提督「招待状をもらって、演習して、食べて、踊って、大変に」(101)

酒匂「ぴゃん♪ 阿賀野型軽巡四番艦、酒匂です! よろしくね!」

酒匂「矢矧ちゃんこれ読めばいいんだよね?」

酒匂「ぴゅぅぅぅ…。この作品は以下の要素を含んでます」

・オリジナル設定。(高速修復剤・艦娘の能力)
・キャラ崩壊
・読みにくい

酒匂「これでいいのー?」

酒匂「えへへ~。能代ちゃんに頭撫でてもらっちゃったぁ~」

酒匂「ぴゅぅぅうううっ♪ それじゃ、本編スタート♪」

酒匂「ひゃっ!? 矢矧ちゃん、もう、カメラ止めt―」

以前、3のくせに「2get」と書き込んでしまい、
「2000万年ROMってろ!」と言われてしまった者です。

言われた通り2000万年間、沢山沢山ROMりました。

猿から人類への進化…
途中、「ガットハブグフーン?」と書き込んだジャワ原人に反論しそうになったりもしましたが、
言いつけを固く守り、唇を咬んでROMに徹しました。

そして現れては消えていく文明。数え切れないほどの戦争…生と死、生と死。

2000万年経った今、晴れて縛め(いましめ)を解かれた私(わたくし)が、
2get出来るチャンスに今っ!恵まれました。
感動で…私の胸は張り裂けんばかりです。

卑弥呼女王、見てますか?
義経様、清盛様見てますか?
信長様、秀吉様、家康様 見てますか?

それでは、2000万年の歴史の重みと共に、
キーボードを叩き壊すほどの情熱をもって打ち込ませていただきます。

2get


【学生の記憶】

―次に高速修復剤について説明を行う―

―前項で確認したが、ドックで治療することで艦娘の傷は癒える―

―しかし時間が惜しいときはコレを使用することによって短時間での修復が可能になる―

―注意だが、決して高速修復剤を生身の人間に使用してはならない―

―細胞に反応してやけどのようにただれることになり―

―最悪、そのまま、死亡にいたる―

『ふーん…』

『…そんなわけないじゃん、ねぇ』ニヒッ


【司令室】

吹雪「司令官、お手紙が届いています」

提督「…招待状だな」

吹雪「憲兵から?」

提督「やめろ。ちょっとした集会だよ、提督同士の親睦を深めるためのな」

吹雪「素敵なパーティですか?」

提督「そうだな。食事も用意されてるらしい」

提督「改装室からスーツをクリーニングに出してくれ」

吹雪「はいっ!」


【パーティー会場・エントランス】

ガヤガヤ

吹雪「…あの私、場違いじゃないでしょうか」

提督「全然?」

吹雪「みんなドレスとか着てるし、司令官だって…私いつものセーラー服ですよ…」

提督「安心しろ。俺が知っている限り、ジャージ姿で参加する豪傑が一人いる」

吹雪「でも…」

提督「もうやめてくれ。私の財布事情が寂しいばかりに買ってやれないことを責めるのは止めてくれ」

吹雪「そ、そういうつもりで言ったわけじゃないですよ」

提督「私のライフはゼロよ!」

吹雪「…すみません」

提督「止めて。沈痛な面持ちしないで、優しさが心に突き刺さる」


プルルル

提督「…誰からだよ…」

吹雪「私、先に受付済ませておきますね」

提督「悪いな、ちょっと行って来る」

テクテク

吹雪「…これでいいですか…はい…ありがとうございます」

テクテク

吹雪「司令官、まだ戻ってきてないですね…」


キラキラ


吹雪「…はぁ…」

吹雪「…みんな、綺麗だなぁ…」



外国人『そこの君』

吹雪「…私?」

外国人『とってもお美しいですね』アクシュ

吹雪「ええと…私、日本語しかしゃべれないんですけど…」アクシュ

外国人『しかし、ここには不釣合いな服装だ』

吹雪「は、はぁ…」

外国人『ちょっと外に行きましょう?』グイッ

吹雪「え? あの…ちょっと…!」




??『少しよろしいですか?』

外国人『…なんですか、貴方は』

吹雪「…ジャージ…」

??『その子の保護者に近いわ』

外国人『…ふん。ジャージ姿の提督が要るわけがないだろ』

??『ほうほう、今私の体をフルフラットと言ったわね』

外国人『…はぁ?』

夕雲「あら、怒らせちゃいましたね」

吹雪「あ!」

夕雲「お久しぶりです」

吹雪「あの時は、どうもありがとうございました」ペコリ


外国人『何言ってるんだお前。私はそんなこと言ってないぞ』

??『そ、そんな胸で挟むなんて卑猥なことできなくてもいいもん! 私にも需要あるもん!』

外国人『…やべぇこいつキチガイだ』

??『私はマジキチじゃない』

提督「そこだけ会話するな」

吹雪「司令官、あの…」

提督「分かってる」

提督『すみません。私の秘書艦が何かしましたか?』

外国人『あ、いえ、素敵だなと思いs―』

提督『ありがとうございます。先ほど来賓の方は向こうに集まってましたよ』

外国人『おお、ありがとうございます…』タッタッタ






提督「…ゲスが」

??「まったくー。連れ去られるところだったぞっ♪」

提督「…助かったよ―」

提督「女提督」

吹雪「え!? あっ!? えぇっ!?」

女提督「やだ、覚えててくれなかったの? シクシク」

提督「ほれメガネとウィッグ」

バサァ…

女提督「…叢雲を預けて以来だね、吹雪。随分と立派になったね」プニプニ

吹雪「本物だ…」


女提督「あのときはあのときだったしねぇ。うっひょーい。もちもちだぁ」プニプニ

夕雲「提督? 私の肌とどっちが好きですか?」クイクイ

女提督「ゲヘヘヘ、もちろんさらさらお肌の夕雲ちゃんよー」ギュー スリスリ

夕雲「嬉しいですわ」

吹雪「」

提督「おい、憲兵がそっち見てるぞ」

吹雪「そういえば、先ほどの電話はなんだったんですか?」

提督「那智からだ。メールで消灯前に母港のこと報告しろって言っておいたんだよ」

吹雪「え? でも? 電話でしたよね?」

提督「ダメだった模様。仕様書もきちんと準備したよ?」

吹雪「………」

提督「結局、電話越しで報告。時間かかってごめんな」


女提督「そういや、叢雲、元気にしてる?」

提督「元気だよ。相変わらずのところもあるけど」

女提督「そぉ…。そりゃ寝取ったんだもんねー。大切にしてもらわなきゃ」ギリギリ

夕雲「いやですね。夕雲、女提督の秘書艦でよかったと思います」

女提督「うれしいなぁー。このこのぉ」グリグリ

提督「ついさっき預けたって言ったばかりだろ」







??「すみません。この吹雪の提督さんはどちらですか?」


提督「…私だが?」

??「そうですか、会えて光栄です」アクシュ

提督「はぁ…」アクシュ

??「私、眼鏡提督と申します。二つ下の後輩に当たりますかね」

提督「何用ですか?」

眼鏡「ぜひとも伝説の首席と呼ばれた方とお手合わせ願いたく存じます」

提督「すみません。今日はそんなつもりで来ていないのでそういうことはちょっと…」



眼鏡「怖いんですか?」



吹雪「」ピクッ


眼鏡「そうですよね。首席が名も知れない提督に負けたとなれば恥さらしですものね」メガネクイッ

提督「首席は過去の話です。今は下位ランカーですよ」

眼鏡「あっははー。これはどうも失礼いたしました」

吹雪「司令官…ゴム弾持ってきてますよ…」イライラ

提督「落ち着け、吹雪。そもそもどこで戦うって―」

夕雲「へぇー、この施設、訓練用の大型室内プールがあるんですかー」

提督「…」

眼鏡「」チラッチラッ

提督「…それに、仮に怪我でもしたら―」

夕雲「弾薬や燃料、高速修復剤も完備なんて素晴らしいですね」

提督「…」

眼鏡「」チラッチラッ


提督「…そういう厭らしいところは女提督そっくりなんだな」

夕雲「提督と同じだなんて、ありがとうございます////」

提督「ほめては無いはずだが…」

女提督「…まったく仕方ないなー。君がこの人に勝てるかどうか、ちんちくりんの私が試してあげる」

眼鏡「貴方は?」

女提督「第二位で卒業した女提督ちゃんだよー」

眼鏡「ジャージの提督」クスッ

女提督「見た目で判断しちゃいけないよー眼鏡くん、二位のハチマキがない人は一位に挑戦する資格はナッシング☆」

提督「お前らはアフロのサムライか」



女提督「そ・れ・に、増設バルジを何個も持ってる私に勝つと自慢できるにゃりよー」




眼鏡「…なるほど…。上位さんですか」

女提督「私に勝てばこいつをボコボコにしていいよ」

眼鏡「分かりました。それでは場所を移動しましょう」

提督「なに、素敵なパーティじゃないの? 今回」


【訓練用大型プール】

吹雪「でっかーい…」

提督「俺らは防波堤内で試し撃ちだからな。室内プールなんてないっす」

夕雲「提督? この施設、岩礁などの障害物が設置できるようですよ?」ピッピッ

女提督「どする?(/・Ω・)/」

眼鏡「お任せします」

女提督「ぽちっとな」

<アラホラサッサー

吹雪「なんですか? 今の」

提督「くそ、ジェネレーションギャップか」


ギューン ガコンガコンガコン

夕雲「大小様々な岩場が少々、ちょっとした岩礁地帯といったところでしょうか」

女提督「それじゃ審判よろしく(・Ω・)ノシ」

提督「ルールわからねえよ」

女提督「もう、シングルバトル、レベル50制限に決まってるでしょ」プンプン

眼鏡「まったく常識が無いんですか?」メガネクイ

吹雪「司令官、私はついていけません」

提督「…まさかの眼鏡くんも女提督と同じ人種だったとはな」

提督「…はぁ…」

提督「両者コーナーへ。対戦方式は1対1のシングルバトル、レベル上限50とする」


女提督「よし、夕雲。君に決めたっ!」

夕雲「駆逐艦夕雲、本気でいくわ!」

吹雪「なんか憧れのカンムスマスターを目指す人みたいですね」

提督「ゆうぐも ゆうぐもがた いちばんかん ▽」

眼鏡「せわずき で ダメていとく が いつも あまえている ▽」

女提督「いかづち が もっか の てき ▽」

吹雪「司令官。ノリノリじゃないですか…」

眼鏡「夕雲ですか…」

提督「さて、自分から吹っかけてきたからには―」

女提督(それなりの艦娘が来るだろうね)ニヒッ




眼鏡「来なさいっ! 朧!」

ヒュン

朧「…駆逐艦、朧、出撃する」ピチャ

吹雪「あの人も駆逐艦なんですね」

提督「でも、茶色のジャケットに見たこと無い腰周りの兵装。面白そうだ」

女提督「天井からの登場で波一つ立たない着地…やるわね」


ガヤガヤ

吹雪「結構人が集まってきましたね」

提督「曲がりなりにもトップクラスの提督が戦うんだ。見てみたいやつは多数いるだろう」

吹雪「パーティーはいいんですかね」

提督「俺らにとってはこの上ない余興だろ」

女提督「ゲートオープン開放!」

ブワァアアアアアア

提督「防弾ガラスか」

眼鏡「ゲートオープン開放っ!」

ブワァアアアアアア

吹雪「最初から上がっていればいいのに…」

女提督・眼鏡「決闘(デュエル)!!!!!!」

提督「お前ら絶対、気が合うだろ」


朧「…」スチャ

吹雪「でっかいカッターナイフですねー」

朧「私は誰にも負けない、から…ここにいる、誰よりも強い」スチャ

吹雪「しかも両刀ですよ、司令官」

朧「なので、私は、誰にも負けない…!」







眼鏡「朧、貴様の特技は何だっ!」





朧「…肉を…削ぐことです…っ!」バシュッ




ギュン、シュン

吹雪「あれなんでしょう? ワイヤー?」

提督「立体機動か」

吹雪「ははっ。海面に触れてないのに波立ってますよー」

提督「夕雲が負けたらあれと戦うんだぞ?」

吹雪「止めてください。今、考えないようにしてるんです」



夕雲「提督? ご指示を」

女提督「…テキトーに」ハナホジホジ

夕雲「分かりましたわ」


提督「岩礁は彼女に有利だな。アンカーが撃てる箇所が多いほど、動きは変幻自在になる」

朧「はぁっ!!!」

バシャーン



吹雪「剣圧で海面に亀裂がっ!」

提督「…辛うじて回避といったところか?」


朧「…」

夕雲「くすっ…」スチャ

バァンバァン

朧「」ヒュンヒュン

提督「機動力すげー。缶なんて馬鹿馬鹿しくなるな」

吹雪「司令官、あの、カ、カッターって偽物ですよね」ダラダラ

提督「多分そうd―」

朧「やぁあああっ!」ザンッ

スパッ

提督「」

吹雪「」

ザッパーン

夕雲「岩を崩して当てようなんて無粋ですわね」

朧「ちっ…」


吹雪「…何で私、今日この服装だったんだろ…」

提督「ししし、心配すんなよ。吹雪」

吹雪「嫌ですよ!? 私、沈みたくないです!」



ギュン シュン ギュイン バァン ヒュン バサ-ン



女提督「…ねぇ、眼鏡くん。もう隠し球はなし?」

眼鏡「最初から全力で戦うことが礼儀だと思っていますから」

女提督「ゆ~う~ぐ~も~。片付けちゃえ」

夕雲「分かりましたわ」スチャ

女提督「きゃー! 夕雲ちゃんの名台詞くるわよー!」


夕雲「うふふっ」バァンバァン

朧「!?」チュン チュン

眼鏡「ふん、刃に当たったところで本体に当たらなければ―」

夕雲「面白いようにあたるわねー♪」バァンバァンバァンバァン

朧「くっ…しつこい…!」チュン チュン チュン チュン

吹雪「すごい…砲撃を全部刃で弾いてますよっ!」

提督「…いや、夕雲、わざと刃に当ててるな」

眼鏡「どうした! 動きが悪いぞっ!」

女提督「ふわぁ…」

提督「あほか…。動けないんだよ…」


朧「っぅ!?」バチーン

夕雲「ごめんなさい。当たりました?」

女提督「おでこはいたーい(>ω<)」

バシャーン

眼鏡「朧!」

朧「…きゅー…」

提督「朧、戦闘不能。勝者 女提督!」

女提督「…ま、当然ね」ファサァ

眼鏡「大丈夫か、朧」

朧「…頭突きに比べれば…痛くない」

提督「ま、相手が悪かったな」パチパチ

女提督「ふふん」

パチパチパチパチパチパチパチパチ


眼鏡「あんな言い方してすみませんでした」ガシッ

女提督「いい駆逐艦もってるじゃない」ガシッ

眼鏡「次はボクが勝たせてもらうよ」

女提督「…待ってるわ」

提督「よし、みんな、帰ろう」クルッ

女提督「何言ってるの?」ガシッ

提督「…この手はなんでしょうか?」

女提督「早くコーナーに立ちなさい!」

提督「えぇ~」

眼鏡「首席と二番目の試合を見たいやつはいないかぁーっ!」

ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

女提督「グッジョブ」


提督「てめぇ…」

吹雪「司令官、やらせてください!」

眼鏡「艦娘の意思を尊重することも大事だと思いますよ?」

提督「はぁ…言っとくけど弱いからな。俺の吹雪」

女提督「お? フラグか? お?」

提督「…吹雪、胸を借りるつもりで行って来なさい」

吹雪「はい、私、がんばります!」


【パーティー会場】

女提督「よっわ」

吹雪「司令官、ごめんなさい…」

提督「相手が強すぎる」

夕雲「あそこまで尻すぼみな試合はありませんね」

吹雪「うぅ…」

カラカラカラカラ

女提督「ん? お肉の臭い?」

提督「挨拶が終わったんだろ」

夕雲「提督、どうぞ」

提督「まだ、オレンジジュースかよ」

女提督「果汁系女子なのだ!(・ω<)」


吹雪「司令官、どうぞ」

提督「アルコールも飲めるようになれよ」

グビグビ

女提督「ふぃーっ。美味しいねぇ、これ果汁90%だね」

提督「吹雪、料理、取りに行くぞ」

吹雪「司令官。見たこと無い料理がいっぱいですね!」キラキラ

提督「あんまり騒ぐな。田舎っぽさが出てるぞ」

夕雲「提督? 料理取ってきますね?」

女提督「頼んだ」


テクテク

テクテク


提督「大変だろ? あんなやつの秘書艦は」

夕雲「いえ、毎日が楽しいですよ」

吹雪「これ食べていいですか?」キラキラ

提督「歩きながら食べれる分な」

夕雲「親子みたいですね」

提督「君らもそうだよ、アレが子で君が親」

夕雲「私の提督をアレ呼ばわりとはひどいですわ」

提督「いやぁ、アレだよ、アレ」

夕雲「え?」グリッ

提督「やめて、砲塔の冷たさが背中に伝わるから」

吹雪「一旦、戻りましょう!」キラキラ


テクテク

女提督「ぐぬぬぬぬ」

提督「口に出すな。うざったい」

女提督「おう、戻ってきてたか」

吹雪「ん~。司令官、美味しいです~」モグモグ

夕雲「口の周り汚れてますよ」フキフキ

吹雪「あ、すみません」

提督「どんなくだらないこと考えていたんだ?」

女提督「君が私に負けた罰ゲーム」

提督「あれ、罰ゲームありきかよ…」

女提督「ピコンッ」

夕雲「提督、何ひらめきましたか?」

提督「今のよく分かったな」


女提督「最近さ、君の憧れの上司が死んじゃったでしょ?」

提督「あれか…」

女提督「あれの真相教えて?」

提督「…深海棲艦に母港を襲われた上司は奮戦したが力及ばす戦死。駆けつけた俺は深海棲艦を排除し、彼の右足を発見しただけ」

女提督「またまたー。そんなクソつまらないお話じゃないでしょー」ニヒッ

提督「…話したくないな」

女提督「だめ…?」ウルウル

提督「…お前困ったらいつもそれだよな」

夕雲「女性を泣かせるのはどうかと思いますよ?」

女提督「私、気になりm―」」

提督「吹雪、移動するぞ」

吹雪「ほぉいっ! ふぃふぇいはんっ!」


【テラス】

女提督「むふふー。つまり上司が深海棲艦で君を殺そうとしたと?」ツルツル

提督「要約するとそんなところだ」

女提督「むほほほ。メシウマ」ツルツル

提督「…こっちは真面目に話してるってのに」

女提督「むふー。私が真面目なのは4年に1度あるかないかだよー」

提督「そうだったな」

女提督「なんなら誘ってよー。私加戦したよー」

提督「…どっちにだ」

女提督「もちのろん、上司」ニカー

提督「おい」


女提督「…残念だったね」

提督「…まぁね」

女提督「お疲れさん、さぁ! 私の胸においで!」

提督「全通甲板が何を言う」

女提督「くっ」

夕雲「提督? 夕雲の胸はいつでも空いてますよ?」

女提督「うえーん」ダキッ

夕雲「よしよし」ナデナデ

女提督「」スーハースーハー


吹雪「叢雲ちゃんも一緒に連れてくるべきでしたね」モグモグ

女提督「あら、あの子、私のこと忘れてると思いましたけど」

提督「お前がしたことは誰でも忘れねえよ」

夕雲「提督? 先ほども聞こえましたけどその子は誰ですか」ギリギリ

女提督「あっ…頭が……いたっ…あふぅ////」

提督「ソレの最初の秘書艦だよ。訳ありで俺が預かることになって、今じゃ俺の艦娘だ」

夕雲「ワケ?」

女提督「ノーコメントで」

提督「それじゃ俺もノーコメント」

吹雪「言えませんね」

夕雲「…そう、そんな真面目な顔されたら聞けませんわ」パッ

女提督「あぁ…もっとギュッってしてぇ…」

夕雲「ふふっもっと甘えていいんですよ」ギュッ

提督「大丈夫、私が居るじゃない(裏声)」

夕雲「ぶち○しますよ?」スチャ




吹雪「司令官、なんだか中が騒がしいですよ?」

提督「ダンスか…」

女提督「キミが苦手なダンスだ。にしし」

提督「ほぉ、試してみるか?」

女提督「誘うんならしっかり誘いなさいよ?」

提督「僭越ながら私めと一曲踊っていただけますか?」ピシッ

女提督「キモイ」

提督「てめぇ…」

女提督「にゃはははは!! いっくよー!!!」グイッ

提督「引っ張るなっ! これ一張羅なんだぞっ!」

女提督「にゃははははは!!!」





吹雪「…ジャージとスーツのダンス」

夕雲「ものめずらしいですね」

スタッ

朧「……見つけた」

吹雪「うわっ!?」

夕雲「?」

朧「パン、持ってきた」

吹雪「パン?」

夕雲「なぜ?」


眼鏡「朧、ここにいたんですか…」

吹雪「あ、眼鏡さん。どうも」

眼鏡「先ほどは申し訳ありませんでした。喧嘩ふっかけるためとはいえいろいろひどいことを言ってしまいました」ペコペコ

夕雲「どうして喧嘩を仕掛ける必要が?」

眼鏡「いまや生きる伝説と呼ばれた人が居たら、誰でもお手合わせ願いますよ」

朧「パン…」

眼鏡「これはこれは…。朧が君たちの事気に入ったみたいですね。ぜひ、受け取るだけでもお願いします」

吹雪「ありがとうございます。頂きますね」

夕雲「ありがたく、頂くわ」

朧「…うん」

眼鏡「それでは、ダンス中の二人にはすまなかったと伝えていただけますか?」

吹雪「分かりました」

眼鏡「行こうか、朧」

朧「実は…少し…お腹が空きました」

テクテク…


吹雪「んー。パンも美味しいですねー」モグモグ

夕雲「私の分も食べますか?」

吹雪「夕雲ちゃんは食べないんですか?」

夕雲「私、提督が作ってくれたもの以外は食べませんわ」

吹雪「へぇ~。こっちの司令官が料理することなんてないですねー」

夕雲「とても美味しいですよ。妹達にも食べさせたいです」

吹雪「…この沢庵は鳳翔さんの方が美味しいな」

夕雲「でも、それで提督のコトを狙うライバルが増えるのはいやですね」

フラッフラッ ドサッ

吹雪「…戻ってきましたね」


女提督「まったく男子が女子に負けるなど、だらしないぞぉ~」

提督「…ま、待ってくれ…お、おれ…スーツ、だからさ…」

女提督「それじゃふっぶき~。行こっか?」

吹雪「え? 私ダンスとか分かりませ―ひゃっ!?」

女提督「大丈夫。エスコートしてあげるわよ(・д<)♪」グイッ

タッタッタッタ

夕雲「うらやましい」

提督「ふいー。…あのやろう。どこにあの体力が…」

夕雲「高速修復剤使いますか? プールから持って来ましたよ」ドロッ

提督「やめい。蒸発させるつもりか…」


夕雲「先ほど眼鏡さんがいらして謝罪をしていきました」

提督「あ、そう…いいやつなのかもな」

夕雲「……」

提督「………」

夕雲「私の提督の秘密ってなんでしょうか」

提督「どうした? 急に」

夕雲「あの人、自分のことを話したがらないんです」

提督「…まぁワケアリだからな。俺からはいえないな」

夕雲「それは叢雲さんという艦娘と関係が?」

提督「あるけども…それ以上は本人から聞くべきだよ。いずれお前にも話すだろうし」

夕雲「そうなんですね」

提督「いい艦娘だな。提督思いの」

夕雲「ありがとうございます」


女提督「また私の艦娘を口説いてるー」ヒョコ

提督「無い胸を俺の頭に乗せるな。虚しくなるだろ」

女提督「ざんねんでしたー! お腹を当ててましたー!」

提督「…言ってて悲しくなるだろ普通」

女提督「うえ~ん。夕雲~!」

夕雲「さ、提督。私と踊っていただけますか?」スッ

女提督「よろこんで!」ガシッ

夕雲「ふふ…」

タッタッタ

吹雪「眼が回る~」フラフラ

提督「頼むから吐くなよ…」


吹雪「それは大丈夫なんですけど…」フラフラ

提督「…こんな状態じゃ俺とダンスは無理だなー」

吹雪「司令官、私いけますよっ!」シャキン

提督「…」

吹雪「さぁ、さぁ!」

提督「分かったよ。ちょっと落ち着け」ガシッ

吹雪「あ、でも本当に少し気分が悪いので優しくお願いしますね…」

提督「…了解、お姫様」


【パーティー会場】

吹雪「…うぅ…」

夕雲「大丈夫ですか?」サスサス

吹雪「すみません…うぷっ…」

提督「…気づいてるか?」ボソッ

女提督「憲兵にずっと見られてるってこと?」ボソッ

提督「それもそうだが…」ボソッ


バタッ

提督「…おい、吹雪」

吹雪「zzz」

提督「…こんなところで寝るn―」バタッ

提督「zzz」

女提督「…」

バタッ バタッ バタッ バタッ バタッ

女提督「夕雲?」

夕雲「何ですか?」

女提督「ここの料理食べた?」

夕雲「いいえ? 提督の料理以外私食べませんよ?」

女提督「そう…」

女提督「それじゃ私たちを担いで脱出ヨロ…」

女提督「zzzzz」







夕雲「…ごめんなさい」




ガチャ

夕雲「こちら夕雲。全員、薬の効果確認。突入してください」

『了解』

バタン

ゾロゾロ

夕雲「ふふ、面白いように釣れるわねー」


【倉庫】

「…きろっ!」

提督「…ん?」パチッ

眼鏡「鷹爪襲撃!」ドゴーン

提督「ぐふっ!」

眼鏡「やっと起きましたか。お寝坊さんですねー」

提督「てめぇ…」グッ

提督「……!」

眼鏡「無理ですよ。手足はきつく縄で縛られています」

提督「…拉致か?」

眼鏡「おそらくは…ね」

提督「…これはこれは面倒なことに…」


眼鏡「…狙いは艦娘ですね」

眼鏡「司令官を人質に取って母港に残った艦娘をも奪い去る魂胆です」

提督「そんなことどーでもいいよ」

提督「脱出手段は?」

眼鏡「えー、分からないデスヨー」

提督「…はぁ…これは嫌なんだけどなぁ…」






提督「如月! 伊19!」



ガコン シュタッ

伊19「はーい」

如月「お呼びになりましたか?」

眼鏡「」

提督「お前ら、やっぱり天井にいたのか…」

如月「私はいつでもそばに居ますよ。もちろん、お布団の中でも、ね」

眼鏡「…貴方のところの如月たち…すすんでますね…」

提督「縄緩めてくれ」

伊19「伊19。帰ったらごほうびにおにぎりほしいなの~」

提督「あ~、伊19は艦娘たちの解放に向かってくれ」

伊19「え~。伊19、提督と一緒に―」

提督「罵倒テープ」

伊19「伊19、行くの~!」ダッ


眼鏡「どんな教育しているんですか…」

如月「教育というより、調教でs―」

提督「如月、隠れろ。誰か来た」

コツコツ ガチャ ギィ

夕雲「起きていらしたんですね」

バタン

提督「…」

夕雲「そんな怖い顔しないでくださいな」

眼鏡「さっさと助けてください」

夕雲「いいえ、大事な人質なんですもの」

提督「…そゆことね」

夕雲「さて、アナタにききたいことがあります」

夕雲「女提督について知ってること全部お話ください」

提督「だからノーコメントだってば」

チャキ

夕雲「額に穴が開いてしまいますよ?」グイッ

提督「……他の提督に聞かれたくない話なんだけど…」

夕雲「ここでお話しください」

提督「目的は?」

夕雲「単なる興味です」

提督「…はぁ……」

提督「あいつは同級生で、最初からあの性格だったよ」


【供述】

さてちょっと話が長いぞ。
深海棲艦が出現したころ、対抗する戦力として艦娘が選ばれ、お披露目式があった。

俺のある先輩の家はそこそこの名家で、先輩の姉が親に連れられて来賓として出席した。
現存する記録上、お披露目式は大成功となっているけど、実際は大惨事だった。
式中盤、一人の艦娘が暴走。観客席に砲弾を撃ち込み始めた。

姉は逃げ惑う人々を押しのけ、暴走する艦娘の装備に手をかけた。
結果、頭に1発、腹部に4発、足に2発を姉に撃ち込んで、暴走艦娘は意識を失った。
姉は瀕死状態、傷が深く治療は間に合わない。

そこで親がつかったのが高速修復剤。
当時、人体に多大な悪影響をもたらすとされていたが一縷の望みを賭けて使用。
結果、彼女は一命を取り留めたが、意識が戻ることは無し。

明後日、彼女の部屋から鏡が割れる音がして、彼女が行方不明に。
この一件に尾ひれがついて、高速修復剤を飲むと蒸発するというデマが広がったりしてね。

さて、優秀な君なら察してるだろうな。
彼女が夕雲に隠していたことは、女提督は先輩の失踪した姉だということだ。


【倉庫2】

女提督「こーこーかーらーだーせー」ガンガンガンガン

「うるせぇぞ、女」

女提督「狭いのやだ。くさいのやだ。不自由やだ。男やだ」ガンガンガンガン

「ガンガンうるせぇぞ。俺はジャンプ派なんだよ」

女提督「だーまーれー。小学館こそ正義なんだよー」

「ふむ。貴様見所があるな」

「何言ってるんだよ。努力、友情、勝利が基本だろうが」

「そっちの話じゃない。良く見れば顔もかわいいし、スラッっと伸びた黒色の長髪―」

女提督「あ、これウィッグなんで」カポッ

「わしは貴様を許さない。おい、鍵を貸せ」

「短髪金髪なんて魔物の王になるやつと同じじゃないか」

女提督「ふザケルなっ!」


ガチャ カチャン

女提督「やっと外に出れるのねぇえええええええ!!!」

「わしの慰み物としてだがな」

女提督「ひぃっ! 生娘よっ! 私っ!?」

「商品に手を出すなよ?」

「ふふっ。ジャージを着ている者が提督なわけない。商品にもならぬ粗悪品に利用価値を見出したんだよ」

女提督「お腰につけた7.7mm機銃www」

「貴様、絶対許さんぞ」

女提督「い~やぁ~犯されるぅ~! そこで見てないで助けてよ~叢雲~」ジタバタ

「艦娘は別の部屋だぜ。助けを呼んでもここに来ねぇよ」

女提督「叢雲~。早くしないとスリーサイズばらすわよ~」ジタバタ

女提督「上から―」

叢雲「言うな」


「!?」

「貴様、いつの間に」

叢雲「マガジンの件からここにいたわよ」

女提督「ぐぬぬ。マガジンさんには噛み付けないわね…」

「捕まえるぞ!」

「了解っ!」

叢雲「あんた達はゲロでも吐いてなさい」キュイン

「うぐっ吐き気が…っ」

「うぷっ……」

ゲロゲロゲロゲロ

叢雲「動くんじゃないわよ、まな板」スチャ

パァン カランカラン


女提督「おっひさー(=ω=)ノ」

叢雲「…本当に久し振りね」

女提督「もう…LV1だった叢雲ちゃんが立派なLv78のツンデレラになったって聞いたわよ」

叢雲「誰がツンデレラよ」

女提督「あ、ほっぺは昔のほうが気持ちよかったね」プニプニ

叢雲「あんたもこの電探の餌食にするわよ」

女提督「わぁお。これは私があげた電探じゃないのー」

女提督「使いこなしてるみたいで嬉しいよ~」プニプニ

叢雲「…いろいろ言いたいことはあるけど…」

叢雲「とりあえず脱出しましょう?」

女提督「オッケー、女性提督さんたちの縄ほどいてあげて」

叢雲「…なにするつもり?」

女提督「んー? ストレス解消♪」ポキピキ


【通路】

提督「素直に話したら何もせずに出て行ったので」

如月「脱出していますわ」

眼鏡「…あの話は本当ですか?」

提督「本当だよ」

眼鏡「…でも貴方が姉だと確信した理由は? 他人の空似ということもあるのではないですか?」

提督「先輩によると姉は意識が無いながらもその艦娘の装備を手放さなかったそうだ」

提督「失踪の日、部屋には装備は残されておらず、ある日見たあいつがその装備を持っていたんだ」

眼鏡「なるほど…」

提督「…」

先輩―持つだけでステルス。意識すれば電波妨害。力を込めれば感覚障害。本気を出せば幻覚症状―

提督「…問題は使用者がその電探に耐えられないということ…」



如月「お待ちください。何か…曲がり角から来ますわ…」


提督「…」


眼鏡「気配が…消えた…!?」


提督「っ!」


シュン ドスッ


提督「っぁ―!?」


グルン ビタァン


提督「っぅ…―!?」



ギュ ギリギリ

提督「待て待て待て、いたあたたたたったたたっ!!!???」ギブギブ

眼鏡「そこまでだ、朧」

朧「はい…」

吹雪「司令官!?」

提督「おかしいよ…なんで腹筋が8つに割れてんだよ…」イタタ

眼鏡「朧は格闘訓練を欠かさないからな」

朧「はい」

吹雪「伊19さんから話は聞きました。伊19さん先導で私たち以外の艦娘は出口に向かってます」

提督「分かった」


女提督「おう、諸君!」テクテク

提督「ちっ、無事か」

女提督「そんな悪態つくなよ~。チェリーボーイ」

提督「黙れ、処女が」

女提督「一回は破ったんだいっ! 勝手に再生したんだいっ!」

如月「女性の提督方々も脱出を開始しているんですか?」

女提督「もちのろん(・Ω・)」

眼鏡「それじゃ、俺らも脱出だな」

女提督「え~。夕雲は~?」

提督「あいつが俺らを嵌めたんだよ」

吹雪「多分…食べ物と飲み物、全部に仕込んでいたと思います」

女提督「私の夕雲がこんなにあくどいわけが無い!」

提督「認めろ、まな板」

女提督「ガルルルルル…」



朧(…)


朧(……肩でも回して置こうかな…)



グルン カチッ

朧(ん…?)

ジリリリリリリリリッ!!!

提督「何事だ!?」

如月「見てください! あれっ!」

ウィーン ガコン ウィーン ガコン

吹雪「防火シャッター!?」

眼鏡「逃走を遅らせるつもりか…!」

朧「………」


提督「如月、女性提督さんたちをエスコートして来い」

女提督「ここを、こうこうこうっ! だよ?」シュッ シュッ シュッ

如月「分かりましたわ」タッタッタッタッタ

吹雪「…どうしましたか?」

朧「…なんでもないです」

提督「…本当に夕雲はやってないと思うんだな?」

女提督「うんうんっ!」キラキラ

朧「あの装備…取り返したい」

眼鏡「…あとでいくらでも作ってあげますよ」

朧「だめ…。司令官がくれた、装備だから」

眼鏡「…朧…」


提督「…めんどくせぇ…」

提督「…吹雪、この建物の地図あるか?」

吹雪「どうぞっ」

女提督「さっすがーっ」

提督「さて、眼鏡くんはどこだと思う?」

眼鏡「…業務用搬入口だと思います」

提督「なぜに?」

眼鏡「積載のしやすさと自身の退路を確保するためです」

女提督「ひゅー♪」

提督「…行ってみようか」


【業務用搬入口】

「相手は武装していない連中ばかりだ! さっさと連れ戻せっ!」

「それが…武装した艦娘が護衛しており…」

「それがどうした! 小娘の一人や二人、殺してでも黙らせろっ!」

「はっ!」

ガチャ バタン

「…この取引、何が何でも成功させる…!」

バゴォオオオオオオオオオオオオオオン

「っ!!」

吹雪「げほっ…げほっ…」

提督「なあ、駆逐艦に扉を蹴破る筋力必要か?」

眼鏡「これは半分趣味ですよ」

朧「うん」


女提督「おやおやぁ? どこかで見た顔だにゃぁ♪」

外国人「…お前ら…!」

吹雪「あれ? 日本語!?」

女提督「多分ペラペラだよ。うん」

キラッ

朧「装備…有った」

吹雪「私のも有りました!」

外国人「おっとそれは高値で売れそうなんで、返すわけにはいかない」

眼鏡「何を言っているんですか? 多勢に無z―」

外国人「来いっ! 夕雲っ!」

スタッ

夕雲「およびでしょうか?」

女提督「……」


外国人「殺してもかまわない。しとめろ」

夕雲「わかりましたわ」チャキ

眼鏡「まずいですね…」

吹雪「武装状態でも勝てないのに…」

朧「格闘には…限界がある…」

女提督「ゆーぐも。かーえろ?」ニパー

提督「うかつに前に出るな」

夕雲「お遊びの時間はおしまいですよ。女提督さん」

女提督「そういうのいいからさ~」


夕雲「まったく…」スッ

バァン チュン

女提督「」ツー


夕雲「次は、心臓に当たりますよ?」


女提督「…さて問題です。最強の一世一代の告白のセリフは次のうちどれっ!?」バッ

夕雲「はぁ…」

女提督「1.好きです。付き合ってください」

女提督「2.愛してるぜベイビー」

女提督「3.これから毎朝、君の寝顔を見てから一日をはじめたいな」

女提督「さぁどれっ!?」

吹雪「…1番かなぁ…」

提督「考えてるんじゃねぇよ」

朧「…1番です」

眼鏡「3番に惹かれる」


夕雲「…頭、悪いんですね」チャキ

女提督「正解は“君以外の膝枕で耳掻きをされたくない”だぁあああああっ!!!」



バァン バシュッ



女提督「っ! …阿賀野にやらせると、危ない膜を破るかもしれない」ポタッ


眼鏡「おい…血が…」


女提督「能代はすべすべの太ももが魅力だが、腕がいまいちだ…!」ポタッ


吹雪「…お、女提督さん…!?」



吹雪「…お、女提督さん…!?」


女提督「矢矧は…どこか淡白だ!」ポタッポタッ


提督「…お前…」


女提督「酒匂は逆に耳掻きをしてあげたくなるっ!」ブシャ


夕雲「…」



女提督「夕雲がしてくれたあの至高の甘甘耳掻きは本心ではなかったのかぁああああああっ!!」



夕雲「…うるさい、ですね」チャキ


外国人「夕雲、やれ」

女提督「黙れ。私の秘書艦に命令していいのは私だけだ」

夕雲「…」

外国人「妹達を殺してもいいのか?」

夕雲「…っ」

バァン バシュッ

女提督「っ…。ははーん。そんな嘘で夕雲をたぶらかしてたんだー?」ポタッ

外国人「嘘ではない。事実だよ」

夕雲「でなければ…私はこんなクズに従いませんよ」


外国人「妹達を守ろうと悪事に手を染める健気な艦娘。ああ、なんとm―」

女提督「夕雲、こいつを殺して妹達を助けに行くよ」

外国人「おっと夕雲、妙な真似をすれば、この場で妹どもの処刑をしてやろう」

女提督「またまた、はったりを」

外国人「そう思うかい? ここには彼女達に取り付けた爆弾のスイ―」

ヒョイ

叢雲「へぇー、こんな小さいんだ」

夕雲「…え?」

眼鏡「…」

朧「」

提督「…あ?」


吹雪「叢雲…ちゃん……?」




女提督「グッジョブ、むーみん!」


外国人「返せっ!」

ヒョイ

眼鏡「いつの間に…」

叢雲「ちょっとしたかくれんぼよ」

朧「…気づかなかった」

吹雪「」

提督「」

叢雲「…まさか、あんたたちも自分の艦娘の能力を見破れなかったの?」

提督「そそそ、そんなことないじゃないか」

吹雪「そそそそそうですよ。演技ですよよよよ」

女提督「ねぇ、むーみん。それって本物?」

叢雲「本物ね。微弱な電波があるわよ」

女提督「ヘイ、パス!」

ヒュン パシッ


外国人「夕雲っ! 奪い取れっ!」

夕雲「…」スチャ

女提督「あれれ~? スイッチは私の手の中だよー?」

夕雲「…っ」ピタッ

女提督「あれ、外れない」ギリギリ

外国人「それは無理に衝撃を与えても起動する装置だ。解除方法は私しか知らない」

女提督「むがーっ」



外国人「夕雲、私の命令を聞くんだ!」


夕雲「…」


女提督「私が、いまここで押しちゃってもいいんですよ~?」


夕雲「……」


外人「夕雲っ!」


女提督「にゃはは」


夕雲「…」





『……こに話せばいいんですか…?』

夕雲「…巻雲…さん…?」


夕雲「…巻雲…さん…?」

提督「どこからだ」

叢雲「私の無線よ」

巻雲『夕雲姉さん。巻雲は平気ですよ。爆弾も外してもらいました』

外国人「嘘だっ…!」

阿賀野『提督さん。阿賀野、対象を確保いたしました。ピシッ』

矢矧『姉さん。敬礼しても伝わらないですよ』

女提督「微弱な電波の届く範囲って限られているじゃん?」

叢雲「不審な箇所、調べてもらったわ」

外国人「嘘だっ! 解除など出来るわけがないっ!」


女提督「ふっふっふー。1番、女提督、握りつぶしますっ!」ビシッ

夕雲「…提督…」





女提督「ふふん。私を信じなさい。夕雲」





女提督「握力38はあるから」

提督「そういう問題じゃないだろ」

女提督「セイッ!」

バギィッ!!!


外国人「っ…!!」





シーン





外国人「…そんな…」

女提督「さて夕雲―」

夕雲「…」

女提督「君の膝枕で私の耳掃除、してくれないかな?」ニヒッ

提督「なんだそれ」

叢雲「…」

バタッ


【女提督の母港?・司令室?】

バギィッ

叢雲―っ…! いきなり何するのよ!―

女提督―うん? 殴っただけよ。次は蹴るからね~―

ドスッ グリィッ

叢雲―ぐっ…ぶぐっ…!?―

女提督―ごめんね~。本当にごめんね~―




女提督―でも、私、その顔に殺されかけてるから~―ニヒッ




ドスッ ゴスッ


叢雲―ぐふっ…!…げぼっ…はぁ…―

バシャン

女提督―はい、高速修復~―

叢雲―やめ…いや…もうっ…―

ゴシュッ バギィ バゴォン







女提督―にゃはは。まだまだバケツもいっぱい有るし、夜は長いよ~♪―






【母港・司令室?】

吹雪―司令官、次は何をすればよろしいですか?―

提督―えーと?―

吹雪―吹雪です―

提督―吹雪な、うん、出来るだけ早く覚える―

ピピピピピンポーン

吹雪―お客様でしょうか?―

提督―いや、俺の嫌な知り合いだ―

テクテク

提督―あ~、司令室から玄関までが長い…―

ガチャ


提督―夜分遅くに何しに…きた…ん……?―

女提督―…ごめん。この子を預かって―

吹雪―何かありま…。司令官っ!? この子、ボロボロじゃないですか!?―

提督―この電探…―

女提督―…このままだと…殺してしまう―

吹雪―ま、ままままず、ドックの準備をしなきゃですよね!?―

ドタバタッ

提督―ダメだ。お前がしっかr―

女提督―お願いね―グイッ

タッタッタ

提督―おいっ!―

吹雪―し、司令官。次は何をすればよろしいですかっ!?―

提督―…桶をここに持ってきてどうする…―


【吹雪の部屋?】

叢雲―ん…ぁ…―パチッ

吹雪―あ、目がさm―

叢雲―うわぁあああああっ!?!?!?―ズザーッ

吹雪―えええええっ!?―

叢雲―こ、来ないでっ!― パシッ キュイン

吹雪―っ!?― ビリッ

叢雲―いや…痛いのぁ…いやぁ…!―

吹雪―頭が……― ジンジン

叢雲―お願いだ、からぁ…来ないでぇ…っ!―

吹雪―ま、って…ください…― ジンジン


吹雪―ま、って…ください…― ジンジン

叢雲―やぁっ…やだよぉ…!― ギィン

吹雪―…う、ぁ…っ!―ギリギリ

叢雲―いやぁあああああ…っっ!!!―



吹雪―わ、たしは…あなたの味方です…―ガシッ



叢雲―ぅ……ぁ…―

吹雪―だ、から…泣かな、い、d―ガクッ

ポスッ

叢雲―……―ギュッ

叢雲―…あ、あの…だい、じょうぶで、すか?―

叢雲―お、おーい…―

叢雲―………―

叢雲―……あったかい…―


【パーティー会場】

叢雲「ん…」

女提督「おはよう、むーみん」

叢雲「…なんて最悪な目覚めなの」

女提督「膝枕でナデナデしたご恩をあだで返すつもり?」

叢雲「別に、頼んでないわ」

女提督「だって電探の使いすぎでぶっ倒れたんだもん」

叢雲「それはあんたを夕雲から守るために―」

女提督「知ってるよ~」





女提督「あの無線…嘘なんでしょ?」



叢雲「…大変だったわよ…みんなを幻覚でだましながら、スイッチの電波を妨害するのは…」

女提督「でもあのあと本当に見つかったよ? 夕雲の妹達」ナデナデ

女提督「如月ちゃんと伊19ちゃんが私の母港に届けてくれるって☆」

叢雲「…なら、いいわ…」

女提督「強くなったねぇ…胸は成長してないけど」サスサス

叢雲「うっさいわね…酸素魚雷食らわせるわよ…」

女提督「きゃ~殺される~(><)」



叢雲「…あんたの母港に戻ってもいいわよ」



女提督「にゃ?」

叢雲「事情は知ってる…許すわけじゃないけど、心の整理は―」

女提督「だぁめ」




女提督「片思いを引き裂くのは私のポリシーに反するわ♪」ニヒッ




叢雲「…は?」

女提督「ねぇ、むーみん。あなたは秘書艦じゃないのになんで来てたの?」

叢雲「…あんたの顔を笑いにきたのよ…」

女提督「またまた~。私に、あのモブキちゃんを取られないか―」

叢雲「はぁ!? なんでそこでふ、ふ、ふふぅ、吹雪の名前が出るのよっ!?」

女提督「マジカ、こいつも私と同類か…」

叢雲「…。はっ…!。鎌かけたわねっ!?」

女提督「おやおや、そーゆー発言ってことは?」ニヒッ

叢雲「あ…いや…ちがっ…あーもうっ! このっ! このぉっ…!」ジタバタ

女提督「ごふっ……暴れないで……胸に仕込んだ缶詰のケチャップが…」ポタッポタッ

叢雲「なんて紛らわしいもの…うぷっ…顔にかかったじゃない!」


ゾロゾロ

提督「憲兵の話、なげーよ…」

女提督「戻ってきたーっ!」

吹雪「会場に居た憲兵も誘拐グループの一員だったんですね」

提督「秘書艦になり、眠らせて、内側から突入の合図を出す。なんともシンプルですな」

女提督「あ、だから外人は武装した吹雪が怖かったんだねぇ」

眼鏡「普通はきらびやかな、運動には適さない服装で来るはずですからね」

朧「あの人、運が無かったんですね…」

夕雲「…」

叢雲「な、なによ…」

夕雲「なんともうらやましい体勢です」

叢雲「今すぐにでも、代わって」

眼鏡「この子は捕まっていたところを私たちが助けたとして話を進めておきました」

朧「捕まることは多分無い、と思う」

女提督「さんきゅ♪」

提督「女提督…すまない。一部、提督にお前の秘密をばらした」

女提督「あっちゃー…でも、いずればれることだしなぁ…」

眼鏡「しかし信じがたい話です。記録が全て改ざんされていれば、大惨事は噂程度に収まるでしょう」

女提督「しんじるぞい。眼鏡くん」


提督「…後は憲兵に任せて、帰るか」

眼鏡「とんだパーティーでしたね」

吹雪「また会いましょうね。朧ちゃん」

朧「うん」

叢雲「手をどけて…」

女提督「そぉい!」グイッ

叢雲「…っ」フラッ

提督「おっと…」ガシッ

叢雲「…情けないわね…」

提督「吹雪。背負って帰るぞ」

叢雲「え!? あ!? いいわよ! ちゃんと立てるわっ! ほらっ!」シャキン

吹雪「そう…ですか…?」


女提督「あーあ、もったいない…」

叢雲「あ…」

女提督「合法的にクンカクンカスーハーできる機会が―」

叢雲「しないわよっ!」

夕雲「私はいつでも準備万端ですよ?」

女提督「ゆうぐも~っ!」ダキッ

夕雲「提督。もっと、甘えてもいいんですよ…?」ギューッ

女提督「」クンカクンカスーハースーハーprpr





夕雲「提督…ありがとうございます…ね…」ナデナデ







叢雲「…」

吹雪「叢雲さん! はぐれちゃいますよ!」

叢雲「そうね、今行くわ」




眼鏡「…楽しそうな人たちでしたね」

眼鏡「行きましょうか。朧」

朧「…あらほらさっさー…」

終わり


ふぅ、終了。

一応、前作の番外編みたいな感じになりました。
夕雲の口調、提督って言ってますが、ほとんど女提督を指します

関連作品
提督「残り5名の艦娘を救うため、死にそうになった」
提督「残り5名の艦娘を救うため、死にそうになった」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1398933477/)


おまけ

【女提督の母港・司令室】

女提督「ん…あぁ…いやぁ…」

夕雲「ふふっ…擦るたびに…切なそうな声上げて、気持ち良いのですか?」

女提督「…きもち…いいっ…あ…ふぁっ…」

夕雲「奥を突く度に、目をトローンとさせて、だらしが無い顔になってますよ」

女提督「…は、はずか…し…こと…いわないで…ぁっ…!」

夕雲「ほら、力抜いてください…。中がきゅって締まってますから」

女提督「ふぅーっ…、ふぅーっ…くぅ…んぁっ…んっ…」

夕雲「よだれ垂らして、子犬みたいに鳴いて、かわいいですね」

女提督「じゅるっ。…んはぁ…ぁぅ…」

夕雲「あ、ここ、重点的に擦りますね?」

女提督「あ…やめっ…んんっ! ぁ…よわいか、らぁ…やさし、くぅんっ…!」


夕雲「聞き入れません」

女提督「んっ…あっやめっ……! んんっ…ぁ…ひゃっ…ぅっ…ぁんっ…!」

夕雲「はい…終わりです…」

女提督「…はゃ…?」

夕雲「どうしたんですか? そんな、物欲しそうな目をしてもわかりませんよ?」

夕雲「可愛くお・ね・だ・り、したら考えますよ?」

女提督「おねがい…もっと擦って…!」

女提督「私のあにゃ、もっとごりごりこすってぇっ!」

【女提督の母港・司令室前】

「ふふっ…よく出来ました…それでは―」

能代(能代、遠征の報告に来たんですけど…////)

酒匂「能代ちゃん。早くはいろうよー」クイクイ

終わり

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