獣人A「僕の家は由緒ある家柄だよ!」
獣人B「俺ん家はデッカイ土地がある!」
獣人たち「あーだ、こーだ…!」
虎娘「うるっさいっ!」
虎娘「アタシには…その…心に決めた男がいるんだ!」
虎娘「すまないが、アンタ達は他をあたってくれ」
虎娘「アタシ急いでるんだ、じゃあな」ダッ
獣人たち「あーあー…」ガックシ
---
--
-
-虎娘宅-
虎娘(くそっ、断るのに手間取っちまったじゃないか!急がないと…)
虎娘(耳隠しの帽子!オッケー!)カポ
虎娘(しっぽ隠しのロングスカート、今日はチェック柄!オッケー!)フリンフリン
虎娘(トップスは…白いゆるふわチュニック!オッケー!)フリンフリン
虎娘(毛先、枝毛無し!オッケー!)ツヤツヤ
虎娘(体、汗臭くない!オッケー!)クンクン
虎娘(お茶!オッケー!)タプン
虎娘(よし!急げっ!)ダッ
虎娘(っとと、服装が乱れる、汗かいちまう)
虎娘「アタシは…私はおしとやか、私はおしとやか」
トコトコ
---
--
-
--
男「よう、今日は遅かったな」
虎娘「…」コクン
男「じゃあ、薬草探し始めるとするか」
虎娘「…」コクン
男「…」ブチブチ
虎娘「…」ブチブチ
虎娘(ああ~、カッコいい~////)
虎娘(いつも一生懸命な姿)
虎娘(あの頃と、変わってねぇな…)
ゴソゴソ
ヒラリ
虎娘(…)ジッ
男「お、珍種発見!」
虎娘(アンタは、このハンカチ覚えてるかな…)
男「お?これは見たこと無いな…」
男「なあ、村娘」
虎娘「…」
男「村娘?」
虎娘「…」
男「おいっ!」
虎娘「ひゃっ!!」ビックウ
男「あ、悪い…」
虎娘(ここでは村娘だった…)
虎娘(全っ然、慣れねぇや…)
男「今日、来るの遅かったし調子でも悪いのか?」ズイッ
虎娘「!!」バッ
虎娘「…////」フルフルフルフルフルフル
男「そ、そうか?あ、んで、この草初めて見るんだけど、村娘は知ってる?」
虎娘「…」コクン
虎娘「ず、頭痛によく効きます」ボソ
虎娘「でも少しの量でも副作用が出やすいので」
虎娘「服用注意、です」
男「そうか、ありがとう」
男「まだまだ勉強不足だな」メモメモ
虎娘(勉強熱心だな)
男「なあ…そのスカート、かわいいな」
虎娘「え////」ドキ
男「スタイルも良いし、背も高いから良く似合ってるよ」
虎娘「~~っ/////」マッカ
男「あ、すまん。急に言っても迷惑だよな」
虎娘「/////」フルフルフルフルフルフルフルフルフルフル
男「そ、そんなにふるふるしなくても」
虎娘「///」アセアセ
ゴソゴソ
コポコポ
虎娘「ん/////」スッ
男「お!お茶か。いただくよ、ありがとう」
虎娘「////」
虎娘(誉められた!スタイル良いって!!)
虎娘(嬉しい!嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい!)
虎娘(服もかわいいって)ニヘラー
虎娘(へへへっ!このスカート、一番のお気に入りになっちまった!)ニヘラー
男「ご馳走さま」
虎娘「ん」
男「さ、もういっちょがんばりますか!」
--
男「日も暮れてきたし、そろそろ帰ろうか」
虎娘「…」シュン
コクン
男「お互いたくさん採れたな」
虎娘「うん」コクン
男「次に来るのは…これだけ新鮮な薬草が採れたし」
男「そうだな、5日後にしようか」
虎娘(…長いな)
虎娘「うん」コクン
男「じゃ、気をつけてな」
虎娘「ん」フリフリ
トボトボ…
虎娘(今日も楽しかった…でも、やっぱりうまく喋れねぇ…)トボトボ
虎娘(この服も似合ってるって言ってくれたけど)
虎娘(普段はジーンズのホットパンツに、Tシャツとかタンクトップ、スニーカーとは言えない)
虎娘(男の前では、色々嘘をついちまってんだよな…)
虎娘(いつか、言えんのかな…)
虎娘(幻滅されたらどうしよう…)ポロ
?「おや、おかえり虎娘ちゃん」
虎娘「ただいま、獣婆様…」ポロ
獣婆「何があったのかい?」
虎娘「いや、なんでも無ぇっす、ぐす」
獣婆「そうかい」
虎娘「これ、今日の薬草」
獣婆「うーん、多いねぇ」
虎娘「は?いつもと大して変わんねぇじゃん」
獣婆「多いねぇ多いねぇ。年寄りには持てないねぇ。家まで運んで、そのあとお礼にお茶でも飲んでもらって、話を聞いてやりたいねぇ」ニンマリ
虎娘「ふふふっ、獣婆様には敵わねぇっすわ」
虎娘「話、聞いてもらっていいですか?」
獣婆「ああ、構わないよ。じゃ行こうか」
獣婆「で、その人間の男に惚れてしまったと」
虎娘「うん////」
獣婆「その女らしい格好はそういう事だったのか」
虎娘「かわいいって、似合ってるって言ってくれたんだ」
獣婆「まあ、虎娘ちゃんの気持ちもわかるけどね」
虎娘「獣婆様…」
獣婆「惚れた男の前では、少しでも良く見せたいもんだよ」
獣婆「それに人間と獣人、お互い共存していると言っても、少しカベのようなものも感じるしね」
獣婆「人間と獣人のカップルだと、獣人の血が薄まるばかりだから…」
虎娘「だな…」
獣婆「でも、だからっていつまでも嘘をつき続けるワケにもいかないだろう?」
獣婆「ましてや、虎娘ちゃんのことだ。諦めたりはしないんだろうし」
虎娘「まあ、ね」
獣婆「…早くに打ち明けることをオススメするよ」
虎娘「うん…」
獣婆「それとうまく結ばれたとしても、獣人にはツラい結果になることは、肝に銘じておきなさい」
虎娘「はい」
虎娘「ありがとう、獣婆様」
獣婆「こちらこそ年寄りの話し相手になってくれてありがとね」
虎娘「アタシ、決心がつきました」
虎娘「男に、言うよ」
虎娘「素のアタシと、獣人だって事と…」
虎娘「昔から男が好きだったって事!」
獣婆「がんばんな」
虎娘「うん、お茶ご馳走さま!」
虎娘「またね、獣婆様!」
獣婆「若いっていいねぇ…」
-5日後-
虎娘(耳隠しの帽子!よし!)カポ
虎娘(今日のトップスは…フリルの着いたピンクのブラウス!よし!)フリフリ
虎娘(毛先、枝毛無し!よし!)ツヤツヤ
虎娘(体、汗臭くない!よし!)クンクン
虎娘(お茶!よし!)タプン
虎娘(しっぽ隠しのロングスカート、今日も男が誉めてくれたチェック柄!よし!)フリンフリン
虎娘(…いきなり晒すのはアレだから、最初は…隠しておこう…うん)
虎娘(しっかし、遅ぇなぁ…)
虎娘(アイツが遅れるなんて、今までなかったのに…)
虎娘(珍しいこともあるもんだ)
男「よう…」
虎娘「!」パア
男「遅れて、すまね…」
虎娘(?)
男「じゃあ、今日も、ふぅ、採取、しますか」
虎娘(なんか変だな)
男「…」ブチ
虎娘「…」ブチブチ
男「はあ…」ブチ
虎娘「…」ブチブチ
虎娘「…」ブチブチ
虎娘「…」ブチブチ
虎娘「…?」ブチブチ?
虎娘(静か、だな…)
虎娘「あれ?お、お、とこ~?」キョロキョロ
虎娘「あっ!!」
男「はあ、はあ、はあ…」グッタリ
虎娘「おっ、男ぉっ!?」ダッ
虎娘「おいっ!なんで倒れてんだよ!!」
男「はあはあ」
虎娘「顔色が悪い…」
ヒタ
虎娘「ね、熱があるじゃねぇか!」
虎娘「なんで来たんだよ!?」
男「村娘…が、待ってると…」
虎娘「バカタレぇっ!アタシのために、無茶するなよ!」
男「わり…」
虎娘「おいっ、アンタん家はここからどれくらいだ!?」
男「少し、行ったところ…の…川沿いに下って…40分ぐらい…」
虎娘「そっちの方が近いな!」
虎娘「おぶってやるから、少しだけ我慢しろよ!ヨイショー!」
男「む、村…娘?」グイン
虎娘「詳しくはアンタが落ち着いてから話す。今は黙ってろ」
虎娘「薬屋が熱出して倒れんなよ…はぁ」
虎娘「行くよ!」ダダッ
ダダダダッ…
虎娘(スカートが長いから…走りにくい…)
虎娘(それ以前に、ヒールのサンダルなんか履いてくるんじゃなかった…!)
虎娘(帽子も、どっかに落としちまった!)
ガクン
虎娘「おだっ!?」
虎娘「くそ、ヒールが折れた…」
虎娘「さすがに、裸足は痛いし」
虎娘「布で足をくるんで…」
虎娘「布…」
チラ↓
『…そのスカート、かわいいな』
『良く似合ってるよ』
虎娘「少し待っててくれな」ソッ
男「はあはあ」
虎娘「誉めてくれて、スッゲー嬉しかったよっ!」
ビリッビリッビリビリ
ビリビリビリッ
グルグルグルギュッ
グルグルグルギュッ
虎娘「よいしゃ!短くなって走り易くなった!」
虎娘「よっ、と」
男「む、村むす、め…」
虎娘「オッケ、足もちゃんとくるめてる」
虎娘「飛ばしぎみで行くからな!」
ダダダダッ!
虎娘「ここか!」
男「ん…」グッタリ
虎娘「カギ貸しな」
男「ん…」
ガチャ
虎娘「お邪魔するよ」
虎娘「ベッドは奥か?」
男「ああ…」グッタリ
虎娘「よっと」
男「はあ…」
虎娘「おい、解熱剤は?あるだろ?」
男「引き出し…薬草の効能を貼って、仕分けして…ある」
虎娘「薬取ってくるから、そのまま横になってな」
レスいただきありがとうごさいます。
今更ながら、かつ、些細ではありますが、タイトルに脱字がありました。『に』が抜けておりました
正式タイトル↓
虎娘「アタシはアンタ達の嫁になるつもりは無ぇっ!」
引き続き、お楽しみ頂けると幸いです
虎娘(すげぇ種類だな…)
虎娘(これ全部、男一人で調合したのか…?)
虎娘(いかんいかん!感心してる場合じゃねぇや)
虎娘「解熱剤…解熱剤…」
虎娘(あった!て、おわっ!?解熱剤だけでどんだけ種類あるんだよ!)
虎娘(とりあえず胃に優しくて、早くよく効くやつ…)ガラッ
虎娘(引き出しごとに、効能、用法用量、副作用まで全部まとめてある…あらためて、すごいな、男は)
虎娘「男、これでいいか?」
男「ああ、それが一番汎用性が高い…はあ…」
虎娘「じゃ、少しだけ体起こしてくれ」
グッ
虎娘「水、飲めるだろ?」
男「ホント…すまない」
ゴクゴクリ
虎娘「少し寝てな」
男「ふぅ…はあ…」
虎娘「ちょっと台所借りるよ」
---
--
-
-
--
男「うー…ん…」
男「ん…」
男「…あれ?…家?そうだ…」
ズキン
男「あづっ…」
虎娘「目ぇ覚めたかい?薬が効いてよく眠れたみたいだね」
男「!」
男「む、村娘…」
虎娘「虎娘って呼んでくれ。それが本当の名前だ」
男「虎…娘」
虎娘「気分はどうだい?」
男「あ、うん、頭が少し痛む…」
虎娘「取ってくる」
虎娘「はいよ」
男「ありがとう」
ゴクリ
虎娘「無理せず寝ててもいいんだよ?」
男「大丈夫、それより…スカート…」
ボロッ
虎娘「あ、ああ…走りにくかったし、色々あって破っちったよ、ははは…」
男「かなり迷惑かけたみたいだな。本当にありがとう」ペコリ
虎娘「はははっ、いいよ気にしなくて」
虎娘「それよか、アンタは…どれどれ」ヒタ
虎娘「熱、下がったみたいだな」
男「俺の調合した薬をなめんなよ?」
虎娘「はははっ、それだけ大口叩けるなら大丈夫だろ」
虎娘「食欲は?あるか?」
男「少しだけなら」
虎娘「よかった。米とか勝手に使ったけど…おかゆ作っといたんだ」
虎娘「少しでも食べた方がいいだろうしな」
男「おお、ありがたい」
虎娘「それと、あの…」
虎娘「今まで…色々嘘ついて、騙してて…悪かった…」
男「そうだな…獣人なのも、性格も全くちがうのも…驚いたな…」
虎娘「だから…もう会わない」
男「ええっ!?なんで!?」
虎娘「だって、男…ずっとアンタを欺いてたんだよ?会わせるツラがねぇよ」シュン
男「い、いや別にそれで何か実害被ったワケでもないし…」
男「それに…」
虎娘「?」
男「村むす…じゃない、虎娘がよく話す子で安心したよ」
虎娘「どゆこと?」
男「二人で会うとき、いつも静かだったから、俺と居るのが嫌だったんじゃないかってさ」
虎娘「バカだね、嫌なら律儀に毎回毎回来るもんか」
男「ま、そうだな」
虎娘「なあ…少し、話…していいか?」
男「ああ、大丈夫」
虎娘「アンタは…、」ゴソゴソ
虎娘「このハンカチ、覚えてるか?」
男「それはっ…、俺のハンカチ!」
虎娘「そうだ」
男「なんで虎娘が持ってるんだ?」
虎娘「アンタが昔、アタシに包帯代わりに巻いてくれたんだ…」
男「え?」
虎娘「あのときはまだ小さい体だった…」
男「もしかして…」
虎娘「3年程前、森でケガしちゃって、そのとき、アンタが薬草とこのハンカチで手当てしてくれたんだ…」
男「あの時の、仔猫娘…!?」
虎娘「ネコじゃねぇっ!!虎だ!とーら!」
男「見違えた…」ホケー
虎娘「獣人族は長寿だから、40手前から急激に成長するんだ」
虎娘「ちなみにアタシは今年、41歳だ」
男「俺より歳上…」
虎娘「見た目は人間で言うところの…ハタチ前後ってところだけどな」
男「いやぁ、あのお嬢ちゃんがこんなきれいなお姉さんになるとは…」
虎娘「あ、ありがとう…////」
虎娘「うん、で、まあ…それから、またアンタを…、たまたま薬草採りに来ているアンタを見たのが半年前ってワケだ」
虎娘「全然変わってなくて、一目見て男だってわかった」
男「すぐに言ってくれれば良かったのに…」
虎娘「そうなんだけど…」
虎娘「その…あのな?////」モジモジ
虎娘「あの、まぁ…なんだ…////」モジモジ
男「なんだよ、モジモジして。トイレなら…」
虎娘「バァカァ!!違うわい!!」
男「わ、わりぃ…」
虎娘「ふん!ま、まあ…その、仔虎娘は…」
虎娘「そのとき手当てしてくれた青年を、好きになってしまいましたとさ////」
男「え?お?」
虎娘「男…」
虎娘「アタシ…アンタの事…好きだ!!」
男「あぅ…」
虎娘「友達とかじゃなく、アンタを一人の男として好きだ!」
男「おお…」
虎娘「手当てしてくれたあの時から、ずっと好きで!」
虎娘「また会えた時は、めっちゃくちゃ嬉しかった!」
虎娘「でも…」
虎娘「こんなガサツなしゃべり方だから、気にしちゃってさ…」
虎娘「何より獣人ってのが、な?」
男「それで、帽子とかスカートで体を隠して」
男「喋り方も気にして、あんまり喋らなかったのか…」
男「まあ、俺は獣人に偏見はねぇけど」
虎娘「今のアンタを見てればわかるよ」
虎娘「でも、こんなんでも乙女なんだ////」
虎娘「不安なものはできるだけ、取り除きたかったんだよ」
虎娘「少しでも、良く見せたかった…」
虎娘「少しでも、近くで過ごしたかった…」ポロ
虎娘「それで、嘘をついちゃったんだ」ポロポロ
男「いいじゃないか、それぐらい」
虎娘「ぐす、ひく…ありがとう」ポロポロ
男「泣くなよ」
虎娘「うぐ…だって…」
男「その…正直、嬉しい」
虎娘「ひっく、え?」
男「好きだって言ってくれた事だよ」
虎娘「え?」
男「ただ…」
虎娘「ちょっ、ちょっと待った!」
虎娘「ひくっ、明日に返事を、聞きたい、ずずー」
男「え、明日!?」
虎娘「ぐずっ、アタシから急に好きだって言っておいて、ワガママかもしれねぇ」
虎娘「でもアンタはまだ体調悪いだろ?元気な時に、ハッキリちゃんと返事を聞きたい!」
男「あ、ああ…」
虎娘「じゃ帰る!」スクッ
男「えっ!でももう夜…」
虎娘「バッカ、獣人にとっちゃ昼も夜も大して変わんねぇよ」
虎娘「それに…」
男「ん?」
虎娘(こんな状況だと、長居してたらドキドキして頭がおかしくなっちまう!////)
虎娘「なんでもない。心配してくれてありがとう」
虎娘「じゃあ、いくよ」
男「ああ…わかった、また明日」
虎娘「うん。しっかり休んでくれ」
虎娘「明日…また来くるから…」
虎娘「じゃあ、な////」
男「ちょい待ち」
虎娘「なんだよ////」ドキドキ
男「靴、これ履いていけよ。巻いてあったスカートも、もうボロボロだろ?」
虎娘「ああ確かに」
男「サイズ違うと思うけど…」
男「あっ!水虫じゃないから安心して履けよ!!」
虎娘「はははっ、じゃあ借りていくよ」
スポ
虎娘「ちょっとでかいかな。でもありがとう助かったよ!」
虎娘「また明日」ダダダッ
男「ああ」
虎娘「あ!」キュキュー!
男「ん?」
虎娘「おかゆー!まだ残ってるからー!食べれるならー、食べてしっかり休んでくれー!」
虎娘「じゃー!」
ダダダダッ…
男「はははっ…ホント、いい子だよな」
虎娘(いいい言っちゃった…!////)
虎娘(男は…アタシの事、どう思ってんだろ…)
虎娘(さっき、何を言おうとしたんだろ…)
虎娘(ヤベェ…今更ながら怖くなってきた…)
虎娘(でも、明日…明日だ…!)
ダダダダ…
-翌日-
虎娘(みんな見せたんだし、普段のカッコで来たけど…)ミミピクピクシッポフリフリ
虎娘(ああああ…ドキドキする…こんなにドキドキしたこと、今まであったっけな…)
虎娘(もうすぐ男ん家だ…)
虎娘「お?」
子供「栄養薬と少し強めの解熱剤下さい」
男「よう、お使いか?」
子供「そうなんだ。ママが熱出して、ここのお薬が一番効くから買いに来たんだ」
男「ああ、ありがとうな」
男「待ってな」
男「お待たせ
男「使い方のメモ、中に入れてあるから、ちゃんと読んで使ってくれな?」
男「と、これ」
子供「わあ!でっかいアメだ!」
男「お使いできたイイコにご褒美だ」
子供「ありがとう!」
子供「はい!これお金」
男「まいどあり」
男「早く帰って、お母さん看てやれよ。待ってんだろ?」
子供「うん、ありがとう!薬屋さん!!」
虎娘「…」
おばあさん「男ちゃん、こないだの薬あるかい?」
男「おう、ばあちゃん。どう?あの調合薬効いた?」
おばあさん「ああ、よく効いて腰の痛みもすぐに無くなったし、副作用もなかったよ」
男「そうかそうか!じゃあ、コレ」
男「多めに作っといたからさ、持っていきなよ。頻繁に来るのは大変だろ?」
おばあさん「でもお金足りるかねぇ」
男「いつもの値段でいいよ。ばあちゃんにはひいきにしてもらってるから、日頃のお礼だ」
おばあさん「そうかい?いつもありがとうね」
男「いやいや、こちらこそ!今後ともごひいきに!」
虎娘「…」ジー
虎娘(ふふっ、これだよ、これ!アタシは男のこういうところに惚れたんだ!)
おばあさん「お先に」ペコ
虎娘「あっ…ども」ペコリ
男「お、虎娘」
虎娘「や」
虎娘「ふふ、体にもお客さんにも優しい薬屋さん、か」
男「見てたのか。ま、稼ぐだけが商売じゃないってコトさ」
虎娘「アンタらしい考えだな」クスクス
男「そうかな?あ、今から休憩するからあがってくれよ」
虎娘「うん」
[只今休憩中]
男「お茶どうぞ」コト
虎娘「ありがとう」ズズ
男「うん、その格好も…いいな」
虎娘「ぶほっ!」
男「うおわっ!」
虎娘「んがっほっ、けへっ、いきなり何を…こほっ」
男「いや、脚も長くて綺麗だし、健康的な二の腕も…」
虎娘「え、えっち////」
男「ちがっ、その方が今の虎娘に似合ってるってことだよ!」
虎娘「そ、そか、ありがと////」
男・虎娘「…」シーーーン
虎娘「み、店、繁盛してんだな」
男「あ、ん、まあ、じいちゃんがやってた頃の馴染み客も多いけどな」
虎娘「男って…家族は?」
男「ああ、両親は俺がまだ子供のときに事故で亡くなっちまって」
男「じいちゃんばあちゃんが育ててくれたんだ」
男「今は二人とも亡くなって俺一人だよ」
虎娘「そ、か。…なんか、ごめん」
男「気にするなよ。今の現状に満足してるよ!薬屋もやりがいある仕事だしな」
虎娘「そうか」
男・虎娘「…」ズズー
男・虎娘「…」
男・虎娘「「あのっ…!!」」
虎娘「あ…////」
男「あ、そっちからどうぞ」
虎娘「いや、多分アタシが聞きたいことを言おうとしてくれたんだろ?」
男「あ、ああ…」
男「虎娘は…いいのか?」
男「お互い、好き同士なんだ。その…これから先のことも色々考えるだろ?」
虎娘「ああ…」
虎娘「元より覚悟は出来てる」
虎娘「人間のアンタを好きになったとき、全部覚悟を決めたよ」
男「そうか」
虎娘「人間と獣人だと、人間の子供しか生まれねぇ」
虎娘「獣人の証で、誇りの、獣耳、獣尾は絶対に遺伝しない…」
虎娘「でも、アタシの血は子供に流れるから、それだけで十分だよ」
虎娘「耳、尻尾うんぬんは獣人族の誇りってだけだから、男は気にするな」
男「ああ」
男「一番の問題は…」
虎娘「寿命、だな」
男「…うん、そう…だな」
虎娘「アタシたち獣人は、人間の倍くらいの寿命がある」
虎娘「だから…」
男「当然、俺より長く生きるし、子供よりも…もしかしたら、孫より…長く生きる」
男「虎娘…お前は辛くないか?」
虎娘「ああ…」
虎娘「考えただけで…」ポロ…
虎娘「涙が出てくるよ…」ポロポロ
男「…」
虎娘「ひぐっ…だからって…あぐぅ、アンタを諦めるなんてできねぇっ!」
虎娘「アンタがアタシより早く死んでも、えぐっ…」
虎娘「アンタと一緒に過ごす時間が、きっとアタシを支えてくれる!」
男「虎娘…」
虎娘「それだけアンタに心の底から惚れたんだ…!ひっく」
ガタンッ
ギュッ
虎娘「ふあ」
男「虎娘は強いな…」
虎娘「アンタが相手だからだよ…ぐす」
男「へへへ」
虎娘「ふふふ」
男「俺は強い女が好きだ」
虎娘「アタシじゃん」ニコニコ
ギュ
男「お」
バッ
虎娘「さ、そろそろ休憩も終わりじゃないか?」
男「そうだな」
虎娘「お客さんが待ってるぜ?」
男「おうよ」
虎娘「続きは、閉店後のお楽しみにしておくか!」
男・虎娘「…」ズズー
男・虎娘「…」
男・虎娘「「あのっ…!!」」
虎娘「あ…////」
男「あ、そっちからどうぞ」
虎娘「いや、多分アタシが聞きたいことを言おうとしてくれたんだろ?」
男「あ、ああ…」
男「うん、そうだな…」
男「昨日の返事…」
虎娘「あ、ああ…」ドキドキ
男「俺も虎娘、お前に惚れた」
虎娘「おああ!」パア
男「あんなに俺のために一生懸命になってくれたんだ」
男「惚れないワケないだろう?////」
虎娘「へへっ////」
男「ただ、俺も虎娘が好きだという返事をして…」
男「俺は…お前が心配になった…」
虎娘「…うん」
やっぱり一つ飛んでたか、なんかおかしいと思った
抜けたレスだけ書き込めばいいんじゃない?
>>63さん、アドバイスありがとうございましす。そうさせて頂きます
>>54、以下より抜けていた部分です
男「うん、そうだな…」
男「昨日の返事…」
虎娘「あ、ああ…」ドキドキ
男「俺も虎娘、お前に惚れた」
虎娘「おああ!」パア
男「あんなに俺のために一生懸命になってくれたんだ」
男「惚れないワケないだろう?////」
虎娘「へへっ////」
男「ただ、俺も虎娘が好きだという返事をして…」
男「俺は…お前が心配になった…」
虎娘「…うん」
>>55
>>58からの続き
[営業中]
男「ありがとうごさいましたー」
男「お待たせしました。どんな薬をお探しでしょうか?」
男「はい、どうぞー」
男「いらっしゃいませー!」
虎娘(働きモンだなぁ)
虎娘(旦那にするには、申し分ねぇな)ニヘラー
ホワンホワンホワンホワン
~~~~~~
男「あー、今日も忙しかった。ふー」
虎娘「あなたー、お疲れさまっ!」パタパタ
ダキッ
男「おう、虎娘」
虎娘「ねぇ、あなた」
虎娘「先にアタシにする?それともアタシ?あ、それともア・タ・シ?」
男「うおーっ!虎娘ーっ!」ガバッ
虎娘「あんっ、こんなところで!?ちょっと待ってよぅ////」
男「こんな世界一の嫁さんを前にして、待てとは…、ヒドイな」
虎娘「いやん、あなたったら////」
虎娘「では、二人の愛の部屋にエスコートして下さるかしら?」
男「姫の仰せのままに」ダッコ
男「では、参りませうか」キリッ
虎娘「姫はこのまま、あなたに包まれとうごさいます////」
男「私に身を任せたまへ」キリッ
虎娘「ああ、王子…////」
クンズホグレツ…
~~~~~~
ホワンホワン
虎娘(にょへへ~)ニヘラー
男(なんだ、あのゆるゆるの顔は…)
女性客「いつもの薬、お願いね」
男「あ、はい」
ゴソゴソ
男「どうぞ」
女性客「いつも、ありがとうね」
女性客「あら、奥のお嬢さんは?」
虎娘「!はっ」ミミピーン
ダダッ
男「おわっ!」
虎娘「男のっ…男さんの嫁に、じゃない!お嫁さんになる予定の!」
虎娘「虎娘だっ…です!」フカブカ
男「」
女性客「」
ザワッ
虎娘「あれ?」
おじいさん客「お、おおお!仕事一筋だった薬屋のせがれに…!」
おじさん客「ついに春が…!!」
虎娘「お?」
おばさん客「男ちゃん!おめでとう!」
お客さん達「「「わーやー、あーやー!!」」」パチパチパチパチ!
男「お前なぁ…////」
虎娘「ははは…すまねぇ////」
男「悪い気はしない、けど…」
虎娘「へへっ!!」
お客さん達「「「おめでとー!」」」パチパチパチパチー!
男「どうすんだよ…この状況…」
虎娘「いいじゃんか!みんな祝ってくれてるんだし」
虎娘「ほら!」
虎娘「お客さん、待ってるよ?」
男「ったく…」
男「お待たせしてすいません」ペコリ
おじいさん客「ほっほっほっ、お前さんもついに所帯持ちか!」
男「う…」
男「ま、まだ気が早ぇよ」
おじいさん客「まあまあ、そう言わんと!天国の家族にもいい報告ができるじゃないか!」
男「ま、そだな」
おじいさん客「ところでお嬢さん」
虎娘「なんすか?…や、なんでしょう?」
おじいさん客「お嬢さん、獣人じゃが、その…いいのかい?」
おじいさん客「一族の事とか、寿命とか…、色々あるだろう?」
虎娘「…うん」
虎娘「でも、覚悟は出来て、ます!」
おじいさん客「…男君」
男「はい」
おじいさん客「いい娘さんに出会えてよかったな」
男「…ああ////」
虎娘「へへっ////」
おじいさん客「じゃ、行くとするよ」
男「帰り道、気を付けてな」
虎娘「気を付けて!」
おじいさん客「ありがとよ」
男「次の方どうぞー!」
虎娘「どうぞー!」
虎娘「アタシも手伝うよ」
男「ああ、うん。じゃあ頼む」
虎娘「任せな!」
虎娘「はい、いらっしゃーい!」
---
--
-
男「ありがとうございましたー!」
虎娘「ありがとうございました!」
[本日終了]パタ
虎娘「はあ…」
男「ん、お疲れさん」
虎娘「けっこう大変だな…ふぅ」
虎娘「いつも、アンタ一人でこなしてるのか」
男「まあ、慣れたらどうって事ないさ」
虎娘「そうか、んー…」ノビー
男「明日はどうする?」
虎娘「これからアンタと相談して決めるよ」
男「これから?夜だけど、帰らなくていいのか?」
虎娘「んー、あー、そのなんだ…」
虎娘「アンタは…、自分の彼女を…夜に一人で家に帰すのか?」
男「いや、昨日は『バッカ、獣人にとっちゃ昼も夜も大して変わんねぇよ』って言って、帰ったじゃないか」
虎娘「えと、あの、んー、そのー////」モジモジ
男「?」
虎娘「もうっ…、察して…くれよ////」
虎娘「せっかく両想いになれたんだ…」
虎娘「アンタと…離れたくねぇ…////」
男「うえぃっ!?」
ギュウ
虎娘「ダメか?」ウワメヅカイ
男「あうあうあー」キュゥゥン
虎娘「ずっとってワケじゃないよ。アタシも家族に男の事、話さなきゃなんねぇし」
虎娘「でも…」
虎娘「お願い、今日は…そばに…居させて、くれ////」
男「ぐっ…」
男「大した、おもてなしはできねぇけど…」
男「か、彼女に…そんなこと、言われたら…!」
男「俺も…離れたくないっ!」
ギュウゥゥッ
虎娘「ふわっ////」
虎娘「ふふふっ」
虎娘「晩ご飯はアタシが作るよ」
虎娘「アンタが作った薬がいくら優秀でも、病み上がりには変わりないんだ」
虎娘「男はソファでくつろいでてくれな?」
男「いや、調理器具がどこにあるとか、説明要るだろ?」
虎娘「昨日、おかゆ作ったときにだいたい把握した」
男「え?」
虎娘「アタシ、料理は得意なんだ」
男「すげぇな、一回見て道具把握するって、得意ってレベルじゃないな」
虎娘「まあ、他は…掃除とか裁縫とかは…てんでダメなんだけど////」
虎娘「あ、エプロン借りるよー」
キュ
虎娘「ま、世の男性方は、胃袋掴んでたら、大体コロッといくだろ?」
男「否定はしないな」
虎娘「ふふふっ、待っててくれな?」
虎娘「ふんふーん♪」カチャカチャ
男(ずっとひとりだったから…。いいな…こういうの)
虎娘「ふふっふぅー♪」
-
--
---
男「ごちそうさま」
虎娘「はいよ。どうだった?」
男「そうだな…お袋の味!」
虎娘「そうかそうか!でも、だからって、きんぴらごぼう食べて泣いた時はホントにびっくりしたよ」クスクス
男「言わないでくれよ////」
虎娘「はっはっは…」
虎娘「…そうだよな…」
虎娘「しばらくひとりだったもんな…」
男「ああ…」
虎娘「これからはアタシがいるから!」ニコッ
男「そうだな」ニコ
虎娘「さ、男は風呂でも入ってきてくれよ」
男「いや、片付け…」
虎娘「いいからいいから」
男「そこまでは悪いよ」
虎娘「片付け片付け~♪」
男「聞いちゃいねぇ…」
男「…甘えさせてもらうか…」
カポーン
男「はー、極楽じゃー」
男(なんだかんだで、恋人になったけど…)
男(俺にはもったいないな、虎娘は)
男「ぷはー」
男(だからこそ、俺も虎娘を幸せにできるように頑張らねーと!)
ゴシゴシ
男「ふはー、お先に」
虎娘「おう」
男「虎娘も入ってこいよ。バスタオル、脱衣場に置いてあるから」
虎娘「うん…は、入ってくるよ」トタトタ
男「?おう」
男(あ、着替えとかどうすんだろ?)
男(荷物なんて持ってきてなかったし…)
男(なんとかするだろ)
---
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カリカリ
男(最近、売り上げが上がってきてるから、もう少し薬の単価、下げれるな)
カリカリ
虎娘「お、おとこ…あがったよ…」
男「おう」
男「そういや、着替えどう…」クル
男「!!!!!!!」
虎娘「/////」
男「おまっちょ!きっどっ!ばっちっ!」
虎娘「ちょちょっと落ち着け、男!」
男「おままお前、バババスタオルいい一枚って…!!」
虎娘「へへへー、どうだ?////」クルン
男「いやっどうだも、何もっ////」
虎娘「…なあ」
男「はいっ!?」
虎娘「アタシは…男…、アンタが…欲しい…」
虎娘「アンタに、抱いてほしい////」
男「いやっ、そういうのはもっと大事なときに…!」
虎娘「…イヤか?」
男「そうじゃないけど!」
虎娘「アタシにとっちゃ今が大事なときなんだよ…」
虎娘「積極的な…破廉恥な女は…ダメか?」ソソッ
男(あっれー!?いつもと同じシャンプーのハズなのに…!)
男「すっげー、いいにおい…」スンスン
虎娘「ふにゃあ…」
男「…本気か?」
虎娘「誰のために純潔を守ってたと思ってんだ?」
虎娘「アタシは狙った獲物は逃さねぇ主義なんだ////」
虎娘「だから…ベッドに…行こうぜ?////」
男「お、おう…」
ギシッ
虎娘「男って、結構いい体してんだな」サワサワ
男「か、体が資本ですから…」
虎娘「ふふ、緊張してんのか?」
男「それなりに」
虎娘「ほら、さわってみろよ?」
フニ
男「…すっげーバクバク言ってる…」
虎娘「そりゃそうだよ。は、はじめてなんだから…緊張して当たり前だろ?」
虎娘「その…男はどうなんだ?」
男「ああ、うん、俺は…虎娘には悪いが…お前で二人目だ…」
虎娘「ふふっ正直だな。でも、かまわないよ」
男「もう結構前だけどな」
虎娘「アンタはいい男だもの。アタシの前に女の一人や二人居たって不思議じゃないよ」
男「じいちゃんが亡くなって薬屋を継いでからはずっとひとりだったな」
虎娘「ホントに働きモンだな」
虎娘「だから」
虎娘「…男、そんなアンタと一つになれると思うと」
虎娘「嬉しくて仕方がないよ」
男「虎娘…」
チュウ
虎娘「ふむ」
男「ん」
虎娘「れるん」
男「!!」
男(ディープ…)
男(覚悟を決めろ!俺!)
チュウゥゥゥッ
虎娘「んんんっ」
虎娘「激しっん」
ムニュンムニュン
虎娘「はあっ」
虎娘「へへっ、すっげ…」
男「絶対、無理するなよ」
虎娘「病み上がりのヤツに言われたくはないね」
男「…さっきは病み上がりだからって、休ませてくれたのに」
男「こういう事はさせるんだな」
ムニュ
虎娘「あんっ」
虎娘「それとこれとは…別って事にしておいて…////」
男「ははっ」
虎娘「ふふふっ」
男「肌、きれいだな」サワサワ
虎娘「んやっ、ふとももぉっ」
男「さらさらだ」
虎娘「んっ、ありがとう////」
ススッ
クチュ
虎娘「んぬぅっっ」ビクビク
虎娘「好きな、人に、んっ、してもらうと…体の芯から気持ちいいな」
男「みたいだな」
クチュチュ
虎娘「あああっ」
虎娘「はっ、やっべぇ、んっ、自分でもわっ、かるくらいトロットロだ////」
虎娘「あ、アンタのせいだ」
男「ええっ!?なんでだよ!」
虎娘「アタシを惚れさせたアンタが悪いよ」クスクス
男「罪な男ですな」
虎娘「自分で言うなよ!」クスクス
虎娘「なあ…」
虎娘「…そろそろ…欲しくなってきた…/////」
男「ホントに無理するなよ」
虎娘「ふん」
ニギッ
男「んぐっ」
虎娘「こんなにしておいて、無理してんのはどっちだ?」ニヤニヤ
男「…いいのか?」
虎娘「全部アンタに捧げてやるよ」
男「ああ」
男「じゃあ、仰向けになってくれ」
虎娘「はい」
クルン
虎娘「こうか?」
男「脚、開いて」
虎娘「ん////」
虎娘「こ、こんなに恥ずかしいもんなのか/////」
男「照れてる虎娘も可愛いな」チュ
虎娘「うう////」
虎娘「そんなことより、早く…な?」
男「痛かったら、すぐに言うんだぞ?」
クチ
虎娘「ひうっ…心配するな、はぁ」
虎娘「今、アンタの眼に映ってるのは誰だ?」
男「虎娘だ」
虎娘「その女は…そんなにヤワな女か?」
男「違うな。すごく強い、それでいてまっすぐな…とても美しい女性だ」
虎娘「とっくに覚悟出来てんだ。アンタと繋がる為の痛みも、承知の上だ」
男「ああ、そうだったな」
虎娘「一気に来てくれ!」
男「いくぞ?」
グヌプププ…
虎娘「あうっ」
男「もう少しいくぞ」
ズプズププ
虎娘「あっ、ぎっぐ…ううっ」
男「大丈夫か?」
虎娘「だっ、はあん…大丈夫、だっ、うぅ」ポロポロ
男「泣いてんじゃねぇか!」
虎娘「違うっ!ふぅっホントは痛い、けど、そっれで、泣いてるんじゃないよ」
虎娘「はっ、アンタと繋がれた、ああっ、のが嬉しくて…」
虎娘「うあん、好きだよ、男」
男「はあ、俺もだ」チュウゥゥゥ
虎娘「んんっ。ふぅ、もっと、動け、よ。でないと、痛いまんま、だろ?」
虎娘「早く…ほぐして…、もっと気持ちよく、ううっしてくれよ…」
男「なら、動くぞ」ズプッ
虎娘「あああっ!」ズチュン
虎娘「あっ、お願いっ!そのままっ、続けてぇっ!」ズプ
男「ああ、遠慮しねぇよ?」ズンズン
虎娘「あっ、あっ、ふっ、あんっ!」ズチュズチュ
虎娘「あ、ホントに嬉しっいっ!大好きだ!おとこぉっ!」ズプッズププッ
男「とらっむすめっ!はあっ!」
ガシッ
ギュウゥゥッ
虎娘「絶対ぇ、はあはあ、離さねぇっ!」
虎娘「このままっ、男のっ子供をっ!孕んでやるぅっ!」
男「おいっ、はっ、早まるなよ!」
虎娘「ホントに、アンタとアタシの子供が欲しいんっ、だあっ!」
虎娘「頼むっ!男っ…!このままっ!」
男「ふぅっ、いいんだな?」
虎娘「アタシのっ、ふあっ、望みだ!」
男「くっ、はっ!」ズチュズチュッ
虎娘「はあっ、あんっ、ふんっ、あんっ」
男「ふっ、虎、娘ぇ…」
虎娘「はあっ、うん、なんだっ!」
男「大っ好きですっ!」
虎娘「わかってらい!」
男「そ、そろそろっ、くうっ」
虎娘「家族、増やしてしまおう?」
男「ふふふっ、ああ!」
虎娘「アンタっ、となら、いつまででも幸せだ!あっ」
虎娘「そ、そのままっ、出してくれっ」
男「いくぞっ」ズッズッズッ…
虎娘「くあっ、気持ちいいっ」
男「虎娘っ」
虎娘「男っ、男男っおとこぉっ!」ギュウゥゥッ
男「くぅぅっ!出るっ!」
ドビュルルンビュルビュル
虎娘「ううっ!」ギュウゥゥッ
男「くぅっふうっ、はあっはあっ…」
虎娘「ふぅっ、ふふふっふっ」ポロポロ
男「いっ、痛いのか!?」
虎娘「えぐっ、ひぐっ」
男「すぐにどくからっ!」
ガシッ
男「え」
虎娘「バカだね。嬉し涙だって、さっきも言っただろ?」
男「うっ、紛らわしいんだよ////」
虎娘「優しいんだもんな、男は」
虎娘「悪いけど、もう少しこのまま…」
男「いいよ、虎娘が満足するまで」
虎娘「へへへー」ゴロゴロ
男「猫っぽい…」
虎娘「とーらーだ!」プン
虎娘「うひー、すっげー違和感」
虎娘「あ、シャワーありがとね」ゴシゴシ
男「うん」
男「虎娘…」
虎娘「なーに?」
男「その…、最後までしちゃってなんだけど、恋人同士になったばっかなのに、本当によかったのか?」
虎娘「はあ」
虎娘「何回も言わすなよな?しつこいとキライになるぞ?」
男「でも…」
虎娘「ふんっ!これで最後だよ!」
虎娘「アタシにとっちゃ、3年越しの恋、なんだぜ?」
虎娘「アタシが望んだ事だ!かまうもんか!」
虎娘「ま、そもそも」
チュウ
男「んっ」
虎娘「ぷは」
虎娘「アタシはアンタ『以外』の嫁になるつもりは無ぇっ!」
男「おう////」
虎娘「へへへっ」
男「なら、ずっと一緒だ」
虎娘「なあ、手、出してくれ」
男「こうか?」パー
虎娘「そうそう」
ポフ
男「しっぽ?」
虎娘「握って」
男「ほい」ニギッ
虎娘「獣人同士なら、しっぽとしっぽを絡ませるんだけどな」
虎娘「ちゃんとした式を挙げる前の、二人だけの簡易の婚姻の証だ」
男「ほお」
虎娘「もう、アンタから離れねぇからな!」
男「俺もだ。絶対離れない」
虎娘「へへっ、ふつつかものですが、末長くお願いします」ペコ
男「こちらこそ」ペコ
虎娘「男、愛してるよ!」
…その後、二人は沢山の子宝に恵まれ、良き伴侶を得た男は益々薬屋を繁盛させ、家族仲良く暮らしたという…
-そして100年後-
子供「虎ばあちゃん!」トテトテー
虎娘「やあやあ、大きくなったねぇ」
女性「おばあさん、お元気ですか?」
虎娘「もう歳だからな、色々としんどいや」
男性「虎ばあちゃん、いくつだっけか?」
虎娘「もう140だよ」
男性「はっはっは、さすが獣人!」
男性「リアルおばあちゃんの知恵袋だな」
虎娘「そうかい。こんな年寄でも役に立ってると思うと嬉しいよ」
女性「そうですよ」
女性「ひいひいおじいさん…虎おばあちゃんの旦那さんと虎ばおあちゃん、二人で守り立てた薬屋も、私たちが継いでいるけど…」
男性「まだまだ俺も半人前だから、虎ばあちゃんにはいつも助けてもらってるよ」
虎娘「アンタも結婚して子供も出来て、しっかりやってんだから、もう一人前だよ」
男性「そうかな////」
虎娘「ひ孫やら玄孫達もみんないい子達だし、アタシも安心だね」
女性「だって」ニコ
男性「照れるな///」
男性「そうそう、また今度、一族みんなで集まるから」
女性「騒がしくなるけど、覚悟しておいてくださいね」
虎娘「はっはっは、楽しみにしているよ!」
虎娘(なあ、男…)
虎娘(アンタが亡くなって、もう随分経つけど)
虎娘(改めて思うと…)
『アンタと一緒に過ごす時間が、きっとアタシを支えてくれる!』
虎娘(…これは間違ってたね)
虎娘(それ以上に)
虎娘(二人で残したもの…)
虎娘(子供達や、その子供、みんなが居てくれるから)
虎娘(ずっと、楽しく過ごせたよ)
虎娘(ホント、アンタの嫁になってアタシはしあわせだった)
虎娘(だから生まれ変わっても)
「アタシはアンタ『以外』の嫁になるつもりは無ぇっ!」
おわり
タイトル脱字や、レス抜けと不手際が複数ありましたが、最後までお付き合いいただき、改めてお礼申し上げます
ありがとうございました
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