真姫「妹っていいものね」こころ「海水浴編!」 (372)

真姫「突然海水浴とか言われてもね……」

真姫「……こころちゃんたちは来るのかしら」

真姫(あ、いや、別にそんな、期待したわけじゃなくて)

真姫(……誰に言い訳してるんだろう)

真姫「ま、聞いて見ればわかるわよね」

真姫「……」

真姫(水着、買わなきゃ)




《前スレ 真姫「妹っていいものね」》
《→真姫「妹っていいものね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408329615/)》

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411481573





凛「真姫ちゃん真姫ちゃん!」

真姫「何、どうしたのよ急に」

凛「あ、真姫ちゃんも知ってるみたいだね」

花陽「そうだね」

真姫「え? 何が?」

凛「うれしそうな顔してるから」

真姫「えっ」

花陽「海水浴の話、聞いたよね?」

真姫「聞いたわ。2人もメール見たの?」

凛「うん!」

花陽「でも穂乃果ちゃんたち、受験生なのに大丈夫なのかなぁ」

真姫「その辺は海未とかがどうにかしてるでしょ」

真姫(万が一にも無許可だとしたら……いや、考えるだけ無駄ね)

凛「……真姫ちゃんのお目当てはやっぱり」

真姫「ち、違うわよ!」

凛「まだ何も言ってないにゃ」

真姫「うぐ……」

花陽「ふふ、楽しみだね」

真姫「……うん」





真姫「お邪魔し――――――――」

ここあ「いらっしゃいませー!」

真姫「あら、ここあちゃん。こんにちは」

ここあ「こんにちは!」

真姫「ん、ここあちゃん。お口に何かついてるわ」

ここあ「ほんと? とってー」

真姫「ええ、少しじっとしててね」

ここあ「んむんむ」

真姫(……かわいい)

真姫「よし、とれたわ」

ここあ「ありがとう!」

凛「何か食べてたの?」

ここあ「おこのみやきだよ」

花陽「お昼ご飯?」

ここあ「うん」

花陽「にこちゃんはいる?」

ここあ「ねてる」

凛「大学の授業、大変なのかな?」

真姫「わからないわね。夏期講習がどうとか言ってたけど」

ここあ「あがってあがって」

花陽「うん。お邪魔します」

凛「おじゃましまーす」

ここあ「にこにー、真姫おねえちゃんたちきたよー」

にこ「あと5時間……」

こころ「んー……」

花陽「ふふ、起こしちゃ悪いかもね」

凛「2人とも同じポーズで寝てる……さすが姉妹だね」

真姫「そうね」

真姫「お昼ご飯も食べたなら、ここあちゃんお昼寝しないの?」

ここあ「真姫おねえちゃんたちまってたから、あそぼ!」

凛「真姫ちゃん、そう言われちゃったら……遊ぶしかないよね!」

真姫「宿題は?」

凛「……1時間後くらいに」

真姫「まあいいけど」

凛「やった!」

凛「ここあちゃん、何して遊ぶ?」

ここあ「ひこうきがいい!」

真姫「飛行機……ああ、肩車するやつね」

凛「任せるにゃー」

ここあ「わーい!」

にこ「む……」

真姫(あ、起きそう)

花陽「2人が寝てるから静かにしようね」

凛「はーい」

ここあ「はーい」

真姫「花陽もお姉さんみたいね。凛の」

花陽「えへへ、そうかなぁ?」

凛「かよちん、ツッコむべきところがあるにゃ」

凛「ぶーん」

ここあ「ぶーん」

真姫(……することがないわね。どうしようかしら)

花陽「真姫ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

真姫「何? 宿題?」

花陽「そうそう。ここなんだけど……」

真姫「ああ、ここはね」

凛「ぴゅるるる」

花陽「……あ、これを入れ替えるの?」

真姫「そうそう」

ここあ「ぴるるるる」

真姫(ふふっ、ろれつが回ってない……)

花陽「真姫ちゃん?」

真姫「ああ、続けて」

花陽「あとここもなんだけど」

真姫「あー、それは面倒なやつね」

凛「ぎゅいーん」

真姫「確かこれをこっちに……」

花陽「あ、わかった」

ここあ「ぎょーん」

真姫(ぎょーん……)

花陽「真姫ちゃん……遊びたい?」

真姫「……うん」


ここまで
ぎょーん

穂乃果「……」

ことり「昔たくさん遊んだよね…今でもたまに来てる…思い出の場所なのに…」

海未「しょうがないです。変わらないものなどないのですから…」

穂乃果「……」ウル

海未「!?」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん…泣かないで?」

穂乃果「やだよぉ…この公園も、廃校を無くしたみたいに…」

海未「無理ですよ…もう決まっていて工事も始まるみたいですし…」

穂乃果「そんなぁ…」グス

ことり「ほ、穂乃果ちゃぁん…」ナデナデ

海未「……」

すまぬ…すまぬ…何故だかスレ建てと間違えてしまった…


ちょっとだけ更新





にこ「……ん、あ――――――――」

花陽「あ、にこちゃん起きた?」

にこ「い、今何時!?」

凛「え」

真姫「1時ちょうどよ」

にこ「1時!?」

凛「あー、夏期講習? でも今日日曜日だよ?」

にこ「……なんだ、まだ寝られるじゃない」

にこ「あれ。あんたたちいつ来たの」

凛「さっきだよー。にこちゃんぐっすり寝てるんだもん。びっくりしたにゃー」

にこ「悪かったわね。勉強とか勉強とか勉強とか大変なのよ」

凛「真姫ちゃんどう思う?」

真姫「さあ、どうかしらね」

にこ「まず疑ってかかるのやめなさいよ……」

花陽「でもにこちゃん、何でそんなに疲れてるの?」

にこ「え? 勉強よ勉強」

凛「にこちゃんが真面目なんてあやしい……あーやしー」

にこ「うるさい」

真姫「まあ別に疑ってるわけじゃないんだけどね」

にこ「嘘ばっかり」

凛「疑うのはよくないにゃ」

にこ「あんたに言われたくないわよ」

真姫「それで……こころちゃんも疲れてるみたいだけど、どうしたの?」

真姫(夜更かししてたとか? でも真面目な性格のこころちゃんに限ってそんなこと……)

にこ「ああ、海水浴に行くって言ったらはしゃいじゃって」

花陽「あ、にこちゃんたちも行くの?」

にこ「ええ、もちろんよ。ね、ここあ?」

ここあ「うんっ!」

にこ「私たち大学生は、夏期講習あるから途中で合流するわ」

凛「そうなんだ」

にこ「そうよ」

花陽「絵里ちゃんと希ちゃんも来てくれるんだねぇ」

にこ「2人とも楽しみにしてたわ」

にこ「ま、肝心なのは発案者が顔を見せないってことだけどね」

真姫(確かに。ちゃんと海未の許可、とってあるのかしら)


ここまで
短くてすまぬ

ここあ「あ、にこちゃんでんわー」

にこ「出るわ」

こころ「でんわ……?」

凛「あ、こころちゃん起きちゃった?」

にこ「こころ、寝てていいわよ」

こころ「でも……あれ?」

真姫「おはよう」

こころ「……!?」

こころ「ま、ままっ」

花陽「ママ?」

にこ「仕事よ、夜には帰って来るわ。あ、もしもーし……え、穂乃果?」

こころ「真姫お姉ちゃん!? そっ、それにみなさんまで!?」

真姫(急に声かけたからびっくりしちゃったのかしら)

凛「こころちゃんよく寝てたねー」

こころ「あ、あぅぅ……」

花陽「急に起こしちゃってごめんね」

こころ「いえ、そんな……」

こころ「……パジャマのままですみません」

花陽「えっ、こ、こころちゃん? そんなに落ち込まなくても……」

ここあ「きがえなさーい」

こころ「はいっ!」

凛「ここあちゃん何それ」

ここあ「にこにーのまねー」

真姫「あ、似てるかも」

にこ「……ふーん。そうね。そこなら近いしいいんじゃない?」

凛「電話誰から?」

真姫「穂乃果って言ってたから穂乃果じゃないの?」

にこ「そうそう。今……え? 何? スイカ持参? 9個も持ってきてどうするのよ」

真姫(何話してるのかしら)

こころ「き、着替えてきましたっ!」

真姫「あら、ボタンかけちがえてるわよ」

こころ「!?」

真姫「まだ寝ぼけてるのね。こっちに来て」

こころ「す、すみません」

真姫「いいのよ」

真姫(子どもは子どもっぽくしてていんだから……なんて言ったら怒られるかしら)

真姫「はい、できたわ」

こころ「ありがとうございます……」

凛「真姫ちゃん、凛もボタンがー」

真姫「はいはい」

凛「えっ」

真姫「……何よ、ちゃんとできてるじゃない」

凛「いや、その」

花陽「真姫ちゃん」

真姫「ん?」

花陽「凛ちゃんにもしてあげるの?」

凛「そうだよぉ! こっちがびっくりしちゃったよ!」

真姫「……そういえばそうね」

真姫(なんでだろう。この前から凛も妹みたいに見えてきてる)

にこ「あー、うん。わかった」

にこ「え、あさってに変わった? あ、うん。伝えとくわ」

花陽「穂乃果ちゃんは何て言ってたの?」

にこ「えーっと……そうそう、あさってに電車で海水浴に行きます」

ここあ「かいすいよく?」

花陽「海で泳ぐことだよぉ」

ここあ「……およげるかな」

真姫「え、ここあちゃんプール行ったことないの?」

にこ「あるわよ」

凛「え?」

にこ「泳ぐって言うか、ほとんど浮くって感じなのよね」

ここあ「うくのとくいだよ!」

にこ「学校のプールでやったでしょ? クロールとか」

ここあ「バタフライ!」

花陽「ば、バタフライ!?」

凛「ここあちゃんと遠泳とかしたいにゃー」

にこ「いやいや、体力持たないから」

にこ「それにバタフライって、昨日テレビで見てたやつよ」

真姫「そうなのね」

こころ「……そういえば水着がないです」

にこ「そうね」

凛「にこちゃんはあるの?」

にこ「あるわよ。夏に泳ぎに行ったじゃない」

凛「あー!」

花陽「あれは泳ぎに行ったわけじゃなくて合宿だったような……」

真姫「言っても無駄よ」

真姫(私はどうしたっけ。水着、ちゃんと片付けてあると思うんだけど)

凛「そうだ! これからみんなで買いに行くのはどう?」

にこ「ん、それいいわね」

花陽「私も新しいの買わなきゃ……」

凛「れ? かよちん持ってたよね? 新しい水着」

花陽「それが……その……」

花陽「……胸が」

凛「!?」

にこ「!?」

こころ「?」

ここあ「うきわー」





希「やー、海なんて何年ぶりかなぁ」

絵里「そうね、はるか遠い昔に行った海の記憶が呼びさまされ……ってなんでやねーん!」

希「たはー!」

絵里「……どう?」

凛「絵里ちゃん楽しそうだね」

絵里「フフ、この絢瀬絵里、ノリツッコミを習得したのです」

真姫「大学って何を学ぶところなの」

にこ「うまい転び方」

希「あ、こころちゃんもここあちゃんも久しぶりやね」

ここあ「うん!」

こころ「お久しぶりです」

絵里「あ、あれ? ノリツッコミ……」

凛「じゃあみんなそろったし行こうか」

真姫「そうね」

絵里「ノリ……」

花陽「面白かったよ、絵里ちゃん」

ここあ「もういっかいやってー」

絵里「愛してる!」

花陽「きゃあ!?」

ここあ「わーっ!」

にこ「あんまり甘やかさないようにね」

真姫(なんか絵里の扱い雑よね)

凛「あ、希ちゃん聞いて聞いて」

希「どうしたん?」

凛「かよちんのごにょごにょがごにょごにょで」

希「……それはぜひとも確かめたいなぁ」

花陽「!?」

絵里「どうしたの花陽」

花陽「いま、悪寒が……」

ここあ「おかん?」

にこ「ほら、さっさと行くわよ」

希「そんなぁ、にこっちも久しぶりにみんなで集まってうれしいくせにー」

にこ「毎日のように会ってるでしょ」

希「……そういえば近くにおいしい紅茶のお店が」

にこ「みんなでしゃべるのは後よ。お店は閉まっちゃうんだから」

希「にこっち……そんな主婦みたいな」

にこ「ああそうだ。今日お1人様1つ限りのボックスティッシュが……」

希「あー、いつものとこ?」

真姫「いつも行ってるんだ」

希「うん」


ここまで
程よくポンコツのえりち






絵里「真姫はどんなのにするの?」

希「真姫ちゃんはスク水やろ?」

こころ「ええっ!? そ、そうなんですか……?」

真姫「あの2人の言うことの半分くらいは嘘よ」

希「もー、真姫ちゃんってばひどーい」

絵里「え、私って聞いただけよね……?」

凛「かよちんこれはー?」

花陽「あ、それいいね」

ここあ「ここあこれがいい」

にこ「それは大きすぎるわね。ここあのサイズはこっちよ」

ここあ「そうなの?」

凛「にこちゃんのサイズもそっち?」

にこ「スイカより先に割られたい?」

凛「ジャパニーズジョークにゃ」

真姫(普通に冗談でいいわよね、それ)

こころ「水着……」

絵里「そうだ、こころちゃんの水着、真姫が選んであげたら?」

こころ「!」

真姫「いいの?」

にこ「ええ、あんまりセンスないやつはダメよ」

真姫「わかってるわ」

真姫(オーダーメイドの方がいいかしら……)

凛「今なら真姫ちゃんが考えてること、手に取るようにわかるよ」

花陽「あんなに真剣な顔の真姫ちゃん、見たことないね」

希「あ、それならこころちゃんが、真姫ちゃんの選んであげるって言うのは?」

ここあ「ここあも真姫おねえちゃんのきめたーい」

希「うんうん。真姫ちゃん、それでいい?」

真姫「いいわよ」

こころ「せ、責任重大ですね……」

にこ「思いつめすぎよ。気に入ったのを選んであげて」

凛「真姫ちゃんなら何でも喜んでくれるよ」

真姫「ええ」

こころ「そうですか……でもやっぱり真面目に考えないと」

絵里「律儀なのね。ふふ」

花陽「うんうん。真面目だよねぇ」

ここあ「あ! これにする!」

希「え? もう決まったん?」

こころ「あ、それなら確かに……はい、私もこれがいいです」

絵里「同じのにしたのね。それなら真姫……あれ、真姫は?」

凛「お会計を済ませてるにゃ」

にこ「即決!?」

真姫「買ってきたわ」

絵里「ええ、見てたわよ」

こころ「あわわ……も、もっと捜せば他にも――――――――」

真姫「これがいいの。2人が選んでくれたものだから」

こころ「そう……ですか」

こころ「ふふっ、そうですよね。その水着、きっと真姫お姉ちゃんに似合います」

ここあ「にあわなかったらにこにーが」

にこ「ごめん、それは無理よ」

真姫「さて、次はこころちゃんとここあちゃん、それに花陽の分ね」

花陽「うん」

絵里「あ、私も新しいのほしい……」

希「えりちお金あるん?」

絵里「あるわ! バイトして貯めたの!」

にこ「やったわね。晩ご飯は絵里のおごりよ」

凛「わ-い!」

絵里「こういう時もスルーしてほしかったわ」


短いけどここまで
SID設定ではにこはカナヅチですが、本編はアニメにこなのでたぶん泳げるよ


更新は明日になるよ
長い間放置しててすまん




絵里「割り勘で助かったわ」

希「だってえりち、この前欲しいものかったんやろ?」

絵里「うん」

にこ「あー、結局何買ったの?」

絵里「ミキサー! 野菜ジュースとか飲もうと思ってね!」

にこ「絶対使わないわね」

花陽「ああ……」

希「使わないやろうなぁ」

凛「うん」

真姫(何この一体感)

ここあ「つぎはどこいくの?」

にこ「どうする? 今日は予定とかないけど……」

希「ウチもフリーやで」

絵里「私も、今日はお休みもらってるから」

凛「凛たちは夏休み中だもんねー」

花陽「うんっ」

真姫「大学生にも夏休みはあるでしょ」

凛「えっ」

こころ「ありますね」

にこ「……こころでも知ってるのに」

凛「うにゃー!」

花陽「あ、穂乃果ちゃんたちに会ってみるっていうのは?」

絵里「それいいわね!」

にこ「あっちの都合は大丈夫なの?」

絵里「この前穂乃果に会ったけど、今日はたぶん大丈夫だと思うわ」

希「そうなん?」

絵里「ええ、睡眠学習の合間に休憩時間があるらしいの」

こころ「す、睡眠……」

真姫(ハードそうね……)

凛「じゃあ、何かお土産持っていく?」

ここあ「おみやげー!」

にこ「こらこら、私たちがもらうわけじゃないのよ?」

ここあ「ささげるの?」

絵里「ささっ……」

希「ぷくく……どこで覚えたんよ」

ここあ「?」

花陽「ふふ、かわいいね。真姫ちゃん」

真姫「そうね」

絵里「なら、何を持っていきましょうか」

希「穂乃果ちゃん洋菓子好きやし、そういう類のものでいいんと違う?」

凛「ことりちゃんはチーズケーキだよねっ」

花陽「海未ちゃんは穂むらのおまんじゅうが好きだよね」

絵里「……」

希「……」

にこ「……思いっきり別れたわね」

ここあ「どっちもおみやげは?」

真姫「それができたらいいんだけど、穂乃果に穂むらのおまんじゅうって言うのもねぇ……」

にこ「まあここは妥協して洋菓子にしない?」

希「うん」

穂乃果「あ、こんなところで何話してるの?」

真姫「さっきまで言ってたじゃない。お土産はどうするかって」

穂乃果「穂乃果は何でも嬉しいよ!」

絵里「穂乃果ならそう言ってくれると思ってるけど……」

絵里「ん?」

穂乃果「んん?」

花陽「ほっ……穂乃果ちゃん!?」

凛「いつの間に!?」

ここあ「おまんじゅうおねえちゃん!」

穂乃果「ここあちゃん久しぶり! あと穂乃果の名前覚えてよぉ」

ここあ「ほの」

穂乃果「そうそう」

ここあ「ほのまんじゅう」

穂乃果「ああっ、もう少しなのにね……」

真姫「それにしても穂乃果、どうしてこんなところに?」

希「うんうん」

穂乃果「ああ、ちょっと買い出しにね」

絵里「何の買い出し?」

穂乃果「勉強のための糖分補給……かな。あはは」

真姫(急に目がうつろに)

にこ「あんた大丈夫なの? 疲れてるみたいだけど」

穂乃果「何のこれしき! 受験前のにこちゃんの方がよっぽどすごかったよ」

にこ「あれは黒歴史よ。全国のにこにーファンには見せられない姿だったわ」

こころ「にこ姉はいつでも素敵です!」

にこ「ありがとう! でも顔出したまま街中歩いてもバレなかったのよ……」

真姫「あー、落ち込んでたわね」

花陽「それより穂乃果ちゃん、今は休憩中?」

穂乃果「うん。あと3時間24分18秒はお休みだよー」

凛「こ、細かいにゃ」

穂乃果「1秒でも遅れると海未ちゃんが怒るからね。本番でも遅刻したらどうするんですか! って」

穂乃果「でも穂乃果のためを思って言ってくれてるんだよぉ。そう思うとうれしいよねぇ。えへへ」

真姫(穂乃果……成長したのね)

穂乃果「ことりちゃんもネコミミつけながら頑張ってるし」

真姫(いや、壊れてきてるわね)

ここあ「ねこ?」

穂乃果「そうだよ、単語を忘れないように踊りながら……」

穂乃果「あ、もう32秒も経ってる。今日もいつも通り、海未ちゃんもことりちゃんも来てるから、穂乃果の家においでよ」

絵里「いいの? 邪魔にならない?」

穂乃果「大丈夫だよ! 休憩時間中は海未ちゃん怒らないもん」

穂乃果「海未ちゃんは休憩時間に寝てるけどね」

希「お、教える方も大変なんやね」

凛「そ、そこまで勉強しなきゃ大学っていけないの……?」

にこ「そうよ。今のうちに覚悟しときなさい」

こころ「……ごくり」

真姫「こころちゃんが受験するときは私が教えてあげるわ」

こころ「!」

にこ「私たち、今からものすごくカオスなところに行くはずよ。覚悟してた方がいいわ」

希「なんとなーく危ないオーラが漂ってるんもんなぁ……」

凛「こころちゃんたちも連れってって大丈夫なの?」

真姫「癒しを提供してくれるんだから必ず必要よ」

こころ「ご、ご期待に沿えるよう頑張ります!」

ここあ「おー!」

花陽「真姫ちゃんの中で、こころちゃんたちの存在がどんどん大きくなってる……」

穂乃果「それじゃあ行くよ!」


ここまで
カオス和菓子屋穂むら




穂乃果「たっだいまー!」

穂乃果「……あれ?」

真姫(く、暗い!)

絵里「お、お化け屋敷みたいじゃない……なんでカーテン閉めきってるの?」

穂乃果「クーラーつけたからかなぁ?」

ここあ「おばけー」

にこ「2人は? 中で寝てるわけ?」

穂乃果「たぶん」

絵里「……こころちゃん、手でも繋いでおく?」

こころ「お、お願いします」

真姫「何があっても守りなさいよ」

にこ「それ私のセリフ」

絵里「ラジャー!」

希「そんなに身構えなくても……」

凛「ひゅー……どろどろどろ」

花陽「り、凛ちゃん!」

凛「えへへ」

穂乃果「とりあえず上がって上がって」

穂乃果「うーみちゃーん。ことりちゃーん」

穂乃果「……あれ? リビングで一緒に勉強してたのに」

凛「誘拐……!」

凛「密室殺人?」

絵里「」

こころ「え、絵里さん!? し、しっかりしてください!」

にこ「絵里はもうダメよ。その辺に寝かせときなさい」

絵里「ひどい」

ここあ「おまんじゅうおねえちゃん」

穂乃果「なにー?」

ここあ「うえ」

穂乃果「上?」

真姫「ここあちゃん、何か聞こえた?」

ここあ「うん。ぐー、って」

希「ぐー?」

花陽「寝息……?」

穂乃果「あっ、そうだった。海未ちゃんたちは穂乃果の部屋で休憩してるんだった」

にこ「なんでリビングじゃないの?」

穂乃果「リビングに近づいちゃうと、体が勝手にペンを持っちゃって……」

真姫(洗脳じゃない、それ)

穂乃果「穂乃果が先に上がって見て来るよ」

真姫「心配だから、私も一緒に行くわ」

凛「じゃあ凛も……」

花陽「私も……」

真姫「2人はこころちゃんとここあちゃん、ついでに絵里の面倒見てて」

絵里「真姫、私は一応先輩よ?」

真姫「だから心配してるのよ。頼れる先輩だから、ね」

絵里「真姫……」

希「えりちがちょろい」

にこ「これは面倒見ないと」

ここあ「真姫おねえちゃん、がんばってね!」

こころ「必ず……帰ってきてくださいね」

真姫「ええ、わかったわ」

にこ「何この物々しい雰囲気」

穂乃果「じゃあ真姫ちゃん、行くよ」

真姫「そうね」

真姫(海未とことり、いったいどうなってるのかしら……)





海未「」

ことり「」

穂乃果「あ、2人とも寝てる」

真姫「」

真姫(なんで2人とも浮き輪つけて寝てるのよ!?)

真姫「ちょ、ちょっと穂乃果、何があったの?」

穂乃果「えっとねー……確か、みんなで海に行くって話になって、それから……」

穂乃果「……」

真姫「穂乃果……? え? まさか――――――――」

真姫(……立ったまま寝てる)

真姫「穂乃果、せめてベッドに入りなさい」

穂乃果「むにゃ……」

真姫「よいしょ……っと、はぁ」

真姫(何か手がかりとかないかしら)

真姫「……ん、これって……スケジュール表?」

真姫(わざわざ円グラフなんて作って丁寧な……ええっ!? 1日18時間勉強!?)

真姫(睡眠と食事とお風呂で残り6時間……な、なんてハードなの)

真姫「そりゃあこんなに疲れるわけね……海未もことりもすごいクマだし」

真姫「どうしてこんなに……」

真姫「……」

真姫「そっか、そうよね」

真姫(やっぱり、絵里たちと同じ大学目指してるのよね……)

真姫「でもだいたいこんなの無理ありすぎるでしょ。毎日これだけやってたら、理解できるものもできなくなるわよ」

真姫「はぁ……これはお説教ね」

真姫(今は……寝かせてあげるけど)





ことり「……ん」

海未「あれ、明るい……はっ!? あ、朝ですか!? アラームは確かに――――――――」

にこ「おはよう」

ことり「え、に、にこちゃん?」

絵里「私もいるわよ?」

希「ウチも」

海未「絵里、希……どうしてここへ」

花陽「はい、お茶とおにぎりだよぉ」

凛「ハムもあるにゃー」

絵里「ほら、とりあえず食べて」

海未「はい」

ことり「……おいしい」

希「海未ちゃん、ことりちゃん。なんでそんなに無茶な勉強時間を確保してたん?」

海未「……」

絵里「海未」

にこ「今食べてるでしょ」

絵里「あ、ごめん」

希「そ、そうやね」

真姫(2人がそわそわしてるなんて、珍しいわね)

海未「ごちそうさまでした」

ことり「ありがとう、おいしかったよっ」

花陽「よかったぁ」

凛「うんうん、2人とも元気そうでよかった!」

絵里「聞かせてもらえないかしら? 海未やことりがそんな無謀なことするとは思えないんだけど……」

ここあ「おまんじゅうおねえちゃんは?」

にこ「穂乃果はよく無茶するから例外」

こころ「なるほど」

ことり「あ! こころちゃんとここあちゃんっ、久しぶり!」

こころ「お久しぶりです」

ここあ「ことりおねえちゃん、ひさしぶりー」

ことり「ああ、いつ見てもカワイイ……そうだ、この前2人に衣装作ったの。着てみる?」

希「いやいや、ことりちゃんそうやなくて……」

真姫「見たい」

にこ「真姫ちゃん、欲望が漏れてる」

真姫「!」

真姫(う、うかつだったわ……)

海未「……これは私のせいなんです」

凛「海未ちゃん?」

花陽「私のせいって……」

海未「穂乃果を止められなかった私の……」

ことり「ううん、私も海未ちゃんに頼っちゃったもん。海未ちゃんだけのせいじゃないよ」

にこ「何があったの?」

海未「それは――――――――」






絵里「なるほど。それで夏の試験で、志望校にE判定が出た、と」

海未「はい。それで焦った穂乃果が私に相談してきたんです」

海未「夏休みで学力をアップさせたい……そう言って、私の家に転がり込んできたんですよ」

ことり「私もまだD判定で自信がなかったから、海未ちゃんに教えてもらおうと思ったの」

希「海未ちゃんの判定は?」

海未「Bです。ですがまだ気は抜けません」

ここあ「えーびーしー?」

こころ「アルファベットですね!」

真姫「こころちゃんは物知りね」

凛「真姫ちゃんデレデレにゃ」

海未「それで、夏休みまでにどうやったらみんなに追いつけるか、という話になって……」

ことり「もし夏休みにみんなが6時間勉強するとしたら、今までの遅れも合わせてその3倍はやらなきゃって結論が出て……」

希「実行したんや……」

海未「まさか本当にやりきるとは思わなかったんです。穂乃果の本気は生半可なものではないのを失念していて」

海未「それに、学力も驚くほど伸びて、私も教える側として楽しくなってしまって……」

ことり「私もね、できるようになるのが楽しくなってきちゃってね」

ことり「もっと、もっと勉強できるようになれたら……海未ちゃんのサポートができるかなぁって……」

絵里「海未……ことり……」

真姫「にこちゃんって12月くらいの頃、判定何だったっけ?」

にこ「D」

海未「!?」

希「それで、入試直前までにどこまで上げたっけ」

にこ「A」

ことり「ええっ!?」

希「まあ早くするには越したことないけど、そんなに根を詰めても仕方ないよ?」

海未「た、確かにそんな気がしてきました……」

ことり「そうだね……」

真姫(嫌な自信のつけ方ね)

花陽「でも穂乃果ちゃん、それほど同じ大学に行きたかったんだね」

凛「凛も今のうちに頑張っとかないと!」

絵里「穂乃果も、起きたらお説教ね」

にこ「当分起きないんじゃない?」

穂乃果「……」

ここあ「ねてるね」

真姫「そっとしておきましょう。それでことり、衣装は?」

ことり「ここに」

希「いつも持ってきてるんや」

にこ「あ、何それ。結構素敵じゃない」

絵里「あ、本当ね。かわいいかも」

ことり「でしょ? みんなで海水浴って聞いて、休憩時間の合間に作ってたんだぁ」

凛「サマードレスって言うんだよね?」

ことり「そうだよぉ。ちょっと大人っぽくレースとか……ここもこうして」

にこ「ここあ、こころ、着てみてくれない?」

こころ「あ、はい」

ここあ「にこにーのは?」

ことり「ちょっとサイズが足りないかな? また作っておくね」

にこ「ちょっとって何よ。全然足りないわよ」


ここまで
次かその次くらいで海水浴いくよ

ことうみほのの順じゃなかったっけ、成績


>>101
SIDかなんかではそんな感じ
こっちはファンブックとかアニメ基準でやってるのでうみ≧ことに





ことり「はぁ……楽しかった♪」

真姫「2人の画像、待ち受け画面にしようかしら」

こころ「ええっ!?」

ここあ「?」

にこ「それいいわね。けってーい」

穂乃果「受験勉強の疲れが癒されたよぉ」

海未「そうですね。これからは1日4時間程度にしましょう」

穂乃果「……」

真姫(なくてもいいって顔したわね、今)

絵里「それで、あさってだっけ? 海に行くの」

海未「海未はわた――――――――」

凛「言わせないにゃ!」

海未「?」

穂乃果「穂乃果たちにもできなかった海未ちゃんキャンセル……略して海未ちャンを会得してるなんて……」

ことり「凛ちゃん、一体どんな修行を……」

凛「読唇術だよ」

穂乃果「ええっ!?」

ことり「すごい!」

絵里「テレパシー?」

凛「真姫ちゃんたすけて。冗談って言えない雰囲気だよ……」

真姫「はいはい」

花陽「あさってでいいんだよね?」

海未「海ですか?」

ここあ「海未おねえちゃん?」

海未「え? それは私ですよ?」

ここあ「うみー……うみ? ひろいほう?」

海未「ああ、そうですね。みんなで海水浴に行こうと……」

ここあ「うみうみだ」

海未「えっ、いやその、海未は私でして……」

希「どうする? このままにしとく?」

にこ「そうね。2人ともかわいいし」

こころ「……まきまき」

真姫「!」

こころ「……なんちゃって、えへへ」

真姫「……こころちゃん、何か言った?」

こころ「え、な、何も!」

真姫(聞こえたとは言えないわよね……)

真姫(でも呼び捨てはレア!)

ことり「なんで真姫ちゃんガッツポーズしてるの?」

凛「たぶんいいことあったんだよ」

穂乃果「それで花陽ちゃん、なんだっけ」

花陽「あ、うん。海に行くのはあさってで……」

ここあ「おねえちゃん?」

海未「その海は私じゃありませんよ」

穂乃果「ここあちゃん。このお姉ちゃんは海未ちゃんだけど、私たちが行くのはseaだよ」

真姫(唐突な英語……勉強の成果かしら)

ここあ「しー?」

ことり「ふふっ、お口にチャックするのしー、じゃないよぉ」

凛「かわいいにゃ」

希「そうやねぇ」

ここあ「しーおねえちゃん」

海未「えっ」

こころ「え? 海未さんでは……」

にこ「あの子は今日からしーちゃんよ」

穂乃果「しーちゃん!」

海未「わ、私には海未という名前が……」

花陽「あだ名ってことかなぁ」

真姫(うらやましい)

絵里「私もあだ名ほしいなぁ」

にこ「バカ」

希「ロシアン」

絵里「し、辛辣……」

こころ「あだ名……」

ことり「そう言えば私、あだ名ってないかも」

希「コッティー」

ことり「コッティー……いいね」

真姫(いいんだ)

穂乃果「穂乃果もあだ名ほしい! 絵里ちゃんのエリーチカみたいな」

絵里「それあだ名じゃなくて……」

希「ホノカーニョ」

穂乃果「ホノカーニョ! なんかいいね!」

にこ「希、あんたのセンス面白いわね」

希「いや、なんとなく思いついた単語を並べてるだけやし……」

真姫「でもホノカーニョは……」

穂乃果「呼んだ?」

海未「気に入ってるんですか?」

穂乃果「そこそこ」

絵里「なんかスペインっぽいわよね」

穂乃果「ニョ?」

絵里「そうそう」

こころ「にょ?」

ここあ「にょにょにょー」

真姫「……」

花陽「ま、真姫ちゃん急に震えだしてどうしたの!?」


このままだと真姫ちゃんが変態になりそうなのでここまで






凛「真姫ちゃーん、起きてー。起きてよぉ」

真姫「……ああ、凛。おはよう」

凛「真姫ちゃんが起こしに来てってメールしてきたときはびっくりしたにゃ。遅くまで何してたの?」

真姫「……今日が早く来てほしかったから、昨日はずっと寝てた」

凛「真姫ちゃんにもこんなに子どもらしい一面があったなんて……!」

真姫「昨日はこころちゃんたちに会ってないから……寝るくらいしかすることなくて」

凛「あー。昨日はおでかけって言ってたもんね、にこちゃんたち」

真姫「だから今日が待ち遠しくて……寝てたの」

凛「凛たちも機能は用事だったからね。ごめんね真姫ちゃん、1人にしちゃって」

真姫「いいのよ。それより……」

凛「それより?」

真姫「凛、ちょっと抱き着かせて」

凛「真姫ちゃん、禁断症状だよ。それ」

真姫「なんとなく、誰かを抱きしめないと体が変になって……」

凛「重症だね」

真姫「この際、凛でも構わないわ。おいで」

凛「別にいいけど……本当に凛でいいの?」

真姫「どういうこと?」

凛「なんかそれ、浮気みたいな感じだから……」

真姫「……」

真姫「凛も妹みたいなものよ」

凛「真姫ちゃんかしこい」

凛「じゃあ……その……」

凛「やさしくしてね?」

真姫「何言ってるのよ。さっさと来なさい」

凛「真姫ちゃんノリわるーい」

真姫「知りません」

凛「真姫ちゃんがほしいのは凛のカラダだけなんだね。くすん」

花陽「」

凛「あ、かよちんおはよう。朝ごはん食べて来るの早かったね」

花陽「え、う、うん」

真姫「ああ、花陽。悪いわね、今用意するから」

凛「あれ、真姫ちゃん、しなくていいの?」

真姫「いや、どうせ2人いるんだし、いっぺんにやった方が幸せかと思って」

凛「かよちんまで犠牲に」

花陽「ぎ、犠牲!?」

真姫「……いや、でもやっぱり1回は……」

真姫「凛」

凛「はいはい」

真姫「ぎゅー……」

凛「わわっ、やるならやるっていってほしいにゃ」

花陽「……あ、なんだぁ。そっちだったんだね」

真姫「そっち?」

花陽「いや、なんでもないよぉ。いつもの真姫ちゃんで安心したの」

凛「かよちん。この真姫ちゃんはいつもの真姫ちゃんじゃない気がするよ?」

真姫「……」

凛「真姫ちゃん、もしかしてねてる?」

真姫「……ねてない」

凛「絶対寝てるよ! もー……あ、そうだ」



凛「真姫お姉ちゃんっ」

真姫「!」



真姫「何よ。どうしたの」

凛「……す、すごい」

花陽「真姫ちゃんが覚醒した……」


なぜ酉が外れてあがる?
さっきまでついてたのに


これでよし





穂乃果「おーい! みんなーっ!」

凛「あ、穂乃果ちゃーん!」

真姫「朝から元気ね」

ことり「真姫ちゃんは眠そうだけど……大丈夫?」

花陽「昨日、寝すぎちゃったみたいなの」

海未「寝すぎで……?」

穂乃果「あれ、こころちゃんたちは来てないの?」

花陽「確か、にこちゃんが連れて来るって言ってたよ」

にこ「呼んだかしら」

凛「ウワサをすれば!」

海未「ああ、おはようござ……にこ?」

にこ「その語尾のつけ方はどうかと思うわ。リスペクトにしても、もう少しヒネリがないと……」

穂乃果「にこ……ちゃん?」

にこ「そうよ? 何か変?」

にこ「それよりあんたたち、日焼け止めは塗ったの? 日傘も、それにアームカバーも……」

真姫(サングラスかけたカカシみたいな恰好にあってる)

>>125>>127

にこ「呼んだかしら」

凛「ウワサをすれば!」

海未「ああ、おはようござ……にこ?」

にこ「その語尾のつけ方はどうかと思うわ。リスペクトにしても、もう少しヒネリがないと……」

穂乃果「にこ……ちゃん?」

にこ「そうよ? 何か変?」

にこ「それよりあんたたち、日焼け止めは塗ったの? 日傘も、それにアームカバーも……」

真姫(にこちゃん、サングラスかけたカカシみたいな恰好になってる)

穂乃果「にこちゃんも大変なんだね」

凛「うん」

にこ「ただ日に焼けたくないだけよ」

ことり「こころちゃんたちは?」

ここあ「ここー!」

こころ「おはようございますっ!」

真姫(笑顔がまぶしい!)

海未「真姫、うれしそうですね」

真姫「もちろんよ。1日も会ってなかったんだから」

凛「学校始まったら真姫ちゃんがどうなっちゃうか考えたくないにゃ」

花陽「わぁ、麦わら帽子、かわいいね」

こころ「ありがとうございます」

海未「そのサングラスは買ったんですか?」

ここあ「にこにーのおさがりー」

海未「なるほど。少し大きめなのはそのせいですか」

にこ「ここあがかけたいって言うから仕方なく、よ。遊ぶときはちゃんと外すよう言ってね」

穂乃果「了解しましたっ!」

にこ「くれぐれもはぐれないように頼むわよ?」

真姫「任せて」

凛「ずっと手を握っておくよ。ねっ、ここあちゃん」

ここあ「にゃーおねえちゃんとここあ、なかよし!」

真姫(……なかよし、かぁ)

こころ「わっ、私も……」

真姫(ハッ! この左手に感じる小さな手は――――――――)

こころ「なかよし……なんちゃって」

真姫(生きててよかった)

にこ「なんかいろいろ心配なんだけど」


ここまで
子ども好きの西木野さんステキ





穂乃果「よし、まずはお菓子を買います」

凛「昨日買いに行ったにゃー」

穂乃果「あ、そっか」

真姫(……昨日? 確か、凛たちは用事って……でも穂乃果たちとお菓子買いに――――――――)

真姫「」

ことり「ま、真姫ちゃん!? ちがうよ! ちがうよぉ!」

花陽「ま、真姫ちゃんはお菓子とかわからないだろうから、びっくりさせようと思って!」

真姫「今のが1番びっくりしたわ」

海未「どうしたんですか?」

真姫「いや、仲間はずれかと思ってね……」

穂乃果「そんな、真姫ちゃんを仲間はずれにするわけないよ!」

凛「そうだよ! 真姫ちゃんがいないなんて嫌だよ!」

真姫「2人とも……」

真姫(よく考えたら穂乃果も妹みたいに見えるわね)

穂乃果「?」

凛「真姫ちゃん、こころちゃんは隣にいるよ?」

真姫「知ってるわ。さっきからずっと手を繋いでるんだから、ね?」

こころ「はいっ」

凛「こころちゃん。真姫ちゃんが暴走しそうになったら……止めるのはこころちゃんだよ」

こころ「ぼ、暴走?」

凛「そう、その時はぎゅっと抱きしめてあげてね」

こころ「え、あ、は、はい!」

真姫(怒ろうかと思ったけど……まあ、今回は大目に見てあげましょう)

ここあ「にゃーおねえちゃん、ぼーそーってなに?」

凛「怪獣みたいになることだよー」

真姫(やっぱりさっきのナシ。怒る)

真姫「凛」

凛「わ! 真姫ちゃんが暴走してる! こころちゃん!」

こころ「わかりました! ……こう、ですか?」

真姫(……ああ、抱きつかれるなら腕にじゃなくて……いや、これも案外いいかも)

花陽「真姫ちゃん、いろいろ考えてるみたいだね」

海未「それではそろそろ、切符を買っておきましょうか」

ことり「うんっ」

穂乃果「ここあちゃんの分も買っておく? 届かないよね?」

ここあ「にゃー!」

凛「はいにゃー! って、ここあちゃん、凛は凛だよ?」

ここあ「にゃー?」

凛「確かに凛はにゃーって言うけど、にゃーじゃなくて……」

ここあ「にゃーん」

真姫「もうそれでいいんじゃない」

凛「真姫ちゃんが、ここあちゃんににゃーんって言ってほしいだけでしょ?」

真姫「さて、どうかしら」

ことり「真姫ちゃんさすが、ポーカーフェイスだよ……」

こころ「にゃーん」

真姫「」

海未「今、笑いましたよね」

真姫「別に」

穂乃果「隠した!」


用事できた
短いがここまで





真姫「そこそこ人が多いわね」

凛「あ、でも席ちょっと空いてるよ」

海未「穂乃果は私と立っておきましょう」

穂乃果「え、なんで!?」

海未「はしゃぎすぎるのが目に浮かぶからです。羽目を外しすぎて怪我をしないように、ここで体力を削ります」

穂乃果「う、海未ちゃんひどい……でもあってると思うよ」

真姫(合ってるんだ)

花陽「あ、じゃあこの4つの席を残り6人で……」

ことり「6人……」

ここあ「?」

こころ「わ、私はまだ若いので立ってます!」

穂乃果「こ、こころちゃん、それだと穂乃果たちおばあちゃんみたいだよぉ」

こころ「えっ、あ、そんなつもりでは……!」

ことり「真姫ちゃん真姫ちゃん」

真姫「何?」

ことり「おひざの……上、なんてどうかな?」

真姫「……乗った」

ことり「こころちゃん、ここあちゃん」

こころ「はい」

ここあ「なにー?」

ことり「真姫お姉ちゃんがお膝の上に乗せてくれるって」

こころ「えっ!?」

海未「なるほど、その手がありましたね」

花陽「ああ、そうだねぇ」

こころ「お、おひざっ……で、でもそんな子どもっぽい……いや、せっかく真姫お姉ちゃんが……」

こころ「……ごくり」

ここあ「ここあはことりおねえちゃんのうえ」

ことり「あれ? 私?」

ここあ「はじめて!」

花陽「ああ、ことりちゃんのお膝は乗ったことないもんね」

ことり「ふふっ、よろしくお願いしまーす♪」

ここあ「はーい」

凛「こころちゃんはどうするの? 真姫ちゃんもう準備万端だよ」

真姫「いや、座ってるだけだから」

凛「ほら、もうあんなに姿勢まっすぐにして」

真姫「背もたれがまっすぐだからよ」

こころ「……」

真姫「……」

こころ「お、お願いします……」

真姫「ええ、こっちに来て」

こころ「は、はい」

穂乃果「海未ちゃんは誰のお膝に座るの?」

海未「穂乃果の上に乗りましょうか」

穂乃果「えっ、それなんてトレーニング?」

こころ「……」

真姫「どう? 違和感ないかしら。いつもここあちゃんにやってるようにしてるんだけど」

こころ「だ、大丈夫です! 問題ありません!」

真姫「そう、ならもう少し私に寄りかかってもいいわよ」

こころ「……はい」

こころ「……こ、こうですか?」

真姫(……このままずっと海につかなきゃいいのに)

ここあ「ことりおねえちゃんいいにおい」

ことり「え? そう? ありがとうっ」

凛「ここあちゃん、凛はどうかにゃ?」

ここあ「ラーメン」

凛「はい」





海未「……もうすぐ着きますね。降りる準備をしましょうか」

ここあ「はーい」

ことり「うん、忘れ物しないようにねっ」

真姫「……」

こころ「……」

穂乃果「2人とも粘ってるね」

真姫「気のせいよ」

こころ「きっ、気のせいです」

凛「まず海に着いたら、海だー! って叫ぶんだよ」

ここあ「りょーかい!」

ここあ「うみっ……」

海未「その手には乗りませんよ!」

ここあ「……うみ」

穂乃果「ああっ、海未ちゃんが途中で止めたからここあちゃんが!」

花陽「しょんぼりしてる……」

海未「えっ」

真姫「海未、最後まで言わせてあげなさいよ」

海未「……すみません。ではもう1度やりましょう」

凛「じゃあテイク2ね! ここあちゃん、ハイっ!」

ここあ「うみだー!」

海未「……はい」

ここあ「……」

こころ「……」

穂乃果「海未ちゃん、そこはやられたーって言わないと」

ことり「海未ちゃん早く」

海未「えっ……コホン、やられたー……」

凛「あ、ちょうど着いたにゃー」

真姫「ええ、降りましょう」

海未「……」

花陽「海未ちゃん、行こっか」

海未「花陽……ありがとうございます」

真姫(落ち込んでる)

真姫(……海未も見方を変えれば妹っぽく見えてこないかしら)

真姫(……見えた!)

真姫「海未、ちょっとこっち来て」

海未「何ですか?」

真姫「よしよし」

海未「え、な、なんですか急に!?」

真姫(……アリね)

凛「真姫ちゃん、ついに海未ちゃんまで……」

真姫(そう考えると穂乃果も……案外ことりも)

穂乃果「?」

ことり「?」

真姫「こころちゃん、ここあちゃん。降りましょうか」

こころ「はいっ」

ここあ「とうちゃーく」

真姫(楽しくなってきたわね……)

花陽「真姫ちゃん?」

真姫「何でもないわ」

花陽「え? まだ何も聞いてないけど……」


ここまで
真姫ちゃんは無差別


更新は土日になります


土日なんてなかった
遅れたけど更新するよ





ここあ「うみだー!」

凛「うみだー!」

穂乃果「……」

海未「なんですかその目は。何も出ませんよ」

真姫(うん、見えるわね)

海未「……真姫? 真姫は何をしているのですか?」

ことり「頭を撫でてるように見えるけど……」

海未「……どうしてですか?」

真姫「気にしないで」

花陽「旅館に泊まるんだっけ?」

こころ「はい! 駅から南に5分のところです!」

真姫「よく覚えてたわね」

こころ「あ、ありがとうございます」

ここあ「南ってどっち?」

ことり「……」

花陽「ことりちゃんのことじゃないよぉ」

ことり「うん。でも名前を呼ばれると反応しちゃわない?」

穂乃果「わかるなぁ。穂乃果も『ほ』って聞こえるだけで反応しちゃう」

凛「ほっほっほー」

ここあ「ほほー」

真姫「フクロウみたいでかわいいわね」

海未「それでは旅館に向かいましょうか」

花陽「うん」

ことり「5分かぁ、結構近いところにあるんだね」

凛「駅から近くて旅館……すごくお高い匂いがするにゃ」

穂乃果「でも絵里ちゃんに聞いたら、1泊3000円とかでいいって言ってたよ?」

ことり「……ボロボロ?」

花陽「老舗……」

海未「なぜ絵里が知っているんですか? あの3人は泊まらないはずでは」

穂乃果「……なんでだろう?」





にこ「いらっしゃいませー!」

希「お、もう着いたんやね」

絵里「旅館へようこそ―」

真姫(なるほど、バイト先はここだったってわけね)

絵里「どう? 驚いた?」

穂乃果「わー! 希ちゃん似合ってる!」

ことり「若女将って感じ!」

希「そう? ふふ、ありがとう」

ここあ「にこにーかっこいい!」

にこ「かっこいいんだ……にこにーはかわいいが欲しかったにこ」

絵里「……総じてスルーなの?」

真姫(絵里も見えるかも)

凛「真姫ちゃん、もう見境ないにゃ」

真姫「何も言ってないでしょ?」

凛「いや、凛の目には見えたよ。真姫ちゃんが絵里ちゃんを愛でるような視線で見てたのを!」

絵里「真姫は私の話を聞いてくれてたの?」

海未「みんな聞いていますよ。ね?」

穂乃果「あれ。絵里ちゃんいつの間に」

ことり「あ、絵里ちゃん。こんにちはー」

絵里「……」

花陽「わ、私はちゃんと聞いてたよぉ!」

こころ「大丈夫です! 聞いてました!」

絵里「よかった」

真姫(この旅館の制服、小さいのを作ってこころちゃんとここあちゃんに着せれば……)

真姫(リピーター続出よね)

希「あ、お部屋に案内しないと」

にこ「そうね。ほら、こっちよ」

穂乃果「もー、にこちゃん。穂乃果たちはお客さんだよー?」

にこ「敬語は別料金よ」

希「怪しいお店みたいやなぁ」

絵里「敬語っていくらくらいするの?」

にこ「10分1万」

絵里「……わ、私たちはどれほどの額を海未に搾取されて……」

海未「えっ」

凛「妹も10分1万円とかにしたら……」

真姫「ここのバイトって自給どれくらいなの?」

凛「真姫ちゃん、冗談だよ」

こころ「わ、私も一緒に働きます!」

にこ「こころ、気持ちだけで十分よ」

>>171>>173

希「あ、お部屋に案内しないと」

にこ「そうね。ほら、こっちよ」

穂乃果「もー、にこちゃん。穂乃果たちはお客さんだよー?」

にこ「敬語は別料金よ」

希「怪しいお店みたいやなぁ」

絵里「敬語っていくらくらいするの?」

にこ「10分1万」

絵里「……わ、私たちはどれほどの額を海未に搾取されて……」

海未「えっ」

凛「妹も10分1万円とかにしたら……」

真姫「ここのバイトって時給どれくらいなの?」

凛「真姫ちゃん、冗談だよ」

こころ「わ、私も一緒に働きます!」

にこ「こころ、気持ちだけで十分よ」


ここまで
放置気味ですまん


更新は火曜日になるんやで


火曜日
遅刻して済まない
短いけど更新する





穂乃果「よーし、荷物を置いたら海へゴーだよ!」

凛「いっくにゃー!」

花陽「ええっ!? もう着替えたの!?」

穂乃果「下に着てたからね!」

凛「うん」

海未「2人とも待ちなさい。ちゃんと着替え用のカバンも……」

ことり「2人とも、もう行っちゃったよ?」

海未「」

ここあ「ここあもいくー」

真姫「水着に着替えてからね」

にこ「ちょっと、いくら海に近いからって水着で行かないでよ?」

希「……って、もう遅いかな?」

絵里「窓から逃げ出した跡があるわね」

真姫(なるほど、ここは1階の部屋だから、そうやって行けるのね)

ことり「あれっ? 隣の部屋の人も窓から出てきたよ?」

にこ「……伝統なのかしら」

絵里「画期的でいいわね」

真姫(いいのかしら、それで)

にこ「こころ、ここあ。浮き輪持ってきた?」

ここあ「もってる!」

こころ「はい、真姫お姉ちゃんが……」

真姫「心配しないで」

希「フフ、真姫お姉ちゃんはいいお姉さんやね」

こころ「はいっ!」

真姫(かわいい)

絵里「あまり遠くには行かないようにね」

花陽「絵里ちゃん、お母さんみたい」

真姫(絵里たちは妹っぽく見えないわね。仕方ないか)

希「じゃあウチらは仕事に戻るから、また明日やね」

海未「はい」

凛「みんな遅いにゃー」

穂乃果「何してるの―?」

海未「……2人には私が同伴しますね」

ここあ「ここあもー」

ことり「ここあちゃんは私たちと一緒に行こうか」

花陽「そうだね」

真姫「こころちゃんはどうするの?」

こころ「あ、真姫お姉ちゃんはどうしますか?」

真姫「こころちゃんたちの浮き輪を膨らませておくわ。足で踏む空気入れポンプも持ってきたからすぐ終わると思うけど……」

こころ「それなら私もお手伝いします!」

真姫(かわいい)


ここまで
次は金曜くらい





真姫「……」

こころ「……」

真姫(あれ、私ってこころちゃんとどんな風に話してたかしら)

真姫(特に会話に困ったことはなかったけど、こうやって完全に2人きりになったのって……初めてじゃない?)

こころ「……」

真姫「……」

こころ「……」

真姫(さっきからずっと黙ってるのって、眠いからなのかしら)

真姫(なら、海に連れて行くのはあんまり……でも、こころちゃんも楽しみにしてるはずよね)

こころ「……あの」

真姫「!」

こころ「代わりますよ。空気を入れるの」

真姫「あ、ごめんなさい。やってみたかったのね」

真姫(私の方を見てたのはそのせいか)

こころ「あ、いや、違うんです」

真姫「?」

こころ「ずっとまかせっきりって言うのも、なんだか申し訳ない気がして……」

真姫「……こころちゃん」

真姫(本当に真面目な子ね)

真姫「そんなこと、気にしなくていいんだから」

こころ「え?」

真姫「私はこころちゃんのお姉さんなのよ? もっと甘えてくれてもいいくらいなのよ」

真姫(甘えてほしいわね。うん)

こころ「甘える……」

真姫「ええ」

こころ「……」

真姫(あ、近づいてきた)

こころ「……よいしょ」

こころ「……」

真姫(……え、近くに座るだけ?)

真姫(こころちゃんって案外控えめなのかしら。それとも、私の邪魔にならないように、静かにしてるの?)

真姫(……紛れもなく後者よね。こころちゃんなら)

真姫「ねぇ、こころちゃん」

こころ「はい」

真姫「最近、何か楽しいこととかあった?」

こころ「今が1番楽しいです」

真姫「私もよ」

真姫「そういえば私たちって、夏休みに入ってからどのくらい一緒にいることになるのかしら」

こころ「結構長くなりますね。午後はほとんど一緒にいますし……今日みたいにお泊りなのは初めてですけど」

真姫(……そうか、お泊りになるのよね)

真姫(ここってお風呂は備え付け以外にもあったわよね?)

真姫「こころちゃんはお風呂、好き?」

こころ「はい!」

真姫「そうなのね」

こころ「真姫お姉ちゃんはお風呂が好きじゃないんですか?」

真姫「そんなことないわ。楽しみよ」

こころ「一緒ですね」

真姫「そうね」

こころ「あ、そうだ! いつもお世話になってるお礼として、私の得意なマッサージをしてあげます」

真姫「え? マッサージ得意なの?」

こころ「はい。にこ姉にもよく頼まれるくらいです」

真姫「それじゃ、あとでお願いしようかしら」

こころ「任せてください!」

真姫(注意すべきは、マッサージしてくれるこころちゃんを抱きしめてしまわないようにすることね)


ここまで
もうちょっとかかる


更新は明日あたりになるよ
滞っててすまん





凛「あ、真姫ちゃん、こころちゃーん!」

花陽「おつかれさま」

真姫「空気入れただけよ? はい、ビーチボール」

穂乃果「これでエアすいか割りができるね」

ここあ「すいか!」

海未「やりませんよ」

ことり「割れちゃうからね」

真姫「みんなさっきまで何してたの?」

海未「準備運動ですよ」

真姫(……海未、そのホイッスルはどこから)

こころ「準備運動……」

海未「はい。きちんと運動して体をほぐしておかないと……」

穂乃果「海未ちゃん、穂乃果たちは終わったから、遊びに行っていいよね?」

海未「ええ。あまり沖の方には行かずに……」

凛「ここあちゃん、あっちにちっちゃい島があるよ!」

ここあ「いきたい!」

海未「……」

真姫「海未の話を聞いてあげなさいよ」

穂乃果「えへへー」

海未「真姫……!」

真姫(かわいい)

こころ「じゃあ私たちも準備運動しましょうか」

海未「フフ、良い心がけですね」

こころ「あ、うぅ……」

花陽「撫でられて照れちゃってるね」

ことり「かわいいっ!」

真姫「……」

海未「……え? 真姫? なぜ私を撫でるんですか?」

真姫「何でもないわ」

凛「ここあちゃん、まず何したい?」

ここあ「おはなし」

穂乃果「せっかくだし、海でできることをやってみない?」

ここあ「……かんちゅうすいえい」

凛「真姫ちゃん、このあたりに雪を降らせて」

真姫「私にそんな力はないわよ」

花陽「そうだ、砂のお城とか作ってみない?」

ここあ「つくるー!」

穂乃果「泥団子なら任せて!」

海未「海水ってまとまるんですか?」

真姫「……って、誰もビーチボール持っていってないわね」

こころ「真姫お姉ちゃん」

真姫「ん? どうしたの?」

こころ「準備運動ってどのくらいまでやればいいんでしょうか……」

真姫(律儀ね……)

ことり「あ、真姫ちゃん、こころちゃん」

こころ「はい」

真姫「なに?」

ことり「日焼け止めは塗ってる?」

真姫「こころちゃんには私が塗ったわ」

花陽「真姫ちゃんは?」

真姫「こころちゃんがやってくれるのよね」

こころ「はいっ!」

ことり「なるほど……こころちゃん、頑張ってね!」

こころ「わかりました!」

真姫(こころちゃんのほっぺ、ぷにぷにしてたわよね)

真姫(そういえばここあちゃんには、ことりが塗ってあげたんだっけ)

ことり「……真姫ちゃん? ことりのほっぺに何かついてる?」

真姫「ああ、ついうっかり」

凛「真姫ちゃんの毒牙がことりちゃんにまで!」

真姫「何言ってるのよ」

真姫(でもことりも、なかなかの柔らかさだったわね)

真姫(じゃあ、この中で一番ほっぺが柔らかそうなのは……)

花陽「あ、真姫ちゃん。どうしたの?」

真姫(そうよね。うん)

凛「真姫ちゃんの思考が手に取るようにわかるにゃ!」

真姫「そう。なら当ててみなさい」

凛「かよちんかわいい!」

真姫「あたり」

花陽「ええっ!?」

こころ「!?」

真姫「と、おしゃべりはそのくらいにして、準備運動しなくちゃね」

海未「そうですね。何か起こってからでは遅いですから」

真姫(まあライフセーバーがいるとはいえ、何も起こらないことが第一……)

真姫「……」

理事長「……」

真姫(待って、あのライフセーバーどこかで見たことある)

真姫(いや、ライフセーバーって資格とかいるわよね。なら見間違いじゃ……)

理事長「……」

真姫(……今、目があって微笑まれたけど、何も見なかったことにしましょう)


ここまで
次は金曜日

凛「ねぇねぇ、海未ちゃnは泳ぐの得意?」

海未「そこそこですね。水泳を専門にやっているわけではないので」

凛「じゃあ凛と競争しない? 遠泳で勝負にゃ!」

花陽「え、遠泳!?」

海未「……そうですね。受験勉強ばかりで体が鈍っているかもしれません。いいでしょう」

穂乃果「じゃあ穂乃果は実況やるね」

ここあ「ここあもー!」

凛「あのでっかい岩のところまで行って、先に帰ってきた方が勝ちだよ」

真姫(でっかい岩……え? もしかしてあれ? ものすごく遠いから小さく見えてたのね)

こころ「……あの」

真姫「ん?」

こころ「えんえい、ってなんですか?」

真姫「」

真姫(なるほど。こうやって首を傾げる行為の破壊力はすさまじいわね)

真姫「遠くまで泳ぐことよ」

こころ「へぇー……ありがとうございます」

ことり「2人とも何泳ぎで行くの?」

穂乃果「犬かき……かな」

海未「普通にクロールですよ」

凛「うん」

穂乃果「えー? 犬かき、結構楽しいよ?」

海未「では……真姫。スタートの合図をお願いします」

真姫「え? 何で私?」

凛「そこに真姫ちゃんがいるからだよ。たぶん」

真姫「そう。合図ってどんな風なのがいいの? 普通によーい……」

穂乃果「ドンっ!」

こころ「わっ!? ふ、2人ともスタートしましたよ!?」

穂乃果「えっ」

花陽「す、すごい! 2人とももうあんなに遠くに……」

真姫(……ちょっと言ってみたかった)

ここあ「はやい」

花陽「そうだね……その一言に尽きるよ」

ことり「運動できるってすごいねっ」

こころ「あ、ヤドカリ」

ここあ「やどかり?」

穂乃果「どこどこ?」

こころ「ここに……あ、今動いてるやつです」

花陽「わ、かわいい」

ここあ「ちっちゃい!」

真姫(ああ、遠泳を誰も見てない)

真姫(あ、よそ見してるうちに戻ってきてる)

海未「……ぷはっ!」

凛「うにゃっ」

海未「はぁ、私の方が、はぁ……少し速かったようですね」

凛「……ふー、やっぱり海未ちゃん、はー……すごいよ」

真姫「お疲れ様」

海未「……あれ? 真姫だけですか?」

凛「……みんなは?」

真姫「ヤドカリに夢中よ」

海未「……」

凛「……」

真姫「こころちゃんとここあちゃんに、かっこいいところ見せたかった?」

海未「いえ、そんなつもりでは……しかしまったく相手にされていないのはそれはそれで……」

凛「ヤドカリに負けた……」

真姫「私は見てたわよ。すごいと思うわ」

海未「!」

凛「真姫ちゃん! ありがとう!」

真姫「わっ、急に飛びいて来ないの。危ないでしょ」

真姫(海未が自分から甘えに来てくれるには時間がかかりそうね……)

凛「真姫ちゃんの野望が見えるような気がする……」

真姫「いや、野望とかじゃないわよ」

真姫(……たぶんね)


時間ないのでここまで
土日も更新できたらする


火曜日に更新します





こころ「……できた!」

花陽「すごいね、こころちゃん。3つの山……お城かな?」

こころ「え? 私が作った砂のお城はこっちですよ? まだ途中ですし……」

花陽「えっ」

穂乃果「ええっ!? 土台から作ってるの!?」

こころ「はいっ!」

ことり「じゃあこれは……ここあちゃんのかな?」

穂乃果「ここあちゃんは凛ちゃんと遊んで……」

海未「……」

真姫(なるほど)

穂乃果「え? なら……」

真姫「私よ、私が作ったの」

花陽「でも真姫ちゃん、手に砂がついてない――――――――」

ことり「……なるほど! 真姫ちゃんのだったんだ!」

穂乃果「?」

こころ「?」

海未「ま、真姫……!」

真姫(意外だわ。海未ってこういうの苦手なのね)

凛「ねぇねぇ、みんなでビーチバレーしようよー」

穂乃果「あれ? そういえば凛ちゃん、さっきまで何してたの?」

凛「ここあちゃんとかくれんぼしてたにゃ」

真姫(どこに隠れるの……?)

穂乃果「じゃあ穂乃果はビーチバレーするーっ! みんなは?」

真姫「私は別にいいけど……こころちゃん、どうする?」

こころ「……そうですね。お城のデザインが決まらないので、気分転換のためにやりたいです」

真姫(何のプロ?)

ことり「こころちゃんに服飾のこと教えようかな……」

海未「ことり、ぜひ私にも」

ことり「え? 海未ちゃんもやってみたいの?」

海未「ぜひ」

ここあ「にゃーおねーちゃん」

凛「あ、ここあちゃんが呼んでるにゃ。じゃあ穂乃果ちゃんと真姫ちゃん、それにこころちゃんの3人追加で!」

ここあ「よろこんでー!」

真姫「凛。何教えてるのよ」

凛「真姫ちゃんこわい」

真姫「だってあれ、どこかの居酒屋みたいじゃない。ドラマで見たことあるわよああいうの」

凛「でも凛は教えてないよ?」

真姫「じゃあどこで……」

花陽「あ、あっちの方に海の家があるね」

真姫「海の……?」

海未「?」

穂乃果「ちがうちがう」

凛「あ! たぶんそこで聞いたんじゃないかな?」

真姫「……海の家って何?」

穂乃果「えっ」

海未「何と言われましても……ああ、道場ですね」

凛「ツッコミが足りないにゃ」

花陽「とりあえず行ってみたらわかるんじゃないかなぁ?」

凛「うん。そうしよっか」

ここあ「なにするの?」

穂乃果「ちょっと早めのお昼ごはんだよ」

海未「私の家はここからだと遠くて……」

こころ「家……」

ことり「まあまあ、とりあえず行ってみようよ」





凛「ここが海の家です!」

海未「ああ、そういう名前の店舗ですか」

真姫「へぇ、屋台みたいな感じね」

花陽「あれ、2人とも来たことない?」

穂乃果「そういえば子どもの頃も、海に行っても海の家とか見かけなかったよね」

海未「そうですね」

凛「真姫ちゃんは……行ったことなさそうだね」

真姫「ええ。何を売ってるの?」

ことり「かき氷とか、焼きそばとかかな?」

真姫「へぇ」

絵里「あ、いらっしゃいませー!」

穂乃果「あれ? 絵里ちゃん?」

こころ「絵里さん、確か旅館にいたはずじゃ……」

凛「……2人目!?」

絵里「違います。バイトの中には、こっちの手伝いも入ってるのよ」

真姫「手伝いって言っても……1人しかいないわよね」

絵里「え? ああ、もう1人いるはずなんだけど……どこに行っちゃったのかしら?」

絵里「まああんまり繁盛してないからいいのよ」

花陽「ええっ、いいの?」

絵里「いいのよ……たぶんね」

真姫(大丈夫なのかしら、ここの経営は)

絵里「それじゃ、何にする? オススメはフランクフルトよ」

海未「私は焼きそばにします」

花陽「あ、チャーハンがいいなぁ」

凛「凛はこの焼き鳥が食べたいにゃ」

ことり「私は……あ、カレーにしようかなぁ」

真姫「こころちゃんとここあちゃんは何にする?」

こころ「おすすめのフランクフルトが食べたいです」

ここあ「ここあも!」

真姫「じゃあ私もそれで」

絵里「穂乃果は?」

穂乃果「……おでんが気になるけど、夏に食べていいものなのかどうか……」

絵里「あ、穂乃果の好きそうなサンドイッチもあるわよ。メニューに書いてないけど」

穂乃果「じゃあそれ!」

真姫「何で書いてないの?」

絵里「作るのが大変でメニューから外したらしいのよ」

真姫「」


ここまで
つづきは明日





ここあ「いただきまーす!」

ことり「いただきますっ」

穂乃果「絵里ちゃん、はやくー」

絵里「待ってなさい。出来た順番に出してるから」

海未「私も手伝いますよ」

絵里「えっ、いいの」

凛「海未ちゃん、甘やかしたらダメだよ」

花陽「り、凛ちゃん……」

絵里「ごめんねこころちゃん、もう少しでできるから……あー、何で1本しか用意してなかったのかしら」

こころ「いえ、そんな。大丈夫ですよ」

ここあ「おねえちゃん、たべる?」

こころ「いいの?」

ここあ「いいよー」

真姫(美しき姉妹愛ね)

ここあ「真姫おねえちゃんもどうぞー」

真姫「えっ」

真姫「……いいの?」

ここあ「あーん」

真姫(生きててよかった)

凛「真姫ちゃん震えてる……」

ことり「うれしそうだねぇ」

穂乃果「ここあちゃん、穂乃果にもちょーだいっ」

ここあ「じゃあおまんじゅうちょーだい」

穂乃果「え、今は持ってないよ」

ここあ「ざんねん」

海未「ここあちゃんは、穂むらのおまんじゅうが好きなんですか?」

ここあ「だいすき!」

真姫「……」

凛「真姫お姉ちゃんは?」

ここあ「だーいすき!」

真姫「」

花陽「真姫ちゃんが倒れちゃったよぉ!?」

絵里「ここにはATMないわよ? はい、こころちゃんの分のフランクフルト」

こころ「ありがとうございます……真姫お姉ちゃんは大丈夫ですか?」

凛「いつものことだから大丈夫にゃ」

海未「ところで絵里、AEDでは?」

絵里「あれ、そうだっけ」

穂乃果「BMIじゃなかった?」

ことり「花陽ちゃん。いざとなったら私たちががんばらないとね……」

花陽「うん……」

絵里「ちょ、ちょっとしたジョークよ!」

ことり「何ジョークなの?」

絵里「……アメリカンかしら?」

穂乃果「ロシアは……?」

絵里「あ、そうね。ロシアンジョーク」

凛「6回に1回は危なそうにゃ」

真姫「……」

こころ「うぅ、やっぱり心配です……」

海未「真姫、こころちゃんが心配していますよ」

真姫「えっ、どこで」

穂乃果「生き返った!」

真姫「死んでないから」

真姫(ただちょっと衝撃が強すぎたというか)

絵里「凛、焼き鳥できたわよー」

凛「やったー!」

穂乃果「おなかすいてきた」

ことり「穂乃果ちゃん。カレー食べる?」

穂乃果「いただきます!」

真姫(穂乃果はやっぱり、妹っぽいわよね)

穂乃果「んー! おいしい!」

ことり「やっぱり私だけ先に食べちゃうの、やっぱり悪いよぉ」

海未「ですがことり、冷めてしまったらおいしくありませんよ?」

穂乃果「そうだよー」

絵里「もうすぐ全部完成するし、そのまま食べてた方がいいわ」

穂乃果「ことりちゃん。カレーの神様もそう言ってるよ」

ここあ「かみさま?」

穂乃果「うんっ、世界にたぶん400人くらいいてー……」

真姫(ありがたみ薄いわね)

穂乃果「その中の1人がなんと!」

ここあ「なんと!」

穂乃果「花陽ちゃんなんだよ!」

花陽「ええっ!? わ、私が?」

絵里「何の話?」

海未「カレーだったはずです」

穂乃果「花陽ちゃんはカレーの中のごはんをつかさどる神……パナヨエル!」

真姫(それっぽい)

穂乃果「あとの399人はカレールーの神様ね」

絵里「花陽って重役なのね」

ことり「おいしいアkレーが食べられるのも花陽ちゃんのおかげかぁ……ありがたやありがたや」

穂乃果「くるしゅうない、くるしゅうない」

真姫(穂乃果の役職は何なのよ)

>>242>>244

穂乃果「その中の1人がなんと!」

ここあ「なんと!」

穂乃果「花陽ちゃんなんだよ!」

花陽「ええっ!? わ、私が?」

絵里「何の話?」

海未「カレーだったはずです」

穂乃果「花陽ちゃんはカレーの中のごはんをつかさどる神……パナヨエル!」

真姫(それっぽい)

穂乃果「あとの399人はカレールーの神様ね」

絵里「花陽って重役なのね」

ことり「おいしいカレーが食べられるのも花陽ちゃんのおかげかぁ……ありがたやありがたや」

穂乃果「くるしゅうない、くるしゅうない」

真姫(穂乃果の役職は何なのよ)

こころ「じゃあ穂乃果さんはおまんじゅうの神様ですか?」

穂乃果「えっ」

ことり「確かに、穂乃果ちゃんは人一倍おまんじゅうを見てきてるから……」

穂乃果「ほ、穂乃果はパンの神様がいいです!」

真姫「仕事は?」

穂乃果「パンをいっぱい食べます」

真姫(デメリットしかない)

穂乃果「……って、何の話してたんだっけ」

ことり「神様の話じゃなかったかなぁ?」

凛「かよちんの話だったよ?」

海未「カレーの話でしょう?」

ここあ「それ!」

絵里「サンドイッチできたわよー」

穂乃果「わーい……ってこれ焼きそばだよ!」

海未「ああ、私が頼んだものですね」

穂乃果「サンドイッチの神様が怒ってるよー」

絵里「どんなふうに?」

穂乃果「パンに挟むぞーって」

花陽「あんまり怖くないね」

こころ「そうですね」


ここまで
次は金


酉抜けてた





穂乃果「ごちそうさまでした!」

絵里「はーい」

花陽「お代はどこに置いてたらいい?」

絵里「えっと……そうね。レジとかないから……あ、そこの箱の中でいいわ」

絵里「それで冷蔵庫とかに入れておけば、誰にも見つからないと思うし」

海未「ええっ」

絵里「大丈夫よ。ちゃんと呼んでくるし」

凛「誰を?」

絵里「……か、監督者?」

ことり「へぇ、ちゃんといるんだね」

絵里「まあ、そんな感じかしら……あはは」

ことり「?」

こころ「そういえば私たち、海に来たのに海で遊んでませんね」

穂乃果「……あっ! 本当だ!」

凛「凛たちは入ったよね、海未ちゃん」

海未「まああれだけでは遊んだとは言えませんけどね」

ことり「じゃあ海に入ってできる遊びをしよっか」

海未「水球とかですか?」

ことり「ごめんね海未ちゃん。別にスポーツにする必要はなくて……」

海未「なるほど……では何をしましょうか」

真姫「好きなようにすればいいわ。まだ明日もあるんだし」

絵里「ただぼーっとしてるだけっていうのも意外と楽しいわよ」

ここあ「100かぞえるの?」

絵里「フフ、お風呂みたいね」

凛「それじゃ絵里ちゃん、またね」

絵里「ええ。また旅館でね」

穂乃果「でも穂乃果もスポーツした方がいいかなぁ……お肉がついてきた気がするし」

花陽「わ、私も……」

ここあ「ここあも……」

凛「あはは、ここあちゃんは大丈夫だよ?」

穂乃果「ここあちゃん、意外とノリがいい……」

ここあ「のりのり」

こころ「私たちも行きましょうか」

真姫「あ、待って。こころちゃん、ほっぺにケチャップがついてるわ」

こころ「ぅえっ!?」

真姫(かわいい)


時間がないのでここまで
また明日


遅刻すまん
更新するよ




凛「まてまてー!」

ここあ「きゃー!」

穂乃果「まてー!」

海未「水鉄砲でも持ってくればよかったですね」

真姫「そう? 楽しそうにしてるじゃない」

花陽「凛ちゃんと穂乃果ちゃんが?」

真姫「ここあちゃんもよ」

穂乃果「ここあちゃん浮き輪だからはやーい!」

凛「あはは」

真姫(……まあそう見えるわね)

こころ「海の向こうって何があるんでしょうか……」

真姫「!」

海未「うみ」

ことり「海未ちゃん」

海未「あ、はい」

真姫(条件反射なのかしら)

真姫「こころちゃんは何があると思う?」

こころ「そうですね……たぶん大きい島とか」

花陽「フフ、どこだろう」

海未「泳いで行ける距離ですか?」

こころ「えっと……見えてないので、ずっと遠くにあると思います」

ことり「ならイカダを作らないと行けないねっ」

こころ「え、えぇっ!? 今から行くんですか!?」

真姫「ちょっとした冗談よ。ね?」

海未「はい」

ことり「素直だねぇ」

こころ「うぅ……」

花陽「そ、そうだよね……ふぅ」

真姫(花陽、さっきまで向こうの森みたいなとこ見てたわよね……)

凛「あ、ちょっと人が少なくなってきたね」

穂乃果「お昼ごはんかな?」

ここあ「ここあはたべたよ?」

凛「そうだね。でもみんなはまだ食べてないみたいにゃ」

真姫(凛がお姉さんみたいなこと言ってる……ふむ)

海未「……では、私たちも泳ぎましょうか」

こころ「はい。真姫お姉ちゃんは泳いでないですもんね」

真姫「……そういえばそうね」

花陽「真姫ちゃんの泳ぐところ、見たいなぁ」

ことり「私も!」

真姫「ことりはともかく、花陽は授業で見てるでしょ?」

花陽「泳ぐのに精いっぱいで……えへへ」

真姫「私、そんなに泳ぐの得意じゃないわよ」

真姫(ていうか運動全般得意じゃないし)

海未「では私が教えますよ」

凛「凛も凛もー!」

真姫「え?」

真姫(私、泳げないわけじゃなくて……)

こころ「……」

真姫「こころちゃん?」

こころ「は、はいっ!」

ここあ「おねーちゃんどうしたの?」

こころ「あ、なんでも……」

真姫(……こころちゃん、ちょっと緊張してるのね)

真姫「何でも言っていいのよ」

こころ「えっ、あ、その」

真姫(わかった。遠慮してるんだわ)

真姫「大丈夫よ。みんな私の妹みたいなものだから」

凛「真姫ちゃん聞き捨てならないにゃ」

こころ「……そうですか」

真姫(あれ、ちょっと元気なくなった? 何で?)

ことり「……あ! こころちゃんも泳ぎ方教えてもらいたいの?」

こころ「!」

穂乃果「なるほど! よし、じゃあこころちゃんには穂乃果直伝サーフィンキックを……」

海未「ドルフィンキックでは?」

穂乃果「……じ、地元ではサーフィン」

こころ「じゃ、じゃあ、お願いします」

穂乃果「任せなさい!」

花陽「……」

凛「かよちんが露骨に不安そう」

花陽「え、そ、そんなことないよぉ!?」

真姫(気が付けなかったわ……結構自分ではこころちゃんのこと、わかってたつもりなんだけど)

穂乃果「こころちゃん、今日から君はワカメだよっ! わかめみたいにうねうねと足を動かせばあっという間にドルフィン!」

ここあ「わかめー!」

こころ「えっ」

海未「穂乃果にも指導が必要ですね」

穂乃果「ほっ、穂乃果は泳げるよ! 泳げるってばぁぁぁぁ!」







穂乃果「海未ちゃんの海坊主……」

海未「きちんとドルフィンキックがマスターできてよかったじゃないですか」

穂乃果「うう……疲れたよぉ」

凛「真姫ちゃんはどう? 速くなった気がする?」

真姫「まあまあかしら。速く泳げる泳ぎ方なんてあるのね」

海未「クロールの場合は、体の中心をブレさせないように、多くの水をかくことで素早く進めますね」

真姫(2人はそれを意識的にやってるの……? 私は結構いっぱいいっぱいだったんだけど)

穂乃果「そうだ。こころちゃんも海未ちゃんから教わったんだよね? どうだった?」

こころ「はい! 勉強になりました」

真姫(笑顔が眩しい)

こころ「でもちょっと……」

穂乃果「ちょっと?」

こころ「つかれ……ました」

海未「すみません。厳しくしすぎましたね」

真姫「そう? 私が見てた限り、海未は厳しくしないように頑張ってたわよ?」

凛「あれー? 真姫ちゃん、凛が教えてたのに海未ちゃんばっかり見てたんだ」

真姫「海未も見てたけど、ちゃんと見てたのはこころちゃんよ」

こころ「!」

穂乃果「あれ、どうしたのこころちゃん」

こころ「まだ続けましょう。次は何をやりますか?」

海未「しかし今、疲れたと……」

こころ「頑張ります!」

凛「真姫ちゃんパワーにゃ」

真姫「?」







こころ「……はっ」

こころ「あ、あれ? 旅館? さっきまで海に……」

真姫「あら、こころちゃん。起きた?」

こころ「真姫お姉ちゃん……私は……」

真姫「こころちゃん、張り切りすぎてバテちゃったのよ」

真姫「背泳ぎの練習してる途中で寝ちゃったから、私たちびっくりしたわ。大丈夫?」

こころ「……すみません」

真姫「どうして謝るの?」

こころ「迷惑をかけてしまったからです」

真姫「私は迷惑だなんて思ってないわ」

こころ「ですが」

真姫「こころちゃん、私は一応お姉ちゃんなのよ? 遠慮しなくていいの」

こころ「……」

真姫「結構うれしいものよ。頼られたりするのって」

こころ「……本当ですか?」

真姫「もちろん。嘘は吐かないわ」

真姫「……前もこんな会話をした気がするわね」

真姫「じゃあこころちゃん、今やりたいことは何? 何でも言ってくれて構わないわ」

こころ「では――――――――」

真姫「ええ」

こころ「……お風呂に入りたいです」

真姫「……そうね。もう夜だもの」

こころ「そういえば真姫お姉ちゃんだけ、なぜここにいるんですか?」

真姫「みんなお風呂に行かせたのよ。私はこころちゃんが起きるのを待ってたの」

こころ「あっ、すみま……」

真姫「いいのよ、私は好きでここにいたんだから。謝らなくてもいいの」

こころ「……えへへ、ありがとうございます」

真姫(かわいい寝顔だったわ)


ここまで
次回お風呂回!


お風呂会は遅くて金曜になるn

酉抜け





こころ「わぁ! 広いですね!」

真姫「……そうね」

真姫(ここの露天風呂、今まで見た中で1番広いかも)

穂乃果「あ、真姫ちゃん! こころちゃーん!」

海未「穂乃果、あまり大きな声で話すと他のお客さんの迷惑に……」

穂乃果「他のお客さん、いないよ?」

ことり「あれ? いなかった?」

凛「うん。いないよー」

こころ「……みなさん、寝てしまったんでしょうか?」

真姫「どうなのかしらね」

ここあ「おねーちゃん、しゅぎょーして!」

花陽「え? もしかして……この滝みたいなやつ?」

ここあ「うん」

花陽「……が、がんばります!」

海未「滝行の真似事ですか?」

花陽「あ、海未ちゃんはやったことありそうだね」

海未「ああ、まだやったことはありません」

花陽「……まだ?」

凛「あ、真姫ちゃん真姫ちゃん」

真姫「何よ。どうしたの?」

凛「ここのシャンプーね、リンゴの匂いするの」

真姫「リンゴ?」

こころ「リンゴですか?」

凛「うん。凛の髪の毛からリンゴの匂いするでしょ?」

こころ「……あ、本当ですね」

凛「でしょでしょー?」

真姫「……」

凛「真姫ちゃん?」

真姫「いや、なんでもないわ」

真姫(アーモンド臭だと思ったとは言えないわね……)

真姫(お風呂とかってちゃんと匂いを嗅ぎとれなかったりするのかしら?)

凛「真姫ちゃんも使う?」

真姫「ああ、私はシャンプー、家のやつ分けて持ってきたのよ」

こころ「!」

凛「……なるほどなるほど」

真姫「?」

凛「こころちゃんは自分の、持ってきた?」

こころ「わ、私は……」

真姫(持ってきてたわよね。行くときにちゃんと持ってたし)

凛「真姫ちゃん」

真姫「なに」

凛「耳貸して」

凛「……こころちゃん、真姫ちゃんの使ってるシャンプーに興味あるんだよ」

真姫「そうなの? そんな感じには見えないけど……」

凛「もしよかったら、こころちゃんにも貸してあげてみて。きっと喜ぶにゃ」

真姫(私の使ってるものに興味がある……なんでかしら?)

真姫「こころちゃん」

こころ「は、はいっ!」

真姫「私の使ってるシャンプー、よかったら使ってみる?」

こころ「い、いいんですか!?」

真姫(ものすごい食いつき)

花陽「でもこの滝みたいなのってどうやって作ってるのかな」

ことり「たぶん上の方からお湯が出てるだけなんじゃない?」

花陽「あ、そうだよねぇ……それだとこれ、すっごく熱いんじゃ……」

海未「そうなりますね」

穂乃果「どうしたのみんな」

ここあ「しゅぎょー」

穂乃果「え? 修行?」

穂乃果「あ、本当だ。ちょっと滝みたい……あっつい!」

真姫(奥の方で何か聞こえるけど……湯気で全然見えない)

凛「そういえばこころちゃん、1人で髪洗えるの?」

こころ「できますよ!」

真姫(あらかわいい)

凛「そっかぁ。凛も洗えるにゃー」

真姫(知ってたけどかわいい)

凛「ここあちゃんはシャンプーが目に入っちゃうのがダメなんだよね」

こころ「はい。うちではシャンプーハットを使うんですけど……あ、今日は大丈夫でしたか?」

凛「うん。みんなで泡が落ちないように、ここあちゃんの髪の周りを抑えてたから」

真姫「微笑ましいわね」

凛「っくしゅん」

真姫「ん。湯冷めしちゃうわよ」

凛「そうだね。凛はまたお風呂に入って来るにゃー」

凛「でも真姫ちゃん、今のお姉ちゃんみたいだったよ」

真姫「そう?」

凛「うん。真姫お姉ちゃんにゃ」

真姫「……悪くないわね」

凛「こころちゃん。真姫お姉ちゃんにもっと甘えてあげてね」

こころ「えっ」

真姫(そうね)


ここまで
また明日

凛「先に入って待ってるからねー」

真姫「ええ」

真姫(真姫お姉ちゃん……かぁ)

真姫(花陽や海未にも言ってみてもらいたいわね)

真姫「こころちゃん。これが私の使ってるシャンプーよ」

こころ「……英語ですか?」

真姫「そうね。読める?」

こころ「えっと……えす……」

真姫「フフ、こころちゃんにはまだ早かったかしら」

こころ「うぅ……英語って難しいですね」

真姫「最初はそんなものよ」

こころ「真姫お姉ちゃんも読めなかったんですか?」

真姫「もちろん。私もそういう風に呼んでたわ」

こころ「そうなんですか……」

真姫「あら、変だった?」

こころ「いえ、意外と言うか……真姫お姉ちゃんはなんでもできる感じがしたので」

真姫「そんなことないわ。私もできないことばっかりよ」

こころ「えっ?」

真姫「まず、お料理ができないわ。そこからね」

こころ「そうなんですか?」

真姫「ええ。だから料理できる人は尊敬しちゃう」

真姫(まあ、そろそろ自炊はできるようにならないと……)

こころ「じゃ、じゃあ、私が真姫お姉ちゃんに毎日ご飯を作ります!」

真姫(……やっぱりできなくてもいいかも)

ことり「そういえば花陽ちゃん、今はコンタクトしてないんでしょ?」

花陽「うん。そうだよぉ」

穂乃果「えっ!? じゃあ花陽ちゃんはどうやって周りを見てるの!?」

花陽「なんとなくぼやーっと……」

凛「気の流れだよ!」

海未「気!? 花陽、あなた気の流れを読めるんですか!?」

花陽「ええっ!? な、なにそれ!?」

真姫(珍しく海未が騒がしいわね。何の話してるのかしら)

こころ「ま、真姫お姉ちゃん……」

真姫「んー?」

こころ「髪は自分で洗えますから……その……」

真姫「あっ、嫌だったかしら」

真姫(目の前で髪が泡立ってたから、つい……)

こころ「そんな、全然!」

真姫「じゃあ、続けてもいい?」

こころ「それは……や、やっぱり恥ずかしいです」

真姫(なんてかわいらしい)

真姫「私がこころちゃんと一緒にお風呂に入れるのなんて、今日くらいしかないわよ?」

こころ「むむむ……」

真姫「それでもダメかしら」

こころ「……あ、それならお風呂あがりのマッサージをお礼にします」

真姫「ああ、こころちゃん上手なのよね」

こころ「はい、自信ありますよ!」

真姫「楽しみにしておくわ」


ここまで
続きは火曜日かも


更新は11時過ぎる

真姫「……こころちゃん、どう? かゆいところとかないかしら」

こころ「……」

真姫(あれ、反応がない――――――――)

こころ「……」

真姫「こころちゃん、ちょっと顔赤い……? のぼせちゃった?」

こころ「い、いえ、その……」

こころ「……緊張してしまって、へ、変ですよね……見えないから……その」

真姫(……私も緊張してきた)

真姫「……」

こころ「……」

真姫(……こころちゃん、やっぱり小さいわよね。当たり前だけど)

こころ「……」

真姫(今日は疲れて寝ちゃうっていう子どもらしい一面も見られたけど、普段は全然そんな風にしないし)

真姫(……小さい頃の私を見てるみたいね。なんとなく)

真姫(いや、それはこころちゃんに失礼ね)

真姫「こころちゃん、流すわよ」

こころ「あ、はい」

真姫(こころちゃんに子どもの時の話なんてするから、こんなこと思い出しちゃったのかも)

真姫(別に嫌な思い出があるわけじゃないけど……人に話しても面白いものじゃないしね)

真姫「……もう大丈夫かしら?」

こころ「はいっ」

真姫「じゃあ次は……」

真姫(あれ、こころちゃんってトリートメントとかコンディショナーとかって何を使ってるのかしら)

こころ「次はリンスですか?」

真姫(ふむ……こころちゃんはいつもどんな風に使ってるか、聞いてもわからなさそうね)

真姫「そう。まあ合う合わないがあるし、それは自分のものを使った方がいいかもしれないわ」

こころ「へぇ、難しいんですね」

真姫「そんなところよ」


こここまで
次は木曜とか

シャンプーとかの順番はよくわかってない


遅れてすまなんだ
更新ンは昼ごろになるよ





真姫「……ふー」

こころ「ふはー」

穂乃果「あ、真姫ちゃんたちやっと来たぁ。何してたの?」

真姫「色々よ。いろいろ」

真姫(まさか背中を流してもらえるとは……フフ)

こころ「あ、穂乃果さん」

穂乃果「なに?」

こころ「あの、髪の……その、匂い、わかります?」

穂乃果「……?」

真姫「穂乃果じゃなくて花陽かことりにした方がいいわ」

こころ「そうなんですか?」

穂乃果「えっ、何だかよく分んないけどダメなの?」

こころ「じゃあ、花陽さん、ことりさん」

花陽「なにかな?」

ことり「んー?」

こころ「……」

ここあ「ねー、おっきいねー」

ことり「?」

花陽「え?」

凛「なるほどなるほど」

真姫(おっきい? なんでこころちゃんは胸の方見て……)

真姫「……なるほど」

凛「にこちゃんは小さいもんねー」

真姫「凛が言える立場なのかしら」

凛「ぐふぅ」

穂乃果「海未ちゃん、穂乃果たちの知らないところで何か事件みたいだよ」

海未「事件?」

穂乃果「何かが大きいんだって」

海未「大きい? 人としての器ですか?」

花陽「ええっ!?」

ことり「う、うつわ?」

海未「あれ、違いましたか」

真姫「そう考えると、にこちゃんは大きいかもね」

花陽「あぁ、そうだね」

穂乃果「そう考えると、絵里ちゃんも希ちゃんも大きいよね」

ことり「そうだねぇ……ん? どっちの意味かな?」

穂乃果「器のことだよ!」

海未「穂乃果、あなた意味を理解していないでしょう」

穂乃果「ぎくっ」

ここあ「うつわってなに?」

こころ「お皿のことですよ」

真姫(フフ、あってるけど違うわね)

穂乃果「えっ、お皿の話してたの?」

真姫(……勉強合宿って何してたの)

ことり「……そろそろあがろうかな」

穂乃果「あれ、もう行っちゃうの?」

海未「ことりは1番長く入っていましたからね」

凛「あぁ、穂乃果ちゃんが部屋に忘れ物したーって言って、1回戻ってきたもんね」

真姫「ことりと1番風呂ゲット、なんて言ってたのにね」

穂乃果「あはは……ごめんねことりちゃん。ことりちゃんの分も入っておくよ!」

ここあ「ここあもー」

花陽「ここあちゃんも長く入ったでしょ? そろそろあがった方がいいんじゃないかな?」

真姫「そうね」

ここあ「まだまだ」

海未「のぼせてしまうと明日遊ぶのがつらくなってしまいますよ?」

ここあ「あがる!」

凛「凛も!」

穂乃果「穂乃果も!」

海未「2人はまだ大人しくしていてください」

真姫(明日のために体力を削ぐ気ね……)

穂乃果「えー。ここあちゃんとフルーツ牛乳飲みたいよー」

凛「凛は普通の牛乳がいいにゃ」

ことり「私は……フルーツ牛乳派かも」

凛「か、かよちんは牛乳派だよね!」

花陽「え、う、うん」

凛「これで2対2だよっ」

海未「そんな、張り合わなくても……」

ここあ「ここあはコーヒーぎゅうにゅう」

穂乃果「!?」

凛「!?」

真姫(お風呂あがりって牛乳を飲むものなのね)

花陽「ここあちゃん、コーヒー好きなの?」

ここあ「にがいのはだめ」

こころ「カフェオレ、とかは結構飲みますね」

穂乃果「か、カフェー!?」

凛「穂乃果ちゃん、戦隊モノのの弱い怪人みたいな鳴き声」

穂乃果「よーし、こんど生徒会のあいさつで使おう」

海未「やめてください」

ここあ「かふぇー」

ことり「フフ、覚えちゃったみたいだね」

ことり「じゃあ私たちは先にあがらせてもらうけど、海未ちゃんたちはまだいいの?」

海未「ええ。構いませんよ」

花陽「うん、まだもうちょっとだけ」

真姫「私たちは入って間もないから」

こころ「はい」

穂乃果「海未ちゃんたちは、なに牛乳がいい?」

海未「私は特に何も……」

凛「いいの? お風呂の楽しさ半減だよ?」

花陽「そ、そんなに減っちゃうの?」

こころ「でもここ、銭湯じゃないから牛乳売ってるやつはないんじゃ……」

真姫「そうね。脱衣所にもそれらしいものはなかったし」

穂乃果「」

凛「」

真姫(なるほど。あれが楽しさ半減の顔ね)





海未「……ふぅ」

こころ「海未さん、疲れてるんですか?」

海未「ああいえ、そうではなくて……楽しみすぎた、と言うんでしょうか」

こころ「楽しみすぎ、ですか?」

海未「はい」

真姫「花陽」

花陽「え? どうしたの?」

真姫「あの2人って敬語同士だから……」

花陽「……ああ、なんとなくお嬢様みたいな感じがするね」

海未「私がお嬢様ですか?」

真姫「聞こえてたかしら」

海未「ええ」

海未「私は別に、お嬢様などではありませんよ」

海未「どちらかというと真姫の方が適任ではありませんか?」

真姫「私は敬語、苦手よ」

こころ「真姫お嬢様……?」

真姫「そ、それはあんまりうれしくないわね。いつも通り呼んで」

こころ「お姉ちゃん」

真姫「ありがとう」

花陽「フフ、もうそれがいつも通りなんだ」

こころ「あっ」


ここまで
次くらいで風呂終わり

海未「……そういえば真姫」

真姫「ん?」

海未「あなたの髪は……洗ってもそんな風に形が変わらないんですか?」

真姫「ん、ああ、そうね」

真姫(クセになってるのかしら)

こころ「ああ、そういえば真姫お姉ちゃんはよく髪の毛をくるくるしてますよね」

真姫「あら、見られてた?」

こころ「はい」

海未「ああ、そう言われてみれば……」

こころ「気付かなかったんですか?」

海未「はい、ほとんど気にしていなかったので」

真姫(意外と見られてるのね……)

真姫(……ん? なんで?)

花陽「じゃあ今日、真姫ちゃんが髪の毛をいじってた回数とかわかっちゃったりするのかな?」

こころ「私が見た限りだと10回くらいです」

花陽「わ、わかるんだ……すごい」

海未「そうなんですか?」

真姫「覚えてないわ」

真姫「あ、絵里たちの休憩時間っていつになるのかしらね」

海未「おそらく夜ではないですか? 丸1日働きづめということはないでしょう」

こころ「たしか11時くらいって言ってました」

花陽「にこちゃんが言ってたの?」

こころ「はい。忙しくなければそのくらいに終わる、と」

真姫「11時……こころちゃんたちは寝てる時間ね」

こころ「はい。夜更かしすると、朝に起きられなくなりますからね」

海未「ああ、あなたからでも穂乃果に説教してほしいものです……」

真姫(大変そうね、海未)

海未「……あの、真姫」

真姫「なに?」

海未「なぜ頭を撫でるのですか?」

真姫「……そこに頭があったから、かもね」

真姫「嫌ならやめるわね」

海未「いえ、別にそういうわけではないんですが……」

真姫「続けてほしい?」

海未「それも先輩としてどうかと思うところがあります」

花陽「あれ、こころちゃんどこ行くの?」

こころ「……」

真姫(ん? 急にこころちゃんがこっちに来た……)

真姫「どうしたの?」

こころ「……わ、私にも頭があります」

真姫「?」

花陽「あ、そういうことかぁ……フフ」

真姫(何かしら……なぞなぞ?)

こころ「……」

海未「?」

真姫「……?」

花陽「……」

真姫(何この沈黙)

真姫(海未は気付いて――――――――)

海未「……」

真姫(ないわねこの顔は)

こころ「あたまが……」

真姫(えっ、なんでこころちゃん、ちょっと悲しそうなの)

真姫(頭に……頭に何かすればいいのね?)

真姫「頭……」

真姫(人の頭にすることと言えば……)

真姫(ってこころちゃん、髪に何かついてる)

こころ「!」

真姫(とれた)

こころ「……?」

花陽「えっ? それだけなの?」

真姫(……私は何を求められてるわけ)

海未「少しお腹がすきましたね……そろそろあがりませんか?」

真姫「……ああ、そういえばもうそんな時間になるわね」

真姫(助かった……のかしら)

こころ「ま、真姫お姉ちゃん」

真姫「はい」

こころ「あたまがありますよ」

真姫(頭……こころちゃんが頭を揺らしてる)

真姫(……挙動不審なところがなかなかかわいいわね)

こころ「どうですか」

真姫「いいと思うわ」

花陽「ま、真姫ちゃん……わかってない?」

真姫「え?」

花陽「こころちゃんの頭、撫でてあげて」

真姫「ええ、いいけど……」

真姫(むしろ喜んで……)

こころ「!」

真姫(あ、うれしそう。よくわからないけど)

真姫「晩ご飯ってこっちで用意してくれるんだった?」

海未「はい。結構評判がいいみたいですよ」

真姫「へぇ、そうなのね」

海未「レビューでそう書いてあったんですよ」

真姫(……海未が横文字使うのって何となく違和感を感じるわね)

真姫「どこが評判を上げてるのかしら」

海未「ごはんおかわり自由、だそうです」

花陽「!」

真姫(なるほど)


ここまで
次はごはん


更新は来週の月火水のどれかになるよ





凛「ごろごろー」

穂乃果「ごろごろー」

ここあ「ごろごろー」

海未「えっ」

ことり「ごろ……ひゃっ!? う、海未ちゃん!?」

真姫(ことりもやってたわね)

凛「あ、来た来た」

穂乃果「ここのお布団、ふっかふかなんだよ!」

こころ「ふわふわー」

海未「それで、今何を?」

ことり「いやっ、そ、そのぉ……何と言いますか……」

真姫(ことりが焦ってるのって珍しいわね)

花陽「あれ? みんな何してたの?」

真姫「あら花陽。お手洗いはどこかわかったの?」

花陽「うん。大丈夫だったよぉ」

こころ「何をしていたんですか?」

穂乃果「あれ? こころちゃんはやらないの?」

こころ「何をですか?」

凛「お布団しいて、ごろごろーって」

ここあ「こころおねーちゃんはすぐねちゃうよ」

穂乃果「へぇー」

真姫「それで、ことりも何で一緒になって転がってたの?」

ことり「えっ」

ことり「……いや、それは……そろそろご飯の時間だねっ!」

真姫「顔真っ赤よ」

ことり「……うう」

花陽「?」

穂乃果「ことりちゃんはね、最初は別にいいよって言ってたんだけど、やってみたら意外と楽しかったみたいでー」

凛「上手だったにゃ」

ここあ「うんうん」

ことり「……つい、はしゃいじゃって」

海未「珍しいですね。ことりがそんな風に……フフ、それほど楽しかったということですか」

ことり「海未ちゃんもやってみればわかると思うよ?」

海未「遠慮しておきます」

真姫(無邪気に転がる海未……見てみたい)

真姫「海未。やってみたら?」

海未「ええっ!?」

凛「みんなで転がれば恥ずかしいことなんてないよ!」

花陽「??」

海未「いやです。やりません」

穂乃果「えー、絶対楽しいよ?」

海未「知りません」

真姫(見たい)

真姫「海未、息抜きも必要よ」

海未「ま、真姫までそんな……やりませんよ。絶対にやりませんからね!」

花陽「真姫ちゃん、何の話?」

真姫「布団の上で転がるかどうかって話よ」

花陽「……あれ、余計にわからなくなっちゃった」

にこ「あんたたち、食事の準備できたけどどうする?」

穂乃果「あれ? にこちゃん、仕事は?」

にこ「だからこうして聞きに来たのよ……って、布団なんて敷いて何やってたの? 寝るわけ?」

凛「にこちゃん、凛たちはお客さんだよー?」

にこ「じゃあ敬語で話すから、宿泊費を元の額で払ってもらうわよ」

凛「にこちゃんは自然体が1番にゃ」

にこ「よろしい」


短いがここまで
次は土日

にこ「それよりご飯よ、どうするわけ?」

穂乃果「食べます食べます!」

にこ「じゃあ下の食堂に来なさいね」

凛「えっ、持ってこられないの?」

にこ「ええ」

穂乃果「和風旅館なのに?」

にこ「旅館だからって部屋に持ってこられると思わないの。じゃあ待ってるわよ」

にこ「こころもここあも、待ってるからね」

こころ「はいっ!」

ここあ「はーい」

海未「では行きましょうか」

ことり「にこちゃんの後をついて行くの?」

海未「にこには他にも仕事があるでしょう。きっと別のところに行っているはずですよ」

穂乃果「他にお客さんっているのかな?」

海未「え? いると思いますよ?」

ことり「そういえば他のお客さんってどこでも見かけないよね」

こころ「そうですね。確かに変です」

ここあ「?」

凛「えー? でも夏だよ? 夏休みだよ? みんな遊びに来てるはずにゃ!」

花陽「でも凛ちゃん、他のお客さん……どこかで見た?」

凛「…………みてない」

真姫(え、何この展開)

穂乃果「もしかしてここ、幽霊旅館なんじゃ……」

海未「ゆっ、幽霊!?」

花陽「ええっ!?」

ここあ「ゆーれいってなに?」

凛「おばけのことだにゃー」

ここあ「お、おばけこわい……おねえちゃんっ!」

真姫「よしよし、大丈夫よ。私たちがついてるわ」

真姫(ここあちゃん、石鹸の匂いがする)

凛「真姫ちゃん抱きつかれてうれしそう」

真姫「そうね」

穂乃果「穂乃果もおばけこわーい! 真姫お姉ちゃーん!」

真姫「うっ」

ことり「穂乃果ちゃん、飛びついたら危ないよ」

真姫「よしよし」

花陽「……でも真姫ちゃんうれしそう」

凛「凛も!」

真姫「凛は後でね」

凛「え、笑顔で言われた」






希「あ、来た来た」

絵里「いらっしゃーい」

ことり「……」

海未「……いない」

花陽「やっぱり……」

絵里「え? 何の話?」

希「深刻そうな顔してどうしたん?」

凛「いや、あんまりお客さんに会わないから、もしかしたら誰もいないんじゃないかと思って――――――――」

絵里「」

希「」

凛「え」

絵里「……」

希「……」

花陽「しょ、食堂にもお客さん、1人も来てないのは変かなぁ……なんて」

希「花陽ちゃん……それは」

にこ「お、来たわね」

こころ「あ、あの」

にこ「何?」

こころ「他のお客さんは、どこにいるんですか?」

にこ「……それは」

真姫(何この状況)

絵里「と、とりあえずご飯できてるから食べましょう?」

希「う、うん。冷めたらもったいないやん?」

穂乃果「おなかすいたー」

ここあ「ごはんごはん」


ここまで


酉抜け


年末忙しくて更新できんかった
すまぬ
年始も時間ないからもう少し待って


待たせてすまない
来週の土日とかに更新する


ごめん
今週だ


すまぬ
土曜に左手の指切ってキーボード押すのめちゃくちゃ痛い
今度時間確保できるの水曜だから頑張る
先延ばしにしまくって悪い





真姫「……で、絶対何かあるわよね」

海未「ええ。間違いありません。あの隠しようからして……」

穂乃果「かしこい組2人が集まったからもう安心だね」

凛「その言い方あんまりかしこくないにゃー」

ここあ「かしこいぐみって、たべたらかしこくなる?」

ことり「あはは、そのグミじゃないよぉ」

花陽「うーん、でも隠すって言っても何を隠すんだろう」

ことり「そうだねぇ」

真姫(木を隠すなら森……ではなさそうね)

海未「私たちに知られてはまずいもの……たとえば――――――――」

穂乃果「実はここ……出るんです、みたいな?」

真姫「……」

海未「……」

穂乃果「えっ」

真姫(あながち間違ってなさそうなところが……不気味ね)

こころ「何が出るんですか?」

凛「おば」

真姫「凛」

凛「おばあちゃん」

こころ「?」

真姫(ここあちゃんを怖がらせるわけにはいかないしね。抱きつかれるのはうれしいけど)

ことり「そういえば、こんな旅館ってこのあたりにあったっけ?」

凛「凛はこの近く知らないからわかんない」

穂乃果「穂乃果もわかんなーい。海未ちゃんは?」

海未「私もですね……」

海未「あ、こんな時こそ文明の利器ですよ。この携帯電話で調べればいいんです」

真姫「そうね。この地域の地図を出せば……」

花陽「……真姫ちゃん、どう?」

真姫「……」

真姫「ないわね、ここの旅館」

こころ「えっ!?」

海未「ない……どういうことですか?」

真姫「ないのよ。この近くに旅館なんて存在しないの」


ここまで


明日更新するよ
放置しててすまんね


明日なんてなかった
本当に忙しくなったり怪我したりでダメだわ
ごめんよ

立て直すことにします
2月の中旬~下旬ぐらいにまた立てます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月04日 (土) 13:19:39   ID: jGlEnWFE

いいぞいいぞ
期待してるぞ

2 :  SS好きの774さん   2014年10月04日 (土) 18:28:45   ID: zGsaclui

期待してます

3 :  SS好きの774さん   2014年10月22日 (水) 22:56:39   ID: o95FLSP4

期待してるよん

4 :  SS好きの774さん   2015年01月25日 (日) 15:10:57   ID: oY076bGx

春夏秋冬シリーズの続きがみたいんじゃ

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom