小鳥「音無小鳥と申します」 (58)

小鳥「へっ!?私が事務員ですか?」

高木社長に、新しく事務所を立ち上げるから来ないか、と誘われたのは、もう1年も前の話。

私もアイドルを目指していたものの、絶対王者な日高舞に勝てるはずもなく、鳴かず飛ばずで終わっちゃった。

その後は大学に進学、卒業して、しばらくはOLとして会社に勤めてたの。だけど、その会社が倒産しちゃって、何処か新しい就職先無いかな~って探してたそんな時だった。

久しぶりに高木プロデューサーから連絡が来たのは。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410193425

・ 書き溜めなし

・ 進行遅いかも

高木「そうなんだよ」

高木「やっぱり自分の元からトップアイドルを育てて見たいという夢が捨てられなくってねぇ」

小鳥「それで新しいプロダクションを?」

高木「是非君に手伝って欲しいんだよ」

願ってもない話だった。絶賛職探し中だった私にとって、大好きなアイドルを真近で見ながら、応援する仕事が出来るなんて。天職だって思ったの。

小鳥「分かりました。是非、私を働かせて下さい」

高木「君ならそう言ってくれると思っていたよ」

高木「そうそう、新しいプロダクションの名前はーー」

ーー765プロダクション。
そこが私の新しい職場の名前だった。

小鳥「ここが...新しいプロダクション...」

私が見たのは、ただただ汚い一室でした。部屋の隅に蜘蛛の巣は張ってるし、床は埃っぽいし、机はないし...

高木「さぁ音無君。一緒に掃除を手伝ってくれたまえ」

小鳥「へ?これから掃除するんですか!?」

高木「そうだとも。いつやるの?今でしょってやつだよ」

小鳥「...業者さんにお願いするとか出来ないんですか?」

高木「そんなお金はまだないねぇ」

小鳥「とほほ...」

そんな訳で、初出勤した私の初仕事は、事務所になる予定の一室の大掃除でした。


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---

小鳥「すっかり綺麗になりましたね、高木プロデューサー」

高木「...私はもうプロデューサーではないよ」

小鳥「高木...社長...?」

高木「まだ従業員は君しかいないのだがね」

小鳥(なんて呼んだらいいんだろう)

結局、アイドルが入ってくるまで私は高木...さん?の呼び方に悩むことになりました。

小鳥「スカウト、成功したんですか?」

高木「うむ。明日にはここに来ると思うよ。後、プロデューサー希望の子も一緒に来るはずだ」

高木「アイドルとプロデューサーが1人ずつだ」

小鳥「いよいよ、内の事務所にもアイドルが...!」

その日の晩は、どんな子が入ってくるのか、楽しみで夜も眠れませんでした

次の日、私はお昼過ぎにその日の仕事を終え、アイドル志望の子とプロデューサー志望の人をひたすら待って居ました。

事務所で煎餅を齧りながらテレビを眺め、そろそろお茶のお代わりを入れに行こうかと思っていた時でした。

コン、コン

小鳥「はーい」ガチャ

ドアを開けると、そこにはリボンを頭に付けた、可愛い女の子が立って居ました。

春香「あ、あの!始めまして!わ、わたひっ!」

女の子はいきなり挨拶をしたかと思うと、舌を噛んだみたいで涙目になってしまってました。

小鳥「えっと、大丈夫?」

春香「~!~!」

小鳥「取り敢えず、中、入ろっか」

春香「コクリ」

春香「あの、私、高木さんという方に、アイドルにならないかと誘われて来た、天海春香なんですけど...」

小鳥「えぇ、社長から聞いてるわ」

春香「それで、面接とかは...?」

小鳥「面接...?」

私はそんな話全然聞いてなかったの。面接くらいありそうな気もするし、でも社長のことだからしない気もするし...

そもそもスカウトの後に面接ってするものなの?

というか、天海さんってまだ入社扱いじゃないの?

小鳥「ごめんね、私にはわからない」

小鳥「社長が戻られるまで、待っててもらってもいいかしら」

春香「分かりました」

社長を待ちながら、2人でたわいも無い話をしていました。

天海さんの、ううん、春香ちゃんの、学校の話とか、趣味のお菓子作りの話とか。最近はケーキに挑戦してるらしくって、また持って来てくれるって。

そんな時、ふいにドアをノックする音が。

コンコン

小鳥「はーい」

ガチャ

律子「あの、こちら765プロダクションさんでよろしいでしょうか」

小鳥「はい。765プロダクションで事務などをしております、音無と申します」

そこにはスーツをビシッと決めた、でもまだまだ若い女の子がいました。

律子「本日は、御社の高木社長にプロデューサーにならないかとお誘いを受けまして、その件で参りました」

小鳥「はい。高木から聞いております。ですがあいにく高木は席を外しております。部屋へご案内いたしますので、そちらで少しお待ち頂いてもよろしいでしょうか」

春香ちゃんの時と対照的に、律子さんとのファーストコンタクトは、とても固いものになっていました。

その後、社長2人は社長と軽く話をした後、それぞれ帰って行きました。

社長の話によると、2人とも765プロで活動することが決まったそうです。

>>15 訂正

誤)その後、社長2人は社長と軽く話をした後、それぞれ帰って行きました。

正)その後、2人は社長と軽く話をした後、それぞれ帰って行きました。

アニマス?それともとくに決めない感じですか?

寝落ちした。すまん。
>>17 特に考えてないよ

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律子「私がアイドル...ですか...?」

高木「頼むよぉ。今うちには春香君しかアイドルが居ないからねぇ」

高木「アイドルが増えるまでの繋ぎだと思って...」

律子「うーん...」

入社して、1週間もしない頃、律子さんは社長からそんなお願いを受けていました。

やっぱり律子さんはプロデューサーがしたいそうで、でもまだアイドルが春香ちゃんしかいなくて。

しかも、春香ちゃんもまだアイドル「候補生」。売り出しすらまだなのです。

小鳥「いいんじゃないですか?今アイドルを経験しておけば、後でプロデューサーになった時でも、その経験はきっと役に立つハズですから」

律子「小鳥さん...」

律子「分かりました。秋月律子、何処まで出来るか分かりませんが、アイドルやらせて頂きます」

高木「ありがとう」

春香「ボーカルレッスン、ですか?」

律子「ええ。春香はボーカルが弱いみたいなのよね」

春香「あはは...」

律子「だから、一緒に頑張りましょう」

春香「はい!律子さん!」

竜宮小町の鬼プロデューサーとして有名になる律子さんですが、この頃から既に鬼のシゴキはあったのよね

律子さんのシゴキに必死に着いて行こうとする春香ちゃん、健気ね

春香「えっ!?アイドル増えるんですか!」

高木「君と同じ、アイドル候補生だ。2人スカウトしてきたんだよ」

春香「やった~!」

春香ちゃんと律子さんが、事務所にもいよいよ馴染んで来た頃、唐突に社長からそんな話が出て来ました。

春香「それで、その2人はいつ来るんですか!?」

高木「明日には来るみたいだよ」

律子「ということは、私もプロデューサーに...」

高木「君にはもう少しアイドルを続けてもらいたい」

律子「あらー、私、まだプロデューサーに戻れないんですね...」

小鳥「律子さん、ファイト!」

次の日。私が春香ちゃんとお話ししてる時でした。

コンコン

小鳥「はーい」

ガチャ

真「こんにちは!菊地真です!」

真「高木さんに、アイドルに興味があるならここに来るよう言われて来ましたが、ここ、765プロで合ってますか?」

小鳥「えぇ、合ってるわよ」

小鳥(かっこいい)キュン

小鳥「今、社長居ないから、奥で少し待っててもらえるかしら」

真「はい!」

その頃の真ちゃんは、今より髪も短くて、ジャージを着た王子様って感じでした。

用事が入ったんで、
続きは夕方で...

今日中には完結させるつもり

再開します。
今日中に完結しそうにない...

春香「いらっしゃい~」

真「は、始めまして!先輩...ですか?」

春香「私もつい最近入ったばっかりだから、先輩ってほどじゃないよ」

律子「2週間も経ってないし、同期になるんじゃないかしら」

春香「そうですね」

真「あ、そんなんですか」


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---

律子「へぇ、そしたら私と貴方、同い年なのね」

春香「でも、社長には新しく女の子が入ってくるって聞いてたから、びっくりしちゃった」

真「...なんで?」

小鳥「だって、まさか男の子が入ってくるなんて」

律子「社長にもしっかりして欲しいわね」

真「...僕、女子なんだけど」ポリポリ

小鳥律子春香「え?」

「「「ええぇぇーーー!!?!?」」」

>>28 訂正

春香「へぇ、そしたら私と貴方、同い年なのね」

律子「でも、社長には新しく女の子が入ってくるって聞いてたから、びっくりしちゃった」

高木「うん?どうしたのかね君達」

小鳥「まさかまさかまさかまさかまさあ...」

律子「そんな...」

真「」ズーン

春香「あはは...」

高木「それより、新しいアイドル候補生を連れて来たよ」

春香「あ、昨日言ってた2人目ですね」

高木「そうだ。さ、君も挨拶したまえ」

「はい!」

「あの!始めまして!」

やよい「私、高槻やよいです!元気いっぱい頑張るので!よろしくお願いします!」ガルーン

(((かわいい...)))

この瞬間、その場にいた全員の気持ちは完全にシンクロしていました。

765プロに、天使が舞い降りた瞬間です。

--------

ガチャ

小鳥「おはようございます」

...なーんて、返事は返って来ないんだけどね。

私はいつも朝1番で出勤します。
今のところ、事務所の鍵を持っているのは私と社長だけなので、社長がスカウトで全国を飛び回ってる今、実質私が事務所を預かっています。

小鳥「うん!コーヒー美味しい」ズズッ

ガチャ

律子「おはようございます」

小鳥「律子さん、おはようございます」

事務所で2番目に出勤するのは、いつも律子さんです。

律子「小鳥さん、昨日の書類、あれで大丈夫でしたか?」

小鳥「えぇ、ありがとうございます」

アイドル候補生ながら、一緒に事務を手伝ってくれています。

やよい「おはようございまーす」

小鳥「やよいちゃん、おはよう」
律子「やよい、おはよう」

3番目には、やよいちゃんか...

真「おっはようございまーす」

やよい「あ!真さん、おはようございます!」

真「あー、今日はやよいに負けちゃったか...」

真ちゃんの、どっちかが出勤します。
二人はいつも大体同じ時間に出勤して来ます。

やよい「小鳥さん、私、これからお掃除してきますねー」

真「ボクも手伝うよ」

やよい「お願いします!」

二人を見てると、なんか、こう、

小鳥「癒されるわぁ...」

律子「...小鳥さん、仕事してください」

ガチャ

春香「おはようございます!」

小鳥「春香ちゃん、おはよう」

春香「あ、今日はクッキー焼いて来たんですよ!」

そう言いながら春香ちゃんはクッキーを1枚摘まんで、私に渡してくれました。

春香「どうぞ、小鳥さん」

小鳥「あら、ありがとう」

小鳥「...うん、美味しい!」

春香「良かった」

真「あ、春香!今日もクッキー焼いて来てくれたの?」

春香「うん、真もやよいも、後で食べてね」

やよい「凄く美味しそうです...!」

春香ちゃんは、やっぱりお家が遠いからか最後に事務所に来ます。
最近は頻繁にお菓子を作って来てくれるんだけど、それがもうすっごく美味しくてサイコーっ!

......私、太ってないわよね?

男のほうのPは来ないのか

>>37
来る前の話じゃね?

>>37 >>38 来る前の話です
再開します


--------

小鳥「オーディション...?」
律子「ですか...?」

高木「そう、オーディションだ」

真ちゃんとやよいちゃんが入って暫くが経ちました。
2人とも765プロに慣れてくれたみたいで、春香ちゃんや律子さんと一緒に頑張ってくれています。

社長がオーディションを提案したのは、そんな時期でした。

高木「会場は⚪︎×会館で、⚪︎月×日を考えているよ。広報の方は任せたよ」

小鳥「え?私がですか!?」

高木「よろしく頼むよ、音無君」

そんな唐突な...と呆れていると、律子さんが

律子「どんまいですよ、音無さん」

どんまいって...
ピヨぉ...

Oh...
iPhoneやと>>40の1部が絵文字っぽく見えますが、
他からだとどう見えますか...?

O×会館でO月×日です

・□×会館で、・□月×日 に見える
でもコピペして貼るとバグったみたいになるね

>>42 すみません、気を付けます...

社長に頼まれた(押し付けられたとも言う)オーディションのHP広告を作っている時のことでした。

PiPiPi!PiPiPi!

ガチャ

小鳥「お待たせ致しました、765プロの音無と申します」

小鳥「はい。水瀬様ですね?高木はただいま席を外しておりまして...」

小鳥「はい。夕方頃には戻ると思いますので」

小鳥「では、失礼致します」

ガチャ

電話での応対は、OL時代から仕事でしていましたのでお手の物です。

---
--


高木「何?水瀬さんからかね?」

小鳥「はい。社長が帰り次第折り返し連絡すると伝えてますので...」

高木「うむ...」

小鳥「どうされました?」

高木「いや、要件が気になってね」

小鳥「と、言いますと?」

高木「彼はね...」


--------水瀬財閥の会長だよ

小鳥「」

私は、そんなお偉いさんに対してさえいつもの応対のノリで話していたにかと思うと、背筋がツーと寒くなって行きました。


--
---

小鳥「お電話の内容は、如何がでしたか...?」

高木「娘さんを、うちの事務所で預かって欲しいそうだ」

高木「伊織君と言うらしい」

小鳥「アイドルとして...ということですか?」

高木「そうらしいね」


超巨大グループの社長の一人娘、水瀬伊織。
その時の私は、彼女に粗相をしてしまったらどうしよう、というので頭がいっぱいでした。

--------

そんな毎日が続いたある日、ずっと座っていたハズなのにクタクタの体を無理矢理動かし、家へ帰るために土手沿いの道を歩いていたときのことでした。

「小さきーものー」

小鳥「あら?」

「それはーわーたーしー」

「わーたしーでーすー」

アカペラながら、土手沿いから綺麗な声が聴こえていました

「まーぎれーなーくー」

青に近い黒髪を、長く伸ばした綺麗な女の子が、土手で高らかに歌い上げていました。
私は、その声に心奪われていました。

「うたーっていーまーす」

小鳥「...」

小鳥「はっ!帰らなきゃ!」

彼女が歌い終わると同時に、私は我に帰りました。
明日も急がしいのだから!
頑張るわよ!小鳥!!


--------

高木「では、水瀬君からも挨拶をしてもらえるかな」

伊織「はあい!水瀬伊織ですっ!」

伊織「アイドルとして、一生懸命がんばるので、よろしくお願いします!」

さらに数日後のことでした。水瀬さんが765プロにやってきたのです。

春香「よ...よろしくお願いします」

真「よろしくね、伊織ちゃん」

伊織「お願いします!先輩方!」

春香「先輩...」

水瀬さんが765プロに来た日、用事のあったやよいちゃんを除く全員が集合していました。
私たちは、水瀬さんに対してちょっと萎縮してしまっていました。
巨大財閥の会長の一人娘。本人は猫撫で声で話してる。
この状態で普通にしろと言われる方が無理です。

結局その日は、適度な距離を模索しながら話しかけようとする春香ちゃんと、始終猫撫で声で会話する伊織ちゃんの奇妙な会話が聞こえてくるだけでした。

トリミスった...
↑は自分です

遅くなりましたが再開します。
明日っていつだよ...




そんな日が何日か続いた、ある日のことです。

やよい「おはようございまーす」

小鳥「おはよう、やよいちゃん」

小鳥「なんだかやよいちゃんの顔を見るのも久しぶりな気がするわね」

やよい「えへへっ!でも、1週間しか空いてませんよー?」


やよいちゃんは、成績がピンチだったので、テスト期間の1週間休みをもらって、試験勉強に集中していました。
そんなやよいちゃんも学校の試験が終わり、久々に出勤してきたのです。


やよい「あ!新しく入ったアイドルってあなたですか?」

なので、彼女は水瀬さんとまだ会ったことがありませんでした。

伊織「えぇ、水瀬伊織ですっ!よろしく!」

やよい「よろしくお願いします!伊織さんっ!」ガルーン

やよいちゃんは、私達が気後れしているのもものともせず、水瀬さんと話しはじめました。

一方で、水瀬さんの様子は初日からさっぱり変わっていませんでした。

やよい「はわ!伊織さんと私って同学年だったんだね!」

伊織「そう...なるのかしら、ね」

やよい「えっへへー!伊織ちゃんって呼んでもいいかなー?」

伊織「いいわよ」

やよい「これからよろしくね、伊織ちゃん」

ちょっと引き気味の水瀬さんに対して、グイグイ攻めるやよいちゃん。
無邪気なやよいちゃんが攻めで上品な伊織ちゃんが受け...

小鳥「ダメ!ダメよ!小鳥ィイィ~!」

伊織「今の、何かしら...」

やよい「音無さん、いつもあんな感じだから、気にしなくてもいいかなーって」

同世代の女の子であるやよいちゃんと水瀬ちゃんが出会って、しばらくが経ってからのことでした。

伊織「あら?私のゴージャスセレブプリンがないわ...?」

伊織「やよい、知らないかしら...?」

やよい「知らないよ?真さんや春香さんにもきいてみたら?」

そう、事件はまさしくその時起きたのです。

更新できず、すみません。
再開は10月下旬くらいからになります...

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