あかり「風邪の誕生日」 (21)
あかり「今日は7月24日」
あかり「あかりの誕生日なんだけど…」
あかり「いたたた…」
あかり「あかり、風邪を引いちゃったよ…」
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あかり「熱はあるし、頭は痛いし」
あかり「しんどいし…」
あかり「」グスッ
あかり「こんなのないよぉ…」
あかり「こんなにしんどい誕生日は嫌だよ…」
あかり「お姉ちゃんはどうしても抜けられない講義があるため大学に行っちゃったし」
あかり「お母さんは帰りが遅いし…」
あかり「」グスッ
あかり「誰かあかりの側に来て…」ウルッ
あかり「あかりを慰めて…」ポロポロ
その頃
櫻子「よし、これでいいかな?」
花子「櫻子、何をやっているし」
櫻子「たまご粥を作ってたんだよ」
櫻子「友達が風邪で倒れたから、友達の家に行く前に試しに作ってたんだよ」
撫子「味は大丈夫なのか?」
櫻子「じゃあ、姉ちゃん、味見してよ」
撫子「うん、美味しい」
花子「美味しいし」
櫻子「」ドヤッ
撫子「(またドヤ顔して)」
花子「(これさえ無ければ完璧なのに)」
少し経って
あかり「暇だよぉ…」
あかり「眠れないし、起きててもしんどいし、誰かあかりのそばに来てよぉ…」
あかり「誰か…」
ピンポーン
「あかりちゃん、いるーーー」
あかり「櫻子ちゃん!」
櫻子「あかりちゃん、大丈夫?」
あかり「あかりは大丈夫だよ…」
あかり「だけど、頭が痛くて、体がしんどくて…」
あかり「いたたたた…」
櫻子「あかりちゃん!」
あかり「櫻子ちゃんはあかりが風邪を引いた事、何で知ってるの?」
櫻子「あかりちゃんのお姉さんから電話を貰ったんだよ」
櫻子「「あかりが風邪を引いたからそばにいて欲しい」と」
あかり「お姉ちゃん…」
グー
櫻子「もしかしてあかりちゃん、何も食べてないの?」
あかり「うん… あかり、食欲が無くて…」
櫻子「じゃあ、たまご粥作るよ」
あかり「櫻子ちゃん、たまご粥作れるの?」
櫻子「さっき、家で試しに作ったらみんな美味しいと言ってくれたよ」
櫻子「台所借りるね」
あかり「櫻子ちゃん…」グスッ
櫻子「出来たよ!」
櫻子「はい、あかりちゃん」
パクッ
あかり「…」モグモク
あかり「…」゙
あかり「…」ポロポロ
櫻子「あ、あかりちゃん、ご、ゴメン!そんなに不味かった?」
あかり「ううん、違うよ。櫻子ちゃんが作ったたまご粥、凄く美味しいよ」
櫻子「じゃあ、何で泣いているの?」
あかり「あかり…」
「櫻子ちゃんの優しさに感動しちゃったの」
「櫻子ちゃんが作ったたまご粥の優しい味に感動しちゃったの」
あかり「あかり、誕生日がこんなんだったから…」ポロポロ
ギュッ
櫻子「泣かないで、あかりちゃん」
櫻子「今日はずっとあかりちゃんのそばにいるよ」
櫻子「あかりちゃんの看病をするよ」
あかり「櫻子ちゃん…」
あかり「ごちそうさま」
あかり「たまご粥、凄く美味しかったよ」
櫻子「ありがとう」
櫻子「はい、替えのタオル」
あかり「ありがとう」
櫻子「具合、良くなって来た?」
あかり「うん、少しだけど良くなったよ」
「櫻子ちゃんのおかげだよ」
夜になって
あかね「ただいま~」
櫻子「あかりちゃんのお姉さん、おかえりなさい」
あかね「あかりの具合はどう?」
櫻子「はいっ、少し具合が良くなったみたいで今寝ています」
あかね「そう、それは良かった」
櫻子「何かいい顔して寝ていますね」
あかね「櫻子ちゃんのおかげよ」
あかね「櫻子ちゃんが看病してあかりの不安を取り除いてくれたから、いい顔するようになったのよ」
櫻子「私のおかげか~」
あかね「ありがとう、櫻子ちゃん」
あかね「もう夜になったから、あとは私に任せて家に帰りなさい」
櫻子「はいっ」
櫻子「でも、その前にこれをあかりちゃんに渡してください」
あかね「これは?」
櫻子「あかりちゃんの誕生日プレゼントです」
櫻子「あかりちゃんが前から欲しがっていた洋服です」
あかね「わざわざ高い物を…」
櫻子「姉ちゃんが洋服屋のクーポン券をくれたので安く買えました」
あかね「姉ちゃんって撫子ちゃん?」
櫻子「姉ちゃんの事を知っているのですか?」
あかね「七森中、七森高の後輩で中学時代は私と同じ生徒会の一員だったの」
あかね「櫻子ちゃん、お姉さんにも「ありがとう」と言ってください」
櫻子「はいっ!」
櫻子「じゃあ、そろそろ帰ります」
あかね「今日はあかりのためにありがとう」
櫻子「帰る前にあかりちゃんに一言言いたい事があるのでいいですか?」
あかね「いいわよ」
櫻子「あかりちゃん…」
「お誕生日おめでとう」
おしまい
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