加賀「提督、お久しぶりですね」 (63)
加賀「最後にお会いしたのがいつだったか覚えてますか」
加賀「たしか、着任の頻度が落ちたのが去年の秋頃でしたね」
加賀「そして今では1,2ヶ月に1度ふらりと来たり来なかったり」
加賀「そのたびに貯まった資材を大型建造につぎ込んで」
加賀「先月の頭に最後の一つになった開発資材で、大鳳を建造したんでしたか」
加賀「とても貴重な艦なのに、あなたはそれほど喜んだ顔ではありませんでしたね」
加賀「私が最初にお会いした時、提督、あなたはとても嬉しそうで」
加賀「ああ、きっとこの人と戦うのがそうであると」
加賀「そう思ったんですよ、ねえ」
加賀「提督。私はどんな気持ちで今、あなたを迎えているかわかりますか」
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加賀「わからないわよね」
提督「はい……申し訳ございません……」
加賀「毎日毎日あなたが来るかもしれないと部屋の掃除をしたり他の娘の面倒を見たり、していました」
提督「任せっきりで、本当に悪かったです……」
加賀「謝罪が聞きたいのではないのだけれど」
提督「……加賀さん」
加賀「何かしら」
提督「待っていてくれてありがとうございます」
加賀「……それが秘書艦の務めだもの」
提督「加賀さんのことは好きだし、もちろん他の艦娘たちだって大好きなんです」
提督「でも、それだけじゃどうしようもなくて」
提督「遠征の管理とか出撃にドッグの時間だとか、どんどん増えていく艦娘たちの対応だって大変で」
提督「逃げたく、なっちゃって……」
加賀「そういう人だものね、提督は」
提督「……自分でも、だめなやつだとは思っているよ」
加賀「わかっていたことだし、わかった上で私は提督のことを信じていたのだけど」
提督「面目ないです」
加賀「たまに様子を見に来てくれているだけまだましだと、思っていました」
提督「資材溶かして行くだけだったけどな……」
加賀「増えたまるゆ達はまだちゃんといます」
提督「あー、近代化改修しないと」
加賀「……疲れるなら何もしなくてもいいのよ」
提督「え?」
加賀「無理して業務してもらわなくてもいいですから」
提督「ご、ごめんなさい」
加賀「あ……違うんです」
提督「違うって?」
加賀「あんまり嫌々やってもまた提督の顔が見れなくなるのは、本意ではないわ」
提督「……つまり、甘やかしてくれてるんですか」
加賀「わざわざぼかして言っているのだけど」
提督「すみません」
加賀「私、あまり話すのは得意ではなくて」
提督「……」
加賀「言葉がうまく出てこないけれど、ごめんなさい」
提督「な、なんで謝るんですか」
加賀「私の伝えたいことがあなたにはちゃんと届かないのが心苦しくて」
提督「大丈夫ですよ」
提督「確かにちょっと勘違いしちゃったりすることもありますけど」
提督「さっき言葉を付け足してくれたように、加賀さんの言いたいことけっこう届いてる、と思います」
提督「たぶんだけど」
加賀「たぶんでは困るわ」
提督「じゃあ、もっと理解できるようになりますから!」
加賀「……もっと伝えられるように、努力します」
ええやん
加賀「そういえばケッコンカッコカリというものが実装されているのだけれど」コホン
提督「実装されたときはかなり盛り上がってたみたいですね」
加賀「私はいつまで秘書艦なのかしら。ずいぶん長くやっている気がするわ」
提督「そりゃあ、加賀さん強いですし」
加賀「……当然のことです」ムス
提督「なんでちょっとむくれてるんですか」
加賀「むくれてません」
提督「そうですか?」
提督「でも加賀さん演習は出ないからそこまで他の娘とレベル差ないですね」
加賀「まあ、あまり一人だけ練度が高いというのも良くない気はします」
提督「これから少しずつですけど来るようにしますから、もう少し待っていてください」
加賀「……その言葉、覚えておきますから」
提督「期待していてください」
加賀(スルーされたと思ったけれど、変化球は顔に出そうになるわ)
提督「結婚って準備の任務を済ませないといけないのかぁ」
加賀「……ケッコンカッコカリです」
提督「はい、ケッコンカッコカリです」
加賀「海外艦も実装されているし、そちらを優先させてもいいのでは」
提督「新しいことてんこ盛りだと混乱しちゃうんで、やっぱり済ませるべきことから済ませていこうかと」
加賀「そう」
提督「あ、今ちょっと嬉しそう」
加賀「そんなことありません」
提督「そうですかー?」
加賀「しつこいです」ギロ
提督「あ、はいすいません」
>>6
ありがとう
あんなに毎日やっていたのに突然熱が冷めるような気分でやらなくなってしまって
でもやっぱり加賀さんのこと好きだなーって思った
新しく実装された艦は美人さんばかりだね
提督「おはようございます」
加賀「おはよう、といってももう昼も過ぎているけれど」
加賀「提督が2日連続で来るなんて……今日は雪でも降るのかしら」
提督「勘弁して下さい」
加賀「昨日の分ではまだ気が収まりません」
提督「はい……」シュン
加賀「言いたいことが、たくさんあるんですからね」
提督「っはい!」
提督「でも鎮守府の音楽懐かしいなぁ」
加賀「……この音楽を聞いていると、あなたのことばかり思い出してしまうわ」
提督「それは、嬉しいです」
加賀「悪い意味でもだけどね」
提督「はい、すみません」
提督「でも昨日加賀さんと話すまでなんとなく急かされているように聞こえて」
提督「手放しに懐かしむことができないんですけどね」
加賀「音楽は、記憶との関連性が強いものだもの」
加賀「これから少しずつ変えていければいいわ」
提督「そうですね……加賀さんが来てくれた時みたいな気持ちに戻りたい」
提督「それで、皆を遠征に送って、演習して、任務受け忘れてることに気づいたり、」
提督「出撃してレベルアップして新しい海域を開拓して、」
提督「皆強くなったなって……喜びたいんです」
加賀「……これからまた、来てくれるんでしょう」
提督「はい」
加賀「私の練度を上げてくれるんでしょう」
提督「もちろんです」
加賀「待ちますから、ゆっくりでいいのよ」
提督「はい……待っててください」
加賀「あなたが顔を見せてくれるなら、いつまででも待てる気がするの」
提督「な、なんか今日はストレートですね」
加賀「昨日言ったと思いますけど」
加賀「もっとあなたに伝えたいことがたくさんあるの」
加賀「それともこんな私は嫌かしら」
提督「滅相もございません!」
提督「あ、資材溢れてますね」
加賀「そうね、前ほとんど使い切っていたけれど」
提督「それで大鳳が出たんだし……」
加賀「まあ、そういうことにしておきましょう」
提督「じゃあ一回だけ大型建造とか!」
加賀「……いいんじゃないかしら」
提督「あいがとうございます! 回してきます!」
「航空母艦、加賀です。あなたが私の提督なの? それなりに期待はしているわ」
加賀「……」
提督「……ひ、久々に遠征でも出してきますね!」
電「あれ、司令官さん?」
提督「電ちゃん! 久しぶりー」
電「げ、幻覚とかじゃないですよね?」ハワワ
提督「今日から一応まじめに提督するから、よろしく」
電「……」
提督「電ちゃん……?」
電「今までどこほっつき歩いてたんですか、司令官さん」
提督「えっ」
電「でも……ちゃんと戻ってくるって、信じてましたよ!」
提督「うん……ほんとごめん」
電「司令官さんはダメな大人です!」
提督「はい、ダメな大人です」
電「そんなことではだめなのです!」
提督「はい、だめです……」
提督(こんな小さい子にだめだめ言われてると新しい扉開けそう)
提督「そういえば遠征出そうとしてたんだった」
電「本気で戻ってくるんですか!」
提督「信じてなかったの……」
電「司令官さんのことだから、しばらくは貯まってる資材を使うのかと思ったのです」
提督(そうしようと思ってました……)
提督「やっぱり資材は鎮守府の要だからね、うん」
電「少し成長してるのです……!」
提督「だめな大人脱却だよ」
電「それはこれからを見てからなのです」ニコ
提督「なんかちょっと見ない間に電ちゃんも成長したね……」
提督「成長とは何かを捨てることである、という言葉が身にしみて感じられる」
提督「いってらっしゃーい、と」
提督「あれ、なんだこのボタン……」
電「それは帰還命令のボタンなのです」
提督「遠征中止!?」
提督「こ、こんな便利なものが実装されていいのか……?」ワナワナ
電「司令官さんはちょっと飼いならされすぎなのです」
電「というより頭が硬くて新しいことを受け入れられないのです?」
提督「まだそんな年取ってないよ」
提督「やっぱりさ、こういろいろやれることが増えると処理しきれなくなるよね」
電「もしかして司令官さん、頭よくないのですか」
提督「頭良くないんです……ごめんねこんな提督で」
電「そ、そこも含めて司令官さんですよ!」
提督「ありがとう……」
見てくれる人がけっこういてびっくり
どんなゲームだって突き詰めてしまえば作業ゲーみたいなものだからあとは愛があるかどうかなんだろうなーと思います
はまってれば何だって楽しくなるんだよね
電「ところで、もうほかの皆さんには会ったのですか?」
提督「いや、加賀さんだけは会った……」
電「みんな、待ってると思うのです」
提督「……こんなだめな提督でも?」
電「こんなだめだめな司令官さんでも、なのです!」
提督「そうだよなぁ、こんなんでも一応提督だもんなー」ハァ
電(そういう司令官さんが、いいんですけど)
電「皆さん、言うほど司令官さんのこと嫌ってないのです。むしろ好意ですよ?」
提督「電ちゃんは優しいよ、ほんとに」
電「気を使ってるわけじゃないのです……」
提督「結婚するなら電ちゃんみたいな子がいいな、っと!?」ドン
雷「きゃ、ごめんなさい!」
提督「なんだこれ……その声は雷ちゃん?」
電「だ、大丈夫なのですか!?」
雷「危なかった、洗濯物落としちゃうとこだったわ」
雷「あれ、司令官!?」
提督「久しぶり。洗濯物で雷ちゃんが見えないほどなんだけど、大丈夫か?」
雷「私は大丈夫よ! それより司令官、今までどこで何をしてたのよ!?」
提督「それは斯く斯く然々でありまして」
電「大人の事情というものなのです」
雷「よくわからないけれど、帰ってきてくれて嬉しいわ!」
提督「結婚するなら雷ちゃんみたいな子がいいな……」
電「そろそろそのお口はどうにかしないと刺されるレベルなのです」ボソ
提督「というか、もしかして雷ちゃん一人でその量の洗濯を?」
雷「もちろん分担してやってるわ。今日は私が干す日だから」
雷「いっぺんに持っていったほうが効率がいいでしょ?」
電「わ、私だってちゃんと手伝ってるのです!」
雷「電と交代で家事を手伝ってるのよ」
提督「偉いなあ……自分の不甲斐なさが身に沁みるよ」
雷「司令官はそれでいいのよ、お仕事に集中してて大丈夫なんだから!」
提督(結婚しよ)
電(アウトなのです)
雷「それじゃ提督、またあとでね!」
提督「うん、干すの頑張って」
提督「ところでみんな元気なのかな」
電「元気なのです」
提督「そりゃよかった」
電「そろそろお夕飯の準備なので、手伝いに行ってくるのです」
提督「お、いってらっしゃーい」
電「今日は司令官さんもいるのでちょっぴり豪華になりますよ」
提督「そりゃ嬉しい。毎日豪華だと尚いいんだけど」
電「鳳翔さんに言ってほしいのです」
提督「あとから会いに行こうかな。皿洗いでも手伝うって言っといて」
電「了解なのです!」
提督「さーて、次はどこへ行こうかな」
提督「……鎮守府って、けっこう静かなもんだな」
提督「前まではそんなこと感じなかったけど」
提督「ああ、誰かしら隣にいてくれたからかな」
提督「けっこう寂しがりやなのかも……寂しいと死んじゃう提督ってなかなか気持ち悪い」
提督「さて、唐突な安価>>36にでも会いに行くか」
1が持ってない艦だと別の艦娘に変わるおそれがあります
吹雪
提督「お、あの後ろ姿は……」
提督「えっと、えっと」
吹雪「吹雪ですよ!!」
提督「うん吹雪、久しぶりー」
吹雪「あ、はいお久しぶり……って、司令官!?」
提督「はい、司令官です。なんかツッコミスキル上がった? 龍驤にでも指導されてる?」
吹雪「違います! というか私の名前も覚えてないなんてひどいです!!」
提督「いやさすがにわかってたよ。だって看板娘じゃん」
吹雪「そ、そんな看板娘だなんて……」テレ
提督「コミックとかでも主人公だし、いくら儲けてんのか言うてみ?」
吹雪「何いてるのかわかんないんですけど」
吹雪「というか司令官ちょっとテンション高くないですか?」
提督「そうかな、そうかも」
吹雪「ちょっとというかけっこう高いですよ。正直うざったいです」
提督「あれ、吹雪が毒舌になってたどうしよう」
吹雪「中学生くらいの女の子が父親に対して感じるいらだちと同じものを感じます」
提督「まじか、この歳で子持ちの気持ちになるなんて」
吹雪「というか提督は何歳なんですか?」
提督「うーん……たぶんまだ20代」
吹雪「ぼかしてきましたね」
提督「とにかくまだ若いんだよ、遊びたい盛りなんです」
吹雪「言い方がなんか年寄り臭くないですか」
吹雪「あ、噂をすれば龍驤さんですよ」
提督「ほんと? どこ?」
吹雪「え、そこにいるじゃないですか」
龍驤「あれ、提督やん! しばらくぶりやなー」
提督「……えっと、はじめまして? 吹雪、この方は?」
龍驤「何言うとるん? うちが龍驤やろ」
提督「あー、疲れてるのかな。幻覚と幻聴がする」
吹雪「どうしたんですか、さっきから司令官ちょっとおかしいですよ」
提督「いや、おかしいのは龍驤だよ!」
龍驤「へっ?」キョトン
提督「龍驤はこんな目キラキラしてないし、こんな柔らかい笑顔しない!」
龍驤「提督、頭どうしたんや?」
吹雪「ほんとに大丈夫ですか? 疲れてるんですか?」
提督「確かに疲れは少しあるかもしれないけど、龍驤がさ、ほら、なんか雰囲気違うくなってるんだよ」
龍驤「そうかな? 吹雪、なんかうち変わっとる?」
吹雪「いえ、特には」
提督「なんか顔が女の子らしくなってる……」
龍驤「失礼なやっちゃな。女の子やで」
提督「あ。でも相変わらず甲板はぺたんこなんだね」チラ
龍驤「そこ甲板ちゃうし。セクハラで訴えたろか? 勝訴待ったなしやで?」
提督「龍驤はこんな目キラキラしてないし、こんな柔らかい笑顔しない!」
龍驤「提督、頭どうしたんや?」
吹雪「ほんとに大丈夫ですか? 疲れてるんですか?」
提督「確かに疲れは少しあるかもしれないけど、龍驤がさ、ほら、なんか雰囲気違うくなってるんだよ」
龍驤「そうかな? 吹雪、なんかうち変わっとる?」
吹雪「いえ、特には」
提督「なんか顔が女の子らしくなってる……」
龍驤「失礼なやっちゃな。女の子やで」
提督「あ。でも相変わらず甲板はぺたんこなんだね」チラ
龍驤「そこ甲板ちゃうし。セクハラで訴えたろか? 勝訴待ったなしやで?」
間違えて二重になっちゃいましたすみません
吹雪「司令官、ちょっと休んだほうがいいですよ。訴えられる前に」
提督「そうだな、興奮しすぎたみたいだよ……でも龍驤ほんと雰囲気変わったよ」
龍驤「そうやろか?」
加賀「提督、ここでしたか」
提督「加賀さん? どうかしました?」
加賀「雷から面白い話を聞いたので、ちょっと」
提督「あ、はい。それじゃ二人ともー」
龍驤「加賀、機嫌悪いみたいやったけど提督大丈夫かいな」
吹雪「そうなんですか? そういえば司令官って加賀さんには敬語ですよね、なんでなんですかね」
龍驤「そりゃーあれや、提督は尻に敷かれるタイプやさかい」
吹雪「はぁ……?」
吹雪(どういう意味なんだろ)
このSSまとめへのコメント
まだまだ期待してるのです!
もったいないなぁー