エレン「2人の相性グラフ?」(772)
この話は
エレン「恋愛能力診断?」
エレン「魅力度診断?」
エレン「2人が恋人になれる確率メーカー?」
エレン「みんなの本音聞いてみた?」
エレン「巨人を見てる時の脳内メーカー?」
の続きです。
前回も今回も、単行本10巻までの情報で書いているので、ネタバレ苦手な方はご注意ください。
キース「ふむ……新しく見つけた機能は二者間の相性の測定か。」
アルミン「はい!」
キース「……極度に偏った思い入れは、全体の歩調を乱す事にもなりかねん。」
キース「今回の機能で、訓練生に実験を行う必要は無いと判断する。」
アルミン「了解いたしました!」
キース「引き続き、機械の解析を続けるように。」
アルミン「ハッ! 失礼します!」
エレン「あ、お帰りアルミン。教官の反応はどうだった?」 モグモグ
アルミン「今回は何もしなくていいんだって。あー、良かった……これで今日の休みは平穏に過ごせる!」
エレン「ちぇー、また特別評価訓練するかと思ったのになぁ。」 モグモグ
アルミン「“極度に偏った思い入れは、全体の歩調を乱す可能性がある”ってさ。」
エレン「なるほどなー、ミカサがいつも俺についてくるみたいなもんか……」
ジャン「てめぇ……そりゃあ俺に対するあてつけか!?」
エレン「いたのか、ジャン。せっかくの休みなのに、出かけないのか?」 モグモグ …ゴクン
ジャン「これから朝飯食って出かけるつもりだ……って、そんな事はどうでも良いんだよ!」
ジャン「ミカサがついて来てくれるのが、そんなに不満か!? だったら俺に譲れよ、うらやましい!」 ガシッ!
アルミン「もう、朝からやめなよ。そんなにエレンの服を破りたいの?」
エレン「え……そうだったのか、ジャン……そういうの、やめてくれよ……」 ビクッ…
ジャン「んな訳ねぇだろ! アルミンの皮肉を真に受けてんじゃねぇ!」
アルミン「ジャンの気持ちもわかるけど、少しは仲良くしなよ。ミカサが絡まなきゃ、そんなに相性悪くないと思うんだけど……」
ジャン「ああ? 俺とこいつが相性いい訳ねぇだろ……“死にたがり野郎”と一緒にすんな。」
エレン「こっちだって“敗北主義者”なんかお断りだ。さっさと内地にでも行っちまえよ。」
ジャン「んだと、この野郎!?」 ガシッ!
エレン「めんどくせぇ……!」 ガシッ!
アルミン「ちょっと、やめなってば!」
アルミン(マズいな……今回はエレンも頭に血が上っちゃってるよ……)
アルミン(ミカサやいつもの面子がいないから、いつ殴り合いになってもおかしくない……!)
アルミン(何かエレンの気を逸らす方法は……――あ、そうだッ!) ハッ!
エレン「わかった、それじゃあ機械で測定しよう。二人がどれだけ相性が悪いか、実際に確かめてみようよ。」
ジャン「……何ぃ?」
エレン「そうだ! そうしようぜ、アルミン!」 パァァァァ
アルミン「実はまた新しい機能を見つけたんだ。内容は――――」 カクカクシカジカ
ジャン「“2人の相性グラフ”だぁ……?」
アルミン「うん。二人の名前を入力して、各項目ごとの相性を測定するんだ。」
<ピクッ…!
<ピクッ…!
<ピクッ…!
<ピクッ…!
ジャン「おもしれぇ……ここらでハッキリさせようじゃねぇか。」
エレン「ああ……そうすりゃ、気兼ねなくお前をぶん殴れるからな。」
アルミン「それじゃあ、機械を取ってくるから、大人しく待っててよ。」
ジャン「当然だ。先に始めちまったら、もったいないってもんだ……!」
エレン「測定が終わったらすぐに再開してやるから、覚悟しとけよ……!」
アルミン(機械が大好きなエレンの習性をうまく利用出来たけど……この後どうしよう……)
アルミン(時間を置く事で頭を冷やしてくれたら良いんだけど……) タッタッタッタッタッ
アルミン「二人とも、お待たせ――――」
ミカサ「お帰り、アルミン。」
ライナー「おう、気にするな。」
ベルトルト「そんなに待ってないよ。」
アニ「…………」 ハァ…
ユミル「待ってたぞ、アルミン。」
クリスタ「お疲れ様、アルミン。クッキーと紅茶は準備できてるよ。」
アルミン「――って、うわぁ!?」 ビクゥッ!
アルミン「なんで!? さっきまで誰もいなかったよね!?」
ジャン「いや、何か知らねぇが……急に集まってきやがった……」
エレン(クッキー美味しい……)サクサクサク…
ユミル「それにしても……水臭いじゃねぇか、アルミンさんよぉ……」
ユミル「今まで散々私達にヘタを掴ませといて、一番美味しい所を隠すなんてのは無しだぜ……?」 ニヤリ
ライナー「……まったくだ。」 フゥ…
ベルトルト「……傷ついたよ、アルミン。」 フゥ…
アニ(なんで私まで……ライナーとベルトルトめ、何が『緊急事態』だ……適当な事を……) ハァ…
ミカサ「……きっと言い出す機会が無かっただけ。そうでしょう、アルミン?」
クリスタ「そうだよね、アルミン。隠したりなんか、してないよね?」
アルミン(なんてこった……みんなには嗅ぎつけられないようにするつもりだったのに……!)
アルミン(食堂に姿が無かったから油断した……成績上位者の嗅覚を甘く見てた……!)
アルミン「い、いや……ほら、多分あんまり正確じゃないと思うから、期待しない方が良いと思って、ね?」
アルミン(だって、教えたらまた修羅場になるだろ!? 今までの展開を思い出してよ!?)
ミカサ「大丈夫、私はアルミンを信じる。」
アルミン(今まで、一番酷かったのは君だよね!? その自信はどこから!? それと、僕を信じても意味無いからね!?)
ライナー「アニがどうしてもって言うから、俺達もついでにな。」
ベルトルト「そうそう。アニだけ測定するんじゃ、恥ずかしいだろうと思ってさ。」
アニ(紅茶とクッキーが無かったら、とっくに帰ってるんだけど……) ハァ…
アルミン(それ、どう見ても逆だよね!? アニもアニで、意外と付き合い良いんだ!?)
ユミル「何を考えてるかはだいたいわかるが……往生際が悪いぜ、アルミン?」
クリスタ「みんなで楽しくやれば、きっと大丈夫だよ!」
アルミン(今まで、そう思って修羅場の数々を築き上げてきたんだよね!?)
エレン「ちょっと待ってくれよ、みんな! 先に約束してたんだから、俺とジャンからだぞ!」
ジャン「そ、そうだ! 正直、もうどうでも良くなりつつあるが……一応ハッキリさせとかねぇとな!」
ジャン(なんだこいつらの空気……また何かヤベェ事に巻き込まれるんじゃねぇだろうな!?) ゾゾゾ
アルミン(そ、そうだ! ジャンとエレンの結果が明らかにおかしければ、測定の価値もなくなる!) ハッ!
アルミン(こうなったら、それに賭けるしかない!)
アルミン「じゃあ、『エレン』と『ジャン』で測定するね……」 カタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a8%e3%83%ac%e3%83%b3/%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3
【エレンとジャンの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 2
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 2
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 5
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 5
エレン「なんだよ、これ!?」
ジャン「ふざけんな! こんな結果、ありえねぇだろうが!」
アルミン(よしッ! 思った以上に相性が良い。僕は納得だが、二人は絶対に納得しない!)
エレン「こんなの何かの間違いだ! 来いよ、ジャン。さっきの続きだ!」
ジャン「望む所だ! これが間違いだって事を証明してやるよ!」
アルミン(これで二人が喧嘩をする事で、機械の信頼性はなくなる。よって、皆の測定をする必要もない!)
アルミン「みんな……残念だけど、今回の測定はあてにならないみたいだ。という訳で、今日はもうお開きに――――」
ミカサ「……」 チラッ
ライナー「……」 コクリ
ベルトルト「……」 コクリ
ユミル「……」 コクリ
アニ(勝手にしなよ……)プイッ
アルミン(え、今のアイコンタクトは何?)
ミカサ「エレン、駄目。」 ヒョイ
エレン「ミ、ミカサ!? 邪魔するなよ!」 ジタバタ
ライナー「おいおい、何してるんだ、ジャン。」 ガシッ!
ベルトルト「喧嘩は駄目だよ、君達は友達じゃないか。」 ガシッ!
ユミル「まあ、“喧嘩するほど仲が良い”って言うしなぁ?」 グニッ
ジャン「何しやがる、てめぇら!? つーか、踏んでんじゃねぇぞ、ユミル!」
アルミン(――ま、まさか、これは……!) ハッ!
ミカサ「エレンとジャンは友達……」 グググ
エレン「はぁ!? いきなり何を訳のわからない事を――――!」
ミカサ「友達。」 グググ…!
エレン「ぐえっ……! ミカサ、もう少し緩めて……息が……!?」
ライナー「何でも相談しあえる仲なんだよな。良い友達じゃないか。」 グググ
ベルトルト「なんなら、二人で一緒に商会を立ちあげてみるのも良いんじゃないかな。きっと上手くいくよ。」 ググググ
ユミル「大人の関係か……まぁ、私もクリスタを愛してるしな。別に良いんじゃないか? 結婚しろよ。」
ジャン「はぁ!? お前ら脳みそが腐ったのか!? 特にユミル! そんな訳が――――」
ライナー「まあまあ。」 グググ…!
ベルトルト「良いから。」 グググ…!
ユミル「間違ってないよな?」 グニッ
ジャン「よせ、お前らいったい何を考えてやがる……!? それと、さり気に人の足踏みつけてんじゃねぇぞ、ユミル!」
アルミン(やっぱりそうだ! 現実を無理矢理測定結果にあわせる事で、測定の意義を維持するつもりなんだ!)
アルミン(そこまでして目当ての相手と相性診断をしたいのか……! って、もし良くない結果が出たらどうするんだよ!?)
アルミン(――ッ! そうか、ジャンとエレンでもこの結果なんだ……普段から仲良くしてる相手なら、もっと良い結果の筈……!)
アルミン「そ、それじゃあ二人は友達って事だね! みんな、それで良いよね!?」
エレン「ちが……う……ッ」 ミシミシ…
ミカサ(エレンを力いっぱい抱きしめる。これはこれで幸せ……) グググ…!
ジャン「おれ、は……みとめ、ねぇ……ぞ……」
ライナー「そうか、ジャンも認めるか。」 グググ…!
ベルトルト「ジャンは根は素直だからね。」 グググ…!
ユミル「褒美にクリスタのクッキーを食って良いぞ。」
アルミン「そ、それじゃあ、次に進もうか! って事で、二人を解放してね!?」
アルミン(表向きは反目しあってる二人でもこれだけ良かったんだ……)
アルミン(もしかしたら、みんな笑って終われるかもしれない……いや、そう信じるしかない!)
エレン「なんだよ、ミカサのやつ邪魔しやがって……」
ジャン「てめぇ、ミカサに抱きしめられて何が不満だ! 俺なんか三人がかりだぞ!?」
クリスタ「もう……二人とも、喧嘩は駄目だよ。はい、クッキーどうぞ。」
エレン(クッキー美味いし、もうどうでも良いや……)サクサクサク
ジャン(納得いかねぇが、クッキー美味い……やっぱり女神か……)サクサクサク
アニ(紅茶が良い香りだ……今度淹れ方を教えてもらおうかな……) スゥ
ミカサ「二人も落ち着いたようだし……アルミン、続きを。」
アルミン「それは良いけど……どうやって進めるの? 人数も多いし、ちゃんとルールを決めといた方が良いと思うんだけど。」
ライナー「言われてみればそうだな……なら、順番でも決めるか。」
ベルトルト「そうだね……で、平等に一人あたり二回の測定でどうかな。」
ユミル「いや、ちょっと待て、わざわざクッキーと紅茶も用意したんだ。クリスタに何か無いのか?」
クリスタ「い、いいよ……私が勝手にやってる事なのに……」
ミカサ「……ユミルの言う通り。なら、クリスタは皆の倍の四回にしてはどうだろう。」
アニ(ま、腐れ縁だし……ライナーとベルトルトの測定くらいはしておこうかな……)
ライナー「うむ。それぐらいならそこまで時間もかからないだろう。」
ベルトルト「じゃあ、そういう事で。順番を決めるのはクジで良いかい?」
ユミル「ああ、それでいこう。だが、クジを引くのを待つ間がヒマだな。」
クリスタ「なら、アルミンが一番でどうかな? いつも無理を聞いてもらってるし、せめてこれくらいは……」
ミカサ「いいと思う。」
ライナー「ああ、俺も賛成だ。」
ベルトルト「僕もだよ。」
ユミル「よし、ならアルミン、さっそく出してみてくれよ。」
アルミン「う、うん……それじゃあ僕からだね……」
アルミン(測定できるのは二回か……うん、一回目はもう決めてたんだ……) カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%83%9f%e3%83%b3/%e3%82%a8%e3%83%ac%e3%83%b3
【アルミンとエレンの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 5
友達 ――――――――――― 2
同僚 ――――――――――― 3
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 3
アルミン「え!? そんな、どうして……!」
ライナー「言っちゃなんだが……友達が低いな……」
ベルトルト「でも、恋人は5だよ。」
ミカサ「…………ッ」ガタッ
アルミン「お、落ち着いてよ、ミカサ! こんなの絶対おかしいよ!」
クリスタ(あれ、同性で恋人とか夫婦ってどう判断すれば良いんだろう?)
ジャン「おいおい、いつもベタベタつるんでるくせに友達じゃなかったのかよ……」
エレン「まあ、確かに俺とアルミンは友達じゃないかもな。」
アルミン「エレン!? 君までそんな事を言うの!?」
エレン「いや、だってさ……俺達は親友だろ? ライナー達は友達だけど、アルミンはやっぱり親友だよ。」
ライナー「はは、言ってくれるな。」
ベルトルト「でも、実際アルミンと僕達とじゃ、付き合いの長さが違うしね。仕方ないよ。」
アニ「……友達は“友達”、恋人は“深い付き合い”、夫婦は“人生を共にできる”か。くらいで考えれば良いんじゃない?」
ミカサ「そういう事なら……確かに、エレンとアルミンは親友だ。友達とは違うと思う。」
アルミン(ナイスフォローだよ。ありがとう、アニ!) ホッ
クリスタ「うん。アニの基準で考えるなら、同性の人でも問題なく測定できるね。」
ライナー「相談相手が5、ってのはそのまんまだな。」フッ
ベルトルト「僕達も色々とお世話になってるしね。」ハハハ
クリスタ「あれ? ライバルも5だけど、アルミンとエレンが競う部分てあったかな。」
エレン「相談もその通りだし、俺はアルミンはライバルだと思ってる。」
アルミン「エレン……?」
エレン「アルミン、お前が教えてくれたんだ。壁の外にどんな世界が広がっているか。」
エレン「世界の大半を覆う“海”、それ以外にも“炎の水”、“氷の大地”、“砂の雪原”……」
ユミル「……………………」
エレン「巨人どもを駆逐して、俺達は外の世界を探検するんだ。どれだけ時間がかかっても、絶対に……!」
ジャン「……なんでそこまでして、外の世界に出たがる。これだけ人類が巨人に食われて……それでも外に出たいのかよ。」
エレン「……俺達は皆、生まれた時から自由だ。それを拒む者がどれだけ強くても関係ない。」
ライナー「……………………」
エレン「どれだけ世界が恐ろしくても関係ない。どれだけ世界が残酷でも関係ない。」
ベルトルト「……………………」
エレン「“炎の水”でも“氷の大地”でも……それを見た者は、この世界で一番の自由を手に入れた者だ。」
アニ「……………………」
エレン「巨人を駆逐して、奪われた自由を取り戻す……そのためなら、命なんか惜しくない!」
アルミン(エレン、君は……!) ジワッ…
エレン「だから、アルミン。その時が来たら……どっちがより多く外の世界を見る事が出来るか、勝負だ!」ニッ
アルミン「うん……うん、そうだね! 僕達はライバルだ!」
ミカサ「エレンが巨人と戦うなら、私もそうしよう……二人が外の世界を探検するなら、私もそうしよう……」
アルミン「ああ、そうさ! もちろんミカサだって一緒さ!」
エレン「へっ、どうせ言っても聞かないんだろ? 勝手にしろよ。」 プイッ
ミカサ「……うん、そうする。」 ニコッ
クリスタ(やっぱり……この三人の絆は、他の人とは違うんだ。ちょっと羨ましいな……)
ジャン(くそ……俺は間違っちゃいねぇ……間違っちゃいねんだ……!)
ジャン(だってのに、何なんだこの惨めな気分は……畜生……!)
ユミル「……じゃ、そろそろ次に行ってくれよ。クジも準備出来た事だしな。」
アルミン「う、うん……後一回なんだよね……」
アルミン(ここはやっぱり、クリスタとの相性が知りたい……エレンが盛り上げてくれたし、誰を選んでもからかうような空気じゃない……)
アルミン(……でも、ああ……くそ、それでも……僕は……) カタカタカタカタ ポチッ
ライナー(まあ、ここは無難にクリスタだろ……)
ベルトルト(だよね……)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%83%9f%e3%83%b3/%e3%83%9f%e3%82%ab%e3%82%b5
【アルミンとミカサの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 3
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 5
相談相手 ――――――――― 3
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 2
ライナー「なんだと……ッ!?」
ベルトルト「アルミン!?」
アルミン「……やっぱり、三人一緒じゃないとね。」
ミカサ「アルミン、ありがとう……」
アニ「恋人が3に友達と同僚が5か……なかなか合ってるかもね。」
ミカサ「ええ、アルミンは私の大切な友達。エレンとアルミンが一緒にいるなら、当然私も一緒にいる。」
ジャン「夫婦は2か……まあ、そりゃそうだよな。」
ジャン(俺が夫になるんだからな……!)
エレン(なんだ、アルミンとミカサはくっつかないって事か。ちょっと残念だな、アルミンにならミカサを安心して任せられるのに。)
ミカサ「それは、確かに……ごめんなさい、アルミン。」
ミカサ(夫婦は家族……エレンと私は家族……つまり、私とエレンは夫婦も同然という事……)
アルミン「い、良いんだよ、ミカサ!」
ライナー「しかし、またライバルが5か。ミカサとアルミンじゃ、勝負にならないだろ……」
ベルトルト「流石にアルミンとミカサが競合する部分は無いんじゃないかな。」
ユミル「エレンの事じゃねぇか?」
アルミン「――ッ!?」
クリスタ「ああ、なるほど……アルミンかわいいもんね。」
アルミン「――ッッ!?」
ライナー「そういう事なら、アルミンがかなり差をつけてるな。」
ベルトルト「うん、二人ならお似合いだと思う。良いんじゃないかな。」
ジャン「アルミン、遠慮すんな……エレンとくっついちまえよ。」
ジャン(そうすりゃミカサの周りにいる男は俺一人だ!)
アルミン「三人とも、何言ってるの!?」
ミカサ「…………」
アルミン「ち、違うからね、ミカサ! って、なんで顔面蒼白なの!?」
ミカサ「どうしよう……言われてみれば、エレンはいつもアルミンと一緒だ……」
ミカサ「エレンは、困った事があっても私には相談してくれない。いつもアルミンに相談している……」
ミカサ「二人が遊んでいるのについて行くばかりで、私がエレンに遊びに誘われる事は滅多に無かった……」
ミカサ「そう考えるとさっきの恋人5というのも、“そういう意味”なのかもしれない……」
ミカサ「あくまで“家族”としか見られていない私では……勝てない……」ガクッ
アルミン「いや、なんでミカサは勝手に負けを認めちゃってるの!? そもそも勝負自体発生してないからね!?」
ミカサ(そうだ……この世界は……残酷なんだ――――)
ライナー「……いや、冗談のつもりだったんだが。」
ベルトルト「……洒落にならなかったみたいだね。」
アニ「あんたら、冗談なら冗談に聞こえるネタにしときなよ……」
ミカサ(――残酷だから……戦わなければ、勝てない……!) カッ!
ミカサ「たとえアルミンが相手でも、エレンは渡さない……!」
アルミン「やめてよ、ミカサ! それじゃあまるで、僕がエレンを取ろうしてるみたいじゃないか!?」
ユミル「で、実際のとこ、エレンはどうなんだよ。お前はアルミンとなら付き合っても良いのか?」
エレン「え? やだよ。アルミン男だし。」
クリスタ「だよねぇ……」 アハハ…
ユミル「じゃあアルミンのはこれくらいで良いだろ。クジを引いて次に行こうぜ。」
ジャン(そうだ……エレンとの相性なんざどうでも良い。大事なのは、俺とミカサの相性だ!)
――――クジ引きの結果
1.アニ
2.ユミル
3.ジャン
4.クリスタ
5.ミカサ
6.ベルトルト
7.ライナー
8.エレン
アルミン「それじゃあ、一番目はアニだね。誰の相性を測定する?」
アニ(別に興味ないし……バカ二人で良いか。)
アニ「なら、私とライナー、私とベルトルトで出してよ。」
ライナー「なんだ、面白味の無い選択だな。」
ベルトルト「まあ、アニだしね……」
アルミン「まずはアニとライナーだね……これでよし、と……」 カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a2%e3%83%8b/%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc
【アニとライナーの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 2
友達 ――――――――――― 1
同僚 ――――――――――― 1
相談相手 ――――――――― 2
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 1
夫婦 ――――――――――― 4
アニ「…………」
ベルトルト「…………」
ライナー「」
アニ「その……なんて言うか……」
ベルトルト「…………」
アニ「ごめん…………」
ライナー「」
ユミル「なんかあれだ……仕事だけの関係って感じだな……」
ライナー「」グサッ
アニ「いや、別にライナーが嫌いとかじゃないけど……」
アルミン「好きとか嫌い以前に、これじゃあ興味が無いって感じだよね……」
ライナー「」グササッ
アニ「それは……真面目に友達かと聞かれると、ちょっと困るけど……」
エレン「なんで困るんだよ……即答してやれよ……」
ライナー「」グサササッ
アニ「うん……もう良いじゃないか。次に進まない……?」
ジャン「だな……流石にこれ以上は哀れで見てられねぇ……」
ライナー「」
ベルトルト(ごめん、ライナー……かける言葉が見当たらないよ……)
アルミン「じゃあ気を取り直して……次はアニとベルトルトだね……」 カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a2%e3%83%8b/%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%88
【アニとベルトルトの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 5
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 5
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 5
ライナー「ちょっと待てぇぇーー!!」 ガターン!
ジャン「うるせぇぞ、ライナー! 座ってろ!」
エレン「いきなり叫ぶなよ、ビックリするだろ!」
ライナー「何故だ、アニ!? いくらなんでもこれは無いだろう!?」
アニ「いや、まあ……ちょっとライナーより高いだけじゃないか……?」
ライナー「これがちょっとだと!? 天国と地獄くらい差があるぞ!?」
ベルトルト「まあまあ、ライナー、落ち着いて。」
アルミン(ベルトルトの表情がやけに優しい……)
ミカサ(ベルトルトがライナーよりも心理的に優位に立っている。珍しい光景だ。)
エレン(それにしても、やけに極端な数値だよな……友達だけど、あてにはしてないって感じで……)
ライナー「ま、まさかお前ら……実は陰で付き合ってたりするんじゃ……!?」
クリスタ「そうなの!?」 ワクワク ドキドキ
アニ「なんでそうなる……」 ハァ…
ベルトルト「僕もアニはちょっと……流石に身がもたないというか……」 ハハハ…
ライナー「本当だろうな? 後になって実は――とかやめてくれよ!?」
ジャン「ライナーがここまで必死なのは珍しいんじゃねぇか。」
アルミン(三人組で二人がくっつくと、必然的に一人あぶれるからね……僕も他人事じゃないんだけど……)
ユミル「まあ、40㎝近く身長差があるしな……色々と不便だろ。」
エレン「身長差なんかどうでも良いだろ。何か困る事があるか?」
ユミル「あるに決まってるだろ。主に夜とか。」
ライナー「なんだと!? ベルトルト、アニ! お前らまさか!?」
アニ「――ッ!?」 カァァァァァ(///
ベルトルト「――ッ!?」 サァァァァァァ
アルミン「なんて両極端な反応なんだ……」
ジャン「想像して頬を染めるのはわかるが、ベルトルトは何で青ざめてんだよ。」
ユミル「これだけで、ベルトルさんがアニを女として見てないのは確実な訳だが……」
クリスタ「そっか……二人は何もないのか。残念だな。」 ショボン
ベルトルト「」 グハッ!
エレン「うわぁ! ベルトルトが血を吐いた!?」
アルミン(予想外の流れ弾に撃ち抜かれた!?)
ライナー(残念だったな、ベルトルト。もしクリスタがお前に気があるなら、今の発言は無かっただろう……)
アニ「相性云々はともかく、私とこいつは何にもないから。それだけは勘違いしないでよ。」
アニ「余計なバカをやらかすライナーより相性良いってのは、確かにそうかもしれないけどね。」
クリスタ「そうなんだ……性格とか、結構合いそうな気がするのに……」
アニ(さてと、バカに付き合うのはこれくらいで十分だろ……部屋に戻るなり出かけるなりしようかな……)
クリスタ「あ、アニの紅茶が空になっちゃってる。おかわり淹れてあげるね。」
アニ「え、ああ、ありがとう……助かるよ。」
アニ(うん……もう少し、ゆっくりしていこう。)
アルミン「じゃあ、次はユミルだね。一つは聞かなくてもわかるけど、もう一つはどうする?」
ユミル「当然、一つ目は私とクリスタだが……もう一つはどうするかな……」
クリスタ「ねえ、ユミル。サシャとユミルはどうかな。」
ユミル「私と芋女……? まあ、別に他にあてもないし、クリスタが言うならそれでいいか。」
アルミン「わかった。一つ目がユミルとクリスタ、もう一つがユミルとサシャだね。」 カタカタカタカタ ポチッ
アルミン「ここにいない人を対象にするなら、後で本人に結果を教えてあげてね。」
ユミル「わかってるよ。」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%83%a6%e3%83%9f%e3%83%ab/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf
【ユミルとクリスタの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 3
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 1
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 2
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 2
ユミル「……あれ?」
エレン「おお、すげぇな! 友達と相談相手が5だぞ。」
アルミン「うん、理想的な友人って感じだよね。」
ミカサ「確かに、二人はよく一緒にいる。ユミルの真意はわからないけど、悪意では無いと思う。」
クリスタ「ユミル、私達ずっと友達だよね!」
ユミル「お、おう。」
ライナー(ずっと“友達”か……良かったな、ユミル。)ニヤリ
ベルトルト「あれ、同僚とビジネスパートナーが1だ。珍しいね。」
ユミル「……ッ」ギクッ
ジャン「これは……つまり、あれか? 訓練兵団を卒業したら縁が切れるって事か?」
ユミル「ジャン! お、お前、おかしな事を言ってんじゃねぇぞ!」
アニ「でも、有り得ない話じゃないだろ。もしもクリスタが憲兵団、ユミルがそれ以外だったら……」
アルミン「そうなったら、接点が無くなっちゃうね。」
クリスタ「そんな……!」
ユミル(待て待て待て……マジで有り得るぞ、これ……)
ユミル(私が10位以内に入ればクリスタが11位、クリスタが10位なら私が11位……)
ユミル(くそが! クリスタを内地に行かせたら離れ離れになるって事じゃねぇか!)
ユミル(かといって、他の奴らも化物揃いだ……そう簡単には引き摺り下ろせねェ……詰んでやがる……!)
クリスタ「大丈夫だよ! 訓練兵団を卒業しても、ずっと友達でいようね!」
ユミル「おい、やめろ! フラグ立てんな!」
ユミル(いや、もちろん本気で結婚しようなんて考えてた訳じゃないが……クリスタを内地に送るのは実際どうなんだ?)
ユミル(よく考えりゃあ、10位以内で憲兵団所属になったとして、それじゃあ一生クリスタ・レンズとして生きる事になるだろ……)
ユミル(危険から遠ざける為に憲兵団入りさせるつもりが、貴族と繋がりがある憲兵団じゃ、本名名乗って胸張って生きるなんて出来る訳ねぇ……!)
ユミル(かといって、憲兵団の下部組織みてぇな駐屯兵団でも同じ事だ……なら調査兵団は? ……馬鹿か、この死にたがりには論外だ!)
ユミル「アルミン、もういい。次だ!」
アルミン「あ、ああ、わかったよ。」 カタカタカタカタ ポチッ
ユミル(とりあえずは現状維持で、後は状況に応じて考えるしかないな……くそったれ!)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%83%a6%e3%83%9f%e3%83%ab/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3
【ユミルとサシャの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 3
友達 ――――――――――― 4
同僚 ――――――――――― 5
相談相手 ――――――――― 4
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 3
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 5
ユミル「おい、ちょっと待て! なんで芋女の方がクリスタより相性良いんだよ!?」
クリスタ「え? ユミルとサシャって、結構相性良いと思うけど……」
エレン「あれ、さっきもだけど、ビジネスパートナーがやけに低いな。」
アニ「……どうせ、他人を利用する事しか考えてないからじゃないの。サシャが良い例だ。」
ミカサ「確かに……そう言えば、些細な事を恩に着せ、こき使っていたのを思い出した。」
ユミル「ハッ! あれは恩を返させただけだ。言っとくが、私に負い目なんか無いぞ。」
クリスタ「ユミル、そんな言い方しないで! あれだって最初の何回かだけで、その後は三人でやってたでしょ。」
ライナー「なんだ、そうだったのか。少し意外だな。」
ベルトルト「まあ、クリスタも一緒なら、そうなるよね。」
アルミン「最初からそう言えば良いのに、わざわざ挑発的な言葉を選ぶんだから……ユミルの協調性の無さは筋金入りだね。」
エレン「なるほど、サシャのやつも協調性ないもんな。道理で相性が良い訳だ。」
ジャン「なんだ、お似合いだったって事か。良かったな、ユミル。お前にも友達がいたんだぞ。」
ユミル「てめぇら、後で覚えとけよ……」
アルミン(サシャの協調性の無さとユミルの協調性の無さは、方向性が全然違うんだけどね……)
ユミル(仮に誰かを引き摺り下ろすとして……成績順を考えれば芋女かコニーになるんだが……)
ユミル(あいつら、変な所で勘が良いからな。下手な真似すりゃ気付かれる……別の手を考えなきゃな……)
クリスタ「ユミル、難しい顔して、どうしたの?」
ユミル「……なんでもねぇよ。アルミン、次に行ってくれ。」
アルミン「ああ、わかったよ。それじゃあ、次はジャンだね。」
ジャン「よし! 当然一発目は俺とミカサの相性だ!」
アルミン「だと思ったよ。」 カタカタカタカタ ポチッ
ライナー(こいつの諦めの悪さもたいしたもんだ。)
ベルトルト(ウォール・エレンは破れそうにないのにね……)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3/%e3%83%9f%e3%82%ab%e3%82%b5
【ジャンとミカサの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 2
友達 ――――――――――― 2
同僚 ――――――――――― 5
相談相手 ――――――――― 2
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 2
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 5
ジャン「ぐ……!」
アルミン(微妙……)
ライナー(微妙だな……)
ベルトルト(微妙だね……)
アニ(微妙だ……)
クリスタ(微妙かな……)
ユミル(微妙すぎる……)
エレン(まあ、こんなもんだろ。ジャンとミカサが楽しそうに会話してるとか、想像もできないし……)
ミカサ(……………………)
ジャン「……なあ、お前ら。これは、どうなんだ?」
アルミン「う、うん! 1の項目は無いよね!」 アセアセ
ライナー「そ、そうだな。同僚とビジネスパートナーと夫婦が5だ。多分、長い付き合いになるんじゃないか!?」 アセアセ
ベルトルト「ふ、二人とも優秀だからね! きっと憲兵団で活躍するんじゃないかな!」 アセアセ
ジャン「そ、そうか!? そうだよな!?」
ミカサ「……エレンは憲兵団に行きたい?」
エレン「え? いや、そんなつもりはねぇよ。」
ミカサ「なら、私も行かない。」
ジャン「」ゴフッ!
アルミン「ジャンが血を吐いた!」
ライナー「気持ちはわかるが、しっかりしろ!」
アニ「所属兵団が違えば、同僚とビジネスパートナーって意味無いよね。」
ジャン「」ゴボッ!
アルミン「うわぁ! ジャン、気をしっかり持つんだ!」
ベルトルト「アニ、何て事を言うんだ! みんなわかってても口にはしなかったのに!」
アニ「ごめん、つい……」
クリスタ「だ、大丈夫だよ、ジャン! 1じゃないんだし、可能性はあるよ!」
ジャン「そ、そうだよな……可能性はゼロじゃねぇ……!」 ヨロッ
ユミル「それか、どうせミカサはエレンと調査兵団に行くだろうから、お前も一緒に行けば良いんじゃないか?」
ユミル「所属さえ同じなら、相性的には長い付き合いになるみたいだしな。」
ジャン「ふざけんなッ! いくらなんでも究極の選択すぎんだろッ!?」
エレン「なに怒ってるんだよ。ジャンは立体機動得意なんだし、憲兵団より調査兵団向きだろ。」
ジャン「そういう問題じゃねぇんだよ!」
アルミン(しかも、一緒に調査兵団に入ったからって、報われるとは限らない……)
アルミン(下手をすれば身近でずっとミカサとエレンのやり取りを見せつけられる羽目になりかねない……)
ライナー「そういえば、さっきのエレンとジャンのライバルっていくつだった?」
ベルトルト「えーと……ライバルは3だね。」
ユミル「おいおい、つまりあれか。ジャンはライバルにすらなれねぇって事か。」
ジャン「」ゴボッ!
ライナー「マズイぞ、ジャンの吐血が止まらん。」
クリスタ「ユミル、駄目だよ! せめて、もう少し言葉を選んであげて!」
ユミル「悪い、つい……」
ジャン「ぐ……だが、1じゃないんだ……可能性はゼロじゃねぇ……」 ゼェ…ゼェ…
ジャン「そ、それに……夫婦は5なんだ……傍にいりゃあチャンスはある……!」 ハァ…ハァ…
アニ(……その根性を別の事に向ければ良いのに。)
ベルトルト(ミカサの陰に隠れがちだけど、だいたいジャンもロクな結果じゃないよね。)
アルミン「どうする、ジャン? 僕は次に進んだ方が良いと思うんだけど……」
ジャン(アルミンの言う通り……ここで粘っても事態が好転する事はねぇ……)
ジャン(正直、今のはかなり効いたからな……次は相性良さそうな奴を選んで、中和して終わりにするか……)
ジャン「次は、俺とマルコだ……あいつなら大丈夫だろう……」
アルミン「なるほど。マルコはジャンの理解者だし、きっと良い結果になるよ。」 カタカタカタカタ ポチッ
ライナー「いや……そもそも、マルコと上手くいかない奴はいないだろ。」
ベルトルト「王を尊敬してるし、マルコなら憲兵団でも立派にやっていけそうだ。訓練兵の鑑だよね。」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3/%e3%83%9e%e3%83%ab%e3%82%b3
【ジャンとマルコの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 2
同僚 ――――――――――― 2
相談相手 ――――――――― 4
ビジネスパートナー ―――― 2
大人の関係 ―――――――― 2
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 2
ジャン「」
エレン(…………)
アルミン(…………)
ミカサ(…………)
ライナー(…………)
ベルトルト(…………)
アニ(…………)
クリスタ(…………)
ユミル(…………)
アルミン「…………さて、と。次はクリスタだね。誰にする――――?」
ジャン「ちょっと待てェェェェ!!」
アルミン「え……触れない方が良いかなと思って……」
ジャン「いやいやいや! いくらなんでもおかしいだろ!?」
ライナー「しかし、考えようによっては有り得る結果だろう。」
マルコ「うん。マルコはジャンと仲が良いけど、だからってそれが相性良いって事にはならないよね。」
ジャン「ど、どういう事だよ!?」
ユミル「なるほどな……『内地で楽をする為』と公言してる奴と、『王に忠誠を尽くす為』と公言してる奴。」
ユミル「両方とも憲兵団志望でも、動機が正反対すぎて、普通に考えれば相性悪いだろ。」
クリスタ「言われてみると、確かに……」
エレン「でも、相性が悪い割には二人って仲良いよな? よく一緒に飯も食ってるし。」
ジャン「そ、そうだ! もっと言ってやれ、エレン!」
アルミン「それは、ただ単にマルコが優しいからだよ。ジャンの悪い所も受け入れられる器があるんだろうね。」
ミカサ「確かに……仲間の不和を抑えるのも指揮官の素質。そういう意味でも、やはりマルコは指揮官向きだと思う。」
ジャン「お、おい……それじゃあまるで、俺が空気読めない馬鹿みたいじゃねぇか……」
アニ「憲兵団志望の動機に関してはその通りだろ。少なくとも、私はあんたと一緒だと思われたくないわ。」
アルミン「ジャンは自分を出しすぎなんだよ。心の中で思う分には好きにすれば良いけど、それを相手に押し付けるのはどうかと思う。」
ジャン「いや、俺は別にそんなつもりじゃ……」
ユミル「この分だとあれだな。めでたく二人で憲兵団入りが叶ったとしても、余計な事言いそうだよな。」
ユミル「マルコが『王の近くで仕事が出来るなんて光栄だ』とか言ってるのに、ジャンは『本音は内地で安全快適に暮らせるからだろ?』とか言って絡みそうだ。」
クリスタ「いくらジャンでも、さすがにそれは……」
ジャン「い、い、言わねぇよッ! い、言う訳ないだろッ!?」 ドキドキドキ…!
ライナー(……言うな。)
ベルトルト(……言うね。)
アニ(……言う。)
アルミン(……光景が目に浮かぶよ。)
エレン「……安心しろよ、ジャン。 そんなふざけた事を言ったら、俺がぶん殴ってやるから。」
エレン「内地が安全で快適……? ここだって、五年前までは内地だったんだぞ。」
ジャン「んだとぉ……?」 ガタッ…
ミカサ「……やめなさい。熱くなるとすぐ衝動的になる、エレンの悪い癖。」
エレン「ちっ……」
ライナー「実際の所……ちょくちょく棘のある発言をしてるお前が、それほど周囲から浮いてないのはエレンのおかげかもな。」
ベルトルト「すぐにエレンが突っかかってくれるから、結果的に周囲も溜めこまないんだよね。」
アニ「ま、今じゃ一種の“余興”扱いだし……」
ジャン「んだよ、くそっ……」 プイッ
エレン「……別にお前のためじゃねぇよ。」 プイッ
アルミン(やっぱり、何だかんだ言っても、二人は相性良いと思うんだよね……)
ジャン「チッ……もういいぞ、アルミン。次行ってくれ。」
アルミン「わかった。それじゃあ、次はクリスタだけど、どうする?」
アルミン「最初に言ってた通り、クリスタは四回選択できるからね。」
クリスタ「う、うん、ありがとう……それじゃあ、先ずは私とユミルの―――― って、ユミルが先にやったから同じなのかな。」
アルミン「そうだね。名前の順序では結果は変わらないから、もうユミルとクリスタの結果は出てしまってる事になるよ。」
クリスタ「それじゃあ……私とサシャにしようかな。ユミルと三人で水汲みしてるし。」
アルミン「わかったよ。クリスタとサシャだね。」 カタカタカタカタ ポチッ
ライナー(もしここで、クリスタが誰か男との測定を希望すれば……)
ベルトルト(その相手を意識している可能性が高い……)
アルミン(そして、ユミルを除いた今、残ってる女子はサシャ、ミカサ、アニの三名。……四回の内、最低でも一回は男を選ぶ事になる。)
アルミン(むしろ、一回だけだからこそ、選ばれた相手はかなり意識されているという事になる……)
ライ・ベル・アル(つまり勝負は最後の四回目……それに全てを賭ける……!) カッ!
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3
【クリスタとサシャの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 1
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 2
ライバル ――――――――― 2
夫婦 ――――――――――― 5
クリスタ「やった! 友達が5だよ!」 パァァァァ
ライナー「クリスタと相性が悪い奴なんて、そうそういないだろう。」
ベルトルト「誰かと険悪なクリスタとか、ちょっと想像できないよね。」
ジャン「クリスタ、ユミル、サシャの三人は、友達の数値が5が二つに4が一つか……仲が良いようで羨ましいこった。」
エレン「元気出せよ、ジャン……」
アルミン「ジャンが言うと笑えないよ……」
ジャン「うるせぇ!」 ブワッ
アルミン(あれ……でも他の数値が妙に低いのが気になるな……)
アルミン(友達だけど、距離感があるみたいな……いやいや、まさかね……)
アニ「恋人、同僚、相談相手、ビジネスパートナーが1になってるけど……」
ミカサ「相手はサシャだし、ある意味妥当かもしれない。」
エレン「ひでぇな、ミカサ……でも、俺もサシャに真面目な話を持ちかける気にはなれないか……」
ユミル「芋女は基本的にバカだからな。」
クリスタ「ユミル! 友達にそんな事を言っちゃ駄目!」
ユミル「はいはい、クリスタ様はおやさしいことで。」
クリスタ「もう!」
ライナー(頬を膨らませるクリスタかわいい。) ハァハァ
ベルトルト(僕もクリスタに怒られたい。) ハァハァ
アニ(こいつらもう駄目だ……) ハァ…
毎回思うがなんでベルトルトがクリスタ好きな事になってんの
クリスタ「えーと……それじゃあ、次は……私とアニで!」
アルミン「ちょっと珍しい組み合わせかも……これは結果が気になるね。」 カタカタカタカタ ポチッ
ライナー(とはいえ、相手はクリスタだ……)
ベルトルト(いくらアニでも無難な結果じゃないかな……)
アニ(……別にどうでも。) ドキドキドキ…
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf/%e3%82%a2%e3%83%8b
【クリスタとアニの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 1
同僚 ――――――――――― 4
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 5
ライバル ――――――――― 1
夫婦 ――――――――――― 1
>>88
原作的にはむしろ女型の時のやり取りからジャンの方がありえるんですけど、ジャンはやっぱりミカサ好きを基本にしてます。
ベルトルトは原作的にはまったく言及されてないですが、クリスタを嫌う理由は無いと考えネタにしてます。
というかベルトルさん原作の出番や台詞自体が少ないので無理矢理キャラづけしてしまったのが理由だったりします。
クリスタ「え、あれ……!?」
エレン(うん……)
アルミン(まあ……)
ミカサ(これは……)
ライナー(アニだし……)
ベルトルト(アニだから……)
ユミル(ひでぇ数値だな……)
アニ「」
クリスタ「ア、アニは凄いと思うよ。ほ、ほら……斬撃の深さとか、男の子にも負けてないもんね!」 オロオロ
アルミン「そ、そうだよ! とても女の子とは思えない――――」 ハッ
アニ「」 グサッ
クリスタ「アルミン!」
アルミン「ご、ごめん、つい……」
クリスタ「そ、それに……アニはいつも冷静だし、すっごく頼りになるよ!」
ライナー「冷静というか、アニのはただの仏頂面――――」 ハッ
アニ「」 グササッ
クリスタ「ライナー!」
ライナー「す、すまん、つい……」
クリスタ「ア、アニといえば近接格闘だよね! あんなに大きなライナーにも負けないなんて、本当に凄いよ!」
ミカサ「ええ、本当に。私には技術が無いから、あれほど鮮やかには無理。とても同じ女とは思えない――――」 ハッ
アニ「」 グサササッ
クリスタ「ミカサ!」
ミカサ「ごめんなさい、つい……」
ユミル「でも、正直な話、クリスタもアニはおっかないだろ?」
クリスタ「それはそうだけど――――」 ハッ
アニ「」 グササササッ
クリスタ「ユミル!」
ユミル「悪い、つい……」
ミカサ(今のはクリスタが悪いのでは……)
エレン「相性が悪くても、そう気にすんなよ。それでも俺達は仲間なんだから。」
ジャン「そうだな……誰しも個性があるんだから、合う合わないってのはどうしても起こるだろうよ。」
ジャン「それでもお互いに補い合えるものがあるなら、それで良いじゃねぇか。」
アニ「…………」
ライナー(かなり良い事を言ってるとは思うんだが……)
ベルトルト(何故だろう。ジャンが言うと保身に聞こえてしまう……)
アルミン(ジャンは、日頃の言動さえもうちょっとあれだったら、随分評価が変わる筈なんだけど……)
エレン「だからまた新しい技を教えてくれよ。そういうので頼れるのってアニしかいないんだからさ。」
アニ「…………考えとく。」 クスッ
アルミン(アニが微笑んだ!?)
ユミル(あの鉄仮面が剥がれただと!?)
ライナー(バカな……アニがかわいいと思える日が来ようとは……) キュン
ベルトルト(不覚にもちょっとクラっとした……これがギャップってやつなのか……) キュン
ミカサ(戦って負けるとは思わないけど、技術そのものは私よりアニの方が上……アニに教わるのがエレンの為になる。ここは我慢……)
クリスタ(よかった……エレンのおかげで嫌な空気にならずにすんだ……)ホッ
クリスタ「アルミン、そろそろ次お願いできるかな。次は……私とミカサで。」
アルミン「ああ、わかったよ。クリスタとミカサだね。」 カタカタカタカタ ポチッ
ライナー(やはり順当に女性陣を順番に選んでいくか……)
ベルトルト(予想通り……本命はこの後だ……!)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf/%e3%83%9f%e3%82%ab%e3%82%b5
【クリスタとミカサの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 3
同僚 ――――――――――― 5
相談相手 ――――――――― 2
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 3
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 5
アルミン「恋人と相談相手は低いけど、それ以外は結構点数高いね。」
エレン「流石に、ミカサに相談する奴はいないだろ……こいつ口数少ないし……」
ミカサ「私から相談を持ちかける事もないから、妥当だと思う。」
ミカサ「でも、クリスタにはクッキーの作り方を教えてもらった……大事な仲間だ。」
クリスタ「一回で覚えちゃうんだから、ミカサはなんでも出来るよね。」
ミカサ「先生の教え方が良かったから。クリスタのおかげ。」
クリスタ「そ、そうかな……ありがとう。」 エヘヘ…
アルミン「クリスタが調査兵団に行く事はないだろうけど、もし同じ所属になったら上手くやれそうだよね。」
アルミン「自分と同じような人間より、正反対な人間の方が上手く付き合えるってデータもあるみたいだし。」
ライナー「…………」 チラッ
ベルトルト「…………」 チラッ
アニ「……言いたい事があるならハッキリ言いなよ。」 イラッ…
ライナー「言っても良いが、本当に良いのか?」
ベルトルト「心の準備は出来てるのかい?」
アニ「……やっぱりやめて。本気でヘコみそうだから。」
ライナー「エレンにべったりのミカサですらこうなのに、何でお前は誰に対しても――――」
ベルトルト「何も友達の数が人間の価値だなんて思わないけど、いくらなんでもアニは――――」
アニ「やめてって言っただろ!? 私が悪かったって!」
ジャン「お前ら、相変わらずアニには厳しいよな……」
エレン「おいおい、アニをいじめんなよ。アニにはアニの良い所があるんだから、それで良いだろ。」
アニ「…………ッ」 グスッ…
ライナー(テーブルに突っ伏して顔を隠しているが……やれやれ、少しやりすぎたか……)
ベルトルト(あの耳の赤み……もしかして泣きが入っちゃった?)
エレン「まったく……」 ナデナデ
アニ「…………ッ!」 ビクッ
アルミン「!?」
ミカサ「!?」
ライナー「!?」
ベルトルト「!?」
クリスタ「!?」
ユミル「!?」
ジャン「!?」
エレン「そんなだから、アニとライナーの相性が低かったんじゃないのか……?」 ナデナデ
アニ「…………」 カァァァァァァ(///
ライナー「おい、エレン……お前は何をしてるんだ……?」 サァァァァ
エレン「え……? あ、なんか泣いてるみたいだったから、つい……」 ナデナデ
アニ「泣いてない……ッ」 ポソッ
エレン「そっか、気のせいだったか。悪かったな、アニ。」
エレン(いっけね……小さい頃ミカサにやってたから、つい手が出ちまった……)
エレン(げ……アニのやつ、耳まで赤くなってる……こりゃあ怒らせちまったか……)
ベルトルト「アニの頭を撫でるとか……そのまま腕を極められて関節増やされたらどうするんだ……」 サァァァァ
ジャン「……ベルトルトがアニをどういう目で見てるか、今のでなんとなくわかったな。」
アルミン(泣いてたかどうかはわからないけど……今のアニは、いわゆる“耳まで真っ赤状態”だ!)
ミカサ(最近は全然やってくれなくなってたのに……どうしてアニにはするの……) ギリッ
クリスタ「ミ、ミカサ……? 瞳のハイライトが消えてるよ……?」
ユミル(へぇ、面白そうだしちょっと煽ってみるか……)
ユミル「おいエレン、随分アニに優しいみたいだが、もしかして気でもあるのか?」
エレン「は? 何の話だよ。」
アニ「…………ッ!?」 カァァァァァァ(///
ミカサ「――ッ!?」 ガタタッ ガタッ! ガターーン!!
アルミン「お、落ち着いて、ミカサ!」
ジャン(そうか、その手があったか! エレンが別の女とくっつけば、ミカサはフリーになるじゃねぇか!) ハッ
ジャン「そういや、近接格闘もよく一緒にやってるしなぁ……お互い、悪い気はしてないだろ?」
アニ「…………」 ドキドキ…
ミカサ「…………」 オロオロ
アルミン(とりあえず落ち着くんだ、ミカサ!)
エレン「あのなぁ……訓練の相手に良いも悪いもないだろ。」
ライナー「だが、随分とアニには好意的に見えるが……」
ベルトルト「“アニにはアニの良い所がある”だろ? なかなか出る言葉じゃないと思うけど……」
ライナー(まあ、無いとは思うが、これで多少は丸くなってくれると有り難いんだが……)
ベルトルト(でもあれだけ痛い目にあってもアニから離れなかったのは、エレンぐらいなんだよね……)
ベルトルト(もちろんエレンからすれば訓練だから当然なんだけど、アニからすればどうだったのか……)
エレン「お前らなぁ……」 ハァ…
アニ「…………」 ドキドキ…
ミカサ「…………」 オロオロ オロオロ
アルミン(駄目だ、ミカサが目に見えて挙動不審だ!)
エレン「“アニにはアニの良い所がある”くらい、そんなに珍しい言葉じゃないだろ。」
エレン「逆に考えてみろよ。アニがクリスタみたいな言動だったら気持ち悪いだろ?」
アニ「」 ピキッ
ミカサ「」
アルミン「」
エレン「だからアニはこのままで良いんだよ。女らしくない方が訓練もしやすいし。」
アニ「」 スゥゥゥゥ
ライナー(真っ赤だった耳が、一瞬で元の色にッ!?) ゾクッ
ベルトルト(エレン! 血の気が引くほど怒らせたのかッ!?) ゾクッ
アニ「…………」 ムクッ
エレン「あ、てっきり泣いてたかと思ったけど、気のせいだったのか。変なことして悪かったな。」
アニ「……別に気にしてない。それと、明日の訓練で新しい技を教えてあげるよ。」
エレン「良いのか? やった!!」
アニ「“三角締め”っていうんだけどね……まあ、どんな技かは明日のお楽しみにしようか……」 ニコリ
エレン「“サンカクジメ”? ふーん、何かよくわからんが、楽しみにしとくな。」 ニッ
ライナー(自業自得のような気もするが、エレンが死んでしまう!) ゾクッ
ベルトルト(アニの脚力で三角締め……首の骨ごと締め潰されるぞ……!?) ゾクッ
アルミン(途中までは良い感じなのに、なんでエレンは最後に全部ぶち壊すんだよ!?)
アルミン(上げてから落とすのが、一番ダメージが大きいのに……)
クリスタ(ど、どうしよう……怒ってないふりしてるけど、どう考えても怒ってるよね……)
クリスタ(何か……何か、アニの気を紛らわせるような事は……――ッ! そうだ、あれがあった!) ハッ!
クリスタ「ア、アルミン、そろそろ次に移っていいかな?」
アルミン「うん、もちろんだよ。でもこれが“最後”だから、“良く考えて”選んでね。」
ライナー(そこを強調するという事は……)
ベルトルト(アルミンも同じ事を考えているのか……)
クリスタ「うん。それじゃあ……最後は、ライナーと――――」
ライナー(うおおおおおおおーー!!)
ベルトルト(なんだってーーーー!?)
アルミン(嘘だと言ってよクリスタァァァァ!?)
クリスタ「―――― ベルトルトで。」
ライナー(――ぉお?)
ベルトルト(――ぇえ?)
アルミン(――ァア?)
アルミン「え、ごめん……よく聞き取れなかったんだけど……」
クリスタ「うん。だから、ライナーとベルトルトの相性を知りたいの。」
エレン「……なんで?」
アルミン「……どうして?」
ミカサ「……クリスタ?」
ジャン「……おい、大丈夫か?」
ユミル「……良いのか、そいつらで?」
クリスタ(アニ、覚えてる……?) チラッ…
アニ(…………?)
アニ(――ッ!) ハッ!
アニ「」 ブフゥッ!
エレン「どうしたアニ!? いきなり吹き出すなんてらしくないぞ!?」
アニ「……ッ……ッ……!」 プルプルプル
アルミン「あのアニが、お腹を押さえて笑ってる……!?」
ミカサ「これはいったい……」
ライナー(なんだ!? 何がここまでツボにはまったんだ!?)
ベルトルト(こんなアニは初めて見るぞ!?)
※エレン「2人が恋人になれる確率メーカー?」 参照
http://irotsuku.com/a/6i_ub5gw/r/%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc/%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%88
クリスタ(よしっ! 前みたいに笑ってる。これなら大丈夫!)
クリスタ「という訳で、アルミンお願い。」
アルミン「どういう訳かわからないけど……クリスタがそれで良いなら……」 カタカタカタカタ ポチッ
ライナー(いや、良くないだろ!?)
ベルトルト(せっかくのチャンスが! というか、何故僕達なんだ!?)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc/%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%88
【ライナーとベルトルトの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 5
友達 ――――――――――― 1
同僚 ――――――――――― 4
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 2
大人の関係 ―――――――― 5
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 3
エレン「…………」
アルミン「…………」
ミカサ「…………」
ジャン「…………」
アニ「…………」
クリスタ「…………」
ユミル「…………」
ライナー「まあ、なんだ。エレンとアルミンと似たような感じだな。」
ベルトルト「僕達も付き合い長いし、友達ってよりは“親友”だろうね。」
ジャン「なんか、お前らの場合……恋人5がガチっぽくて怖いんだが……」
アニ「」 ブフッ!
ライナー「なんだと!?」
ユミル「大人の関係が5ってのも……」
アニ「」 ブフゥッ!
ベルトルト「何を言ってるんだ、ユミル!?」
エレン(なんとなく、この話題には触れない方が良い気がする……)
アルミン(下手につついたらこっちに飛び火しそうだし……)
ミカサ(エレンとアルミンは親友……ライナーとベルトルトとは違う……)
ライナー「おい、お前ら! 黙ってるが何か失礼な事を考えてるだろ!?」
ベルトルト「三人とも、なんで微妙に目を逸らしてるんだ!?」
クリスタ「その、何て言うか……二人とも、結構女の子に人気あるんだよ? だから、もし嫌じゃなかったらだけど、女の子とお付き合いした方が……」
ライナー「待ってくれ、クリスタ! それはどういう意味だ!?」
ベルトルト「本気で心配されてるみたいなのが逆に辛いんだけど!?」
アニ「……ッ……ッ……!」 プルプルプル
ライナー「アニは何故爆笑している!?」
ベルトルト「君がフォローしてくれなかったら、誰が誤解を解いてくれるんだよ!?」
ユミル「男同士とかマジ勘弁してくれ、笑えねぇんだよ……」
ライナー「お前にだけは言われたくない!」
ベルトルト「駄目だライナー! その返しは半分認めているように聞こえる!」
ジャン「ま、なんだ……お二人の末永い幸せを願いつつ、次に行こうや。」
ライナー「ジャン! 貴ッ様ァァァァ!!」
ベルトルト「その締めは酷過ぎるだろ!?」
ミカサ「なら、次は私だ。アルミン、私とエレンの相性をお願い。」
ライナー「おい、ちょっと待て! 本気でこのまま流すつもりか!?」
ベルトルト「まさかフォロー無しなのか!? 嘘だろ!?」
アルミン「うん、わかった。それじゃあミカサとエレンだね。」 カタカタカタカタ ポチッ
ライナー「お前らァァァァ!!」
ベルトルト「ちょっとォォォォ!?」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%83%9f%e3%82%ab%e3%82%b5/%e3%82%a8%e3%83%ac%e3%83%b3
【ミカサとエレンの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 4
友達 ――――――――――― 3
同僚 ――――――――――― 3
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 5
ジャン「ちっくしょォォォォ!!」
ミカサ「…………ッ!」 ガタタッ!
アルミン「やったね、ミカサ! 君はついに勝ったんだよ!!」
クリスタ「おめでとう……やっとミカサの苦労が報われたんだね……!」 ジワッ
ユミル「ちっ……んだよ、普通に良い結果かよ。つまらねぇ。」
ライナー「ミカサは今までのが酷すぎたからな……まあ、ここは素直に祝福しておこう。」
ベルトルト「今までのが女の子としては散々だったからね。これでようやく報われたって事かな。」
アニ「……まあ、良かったんじゃないの。」
ミカサ「友達よりも恋人が、恋人よりも夫婦が……それぞれ上の点数になっている……」 ポロポロ
アルミン(きっとエレンとミカサは順調に結ばれるって事だよ……良かった、本当に良かった……!)
クリスタ(エレンとミカサならきっとうまくいくよ……二人とも、幸せになってね……) グスン…
アニ(別にエレンとミカサがどうなろうと、私には関係ないし……) …チクッ
ジャン(まだだ……まだ、終わってねぇ……!)
ユミル(なんだ……? ジャンのやつ、まだ何か勝算があるってのか……?)
ライナー(いや、喜ぶのはまだ早いぞ!)
ベルトルト(最後の壁、ウォール・エレンが残っている!)
エレン「えーと……つまり家族って事だろ。うん、今まで通りだな。」
ミカサ「――ッ!?」
アルミン「」
クリスタ「」
ユミル「」
アニ「」
ジャン(そうくると信じてたぜ、エレェェェェン!!) ガッツポーズ!
ライナー(馬鹿な……ウォール・エレン! なんて頑強さだ……!?) ゾクッ
ベルトルト(これだけ攻めても全く揺らがないだって!? とても破れる気がしない……!)ゾクッ
エレン「それじゃあ、これからもよろしくな、ミカサ。」 ニッ
ミカサ「ち、違……エレン、そうじゃない……」 オロオロ
アルミン(駄目だ、これを逃しちゃいけない……! これを逃せば、次のチャンスがいつになるかわかったもんじゃない!) カッ!
クリスタ(アルミン、なんとかできるの!?)
ユミル(いくらアルミンでも、ここまで頑丈な固定観念は崩せないだろ……)
アニ(今まで通りなら、別にそれはそれで……駄目かな。)
ライナー(ただでさえエレンは巨人の事しか考えてないのに、更にミカサに対しては家族という固定観念……こいつは手強いぞ……!)
ベルトルト(それでもアルミンなら……アルミンならきっと何とかしてくれる……!)
ジャン(無駄無駄無駄ァァ! 一見、相性が良いように見えるが、こいつには大きな落とし穴がある! 気付いてんだろ、アルミンよぉ!?)
アルミン(くっ……ジャンのあの勝ち誇った目! ジャンも気付いてるんだ……“大人の関係”が1じゃ、進展なんかする訳ないって……!)
アルミン(今のエレンに必要なのは発想の転換だ……“家族は恋愛対象ではない”という前提……まずはその固定観念をぶっ壊す……!)
アルミン「エレン、少し良いかな。」
エレン「おう、どうかしたのか、アルミン?」
ミカサ(アルミン……! でもいくらアルミンでも、これは……) オロオロ
アルミン「前から不思議だったんだ。エレンって“家族”をどう認識してるのかなって。」
エレン「え、どうもこうも……“家族”は“家族”だろ?」
アルミン「ならもう少し具体的に聞くけど、エレンとミカサはどういう関係?」
エレン「ミカサと俺……? ああ、だから“家族”だよ。どうしたんだ、今更そんな事聞いて?」
アルミン(よし、ここからは少し踏み込んだ質問に移ろう……大丈夫、ミカサ。僕を信じて……!) チラッ
ミカサ(アルミンには正解を導く力がある……私はアルミンを信じる……!) コクリ
アルミン(エレンに“家族”の明確な定義がある訳じゃない……せいぜい“一緒に生活する相手”程度の認識しか無い。)
アルミン「ミカサはエレンに色々と世話を焼こうとするけど、それってどう思ってる?」
エレン「どうって……別に頼んでないのに、うっとうしいと言うか……」
ミカサ「」 グサッ
アルミン(ぐ……質問の答えにミカサが耐えれるかどうか……それさえ大丈夫なら、勝算はある……!)
ジャン(良いぞぉエレン! その調子だ!) ヒャッハー!
アルミン「じゃあ、もしもの話……それがミカサじゃなかったら?」
エレン「……ミカサじゃなかったら? どういう意味だよ、アルミン。」
アルミン「うん、そのままの意味だよ。仮の話、世話を焼いてくれるのがアニとかクリスタだったらどう思う?」
ミカサ「ッ!?」 ガタタッ!
アニ「ッ!?」 カァァ(///
クリスタ「?」
エレン「それは……考えた事無かったな……」 ウーン…
エレン「……多分だけど、やっぱり嬉しいと思うんじゃないか。だって、それって好かれてるって事だろ?」
ミカサ「」サァァァァァ
アニ(別に私は世話とか焼かないし……関係ないね……) ドキドキ
クリスタ(なんだろう……ちょっと恥ずかしいな……) ドキドキ
ユミル(おいクリスタ、何を変な反応してるんだ! 相手はあのエレンだぞ!?)
ライナー(エレンにもそういう感情が理解できたのか……!?)
ベルトルト(見抜いていたのか……流石はアルミン……!)
ジャン(ハハハ、どうしたアルミン! それじゃあエレンが他の女とくっついちまうぞ!?)
エレン「でも、何か照れると言うか……ちょっと恥ずかしいな。次の測定に移ろうぜ。」 プイッ
アルミン(マズい……意識させすぎた……! ここで話を切らせる訳にはいかない……!)
ミカサ(まさか……エレンが照れている!?)
アニ(こいつにもそういう感情があったのか……何か、やりにくいな……)
クリスタ(いつもこうならかわいいのに……) クスッ
ユミル(おいクリスタ! 何を考えてる……!) ギリリッ
ライナー(ほほう、これはこれは……)
ベルトルト(エレンの意外な一面だね……)
ジャン(アルミンが無策とは思えねぇ……さっさと切り上げさせるのが得策か。)
ジャン「そうだな、まだ後もつかえてんだ。次の測定に――――」
ライナー「そう言うなよ、エレン。たまにはこういう話もいいだろ?」
ベルトルト「後がつかえてるって言っても、残ってるのは僕達だけじゃないか。気にせず話を続けようよ。」
ジャン(なんだとッ……!? こいつら……!)
ミカサ(ライナー、ベルトルト……!)
アルミン(ナイスアシストだよ、二人とも!)
エレン「えぇ……でも、ちょっと照れくさいし……やめようぜ、こんな話。」 プイッ
ジャン「ま、無理強いは良くねぇよな! 残念だが、本人が嫌だっつってんだから仕方ねぇなぁ!」
アルミン(ジャンめ……こういう時だけエレンの肩を持つなんて……!)
ミカサ「エレン、もう少し話を続けるべきだと思う……!」
アニ「まだアルミンの質問は終わってないんじゃないか?」
クリスタ「駄目だよ、エレン! ちゃんと答えてあげないと!」
ユミル「ここはハッキリさせとけ。それ次第で、今後の接し方を考えなきゃいけないからな。」
エレン「な、なんだよ……なんでお前らそんなに乗り気なんだよ……」 ビクッ
アルミン(駄目だ……エレンが引いてる……! これじゃあ質問を続けても意味が無い……!)
ジャン(惜しかったなぁ、アルミン! 女に色恋の話を振りゃあ、こうなるに決まってんだろぉ!?)
ライナー「おいおいエレン、それは無いだろう。」
ベルトルト「そうだよ、ちょっと照れくさいくらいで話を切り上げちゃうのはフェアじゃないな。」
エレン「ど、どういう意味だよ……」
ライナー「俺達もさっきの測定では結構な思いを味わったが、最後まで逃げなかったぞ?」
ベルトルト「エレンは仲間が最後まで戦うのに、一人で逃げるような兵士だったのか。残念だよ……」
エレン「そんな訳ないだろッ! 取り消せよ、ライナー! ベルトルト!」 ガタッ!
ライナー「それなら、アルミンの質問に最後まで付き合うか?」
ベルトルト「恥ずかしいからって答えを濁すような、卑怯な真似はしないかい?」
エレン「する訳ないだろ! アルミン、何でも聞けよ、ちゃんと答えるから!」
ライナー「そうか、ならさっきの言葉は取り消そう。悪かったな、エレン。」 ニヤリ
ベルトルト「逃げるなんて言って悪かったよ。どうか許して欲しい。」 ニヤリ
エレン「お、おう……わかってくれたなら良いんだ。俺もちょっと強く言いすぎたし……その、ごめん。」
ジャン(クソッ、ライナーとベルトルトめ……! まさかさっきの結果を逆手にとりやがるとは……!)
アルミン(転んでもただでは起きない……流石は成績2位と3位だ……! ありがとう、二人とも!)
ミカサ(ライナー、ベルトルト……さっきはごめんなさい……)
アニ(別に、私はさっきのもただの冗談だってわかってるし……フォローしなかったのは悪かったけど……)
クリスタ(あっさりエレンを説得するなんて、やっぱりライナーとベルトルトは頼りになるよね!)
ユミル(……こいつら、エレンをだしにさっきまでの評価をひっくり返しやがった……やりやがる。)
ライナー(面白い話を聞きつつ、汚名を返上する……まさに一石二鳥ってやつだな。) フッ
ベルトルト(せっかく面白い展開なのに、途中で切り上げられたらつまらないしね。) フフッ
アルミン「それじゃあ、質問を続けるね。ミカサ以外の女の子に好意を寄せられたら嬉しい。ここまでは良いよね?」
エレン「あ、ああ。その通りだ。」
ジャン(アルミンの野郎、微妙に言い回しを変えやがった!)
ミカサ 「」 ゼェ…ゼェ…
アニ(こいつ、途中で倒れるんじゃないか……)
クリスタ(質問するたびにミカサの顔色が悪くなってる……)
アルミン「なら、どうしてミカサからの好意はうっとうしく感じるのかな。何かミカサに不満でもあるの?」
エレン「いや、別にミカサが何か悪いって話じゃなくて……“家族”なんだから、そういうのはおかしいだろ。」
アルミン(これだ! これこそがエレンが抱える固定観念! これが全てのすれ違いの元凶だ!)
アルミン(ミカサから寄せられているのが異性としての好意だとしても、“家族”だからそれは“有り得ない”。)
アルミン(“有り得ない”から、異性としての好意ではなく、“家族”としての好意だと脳内で自動的に置き換えられる!)
アルミン(その結果、ミカサは空回り、エレンはうっとうしく感じてしまう……この固定観念を覆せば、僕達の勝ちだ!)
アルミン「つまりミカサに不満は無いんだね?」
エレン「それは……別に無いけどさ……」 プイッ
ミカサ「!」 パァァァァ
ジャン(アルミンめ……うまく言葉を引き出してるが、結局は“家族”だ……いくらお前でも、その一線だけは変えられねぇ……! )
アルミン(甘いよ、ジャン……必要な言葉はこれで全て引き出した……僕とミカサの勝ちは確定した!)
アルミン「……ところで、エレンとグリシャおじさんは“家族”で良いのかな?」
エレン「親父と俺……? そんなの、家族に決まってるだろ。」
アルミン「なら、カルラおばさんとエレンも家族だよね?」
エレン「当たり前だろ。アルミン、頭がどうかしたのか?」
アルミン「じゃあ、グリシャおじさんとカルラおばさんは?」
エレン「親父と母さん……? 家族に決まってるだろ……いくらお前でもそろそろ怒るぞ、アルミン!」 イラッ…
アルミン「エレン、これは大事な話だよ!」 クワッ!
エレン「そ、そうなのか……わりぃ……」 ビクッ
エレン(アルミンが言うなら、何か理由があるんだろうけど……何が言いたいんだ?)
アルミン「一番大事な、最後の質問をするよ。」
エレン「お、おう……」 ゴクッ
アルミン「グリシャおじさんとカルラおばさんは“家族”だけど、互いに愛し合っていた。そうだよね?」
エレン「おい! そんなの当たり前――――ッ」 ハッ!
ミカサ(アルミン、あなたは……!)
アニ(何度も“家族”の確認をしたのはこのためか……!)
クリスタ(“家族”思いのエレンが、ご両親の愛情を否定する訳が無い……!)
ユミル(だがそれを認めれば、エレンが同じ“家族”であるミカサからの好意をはねる理由が無くなる……!)
ライナー(エレンの身内を具体例として挙げる事で、凝り固まった固定観念を逆に利用するとは……!)
ベルトルト(ただの言葉遊びのようだけど、あのエレンの表情……自分の考えが矛盾してた事に気付かされてる……!)
ジャン(馬鹿な! 恋人の段階を飛び越えて、一気に夫婦の域にまで意識を押し上げたってのか……!?)
エレン「……………………ッ」
アルミン(このエレンの愕然とした表情! 荒療治だったけど、完全に固定観念を引っ繰り返したぞ!)
アルミン(これでエレンの脳内では、今までミカサに“家族”と言っていたのが実質“夫婦”と言ってたのと同義!)
アルミン(“家族”だからという理由で好意をはねる事は出来ない。その正統性は失われた……!)
アルミン(もともと、“兄弟”ではなく“家族”という曖昧な言葉を使ってたんだ。解釈なんていくらでも出来る……!)
アルミン(そして一番大事なのが、それをエレンが自覚したという事! もうミカサの好意に対し、今までのように振る舞う事はできない!)
エレン「…………」
ミカサ「エレン、大丈夫?」 クイッ
エレン「――ッ!」 ハッ!
ミカサ「何かショックを受けているように見えたけど……」
エレン「な、何でもない! そ、袖を引っぱるなよ!」 グイッ
ミカサ「ごめんなさい。」 シュン…
エレン「べ、別にあやまらなくて良いけど……」 プイッ
クリスタ(うそ、エレンが照れて目を逸らした!?)
アルミン(やった! さっそく意識してるぞ!)
ライナー(まさかここまでハッキリと効果が現れるとは……)
ベルトルト(あのウォール・エレンがこうも容易く……アルミン、君は恐ろしいやつだ……)
ミカサ「……?」
エレン「…………」 プイッ
ミカサ「どうして目を逸らすの?」 ガシッ
エレン「や、やめろよ、ミカサ!」
ミカサ「…………?」 ジー
エレン「ぅ……っ……」 カァァァァァ(///
クリスタ(これは…………!)
ユミル(あのエレンが、ミカサを意識している……!?)
アニ(私と組み手で向かい合ってる時はこんな反応しないくせに……)
アルミン(良かった……ようやくミカサはスタートラインに辿り着けたんだね……) ホロリ
ライナー(えんだあああああああああああああああああああああああああ)
ベルトルト(いやあああああああああああああああああああああああああああああ)
ジャン「」 チーン
エレン「と、とにかく離せよ! 後、近いからちょっと離れてくれ。」 カァァァァァ(///
ミカサ「うん、わかった。」 スッ
エレン(ぐ……なんでだ、ミカサの顔をまっすぐ見れない……近くにいると落ち着かない……) ドキドキ…
ミカサ(今はこれで良い……周りに人もいるし……エレンが今までとは違う目で見てくれた、それだけで満足……) ドキドキ…
アルミン「それじゃあミカサ、後一回できるけど、どうする?」
アルミン(ミカサとしては、もう望みが叶っちゃったからな……権利を放棄するような気もするけど。)
ミカサ(私はもう満足しているけど、それも全てはアルミンのおかげ……)
ミカサ(さっきの以外にも、自分の権利を私との測定に使ってくれた。ここは私がお返しをしたい。)
ミカサ(そうだ、アルミンはクリスタが気になっていた筈……良い結果が出れば、きっと喜んでくれる。)
ミカサ「なら、アルミンとクリスタの相性を知りたい。」
アルミン「ミ、ミカサ!?」
クリスタ「私とアルミン?」
ミカサ「二人は体格や見た目が似ているから、面白そうだと思った……それだけ。」
ユミル(これは、気を回した、のか……?)
ライナー(だが、ミカサのやることだ……)
ベルトルト(単なる興味本位でもおかしくないような……)
アルミン「ま、まあ、ミカサがやりたいなら仕方ないね!」 アセアセ
クリスタ「うん、いい結果が出ると嬉しいな。」
アルミン(ク、クリスタ!? い、いい、今のって……!?) カタカタカタカタ ポチッ
ユミル(おい……調子乗ってんじゃねぇぞ、金髪チビ……) ギリリッ
ライナー(いやいや、クリスタに相応しいのはもっと屈強な男だ……)
ベルトルト(そうそう、クリスタに相応しいのはもっと背が高い男だよ……)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%83%9f%e3%83%b3/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf
【アルミンとクリスタの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 2
同僚 ――――――――――― 2
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 3
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 3
アルミン「え、ええ!?」 ガーーン!
クリスタ「あ、あれ……?」
ミカサ(ッ! しまった……余計な事をしてしまった……)
ライナー「気にするな、アルミン。そういう事もある。」 ニコニコ
ベルトルト「ただの相性診断じゃないか。そう気にする事は無いよ。」 ニコニコ
ユミル(お前らは露骨すぎるだろ……)
ミカサ(ごめんなさい、アルミン……自分の引きの悪さを忘れていた……) シュン…
エレン「でも、なんでライバルが5なんだ? クリスタは馬術が得意だし、アルミンは座学が得意なのに……」
アニ「他の技術は成績としてはクリスタが上だけど、言っちゃ悪いが“ドングリの背比べ”って感じだしね……」
ジャン「まあ、104期生男子の人気を二分してるって意味じゃあライバルだろうよ。」
アルミン「ジャン!?」
ライナー「ああ、なるほどな……結構アルミンを狙ってる奴はいるみたいだからな……」
アルミン「ライナー!?」
ベルトルト「男子寮で共同生活だからね……誰かがその内やらかすんじゃないかと、僕は不安で仕方ないよ……」
アルミン「ベルトルト!?」
エレン「そう言えば、たまに『アルミンの具合はどうなんだ?』とか聞いてくる奴がいるな……あれはどういう意味なんだ?」
アルミン「エレン!?」
クリスタ「アルミンはかわいいし……」
ユミル「気持ちはわからんでもない……」
アニ「まあ、男らしくないし……」
ミカサ「アルミンなら仕方ない……」
アルミン「ちょっと、やめてよ! いつもの冗談だよね!?」
ジャン「たまに置いた服が見当たらなかったりしないか?……いや、冗談だが。」
ライナー「風呂に入ってると周りから見られてる感じとかしないか?……いや、冗談だぞ。」
ベルトルト「たまに寝言でアルミンを呼んでるやつがいるんだけど、知ってた?……いや、冗談だけどね。」
アルミン「うわああああ! 全部知ってたけど気のせいだと思ってたのに!?」
アルミン「と言うか、とめてよ! 僕達は友達じゃなかったの!?」
ジャン「いや、流石に他人の色恋に口出しすんのはどうかと思ってよ……」
ライナー「もちろん、無理矢理どうこうする奴がいたらとめるつもりだが……」
ベルトルト「同意の上なら、僕達が口出しするのは筋違いというか……」
アルミン「僕にそういう趣味は無いから! 同意とか絶対に無いからね!?」
エレン「多分、調子の事を聞いてるんだろうと思ったから『良い感じだ』って答えといたんだけど……」
エレン「そしたら『たまには貸して』とか言うんだよ。なんかアルミンを物扱いしてるみたいでムカついたから、『アルミンを馬鹿にするな!』って怒っといたぞ。」
アルミン「駄目だ、エレン! 君が一番駄目だから! 意味がわかってないんだろうけど、最悪の返しだよ!?」
エレン「そ、そうなのか……? なんか、ごめん。」 シュン…
アルミン「……いっそ知らなければよかった。」
ジャン「知ってれば覚悟も出来るだろ。」
ライナー「大丈夫だ。もうすぐ卒業じゃないか。」
ベルトルト「でも卒業式の後は気をつけた方がいいかも。」
アルミン「やめてよ!?」
ミカサ「だ、大丈夫……もし誰かに襲われても、私が仇をとるから……」 オロオロ
アルミン「その時点でもう手遅れじゃないかぁ……」 グスン…グスッ…
ベルトルト「こ、これ以上続けてもアルミンが落ち込むだけだろうし、次に進んで良いかな?」
ミカサ「ええ、良かれと思ったのだけど、アルミンには酷い事をしてしまった……」
ベルトルト「それじゃあ、次は僕の番だけど、どうしようかな……」
エレン「あ、そうか。ベルトルトはアニもライナーも測定しちゃったんだっけ。」
ベルトルト「そうなんだ。どうしようかな……」 ウーン…
アルミン(ぐ、わざとらしく悩むふりを……)
ベルトルト(いや、本当に悩んでるんだけど……)
ライナー(誰かのアシスト無しにクリスタと測定希望をするのはハードルが高い……ある意味、告白するも同然だからな……)
ライナー(さあ、どうするベルトルト……ここからどうクリスタに繋げるつもりだ……?)
エレン「誰もあてがないのか? だったら、俺とかアルミンとか――――」
ベルトルト(エレン、余計な事を言わないでくれ! ……くそっ、もうどうにでもなれ!)
ベルトルト「ああ、そうだ! ライナーと僕の分はクリスタがやってくれたんだった。」
ベルトルト「じゃあ、僕はクリスタとの相性を測定してみようかな!」
ジャン(それ理由になってねぇぞ……)
アルミン(いや、強引すぎだろ……)
アニ(もう少し何か無かったのか……)
ユミル(良い度胸だ、ゴボウ野郎……皮を削ぎ落してから酢水につけてやる……)
ライナー(……よし、俺もそれでいこう。)
クリスタ「私とベルトルト? うん、良い結果がでると嬉しいな。」 ニコニコ
ベルトルト(ク、クリスタ!? い、いい、今のって、もしかして……!?) ドキドキ…!
アルミン(あれ、なんかデジャヴ?)
ライナー(誰にでも優しいのか……やはり天使……)
アルミン「じゃあ……ベルトルトとクリスタ、と。」 カタカタカタカタ ポチッ
エレン「ちぇー、次は俺かアルミンでやろうぜ。」
ミカサ(…………)ジー
エレン「な、何だよ、ミカサ! 何、じっと人の顔見てるんだよ!?」 プイッ
ミカサ「別に何でもない。ただ見ていただけ。」 フフッ
エレン「ちょ……やめろよ、なんか恥ずかしいだろ……」 カァァ(///
アニ(…………) ムカッ…
ジャン(……ッ……ッッ!) ギリギリギリ
ユミル「ジャン、血涙なんとかしろ。見てて引くから……」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%88/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf
【ベルトルトとクリスタの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 4
同僚 ――――――――――― 3
相談相手 ――――――――― 2
ビジネスパートナー ―――― 2
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 5
クリスタ「やったね、ベルトルト! 私達、友達が4もあるよ!」 パァァァァ
ベルトルト「う、うん。そうだね、嬉しいな……」 ハハハ…
アルミン(でも恋人と大人の関係が1だ……僕もだったけど、この結果はキツイなぁ……) ガックリ…
ライナー(いわゆる“良い人”で終わるパターンか……残念だったな、アルミン、ベルトルト。)
ユミル(まあ、この程度なら……削ぐのは勘弁してやるか……)
ベルトルト(ずっと友達って感じなのかなぁ……ウォール・クリスタも頑丈すぎるよ……) トホホ…
エレン「なんか、普通に友達って感じで、あんまり特徴が無い数値だな。」
ミカサ「友達としてなら上手くやっていけそうな感じがする……」
ベルトルト「二人とも、友達を強調しなくて良いから……」 ハァ…
ジャン「おい、あきらめんなよ! 戦い続ける限りは負けじゃねぇだろ!?」
ベルトルト(それって、僕じゃなくて自分に言い聞かせてるだけだろ……) ハァ…
ベルトルト(そこまでクリスタと相性が悪かった訳じゃないし、アニとも良い相性だった。もうそれで良いじゃないか……)
ベルトルト(……そう言えばアニはどうしたんだろう。さっきから静かだけど。) チラッ
アニ「…………」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ベルトルト(――なんでッ!?) ビクッ!
ベルトルト(理由はわからないけど、何故か凄く不機嫌だぞ!?)
ベルトルト(いや、そうか……考えてみるとアニは友達がいないからな……)
ベルトルト(僕にはライナーがいるし、最近はこの機械の縁でエレンやアルミン達ともよく話してる……)
ベルトルト(でもアニが積極的にクリスタやミカサと交流してるとはとても思えない……)
ベルトルト(だからこういう場で絡む相手がいない……そりゃ不機嫌にもなるよ……) ウンウン
ベルトルト(うん……やっぱり一人ぼっちはかわいそうだし、ここは僕がひと肌ぬぐとしようかな……)
ベルトルト「アルミン、次に移りたいんだけど。」
アルミン「うん、わかったよ。誰にする?」
エレン「俺か? それともアルミンか?」 ワクワク
ベルトルト「それも良いけど、それだと片方しか無理だろ? だから、二回目は僕以外の相性にしようと思うんだ。」
エレン「ベルトルト以外?」
ベルトルト「うん。アニが僕との測定を選んでくれたからね。今度は僕がアニと誰かの相性を選んであげようと思って。」
ライナー「ほう……そいつは面白そうだ。」 ニヤリ
アニ「ちょ、ちょっとベルトルト……そういうの別にいいから……」
ベルトルト「アニ、そんな事を言ってるからいつまでも一人なんじゃないか?」
アニ「べ、別に困ってない! 私の事はほっといてくれたら良いって!」
エレン「まあ、アニの性格じゃな……女友達作るのは無理だろ……」
アニ「」 ピキッ
アルミン(ミカサを意識するようになっても、やっぱりエレンはエレンなんだね……) ホロリ
アニ「気が変わったよ、ベルトルト……誰でも良いから、さっさと選びな……」
ライナー(挑発に乗るのは良いが、アニの引きの悪さも大概なのを忘れてないか……)
ベルトルト(ナイスアシストだよ、エレン。さて誰にするか……とは言っても、アニの能力に釣り合うような女の子は一人だけか。)
ベルトルト「それじゃあ、アニとミカサの相性にしようか。」
アルミン「わ、わかったよ。アニとミカサだね。」 カタカタカタカタ ポチッ
アルミン(なにこの104期生最強決定戦みたいな組み合わせ……)
ライナー(技術のアニと素材のミカサか……まあ、釣り合うと言えば釣り合うな……)
ミカサ「…………」 ギュッ…
エレン「な、なんだよ! いきなり人の手を握るなよ!」 カァァ(///
ミカサ「あ……ごめんなさい、無意識だった。」 スッ
エレン「なんだよ、まったく……」 プイッ
アニ「…………」 イライライライライライラ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a2%e3%83%8b/%e3%83%9f%e3%82%ab%e3%82%b5
【アニとミカサの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 2
同僚 ――――――――――― 4
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 4
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 4
ミカサ「…………」
アニ「…………」
ライナー「アニ……その、なんだ……」
ベルトルト「もう少し、こう……何て言うか……」
アルミン「ライナーとベルトルト以外にも、友達を作った方が……」
ジャン「無理にとは言わねぇがよ……流石にこれは……」
エレン「ミカサもとっつきにくい所があるけど、良い奴なんだ。少しくらい仲良くしてみても……」
クリスタ(男の子が全員気を遣っている……!?)
ユミル(基本的に友達と恋人の数値が低すぎるだろ……ベルトルさん以外、全員1か2じゃねぇか……)
アニ(別に私も友達が欲しくない訳じゃ……でも、相手に怖がられるんだからどうしようもないじゃないか……) ハァ…
ミカサ「……アニ、私で良ければ友達になろう。」
アルミン「ッ!?」
エレン「ッ!?」
ライナー「ッ!?」
ベルトルト「ッ!?」
クリスタ「ッ!?」
ユミル「ッ!?」
アニ「……そういう同情はむしろ迷惑なんだけど。」
アニ(エレンが振り向いたから、心に余裕ができたのか? ……でも、私がそれに付き合う義理はない。)
ミカサ「同情なんかじゃない。」
クリスタ「わ、私も友達だよ!」
ユミル(いや、クリスタ……流石にここは乗るべきじゃねぇだろ……)
アニ「…………」 ジロッ
クリスタ「っ……!」 ビクッ
アニ「…………」 ハァ…
クリスタ「い、今のは、その……ッ!」 オロオロ
アニ「友達を怖がるようなやつがどこにいる。別に無理しなくて良いよ……」
クリスタ「ぅ…………」 シュン
ライナー(俺達でさえ、たまにビビらされるからな。天使のクリスタには刺激が強すぎる。)
ベルトルト(アニとクリスタが友達とか、なんかイヤだ。クリスタまで表情が険しくなったら、癒しが無くなってしまう。)
ジャン(お前らの友達だろ、なんとかしろよ……)
ミカサ「私は怖くない。」
アニ「……どうだか。あんたは無表情なだけだろ。」
ライナー(お前が言うな。)
ベルトルト(誰か、アニに鏡を。)
ミカサ「怖がってなどいない。アニには感謝している。」
アニ「あんたに感謝されるような覚えは無いけど。そもそも、あまり会話した覚えもないし。」
アニ(あんたはあいつがいればそれで良いんだろ? こっちの事は放っといてよ……)
ミカサ「……アニのおかげでエレンは強くなれた。」
アニ「……評価点の低い近接格闘なんか、大して役にも立たないだろ。」
ミカサ「たしかに、直接の成績への影響は少ないかもしれない。でも、そこで覚えた体の使い方は応用できる。」
ミカサ「感情任せだったエレンが、自分を抑制した動きが出来るようになったのはアニのおかげだと思う。」
エレン(否定できないけど、もうちょっと言葉を選んでくれよ……) グサッ
アルミン(まあ、ミカサだし……でも、エレン関連とはいえ、ちゃんと他の人にも目を向けてたのは意外だった……)
ミカサ「だからといって、すぐに友達というのは難しいかもしれない。」
アニ「当たり前だろ……あんたと私じゃ、ロクに話も合わないんだから。」
ミカサ「だから、明日の近接格闘の訓練を一緒にやろう。私も体を動かすのは得意だから。」
ユミル(お前らのは得意ってレベルじゃねぇだろ!)
クリスタ(でも、ミカサならアニの相手も務まるかも……ライバルも5だし。)
エレン「って、おい! 明日の訓練は俺が先に約束してたんだぞ!」
ミカサ「それは、エレン……譲ってもらうという訳には……」 オロオロ
エレン(明日は新しい技を教えてもらえる約束なんだが……ミカサも友達少ないしな……)
エレン「仕方ないな、明日だけだぞ! 俺もアニと訓練したいんだから!」
ミカサ「ありがとう、エレン。」
アニ「…………ッ」 カァ(///
ミカサ「それじゃあ、アニ。明日はよろしく。多分、手加減してもらわなくても大丈夫。」
アニ「その言葉、後悔しても知らないから。」
ミカサ「うん。楽しみだ。」 フフッ
アニ(ミカサとできそうな話……エレンについての事なら……って、何を考えてる、私は……)
アニ(……くそ、この二人と話すと……調子が狂う。) プイッ
ライナー(良かったな、エレン。立ってた死亡フラグを回避できたぞ。)
ベルトルト(しかしアニとミカサか……もう訓練ってレベルじゃないよ……)
ミカサ「…………」 ジー
エレン「な、なんだよ……」 ドキッ…
ミカサ「いえ、なんでもない。」 クスッ
ミカサ(私も友達を作らないとエレンに心配させてしまう……妻として夫を安心させなければ……)
アニ(友達って何を話すものなんだ……ライナーとベルトルト……は男だから参考にはならない……)
アニ(無難に趣味の話でもしたら良いのか……? でもミカサの趣味ってなんだ……アルミンにでも聞いてみるか……)
アルミン(ん? なんかイヤな予感……? いやいや、気のせい気のせい……)
アルミン(そうさ、ようやく二人が年頃の男女の空気になったんだ……これで僕も余計な気を回さなくて済む……)
アルミン(僕にも誰か良い人いないかなぁ……ああ、クリスタの相性がもう少し良ければ……) トホホ…
アルミン「何はともあれ、最後は珍しく良い話になったね。じゃあ、もう今日はこの辺でお開きに――――」
ライナー「待てアルミン! 俺の測定がまだ終わっていないぞ!」
アルミン「じょ、冗談だよ……」 ハハハ…
ライナー「とは言え、アニもベルトルトも測定済みか……」
エレン「じゃあ俺とやろうぜ、ライナー!」
ライナー「しかし、アニもベルトルトもクリスタと測定しているのか。」
エレン「聞けよ、ライナー! アルミンもいるぞ!」 ガシッ ユサユサ
ライナー「ふむ……となると、俺だけ除け者というのも寂しいな。」 ガクン ガクン
エレン「おい、ライナー! だから俺とアルミンがまだ残ってるんだって!」 ユサユサ ユサユサ
ライナー「よし、それじゃあアルミン、俺とクリスタで測定してくれ。」 ガクン ガクン
エレン「無視すんなよ、ライナー!」 ユサユサ ユサユサ
ジャン(おい、ライナー……今のはいくらなんでもゴリ押しすぎんだろ……)
ベルトルト(用意してた台詞を、表情一つ変えずに言いきった……少しはエレンにアドリブで対応しなよ……)
アニ(ここまであからさまだと、いっそ清々しいとさえ思える……)
ミカサ(ライナーに無視されて涙目エレンかわいい……) ハァハァ…
アルミン(今のを実行するとか、ある意味凄い精神力だ……)
ユミル(まさか……こいつ、ホモじゃなくてバイだったのか……!?)
クリスタ「今日はあまり良い結果が出ないし……せめてライナーとは良い結果が出て欲しいな……」 クスン
ライナー(ク、クク、クリスタ!? 今のはつまり……結婚か!? 結婚なのか!?)
ベルトルト(いや、僕らも同じような事言われたからね……)
アルミン(気持ちはわかるけど、君の記憶力はどこかにいってしまったのか……)
アルミン「まあ良いや……じゃあライナーとクリスタだね。」 カタカタカタカタ ポチッ
アニ「え、と……その、ミカサって、休みの日とか何してる?」
ミカサ「……特に何も。エレンの事を考えてると、いつの間にか夜になってる。」
アニ「そ、そうなんだ……」
アニ(邪魔しちゃ悪いか……買い物にでも誘ってみようかと思ったんだけど……)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf
【ライナーとクリスタの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 5
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 1
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 3
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 3
クリスタ「やったね、ライナー! すっごく相性が良い結果だよ!」 パァァァァ
ライナー「そ、そうだな。俺も嬉しいぞ、クリスタ。」(結婚しよ) ドキドキ
ジャン「くそがぁぁ! なんでライナーがこんな美味しい思いをしやがるんだ!」
アルミン「」 ギリリリリ
ベルトルト「」 ギリリリリ
ユミル「」 ギリリリリ
エレン「お、お前ら……別にライナーが良い思いしたって、怒る事じゃないだろ……」
ミカサ「アニは、休みの日は何をしているの? 寮では見かけない気がするけど。」
アニ「ああ、私は……適当に街をぶらつくのが好きかな。」
ミカサ「それは、何か目当てが?」
アニ「いや、特に無いけど、一人で色々と見て回るのが好きなんだ。」
ミカサ(……一人が好きなのか。なら、邪魔しない方が良さそう。)
アニ(一人の方が気楽だし、誰かを誘って断られるのは……少し、傷つく。)
クリスタ「でも、友達だけじゃなくて恋人も5なんだ……少し恥ずかしいね……」 カァァ(///
アルミン(クリスタが頬を染めている!?)
ライナー(この反応……これはまさか!?)
ベルトルト(馬鹿な! 許されないぞ、ライナー!)
ユミル「……ホモなら見逃してやるつもりだったが、バイだっつうなら話は別だ。」
エレン「どっちにしろ男が好きってのは確定路線なのかよ……」
ジャン「ホモは否定できてもバイは否定できねぇな……ライナーだし……」
ミカサ「アニは街でどう過ごしているの?」
アニ「あまり持ち合わせも無いからね……軽い食事と小物を見て回ったりかな。」
ミカサ「小物?」
アニ「ああ、髪留めとか……まあ色々とね……」
ライナー「……クリスタ。」 キリッ
クリスタ「ど、どうしたの、ライナー? 急に真面目な顔で……」
アルミン(まさか、ライナー! この勢いで!?) ガタッ
ジャン(おい、さすがにこれは見切り発車だろ! 大怪我しても知らねぇぞ!?) ガタッ
ユミル(ライナー! お前、私の目の前でクリスタに告白する気か!?) ガタタッ
エレン(なんだ? 皆どうしたんだ?) キョロキョロ
ミカサ「そう言えば、今使っている櫛がそろそろ駄目になりそうだった……街に行けば手に入るだろうか。」
アニ「そりゃまあ……櫛ぐらい、探せばすぐに見つかるけど。」
ミカサ「でも、私はあまり街で買い物をしない……どこを探せば良いのか……」
アニ(店の場所なら覚えてる……と、友達なら、こういう時は手を貸すものだろう……)
アニ「それなら……私が案内しようか? 櫛ぐらいならすぐに見つかると思うし。」 ドキドキ…
ミカサ「 ベルトルト「ライナー! やるんだな!?」
ミカサ「 ベルトルト「今! ここで!」
アニ「 ライナー「ああ! 勝負は今! ここで決める!」
ミカサ「ごめんなさい、今なんて?」
アニ「……ちょっと、待ってて。」 ガタッ
ライナー「クリスタ! 俺と――――」
アニ「…………」 ザッ …グイッ バシッッ!!
ライナー「!?」 グルンッ! ――ズダァァン!
ベルトルト「ラ、ライナー!?」
アルミン「うわぁ、ライナーが白目をむいてる!?」
クリスタ「し、しっかり、ライナー!」
ユミル「空中で一回転して、頭から落とされたぞ……」
ジャン「まさか、告白がこんな形で玉砕(物理)するとは予想外だったぜ……」
エレン「俺この光景、前にも見た事ある……」
ライナー「ぐ……いきなり何をするんだ、アニ!」 ガバッ
エレン「復活早いな、流石に慣れてるのか。」
アニ「うるさいんだよ……こっちは今、大事な話をしてるんだ。」
ライナー「おい、こっちも一世一代の勝負に出ようとだな!」
アニ「好きにすれば良いけど、もっと小さい声でやりなよ。ミカサの声が聞こえないだろ。」
ライナー「な、何だと!? お前、長い付き合いの俺と友達になったばかりのミカサ、どっちが大事なんだ!?」
アニ「……言っても良いけど、本当に聞きたいの?」
ライナー「いや、聞かない方が良いような気がしてきた――――」
ベルトルト「ライナー、何を弱気な事を言っているんだ! そんなの聞くまでも無いだろ!?」
ライナー「やめろベルトルトォォ! 余計な口出しをするなぁ!」
ベルトルト「アニも勿体ぶるなんてらしくないぞ! ハッキリ答えてくれ!」
アニ「なら、今はミカサかな……今度の休みに一緒に買い物に行く約束をしたんだ。」
ライナー「」 ゴフッ!
ベルトルト「うわぁ、ライナーが血を吐いた!?」
アルミン「いや、話の流れ的にこうなるのはわかってたよね!?」
エレン「ベルトルトの悪意が見えた。」
ジャン「こいつら、やたらと身内で自爆しあってるが……仲が良いのか悪いのか、どっちなんだ。」
クリスタ(さっき、ライナーは何を言おうとしてたんだろう? なんだか聞ける雰囲気じゃないし、まあいっか……)
ライナー「ぐ……だが甘いな、アニ……俺は、一人では死なんぞ……」 ゼェ…ゼェ…
アニ「……しぶといね。やるなら相手になるけど?」
ライナー「お前がミカサと友達になるなら、一つ避けては通れぬ問題があるのは理解しているか……?」
アニ「……なんの事かな。」 ギクッ
ライナー「アルミン! 俺の二度目の権利を行使する!」
アニ「――ッ! まさか!? やめろ、ライナー!」 ハッ!
アルミン「あ、まだ測定するんだ。誰と誰のを?」
ライナー「アニとエレンだ……」 ニヤリ
ミカサ「ッ!?」 ガタタッ!
エレン「俺とアニ?」 キョトン
アルミン「ラ、ライナー! 流石にそれは……!」
ベルトルト「命が惜しくないのか、ライナー!?」
ジャン「良い選択だ、ライナー! 見直したぜ!」
ユミル「どっちに転んでも修羅場じゃねぇか……なんて事しやがる……」 ゴクリ
クリスタ「え? なんでみんなは慌ててるの? アニとエレンの測定に何か問題が?」 キョロキョロ
アルミン(ライナー、君はなんて事を考えるんだ……!)
アルミン(もしもアニとエレンの相性が悪ければ、ミカサもせっかくできた新しい友達に気を遣わざるを得ない……)
アルミン(いや、それぐらいならまだ良い……それなら僕も手を貸せる……)
アルミン(最悪なのは……アニとエレンの相性が良かった場合だ! それも、ミカサよりも相性が良かった日には……!) ゾゾゾ
ライナー「どうした、アルミン。手が止まっているぞ。」
アルミン「ライナー、お願いだ! 考え直してくれ!」
エレン「え、何でアルミンはそんなに必死なんだよ。俺とアニに何か問題があるのか?」
アルミン(エレンは黙っててよ! 大問題になりそうなのが怖いんだよ!)
アニ「私も、あんまり気が乗らないかな……」 チラッ
アニ(どんな結果でもミカサは気にするだろうし……せっかく一緒に買い物に行く約束をしたのに……)
ミカサ「アルミン、私は気にしない。やってみよう。」
アルミン「!?」
アニ「!?」
ミカサ「何も問題ない。」
ミカサ(訓練兵団を卒業すれば、エレンもどこかの兵団に所属して働く事になる。仕事には同僚が必要。)
ミカサ(アニは優秀だから、きっとエレンを助けてくれる……妻は夫の成功を考えなければ……)
ミカサ(それに、アニが友達になれば、四人で過ごす事も増えるだろう……エレンと相性が良いなら、それに越した事は無い。)
アルミン「ミ、ミカサはこう言ってるけど、アニはどうする……?」
アニ「え、いや、その……」
アニ(これで断れば……私があいつを意識してると認めるみたいじゃないか……)
アニ(そうだ……どんな結果になろうと、私が気にしなければ良いだけの話……)
アニ「……私だけ拒否するのはフェアじゃない……好きにすれば。」
ライナー「話はまとまったようだな。」 ニヤリ
ベルトルト(ライナーの笑顔が黒い……!)
アルミン「わかったよ……それじゃあアニとエレンだね……」 カタカタカタカタ ポチッ
アルミン(うぅ……面倒な事になったら、絶対にライナーも巻き込んでやる……!)
ジャン(アニとエレンか……いや、こいつはかなり期待できるんじゃあねぇか……?)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
今日はここまでです。
続きはまた明日。
かなり長くなってますが、明日で完結する予定です。
>>80
訂正です
マルコ「うん。マルコはジャンと仲が良いけど、だからってそれが相性良いって事にはならないよね。」
↓
アルミン「うん。マルコはジャンと仲が良いけど、だからってそれが相性良いって事にはならないよね。」
何処からかマルコが現れてジャンをなじってました。酷過ぎる……
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a2%e3%83%8b/%e3%82%a8%e3%83%ac%e3%83%b3
【アニとエレンの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 5
友達 ――――――――――― 1
同僚 ――――――――――― 1
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 5
ライバル ――――――――― 4
夫婦 ――――――――――― 5
アニ「ッ!?」 カァァァァ(///
ライナー「はっはっは! やったなアニ! 大勝利だ!」
アニ「だ、黙れライナー!」
ライナー(俺の告白を潰してくれた礼だ! 存分に気まずい思いを味わうんだな!)
エレン「なんだよ……俺とアニは友達が1なのか……」 シュン
アニ「さ、さっき自分で言ってただろ!? 私に友達を作るのは無理とかなんとか……!」
エレン「違う、俺は“女”友達は作れないって言ったんだ。アニは女より男と遊ぶ方が性に合うタイプだと思ったんだよ。」
エレン「俺はアニと友達だと思ってたのに……アニはそうじゃなかったのか……」 イジイジ
アニ「え! いや、そういう訳じゃ……!」 オロオロ
クリスタ(エレンが膝を抱えて丸くなっている……) キュン
ユミル(ちょっとかわいいじゃねぇか、畜生……) キュン
ジャン「まあ、気にすんなよエレン! 友達としての相性は低いが、他のはどうかなぁ?」 ニヤニヤ
アニ「ジャン! あんたは余計な口を挟むな!」
ジャン「おっと! 同僚とビジネスパートナーも1か……ま、大した問題じゃねぇ。アニは憲兵団、エレンは調査兵団志望だもんなぁ。」 ニヤニヤ
ジャン「だが、他の項目は良いねぇ! 恋人5、相談相手5、大人の関係5、ライバル4、夫婦5だ! いやぁ、大したモンじゃねぇか。」 ニヤニヤ
ジャン「異性との相性としちゃ、これ以上は望めねぇなぁ! 結婚しちまえば同僚やらビジネスパートナーなんざ気にする必要ないしなぁ。」 ニヤニヤ
ジャン「いやぁ、正直あやかりたいくらいだぜ……お前とアニはベストカップルだ、祝福するぜぇエレン!」
ミカサ「……………………」 ズズズズズズズズズ
アニ「ち、違、ミカサ……! もう口を閉じてろ、ジャン!」 オロオロ
アルミン(ジャンが今までにないほど調子に乗っている! 本音を言えば、ぶん殴ってやりたい!)
ベルトルト(こんな事をすればミカサからの印象も悪くなるのに……いや、違う! 自爆覚悟でライバルを道連れにするつもりなのか!)
ジャン「で、お前はどうなんだよ、エレン。アニの事はどう思ってるんだ?」
エレン「いや、だから、俺は友達だと――――」
ジャン「ああ、なるほどな! “今は”友達か。そりゃあそうだ!」
ジャン「だがよぉ、さっき言ってたじゃねぇか……アニから世話を焼かれたら嬉しいって。」
アルミン(ッ! まさかさっきの僕の説得を逆利用するつもりか!?)
ジャン「それってよぉ……お前はアニの事を女として見てるって事じゃあねぇのか?」
エレン「ッ!」 カァァァァ(///
アニ「ッ!」 カァァァァ(///
ミカサ「……………………」 ズズズズズズズズズ
アニ「ち、違うから! ミカサ、これは……違……ッ」 オロオロ
クリスタ(あれ? という事は、私も女の子として見られてるの?) ドキドキ…
ユミル(ジャンの野郎……余計な事を……後で削ぎ落してやる……!) ギリギリギリ
ライナー(こんなに輝いてるジャンは初めて見た。立体機動の自慢してる時以上だな。)
ベルトルト(そうか……普段はすぐにエレンが釣れてたから気付かなかったけど、ジャンの煽りスキルってこんなに高かったんだ。)
ジャン「良いじゃねぇか、エレン……友達としての相性は最低だが、恋人としての相性は最高だぜ?」
ジャン「ほら、あれを見てみろよ。あのアニが頬染めて目を逸らしてるぞ。」
アニ「う……ッ」 プイッ (///
ジャン「なあ、おいエレン……アニのあんな姿、今まで見たことあったか? 少なくとも、俺は無いねぇ……」 ニヤニヤ
※イメージ画像
http://uploda.cc/img/img51aab5f28d902.jpg
エレン「お、おい、アニ……あ、あれだろ? 何かの冗談だよな?」 カァァ(///
アルミン(まずい! ミカサを意識するようになったのは良かったけど、副作用として他の女の子も意識するようになってる!)
アルミン(いくらなんでも性急過ぎた……もっと時間をかけて意識を改善すべきだったんだ……!)
アニ「ッ!」 ガバッ
クリスタ(アニがフードをかぶって背を向けた!)
ユミル(顔を隠したいんだろうが、それじゃあ意識してんのが丸バレだぞ……)
エレン「な、何やってんだよ……いきなりフードなんかして……」
ジャン「おやぁ? どうして顔を隠すのかねぇ?」 ニヤニヤ
エレン「アニ! フードをはずしてこっちを見てくれ!」
アニ「……ッ!」 ギュッ
クリスタ(フードを握り締めちゃった……なにがなんでも顔を隠したいんだ……)
エレン「おい、アニ……お前が、間の悪いバカで……」
エレン「クソつまんない冗談で適当に話を合わせてる可能性が……まだ……あるから……!」
アニ(だめだ……どうしよう……どうしよう……! こんな形でお互い意識するなんて、私は望んでない!)
エレン「とにかく! フードを外して、こっちを向いてくれ!」
アニ(そ、そうだ……ここは否定すればいい……! 何食わぬ顔で、『そんな気は無いね』とでも言えばいい……!)
アニ(いつものように感情を殺して……刃で切り落とすように、冷たく言ってのければいいんだ……!)
アニ「勘違いはやめてよ……わ、私に……そ、そんな気はないから……(震え声)」 プルプル
アルミン「…………」 キュン…
ライナー「…………」 キュン…
ベルトルト「…………」 キュン…
クリスタ「…………」 キュン…
ユミル「…………」 キュン…
ジャン「そ、そうか……ぷ、くく……そりゃあ悪かった……! 俺の勘違いだったみてぇだ!」 プクッククク…
エレン「笑うなよ、ジャン! アニもそんなので納得できる訳無いだろ! 良いからフード外せって!」
ジャン「ハハハ! それもそうだ。何でもないならその乙女な面を拝ませてくれよ!」
ライナー(ジャンに言葉責めされるアニか……想像すらした事無かったが、これはありだな。) ハァハァ
ベルトルト(うん……正直、今のアニの姿にはs心を刺激されてたまらない。) ハァハァ
アルミン(これ、ジャンもアニとエレンを互いに意識させるって趣旨を忘れかけてるだろ……)
アルミン(友達のピンチなのにライナーとベルトルトは止めなくて良いのか……?)
クリスタ(なんだろう……あのアニを見てると、何かこう……むずむずする……) ドキドキ…
ユミル(やばい! クリスタが色々と目覚めかけてやがる……!?)
ジャン「ほら、いつまでも背中丸めてないで、こっちに面見せてくれよ。」 グイッ
アニ「やだ……やめ……ッ!」 ギュゥ
エレン「おい、ジャン! 無理矢理はよせ!」
ジャン「良い子ちゃんぶんなよ、エレン! 普段の澄ました面がどうなってるのか、興味が無いとは言わせねぇぞ!」 グイグイグイ
アニ「ぃや……だ……! は、なせ……ッ!」 ギュギュッ
ライナー(いけ、ジャン! そこだ! 抵抗するなら、いっそ上着ごと脱がせてしまえ!) ハァハァ
ベルトルト(裾を掴んで一気にまくり上げればひっこ抜ける! フードなんか放っておくんだ!) ハァハァ
アルミン(駄目だこの二人! 止める気なんて毛頭ない!?)
クリスタ(必死にフードをおさえて抵抗するアニ……かわいい……いじめたい……抱きしめたい……) ドキドキ…
ユミル(待て! 戻れ、クリスタ! 戻ってこい!)
ジャン「両手がふさがってちゃ、得意の格闘も出来やしねぇなぁ? ほーらほら、見えちまうぞぉ。」 グイグイグイ
アニ「ぅ……うぅ……ッ!」 ギュウゥゥ
エレン「もうやめろ、ジャン! どう見ても嫌がってるだろ!」
ジャン「『嫌がってる』だぁ? この馬鹿野郎! それが良いんだろうが! 」 ググググ…
ジャン「観客だってそれを期待してる! エレン、てめぇの出る幕じゃねぇんだよ!」 ググググ…
ライナー(わかってるな、ジャン!)b
ベルトルト(見直したよ!)b
アルミン(最低だ、二人とも!?)
クリスタ(ジャンに無理やりあんな事されたら、アニ泣いちゃうかも……) ドキドキ…
クリスタ(でも大丈夫……優しく抱きしめて慰めてあげるからね……) ウフフ…
ユミル(やばい、クリスタの目がマジだ……) ガクガク ブルブル
ジャン「どうやら単純な腕力なら俺の方が上みてぇだなぁ! そぉら、御開帳――――!」 ガバァッ!
アニ「や、だ……ぁぁ……ッ!」 ググッ
ミカサ「…………」 ガシッ
ジャン「!?」
アルミン(ミカサがジャンの頭を掴んだ!?)
ミカサ「…………」 グリン! ――――ゴキゴキン!
ンャジ「」 コンニチワ
ライナー「ぬぅおわぁぁぁああ!?」 ビクゥ!
ベルトルト「こっちに背中を向けてるジャンと目が合ったぁぁああ!?」 ビクゥ!
アルミン「ジャンの首が! ジャンの首が180度回転してるぅぅ!?」 ヒィィィ!
クリスタ「」 クラッ…
ユミル「しっかりしろ、クリスタ! ……駄目だ、気絶してる。」 ガシッ
エレン「ミカサ、良くやった! ……と言いたいけど、流石にこれはやりすぎだろ!?」
ミカサ「……大丈夫。きれいに外したから後遺症は残らない。」
エレン「まじかよ……どう見ても猟奇死体にしか見えないんだけど……」
ンャジ「」
ミカサ「アニ……助けるのが遅くなって、ごめんなさい。さ、フードを整えて。」
アニ「……あんたに助けられるとは思わなかった。」 グスッ…
ライナー「そうだ! 何故よけいな真似をしたんだ! アニの泣き顔なんて滅多に見れるもんじゃないんだぞ!」
ベルトルト「いつも特に理由もなく酷い目にあってるんだから、たまには僕たちにも楽しませてくれても良いじゃないか!」
ライ・ベル「泣・き・顔! 泣・き・顔!」
アルミン「駄目だ、二人とも反省のかけらもない!」
ミカサ「…………」 スタスタスタ
ーナイラ「」
トルトルベ「」
エレン「無茶しやがって……」
ミカサ「時間がかかったのは、心の折り合いをつけるのに手間取ってしまったから。」
アルミン(うわ、何事も無かったかのように続きを話し始めたよ……)
ミカサ「正直、アニとエレンの相性の良さに驚いた……」
ミカサ「それについて何も思わないと言えば、嘘になる。」
アニ「なら、どうして……あのまま、みんなの笑い物にでもすれば良かったじゃないか……」
ミカサ「……ライナーとクリスタ、アニとベルトルトの相性も良かったが、それが実状を示している訳ではない。」
ミカサ「つまり、相性が良いからといって、それが実際の関係という訳ではない。」
ミカサ「それに気付いたから、私はアニを助ける事だけを考えた。友達を助ける事に、理由は必要ないと思う。」
ミカサ「そんな簡単な答えに辿り着くのに時間がかかってしまった……ごめんなさい。」
アルミン(なんだ、この聞き分けの良さは……エレンに意識されただけで、ここまで変われるものなのか……?)
アニ「私が……友達でいいのか……?」
ミカサ「一緒に買い物に行く約束をした。」
アニ「アルミンみたいに、上手く相談に乗ってやれないし……」
ミカサ「櫛を売っている店を教えてくれると言った。」
アニ「エレンみたいに親しく接するのは無理だ……」
ミカサ「美味しいパン屋さんを教えてくれると言った。」
アニ「あんたが思ってるより頼りにならないよ……」
ミカサ「頼りにならなくても、友達ならそれで良いと思う。」
アニ「そっか……」
ミカサ「うん。」
アニ「……助けてくれて、ありがとう。」
ミカサ「うん。」
アルミン「なんだか、結果的には良い話になったね。」
アルミン(そう、良い話……そう見えるのに……何故か、漠然とした不安を拭いきれない……)
エレン「ああ、一時はどうなる事かと思ったが……ミカサに友達が出来て良かったよ。」
ミカサ「エレン、アルミン……アニと友達になった。」
エレン「知ってるよ。」
アルミン「うん、おめでとう。」
ミカサ「これからはアニも一緒に食事を取ろうと思う。二人も構わない?」
エレン「もちろんだ。」
アルミン「大歓迎だよ。」
アニ「なんか……てれくさいね……」
ミカサ「大丈夫。二人は優しい。」
エレン「そんな訳で、これからもよろしくな!」
アニ「うん……こっちこそ、よろしく……」 カァァ(///
ミカサ「……………………」 ズズズズズズズズ
アルミン「ミ、ミカサ……瞳のハイライトが見当たらないんだけど……ハ、ハハ……塗り忘れ、かな……?」 ゾクッ
ミカサ「アニ……私は友達を信じている。友達とは、信頼できる人間の事だと思っている。」
アニ「き、急にどうしたの……?」
ミカサ「だから、どうか……私の信頼を裏切るような事はしないで欲しい……」
アニ「いや、ごめん……何の話をしてるのか……」
ミカサ「測定結果のライバル5は……訓練で競い合う為のものだと信じている。」
ミカサ「間違っても、エレンを巡って争うような意味では無いと信じている。」
アニ「ミカサ、ちょっと待って……落ち着いて話を……」
ミカサ「夫に手を出されれば、妻は平静ではいられない……夫の不義も同様……ただ、それだけの話……」 ニコリ
エレン「」 ゾクッ
アルミン「」 ゾクッ
アニ「」 ゾクッ
ユミル「おーい、話が一段落したんなら、こいつら元に戻してくれ。」
ユミル「クリスタが目を覚ます前に戻しといてくれないと、また気絶しちまうよ。」
ンャジ「」
ーナイラ「」
トルトルベ「」
ミカサ「わかった。外した頸椎をはめ直そう。」 スタスタスタ
アニ「ごめん、最後のミカサの言葉が理解できなかったんだけど……あんた達の間で使ってる、比喩的な何かだったりするの……?」
エレン「いや……俺も意味は理解できなかったが、マジで言ってるって事だけはわかった……」
アニ「あの目はヤバかった……ちゃんと意味を理解しておかないと、不安で仕方ないんだけど……」
アルミン「…………まさか。」 ハッ
エレン「何か思い当たる事があるのか、アルミン!?」
アルミン「これはあくまで推測だけど……」
エレン「大丈夫だ。アルミンの推測はたいてい正解だから。」
アニ「それもう推測って言わないんじゃ……」
アルミン「さっき、エレンとミカサの測定の時に色々質問したでしょ?」
エレン「あ、ああ……ってそうだよ! アルミンが変な事聞くから、ミカサといると落ち着かなくなったじゃないか!」
アルミン「エレン! あれは君のためなんだ!」 クワッ!
エレン「そ、そうなのか? ……なんか、いつも心配かけてるみたいで、ごめんな。」 シュン
アニ「アルミンに対しては素直すぎだろ……どれだけ信頼してるんだ……」
エレン「いや、なんかもう……アルミンの言う事には条件反射で頷く癖が……」
アルミン「あの質問の中で、グリシャおじさんとカルラおばさんの例を取り上げたよね?」
エレン「親父と母さんだな。うん、覚えてるけど。」
アルミン「ミカサは、あれをエレンと自分の関係に当てはめてるような気がする……いや、そう考えれば、色々と納得がいく……」
エレン「当てはめるって、どういう事だよ。」
アルミン「つまり、“グリシャおじさん=エレン”“カルラおばさん=ミカサ”って事。」
エレン「俺が親父で、ミカサが母さん……? すまん、アルミン。まだよくわからない。」
アニ「いや、それ……まさかとは思うけど……」
アルミン「うん。ミカサの頭の中では、既にエレンと夫婦のつもりでいるんだと思う。」
エレン「はあッ!?」 ガタタッ!
アルミン「さっきから、妙にミカサが大人な対応をしてると思わなかった?」
アルミン「普段なら……あのアニとエレンの相性を見れば、静かに怒り狂ってただろう……」
アルミン「だが、今はそれを受け入れるだけの余裕があるように見える……その余裕の源が……」
アニ「“妻”としての自信って事……? いや、いくらなんでもそんな無茶な……」
アルミン「でもそう考えれば納得がいく……もちろん、これは推測だから確証は無い。」
アルミン「一応は頭の片隅におきつつ、ミカサに対応するべきだと思う。」
エレン「さっきから、やけにミカサの振る舞いが母さんとだぶる気がしてたんだけど、それも……」
アルミン「“妻”のお手本として、カルラおばさんの振る舞いをなぞってる可能性が高いね。」
エレン「なんてこった……アルミンが気付いてくれなかったら大変な事になってたぞ……」 ゾクッ
アルミン「ごめん、エレン……これは僕のミスだ。君の意識を改善したと思ったら、ミカサの意識を改変してしまってた……」
エレン「謝らなくて良いって……アルミンが俺のために考えてくれたのはわかってるから。」
アニ「え、いや……あんたはそれを信じるの? いくらミカサでも、さすがにそんな突き抜けた思考は……」
アルミン「……相手はミカサだからね。」 キッパリ
エレン「……ミカサだから仕方ないな。」 キッパリ
アニ「…………なんてこった。」 クラッ…
アニ(いや、駄目だ……友達なのだから、受け入れないと……ああ、なんだかお腹が痛くなってきた……) キリキリ
とりあえず今はここまで。
流れがちょっとあれだったんで、先に区切りの良い所まで投下しておきます。
続きはまた夜に。
ラストを色々考えてて容量増えそうなので、今日中の完結は無理かもですが。
クリスタ「……ぅぅん」 ムニャムニャ
ユミル「おい、大丈夫かクリスタ。」
クリスタ「……ユミル?」 パチッ
ユミル「よし、もう大丈夫みたいだな。」
クリスタ「あれ……何してたんだっけ……」
クリスタ「すごくかわいいものとおぞましいものを見たような気が……」
ユミル(前後の記憶が飛ぶほど強烈だったのか……)
ジャン「……何してたんだっけか。」
ライナー「アニとエレンの測定をしたあたりまでは覚えてるんだが……」
ベルトルト「凄く盛り上がったような気がするんだけど、内容を思い出せない……」
エレン「三人とも記憶が飛んでるじゃねぇか! 何が『後遺症は残らない』だよ!」
ミカサ「この程度なら問題ない。」
アニ「とにかく、私とエレンの測定は終わったんだ。次に移るよ。」
アルミン「じゃあ最後はエレンだね。」
エレン「先にみんながやっちゃったから、もうほとんど残ってないんだよな……」
エレン「うん。やっぱりここは俺とライナー、ベルトルトの測定を――――」
ミカサ「エレン、少し待って欲しい。」
エレン「今までの測定結果を見直してるのか? どうかしたのか、ミカサ。」
ミカサ「さっきは触れなかったけど、“ここ”が気になっていた。」
アルミン「クリスタとミカサの測定結果だね。」
アニ「“ここ”って……ライバルの項目か? あれ……なんで5になってるんだ……?」
ライナー「ミカサとクリスタがライバル?」
ベルトルト「さすがにキャラが違いすぎて比べられないよ。」
ジャン「だな、クリスタも悪くねぇがミカサには到底及ばねぇ。」
ユミル「……良い度胸だな、ジャン。今度は私が首をねじってやる。」
クリスタ「そんな事したら死んじゃうよ!?」
ミカサ「……アニと私のライバルが5……クリスタと私のライバルも5。」
ミカサ「エレン、クリスタの事をどう思っている……?」 ズズズズズズズズ
エレン「な、なんだよ、急に……」 ゾクッ
ライナー「おかしいな、やけに空気が冷たくなったような……」 ゾゾゾ
ベルトルト「なのにイヤな汗がふきだしてくるよ……なんでだろう、不思議だね……」 ハハハ…
ミカサ「エレンの気持ちを聞いているだけ。さあ、答えて。」
クリスタ(え、これってもしかして告白、なのかな……なんだか胸が苦しくなってきたような……) ドキドキ
ユミル(違うぞ、クリスタ……それは恐怖心からくるものだ……!) ゾゾゾ
ジャン「あまり接点は無いが意外と合うかもな! 俺は応援するぜ、エレン!」
アルミン(生き急ぎすぎだろ、ジャン! また首をねじられるぞ!?)
アニ(ミカサは友達なんだ……変な心配をさせたくない……こういう時は、どうしたらわかってくれるのか……)
エレン「クリスタをどう思うかって言われても……そうだなぁ、104期生の中じゃ“一番小さい”。」
ミカサ「……他には?」
エレン「“馬術が上手い”。“優しい”。“髪が金髪”。うーん、他には……」 エート…エート…
ミカサ(うん。それぐらいなら――――)
エレン「あ、それと、“かわいい”。」
ミカサ「」 ズズズズズズズズズズズズ
エレン(よくアルミンが言ってるもんな……うん、アルミンが言うなら間違いない。)
クリスタ(あれ……エレンがかわいって言ってくれてから、胸のドキドキが止まらない……これって、もしかして……) ドキドキドキ…!
ユミル(クリスタ! それは違うぞ! それはトキメキじゃなくて動悸・息切れだ!)
エレン「もう良いだろ。アルミン、俺とライナーとベルトルトで――――」
ミカサ「待って、エレン。」 ガシッ
エレン「な! だ、だから、急に手を握るなよ!」 カァァ(///
ミカサ「……先にエレンとクリスタの相性を出して欲しい。」
エレン「え? やだよ。ライナーとベルトルトの方が仲良いし。」
ミカサ「もちろん夫を信じない訳では無い。でも夫も妻を安心させる努力をすべき。」
ライナー(……おい、今何て言った!? 俺の聞き間違いか!?)
ベルトルト(……目がマジだ。恐ろしすぎてとても突っ込めない。)
アルミン(なんてこった……僕の推測が当たってしまった……)
アニ(そうか……私が『エレンの事なんて何とも思ってない』と伝えれば良いんだ……なんだ、簡単な事じゃないか……) ホッ
クリスタ(え、夫に妻!? いつのまに結婚したの!?)
ユミル(あのエレンの表情、明らかにミカサだけの認識じゃねぇか……こいつはまた、ヤベェ事になりそうだぞ……)
ジャン(オット? ……ああ、オットーか。確か、エレンのフルネームはエレン・オットーだったな。)
ジャン(やれやれ、エレンのやつ……名字で呼ばれるとはかわいそうなヤツだぜ……) ハハハ
アルミン(ジャンの焦点が定まってない……大丈夫か……?)
ミカサ「さあ、アルミン。お願い。」
エレン「おい、待てよ! 俺はそんなつもりは――――」
ミカサ「安心して、エレン。どんな結果が出ても、私はエレンを信じている。」 …ギュゥゥゥウ
エレン「ッ!? よ、よせ! 指が……骨が……!」 …メキメキメキメキ
エレン(くそ……俺が知らない所で、親父もこんな苦労をしてたってのか……!?)
アルミン「わ、わかったから、エレンの手を離してあげてよ! クリスタも良いよね!?」
クリスタ「う、うん……あのままじゃ、エレンの手が大変な事になっちゃいそうだし……」
ミカサ「……しまった。力を入れ過ぎていたみたい。」
エレン「もっと早く気付けよ……」
アルミン「それじゃあ、エレンとクリスタ、と……」 カタカタカタカタ ポチッ
ミカサ「エレン、ごめんなさい……血が止まってしまっている。なのでマッサージを。」 サワサワ…
エレン「い、いいって! ほっとけば治る!」 カァァ(///
アニ「いいなぁ……」 ポソッ…
ライナー(まあ、俺の結果には及ばないだろうがな。) フフン
ベルトルト(許されないからね、ライナー……) ギリリリ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a8%e3%83%ac%e3%83%b3/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf
【エレンとクリスタの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 4
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 3
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 2
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 2
夫婦 ――――――――――― 5
エレン「やった! 友達が5だ!」
クリスタ「良かった、ライナー以外でも良い結果の人がいたんだ……」 ホッ
ライナー「ぐ……!? これは……!」
ベルトルト「こんな……まさか!?」
ジャン「こいつはすげぇ! 恋人、友達、夫婦に限ればライナーよりも上じゃねぇか!」
ライナー「だ、だが、大人の関係は1だ! それなら俺の方が――――!」
ジャン「馬鹿言ってんじゃねぇぞ、ライナー! 俺達はまだ15だ! 大人の関係なんざ10年早ぇ!」
ジャン「先の事は知らねぇが、今この瞬間に限れば最高の相性って事だろうが!」
ユミル「黙れ、ジャン! 適当な事ほざいてると、その口縫い合わせるぞ!」
アルミン(くそ、ジャンめ! こんなに頭の回転が速かったのか!? いや、ミカサ絡みだからか!)
ミカサ「……………………」 ズズズズズズズズズ
アニ(そうだ……私は友達の相性がいつも低い……だから、自分で努力しないといけないんだ……)
エレン「まあ、いいや。これからもよろしくな、クリスタ。」 ニッ
クリスタ「うん、こっちこそ、よろしくね。」 ニコニコ
ジャン「いやぁ、お二人さん。なかなかお似合いじゃねぇか……正直、うらやましいぜ。」
ジャン(とは言ったものの……実際の所、エレンとクリスタじゃあ共感しあえる部分がほぼ無い筈だ……)
ジャン(いや、そんな事は問題じゃねぇな……大事なのは、エレンがクリスタを意識しているように“見える”事だ。)
ジャン(ミカサからそう見えりゃあ、事実なんざどうでも良い。それならやりようはある。)
エレン「何言ってるんだ、ジャン?」
クリスタ「そんな事は無いと思うんだけど……」
クリスタ(でも、さっきからドキドキが止まらない……これって、やっぱり……) ドキドキ…
ユミル(くそが! ミカサの殺気にあてられてるのを勘違いしてやがる!)
アニ(でも、努力といっても何をすればいいのか……今まで考えた事も無かった……)
ジャン「いやいや、そうでもねぇんだこれが。クリスタの相手がアルミンじゃ、兄弟みたいだろ?」
アルミン「なんて事言うんだよ! 考えないようにしてたのに!」
エレン「確かに、体格も似てるような……」
クリスタ「言われてみれば……」
ジャン「かと言って、クリスタの相手がライナーじゃあ犯罪臭がキツすぎる。すぐに憲兵団に通報されちまうだろうよ。」
ライナー「ジャン、貴様ァァ!!」
エレン「そりゃあ、二人が並ぶと大人と子供みたいだけど……」
クリスタ「犯罪は言いすぎじゃ……」
ジャン「ま、こういうのは周囲がどう思うかが大事なんでな。本人には分かりづらいもんさ。」
ジャン「後はベルトルトだが、流石にありゃあデカすぎだ。ものには限度ってもんがある。」
ベルトルト「なんだって!?」
ジャン「となると、残るは俺とエレンだが……俺はミカサ一筋だしな。あくまで消去法だが、最後に残るのはエレンだけだ。」
アニ(変に奇をてらっても逆効果だろうし……無難に自分がされて嬉しい事をするのが良いかな……)
ミカサ「……………………」 ズズズズズズズズズ
エレン「そう、なのか……?」
エレン(言われてみると……なんか落ち着かない気分になってきた……) ソワソワ
クリスタ「そう、なのかな……?」
クリスタ(なんでだろ……ドキドキがおさまらない……) ドキドキ
ジャン(ま、その落ち着かなさの正体はミカサのプレッシャーな訳だが……勘違いしちまうよなぁ。)
アニ(私がされて嬉しい事…………どうしよう、友達に何かしてもらって嬉しかった事なんて思いつかない……)
ジャン「そうさ! 体格差も良い感じだし、お互い嫌いな部分も無いだろ?」
アルミン(その質問の仕方は汚い! 面と向かって相手の嫌いな部分なんて指摘できる訳が無いんだ!)
アルミン(でも、ここで口出しをすれば更に厄介な事に――――)
ユミル「ふざけんな! クリスタが直接相手にそんな事言える訳ないだろうが!」
アルミン「駄目だ、ユミル!」
ジャン「おっと、これは失礼! そりゃあそうだよなぁ……なら質問を変えなくちゃあなぁ。」 ニヤニヤ
ジャン「お互いに、相手を“認めてる”部分はあるだろ? それならどうかねぇ。」 ニヤニヤ
アルミン(やっぱりそうくるか! 面と向かって悪口は言えなくても、褒める事は難しくない! この二人なら尚更だ!)
アルミン(しかも“好き”という言葉を使わず“認めてる”という言葉を使った……これだけでハードルはかなり下がっている!)
アルミン(問題は、“相手に面と向かって褒められる”という行為そのものだ。年頃の異性にそんな事をされれば――――!)
アニ(泣きそうだけど……ここで心を折られてたら、いつまでたっても変われない……)
エレン「それなら……クリスタはやっぱり馬術が凄いよな。技術ももちろんだけど、それだけじゃなくて馬に好かれてるって感じだ。」
エレン「クリスタはいつも優しいから、馬にもそれがわかるのかな。あれだけは、どんなに頑張っても俺には真似できないと思う。」
クリスタ「そ、そうかな……なんだか照れちゃうな……」 カァァ(///
クリスタ「エレンは……うん、最初は正直……なんだか怖かったけど、それだけ真剣だったんだよね……」
クリスタ「ミカサはもちろん何でもできるし、他の成績上位のみんなって、最初から上手にできる得意分野があったんだけど……」
クリスタ「エレンが得意なのって、ほとんど得点にならない近接格闘だけだったよね。それだってアニの方が上手だった……」
クリスタ「なのに、今は上から5番目くらいの成績なんだもん……それって、エレンが他の人の何倍も努力したって事だよね。」
クリスタ「そういうのって……本当に凄いし、私も見習えたらなって思うよ。」
エレン「俺は、みんなより才能なかったし……頭も悪いから……死ぬ気で努力するくらいしか、出来る事無かったんだ。」
クリスタ「最初からなんでも出来る人なんて凄く少ないんだよ。努力して向上できる方が、私は立派だと思う。」
エレン「……人に褒められたくてやってた訳じゃないけど、そう言われると……やっぱり嬉しいな。」 カァァ(///
アニ(でも無理をしても仕方ない……ここは私が好きな事を考えた方が良さそうだ……)
ジャン「自覚が無いだけで、二人はお似合いなんだぜ? ま、クリスタは人気者だ……認めたくない奴は多いだろうがなぁ……」 チラッ
ライナー(こいつ……先手を打つとは……!) グヌヌ
ベルトルト(これじゃあ何を言っても、嫉妬からの反発みたいじゃないか……!) グヌヌ
ユミル(ちぃ! ジャンの野郎……まさかここまで頭が回るとは……完全に甘く見ていた!) ギリリッ
アルミン(くそ、完全に後手に回った……二人が素直すぎて、ジャンの誘導に完全にはまっている……!) ギリッ
アルミン(でもまだ“多少気になる”程度の段階だ。既にミカサを意識したエレンが、これ以上クリスタに傾くとは思えない!)
アルミン(アニならともかく、エレンとクリスタは今までほとんど接点が無かった! これ以上二人の距離を縮めるには時間が必要だ!)
ジャン(――――なんて事を考えてるんだろうなぁ、アルミン……そんな事は百も承知よ!)
ジャン(“二人の距離を縮める”だぁ? んなもんどうでも良いんだよ! どう“見える”か。それさえ上手くやりゃあ俺の目的は達成される!)
ジャン「ま、急にこんな話を聞いてもピンとは来ねぇわな。……ところでエレン、巨人を駆逐するって夢は変わって無いよなぁ?」
エレン「当たり前だろ! 笑いたきゃ笑えよ……! それでも俺は――――!」
ジャン「待て待て! そう熱くなんな。立派な目標じゃねぇか。馬鹿になんかしねぇよ……」
ジャン「念願かなって巨人を駆逐した……その後は外の世界を探検したいんだよな?」
エレン「そうだ……自由に、なにも恐れずに青空の下を歩くんだ……」
ジャン「良いねぇ……だが一人じゃ寂しいよなぁ。まあ、ちょっと考えてみろよ。」
ジャン「広い外の世界を歩くのは大変だ……やっぱ馬はいるだろ。」
エレン「それは……まあ、そうだろうな。」
アニ(そうだ……たまにクリスタが淹れてくれる紅茶……これをミカサ達に振る舞ったら喜んでくれるのでは……)
ジャン「馬に二人で跨ってよぉ、抜けるような青空の下、何の不安も感じずにのんびりと旅をする……どうだ?」
アルミン(ッ! ジャン、汚いぞ!) ハッ
エレン(ミカサもあれで女だし、やっぱり揺れにくい前に乗せた方が良いよな……で、アルミンと何処に向かうか話しながら馬を歩かせるんだ……)ワクワク ドキドキ
ジャン「当然、巨人に怯える事なんかねぇ……ただひたすら自由に、気の向くままに馬を走らせる……」
ジャン「疲れたならその辺の草原にでも寝っ転がってよぉ……穏やかな陽射しの下で昼寝とか、最高じゃねぇか……」
エレン(贅沢なものなんて無くて良い……パンと水だけでも良い……)ワクワク ドキドキ
エレン(三人で――いや、アニもいれて四人か……優しい風が吹く草原でくつろげたら、それだけで最高に楽しいに違いない……) ワクワク ドキドキ
アルミン「駄目だ、エレン――――」
ジャン「おい、アルミン! 俺の話はまだ終わっちゃいねぇぞ!」
アルミン「くっ……!」
アニ(紅茶の葉……たくさん手に入れるのは無理でも……四人分くらいなら何とか……)
エレン(“炎の水”……“氷の大地”……“海”……きっと、どれも遠い所にあるんだろうな……) ワクワク ドキドキ
エレン(でも、仲間と一緒なら……長旅だって楽しいさ……うん、絶対に楽しい……!) ワクワク ドキドキ
アルミン(マズい! 完全にエレンが少年の瞳になってる!)
ジャン「なあ、クリスタもそう思うだろ? 青空の下、何の不安も感じず二人で馬を走らせる。最高だよな。」
クリスタ「うん……叶うと良いな……」
エレン「叶うさ! 巨人を駆逐すれば、いくらでも外の世界を旅できるんだ!」 ガシッ
クリスタ「……やっぱり、エレンは凄いね。」 ギュ…
クリスタ(本気でそれが叶うと思ってるんだ……本当に自分を信じてて……私とは大違い……)
アニ(足りなかったら、商会で日雇いの仕事でも探して……なんだろう、考えるだけで凄く楽しい……)
ジャン(感極まって手まで握ってくれるのか。良い仕事するじゃねぇか、エレン。) ニヤニヤ
ジャン(目を潤ませて仲良く手を握っちまって……いやいや、実に仲が良いようでなによりだ。)
ジャン(少なくとも、そう“見える”よなぁ、アルミン?) ニィィ
※イメージ画像
http://uploda.cc/img/img51aab5f28d902.jpg
ミカサ「……………………」ズズズズズズズズズズ
アルミン(や、やられた……! クリスタとエレンの距離を縮めるのが目的じゃなかったんだ!)
アルミン(最初から、この瞬間を演出するためだけに二人を誘導……くそ、ジャンの目的を見誤った!)
アルミン(まるで、エレンがクリスタと外の世界を旅する約束をしてるように見えるが、そうじゃない!)
アルミン(エレンは、巨人を駆逐する決意をあらたにしているだけだ! エレンはクリスタを見てない! 見てるのは外の世界だ!)
アルミン(何度も一緒に外の世界について話してたから、僕にはわかる! あの輝く瞳は外の世界に思いを馳せている時のものなんだ!)
アルミン(途中からジャンは名前を出さなかった! もしクリスタの名前を出せば、きっとこうはならなかった!)
アルミン(同行者を意図的にぼかす事で、“僕達”と旅に出る話だと錯誤させたんだ……! でも、そんなの他の人にはわかりっこない!)
ライナー「馬鹿な……エレンとクリスタだと!?」
ベルトルト「そんな! 完全にノーマークだったのに!」
ユミル「“死にたがり野郎”の分際で……!」
アルミン(くそっ! やっぱり皆も誤解してる! あれはそういう意味じゃないのに!)
アルミン(二人の距離が実際に縮まった訳じゃない! なのに、周囲はそう錯覚してしまった!)
アルミン(ミカサも含め、周囲がエレンとクリスタが良い雰囲気だと思ってる! 理屈じゃなくて、今この場はそういう“空気”になってしまってる!)
ジャン(いや、俺も正直ここまで上手くいくとは思ってなかったが……エレンが期待以上に良い仕事してくれたんでな……)
ジャン(周囲の人間を惹きつけるのは大した才能だが、今回はそれが裏目に出ちまったなぁ。)
アルミン(僕が今更どんな理屈を並べても、それでは“空気”は払拭できない……でも、早く何とかしないと、本人達がこの“空気”に呑まれかねない!)
アルミン(真っ直ぐなエレンの事だ……たとえ勘違いからでも、一度その気になってしまえば……そのまま突っ走ってしまう……!)
エレン(あれ……なんで俺クリスタの手を握ってるんだっけ……?) ドキドキ…
クリスタ(エレンの手……大きい……やっぱり男の子なんだ……) ドキドキ…
エレン(何話してたんだっけ……? あれ……クリスタって、こんなにかわいかったっけ……) ドキドキ…
ジャン(おや? その気になってきたか、エレン? 良いんだぜぇ、クリスタに惚れちまってもよぉ……!) ニヤニヤ
ミカサ「……………………」ズズズズズズズズズズ
アルミン(マズイ……ミカサが席を立った……もう一刻の猶予も無い!)
ジャン(おおっとミカサも御立腹だ……さてさて、この状況……どうにか出来るかぁ、アルミン? ) ニヤニヤ
※イメージ画像
http://uploda.cc/img/img51aab5f28d902.jpg
アニ(そうだ……クリスタに紅茶の入れ方を教えてもらわないと……)
アニ「ねえ、クリスタ……」 ハッ
アニ「……?」
アニ「なんで、エレンとクリスタが手を握り合ってんの?」 ムッ…
ジャン「おいおい、アニ……何を言ってんだ。二人は外の世界を探検する約束をだな――――」
アニ「外の世界を探検……? エレンとクリスタが……? なんで? 」
ジャン「おま、なんでって……見てたらわかるだろうがよ。それに、二人仲良くお話しだってしてた――――」
アニ「仲良くお話し……? エレンとクリスタが……? なんで? 」
アルミン(アニ!? まさか……この“空気”に呑まれてないの!?)
ジャン「いや、なんでって……話聞いてただろ!?」
アニ(しまった……考え事してたから、全然見てなかったし、会話も耳に入ってなかった……)
アニ「……ごめん、聞いてなかった。」
ジャン「はあ!? おま、そんな馬鹿な話がッ!!」
アニ「えーと……それで、どうして二人は手を?」
クリスタ「え……っ、わわわ!」 パッ (///
エレン「……言われてみれば、何でだっけ?」
アニ「それで、どうしてクリスタと外の世界を探検するなんて話に……? ミカサやアルミンは?」
エレン「……え? なんで俺がクリスタと外の世界を探検するんだよ。ミカサやアルミンと一緒に決まってるだろ。」
クリスタ「……え? 私もそんな約束をした覚えは……」
アニ「…………?」
ジャン(話を聞いてなかっただと!? 嘘だろ!?)
アルミン(これは演技じゃない! 本当にアニは見ても聞いてもいなかったんだ! だから場を支配する“空気”に気付いてすらいない!)
アニ「要領を得ないね……ミカサ、何が何だか分からないんだけど……」
ミカサ「え、それは……エレンが……」 エート エート
ミカサ「…………?」 アレ?
アニ「いや、首を傾げられても……誰か説明してよ。」
ライナー「いや、エレンとクリスタが良い感じになってたんだが……」
ベルトルト「でも、なんでそう思ったんだっけ……」
ユミル「……ん? 言われてみりゃあ、別に何もなかったんじゃないか……?」
アルミン(そうだ! 正解は“何も無かった”だ! ジャンの煽りに乗せられて、勝手に皆がそういう“空気”を演出してしまってただけなんだ!)
アルミン(集団の無意識によって醸成された“空気”は、内容が無くても強くその集団を支配する!)
アルミン(だが、それは“異物”の侵入によってたやすく霧散する! 内容が無いのなら尚更だ!)
ジャン「馬鹿な……完全に、俺の勝ちだと思ったってのに……」
アルミン「ああ、正直に言って、もう駄目かと思ったよ。アニがいなければ、本当にマズい事になってた。」
アルミン「ジャン……君のミカサへの執念と、煽りの才能を甘く見てた……」
ジャン「ちくしょう……俺は、ただ……ミカサに……」 ガクッ…
アルミン(でも、この煽りの才能は集団を鼓舞する事にも応用できるんじゃ……意外とジャンは指揮官向きなのかもしれない……)
アニ「……じゃあ、結局何も無かったって事で良いの?」
アルミン「そうだよ! 何も無かった!」
エレン「そうなのか……? まあ、アルミンが言うならそうなんだろう。」
アニ「なら、良いけど……あ、そうだ……クリスタ、ちょっと聞きたい事が……」
クリスタ「うん。紅茶の淹れ方が知りたいの? それなら、まだ紅茶の葉が残ってるから実際にやってみようよ。」 ~♪
クリスタ「そろそろ喉が渇いてる頃だと思うんだけど、みんなも飲むよね?」
ライナー「それはありがたい!」
ベルトルト「もちろんだよ!」
ユミル「さすが私の女神だな!」
ミカサ「私も何か手伝いを……」
アニ「いいよ。私が覚えたいから、あんたは座ってな。」
ミカサ「? ……うん、わかった。」
今日はここまでです。
後はオチとエンディングになるので、そんなに長くなさそうな感じ。
続きはまた明日になります。
ライナー「ふぅ……やはりクリスタの淹れてくれる紅茶は最高だな。」
ベルトルト「この瞬間だけは、日々の過酷な訓練を忘れられるよね。」
クリスタ「そ、そうかな……そんなに上等な葉じゃないんだけど……」 テレ…(///
アルミン「なら、それだけクリスタが上手って事なんじゃないかな。」
ユミル「よし、クリスタ結婚してくれ。」
エレン「うん。ホントに美味いよ。」
ミカサ「とても良い香り。」
クリスタ「あ、ありがとう……」 テレ テレ (///
ライナー「それに比べて……」
ベルトルト「こっちは妙に薄い気が……」
アニ「う、うるさいな……!」 カァァ(///
クリスタ「だ、大丈夫だよ! ちゃんとアニが淹れてくれた紅茶も美味しいから!」
ユミル「まあ、悪くはねぇが……クリスタのと比べるとなぁ。」
エレン「え、何が? アニのも美味いだろ?」
ミカサ「……とても良い香り。」
アルミン(エレンは味の違いに気付かず、ミカサは気付きながらもそれには触れず、か……)
ライナー「まったく……同じ茶葉を使いながら、ここまで差が出るとは……」
ベルトルト「まあ、アニだしね。愛情的な意味でも、薄味なのは仕方ないかも。」
アニ「……そんなに味を濃くして欲しいなら、あんたらから鉄分を絞ってやろうか? 色も似てるし、ちょうど良いだろ。」
ライナー「すまんかった。」
ベルトルト「ごめんなさい。」
ライナー(やれやれ、新しい友達が出来て少しは丸くなったかと思ったが……)
ベルトルト(まだまだ女の子らしさとは無縁か……)
ジャン(お前らが挑発するからだろ……なんでそう自分から地雷を踏もうとするんだ……)
クリスタ「最初から上手にできなくたってそれが普通なんだから……」
ライナー「それもそうだ。ならアニ、練習でもしてみたらどうだ?」
ベルトルト「一つくらいは、女の子らしい特技があった方が良いんじゃないか?」
アニ「練習って言われても……紅茶の葉なんて、安いものじゃないだろ……」
ライナー「安心しろ。俺達も出してやる。」
ベルトルト「アニが美味しい紅茶を飲ませてくれるなら、その価値はあるね。」
アニ「二人とも……」
アルミン(なんだかんだ言いながら、二人もアニを気にかけてるんだ……)
アニ「まあ、練習に付き合ってくれるんなら感謝するよ……」 プイッ
ライナー「楽しみにしておく。」
ベルトルト「期待してるよ。」
サシャ「おや、皆さんお揃いで何してるんですか?」
エレン「なんだいたのか、サシャ。」
サシャ「寮でごろごろしてたんですけど、退屈になったんで誰かいないかなー、と。」
サシャ「それで、いったい何を――――」 ハッ
アルミン「うん……まあ、いつものやつだよ。」
サシャ「またそれを持ち出したんですか!?」 ビクッ!
アルミン「今回は僕達が遊びでやってるだけだから、罰則は無いよ。」
エレン「そういや、前回の時、死ぬ寸前まで走らされてたっけ……」
サシャ「まあ、罰則が無いのなら別に良いんですけど……それで、今回はどういった内容なんです?」
アルミン「二人の相性を測定できるんだよ。あ、何ならサシャもやってみる?」
エレン「俺が後1回できるから、その後だけどな。」
サシャ「だったら、私とエレンの相性を調べてみましょうよ。」
ミカサ「ッ!」 ガタッ!
アニ「…………」 ピクッ
サシャ「エレンと私って、毎回似たような結果でしたし、きっと相性良いですよ!」
ライナー(流石はサシャだ……並の度胸じゃない……)
ベルトルト(これまでの経緯を知らないから、自分が危険な橋を渡ろうとしてる事に気付いてないのか……)
ジャン(つってもなぁ……サシャとエレンじゃなぁ……もう煽る気力も残ってねぇし、どうでも良い……)
エレン「……ま、良いか。それじゃあアルミン、俺とサシャで出してみてくれ。」
サシャ「相性良かったら結婚して下さいね! なんて。」 アハハ
アルミン(…………いや、流石に大丈夫だよね? ここまで来て、更なる修羅場とか無いよね?) カタカタカタカタ ポチッ
ミカサ「…………」 ズズズズズズズズズズ
アニ「…………」 ピキピキ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%a8%e3%83%ac%e3%83%b3/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3
【エレンとサシャの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 3
同僚 ――――――――――― 5
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 2
大人の関係 ―――――――― 5
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 1
サシャ「そんなッ!?」
エレン「あれ?」
アルミン「…………ッ!」 ガクガクブルブル
ミカサ「…………」
ジャン「…………」
ライナー「…………」
ベルトルト「…………」
アニ「…………」
クリスタ「…………」
ユミル「…………」
ライナー「……何と言うか――――」
アルミン「駄目だ、ライナー! その先はいけない!」
ベルトルト「……同僚が5で――――」
アルミン「やめて、ベルトルト! お願いだから!」
ジャン「……大人の関係が5――――」
アルミン「やめてよ、ジャン! それ以上は駄目だってば!」
ユミル「……夫婦が1って――――」
アルミン「ユミル! ホント駄目! やめて、お願いだから!」
クリスタ「……まるで不倫相手――――」
アルミン「クリスタァァァァァァァァア!!」
ミカサ「…………」 ズズズズズズズズズズ
アルミン「待って、ミカサ! 座って! とりあえず落ち着こう! ね!?」
アニ「…………」 ペキポキ パキバキ
アルミン「なんでアニは拳を鳴らしてるの!? 待って、ちょっと待って! ね!?」
ジャン「……そういや、この前の立体機動の訓練の後、『獲物を奪うのに作法が必要ですか?』とか言ってたな。」
アルミン「ちょっとォォ!? それ今言う事じゃないよね!? 絶対意味違うよね!?」
ライナー「よく美味そうにパンくわえてるよな。あれだけ口が開くなら……」
アルミン「だから何だって言うんだよ!? どうしてそこで言葉を切るんだよ!?」
ベルトルト「……言っていいの?」
アルミン「許される訳ないだろォォ!? 何考えてるんだよ、バカ野郎ッ!!」
ミカサ「……どいて、アルミン。」
アニ「別にどうこうするつもりは無いさ。」
アルミン「そ、そそそ、そうだよね!? サシャも仲間だもんね!?」
ミカサ「……泥棒猫を駆除するだけ。」
アニ「……躾のなってない野良猫は、ちゃんと躾けてあげないと。」
アルミン「駄目だ! 話が通じてない! サシャ、早く逃げ――――」
サシャ「…………ッ」 プルプルプルプル…
エレン「おい、サシャ……? 大丈夫か?」
サシャ「……っ……っ」 ポロポロポロポロ
ミカサ「…………!?」
アニ「え、これ……本当に泣いてるんじゃ……」
サシャ「……ぐっ……ぇぐっ……っ」 ポロポロポロ
クリスタ「ど、どうしたの、サシャ!? なんで泣いてるの!?」 オロオロ オロオロ
ユミル「お、おいおい、何なんだよ急に……ほら、クッキー――はもうないけど、欠片ならあるぞ。食うか?」 オロオロ オロオロ
サシャ「……だ……だ、って……っ」 ポロポロポロ
アニ「あ、いや、さっきのは冗談だから……! 本気でどうこうするつもりは…………」 オロオロ オロオロ
ミカサ「そ、そう……さっきのは、ただの冗談…………!」 オロオロ オロオロ
アルミン(え、どうするの、これ……!?) オロオロ オロオロ
ライナー(と言うか、何故急に泣きだしたんだ!?) オロオロ オロオロ
ベルトルト(ミカサとアニに怯えてるって感じでも無いよ!?) オロオロ オロオロ
ジャン(おいおい、勘弁してくれ……サシャも一応女なんだから、泣かれたらどうしようもねぇだろ……) オロオロ オロオロ
エレン(アルミン! 早くなんとかしてくれ!) オロオロ オロオロ
サシャ「わ、たし……っ……エレ、と……相性良いと思っ……のに……」 エグッ…エグッ…
ジャン「エレェェン! お前が原因だぁぁ!!」
ライナー「責任とって何とかしろ! 早く!!」
エレン「うそだろ!? 俺何にもしてないぞ!?」
クリスタ「落ち着いて、サシャ! 大丈夫だから、ね?」
ユミル「エレンのやつに何か言われたのか?」
エレン「言ってない! 俺は何も言ってない!」
ベルトルト「気付かずに人を傷つける事だってあるんだぞ!」
アルミン「エレン! 怒らないから、何を言ったか正直に教えるんだ!」
ミカサ「エレン、一緒に謝ろう。」
アニ「あんたの言葉は、悪意が無い分深く刺さるんだよ。」
エレン「ち、違……! 俺は本当に何も言ってないんだって!」
サシャ「今、まで……相性……良かっ、のに……」 ヒック…ヒック…
クリスタ「うん……うん……そうだね……」 ヨシヨシ…ヨシヨシ…
ユミル「ほら、泣くなって……落ち着け、私達がついてるから。」
ジャン「おい、どうだ……?」
アルミン「うん……そろそろ聞き取りは終わりそうな感じだね。」
エレン「なんで正座させられるんだよ! 俺は何もしてないんだって!」
ライナー「いいから、黙って正座してろ。」
ベルトルト「深く反省するんだ。」
アニ「自覚がなくても、あんたの言葉は人の心を抉るんだから。」
ミカサ「エレン……私も一緒に謝ってあげるから、何を言ったのか正直に話して?」
エレン「お前は母さんか! 俺は何も言ってない!」
クリスタ「――――という訳だったみたいなの。」
ライナー「ふむ……今までエレンと相性が良さそうな結果だったのに、今回夫婦が1だった。」
ベルトルト「相性が良い筈のエレンで1なら、もう誰と測定しても夫婦が1だと思った。」
ジャン「誰とも結婚できず、ずっと一人ぼっちだと思うと悲しくて仕方がなかった、と。」
アルミン「なるほど……サシャも女の子だもの。一生独身だなんて耐えられないよね……」
ミカサ「……不憫。」
アニ「おまけに、不倫相手扱いされれば泣きたくもなるか。」
アルミン(ほぼそれが原因だと思うけど……)
エレン「…………つまり……俺、何も悪くないよな?」
ライナー「すまなかった……てっきり、またお前が余計な事を言ったものと……」
ベルトルト「ごめんよ、エレン……普段の君の言動から、また今回もやらかしたのかと……」
ジャン「悪かったな……お前のせいに違いないと思ったんだが……」
アルミン「ごめん、エレン。僕の早とちりだったみたいだ……」
ミカサ「ごめんなさい。」
アニ「悪かったよ、ただ経験者としてはやっぱりね……」
エレン「何でまだ疑いの目で見てるんだよ!? 俺じゃなかっただろ!?」
クリスタ「大丈夫だよ、サシャ。サシャはかわいいんだから、いくらでも良い人見つかるよ。」
ユミル「相性が悪いからって絶対に結婚出来ない訳じゃないんだ。ま、そう気にすんなよ……」
エレン「そうそう、サシャはいい奴だから、その内いい奴が見つかるって。」
サシャ「ほん、と……ですか……?」 グスン…
エレン「ああ、男がほっとかないだろ。大丈夫だって、自信持てよ。」
サシャ「じゃあ……もし……お願い、したら……私と、結婚……してくれますか……?」 グスッ…
エレン「え? やだよ。サシャはただの友達だし。」
サシャ「…………ッ」 プルプルプル…
エレン「?」
サシャ「」 ブワッ!!
エレン「どうした!?」
サシャ「うわぁぁぁぁぁあああん!!」 ビエーーン!!
ジャン「エレェェェェェェェェン!!」
ライナー「どうしてお前はいつもいつもそうなんだァァ!!」
アルミン「そこは嘘でも良いから頷いてよ! せめて保留するとか、色々あるよね!?」
ベルトルト「拒絶するにしても、もう少し言い方ってものがあるだろォォ!!」
ミカサ「……ッ……ッ」 オロオロ オロオロ
アニ「無理してフォロー考えなくて良いよ。流石にこれは擁護できない……」 ハァ…
サシャ「わぁぁぁぁあああん! うわぁぁぁああん!!」 エーン! エーン!
クリスタ「泣かないで、サシャ。エレンには期待しちゃだめなの……あなたも知ってたでしょ……」 ヨシヨシ
ユミル「男なんざ他にいくらでもいるだろ? あんなのは数に入れなきゃ良いんだよ。」
エレン「……俺そんなに酷い事言ったか?」
ライナー「俺がサシャならぶん殴ってるぞ。」
ベルトルト「憲兵団に通報されてもおかしくないレベルだ。」
アニ「……サシャ。エレンじゃなくても、誰かしら相性の良い奴がいれば一応は満足だろ?」
サシャ「……ぇ、ぐ…………はい。」 グスッ…グスン…
アニ「なら、ベルトルトと測定してみればいい。自分で認めたくは無いけど……ベルトルトは私と測定しても相性が良かったんだ。」
アニ「こいつなら、誰と測定しても良い相性の筈だ。」
アルミン「そうだよ! ベルトルトは誰と測定してもそれなりの結果なんだ!」
ライナー「こいつは大人しいからな、元気なサシャがいれば丁度いいんじゃないか?」
ベルトルト「そうだね、きっと毎日楽しいだろうね。」 ハハハ
エレン「ベルトルトのやつ、サシャに気があったのか……意外だな……」
ジャン「エレン、何も言わずに一発殴らせろ。」
アルミン「エレン、少し黙ってて。後で社交辞令って言葉と意味を教えてあげるから。」 カタカタカタカタ ポチッ
エレン「…………」 イジイジ
ミカサ「…………」 ヨシヨシ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3/%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%88
【サシャとベルトルトの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 2
友達 ――――――――――― 1
同僚 ――――――――――― 1
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 4
大人の関係 ―――――――― 4
ライバル ――――――――― 1
夫婦 ――――――――――― 1
サシャ「うわぁぁぁぁぁあああん!!」 ビエーーン!!
ライナー「ベルトルトォォォォ!!」
ベルトルト「ぼ、僕の責任になるのか、これ!?」
ジャン「これは酷過ぎるだろ……完全に仕事だけの付き合いじゃねぇか……」
アニ「……見損なったよ。」
ベルトルト「ま、待ってくれ! 僕はそんなつもりは!」
ミカサ「鬼畜の所業。」
ベルトルト「そこまで言われるのか!?」
クリスタ「なら、サシャの事は好きなんだよね!?」
ユミル「どうだ、サシャ! ベルトルさんは背が高くてカッコ良いぞ!」
サシャ「…………っ」 ジー
クリスタ「え! それは……いや……ッ!」 プイッ
サシャ「うわぁぁぁぁぁあああん! やっぱり私はずっと一人ぼっちなんやぁぁ!」 ビエーーン!!
アルミン「何やってるの、ベルトルト!!」
ベルトルト「し、しまったァァ!?」
ベルトルト(クリスタに聞かれたから思わず口ごもってしまった……!)
エレン「…………」 ニコニコ
ベルトルト「やめろ! そんな目で見ないでくれ! 僕は君とは違う!」
ジャン「馬鹿か、お前はエレンと同罪だ! 隅っこでエレンと一緒に大人しくしてろ!」
ベルトルト「違う……違うんだ……こんなつもりじゃ……」
エレン「俺たち友達だろ、ベルトルト。」 ポンポン
ベルトルト「うう……違うんだ……僕は……」 イジイジ
クリスタ「そ、そうだ! ライナーならきっと大丈夫!」
クリスタ「私とライナーはすっごく相性が良かったの。きっとサシャも同じだよ!」
サシャ「……ぇぐ……っぐ。」 グスッ グスン
アルミン「じゃあサシャとライナーだね! きっと良い結果になるよ!」 カタカタカタカタ ポチッ
ジャン(ライナーの相性は幅が酷いんだよな……こいつはギャンブルになるぞ、アルミン……)
ライナー(まったく、ベルトルトの奴め……サシャをあやすぐらい出来なくてどうする!)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3/%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc
【サシャとライナーの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 5
友達 ――――――――――― 4
同僚 ――――――――――― 2
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 4
大人の関係 ―――――――― 3
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 1
ライナー「どうだ、サシャ! 俺とお前ならこんなに相性が良いぞ!」
クリスタ「見て、サシャ! 恋人が5で友達が4だよ!」
ユミル「ライナーは頼れる兄貴分だ。これならお前も文句ないだろ?」
サシャ「そ、そうですよね……私もライナーなら……」 エヘヘ…
ジャン(ふぅ……一応は泣きやんだか……)
アルミン(後は適当に話を合わせてあげれば大丈夫だろう……)
サシャ「……あ。」
アルミン「どうしたの、サシャ?」
サシャ「……夫婦が1です。」 グスッ…
アニ「まあ、気にしなくて良いんじゃないか? 恋人が5なんだし……」
ミカサ「その通り。気にする事は無い。」
サシャ「でも……それって……っぐ……遊ばれて、最後は捨てられるって事、じゃ……っ」 グスン…ズズッ…
ライナー「なんだと!?」
アルミン「ライナーはそんな事しないよ! 悪い方向に考えすぎだってば!」
クリスタ「そ、そうだよ! ライナーはそんな不誠実な事しないよ!」
サシャ「じゃあ、なんで夫婦は1なん? これって、最後まで面倒みてくれへんてことやんか!?」 ブワッ!
アルミン(まずい! また泣きだすぞ!)
ジャン(ちぃ……こうなったら仕方ねぇ! 悪く思うなよ、ライナー!)
ジャン「サシャ! お前に問題がある訳じゃねぇ!」
サシャ「……っ……?」 グスン
ジャン「問題があるのはライナーの性癖だ! こいつはホモなんだ!」
ライナー「ッッ!?」 ガタタタッ!
ジャン「だから女のサシャとは結婚できねぇんだ! わかってやってくれ!」
サシャ「…………」 グスッ
ライナー(ジャァァァァァァァァン!! 貴ッ様ァァァァァァァァァァ!?)
サシャ「……そう、なん?」 ジー
ライナー「い、いや、それは――――」 ハッ
エレン(“いくら不利な状況でも逃げてはいけない時もある”だっけ?) ジー
ベルトルト(ほら、拒絶しなよ。そしてこっちに来ればいい。君も仲間になるんだ。) ジー
ライナー(!!)
ライナー(…………ッ) ギリリッ
ライナー(ああ……兵士には引けない状況がある……)
ライナー(今がそうだ!) クワッ!
ライナー「すまないな、サシャ。実はその通りなんだ……だから、お前の期待には応えられない。」
ライナー「だが、お前ならいくらでも男が寄ってくるだろう。自信を持て。」 ナデナデ
サシャ「ライナー……ッ!」 パァァァァァァ
クリスタ(ライナー……涙でにじんであなたが見えないよ……) ポロポロ
ユミル(ライナー、お前……胸張って生きろよ。)b
アニ(……ライナー、あんたは戦士だ。) ホロリ…
ミカサ(あなたの尊い犠牲は忘れない。) ジワッ…
ジャン(ライナーに敬礼!)
アルミン(君に心臓を捧げる!)
サシャ「もしかして……というか、やっぱりと言うか……お相手はベルトルトなんですか……?」 ドキドキ
ライナー「ッ!?」
アルミン「ッ!?」
ジャン「ッ!?」
サシャ「意外と、アルミンとかジャンの可能性も……?」 ドキドキ
アルミン・ジャン「ベルトルトに決まってるだろ。」(即答)
ライナー「お、お前らァァ!?」
アルミン「ほら、ライナー。向こうでベルトルトが待ってるよ。」
ジャン「変な勘違いされたら困るんでな。さっさと向こうに行ってくれや。」
ライナー「ま、まさか……!? これだけやらせておきながら、俺を切り捨てるつもりか!?」
サシャ「え?」
ライナー(ぐっ……!)
アルミン「なんでもないよ、サシャ。」 ニコニコ
ジャン「ライナー、向こうでベルトルトがお待ちかねだ。おら、急げよ。」
ライナー「こんな馬鹿な……」 トボトボ…
エレン「結局お前もこっち側か……俺たち友達だよな、ライナー。」 ポンポン
ライナー「エレン、お前はいい奴だな……それに比べて、あいつらは悪魔だ……」 イジイジ
ベルトルト「同情するよ、ライナー。でも僕にその気は無いからね。」
サシャ「……もしかして、エレンも。」 ジー
ミカサ「エレンは違う。おかしな勘違いをしないように……」 ズズズズズズズズ
アニ「……………………」 ペキパキッ ゴキボキッ
サシャ「ひっ! ご、ごめんなさい……!」 ブルブル…
ジャン「そうそう、ライナーがホモなのは秘密だからな。誰にも言うんじゃねぇぞ。」
ジャン「サシャだから信頼して話したんだ。お前が特別なんだからな、勘違いすんなよ。」
サシャ「と、特別ですか?」
アルミン「そうだよ。サシャだから話したんだ。これは、僕達だけの秘密だからね。」
ジャン「頼むから、裏切ってくれるなよ。お前じゃなきゃ話してないんだ。」
サシャ「わ、わかりました! 誰にも言いません!」
サシャ(特別……私だけ……秘密……) エヘヘ…
ジャン(ま、こんなもんだろ。サシャ程度、上手く扱えなくてどうするって話だ。)
アルミン(今日のジャンは味方にすると頼もしいな……)
ユミル(こいつら、手慣れてやがる……) ゴクッ
今日はここまでです。
最後はアッサリ流して終わりにしようかと思ったんですが、予想以上にサシャの結果が酷かったので、もう少し続きます。
続きはまた明日です。
【追記】
エレン「恋愛能力診断?」を手書き動画にして頂いたようです。
色々と設定に適当な部分があるのに作って頂いて感動しました。
最後まで手書きにするのは大変だと思いますが、こっそり見守らせて頂きたいと思います。
サシャ「ライナーはホモなので仕方ないですけど……結局、このままじゃ私は一人ぼっちって事に……」
ジャン「それなんだがよ……サシャと相性が良いのは、俺達よりコニーの奴なんじゃねぇか?」
クリスタ「そうだよ! 育ちも似てるし、きっとコニーとサシャなら相性バッチリだよ!」
サシャ「そ、そうですよね! 私もそんな気がしてきました!」 パァァァァァァ
アルミン「僕も同感だ。それじゃあサシャとコニーの相性を出してみるね!」 カタカタカタカタ ポチッ
ライナー(ジャンとアルミンめ! 自分達の測定を回避しやがった!)
ベルトルト(だったら最初からコニーを選んどけば良かったじゃないか!)
ミカサ「エレンはもう少し相手の立場で考えてから話をするべき。」
エレン「やめろよ! 母さんじゃあるまいし、なんでお前にお説教されなきゃいけないんだよ!」
アニ「なら、私が説教してあげようか。悪いけど、口下手だから別の方法になるよ。」
エレン「やだよ! それだったらミカサの説教の方がまだマシだ!」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3/%e3%82%b3%e3%83%8b%e3%83%bc
【サシャとコニーの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 5
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 3
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 3
大人の関係 ―――――――― 3
ライバル ――――――――― 1
夫婦 ――――――――――― 1
サシャ「…………」プルプルプル…
アルミン「す、凄いよ、サシャ! 恋人、友達、相談相手が5なんだよ!?」
ジャン「マ、マジかよ、羨ましいねぇ! これぞベストパートナーって奴じゃねぇか!?」
クリスタ(二人の声が微妙に震えてる……)
ユミル(なんで狙ったように夫婦は1なんだよ……)
サシャ「でも……でも、やっぱり夫婦は1やし……」 ジワッ…
ジャン「し、仕方ねぇだろうが! そういう事もある!」
サシャ「やっぱり……や、っぱり……っく……私、ずっと一人ぼっちって事なん……?」 ポロポロ
アルミン「大丈夫! サシャが悪い訳じゃないよ!」
サシャ「ふぇ……?」 ポロポロ
ジャン「そうだ! 全部コニーが馬鹿なのが悪い!」
サシャ「え、えぇ……?」 ポロッ
アルミン「考えてもみてよ、サシャ。夫婦になるって事は、とても大きな責任が伴うんだよ?」
ジャン「そんな大事な役目、コニーみたいな馬鹿に務まる訳がねぇんだ!」
アルミン「そうさ! サシャ、君は何も悪くない! 悪いのは全部コニーだ!」
サシャ「そ、そうやんね! 私のせいやないよね!?」 パァァァァァ
ライナー(その理屈、俺達の結果も考えると、遠まわしにサシャに馬鹿って言ってるようなもんだぞ。)
ベルトルト(でもコニーがこの場に居ないのを良い事に、全部押しつけたね。悪魔かこの二人。)
エレン(ほら、こっちの席空いてるぞ……アルミンとジャン、どっちが来るんだ……?) オイデ オイデ
ミカサ(今回はコニーに責任を押し付けた。二人ともこのまま話を続けるつもりみたいだ。)
ジャン「ま、いくら親しくても、馬鹿は駄目ってこった! なりは小さくても、賢くて頼りになる奴じゃないとな!」 チラッ
アルミン「そうだよね! 優秀で、かつ向上心もないと。やっぱり結婚するなら憲兵団志望とか良いんじゃないかな!」 チラッ
アニ(これは互いに相手に押し付けようとしてるな……いくらなんでも露骨すぎるだろ……)
アルミン「ねえ、サシャ。次は誰が良い? 安定した生活を望むなら、相手も憲兵団志望が良いと思うよ!」
ジャン「いやいや、やっぱ人生を共にするんだ。サシャには無い物を持ってないとな。広い視野と効率的な考え方とかどうだ?」
クリスタ(なんだか趣旨が変わってきてるような?)
ユミル(サシャ、お前……ババ抜きみてぇな扱いだぞ……)
サシャ「そ、そうですね……二人の言う事に当てはまるのは……」
アルミン(ジャンだ! ほら、目の前にいるだろ!)
ジャン(アルミンだ! 馬鹿のお前には、頭でっかちがお似合いだ!)
サシャ「マルコ、とか……?」
アルミン(そうきたか……) カタカタカタカタ ポチッ
ジャン(いや、まあ……有りっちゃ有りか……?)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3/%e3%83%9e%e3%83%ab%e3%82%b3
【サシャとマルコの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 2
友達 ――――――――――― 4
同僚 ――――――――――― 3
相談相手 ――――――――― 5
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 5
ライバル ――――――――― 5
夫婦 ――――――――――― 1
サシャ「……っ……っ」 ポロポロポロ
アルミン「…………ッ」
ジャン「…………ッ」
クリスタ(アルミンとジャンが絶句している……)
ユミル(これもう呪われてるレベルだろ。)
サシャ「ぇう……っぐ……っ」 グスン…グスッ…
エレン(ほら、ここ席空いてるぞ。) オイデ オイデ
ライナー(お前達はよく頑張った……もう疲れただろ?) オイデ オイデ
ベルトルト(君達の責任じゃない……さ、もう諦めてこっちに来なよ。) オイデ オイデ
アルミン(イヤだ! あっち側には行きたくない!)
アルミン(苦しいけど、手はある……あるけど、ジャンがそれをよしとする訳がない!)
ジャン(この状況を打開する手が思い浮かばねぇ……ちくしょう!)
ジャン(くそ……! マルコ、お前なら……こんな時どうするんだ……!?)
―― マルコ「怒らずに聞いてほしいんだけど……ジャンは……」
ジャン「!」 ハッ
―― マルコ「強い人ではないから、弱い人の気持ちがよく理解できる。」
ジャン「……!」
―― マルコ「それでいて現状を正しく認識する事に長けているから、今何をすべきかが明確にわかるだろ?」
ジャン「…………!」
―― マルコ「まぁ……僕もそうだし大半の人間は弱いと言えるけどさ……」
ジャン「…………ッ!」
―― マルコ「それと同じ目線から放たれた指示なら、どんなに困難であっても切実に届くと思うんだ。」
ジャン「今、何を……するべきか……」
アルミン(ジャン!? まさか、やるつもりなのか!?)
ライナー(ッ! まさか、マルコも俺と同じ目に逢わせるつもりか!?)
ベルトルト(二度目ともなると説得力は落ちる……だが、サシャの責任からは目を逸らせる……!)
ベルトルト(でも、わかってるのか、ジャン!? マルコの“相手”といえば、皆が考えるのは間違いなく君だぞ!?)
サシャ「……ぇ、ぐ……っく……っ!」 ポロポロポロ
アルミン(駄目だ! もう爆発寸前だ!)
ジャン(ああ、そうさ……わかるぜ、サシャ……お前の気持ちは痛いほどわかる……)
ジャン(俺も……ミカサが振り向いてくれないのは、エレンの奴がいるからだと……自分の責任からは目を逸らしてる……)
ジャン(お前も俺も、自分を否定されるのが怖くて、現実と向き合えねェ……だからこそ、俺には今何をすべきかがわかる!)
ジャン「サシャ! 気にすんな、これはマルコの責任だ! お前の責任じゃねぇ!」
サシャ「……っ、ぐっ……?」 グス…グスン…
アルミン(まさか、自分を犠牲にしてまで、サシャを救うのか!?)
ライナー(あの、ジャンが……仲間の為に……)
ベルトルト(そこまで覚悟して……ごめん、君を誤解していたみたいだ……)
ジャン(自分は誰にも女として求められてない……それを認めるのが怖ぇんだろ? ああ、わかってるさ……)
ジャン「よく数値を見直してみろ。夫婦は1だが、それ以外は悪くねぇだろ?」
サシャ「え……それは……はい……」 グスン…
マルコ「つまり、お前とマルコは相性が良いんだよ。ただ、夫婦にはなれねぇ理由があるんだ。」 フゥ…
サシャ「……え、まさか……マルコも!?」 ハッ
クリスタ「うそ! マルコもライナーと同じなの!?」
ユミル「マルコが、って事はお前も……! いや、お前はミカサも狙ってるから、バイか!? 」
ユミル「なんてこった……104期生の男は変態だらけって事かよ!?」
ライナー(自殺しよ。)
ベルトルト(しっかりするんだ、ライナー!)
ジャン「……お前ら、これは誰にも言うんじゃねぇぞ。実はな――――」
アルミン(たとえ君がバイの汚名を着る事になると、僕は君の勇気ある行動を絶対に忘れない……!) ジワッ…
ジャン「マルコはedなんだ。」
アルミン「ッ!?」 ガタタッ!
ライナー「ッ!?」 ガタタッ!
ベルトルト「ッ!?」 ガタタッ!
エレン「?」
サシャ「い、edって……」 カァァ(///
ユミル「おい、それマジかよ……」
クリスタ「…………」 カァァ(///
ミカサ「…………」 カァァ(///
アニ「…………」 カァァ(///
ジャン「ああ……別の呼び方だと、勃起不全っつってな――――」
サシャ「し、知ってますから! 詳しく説明しなくていいです!」 (///
ジャン「あまり良い言葉じゃねぇが“インポ”っつった方がわかりやすいか――――」
サシャ「わかります! わかってますから、それ以上は言わなくて良いです!」 (///
ユミル「いや、確かにマルコはがっつくタイプじゃねぇが……まさかそんな理由が……」
クリスタ「…………」 (///
ミカサ「…………」 (///
アニ「…………」 (///
アルミン(ジャン……君は何て事を……仮に思いついたとしても、僕には絶対に実行できない策だ……!)
ライナー(自分は汚れず、サシャを納得させるだけの理由を作りだすとは……!)
ベルトルト(まさか、マルコと相性が悪かった腹いせなのか……君は悪魔に魂を売り渡したんだな……!?)
エレン(うーん、聞いた事ない言葉だな……なんでミカサ達は顔を伏せてるんだ?)
エレン「すまん、ジャン。その“インポ”って何なんだ? 俺は初めて聞く言葉なんだけど。」
アルミン(エレェェェェェェェェン!?)
ジャン「なんだ、聞いた事ないのか、エレン。わかりやすく言えば、ナニが勃たなくなるってこった。」
ライナー(ジャァァァァァァァァン!?)
ベルトルト(なんだこの気まずい空気は!? ユミル以外、女の子が全員真っ赤になってるし!)
ユミル「ま、エレンにその手の知識は無さそうだしな。」
サシャ「…………」 (///
クリスタ「…………」 (///
ミカサ「…………」 (///
アニ「…………」 (///
エレン「マジかよ……それって大丈夫なのか? 医者にでも見てもらった方が……」
ジャン「それはそうなんだが……なんせ男にとっては重大な悩みだ。あまり周りからどうこう言うのはな……」
ジャン「だからお前も余計な事言うんじゃねぇぞ。こういうのは、そっとしとくのがマナーだ。」
エレン「あ、ああ、わかった……」
ジャン「って事だ。サシャ。」
サシャ「は、はひっ!?」 (///
ジャン「ナニが使いモノにならねぇんじゃ、夫婦の相性が低くなるのは仕方ないだろ?」
サシャ「そ、そうですね!」 (///
ジャン「だからお前のせいじゃねぇ。わかったな?」
サシャ「は、はひっ!」 (///
ジャン(すまねぇな、マルコ……お前が言ったように、俺は強い人間じゃねぇんだ……)
ジャン(だからお前を生贄にさせてもらったが……きっと、お前ならわかってくれるよな……)
アルミン(この人でなし!)
ベルトルト(そこまでして、こっちの輪に入りたくないのか!)
ライナー(俺の事はあっさり突き落としたくせに……この外道め!)
エレン(ほら、まだこっちの席空いてるぞ。) オイデ オイデ
ミカサ「……まさか、エレンもだったらどうしよう。」 ポソッ
アニ「え、いや、あいつは大丈夫みたいだけど……」 ポソッ
ミカサ「……アニ?」 ズズズズズズズズズ
アニ「ッ!」 ハッ!?
アニ「いや! その……近接格闘の時とか……密着する事あるし……」 ゴニョゴニョ
アニ「で、でも……じ、事故みたいなもので……」 カァァァァ(///
ミカサ「……わかった。それについては後でゆっくり話をしよう。」 ズズズズズズズズズ
アルミン(まさかマルコを犠牲にして場を繋ぐとは……あっちの輪に行きたくないのは君も同じって事か……!)
ジャン(だが、そろそろ限界だ……相性が良いのが理想だが、正直それは期待できねぇ……つまり、選ばれた方が負ける……!)
サシャ(うぅ……なんだか凄い事を知ってしまいました……) モジモジ(///
サシャ(ライナーがホモで……マルコが、その、アレ、だったなんて……) モジモジ(///
サシャ(教えてくれたジャンに感謝すべきか文句を言うべきなのか……) ハッ
サシャ(そうでした……今日のジャンはなんだか優しいです。もしかして……) ジー
ジャン「お、おい……なんで俺を見つめてんだよ……」 ビクッ
アルミン「次はジャンかい!? わかった、ジャンだね! すぐに出すよ!」 カタカタカタカタ ポチッ
ジャン「て、てめぇ! アルミン! サシャはまだ何も言って――――!」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3/%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3
【サシャとジャンの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 1
同僚 ――――――――――― 3
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 2
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 2
夫婦 ――――――――――― 2
サシャ「うわぁぁぁぁぁあああん!!」 ビエーーン!!
クリスタ「ひどいよ、ジャン! こんなのってないよ!」
ユミル「お前……平均1.625点ってどういう事だよ……」
アルミン「最低だよ、ジャン! この人でなし!」
ジャン「アルミン! てめぇ、満面の笑みで適当な事抜かしてんじゃねぇぞ!」
エレン「ほら、ジャン。ここ、席空いてるから。」 オイデ オイデ
ライナー「お前はよく頑張ったよ。」 オイデ オイデ
ベルトルト「さ、ここでマルコに懺悔するんだ。」 オイデ オイデ
ジャン「ふ、ふざけんな! 俺はお前らとは違う!」
ジャン「おい、よく見ろサシャ! 夫婦が1じゃねぇだろ!」
アニ「でも、2点じゃないか。」
ミカサ「誤差の範囲。」
サシャ「そんなん……っく……ゆうても……友達も恋人も、1やし……そんなん、夫婦以前の話やんかぁ!」 ビエーーン!!
サシャ「ジャンも私の事嫌いなんやぁぁ!どうせ、私はずっと一人ぼっちなんやぁぁ!」 ウエーーン!
ジャン「ち、違う! 嫌いな訳ねぇだろ!!」
サシャ「……!」 ビクッ!
ジャン(くそ、どうする……予想以上に酷い結果が出ちまったぞ……!)
ジャン(こっからどう引っ繰り返す……どうすれば、アルミンの野郎を先にあっちに叩き落とせる……!?)
サシャ「私の事……嫌いや、ないの……?」 グスッ…グスン…
ジャン「あ、当たり前だろうが! 俺達は仲間だ!」
ジャン(考えろ……考えろ、俺!)
アルミン(一見手詰まりだけど、今日のジャンは油断できない……まさか、何か策が……?)
サシャ「……ほんまに?」 グスッ…グスン…
ジャン「ああ、嘘じゃねぇよ。お前の事はいいやつだと思ってる。」
サシャ「…………」 エヘヘ…
アルミン「なら、ミカサとサシャだったらどっちを選ぶのさ?」
ジャン「んなもんミカサに決まってるだろうが。芋女じゃ相手になんねぇよ。」
サシャ「…………ッ!」 プルプルプルプル
ジャン「い、いや! 今のは違、わないが……! おい、汚ねぇぞ! アルミン!!」
アルミン「ジャン、嘘は良くないよ。女の子に嘘をつくなんて、男としてどうかと思う。」
クリスタ「ひどいよ、ジャン! サシャの気持ちをもてあそぶなんて!」
ユミル「上っ面だけ誤魔化すとか最低だな、このクズ野郎が。」
アニ「女の敵め。」
ミカサ「腹を切るべき。」
ジャン「なんでだよ!?」
サシャ「」 ブワッ!!
サシャ「うわぁぁぁぁぁあああん!! ああぁぁぁぁぁああん!!」 ビエーーン!!
エレン「ジャン、ここ空いてるから。」 オイデ オイデ
ジャン「ふ、ふざけんな! 俺はハメられたんだ! お前らと一緒にすんな!!」
ライナー「さ、行くぞ。」 ガシッ
ベルトルト「ようこそ。歓迎するよ。」 ガシッ
ジャン「離せ! ライナー、ベルトルト! 俺は違うんだーー!!」 ズルズルズル
エレン「ドンマイ、ジャン。」 ポンポン
ジャン「ちくしょう……全部、アルミンのせいだ……俺は悪くねぇ……」 イジイジ
ライナー「しかし、サシャの夫婦相性は酷過ぎるな……」
ベルトルト「顔はかわいいんだけどね……やっぱり普段の奇行が……」
サシャ「っ……アル、ミン……も……っぐ……私の事、きらいなん……?」 グスッ…グス…
アルミン「そ、そんな訳ないじゃないか!」
クリスタ「大丈夫だよね? アルミンが最後の希望なんだよ!?」
ユミル「しくじったらどうなるか……わかってるだろうな?」
アルミン(駄目だ……この流れ、どう考えても僕も良い相性じゃない……) カタカタカタカタ ポチッ
エレン(待ってるぞ、アルミン。) オイデ オイデ
ライナー(仲良くやろうじゃないか、アルミン。) オイデ オイデ
ベルトルト(僕たちは友達だろ? 一緒に楽しくやろうよ。) オイデ オイデ
ジャン(一人だけ助かろうなんざ、考えが甘いんだよ。) オイデ オイデ
アルミン(発想を変えるんだ……僕の結果が駄目なのは確実として、それでも何とかする方法を考えなきゃ……)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%83%9f%e3%83%b3
【サシャとアルミンの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 1
同僚 ――――――――――― 3
相談相手 ――――――――― 2
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 5
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 2
希望が見えないので今日はここまでです。
明日までに希望を探してきます。
なんでや! サシャかわいいやないか!(憤慨)
サシャ「うわぁぁぁぁぁあああん!! ああぁぁぁぁぁああん!!」 ビエーーン!!
アルミン(くそっ! やっぱりか……!) ガクッ
クリスタ「そんな! アルミンまで駄目だなんて……!」
ユミル「肝心な時に使えねぇ……てめぇの頭はエレンとミカサ以外の役には立たねぇのか……?」 チッ
エレン「なんだと! アルミンを馬鹿にするな!」 ガタタッ!
ミカサ「ユミル、取り消して。」 ガタッ
ユミル「結果を見りゃわかんだろ。全滅したんだよ、お前らは。」
エレン「うるせぇ! アルミンはまだ何も言ってないだろうが!」
ミカサ「アルミンには正しい答えを導き出す力がある。まだ終わってない。」
アルミン(……今までのように、何らかの理由をでっち上げて誤魔化す事は難しくない。)
アルミン(でも、誤魔化してどうする? 僕達は結局サシャの望みを叶えられなかった……この事実は変えられない。)
クリスタ「やめて、三人とも! みんな気が動転してるんだよ!」
アルミン(ごめん、クリスタ……僕は結局、君の役に立つ事が出来なかった……)
サシャ「うわぁぁぁぁぁあああん!! ああぁぁぁぁぁああん!!」 ビエーーン!! エーーン!!
アルミン(ごめん、サシャ……僕は結局、何も変える事が出来なか――――)
アルミン(――――“変える”?) ハッ
ライナー「いくらアルミンでも、この結果ではな……」 オイデ オイデ
アルミン(ライナーは自分を犠牲にし、ジャンはマルコを犠牲にした……)
ベルトルト「君のせいじゃないよ……さ、こっちに来るんだ。」 オイデ オイデ
アルミン(そうだ……何かを変える事が出来る人間がいるとすれば……)
ジャン「俺達はやれるだけやったんだ……これが現実ってやつだろ……」 オイデ オイデ
アルミン(その人はきっと……大事なものを捨てる事が出来る人だ。)
エレン「言ってやれ、アルミン! お前なら、サシャを納得させるだけの答えがあるんだろ!?」
アルミン(化け物をも凌ぐ必要に迫られたのなら……人間性をも捨て去ることが出来る人の事だ……)
ミカサ「自信を持って、アルミン。」
アルミン(何も捨てる事が出来ない人には……何も変える事は出来ない……!)
アニ「二人とも、気持ちはわかるけど……いくらアルミンでもこの結果じゃ……」
アルミン(今までの結果の束は……) チラッ
アルミン「…………」 スクッ
クリスタ「アルミン?」
アルミン「ごめん、クリスタ……」
クリスタ「そんな……!」
ユミル「ちっ……期待はずれだったな。」
サシャ「うぇぇぇぇえん!!」 ビエーーン!! エーーン!!
アルミン「ごめん、サシャ……」
エレン「アルミン!」
ミカサ「…………!」
アルミン「エレン、僕もそっちに行くよ…………」 コツ…コツ…コツ…
ライナー「後味の悪い結果になってしまったな……」
ベルトルト「でも、こればかりはね……」
ジャン「しょうがねぇだろ。結果は俺達がどうこう出来る事じゃねぇんだからよ。」
アルミン「――――ッ」 ガッ
アニ「……ッ!」 ピクッ
エレン「アルミン!」
アルミン「うわっ!」 ズルッ!
―――― バ サ ァ ッ
アルミン「痛てて……」
エレン「大丈夫か、アルミン! 今のは、何かにつまづいたのか?」
アルミン「大丈夫、とっさにテーブルを支えにしたから……」
ミカサ「でも、手をついた場所にあった用紙が……」
クリスタ「今までの結果が散らばっちゃった……」
ユミル「ったく、何やってんだ……さっさと片付けるぞ。」
ユミル「おい、何してんだ、サシャ。お前も少しは手伝ったら――――」
サシャ「…………」 ジー
ユミル「だから、見てないで、さっさと拾うのを手伝えって。」
サシャ「…………」 キラキラキラキラ
ユミル「……なんだよ。」 ビクッ
クリスタ「ど、どうしたの、サシャ? 目が輝いてるけど……」 ビクッ
サシャ「ユミル、クリスタ! 結婚して下さい!」 キラキラキラキラ
クリスタ「えっ!?」
ユミル「はぁ!?」
サシャ「ほら、これ!」 バッ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%bf/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3
【クリスタとサシャの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 1
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 1
相談相手 ――――――――― 1
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 2
ライバル ――――――――― 2
夫婦 ――――――――――― 5
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%83%a6%e3%83%9f%e3%83%ab/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3
【ユミルとサシャの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 3
友達 ――――――――――― 4
同僚 ――――――――――― 5
相談相手 ――――――――― 4
ビジネスパートナー ―――― 1
大人の関係 ―――――――― 3
ライバル ――――――――― 3
夫婦 ――――――――――― 5
サシャ「やったーー! 幸せにしてくださいね、ユミル! クリスタ!」 ガバッ
クリスタ「え、えぇ、ええ!?」
ユミル「ふ、ふざけんな! なんで私達が――――って抱きつくな! 離れろ!」
サシャ「イヤです! やっと見つけた旦那様なんですから!」 ギュゥゥゥ
クリスタ「待って、サシャ! 私達は女同士なんだよ!?」
ユミル「おい、お前ら! 見てないで、この芋女を何とかしろよ!」
ライナー「とは言ってもな……」
ベルトルト「僕達じゃ駄目だった訳だし……」
ジャン「本人がそれで良いなら、俺達が口出しすんのはなぁ……」
サシャ「子供は三人くらい欲しいです! 頑張って幸せな家庭を築きましょうね!」 ギュゥゥゥ
クリスタ「お、落ち着いて! 色々と無理があるでしょ!?」
エレン「ユミルはクリスタと結婚するんだろ? なら、サシャも仲間にいれてやれよ。」
ユミル「バカか! 私のは冗談だ! こいつは明らかにガチじゃねぇか!」
アルミン「ああ、しまった。僕のせいで大変な事に。」
ミカサ「これは不幸な事故。アルミンのせいじゃない。」
アニ(さっき、わざと自分で足を……いや、口にはしないでおこう……友達の友達は友達だし……)
ユミル「くそっ……さっさと離れろ、この芋女!」 ゲシッ!
サシャ「ぎゃん!」
ユミル「やっと離れたか……」 ゼェ…ゼェ…
サシャ「――――でも、クリスタは離しません!」 ガバッ!
クリスタ「きゃっ!? ちょ、ちょっとサシャ、どこ触って……!」 (///
サシャ「むむ……これは、意外とボリュームが……」 ハッ
ライナー(サシャが背後から思い切りしがみついて……服がはだけた……!)
ベルトルト(引き剥がされないよう服の下に手を突っ込んで……これは……!)
ジャン(ほう……百合ってのも意外と悪くないもんだな……そのまま続けて?)
クリスタ「ライナー、ベルトルト、見てないで助けてよぉ……」 ウルウル
ライナー「すまん、クリスタ……ずっと正座させられてたから、足が痺れて立てそうにない……!」(前屈み)
ベルトルト「ごめん、僕もだ……でも痺れがなくなったらすぐに助けるよ!」(前屈み)
ジャン「適当に相手してやれば満足するんじゃないか? まあ、もう少し我慢してくれや。」
クリスタ「そんなぁ……」 ウルウル
ユミル「てめぇ、私のクリスタに何しやがる! さっさと離れろ……!!」 グググググ
サシャ「イヤです! 絶対に離しませんから!」 ギュゥゥゥゥ
クリスタ「ま、待ってユミル! 無理に引っ張ると服が……!」 (///
エレン「アルミン、これで散らばったやつは全部拾ったぞ。」
アルミン「ありがとう、エレン。」 パララララ …トントントン
クリスタ「ミカサとアニも、サシャをなんとかしてぇ……」 ウルウル
ミカサ「でも、サシャが泣きやんでいる。」
アニ「犬がじゃれついてるみたいなもんだろ? 他に適任がいなかったんだし、気が済むまでやらせてやりなよ。」
サシャ「クリスタは甘い匂いがしますね……味もみておきましょうか……」 ペロッ
クリスタ「ひゃん!?」 (///
ユミル「何やってんだ、てめーー!」
サシャ「……ちょっとしょっぱいですね……でも、これはこれで!」 ペロペロペロ!
クリスタ「やだ……っ……首は、駄目……っ……!」 ピクンッ…
ライナー(良いぞ、サシャ! ……が、欲を言えば、もう少し服をはだけさせるんだ!)
ベルトルト(できれば感触とかの実況も欲しい! 頑張り次第ではパンをあげても良いぞ!)
ジャン(身長の割にはそこそこあるのか……? いや、サシャがつかんでるからイマイチわからんな……)
ユミル「いい加減にしとけよ、芋女……さっさと離れないなら、この椅子で頭叩き割んぞ……」
サシャ「絶対に離しませんから! ずっと一人でいるくらいなら、ここで死んだ方がマシです!」 ペロペロペロ!
ユミル「いい遺言だ……なら、もう思い残す事はねぇな?」
クリスタ「ユミル、駄目! 私が、我慢すれば……っ……良いだけなんだから、乱暴……んっ……しないで!」 ハァ…ハァ…(///
サシャ「やっぱり暴力的なユミルとは違いますね! クリスタは優しいから大好きです!」 モゾモゾ ペロペロ!
クリスタ「っ……ぁっ……んっ……」 ハァ…ハァ…(///
ユミル「おい、アルミン! てめぇのせいだぞ、さっさと何とかしろ!」
アルミン「サシャをとめたいの?」
ユミル「あたりまえだろうが!」
アルミン「なら、君がかわってあげなよ。そうしたら、クリスタは解放されるよ?」
ユミル「なん……だと……!?」
アルミン「いや、別に君じゃなくても良いんだけど……ほら、僕達の結果は散々だったでしょ?」
アルミン「誰か別の相手を見つけてあげれば良いんだ。あ、でも、クリスタより気に入らなきゃ駄目だけど。」
エレン「ミカサやアニはどうなんだ?」
アルミン「うーん……それだと、サシャも返り討ちにされるのがわかってるだろうから、クリスタから離れないだろうね。」
アルミン「それと、この場にいない相手もやっぱり駄目だと思う。クリスタが目の前にいるんだから。」
アルミン「何も捨てる事が出来ない人には、何も変える事が出来ないよ。ユミル、君はどうなんだろうね。」
ユミル「ぐっ……!」
ユミル(さっきは上手く引き剥がせたが、次も上手くいくとは限らねぇ……それだけ、今の芋女は必死だ……)
ユミル(そもそも、私が代わると言って素直に頷くのか……? クリスタと私が釣り合うとはとても思えねぇ……)
ユミル(確実なのは、芋女がクリスタよりも好きな相手だ……だが、都合良くそんな相手がいるとは――――ッ!) ハッ
ユミル「借りるぞ、アルミン!」 カタカタカタカタ ポチッ
アルミン(誰とどんな結果が出ても、クリスタからは離れないと思うけど。)
アルミン(クリスタ……僕も、君だけは犠牲にしたくなかったんだけど……犬になめられたと思って、我慢してね……)
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
ユミル「!」
ユミル「おい、芋女! これを見ろ!」
サシャ「なんですか! 誰が何と言おうと、クリスタからは離れませんよ!」
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%82%b5%e3%82%b7%e3%83%a3/%e8%92%b8%e3%81%8b%e3%81%97%e3%81%9f%e8%8a%8b
【サシャと蒸かした芋の相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 4
友達 ――――――――――― 4
同僚 ――――――――――― 5
相談相手 ――――――――― 4
ビジネスパートナー ―――― 3
大人の関係 ―――――――― 1
ライバル ――――――――― 1
夫婦 ――――――――――― 5
サシャ「ッッ!!」
アルミン「……は?」
エレン「……ん?」
ミカサ「……?」
アニ「……え?」
ライナー「……なに?」
ベルトルト「……うん?」
ジャン「……で?」
ユミル「どうだ、サシャ! これこそお前の理想の相手だろ!」
サシャ「…………!」
クリスタ(あれ……サシャの動きが止まった……?) ハァ…ハァ…
サシャ「ユミル!」 ガシッ!
ユミル「礼にはおよばねぇよ。」
サシャ「それでは、私は食糧庫に行ってきます! 旦那様を見付けないといけないので!!」
ユミル「おう、頑張れよ。」
サシャ「それじゃあクリスタ、私はこれで。ごちそうさまでした!」 タッタッタッタッ
クリスタ「あ、行っちゃった……」
ユミル「災難だったな、クリスタ。立てるか?」
クリスタ「あの、その……それが、腰が抜けちゃったみたいで……」 カァァァァ(///
ユミル「しょうがねぇな……ほら、おぶってやるよ……散々舐め回されたみたいだし、とりあえず風呂だな。」 ヒョイ
クリスタ「う、うん……」 (///
アルミン「えーと……ハッピーエンド、かな?」
アニ「私に聞かれても……」
エレン「良いんじゃねぇか?」
ミカサ「うん。お似合いのカップル。」
ライナー「実に有意義な時間だったな。」
ベルトルト「もう思い残す事は無いね。」
ジャン「珍しいモンも見れたし、よしとするか。」
――――食糧庫。
サシャ「どれが良いかな……やっぱり大きい方が良いですよね……小さいと食べ応えが無いですし!」 ガサガサ ゴソゴソ
サシャ「おお……! これが一番食べ応えがありそうな……よし、大きなお芋さん! 君に決めた!」 オイモ ゲット!!
サシャ「後は調理室で蒸かしてあげれば……」 ムフフ…
キース「そこで何をしている、ブラウス訓練兵……」
サシャ「ッ!」 ササッ!
キース「わからないな……この先にあるのは食糧庫だけだが……何故、貴様がそこから出てきたのか。」
キース「今日は訓練は休みだが、だからと言って、何をしても許される訳ではない。」
キース「そして、声をかけた瞬間、背中に何を隠したのか……納得のいく説明をしてもらおうか……」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
サシャ「……そ、それは……あのっ!」 オロオロ
キース「まず、その背中に隠している物を見せてもらおうか。」
サシャ「ち、違うんです! これは、そういう事じゃなくて……!」 オロオロ
キース「これは命令だ、ブラウス訓練兵! さっさと隠したものを見せろ!」 クワッ!
サシャ「ひ、ひぃ……ッ!」 サッ!
※芋画像 (修整かけてますが、間違いなく芋です)
http://uploda.cc/img/img51aec920e9f22.jpg
キース「………………大きいな。」
サシャ「…………ぅぅ。」 ブルブルブルブル
キース「いや、わからないな……」
サシャ「す、すいませんでしたぁ!」 ブルブルブルブル
キース「…………………………………………」
キース「いや、わからない…………」
キース「ブラウス訓練兵、説明を…………いや、少し待て……」
サシャ「…………ぅぅ。」 ブルブルブルブル
キース「これは…………」
キース「…………………………………………」
キース「これは、食糧庫から食材を盗み出した、という事で良いのだな?」
サシャ「いえ、違います!」
キース「わからないな……なら、いったいどういうつもりで……いや、待て、まだ答えるな……」
キース「…………………………………………」
キース「具体的に説明する必要はないが、どういう事か説明してもらおうか。」
サシャ「お言葉ですが、これは食材を盗んだ訳ではありません!」
キース「…………………………………………」
キース「なら、いったい何だというのだ……いや、駄目だ、まだ答えるな……頼む…………」
キース「…………………………………………」
キース「無理にとは言わんが……答えられる範囲で構わんので、説明してくれ。」
サシャ「これは食材ではありません!」
キース「ならば、いったい何だと――――」
サシャ「私の伴侶(芋)です!」 ビシッ!
キース「…………………………………………」
※サシャ画像
http://uploda.cc/img/img51aee89d8e51d.jpg
※キース画像
http://uploda.cc/img/img51aee89224b23.jpg
サシャ「…………………………………………」
キース「…………………………………………」
サシャ「……あの、教官?」
キース「!」 ハッ!
キース「……すまんが……よく聞き取れなかったようだ……間違っていたなら謝罪するが……」
キース「貴様は今……“それ”を伴侶と呼んだのか?」
サシャ「その通りであります!」 ビシッ!
キース「なぜだ……なぜ“それ”が伴侶になるのだ……」
サシャ「……? それは……『何故 人は伴侶を求めるのか?』という話でしょうか?」
キース「…………………………………………」
サシャ「……あの、教官?」
キース「!」 ハッ!
キース「すまない……少し意識が飛んでいたようだ。」
キース「ブラウス訓練兵……私の眼には、貴様はスプリンガー訓練兵やイェーガー訓練兵と親しいように見えていたのだが……」
サシャ「はい! その通りであります!」 ビシッ!
キース「……彼らでは駄目なのか? 何故、よりによって、“それ”が伴侶なのだ?」
サシャ「スプリンガー訓練兵、イェーガー訓練兵、及び私が親しくしている訓練兵では満足できないからです!」 ビシッ!
キース「わからないな……それはサイズが、という意味で――――いや、答える必要は無い……失言だった、忘れてくれ。」
サシャ「…………?」
キース「…………………………………………」
キース「他に誰かいなかったのか……? いや、将来良い相手と巡り合う事もあるのだぞ。」
サシャ「ユミル訓練兵とレンズ訓練兵にもお願いしてみたのですが、同意に至れなかった為です!」 ビシッ!
キース「…………………………………………」
サシャ「……あの、教官?」
キース「!」 ハッ!
キース「すまない……少し意識が朦朧としてな……」
キース「余計な口出しかもしれんが……さすがに“それ”は大きすぎはしないだろうか……」
キース「貴様はまだ若い……無理をすれば、大切な体を傷つける事になりかねないのだぞ。」
サシャ(お腹を壊すって意味でしょうか……これくらいの大きさじゃ、一食分くらいにしかならないんですが……)
サシャ「申し訳ありません! 若さ故に“足りない”と御理解いただきたく願います!」 ビシッ!
キース「……そうか。」
キース「だが、やはり衛生的にも問題があるだろう……」
サシャ「もちろん、生ではなく、蒸かします! 蒸かさなければ意味がないので!」 ビシッ!
キース「…………そうか、蒸かすのか。」
キース「蒸かせば、火傷の恐れもあると思うのだが……」
サシャ「……? その程度であれば問題ありません! 冷めてしまっては、元も子もありませんので!」 ビシッ!
キース「………………そうか。」
キース「…………………………………………」
キース「答えにくい質問かもしれない……無理にとは言わない……可能であれば、答えて欲しい。」
キース「まさか……これが初めて、という訳ではあるまいな……?」
サシャ(ギクッ! 実はちょくちょく食糧庫に忍び込んでたんですけど、ここでバレたら大変な事に!)
サシャ「い、いえ、初めてです! 決して、今まで事に及んでなどは……!」 アセアセ
キース「……そうか。」 ホッ
サシャ(あれ……優しい表情? バレずに済んだって事でしょうか。)
キース「それは何よりだ。自分を大切にしているようで、私も安心した。」
キース「だが、それなら……尚更“それ”を見過ごす訳にはいかない。」
キース「未経験で“それ”は……明らかに、うむ……危険だ。」
サシャ「で、ですが……! 私にはもう“これ”しか残っていないのです!」
キース「貴様はまだ若い……まだまだこれからではないか……」
キース「とにかく、もう今日は寮に戻って休みなさい。少し頭を冷やす必要があるようだ。」
サシャ「……はい、わかりました。」 ガックリ
キース「今日の事は不問にする……ただし――――」
サシャ「明日、死ぬ寸前まで走るんですね……ご飯も抜きで……」 ショボン
キース「これに関しては、若さ故の過ちだ。責める気は無い。だが、教育者として見過ごす訳にもいかないのでな……」
キース「評判の良いカウンセラーを手配しておく……明日は訓練に参加せず、悩みを相談しなさい……」
サシャ「は、はい……?」
キース「“それ”は私が食糧庫に戻しておく。貴様が体を傷つけるのを見過ごす訳にはいかない……従ってくれるな?」
サシャ「はい……」 トホホ…
キース「厳しい訓練も、将来貴様を死なせぬ為だ……だが、無理はするな。」 ナデナデ
サシャ「は、はい……?」
キース「男には相談しにくい事もあるだろう……内地に女性の教員の派遣を申請しておく。」
サシャ「は、はぁ……?」
キース「話は以上だ。寮に戻りなさい。」
サシャ「あ、ありがとうございました……?」 タッタッタッタッタ
キース「……………………」
キース「…………大きいな。」 ハァ…
蒸かした芋最高や! 男なんていらんかったんや!!
相性診断はこれで終了です。
最後は下ネタの力技で落とす事になってしまい、申し訳ない思いでいっぱいです。
でも百合エンドとの二択だったので、やむなしです。
食糧不足の時代に貯蔵食を食べちゃうような女の子は嫁に相応しくないという事でしょうか。
ジャッジ厳しいですね。
シリーズとしてもこれで終わりなので、週末あたりに最後の締めを更新して終了にしたいと思います。
芋の修整前の画像に興味のある方はこちらまで
修整したからそれっぽく見えてるだけと思うでしょ? 修整前はガチですから。
↓
ttp://gazoken.com/1448
アルミン「失礼します、アルミン・アルレルトです!」 コンコン
キース「入れ。」
―――― ガチャ
アルミン「失礼します!」
キース「うむ……よく来てくれた。」
アルミン(今回は何の呼び出しなんだろう……また変な事にならなきゃ良いんだけど……)
キース「…………」
キース「貴様はこれまで色々と手を尽くしてくれた……このような結果になったのは残念なのだが……」
アルミン(ッ!? なんだ!? 僕が何かやらかしたのか!?)
キース「あの機械の引き取り先が決定した……私も抗議はしたのだが、引き渡さざるを得なくなってしまった……」 フゥ…
アルミン(あ、はい……どうぞどうぞ。なんだ……そんな事か……) ホッ
キース「明日の夜、これまでの解析内容をまとめたものを添え、機械を提出するように。」
アルミン「ハッ! 了解いたしました!」 ザッ!
キース「すまんな……貴様には公私にわたり協力させていたというのに……」
アルミン「いえ! お心遣い感謝いたします!」
アルミン「では、失礼します!」 ザッ!
アルミン(やったー! これでもう余計な修羅場に巻き込まれずに済むんだ!)
アルミン(後は卒業まで心静かに訓練に励もうっと!)
アルミン(……でも、いったい何処が引き取るんだろう? まあ、元々拾い物だし、気にしても仕方ないけど。)
カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
ペトラ「あ、こんな所にいたんですか。ハンジさん、さっきからモブリットが探して――――」
ハンジ「はぁ……凄いなこれ。いったいどうやってこんなサイズを実現したんだろ……」 カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
ペトラ「何をしているんですか?」
ハンジ「あ、ペトラ、ちょうど良い所に! 見てよ、これ!」 カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
ペトラ「なんですか、それは――――え!? それって自動で文字が書かれてるんですか!?」
ハンジ「そうなんだよ!」
ハンジ「訓練兵が面白い物を拾ったって聞いてさ……無理言って譲ってもらっちゃった。」 キラキラ キラキラ
ハンジ「活版印刷の一種なんだろうけど、こんな小型の物は内地でも普及してないよ……」 キラキラ キラキラ
ペトラ「えぇ……そんな凄い物を私物にしちゃって良いんですか……?」
ハンジ「いや、それがね……凄いは凄いんだけど、用途が限定されてるんだ。」 スッ
ペトラ「印刷した物ですか? ……これは、占い? 誰かを見てる時の脳内……恋愛能力診断……?」
ハンジ「うん。作った人間が何を考えてたのか知らないけど、占い以外に使えないんだよ。」
ハンジ「だから、せめて小型化を成功させた原理を解析するよう、エルヴィンに言われちゃったんだよね。」
ペトラ「確かに、この技術を応用できれば画期的だと思いますけど……」
ハンジ「私もそう思ったんだけど……駄目だ、もうサッパリ。これを作った人はきっと天才だよ。」
ペトラ「材質なんかも……よく見ると知らない物が使われてますね。鉄でも木でも無い……軽いのに凄くしっかりしてます。」
ハンジ「もう、どこから手をつければ良いのかすらわかんなくてさ。下手に分解して戻せなくなっても困るし……」
ペトラ「なんだか大変そうですね……少し休憩した方が良いんじゃないですか?」 ソワソワ
ハンジ「そうだね。お茶でも飲んで、頭切り換えようかな。」
ペトラ「そ、そうですよ。こういう時は少し休憩入れないと!」 ソワソワ ソワソワ
ハンジ「…………?」
ペトラ「…………」 ソワソワ ソワソワ
ハンジ「ペトラ、どうかしたの?」
ペトラ「え! いえ、何がですか!?」 アセアセ
ハンジ「さっきからやけに落ち着かないみたいだけど――――」 ピーン!
ハンジ「ああ、なるほど……そういうこと。」
ペトラ「な、何が『なるほど』なんですか!?」 アセアセ
ハンジ「これ、やってみたいんでしょ。」
ペトラ「え! いや、その、私は別に……!」 アワアワ
ハンジ「じゃあ、もう今日はしまっちゃおうか――――」
ペトラ「すいません! ごめんなさい! 嘘つきました、やってみたいです!」
ハンジ「ペトラも女の子だしね。かわいいとこあるんだ。」
ペトラ「…………」 カァァ(///
ハンジ「ま、黙ってお茶飲むのも退屈だし。それじゃ、リヴァイとペトラの相性でも出してみる?」
ペトラ「え! いや、私なんかじゃ、兵長と、その……!」 アワアワワ…!
ハンジ「またまたぁ。とぼけるようなら先にこれを出してみようかな。」 カタカタカタカタ ポチッ
ペトラ「え、ちょっと待って!? 心の準備が――――!」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/y3lu82h7/r/%e3%83%aa%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%82%a4/%e3%83%9a%e3%83%88%e3%83%a9
【リヴァイを見てる時のペトラの脳内】
性性性性性性性性
性性 性性
性 トキメキ 性
トキメキ トキメキ
性 トキメキ 性
トキメキ トキメキ
性 トキメキ 性
トキメキ トキメキ
性 トキメキ 性
トキメキ トキメキ
性 トキメキ 性
トキメキ トキメキ
性 トキメキ 性
性性 性性
性性性性性性性性
ペトラ「ぎゃぁあああああ!!」
ハンジ「へぇ、これはまた……随分とわかりやすいね。」 ニヤニヤ
ペトラ「あああ、あわわわわわわ……!」 プシュー(///
ハンジ「ペトラ……これってさ、逆も出来るんだよね……」 ボソッ
ペトラ「ッ!」 ハッ!
ハンジ「リヴァイがペトラをどう見てるか……知りたくない?」
ペトラ「いえ、その、私は……!」 アワアワ
ハンジ「いや、別に無理にとは言わないけど――――」
ペトラ「ごめんなさい! 強がり言いました! やって下さい!」
ハンジ「さぁ、結果はどうかな。良い結果が出るかな?」 カタカタカタカタ ポチッ
ペトラ(嫌われるような事はしてない……ハズ! ああ、神様お願いします……!) ドキドキ ドキドキ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/y3lu82h7/r/%e3%83%9a%e3%83%88%e3%83%a9/%e3%83%aa%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%82%a4
【ペトラを見てる時のリヴァイの脳内】
タイプ 遊 遊 遊
タイプ 遊 遊 遊 遊
タイプ タイプ 遊 遊 遊 遊
タイプ 遊 遊 遊 遊
タイプ タイプ 遊 遊
同類 興味なし
同類 同類 興味なし
同類 同類 興味なし
同類 同類 興味なし
同類 同類 興味なし
同類 興味なし
同類
ペトラ「ど、どうなんです!? これってどうなんですか!?」 ユサユサ ユサユサ
ハンジ「うーん……四分の一は“興味なし”だけど、それ以外はプラス印象みたいだね。」 グワン グワン グワン
ハンジ「これは意外と脈ありかもしれないよ。今度の休みにでも、思い切って遊びに誘ってみたら?」
ペトラ「む、むむむ、無理ですよ、そんなの! 私なんかが兵長を誘うなんて――――!」
リヴァイ「……何の話だ。」
ペトラ「――ッッ!!」 ビックゥゥゥゥ!!
ハンジ「やぁ、リヴァイ。何か用?」
リヴァイ「……エルドを見なかったか?」
ハンジ「いや、私は知らないよ。ペトラは?」
ペトラ「エ、エルドならさっき団長と一緒にいるのを見ました!」
リヴァイ「そうか……それで俺がどうとか――――」
ペトラ「何でもないんです! すいません! ごめんなさい!」 アワワ アワワワ…!
リヴァイ「…………?」
リヴァイ「……邪魔したな。」 コツ コツ コツ コツ
ハンジ「いやぁ、ナイスタイミング! びっくりしたね。」
ペトラ「笑いごとじゃないです! 心臓とまっちゃうかと思いましたよ!」
ハンジ「私のせいじゃないのに……」
ハンジ「ま、いいや。それじゃあ次に行こうか。」
ペトラ「つ、次!? 次ってなんですか!?」 アワアワ
ハンジ「ほら、リヴァイっていつもあんな感じでしょ? ちゃんと恋愛とかできるのかな、って。」
ペトラ「そ、それは……確かに……」
ハンジ「という訳で、次はリヴァイの“恋愛能力”を診断してみよう。」 カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/djgur374/r/%e3%83%aa%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%82%a4
【リヴァイの恋愛能力】
やさしさ―――――― 4
ルックス―――――― 5
キス―――――――― 5
ベッドテク――――― 1
積極性――――――― 3
駆け引き―――――― 2
一途さ――――――― 5
誠実さ――――――― 3
ハンジ「おお……これはなかなか……!」
ペトラ「!」 (///
ハンジ「ほら、あれで案外適性あったんだよ。ちょっと意外な気もするけど――――」
ペトラ「…………」 モジモジ(///
ハンジ「どうしたの?」
ペトラ「その、だって……キスとかベッドテクとか……」 (///
ハンジ「そうだよ? あれ、それが知りたかったんでしょ?」
ペトラ「ち、違いますよ!? 私はもっと、こう……プラトニックな!」
ハンジ「なにを子供みたいな事を……ああ、ペトラってもしかして――――」
ペトラ「黙秘します!」 カァァ(///
ハンジ「まあ良いけどさ。それで、感想は?」
ペトラ「……黙秘、します。」 ポソッ(///
ハンジ「なるほど、ペトラ的には文句なしと。ただ、一つ気になるのが“ベッドテク”の1なんだけど……」
ペトラ「い、良いんです! そんなのは気にしませんから!」
ハンジ「いやぁ、リヴァイの場合……下手とかってより、身体能力が釣り合わないって意味だと思うんだよね……」
ペトラ「え……?」
ハンジ「考えてもみてよ。リヴァイは巨人さえ蹂躙するような身体能力なんだよ……? そんなのを相手にしたら……」 ゾゾゾ
ペトラ「だ、大丈夫ですよ! だって、ほら“やさしさ”が4もあるんですよ!? 兵長なら、きっと優しく――――!」
ハンジ「いや、楽観視しないほうが良いと思う。と言うか、どう見てもリヴァイの性癖ってドsだよね。」
ペトラ「………………明日から、自主トレの量を倍にします。」
ハンジ「……壊されないように、頑張ってね。」 ポン
ハンジ「さてと、それでペトラの方はどんな感じなのかな。」
ペトラ「え! いや、私は別に良いですよ!」
ハンジ「駄目駄目、こういうのは両方のデータを見てみないと。」 カタカタカタカタ ポチッ
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/djgur374/r/%e3%83%9a%e3%83%88%e3%83%a9
【ペトラの恋愛能力】
やさしさ―――――― 5
ルックス―――――― 4
キス―――――――― 3
ベッドテク――――― 5
積極性――――――― 1
駆け引き―――――― 1
一途さ――――――― 3
誠実さ――――――― 4
ハンジ「おおっと、これはなかなかの点数だね。」
ペトラ「…………」 カァァ(///
ハンジ「むむ、リヴァイが1だった“ベッドテク”が5だよ! これは、かなりお似合いって事なんじゃない?」
ペトラ「そ、そんな事言われても……」 (///
ハンジ「でも“積極性”と“駆け引き”が1なのは不安だね。せっかく良いポジションなんだから、もっとアピールしないと。」
ペトラ「わ、私はそんなつもりで兵長の傍にいる訳じゃありません!」
ハンジ「そうだね。ペトラにそれだけの実力があるからリヴァイの補佐が務まってる。それは確かなんだけど……」
ハンジ「だからってあまり悠長にしてると、誰かに取られちゃうかもしれないよ?」
ペトラ「そ、そんな訳ないじゃないですか! へ、兵長がそう簡単に……」
ハンジ「いや、風の噂で聞いたんだけどさ、104期生にかなり優秀な子がいるみたいなんだよ。」
ハンジ「もしかしたら、新人がリヴァイに気に入られるかもしれないでしょ?」
ペトラ「!」
ハンジ「いや、それにこう言ったらなんだけど……新人って若いから。やっぱり、ね?」
ペトラ「だ、だからなんだって言うんですか! 私だってまだ全然若いですし!」
ペトラ「そ、それに訓練兵ってことは、せいぜい16前後じゃないですか。そんなの子供ですよ!」
ハンジ「まあ、そうなんだけど……油断は禁物って事。」
ペトラ「油断も何も……だったらどうしろって言うんですか……」 シュン…
ハンジ「って事で、いっそリヴァイに夜這いでも仕掛けてみたら?」
ペトラ「な、ななな、なな!?」 カァァ(///
ハンジ「せっかくペトラの“ベッドテク”は5なんだから、使わないともったいない――――」
リヴァイ「……おい、ペトラ。」
ペトラ「ぎゃぁぁあああああ!!」 ビックゥゥゥゥ!!
リヴァイ「……ッ」
リヴァイ「てめぇ……びっくりしたじゃねぇか……」
ペトラ「す、すみません! 思わず! 失礼いたしました!」 アワワ アワワワ…!
リヴァイ「まぁ良い……グンタを見なかったか?」
ペトラ「グ、グンタなら厩舎で馬に飼い葉を与えてました!」
リヴァイ「……厩舎か……邪魔したな。」 コツ コツ コツ コツ
ハンジ「いやぁ、ビックリしたね! 全然近付いてるのに気付かなかった。」
ペトラ「き、聞かれなかったですよね、今の話!?」
ハンジ「多分、大丈夫じゃないかな。それよりさっきのは冗談だから、ホントに夜這いとかしちゃ駄目だよ?」
ペトラ「しませんよ!」
ハンジ「なら良いけど……もしやっても、どうせ気付かれて制圧されちゃうだろうから……」
ペトラ(兵長に制圧……それはそれで――――って、いやいや! やりませんから!)
ハンジ「じゃあ、次は二人の相性を見てみようかな。」 カタカタカタカタ ポチッ
ペトラ「ちょっと!? もし駄目だったらどうするんですか! 待って、やめてー!」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/l8mtawpb/r/%e3%83%9a%e3%83%88%e3%83%a9/%e3%83%aa%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%82%a4
【ペトラとリヴァイの相性グラフ】
恋人 ――――――――――― 5
友達 ――――――――――― 5
同僚 ――――――――――― 4
相談相手 ――――――――― 4
ビジネスパートナー ―――― 5
大人の関係 ―――――――― 4
ライバル ――――――――― 2
夫婦 ――――――――――― 1
ペトラ「わぁぁぁあああああ! わああああぁぁあああ!」 カァァァァァァ(///
ハンジ「お、落ち着いて、ペトラ!」
ペトラ「でも、でも! だって! これ!!」 プシュー(///
ハンジ「いやぁ、冗談のつもりだったんだけど……すっごい数値が出ちゃったね……」
ペトラ「こ、こここ、恋人……!」
ハンジ「他の数値も凄いしね……これは公私にわたって相性が良いって事だよ。」
ペトラ「わわわわわ……あわわわわわわ……!」 プシュー(///
ハンジ「ライバルが2なのは……まあ、あのリヴァイと張り合うのは無理があるから良いとして……」
ハンジ「夫婦が1なのは気になるね。ペトラは良いお嫁さんになりそうだし、問題があるとしたらリヴァイの方かな。」
ペトラ「い、良いんです! そんなの、私が支えますから!」
ハンジ「いいね、その言葉! 妻の鑑だ。やっぱりペトラは良いお嫁さんになるよ――――」
リヴァイ「……おい、ペトラ。」
ペトラ「ぎゃぁぁあああああ! わぁぁぁぁあああ!!」 ビックゥゥゥゥ!!
リヴァイ「……ッ」
リヴァイ「おい……てめぇ、さっきから……」
ペトラ「す、すみません! 何でもないんです! 失礼いたしました!」 アワワ アワワワ…!
リヴァイ「……まぁ良い……オルオを見てないか?」
ペトラ「見てません!」
リヴァイ「……そうか。」
リヴァイ「…………」 ジロッ
ハンジ「?」
リヴァイ「ハンジ、てめぇがエルヴィンから面倒な事を頼まれたのは知っている……」
リヴァイ「それでペトラの手を借りるのは構わねぇが……俺の部下にてめぇの奇行(バカ)を伝染(うつ)すんじゃねぇぞ……」
ペトラ「そ、そそそ、そんな事は!」
ハンジ「わかってるよ。ちょっと話が盛り上がってただけだから。」
リヴァイ「……なら良い……邪魔したな。」 コツ コツ コツ コツ
ペトラ「もう、やめてくださいよ、ハンジさん! 私までおかしな人だと思われちゃったじゃないですか!」
ハンジ「“私まで”って……さっきのペトラは十分“おかしな人”だったと思うけど……」
ペトラ「……ああ、今までコツコツ築き上げてきた私のイメージが。」 シクシク…
ハンジ「いつまでも“できる部下”じゃあ進展しないよ。これを機に“面白い部下”にキャラ変えしてみたら?」
ペトラ「イヤですよ! それじゃあオルオとかぶっちゃうじゃないですか!」
ハンジ「ありだと思うんだけどなぁ……ま、良いや。それじゃあ最後のやつをやってみようか。」カタカタカタカタ ポチッ
ペトラ「まだあるんですか!? 今度はいったい何を!?」
ハンジ「え? “2人が恋人になれる確率メーカー”だけど。」
ペトラ「うわあああああああ! 直球じゃないですか! やめてください! やめましょうよ!?」
――――カタカタカタカタカタカタカタカタ
http://irotsuku.com/a/6i_ub5gw/r/%e3%83%9a%e3%83%88%e3%83%a9/%e3%83%aa%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%82%a4
【ペトラとリヴァイが恋人になる確率】
ペトラとリヴァイが恋人になれる確率は98.0%です。
そしてもし恋人になれたらその後結婚までいく確率は86.2%。
そのまま死ぬまで一緒にいる確率は90.9%です。
ハンジ「…………」
ペトラ「…………」
ハンジ「いや、ペトラ。これはあくまで占いだから、あんまり信じすぎるのはどうかと――――」
ペトラ「……ちょっと用事が出来たので、私は部屋に戻りますね。」
ハンジ「えーと……聞いて良いかな……部屋で何するつもり……?」
ペトラ「お父さんに手紙を書こうかと。」
ハンジ「そ、そうなんだ……お、親孝行なんだね……」
ペトラ「では、失礼します。」 コツ コツ コツ コツ
ハンジ「うわぁ、マズいな……ペトラの目がマジだったよ……」
ハンジ「ちょっと発破かけるつもりだったんだけど、やり過ぎたかな……」
リヴァイ「……おい、ペトラ――――」
リヴァイ「……なんだ、いねぇのか。」
ハンジ「あ、リヴァイ。ペトラなら部屋に戻るって。」
リヴァイ「そうか……なら良い。」
ハンジ「リヴァイ、ちょっと良いかな!?」 アセアセ
リヴァイ「あ?」
ハンジ「いや、ペトラって女の子だから! 女の子はたまにおかしくなっちゃうんだよ!」 アセアセ
リヴァイ「…………?」
ハンジ「だから、いきなり変な事言いだしても、気にしないであげてね!?」 アセアセ
リヴァイ「……つまり……てめぇが何か、妙な事でも吹きこんだってのか?」
ハンジ「う、いや、まあ……そう、かな?」 タラリ
リヴァイ「……俺の部下に余計な真似しやがって……あまり奇行が過ぎると、てめぇでも削ぎ落とすぞ。」 ギロッ…!
ハンジ「わ、わわ、わかってるよ! ごめん、私が悪かった!」
リヴァイ「…………」 ハァ…
リヴァイ「……そうだ、モブリットがお前を探してたぞ。」
ハンジ「あ! そう言えば、ペトラもそんな事いってたような……」
リヴァイ「……知ってたなら、さっさと行ってやれ。」
ハンジ「えーと……それで、モブリットはどこに?」
リヴァイ「……知るか、それぐらい自分で探せ。」
最初からこういう展開を書きたかったんや!
104期生修羅場多すぎぃ!
今日はここまでです。
また明日締めを投下して終了になります。
本当は“誰かを見てる時の脳内メーカー”で一つ書こうと思ってたんですが、内容が酷過ぎて諦めました。
戦犯ライナー。やっぱりホモじゃないか!(憤怒)
――――時間は流れ、解散式の夜。
マルコ「王の近くで仕事が出来るなんて……光栄だ!」
ジャン「まだお利口さんをやってんのか、マルコ。」 バンッ
マルコ「ぶっ!」 ゲホッ!
ジャン「言えよ、本音を――――」 ハッ
――――時間は流れ、解散式の夜。
マルコ「王の近くで仕事が出来るなんて……光栄だ!」
ジャン「まだお利口さんをやってんのか、マルコ。」 バンッ
マルコ「ぶっ!」 ゲホッ!
ジャン「言えよ、本音を――――」 ハッ
>>714 二重で貼り付けてしまったのはただのミスです。気にしないでください。
アルミン(…………) ジー
ジャン「…………」
マルコ「ジャン?」
ジャン「マルコは王の近くで仕事がしたいんだよな! 頑張れよ!」
マルコ「え? ああ、だからそう言ったじゃないか……まったく。」
アルミン(ぎりぎり踏みとどまった。あの時の言葉をちゃんと覚えてたんだ……)
ミカサ「……少しはジャンも相手の事を思い遣れるようになった。」
ジャン「そ、そりゃそうだろ!? 仲間を思い遣るのは男として当然だからな!」 (///
ジャン(最近ミカサが話しかけてくれる回数が増えた……やっと俺の努力が実を結んできたって事だな!)
ミカサ「いい事だと思う。」 ニコッ
ジャン(後一歩だ……後もう少しで、ようやくミカサが俺に振り向いてくれるんだ……!) ドキドキ…
アルミン(ミカサもアニと友達になってから周囲と関わろうとする事が増えた。きっとミカサなりに努力してるって事なんだろう……)
アルミン(つまり、ジャンにだけ特別友好的になった訳じゃないんだけど……これは言わないでおこう。)
ミカサ「ところでアルミン、アニを見なかった?」
エレン「ライナーとベルトルトもいないんだ。見てないか?」
アルミン「え……? あ、ホントだ。気付かなかった……」 キョロキョロ
エレン「こうやって集まれるのも今夜が最後だってのに、何やってるんだよ……」
アルミン「そうだね……きっとアニ達は憲兵団に行くんだろうし……」
エレン「アルミン、お前だって技巧に進むって道も――――」
アルミン「僕は調査兵団に入るよ。僕が自分の意思で決めた事だから、これだけは譲れない。」
エレン「……わかってる。巨人どもを駆逐して、一緒に外の世界を探検しような。」
ミカサ「その時は、もちろん私も一緒。アニも誘いたい。」
アルミン「そうだね! 皆で行こう!」
エレン「ああ、絶対に楽しい旅になる!」
ミカサ「……うん、楽しみだ。」
クリスタ「あれ、ミカサ……寮の入り口で何をしてるの?」
ユミル「おいおいエレンと逢引きか? 盛るのはお前らの勝手だけど、女子寮でヤんのは勘弁な。」
クリスタ「もう、ユミル! そういう事は大きな声で言わないで!」 ムー!
ミカサ「いや、アニがまだ戻ってなくて……二人は見なかった?」
クリスタ「え、アニ? そう言えば、会場にもいなかったような……」
ユミル「私も見てねぇなぁ。」
ミカサ「そうか……ありがとう、私はもう少しここで待とうと思う。」
クリスタ「なんだ、アニを待ってたの? だったら私も――――」
ユミル「こんな寒いトコにいたら風邪ひくだろうが。私達はさっさと部屋に戻るぞ。」
クリスタ「え、そんな――――」
ユミル「いいから、行くぞ。」 グイッ
クリスタ「ちょっと、ユミル引っぱらないで! あ、それじゃあ、ミカサ、また明日ね!」
ミカサ「うん、また明日。」
クリスタ「もう、なんでユミルはそう強引なの!」
ユミル「……あいつがわざわざ寮の入り口で待ってるって事は、二人で話したい事があったんだろ。」
クリスタ「あ、そうか……なるほど……」
クリスタ「…………」 ジー
ユミル「なんだよ。」
クリスタ「ううん、なんでもない。」 ニコニコ
ユミル「そりゃ結構。風呂入ってさっさと寝ちまおうぜ。」
アニ「…………」 ハァ…
ミカサ「おかえり。」
アニ「ッ!」
アニ「あんた……こんなとこで、何して……」
アニ「もうとっくに就寝時間は過ぎてるだろ……」
ミカサ「アニを待っていた――――って、アニ、その姿は?」 ハッ
アニ「……ああ、これは……別にどうって事ないよ。」 ボロッ…
ミカサ「……怪我はしていないみたいだけど、どうしてそんなに服がボロボロに?」
ミカサ「それに……外傷はなくても、かなり疲弊しているように見える。」
アニ「ハハ……そんな事まで、よくわかるね。」
アニ「これは……うん、これはちょっと喧嘩しただけ。」
ミカサ「喧嘩……? 相手は?」
アニ「ま、その辺は言わせないでよ……もう片はついたから……」
ミカサ「肩をかそう。」
アニ「い、いいよ、別に……」
ミカサ「そう言うと思った。」 グイッ
アニ「なっ……いいって言ってるのに……」 カァ(///
ミカサ「アニは嘘をつくのが下手……む、これは……身長差があるから歩きにくい。」
アニ「だ、だからいいって言ったのに……」
ミカサ「なら、こうしよう。」 ヒョイ
アニ「な! ちょ、ミカサ、おろしてよ!」 カァァ(///
ミカサ「静かに。もう皆寝ている筈。起こしたら迷惑。」
アニ「う……っ」 プイッ(///
ミカサ「話したい事があったけど……今日は諦めよう。」
アニ「…………大丈夫だよ、これから時間はいくらでもあるんだから。」
アニ「少なくとも、あんたらが生きてる……間、は……」
ミカサ「アニ?」
アニ「…………」 スゥ…スゥ…スゥ…
ミカサ「寝てしまった……」 フゥ
――――翌日、壁上固定砲整備中。
コニー「俺も明日から憲兵団かー。これで村のみんなを見返してやれるぜ!」 ゴシゴシ
エレン「村のみんな?」 ゴシゴシ
コニー「ああ、俺みたいなチビには兵士は無理だとか言ってくれやがってさ。」 ゴシゴシ
コニー「だが俺は天才だった……10番以内の成績で憲兵団入りだ。」 フフン
トーマス「よかったな、コニー。俺は駐屯兵団だから、これからもよろしく――――」
サシャ「あのぅ、みなさん……」
サシャ「上官の食糧庫からお肉盗ってきました……」 スッ
一同「……ッ!!」 ガタタッ!
エレン「サシャ……お前、独房にぶち込まれたいのか……!?」
サムエル「お前……本当にバカなんだな……」
コニー「バカって怖えぇ……」
サシャ「後で……みなさんで分けましょう……スライスして、パンに挟んで……」 ムフフ…
コニー「戻してこい。」
ミーナ「そーだよ、土地が減ってから、肉なんてすごく貴重になったんだから。」
サシャ「…………」
サシャ「大丈夫ですよ。」 ガコッ
サシャ「土地を奪還すれば、また……牛も羊も増えますから。」
エレン「え?」
サシャ「だから、期待してますよ、エレン!」 ニコッ
エレン「…………ッ!」
エレン「ああ、まかせろ! 巨人を駆逐して、腹いっぱい肉を食うんだ!」 ニッ
エレン「今日はその前祝いだ! みんなで食べようぜ!」
コニー「しょうがねぇな。エレンがそう言うなら、食わねぇ訳にはいかないだろ!」 ジュルリ
ミーナ「えぇ……ごめん、さすがに私はちょっと……」
トーマス「俺達は駐屯兵団に行くのに、さすがに食えないよ……」
サムエル「エレン一人が調査兵団に行くのに俺達がいい思いするのはちょっとな……」
サシャ「なら、私とエレンとコニーで山分けですね! お昼が楽しみです!」 ジュルリ
コニー「ああ! こんなでかいローストビーフなんて初めてだぜ!」 ジュルリ
エレン「よし、それじゃあ整備作業を続けないとな。バレちまったら元も子もないぞ!」
コニー「おう!」
サシャ「はい!」
ミーナ・トーマス・サムエル(成績が良くても、やっぱり最後までバカトリオだった……)
―――― ヒ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ウ
エレン(あれから、5年たった……)
エレン(三分の一の領土と二割の人口を失ってようやく……人類は尊厳を取り戻しつつある……)
エレン(勝てる……!)
エレン(人類の反撃は、これからだ……!!)
ライナー「よう、お疲れエレン。」
ベルトルト「整備は順調かい?」
エレン「あ、ライナー、ベルトルト! 昨日はいったいどこに――――」 ハッ
エレン「どうしたんだ、その服……昨日はそんなにボロボロじゃなかっただろ。」
ライナー「ん、ああ、ちょっとな……」 ボロッ…
ベルトルト「最後だからって、ちょっとハメを外し過ぎたかな……」 ボロッ…
エレン「なんだよ、誰かと喧嘩でもしたのか? ……見た感じ、怪我とかはないみたいだけど。」
ライナー「ま、色々あってな。気にしないでくれ。」
ベルトルト「それより、整備後のチェックはもう大丈夫? まだなら先に別の班に行くけど。」
エレン「あ、ああ、今最後の一つを整備中だから、それ以外のは終わってる。」
ライナー「そうか。」
ベルトルト「じゃあ、向こうのやつから順にチェックしていくね。」
ライナー「よし、全て問題無しだ。」
ベルトルト「整備終了って事で報告しとくよ。」
エレン「ああ、頼んだぞ。」
コニー「って事は……!」 ジュルリ
サシャ「お昼休憩ですね!?」 ジュルリ
エレン「おう、昼飯食っていいぞ。」
コニー「っしゃぁあ!!」
サシャ「やったーー!!」
ライナー「エレン……話があるんだが。」
エレン「……? なんだよ。」
ライナー「お前、調査兵団に行くつもりなのは変わってないのか?」
ベルトルト「……………………」
エレン「ああ、俺もアルミンもミカサもだ。お前らと離れる事になるのは寂しいけど……もう決めたんだ。」
ライナー「そうか…………」 ホッ
ベルトルト「……………………」 ホッ
エレン「それがどうかしたのか?」
ライナー「いや、それなら良いんだ……長生きしろよ。」
ベルトルト「君達が生きてる間は、僕らも……」
エレン「……? 何言ってるんだ?」
ライナー「こっちの話だ……これからもよろしくな、エレン。」
ベルトルト「それじゃ、また後でね。」
エレン「はぁ? これからも何も、お前らは憲兵団に――――って、行っちまった。」
エレン「何だったんだ、今のは……?」
エレン「ま、いいや。それより飯だな!」
サシャ「ごちそうさまでしたぁ……」 ゲフゥ
コニー「ああ……美味かったぁ……」 ゲフゥ
エレン「って、おい! お前ら、あの肉はどうしたんだよ!?」
サシャ「コニーが食べちゃいました。私は駄目だって言ったんですけど……」
コニー「サシャが食っちまった。俺は止めたんだが……」
エレン「それって二人で食ったって事じゃねぇか!」
サシャ「あんまり美味しかったので、つい……」 ジュルリ
コニー「やべぇ、思い出すだけでよだれが……」 ジュルリ
エレン「…………ッ!」 グググググ
エレン「このッ……裏切りもんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 シャァァァァァ
ミーナ「ま、待って! 落ち着いて、エレン!」
トーマス「刃を抜くのはまずいって! サムエルお前も手伝え!」
サムエル「そんな事言っても……キレたエレンを止められるのなんて、ミカサくらいだぞ!」
エレン「ああぁぁぁぁぁあ!!」
サシャ「ひぇぇぇぇ! ど、どうしましょう、コニー!」
コニー「と、とりあえず逃げるぞ!」
エレン「待ちやがれぇぇぇぇぇぇ!!」
コニー「ふぅ……何とか逃げ切ったな……身軽さなら俺達の方が上だ。」 ゼェ ゼェ…
サシャ「お互い山育ちで助かりましたね……捕まってたら、何をされたか……」 ガクガク ブルブル
コニー「走って疲れたし、そこの店でパンでも食おうぜ……」 ゼェ ゼェ…
サシャ「そうですね……消費した分を補給しないと……」 ハァ ハァ…
コニー「いやー、しかし美味かったなぁ。」 モグモグ
サシャ「流石は憲兵団の昼食でしたね! 毎日あんなの食べてるんでしょうか。」 モグモグ
< ピクッ
コニー「なんだ、あれって憲兵団の肉だったのか?」
サシャ「憲兵団の紋章が貼ってありましたからね。まあ、剥がして捨てましたけど。」
コニー「でもローストビーフだぜ? 流石に一般の憲兵には支給されねぇだろー。」
サシャ「それもそうですね……って事は隊長クラスの食事だったって事でしょうか。」
コニー「多分そうだな。いやぁ、よくやった、サシャ! 偉いぞ!」
サシャ「そんなそんな、大した事じゃないですよー。」 テレテレ
???「……私の昼食はそんなに美味しかったのかな?」
コニー「へ?」
サシャ「え?」
???「話は聞かせてもらったよ。」
???「君達は104期生のコニー・スプリンガーとサシャ・ブラウスだね?」
コニー「はぁ、そうですけど。」
サシャ「それが何か――――ってその紋章は!」 ビクッ
ナイル「私は憲兵団師団長のナイル・ドークだ。」
コニー「け、憲兵団師団長!?」 ビクゥ!
サシャ「そ、そんな偉い人が、なんでこんな小さなパン屋さんに!?」 ビクゥ!
ナイル「用意されていた筈の食事が“紛失”してしまったらしくてね……仕方なく、近くのこの店で食事を取っていたんだよ。」
コニー(それって……!) サァァァァァァ
サシャ(ま、まさか……!) サァァァァァァ
ナイル「成績上位10名は憲兵団に入団する資格があるのでね……事前にその人となりは調査してある。」
ナイル「噂には聞いていたが、実物はそれ以上に型破りのようだな。」
コニー「あ、あああ、あああ……」 ガクガク ブルブル
サシャ「わわわ、あわわわわ……」 ガクガク ブルブル
ナイル「とりあえず、そこの詰め所で詳しい話を聞こう。」
コニー「サシャ! お前のせいだぞ! お前が肉を盗んで来たりするから!」
サシャ「何言ってるんですか! 半分食べたどころか、私がエレンのために残しておいた最後の一切れだって食べちゃったくせに!」
ナイル「さ、行こうか。」
コニー「」
サシャ「」
エレン「見付けたぞ、サシャ! コニー! ぶん殴ってやるから、覚悟――――」 ハッ
エレン「……おい、なんだよ……お前らなんで泣いてるんだ。」 ビクッ
コニー「エレン……調査兵団でも仲良くしてくれな……」 グスッ…
サシャ「巨人を駆逐して……お肉をみんなでお腹いっぱい食べましょうね……」 グスン…
―――― 後日、調査兵団本部。
ハンジ「ねえ、エルヴィン、どんな魔法を使ったの!?」
エルヴィン「いや、私は何も……」
ハンジ「そんな筈ないでしょ? だって、成績上位者十名のうち九名も調査兵団を志望してるんだよ!?」
ハンジ「いったいどんな勧誘をしたのか、みんな知りたがってるよ。」
エルヴィン「私は本当に何も……と言うか、まだ実際に話をした事すら無いんだが。」
ミケ「どんな理由にせよ、優秀な人員が増えるのは素直にありがたい。」
ペトラ「みんなの士気も上がってますよ、『新人にカッコ悪い所は見せられない』って!」
リヴァイ「……ペトラ、無駄死にさせずにすむよう……ガキどもの世話は任せたぞ。」
ペトラ「はい、任せてください! あ、でも一人だと手が足りないので、エルド達にも手伝ってもらって良いですか?」
リヴァイ「……好きにしろ。」
ペトラ「ありがとうございます!」
ハンジ「せっかくたくさん入団してくれるんだし、歓迎会でも開いてみない?」
リヴァイ「おい、クソメガネ……遊びじゃねぇんだぞ。」
ハンジ「そう言わずに! せっかく面白い機械もあるんだしさ。」
リヴァイ「……お前、まだあのオモチャをいじくってるのか。」
ミケ「結局、出所不明のあげく、原理構造さえ理解できなかったというのに。」
ペトラ「でも、あの子たちも緊張してるでしょうし……珍しい物を見せてあげれば少しは緊張もほぐれるかも知れませんよ。」
エルヴィン「ペトラの言う通り、彼らはまだ子供だ……お互いを知る機会は設けた方が良い。」
エルヴィン「歓迎会の内容はハンジに一任する。彼らも楽しめるような内容を考えてみてくれ。」
ハンジ「うん、任せてよ!」
エルヴィン「リヴァイも、構わないな?」
リヴァイ「…………」 フゥ…
リヴァイ「……了解だ、エルヴィン。お前の判断を信じよう。」
エレン「でも、正直驚いたよ。まさかマルコ以外全員が調査兵団志望だったなんて……」
コニー「俺だって好きで志望した訳じゃねぇよ! サシャのやつが――――!」
サシャ「何言ってるんですか! 私よりたくさん食べたんだから、コニーも同罪ですよ!」
アルミン「あまり詳しく聞かない方が良さそうだね……」
ユミル「どうせまた何かバカやらかしたんだろ。」
クリスタ「あはは……訓練兵団を卒業しても、二人は相変わらずだね……」
ユミル(これでいい……ここ意外にこいつが本名を名乗れる場所はねぇんだ……後は私が死なせないようにすれば、それでいい。)
ミカサ「……アニ、本当に良かったの?」
アニ「うん、これでいい……私は納得してる。」
ライナー「そうだな、これでいい……これでいいんだ。」
ベルトルト「短い間なのかもしれないけど、僕もこれでいいと思う。」
エレン「?」
ジャン「おい、お前ら。先輩方がこれから歓迎会を開いてくれるらしいぞ。」
ジャン(ミカサの笑顔が近くで見られる……この選択に悔いはねぇ……)
ライナー「……調査兵団って、意外とアットホームなのか?」
ベルトルト「なんだか意外だね。」
ジャン「なんかすげぇ珍しい出し物があるから、期待しとけってさ。」
アルミン「…………」
エレン「あれ、アルミン顔色悪いぞ。どっか痛いのか?」
アルミン「いや、なんだか猛烈に嫌な予感が……忘れてたけど、この感覚……一時期、頻繁に味わってたような……」
クリスタ「大丈夫、アルミン?」
アルミン「せっかくだけど、歓迎会に不参加とか……やっぱりマズイよね……」
エレン「駄目に決まってるだろ! リヴァイ兵長とも話せるかもしれないんだぞ!」
アニ「あんたらしくもない。どこか具合悪いんなら仕方ないけど、そうでもなさそうだし。」
ミカサ「先輩方の厚意を無駄にする訳にはいかない。」
アルミン「だ、だよねぇ……」 アハハ…
ライナー「まあ、珍しい出し物って言ってもなぁ?」
ベルトルト「“あれ”より珍しい物はそうそう無いと思うけどね。」
ジャン「だな。結局何だったんだろうな、“あれ”。」
アルミン(“あれ”ってどこが引き取ったんだっけ……まさか……いやいや、そんな訳が……)
ユミル「お、先輩方が呼んでるぞ。移動するか?」
アルミン(まさか、調査兵団で修羅場とか無いよね……訓練兵団時代とは被害の規模が違いすぎるぞ……) ゾゾゾ
エレン「よし、それじゃあ行こうか。いやぁ、楽しみだなー!」
アルミン(神様、お願いします! どうか……どうか僕の嫌な予感が外れてくれますように……!)
―――――――― おわり ――――――――
という訳で、診断メーカーシリーズはこれで完結です。
ペトラと兵長の結果があまりに良すぎたので、原作とは違う流れにしてしまいました。
おかげでリヴァイ班は結成されませんが、悲惨な最期を遂げるよりは……良いじゃないですか……
最後のこれだけで、今までのを合計したよりも長くなってしまいました。
でも書きたい事は書き切ったので、満足です。
別のssを書いてた息抜きに進撃ssを書いてみたんですが、思ったより熱中してしまいました。
別のを終わらせたらまた進撃ssを書いてみたいと思います。その時は別のネタになりますけど。
11巻の発売が待ち遠しいですね。
最後ですし、もし何かあるようなら答えます。
別のssって何ですか?
>>760
進撃ssじゃないのは確かです。
ジャンルも違うので、もしそっちで聞かれてもとぼけると思います。
話の雰囲気も全然違うので、診断メーカーの空気を期待させるのはちょっと……
乙
アニライナーベルがボロボロになってたのってなんで?
>>768
アニが作戦の延期を提案。
ベルトルト・ライナーが予定通り作戦の決行を固辞。
納得できないアニがベル・ライと喧嘩。
二対一でアニが負けたけど、ベル・ライが妥協案を提示。
条件1 エレン・アルミン・ミカサが生きてる間は作戦を延期。
条件2 ただし、エレン・アルミン・ミカサが命の危険が少ない兵団を志望したら約束は無効。
※固定砲整備の時の質問とその後の安堵の理由。
つまり現状は単なる問題の先送りだったりします。
ただベル・ライもアニと同じ思いは抱けども、認める事ができなかっただけなので、先の事はわかりません。
どちらかがクリスタとくっついたりしたらあっさり折れるかもしれません。
ただ、実際にこの描写を入れてしまうとガチでシリアスな上に超場違いなので省略しました。
詰まる所、三人の動機が10巻時点で不明なのをいい事に、どうにかしてトロスト区戦を起こさないよう、勝手に自己解釈しただけなのです……
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません