アニ「早く食べなよ」(30)
エレン「へぇ・・・塩大福ね」
アニ「食べないの・・・?」
エレン「は?今食えって?」
アニ「そう」
エレン「訓練後にこんなもの喉詰まるっての」
アニ「・・・・せっかくあんたの為に高い給料使って作ったのに」
エレン「お前がそんな事するとか気持ち悪いんだけど」
アニ「・・・・・」
エレン「どうしたんだよ。風邪でもひいたか?医務室くらい一緒に行ってやるぞ」
アニ「早く食べなよ」
エレン「え?やだよ」
アニ「げほっげほ!」
エレン「大丈夫かっ!?持病か?」
アニ「コホコホッ・・・あんたが大福食べてくれたら治るかも・・・・・けほっ」
エレン「はぁ・・・大丈夫か?」
アニ「・・・そう思うなら食べ」
エレン「頭が」
アニ「・・・・・調子に乗るんじゃないよ。私が食べろって言ってんだから早く食べなよ」
エレン「え?やだよ」
アニ「あんたの口は何の為にあると思ってんの?」
エレン「何の為って・・・そりゃ喋る為とか空気を吸う為と」
アニ「大福を食べる為だよ。馬鹿だね」
エレン「馬鹿はどっちだ。俺は大福なんて生まれて此の方、一度も食べたことねえよ」
アニ「幸運じゃないか。その役割を果たす時だよ」
エレン「別に食べないなら食べないで良い食べ物だっつうの。栄養が高いわけでもないし」
アニ「でも食べて損はない・・・違わない?」
エレン「なに?そんなに食べて欲しいのか?」
アニ「なに?そんなに食べたくないのかい?」
エレン「後で食べるっての」
アニ「今、食べな。今、私の前で食べなきゃ腐るよ」
エレン「今は食べる気ないからアニ食べていいよ。腐らせるの勿体無いし」
アニ「は?私が食べてなんになるんだい?」
エレン「どんな質問だよ。逆に俺が食べたらなんになるんだよ」
アニ「そんな事を私に言わせるんじゃないよっ!そういうのをセクハラって言うんだよ、変態!」
エレン「なぁ?俺、変なこと言ったか?」
「お?エレンにアニじゃねえか」
エレン「ライナーか。ちょっとライナーもこいつに言ってやってくれよ」
アニ「っち・・・」
ライナー「ん?痴話喧嘩か?というかお前らが訓練以外で一緒にいるなんて珍しいな」
エレン「知らねえよ。こいつがこの大福を食え食えってうるさいんだよ」
ライナー「は?そんなんで大声で言い争ってんのか?」
エレン「俺は食べる気ないって言ってんのに、こいつがさぁ」
ライナー「食べないなら俺が貰ってやってもいいぜ?」
アニ「あんた頭に蛆虫でも湧いているんじゃないの?食ったら殺すよ」
ライナー「ひ、ひぃ・・・ちょ、ちょっと用事があるから俺は行くな!」スタコラ
エレン「なんでそんなにブチ切れているんだよ!?」
アニ「あんたが食えば済む話なんだよ!早く食いなっ!」
エレン「え?やだよ」
アニ「はぁ?私はあんたみたいな脳無しの為に潤滑油として糖分を用意してあげたんだよ。私があんたの為にしてあげてることに感謝しなよ、これだから阿呆は困るんだよ」
エレン「随分な言われようだな」
アニ「私はね、時間を割いてやってあげたわけ?その時間と労力に見合ったものを私は要求してるわけじゃないんだよ。無償であんたに寄付してあげようという私の心の広さに、あんたは応えなきゃいけないんだよ」
エレン「知ってるか?拒否する権利だって俺にもあるんだよ」
アニ「意外だね。あんたが権利なんて難しい言葉を使えるなんて」
エレン「馬鹿にするのも大概にしろよ」
アニ「あんたが、それを食べればあんたを罵倒するのも止めてあげてもいいよ」
エレン「なに?毒でも入ってんの?俺を殺したいの?」
アニ「私がそんな卑怯なことをするような人間に見える?」
エレン「いやいや・・・そんなに食わしたいから逆に気になるんじゃねえか」
アニ「あんたが想像してるようなものは入ってないよ。訓練兵に支給される給料の額を考えてから言いな」
エレン「それもそうだな。毒薬なんて高すぎて専門の商人でも中々手が出せないからな」
アニ「それが分かったなら早く食べな」
「あっ!いたいた、アニー!」
エレン「ん、ミーナ?」
ミーナ「ありゃ?大切な時間を邪魔しちゃったかな?」
アニ「・・・・っち」
ミーナ「そういやサシャから聞いたよ。なんか午前中に調理室で料理してたんだって?」
エレン「あぁ、多分それはこの大福だな」
ミーナ「だいふく?これまた高級品を作るとはアニやるねぇ」
エレン「あっ!ミーナ食べ」
アニ「あんた!今まで私の話聞いてたわけ!?」
ミーナ「!?」
エレン「どうしたんだよ、カルシウム不足か?」
アニ「悪いね・・・ちょっと疲れが溜まっててね。だから少しイライラしてるんだよ」
ミーナ「あぁ、昨日休日なのに、1日走ってたんだっけ?どうしたの?罰則?」
アニ「自主練だよ」
エレン「へぇ・・・やるじゃん」
アニ「ふん・・・体がなまってたからね。気分転換だよ」
ミーナ「もうー、今の時期にする?気温高かったし汗だくだくだったでしょー」
アニ「まあ好都合だったけどね」
エレン「ダイエットでもしてるのか?」
アニ「別に太ってないし」
エレン「分かってるわ。そんなことくらい」
ミーナ「というか、エレン?」
エレン「へ?なに?」
ミーナ「せっかくアニが作ってくれたものを食べてあげなさい」
アニ「!!」コクコク
エレン「えーでも」
ミーナ「でもも何もありません。アニがエレンの為にしてくれたんだよ?」
エレン「そんな食欲ないし」
ミーナ「ほら、口あけて」
エレン「ば、ばか!んむっ!!」
アニ「!!」
ミーナ「噛んで噛んで」
エレン「んぐっんっ」
ミーナ「ほら、ごっくん」
エレン「ごくっ・・・・」
ミーナ「おいしい?」
エレン「あ・・・別に普通に美味かったわ」
ミーナ「なら、早くアニお礼を言わなきゃ」
エレン「・・・はぁ、アニありがと」
ミーナ「うんうん!」
アニ「ミーナありがとう。あんたが友達で良かったなんて初めて思えたよ」
ミーナ「どういたしま・・・・え、ええっ!?初めてなの!?酷いよぉ!うわーん!」スタコラ
アニ「で、改めて感想は?」
エレン「は?なんで2回も言わなきゃならないんだよ!?」
アニ「どうだったんだい?」
エレン「意外と美味かった。驚いた・・・・これでいいか?」
アニ「・・・・そうだね。エリゴニョゴニョ」
エレン「は?なんて言った?」
アニ「・・・・なんでもないよ」
エレン「??そうか」
アニ「じゃあ、また明日」
エレン「あ、ああ?」
アニ「・・・ふふっ・・・・///」
えんど
このSSまとめへのコメント
おお…エリート塩的なやつが入ってんのかと思った
エリまで言うてますやん...