ジャン「アルミン?」(34)
以前
ライナー「アルミン?」
を書かせていただいたものです。
今回は、前回以上にキャラ崩壊しております。
苦手な方は、ご了承下さい。
ジャン「その日、オレは教官に頼まれた雑用の帰りだった」
ジャン「点数稼ぎの為とはいえ、訓練後の力仕事の雑用、流石に疲れた。だから、真っ直ぐ宿舎に帰る筈だった」
ジャン「夜更けに独りでいるミカサを見つけるまでは」
ジャン(なんでまたこんな時間に?しかし、理由はさて置き、こりゃあラッキーだぜ)コソコソ
ジャン(今ならあの邪魔者もいない。しかも辺りに人気もない。おまけにミカサは今一人)
ジャン(教官の雑用なんて頼まれて運がねぇだと思ってたが、全てはこの出会いの為だったのか!)
ジャン(サンキュー!神様!)
ジャン(身だしなみを整えて………)イソイソ
ジャン(しっかし、まっさかこんなシチュエーションで、あのミカサに出会えるとはなぁ。日頃の行いのご褒美ってか?)デレデレ
ジャン(星空の下、独り黄昏るキミに声をかける。夜風は髪を揺らし、月光に照らされたその色は日の昇る時とは一味た違った姿を見せる。今は無き、長髪は薄い光に照らされて再生したようにすら錯覚させる。オレはその髪に指を絡ませ、キミを見る。抵抗なく指の間をすり抜けていくその髪を褒めると、恥ずかしそうに微笑むキミ。それは星の瞬くこの時にしか魅せぬ、オレだけの笑み。視線が一線を描く。オレはゆっくりとキミに近づきそして―――)モワモワ
ジャン(ん?誰だこの俺とミカサとのサクセスストーリーを邪魔しやがった奴は)コソコソ
ジャン(――――は?)
ジャン(―――え、何?何なんだよこの状況は)
ジャン(てか……)
ジャン「アルミンッッ?!」ドザッ
ミカサ「あ、ジャン」
アルミン「――でさ、とうとう今日訓練兵の女子達に聞かれたんだ。『アルミンって処女?』」
アルミン「あのね、まず漢字を見てよ女ってあるでしょなんで僕に聞くのかな『処男』とかにすればいいのそんなのないよでも意味がわかっちゃう自分がやだよなんでわかっちゃったんだろそれとなんで女子は食い入る様に迫るの何ってこたえればよかったんだよ」クドクド
ジャン「ア、アルミン?それにミカサも」
ミカサ「しっ」ヒトサシユビクチニ
ジャン(あ、今の仕草かわいい)ポッ
アルミン「いくら日々の過酷な訓練に疲れているからってそういう発散のやり方はどうなの?そろそろ僕も身の危険を感じるよ被害妄想の症状だよ少しは自重してよもう!」クドクド
ミカサ「中間成績の発表の時期だから、皆、気を紛らわしたいんだよ」ナデナデ
アルミン「僕も多少は理解しようと努力するよ。でもそれを言ったら僕だってハラハラだよ正直卒業できるかも怪しいし訓練の度に吐き気目眩に筋肉痛を同時に発症させてるしいい加減この身体も少しは成長してほしいよ」クドクド
アルミン「ライナーやジャンやミカサ並みにとは言わないよ。言わないけどさせめて女子よりは筋肉つけたいのにさこの前クリスタに力負けしそうになった時は泣きたくなったよ」クドクド
ジャン(その後も、アルミンはミカサの胸に寄りかかったまま、次々と愚痴を垂れ流し、そして最後には……)
ジャン(ミカサの膝枕だと!おいそこ代わりやがれ!)グワッ
ミカサ「ところでジャン、どうしてこんな時間に?」ナデナデ
ジャン「あ、さっきまで雑用任されてたんだよ。で、帰り道にミカサを見つけてな」
ミカサ「……不覚。ジャン、この事は、みんなには黙っておいて」
ジャン「へ?――も勿論だ!一言一句もらさねーよ!」(ミカサの上目遣い!)カーッ
ミカサ「起きちゃうから静かに」ヒトサシユビクチニ
ジャン「おぅ……」ポッ
―――――――――
ジャン「アルミンが、ねぇ……。ミカサも大変だな」
ミカサ「そう?私は慣れているし、アルミンにはよく相談にのってもらっているから」ナデナデ
アルミン「ゥゥン……」スヤスヤ
ジャン(ミカサとの会話が自己ベストを何倍も更新したぜ!よしっ)グッ
ジャン(しかし、やはりと言うべきか)
ジャン(常々ミカサの事を考えている最中、気が付いちまった事がある)
ジャン(ミカサ攻略の最大の難関はエレンなんかじゃない。やはり、アルミンだ)
ジャン(悔しいとが、ミカサがエレンを意識してるのは普段の行動から容認に想像できる。だが、当のエレンはまだそれに気が付いていない)
ジャン(そこが付け入る隙だった。事実、あの死に急ぎ野郎はミカサを女として絶対にみてやがらねぇ)
ジャン(だがアルミンはどうだ?幼なじみであり、二人からの信頼は抜群。現にミカサはことある事にアルミンを頼っている。エレンだって四六時中アルミンと一緒だ)
ジャン(つまり、アルミンの選択しだいで、ミカサとエレンをどうにでも出来る立ち位置にいるわけだ)
ジャン(もし、ミカサがアルミンの協力の元、こ、告ったりしやがったら、勝ち目がねぇ。鈍感なあの野郎の逃げ道を塞いでイヤが追うにも意識させる手段を考えつくに決まってる)
ジャン(………待てよ。てことは―――)
ジャン「ミカサ、もし良かったら、俺が代わってやろうか?」
ミカサ「何を?」キョトンッ
ジャン「今ミカサがやってたことだよ。いつもミカサじゃ疲れるだろうし、たまにはゆっくり休息も取った方がいい。なに、何回かに一回代わるだけだ。それに、アルミンも男同士の方が言いやすいこともあるだろ。ここまで見ちまったんだ、俺も手伝うぜ」アセアセ
ミカサ「………」
ジャン(どうだ……)ゴクンッ
ミカサ「アルミンが、いいなら」
ジャン「わかった。後で聞いてみるぜ」(よしっ!第一段階クリア!)グッ
ミカサ「………でも、ジャン。気をつけて」
ジャン「ん?あぁ、わかった?」
―――――――――
ジャン(その後、すぐに目を覚ましたアルミンを説得して、俺が一回担当する事になった)
ジャン(これでミカサの好感度だけでなく、アルミンの好感度も上げていける)
ジャン(アルミンを味方にできれば、幼なじみというアドバンテージをもはねのける切り札を手に入れたもの)
ジャン(そうすりゃ、俺とミカサとのフォーリンラブも――――)
ジャン(その時は、まだ気が付いていなかった。あの時の、ミカサの言葉の意味を)
ジャン(そして、数週間後、アルミンに呼ばれて俺はあの場所に向かった)
―――――――――
アルミン「あの、最初に言っておくね。多分、だいぶ失礼な事とか言っちゃうだろうから、その、ごめんね」
ジャン「気にすんなって。アルミンには俺も何回か世話になってるしな」
アルミン「―――うん、わかったよ。じゃあ……」
アルミン「――早速」クラッ
ジャン(あれ、なんだこの寒気は)ゾワッ
アルミン「――今日もさ、ライナーが吹っ飛んだんだけどみんなライナーに何か恨みでもあるの?何が『特に理由のない暴力がライナーを襲う』だよ訳わかんないんだよ」
アルミン「あの体格のいいライナーが吹っ飛んだら周りにも被害がでるのわかんないの?ライナーも最近だと悟りを開き初めて僕に『アルミン、今日は昨日より高く飛べた』とか何の報告なの?」
アルミン「ライナー意外に打たれ弱いんだよそんな彼に何て声かけたらいいんだよ流石に僕のボキャブラリーも底をつくよ」
アルミン「そういえば最近は相手がライナーなのが増えたなぁ。ライナーにはいつも助けてもらってるけどそっち方面まで助けてもらってる訳ないじゃんそう見えるのなにそれ怖い」
アルミン「しかももっとコソコソ、それも僕に聞こえないように話すなら話してよ。あれかい赤面する僕を見て更なる妄想のおかずにでもするのサドなのただのバカなのどっちなんだよ」
ジャン「いや、そりゃ気のせいだってアルミン。それにたかが他人の妄想なんだろ?」
アルミン「―――ジャンは、今まで告白されたことはあるかい?」クラッ
ジャン「え、いやそりゃあ、まぁ一回位は……」ゾワッ
アルミン「僕はね、訓練兵になってからなんだ」
ジャン「アルミンも意外とやるもんだな。で、付き合ったりしたの―――?!」ゾワワッ
アルミン「初めは、訓練で同じ班になった人から。こういう閉鎖された場所だし、他人の性癖に口出しする気もないけど、流石に最初は利いたなぁ」
ジャン(あれ、アルミンって、こんな目してたっけ?)ゾワワワッ
アルミン「それがいつの間にか女子に伝わって、伝染して、発病して、抑制効かなくなって!」
アルミン「挙げ句の果てにはダイレクトに聞いてきて!『アルミン、女装に興味ない?』ある訳ないだろ!なんであんな羨望のまなざし向けるのミカサやクリスタ使えば僕が折れるとでも?折れたよこんちくしょー!」
アルミン「しかもその時の写真が男子の間でも出回るし、エレンに『見ろよアルミン。こんな子ここにいたっけ?』って僕の女装写真見られたときの僕の気持ち考えられるかい?!」
アルミン「『こんくらい可愛い子なら忘れないと思うんだけどなぁ』とか?!胃液が突然変異して胃を刺激し始めたよ!」
アルミン「しかも事情を知るミカサは不器用ながらフォローしてくれるし!いっそいつもみたいに嫉妬してくれた方が良かったよ優しさが胃を追いつめるよ!」
ジャン「お、落ち着けアルミン、悪かった俺が悪かったって」アセアセ
アルミン「悪いって、何?」ゴゴゴ
ジャン「へ?」ゾゾワッ
アルミン「何が、悪いって?」ゴゴゴ
ジャン(あれ、なんだこの感覚、胸の下辺り、そう胃の辺りが、妙に……)ゾワゾワワッ
ジャン「いや、アルミンの苦労も考えず」アセアセ
アルミン「大体ジャンはいつもいつも何でエレンにちょっかい出すのさミカサの気を引きたいならミカサにアタックしなよなんでエレンにアタックするのさ嫉妬するのは良いけどその度にミカサの評価下がり続けてるの自覚してないの座学悪くないのにコニーでもそのくらい理解できるよ」ズギャンッ
ジャン「グブォアッァァァァ!」
アルミン「陰で何て言われてるか知ってる?実は二人付き合っててミカサにバレないようにカモフラージュも兼ねてじゃれ合ってるって」ガギャンッ
ジャン「ゥオェアァッ!」
アルミン「『アルミンアルミン!ジャンとエレンってどっちが攻めだと思う?!私はジャンの誘い受けだと思うのに皆は――』とか」
アルミン「『こんどエレジャンの短編集書いたんだけど、変なところないかチェックしてくれない?』とか」
アルミン「『アルミンならわかるでしょ!エレンとジャンの○○○はこの位の大きさだと思うんだけど、どうかな』とかそんな質問まで僕に来てるんだよ」
ジャン「グバファッ!」
アルミン「何が肝試しだお酒のませてお持ち帰りだそんなのうまく行くわけないじゃん。失敗するに決まってるじゃんなんで正攻法に、エレンに相談してみるとか告白するとかしないの?できないの?する度胸もないの?」
ジャン「ま、まってくれアルミン、ちょっとま――」グサグサッ
アルミン「ジャンは内地に行きたいんでしょ?安全な場所に行きたいんでしょ。その癖やたらと地雷踏むのはもう一種の才能だよね」
ジャン「いやほんと一旦落ち着こうアルミン」グサリッ
アルミン「もういっそ僕もそっちに行けたらどれだけ胃を楽にできたかな。進撃のホモ団とか?ははは、エレンに『だぁい好きっ(はーと)』とか言えばいいのかな?」
ジャン(ま、まずい、話の内容を受け流せなくなってきた)ダラダラ
ジャン「アルミン、深呼吸、深呼吸をだな」
アルミン「ジャンもいい加減に煽る癖とか口の悪さ無くさないとマルコに捨てられるよ。いつか『え、僕とジャンが親友?(笑)』とか言われるよ」グサリッ
ジャン「グガハァッ!」
アルミン「やれ一緒に寝てた、お風呂入ってたに一々反応してさ。幼なじみであの付き合いの濃さだよ?なんだからそれくらい当たり前じゃん僕だってそれくらいやったよ」
ジャン「ガファッ!」
アルミン「マルコに対しても偶に厳しいしさ。君、マルコ以外に誰いるのさ?少なくとも僕見たことないし」
ジャン「ガダヒァッナッ!」
アルミン「マルコからもジャンの悪い癖治せないか相談されるし無理だよそんなの」
ジャン「アジャハァァァァァッ!」
―――――――――
――――――
―――
ミカサ「………やっぱり、ジャンでは耐えきれなかった」
ジャン「――――」ポツーン
アルミン「スヤスヤ」
ミカサ「あの状態のアルミンの言葉は、キレ味も威力も十分。並みの人間では、耐えることはできない」
ミカサ「それは、アルミンが普段それだけ親身に、身を削ってまで相談に乗っているから」
ミカサ「だから、そんなものをため込み続けては、アルミンが壊れてしまう。それは、ダメ」
ミカサ「私のように、慣れてしまうか、エレンのようによくわからないで聞いているかしなければ、今のジャンのようになってしまう」
ミカサ「それに、ジャンはアルミンの頭を撫でるのを忘れていた」
ミカサ「そしておそらく、中途半端に助言を入れてしまったのだろう」
ミカサ「あの状態のアルミン、通称ヤンミンには、それは愚考」
ミカサ「………と、いっておいたはずなのに」
ジャン「ポーーーッ」
アルミン「スヤスヤ」
ミカサ「…………」
ミカサ「………」ナデナデ
アルミン「んん………」
ミカサ「 」クスッ
大変拙い文章でしたが、御視聴ありがとうございました。
元々は、この流れだったのですが、面倒になりライナーに代わったため、前回は中途半端になってしまいました。
アルミンが愚痴るssがあってもいいじゃないか。
短く、相変わらず中身の薄い内容でしたが、ありがとうございました。
次は、アルクリとかアルアニとか書きたいなぁ。
前みたいにミカサの出番が少ないのは反省です。
後、愚痴の内容もワンパターンで反省ですね。
他人のssネタにまで触れてしまい、大変申し訳ありません。いつも楽しく拝見しておりますファンです。
告白するとかしないの?できないの?する度胸もないの?
4段活用には一つ足んねーなあ
それはそうとこのss好きです
いろんなssが出てきて、懐かしくもなった
>>29
思い浮かばなかったなんていえない……
とはいえ、ありがとうございます。前のには、無意識に入っていましたが今回は自分の好きなssを失礼ながら意識して入れてみました。
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