穂乃果「みんなおめでとうって言ってくれない!」 (24)

穂乃果「雪穂、お母さん、お父さん、おっはよー!」

雪穂「おはようお姉ちゃん、朝からテンション高いねー…」

穂乃果「そりゃそうだよ!だって今日は穂乃果の誕生日だもーん♪」

雪穂「あはは、そうだね…お姉ちゃんのことだから忘れてるんじゃないかと思ってたけど」

穂乃果「忘れるわけないよー!μ'sのみんな、お祝いしてくれるかなー?」

雪穂「そりゃあ…μ'sのみなさんにとって、お姉ちゃんは大切なリーダーだもん、当然してもらえるよ」

穂乃果「えへへ、そうかなそうかな?えへへー」

雪穂「…お姉ちゃん、誕生日おめでとう」

穂乃果「雪穂…えへ、ありがとう!」

穂乃果ママ「穂乃果、はしゃぐのもいいけど、時計もちゃんと見なさいよ?」

穂乃果「え?…あー!もうこんな時間!い、いってきまーす!」

雪穂「もう…こんな日でも慌ただしいんだから、お姉ちゃんってば」

穂乃果ママ「ほんとにね…さ、あの子が帰ってきたときのために、今から準備しとかなくっちゃ」

雪穂「私もそろそろ行かなくちゃ…帰ったら、準備手伝うね」

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―――

穂乃果(海未ちゃんとことりちゃん、お誕生日おめでとー、って言ってくれるかなあー?)

穂乃果(楽しみだなあー♪)

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん、おっはよー!」

海未「穂乃果…おはようございます」

ことり「おはよう穂乃果ちゃん!」

穂乃果「えへへー、おっはよー!」

海未「さ、行きましょうか」

穂乃果「え!?言ってくれないの!?」

海未「…!」

海未「…何の話です?」

ことり「う、海未ちゃん…」

穂乃果「ね、ねえ海未ちゃん!き、今日って何の日かなー??」

海未「しっ、知りません!それより早く行かないと遅刻しますよ!」

穂乃果「そんなあ…こ、ことりちゃん!」

ことり「ぴぃっ!?」

穂乃果「ことりちゃん、今日って何の日だと思うー??」

ことり「え、えと…それはもちろん、穂乃果ちゃんの――」

ピロリロリン♪

ことり(海未ちゃんからメール…)

【ことり?言ってはなりませんよ?】

海未「……」

ことり「ご、ごめんね穂乃果ちゃん!いこっ!」グイッ

穂乃果「こっ、ことりちゃんっ、引っ張らないでぇ!」

―――

穂乃果「……」ショボーン


ことり「…穂乃果ちゃん、落ち込んじゃってるよ…?」

海未「そ、そうですね…さすがに悪いことをしてしまいましたか…」

ことり「やっぱり、無理に内緒にすることないんじゃないかなあ?」

海未「μ'sのみんなでサプライズしたいから、放課後まで穂乃果の誕生日のことについては言及しないと…」

海未「昨日集まって決めたではないですか」

ことり「で、でも…」

海未「…それに、今回はμ's結成して以来初めての穂乃果の誕生日なんですよ?」

海未「いつもと違う、もっといいものにしたいじゃないですか…」

ことり「…海未ちゃん…」

ことり「だけど、穂乃果ちゃんあんなに楽しそうにしてたのに…」

海未「わかっています…確かに心苦しいですが、今は知らないふりをして貫きましょう」

海未「放課後になれば、全て済む話なんですから」

ことり「う、うん…」

―――

海未「穂乃果、次は移動教室ですよ?」

ことり「早く行かないと怒られちゃうよー?」

穂乃果「…いいもん、穂乃果怒られても」

海未「穂乃果!」

穂乃果「二人は知らなくても、今日は穂乃果にとって特別な日なんだもん!」

海未「うっ…」

ことり(心が痛いよぉ…)

海未「…い、いじけないでください、それとこれとは今は関係ないでしょう?」

穂乃果(二人には、一番に言ってもらいたかったのにぃ…)

穂乃果「ふん!そうだよ、どうせ二人にはわからないし、関係もないことだよ」

穂乃果「もう放っておいて!」

ことり「穂乃果ちゃぁん…」

海未「そういうわけにはいかないでしょう、ほら、行きますよー…!」グイグイ

穂乃果「んもう!やだってばぁ!」

海未「わがまま言わないでください!」

穂乃果「―――っ!」

ぱしっ

海未「…!穂乃果…っ」

ことり「穂乃果ちゃんっ!?」

穂乃果「…放っといてって言ってるじゃん…!」

穂乃果「μ'sのみんなは今年からの付き合いだからまだしも…っ」

穂乃果「海未ちゃんとことりちゃんは絶対覚えててくれるって思ってたのに!」

穂乃果「去年も一昨年も…朝来たらすぐおめでとうって言ってくれたのに!」

海未「ほ、穂乃果!違うんです、私たちは…!」

穂乃果「言い訳しないでよ…忘れてるなら忘れてるって、言ってくれていいんだよ」

穂乃果「…誕生日覚えててくれるくらい親友だって思ってたのは、どうせ穂乃果だけだったんだから!」

海未「穂乃果…あなた何てことを!私だって…私だってっ!」

ことり「海未ちゃんっ!」ガシッ

海未「離してください!私にだって意地があります!」

ことり「穂乃果ちゃんは悪くないの!」

海未「…っ…」

ことり「…私たちのせいだよ」

穂乃果「……」

海未「…ごめんなさい、穂乃果…」

ことり「穂乃果ちゃん、先に行くね…?」

海未「ことり、それは…!」

ことり「…行こう?海未ちゃん」

海未「……」


穂乃果「…海未ちゃんとことりちゃんのバカ…」

―――

穂乃果「……」トボトボ

真姫「…穂乃果?」

凛「ほ、穂乃果ちゃん」

花陽「どうかしたの?」

穂乃果「あ、真姫ちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃん…」

穂乃果「う、うっ、うぅ…!」

凛「…凛、嫌な予感がするにゃ」ヒソヒソ

真姫「私も…」ヒソヒソ

穂乃果「海未ちゃんと、ことりちゃんが…穂乃果の、誕生日…っ、忘れててー…」グスグス

まきりん(やっぱり…!)

花陽「ほ、穂乃果ちゃん、そんなに落ち込まなくても…」

穂乃果「うぅー…だって、だってぇー…!」

真姫「た、たまたま忘れてただけじゃない?」

穂乃果「だとしてもひどいよ!去年まではちゃんとお祝いしてくれたのに!」

凛「そ、そういうこともあるよ穂乃果ちゃん!ファイトだにゃ!」

穂乃果「ファイトだにゃじゃないよ!年に一回しかないのに、そんなこと許されないよ!」

真姫「え、えっと…そ、そうだ!放課後になったら何かあるかもしれないじゃない、ね?」

凛「真姫ちゃん!」ヒソヒソ

花陽「そ、それは内緒だよ!」ヒソヒソ

真姫「だ、大丈夫よ、『何か』としか言ってないんだから…!」

穂乃果「放課後じゃ遅いんだよ!朝一番に言ってほしかったのにー!」

凛(…思ってたよりわがままだったにゃー…)

花陽「で、でもそういうとき…私も凛ちゃんに一番にお祝いしてほしいし、気持ちはわかる…かな」

凛「かよちん…」

穂乃果「花陽ちゃん、それほんと!?」

花陽「うん!」

穂乃果「…じゃあせめて、代わりにお祝いの言葉のひとつでも欲しいなあ、なんて…」

花陽「あ、いや、えっと、それはその…」

凛「あー!そ、そろそろ授業始まっちゃうよ!?」

真姫「そ、そうね、そろそろ戻らないと!」

穂乃果「え…」


穂乃果「……」

穂乃果「…なんだよ、みんなして」

穂乃果「…おめでとうのひとつぐらい、いいじゃん…」





花陽「うぅー…ごめんね、穂乃果ちゃん…」

凛「心が痛むにゃー…」

真姫「…でも、私たちわざとらしすぎなかったかしら?あれでバレたりでもしたら…」

花陽「…それよりも、今はへこみすぎて考える余裕なさそうな気がする…」

凛「ごめんね穂乃果ちゃん…凛たちちゃんとプレゼント買ってきたから、許してほしいにゃー…」

―――

穂乃果「……」

絵里「あれ、穂乃果?どうしたのよそんなに落ち込んで」

穂乃果「…絵里ちゃ…!」

―――

穂乃果『…じゃあせめて、代わりにお祝いの言葉のひとつでも欲しいなあ、なんて…』

花陽『あ、いや、えっと、それはその…』

凛『あー!そ、そろそろ授業始まっちゃうよ!?』

真姫『そ、そうね、そろそろ戻らないと!』

―――

穂乃果「…なんでもない」

希「ホントにそうかなあ?カードはあまりよくないお告げを示してるみたいやけど?」

にこ「…確かに、なんか顔色も悪いわよ?具合悪いの?」

穂乃果「…ねえ、今日って何の日だと思う?」

にこ「えっ、そ、それは…」

希「うーん、ハチミツの日?ハサミの日?それともハモの日かなあ?」

穂乃果「……」

にこ「ちょっ、希!」

絵里「もう、希ったら…穂乃果の誕生日、でしょ?」

穂乃果「…絵里ちゃん…!」

にこ「え、絵里、それは内緒のはずじゃ…!」ヒソヒソ

絵里「…この様子じゃ、そうも言ってられないでしょ?」ヒソヒソ

絵里「穂乃果のことだから…きっと楽しみにしてたのよ、今日のこと」ヒソヒソ

絵里「…誰よりも、一番…ね」ヒソヒソ

絵里「だから、私たちが秘密にしてるせいで…多分、こんな風に…」ヒソヒソ

にこ「絵里…」

穂乃果「え、絵里ちゃん!お祝い…してくれるの!?」

絵里「もちろんよ、穂乃果」

絵里「ただし、あの二人と仲直りしたら…ね?」


ことうみ(!?)


穂乃果「えっ…」

にこ「…いつからいたの?あの子たち」

希「…さっきからとさかみたいな髪の毛があっちでぴょこぴょこ動いてると思ったら、ことりちゃんたちやったんやねえ」

穂乃果「やだよ…だって二人は…」

絵里「…私が覚えてるのに、二人が忘れてるはずないでしょ?」

穂乃果「でも…」

絵里「はあ…もう、しょうがないわね」グイグイ

穂乃果「ちょっ、押さないで、絵里ちゃっ…」


海未「……」

ことり「……」

穂乃果「……」

希「あ、いっけなーい!ウチ、昼休みの間にやらなきゃいけないことがあったんやったー!」

希「えりち、にこっち、手伝ってくれへん?」

絵里「ふふ、ええ、喜んで」

にこ「わっざとらしいわねー…」


穂乃果「ああ、絵里ちゃん…」

穂乃果「……」

海未「…穂乃果」

穂乃果「…なに」

ぎゅっ

海未「……」

穂乃果「ふぇ…う、海未ちゃ…!?」

海未「…ごめんなさい、あなたがそれほどまで思いつめているとは…知らなくて」

ことり「ことりも…海未ちゃんも花陽ちゃんも、凛ちゃんも真姫ちゃんも」

ことり「希ちゃんもにこちゃんも絵里ちゃんも」

ことり「みんな、ちゃんと覚えてるよ?今日が穂乃果ちゃんの誕生日だってこと」

穂乃果「えっ…で、でも、だって、さっきは…!」

海未「もう、穂乃果…鈍いのですね…」

ことり「穂乃果ちゃんを驚かせようと思って…みんな放課後まで誕生日のことは忘れてるふりしようって」

海未「そのほうが驚きが増すかと思いまして…悪気はなかったんです…」

穂乃果「なんだ、そうだったんだ…じゃあ、穂乃果がひとりで空回ってただけだったんだね…」

穂乃果「もう…覚えてるなら覚えてるってちゃんと言ってくれていいのに…」

穂乃果「忘れられてたらどうしようって、思って…そしたら、急に寂しくなって…」グスッ

海未「本当に忘れるわけないじゃないですか、何年一緒にいると思ってるんです」

ことり「穂乃果ちゃん…ごめんね?」

穂乃果「ううん…穂乃果も、二人を信じ切れてなかった」

穂乃果「そうだよね…幼馴染だもんね!」

海未「はい!」

ことり「放課後になったら、μ'sのみんなでお祝いするね!」

穂乃果「…うんっ!」

―放課後―

真姫「…穂乃果、大丈夫かしら」

凛「結構へこんでたにゃー…」

花陽「プレゼントだけで、ほんとに許してくれるかな…?」

希「だいじょぶやって、心配しすぎ」

にこ「絵里が抜け駆けしておめでとうって言っちゃったおかげでねー」

絵里「な、何よ!べつに悪いことはしてないでしょう!?」

ガチャッ

「「「!」」」

ことり「みんな、主役の登場だよっ!」

海未「いきますよっ、せーのっ!」

「「「「穂乃果!」」」」
「「「「穂乃果ちゃん!」」」」

「「「「「「「「誕生日おめでとう!!」」」」」」」」


穂乃果「えへへっ…みんな、ありがとっ!」ニコッ

―おしまい―

穂乃果ちゃん誕生日おめでとう
どうしても今日中に何か投下しよう、と思って作った突貫工事なので
出来が悪くて大変申し訳ございませんでした

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