なぎさ「ふと思い出したのですけど」
ほむら「ええ」
なぎさ「ほむほむは私に酷いコトしたと思うのです」
なぎさ「拉致ったり首を絞めたり、小学生にやっていいことじゃないのです」
ほむら「そういえばそうね……貴女は私を助けにきてくれただけだったのにね」
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ほむら「今更だけど罪の意識が芽生えたわ」
なぎさ「なら誠意を示して欲しいのです! なぎさは謝罪とお詫びの品を要求するのです!」
ほむら「分かったわ、何か欲しい物はあるかしら」
なぎさ「そんなの決まってるのです、なぎさの大好きなアレなのです!」
ほむら「任せて、アレね」
◇
ほむら「そんなわけだから買って来たわ」
なぎさ「わあい♪ 待ってたのです」
ほむら「ほらこれ。あげるわ」
なぎさ「あっ! この芳しい香りは……!」
ほむら「ええ、貴女の大好きな地図よ」
なぎさ「やったあ! 100年前の見滝原の古地図なのです!」
なぎさ「経年劣化による染みや黴臭さが歴史の重みを伝えてくれるのです!」
なぎさ「……って違うのです!! なぎさが好きなのはこれじゃないのです!」
ほむら「あら、違ったかしら」
なぎさ「全然違うのです! いえちょっと惜しかったですけど!」
なぎさ「名前は似てるけど、なぎさが欲しいのは食べ物なのです!」
ほむら「そう……ごめんなさい、間違っちゃったわ」
ほむら「今度ちゃんと持ってきてあげるから許して頂戴?」
なぎさ「分かったのです。許してあげるのです」
◇
ほむら「そんなわけだから改めてお詫びを買ってきたわ」
なぎさ「わあい♪ 待ってたのです」
ほむら「ほらこれ、あげるわ」
なぎさ「あっ! この香ばしい匂いは……!」
ほむら「ええ、貴女の大好きなちんすこうよ」
なぎさ「やったあ! 沖縄名産ちんすこうなのです!」
なぎさ「ビスケットのような食感と控えめな甘さがアイスクリームのトッピングにも最適なのです!」
なぎさ「……って違うのです!! なぎさが好きなのはこれじゃないのです!」
ほむら「あら、違ったかしら」
なぎさ「全然違うのです! 前回より遠ざかったのです!」
なぎさ「なぎさが好きなのはアレなのですよ! 黄色くて、頭にチがつくアレなのです!」
ほむら「黄色くて、頭にチがつく……なるほど、アレね」
ほむら「ごめんなさい、少し勘違いしていたみたい」
ほむら「今度ちゃんと持ってきてあげるから許して頂戴?」
なぎさ「分かったのです。許してあげるのです」
ほむら「ところでちんすこうを略してみてくれないかしら?」
なぎさ「ちんすこう……ちんすこ?」
ほむら「もう一度」
なぎさ「チンスコ?」
ほむら「……ふふ」
なぎさ「あっ! な、なんなのですかその笑みは!」
◇
ほむら「そんなわけだから買って来たわ」
なぎさ「わあい♪ 待ってたのです」
ほむら「ほらこれ。あげるわ」
なぎさ「あっ! この芳しい香りは……!」
ほむら「ええ、貴女の大好きなチアガールよ」
マミ「頑張れ頑張れな、ぎ、さ♪」
なぎさ「やったあ! チアガールコスのマミなのです!」
なぎさ「セクシーさと愛らしさが共存した奇跡のコラボレーションなのです!」
なぎさ「……って違うのです!! なぎさが好きなのはこれじゃないのです!」
マミ「えっ」
ほむら「あら、違ったかしら」
なぎさ「ますます遠ざかったのです! こんなのなぎさは食べないのです!」
ほむら「ごめんなさい、貴女なら丸かじりするかと思って」
なぎさ「しないのです! なぎさはそんなクリーチャーじゃないのです!」
マミ「……なぎさちゃんに喜んで貰えなかったわ……しょんぼり」
ほむら「ごめんなさい、私の勘違いだったみたいで……」
ほむら「これ、つまらないものだけどお礼よ」
マミ「まあ! リチャード・ジノリのティーカップじゃない!」
マミ「ありがとう、うふふ!」
なぎさ「…………」
マミ「あ、今度なぎさちゃんにもこれでお茶を淹れてあげるわね?」
なぎさ「……はいなのです」
ほむら「ええっと、それで、貴女が欲しいものについてだけれど」
なぎさ「なぎさが欲しいのはアレなのです!」
なぎさ「頭にチがつくアレなのです! どっちかと言うと甘いやつが良いのです!」
ほむら「頭にチがつく、甘い……なるほど、アレね」
ほむら「ごめんなさい、少し勘違いしていたみたい」
ほむら「今度ちゃんと持ってきてあげるから許して頂戴?」
なぎさ「分かったのです。許してあげるのです」
◇
ほむら「そんなわけだから持って来たわ」
なぎさ「……頭にチがつく甘いアレなのですよ? 分かってるのですよね?」
ほむら「勿論よ。ほらこれ、あげるわ」
なぎさ「あっ! この甘い香りは……!」
ほむら「ええ、貴女の大好きなチューを集めた写真集よ」
なぎさ「やったあ! ほむほむとまどかがチューしてるシーンをコレクションした写真集なのです!」
なぎさ「衣装や場面の差分も豊富なチュー好きには堪らないチュー好きのための逸品なのです!」
まどか「は、恥ずかしいよほむらちゃん……///」
ほむら「ふふ、可愛いわまどか」
なぎさ「あまーいのです!」
なぎさ「……って違うのです!! なぎさが好きなのはこれじゃないのです!」
ほむら「あら、違ったかしら」
なぎさ「ぜんぜん違うのです! もはや原型を留めてないのです!」
なぎさ「そもそも食べ物っていう条件がどっかいっちゃってるのです!」
まどか「どちらかと言うと、私がほむらちゃんに食べられちゃってるよね……えへへ」///
ほむら「ふふ、今ここでまた食べてあげましょうかしら?」
なぎさ「余所でやって欲しいのです!!」
ほむら「ええっと、それで、貴女が欲しいものについてだけれど」
なぎさ「もー面倒くさいから答えを言っちゃうのです」
なぎさ「なぎさが欲しいのはチーズなのですよ」
ほむら「そう……ごめんなさい、間違っちゃったわ」
ほむら「今度ちゃんと持ってきてあげるから許して頂戴?」
なぎさ「分かったのです。許してあげるのです」
◇
ほむら「そんなわけだからお詫びを買ってきたわ」
なぎさ「今度こそチーズなのですよね?」
ほむら「勿論よ、はい」
なぎさ「あっ! この香ばしい匂いは……!」
ほむら「ジャムおじさんのとこから買ってきた名犬チーズよ」
チーズ「アンアン!」
なぎさ「わあ! 可愛いのです!」
なぎさ「二足歩行も器用にこなしてメカの操縦も出来るなんてまさに名犬なのです!」
なぎさ「……って違うのです!! なぎさが好きなチーズはこれじゃないのです!」
ほむら「あら、違ったかしら」
なぎさ「なんでわざわざ名犬にしちゃったのですか! 普通のチーズで良かったのですよ!」
ほむら「だってチーズって種類が沢山あってよくわからなくて……」
なぎさ「だからなんでわざわざ名犬にしちゃったのですか!!」
チーズ「アンアン!」
なぎさ「というかこの子、何処から連れてきたのですか……」
チーズ「なー、アタシもう帰って良いか?」
なぎさ「!?」
ほむら「ああ、ごめんなさい杏子。わざわざありがとうね」
チーズ「おう、今度ラーメン奢ってくれよな」
ほむら「任せて。貴女の好きな味噌豚骨チャーシュー大盛りね」
チーズ「おっ、分かってんじゃんほむら!」
ほむら「私と貴女の仲ですもの。嫌でも覚えるわ」
チーズ「ははっ、そーかそーか」
なぎさ「…………」
チーズ「……なぎさも今度一緒に食べに行こうな!」
なぎさ「はいなのです……」
なぎさ「……ぐすん、酷いのですほむら。なぎさにだけ意地悪してるのです」
ほむら「ごめんなさい、悪気はないのよ」
ほむら「ただ間違っちゃっただけで……」
ほむら「今度ちゃんと持ってきてあげるから許して頂戴?」
なぎさ「分かったのです……許してあげるのです……」
◇
ほむら「そんなわけだからお詫びを買ってき……」
さやか「ちょっとあんた、最近なぎさのこと虐めてるそうじゃないの」
ほむら「えっ?」
さやか「なぎさがチーズを食べたがってるのを分かってて意地悪してるって聞いたよ」
さやか「なんでそんな性格悪いことすんのさ?」
ほむら「…………」
ほむら「……貴女だって知ってるでしょう?」
ほむら「あの子はもう、チーズが食べられない身体なんだって……」
ほむら「大好きなチーズが食べられない。それがどんなに辛いことか、私には少しだけ分かるの」
ほむら「……私もずっと入院生活を続けてきたんですもの」
ほむら「ベッドに縛り付けられて、食べる物の自由すらないのってとっても悲しいことなのよ?」
ほむら「だから……だから、私はおふざけを繰り返してたの」
ほむら「みんなに協力してもらってまで、ね」
ほむら「私は……あの子の絶望が、少しでも、ほんの少しの間だけでも忘れられるようにしてあげたかっただけよ……」
さやか「ほむら……」
なぎさ「あの……なぎさは盲腸の手術後だから食事制限されてるってだけなのですけど……」
ほむら「ええ」
◇
まどか「なぎさちゃん、退院おめでとう!」
マミ「おめでとうなぎさちゃん!」
なぎさ「ありがとうなのです!」
杏子「よかったなー、これでついにチーズも食べられるってわけだ」
なぎさ「はい! 辛い生活もこれにて完結なのです!」
さやか「うんうん、良かったねぇ」
杏子「これでよーやくアタシ等もチーズ解禁だな!」
なぎさ「ふぇっ? どういうことなのですか?」
マミ「暁美さんの提案でね? なぎさちゃんが退院するまで、私たちもチーズ禁止してたのよ」
まどか「あっ、ダメだよ杏子ちゃん、マミさん! それは秘密にして、ってほむらちゃんが」
マミ「っと……そうだったわね」
杏子「悪い悪い、つい」
なぎさ「そうだったのですか、ほむらがそんなことを」
なぎさ「ふふ、ほむほむってば……」
ほむら「お待たせみんな、買ってきたわよ」
なぎさ「あ! お帰りなさいほむほむ!」
なぎさ「今度こそ、なぎさの大好きなアレなのですよね?」
なぎさ「黄色くて、濃厚で、甘々な、アレなのですよね?」
ほむら「勿論よ、はい」
なぎさ「あっ! この香ばしい匂いは……!」
ほむら「ええ、貴女の大好きな────」
おしまい。
昔QB主役で同じようなSSあったな
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イ ヽノノ / / // ヽ ヽ
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ヽ Vハ / ィ.:.:下 不::.ヽ } ハ|
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} ノ レイ ハ ´ ̄` l l '. (
r── ミミヽ//// | l V }ミヽ __ ノ
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あの尋問すごかったからナー