咲-saki-のssです。
辻褄が合わない部分などがあれば脳内補完でよろしくお願いします。
※百合です
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美穂子「みなさん、本日も遠方から集まっていただき、感謝しております。司会を務めさせていただく風越女子の福路美穂子です。よろしくお願いいたします」
宥「阿知賀女子の松実宥です。よろしくお願いします」ペコリ
怜「千里山の園城寺怜です、よろしゅうな」
咲「清澄高校の宮永咲です。よろしくお願いします」ペッコリン
モモ「鶴賀学院東横っす。よろしくっす」
美穂子「全員揃ってますね」
怜「相変わらずすごいメンツやなぁ」
宥「もう15回目なんだね~」
咲「みなさんとお話するのはとても楽しいですけどね」
モモ「私も同じ境遇の人がこんなにたくさんいるって思うと支えになるっすよ」
美穂子「こうして誰も欠けることがなく集まれたのはみなさんの協力のおかげです。あ、飲み物は松実さん以外はアイスティーでよろしいかしら?松実さんには温かいものを持ってくるわ」
怜「おおきに」
宥「ごめんなさい、ありがとう」
咲「あ、手伝います」
モモ「私も手伝うっすよ」
美穂子「ありがとう。だけど大丈夫よ、座ってて?」
咲「すみません……」
モモ「申し訳ないっす」
美穂子「さて、みなさん。最近はどう?」
怜「うちの竜華は相変わらずや」ヤレヤレ
宥「私の菫ちゃんも……」アッタカクナイ
咲「和ちゃんもです」ハァ
モモ「先輩もっす……」ショボーン
美穂子「久も相変わらずよ……この間の『お家デートで誘い受け大作戦』はどうだった?一人ずつ話を聞こうかしら。まずは園城寺さん、お願いできる?」
怜「わかったわ。うちは先週……」
~~~~
竜華の家
怜「やっぱり竜華の膝枕は最高やなぁ……」ゴロゴロ
竜華「ふふ、膝枕だけじゃなくて全部怜のものやで?」ナデナデ
怜「……竜華」
竜華「なにー?」
怜「うちな、たまに心配になんねん」
竜華「?」
怜「今は竜華はそう言ってくれるけど、いつかはうちから離れていってしまうんやないかって」
竜華「そんなわけないやん、私はずっと怜のことが好きやで?」
怜「もちろん、その言葉だって嬉しい。けどな、言葉だけや足りないねん」
怜「竜華、うちのこと安心させて?言葉やなくて、身体で」ジーッ
竜華「怜……」
竜華「好きや、怜」チュッ
怜「うん、うちも」チュッ
竜華「~~~っ!これ以上は無理や、ごめん、怜!」カァッ
怜「……ドヘタレ」ボソッ
竜華「うぅ……怜ぃ……」ウルウル
~~~
怜「竜華の奴、ほんまにヘタレやわ……」
美穂子「これは……なかなかね……」
咲「和ちゃんを見てるみたいです……」
モモ「奥手っすねぇ……」
宥「でもすぐにキスしてもらえるだけ羨ましいなぁ」
美穂子「? と言うと?」
宥「私は一昨日ね……」
~~~
宥の部屋
宥「菫ちゃん、遠いのにわざわざ来てくれてありがとう」
菫「気にしないでくれ、宥に会うためならどこへだって行ける」キリッ
宥「菫ちゃん、かっこい~」ホワホワ
菫「それより宥、今日はいつもより薄着じゃないか。寒くないか?」
宥「そう言われてみれば少し寒いかも……」ブルブル
宥(作戦のためにわざと薄着なんだけどね)
菫「それは大変だ!はやく暖かくしないと」
宥「菫ちゃん」
菫「なんだ?」
宥「私……菫ちゃんにあっためて欲しいな?」ジーッ
菫「ど、どうしたんだ。少し変だぞ。熱でもあるのか?」
宥「変なんかじゃないよ~」チカヅク
菫「っ……そ、そうだ毛布!毛布と温かい飲み物を持ってくる。待っていてくれ、宥」トオザカル
宥「……菫ちゃんの馬鹿」
菫「え?宥?私なにかしたか?」オロオロ
宥「……知らないっ」プイッ
菫「ゆうううううううううううう!!!!!」
~~~
宥「菫ちゃん、私のこと好きじゃないのかな……?」
美穂子「好きじゃない、というよりも……」
怜「ヘタレやな」
咲「そして鈍感ですね」
モモ「見た目は積極的っぽいっすけどねー」
美穂子「じゃあ次は宮永さん、お願いします」
咲「はい、私は4日くらい前……」
~~~
咲の部屋
咲「和ちゃん、いらっしゃい」
和「お邪魔します。あ、お父様にも挨拶しなくては」
咲「お父さんならいないよー」
和「そうでしたか」
咲「うん、今日は和ちゃんと二人きり……」ギュッ
和「さ、咲さん」//
咲「和ちゃん、私ね、和ちゃんのこと大好きだよ」
和「私もです、咲さん」
咲「こうして和ちゃんの恋人になれたのも、すごく幸せ」ニコッ
和「もちろん、私もですよ」ニコッ
咲「だからね和ちゃん、そろそろもう一歩を踏み出してみてもいいと思うの」
和「咲さん?」
咲「私、和ちゃんになら……いいよ」
和「さ、咲さん……」
咲「和ちゃん……きて?」ジーッ
和「」
咲「和ちゃん?」
和「」
咲「気絶してる……!」
~~~
咲「何もしてないのに気絶しちゃうなんて……!ヘタレすぎるよ和ちゃん……」
美穂子「だ、大丈夫だったの?」
咲「はい、その後すぐに起きましたから」
怜「なかなか強烈やな……」
宥「あったかくない……」ブルブル
モモ「かなりヘタレっすね……」
美穂子「じゃあ次は東横さんね」
モモ「はいっす。私は昨日……」
~~~
モモの部屋
モモ「せんぱーいっ」ギュッ
ゆみ「ん、どうしたんだモモ」ナデナデ
モモ「なんでもないっすー!」ギュッ
ゆみ「付き合い始めてから更に甘えるようになったな」フフ
モモ「先輩は私だけのものっていう印っす」
ゆみ「そうだな」チュッ
モモ「先輩……」//
ゆみ「ふふ……さて、今日は何をしようか」
モモ「先輩」
ゆみ「ん?」
モモ「私にも……私が先輩だけのものだっていう印、つけてほしいっす」
ゆみ「モモ?」
モモ「もし私の存在が消えて、誰にも認知されなくなっても、先輩だけには見つけてほしいっす」ガシッ
ゆみ「っ」ビクッ
モモ「先輩に忘れられないように、先輩の匂いを、痕を、私につけてほしいっす……!」ジーッ
ゆみ「」ボンッ
モモ「ボンッ?」
ゆみ「すすすすすまないモモ、少し顔を洗いに行ってくる」ガクッガクッ
モモ「先輩?そっちは洗面所じゃないっすよ?せんぱーい」
モモ(手と足が一緒に出てたっす……)
~~~
モモ「私を麻雀部に入れるために教室に乗り込んできたあのときの積極性は一体どこに行ったっすか……」
美穂子「キスまでならできるのね……」
宥「もうひと押しって気がする……」
怜「弘世といい加治木といい……」
咲「今までの中なら1番進んでるね~」
モモ「福路さんはどうっすか?」
美穂子「私も昨日……」
~~~
美穂子の部屋
久「いつ来ても綺麗ね」
美穂子「恋人に汚い部屋なんて見せられないもの」
久「ふふっ、そうね……恋人かぁ」
美穂子「どうかした?」
久「なんだか夢みたいだなぁって。私、こんなに幸せでいいのかしら」
美穂子「いいに決まってるわ」ギュッ
美穂子「久が今まで一生懸命頑張ってきたこと、私知ってるもの」
久「美穂子……愛してる」チュッ
美穂子「私もよ、久」チュッ
久「美穂子……!」ドサッ
美穂子「!? 久……?」//
久「美穂子……その」
美穂子「いいのよ久。脱がせて?」ジーッ
久「」ガクガクガクガク
美穂子「久!?」
久「ご、ごめんなさい……手が震えて……っ」
美穂子「久、一旦落ち着きましょう、ね?」
久「っひぐ、どうせ私は好きな女一人抱けないドヘタレだわ……っ」グスッ
美穂子「だ、大丈夫、ヘタレなんかじゃないわ!」
~~~
美穂子「っていうことがあったわ」
宥「そこまでいったのに……」
咲「まさか泣いちゃうなんて……部長……」
怜「情緒不安定とちゃうんかそれ」
モモ「もう少しだったっすね」
美穂子「でも、とても可愛かったわ」
怜「可愛さならうちの竜華も負けへんで?」
宥「菫ちゃんが一番じゃないかな」
咲「可愛さで和ちゃんに勝てる人はいません」
モモ「先輩を忘れてもらっちゃ困るっす」
美穂子「久は私の目を綺麗だって言ってくれたし、付き合ってからも私のことを第一に考えてくれるわ」
怜「竜華なんていつも病弱なうちの側にいてくれるし膝枕だってしてくれるで」
宥「菫ちゃんは寒がりな私に合わせてくれるし体調も気遣ってくれるもん!」
咲「和ちゃんは悩みとか不安を真剣に聞いてくれるし道に迷ったときは絶対に助けてくれます!」
モモ「先輩は私を見つけて、救ってくれたただ一人の人っす」
ギャーギャーヒサガ!リュウカガ!スミレチャンガ!ノドカチャンガ!センパイガ!
美穂子「ふ、不毛な言い争いはやめましょう……」ハァハァ
怜「何も生まないしな……」ゼェゼェ
宥「私達、みんな同じ境遇の仲間だもんね」ゼェハァ
咲「喧嘩は良くないですよね……」フゥ
モモ「疲れたっす……」
美穂子「結果からわかる通り、今回も誰一人としてうまくいった人はいない、と」
怜「せやなぁ……」
咲「何がいけないんですかね……」
モモ「手詰まりっすよ……」
宥「せめて菫ちゃんたちの気持ちが分かる人がいればいいのになぁ~」
美穂子「そこで、よ」
5人「?」
美穂子「今日はゲストを呼んでいるの」
怜「お?」
美穂子「白糸台高校二年の、亦野誠子さんよ」
誠子「ど、どうも」
宥「こんにちはぁ」
咲「お姉ちゃんの……」
怜「おー、チャンプの高校か」
モモ「お初っす」
美穂子「亦野さんは同じ二年生の渋谷さんと付き合っているのよね?」
誠子「はい、まぁ一応」テレテレ
怜「ほー、そうなんか」
美穂子「ええ、そして大事なのはこれから」
美穂子「亦野さんはね」
美穂子「『元』ヘタレよ」
怜「元……」
宥「それってつまり」
咲「今は違うっていうことですか?」
モモ「ど、どうやってヘタレじゃなくなったっすか!?」
美穂子「まぁ落ち着いて、ゆっくり話を聞きましょう?亦野さん、どうぞこちらに座ってね」
誠子「あ、すみません」
美穂子「この会の趣旨については大体は話したけど……亦野さんはどう思う?」
誠子「そうですね、みなさんはここまでくるのにどれくらい時間がかかりました?」
怜「せやなぁ、月3でこの会が開かれてるから、5ヶ月くらいか」
宥「最初は目を合わせて喋れるようにするっていうところから始まったんだよね~」
咲「その内手を繋ぐ、食べ物を食べさせ合う、キスをするまでで4ヶ月……」
モモ「長い道のりだったっす……」
誠子「かれこれ1ヶ月次の段階に進むための会議をしているってことですか……」
美穂子「そうね、様々な作戦を立てたけどどれもうまくいかなくて……」
怜「それで一度ヘタレ側の意見を聞くために、亦野が呼ばれたっちゅーわけやな」
誠子「参考になるかはわかりませんが……」
咲「是非お聞きしたいです!」
モモ「お願いするっす!」
宥「菫ちゃんが少しでも変われるのなら……!」
美穂子「亦野さん、あなたがヘタレを克服した方法、教えてもらってもいいかしら」
誠子「もちろんです。そのために来たんですから」
誠子「私がヘタレを克服したのは……」
5人「克服したのは……?」ゴクリ
誠子「尭深の、押してダメなら引いてみろ戦法です!」ドーン
怜「押してダメなら……」
宥「引いてみろ?」
誠子「そうです。みなさんは今まで、押してばかりいたんじゃないですか?」
モモ「言われてみれば確かに……」
美穂子「向こうがヘタレだから自分が積極的にならないとだめだと考えていたわ」
誠子「普通ならそう考えるはずです。だけどそこをあえて引くんです」
誠子「私達は、失敗して相手を傷つけたくないという一心でヘタレになってしまうんです。そしてそのヘタレが原因で愛想を尽かされてしまうのが何よりも怖い」
誠子「そこでそれを逆手に取るんです。それまでは積極的だった恋人が、突然何もしてこなくなる……不安になり、やがて気がつけば自分から近づいていっている……そういうことです」
咲「なるほど……ヘタレを逆手に取る……」
怜「亦野の彼女さんはよくそんなこと思いついたなぁ、感心するわ」
宥「押してダメなら、引いてみる……引いたら菫ちゃんから寄ってきてくれるのかな……?」
美穂子「これは……試してみる価値がありそうだわ」
モモ「何よりも経験者の話っすからね……説得力があるっす」
誠子「まぁ、実際に私から手を出すまでにはそこそこ時間がかかりましたが……やってみて損をすることはないかと」
美穂子「そうね……」
美穂子(これで久が……)
怜(竜華が……)
宥(菫ちゃんが……)
咲(和ちゃんが……)
モモ(先輩が……)
5人(少しでも積極的になってくれたら……!)
美穂子「やりましょう、みんな」
怜「あたりまえや」
宥「うん……!」
咲「今回こそ……」
モモ「ヘタレな恋人をどうにかしてみせるっす……!」
美穂子「みんな、一ヶ月後にまた会いましょう」
美穂子「いい報告を待っているわ」
ーー押してダメなら引いてみろ作戦、スタートーー
To be continued...
とりあえず終わりです
書き溜めが溜まったら続きを投稿したいと思います。読んでくださった方、ありがとうございました。
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