な存在です。」
厚木「俺たち率いるヒラメは、そのヒューマンロスト現象の解明と対策、ロスト体の処理を行う政府の極秘機関と言っても良い。」
澁田「それ故、全国民にロスト体と共に知られるわけにはいかないのだ。なにせ、ヒューマンロスト現象こそ無病長寿大国において寿命以外の唯一の死とも言える事だ。」

マリア「人が死んだら人じゃなくなる・・・これじゃまるでゾンビみたいじゃない!!」
美子「この事が知られれば、日本全体の混乱は避けられません。ゆえに隠蔽する必要があるのです。」
響「・・・・・・・」

男(回想)「なぁ・・・オレは・・人間だよなぁ・・・?」

響「(あの人は一体、どうしてあんなことを・・・)」
美子「大まかな説明としてはこれくらいでしょうか・・・」
澁田「十分だ。次は君たちの事を教えてくれるかな?」
マリア「えぇ、今度はこちらの番ですね。」

クリス「おい、良いのか?」
マリア「私たちへの世界の入り口やシンフォギアを見られた以上、ある程度の説明が必要でしょう。」
クリス「そうだな・・・あんたに任せる。」 マリア「えぇ」
マリアはS.O.N.G.の事だけを伏せ、彼女達の世界のことを話した。

マリア「私から話せることは以上です。」
美子「秘密裏に聖遺物を研究し、ノイズという怪物に対抗する武装組織があるとは・・・」
澁田「美子には言ってなかったな。第2次医療革命時代、ある企業がナノマシン開発の際に聖遺物を使用してたと聞いていて、その副産物として作られた物があると聞いたが、まさか・・・」
響「その企業がシンフォギアを作っていたって事ですか?」
澁田「わからない・・しかしその企業はとある事故が原因で潰れてしまい、副産物も行方がわからなくなったと聞いている。」
厚木「シンフォギアシステムねぇ・・・・その企業がまだご存命だったら、今の文明の改善に予算と研究を回して欲しかったモノだ。」
厚木「確かにノイズは人類の敵であるが、存在を確認されてない以上、ただのおとぎ話のキャラクターに過ぎなかったって事だ。」
響「じゃあどうして私たちの世界と美子さん達の世界が繋がったんだろう・・・」
澁田「仮説だが、我々の世界のギャラルホルンという聖遺物が何か別の理由でこの世界と君たちの世界を繋げた可能性が高い。」
マリア「(おそらく、その企業以外で特異災害対策機動部やS.O.N.G.に類する組織は存在しないって事になるわね。)」

澁田「状況がわかったところで私から提案がある。君たちの世界に流れてる汚染された空気の対策に協力する条件として我々のお願いを聞いて欲しい。」
マリア「お願いとは?」
澁田「我々ヒラメと共に、頻発するロスト現象の原因となる「堀木正雄」の確保に協力してもらいたい。」
翼「堀木正雄?」

美子「ヒューマンロスト現象は、S.H.E.L.L.が管理するヒューマン・ネットワークから外れ、基準を見失ったグランプが暴走して起こる事はお教えしましたね?」
翼「あぁ。それと堀木正雄との関係は?」
美子「実を言うと、ヒューマン・ネットワークから外れるのはごく希なことであり、堀木正雄はそれを誘発しているとシェルは推測しています。」
クリス「どういうことなんだ?」
澁田「堀木はこのS.H.E.L.L.と今の文明を破壊しようとしているんだ。今回のロスト現象も、堀木が開発したアンチGRMP薬が原因と見られる。」
厚木「立花響が看取った男にも、ロスト化する前に体内にアンチGRMP薬が検出されていた事がわかった。」
響「それじゃあ、その薬のせいであの人がロスト体になったって事・・・」
美子「その可能性は大きいと断定出来ます。」
厚木「我々だけでも捜索はしているものの、堀木はヒューマン・ネットワークの外にいて、発見が困難だ。」
澁田「無理にとは言わない。協力できるとなれば、我々も可能な限り、君たちをフォローするつもりだ。」

響「翼さん・・・ここ世界・・・すごく狂っている状態じゃないでしょうか?」
翼「あぁ・・・敵に関しては勿論だが、環境や社会の構想が違いすぎる・・・」
マリア「えぇ・・でもS.O.N.G.に流れてくる空気を止めるには彼らの協力が不可欠だわ。」
クリス「あぁ・・・あの空気を止めないとあいつらが窒息しかねないからな。」
澁田「同盟成立って事で良いか?」
翼「はい。ですが私は私達の世界に一度戻って、この事を報告する必要がありますゆえ。」
澁田「わかった!君をあの世界への穴に送ってやろう。それにあそこから君たちの世界に汚染された空気を流さないためにすぐにでも対策本部を建ててやろう。」
翼「ご理解頂けてありがとうございます!」

翼「皆は残ってヒラメの皆の事をもう少し詳しく聞いてやってくれ。」
響「はい!翼さん・・・・どうにか協力できるようにお願いします!」
美子「彼女達のことは私達の方で預からせて頂きます。」 翼「頼む、美子殿。」
翼は一度浅草橋にある平行世界への入り口に戻るために他の隊員と行動し、響達は美子と共に行動する事になった

澁田「ふぅ・・・どうにか彼女達の協力を得られたが、合格者になんと言えば良いことやら・・・」
厚木「海外に存命する旧世代の生き残りと言えば済むことですが、問題はこの世界に彼女達が適応するかだ。」
澁田「そのことについては、私に考えがある。まさか、アレを使う日が来ることになるとは・・・」

第2話 第一の手記:文明曲線

響達の世界 S.O.N.G. 発令所
翼「・・・以上が先の出撃で判明した平行世界の現状です。」
弦十朗「医療革命によって全国民が無病息災と健康長寿を手に入れた世界だと・・・」
翼「はい。しかしその代償として、我々の世界とは比べられないほどの大気汚染と貧困が存在し、19時間以上の労働を強いられていると・・・」
切歌「ほとんど寝ないで働いているって事デスか!?」
翼「あぁ、GDP世界1位・年金支給額1億円を実現させたほどだからな・・」
朔也「環境破壊が進んでいて、休みもほぼないのに国民は健康状態なんて・・・これじゃまるで・・・」
あおい「家畜の極みって感じね・・・」
エルフナイン「健康促進させる医療技術がある反面、ネットワークと同期させなければ生きていけない・・・それにそのネットワークから外れれば、異形の怪物に変化するとは・・・」

弦十朗「S.H.E.L.L.とやらの保証と支援状況はどうなっている?」
翼「GRMP起動による蘇生処置とロスト体の処理程度です・・・それを担当しているのはヒラメ当局のみ、一部の人からはS.H.E.L.L.の機嫌をうかがってへつらう奴らと皮肉に言われている始末です。」
調「ヒラメや国民全員がこんなにも必死で頑張っているというのに酷い扱いをするなんて・・・」
切歌「こっちじゃ考えられないデスよ・・・」
弦十朗「尋常じゃないほど、人間としての尊厳が欠けているとしか思えない・・ましてはその状況を全国民が受け入れている時点、俺にもその世界の認識が想像がつかないぐらいだ。」
弦十朗「本心、その世界の人々が本当に人間なのかを疑いたいぐらいだ・・・」
翼「私も浅草橋の人々を見ていて、同じ事を思っていました・・・。身体だけを治すことなら我らの世界の医療でも出来る事なんだが・・」

翼「私の勝手な要望かもしれませんが、私はその世界のやり方を変えたいと思うのです。」
弦十朗「翼・・・」
翼「本来繋がるはずがない世界だった・・・ノイズの絡まない事変なのはわかってる・・ですが、私にはその世界の社会や文明を認める事が出来ません!」
翼「身体だけなく心まで治し・守っていくことこそ、防人の・・人間としてやるべき事じゃないかと思われます!!」
弦十朗「・・・・・・」

弦十朗「あちらの世界と繋がったことでこちらの世界にどのような影響が出るかわからない。」
弦十朗「今の所、あちらの世界の対応でこちらの世界に大気汚染の空気の流出が止まっている状態だが、それがいつ持つのかわからない・・・」
弦十朗「こちらの世界への悪影響を未然に防ぎ、ロスト体と汚染空気の情報と対策考える意味でも彼らとの連携と支援は必要だろう。」
翼「司令、ありがとうございます。」
弦十朗「ふ・・・本当なら何も言わずに支援してやりたいが、S.H.E.L.L.やヒラメには不透明な部分もある。だからとて、あちらに任せきりにする事はお互いにフェアじゃないからな。」

切歌「だったら私たちにも何か手伝える事はあるでしょうか!」
翼「あちらの都合って事もあるが、あそこは大気汚染が激しい上に君たちには刺激が強すぎる・・」
翼「だが、いざ必要と判断したときにはこちらで援護を要請する。」
調「・・・わかった。マリア達に任せるわ・・・」
未来「どうしたの?調ちゃん達にしてはなんかおとなしいようだけど・・・」
調「・・実はギャラルホルンがあそこの世界と繋がったあの日の夜・・変な夢を見たの・・・」
未来「変な夢?」

調「キリちゃんとバイクで道路を爆走してる夢で、キリちゃんがとんでもなく凶暴的で・・・」
切歌「凶暴的は失礼ですよ!あたしもあの夢を見て以来、なんか心がムカムカしてて・・・」
未来「????」

エルフナイン「僕たちは浅草橋とのゲートについて詳しく調べてみます。あちらのギャラルホルンが別の意味でこちらと繋がったのは何か理由があるはず。もしかしたら、あちらと連携を取る方法もあるかもしれません。」
弦十朗「可能なら、GRMPもしくはその世界の医療技術の一部を持ってきて欲しい。我々でもアドバイスや改善点を教えられる事が出来るからな。」
翼「本当にありがとう・・・・少しでもあの世界の状況を改善できるなら、私はやってみせます!」

HUMAN LOSTの世界 S.H.E.L.L.健康調査施設
美子「本当によろしかったでしょうか・・私達や世界のために・・・」
翼「当然だ。知ってしまった以上、見過ごすわけにはいかない。君たちの手伝いをする・・それに理由はなどない。」

響「これで一緒に戦えますね、美子さん!」
美子「はい・・・ご協力、ありがとうございます。」
クリス「あぁ、しかしまさか無病長寿であって、年号が昭和111年と聞いたときにはビックリしたわ!昭和天皇が今もご存命とは凄いこと・・・」
美子「天皇陛下が合格者の一人に入っている事からその年号なのでしょう。私も貴方たちから聞いたことに驚きました。」
美子「平成・・令和と年号が代わって、環境も少しながら清純が残っているなんて、今と比べれても信じられません。」
クリス「そうだな・・・皮肉だがあたしらの世界の方がよほど人間らしいってとこだな・・・」

マリア「それにしても、私たちをどこへ連れていくのかしら?」
響「そうですよ。もうお腹がぺこぺこで、食堂とかですか?」
クリス「お前、食べること以外ないのかよ・・・」美子「空腹のことは我慢してください・・」
美子「実の所、貴方たちの事をS.H.E.L.L.の上層部にも報告した際、澁田さんから貴方たちにやってもらいたい事があると言われまして・・・」
翼「やってもらいたい事?」

部屋に入ると、そこには健康診断に使う器具が揃っていた
マリア「これは一体・・・」
美子「装者の皆様には、GRMPの固定基準を計るために健康診断を受けてもらいます。」
響「えっ?健康診断・・・・」 クリス「はぁ?なんで今になって・・・」

ヒラメ 所長室
厚木「デバイス式GRMPマスクだと?」
澁田「あぁ、第2次医療革命時代の際、海外VIPの健康保護と管理のために製作された体外用ナノマシンが入ったデバイスだ。」
厚木「なるほど、アレなら彼女達の身体にGRMPを投与する必要が無いと言える。ですがアレは・・・」
澁田「昭和94年に起きた事件以来、当時、安倍政権の売国利権の告発として合格者の怒りを買い、海外不信の確定と共にGRMPマスクも開発を中止せざるに至ったと聞いてる。」
厚木「でしたら、なぜ今になって・・・」
澁田「合格者達が彼女達の健康に興味を持っていてな・・同盟設立の条件として彼女達の健康数値の開示を要求してきたんだ。」
澁田「大丈夫。その分、彼女達のフォローは出来るよう改造処置はしてある。」
厚木「それだけなら良いのですが・・・」

再び 健康診断を受ける部屋では
翼「GRMPの設定というのは?」
美子「貴方たちが別世界から来ていることは承知しております。しかし、この大気汚染の対応やヒラメとの連携を取るためには、どうしてもGRMPが必要不可欠なんですが・・・」
美子「別世界の人に迂闊にGRMPを体内に入れることは医学上危険であり、後で取り出すのも難しいですので・・」

?「そこでお姉さんが改良したデバイス式GRMPマスクの出番って事!」
響「あなたは・・・」
ヴァネッサ「初めまして!私はS.H.E.L.L.直属の看護師もとい健康用品開発部のお姉さん、ヴァネッサでーす!」
美子「ヴァネッサさんは合格者達のお墨付きの看護師であり、国民のために健康用品を開発しているS.H.E.L.L.でもっとも信用たり得る人物です。」
ヴァネッサ「そういうこと!そして、私と美子ちゃんで皆さんの健康診断をやらせてもらいますので。」
響「はい。よろしくお願いします・・・」
マリア「あのぅ・・・ヴァネッサさん、デバイス式GRMPマスクと言うのは?」
ヴァネッサ「う~んそれは、デバイスの設定が終わったら説明するわ。」
美子「はい。デバイスの設定もかねて、皆様には一度健康診断してもらいます。」
マリア「わかったわ。この大気汚染に対応と共に今一度、私たちに身体をチェックする必要があるわね。」
クリス「そうとなれば、さっさと終わらせるぞ!」
響「健康診断かぁ・・・なんか緊張してきたぁ~~!」
響達は美子達に言われたとおりに健康診断をはじめる

現在、スリーサイズを測るところ
美子「ウエストは57っと・・」クリスのウエスト測り中

響「なんか医療が格段に進歩してるって聞いてたけど・・・」
翼「未来的というより古典的だな・・・・」
ヴァネッサ「ごめんなさい。本来はスキャニングで検査するのが当たり前なんだけど・・今、その機械が定期点検中で使えないのよ・・・」
美子「状況が状況ですので。えっと、クリスさんのバストは・・96ですかぁ・・・」

美子は自身の胸を確認する
ヴァネッサ「美子ちゃん、もしかしてあの子の胸に嫉妬してる?」
美子「いえ、これだけは私でも仕方がないことはわかっていますので・・・」
ヴァネッサ「いいえ、嫉妬してるように見えたけど?」美子「してません!」
ヴァネッサ「でもさっきだって・・・」 美子「してないってば!!」

クリス「あいつら、なにやっているんだ?」
翼「・・わかるぞ美子、私も通った道だ・・・」

健康診断終了
美子「皆さん、健康診断お疲れ様でした。」
ヴァネッサ「さっそくだけど、デバイス式GRMPマスクの使い方を教えるわね。」
ヴァネッサがケースからガスマスクみたいな機械を取り出す

響「これが、デバイス式GRMPマスク?」
マリア「普通のガスマスクにしか見えないけど・・・」
ヴァネッサ「まぁ、つけてみて?」
響がGRMPマスクをつけてみる

ヴァネッサ「腕についているリモコンを推してみて?」
響「こうですか?」ボタンを押す
すると響の顔がマスクをしていない状態になる

クリス「うわぁ!?マスクが消えた!!」響「えぇ!?」
ヴァネッサ「マスクが透明になっただけよ、ほら!」
響の口をつつくとちゃんとマスクをしている事がわかる

翼「本当だ。透明になるマスクとは考えたものだ・・しかも声もはっきりと聞こえたぞ。」
マリア「なるほど、これなら何も気にせずに私たちは歌えるんだな。」
響「へぇ~~、でもご飯を食べるときはどうするのですか?」
ヴァネッサ「心配せずとも、ボタン操作で口の方が開閉する仕組みよ。」
響のマスクから口が開いて、渡されたパンを食べる響

響「もぐもぐ・・・これ、なんか面白い!!」口を開閉しながら
ヴァネッサ「極めつけはこれよ!」ナイフを取り出す
そして、響の手のひらに切り傷をつける

響「痛っ!?なにをするんですか!!」 ヴァネッサ「まぁ見てて。」
するとみるみるうちに傷口が治っていく。
響「これって・・・」
美子「体外に設置されたナノマシン、GRMPが響さんにつけた傷口を治しているのです。」
響「へぇ~~これがGRMPなのかぁ~~。」

ヴァネッサ「さらにこの体外GRMPは全身を膜のように覆う事で、軽傷程度ならすぐにでも治せる優れものよ!」
翼「なるほど、これとシンフォギアを合わせれば少しぐらいの身体の負荷も治せるって事なんだな・・」
美子「はい。そして貴方たちの身体の健康もこのデバイスを通して、チェックすることが出来ます。」
響「へぇ~~これは便利だね!ありがとう美子さん!ヴァネッサさん!!」
ヴァネッサ「どういたしまして!」 美子「お役に立てて光栄です。」

クリス「なぁ、そのGRMPっていうナノマシンがこの国の人々には身体の中で動いているんだよなぁ?」
美子「はい。宿主の健康状態に応じて増殖し、ヒューマン・ネットワークを介して細胞に作用しています。」
美子「では、これからGRMPを通して国民の健康を保っているのかをご説明いたしますね。」

S.H.E.L.L. GRMP起動コールセンター オペレーションルーム
オペレーションルームでは沢山の従業員が働いている

美子「こちらがS.H.E.L.L.が管理するGRMP起動コールセンターのオペレーションルームでございます。」
響「うわぁぁ~~いっぱいいるね!」
クリス「まぁ、全国民に投与されてるからこれくらいは当たり前だろうな。」
美子「はい。ここで日本全国のGRMP起動依頼者に対して、24時間体制で対応しております。」

オペレーター「はい。こちらGRMPコールセンターです。」
依頼主(電話)「もしもし?人、死んでるんですけど・・・・」
オペレーター「薬物の過剰摂取による心肺停止を確認しました。個体GRMPを起動、ナノマシン増殖モードに移行、臓器回復スタート。」
遠隔操作で心臓の動きを活発化させる

美子「このように連絡一つで心肺停止の人の蘇生、怪我人の治療をはじめる事が出来るのです。」
響「凄い・・・止まったはずの心臓が動き始めている!」
クリス「なるほど、怪我をしてもコールすれば即治療が出来るんだな。」
美子「もっとも、人体切断などの大怪我の場合ですと完治に数ヶ月は掛かりますがね。」
マリア「そうですか・・・」

突然、マリアの目線が赤い空間に見え
マリア「!!!??。」

ワラエ・・・・■■■■・・・■■・・・・ワラエ!!

マリア「あぁ・・・あぁ・・・!?」驚愕

翼「マリア?・・・マリア!!」
マリア「はぁ!?」
翼「どうした?急に息が荒々しくなって・・・」
マリア「い、いえ・・・臓器のリアルな動きにゾッとしただけよ・・・」
美子「仕方がありません・・・私もこれを最初見たときはマリアさんと同じでしたし・・・」

響「あのぅ・・美子さん、あれはなんですか?」 美子「アレ?」
響は四角上の映像データを指さす
美子「・・・・あれは「文明曲線」と言いまして、S.H.E.L.L.が全国民のバイタルデータから収集し、グラフ化する事でこれからのS.H.E.L.L.の行動を・・・」

翼「それがこの世界の待遇の改善の鍵となる未来グラフという訳か!」
S.H.E.L.L.従業員達「・・・・・!?」
突然の発言で動揺するS.H.E.L.L.従業員達

クリス「先輩、なんだって急に!?」
マリア「翼、突然すぎるわ!!私たちの話は・・・」
美子「そ、その質問はここでは不味いので、別の場所で話しましょう。」
一同はすぐさまにオペレーションルームを出る事になった

澁田「・・・・・・・・」
澁田はその様子を窓越しから観ていた


S.H.E.L.L. ミーティングルーム

美子「正直、翼さんの指摘は正解です。」
翼「やはり・・・あれはこの世界の未来を予測するグラフだったか・・」
美子「はい。S.H.E.L.L.のデータ収集には、この世界にとって重要な事なのです。」

美子「確かにこの文明曲線には、この世界をこれからの未来を予測する事が出来ます。」

美子「赤い部分はヒューマンロスト現象が多発し、文明が崩壊する「崩壊曲線」・・・」
美子「青い部分は人類が進化して医療革命に完全適応した「再生曲線」の2つあります。」
翼「崩壊と再生かぁ・・・確かに2つに1つの分岐点だな。」

クリス「とすると・・・あんた達が追っている堀木正雄って奴はこの文明曲線を赤く染めて、文明を滅ぼそうとしてるのか?」
美子「はい、その通りです。」
響「なんで堀木さんは文明を滅ぼそうとするんですか?」
美子「わかりません・・・・ただ、S.H.E.L.L.とこの社会を否定してること以外はまだ謎が多くて・・・」

美子「翼さん、あなたもどうしてこのような発言を?」
翼「私は正直、この世界の社会・常識には個人個人の・・・人間としての尊厳が著しく欠けている。」
翼「合格者といえ、中身は世界の現状を見て見ぬふりをしてる時代遅れの老人達だ。それに比べ、他の国民・・特に未来を担ぐはずの若い世代にはこんな仕打ちは酷すぎる。」
翼「S.H.E.L.L.は国民の身体をGRMPで治療しているが、心までは治療していない。それだから、このような貧困格差や環境破壊がいつまでたっても解決しないんじゃないのか?!」
美子「・・・・・・・・・」
マリア「翼、そこまでこの世界の事を考えていたなんて・・・・」
翼「すまない。我らには関係ない事なんだが、防人としての正義感が限りなくうずいてしまってな・・・」
響「翼さん・・・・・」

美子「私も正直に言いますけど・・・私も、翼さんと同じ気持ちです。」
響「美子さん・・・」
美子「私もまた、今の世の中を変えたい気持ちがあります。ですが、今の私やS.H.E.L.L.に世界を変えられるような力がありません・・・」
美子「しかし、それでも世界のために持てる全ての力を出し、皆で協力し合えば、未来を変えられるぐらいの希望を見つける事ができると、私は信じていますので!」

美子「実を言うとここ最近、文明曲線が著しい変化を見せ始めているんです!」
マリア「変化って・・・それって・・・」
美子「堀木正雄かはたまた貴方たちシンフォギアが現れたのかはわかりません。ですが貴方たちを最初に見たとき、再生曲線が少しだけ色濃くなった事を感じたんです!!」

美子が奏者達の手を取り・・
美子「お願いです!!少しでも長くこの世界に滞在し、この世界の文明を再生曲線まで導いて欲しいんです!!」
響「導くって・・・」
クリス「そうはいっても、繋がるはずの無いこの世界をギャラルホルンがいつまで繋げてるかもわからないし・・・万が一、途切れるようなことがあったら・・」
美子「帰って頂いても構いません!少しでもこの世界が再生曲線に近づけるのなら・・・それに貴方たちと一緒なら、きっと第3のアプリカントを・・・」

突然、美子の通信機から連絡が入る
厚木(通信)「美子、厚木だ。所長から横浜区域への出撃命令が下った。堀木の事もある、近くにシンフォギア装者がいたら、そいつらと一緒にヘリに急行せよ!」
美子「は、はい!!・・・皆さん、急いでヘリへ向かいましょう!!」
翼「あぁ、行くぞみんな!!」
美子の案内の元、ヘリに向かう装者達


午後10時 横浜環状7号線に向かうヘリの中
厚木「皆の諸君、今回の出撃は我らヒラメと異世界の装者との初の共同作戦だ。気を緩めずに現場に対応するように。」
ヒラメ戦闘員達「了解!」

響「厚木さん、ロスト体は横浜のどこに出現したんですか?」
厚木「現状、まだヒューマンロストが起こってない。起きたとしても、美子君が既に感知しているはずだ。」
翼「では、我々はどこで何を?」
厚木「カンナナの高速道路で、イチロクの労働者集団による暴走行為の影響で多数のGRMP要請があってな、それの様子をうかがえとの所長からの命令だ。」
翼「それは一体何故?」

厚木「『アクロトモフィリア症候群』。己の身体を傷つける事に快感を覚える、万人を無病息災にしたはずのS.H.E.L.L.が蔓延させた病の1つだ。」
翼「その精神疾患の病とヒューマンロストに何が関係あると?」

厚木「堀木が発端となっているロスト現象の大半が、労働者集団の暴走行為・反政府デモ団体の暴徒化・殺人による英雄願望などの犯罪者が多い。」
厚木「お前達が訪問する数週間前に、政府議員宿舎に特攻してきた暴徒の1人がヒューマンロストし、多くの与党議員が犠牲になった。」
クリス「おい、前にもそんなことがあったのか・・・」
響「そんなのって・・・・」

厚木「それと立花響。お前の目の前で死んだ男の事なんだが・・・数時間前に男の会社でぼや騒ぎがあって、そこで致命傷を受けいたことがわかった。」
厚木「考察から、男が会社をクビになり、やけになったところを堀木にアンチGRMP薬を投与され、あのぼや騒ぎの後に死ぬことを考えていたのだろう・・・」
響「・・・・・・・・・」
美子「気持ちがわかりますが、この世界ではこのような事が当たり前のようにいくつかあり、堀木正雄はそこにつけ込んで数々のロスト現象を引き起こし、文明を崩壊させようとしてるのです。」
マリア「確かにそうね・・・。まずは堀木正雄を捕まえて、ロスト現象の多発を食い止めないと・・・・」
響「はい!(過去を引きずってても仕方がない・・・まずはやるべき事をやらないと・・・)」

翼がヘリに搭載してたバイクを用意して・・
クリス「おい、先輩!?」 マリア「どこへ行こうとするの翼!?」
翼「彼らが己の身体を傷つけ、周りを巻添えにしてでも快楽を得ようとするのであれば・・・私はそれを止めるまで!!」
美子「厚木さん、地上からも捜索すれば、堀木の位置を把握できると・・・」
厚木「なるほど・・・許可する!もっとも、シンフォギアとデバイス式GRMPマスクの同時運用のテストも兼ねているのだからな。」
翼「ありがとうございます!」
GRMPマスクをつけて、バイクに乗る翼

翼「Imyuteus amenohabakiri tron・・・」
ヘリからバイクで飛び降り、空中で自身のシンフォギアを纏い、暴走集団の間合いに入る翼

翼「今すぐに暴走行為をやめろ!!さもなくは実力を持って行使する!!」
暴走族A「なんだ?なんかスレンダーな美女がやってきたぞ?」
暴走族B「おい、お嬢さん。俺らと一緒に遊ばねぇか?」
暴走族C「なんなら、あそこら辺の休憩所で俺らの上に乗ってみるのもありだぜ?」
翼「聞く耳持たずか・・・なら!!」

翼は近づいて来た暴走族Cに対して影縫いを施し、道路に釘付けにした
暴走族C「な、なんだ!?動かねぇ・・・」

翼「はぁ!!」
千ノ落涙を放ち、暴走族のバイクだけを破壊し、無傷な感じで暴走族達を壁に貼り付けにした
暴走族B「ヒィィ~~~!?」
暴走族D「なんなんだあれ~~!?」

厚木「さすがだな・・・GRMP起動をしなくても良いように無傷で労働者達を鎮圧させるとはな・・・」
クリス「タリめぇだ!白兵戦での戦いにはなれているからな。」
翼(通信)「我らとて、がむしゃらに敵と戦っているわけではない。」
厚木「そうか、引き続き労働者達の鎮圧を頼む!」 翼(通信)「了解!!」


?「イヤッハ~~~~~!!」翼に突進してくる
翼「!!!!」避ける

翼「この感覚、お前がこの暴走族のリーダーだな!」
?→暴走族リーダー「おい、新手のサツか?俺たちを捕まえに来やがったか!!」
翼「貴様らに名乗る名などない!!おとなしくこの暴走行為をやめるんだ!!」
暴走族リーダー「ケッ、嫌だね!!俺たちは負けねぇ・・・インサイドにカチコミを果たすまではなぁ!!」

女暴走族「デスデス、DEATH~~~~ス!!」
突然、翼の右側からデスサイズを持った女暴走族が襲いかかってきて、翼はそれも避ける

女暴走族「竹一!こいつはアタシが相手になるデスよ!!」
暴走族リーダー「あぁ、任せたぞ!!」 先へ行く

翼「逃がすか!!」
女暴走族「あんたの相手はアタシデスよ!!」
暴走族リーダーを追いかけようとする翼の妨害をする女暴走族

美子(通信)「気をつけてください!!この人、アンチGRMP薬を服用している可能性があります!
翼「なに!?この件も堀木が関わっていたのか!?」
美子(通信)「おそらく・・・この人が下手に大怪我を負うような事があれば・・・」
翼「ロスト現象で被害が増す可能性があるか・・・なら、こやつも無傷で捕らえる!!」

女暴走族「アタシを捕らえられると思うのなら、大間違いデース!!」デスサイズを振るう
翼「!?。ふん!!」アームドギアを大型化させる
大型化した剣と女暴走族のデスサイズがつば競り合い、デスサイズの方が折れる

女暴走族「えぇ~~~!?アタシの鎌が折れたデース!?」
翼「諦めろ!貴様らがやってる行いは迷惑で無意味なものだ!!」
女暴走族「無意味じゃないですよ!!アタシらは世界を変える!!アタシが革命ののろしを上げるのですよぉ~~!!」
女暴走族の胸から何かを取り出す
翼「何をしようと、我はそれをとめるまで・・・・」

女暴走族「Zeios igalima raizen tron・・・・」

翼「聖唱!?しかし、これは・・・」

女暴走族の服装がイガリマのシンフォギアに変化し、彼女のバイクにイガリマの刃が合体し、彼女の顔が明るみになった
女暴走族→暁切歌?「さぁ、ここからが本番デスよ!!スレンダー女!!」
翼「なぁ・・・どうしてお前がここにいるんだ、暁!?」

目の前に瞳が赤くなった暁切歌に困惑する風鳴翼

第3話 第一の手記:アウトサイドに生きる者

8時間前ーーー
アウトサイド 横浜 
イチロク(十六号線)にあるバァ:メロス


ニュースキャスター(テレビ)「合格式を前にこんなテロみたいな事態が2度も起こるなんて・・・」
テレビでは昨日の浅草橋のロスト体の戦いは、爆破事故として報道されていた

老人「なにが合格式だ・・・・連中は何かを隠してやがるんだ・・・」
マダム「仕方がないでしょうね・・・政府はなんとしても合格式を成功させたいからね・・・」
恒子「ホントねぇ・・・国民の叫びを無視し続けてね。」
老人「合格式など・・あいつらの利権欲しさが絡んでるからな!ご馳走さん・・・」
老人は飲み代を払って店を出て、入れ違いで3人の若い男女が入ってきた

暁切歌(LOST)「おはこんにちわデース!いつものを頼むデス!!」
マダム「はいはい、マンゴージュースのサイダー割りね。今出すわ・・・」コップを取り出す

竹一「おいおい、昨日から持ち合わせがない事は知ってるだろ?」
暁切歌(LOST)「わかってはいますけど、明日かもしれない日にこれが飲めないなんて嫌デスから、今の内に飲んでおくのが鉄則デース!!」
恒子「そう言って、頭かち割られてGRMP起動要請されたのはどこの誰かさんかな?」
暁切歌(LOST)「うぅぅ・・・・でも今日は竹一やアタシにとって、とても大事な日デース!そのための燃料補給に来たんデスよ!!」
竹一「へへ~~ん、言ってくれるじゃないか!!」
月読調(LOST)「そう言うと思って・・・持ち合わせ、持ってきたわ。」500万ぐらいの金を取り出す

竹一「おお!またインサイドの銀行にハッキングをしたか!!」
月読調(LOST)「インサイドの悪徳業者から巻き上げた金よ。今日は私がおごってあげるわ、キリちゃん。」
暁切歌(LOST)「さすが調!!気が聞くデスよぉ~~!!」

恒子「3人とも、その話聞き飽きたんですけど・・・」 竹一「あん?」
恒子「暴走とかハッキングとか、いい加減辞めて働いたら?アタシの年金1億のためにさ!」
マダム「アッハハハ・・・」 月読調(LOST)「・・・・(無視)」 暁切歌(LOST)「デース・・」 竹一「べ~~だ!」

後から入ってきたのは白いスーツを来た白髪の男性だった
白スーツの男「・・・・・・・」裸の女性が描かれた絵を見ている
竹一「壮絶でしょう、それ。ろくなアンチエイジングしていない割に現役感あると思いません?正雄さん。」
白スーツの男→堀木正雄「そうだなぁ・・・」
暁切歌(LOST)「アウトサイドじゃ値がなくてアレですが・・インサイドの物好きならいけると思ってたのですが・・・」
月読調(LOST)「インサイドの投稿サイトで名前を伏せて出した所、10秒で消された・・」
竹一「連中はアウトサイドの俺たちに興味なんかねーよ。まぁ、それも今日で終わりだがな!」
暁切歌(LOST)「言ってくれるデスよ、竹一さん!!」出来たジュースを飲みながら

マダム「??」 堀木「・・・」頷く
竹一「で?画伯はいるんすか?」
マダム「・・・二階よ。昨日から降りてこないのよ・・・それにあの子も二階に上がったっきり、降りてきてないわ。」
暁切歌(LOST)「およ~~、真利愛もここに来てたンデスカ!!探す手間が省けたデース!!」
堀木正雄「・・・・・・」


メロス二階 
男「・・・・・・・・・」
女「・・・・・・」
そこに男女2人が死んでいるように倒れていた

竹一「葉蔵、入るぞ!」
月読調(LOST)「真利愛、いるんでしょ?真利愛!!」
部屋に入る竹一達

男→大庭葉蔵「・・・・・・」死んでいる
女→真利愛「・・・・・」死んでいる

暁切歌(LOST)「あちゃーー・・・・葉蔵さんも一緒に自殺ごっこデスかぁ・・・」
堀木正雄「自殺ごっこ?」
竹一「こいつな、人を愛でる事と自殺する事が趣味なんっすよ!GRMPで死ねないというのに・・」
月読調(LOST)「真利愛は他の人と違って、死ぬことに何も感じていないようで・・・」
暁切歌(LOST)「今月入って、44回目デスよ!!凄いと思いませんか?」
堀木正雄「・・・・・」2人の検死を確認しながら、辺りを見る

近くにはオニのような化け物の絵が描かれていた
堀木正雄「自分に向き合って、行き場を失ったか・・・・」
竹一「テッハハハハ!!こいつ(葉蔵)はな、ただ生きていくのが面倒くさいんっすよ!!真利愛もまた、葉蔵と同じなんだろうなぁ・・・しょうもない!」

床に落ちていた薬品を拾う堀木正雄
堀木正雄「カルモチンなんか飲んだのか?何が混ざってるのかわからんものを・・・」

オペレーター(電話)「はい。こちらGRMPコールセンターです。」
竹一「もしもし?人、死んでるんですけど・・・・はい、大庭葉蔵・・それと和泉真莉愛・・・」

月読調(LOST)「本当に世話が焼ける2人ね・・・」
暁切歌(LOST)「噂は本当かもしれないデスよ?真利愛と葉蔵さん、実は付き合ってるんじゃないかって!」
竹一「ハハッ、そうかもな!だからこそ、この2人に言いたいことがあるだろう・・・・」

竹一「葉蔵、真利愛、   生きろ」ののしり
竹一「・・・・・なんてな!!ハハハハハ!!」
竹一と切歌達でふざけ合ってる間、葉蔵と真利愛の臓器蘇生が進んでいく

赤い空間
?「ワラエ・・・・ヨウゾウ・・・」葉蔵の首を絞めてる
葉蔵「・・・クゥゥゥ~~・・・・」抵抗する
?「ヨウゾウ・・・・ワラエ!!!」
真利愛「やめて・・・もうやめて!!」

葉蔵・・・葉蔵・・・   真利愛・・・真利愛ってば!!

葉蔵と真利愛「がぁ!?」飛び起きる
葉蔵「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・」自分の絵を見ながら
真利愛「はぁ・・・はぁ・・・ゆ、夢・・・・?」

竹一「よぉ、起きたか葉蔵、それに真利愛!」
葉蔵「竹一・・・・・それに切歌や調・・・」 真利愛「貴方たち・・・・」
竹一「同時に蘇生して、同じタイミングで目覚めるなんて・・お前ら、出来てるだろ?」
葉蔵「ち、違うって!!ってか真利愛!?そこにいたのか!?」
真利愛「勝手に入ってすまない・・・・・はぁ、今日も死ねなかったのね・・」
暁切歌(LOST)「いい加減、自殺ごっこはやめた方が良いデスよ!また死ねないのがオチデスよ!!」
真利愛「・・・・・・」

葉蔵「真利愛はともかく・・・なんで竹一達がここに?」
竹一「忘れたのか?今日、俺と切歌たちで世界を変える特別な日だ!!お前はそれを祝うために俺らのチームに加わる約束だろう・・」
葉蔵「そ、そうだったかなぁ・・・」
暁切歌(LOST)「真利愛もアタシらと一緒にあたし達の偉業を見届けるって約束したじゃないデスか?!」
真利愛「え、えぇ・・・暇つぶし程度のつもりだったけど・・・」

堀木正雄「いや、葉蔵も真利愛も祝ってやってくれ!今日は特別な日だからな。」
葉蔵「お、おぅ・・・・」
真利愛「そうよね・・・・喉が渇いた。酒でも飲んでくるわ・・・」

月読調(LOST)「真利愛、お酒はダメよ!!飲酒運転は厳禁だし、今回だって・・葉蔵さんのカルモチンを勝手に飲んで、酒を飲んでいたんでしょ!」
その証拠に近くに転がっていた日本酒の空瓶を見せる

堀木正雄「薬物とアルコールの同時接種してたのか、真利愛。」
真利愛「う・・・・」図星
暁切歌(LOST)「そうですよ!こんな時こそ、アレが水分補給に似合うデース!!」

切歌はすぐに下の階に降りて・・・
暁切歌(LOST)「マダム!マンゴージュースのサイダー割り、もう2杯追加でーす!!」
恒子「えぇ~~!?まだ飲むのぉ!?」
暁切歌(LOST)「ケチケチせずに用意するデスよぉ~~!!」
真利愛「ハハッ・・全く切歌って子は・・・・」
堀木正雄「ふっ・・・・・・・・・・」


アウトサイド:横浜 荒廃した寺院

暁切歌(LOST)「ふふふっふ~~ん☆」エンジンをいじる
月読調(LOST)「・・・・・」パソコンでプログラムの調整中
そこには沢山の暴走族集団が準備をしていた

竹一「葉蔵・・・インサイドのじじい達と同じように俺たちの身体の中に埋め込まれたナノマシンでコントロールされてるんだぜ?気分悪くねぇ?」
葉蔵「へぇ?」
竹一「あいつら・・自分たちだけ綺麗な空気を吸って良い生活してよぉ・・俺たちはネットに繋がってなければ生きられない身体にされてさぁ!生かさず殺さずで絞り尽くすつもりだぜ畜生!!」
暁切歌(LOST)「そうですよ!支離滅裂な法案を勝手に閣議決定し、国民の阿鼻叫喚で育てる政治屋の果実は極腐れの不平等の塊!アタシらがやらなければ、国はたちまちタイタニックの大沈没デース!!」
月読調(LOST)「そうね。数週間前に起きた議員与党宿舎爆破のやった人が羨ましいわ・・・」
葉蔵「インサイドも、空気は汚染されてるよ・・・」
竹一「へぇ~~、そうかい!!」教育本を火にくべる

竹一「ニンゲンが、『人間』であるには・・・『死』が必要なんだよ・・・」

暁切歌(LOST)「むむ、なんか良い決め台詞を聞いた感じですよ竹一!」
竹一「そうか?まぁ、堀木先生の受けおりなんだがな・・・」
暁切歌(LOST)「どっちもどっちですよ!!」 竹一「だな!」

月読調(LOST)「よし、プログラムの調整の調整完了。いつでも速く走れるよ。」
竹一「サンキュー!!さて、そろそろ時間だな!!」


コーーーン!!
竹一が合図をならすかのように寺の鐘を叩き、「S.H.E.L.L.突貫作戦 開始!!!」の
竹一「おめえら!!今宵俺は・・・世界を変える!!」

暴走族達「ひゃっは~~!!竹一~~!!」 「出馬しろ~~!!」 「竹一総理こそ、最高だぁ~~!!」
暴走族達はバイクの轟音を鳴らしながら、反響を返してくる

ガゴ~~ン!!(鎌が鐘に当たる音)
暁切歌(LOST)「うるさいデスよ!!話を最後まで聞くまで、お口チャックでーす!!」
竹一「ありがとな、切歌の姉貴!」

竹一「良いか、俺たちは今までインサイドや外堀の富裕層に良いように使われ、搾取されて来た!!」
竹一「俺たちの存在など、裕福者にとっては道化と同じ価値だと思ってやがる!!」
竹一「今までそのことに反発するためにS.H.E.L.L.突貫を決行し、今日と今まで失敗続きだったが・・・今回は・・・違う!!!」
竹一は 改造を施した霊柩車に注目を見せつける

竹一「この爆薬を大量に積んだ霊柩車を使い、インサイドの固い壁をぶち破る!!」
暁切歌(LOST)「まず、アタシらを含む先陣部隊が道路を暴れまくり、サツの追跡を陽動させる。後方の部隊は調がドローンをハッキングしつつ、霊柩車を目的地まで護衛するデス!!」
竹一「そしてレインボーブリッジのゲートを霊柩車で爆破した後、俺が第2のゲートまで43秒・・調のフォローも入れて+15秒と合計1分5秒突っ切れば、俺たちの勝ちだ!!」
竹一「この作戦を成し遂げ、俺たちはインサイドにあるS.H.E.L.L.や政府機関をぶっ壊し、真の自由を手に入れる!!」

竹一「どうせ俺たちは身体に埋め込まれたナノマシンで死なねぇからよぉ・・・インサイドとS.H.E.L.L.の奴らに・・・」
竹一「「道化の意地」ってモノを見せてやろうぜぇ!!」
暴走族達「IYEyaaaa~~~~!!!」
竹一の演説や激励に暴走族達の士気が爆上げする

真利愛「さすがねぇ、竹一・・・」
月読調(LOST)「竹一さんはバカだけど、人の上に立つ資質があるのは間違いないから・・・」
葉蔵「かもしれないな・・・竹一なら。」

堀木正雄「素晴らしい演説だったよ、竹一。」
竹一「へへ~ん。どうって事ないですよ堀木さん!」
堀木正雄「竹一、これを。」
何かの青いカプセルを竹一に渡す堀木正雄

竹一「これを飲めば、俺は本当の俺を取り戻せるんだな?」
堀木正雄「あぁ・・・・」

堀木正雄「月読、暁。君たちにはこれを・・・」緑と青のカプセル1錠ずつを渡す
暁切歌(LOST)「ほぇ?なんですかこれは?」
月読調(LOST)「竹一さんと同じのと、これは・・・」
堀木正雄「それに君たちにはこれをプレゼントしよう・・」
切歌(LOST)と調(LOST)の首にシンフォギアのコンバーターをかける

堀木正雄「とても似合ってるよ、君たち。」
月読調(LOST)「堀木さん、わざわざ私たちにこんなネックレスをあげるなんて・・・」
暁切歌(LOST)「本当にありがとうデース!!」

竹一「あぁ!?おめぇらだけズリィぞ!!」
暁切歌(LOST)「なんか文句があるのですか!?」
真利愛「はぁ・・・・」 葉蔵「・・・・・」

竹一「あ。葉蔵、真利愛はそっちのバイクを使ってくれ!」
葉蔵と真利愛に普通そうなバイク2台を見せる竹一

堀木正雄「葉蔵、真利愛。君にもこれをやろう・・・」
葉蔵には青いカプセル。真利愛には青と緑のカプセルとコンバーターを堀木からもらう。

真利愛「これ、本当に良いんですか?」
堀木正雄「あぁ・・・2人とも・・・」
 
堀木正雄「取り戻せ。君たちの本当の姿を・・・・」
葉蔵「????」


エンジン音が寺院中に鳴り響く中

竹一「・・・・・・」カプセルを飲む
葉蔵「・・・・・・・」バイクに乗り、カプセルを飲む
暁切歌(LOST)「・・・・・」カプセルを飲む
月読調(LOST)「・・・・・」カプセルを飲む
真利愛「・・・これで、私が何か変われることがあったら・・・私・・・」
カプセルを2つ飲み、コンバーターを首に下げてバイクに乗る

竹一「よし・・・行くぞぉ~~~!!」
竹一の号令と共に暴走族のバイクと霊柩車が一斉に発進し、S.H.E.L.L.突貫作戦が開始された

堀木正雄「さて、俺も行くとしよう・・・」
堀木正雄も自身の車で竹一達の後を追うように運転する

高速道路 湾岸線

暴走族達「イヤッハ~~~!!」
暴走族は道路中を荒れ狂うかのように走っている

ある程度の場所を暴走族のバイクが通過すると、柱から四足歩行ドローンが降りてきた
アナウンス「ただいま、貴方たちは政府の道路交通法に違反しています・・」

暁切歌(LOST)「来やがったデス!!皆さん、作戦通り、前衛はサツのドローンの陽動と破壊。後衛は霊柩車の護衛に入るデスよぉ!!」
暴走族D「あいよ、姉さん!!」
暴走族は切歌の指示通りに四足ドローンの動きを陽動かつそのドローンを破壊していった。


後衛:霊柩車護衛チーム

霊柩車に4足ドローンが追いかけてきた
月読調(LOST)「よし。タイジン・ソウジショク、行って!!」
調は、飛行型のドローン2機を飛ばし、4足ドローンにワイヤーを取り付ける

月読調(LOST)「これに、私のハッキングを加えれば・・・」
するとハッキングを受けた4足ドローンは、霊柩車を守るようにそばに並び立つようになった
月読調(LOST)「よし、完璧!!」
飛行ドローンは沢山のワイヤーを放ち、次々と4足ドローンを調の配下にしていった

暴走族C「さすが調の姉貴!イチロクの中では世界一のハッカーだぜ!!」
暴走族B「今回の霊柩車や爆薬も、調の姉貴が用意したんだって噂だぜぇ?」

まだハッキングされていない4足ドローンが霊柩車を止めようとするも暴走族Eに蹴り飛ばされる
暴走族E「おい!霊柩車が途中で爆発したらどうするんだ!!」

暴走集団 一番後ろの列
真利愛「なによ・・・これ・・・」愕然する
葉蔵「竹一!!インサイドに突貫するって言っても、これはやり過ぎだ!!」
真利愛「そ、そうよ!!なんでも壊せば良いって話じゃないわよ、これは!!」

竹一「・・・・あぁん?」 暁切歌(LOST)「デェーース?」
真利愛・葉蔵「!!??」
葉蔵達が見たのは瞳の色が赤くなった竹一と暁切歌(LOST)の姿だった。

真利愛「貴方たち、その眼の色はどうしたの!?」
暁切歌(LOST)「眼の色デスか?あのサプリメントの影響だか知らないですが・・・なんか色々と力が沸き上がってきてるデース!!」
竹一「あぁ!これなら、俺は本当の俺を取り戻せる気がする!!待ってろインサイド、勝つのは俺たちだからな!!」


横の合流線から翼のバイクが入ってきて・・・
翼「今すぐに暴走行為をやめろ!!さもなくは実力を持って行使する!!」
翼が乱入し、暴走族達のバイクだけを破壊して無傷で暴走族達を壁に貼り付けはじめた

葉蔵「あれはなんだ!?」
竹一「あぁん?おい、調!どうなってやがる!?」
月読調(LOST)(通信)「わからない・・警察のデータベースには載ってないわ・・・」
竹一「なんだと!?まさかサツの奴ら、俺たちに目をつけて新種を導入したか?おもしれぇ!!」
竹一は翼に向かってバイクを走らせる

葉蔵「おい、竹一!?一体どうするつもりだ!?」

竹一「イヤッハ~~~~~!!」翼に突進してくる
翼「!!!!」避ける

翼「この感覚、お前がこの暴走族のリーダーだな!」
竹一「おい、新手のサツか?俺たちを捕まえに来やがったか!!」
翼「貴様らに名乗る名などない!!おとなしくこの暴走行為をやめるんだ!!」
竹一「ケッ、嫌だね!!俺たちは負けねぇ・・・インサイドにカチコミを果たすまではなぁ!!」

暁切歌(LOST)「デスデス、DEATH~~~~ス!!」
突然、翼の右側からデスサイズを持った暁切歌(LOST)が襲いかかってきて、翼はそれも避ける

暁切歌(LOST)「竹一!こいつはアタシが相手になるデスよ!!」
竹一「あぁ、任せたぞ!!」 先へ行く
翼「逃がすか!!」
暁切歌(LOST)「あんたの相手はアタシデスよ!!」
竹一を追いかけようとする翼の妨害をする暁切歌(LOST)


そして現在、 湾岸線 太田区付近

翼「何故だ!?なぜ暁があちらの暴走集団側にいる!?」
暁切歌(LOST)「はぁ、なんの事だかサッパリデスよ!!」
翼「(私を知らない?まさか、あの暁はこちらの世界に存在する暁なのでは・・・)」

ヘリの中
厚木「どういうことだ翼!お前達と同じような反応が暴走集団側でも確認したぞ!!」
翼(通信)「わかりません・・・私もどういうことだかさっぱり・・・・」

澁田(通信)「厚木君、翼君、澁田だ。こちらでも状況を確認した。おそらくあれは前に話したある企業が作ったと思われる副産物の一部だと思われる・・」

クリス「はぁ!?なんだってそれがならず者の集団の手にあるんだ!?」
澁田(通信)「この世界の事だ。おそらくアウトサイド側の闇ルートを利用して、企業が保有してたシンフォギアの技術と武装があちらに流出したんだろう・・」
マリア「確かにあり得る話だが・・・シンフォギアは適合者がいなければ起動すらままならないはずなのに・・・まさか、あちら側のイガリマの適合者があちらの暁切歌だなんて・・・」
響「それにあの切歌ちゃんにはアンチGRMP薬を服用してるかも知れない・・・このままじゃ切歌ちゃんがロスト体に・・・」
クリス「くぅ!美子、他にアンチGRMP薬を飲んだと思う奴らは近くにいるか?」
美子「確認してます。今北上してる四輪車に1人、その隣に1人、後ろに2人、暁さんを含めて合計5人にロストの気配があります・・・」
厚木「5人だと!?ここまでロスト化が心配されている個体が一カ所にいることは今回が初めてだぞ!!」
美子「確かにそうですね。それと・・・・無人の車両!?」
美子のヒューマンネットワークに黒いモヤのかかった車(堀木正雄の車)があった

マリア「なんですって!?確か、堀木正雄はヒューマン・ネットワークの外にいるって聞いたけど・・・もしかして!!」
厚木「あぁ・・・・とうとう見つけたぞ、堀木正雄!!」

文明曲線に大きな揺らぎを感じた美子
美子「厚木さん、暁さんの後ろを走る2人に文明曲線が反応を!?もしかしたら・・・」
厚木「なに!?まさかあいつらが・・・・」
美子「はい!もしかしたらあの2人の中に私たちが求めるアレが・・・」

澁田(通信)「嫌、今は堀木の確保に最優先しろ!」
美子「澁田さん、ですが・・・・」
澁田(通信)「美子君、合格者の要望は文明の現状維持を求められている。我々には今の文明を守らなければならない責務がある。未来を優先するじゃないんだよ・・・」
美子「・・・・・・・・わかりました。」

澁田(通信)「それと翼君、君が我らの世界を改善したい事はわかるが、これは我々の世界の問題だ。余計な干渉されても困るんだよ・・」
翼(通信)「感づかれましたか・・・面目ない。」
澁田(通信)「君たちの意見は私が話せるぐらいになれば、聞いてあげよう・・・」
厚木「わかりました。ではこのまま先回りをし、奴らと堀木の目的を探りながら、確保に移りたいと思います。」
ヘリはそのまま北に北上した

湾岸線
翼「(我の願望を読まれたか・・・だが今、気になるのはあの平行世界の暁をどうやって・・・)」
暁切歌(LOST)「よそ見してるんじゃないですよ!!」アームドギアで攻撃する
翼「クゥ!?」避ける
翼「(平行世界である故、今の暁の動きは粗暴かつイグナイトと同じぐらい凶暴だ。)」

月読調(LOST)(通信)「キリちゃん、私も後ろから確認したわ。私も一緒に戦う!!」
暁切歌(LOST)「ちょ!?調には無理ですよ、だって調には・・・」

後衛:霊柩車護衛チーム
月読調(LOST)「わかってる。でも、私は抑えられないわ・・・」
月読調(LOST)「なんか急に頭がさえてきたと思ったら、胸から張り裂けるぐらいにキリちゃんと守るだけじゃなく、一緒に戦いたい気持ちがあふれてきてるの!!」
月読調(LOST)にも竹一と切歌(LOST)と同じように瞳が真っ赤に染まっていた

暁切歌(LOST)(通信)「わかったデス!!あのスレンダー女の事もあるし、ちょっとばかし陣衛変更デス!!」
月読調(LOST)「ありがとうキリちゃん!!あとの事は任せるわ!!」
霊柩車運転手「あぁ、任せとけって!!」
霊柩車から月読調(LOST)が飛び出して・・・

月読調(LOST)「Various shul shagana tron・・」
月読調(LOST)の服装が変化し、粒子コンピュータみたいなシュルシャガナのシンフォギアを纏った

月読調(LOST)「キリちゃん、援護に来たわよ!!」
暁切歌(LOST)「おぉ!!今のアタシと同じデース!!よぉ~~し、2人であいつを切り刻むデスよぉ!!」
月読調(LOST)「えぇ!!」
シュルシャガナを纏った月読調(LOST)とイガリマを纏った暁切歌(LOST)が同時に襲いかかってくる
翼「なに、今度はシュルシャガナの月読までいたのか!?」

真利愛「一体なにが起こっているの・・・・」状況理解が出来ない
葉蔵「俺にもわからない・・・・・」同じく

アナウンス(4足ドローン)「道路法違反の容疑で、検挙・・・」
竹一「へ!しゃらくせえ!!」ドローンをぶっ壊す
高速道路 湾岸線は翼にとって四面楚歌の乱戦となった


一同らは湾岸トンネルに入り・・
暴走族G「どわぁ!?」捕まって、転倒事故を起こす
次々と暴走族の仲間が転倒事故を起こし、脱落していく

暴走族K「うがぁ!?」転倒
その内の一つが霊柩車にぶつかり、不安定な状態の霊柩車を4足ドローンが倒そうとする

竹一「!?。このぉ~~~!!」
スピードを上げ、ドローンを破壊した後に義足の足で霊柩車を支える

暁切歌(LOST)「竹一さん!!」追い越す
翼「な、待つんだ暁!!」
月読調(LOST)「行かせない!!」妨害する

飛行ドローンが操る4足ドローンにノコギリが生えて、特攻してきた
翼「ぐぬっ!?」アームドギアで切り抜ける
翼「(見たことがない攻撃をしてくる・・・これは心象変化か?あるいは・・・)」

竹一「つぅ・・ぬりゃぁぁ~~~!!」持ち上げようとする
暁切歌(LOST)「ハァァァァ~~~~!!」鎌を引っかけて、引っ張りあげる
2人の力で霊柩車の浮いていた車輪は道路につき、また走り出す

竹一「ヘェ・・ヘェ・・ヘェ・・」
暁切歌(LOST)「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・」
葉蔵「大丈夫か、2人とも!?」
暁切歌(LOST)「これくらい・・・何度も喧嘩やカチコミを経験したあたし達にはへのかっぱです!!」
竹一「あぁ!!このまま行くんだよ、インサイドに!!勝つのは俺たちだぁ~~~!!」
そう言いつつ、辺りの4足ドローンを破壊しながら霊柩車と共に目的地まで突き進む

月読調(LOST)「目的地は近い・・・キリちゃん!!」
暁切歌(LOST)「そうデスね!もうコイツの相手をするのは後回しデース!!」
そう言い、2人は翼を差し置いて、竹一の後を追う!!

翼「どういうことだ・・・?何故今となって・・・・」
厚木(通信)「翼、あの暴走族の目的がわかったぞ!!」 翼「・・・なんだって!?」

葉蔵「追いつけない・・・竹一・・・竹一!!」
真利愛「待ちなさい、調・切歌ぁ!!」

突然、視線が赤く包まれて・・・
?「ヨウゾウ・・・・ワラエ・・・・」
葉蔵、真利愛「!?」

マリア(立ちくらみしながら)「クゥ・・・・・今のは一体・・・」

第4話:第一の手記 思いがけない覚醒

レインボーブリッジ 検問所
警察官「レインボーブリッジを閉鎖!!」
警察官「ここまで来るとは・・・新記録だな、全く・・・・」
そう言いながらも、レインボーブリッジの隔壁が閉じられる

竹一「行けぇ!!しくじるなよ!!」
霊柩車がレインボーブリッジめがけて走って行く

翼「つまり、あいつらの目的はレインボーブリッジの隔壁を破壊し、S.H.E.L.L.があるインサイドに突入する手はずをとっていたのか!?」
厚木(通信)「共犯者はS.H.E.L.L.や警察がマークしていた天才ハッカーの月読調と特攻隊長で破斬女王が通り名の暁切歌。」
澁田(通信)「ここ数日、裏で爆薬や違法パーツを取り寄せていた可能性がある。君たちとの関係性は不明だが・・・」
翼「結構・・・我らの世界とここの世界では大違いなことはわかってる・・・。」
翼「(ただ問題は暁達が今ロストすれば、我らの世界の彼女達の精神的リンクにどのような悪影響があるのか・・・・)」

竹一「よし、こっからが大勝負だぜ!!」
月読調(LOST)「こっちも仕込みは完璧。」
暁切歌(LOST)「じゃあ、クライマックスでいくデスよぉ~!!」

ドが~~~ン!!
3人は一度Uターンをした直後、レインボーブリッジの隔壁に霊柩車が突っ込み、大爆発が起こった
葉蔵達「くぅ!!」巻き込まれる  翼「ぬわぁ!?」同じく

地獄の馬「ヒヒ~~ン!!」 炎の死神「グォォォ~~~!!」 骨の燕「ビヨォォ~~!!」
真利愛「あれって!?」 葉蔵「地獄の馬に・・死神と燕・・・」
葉蔵達を横切る地獄の馬とそれに乗る死神、その肩に乗る燕はやがて竹一・切歌・調の姿となって・・

竹一「行くぞ!切歌・調~~!!」 暁切歌(LOST)「はいデース!!」月読調(LOST)「私たちの力を一つに束ねる!!」
かけ声と共に竹一のバイクに、前に切歌のイガリマのバイクと刃、後ろに調のシュルシャガナのホイールが付き・・・

3人「ハァァァ~~~!!」 禁合X式・Zあ破刃地ゴクぅGu魔(きんごうえっくすしき・ザババじごくぐるま)

厚木「このまま、第2ゲートに突っ込む気か!?」
響「止めなきゃ、あそこにいる人(警察官)達が!!」ヘリから飛び降りる
厚木「おい、立花!?」 美子「響さん!?」

響「Balwisyall nescell gungnir tron・・・オォォォ!!」
響はそのまま禁合X式・Zあ破刃地ゴクぅGu魔に突っ込み、意地でも止めようとする

警察官A「ヒィィ!?」銃を乱射
警察官B「く、来るなぁ~~~!?」銃を乱射

竹一「ひやっはぁ~~~~~!!」マスクを外しながら

響「うぅ・・ぐわぁ~~!?」はね飛ばされる

どぐしゃあぁぁぁ~~ん!!
激しい爆発音と共に辺りが大爆発を起こす
響「ガフゥ・・・」道路に倒れる
翼「立花~~~!!」駆け寄る

翼「大丈夫か立花!?」
響「私は平気・・・・それより調ちゃん達はぁ?」
大爆発によって、レインボーブリッジの第2隔壁は完全に破壊されていた

暁切歌(LOST)「くぅ・・・うぅぅぅ・・・・」腹部に破片が刺さっている
月読調(LOST)「うぅぅ・・・・」全身やけどに大量の切り傷からの出血

竹一「チィ・・・今飛び出して来た奴に邪魔されたが・・・これは・・・俺たちの・・勝ちだぁ・・・」
月読調(LOST)「予定とは違ったけど・・・これなら・・・」
暁切歌(LOST)「ひひ・・どんなもんですよ・・・」

葉蔵「竹一~~~~!!」駆け寄る
真利愛「竹一さん!!」駆け寄る
竹一「葉蔵・・・真利愛かぁ?なぁ・・やっぱ、インサイドの空気はうめぇよなぁ・・・・」
月読調(LOST)「ええ・・・」 暁切歌(LOST)「ソウデスヨォ・・・」
真利愛「待ってて!今、GRMP起動を要請するから・・・・」

ヒラメ隊員1「そこを動くな!!」 ヒラメ隊員2「武器を捨てて投降しろ!!」
葉蔵「!?。警官・・・じゃない・・・?」

マリア「響!翼!!」
響「マリアさん・・・2人を止められなかった・・・・」
マリア「そんな・・・調・・切歌・・・」
クリス「・・・・・・」

真利愛「今、私を呼んだよね?お願い!彼女達を・・・・」響達に駆け寄るが・・
マリア「え・・・・・?」気づく
真利愛「え・・・・・?」
真利愛とマリア、お互いの目が合ってしまう

クリス「こ、これって・・・!?」
葉蔵「真利愛が・・・2人!?」

厚木「マリアが2人だと!?一体なにがどうなって・・・・」
美子「奥の3人のGRMPが!!LOSTします!!!」
厚木「何イィ!?3体同時だと・・・・」

暁切歌(LOST)「ガッ!グァァァーーー!?」
月読調(LOST)「グゥッ!?アァァァーーー!?」
竹一「グ!?がぁぁーーー!?」
3人の身体が青く光り出す

クリス「この症状・・・離れろ!こいつら、ロストするぞ!!」
真利愛「え?」 

その時、ロスト体になろうとする2人の前にカルマノイズが現れる
響「そんな・・あれって!?」
翼「この世界に現れていたのか、カルマノイズ!!」

竹一「グゥッ!ヌァァァ~~~~~!!!」
暁切歌(LOST)・月読調(LOST)「アァァァァ~~~~~~!!!」
身体の破裂と共にロスト現象が起こり・・・
カルマノイズ「ーーーーーー」
呪いの瘴気を残して、カルマノイズは去った

堀木正雄「ハデスのザクロよ。俺の手伝いをするのか・・・」
遠くでは堀木正雄が遠くで観察をしてた


呪いの瘴気が暁切歌(LOST)・月読調(LOST)のロスト現象の渦を束ね・・・・
ロスト体?「グウオォォォ~~~~~~!!」
右腕に大鎌、左腕にホイールソウのついたロスト体が、通常のロスト体と共に現れる

厚木「なんだあれは!?」 美子「突然変異のロスト体・・・・」

翼「これは!?呪いの瘴気で、ロスト体を変異させたのか!?」
響「そんな!?調ちゃん、切歌ちゃん!!!」

ヒラメ隊員B「総員・・・列を乱すんじゃ・・・」
変異ロスト体(調・切歌)「グォォォォーーーー!!」襲いかかる
ヒラメ隊員B「ウワァァァ~~~~!?」
変異ロスト体は右腕の大鎌でヒラメ隊員を刺し殺していく

クリス「なぁ!?コッノォォォォ~~~!!!」CUT IN CUT OUT
変異ロスト体「グッ!?グゥゥゥゥ~~~!!」耐える
響「止めてクリスちゃん!!」
翼「諦めるんだ!!もうかれらは人間ではない!!」

葉蔵「な、なんなんだこれ・・・・」 真利愛「こんなのって・・・」
ロスト体(竹一)「グゥゥゥゥ~~~・・・・」
ロスト体が触手を出して攻撃してくる

マリア「グゥ!!」触手を防御する
マリア「2人とも逃げて!!!」
葉蔵「あぁ・・・真利愛!!」 真利愛「え、えぇ!!」
マリアがロスト体の攻撃を防御してつつ、葉蔵と真利愛は逃走するも・・・

変異ロスト体「グゥゥゥ!!」左腕を振る
変異ロスト体のホイールソウが伸びて、葉蔵達の逃げ場をなくし・・・
葉蔵「う、ウワァァァ~~~!?」
変異ロスト体が出してきた爪の触手に刺さり、投げ飛ばされる葉蔵

真利愛「葉蔵さん!?」
ギィィィ~~ン・・ガシュン!!
真利愛「ガはぁッ・・・・」
真利愛は戻りで飛んできたホイールソウに切り込まれてしまう

真利愛「ぐぅぅ・・・」切り込みによる出血多量 葉蔵「ガフゥゥ・・・・」壁に激突し、致命傷

翼「ハアァァァ~~!!」蒼ノ一閃
変異ロスト体「ぐぅぅ!?」当たっても、たいそうなダメージはない

真利愛「ガァ!?・・・・アァァァ!?」
葉蔵「ガッ・・・アァァァァ~~~!?」
2人もまた身体が青く光り出して・・・

マリア「そんな・・またかあの人も・・・・・・!?」
マリア「ウウッ!?ガはぁ、あぁぁぁぁ~~~!!」
突然、マリアも首と腕の所に青く食い込むように光り出して・・・

美子「もう2人にも・・・・って、そんな!!マリアさんにもロストの前兆が!?」
厚木「なんだって!?」

響「マリアさん!?」駆け寄る
マリア「アァァ~~~!!か、身体が喰われていく・・・」
響「マリアさん!!」

厚木(通信)「おい、何をしている!!」
響「マリアさん、マスクを外しますね!!」
響がマリアに駆け寄り、GRMPマスクを力ずくで取り外す

響「ツウウ~~!!」マリアのGRMPマスクを投げる

葉蔵「アァァァ~~うぅぅ・・・ガァァァ~~~!!」
真利愛「グゥゥゥゥ・・・ツウ~~・・ウワァァァ~~~!?」
2人共、爆発と共に青黒い渦に包まれる

ドォォ~~ン!
響が投げたGRMPマスクにも同様の爆発が起こる

マリア「ガハァ・・・・」 響「マリアさん!?」
青い発光は収まるが、逆にGRMPが食い込んでいた箇所に傷口が開き、出血を起こす

厚木「無理に外した事でロストせずに済んだが、体外GRMPが食い込んで逆に傷つけたか・・・」
厚木「第2部隊。ヘリの降下後にシンフォギア装者を援護!!並びに新たに出現したロスト体の捕縛及び負傷した装者の救助に迎え!!」

響「マリアさん、しっかりしてください!!」
翼「マリア!?何故こちらのマリアまでも・・・・」
変異ロスト体「グゥゥゥゥ~~~!!」
響・翼「!!?」
大鎌の右腕を響達に向けるが・・・

ガシュン!!
変異ロスト体「!!??」触手に右腕を刺される
ロスト体(竹一)「!!!?」こちらは上空に串刺し状態になる

ロスト体(葉蔵)「・・・・・・・・・」
ロスト体(真利愛)「グゥゥゥゥ~~~!!」
葉蔵のロスト体が竹一のロスト体と変異ロスト体の大鎌の右腕を串刺しにし、真利愛のロスト体が変異ロスト体のホイールソウの左腕を触手で捕まえ、響達の前に立ちふさがる

クリス「なんなんだいったい・・・・」
響「ロスト体が、私たちを庇って・・・・」


堀木正雄「・・・・真利愛はともかく、効果は格別だが・・オルフェウスには届かなかったか。」

厚木「総員、二手に分かれてロスト体の捕縛と負傷した装者の救助を急げ!私はこのまま装者の援護に・・・」
美子「!!」ヘリから飛び降りる
厚木「美子!?」
美子「待ってください!!あの2人のロストに、文明曲線が反応を示したんです!!おそらくあの2人・・・」
厚木「まさか、あの2人の中に第3のアプリカントが・・・」

ロスト体(葉蔵)「・・・・・・」 ロスト体(真利愛)「・・・・・」
彼らは意識を保っていた。そして他のロスト体2体の反撃に遭うときにあるビジョンが流れてきた

マリア「ハァ!?」 美子「うぅ・・・」
響「マリアさん!?」 厚木「美子!?」
マリア「これって・・もう1人の私の・・・・」

ロスト体(竹一)がロスト体(葉蔵)を包むように捕食し・・
変異ロスト体が左腕のホイールソウでロスト体(真利愛)を返り討ちに切り裂こうとする


赤い空間
葉蔵が黒い何かに首を絞められ、抵抗する

葉蔵「ぐ・・グゥ・・・グァァァァァ~~!?」
身体が赤く光り出し、黒い何かに抵抗する

その様子を観ている真利愛
真利愛「お願い止めて・・・止めないと・・・私が・・・私ガァ~~~~!!!」
真利愛の身体が白く輝きだして・・・


ロスト体(真利愛)「ウ・・うぅ・・」 変異ロスト体「????」
ロスト体(真利愛)「セ・・・セイレン コフィン アガートラーム トロ・・・オオオオオ~~!!」

ドゴォォォ~~ン!!
ロスト体(真利愛)が突然爆発し、白黒い渦に包まれる
同じ頃にロスト体(竹一)に捕食されたロスト体(葉蔵)にも爆発が起き、赤い炎の渦が立ち上った

響「なに?何が起こっているの・・・・」
美子「赤い炎に、白い渦・・・・」
翼「それにあの歌は・・・」

炎の化け物「グォォォォーーーー!!」
クリス「な、なんだコイツ!?」
赤い炎の渦から赤黒い炎の纏った化け物が現れ・・・

アガートラーム?「ガァァァァァ~~~!!」
白い渦から暴走したアガートラームが黒白の姿で現れる

翼「あれは・・・・シンフォギア!?」
マリア「アガート・・・ラーム・・・・」気絶

変異ロスト体「!!!!」ロスト体(竹一)「!!!」 襲ってくる
炎の化け物「グォォォォーーーー!!」
炎の化け物が2体のロスト体と戦いはじめる

2体のロスト体が触手で化け物に攻撃するも・・・
炎の化け物「グォォォォーーーー!!」
それを焼き切り、逆にロスト体を投げ飛ばす

炎の化け物「グゥゥゥゥ~~~!!」
変異ロスト体「!!!??」
今度は変異ロスト体の大鎌を熱を浴びせるようにして、へし折り、それを奪って・・・

炎の化け物「グオォォォーーーー!!」
変異ロスト体「!!!?」
奪った大鎌で変異ロスト体を刺し、その傷口から引き裂こうとするが・・・

暴走アガートラーム「ガァァァァァーーー!!」パンチ
炎の化け物「!!?」殴られる
アガートラームが化け物を殴り飛ばし・・・・

暴走アガートラーム「ガァァァァァーーー!!」
変異ロスト体のホイールソウの左腕を破壊し、変異ロスト体を真ん中から突き破る

ロスト体(竹一)「グゥゥ~~~~!!」突進攻撃
暴走アガートラーム「ガゥ!!」
あいている腕でロスト体(竹一)の頭を突き破った!

クリス「なんだよ・・・あいつ、ロスト体を一撃で・・・」
響「そんな・・・調ちゃん・・・切歌ちゃんが・・・・」
翼「嫌・・・アレを見ろ!」

ドロドロドロォ・・・
変異ロスト体が溶け出し・・

調(LOST)「・・・・・」 切歌(LOST)「・・・・」 竹一「・・・・・」
なんと溶けたロスト体から人間の姿の調達が出てくる

響「こ、これって!?」
美子「ロスト体を人間に再構築させた・・・・」

炎の化け物「グォォォォーーーー!!」
暴走アガートラーム「アゥゥゥゥーーーー!!」
今度は化け物とアガートラームが互いに戦いはじめる

クリス「こいつら・・・敵味方お構いなしかよ!!」
厚木「いや、これはチャンスだ!お互いが疲弊した隙に薬液を注入すれば・・・」

響「ハァァァ~~~~!!」飛び出る
翼「立花!?」

炎の化け物「グォォォォーーーー!!」
暴走アガートラーム「アゥゥゥゥーーーー!!」
響「止めてください!!」
化け物とアガートラームの攻撃を止めて、拘束させる響

響「何がなんだかわかりませんが、もう戦いは終わっています!!だから・・・」
炎の化け物「グォォォォ!?」 暴走アガートラーム「ガゥゥゥゥ!?」
クリス「おい!危ねぇからそこを離れて・・」
美子「響さん、そのまま動かさないで!!」
翼「美子、一体なにを!?」 厚木「まさか・・・」

美子「・・・・・・」2人の頬に触れる
炎の化け物「グゥ!?ゥゥゥ・・・・」おとなしくなる
暴走アガートラーム「アゥゥゥ・・・・・」同じく
するとみるみるうちに2人の姿は変わってきて・・・

葉蔵「・・・・・」気絶
真利愛「・・・・・」気絶
2人の姿がロスト体になる前の姿になった

響「美子さん・・・・」
美子「・・・・・・」2人を確認する

美子「体内GRMPも正常・・意識も、姿も人間に戻ってる・・・」
厚木「美子、一体これはどういう・・・」
美子「厚木さん・・・こんな奇跡は想像以上ですよ・・・」
厚木「想像以上?」
美子「はい・・・見つけたんです。」
翼「見つけたって、何を?」
美子「私もわかりません・・・ですが、この人達が文明を再生させる鍵になる人・・・」

美子「『第3のアプリカント』だけじゃなく、『第4のアプリカント』も見つかるなんて!!」

厚木「!!??」
翼「アプリカント?それは・・・・・」
響「美子さん。あなたは一体・・・・」

降りしきる雨の中、一同は状況の理解がわからず、ただ立ち尽くだけだった


堀木正雄「まさかこんなことが・・・あり得ない・・・・」
堀木正雄「オルフェウスは見つけたのは良いが・・・・面倒な事になってしまったか・・・」
堀木は何かに喜びながら、何かに悔しがる思いでその場を後にした

第5話 第2の手記:アプリカント

響達の世界 S.O.N.G.内部 ギャラルホルン前
セレナ「ふふふ~~ん☆。定期報告ついでにマリア達に差し入れのフルーツを持ってきちゃった!お姉ちゃん達、喜ぶかなぁ・・?」
室内から出てすぐに・・・・

未来「調ちゃん、切歌ちゃん、しっかり!!」
切歌「ガァァァ・・・ツァァ・・・」
調「グゥ・・・ゥゥゥ・・・・」

セレナ「・・・・・・えっ・・・・・・」
突然の事に差し入れのフルーツを落とすセレナ

2時間後 ギャラルホルン前
クリス「おい、すぐに来てくれ!!マリアが!!」
マリア「うぅぅ・・・・・」

S.O.N.G. 発令所
弦十朗「まさか、あちらの世界にもマリア達がいたとは・・・」
クリス「あぁ・・・迂闊だった。平行世界のあいつらがいた時点でこっちの世界の精神的リンクの事を気にしていれば・・・」
エルフナイン「確かに今回の平行世界の繋がりは、今までない事例やその世界状況もあって、装者達の大事な事を見落としていました・・・」
弦十朗「ノイズやシンフォギアも存在しないと想定した矢先にこんな事態が起きた事は我々の認識不足が招いたことだ。」
クリス「そっちの調達の具合の方はどうなっている?」
エルフナイン「異常な発作とけいれんを起こして数分後、どうにか峠を超えて落ち着いています・・・」
クリス「そうか・・・あっちの調達も、S.H.E.L.L.の緊急の施設でおとなしくいている所だ。このまま、おとなしくしていればな・・・」
エルフナイン「そうですか・・・なぜクリスさんはマリアさんを連れ戻したんですか?」
クリス「S.H.E.L.L.はGRMPに頼りっきりだ・・・アタシらの世界とは違って、ちゃんとした医者もいねぇし、精神的リンクの影響でマリアがロスト体になるかもしれなかったからだ・・」
弦十朗「そうか・・クリス君の判断は正しい。医療技術が向こうより下だが、我々の世界の身体は我々の世界で治すのが安全だからな。」

クリス「あと、澁田のおっさんから司令部への情報提供だ。」USBメモリを渡す
エルフナイン「わかりました。今すぐに解析しますね・・・・」

翌日
エルフナイン「ここ数日間で翼さんや澁田さんのUSBメモリから貰った資料を元に無病長寿大国とS.H.E.L.L.についての情報を纏めました。今後はこれらの情報を前提に連携をとりたいと思います。」
モニターにその情報を映す

エルフナイン「まずGRMPとは、その世界の医療革命「遺伝子操作・再生医療・ナノマシン・万能特効薬」の頭文字から名付けられた医療用ナノマシンであり、その世界の全国民に投与され、合格者と呼ばれる選出された人達を健康指標とする事で、ネットワークを通して国民全てに半永久的な長寿と健康を約束されています。」
エルフナイン「ですがその一方で、環境汚染とインサイド・アウトサイトと貧困格差が我々の世界より劣悪の状況であり、大怪我や病気の際、澁田機関・・・別名ヒラメの監視や実行・教育もあって、国民の健康維持と回復がなされている状態です。」
エルフナイン「次に無病長寿大国にとって唯一の死の具現あるロスト体及びヒューマンロストについてです。」
エルフナイン「S.H.E.L.L.の管理するヒューマン・ネットワークから外れてしまい、健康基準を見失ったGRMPの暴走により、周囲の物質を取り込んで怪物化してしまう現象であり、現在唯一人類に死をもたらしてます。」
エルフナイン「ノイズと異なり自然消滅はなく、発生は多くありませんが溶解液による内部からの破壊でなければ、体内のGRMP反応を察知し、他者を死に引きずり込む習性を持っていることがわかりました。」
あおい「まさに歩く死の脅威に相応しい・・・」
エルフナイン「さらにカルマノイズの影響もあるのか、このような突然変異のロスト体が確認されたとの報告もあります。」
映像には調と切歌の変異ロスト体の他、腕がショベルアームのロスト体も写し出されていた

エルフナイン「何故ヒューマンロストが起きるとこのような事態になるかは不明ですが、このような事は通常は希に起きるモノだと向こうでは思われています。」
エルフナイン「しかし近年、ヒュ-マンロストが頻発に多く起きるようになり、その原因の一部としてS.H.E.L.L.が指名手配しているテロリスト、「堀木正雄」が開発したアンチGRMP薬が原因と推測されています。」
エルフナイン「アンチGRMP薬には、GRMPの働きと健康基準の固定を阻害させ、自発的にヒューマンロスト現象を引き起こしているのが、現時点の堀木の文明崩壊へのやり方だと思われます。」
弦十朗「うむ。かなり前進してきたなぁ。マリア君に起こったヒューマンロスト現象も、向こうのマリア君の影響と精神的リンクの影響でGRMPマスクのナノマシンが大きく負担があって、ヒューマンロストに近い状況を作ったことがだと説明がつく。」
エルフナイン「僕たちはクリスさんが提供してくれたGRMPマスクからGRMPを研究してみます。あちらのシステムには身体状況の可視化や連絡機能も備わっている見たいですので。」
エルフナイン「仕組みがわかれば、あのマスクに頼らなくてもGRMPの管理をし、危なくなれば即時廃棄をして装者のロスト体化を防ぐことが出来ると思われます。」
弦十朗「確かにな。だが問題は他にもある・・・・」
エルフナイン「文明曲線と昨日に判明した「アプリカント」の存在ですよね・・・」

エルフナイン「前述話したテロリスト「堀木正雄」は、ロスト体を操る「ネクロマンス型」の第1のアプリカントであり文明曲線を崩壊へと導き出そうとしています。」
エルフナイン「対して第2のアプリカントである「柊美子」さんはGRMPの動きを察知して、ロスト体を抑える「ディフェンシス型」で、文明曲線を再生へと導こうとしています。」

エルフナイン「そしてロスト体を破壊する能力を持つ第3のアプリカントである「大庭葉蔵」。」
エルフナイン「他の体内GRMPを吸収し、人の姿に再構築させる第4のアプリカントである向こうの世界のマリアさんもとい「和泉真莉愛」。」
エルフナイン「この2人には曲線が崩壊と再生が定まっておらず、他の2名とは違い、ロスト体から人間への戻った唯一の事例がある人です。」

弦十朗「アプリカントの存在・・・何故S.H.E.L.L.が今まで隠してきた事を今になって・・・」
エルフナイン「わかりません・・・クリスさんが言うにアプリカントの存在を知られた以上、話せる事は話して上げようと合格者達の話し合いでの決定と聞いています。」
達也「合格者かぁ・・・・一体どんな人達だろうか・・・・?」


HUMANLOSTの世界 合格者との対談部屋

合格者4「異世界からの者の健康状態は体外用GRMPを持ってしても、我らの世界では旧世界モノでリスクを孕むだけだ。」
澁田「では、合格基準にはノーマークと?」
合格者2「あぁ、GRMP投与によるカルチャーショックとアナキュラシーショックもあるし、何よりも向こうの世界の反感を招く・・例外はない。」
澁田「ご理解頂いき、感謝します・・・・」
合格者3「ところで澁田よ、第3のアプリカントである大庭葉蔵と共に目覚めたという第4のアプリカント、確か・・・」
澁田「和泉真莉愛と申しております。」
合格者達「!!!??」動揺
合格者3「まさか・・・和泉とはあの和泉製薬の元御曹司だと言うのか?」
澁田「いえ・・・あの和泉製薬の社長のご家族にそのような娘が居たことは存じておりません・・それにGRMP登録IDも偽造の物だと判明しております。」
合格者2「澁田!お前って奴は、あの時の和泉製薬の悲劇を忘れたのか!?」
澁田「嫌、今でもはっきり覚えております。」

澁田「昭和93年、今の日本が一時的にGDPが最下位に近く、米国の属国状態だった第2次医療革命時代。」
澁田「GRMPの核となる四大医療革命の内、ナノマシン・万能特効薬の2つを研究してた和泉製薬。表向きは国内の製薬会社の一方、裏で聖遺物の研究もしていた旧日本政府(安倍政権)と経団連の恩を受けていた多国籍企業でもありました。」
合格者2「安倍政権・・・・思い出したくもないね、あんな日本人の皮を被った売国奴の顔など・・・」
澁田「わかります。彼らの財源は国民全員の高い税金であり、しかもあやつらは利権経済でS.H.E.L.L.やGRMP、はたまた財源と健康を海外に売り飛ばそうとした国賊きわまりない連中でした・・」
合格者3「そうとも。和泉製薬も奴らを後ろ盾に非公式な実験をやりたい放題していたと聞く・・・」

澁田「はい。ところが和泉製薬の研究施設で大規模な事故が起こり、見学してた安倍総理と各国の首脳とVIP共に巻き込まれた事で、各国の政体は崩壊し、旧日本政府も解体され、我々S.H.E.L.L.の体制が出来上がったのです。」
合格者5「そうだ!和泉製薬の技術の喪失は痛手だったが、我々合格者が政治や健康に干渉し、国民の健康の基準となる事で今が存在する事に他ならない。」
合格者4「あぁ・・・しかしあの和泉製薬に生き残りがいたのは事実。彼女のアプリカントとしての能力から、彼女を合格者に認定するに値すると?」
澁田「はい。同じアプリカントである柊美子は、第3のアプリカントである大庭葉蔵と共に文明の再生の要だと言っております。」
合格者2「確かに・・ロスト体を破壊する力とGRMPを吸収して新たに人間の身体を構築させる力・・・そしてその2人はロスト体から人間に戻ったと聞いている。つまり・・・」
澁田「はい。ヒューマンロスト現象を克服し、更なる長寿と健康をもたらせることを可能にすべく・・・この澁田、身命を賭して望むおつもりです。」
合格者2「その息ですよ。是非とも、限界寿命180歳突破の夢を叶えましょうねぇ・・・」
澁田「ははぁ~~。」

合格者1「いずれ、大庭葉蔵も和泉真莉愛も合格者に定めよう・・・ただし、完全に制御が出来てからだ。」
合格者1「健康基準は慎重に定めなければならんよ・・・国民のためにな!」
澁田「招致しております・・・」汗


場面は対談部屋から所長室に移る
澁田「ふぅ・・・・」

翼「何をされていた?」
澁田「翼さんか・・今、合格者達から急な呼び出しが来てなぁ。君たちの事は合格者達にも少なからず評価されているぞ。」
翼「そうですか・・・・」
澁田「わかってくれ・・・第3・第4の曲線が崩壊と再生のどちらに合流するかもわからない状況なんだ・・いずれ、君たちにも合格者達とのコンタクトが取れることを手配しておく。」

翼「・・・・・一つ、聞きたいことがあるのだが・・・」
澁田「なんだね?」
翼「合格者の中に、『風鳴訃堂』と言う者はおりますでしょうか?」
澁田「サァ・・・・合格者の個人情報までは鑑賞を認められてない・・いるのかもすら聞いていないなぁ・・・」
翼「そうですかぁ・・・」
澁田「それで、何をしにここへ?」 翼「あぁ、そのことですが・・・・」

葉蔵の部屋

葉蔵「・・・・・・」地獄の馬の絵を描いている
竹一「葉蔵!スッゲぇ旨いじゃん、お前!!」


S.H.E.L.L. 集中医療施設
葉蔵「はぁ!? はぁ・・はぁ・・」
辺りを見て、自身が拘束されている事を知る葉蔵

葉蔵「なんだ・・・これ・・・」
美子「あなた話して、異常がなければ外します。私は柊美子です。」
美子「ここは澁田機関。S.H.E.L.L.と共に健康保証とその研究を行う組織です。」
葉蔵「あの化け物はなんなんだ!?俺ハァ・・・」
美子「あなたは、一度死んで・・蘇りました。」葉蔵「はぁ?」
美子「体内のGRMPの暴走を制御し、元の姿に戻りました。」

美子「凄いことです!貴方こそ、世界を救うアプリカントに違いありません。」
葉蔵「なに・・・言っているだぁ?」
美子「今はわからなくても、すぐにわかるようになります・・・」
葉蔵「竹一・・・そうだ!竹一に会わせてくれ!!調や切歌達もだ!!」
美子「は、はい・・・・」
葉蔵の拘束を解き、竹一のところへ向かう葉蔵

真利愛「葉蔵!?」 葉蔵「真利愛・・・良かった、無事だったのか・・・」
美子「貴方はたしかぁ・・・・」
響「ごめんなさい!!真利愛さんも、調ちゃん達に会いたいと言ってきたので・・・」
美子「そうでしたか・・では一緒にいきましょう。」

澁田機関 集中治療室
竹一「・・・・・・」眠っている
暁切歌(LOST)・月読調(LOST)「・・・・・・」眠っている

葉蔵「竹一~~!!」 真利愛「調!切歌!!」
クリス「おい!?お前ら・・・」
美子「今は昏睡状態ではありますが・・・・」
真利愛「あれは夢だったのかしら?確か竹一達が化け物になって・・・・」
クリス「・・・夢じゃない。今はああでも、こいつらはこれになっていたんだ・・・」
クリスはロスト体の竹一達の写真を見せる

葉蔵「!!!?」 真利愛「これって・・・・」
美子「4大医療革命、GRMPについてご存知ですか?」
真利愛「えぇ、知ってるわ・・・私たちを死なせないためのナノマシンの事ね・・・」
葉蔵「そんな事はどうだって良い!!なんで・・なんで今の人間がこんな写真みたいに・・・」
美子「ロスト現象です。ネットワークから外れると体内のGRMPが暴走するんです。」
真利愛「暴走・・・死ぬんじゃなくて?」
美子「講評はされていませんが・・・そのほとんどは肉体の境界線を逸脱して、このように変貌します・・」
響「・・・・・・・・」

美子がある物を取り出す
美子「彼らが所持していた物です。この絵はなんでしょうか?」
葉蔵「地獄の馬だ・・・俺が最初に描いた絵!!竹一が褒めてくれたんだ・・・」
真利愛「葉蔵・・・・」
葉蔵「調達や竹一も、自由を取り戻すって言ってたんだ。これがそうなのか・・・・」
真利愛「こんなのって・・・これじゃあ、本当に道化じゃない・・・3人とも。」
美子「本来はきわめて希な現象ですが、頻発する原因は・・堀木正雄がばらまくアンチGRMP薬が原因かと・・」
葉蔵「堀木・・・正雄・・・」

葉蔵「これが・・・正雄さんの仕業だって言うのか!?なんのために!?」
美子「S.H.E.L.L.体制を崩壊させるためです。」
真利愛「あ、あの人が・・・まさかそんな・・・」
美子「S.H.E.L.L.本部でも解析できないナノマシン拮抗剤を作り出せるのは・・堀木だけです。」

響「私たち、堀木さんとロスト現象から・・みんなを守りたいんです!!」
美子「はい。そのためにも葉蔵さん、そして真利愛さんにも協力して欲しいんです!!」
真利愛「協力って・・・・私なんかに出来るのですか?」
美子「はい。アプリカントである貴方たちなら、可能です。」

葉蔵「・・・・狂ってるよ・・・・何もかも・・・・」

地獄の馬の絵を取り・・・
葉蔵「真利愛・・・竹一達を頼む・・・」
真利愛「あなたは?」
葉蔵「俺は・・・一度だけ帰らせてくれ・・・そしたらなんでも協力する。」

ヒラメ 所長室

澁田「大庭の協力を得るためだ。」
翼「解放させるなど、リスクが高すぎる・・・堀木が接触を図る可能性がある。」
澁田「だから君たちを護衛に出すんだ。むしろ、堀木を捕らえるチャンスでもある。」
厚木「確かにそうだが、それよりもさっさと美子と彼、真利愛を合格者と認定し、健康基準に加えたらどうです!」
澁田「合格者もそう望んでいる・・・だが影響は未知数だ。慎重に進めなければならない・・・」
クリス「結論を避けるのはじじい達の意向かよ!それだからS.H.E.L.L.の機嫌をうかがってへつらう奴らと言われるんだよ!!」
厚木「雪音の言う通りだ。今やってることは現状維持をしたまま滅びに向かうことを待てと?」
澁田「彼らとて時間が限られている・・・330人いた合格者が今や108人しかいないんだ・・・我々は彼らの寿命を・・・」
美子「私が同行します!」 厚木「美子!!」
美子「大丈夫・・大庭さんや真利愛さん・・そしてここにいるシンフォギア装者達の協力で文明を再生させる存在だと言う事を証明させてあげます。」
翼「柊・・・・・」
響「でしたら、私も同行させてください!!」 美子「響さん!?」
響「私も、大庭葉蔵さんと繋がりたいし、美子さんを信じたい!!それに・・・」

響「私・・・出来る事なら、堀木正雄さんとは戦いたくはないんです・・」
厚木「なにぃ~~!?」
響「悪い人なのはわかっています!でも、ちゃんと話し合えば・・堀木さんもわかってくれるんじゃないかなって・・・」
翼「話し合いか。立花らしいな・・・」
厚木「しかし、相手は堀木正雄・・話し合いで済めば、俺たちでも苦労はしないぞ!!」
響「だとしても!!私の手は誰かと繋ぐためにある者・・それはこの世界でも曲げることがない、私の信念です!!」
美子「響さん・・・・・」
澁田「良いだろう・・・立花響がそう言うなら同行を許可する・・・しかし・・・」

澁田「堀木正雄を侮っては行かん。彼もまた、相手の心を読むことを得意としてる。間違っても彼の思想に取り込まれる事のないように・・私からの忠告だ。」
響「はい!!」
そう言い、一同はひとまず解散する

厚木「立花響・・・対話に積極的であるが、どうも柊美子と似ているなぁ・・」
澁田「そう思うか?私もだよ・・・・」


美子と葉蔵、響と真利愛を乗せた車がS.H.E.L.L.から出発する
同時に翼やクリス、厚木を乗せたヘリも発進する

美子が運転する車の中
厚木(通信)「今上がった。君たちをフォローしている。」
美子「こちらも問題ありません。」
厚木(通信)「大庭や和泉の方から堀木と接触する可能性もある。サーチシステムは起動しておく。堀木相手では無意味かもしれないがな。」
美子「ありがとうございます。」
厚木(通信)「それと・・あまり思い詰めて焦るなよ・・」
響「厚木さん、平気へっちゃらです!私もいるから心配しないでください!」
美子「・・・響さんの言う通り、大丈夫です・・・」

葉蔵「で・・・なんで真利愛も一緒に・・・」
真利愛「ついでよ。いずれ定住するかもしれない場所に引っ越すために部屋を片付けるぐらいはしないと・・・」
葉蔵「はぁ・・・勝手にしろ。」
響「2人とも・・・相当仲が悪いのですか?」
真利愛「別に・・・私と葉蔵。生きる意味を見いだせない酒と薬、絵を描くことしか興味がない自堕落者、互いに好きになれないだけだわ・・」
葉蔵「あんただって、酒と男、それに自殺が趣味な女なんて・・・俺じゃなくても、好きになれないよ・・・」
真利愛「・・・・・・・」 葉蔵「・・・・・・」 響「アハハハハ・・・・」
美子「・・・・・(響さんの方が大丈夫なのが怪しいところですよ・・・)」

車はレインボーブリッジを通過する
美子「竹一さんの件は表向き、事故として処理されました。葉蔵さんや真利愛さんの暴走も罪には問われる事はありません。」
葉蔵「なんだって隠せるんだな・・」 真利愛「そうネ・・・」
響「・・・・(真利愛さんと葉蔵さん・・・2人とも本当に生きることに意味をなしていないのかな・・・?)」
ギスギスした空気の中、車はアウトサイドの湾岸線に入る

美子「インサイドを抜けました。ここからは・・・・」
葉蔵「貧乏人の世界だ・・・」
美子「ご協力くださった事に本当に感謝しています。S.H.E.L.L.体制は未完成だと承知しております。」
美子「環境も万全ではないし・・・大勢も貧しさに苦しんでいる事もわかっております。」
美子「でもいつか、誰もが健康で幸福で・・竹一さんや調さん達みたいな被害者を出すことがない社会を作れると私は信じています。」
響「そ、そうですよ!!私だって・・美子さんの事を信じていますから!!」
真利愛「果たしてそうかしら?あなた、テレビCMや広告でよく出る・・柊美子って人だよね?」
美子「はい。広報官も勤めておりますので・・・」
葉蔵「そういうことか・・・なんでそんなに一生懸命なんだよ・・・」
美子「どういうことですか?」
真利愛「竹一や切歌が毎日言ってた事だけど、S.H.E.L.L.は国民を勝手に死ぬことのない家畜にしているって。」
美子「私は、ここままでは崩壊しかねないこの文明を再生させたいんです・・・」
葉蔵「再生かぁ。要は、堀木正雄が消えれば良いんだよな?」
響「消えればって・・・・私は・・・」
葉蔵「お前に言ってないよ、立花。俺がやってやるだけのことだからな!」
真利愛「そうね・・・私にも、堀木には聞きたいことは山ほどあるからね。」
美子「葉蔵さん・・・真利愛さん・・・」

アウトサイド 横浜 
イチロク(十六号線)にあるバァ:メロス

葉蔵と真利愛がメロスに入る
マダム「よ、ようちゃん!?それに真利愛も!?」
恒子「ようちゃ~~ん!!」葉蔵に抱きつく

恒子「ちょっと~心配したんだから~!!」
葉蔵「大丈夫だよぉ・・正雄さんは来た?」
マダム「あの日の朝にねぇ。竹一達が凄い事故に遭ったって・・・」
恒子「そう言えば、竹一や切歌ちゃんと調ちゃんはどうしたの?」
真利愛「え、えぇ・・ギリギリ死ななかったけど、しばらく帰れそうにないって。」

外では
美子「ここで待ってて。」ドローンを待機させる
響「うわぁ・・私、こういうお店は入ったことが無いんですよ。未成年だし・・・」
美子「・・・私もですよ。こういうところに入るのは・・・」
2人は息を整えて店の中に入る

響「うわぁ!?女性の裸!?」目の前の絵を見て
マダム「あら、ごめんなさい・・・初めて来るお客さんならビックリするわね・・・」
恒子「あら?ここじゃあ、見かけない子ね?歳いくつ?ここは貴方みたいな未成年が来るところじゃないわよ!」

葉蔵「着替えてくる・・・」部屋に戻る
恒子「えぇ~~!?格好いいわよ、それ!!」
真利愛「ごめんなさいマダム、恒子さん。この人達は・・・・」
美子「すみません!部下がご無礼な事をして・・・私はS.H.E.L.L.の柊美子と申します。」
響「あ、私は立花響です。ちょっと大庭さんと和泉さんの事で話があるのですが・・・」
マダム「そうですか・・ようちゃんと真利愛さんが迷惑をかけたのかしら?」
美子「いえ、そういうわけでは・・・」

恒子「ママ~~!ようちゃんの身体、綺麗よ!傷一つ無かった!!」
マダム「!?。大事故だったって聞いたから、S.H.E.L.L.でも治せないじゃないかって心配してたの・・・」
美子「心配ありません。大庭さんや真利愛さんも健康そのものです。」
マダム「そう・・S.H.E.L.L.様々ね・・ともあれ、無事に送り届けてくれた事には感謝するわ。ありがとう・・」
響「いいえ!私たちはただ人助けをしただけですよ!!」
マダム「ふふ、あなた・・・とても親切なのね・・」
美子「あのぅ・・・少しご相談があるのですが・・・」
葉蔵が着替えて、2階から降りてくる

マダム「部屋、借りるわよ。2人だけの方が良いみたいだから・・」
葉蔵「好きにしろ・・・」
美子「響さん、大庭さんと真利愛さんを頼みます。」
響「はい、頼まれました!!」
美子とマダムは2階に上がる

響「なんか安心したら、喉が渇いてきました・・・」
真利愛「そうね・・・貴方に切歌ちゃんが好きだったのをごちそうするわ。」
響「本当ですか!!」
真利愛「えぇ。恒子さん、立花さんにマンゴージュースのサイダー割りを。私も飲むわ。」
恒子「・・・・は~~い。」不機嫌そうに用意する

葉蔵の部屋
マダム「ごめんなさいね、ようちゃんの部屋しか無いの・・」 
マダム「酷いでしょ?これでも片づけたつもりなんだけど・・まぁ、かけて。」
美子「お邪魔します」隣に座る

マダム「それで、どういう御用?」
美子「失礼ですが・・・大庭葉蔵さんのご親族でしょうか?」
マダム「家主・・・みたいな者よ。ようちゃんに家族はいないわ。本人が言う限りはね・・」
美子「では、和泉真莉愛さんについては?」
マダム「よくようちゃんの所に遊びに来る友人よ。よく酒を頼んでくるけど・・・」
美子「大庭葉蔵さんと和泉真莉愛さんをS.H.E.L.L.の機関部員として迎え入れたいと考えております。それでご挨拶を・・」
マダム「急な話ね・・」
美子「機密事項なので、詳しいご説明が出来ず大変申し訳が無いのですが・・・」
マダム「はぁ~~・・説明されてもどうせわからないわよ・・・」
マダム「こんな所までついてきたって事は、やっぱり何かようちゃんと真利愛さんが迷惑を?」
美子「ですから、そういうわけでは・・・」

マダム「私が知ってるようちゃんは、とても素直で良い子よ。」
マダム「ろくでもないのは父親。子供のようちゃんを捨てて、蒸発したらしいのよ。」
美子「そうですか・・・」
マダム「親なんかいなくても生きていける歳になっても、日がな一日、絵を描いてばかり・・友達も竹一だけ、変わった子よね・・」
マダム「でも、あの子なりに居場所を探しているのよ・・・」
マダム「それは真利愛さんも同じ・・・ようちゃんに冷たく言ってるけど、あの子もあの子なりに居場所を探している・・」
マダム「あの人が子供の頃に大きな爆破事故で家族を失い、調ちゃん達に拾われて過ごし、この場所に流れ着いて、ようちゃん達と出会った。」
マダム「真利愛さんとようちゃん・・・見た目も性格も違うけど・・思ってることは同じ・・似たもの同士って奴かな?」
美子「似たもの同士ですか・・・」葉蔵が描いたオニみたいな絵を見る
マダム「お店に飾っているのはみんなようちゃんの絵よ。変だって思うでしょ?年甲斐も無く裸を描かせてたりしてって・・」
美子「い、いえ・・・」
マダム「描いて貰ってよかったわぁ・・合格式なんて決めた人達からすれば、失格でしょうけど・・ったく、何が合格か・・誰がわかる?」
マダム「美しさも・・幸せも・・人それぞれじゃ無い?」

マダム「あらごめんなさい・・・あなた、S.H.E.L.L.の人だったわね・・・」
美子「S.H.E.L.L.よる健康と長寿は私たちが守るべき万人の願いだと思っております。」
マダム「あなた・・・信じる天才なのね・・・。」 美子「・・・・?」
マダム「申し訳が無いけど・・・私がどうこう言う立場じゃ無いわ。ようちゃんや真利愛さんがしたいと思えば、そうするんじゃないかしら?」
美子「では、大庭葉蔵さんと和泉真莉愛の身柄は正式に預からせて貰います。」
部屋から出ようとする美子

マダム「貴方もようちゃんに描いて貰いなさいよ、美しい内に・・・」
美子「お邪魔しました・・・」

第6話 第2の手記:崩壊のビジョン

1階に降りると葉蔵と真利愛、響達の姿はなかった
美子「大庭さん達は?」
恒子「真利愛がね、用事を思い出したって言って、ようちゃんも一緒にどっか行っちゃったわよ・・立花って子もそれを追いかけて行ったわ。」
美子「!!!?」
慌てて店を出る美子

恒子「ママ~~、真利愛とようちゃんが付き合ってる噂は本当だったみたい・・・これ飲んで死んじゃおうかしら・・・」カプセルを取り出す


寺院近くの通り道

響「はぁ!はぁ!待ってください、大庭さん、真利愛さん!!」
真利愛「はぁ!はぁ!しつこいわよ、立花!!」
葉蔵「なんなんだよあいつ!!立花、俺たちの事はほっといてくれ!!」
響「そんなの絶対出来ません!!」
逃げる葉蔵と真利愛を追いかける響

美子(通信)「響さん・・響さん!!」
響「ごめんなさい美子さん!少し目を離した隙に真利愛さんと大庭さんが逃げ出しまして・・今、追っています!」
美子(通信)「位置はわかりますか?」
響「今、お寺の近くを全力で走って追っているところです!!」
美子(通信)「わかりました!私もすぐにそちらに向かいますので、響さんは大庭さん達を捕まえておいてください!!」
響「わかりました!!」

寺院
真利愛「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・?苦しくない?」
葉蔵「そう言えば、俺も・・・・」
響「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・わ、私はマスクをしてるけど・・息が苦しいよ・・・」

響「でもどうして・・・美子さんから逃げたんですか!!」
葉蔵「それは・・・これを・・・」地獄の馬の絵を見せる
響「それって・・・」
葉蔵「もし、あのまま竹一が目覚めなかったらと思うと・・せめて、竹一の大事な物はここにおいて・・いつか帰ってくる時の目印にしようって・・」
真利愛「葉蔵・・・・」

刺さってたナイフを取り・・
葉蔵「それに、堀木正雄の目的は俺なんだろ?ならば、お前達が近くにいたらかえって・・・」
?「俺がどうしたって?」 3人「!?」
そこに青い花束を持った堀木正雄がいた

真利愛「堀木さん・・・・」
響「えっ・・・あの人が、堀木正雄・・・・」
堀木正雄「ん?君は・・・・」響を見て
浅草橋での出来事を思い出す堀木正雄

堀木正雄「・・・そうか。君が、かの平行世界から来たシンフォギア装者と言う者か・・・」
響「な、なんでそのことを・・・・」
堀木正雄「先日・・・浅草橋でのロスト現象の時に、君たちを見かけてね・・それを見て、別の世界の和泉製薬の物だと知ったんだ・・・」
堀木正雄「シンフォギア・・・和泉製薬がおまけ程度で製作していた聖遺物を使った歌唱武装兵器・・・」
真利愛「和泉製薬・・・・」
響「兵器って・・・シンフォギアは人を傷つける物じゃ無い!人を守るための物なんだ!!」
堀木正雄「ほぅ・・・君たちの世界ではそういう事なのか・・・」
葉蔵「それより・・・なんでこんな所に・・・」
堀木正雄「知りたいか?」

青い花を地獄の馬の絵と一緒に鉄の玉座に置く
堀木正雄「俺は、ロスト体が個別に持つネットワークにアクセスできる。S.H.E.L.L.から外れた葉蔵の影を辿ってきた。」
響「ロスト体に・・・ヒューマン・ネットワークがあるんですか!?」
堀木正雄「あぁ・・・美子から聞いていなかったか?」

堀木正雄「俺はS.H.E.L.L.が隠している事を知っている。知りたければついてこい。本来は大庭葉蔵だけを連れていきたかったが、特別に君たちも来るがいい・・・。」
響「・・・・・・」 真利愛「・・・・・」

オイマツエリア 巨大ダクトがある公園
堀木正雄と後をついて行く葉蔵、響、真利愛

ガスマスクの子供達「アハハハハ!!!」公園で遊んでいる

響「空気が汚染されているのに、外で遊んでいる・・」
堀木正雄「不思議な光景だと思うか?何故こんなに環境汚染や貧困格差が激しいのに国民の大半が平然としていられるのは何故なのか?」
響「それは・・・・その代わりにS.H.E.L.L.が人々の健康を守っている事に感謝しているから?」
堀木正雄「それは違う。この国の人間の幸せの大半は、S.H.E.L.L.が脳内物質を操作した結果だ。」
響「それって・・・・意図的に感情を操っているって事!?」
堀木正雄「そうだ。しかしそれを拒む者もいくつか存在してる・・・葉蔵や竹一、調と切歌、そして真利愛もだ。」
葉蔵「・・・・・・」 真利愛「確かに当たっているわ・・意味の無く自殺ごっこをやってるし・・・」
響「自殺ごっこって・・・」
真利愛「変でしょ?死ねない身体なのに、意味も無く死のうとする私を・・・」
堀木正雄「これもS.H.E.L.L.の体内GRMPの影響によるモノだ・・・死なないからと言う理由で死を楽しむ者をいる・・・」
響「死ぬことを・・楽しんでいる・・・・」

廃墟のエレベーター前につく一行
葉蔵「ここは?」 堀木正雄「俺の仕事場さ。」
エレベーターのロックをいとも簡単に解除する堀木正雄

堀木正雄「アプリカントになると、こんな芸当が出来る。葉蔵や真利愛が汚染された空気に適応できたのはそうだ。覚えておけ。」
一同はエレベーターに乗り、地下へ向かう


美子「!?。3人が地下に入った!」
車では美子を響達の反応を追って捜索していた

オイマツエリア:地下
そこには青い花が無尽蔵に広がっていた

葉蔵「花・・・・それもこんなに・・・」
堀木正雄「S.H.E.L.L.から送られてくる浄化空気には成長ホルモン薬が含まれている。おかげでよく育つ。」
堀木正雄「ケシの樹脂成分と俺の血から作り出したのが、アンチGRMP薬だ。ケシが脳内に及ぼすメカニズムを利用してね。」
真利愛「アンチGRMP薬・・・この青いケシの花が、アンチGRMP薬の原料だったなんて・・・」
響「なんで堀木さんは人々をロスト体にするんですか!?なんの理由があって、大勢の人達を・・・・」
堀木正雄「不老長寿を実現しようとした連中がそうさせたんだ。俺はそれに加担した事を今も後悔している・・・」
葉蔵「加担って・・・・?」

堀木正雄「俺は、この国で最後の医者だった・・・医療革命のために必死に働いたよ・・・。」
堀木正雄「そして・・・あの無慈悲な生命維持装置を・・・「S.H.E.L.L.」を生み出してしまった・・・」
3人「!!!???」
葉蔵「お前が・・生み出した・・・・」 真利愛「まさか、そんな!?」 響「堀木さんが、S.H.E.L.L.を作ったって・・」
堀木正雄「ロスト体こそ、この世界の日本に住む国民の本当の姿だ。そう柊美子やヒラメに教わらなかったか?」
真利愛「でも、普通に死んでいる人もいるって・・・」 堀木正雄「S.H.E.L.L.が変異を押さえ込んでいるだけだ。」

堀木正雄「この世界の人間は、無理矢理人間をやらされているんだよ。竹一達はその抑圧を感じていた。」
葉蔵「竹一や切歌、調が望んだって言いたいのか!?」
堀木正雄「死ぬために真の人間に戻る・・・彼らは願いを叶えようとした。しかし真利愛、お前がその邪魔をした・・・」
真利愛「邪魔をした・・・・?」
堀木正雄「そうだ!第4のアプリカントである君の能力によって、彼女達の願いを踏みにじった。許されざる行為だ。」
真利愛「そんなぁ・・・・私は・・・」
響「真利愛さん!その人の言ってる事を聞かないで!!」
葉蔵「あぁそうだ!!こんな奴の言ってる事は戯れ言だ!!」

そう葉蔵は堀木正雄をナイフで刺す
堀木正雄「!?」振り払う
響「葉蔵さん!?」

葉蔵「竹一や調、それに真利愛や切歌だって・・・みんな俺の友達なんだ!!それをお前はみんなを化け物にして傷つけさせたんだ!!」
真利愛「葉蔵・・・・貴方って人は・・・」
響「葉蔵さん・・・・・」

堀木正雄「全く・・・アプリカントでなくても、こんな者で死ぬ奴は一人もいないぞ。」ナイフを抜いてしまう
葉蔵「!?」 真利愛「そうだったわ。」
堀木正雄「その怒りも、二人のプライドも・・S.H.E.L.L.が無意味にしてしまったからね。」
響「無意味って・・・・あの人達はそんな事をする人じゃ無い!!」
真利愛「そうよ!!少なくても柊美子は貴方よりずっといい人だわ!!貴方なんて・・・・」
真利愛は首のアガートラームを掲げて・・・

真利愛「・・・・あぁ~~・・・あぁぁぁ~~~!!」聖詠を歌おうとする
響「真利愛さん?もしかして・・・・」
真利愛「そんな・・・調や切歌達は出来たのにどうして!?」
堀木正雄「あの兵器を起動させようというのか?それは無理な話だ。今のお前の鼻歌ではそいつは動かせない・・」
響「動かせないって・・まさか!?」

響「真利愛さん!あの暴走事件の時に何か薬を飲みましたか?」
真利愛「えぇ・・・青いカプセルと緑のカプセルで・・・」
響「緑のカプセル・・・それってもしかしてLiNKER!?」
堀木正雄「さすがだな、平行世界のシンフォギア装者よ。アレは和泉製薬が開発してた投薬だ。」
響「なんでそんなものをあなたが?」

堀木正雄「俺は和泉製薬の株主だったことがある。奴らは多国籍を相手に多様な薬の他、兵器産業も扱っていてな。」
堀木正雄「傲慢にも、死体の再利用としてロスト体を戦争の道具にしようと昔の日本政府公認で進められていた。」
響「昔の政府が、どうして!?」
堀木正雄「安倍晋三と竹中平蔵、そしてそいつが牛耳る安倍政権が国民の税金を勝手に和泉製薬に投資し、富や技術を海外に売国したんだよ。」

澁田(回想)「第2次医療革命時代、ある企業がナノマシン開発の際に聖遺物を使用してたと聞いていて・・・」

響「ある企業って・・・それが和泉製薬!?」
堀木正雄「そうだ!俺はそれが気に入らなかったためゆえに、和泉の研究施設にワザとロスト現象を起こさせた。その結果、和泉製薬の関係者や安倍政権の議員全員とそのパーティーに出席していた各首脳と共に全員が世界からロストした。」
真利愛「ひ、酷い・・・・」
堀木正雄「酷いも何も・・真の人間と国民を侮辱する行為に受けるべき粛正の罰を与えたまでだ。いわゆる人助けってモノだ。」
響「そんな事・・・人助けなんて認めない!!」
堀木正雄「そうか。君にはわかると思っていたのだが・・・」
上にクリス達が乗るヘリを見かけて
堀木正雄「時間が無い・・・・君たちに見せたい物がある。」
そう言うとヒラメで見た文明曲線を葉蔵達に見せる

ヘリ
クリス「地下?なんであのバカがそんなところに?」
美子(通信)「はい。イメージを共有しますね!」
響達がいるマップが写って・・・
厚木「確認した。オイマツエリアだな・・・あの辺りは放棄されて何も無いはずだ・・」
美子(通信)「大庭さんと響さん、真利愛さんのバイタルに変調を感じます。心拍と血圧の上昇・・ドーパミンの散華から・・怒りと恐怖です!!」
厚木「堀木がいる・・・・」
翼「不味い!立花は極度に人の黒い部分を嫌う・・」
クリス「アノバカ、保護対象と一緒に堀木に会うからだ!!」

美子(通信)「大規模喚起ダクトです!!」
厚木「照合した!全隊員、景山公園に大庭葉蔵と堀木正雄、並びに立花響と和泉真莉愛がいる模様!」
厚木「堀木確保のため、第4出動にて降下準備!!」
ヘリはターンして、巨大喚起ダクトに向かった

再び喚起ダクトの地下へ
堀木正雄「これがわかるか?」 葉蔵・真利愛「・・・・・」
堀木正雄「全国民のバイタルデータを元に社会の行く末を予測する文明曲線ってやつだ。」
響「文明曲線・・・・なんであなたがこれを?」
堀木正雄「言ったはずだ。俺はS.H.E.L.L.が隠している事を知っていると。これをS.H.E.L.L.は御本尊のように崇めている。アプリカントとは、いわばS.H.E.L.L.より上位の存在だ。」
真利愛「アプリカントって、そんな重要な存在だったなんて・・・・」
堀木正雄「俺がこのビックデータにアクセスした結果、あるイメージが生成された・・・・」
真利愛「イメージ?それは一体?」
堀木正雄「今から君たちのネットワークにリンクさせる・・・暴れるなよ。」
堀木が文明曲線のホログラムに触れると、文明曲線のゲージが全て赤くなり・・・・


文明曲線のビジョンの中
葉蔵「っ・・・・・・、あぁ!?」
真利愛「これは一体!?」 響「な、なにが・・・・・」
3人が見たのは全てが崩壊し、赤く染まった世界だった

堀木正雄(声)「それがこの世界が行き着く先だ。やがて合格者達の寿命は尽き、国民の全員がロストし、人類は死に絶える事になる。」
響「そ、そんな・・・こんな事って!?」
真利愛「ア・・・あぁ~~!?」
堀木正雄(声)「葉蔵、真利愛、そして立花響・・・人間はな、進みすぎた社会システムに対して・・・・」

「『失格』したんだよ。」


葉蔵「失格・・・・・」
真利愛「人間が社会システムに失格って・・・」
その時、何かの腕が3人を地面に引きずり込む

3人「うわぁぁぁ~~~!?」

堀木正雄「俺が人生を捧げた研究は、人間の尊厳を棺桶に閉じ込める事でしか無かった・・・」
堀木正雄「棺桶の中で人間は、苦しみに終わりが訪れる事を望んでいる・・」
堀木正雄「終わらせてやる事こそ俺の役目であり、この世界最後の医者としてのつとめだ。」

真利愛「終わらせてあげる・・・」
響「死ぬことが、この世界の人類の願いだなんて・・・」
堀木正雄「強欲な老人達は、立花と真利愛を利用し・・葉蔵を生け贄にするだろう・・」
響・真利愛「!!??」
堀木正雄「それより大庭葉蔵、俺の元へ来い!二人で滅びを受け入れ、人間を1からやり直させるんだ・・・」

葉蔵「嫌だぁ・・・・止めろ!!俺には関係ない!!」


堀木正雄「じゃあ、何を望む?身の振り方を間違えれば、望まぬ未来を引き寄せるぞ・・」
そう言い、堀木正雄はその場から立ち去ったのだった

響「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・あれは、幻だったの?」正気に戻る
真利愛「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・幻にしては、リアルすぎるわぁ・・・」
葉蔵「・・・・望まぬ・・・未来・・・・・!?」
メロスのテーブルに青いケシの花が添えた花瓶のことを思い出す葉蔵

葉蔵「まさか・・・!?立花、俺をマダムの所へ連れてってくれ!!」
響「葉蔵さん、どうして急に?」
葉蔵「急いでくれ!!マダム達がロスト体にされてしまうぞ!!」
真利愛「マダムがぁ・・・・立花!!」
響「はい!!わかりました!!」
3人は別の所から外へ出る

その瞬間、入れ違いでクリス達が降りてくる
翼「立花ぁ!!」 クリス「おい、葉蔵!!真利愛!!」

巨大喚起ダクトの外

クリス(通信)「いないぞ?本当にここであっているのか?」
美子「え?そんなはずは・・・・いや、待って!響さんの位置が・・・」
その時、シンフォギアを纏った響が葉蔵と真利愛を背負って跳ぶところを目撃する美子

美子「響さん!?響さんが大庭さんと真利愛さんを連れて、どこかに行きました!!」
翼(通信)「なんだって!?」


イチロク周辺近く
葉蔵「もっと早く跳べないのか!!」
響「これが精一杯だよ・・・」
真利愛「立花、あそこ!!」
響「えっ・・・・?」
真利愛が指さしたところにロスト現象とイチロク周辺の人々が逃げ惑う姿があった

市民A「逃げろ~~!!あの怪物に消されるぞ!!」
カルマノイズ「ーーーー」腕を伸ばす
市民A「がぁ・・」炭化
カルマノイズ「ーーーー」瘴気を出す
市民B「なんだ・・・うぅ!?ウガァァァ~~!!」ロスト体になる

葉蔵「あれはなんだ・・・・あれもあの化け物なのか?」
響「カルマノイズが、ロスト体を作ってる・・・」
3人は地面につき、葉蔵はメロスの方へ走っていく

真利愛「葉蔵、待ちなさい!!」
葉蔵「待てるか!急がないと、マダム達が!!」
響「葉蔵さん!!」

カルマノイズ「ーーーーーー」襲いかかる
響「はぁ!!」カルマノイズの攻撃を防御する

響「ここは私が食い止める!!真利愛さん達はマダムさん達を!!」
真利愛「わかったわ!!」
真利愛と葉蔵は一足先にメロスへ、響はロスト体とカルマノイズの相手をする

ロスト体「グゥゥゥ~~~!!」触手を伸ばす
響「はぁ!ハァァァァ~~!!」触手を掴んでカルマノイズに投げ飛ばす
カルマノイズ「ーーーーー!?」ダメージを受けるが、すぐに再生する
響「これ以上、人々をロストさせたりさせない!!」


バァ:メロス
真利愛「マダム・・・・!?」 葉蔵「あぁ!?」

ロスト体(恒子)「ウゥゥゥ~~~~・・・・」
マダム(瀕死)「ようちゃん・・・・S.H.E.L.L.に・・コールして・・・ツネちゃんが・・・」
真利愛「ま・・・・マダム・・・」
葉蔵「や・・・止めてくれ~~!!」
ロスト体(恒子)「ウゥゥゥ~~~~!!」
ロスト体(恒子)の触手が2人の胸を突き刺す

真利愛・葉蔵「ガハァ!?あぁ!!」突き刺さる
真利愛「クゥ・・・うぅぅ・・・」ガクッ
葉蔵「うぅぅ・・」ガクッ
マダム「よう・・・ちゃん・・・・」ガクッ
マダム、葉蔵と真利愛が息を引き取ったとき・・・

葉蔵「うぅ!?グゥゥゥ~~~~!!」目が覚めて
真利愛「くぅ!?Seilien coffin airget-lamh tron・・・」目が覚めて
赤い炎と白い渦がメロスとその周辺を包み込みんでいき・・

葉蔵(アプリカント)「ウゥゥ・・・ヌォォォォ~~~~!!!」
真利愛(アガートラーム)「うわぁぁぁ~~~~!!!」
二人の雄叫びが渦の中で木霊する

通りでは、葉蔵達が発生させた赤い炎と白い渦の発生に・・・
響「あの渦は・・・」
カルマノイズ「ーーーーー」瘴気を出す
ロスト体「グゥ!?グゥゥゥゥ~~~!!」
瘴気を浴びたロスト体2体がまたロスト現象を起こし、今度は四本腕と頭が二つの変異ロスト体1体になる。
響「またロスト体を変異させた!?」
変異ロスト体「グゥゥゥゥ~~~!!」触手で攻撃
響「うわぁ!?」ダメージを受ける

葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」襲いかかる
変異ロスト体「!!!??」
炎の化け物(アプリカント)となった葉蔵が、変異ロスト体を捕まえ、それを引き裂いていく
響「葉蔵さん!?」 
真利愛「響・・・」 響「真利愛さん!その姿・・・」
真利愛「ロスト体の攻撃で死んで・・・気がついたら、この姿になってたの・・」
真利愛が纏うアガートラームは、イグナイトモジュールに似ているが灰色でひび割れていた
響「真利愛さんのアガートラーム、なんだろう・・・マリアさんのアガートラームと違って・・なんか禍々しくて・・」

葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」暴れる
次々と来るロスト体を破壊していく葉蔵
カルマノイズ「ーーーーーー!?」
葉蔵(アプリカント)に向けて瘴気を出したあと、逃げ出すカルマノイズ

葉蔵(アプリカント)「がぁ!?あぁぁ~~~!!」瘴気を浴びる
真利愛「葉蔵さん!?」
響「いけない!?カルマノイズの空気を吸ったら・・・」

葉蔵(アプリカント)「グゥゥ・・・・グォォォォーーーー!!」今度は響達に襲いかかる

真利愛「葉蔵!?一体どうして!?」
響「カルマノイズには破壊衝動を植え付ける呪いがあるんです。それであんなに凶暴に・・・」
葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」
真利愛「葉蔵~~!!」

?「はぁぁぁ~~!!」
葉蔵(アプリカント)「ぬぉぉ!?」
突如、短剣二つが葉蔵(アプリカント)に襲いかかる
響「あの攻撃・・・もしかして!!」

セレナ「響さん!!大丈夫ですか!?」
響「セレナちゃん!!」 真利愛「え!?」

響「セレナちゃん、どうしてここにいることを?」
セレナ「それはね・・・・」
澁田(通信)「やっと繋がった・・・響君、澁田だ。これはどういうことなんだ!?」
響「澁田さん!?」
澁田(通信)「堀木の仕業だか知らんが、響君の観測が不能になって・・イチロク周辺でロスト体が出たと美子君から聞いた。」
響「すいません・・・カルマノイズが国民をロスト体にしているところを目撃して・・その対処に当たってました。」
澁田(通信)「なんだと!?そのことは後できっちり話そう。今は君たちの援軍と思われるセレナ君と共に、大庭葉蔵の暴走の鎮圧にあたれ。」
響「わかりました!!セレナちゃん!」
セレナ「えぇ・・話は澁田さんや翼さんから聞いてます。一緒に葉蔵さんを止めましょう!!」

葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」
響・セレナ「ハァァァァ~~!!」
響とセレナは暴走する葉蔵を止めるために戦う


堀木正雄「良いぞ・・・その調子だ・・・」
地下通路では、堀木正雄が葉蔵達の様子をうかがっていた

響「ハァァァァ~~!!」 セレナ「やぁぁぁ~~!!」
葉蔵(アプリカント)「グゥゥゥ~~・・・・」
二人の攻撃を受け、ようやくおとなしくなり、元の姿に戻り始める葉蔵

響「良かった・・・元の姿に戻り始めてる。」
セレナ「これが、葉蔵さんの力・・・・」
響「そうだ!!真利愛さん、あの後メロスで一体・・・」

真利愛「セレナ・・・あなたセレナなの?」駆け寄る
セレナ「えっ、マリア姉さん!?」
真利愛「セレナ!!10年以上も一体どこに行ってたの!?心配したんだよ、私!!」
セレナ「じゅ・・十年以上って・・私・・・・あなたの事をよく知らないわ、和泉真莉愛さん・・・」
真利愛「えっ・・・・・・?」
一体なにが起こっていることを理解出来ない真利愛


数時間後 澁田機関では
澁田「君がついておきながら、この騒ぎとは・・・」
厚木(通信)「失態です。まさか、彼女達が倒しているというカルマノイズと呼ばれる怪物が、イチロク周辺のロスト現象に加担していたと知らずに・・・」
澁田「イチロク周辺の事は他の回収班も出している。すぐに対処するように!」
厚木(通信)「わかっています。ただこれで、大庭葉蔵と真利愛は堀木に協力する事はありません。また美子の言葉を借りれば、大庭は進化してると・・」
澁田「断定不能だ。美子と大庭葉蔵のサンプルを比較したが、19種類のアミノ酸が全てL型以外、全く別物だった・・・」

厚木(通信)「美子の感覚能力だけが頼りですか・・・」
澁田「ますます彼女に背負わせることになるとは・・これまで彼女にしてきたことに比べればなぁ・・・」
澁田「実験の連続だった・・・過酷な運命だが、誰にも肩代わりできない。それは大庭葉蔵や真利愛・・いや或いはシンフォギア装者や国民全員がそうなのだ・・・」

半壊したメロス周辺
美子と翼とクリスを乗せた車がメロスの近くにつく
美子「葉蔵さん!!」 翼「立花、真利愛!!」
真利愛「・・・・・・」 葉蔵「うぅぅ・・・・」泣いてる
響、セレナ「・・・・・・」
クリス「お前ら、ここで一体なにがあったんだ!?」
響「それは・・・・・」
響が今まで起きたことを全て話した

翼「まさか、堀木正雄がS.H.E.L.L.の創設メンバーだったとは・・」
クリス「それに和泉製薬・・・この世界のシンフォギアはあそこから・・・」
美子「すみません。隠すつもりは無かったのですが・・・」

葉蔵「ヒラメには行かない・・・俺が望まぬ未来を引き寄せると正雄から言われた。崩壊のビジョンとか言う・・・俺の悪夢と同じモノを見せられた・・・」
美子「崩壊のビジョン・・・・」
響「マダムさんが死んだんです・・・私は、マダムさんを守れなかった・・・」
葉蔵「響のせいじゃない・・・俺がもっと早くあの花に気づいていれば・・・あいつの言うとおり、この悲劇全てが俺のせいかもしれない・・・」
真利愛「知らないわ・・・やっと会えた妹のセレナは、別世界から来た別人だし・・マダムや恒子は死んだ・・・もう何が何だかわかんないよ!!」

美子「彼女達や隠し事をした事・・本当にごめんなさい!!我々のフォロー不足が招いたことです・・・」
美子「お願いです!!もう一度、私にチャンスをください!!!」 響「美子さん・・・・・・・・」

第7話 第2の手記:美子と葉蔵

港区 古い電波塔の上
美子「この古い電波塔を使って、初期のS.H.E.L.L.開発が始まったんです。私も何度かここに連れてこられました。」
美子の案内で電波塔に集まる葉蔵と装者達

葉蔵「何をするんだ?」
美子「葉蔵さんや皆さんに見て欲しいんです。堀木正雄とは別のビジョンを・・・」
翼「別のビジョン・・・」
美子「出もその前に、私の事を教えます。」 響「美子さんの事?」
美子「以前、私がなぜ一生懸命なのかを聞きましたね葉蔵さん?それを今から話します。」

美子「数年前、私は一度死にました。私を殺したのは・・・父でした。」
葉蔵「!!!!??」
翼「なんと!?」響「おとう・・・さん・・・」
セレナ「なんで美子さんのお父さんがそんな事を!?」
美子「わかりません・・・あるとき突然、父が今なら死ねる気がすると言い出したことだけは、覚えているのだけなので・・・」

美子「ロスト現象の中で消えていく父の心が見えました。それで・・・必死につなぎ止めようとして、父は人として、この世を去ることが出来ました。」
クリス「人として、父親を眠らせてあげたのか?」
美子「えぇ、それが第2のアプリカントとして私の力でした。」
美子「それからヒラメに保護され、ずっと・・消えていく人々の心を見守ってきました。」
真利愛「消えていく人々の心・・・・」 葉蔵「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・」

セレナ(LOST)「おねぇ・・ちゃん・・・助けて・・・」

真利愛「ぐぅ!?あぁぁ~~~!!」
葉蔵「ぐあぁぁぁ~~~!!」
頭を抱えて膝をつく2人

セレナ「どうしたんですか、葉蔵さん・真利愛さん!!」
真利愛「私は・・・助けられなかったんだ。セレナを・・・」
葉蔵「フフ・・・やはり真利愛もそうだったか・・」

葉蔵「今俺も思い出した・・ハハハ・・・なんだこれ・・・やはりずっと忘れてた・・・フフフフフ・・・」
葉蔵「昔、父さんに・・・フフ・・笑えと言われたぁ~・・ハハハハ!」
葉蔵「でも、旨く笑えなくてそしたら・・・目の前で、父さんが変わっていったぁ・・・」
葉蔵「家族みんな・・あの~~、父さんだったモノに喰われたぁ~~!!」
翼「まさか、そんな理由で・・・」
葉蔵「あぁ・・・笑いたかったのに・・笑えなくて・・・・・・クソ~~~!!」

葉蔵「化け物になった父さんを、この手で!!殺した!!殺した!!」
美子「葉蔵さんは、その罪に・・自分を閉じ込めているんです!!」
葉蔵「俺が殺したんだぁ~~~~!!」
響「やめて葉蔵さん!!その事は、私もはっきりわかります!!」
美子「響さん・・・まさかあなたの父も・・・」

響「私・・・美子さんや葉蔵さんみたいじゃないですが・・私も、優しかったお父さんの心が壊れて死んでいった事を私は知っている・・・」
響「私、大きな事故を生き延びて、頑張ったのに・・父さんはいて欲しかったときに一度いなくなったんです・・」
響「変ですよね?美子さんや葉蔵さんのお父さんと違って、まだ生きている・・貴方たちに比べたら、まだ私の方がマシなぐらいです・・・」
翼「立花・・お前・・・」
響「でも・・・それでも私が大庭葉蔵さんみたいに自堕落にならなかったのは、隣に友達の未来がいて・・・しばらくして、翼さんやマリアさんなどの仲間と出会って・・みんながいてくれたから、今の私がいるんです。」
美子「響さん・・・」
響「葉蔵さん、貴方はお父さんを殺した事に責任を感じてる・・・だとしても!!その罪を乗り越えて進むしかないんです!!それは真利愛さんも同じ事です!!」
真利愛「立花・・・・」

美子「響さんの言うとおりです!!信じるんです・・・未来を・・・」
葉蔵「・・・未来・・・・」
真利愛「未来を信じろって言っても・・・」

すると、美子が写した文明曲線に青いホログラムの絵が写りだして・・・

葉蔵「空が・・・青い?」
美子「文明再生のビジョンです・・今の私は、このために生きています。」
葉蔵「・・・・この青い空が、俺たちの・・・未来・・・」
葉蔵が小さいホログラムの絵に触れると、文明曲線が全て青く染まり・・・

美子・葉蔵「!!!」 響達「!!!」
皆が見たのは、皆が笑顔で暮らし・空が青い文明が再生された世界だった

響「これが、美子さんが望む再生のビジョン!!」
美子「響さん・葉蔵さん、あなたはやはり・・」

堀木正雄「思ったより元気そうじゃ無いか?装者全員揃ってね。」
響と葉蔵達「!!!??」

ビジョンが消え、変異ロスト体を4体を引き連れた堀木正雄がたっていた
クリス「あんたが崩壊曲線の親玉、堀木正雄って男だな?」
堀木正雄「そうだ。大庭葉蔵をもう一度誘いに来た。装者には関係ない事だ。」
響「あなたはどうして世界を崩壊させようとするの?何を理由にS.H.E.L.L.を破壊しようとするの?」
堀木正雄「理由か・・俺は国民全員をロストさせ、S.H.E.L.L.を潰す。そして保存遺伝子を使い、新しい人類を生み出す。」
翼「保存遺伝子・・・貴様、自分の都合の悪い人間を排除し、お前が世界の支配者になるつもりか!!」
堀木正雄「支配するつもりは無い。俺はこの悪と堕落に染まった人類を消し去り、そこから正しき人類に入れ替えることこそ、人の世を取り戻す手段はないと悟ってる。」
美子「新しい命が生まれる前に、この文明ごと滅ぶだけです!!」
響「そうだよ!堀木さん、S.H.E.L.L.を壊すことはやめてください!!S.H.E.L.L.や美子さんと、もう一度手を取りあえば、合格者達も理解してくれて、世界を再生できるんです!!」
美子「響さん・・・・」

堀木正雄「フ・・手を取りあうなどと、それは断じて出来ぬ相談だな。立花響。」
堀木正雄「そこにいる柊美子は、老人達に利用されるだけのモルモットに過ぎん。彼女が信じている未来など妄想だ。」
堀木正雄「考えて見ろ?S.H.E.L.L.はアプリカントを人間と認識できていない。なのにどうして彼女は、文明曲線が自分の希望と言い切れるのかを?」

響「だとしても!あの再生された文明の世界は葉蔵さんと美子さん、そして真利愛さんが手を取り合えばこそ、実現出来ると私は信じる!!」
美子「響さん・・・」

堀木正雄「そう言うか・・・なら逆に君たちの世界はどうなんだ?聞いた話じゃ、ナノマシンによる治療も無い、医療も経済も我々の世界より劣っているじゃ無いのか?」
響達「!!!??」
堀木正雄「俺のアプリカントの力で聞き出した情報だ。君たちの世界もまた、強欲な老人共の権力や力で好き勝手されていると聞いている。自分たちの世界の問題も解決出来ないのに、この世界を救いたいなど・・・」
響「それは・・・・」
真利愛「堀木正雄!貴方に言われる筋合いは無い!!彼女達はそれでも私たちの世界を救おうとしているから!!」
堀木正雄「ほぉ?」

葉蔵「そうだ。俺は美子を・・・彼女達が信じる「繋がる未来」を信じる。」
美子「葉蔵さん・・・」 響「葉蔵さん・・」
堀木正雄「そうか・・・なら・・・」
堀木は持ってた銃を葉蔵に向けて発砲する    パンパンパン!!

真利愛「葉蔵!!」
真利愛が頭に向けて撃った銃弾を代わりに受ける
葉蔵「真利愛!?」 美子「真利愛さん!!」

堀木正雄「俺の邪魔をするか、和泉真莉愛・・・いや、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。」
真利愛「!?。」 翼「今・・マリアって・・・」
堀木正雄「和泉真莉愛という名はこの世界の調君を通して、作ったGRMP起動の際の偽造IDだ。」
堀木正雄「彼女のGRMPは和泉製薬独自の物でね。フォニックゲインだったか?それも無理矢理引き出すためのナノマシンが和泉製薬製のGRMPだ。彼女がその実験体だ・・」
真利愛「実験体って・・・・」
堀木正雄「あの企業は実験のためなら、なんだってするマッドサイエンティスト集団だ。シンフォギアだろうとGRMPだろうと技術を手に入れれば、それを兵器利用にする連中だ。」
堀木正雄「S.H.E.L.L.の老人達も技術は認めていたが、和泉製薬の事故の時に老人達の海外不信と流失阻止から、和泉製薬に関わる物全てを廃棄させた。おかげで、真利愛のGRMPはS.H.E.L.L.がコールしても起動できない粗悪品となった。まぁ、ヒューマンロストを起こさない限りはね・・・」
真利愛「だから・・・私がロスト現象を起こしたときに、私のアガートラームが起動できたのね・・・」

堀木正雄「そうだ。それが第4のアプリカントであるマリア、お前の力の正体だ。粗悪だった和泉製のGRMPがお前と共に進化し、他の人間のGRMPを吸っては人の姿へ再構築させる非道な力を手に入れたのだ、マリアは。」
響「人の姿を取り戻せる真利愛さんの力を知ってて、なんで真利愛さんの力を否定するのですか?」
堀木正雄「言わなかったか?ロスト体こそ、今この世界の真の人間の姿だと?俺はS.H.E.L.L.の前にロスト体を兵器に利用する奴らが許せなかったから、和泉製薬を最初に潰した・・・」
堀木正雄「全く・・・マリアといい、セレナという少女も、その人間性にはウンザリだった・・・」
真利愛「あなた・・・私のセレナを知ってたというの!?」 堀木正雄「そうだ。」

堀木正雄「俺がS.H.E.L.L.を破壊する最初の行動は、和泉製薬の破壊だった。あの企業は俺も関わってた時期もあり、あの企業には先に消えて欲しかったんだ。」
堀木正雄「俺は和泉の研究員に変装し、奴らの技術を盗もうとしたところ・・セレナに偶然会ってしまったのだ。」
堀木正雄「彼女がアプリカントに似た能力を持っていたのか、俺が普通ではない事を感じ、通報しようとした所、当時未完成だった初期のアンチGRMP薬を彼女に投与させた結果・・・」

昭和93年 和泉製薬 実験室
セレナ(LOST)「あぁぁ~~!?いだぃぃ・・クルシイ・・・」
突然なことに慌てる和泉製薬の研究員達

真利愛(過去)「セレナ!?セレナぁ~~~~!!」
セレナ(LOST)「オねえ・・ちゃん・・・・助けて・・・」
真利愛(過去)「セレナ・・・・」

了子「マリア、離れていなさい!!」 真利愛(過去)「でも、セレナが!!」
研究員「局長、GRMPが以上波形を・・・・」

セレナ(LOST)「あぁぁ・・アァァァ~~~~~!!」
セレナ(LOST)の叫び声と共にヒューマンロスト現象が起こり、あたりはその巻添えを喰らった

爆発の後・・・
真利愛(過去)「うぅぅ・・・・セレナ?セレナは!?」
ドスン!!
真利愛(過去)「!?・・・・セレナ?」

巨大ロスト体「グぎゅおぉぉぉぉ~~~~!!」
そこに立っていたのは、この世の物とは思えない巨大で異形なロスト体になったセレナ(LOST)だった

Gatrandis babel ziggurat edenal~・・
絶唱と思われる爆発に飲まれる和泉製薬の研究施設


場面は現在に戻り・・・
真利愛「!!??」
堀木正雄「あの場所でロスト現象が起こり、施設内はパニックになり、そして大きな爆発と共に和泉製薬の研究施設は世界からロストした。旧日本政府の政治屋共々各首脳を巻添えにしてな。」
美子「まさか・・・・和泉製薬の悲劇に堀木正雄が関わっていたなんて・・・」
翼「堀木正雄・・・お前はなんてことを!!」

真利愛「つまりセレナは・・・・セレナがあの化け物になったのは正雄さんなの?」
堀木正雄「あぁ。他に誰かが殺った証拠でもあるのか?」
真利愛「あんたが・・・あんたがセレナを殺したのか~~~!!!」
恐ろしい顔をして堀木に駆け寄る真利愛

変異ロスト体「グゥゥゥゥ~~~!!」棘を出す
真利愛「~~~~!?」
変異ロスト体の棘が真利愛の頭を突き刺して、真利愛は跳ばされる

真利愛「・・・・・・」眼が赤くなる
葉蔵「真利愛・・・・」グサっ!!
葉蔵もまた、同じく棘に頭と胸に刺さり、眼を赤くさせた

堀木正雄「冥府より戻りしオルフェウス。オルフェウスは2人もいらないんだよ・・・」
堀木の号令と共に変異ロスト体の4体が美子と響達を襲い始めた

響「うわぁ!?」 クリス「あたしらは殺しても構わないって事か!!」

葉蔵「・・・・・」 真利愛「・・・・・」
その間にも、葉蔵と真利愛はロスト現象によって、赤い炎と白い渦を発生させる

美子「くぅ・・・」ドローンからデバイスソードを取り出す
その間にも腕が鋏の変異ロスト体が美子に襲いかかってくる
翼「柊、それを貸せ!!」 美子「はい!!」
翼にデバイスソードを投げ渡す美子

翼「ハァァァァ~~!!」後ろをとって、デバイスソードを変異ロスト体に刺し込む
変異ロスト体(鋏)「ぐぅ!?ぐあぁぁぁ~~~!?」刺され、薬液を注入される
翼「よし!これでロスト体は・・・」
変異ロスト体(鋏)「・・・がぁぁ~~!!ぐうぅぅ~~!!」もがきながらも、まだ動く
翼「なんだと!?」
美子「そんな、薬液は注入したはずなのに!?」
堀木正雄「言ってなかったな。変異したロスト体を作り出したのは、俺のアンチGRMP薬だけではない事を・・・」

堀木正雄の後ろにカルマノイズが現れた
美子「あの黒い個体は・・・」 翼「カルマノイズ!?」
堀木正雄「カルマノイズ・・・それがハデスのザクロの真の名か・・・」
響「堀木さん・・・なんでカルマノイズと一緒に・・・」
堀木正雄「知りたいか?ならば教えてやろう。それは君たちがやってくる数日前・・・政府寄宿舎爆破事件のことだった。」

数日前 堀木正雄の前に2体のカルマノイズが現れた
堀木正雄「暴徒のロスト現象を見届ける際、俺の前に突然2体のそれは現れた。」
堀木正雄「その内の一体が俺のネットワークの中に勝手に入り込んだのが始まりだ。」
堀木正雄「その際に俺の力が高まった事を感じ、近くにいたロスト体の腕がショベルカーのように変化したのを目撃した。」
堀木正雄「俺は理解した。偶然であるが、この黒い個体は文明をいち早く崩壊させるために、冥府の神が授けてくれた贈り物なのだと・・。」

クリス「マジかよ・・・堀木正雄の文明崩壊にカルマノイズが手を貸したってことかよ!!」
堀木正雄「今、俺の中にはカルマノイズの一体が宿っている・・それが発する呪いも、この通りコントロールしているからな。」
響「カルマノイズをコントロールって・・・」

変異ロスト体(網縄)「グゥゥゥゥ~~~!!」触手を伸ばす
美子達「きゃあ!?」捕まる
堀木正雄「そのおかげで俺の力は日々強くなって、このような変異体のロスト体を生み出せるようになった。」

ガゴーン!!
葉蔵(アプリカント)「ウォォォォ~~~!!」 変異ロスト体(網縄)「!?」
葉蔵(アプリカント)が変異ロスト体(網縄)を捕まえて、空中で引き裂いた

変異ロスト体(棘)「グゥゥゥ~~!!」 変異ロスト体(鎌)「グゥゥゥゥ~~~!!」
今度は2体の変異ロスト体が襲いかかってくるも・・・
真利愛(暴走)「グガァァァ~~~~!!」
2体の変異ロスト体を攻撃をかわし、2体の武器を同士討ちのようにして攻撃し、真利愛の武器でトドメを刺す

響「真利愛さん!!つぅ・・Balwisyall nescell gungnir tron・・」シンフォギアを纏う
翼「Imyuteus amenohabakiri tron・・」シンフォギアを纏う
クリスやセレナもシンフォギアを纏い始める

変異ロスト体(鋏)「がぁぁ~~!!」襲おうとする
葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」上から押しつぶして、変異ロスト体を引き裂く

堀木正雄「・・・・・・」めがねを拭いている
葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」右から攻める
真利愛(暴走)「ガァァーーー!!」左から攻める
堀木正雄「・・・・・!!」
両手を掲げ、挟み撃ちをしようとする真利愛と葉蔵を止めた

堀木正雄「葉蔵・・・お前の心臓を渡せ。」
葉蔵(アプリカント)「!!!??」止まる
真利愛(暴走)「!!!!??」止まる
堀木に命令された葉蔵(アプリカント)は命令に従うように、自身の心臓をえぐり出す

美子「あぁ!?」
響「なんで・・・葉蔵さんが堀木さんの指示を・・・」
堀木正雄「忘れたのか?ロスト体を操ることが俺の力だ。」
翼「だからか。ロスト体がお前を襲わなかったのはそういうことか!!」

葉蔵(アプリカント)「ぐぁぁぁぁ~~~!!」心臓を取り出す
堀木正雄「俺が必要としてたのは・・・これだ。」
ケースを取り出し、葉蔵の心臓を入れる

堀木正雄「良いぞ葉蔵。あとはあの女どもを引き裂け!あのロスト体共々のようにな。」
堀木正雄「そして真利愛、お前はカルマノイズと一緒にシンフォギア装者を亡き者にしろ。せめてその力を俺のために役立てろ。」
真利愛(暴走)「がぅぅぅ・・・」 葉蔵(アプリカント)「ぐぅぅぅ・・・・・」

葉蔵と真利愛が美子と響きの前に近づこうとする。
響「葉蔵さん、真利愛さん・・・」
セレナ「やめて真利愛さん!!」攻撃する
葉蔵(アプリカント)「・・・グゥゥン!!」 セレナ「きゃあぁぁ~~!?」
セレナを電波塔に投げ飛ばす 

セレナ「ガフゥゥ・・・」 響「セレナちゃん!?」
葉蔵(アプリカント)「ウゥゥゥ・・・・ウゥ!?ウゥゥゥ~~~~」
真利愛(暴走)「あぅ!?あぁぁぁぁ~~~!!」
突然、二人が頭を抱えて抵抗する素振りを見せる

堀木正雄「ほぉ・・抵抗するな葉蔵。お前は俺のオルフェウスだ!その女共を殺せ。」
響「葉蔵さんや真利愛さんは貴方の道具なんかじゃ無い!!」
美子「葉蔵さん!真利愛さん!!その人の言葉を聞かないで!!」
堀木正雄「邪魔をするな!モルモット共が!!」

クリス「・・・!?おい、上がお留守みたいだぞ、堀木!!」
堀木正雄「なに?」上を見上げる

厚木「堀木ぃぃぃ~~~!!」ヘリから飛び降りる
堀木正雄「!?」銃を撃つ
厚木「ふん!!」攻撃をかわし、堀木の手を切る
堀木正雄「くぅぅ・・・」ケースを落とし、倒れる
厚木「逃げられないぞ!!」
堀木正雄「老けたなぁ・・・良いのか?お前のお姫様と仲間が引き裂かれるぞ・・・」
翼が真利愛(暴走)を、響が葉蔵(アプリカント)を押さえ込んでる

クリス「先輩!!」かけ寄ろうとするが・・
カルマノイズ「ーーーーーー」クリスの行く手を阻む
クリス「邪魔だぁ~~~!!」BILLION MAIDEN
カルマノイズ「ーーーーーー」再生させながら突っ込んでくる

厚木「美子!みんな・・・がぁぁ!?」撃たれる
堀木正雄「つぅ!!」隙を突いて、厚木を踏みつける

堀木正雄「飼い主に伝えろ。時が来たと・・・」
そう言い、その場を去る堀木正雄

クリス「待て、堀木!!」
カルマノイズ「ーーーーー」邪魔をする
セレナ「うぅぅ・・は、クリスさん!!」XANA†TEARS
カルマノイズ「ーーーーー!?」動きが止まり・・・
クリス「こんやろ~~~!!」ARTHEMIS SPIRAL
カルマノイズ「ーーーーー!!!」
ARTHEMIS SPIRALをまともに食らい、消滅する

真利愛(暴走)「がぅぅぅ~~~!!」
翼「真利愛!!いい加減、目を覚ますんだ!!」短剣を取り出し・・
翼の技、影縫いで真利愛(暴走)の動きを止め、千ノ落涙で四股の動きも封じる
真利愛(暴走)「がぁ!?がぁぁぁぁ!!」もがく
翼「そこでおとなしくしてるんだ、真利愛!」

響「葉蔵さん・・・あなたはこんなことを望んでなんか無いはず・・・」
葉蔵(アプリカント)「グゥゥ~~!!」 響「きゃあ!?」
響は、葉蔵(アプリカント)に押し倒され、引き裂かれそうになる

葉蔵(アプリカント)「ウゥゥゥ~~~~!!」響を引き裂こうとする
響「ぐぅぅ・・・葉蔵・・さん・・・」抵抗する
美子「葉蔵さんダメェェ~~~!!」
美子は瞳を赤くし、そのまま葉蔵(アプリカント)に抱きつく

葉蔵(アプリカント)「うぅ!?うぅぅ・・・」
動きが静まっていき、元の葉蔵の姿に戻っていく

葉蔵「・・・・・」倒れる
美子「はぁ・・・・」葉蔵を抱きしめる
響「葉蔵さん・・美子さん・・・」 翼「柊・・大庭・・・・!?。」
真利愛(暴走)「よう・・・ぞう・・・」
真利愛も元の姿に戻り、一同は苦ながらも静まりかえったのだった


地下 堀木正雄のアジト
堀木正雄「ようやく完成したよ、静子。俺の数十年の試行錯誤が、大庭葉蔵のおかげであっという間だった・・人生ってそんなものか、正直嫉妬したよ・・・」
静子と呼ばれるロスト体「・・・・・・・」
堀木正雄「クハハ・・・見てくれよ。傷口が再生しない・・・ゴホッゴホッ・・」
堀木の手には吐血のあとが・・

堀木正雄「アプリカントにも、限界寿命はあるらしい・・・おかげでこの無様な方法しか残らなかった・・・」
堀木正雄「地獄に落ちる覚悟は・・・いや、これ以上の地獄はないか・・・」
近くにあった紫の薬液の注射器を持ち、静子と呼ぶロスト体に投与する

静子と呼ばれるロスト体「オォ・・・オォォォォーーーー!!」
ロスト体は叫び声と共に動かなくなる
堀木正雄「ゆっくり眠れ・・静子・・・・」

?「奥さんとの別れは済んだのかしら?」
堀木正雄「!?。誰だ!!」
?「ゴメンゴメン!私よ。」
暗闇からヴァネッサが現れた

堀木正雄「・・・お前か、驚かすな。」
ヴァネッサ「無理はないわ・・合格者お墨付きの最後の看護師の私がテロリストである貴方に会っているなんて、これほどのスキャンダルは無いわ。」
堀木正雄「S.H.E.L.L.の職員にも俺と同じ考えを持つ者がいたとはな・・いや、以前のお前でもそうだったな?元和泉製薬の研究員よ・・・」
ヴァネッサ「そのこと、ワザと言ってるの?」

堀木正雄「そうだ。和泉の関係者は出世や保身のために他者を踏みつけ、上に媚びするゴキブリ以下の連中だ。にも関わらず、なぜ俺に手を貸そうとするのか?」
ヴァネッサ「そうね・・・あの人間の皮を被った化け物に嫌気がさしたって事で良いかしら?」
堀木正雄「人間を被った化け物かぁ・・・S.H.E.L.L.の老人達に例えるならそう言えるな。」

ヴァネッサ「私の作ったデバイス式GRMPマスクには、ある程度の周波数を持つ人と接触するとヒューマン・ネットワークからロストしたみたいになり、第2のアプリカントでも無い限り、発見が難しくなる。」
堀木正雄「そうか・・俺のネットワークからなら、彼女達の動きもわかるのはそういうことか・・・」
ヴァネッサ「それよりも・・例のアレは出来たなら、協力した報酬は払って貰うわ!」
堀木正雄「「エルザ」と「ミラアルク」を終わらせてあげるという約束だったか・・そうだな。」
堀木は同じ紫の薬をヴァネッサに渡す

堀木正雄「君はこれからどうするんだ?君のデバイス式GRMPマスクで奴らの追跡を攪乱はしているようだが・・S.H.E.L.L.の老人達は、既に君の裏切りに気づいているはずだ・・」
ヴァネッサ「その時は、私も本当の自分を取り戻して奴らに一矢報うわ!」
ヴァネッサ「私は、S.H.E.L.L.に人間としての全てを奪われた・・今の世界の姿が人間なら・・私は化け物でも構わないわ!!」
堀木正雄「ふん・・・お前も、覚悟は出来てるみたいだな・・・」
ヴァネッサ「当然よ。」

堀木正雄「ならば・・・ヴァネッサ、君にもう一つ頼みたい事がある・・・」
堀木はヴァネッサに黒い薬品を渡す
堀木正雄「お前の口から、真利愛と装者達にS.H.E.L.L.の真実を伝えろ。その後にこれを飲んで、エルザ達の元へ行くが良い。」
ヴァネッサ「良いわ・・・これで、私も終わらせることが出来るなら・・・」薬品を受け取る

第8話 第3の手記:エリア13

電波塔襲撃から一ヶ月・・・合格式まであと2日

響達の世界 S.O.N.G. 発令所にて
弦十朗「それで、あちらの状況は悪いままか?」
クリス「あぁ・・・葉蔵の心臓は再生したのは良いが、目を覚ます傾向が未だに無いんだ・・」
エルフナイン「こちらも、調さんや切歌さんはある程度回復しましたが・・マリアさんだけは未だに衰弱しつつありまして・・・」
クリス「だろうな・・・和泉真莉愛の身体はなんともないが、精神の方が荒れていてな・・堀木の奴に向こうのセレナが殺されていて、葉蔵やあたしらを傷つけた事への怒りと憎しみに捕らわれてるというか・・」
弦十朗「ともあれ、マリア君の精神的リンクが厄介だ。どうにか真利愛君の心を鎮める事が出来れば良いのだが・・・」
クリス「この件に対しては、あのバカでも難しいと思ってる・・・向こうの後輩達の力を借りることが出来れば・・・」
弦十朗「あぁ・・・彼女達も平行世界ながら、マリアとの繋がりはある。彼女達が目覚め、協力が得られれば・・堀木正雄を捕らえることも少しは可能となるだろう・・」

エルフナイン「それに向こうの世界では、あと2日で日本国主催の人間合格式が始まると聞いてますが・・・」
弦十朗「合格式かぁ・・・元より、人間は不完全な生き物だ。間違いや過ちも起こす事もある・・それを合格とか失格とかで決めようとするなどと・・・」
クリス「あぁ・・・よほど向こうの感覚が狂ってる事は間違いないな!堀木が1から人間をやり直したい気持ちは少しわかると思うが・・」
エルフナイン「堀木正雄は、大庭葉蔵さんを自身のオルフェウスと言ってましたけど・・」
弦十朗「オルフェウス・・・ギリシャ神話では自身の妻を取り返すために生きながら冥界に行ったと言う琴座のモチーフとなった人物だ。」
エルフナイン「一度死に、何かをした後に蘇る・・大庭葉蔵とオルフェウスはまさにその人と一致しています・・」
クリス「それに堀木は葉蔵の心臓を持って行ったきり、なんも動きを見せていないんだ・・」
弦十朗「堀木正雄・・・一体なにを企み、向こうの世界をどう崩壊させる気なのか・・・」

HUMANLOSTの世界 S.H.E.L.L. ミーティングルーム
美子「本当に申し訳ありません・・・私が皆さんをあの場所に連れて行かなければ・・・」
真利愛「別に良いわ・・・悪いのは、そこにつけ込んだ堀木正雄と、私が無力だったせいよ。」
厚木「いや、美子と君たちはまんまと堀木をおびきだせた。焦ってしくじった俺にも責任がある・・」

翼「それに我々の対応不足もある・・・美子の直感は正しかったと言える・・」
美子「はい。全てが青空に包まれて・・・」
厚木「あの一瞬、第3曲線が再生曲線と融合した・・第4曲線も徐々に再生曲線と融合しつつあるが・・・」
真利愛「・・・・・・」拳を握り続けてる
響「(真利愛さん・・・あの時の事に怒りと憎しみを・・・・?)」

厚木「その事もあり、あの所長ですら合格者達に直談判する気になった・・問題は・・・」
真利愛「堀木正雄・・・あいつは今どこに隠れているんだ!!あいつは・・」
美子「真利愛さん、焦る気持ちはわかりますが・・・おそらくS.H.E.L.L.を直接破壊しに来る事は間違いありません。合格式の式典に合わせて・・」
厚木「厳戒態勢とはいえ、相手が奴である限り・・安心はできん・・真利愛は?」
真利愛「見つけ次第、私が堀木を叩きつぶす!!今度はあんなへまは取らないわ。」
翼「そうか・・・だが、焦りと単独行動は禁物だ!今一度、我々と連携して堀木正雄を・・・」

ヴァネッサ「美子さん、皆様方!!」走ってくる
美子「ヴァネッサさん、一体なにが?」
ヴァネッサ「今さっき、竹一さんと調さんと切歌さんの意識が戻ったんです!!」
真利愛「えぇ!?竹一や調がぁ!?」
響「良かったぁ~~!!3人とも無事で・・・」
ヴァネッサ「ですが・・私たちが大庭葉蔵さんを攫ったと言って、S.H.E.L.L.内部で暴れているんです!!」
真利愛「竹一達が・・・あいつららしいわね・・・」
響「止めないと!!あの人達を説得できれば・・・」
厚木「あぁ!それなら、あいつらの所へ行くぞ!!」
厚木と共に竹一達の所へ向かう響達

ヴァネッサ「翼さん!!これを・・」手袋を渡す
翼「なんだこれは?」
ヴァネッサ「合格者への通行手形よ。今なら、合格者に会う事が出来るわ!」
翼「なに!?合格者に会えるのか!?」

クリス「おい先輩・・・」 翼「悪い!先に行っててくれ!!」

翼「・・・なぜあなたがこれを私に・・・」
ヴァネッサ「実は・・・・・」


合格者との対談部屋

合格者1「大庭葉蔵が目覚めぬそうですなぁ・・・?」
澁田「は!澁田機関、総力をあげて覚醒を試みておる次第です・・」
合格者1「君はそう言い続けるばかりだな・・・元よりあの男を合格者とするのは難しかったのではないのか?」
澁田「・・・・・」
合格者1「合格式は明後日・・国民の健康と安全のために、事前の策が必要だ。」
澁田「事前の策・・・・しかし、今も柊美子を中心とし、大庭の自我にリンクする措置を進めております。」
澁田「その他、第4のアプリカントである和泉真莉愛もなんとしても堀木正雄を倒そうと、その怒りを力に変えていく傾向が見られています。」

澁田「文明曲線の再生の隆起は、間違いなく大庭や真利愛によるモノなのです!!」
合格者1「第3のアプリカントと第4のアプリカント誕生以来、我々が日に日に数を減らしている事にも関係しているのかもしれない・・」
澁田「そ、それは・・・今しばらく、調査のためのご猶予を賜りたく・・・」
合格者1「澁田君!」澁田「ははぁ!!」
合格者1「認識が甘いのではないか?我々をなんだと思っていますか?」
澁田「ははぁ~~~!!」
合格者1「我々は、国民の幸福と健康を引き受ける健康基準合格者なのですよ!」
澁田「委細、招致しております・・・」

翼「その合格者達は、今の国民の現状を本当に理解しているのでしょうか?」
澁田「!?。翼さん、なぜここに!?ここは君がまだ来る所ではないぞ!!」
翼「あなた方はそうやって、そんな空飛ぶ個室とやらで本当に今の日本の今を思っていると断言できると言うのか?」
澁田「翼君、合格者の前だぞ!!少しは頭を下げんか!!」
合格者1「構いませんよ澁田君・・・君が、かの平行世界から来たシンフォギア装者の一人ですな?」

翼「あぁそうだ。見たところ、そこにいる老体がここの長だと言える。私はあなた方に用があって、ここに来た!」
澁田「翼君、何故こんな場所に・・・私みたいな人でなければ来られないはず・・・」
翼の手にはヴァネッサから貰った手袋をしてある。

合格者3「なるほど・・・看護師のヴァネッサの計らいか。それで、用件とは何かね?」
翼「その前に、前者で話した事の答えを聞きたい!」
合格者1「我々がこの国の現状を真に理解してるかだったな・・無論、全てとは行かないが・・国民の現状は把握している・・」
翼「なれば!何故それを改善しようとしない!!この国は環境破壊・富裕と貧困の格差で既に人間として歪んでいるのではないのか!?」
澁田「翼君、そのような暴言を・・・申し訳ありません!!この者にはあとでキッチリと・・・」
合格者1「澁田君、少し黙ってくれないか?」 澁田「は、ははぁ~~!!」

合格者2「翼殿、気持ちは分からなくもない・・・確かに我々のやってることはこの地球の自然を壊し、労働者を機械のように扱っておる。」
合格者3「その代わり、我々健康基準合格者が国民の健康と調和し、例外がない限り死ぬことが無くなった世を実現させたのですよ。」
翼「その話は柊から聞いている・・だがその結果、我々の世界とは比べようがないほどの歪みを生み、今や死ぬことを楽しむ者までいる始末・・・」
合格者4「そう・・そして、この世界の唯一の脅威・・ヒューマンロスト現象があり、世界は崩壊と再生の真っ只中だ・・・」
合格者2「それを引き起こす堀木正雄をなんとしてでも抑え、我々はこのヒューマンロスト現象を克服しなければならないのだよ・・・」
翼「しかして、あなた方はどこまで生きるつもりなんですか?本来、細胞というモノは古いモノは消え、新しいモノへと変わるモノ・・古いモノが居座り続ければ、細胞そのものが壊疽するものぞ!!」
合格者3「それがなんだという!何も知らん若い青二才に国民の幸福と健康を任せられると思っているのか!!」
合格者4「もとい今現在の国民は少数を除き、我々の行いを大いに指示している。」
翼「それはS.H.E.L.L.が脳内物質を操作し、そう思わせてるに他ならない!!」
合格者2「なんと!?あなたは堀木と同様、社会の歪みは我らとS.H.E.L.L.が招いたモノだと申すのか!!」
合格者3「我々は国民の不安や恐怖を請け負っていましてねぇ!!」
合格者達「ガヤガヤガやガヤガヤガヤ・・・・」

合格者1「皆さん、静かに!!!翼殿、お主が我々をこれ以上侮辱するとなれば・・君たちの協力を打ち切らせて貰うぞ!!」
澁田「!?。それだけはご勘弁を!!翼、早く謝りなさい!!」
翼「・・・・・・」
合格者1「沈黙も、答えの内か・・・・・」
合格者は上へ登り去ろうとする・・・

翼「我らの仲間を通しての事だが、堀木は大庭葉蔵があなた方の生け贄にされると聞いた。」
合格者1「!!」
翼「ヴァネッサからも聞いている。トランスプラントの献体とし、第3のアプリカントと融合して健康基準に上書きする話を・・・」
合格者1「・・・・・・・」
翼「あなた方はそうやって・・・長く生きるためだけに若い世代から奪いながら生きているのか・・・・・?」

合格者1が下に降りてきて、顔を見せる
合格者1「風鳴翼・・・自分の正義を貫こうとするその意思は認めよう・・・しかし・・」
合格者1「その正義感こそが、自分の生命線を切ることになる事も知っての事かな?」
翼「なんだと?そのこけ脅しなどに私が・・・・」

プスリ!!
翼「ウゥ!?」注射器に刺される
澁田「許せ、翼・・・」
翼「まさか、あなた・・・・」
薬を打たれ、倒れる翼

合格者1「どうやら・・裏切り者のヴァネッサが装者達を焚きつけたらしい・・・」
澁田「では、彼女達はもう・・・・」
合格者1「あぁ・・・心苦しいが、第4のアプリカント共々S.H.E.L.L.から切除しなければならんようじゃな・・・」


S.H.E.L.L. 廊下
看護員「いけません!!ここから先は関係者以外立ち入り禁止なんですよ!!」
竹一「うっせえ!!葉蔵はどこだ!あいつになんかしたら、ただじゃ置かねぇからな!!」
切歌(LOST)「葉蔵さん、今助けに行くデスよ!!」 調(LOST)「葉蔵さん!!」

真利愛「調、切歌!それに竹一!!」
竹一「真利愛!?良かった、お前無事だったのか!!」
調(LOST)「良かった・・真利愛が無事で・・・」
切歌(LOST)「真利愛、葉蔵がS.H.E.L.L.に捕まっているみたいなんデスよ!!真利愛も一緒に助けにいくデス!!」
竹一「S.H.E.L.L.の奴、俺たちを家畜にしてる処か親友の葉蔵を実験材料にするなんて・・・」
真利愛「落ち着きなさい!!葉蔵は・・・」
調(LOST)「真利愛・・・?」
竹一「おい・・葉蔵がどうしたって?おい、応えろよ!!」
真利愛「・・・・・・・・」


S.H.E.L.L. 集中治療カプセル室
そこでは葉蔵が昏睡状態でカプセルに入っており、美子が精神にリンクしている

竹一「おい・・その話は本当なのかよ・・・真利愛?」驚愕
真利愛「えぇ・・・貴方たちは、堀木によって死んで、ロスト体という怪物になって・・・私が生き返らせた・・」
切歌(LOST)「う・・嘘デスよ・・アタシらが化け物になって、真利愛を一度殺したって・・・」
調(LOST)「それで私たちを生き返らせるために、真利愛まで化け物になってまで私たちを・・・」
響「信じたくはないと思うけど・・・真利愛さんの言ってる事は本当の事なの・・・」
真利愛達が話した、竹一達の身に起こったことや今日までの話に驚愕を隠せない竹一達

竹一「ふ・・フハハハハハ、アッハハハハ!!!」
真利愛「竹一・・・?」
竹一「・・・・・クソォォ~~~!!」地面を叩く
竹一「なんだよ・・・最初っから俺は、堀木やS.H.E.L.L.に道化をやらされていたのかよ・・・」
真利愛「竹一・・・」

葉蔵が入っているカプセルに近づき・・
竹一「なぁ・・聞こえているか葉蔵?俺・・・勝ったつもりが、初めっから負けていたんだよ・・・・はは、笑えるよなぁ?葉蔵も知らなかったからな・・・」
竹一「恒子やマダムもいなくなった・・・俺たち、これからどうすればいいんだよ・・・なぁ?」

葉蔵(昏睡)「・・・・・・・」
竹一「聞こえるわけないか・・・今まで一緒にいた俺がそう感じるからな・・」 真利愛「竹一・・・・」
響「別に、ロスト体のことは竹一さんだけの事ではありません・・・」
切歌(LOST)「そ、そうですよ!!葉蔵さんだって、堀木正雄に騙されて・・眠ってたあたし達より酷い目に会ったんデスよ!!」
調(LOST)「むしろ、私たちを元に戻してくれた真利愛に感謝したいぐらいだよ・・・」
真利愛「調ちゃん・・切歌ちゃん・・・」
竹一「・・・・・・・」

竹一「・・悪かった真利愛。俺には理解がおいつかねぇ・・・俺を一人にしてくれ・・・」
竹一は部屋からとぼとぼと去って行く

クリス「よほどショックだったんだな・・・マダムや自分のことが。」
真利愛「竹一・・・・」
切歌(LOST)「しかしなんでなんなんデスか!!竹一やあたし・調を化け物にして、あげくに葉蔵さんを利用してこの国を滅ぼすつもりだったなんて・・・」
調(LOST)「私たち、あんな人の策略にはまっていたなんて・・・」
真利愛「調や竹一は悪くないわ・・・悪いのは貴方の心の隙につけ込んだ堀木正雄よ!!」
響「真利愛さん・・・」

真利愛「調達だけじゃないわ・・・私の妹だったセレナを殺して、葉蔵をこんな目に合わせた血も涙もないあの第1のアプリカント・・・」
真利愛「今ここに居たら、ブっ殺してしてやりたいわ!!」
セレナ「殺すって。真利愛さん・・・」
切歌(LOST)「真利愛・・少し見ないうちに、アタシらより怖くなってきてるデス・・・」
調(LOST)「真利愛・・・・・」

澁田「厚木君、みんな!!」入ってくる
響「澁田さん!?」 厚木「所長、どうしたんですか?」
澁田「大変なんだ・・・・風鳴翼が攫われた!!」
クリス「な・・先輩が!?」 響「翼さんが・・・」
澁田「不覚を取った・・S.H.E.L.L.の内部に堀木の内通者が隠れていた・・・」
厚木「内通者!?誰ですかそいつは!!」

澁田「・・・・ヴァネッサだ。彼女はデバイス式GRMPマスクに記録される身体データを堀木正雄に横流しするよう細工していたんだ。」
響「そんな・・・ヴァネッサさんが・・」 真利愛「堀木・・・・!!」

クリス「それで、先輩はどこに?」
澁田「GRMPマスクについている追跡用GRMPによると、アウトサイドにある江東区:豊洲のあの場所で反応が消えてしまった・・」
厚木「あの場所・・・特殊警戒地区である「エリア13」の事ですか!?」
クリス「エリア13・・・なんだそこは?」
澁田「エリア13・・・即ち、旧和泉製薬研究所本部・・・和泉製薬の悲劇の爆心地だ。」
真利愛「!!!??」

澁田「あの場所は堀木正雄が最初に起こした大規模のヒューマンロスト現象が起きた場所・・あの場所にはヒラメでも対処しきれないロスト体が多く隔離されている。」
厚木「堀木が生み出した突然変異のロスト体をあそこで隔離し、どうにか変異体による被害は最小限に抑えられては居るが・・・」
クリス「つまりあそこは、ヒラメでも対応できないロスト体の不法投棄現場なのかよ・・・」
響「そんな場所に連れていかれたなんて・・・早く助けなきゃ!!」
真利愛「えぇ・・・あの場所に堀木正雄が潜んでいるかもしれない・・・」
厚木「あぁ、堀木はロスト体を操る力がある・・・潜伏するにはちょうど良い・・」

澁田「装者の皆さんには、厚木君と共にエリア13に第5出動を命じる。ヴァネッサや堀木の潜伏先に対し、こちらから総攻撃をかける!」
調(LOST)「その作戦、私たちも参加させてくれますか!?」 切歌(LOST)「アタシも行きたいですよ!!」
響「調ちゃん!?」 真利愛「調・・切歌・・・」
厚木「無茶だ!!君たちは目覚めたばかりで、それに・・・」
調(LOST)「確かめたいんです!真利愛が話した事が、本当だという証拠を掴むために!」
切歌(LOST)「アタシら、たとえ辛くてもそれを受け入れる覚悟は出来てるデスよ!!」
真利愛「貴方たち・・・・」

澁田「わかった・・・君たちの所持品は返そう。すぐに準備をしたまえ!!」
調(LOST)「はい、キリちゃん!」 切歌(LOST)「ガッテンデース!!」
真利愛「美子さん、葉蔵を頼んだわよ。」
美子(通信)「はい。真利愛さんも気をつけて。」
真利愛達は葉蔵達を美子に任せて部屋を出る

葉蔵の精神:深層領域
その後、美子の精神が葉蔵の深層領域に達した。
美子「やはり葉蔵さんの心は、あの日に捕らわれたまま・・・」
美子は心臓のような塊に触れる
美子「受け入れてくれてる・・所長、あともう少しで葉蔵さんは・・・」
澁田(通信)「実は、そのことなんだが・・・・」


江東区豊洲 エリア13(旧和泉製薬研究所本部)
変異ロスト体達「グゥゥゥゥ~~~!!!」「ヌゥゥゥ~~~!!」
変異ロスト体達が壁を登ろうし、電撃で落ちていった

ヘリの中では
厚木「このように壁を作って、ロスト体の監視をしながら対応策を考えることが精一杯だった。」
クリス「こりゃあ・・骨が折れそうだな・・・」
切歌(LOST)「それがナンボデスか!!誰だろうが倒すまでデスよ!!」
響「ダメだよ!!真利愛さんに助けられたのは良いけど、切歌ちゃんや調ちゃんはもうGRMP起動が出来ないかもしれないんだよ!!」
切歌(LOST)「そ、そうなんですか!?」
調(LOST)「それは事実ね・・見て?私たちの身体にGRMPの反応は無いわ・・・」
調(LOST)のパソコンで切歌(LOST)のバイタルを検証していた

真利愛「おそらく、私の力の影響ね・・貴方たちも・・私と同様、普通じゃなくなっているわ・・・」
調(LOST)「そう・・・・でも今は、響さんの仲間を救って・・堀木に言いたいことを言わないと!」
切歌(LOST)「ようは、生き残れば良いことですよね!!」
真利愛「えぇそうね・・堀木を殺して、葉蔵の所へ戻らないと・・・・」
セレナ「真利愛さん・・・・」
厚木「隔離上、上の方から降下する形で突入する。気をつけろ・・ここ最近、飛行能力を持ったロスト体が出たという噂もある。」
響「はい!わかりました!!」

響「Balwisyall nescell gungnir tron・・」
聖詠と共に装者はシンフォギアを纏い、纏えない真利愛達を担いでエリア13へ降下する

変異ロスト体(飛行)「グガァァ~~!!」
クリス「ったく、早速お出ましか!!」GIGA ZEPPELIN
飛行するロスト体をクリスが撃ち落としていき・・
響「はぁぁぁ~~!!」
響の渾身の拳がロスト体を吹き飛ばしていく
セレナ「よし・・こちらに!!」 セレナが真利愛達の護衛をする

研究所ゲート
真利愛「扉がある・・・」
調(LOST)「任せて!!」パソコンを取り出し、解析する

ガチャン!
調(LOST)「あいたわ!!」真利愛「よし、行くわよ!!」
調(LOST)の助けもあり、響達は奥へと奥へと進んでいく

旧和泉製薬研究所 地下通路

ピーーーガガガ・・・
クリス「ちぃ、通信が乱れてやがる・・」
セレナ「一体、翼さんはどこに・・・・」
真利愛「ここ・・・私、覚えているわ・・・」
響「真利愛さん?」
真利愛「こっちに来なさい!」
真利愛について行く響達

旧和泉製薬研究所 ある実験室跡地
切歌(LOST)「真利愛・・ここは一体?」
真利愛「・・・・ここだわ・・・この場所で私は・・・・セレナを・・・」
セレナ「真利愛さん・・ここで一体、こっちの私と何があったんですか?」
真利愛「・・・本当は、薄々気づいていたの・・・この場所で、妹のセレナがロスト体になっちゃって・・・」

真利愛「セレナに、トドメを刺したのは・・・私よ。」

みんな「!!!??」
セレナ「貴方の世界の私を、貴方が・・・」
切歌(LOST)「どういうことですか!?妹さんは堀木正雄に殺されたって・・・」
真利愛「あいつはただ、セレナをロスト体にしただけ・・・実際に殺したのは私よ・・・」

響「話してください・・ここで一体何があったんですか?」
真利愛「・・・・・・・・・・」

死に戻りの葬送曲(レクイエム) 
メモリア 真利愛の手記:人間失格


恥の多い生涯を送ってきました。私には、人間という存在とその生き方が・・・全然分からないのです・・

昭和90年:和泉製薬研究所
研究員「では、投薬献体167番「マリア・カデンツァヴナ・イヴ」。ここに立て!」
マリア(LOST)「はい・・・・」

当時の私は、和泉製薬という場所でナノマシン・万能特効薬開発のお手伝いとして大人達の仕事を手伝ってました。
手伝いと言っても、好きでもないお薬を飲んだり・注射を打たれたりされて、私がどんな反応をするかでお薬やナノマシンを作る。カゴにいるネズミさんでも出来る仕事です。

研究員「156番の作用でこの献体の身体が良くない・・・失敗だな。」 
156番「あぁ・・・あぁぁ~~~~!!」どっかに連れてかれる
マリア(LOST)「・・・・・・・・・」震える

そんな幼かった自分にとって、一番に恐怖を覚えるのは「検査の結果」でした。
自分らの身体の中の薬の効果が悪い方向に行くとどっかに連れてかれ、その子は二度と私たちの前に戻ってきませんでした。
大人達はちゃんとした治療を受けて、違うところで暮らしてるって言いますが・・私にはその大人達に殺されているとしか感じませんでした。
自分たちの身体とその中に入っているモノが良いやつで無ければ殺される・・良い物じゃなければ殺される・・それが私にとっての脅迫だと認識しておりました。
つまり私は、人間は良いモノは生き続け、悪いモノは死んでいく・・大人達はそのどれなのかも含めて人間の存在理由が何一つ分からないのです・・・

研究主任「マリアちゃんは貴方は他の奴とは比べようもないぐらい良質なGRMPが出来はじめてるなぁ!!」
研究員A「さすが、我ら和泉製薬全ての薬品に適用してる献体だな・・あの子なら・・・」
研究員B「主任、またあの献体があれを!!」
研究主任「あぁ・・またかぁ・・・・」

私の身体は、色んなお薬とナノマシンが服用され、何一つ悪い事が起こっていないので、大人達からは特別扱いをされていて・・

献体の子供「あいつだけ、特別扱いしやがって・・・・」

妹以外の子供からは白い目で見られ、私と妹を仲間はずれにするのです・・
つまりわからないのです。
彼らが思っている事も、なぜ私だけが特別なのかいう理由さえも、まるで見当がつかないのです。
そのため、私が心を許せるのは妹のセレナしかいませんでした。
そのセレナも、時に大人達に連れられ・・戻っては来るが、全然そばにいてくれない時も沢山ありました。
私(マリア)は孤独で、なにをすればあの子供達や大人達に嫌われないのかが分かりません・・・

マリア(LOST)「見てみて!!こんなことも出来るんだよ!!」ふざけながら大きいコンテナを回す
セレナ(LOST)「アハハ、凄いよマリア姉さん!!」 マリア(LOST)「でしょ!!」
研究員「全く・・・あのこと来たら・・・」

私には「アガートラーム」という特別な鎧を着ることが出来る唯一の献体なのは、少し前に別の大人に教えられました
胸の中に響いてくる歌を歌うことで、鎧の力を引き出し、色んな芸当が出来るようになるのです・・・

その事実から編み出した考えが「道化」でした。
それは自分の人間に対する最後の求愛であり、妹に必ず会う手段でもありました

マリア(LOST)「はぁ!!せい!!」出された物を次々に壊す
見学者「おぉ~~!!」 研究員「良し!次!!」 
私の着るアガートラームの性能を向上するために、色んな実験や演出を行い、見る人の注目を浴びせました
そしてこの道化が実にセレナに会え、私にフィットしていました
「人間は恐ろしいから、とにかく怒らせてはいけない!そんな人間のそばにいるセレナが何かされるのも嫌!!」
自分がこのアガートラームを使いこなし、曲芸を成功させればセレナに会わせると言う条件の元、その芸を成功させてセレナに毎日のように私の方から会いに行ってました。

マリア(LOST)「今日の私はどうだったかな・・?・・・ちゃんと出来てたよね?」
セレナ(LOST)「も~う、マリア姉さんは心配性なんだから・・・」
セレナは心配される自身をよそに会いに来る私に寄り添いながら、心配してくれます
セレナは自身が知っている人間は大丈夫と言ってくれますが、私にはセレナとは逆の感情を持つのです。

マリア(LOST)「(とにかく人間が怖い・・・)」


昭和93年 7月17日 和泉製薬研究所 G20 世界各首脳訪問日

その日は各国々からとても偉い人間達がやってくる特別な日であったため、道化である私に大人達は特別な芸当を沢山披露するようにと言われました。
その人間達を不満にさせることがあれば、セレナの身も余計に危なくなる事を察知した私は、以前より深くなる人間恐怖に耐えながらその人間達が出してくる無理難題を次々とクリアしていきました。
そして、最後の演技をしようとしたその時・・・・

研究員「主任、来てください!!セレナが・・・」
研究主任(了子)「なにぃ!?」
マリア(LOST)「え・・・・セレナ!?」

突然の事だった・・・セレナが倒れた事に紛らわせていた人間恐怖があふれてきて、すぐさまにセレナの所へ向かったのでした・・・
それがセレナとの最後の別れになるとは知らずに・・・・


セレナがいる緊急治療室
セレナ(LOST)「あぁぁ~~!?いだぃぃ・・クルシイ・・・」
突然なことに慌てる和泉製薬の研究員達

マリア(LOST)「セレナ!?セレナぁ~~~~!!」
セレナ(LOST)「オねえ・・ちゃん・・・・助けて・・・」
マリア(LOST)「セレナ・・・・」
青く肌がひび割れていくセレナに何もして良いのか、私には全然わからなかった。

了子「マリア、離れていなさい!!」 マリア(LOST)「でも、セレナが!!」
研究員「局長、GRMPが以上波形を・・・・」
私は無力だった。そして、自分が道化である事が私やセレナにとっての大きな間違いだった事を、ここで知った

セレナ(LOST)「あぁぁ・・アァァァ~~~~~!!」
セレナの悲痛な叫び声と共に大きな爆発が起こり、私を含む人間達はその爆発の巻添えを喰らったのだった・・

爆発の後・・・
マリア(LOST)「うぅぅ・・・・セレナ?セレナは!?」
気がついたときには辺りが地獄の業火のように包まれていた。そこでセレナの無事を確認するべく、辺りを見回した

ドスン!!
マリア(LOST)「!?・・・・セレナ?」

巨大ロスト体「グぎゅおぉぉぉぉ~~~~!!」叫ぶ
マリア(LOST)「あぁ・・・いやぁぁぁ~~~~!!」
私は叫んでいた。セレナがいた場所にこの世の物とは言えない化け物の姿に恐怖し、腰が抜けて動けませんでした・・

巨大ロスト体「グおぉぉぉぉ~~~~!!」辺りにいる人間達を殺していく
お偉いさん方「ワァァァ~~~きゃあ~~~!!」襲われ、次々とロストする

米国大統領「Hey!コレハイッタイ、ドウイウコトデスカ・・・」
巨大ロスト体の触手に刺され、ロストする
安倍総理「あべ~~~あべ~~!!!」
奇声を上げながら逃げる総理大臣も、巨大ロスト体に踏みつぶされてロストする

局長「マリア、何をしてる!!あの化け物を殺すんだ!!」
マリア(LOST)「・・・・・」首を横に振る
その時の私は、初めて大人の言うことに従うことが出来ませんでした・・・いや、出来なかったのです。
あの怪物は紛れもないセレナが実験の影響で変貌した姿だと自身には感じたからなのです。
私が見ていない間に、あの人間達がセレナに何かしている・・私の恐れていた事が見事に当たってしまった瞬間でした。

巨大ロスト体「グォォォォーーーー!!」
局長「ウゥワァァァァァ~~~!?」
巨大ロスト体に喰われてしまう局長

巨大ロスト体「グゥゥゥゥ~~~・・・・」マリア(LOST)に近づく
マリア(LOST)「セレナ・・・・」

この時、異形の怪物になったセレナに私は殺される事は確実だと確信していました。
普通の人間なら、死にたくないという気持ちで逃げようとする素振りをしますが、私にはそのような気持ちになる事はなく、ただ呆然と立ち尽くしていました。
セレナを守れなかった、セレナをこんな化け物にしてしまったのは私のせいだと・・・
なので、私は異形となったセレナに殺される事を考えました。むしろ、一人では死にたくなかったので・・
セレナと一緒に死ぬことを考えてました・・・

マリア(LOST)「Gatrandis babel ziggurat  Emustolronzen fine el baral zizzl Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl~~・・・」
マリア(LOST)が歌った絶唱による衝撃波と爆発が巨大ロスト体を含む辺り全てを飲み込んだ

私の脳裏に浮かんだ歌を歌った私は、私が纏うアガートラームから放出された光に飲み込まれ、セレナも・研究所も・全てを飲み込んでいました
この光が私とセレナを死なせてくれると、私は信じていました・・・

和泉製薬研究所 周辺の廃墟
調(LOST)(幼少)「おとうさ~~ん!おかあさ~~ん!」
切歌(LOST)(幼少)「泣かないでデスよ!!あたしがついていますから!!」
調(LOST)(幼少)「キリちゃん・・・」

幼少の切歌や調の前に人影が見えてきた
調(LOST)「ヒィ!?」 切歌(LOST)「だ、誰ですか!?」

マリア(LOST)「・・・・・」全体血まみれ
私はあの光からギリギリ血まみれで助かってました。 そうして化け物になったセレナだけが死んでしまいました。

切歌(LOST)「だ、誰・・デスカ?」
マリア(LOST)「誰・・・?私は誰なの・・・私は・・ただ苦しいだけなのに・・」
その時の私は、妹のセレナを含む全ての記憶を失っていました。今思えば、あの時セレナを死なせて私だけが生き残ってしまった事への自分の罪意識の否定が無意識にそうさせたと思っています。

調(LOST)(幼少)「あなた・・人間なの?お化けなの?」
マリア(LOST)「・・・・・・」
切歌(LOST)「ねぇ・・・ワザ、ワザ?」
マリア(LOST)「ワザ・・?」
切歌(LOST)「調・・・この子、触れるし・・話せるデス。だから、お化けじゃないですよ・・」
調(LOST)「でも・・・・・」

堀木正雄「どうしたんだい、君たち?」
マリア(LOST)「貴方は・・・?」
堀木正雄「俺か?俺はただの通りすがりさ・・・」

あの廃墟から私と切歌達を助けてくれたのは、「堀木」という男の人でした。
その時の私たちは堀木という人の事を知らぬまま、手当をして貰って、横浜の小さな孤児院に送ってもらいました。
この時私は、堀木から新しいGRMPとそのIDを貰い、月読調から「和泉真莉愛」という名前を貰いました。
そうして私は、切歌と調の二人と共に過ごす事になり、二人とは無二の親友となっていきました。

昭和104年

発育とは不思議なモノと感じたのは私が17になった頃、私の身体が日に日に美しく・胸も大きくなって来てる事を身をもってしりました。
その頃から、他の人間・・特に男という人達からにやけた視線を向けられるようになりました

孤児院:真利愛達の部屋
調(LOST)「今日も注目の的だったね、真利愛。」
真利愛「えぇ・・・私の身体、そんなに変なのかなぁ・・・?」
切歌(LOST)「そんな事ないですよ!男の人は大抵、美人な女性に裏で欲情しているんですよ!!」
調(LOST)「キリちゃん・・・その言葉、どこで覚えたの?」
切歌(LOST)「竹一も同じような事を言ってたからつい・・・」
竹一と大庭葉蔵とは、同じ孤児院で育ち、彼らもまた唯一の友達だ。

切歌(LOST)「真利愛!真利愛は将来、沢山の男の人にモテモテになると思うデース!羨ましいデスよぉ~~!!」
このセリフは切歌が冗談で言っていると思っていましたが、切歌も想像もできないほどの悪魔の予言になる事を、自分は後年で思い知ることになりました。
しかし私にも思い当たるふしはいくつかありました。


昭和109年

男「ふぅ・・・あんた、スッゲぇ良い閉まりだったよぉ・・・」
真利愛「・・・・・」
男「ふん。気絶してんのかよ・・・」
5年が過ぎ、切歌は竹一と共に暴走を繰り返す道に進み、調はハッキングを仕事とする道に進んでいましたが・・
私は男の人を自分の身体を使って喜ばせながら、転々として住み処を変えながら暮らしていました。いわゆる淫売という職業です。

最初の頃は男の方からの提案で、私と抱くことで高価な金を渡してやるとせがまれ、渋々断れなくその依頼を受けおりました。
最初に男しか持っていないモノを自分の中に入れたとき、とても痛い思いをしましたが、徐々に快楽に流され、最終的にその男の言うままになってました・・

私がそんな仕事を続けていく内に私はある思想に取り付かれていき、どんな男と寝ても何も感じなくなったのです。

真利愛「私はただ・・人間に愛されたかったからじゃないかって・・・」
それを最初に気づいた時から私はセレナのことを思い出しました。
そしてそんな自分が恥ずかしく・醜く感じるようになりました。
私はただ、人間が怖かったんじゃない・・人間に私の存在を認めて欲しかった・愛されて欲しかっただけだったのだ。
そんな事を小さい頃にセレナを失った事に私は嘆きました。セレナだって、私を心から愛してくれる人間だった。そんな人間を失ったから・・・

昭和111年。美子や立花響達に出会うまで、私は竹一や切歌、そして二人と仲が良かった堀木正雄と過ごし・・
酒と男にふけながら、自身に取り付いているあの思想を忘れるために自殺ごっこという自殺未遂をたびたび繰り返していました。
そんな私をある人間からはとても狂った淫乱狂人と呼ばれ、またある人間からはとても変わった道化だと呼ばれました。
誰かにそう呼ばれても私は気にする事は一切ありませんでした・・これが、私の中にある本性であり、私が過ごしてきた恥の多い生涯だから・・・

ただ・・・・数ある男の中で、大庭葉蔵だけは違っていました。
たまにバァに来る私を見ず、絵を描くだけで生きる意味を見出せないその素性に私は心に惹かれるのです・・・

真利愛「これら全ては私が経験した私の生涯の全てです・・ふふ、笑っちゃうよね?」
真利愛「平行世界から来た私とそっくりなマリアという女性と生き方がまるで違う。そして私と違って、マリアの方がまともで良い人生を歩んでいる。」
真利愛「私はマリアと違って・・・身体も、心も汚れている・・・。」


真利愛「人間・・・失格ってやつね・・・・」
そう真利愛はそう話し、自身の物語をバットエンドで醜いモノと主張し、幕を閉じる

第9話 第3の手記:未来を信じること

旧和泉製薬研究所 ある実験室跡地
真利愛から>>105~112の事を聞いた直後

クリス「それがあんたの心の底にある心の闇なんだな・・・」
セレナ「真利愛さん・・・・」
響「・・・・・・」
調(LOST)「真利愛・・・私達にも言えない事があったなんて・・・」
切歌(LOST)「水くさいですよ・・・真利愛。」
真利愛「今まで隠していてごめんなさい・・・私の方が、貴方たちを心から信じることが出来なかった・・・」
響「じゃあ、堀木正雄さんを本気で憎んでいたのは・・・」
真利愛「知らず知らずに自分の罪を他人のせいにしていた・・・ホント私、最低よね・・」
響「真利愛さん、私は・・・・」

ヴァネッサ「確かに、聞いてて最低最悪よね・・・マリア・カデンツァヴナ・イヴ。」
響達「!!?」
装者達の後ろから、サングラスをかけたヴァネッサとマシンガン等の武器を備えた変異ロスト体2体が居た

切歌(LOST)「あいつがヴァネッサという堀木の仲間デスか!!」
響「ヴァネッサさん・・・・」
クリス「あんた、堀木とグルだったのか!!翼はどこへやった!!」
ヴァネッサ「そちらこそ、澁田さんからの命令で私がここに居ると聞いてここに来たの?」
響「なんで・・・なんでS.H.E.L.L.を裏切ったんですか?どうして・・・」
ヴァネッサ「響ちゃん・・・私ね、はなっからS.H.E.L.L.の合格者の味方をしてた訳じゃないの。」
セレナ「どういうことなんですか・・・?」
ヴァネッサ「言葉の通り、私は堀木に協力しながらS.H.E.L.L.を中の方から監視してきた・・・そんな時にある事を聞いてね。」
クリス「ある事・・・?」

エリア13 外部
外では沢山の装甲車が爆破物の設置を準備していた

厚木「空爆を重ねて、エリア13を丸ごと爆撃だと!?まだあそこには装者や第4のアプリカントが残っているのですよ!!」
別部隊隊長「この件については、極秘事項ですので・・・」
厚木「くぅ・・(老人達の仕業か!彼女達を巻添えに今回の件を隠蔽しようと・・・)」

葉蔵の精神世界内では
澁田(通信)「大庭葉蔵を脳死と判定し、臓器移植によって合格者との融合を計る。第3のアプリカントの細胞レベルにおける優位性を健康基準に上書きするのだ。」
美子「そ・・・・そんな・・・!きょ・・拒否・・・・拒否します!!!」
過呼吸を起こし、気絶してしまう

そして旧和泉製薬研究所 ある実験室跡地では
真利愛「葉蔵が合格者の生贄になることって・・・」
ヴァネッサ「そう。貴方と葉蔵を健康基準にするって事はそういうこと!」
セレナ「そんな・・どうして!!」
ヴァネッサ「合格者もまだ死にたくない理由があるからね。国民の健康と寿命を人質に世界を支配するためにね。」

ヴァネッサ「私はね、若くてもあの老人達より健康基準を大きく上回るほどの健康体を持つ子供2人を主治医の担当になったことがあるの。」
ヴァネッサ「その子達は、いつか私たちが健康基準になってお祖父ちゃんおばあちゃん達を楽にさせたいと言っていたわ・・私もそれに応えるために、和泉やS.H.E.L.L.と共に働いたわぁ・・」
真利愛「貴方も、和泉製薬の研究員だったのね・・」
ヴァネッサ「まぁ、支部で働くさえない方だったけどね・・・」
ヴァネッサ「和泉が潰れる際、私はS.H.E.L.L.に鞍替えをし、2人の健康を見守ってきた。そんなとき、あの老人達から2人を合格者として迎えたいと立案が来て、私は2人の未来や願いを考え、合格者として迎えたわ・・」
ヴァネッサ「そこで、私が一番の間違いだったことを思い知った・・・」
真利愛「思い知ったって・・・まさか!?」
ヴァネッサ「そう。健康基準に加える話は嘘だった・・・あの老人達の延命のためだけに身体をいじられ・・最後にロスト体という動けない骸としてエリア13に捨てられていたわ・・・」

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