真姫「えりまきとかげ?」 (22)

えりまきです

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―真姫宅―

「そうよ!エリマキトカゲ!」

「突然何言い出してんのよ…」

「私と真姫でエリマキトカゲ!」

「あなた…疲れてるんじゃない?少し休んだ方がいいわよ…」

「これはね、にこが言い出したのよ…」

「話聞いてる?」

「そう、あれはジリジリと皮膚を焦がすような暑さだったあの日よ…」

「あぁ聞いてないわねこれ…」

―動物園―

「ハラショー!見てにこ!トカゲが水の上を走ってる!」

「そうねぇすごいわねぇ」

「それもすごいスピードよ!」

「……でも絵里?あなたのような頭の良い人ならわかるわよね?」

「えっなんの話?」

「惚けないでよぉ水の上を走る方法よ」

「そ、それくらいわかるわよ?」

「人間でも可能なのかなぁ?」

「それは無理じゃないかしら…」

「えー!うそぉー!今のアイドルはこういうアクロバティックなこともできないと人気が出ないのよぉ!?」

「そ、そうなの?」

「可愛いだけがアイドルじゃないの!時に可愛く!時にスタイリッシュ!今のアイドルに求められていることよ!」

「そ、そう?」

「そうよ!だから水の上を走るくらいできて当然よね!?」

「そ、そうよね!そうだわ!出来ないとおかしいわ!」

「じゃあ来週まで走れるようにしてきてにこっ☆」

「えっ」

「にこっ☆」

―真姫宅―

「ということがあったのよ…」

「まんまとハメられたわね」

「だから真姫!私と一緒にエリマキトカゲになって!」

「なんでエリマキトカゲなのよ!」

「私と真姫でえりまきじゃない?」

「それ本気で言ってたのね」

「そうよ?どこかおかしいかしら?」

「色々とおかしいわよ」

「とにかく私と水の上を走る方法考えて?ね?おねがぁい」

「エリー、あなたのおねがぁいはたいして効果ないわよ」

「そんな……酷いわ……私真姫がいないとここで溺れてしまうのよ…きっと……」

「まぁ……水の上を走る方法くらいなら考えてあげてもいいわよ…」

「本当!?ありがとう!流石真姫だわ!じゃあこれに着替えて!」

「えっ?」

―おきがえ~♪おきがえ~♪

「で!」

「ん?どうかしたの真姫?」

「なんで私がトカゲの格好してるのよ!!」

「大丈夫よ!私もしてるから!」

「そういうことじゃないわよ!」
「これ二人とも沈んだら誰が助けるのよ!」

「……大丈夫よ!」タブン

「もういい私脱ぐから…」

「えっ?脱ぐの?あらあら大胆ね…」

「いみわかんない!!」

「いいからいいから~…水の上を走る方法を考えましょ?」

「なんで話を流そうとするのよ!」

「で、エリマキトカゲが水の上を走れる理由は…あれ?」

「どうしたのよ?」

(エリマキトカゲって水の上走れないじゃない…私が見てたのはバシリスク?なの?えっじゃあ真姫誘った意味ないじゃないどうしましょう……)

「どうしたのよエリー?」

「え、えっとぉ……」

「ちょっと見せなさいよ!」

「いやえっ待って真姫大事なとこだけいうから待って!」

「いや見た方が早いでしょ!」

(こうなったら…)
「 片足が沈む前にもう一方の片足を出す行為を1秒間に20回近く行う事ではしれます!!」

「えっ?」

「 片足が沈む前にもう一方の片足を出す行為を1秒間に20回近く行う事ではしれます!!!!!!!」

「えっ?」

「今のが大事なところよ!わかった!?」

「えっはい」

「やるわよ真姫」

「ふぇ…えっ……」

―プール―

「こんな美女二人がプールにいるなんて素敵なことよね…そうは思わない?ってあれ真姫?」

「それ冗談で言ってるのよね?」

「えー?私も真姫も美人の中に入るわよ?」

「いやこの格好でそれはないわよ」

「そうかしら?」

「まぁいいわよ…ところでどうやって一秒間に20回も交互に足を出すのよ…」

「気合よ」

「は?」

「気合よ」

「これは夢よきっと」

「きっと青春が聞こえる?」

「私の怒鳴り声が聞こえる」

「そうなんだ」

(……うざい…)プルプル

「ひとまず私が気合で水の上走ってみるから見てて欲しいのよ」

「………そうね見ててあげるわよ」プルプル

「走りきったら…チョコ……たべるんだ…!!」

「はいはい」

「じゃあ行くわよ!!!!!!!ハァルァショォォオ!!!!!!!」

だって可能性感じたんだ♪

タッタッタッタッ

そうだ…ススメ♪

ドボーン

「タガボッゲテマギィガボボボ」

「エリーがんばってー」

「なんで私を見捨てたの真姫」

「いや私は言った通り見てただけよ?」

「ひどい」

「純情可憐な真姫ちゃんを巻き込んだエリーが悪いのよ」

「今のダジャレ?」ププッ

「もう一回挑戦してみるといいわよ」

「ところで真姫その格好なんなの?トカゲみたいな格好して首にシャンプーハットなんてつけて」プークスクス

「これはエリーがつけさせたんでしょ!」

「エリマキトカゲは水の上を走れないわよ?」

「えっじゃあなんで私こんなことしてるの?」

「それは真姫がしたいって言うから…」

「言ってないわよ!」

「まぁ落ち着きなさい?真姫なら水の上を走れると思うわ」

「いや無理よ」

「そういうと思って足ヒレ持ってきたわ」

「わぁすごいそれで走れるの?」

「正直微妙だけどやって見る価値はあるわよ」

「…しょうがないわね…一回だけよ?」

「どうせ無理だと私は思うなぁ」ボソッ

(聞こえてる聞こえてる)

息を整える。
体をまとうトカゲの体がとても重い。
エリマキトカゲ……。
水の上を走れないのになんでこんな格好しないといけないのかしら。
というか走れるトカゲって結局なんなのよ…
どんなイメージで走ればいいのかしら
普通にダッシュ?そんなんでいいのかしら?
エリーは股を開いてすごく走りづらい感じで走って一歩で沈んでたわね。
きっとあれは不正解よ。
真姫ちゃんは冷静に考えれる子。
そうよ大丈夫。

だって可能性感じたんだ♪
そうだ…ススメ♪

後悔したくない 目の前に僕らの道が……

「真姫も可能性感じたんだでしょ?」

「うるさい」

「でしょ?」

「うるさい」

「そんな拗ねないで真姫、私も沈んだもの」

「うるさい」

「………」

「思いついたわ」

「えっ?」

「当日までに準備するから今日はもう終わりにしましょ?」

「本当に?」

「ええ大丈夫よ」

「じゃあ大丈夫ね!エリチカおうちかえる♪」スタコラサッサ


「……」

「私は……ね♪」

―1週間後―


「絵里本当に走れるようになったの?」

「ええ、大丈夫よ。真姫のサポートのおかげでね」

「でもそれどうみても」

「にこちゃん気にしなくていいのよ」

「あっ真姫……」

「あら真姫!」

(ねぇ真姫、絵里はなんでこんな格好してるの?)

(さぁ?私にはわからないわ)

(でもこれ真姫が作ったのよっていってたけど)

(なんのことかしら?)

「じゃあ行くわよ!!真姫!!にこ!!」

「えっちょっとまちなさ」

「ハァァァァルァショォォオ!!!!!!!」

ドボーン

「見事に沈んだわね…絵里…」

「しょうがないのよこれもまたエリーの運命よ……」


瞬間、全身で感じたものは水の爽やかな冷たさ。
スーツの隙間から入る水が気持ち悪い。
……考えてみたらそうよ。
このスーツは私が真姫に貸したエリマキトカゲスーツの色を茶色から緑に変えて、軽量化を施しただけの生首バシリスクスーツじゃない…

なんで私は気付かなかったんだろう。


いいや違うわ。


私は気付いていたの。


水の上を走れる気がしたのよ。



だって……可能性感じたんだもん

ネタ思いつたらまた書きます
えりまきの組み合わせ好きです、百合はすきじゃない

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