あ~る「それでも僕はまだ動いています」
あ~る「さ~て、なんの変哲もないこのシルクハットからハトが出ますよ」
あ~る「はっ」
・・・・・・
あ~る「何も出ません・・・何も出てきてくれませんねえ。昔はいろいろなものが出てきてくれたものですが」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396105868
あ~る「人類の人達は核戦争の末に絶滅してしまわれました」
あ~る「それでも僕がまだ動いているのは、ひとえに科学の進歩というところでしょうか」
あ~る「核戦争にも耐えきったシェルターの中にですね、とても広大な特殊温室がございまして」
あ~る「人類が絶滅した後の僕のことを心配したお父さんによって作られたところなのですが」
あ~る「シェルター内だけは汚染されきってしまった大地の影響を受けず、お水も浄水器をまわすことでシェルター内部で完全に循環させています。まさに自給自足というやつですね」
あ~る「発電も太陽光ですし、外気の影響も受けません」
あ~る「そのような訳で、とりあえず僕はまだ動いています」
:::【シェルターの外】:::
あ~る「時折僕はシェルターの外に出て、荒廃した世界を探検します」
あ~る「生きている方に出会えることなどはもちろんありませんが、時折いまだに残っているシェルター跡や深い地下室などから、加工すれば使い物になる金属などの資源がとれるんですよ」
あ~る「約二千年前、僕の頭は人並みでした。ですが人並みだからこそ、その気になればなんでも出来るものでして、自分自身やシェルター内の整備が自分で出来る程度には、僕の頭は良くなりました」
あ~る「話は変わりますが、戦争とはとても良くないものです。いろいろな人達が亡くなりました」
あ~る「そのなかでもやはり一番こたえたのは、第三次世界大戦でさんごが亡くなったことでしょうか」
あ~る「茫然自失としてしまった僕を、とさかさんが激励してくださいましたね」
あ~る「そのとさかさんですら、戦争を生き残っても最後には老衰にお亡くなりになられました」
あ~る「"どうやら私は寿命に負けてしまうようだ。だがあ~るよ、お前は勝ち続けろ。これは最後の先輩命令である!いいか、死なない限りは決して、負けではないぞ!"と、最後に仰っていましたね」
あ~る「小夜子さんなどは、亡くなったあともしばらく幽霊の姿で僕と暮らしていてくれたのですが、人類が滅亡してしまった第四次世界大戦の後、わずが数十年ほどでその力を使い果たして消えてしまわれました。最後まで僕のことを心配していました。小夜子さんは本当に良い幽霊の方でしたね」
あ~る「妹のでこや、他の兄弟達が生きていれば、彼等にも寿命はないので僕と一緒にいられたのでしょうけど、第四次世界大戦の時に僕を守るために壊れてしまわれたんですよね」
あ~る「あはははは」
あ~る「笑ってみても、誰も何も言ってくれないんですよ」
あ~る「もう慣れましたけどね」
あ~る「あはははは・・・おっと、そろそろシェルターに戻らなければ、左肩の稼動部の放射線許容量が警告値を上回りそうです」
あ~る「約二千年たった今でも、核戦争の傷跡は地球に残り続けています」
あ~る「なんとおそろしいことに、生物の一匹も生まれていません」
あ~る「今はとりあえず、地球がまた命を育み始めるその時を見届けようと思っています」
あ~る「最後に残った者として僕が出来ることは、もうそれぐらいのものでしょうから」
あ~る「そのあとのことは・・・」
あ~る「今はまだ考えていません」
:::【滅菌用レーザー質】:::
ジジジジジ
あ~る「シェルターの外に出た後は、雑菌や放射能を除去するために入り口のレーザー室に五分ほど滞在します」
あ~る「様々な種類のレーザー線を多角的に当て続けることで、有害なものを全て除去してしまうのです」
あ~る「お米を育てる温室が駄目になってしまったら、とても大変ですからね」
:::【特殊温室・Bの6区画】:::
あ~る「温室はいくつかの区画にわかれていまして、区画ごとに設定温度を変える周期が違います」
あ~る「今週はBの6区画が収穫期、Cの2区画が田植えですね」
あ~る「今週収穫期をむかえるBの6区画では、ササニシキとコシヒカリとヒノヒカリと秋田小町を祖先とするオリジナルブレンド米を育てています」
あ~る「冷害や病気、害虫などにとても弱いと思われる品種になってしまったのですが、特殊温室内なら良好な環境を保てるので問題ありません」
あ~る「この品種は特に、ササシグレの影響を強く残していた食味絶頂期のササニシキの遺伝子をベースに食味を出来るかぎり高めたものなので、新米が楽しみですね」
まさか荒廃した世界を下駄で歩きまわっているのだろうか
あ~る「たった一人でやることがないと、いろいろな"やること"を生み出してしまうものでして、その中でも僕が熱中し続けているものは、やはりお米の品種改良ですね」
あ~る「大昔の農家の方々が頭を悩ませた、環境面や外敵についての考慮をする必要がございませんので、今はただひたすら食味の良さだけを追い求めています」
あ~る「戦争のごたごたなどで失われてしまった、当時評判が良かった品種達がいろいろと残っていれば、もっと円滑に研究は進んでいたものかと思われますが、試行錯誤するという行為も時間があると楽しいものなので、それはそれで良しとしましやう(しょう)」
ゴウンゴウン
あ~る「はじめは手作業で田植えから収穫までやっていましたが、二千年の間にそれらを機械化することで、お米の品種改良やシェルター外の探索に時間をかけることが出来るようになりました」
あ~る「機械である僕がさらに機械に頼るなんて、どうもおかしな話ですよねえ」
ガガガガ
あ~る「さてさて、精米が済んだものが出来上がっていきますよ」
あ~る「そろそろお米を炊きましょう」
シャコシャコ
あ~る「当然僕は電気釜の研究も怠っていませんよ」
あ~る「いろいろと試行錯誤した結果、様々な電気釜を造り上げてきました」
ぐつぐつ
あ~る「」
ぐつぐつ
あ~る「」
ぐつぐつ
ぱかっ
あ~る「ほら、こうしてほんの数十秒で炊き上がってしまう超高速早炊きすら実現しています」
あ~る「まあ、炊き上がるまでに待つ時間も楽しいものですので、あまり使わないんですけどね」
もぐもぐ
あ~る「ややっ」
あ~る「こ・・・これは・・・」
あ~る「おいしい」
もぐもぐ
あ~る「この深みの強い風味と甘みを出せるのは、ササシグレの遺伝子が色濃いからですね」
あ~る「あらゆる交配を重ねてきましたが、どんな新種をつくり上げても、食味の良さを引き出すには既存の品種の遺伝子を色濃くするのが良いという結論に至っています」
あ~る「やはり農家のかたがたは偉大なかたがたであったということですね」
もぐもぐ
あ~る「・・・?」
もぐもぐ
あ~る「おいしいご飯を食べて、それ自体は嬉しいことであるはずなのですが、どうしてだがこういう時の僕は表現し難い気分になるのです」
あ~る「何故でしょうか?」
もぐもぐ
あ~る「・・・嬉しい時は笑っていないとおかしいですよね」
あ~る「あはははは」
あ~る「・・・?」
あ~る「うーむ」
もぐもぐ
あ~る「笑うということは、どうもこういうことじゃなかったような気がするんですよね」
あ~る「昔は自然に笑っていた気がするんですよ。人口物である僕が、自然に、というのも変な話ですけど」
あ~る「あはははは」
もぐもぐ
あ~る「やはり、どうも違いますねえ」
もぐもぐ
あ~る「ごちそうさまでした」
あ~る「さて」
:::【シェルターの外】:::
あ~る「今日は装備を整えて少し遠出してみようと思います」
さっ
あ~る「 >>9 なんとほら、耐冒険用の下駄なんですよ」
あ~る「シェルター内の施設をいろいろと拡張したいので、もう少し金属が欲しいんですよね」
あ~る「改造に改造を重ねた轟天号も一緒です」
あ~る「まだ巨大ロボットへの変形こそ出来ませんが、轟天号には様々な機能をつけています」
あ~る「まずこのシャッタースイッチを押すとですね、なんとライト部分につけてあるカメラで写真が撮れるんですよ」
パシャッ
あ~る「しかもこのカメラですね、なんとデジタルカメラなのです」
あ~る「まあ、別に深い意味はありませんけどね」
あ~る「写真を撮っても、別に誰に見せるわけでもありませんし」
あ~る「しかしそこはやはりほら、僕も春風高校光画部のOBですから」
パシャッ
あ~る「写真を取るという行為そのものに意味があるというか」
ボコボコボコボコ
あ~る「ややっ」
ボコボコボコ
あ~る「やややっ」
あ~る「一体何事でしょうか?地面が盛り上がっていますよ?」
ドコーン!
レミィ「っしゃああああ!地上に出たー!」
あ~る「・・・・・・・・・・・・・?」
レミィ「うおっ、しかもいきなりいるじゃん!ラッキー!探したぜ」
あ~る「や・・・・・・」
レミィ「?」
あ~る「やあ」ぶいさいん
レミィ「やあ」にへら
あ~る「・・・あの・・・失礼かと存じますが、一体どちら様で?」
レミィ「おう、アタシはレミィ。アンタがR・田中一郎だな?」
あ~る「はあ、確かに僕はR・田中一郎ですが」
レミィ「アタシはアンタと同じロボットさ。自律思考型のね」
あ~る「僕はロボットじゃないよ」
レミィ「な、なに!?聞いてる話と違うぞ!とさかって奴は確かに」
あ~る「あんどろいどだよ」
レミィ「・・・いや、大体一緒だろ」
あ~る「違うんですよこれが。それより、とさかさんのことをご存知で?」
レミィ「あ?あぁ、大した話じゃないけどね」
あ~る「よろしければお聞かせ願えます?」
レミィ「おう。人類が滅亡した後にアンタが一人さびしく生き残ってるだろうから、一緒にいてやってくれって言われてんだ」
あ~る「・・・とさかさんが・・・」
レミィ「つっても、アタシには他にもやることがあるんだ」
あ~る「やること・・・ですか?この地球で?」
レミィ「うん。あと一人、アンタと同じように生き残ってるワッハマンって奴が地球のどこかにいるはずだ。そいつのことも、見つけてやらなきゃならない。つーかアタシは元々、そいつに会うためにここ千数百年だかスリープしてたんだ」
あ~る「はあ、それはそれは・・・地球のどこかって、まさか地球のどこかですか?」
レミィ「そう。地球のどこかだ」
あ~る「途方もないお話ですね」
レミィ「だろ?アンタを探すのも一苦労だったからなあ」
あ~る「それはそれは、どうもご苦労様です」
レミィ「なんで上から目線なんだよ。つーか、ワッハマン探しはアンタにも手伝って貰うからな。あ~る田中一郎!」
あ~る「え~、僕もですか?」
レミィ「とさかって奴に言われてんだぞ。好きにコキ使ってやってくれってな」
あ~る「それはまた随分とひどい言われようですね」
レミィ「何だ?嫌かい?まあ、別に無理強いはしないけどさ・・・」
あ~る「・・・いえ、なんだか・・・ですね・・・」
レミィ「・・・ん?」
あ~る「・・・」
レミィ「何笑ってんだよ」
あ~る「では、僕がずっと一人だったお話はここまでということで」
おわり
おつ
あーる読んで見ようかなぁ
乙 塩沢兼人の声で読んでたわ 懐かしいものをありがとう ところでほんとに終わり?
>>19
あり
皆で読もう究極超人あ~るとワッハマン
>>20
さんごやとさか先輩の最後とか、幽霊小夜子とあ~るの数十年とか書こうかなーとか思ってたけど、長ったらしくなりそうな上にただひたすら欝になりそうでやめました。
レミィとあ~るがワッハマンを見つけるまでのごちゃごちゃした日々とか、あ~るとワッハマンの邂逅とかは書きたいけど、そうなると両方の元ネタわかる人じゃないと見てて面白くないかなーと思ってるんで微妙ですね。
意外とわかってくれる人いるならがんばろうかな
数日お待ち下さい
やったー
なおあ~る読んだこと無い人に説明するとあ~るはゲタ履いた男子高校生の見た目のアンドロイドだかロボットだかで
ワッハマン読んだこと無い人に説明するとレミィは金髪ょぅι゛ょ、かつ現在全裸である可能性が非常に高い
この見た目でセットにすると絵面的に怪しいのでレミィをハンババ形態にしておこう(誰得)
しかしあ~るも来期アニメ化か
動く光画部が見たい反面、キャストがどうなるのか心配だ
>>35
今日はエイプリルフールや
あ~る「えー、僕がずっと一人だったお話は終わりましたが、まだ僕のお話そのものは終わっていなかったらしいんですよ」
レミィ「おーい、どこに向かって話してんだ?」
あ~る「細かいことはお気になさらず」
レミィ「(こいつ大丈夫なのか・・・?)」
あ~る「ところでレミィさん」
レミィ「レミィでいいよ。面倒だからな」
あ~る「ではレミィ、ワッハマンさんとやらを探すのに、何か当てでもあるんですか?」
レミィ「そんなもんがあったら、アンタ探しよりワッハマン探しを先にやってるよ」
あ~る「そうですか。では一度落ち着きませう(しょう)。僕が暮らしているシェルターがございますので、お招き致します」
レミィ「(せう?)」
あ~る「こちらです」
レミィ「お、おう」
カランコロンカランコロン
ぺたぺたぺたぺた
レミィ「・・・つーか、なんで下駄履いてんの?どう考えてもおかしいだろ」
あ~る「・・・・・・・・・?」
レミィ「いやいや、そんな不思議そうな目で見られても・・・」
さっ【ぼうけん用】
あ~る「でもほら、耐冒険用なんですよこの下駄」
レミィ「書いてるだけじゃん!つーか冒険ぐらい漢字で書いたら?」
あ~る「・・・・・・・・・はっ」
レミィ「・・・どうした?」
あ~る「確かにそうですね、次からは漢字で書きましょう」
レミィ「・・・ごめん、やっぱどうでも良いや。さっさと行こう」
あ~る「あい」
カランコロンカランコロン
ぺたぺたぺた
レミィ「やっぱ待った。なんで自転車?しかもなんで乗らないで押してんだよ」
あ~る「昔からの愛用の自転車なんですよ。乗るとレミィがついてこれないかと来れないかと思いまして」
レミィ「そういう気遣いは出来るんだな。でもいいよ、乗っても。自転車なんかにゃ足で負けないよ」
あ~る「そうですか?でも、時速300キロぐらい出ますよ?」
レミィ「やっぱ今のなしで」
あ~る「あい」
:::【滅菌用レーザー室】:::
ジジジ
あ~る「おみ足はこちらの浄化液につけて下さいね。服の中などには反射するレーザーが届きますが、地面にくっついている足の裏だけはなんともでして」
レミィ「あいよ。まあ、アタシは服なんか着てないけどな」
あ~る「そういえばそうですね。どうして着てないんですか?」
レミィ「あ、それ聞く?あたし地下1500メートルぐらいのところでコールドスリープポッドで寝てたんだけどさあ」
あ~る「はあ」
レミィ「ポッドには一応簡単な熱探知レーダーが付いてんだ。それで地上のほうにでっかい熱反応を見つけて、そっちに向かって土掘りながら進んでみたのはいいけど、結局土の中でどっちがどっちだかわかんなくなって、もう地上がどっちにあるのかすらわかんなくなっちまったんだ。でまあ、寝たり起きたりを繰り返しながらどうにかこうにか地上に出ることが出来たのがついさっきなんだよ」
あ~る「なんだかバカみたいなお話ですねえ」
レミィ「なんか、お前に言われるとむかつくな。まあ確かにバカみたいだけどさ。よくよく考えれば一旦ポッドに戻ればどっちが地上かわかるわけだし」
あ~る「やはりバカみたいなお話ですねえ」
レミィ「う・・・」
あ~る「ああ、わかりましたよ。先ほど僕を見つけるのに苦労したと仰っていましたけど、実は単純に地上に出るのに苦労なされていたんですねえ」
レミィ「お、お前ってけっこう良い性格してるのな」
あ~る「?」
ジジ・・・ジ・・・
あ~る「滅菌が終わりましたので、居住区にご案内します」
レミィ「おう。ま、そんなこんなで地中でごたごたやってる間にさ、着てたもん全部ボロボロになっちまったんだ」
あ~る「レミィ自身が無事で何よりですよ」
レミィ「ま~ね。頑丈な体に感謝ってとこかな」
:::【居住区・1F】:::
レミィ「っつーかすげぇ広いな。ここ」
あ~る「元は百五十人規模の居住を前提として開発されていたところですから、それ相応の広さはありますね。僕のお父さんが作ったんですよ」
レミィ「へー・・・そういや、あ~る以外には誰もいないのか?」
あ~る「あい」
レミィ「・・・じゃ、じゃあお前、もしかしてずっと一人でここに?」
あ~る「ええ、そうなんですよ。おおよそ千九百五十年間ほぼ一人ですね。ここで暮らし始めた当時は、小夜子さんという幽霊の方が一緒だったのですが」
レミィ「成仏でもしちゃったのか?」
あ~る「・・・成仏ですか・・・そう言っても良いのでしょうか。思い残すことがありながら、力を使い果たして消えてしまうといった感じでしたね」
レミィ「そ、そうか・・・それは・・・なんつーか・・・その・・・悪いこと聞いちまって・・・」
あ~る「・・・ご飯を食べませんか?」
レミィ「え?」
あ~る「なにやら元気がないようでしたので、お腹でもすいているのかと思いまして」
レミィ「べっ、別にそんなこと・・・!・・・つーかさ、飯食えるこた食えるけど、別にアタシは食わなくても平気なんだぞ」
あ~る「食べられるのですね。ではご飯にしましやう(しょう)」
レミィ「お、おい。話を聞け」
あ~る「ああ、その前に衣服を見繕いますね。そのままではお寒いかもしれません」
レミィ「いや、別に寒いも何も・・・あっ、おい」
カランコロン
レミィ「(・・・変な奴。ロボットのアタシに気使ってら・・・まー、あいつもロボットか)」
:::【食堂】:::
レミィ「服をくれたのは嬉しい。まあそれはありがとよ。それは良いんだ」
あ~る「?」
レミィ「でも何で農家のおばさん風のごてごてした作業着なんだよ!室内で麦わら帽子ってお前なー・・・なんかもっと他になかったのか?」
あ~る「ですが、似合っていますよ」
レミィ「お前言っとくけど、それ嬉しくないからな?」
あ~る「?」
レミィ「まあいいや。全裸よりゃマシだ」
あ~る「ご飯が炊けましたので、よそっておきました」
レミィ「おー。さんきゅ」
あ~る「いただきます」
レミィ「・・・いただきます・・・」
もぐもぐ
あ~る「」
レミィ「・・・」
あ~る「・・・食べないんですか?」
レミィ「いや、あの・・・気使って貰っといてアレなんだけどさ、おかずとかないの?ご飯だけ?」
あ~る「・・・美味しいですよ?」
レミィ「お、おう・・・」
あ~ん
レミィ「・・・ほ、ほんだ!信じられんぐらい美味い。ずっと何も食ってなかったからそう感じるのか・・・?」
あ~る「1、2、3、4、5」
レミィ「何数えてんだよ?」
あ~る「お米は八十八回噛まないとお米の神様に失礼なんですよ」
レミィ「・・・神様なんてもんが本当にいたら、人間は滅んでなかったんじゃないのか?いや、案外いたから滅んだのかねえ」
あ~る「・・・・・・どうなんですかね。いたとしたら、どうして僕達は残されたんですかね?」
レミィ「あ、ごめん、暗いこと言っちゃって」
あ~る「いえ、いいんですよ。きっとこういう時間も必要なんです」
レミィ「・・・そっか。そういやお前さ、どうして一人だけ生き残ってんだ?」
あ~る「レミィはいつごろコールドスリープにかけられたのですか?」
レミィ「第三次世界大戦の直後だな。いろんな国が駄目になっちまったあの後、すぐにその時の知り合い達が総出でアタシを冷凍保存したんだ」
あ~る「それでは、知らないのも無理はありませんね」
レミィ「・・・あの後、地球に何があったんだ?」
あ~る「はじまりと終わりはすぐでした」
レミィ「すぐ?」
あ~る「ええ。第三次世界大戦の終結から四年。あの時僕は、偶然このシェルター内の大掃除のためにここに送り込まれていたんです。世界中が緊張状態で、すぐにでもここを使うときがきそうでしたからね」
レミィ「・・・」
あ~る「ほぼ同時に、世界中の先進国や発展途上国からそれぞれ世界中に核ミサイルが放たれました。第四次世界大戦はそうして始まって、始まった日に終わったんです」
レミィ「・・・そっか。もう随分年くってたけど、あいつらも皆、本当にいっちまったんだな・・・」
あ~る「・・・レミィ。お伝えしにくいことなのですが、そういうことですので、おそらくレミィが探さなければならないと仰っていたワッハマンさんという方も・・・」
レミィ「ん?ああ、あいつなら大丈夫さ。核の一万発や十万発ぐらい直撃したって、平気な顔してるよ」
あ~る「ど、どういうお方なんですか?」
レミィ「んー・・・どういう奴っつーか・・・えっと、アタシとあ~るじゃ、頑丈さが違うのはわかるよな?」
あ~る「えぇ、そうですねえ。僕なら何十年も地下にいたら、あちこちの間接やパーツが放射性変異して動けなくなっていますよ」
レミィ「だよな。核の直撃は無理だけど、アタシにだって残留放射能ぐらいならものともしない程度の耐久力はある。ワッハマンはアタシのもっとも~っと凄い版って感じだよ。あいつなら、例えば太陽に突っ込んだって平気な顔して泳いで出てくると思うぞ」
あ~る「それは凄いですねえ」
レミィ「だろ?アタシ最初はあいつぶっ壊すために活動してたんだぜ?無理だったけど」
あ~る「敵だったんですか?」
レミィ「まあな。結局全然相手にもされてなかったけど」
あ~る「どうしてまた、敵であったワッハマンさんを探すので?暴力はよくありませんよ」
レミィ「いや、もうあいつをどうこうしようってんじゃないさ。最初は敵だったけどいろいろあったんだ。その経緯はほら」
どかっ【ワッハマン:1~10巻】
レミィ「後でこれを参照な」
あ~る「ど、どっから出したんです?」
レミィ「細かいこた気にするな。飯も食ったし、出来ればシェルターの中見て周りたいんだけど」
あ~る「そうですね。ご案内いたします」
:::【特殊温室・管理塔】:::
あ~る「ここから見渡せるのがお米を育てている各特殊温室です。温室は全部で二十四の区画にわかれておりまして、月に1~2回ほど機械に一斉メンテナンスをかけて自動化を維持してます」
レミィ「すげーな。これ一人で管理してんのかよ」
あ~る「ええ。最初は手作業で田植えから収穫までやっていたのですが、時間をかけて自動化しました」
レミィ「うげー、これを手作業とか正気じゃないぞ・・・」
あ~る「田植え機、雑草取り機、収穫機、最も重要な田んぼの土質・水質・温度湿度や微生物などを管理する状態管理機。雑草取り機にはいくつかの種類がありますが、おおまかにはこの四つの機械で管理しています」
レミィ「・・・つーか普通に関心したけど、何で全部米?他の作物は何も残ってないの?」
あ~る「真空保存や冷凍保存してある種子がいろいろとあるので、作ろうと思えば作ること自体は可能ですよ。ここ以外にも使っていない温室があまっていますから」
レミィ「お、いいじゃん。何で作らないんだ?」
あ~る「僕自身、お米以外のものを口にすると壊れてしまうんですよ。それで今はお米だけを育てています」
レミィ「あー、そういうことか。難儀な体質してんなあ」
:::【資料室】:::
あ~る「ここは資料室ですね。全て電子媒体ですが、文明があった当時のありとあらゆる分野の記録、資料、書籍が残されていますよ」
レミィ「ほほー。あ~るはここでいろいろ勉強したわけね」
あ~る「ふっふっふ」
レミィ「な、なんだよ」
あ~る「そうなんですよこれが」
レミィ「だ、だからそうなんだろ?もったいぶった意味あるのかよ」
あ~る「うふふふふ。レミィもどうですか?学ぶというのも案外やってみれば面白いものですよ」
レミィ「興味はあるけど、今は良いかな。そのうちアタシもいろいろ知りたいからさ、その時は教えてくれよ」
あ~る「あい」
:::【暗室】:::
あ~る「ここは暗室ですね。写真を現像します」
レミィ「・・・・・・ん?」
:::【加工室・金属類】:::
あ~る「ここは主に金属などを加工するところですね。外で拾ってきたものの放射能除去や性質の判別を済ませてからここに運びまして、それから---」
レミィ「ちょっと待てさっき変な部屋あったぞ」
あ~る「?」
:::【暗室】:::
レミィ「ここだよここ。なんだよ暗室って」
あ~る「そのままですよ。写真が現像出来ます」
レミィ「わざわざそのために部屋まで作ったのか?そもそも、現像しなきゃいけないカメラなんか使わなくてもいいだろ・・・デジカメとかさあ」
あ~る「二千年近く一人ですと、さすがに暇で暇で」
レミィ「・・・そっか。まあ、そりゃそうか」
あ~る「そうなんですよ」
レミィ「じゃ、ありがたく思えよ。これからはアタシがコキ使って暇なんかないようにしてやるからさ」
あ~る「これはこれは、どうもありがとうございます」
レミィ「・・・・・・おまえって奴は凄い素直だな。そんなんじゃ悪い奴に騙されるぜ」
あ~る「もう悪い人も良い人も生き残っていませんよ?」
レミィ「そうだな。アタシが悪かった」
:::【加工室・金属類】:::
レミィ「しかし、わざわざ加工からやってるの?」
あ~る「ええ。このシェルター内にも元々かなりの資源が確保してありましたが、当然それらは有限でしたので、どうにか外から調達せねば施設内外の改修が捗りません」
レミィ「なるほど・・・あっ、そういや電気。電気はどうやってやりくりしてるんだ?」
あ~る「うふふふふ。だいじゃうぶ(じょうぶ)」
:::【発電室】:::
あ~る「施設内はほとんどが地下に作られておりまして、元々は全てが地下にあったところを浮上させているのですが、この発電室と先ほどご案内させていただきました特殊温室、あと居住区の一階は地上にございます」
レミィ「・・・これは、太陽光発電か」
あ~る「ええ」
レミィ「・・・つっても、機械化されたあんだけ広大な温室や、このシェルターをまるごと賄える規模には見えないぞ。こりゃ一体どういうカラクリだ?」
あ~る「実はですね、そこはかなりがんばったところなんですよ」
レミィ「どうやってんの?」
あ~る「まず施設内全ての電力増幅器の効率を限りなく100%に近くしてみました。そして、施設内の物理的な運動のエネルギーや熱量の余剰分は全て電気に変換することで出力にまわしていますね。水の流れや太陽熱、ごく自然な気温などがそれらにあたります」
レミィ「いきなりのっけから凄いこと言い出したな」
あ~る「温室内の室温管理についても、無闇に電力を消費せずに可能な限り自然の熱量を流用することで夏場の消費電力を抑えているんですよ。冬場はどうしても電力が必要になってしまいますが」
あ~る「幸いこのシェルターがある地域は地球上でも非常に温暖な地域ですので、夏場がとても長いんです。現在は電力の大量貯蓄にも成功していますよ」
レミィ「そりゃ凄いな」
あ~る「元々、特殊温室は地球の氷河期が来ても人の手で耕せば運用出来るように作られていましたからね。核の冬が過ぎ去ったあと、気候が落ち着いてからは余剰電力がけっこう出ていたんですよ」
レミィ「・・・あ~るってみかけによらず凄い優秀なAIしてんだな。なーんか負けた気分だ」
あ~る「元は人並みでしたが、長らくお勉強しましたからねえ」
レミィ「お前が人並みねえ・・・なんか眉唾だなそりゃ」
あ~る「しかし、何故か増幅器の効率が100%を越えないんですよねえ。どうやっても無理でした」
レミィ「・・・え?」
あ~る「増幅器の効率が100%を越えれば、理論上はもうエネルギー問題などとは無縁になるはずだったんですよ。そのために三百年近く研究したのですが、結局断念してしまいました」
レミィ「さ、三百年・・・!?・・・なんか今すげぇ納得したよ、お前が人並みだったってことにな。何故かじゃないだろ何故かじゃ!」
あ~る「やや。まさか増幅器の効率が100%を越えなかった理由をご存知で?」
レミィ「エネルギー保存の法則!」
あ~る「・・・・・・・・・・・・はっ」
レミィ「(人並みっつーか人並み以下だったんじゃないだろうなこいつ・・・・・・?)」
:::【居住区・1F】:::
レミィ「これでとりあえず中をぐるっと一周した感じか?」
あ~る「全部屋回ったわけではありませんね。加工室は対象資源ごとに様々わかれておりまして、やることはどこも大体似たようなものですので割愛しました」
レミィ「そっか」
あ~る「あとは、プールや運動場をはじめとした各種遊戯施設があるのですが、一度も使っておりませんのでそれらにもご案内してないですね」
レミィ「まーそれも今は良いか」
あ~る「地下三階には研究室や開発室がありますので、必要があれば案内します」
レミィ「なんか見たいような見たくないような・・・とりあえず今はいいや」
あ~る「居住区は一階から地下四階までありまして、僕は一階の入り口付近の部屋を休憩室にしていますね」
レミィ「おまえって休憩が必要なのか?」
あ~る「実は僕って睡眠が必要なんですよ。人並みですからねえ。ちなみに寝起きも悪いんです」
レミィ「とんでもないロボットだな。製作者の顔が見たいよ」
あ~る「ちょいとちょいと、ロボットじゃないんですよ」
レミィ「え?」
あ~る「アンドロイドですよ」
レミィ「どっちでも良いよ」
あ~る「そんなご無体な」
レミィ「なんか部屋いっぱいあるみたいだけど、アタシもあ~ると同じ部屋でいいか?」
あ~る「同じ部屋ですか?二人で使うには少し狭いですよ?」
レミィ「おいおい。せっかく男と女が一人ずついるんだぜ?ちゃんとやることやらなきゃな」
あ~る「え~?やるんですか?」
:::【あ~るの部屋】:::
レミィ「あっ・・・中々うまいじゃないか・・・!」
レミィ「んっ・・・そこは・・・っ!」
レミィ「ああっ・・・凄い・・・!」
レミィ「もうダメ・・・このままじゃ・・・!」
レミィ「あっ・・・ああっ・・・!」
パチ
あ~る「王手ですね」
レミィ「ああっ・・・投了っ・・・!」
あ~る「先ほどから何故悩ましげな声を出しておられるのですか?」
レミィ「気分かな。盛り上がるだろ?」
あ~る「?」
レミィ「こんなジャージで盛り上がるも何もないか。農家のおばちゃん風作業着とジャージしか残ってないんだもんな。もっとこうセクシーな服を着たいよね」
あ~る「では、ご要望にあわせて作ってみましやう」
レミィ「おぉ、いいのか?」
あ~る「あい」
レミィ「じゃあそのうち頼むよ。しっかし将棋でも勝てないか、さすがに年の功かねぇ。こりゃもう私に勝ち目のありそうなゲームはないな。二人で麻雀ってのもちょっとアレだし」
あ~る「今日はそろそろ寝ませんか?もうこんな時間ですよ」
レミィ「おー・・・ん?そういや時間ってどうなってんだ?時計とか持ってないよな」
あ~る「腹時計ですね。おなかのすき具合で大体の時間を。あとは陽の浮き沈みで判断しています」
レミィ「なんでそこだけそんなに原始的なんだよ」
あ~る「長い間一人ですと、時間というものに対する興味が薄くなりまして、時計に使うエネルギーがもったいないということで時計を使わなくなってしまいました」
レミィ「そ、そうか・・・」
レミィ「(また地雷踏んじゃったよ・・・)」
レミィ「(・・・いや、こいつは飄々としてるのに、なんかアタシが勝手にこいつのことを可哀想だとか思っちまってるような・・・)」
レミィ「(・・・アタシは一体何様なんだよ・・・!)」
がしっ
レミィ「あ~る~」
あ~る「な、なんです?急に首なんかに抱きついて。関節技は痛いからやめてくださいよ?」
レミィ「お前痛みまで感じるのか?思いのほか高性能だな・・・」
あ~る「痛いことをされたら痛いに決まっているじゃないですか」
レミィ「なんだそりゃ、知識で知ってるだけじゃないのかそれ。まいいや、じゃあ仲良く一緒に寝ようぜあ~る」
あ~る「え~?一緒に寝るんですか?」
レミィ「ほんとは嬉しい癖に、嫌がるフリなんかやめろよ。アタシはけっこうお前のこと気に入ったからさ、好きなことしちゃってもいいんだぜ?」
あ~る「仕方ありませんね。では大人しく寝ましやうか」
レミィ「からかい外のない奴だなー」
あ~る「なんだか今日は、少し疲れました」
レミィ「あ、なんだよ。アタシがわずらわしいってか?」
あ~る「いいえ。とても久しぶりに、自然に笑うことが出来たような気がします。これはおそらくレミィのおかげですよ」
レミィ「・・・・・・・・・そうか。なら、良かったよ」
あ~る「おやすみなさい、レミィ」
レミィ「ああ、おやすみ、あ~る」
レミィ「(決めた。もう絶対こいつを一人になんてしないぜ)」
レミィ「(・・・しかし、なんか忘れてるような・・・)」
レミィ「(・・・あ、ワッハマン!)」
レミィ「(・・・・・・明日から本気出す)」
明日から本気出すということで、今回はここまでです
ちょっとだけ更新します
でこ「・・・もう始まってしまったのですね」
小夜子『なんてことなの。今の世界情勢で核なんか飛ばしたらどうなるかわからない訳が・・・!』
でこ「始まってしまったものは仕方ありませんわ」
あ~る「ええ、すぐにここにも被爆するでしょう。早く奥に逃げなくてはなりませんよ」
でこ「そうですわね。もう、他の誰かをここに収容している時間はありませんものね」
あ~る「・・・はい。ですからはやく、ここにいる皆さんだけでも」
でこ「わたくしとバーサーカー達は、その身をもって入り口を塞ぎますわ」
小夜子『何言ってんの!』
でこ「まだこのシェルターは未完成ですの。肝心の入り口付近の強度がわずかに不足していますわ。わたくしの計算が正しければ、ここにいるバーサーカー全機とわたくしが塞げば十分なものになるはずです」
あ~る「駄目ですよそんなの。みなさんで奥に逃げればきっと---」
でこ「シェルター内が汚染されれば、どの道全滅ですわ」
小夜子『あなた、本気なの?』
でこ「ええ。もちろん」
あ~る「し、しかしですね」
でこ「しかしもかかしもございませんわよ。この中で一番お強いのは間違いなくお兄様ですわ。一人になっても生きていけるようなしたたかさを持つのは、もうあなたぐらいなんですよ。そこのところを自覚なさってくださいな」
うひょひょ
もけけけけ
でこ「行きますわよ、バーサーカー達」
小夜子『・・・私は死んだ後もこうしてあ~るにつきまとってるけどさ、あなたたちは多分・・・』
でこ「やむを得ません。これが最善ですわ」
あ~る「でこさん!」
でこ「お兄様、わたくしも含めて、まだ生きていたいと願う者がたくさんいながら、あなただけが残されるのです。しっかりやるのですよ」
小夜子『でこ・・・』
でこ「小夜子さん。面倒事を押し付けてしまうようで申し訳ありませんが、愚兄のことを頼みます。いろいろと教育してやって下さいな」
うひょひょ
もけけけけ
あ~る「・・・・・・・・・はっ」
レミィ「・・・ん?ん、あぁ~~・・・どうした、もう朝か?」
あ~る「・・・ええ、そうですね。おはやうございます」
レミィ「おー、おはやう。けど、何かあったのか?飛び起きたりして」
あ~る「昔の夢を見ました」
レミィ「夢だ?ロボットのお前がか?冗談止せよ」
あ~る「ロボットではないんですよ」
レミィ「はいはい、アンドロイドだろ?」
あ~る「わかって頂けて嬉しいですね」
レミィ「どっちでもいいだろ。それより、自立思考回路が夢なんか見るかよ。ありえねー」
あ~る「んー・・・夢というのは僕が勝手に呼んでいるだけなのですが・・・」
レミィ「・・・よく見るのか?」
あ~る「そう高い頻度では・・・まあ、時々」
レミィ「どんなもんなんだ?」
あ~る「ええ。これは推察ですが、僕の記憶媒体にはまだまだ空き容量がございますが、とはいいましても有限です」
レミィ「そらな」
あ~る「そこで僕自身が忘れたくないと思っていることを、記憶媒体内で高い優先度をつけて忘れないようにするために、睡眠という自立思考回路緩行状態のなかで思い返すんですよ」
レミィ「ほー」
あ~る「そうすることで、大事な記憶とそうでない記憶にわけているんですね」
レミィ「特に忘れたくないことをはっきり思い返しちまう現象が"夢"ってわけか?」
あ~る「僕は便宜上そう呼んでいます」
レミィ「デフラグみたいなもんかね。やけにアナログなやりかただけど」
あ~る「何分古い機械ですからね」
レミィ「自虐すんなよ・・・で、今日のは楽しい夢だったのか?」
あ~る「いえ、とても悲しい夢でした」
レミィ「そ、そうか・・・じゃあ、もういっそ忘れようぜ」
あ~る「それはいけませんよ。悲しいことを全部覚えておいたほうが、楽しいことがより楽しくなるんです。昨日発覚しました」
レミィ「昨日・・・あ、それアタシのおかげだろ?ふふん」
あ~る「ええ。おそらくレミィのおかげですよ」
レミィ「・・・真顔で言うなよな。なんかすげー照れるだろ」
あ~る「・・・はあ、それにしても、考えごとをしたのでおなかがすきましたね」
レミィ「ま、真顔のまま言うなよな。今そういう空気じゃないだろ。とぼけた奴だな」
あ~る「いろいろと勉強する前は、四六時中とぼけたような奴でしたからねえ」
レミィ「自分で言うかそれ・・・さぞ周りの奴らは苦労しただろうなー・・・」
あ~る「でしょうねえ」
レミィ「だ、だから自分で・・・まいいや、飯だ飯」
あ~る「ええ。用意しますね」
レミィ「おーう。さて、飯食ったらどうやってワッハマン見つけるか、考えるかね」
短くて申し訳ないのですが、今回はここまでです。
この先どういう話にするか決めきれないので、まだ見てくれる方がいたらご協力願います。
①ワッハマンすぐ見つかる
②ワッハマンすぐには見つからない
③おとうさん「うふふふふ」 あ~る「あはははは」 ワッハマン「わはははは」
多い意見でのんびり続けていこうと思います。
うん3だな
つか1と2の選択肢の意味なくね?
③の前に②で二人の掛け合いをもう少しだけ見たい気もする
>>72
1や2ならさくっとスレ終わりにしようかなーというところでしたね
3を見たいと思ってくれる人がいるならのんびり頑張ろうというところです
>>73
話の中心は基本的に二人なので、あ~るの影が薄くならないように頑張ります
3が大多数ですね
寝る時間まで更新します
:::【研究室】:::
レミィ「闇雲に探してたんじゃ、ラチあかないよなあ」
あ~る「地球上が殺風景になった分探しやすいとは思いますよ」
レミィ「そりゃ確かにそうだがな、それにしたって探す範囲が広すぎる」
あ~る「地球のどこかですからねえ」
レミィ「そういや、今の地形がどうなってるかってわかったりしないのか?」
あ~る「地球の全貌となると、どうにもですねえ。陸の形が以前と異なってはいそうですが」
レミィ「うーん。せめて地上にいるのか水中にいるのかだけでもわかりゃ、ちょっとは探しやすいんだがなあ」
あ~る「しかし、おそらく海や池、湖などの水溜りは、ほぼ全域に渡って放射能汚染されきっていると思われますよ。陸の放射能は年月をかけて少しずつ流れていっていますが、結果それがたまっていくのが水場ですので」
レミィ「あいつにとっちゃ浄水も汚染水も一緒だよ。暇潰しにひたすら泳いでるかもしれんし、ボーっと地上にいるかもしれん」
あ~る「ふむ。仮に闇雲に探すとなると、どうします?」
レミィ「あ~るが地上、アタシが水中をひたすらってとこかな。気が遠くなりそうな話だけど」
あ~る「う~む」
レミィ「そういや、シェルター外であ~るが活動し続けられる時間ってどんなもんなの?」
あ~る「現在用意出来る最も良い装備一式で16時間ですね。探索ですと往復になりますので、片道8時間、時速300km×8の半径2400km圏内が、一応の探索可能範囲です。もっとも、実際にはその範囲内にも海などがございますので、その数字よりは格段に狭くなってしまうのですが」
レミィ「めちゃくちゃ狭いなあ」
あ~る「僕自身はともかく、それ以上の探索には轟天号が耐えられないのですよ」
レミィ「轟天号ってお前また大層なネーミングだな。戦艦、なわけないわな、あの自転車のことか」
あ~る「あい」
レミィ「ふーん・・・どうしたもんかねぇ」
あ~る「例えばの話ですが、このシェルター施設を丸ごと移動要塞にでもしてみますか?」
レミィ「無茶苦茶言うなよな。そんなもん電気が足りるわけないだろ」
あ~る「太陽光発電ではもちろん賄えませんので、当然何らかのエネルギー確保手段も考慮する必要がありますね」
レミィ「それでも闇雲に探すよりゃ、活動範囲広げるってほうがまだ現実的かもしれないってこと?」
あ~る「地球の表面積は5億平方キロメートル以上ありまして、かつそのほとんどが海で構成されています。つまり、水中までもが探索範囲となると、その数字ですら比較にならないわけですね」
レミィ「そう言われると絶望的な気がしてきた」
あ~る「平面的に考えましても、一辺7万キロメートルの正方形より広い範囲ですよ」
レミィ「具体的な数字をあげるのはやめてくれ。頭がおかしくなる」
あ~る「正方形ならまだマシですよ。望遠手段さえあれば端から端が見渡せますからね」
レミィ「うへ~・・・駄目だ。頭使うのはお前に任せたわ。とりあえず私は闇雲に探してみるよ。元々はそのつもりだったしね」
あ~る「あい」
:::【開発室】:::
あ~る「さて、レミィが探索に向かってしまったので、ワッハマンさん探しに有効なものの開発に取り掛かろうと思います」
あ~る「とりあえず望遠とワッハマンさん識別機能を備えた監視カメラですかね。温室の管理等の上に取り付けておけば、地平線の果てまでは見渡せると思われます」
あ~る「・・・・・・・・・う~む」
あ~る「ワッハマンさんの見た目がわかりませんねえ」
半日後
:::【開発室】:::
レミィ「ただいまー・・・っと」
あ~る「おかえりなさい。どうでした?」
レミィ「ああ、それがさ・・・」
ワッハマン「」
あ~る「・・・ややっ」
ワッハマン「」
あ~る「やややっ」
ワッハマン「わははははは」
あ~る「あははははは」
ワッハマン「わはははは」
あ~る「あはははは」
レミィ「・・・おーい、正気に戻れ」
あ~る「負けない」
レミィ「いや何がだよ」
ワッハマン「」
あ~る「これはこれはどうもご丁寧に、やはりあなたがワッハマンさんでしたか。僕はR・田中一郎と申します」
ワッハマン「」
あ~る「ええ、こちらこそよろしくお願いします」
レミィ「いきなり意気投合してるな」
あ~る「ワッハマンさんとは何故か波長が合います」
ワッハマン「」
レミィ「そりゃ何よりだ」
ワッハマン「」
あ~る「いえ、僕はロボットじゃないんですよ」
ワッハマン「」
あ~る「アンドロイドなんです」
ワッハマン「」
あ~る「一緒じゃないんですよこれが」
レミィ「特殊な読解技術が必要な会話をするなよな」
あ~る「しかし読者のレベルが高いので伝わると思いますよ」
レミィ「メタい発言は控えなさい」
あ~る「"あ~る"はそういう作風ですから」
レミィ「"アタシら"は違うんだよ」
ワッハマン「?」
レミィ「しっかし、まさかいきなり見つかるとはね」
あ~る「作りかけの監視カメラが無駄になってしまいましたね。まあ、喜ばしいことですが」
ワッハマン「」
あ~る「これからどうするのか・・・ですか?僕は特に今までと変わりませんねえ」
レミィ「まあこれといってやることはないよな」
あ~る「一応、シェルター外に自然な命が育まれ始めるのを見たいとは思っていますよ」
ワッハマン「」
レミィ「海の深いとこにはわけのわかんない生き物がたくさんいたって?まあ水分と酸素が十分ありゃ何かしら生まれるってことか・・・しかし、汚染されきった環境で生まれたようなモンスター共が、果たして自然な命と呼べるもんかね・・・」
あ~る「まあ、とりあえずお二人ともここでゆっくりしていってくださいな。何もないところですが、ご飯ぐらいはお出ししますので」
レミィ「あ、お前なんだよその他人行儀な言い方。アタシはもうすっかり、ここの住人気分だったんだぞ」
あ~る「もちろんですよ。僕もレミィがいないと寂しいですから」
レミィ「わ、わかってりゃ別にいいけどよ///」
ワッハマン「」
レミィ「え?なんか居辛いって?そう変な気使うなよ、しばらくはダラダラしようぜ。積もる話も、あいつらからの伝言もたくさんあるしな」
ワッハマン「」
あ~る「とりあえず、ご飯にでもしませう。二人ともお腹をすかせていると思いますから」
ワッハマン「」
レミィ「さっきも思ったけど、ご飯があるのかって?まあそりゃそう思うよな。あるぜ、ただし、ご飯だけならな」
六年後
:::【惑星アニカ・円盤】:::
おかあさん「な、何だって?そりゃ確かなのかい?」
おタケさん『ああ。残念ながらね・・・コロナちゃんの出身惑星はもう・・・』
おかあさん「・・・でも、それじゃコロナが乗っていた船は?」
おタケさん『どうも、地球が滅ぶ前、もう千年だか二千年だか前らしいけど、その頃に地球を出て、船も世代も住む星も変えながら宇宙を転々としていた、地球人の生き残りの船だったみたいだよ』
おかあさん「・・・そうかい。わかった、まずは考える時間をおくれ。これからどうするか」
おタケさん『待ちな。話は最後まで聞くもんだよ』
おかあさん「なんだい?」
おタケさん『地球自体はもう荒廃しきっていて、これから元に戻るのにどれだけの月日がかかるのかわからない。ただ、どうも生存者がいるみたいだよ』
おかあさん「ほ、本当かい!?」
おタケさん『たった三人だけどね』
おかあさん「さ、三人・・・」
おタケさん『どうする?』
おかあさん「・・・・・・会いに行きたいね。そんで、話をしてみたいよ」
おタケさん『あいよ』
おかあさん「悪いけど、手配を頼めるかい?」
おタケさん『そう言うと思ってたから、いつでもいけるよ』
おかあさん「そうかい。助かるよ」
おかあさん「(・・・コロナ・・・)」
:::【地球・卓上遊戯室】:::
ジャラジャラ
レミィ「やっぱ三麻じゃ、どうもイマイチだよなー。AIなんか混ぜても味気ないし」
ワッハマン「」
レミィ「それだよそれ。他の遊びじゃあ~るの相手にもなれねーんだよな。つーか、アタシはともかくお前は年長者だろ?もっと食いつけよ」
ワッハマン「」
レミィ「殴り合いならってあのなあ。お前の頭は筋肉か何かで出来てるのか?」
あ~る「あと一人いれば良いんですけどねえ」
レミィ「だよな。バカ親父でも生きてりゃなー」
ワッハマン「」
レミィ「・・・お前が謝るようなことじゃねえだろ、あいつは死にたがってたんだ」
おとうさん「うふふふふ」
レミィ「・・・・・・えっ」
ワッハマン「」
あ~る「?」
おとうさん「おとうさん つよい」
あ~る「・・・・・・強いんですか?それは調度良いですね。レミィ、これで四人で麻雀が出来ますよ」
ワッハマン「」
あ~る「ええ、良かったですね」
レミィ「・・・・・・良かった良かったじゃねーだろ!誰だよあんた!一体どっから入ったんだ!?つーか何者だよ!?」
あ~る「言われてみればそうですねえ」
ワッハマン「」
レミィ「そしてなんでお前等はそんなにのん気なんだよ・・・」
おとうさん「うふふふふ」
レミィ「お、おーい、アンタ一体何なの?言葉わかるか?」
おとうさん「うふふふふ」
あ~る「こ、これは」
ワッハマン「」
あ~る「ええ、これは我々に対する挑戦ですよ」
レミィ「は?」
おとうさん「うふふふふ」
あ~る「あはははは」
ワッハマン「わはははは」
レミィ「お前等うるさいよ。話が進まないだろ」
あ~る「負けない」
ワッハマン「」
レミィ「いや負けないじゃなくてさ、ちょっと静かにしてなさい」
あ~る「あい」
ワッハマン「」
おかあさん「・・・全く、やっぱり宿六なんか連れてくるんじゃなかったかね。すいませんねえ皆さん」
レミィ「おいおい今度はネズミの化け物かよ・・・しかも喋ってるぞ。どうするよ」
あ~る「まあ、賑やかなのは良いことだと思いますよ」
レミィ「そっか。まあ、お前が良いなら良いか。それで、あんたら一体何?」
おかあさん「話せば長くなるのですが・・・」
おとうさん「聞くも涙語るも涙」
おかあさん「おまえさんは黙ってな」
おとうさん「げしょ」
おかあさん「私達二人には娘がいるんです」
レミィ「お、おう。そうか(突っ込みてー。旦那どう見ても生物じゃないだろ。つーかいきなり何の話だよ)」
あ~る「なるほど」
ワッハマン「」
レミィ「(納得するとこじゃねえだろ)」
おかあさん「娘の名はコロナといいまして、可愛い女の子なんですよ」
おとうさん「ちなみに、似ている」
あ~る「似ているんですか?」
おとうさん「似ている」
レミィ「・・・何と?」
おとうさん「似ている」ずいっ」
レミィ「迫るな、近い近い」
がっ
おかあさん「話の邪魔するんじゃないよ」
おとうさん「げしょ」
あ~る「いつの世も、おとうさんは大変ですよねえ」
ワッハマン「」
おかあさん「あのー・・・」
レミィ「ああ、そいつらは良いよ。話が進まないからアタシが聞いとくよ」
おかあさん「はあ」
レミィ「そんで、その娘さんがどうしたっての?」
おかあさん「はい、娘といいましても義理の娘なのですが」
レミィ「(そりゃそうだろ)」
おかあさん「約六年前、私達が乗っていた宇宙船と、未知の文明の宇宙船との接触事故がありました」
レミィ「ちょ、ちょっと待った!宇宙船って、宇宙船!?」
おかあさん「あ、ああ申し遅れました。私はあなたがたから見たら、いわゆる宇宙人というやつです」
あ~る「やあ、これは珍しいですね。宇宙人の人ですか」
レミィ「珍しいとかで済ませようとするんじゃない」
ワッハマン「」
レミィ「え?形は違うけど、宇宙人になら会ったことあるって?」
ワッハマン「」
あ~る「僕ははじめてお会いしましたよ」
レミィ「おう、アタシもだ。どれぐらい遠くの星から来たんだ?」
おかあさん「ここから約XXXX兆光年ほど離れたところから」
レミィ「・・・・・・」
ワッハマン「」
あ~る「それはそれは、遠いところから大変でしたね」
レミィ「いや遠いところっつーかお前、言葉が出なかったぞ。本当かよ」
ワッハマン「」
レミィ「ああ、事実ならとんでもねえことだ」
おかあさん「あの、話を進めても?」
レミィ「ご、ごめん。あんまり突拍子も無い話だったから・・・ん、進めてくれ」
おとうさん「聞くも涙語るも涙」
おかあさん「あ、あんたねえ」
レミィ「・・・案外真面目に話す気なんじゃないのか?」
おかあさん「・・・おら、そう言ってくれてんだ。ちゃんと話してみな」
おとうさん「・・・・・・・・・・・・(汗」
ワッハマン「」
おとうさん「・・・昔々あるところにおじいさんとおばあさんが」
どがっ
おかあさん「昔話をしてどうしようってんだよ」
おとうさん「げしょ」
レミィ「とぼけた旦那さんだなー」
あ~る「困った方ですねえ」
レミィ「お前が言うな」
ワッハマン「」
おかあさん「え?そろそろ話を進めようって?」
レミィ「そうだな」
おかあさん「あ、はい。接触事故を起こした相手の宇宙船は、とある星に墜落しまして」
レミィ「うげ、いきなり重い話だな」
おかあさん「ええ。乗組員はほぼ全滅でした。当時の銀河系内でも交流の無い文化体系の船だったということで、私達にはお咎めなしだったのですが」
レミィ「・・・ん?ほぼ全滅ってことは、生き残りがいたのか?」
おかあさん「はい。当時まだ赤ちゃんだった子が・・・」
レミィ「・・・!」
ワッハマン「」
レミィ「まさか、それがさっき言ってた」
おかあさん「はい、私達の義理の娘です」
レミィ「うわ・・・」
あ~る「ふむ」
おかあさん「娘ももう六歳になりまして、いつかはどこの星かもわからない故郷の星に、立派な子として返すべく、今まで精一杯育ててきました」
あ~る「・・・」
おかあさん「幸か不幸か、墜落した宇宙船から得た情報を参考にして、故郷の星と似たような環境を再現しつつ育ててくることが出来ていました」
レミィ「なるほど。故郷の星で育つような子と同じように育てようとしてきたわけか」
あ~る「ですね」
おかあさん「ええ・・・そしてつい先日、娘の故郷が実はこの星であることがわかったのです」
あ~る「?」
レミィ「え?」
ワッハマン「」
あ~る「ですよねえ。ご覧のとおり、今の地球は荒廃しきっていますよ。何かの間違いではないかと」
おかあさん「いえ、接触事故を起こした船は、今から二千年以上前に地球から旅立った集団の一部の方々の船だったみたいで」
レミィ「地球がこうなる前に宇宙に出た連中がいたってことか・・・あ~る、何か知ってるか?」
あ~る「少なくとも僕は存じませんが、僕が知らないだけですので、ありえないお話とも言い切れませんね。当時はいつ核戦争がはじまるかという日々が続いていましたから。とりあえず宇宙に逃げようとした方々がいらっしゃったのかもしれません」
レミィ「なるほど。それで結局地球にゃ戻れなくなってそのままどっかに・・・ってことか。で、そいつらの子孫が」
あ~る「ええ、お二人の今の娘さんなのですね
おかあさん「はい」
あ~る「それで、どうなさるのですか?わざわざここまでいらしたということは、我々に何か要求があるのでは?」
レミィ「・・・・・・」
あ~る「なんですか?目を丸くして」
レミィ「・・・お前が真面目なこと言うとなんか違和感があるんだよな」
あ~る「ひどい言われようですね」
レミィ「ごめん、まあ言ってることは最もだよ。そんで、私達にどうしろっての?」
おかあさん「まずは、今まだ地球にいる方々にお会いしてお話してみたいと思って参りました。私達は、いつ故郷に返してもいいようにと娘を育ててきたつもりです。ですが」
レミィ「あー・・・とうの故郷がこの有様ってわけね」
あ~る「こんなところに返されても、娘さんが不憫ですよ」
ワッハマン「」
レミィ「だな」
ワッハマン「」
レミィ「そういやそうだな。どこで育ててんだ?」
おかあさん「娘は、接触事故を起こした船が墜落した星で育てています。惑星アニカというところです」
レミィ「ってことは、少なくとも地球人が生息出来る環境の星だったってことか」
あ~る「・・・」
ワッハマン「」
あ~る「ワッハマンさん・・・」
ワッハマン「」
おかあさん「来てみたいと、言ってくれるんですか」
ワッハマン「」
レミィ「そうだな、確かに会ってみたいよな。あ~る、お前はどうだ?私はお前達に任せるぜ」
あ~る「・・・娘さんは、お二人で育てていらっしゃるのですか?」
おかあさん「いえ、私達は元は劇団を開いて宇宙を旅しておりまして、劇団員や私の昔の知り合い達、あとは惑星の原住民皆でという感じです」
ワッハマン「」
あ~る「ええ、良い人達ですね」
おかあさん「皆、気の良い奴等ですよ。ちょっと変な奴が多いかもしれませんが」
あ~る「・・・お二人は、娘さんをいつ返しても良いように育ててきたとおっしゃっていましたね?」
おかあさん「・・・・・・は、はい」
おとうさん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ずいっ
おかあさん「ちょ、ちょっとおまえさん。どうしたんだい?」
あ~る「何か?」
おとうさん「ずっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一緒」
おかあさん「おまえさん・・・!」
あ~る「そうですか」
おかあさん「ず、ずっと一緒ってわけにはいかないよ。いつかは自立して欲しいし、いつかは嫁にだって出すかもしれない。でも、おまえさんがそう言ってくれて、なんだかあたしゃ嬉しいよ」
おとうさん「・・・・・・泣いている」
おかあさん「ば、ばか言ってんじゃないよ!あたしゃ泣いてなんかないよ!」
あ~る「ふむ。こう言ってしまってはなんですが、おそらく家族というやつに血のつながりというものは不要なのです。お二人はもう、娘さんの本当の家族なんです」
おかあさん「本当の、家族」
おとうさん「・・・・・・宇宙家族」
あ~る「ああ、それですね。宇宙家族」
レミィ「(このおっさん阿呆なのか韜晦してるだけなのかわからん奴だなー)」
あ~る「(韜晦:1.自分の本心や才能・地位などをつつみ隠すこと。 2.身を隠すこと。姿をくらますこと。)」
レミィ「(今そういうのいいから!つーか心の声に紛れ込んでくるんじゃない!)」
あ~る「(あい)」
ワッハマン「」
レミィ「(・・・ま、こいつらと似たようなもんか)」クス
あ~る「ものは相談ですが、これからも、今までのように娘さんを育て続けるおつもりはございますか?」
おかあさん「あたしゃもうそのつもりですよ。本当言うと、どうしようか悩んでいましたけど、うちの宿六の一言で目が覚めました。あたしたちゃ家族だ」
あ~る「ふむ。さてレミィ、例えば僕とレミィは家族と言ってしまってもよいのでせうか?」
レミィ「なな、なんだよいきなり・・・!・・・お、お前がそのつもりなら、まあ、いいんじゃないのか?」
あ~る「そうですか。それは良かった」
レミィ「ぐっ・・・///」
ワッハマン「」
あ~る「ええ、もちろんワッハマンさんも、僕のお兄さんのようなものですね」
ワッハマン「」
あ~る「奥さん、このようにですね、家族になるということは難しいことではございません」
おかあさん「は、はあ」
あ~る「僕が思うに、ご両親をはじめとした、娘さんを育ててきた皆さんが全員で一つの家族なのですよ」
おかあさん「あいつらも・・・」
レミィ「確かにそうかもな。実際、皆で子育てしてきたんだろ?」
おかあさん「はい」
ワッハマン「」
あ~る「ええ、僕も言おうと思っていました。僕達もその中に混ざってみてはどうでせうか」
レミィ「!」
ワッハマン「」
あ~る「あい。少なくとも娘さんが大人になって、自分の生い立ちの真実を受け入れられるようになるまでは・・・の話ですが」
おかあさん「・・・皆さん」
レミィ「私達も子育てに協力ってことか。まあ確かに、地球人らしく育てたいってことなら、そこらへんの宇宙人よりはそれっぽいことが出来るかもな」
ワッハマン「」
あ~る「あ、賛成してくれます?同じ意見で嬉しいですね。レミィはどうですか?」
レミィ「だから言ってんだろ?アタシはお前達に任せるよ。何があってもついてくぜ」
ワッハマン「」
あ~る「あい、決まりですね。というわけでして、お願い出来ますか?奥さん」
おかあさん「は、はい・・・ありがとうございます・・・!」
おとうさん「うふふ」
おかあさん「よく大人しくしてたね。お陰で話が進んだよ」
おとうさん「感謝」
ガシャン!!
レミィ「・・・無茶苦茶な変形しやがる。明らかに質量増えてねえか?」
ワッハマン「」
あ~る「お前が言うな・・・って、レミィも変形出来るんですか?」
レミィ「まあね。こんなに派手じゃないけど」
おかあさん「あんたどうしたんだい?いきなり。迷惑だから引っ込めな」
おとうさん「おとうさん・・・本気」
ゴゴゴゴゴ
おかあさん「あっ、オイ!」
バシュンッ
:::【惑星アニカ】:::
ズズン-----!
おとうさん「うふ」
おかあさん「あんた一体何やったんだい!」
おとうさん「お・・・お引越し」
あ~る「な、何が起きたんですかね?」
レミィ「わからん・・・」
ワッハマン「」
レミィ「何?外が綺麗・・・?・・・っておい、まさか!」
おかあさん「うわーーーーー!!!アニカに来ちまってるじゃないか!ちょっとおまえさん!」
おとうさん「お・・・お引越し」
おかあさん「こ、こいつ・・・!」
レミィ「すげー・・・」
あ~る「やあ、これはありがたいですねえ。このシェルターごと来られるのは嬉しいお話ですよ」
レミィ「そうね。しかし途方もないパワーだな。施設丸ごと空間転移とかありえるのかよ」
ワッハマン「」
レミィ「負けないじゃねーよ。危ないから無闇にレベル4になろうとするんじゃない。お前と旦那さんがやりあったら周りが消し飛ぶだろ」
あ~る「これに勝つのは骨が折れそうですねえ」
おとうさん「うふ」
レミィ「アンタもこんなのと競おうとしてんじゃない」
ワッハマン「」
あ~る「確かに、空間ごと転移したのであれば周囲の放射能はどうなっているんですかね?シェルターの外周はまだ汚染されていたはずですが」
おとうさん「・・・大丈夫」
レミィ「本当かよ。器用なおっさん---」
おとうさん「・・・・・・放射能は体にいい」
レミィ&おかあさん「んなわけあるか!」
げしっ
おかあさん「さっさと除去してきな」
おとうさん「げしょ」
おかあさん「おタケ達を地球軌道に置いてきちまっただろうし、全くもう・・・」
レミィ「とんでもねえ親父だ・・・」
ワッハマン「」
あ~る「そうですねえ。お連れの方がいらっしゃったんですか?」
おかあさん「そうなんですよ。急いであいつらと連絡取らなきゃ」
おとうさん「・・・ただいま」
おかあさん「・・・えらく早いね、ちゃんとしてきたんだろうね?」
おとうさん「・・・・・・・・・大丈夫」
おかあさん「時間がないから信用したげるよ。皆さん、すいませんけど私はすぐウチに戻って連れと連絡つけなきゃ」
レミィ「おー、そりゃ早いほうがいいよ」
おかあさん「おまえさん、私は一旦戻るから、くれぐれも迷惑かけないように・・・」
おとうさん「・・・」
おかあさん「・・・迷惑かけるんじゃないよ」
おとうさん「・・・大丈夫」
おかあさん「何もするんじゃないよ?っておいコラ、耳を塞ぐんじゃない!」
レミィ「なあ、アタシ達はどうすればいい?」
おかあさん「すぐウチから使いの者を寄越しますから、ちょっとだけ待っていてくださいな」
レミィ「あいよ。じゃあ暇潰しでもしとくか」
あ~る「あい」
ワッハマン「」
おとうさん「・・・・・・・・・」
パチッ
おとうさん「王手」
あ~る「ふむ。これは困りましたねえ」
レミィ「一応聞いてやるよ。何に困ってんだ?」
あ~る「ええ、王手されてしまったんですよ」
レミィ「・・・・・・・・・麻雀でか?」
あ~る「・・・・・・・・・はっ」
おとうさん「・・・・・・・・・」
レミィ「やっぱりこのおっさんもちょっと尋常じゃないな」
ワッハマン「」
レミィ「お前もだよ」
あ~る「あっはっは」
レミィ「何自分は大丈夫みたいな顔してんだ?」
あ~る「・・・・・・もしかして僕もですか?」
レミィ「言う必要があるか?」
あ~る「ありませんね」
レミィ「よろしい」
キリが良いので寝ます
次回は多分美唄町をぶらぶらします
更新頻度が低くてすいません
おつ
チカちゃんとかタイタンパも期待してよかですか
r-、
ヽ \_ _,. - 'フ
\ `ー-- 、 _,. '´ _, - '´
` ー- 、 `丶、 _ ,. -──--- 、 ___ ,. '´ ,. '´
`丶、 \ __/_ l -─-ゝ / _  ̄ ̄`ー-、__ _,. '´ ,. '´
\: \ / / ノ´ ̄__ `ヽハ 、 >-⌒ヽ \`ヽ、 _/ /
\ \ ノ / ー-'´  ̄ヽ j i ┐ -' _/ ,/
,.ヘ \,.┴ --‐┴ 、 、/ _, ⊥.._ `7´ -'´ /、
,r' >-ヘ j / __∠- ' j l _ \ /、 .」
〃 / / / レ' `ー ´ヽ iヽ  ̄ `ー j ヽ」 \
/ / ン'´/ l ヽ ヽ--─ 、j/ \,. -  ̄ ̄ ヽ ヽ__ j l
/// / / ヽ ゝ 、 !i\_,..--┘ ー-'^ ー-- ┴ 、 l 「 〕
」j ,ィ___/ / ̄ / へ--、 | __ __ j >、 j Y.」
j L イ | - '\ /、 `ヽ / ヽ '´ / く \ i l |
/ ( /─'´ l、 、 ´  ̄ ヽ | / \_...-┴、 7´ j Y j |
l、_レ' 、  ̄ ー< `ー-( ヽ--┴ィ'´7 __/ | ´ ,r' j 〔 |
} ` ー- _,.- ' ヽ ` - ,/ / 「i 、_/ / \ ⌒ ー─' / ヽ |
>-'⌒ヽ、___ l 、 -ュ、_ヽ / ̄ ィ、__|、__j / ,.ィ--く ノ _∠  ̄⌒ヽ
/ 、 ト / ̄` < l.\ \/`ヽ 7 ( 〃 ノ__ / ヽ 丶 i ヽ
| l | `ヽイ´ __ f、ニ、ト、 \j r、 V-'´  ̄`ヽ/ ̄ ̄ `> 7 l | |、 j
j へ >‐ アノ / ヘ ` \ コl、 | ノ ,.--、 ヽ _,〃 ̄ ノ l l l / ̄.∧
| j〃 ̄ヽ┤ r ユ」 ヽ 二ゝ| |イ くミ 、 ト、. i | ⌒く \ヽ ヽ i |
j / l / 7 /、 /ィ'7フ | |´ ヾミ\j j l  ̄ 7 \_ ヽ Y´ j
| Yヘ _ |  ̄l/,イ/ / ,ィLノヾ ij iソ / ̄ミヽ、 >  ̄ ⌒「 / ノ
`|ヽ/ 〕'´、 ,ノ、._ //ニ / //ノ i ヾ /j 7 ,/ヽ二 ー--、く、 _ ヽi_/ |
| l / r-イ i // 7 //ィ | ヽ l { i ヽ.ノヽ \` ー─r' 7 / ヽj |
ヽ ゝ /ヽ\/_ -イ ! Vハl | :: i ijへ ヽi.\ ヽ___ゝ ヽ、 j_ィ'
r | ,.-' \ _∠--、i/∧. lミリ | :: | | i i yiへ \ __ンー─- ' /
\ _ -- ,r イ 」 | j V j :: i | L,<| |<==へ_ゝ、__く / /
`ー-ァ-┬7 7二 彳l彡.」 ,':. :: イ j Y ) 「\ニ -┴=三シヨ-r-‐'´
jレ' Y/レ'∠三ヽj 」´ /.: :: /、 i/ヘ 」 rノ「`rゝrへ\iンシ
無理だと分かってても鳥坂先輩ここに放り込んでみたい
こんな面白いSSを今まで見逃してた。
とんでもない不覚。
>>107 そ、そのうち・・・
>>111-115 人気に応えてターくん出しますね
>>116 出だしがそもそもしばらく続けることを考えてなかったので・・・話の都合上無理ですが、あ~るのキャラも出したかったですね
>>118 励みになります
更新します
ターくん「ごめんくださーい」
ターくん「すいませーん」
ターくん「・・・まいったなー、どうすればいいんだ?玄関はここだよな」
プシュー
ターくん「あ、開い・・・」
ワッハマン「」
げしっ
ターくん「!?」
ワッハマン「わはははは」
げしげしっ
レミィ「おい、騒がしいぞ。なんだったんだ?」
ターくん「な、なんで?」
ワッハマン「」
レミィ「何?危険そうなエイリアンがきたから退治してる?」
ターくん「ど・・・どうもはじめまして」
レミィ「お、おおう・・・確かに危険そうなエイリアンだ」
ターくん「ひ、ひどい」
レミィ「けど宇宙人を見た目で判断しちゃ失礼だろ。さっきの奥さんだって、外見だけなら危険そうなエイリアンに見えんこともないぞ」
あ~る「その言い草のほうが失礼じゃありません?」
レミィ「あー・・・奥さんには内緒な」
あ~る「あい」
おとうさん「・・・・・・」
ターくん「あ、旦那」
おとうさん「・・・・・・負けない」
ターくん「え?何が」
げしっげしっ
ターくん「ぐおっ!?」
レミィ「ちょっとちょっとおっさん。知り合いかなんかじゃないの?」
おとうさん「・・・うちのペット」
レミィ「おいおい殴っちゃ駄目だろ。つーかペット?これが~?」
あ~る「ペットですか?いつもラッパと混同するんですよね」
レミィ「・・・・・・トランペットか」
さっ
あ~る「ウシ君とカエル君ですね」
レミィ「いつ作ったんだよそのぬいぐるみ。そりゃパペットマペットだ」
カエル君「私~は~トッペ~マ~あなたのしもべ~」
レミィ「・・・なんだっけそれ」
ウシ君「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険に出てきたトッペマ・マペットですね」
レミィ「また古いなぁ。つーか自分で解説するぐらいなら言うなよ」
あ~る「まだカーペットや、ピノキオさんをお作りになられた時計職人さんが控えているのですが」
レミィ「はいはいゼペットさんね」
あ~る「そうやってちゃんと答えてくれるところが素敵ですよレミィ」
レミィ「・・・!・・・ぶっとばすぞ」
ターくん「あ、あのー・・・」
レミィ「あ、ごめん、忘れてたわ」
あ~る「大丈夫ですか?お手をお貸ししませう」
ターくん「あ、はい。すいません。なんとか」
レミィ「ほらアンタ達、謝りなさい」
ワッハマン「」
おとうさん「げしょ」
ターくん「もう勘弁してくださいよ」
ワッハマン「」
レミィ「それにしてもお前本当に気持ち悪いな~・・・一体何考えてそんな見た目になったんだよ」
ターくん「ひ、ひどい・・・」
あ~る「面と向かって言っては失礼ですよレミィ。ところで、どうしてそのように気持ち悪いのですか?」
レミィ「お前が一番失礼だよ」
ターくん「はは・・・」
レミィ「ま、いいや。で、名前はなんてーの?」
おとうさん「リスのターくん」
あ~る「なるほど、理栖野田亜君ですね」
ワッハマン「」
レミィ「だな、無理があるぞ」
ターくん「僕は一家のペットのリスで、名前はターといいます。ターくんと呼んでください」
レミィ「作戦ターイム」
ワッハマン「」
レミィ「はい、お前等集合。円陣を組め」
ワッハマン「」
あ~る「あい」
おとうさん「・・・・・・」
レミィ「・・・旦那は来なくて良いの」
おとうさん「げしょ」
ターくん「?」
レミィ(小声)「なあ、リスってあんなだっけ?」
ワッハマン(小声)「」
レミィ(小声)「だよなあ。はっきりとは覚えてないけど、多分違うよな」
あ~る(そもそもあのような生物は存じませんね)「小声」
レミィ(小声)「おい、小声と台詞が逆だぞ」
あ~る(そうですか?あ~、あ~、これでどうですか?)「小声」
レミィ(小声)「・・・お前わざとやってるだろ」
あ~る(そうだよ)「小声」
レミィ(小声)「お前が楽しそうで何よりだよ」
ワッハマン()「小声」
レミィ(小声)「こらこら真似しないの」
ワッハマン(小声)「」
レミィ(小声)「うーんどうすっかなあ。まーよく覚えてないし、あれはリスということにするぞ。いいかお前等」
ワッハマン(小声)「」
あ~る(あい)「小声」
レミィ「おう、確かにリスだ」
あ~る(ええ、リス以外の何者でもありませんね)「」
ターくん「!?」
レミィ「いい加減にしなさい。ターくんがびっくりしてるだろ」
あ~る「あい」
ワッハマン「」
ターくん「は、はい。えー、それでですね、姐さんに言われて皆さんに町を案内しにきました」
レミィ「そっか、町かー」
あ~る「オラわくわくしてきたぞ」
レミィ「やめなさい」
ワッハマン「」
レミィ「お前はいきなり食い物の話かよ」
ターくん「あー、お店は大したものはないんですよね。とりあえず行きましょうか」
おとうさん(・・・・・・・・・・・・)「小声」
レミィ「・・・」
おとうさん「・・・・・・」
あ~る「・・・・・・」
おとうさん(・・・・・・・・・・・・)「小声」
レミィ「わ、わかった!なんかよくわからんけど、わかったから!」
あ~る(負けない)「」
ワッハマン()「」
レミィ「置いてくぞお前等」
ワッハマン「」
あ~る「それは困りますね」
レミィ「わかったら行くよ」
あ~る「あい」
ワッハマン「」
ターくん「(なんだかすごい人達がきたなあ・・・)」
:::【雑貨店】:::
ターくん「ここは雑貨屋ですね」
アンディ「ドウモハジメマシテ。ザチョウカラハナシハウカガッテオリマス。ワタシハアンディトイイマス」
あ~る「これはこれはご丁寧にどうも。僕はR・田中一郎と申します」
ワッハマン「」
レミィ「ハンババだ。レミィと呼んでくれ」
アンディ「エー・・・ハイ」
あ~る「ハンババだったんですか?」
レミィ「そうだよ」
あ~る「どうしてハンババがレミィになるんですか?」
レミィ「ハンババだと可愛くないだろ」
あ~る「なるほど?」
ワッハマン「」
あ~る「?」
アンディ「アノー・・・」
レミィ「おっとすまんな、こっちの話だ」
アンディ「ソウデスカ」
ターくん「アンディは、例の宇宙船から得たデータで地球の風習をいろいろと再現しているんですよ」
アンディ「カンゼンニホウカイシタウチュウセンカラノデータサイシュウデスノデ、イロイロトワカラヌコトヤデータバケガアリマスケドネ」
あ~る「ふむ。たとえばどのような物を再現したのですか?」
アンディ「サイキンサイゲンシタノハ、ケイタイデンワトイウモノデス」
レミィ「携帯か」
ワッハマン「」
アンディ「イマコドモタチニダイニンキナンデスヨ」
ターくん「僕も持ってますよ」ごそごそ
ターくん「ほら」
レミィ「・・・」
ワッハマン「」
ターくん「けっこう便利なんですよ」
あ~る「やあ、随分大きな携帯電話ですね」
レミィ「大きなっつーか、大きすぎじゃね?つーかどっから出したんだ・・・?」
ワッハマン「」
アンディ「オオキイデスカ?イチオウシリョウカラノサイゲントイウコトデ、ワザトオオキクツクッテアルノデスガ」
レミィ「これ電波はどうやって管理してるんだ?どっかに電波塔でも立ってるのか?」
アンディ「イエイエ、デンパノソウジュシンガカノウデスノデ、デンパバイタイハヒツヨウトシテイマセン」
あ~る「?」
ターくん「この携帯は最新型でして、このバンドスイッチで周波数を切り替えて通信できるんですよ。それにより、いろんな機種との通信が可能なんです。最大通信距離もなんと800メートル」
レミィ「それ携帯電話っつーかトランシーバーだろ。つーか800メートルってお前・・・」
アンディ「エ?」
レミィ「・・・一体何をどう参考にしたんだか。こりゃ思った以上に地球の風習なんてものとは程遠いかもな」
ワッハマン「」
レミィ「おう。アタシ達三人がしっかりしなきゃ」
ぱちんっ
あ~る「王手」
おとうさん「あう」
レミィ「・・・アタシ達二人がしっかりしなきゃな。いきなり何してんだあいつら」
ワッハマン「」
パーカー「・・・・・・」
ワッハマン「」
パーカー「・・・・・・・・・」
ワッハマン「」
レミィ「・・・アタシがしっかりしなきゃならんらしい。つーかなんだよあの変な生物。おーい、わかりあってないで戻って来い」
ワッハマン「」
レミィ「まあ、また来るよアンディ」
アンディ「ハイ、ドウゾゴヒイキニ」
レミィ「ターくん、次案内してくれ」
ターくん「はい」
:::【ゲームセンター】:::
ライカ「いらっしゃい」
ターくん「ども」
コーちゃん「あー!体が伸びすぎた」
ジッソーくん「だから何度も言ってるだろ。体の伸びまで計算しながら動かすんだ」
ジュンくん「ジッソーくんみたいにこなすのは難しいよ」
ピロピロピロ
ぼか~ん
レミィ「へー、ゲーセンだってよ」
あ~る「えー・・・・・・」
レミィ「思いつかないなら無理にボケなくてもいいぞ」
あ~る「そうですね。思いつきませんでした」
ワッハマン「」
ターくん「ここは特に子供達に人気ですね」
レミィ「・・・つーかゲームのラインナップがすごいな」
あ~る「すぺえすいんべえだあがございますよ」
レミィ「すっげーそれ初代だぜ」
ワッハマン「」
レミィ「何?平安京エイリアン?うわ、こっちにはディグダグがあるぞ」
あ~る「何だか特定の年代のげいむばかりですね」
レミィ「だな。しかしこれ凄い再現度だぞ。さっきの携帯の出来との違いは一体どこで生まれたんだよ」
あ~る「パックマン、ゼビウス」
ワッハマン「」
レミィ「・・・ドルアーガの塔!」
ターくん「なんかやっていきますか?おごりますよ」
レミィ「ああいや、やりたいとかじゃなくて、なんかなつかしいと思ってさ」
ライカ「(冷やかしかよ)」
ジッソーくん「・・・なつかしい?再現度?そのへんのは最近の新台のはずだがな」
ジュンくん「そういえば・・・」
レミィ「やべ・・・」
コーちゃん「ああっ、また同じとこで死んだ!」
ジッソーくん「仕方ない奴だ、ちょっと貸してみろ」
コーちゃん「うん」
ジュンくん「いけジッソーくん、コーちゃんの敵討ちだ!」
レミィ「・・・助かったか?」
ターくん「皆けっこう細かいことは気にしないんです」
あ~る「大雑把なんですね」
ワッハマン「」
ターくん「まあほら、旦那がこれでしょ?細かいこと気にしてるといくら時間があっても足りないというか」
レミィ「じゃあ何か?旦那みたいにわけのわからんことを言ってる連中だと思われたわけか」
ワッハマン「」
ターくん「多分そうかと」
レミィ「心外だな」
あ~る「人権侵害ですか?そこまで大袈裟な話でもないような」
レミィ「字が違う字が」
おとうさん「・・・・・・・・・・・・・・・」
レミィ「・・・な、なんだよ。旦那がわけわかんないのは事実だろ?」
ワッハマン「」
レミィ「・・・?」
おとうさん「・・・クイズ、私は誰でしょう?」
ワッハマン「」
レミィ「・・・・・・?」
あ~る「?」
おとうさん「ヒント、私はおとうさん」
レミィ「・・・・・・なあ、これ物凄く高度な謎かけか何かか?」
ターくん「いやぁ、別にそんなことはないかと」
あ~る「・・・・・・あ、わかりましたよ。おとうさんですね」
おとうさん「あったり~」カラーンカラーン
あ~る「やりましたね」
ワッハマン「」
レミィ「い、意味がわからん」
ターくん「一々気にしてると身が持ちませんよ」
レミィ「そうか、そういうことなら良くわかった。次行くか」
ワッハマン「」
ターくん「はい」
ライカ「(・・・あいつら一体何しに来たんだよ。つーか円盤とこの二人はともかく、見ない顔の三人・・・あいつらは・・・?)」
:::【映画館】:::
バキバキバキ!グシャー!
ワーワー
あ~る「なんだか斬新な映画でしたね」
ワッハマン「」
レミィ「素直につまんないって言えよ」
あ~る[見たことがないものは斬新な気持ちで見ることが出来ます」
レミィ「でもつまんなかったんだろ?」
あ~る「・・・なんでわかるんです?」
レミィ「わからいでか」
ワッハマン「」
ターくん「ここの映画館はあんなのばかり放映しているんで、あんまり評判が良くないんですよ」
レミィ「雑なグロシーンを所狭しと詰め込んだだけの露骨なZ級映画だったな」
ワッハマン「」
あ~る「何です?Z級って」
レミィ「あー・・・B級映画って言葉があるだろ?」
あ~る「それは聞いたことがありますね」
ワッハマン「」
レミィ「名作とされるA級映画と、名作になりきれないとされるB級映画の差ってのは様々だ」
ワッハマン「」
レミィ「うん。予算の差、俳優の差、映画を作る人達の情熱の差、原作の差、監督の差、設備や環境の差など多岐に渡るが、名作映画に明らかに劣る何かをかかえつつも、どこか面白いと思える要素を残すものを一般的にB級映画っていうんだ」
あ~る「なるほど」
レミィ「元は単に低予算で作られたものの総称だったらしいがな。映画が面白くない理由ってのは何も予算不足に限ったことじゃないわけさ」
ワッハマン「」
レミィ「でまあ一つ劣ってB級、二つ劣ってC級とした時に、全てがどうしようもなく落ちるとこまで落ちてる映画をZ級と呼ぶわけだな。例えばさっき見たような映画だね」
あ~る「例えが非常にわかりやすいですね」
ジョン「ちょいとちょいと、聞き捨てなりませんね」
ターくん「あ」
あ~る「やあ、お犬様ではないですか」
レミィ「犬は二足歩行しねえけどな。何か用かい?」
ターくん「彼はこの映画館のオーナーのジョンです」
ジョン「自分達の見る目がないのを映画のせいにしないでもらいたいね。僕の映画は面白いの」
レミィ「映画が面白くないのを観客の見る目のせいにするんじゃない。お前の映画はつまらないの」
ジョン「」
ワッハマン「」
ターくん「・・・レミィさんちょっと容赦なさすぎですよ。ジョンが真っ白になってるじゃないですか」
レミィ「とはいえただの正論だからなあ」
あ~る「まあ映画が面白くないのは事実でしたからね」
ジョン「」
ワッハマン「」
あ~る「そもそも、面白いや面白くないという抽象的な感情は極めて主観性が強いものですから、他人に価値観を押し付けようという考えそのものが間違いなんですよ」
ターくん「そりゃそうですけど・・・」
あ~る「そんななかで、より多くの人に面白いと思っていただけるものが本当に良い映画なのではないでせうか。映画に限った話ではありませんがね」
ターくん「はあ・・・」
あ~る「まあ、僕のような人工物が偉そうに主観がどうのこうの言うのもおかしな話ですかね」
レミィ「アタシと二人きりの時以外に唐突に自虐はじめるのやめろよ。ターくんが引いてるだろ」
あ~る「あい」
レミィ「だいたい、人間だって人工物だろ?製造工程が違うだけであって、お前も人間も、それぞれの親の子であることに違いは無いぜ」
ワッハマン「」
あ~る「・・・・・・そういう説もあるのですね」
ワッハマン「」
あ~る「・・・いえいえ、僕はロボットではないんですよ」
ワッハマン「」
あ~る「あい」
ワッハマン「」
ワッハマン「」
ワッハマン「」
あ~る「・・・確かに、仰るとおりかもしませんね」
レミィ「いやいや伝わらない伝わらない。今のは流石にどんな読者でも無理だろ」
あ~る「では僕とレミィで再現しませう」
レミィ「は、はあ!?あんな恥ずかしいことが言えるか!」
あ~る「まあまあ、ここは一つ読者サービスということで」
レミィ「いやだ!」
あ~る「仕方ありませんね。ではこうしませう」
耳打ち耳打ち
レミィ「・・・絶対だぞ」
あ~る「あい」
ターくん「(この人達大丈夫かなー・・・)」
レミィ「こほん・・・あ~る君やレミィのようなロボットも、私のような存在も」
あ~る「・・・いえいえ、僕はロボットではないんですよ」
レミィ「そうだったな。アンドロイドだったか」
あ~る「あい」
レミィ「では言い直そう。ロボットも人もアンドロイドも、私のようにわけのわからない存在も」
レミィ「風も、樹も、火も、宇宙も、きっと皆誰かの子供なのさ」
レミィ「君にだって、誰かに作ってもらったか、誰かに育てられてきた記憶があるだろう?」
あ~る「・・・確かに、仰る通りかもしれませんね」
レミィ「・・・っっっだーっ!恥ずかしいわ!お前よく真顔でこんなこと言えるよな!///」
ワッハマン「」
レミィ「え?私が言ってたことと大して違わないって?ふざけんな!」
あ~る「あっはっは」
レミィ「笑ってんじゃねー!おい、約束通り可愛い服一着作ってもらうからな」
あ~る「もちろん」
レミィ「大体なんだよ風と樹と火と宇宙って」
あ~る「こころのまわる音が聞こえてきそうですね」
レミィ「・・・このネタも大概難しくないか?」
あ~る「これならわかる人にはわかると思いますよ」
ワッハマン「」
レミィ「あ~るはともかく我々が進んでメタ発言するのはどうかと思うって?まあクロスだから良いだろ」
ターくん「(・・・何の話をしてるんだろう)」
ジョン「」
ワッハマン「」
レミィ「あ、忘れてたわ。おーいジョン、また来るから、そんときゃ私達が面白いといえるような映画見せてくれよー」
ジョン「いきなり来て散々好き勝手やっといて最後にそれか!?ただで帰れると思うなよ!」
カッ
ジョン「はあっ!」
ドバッ
レミィ「ひいっ!?」
ぐちゃぐちゃ
あ~る「・・・・・・・・・」
ワッハマン「」
ジョン「・・・・・・・・・」
レミィ「・・・・・・で?」
あ~る「・・・・・・」
ジョン「・・・・・・終わりですけど」
レミィ「お前の体どうなってんの?うへー」
ジョン「まあこういう体質というか・・・」
あ~る「痛くないんですか?」
ジョン「あ、痛くはないんだ。体質だから」
レミィ「うわー内臓出てるじゃん」
おとうさん「飛び出る内臓・・・噴き出す血飛沫・・・断末魔の悲鳴・・・」
ターくん「あ、旦那」
レミィ「今までどこ行ってたんだよ」
あ~る「何やら不吉なことをしきりに仰っていましたけど、突っ込まなくて良いんですか?」
レミィ「一々反応してたらキリがないだろ」
ワッハマン「」
おとうさん「・・・お花を摘みに行っていました」
ワッハマン「」
レミィ「だな。あんたの体機械だろ」
あ~る「?」
おとうさん「・・・ほら、ひまわり」ばさっ
あ~る「やあ、綺麗ですね」
レミィ「い、隠語じゃなくて本当に花摘んでたのかよ。なんなんだアンタ」
おとうさん「あー」
ぱくぱく
レミィ「こらこら、それは食い物じゃないぞ」
ごっくん
おとうさん「完食」
ワッハマン「」
おとうさん「・・・うまい」
レミィ「・・・なあ、この星のひまわりは食えるのか?」
ターくん「いやあ、うちの旦那が特殊なだけです」
あ~る「ひとが食べているところを見るとお腹がすいてきましたね」
レミィ「ひまわりでか?」
ワッハマン「」
ターくん「ああ、そういえば姐さんが明日にでも皆さんを食事に招きたいって言ってましたよ」
あ~る「では、次回は食事会ですね」
レミィ「勝手に締めに入るな。まだちょっと続くぞ」
おとうさん「・・・食事会」
レミィ「よだれをたらすな」
あ~る「レミィはすっかり突っ込み役で定着しましたね」
レミィ「誰のせいだよ。そう思うならお前も手伝えよ。追いつかないから」
あ~る「別に構いませんが、僕の突っ込みはまともに機能しませんので妙な空気になりますよ」
レミィ「自慢げに言うな」
ワッハマン「」
レミィ「おいおい、お前までひまわり引っこ抜いて来るんじゃないよ。食べないで元に戻してきなさい。あ~る、実力行使だ」
あ~る「あい」
ワッハマン「」
ジョン「・・・なんか大変そうだね」
ターくん「うん」
レミィ「お前等も他人事みたいに・・・ああ、せめて奥さんがいればなー」
ターくん「確かに姐さんがいれば旦那は止められますね」
レミィ「そうだよ。つーかうちの二人はともかく、旦那はターくんがどうにかしなさい」
おとうさん「・・・・・・・・・」
ターくん「・・・どうにか出来るならやってますって」
レミィ「そうか」
ぽん
ジョン「まあ、よくわかんないけど頑張って」
レミィ「・・・お前は早く内臓しまえよ」
:::【帰路】:::
ターくん「もう陽が沈んできちゃいましたから、今日はこのへんにしておきますか」
あ~る「あい」
ターくん「美唱町には他にも警察署、小学校、駄菓子屋、公民館なんかがありますね。夜だけですが、アンディが居酒屋もやってます」
レミィ「居酒屋か。今度行こうぜあ~る」
あ~る「僕はお酒は飲めませんよ」
レミィ「甘酒とかならいけるだろ?米から作ってるから」
あ~る「まあ、それならなんとか」
レミィ「よ~し決まりだ」
ワッハマン「」
レミィ「そうだな。アタシ達もなんか働いたりとかしないとな」
あ~る「ではそれも次回ですね」
レミィ「次回次回言うな」
ワッハマン「」
レミィ「お前はあれだ。浮浪者とかでいいだろ。凄く似合うぞ」
ワッハマン「」
おとうさん「・・・・・・・・・おとうさんは?」
レミィ「いや知らないよ。なんかやってんじゃないの?」
ターくん「僕に聞かれても・・・旦那は自由な方ですから」
レミィ「ターくんは何をしてるんだ?」
ターくん「僕は小学校に通ってます」
レミィ「・・・・・・」
あ~る「・・・・・・」
ワッハマン「」
ターくん「・・・いきなり無言にならないでくださいよ」
あ~る「ターくんが小学生というのは、少し無理がありますよ」
レミィ「お前みたいな小学生は嫌だ。つーか、あ~るの嫌そうな顔ってはじめて見たな」
ワッハマン「」
ターくん「あー・・・まあ、コロナちゃんと一緒ですから」
あ~る「・・・なるほど。例の娘さんですね」
レミィ「そうか・・・となると、アタシ達の中からも誰か一人小学校に通わせるのもありだな」
ワッハマン「」
あ~る「僕が小学生というのは、少し無理がありますよ」
ワッハマン「」
レミィ「確かに学生服だが、学生っつっても小学生じゃないだろ・・・でもワッハマンを小学校にってのはちょっとなあ・・・」
あ~る「・・・・・・」
ワッハマン「」
ターくん「・・・」
おとうさん「・・・」
レミィ「・・・・・・な、なんで一斉にこっち見てんだよ。旦那まで」
あ~る「レミィが」
レミィ「アタシは嫌だぞ」
あ~る「・・・しかし似合うと思いますよ」
レミィ「怒るよ」
あ~る「?」
おとうさん「・・・じゃあおとうさんが」
レミィ「旦那が行っても意味ないだろ。つーか娘と一緒に小学校はおかしいだろ」
あ~る「・・・!・・・では僕が」挙手
ワッハマン「」挙手
ターくん「僕も僕も!」挙手
おとうさん「・・・・・・」挙手
レミィ「・・・・・・釣られないぞ」
あ~る「では次回は、赤いランドセル作りからはじせませう」
ワッハマン「」
レミィ「私の話を聞け!」
今回はここまでです
あっ あ あああるぅ~
山本正之は安定した中毒性がある
歌詞かよ、と思ったら歌詞だった
乙
まだですか?
:::【小学校】:::
ミドリ先生「今日は新しいお友達を紹介します」
ショウちゃん「・・・新しいお友達にあんまり良い思い出がないのはなんでだろう」
ヤックン「そりゃおめえ」
チカちゃんでーす
ショウちゃん「・・・なるほどこういうことか」
ヤックン「だろうよ」
でーす
ライカ「・・・」
レミィ「レミィだ。よろしく頼む」
あ~る「やあ、僕はR・田中一郎君だよ」
コーちゃん「二人も増えるのかあ」
ジッソーくん「どうでも良いが、なんでR・田中一郎は黒板のほうをむいて自己紹介してるんだ?」
ジュンくん「照れ屋さんなんじゃない?」
ミドリ先生「・・・・・・あなたは保護者でしょうあ~るさん」
あ~る「そうだよ」
トム「ほ、保護者だったのかよ紛らわしいな」
レミィ「・・・で、なんでお前付いて来たんだよ?」
あ~る「今日は参観日だと聞きましたので」
ミドリ先生「参観授業は四時間目だけなんですけど」
あ~る「・・・らしいですよレミィ」
レミィ「アタシにふるな。つーかアタシは一応そう言ったぞ」
あ~る「それは困りましたね」
レミィ「まあお前はランドセル作りに夢中であんまり聞いてなかったけどな・・・!」
あ~る「・・・なんだか今日は機嫌が悪いですね。どうかしたんですか?」
レミィ「私が背中に背負ってるものを見てもわからないか?」
あ~る「やあ、似合っていますね」
レミィ「・・・お前覚えてろよ」
あ~る「?」
ミドリ先生「あの~・・・」
あ~る「ああ、そういえば僕はどうすればよろしいのですか?」
ミドリ先生「いや私に聞かれても・・・お暇なら、参観授業まで寝ていればいいんじゃないですか?」
あ~る「なるほど。ではそうしませう」
ゴソゴソ
ミドリ先生「どっから寝袋出したんですか!ってここじゃなくて、家に帰ってから寝て下さい!」
あ~る「」
レミィ「駄目だ、もう寝てる。こうなると噛んでも揉んでも起きやしないよ。昨日は徹夜してたみたいだしね」
ミドリ先生「寝つきが良いわね・・・まいいわ。害はないし放っておきましょう」
レミィ「良い順応力だな先生。というわけでお前等、よろしく頼む」
ジッソーくん「・・・何が、というわけなんだろうか」
コロナ「それはよくわかんないけど、なんか面白そうな人たちだね」
でーす
ターくん「前向きですねーコロナちゃん」
レミィ「(あれが例の娘さんか)」
ライカ「(・・・ガキが喋った途端に目付きが変わったな)」
レミィ「先生。席は・・・」
ミドリ先生「ええ、コロナちゃんの隣に座ってもらうわね」
ライカ「・・・ふ~~ん」
ガタ---
コロナ「よろしくねレミィちゃん」
レミィ「ああ、よろしくなコロナ。それと、私のことはレミィでいいぜ」
~~給食~~
:::【教室】:::
あ~る「はっ」
レミィ「おはやう」
あ~る「・・・おはやうございます。参観授業ですか?」
ミドリ先生「今は給食の時間です」
あ~る「給食ですか。僕の分もございます?」
ミドリ先生「ありませんよ」
レミィ「どっちにしろ今日はパンだぜ」
あ~る「パンですか。それでは僕は食べられませんね」
レミィ「うん」
あ~る「」
コロナ「・・・行っちゃった。放っておいて良いの?」
レミィ「大方水道でも探しに行ったんだろ。放っておいて良いぜ」
ミドリ先生「水道・・・?」
ヤックン「っかー!このパンかなりワインに合うなぁ!」
げしっ
ミドリ先生「給食をつまみにワインあけてるんじゃない!」
ヤックン「つってもおめー、これに焼酎や日本酒はあわねーよ?」
ミドリ先生「牛乳を飲みなさい」
ヤックン「牛乳なんか飲んでられっかよ」
おとうさん「・・・・・・牛乳は体に良い」
ヤックン「うわ!い、いつからいたんだいつから」
おとうさん「・・・今です」
レミィ「何しに来たんだよ旦那」
おとうさん「・・・授業参観」
ミドリ先生「まだ給食の時間です。参観授業はお昼休みのあと」
コロナ「おとうさん!ちゃんと授業の時だけ来てって言ったでしょ!」
おとうさん「げしょ」
レミィ「コロナも大変だな・・・」
コロナ「うん・・・ん?"も"?」
あ~る「ただいま戻りました」
レミィ「ま、ほら、ウチも大変だから」
コロナ「あ~・・・」
ミドリ先生「なんですか?それは」
あ~る「電気炊飯器ですよ」
ミドリ先生「・・・学校のコンセントは使わせませんよ」
あ~る「別に構いません。僕はアンドロイドですから」
さっ
カチ
あ~る「」
ぐつぐつ
コロナ「すご~い、便利」
おとうさん「・・・負けない」
バチバチバチ
レミィ「旦那のじゃ電圧が高すぎんじゃねえのか?」
ター君「ですねー」
おとうさん「・・・」
レミィ「どっか行っちゃったけど、ほっといていいのか?」
コロナ「いいよもうおとうさんなんか」
かぱっ
あ~る「炊けました」
ター君「えらい早いですね」
もぐもぐ
あ~る「わずか数十秒で炊けてしまう超高速早炊きです。つい最近実現しました」
レミィ「つい最近っていつだよ。そんなことやってたなんて聞いてないぞ?」
あ~る「まあ、大体50年ぐらい前ですかね」
レミィ「・・・お前にとっちゃ最近なのな」
ター君「スケールが違いますねー・・・」
ライカ「床で食ってないで、席に座んなよ」
ミドリ先生「席ってあなた・・・空いてる席なんかないでしょ」
ライカ「あるよ」
げしっ
ライカ「ほら」
チカちゃんで~す
レミィ「おいおい、ひでえことするなよ」
ライカ「いいんだよ。そいつ脳みそないからな」
あ~る「脳が無いんですか?」
で~す
ライカ「おう。はしご状神経系ってやつだ。そいつ昆虫なんだよ」
あ~る「昆虫・・・ですか」
はい~!チカちゃん昆虫です~!
あ~る「なら、脳はあると思いますよ」
チカちゃん脳あるんですか~?
あ~る「ええ。そのように返事をなされているところから推察するに、あると思いますよ」
ライカ「えっ?昆虫に脳ってあるの?」
コロナ「無いと思ってた・・・ライカさんがそういうから」
ター君「僕もそう思ってましたねー。ライカさんがそう言ってたんで」
ライカ「うるせー」
あ~る「人間と比べると非常に小さいものですが、昆虫にははしご状神経系とつながる脳があるんですよ。記憶や、様々な行動に影響を与えるといわれています」
ライカ「へー・・・」
あ~る「そもそも、言葉を喋るという極めて複雑高度な知能行動を示している時点で、はしご状神経系のみで行動原理の決定が行われているはずがありませんね」
ライカ「まあ言われてみれば・・・って、そんなことはどうでもいいんだよ。座るのか座らないのか?」
あ~る「しかしここはそちらの昆虫の人の席なのでは?」
ライカ「いいんだよチカはどうでもいいから」
はい~!チカちゃんどうでもいいです~!
あ~る「う~む、しかしですね」
おとうさん「・・・・・・」
あ~る「やあ、おとうさんではないですか」
おとうさん「・・・やあ」
じゃきんっ
レミィ「何持ってきたんだよ旦那」
おとうさん「・・・わ、惑星間戦争用荷電粒子砲」
ミドリ先生「なんでまたそんなものを・・・?」
おとうさん「・・・コンセントはいらない」
レミィ「いやー、コンセントにつないで動かせるわけないだろ」
おとうさん「・・・」
さっ
ガキン
おとうさん「・・・大丈夫、一人で撃てます」
レミィ「絶対撃つなんじゃないぞ馬鹿者。すご~い、便利とでも言えってか?」
おとうさん「・・・・・・」
レミィ「・・・」
コロナ「ちょっとおとうさん?授業の時だけって言ったでしょ?」
おとうさん「う・・・・・・」
レミィ「さ、去って行った」
ター君「何がしたかったんでしょうか」
レミィ「旦那は難解すぎるな」
もぐもぐ
あ~る「?」
ジッソーくん「あれだけ騒いでたのに、よく気にもせずにがつがつ食えるものだな」
ライカ「図太い奴だ」
レミィ「・・・お前は食ってばっかいるんじゃないよ」
あ~る「ご飯を食べないとお腹がすくじゃないか」
レミィ「お、おう」
あ~る「お腹がすくと怒りっぽくなるじゃないか」
ライカ「まあ・・・そうだな」
あ~る「怒ると胃に悪いんだ」
ミドリ先生「そうね」
あ~る「胃が悪いとご飯が食べられなくなるんだぞ」
コロナ「お腹痛いと辛いよね」
あ~る「ご飯を食べないとお腹がすくじゃないか」
レミィ「・・・おい」
あ~る「なんでせう?」
レミィ「それいじゃう繰り返すつもりなら関節技をかけるぞ」
あ~る「ぼ、暴力はよくないですよ」
レミィ「時と場合によると思うぜ」
トム「・・・なんかすごいのがきたな」
ショウちゃん「凄いのは保護者のほうだろ」
コーちゃん「いやー、娘さんのほうもけっこう」
ヤックン「違いねえ」
で~す
レミィ「・・・」
がきんっ
レミィ(ハンババ)「なんか言ったか?てめえら」
原住民’s「なんでもありません」
あ~る「お~・・・それが変形ですね?」
ライカ「変形の仕方が不自然だったぞ」
ジッソーくん「どこにあんなサイズに変形する質量があったんだろうか」
コロナ「なんだかおとうさんみたい」
レミィ(ハンババ)「・・・」
がしゃがしゃ
レミィ「・・・」
コロナ「戻っちゃった」
あ~る「おそらくおとうさんと一緒にされたのが嫌だったのでせう」
ミドリ先生「というか皆お箸が進んでないけど、もうご飯の時間終わっちゃうわよ?」
ジッソーくん「箸が進んでないも何も、素手でパンつかんでかじってるだけだが」
ジュンくん「おかずもスプーンとフォークで食べてるしね」
ショウちゃん「確かに洋食で箸が進んでないって表現、なんか面白いな」
ミドリ先生「いいからさっさと食べなさい!」
あ~る「僕は炊飯器一杯食べましたよ」
ミドリ先生「あなたがどうだかは聞いてません。保護者でしょう?」
レミィ「・・・先生も大変だな」
ミドリ先生「わかったなら、以後この人には」
レミィ「解ってる。後できつく言っとくよ」
~お昼休み~
:::【校庭】:::
ジッソーくん「さて、新しいお友達が増え、記念すべき最初の昼休みになにをやるかだが」
コロナ「野球やろうよ野球」
レミィ「お、野球か」
あ~る「やきうですか」
コロナ「うん!」
あ~る「ま~かして」
ぶんっ
レミィ「・・・お前は現像バットなんか振り回してどうするつもりだ?」
あ~る「?しかしやきうと言えば、やはりバットですよ」
レミィ「いいから粉砕バット持ってきなさい」
あ~る「あい」
ジッソーくん「しかしいきなり野球というのは・・・」
トム「危ないよな・・・」
レミィ「野球が危ないだって?なんで?」
ライカ「やりゃあわかるよ」
ターくん「僕は遠慮しとこうかな~・・・」
コロナ「人数足りないでしょ!ターくんもやるの!」
ジュンくん「コロナちゃんすっかりやる気だね」
トム「仕方ない。腹をくくろう」
レミィ「・・・?」
ピッチャー:コロナ
バッター:レミィ
キャッチャー:ター君
ター君「まあキャッチャーなら安全かな・・・」
レミィ「さっきからなんなんだよ?危ないとか安全とか」
ター君「だって野球ですからね」
レミィ「わけがわからん・・・」
コロナ「行くよ~レミィ」
レミィ「ええ、来なさい」
コロナ「よい・・・しょ!」
どぎゅんっ!
レミィ「!?」
さっ
ター君「あ」
どぐしゃあっ
ジュンくん「ター君!」
ジッソーくん「ター君がやられてしまった」
コーちゃん「味方なのに・・・」
レミィ「危ねーだろ!何すんだコロナ!良い肩してるなお前」
コロナ「え?だって野球ってこういうものでしょ?相手を全部ノックアウトすれば勝ちの」
レミィ「んなわけあるか!」
あ~る「やあ」
レミィ「・・・やあ。空気を読まない登場だな」
ワッハマン「」
レミィ「・・・で、誰が黄金バット持って来いって言ったよ。私が持って来いって言ったのは粉砕バットだ」
ワッハマン「」
あ~る「しかしあらゆる外敵を粉砕してくれますので、ある意味粉砕バットと言えるかと」
レミィ「小学校で一体何を粉砕させる気だ」
コロナ「やっぱり野球ってそういうものなんだ?」
レミィ「違う違う」
ピッチャー:コロナ
バッター:レミィ
キャッチャー:あ~る(ター君代理)
あ~る「いつでもだうぞ」
レミィ「野球のルールはちゃんとわかったか?コロナ」
コロナ「う~ん、なんとなく」
レミィ「まあとりあえず、防御側のお前らはバッターのアタシに打たれなきゃ良いし、打たれたら地面に落ちる前に捕球しちまえばいい」
コロナ「やっぱりノックアウトしちゃえば打たれないような」
レミィ「物騒なこと言わないの」
あ~る「相手のバッターに投球を当ててしまうとデッドボールと言いまして、出塁を許すことになるのですよ」
コロナ「ん~、まあやってみましょう。打たれなければ良いんでしょ?」
レミィ「むっ!やれるもんならやってみなよ」
あ~る「何小学生相手に本気になってるんですか」
レミィ「う、うるさい、良いだろ別に」
コロナ「よい・・・しょ!」
レミィ「速いストレートだがな、アタシから見りゃ打ちやすいだけだぜ」
かき~ん!
レミィ「お~、行った行った。この高さとインパクトなら余裕でランニングホームランだな」
ブーーーーン
チカちゃんで~~す!
ばっ
トム「お~。外野フライ」
レミィ「なっ!」
コロナ「さすがチカちゃんね!」
レミィ「あんなん有りかよ」
ライカ「ま、有りだろ」
あ~る「やあ、まさにフライですね」
レミィ「・・・」
トム「・・・」
コロナ「・・・」
ライカ「・・・」
ワッハマン「」
チカちゃんで~す
あ~る「・・・思ったより受けませんでした。皆さんの視線が痛いですね」
レミィ「わかったら以後、つまらない発言は控えるように」
あ~る「あい」
~~四時間目:参観授業~~
:::【教室】:::
ちりんちりん
シャーーーーッ!
あ~る「ふう」
レミィ「ふう、じゃねえよ!なんで轟天号に乗ったまま教室に走ってきたんだ?」
あ~る「授業に臨むレミィの勇志を、写真に残す必要がございますからね」
レミィ「でわざわざ轟天号の撮影機能ってわけか・・・普通にカメラ持ってくれば良かっただろ?」
あ~る「・・・・・・はっ」
レミィ「まあいいけど・・・」
ミドリ先生「よくありません。お願いだから大人しくしててくださいね」
あ~る「あい」
レミィ「なんで参観授業で保護者が教師に怒られてんだか・・・」
あ~る「ややっ」
虹男&ショベルマウス「??」
あ~る「生徒さんの父兄の方々ですね。僕はR・田中一郎と申します。どうぞよろしくお願いします」
虹男「ああいえ、こちらこそ。虹男です」
ショベルマウス「ショベルマウスだべ」
コーちゃん「コロナちゃんのおとうさんまだ来てないね」
ジッソーくん「来なくて良い給食の時には来てたのにな」
コロナ「・・・おとうさんなんか来なくて良いもん。給食の時まで勝手に来ちゃって恥ずかしい・・・」
レミィ「おいおいコロナ、アンタんとこは大したことないでしょ」
コロナ「え?」
レミィ「うちなんかほら、アレだぜ」
ワッハマン「」
あ~る「やあ、似合いますねタキシード。レミィのランドセルと一緒に夜なべして作った甲斐がありました」
ワッハマン「」
あ~る「学生服は公の場でも通じる便利なものですからね。僕はずっとこれだと思いますよ」
ちりんちりん
ミドリ先生「そこ!鳴らさない!」
コロナ「あはは・・・確かに」
レミィ「(・・・!・・・今日の奇行は旦那やコロナに気を使って・・・?)」
あ~る「あっはっは」
レミィ「(まさかな・・・)」
最強男「はははは!私が来てやったぞ!」
トム「うわ・・・」
レミィ「なんだあいつ」
最強男「今日は息子の勇志を完全に形とすべく、ハッセルブラッドのフェラーリモデルを用意した!存分に動き回るが良いぞ息子よ!」
ミドリ先生「・・・今日の参観授業は国語です」
最強男「なんだと!?ま、まあ良いか、私譲りの知能溢れる息子の姿を残せればそれで良しとしよう」
ショウちゃん「私譲りの知能溢れる・・・?」
トム「・・・なんだよ」
ショウちゃん「いや、別に・・・」
ざっ
あ~る「・・・負けない」
最強男「なんだ貴様は」
あ~る「写真のことで負けるわけにはいきませんね。この轟天号には僕が独自に開発した超高性能でじたるかめらが搭載されています」
ちりんちりん
最強男「なんだと?」
あ~る「我が家のレミィの美しく愛らしい姿を余すところなく写真に納めますので、写真で勝負しませう」
ヤックン「うわー・・・美しく愛らしいだってよ・・・」
コロナ「あはは・・・」
レミィ「(あんの馬鹿・・・!・・・後で関節技をかけてやる・・・///!)」
ライカ「・・・」
最強男「ふははは!宇宙最強の私に面と向かって勝負を挑むとは、良い度胸だ」
あ~る「う、宇宙最強なのですか?これは手強い・・・」
最強男「そうだ。まあ良かろう、その勝負受けてやる」
おとうさん「・・・負けない」
コロナ「・・・いつのまに」
最強男「やはり貴様も来たか。良いだろう。三人で勝負といこうではないか」
あ~る「望むところですね」
ちりんちりん
おとうさん「・・・負けない」
ミドリ先生「三人とも静かになさい!あ~るさん鳴らすな!」
トム「・・・はあ」
コロナ「はあ・・・」
レミィ「親が恥ずかしい奴同盟でも組むか」
コロナ「いいかも」
トム「賛成」
~~一時間後~~
:::【教室】:::
コロナ「先生さようなら」
ミドリ先生「はいさようなら」
レミィ「なんつーか、まあ、お疲れ様」
ミドリ先生「うん。ほんとにねぇ」
レミィ「怖い顔すんなよ~」
ミドリ先生「してません。ほら、あ~るさんが待ってるわよ」
レミィ「あ、ああ」
あ~る「息子さんの写真も撮りましたので、プリントアウトしたらお送りしますね」
最強男「え?あ、いや、しかし」
あ~る「息子さんの写真は多いほうが良いでせう」
最強男「そ、それはまあそうだな。うむ、貴様がそこまで言うなら貰ってやらんこともないぞ」
あ~る「あい」
トム「パパ、帰ろう」
最強男「・・・うむ」
とことこ
トム「・・・どうしたの?」
最強男「いや、妙な奴が来たもんだと思ってな」
トム「そうだね。また変な人が来たね」
最強男「そういうことではないぞ?何だか呑気な奴だ」
トム「呑気?」
最強男「勝負だ勝負だといきりたっていたはずだったのだが、何やら私まで毒気を抜かれてしまったよ」
トム「?」
最強男「今日はゆっくり帰ろうか。駄菓子屋にでも寄っていこう。何か買ってやるぞ」
トム「う、うん」
コロナ「帰ろうおとうさん」
おとうさん「・・・はい」
コロナ「あんまり恥ずかしいことしないでよね!」
おとうさん「・・・・・・恥ずかしい・・・か」
コロナ「そうだよ!全くもう」
レミィ「コロナ!」
コロナ「ん、なあに?」
レミィ「来るとうっとうしいけど、来ないと寂しいもの、何かわかるかい?」
コロナ「・・・なぞなぞ?」
ライカ「・・・」
レミィ「答えは簡単だぞ。参観日の時の親だ」
あ~る「なるほど。来ないと寂しいですね」
レミィ「そういうこと」
コロナ「わ、私は別に、寂しがったりしないもん・・・」
レミィ「ほ~?」
あ~る「まあ、レミィは特別寂しがり屋ですからね」
レミィ「お前いい加減にしねえと晩御飯を食わせないぞ」
あ~る「すいませんでした」
レミィ「よろしい」
おとうさん「・・・ありがとう」
レミィ「!?」
コロナ「・・・おとうさん?」
おとうさん「・・・なんでもない。帰ろう、コロナ」
コロナ「うん」
レミィ「また明日な~」
コロナ「うん!またねレミィ!」
ワッハマン「」
レミィ「おう、アタシらも帰ろうか」
あ~る「あい」
ライカ「・・・・・・」
ライカ「(・・・ま、アタシは別に)」
ショベルマウス「あ、ライカさん」
ライカ「う、わっ!な、なんだよ」
コーちゃん「こんなとこにいたんだね」
ジュンくん「帰ろうよ」
ジッソーくん「全員いないと晩飯の献立が決められん」
ライカ「うっせーなお前等、アタシは別にお前等のこと待ってたんじゃねーぞ!」
ジッソーくん「はいはい、いいから帰るぞ」
ショベルマウス「ライカさんはいつまでたってもそれだな」
ライカ「うるせー」
ショベルマウス「はは」
ライカ「・・・おい、新しく来た三人、あいつらについて、何か聞いてんだろ?」
ショベルマウス「な、何言ってるだか」
ライカ「隠さなくても良いよ。円盤とこのガキに関係してんだろ?」
ショベルマウス「そ、そら・・・」
ライカ「信用出来る奴らなんだな?」
ショベルマウス「・・・ま、姐さんがそう言っでたから。良い人達だろうと思う」
ライカ「・・・じゃあ良いか」
ショベルマウス「ライカさん・・・」
ライカ「良い。帰るぞ」
ショベルマウス「んだな」
:::【帰路】:::
レミィ「おんぶしろ」
あ~る「?」
レミィ「お前のせいで疲れた。おんぶしてくれ」
あ~る「はあ、別に構いませんが」
ワッハマン「」
レミィ「締め技」
ぎゅうう
あ~る「動脈から逸れてますよ」
レミィ「お前そんなもんないだろ」
ワッハマン「」
あ~る「言われてみればそうですね」
レミィ「ほら歩け歩け~」
あ~る「あい」
レミィ「食事会は週末だっけ?」
あ~る「ええ。村の皆さんも集めて、歓迎会のようなものにしてくださるそうです」
ワッハマン「」
レミィ「だな。楽しみだ」
あ~る「レミィ、学校はどうでしたか?」
レミィ「お前もほとんどいたじゃねーか」
あ~る「僕はほとんど寝てましたから」
レミィ「あれ本当に寝てたのかよ・・・」
ワッハマン「」
レミィ「そうだな。問題点は多い。まず、先生が教えてたのは明らかに普通科高校の標準レベルの内容だ」
あ~る「それでは奥さんが仰っていた、コロナさんが授業についていけてないというのも仕方のない話ですね」
レミィ「だな。どっちかっつーとコロナは利発な子っぽいから、ちゃんと小学校レベルの教科書作って授業やりなおせば大丈夫だろ」
ワッハマン「」
レミィ「野球にはちょっと驚いたが、他にもいろいろ妙に地球のことを間違って覚えてることがあるかもしれん。ゆっくり正していかなきゃな」
あ~る「あい」
レミィ「食い物は普通にまともだったから、少なくともコロナの体はちゃんと育ってるみたいだよ」
あ~る「奥さんやおとうさんのような方々がいたのが、コロナちゃんにとって何よりの幸運だったのかもしれませんね」
ワッハマン「」
レミィ「ん・・・そうだね」
ワッハマン「」
あ~る「ええ。もちろん不安要素もありますが」
レミィ「いやまあ、アタシにとってはお前等二人も普通に不安要素なんだが・・・」
あ~る「?」
ワッハマン「」
レミィ「ま、なんとかなるだろ」
あ~る「それにしても、やはりレミィに小学生は似合いますね」
レミィ「ま、まだ言うかお前」
ワッハマン「」
レミィ「おい、ぶっとばすぞ」
あ~る「あっはっは」
レミィ「笑うな。関節技をかけるぞ」
あ~る「関節技をかけられたら痛いじゃないですか」
レミィ「痛いねえ・・・痛いと言えば、なんか忘れてるような気がするんだよな」
あ~る「?」
~~夜~~
:::【校庭】:::
ター君「・・・み、皆・・・ひどい・・・何も忘れて置いていかなくても・・・!」
オチもつきましたので、今回はここまでです
出来るだけ週1ぐらいで更新したいなーと思います
いやほんまに
乙でした
ターくん・・・
さすがおりひめとひこぼしの代わりに宇宙空間に放置されたことのある男・・・
:::【あ~る家:食堂】:::
ヤックン「よ~しよし集まったな」
あ~る「あい」
ワッハマン「」
レミィ「なんだなんだ?何が始まるんだ?」
ヤックン「んだよ聞いてねえのか。コロナんとこのお袋さんに、おめえらがどんぐらい酒に強いのか調べてきてくれって頼まれてんだ」
レミィ「なるほど。週末の歓迎会の準備に影響するってわけか」
ヤックン「おうよ。そんでまあ酒のことなら俺に任せろってなわけだ」
ワッハマン「」
ヤックン「・・・ところでなんでおめえまでいるんだよ」
ジッソーくん「原住民一の良識派ということで派遣された。ヤックンが暴走せんようにな」
ヤックン「へっ。見損なうなってんだ。てめーで飲む酒で暴れんならまだしも、人様に悪い酒ぁ勧めねえよ」
ジッソーくん「いばるようなことか?」
ヤックン「・・・そうでもねえな」
レミィ「・・・知らん顔もいるんだが」
ベルカ「え~、どうも始めましてだな」
あ~る「始めまして」
ワッハマン「」
ベルカ「私はベルカ。この町じゃ保安官をやってる者だ。あんた達のことは姐さんから聞いてるよ」
レミィ「ほー、保安官って何するんだ?見た感じこの町は平和そうだったが」
ベルカ「まあ、あんまり仕事はないな。厄介事があったときに駆り出されるぐらいだ」
レミィ「なるほどだ。私はレミィだ、よろしく頼むぜ」
ベルカ「ああ」
ヤックン「おめえも監視役ってわけか?」
ベルカ「まあ、ただ酒ついでに監視役と自己紹介を兼ねて行ってこいと言われたもんでな」
ヤックン「んだよ。俺信用ねえなあ」
ジッソーくん「普段の行いのせいだと思うぞ」
ヤックン「・・・ま、そうだな」
あ~る「あの~、一つよろしいですか?」
ヤックン「おう。なんだ?」
あ~る「僕は多分お酒を飲むことが出来ないと思いますよ」
ヤックン「おう。それなんだがあ~る、おめえ米の飯しか食わないらしいな?」
あ~る「あい」
レミィ「こいつの場合は食わないっていうより食えないんだ。他のものを食べると壊れちまうらしい」
ヤックン「なるほどな。それでまあ酒も飲めねえんじゃねえかと?」
あ~る「ええ。お酒といえば果実などから作るものだと伺っていますので、飲めないと思いますね」
ヤックン「よし、話はわかった。任せろや」
ジッソーくん「どうするんだ?」
ヤックン「こいつだ」
どん!
ワッハマン「」
レミィ「・・・日本酒?」
ヤックン「ああ。日本酒ってのはそもそも米から作る」
あ~る「お米から作っているんですか?でしたらだいじゃうぶですね」
ヤックン「おう。米いがいの材料を色々混ぜて作るもんもあるが、こいつは純米酒っていってな。原料は米だけだ」
あ~る「なるほど」
ジッソーくん「ふーん・・・」
ヤックン「なんだよその反応」
ジッソーくん「ヤックンにしてはまともなことを言うな・・・と思ってな」
ヤックン「失礼な奴だな。年の功を舐めちゃいけねーよ」
レミィ「年の功って、ヤックンいくつなんだよ」
ヤックン「俺はこうみえても40超えてんだ」
レミィ「そうなのか。てっきり小学校なんかに通ってるから、若いのかと思ってたぜ」
ヤックン「若いもんが昼間から酒煽ってたら、ほら、あの先生がうるさいだろ」
レミィ「あ~、まあそうかもな」
ジッソーくん「年齢関係なく学校で昼間から酒煽ってるのはまずいと思うぞ」
ヤックン「・・・実際怒られてっしな」
ベルカ「つーか私より年食ってるじゃねーか」
ワッハマン「」
ヤックン「まあ俺の年のこたぁ良いよ。そっちの二人は飲めるのか?」
ワッハマン「」
レミィ「アタシも普通に飲めるよ」
ヤックン「よしわかった。じゃあまずは飯だ」
あ~る「ご飯ですか?お酒を飲むのでは?」
ヤックン「すきっ腹に酒入れると酔いがきつくなるからな。なんか食ってからのほうがいい」
ジッソーくん「そうだな」
あ~る「なるほど」
ヤックン「まあ普通に飲めるってんならそっちの二人は大丈夫だろうが、あ~るは初めてだろうから、用心しねえとな」
あ~る「では用意してきませう」
ベルカ「じゃあ私は燗の準備でもしとくか」
ジッソーくん「手伝おう」
レミィ「アタシらも何か手伝おうか?」
ワッハマン「」
ジッソーくん「いや、あんたらは歓迎される立場だ。本格的に皆で集まってやるのは週末になるだろうが、今日ももてなされておけ」
ヤックン「そうそう。あー、うめえ」
ジッソーくん「ヤックンは飲んでないで手伝えよ」
ベルカ「つーか一人だけ先に飲んでんじゃねーよ」
ヤックン「ばかやろ。俺にとっての酒は空気と一緒だぜ。こんなもん飲んでる内にはいらねえよ」
ジッソーくん「威張れたようなことか」
ベルカ「いいから手伝えっての」
ヤックン「わーってるよ」
ワッハマン「」
レミィ「・・・大丈夫かな」
~~30分後~~
あ~る「ふむ」
ヤックン「・・・ふむっておめえ、いきなり飯五合近く食ってなかったか?腹大丈夫か?」
あ~る「まあ腹一分目ぐらいですかね」
ヤックン「そ、そうか。よし、まずはこれの匂い嗅いでみな」
あ~る「やあ、良い香りですね」
レミィ「ほんとだ。こりゃうまそうだな」
ワッハマン「」
ヤックン「大丈夫そうだな」
ジッソーくん「・・・どういうことだ?」
ヤックン「酒に弱い奴ってのには、匂い嗅ぐだけでも駄目って奴もいるらしい。ま俺には縁がねえけどな。そんなに弱かったらいきなり日本酒ってわけにもいくめえよ」
ベルカ「匂いは大丈夫ってだけでいきなり日本酒飲ませて大丈夫なのか?」
ヤックン「ま、そりゃ工夫次第よ。日本酒薄めるってわけにもいかねえからな。米焼酎を水か湯で割るって手もあるが、薄めたって焼酎のほうが悪酔いしちまう場合もある」
ベルカ「工夫?」
ヤックン「おう。あ~る、まずはチビチビ舐めるようにやってみな。そっちの二人は好きに飲んでくれてかまわねえぜ」
あ~る「あい」
ワッハマン「」
ジッソーくん「なるほど」
あ~る「・・・むむ!」
ヤックン「ど、どうした?なんかきついか?」
あ~る「・・・これおいしいですねえ」
ヤックン「驚かせんなよ。とりあえずそのままゆっくりやってくれや」
ワッハマン「」
レミィ「うまい。けどなんかつまみが欲しいな」
ワッハマン「」
ヤックン「任せろや。おいジッソーくん」
ジッソーくん「ああ、昼間うちのコーちゃんに釣ってきてもらった魚をさばいてある。大したもんじゃないが、やってくれ」
レミィ「刺身か!いただきます」
ワッハマン「」
ベルカ「おー、魚とかさばけるのか・・・」
ヤックン「おめえは出来ねえのか?」
ベルカ「・・・私にそんな器用なことが出来ると思うか?」
ヤックン「いや・・・」
ワッハマン「」
ヤックン「お、もう一本空けちまったか。あんたは強そうだな」
ベルカ「レミィのほうも弱くはなさそうだね」
ヤックン「・・・おめえは飲んでばっかいねえでワッハマンに酌でもしてやれよ」
ベルカ「そうだな」
あ~る「うむ」
ヤックン「おちょこ一杯飲みきったか。気分は悪くなったりしてねえか?」
あ~る「う~む、なんだか気持ち良いような気がします。悪くはないですね」
ヤックン「じゃとりあえず大丈夫そうだな。あとは量だな、飯も食いながらゆっくり飲んでいこうや」
あ~る「あい」
レミィ「アタシは気持ち良くなってきたぞ、あ~る」
ヤックン「・・・レミィは絡み酒か」
ジッソーくん「というかあんたが一番飲んでないか?」
ヤックン「かてえこと言うなよ。おめえも飲めジッソーくん」
ジッソーくん「俺は未成年だ」
ヤックン「気にすんなよそんなこと。飲め飲め」
ベルカ「・・・一応私保安官なんだけど」
ヤックン「・・・やめとくか」
ジッソーくん「だから最初からそう言ってるだろう。大体、一人ぐらいはシラフがいないとな」
あ~る「・・・ふう」
ヤックン「あ、こいつもう一本空けてやがる。ゆっくりっつったろ」
あ~る「・・・うきゃ?」
ヤックン「お、おい、大丈夫か?」
レミィ「な~にがうきゃ!ら~?」
ヤックン「・・・おめーもかよ」
ジッソーくん「こっちは既に二升空けてたぞ」
ヤックン「早すぎんだろ・・・つーか見てたんなら止めろや」
ジッソーくん「飲めると言っていたから大丈夫なのかと思ってな」
あ~る「うきゃきゃきゃきゃ!」
レミィ「なんだあ~る、生意気らぞ!上等ら!」
げしっ
レミィ「・・・蹴ったな?」
がしゃん!
レミィ(ハンババ)「勝負ら!」
ヤックン「・・・あ~あ」
ワッハマン「」
ジッソーくん「放っといていいのか?」
ワッハマン「」
ベルカ「大丈夫って・・・そうは見えないぞ」
あ~る「うきゃきゃ!」
レミィ(ハンババ)「うらうら!」
がしっ
げしっ
ベルカ「な、なんて激しい戦いだ」
ヤックン「どうでもいいけど酒に被害が及ばね~ように離しとこうぜ」
ジッソー「これ本当に大丈夫か?」
レミィ(ハンババ)「いてっ!てめー・・・今まで強いこと隠してやがったな?もう容赦しねーろ!」
げしっげしっ
あ~る「うきゃきゃきゃきゃ!」
キンキンキンキン
ベルカ「・・・見てないでとめたほうが良いんじゃないのか?」
ジッソーくん「・・・俺達にあれを止めろというのか?」
ヤックン「無理だろ。おいワッハマン、おめえ強いんだろ?」
ワッハマン「」
ヤックン「え?後が怖いから嫌だって?」
ベルカ「仕方ねーな。私がやろう」
ビキビキビキ
獣人化現象
それは肉体の潜在能力を限界まで引き出し
一撃で岩をも砕き鉄をも引き裂くベルカの最終必殺芸である!!
ベルカ「がああ!」
あ~る「うきゃ?」
レミィ(ハンババ)「なんらてめえ?アタシとあ~るの邪魔をしようってのか?」
ベルカ「え?いや、あの」
げしっ
ベルカ「へぶっ」
レミィ(ハンババ)「そうはいかねーろ!」
あ~る「うきゃきゃきゃきゃ」
ベルカ「ぐふっ」
どさっ
ベルカ「む、無理だわ。力が違う」
ヤックン「何しにいったんだおめー・・・」
ジッソーくん「その能力が役に立ってるところを見たことがないな」
あ~る「うきゃ!」
レミィ(ハンババ)「あ、あれれ?うまく変形してられねーろ?」
ジッソーくん「いかん!あ~るの攻撃がモロにあたるぞ!」
ヤックン「いや待て」
ステーン
ヤックン「すっ転んだ」
ワッハマン「」
ジッソーくん「んなベタな」
レミィ(ハンババ)「うー・・・ん?あれ、なんで変形しようとしてんだアタシ」
がしゃがしゃ
レミィ「?」
あ~る「」
ヤックン「お~い、あ~る。大丈夫か?」
すくっ
あ~る「・・・」
ワッハマン「」
あ~る「ここは誰?私はどこ?」
ワッハマン「」
ジッソーくん「これが正常なのか。奥が深い」
ベルカ「いやわけわかんねーよ」
~~30分後~~
ヤックン「ま、おめーら二人とも、ある一定以上飲みすぎると意識が飛ぶみてえだな」
レミィ「面目ない」
あ~る「すいません」
ヤックン「気にすんなや。別に被害が出たわけでもねえし」
ベルカ「おい」
ヤックン「とりあえずあ~るはもっと食いながら飲んだほうがいいな。ばかばか飲んでばっかいただろ?」
あ~る「未知の味と感覚についつい手が止まりませんでした」
ヤックン「気持ちはわかる。酒の飲み方はゆっくり覚えてけばいいや」
ベルカ「おい」
ヤックン「んだようるせえな」
ベルカ「被害はあるんだが」
ヤックン「おめえ保安官だろ?酔っ払いぐらいきちんと止めろや」
ベルカ「そう言われると・・・」
ジッソーくん「まあ気にするな。放っておけば害はないことはわかったんだ」
ワッハマン「」
ワッハマン「」
レミィ「しかしなんでだろう、若干体中が痛いような・・・」
ヤックン「ま、あ~るとどつきあってたからな」
あ~る「そ、そうなんですか?」
レミィ「アタシとあ~るが?」
ジッソーくん「覚えて・・・ないみたいだな」
ヤックン「だな。こいつらに飲ませる時は気つかわねえと」
ワッハマン「」
ヤックン「気にするこっちゃねえよ。酒は楽しくやらねえとな」
レミィ「う~」
あ~る「しかし、少しずつなら飲めることがわかって嬉しいですね」
レミィ「ああ、量さえ気をつければ無事にお前と飲めそうだな」
あ~る「あい。しかし、なんだか既に眠くなってきましたね」
ワッハマン「」
ヤックン「そうだな。疲れたんだろ」
ベルカ「おーい、片付け終わったぞ」
ジッソーくん「じゃあ、今日はそろそろお暇しようか」
レミィ「なんかすまねえな。迷惑かけちまって」
ヤックン「良いよそんなん。また飲もうな」
あ~る「あい。今日はありがとうございました」
ベルカ「また来るよ。今日はもう寝な」
レミィ「そうするよ。またね」
あ~る「さやうなら」
レミィ「・・・さてあ~る、よくも殴ってくれたな?」
あ~る「・・・覚えてないんじゃなかったんですか?」
レミィ「まあ覚えてはいないな」
あ~る「じゃあもう良いじゃないですか」
レミィ「駄目だ」
あ~る「え~?」
レミィ「罰として抱っこしろ」
あ~る「は?」
レミィ「嫌そうな顔するなよ・・・」
あ~る「別に嫌ではありませんが、何分急な申し出なので困惑はしましたよ」
レミィ「嫌じゃないなら別に良いだろ。抱っこしてベッドまで運べ」
あ~る「ああ、そういうことでしたか。レミィは甘えん坊ですねえ」
レミィ「・・・関節技をかけるぞ」
あ~る「はいはい」
:::【外】:::
ジッソーくん「しかし、見直したぞヤックン」
ヤックン「あ?」
ベルカ「そうそう。案外良いおっさんじゃねえか」
ヤックン「おっさんとか言うなや」
ワッハマン「」
ジッソーくん「・・・ん?」
ベルカ「・・・何であんたまでついてきてんだ?」
ヤックン「ああ、俺が連れてきたのよ。アンディんとこで飲み直そうと思ってな!」
ワッハマン「」
ベルカ「・・・こいつ」
ジッソーくん「前言を撤回しよう」
ベルカ「私もそうする」
ヤックン「なんだよおめえら行かねえのか?」
ワッハマン「」
ベルカ「・・・仕方ねえ。行くか?」
ジッソーくん「明日も学校なんだが・・・まあ良いか」
ヤックン「よっしゃ!行くぞ!」
ワッハマン「」
:::【円盤家】:::
おかあさん「・・・ん?あれ?おまいさんまだ起きてたのかい?」
おとうさん「・・・・・・」
おかあさん「どうしたんだい?」
おとうさん「・・・・・・出番がなかった」
おかあさん「何をわけのわからんことを・・・ほどほどにして寝なよ」
ほどほどにして寝ます
今回はここまでで
いつになったらケン出せるんだろう
乙です。
そういえばあ~るもレミィも酒癖は悪かったなあ。
乙乙!
いーなー
たのしーなー
長期連載熱望
野球拳はなかったか…
>>198-202 ありです
>>200 歓迎会で終わろうかとも思ってましたが、ネタが思いつくだけやってみますね
>>202 迷ったんですけど、やっぱりあのネタは長沼さんありきかなあと思いまして
更新します
:::【円盤家:外】:::
おかあさん「お前さん!頼んどいたテーブルと椅子は作り終わったのかい?」
おとうさん「・・・はい」
おかあさん「どれどれ?っておい、テーブルしかないじゃないか」
ター君「旦那はテーブルしか作れませんよ」
おかあさん「そういやそうだったね・・・」
ター君「どうすんですか?これ」
おかあさん「他人ごとみたいに言ってんじゃないよ。この際仕方ないね。幸いにも低いテーブルだし、ブルーシートでも敷いてその上にテーブル置いて、シートのほうに直に座ってもらおうかね」
ター君「なるほど」
おかあさん「私ゃ物置からシート引っ張り出してくるよ」
ター君「僕は何します?」
おかあさん「ター坊には後で料理の手伝いを頼むよ。あたし一人じゃ終わりゃしないからね」
おとうさん「・・・・・・・・・」
おかあさん「あんたは町の皆に歓迎会の時間でも伝えに行きな」
おとうさん「・・・・・・はい」
:::【ショベルマウスの家:玄関先】:::
ライカ「18時?」
おとうさん「・・・そう」
ライカ「何がだよ?」
おとうさん「・・・・・・差し入れ歓迎」
ライカ「いや、だから何が?」
おとうさん「・・・雨天決行~~~!」
ライカ「わかったわかった!」
おとうさん「・・・・・・」
ライカ「行っちまった・・・なんだったんだ?」
ショベルマウス「騒がしいだな。なんかあっただか?ライカさん」
ライカ「よくわからん」
ショベルマウス「?」
ライカ「(・・・まあでも、あれのことだろうな)」
:::【ショウちゃん達の洞窟】:::
おとうさん「・・・差し入れ歓迎」
ヤックン「おう、任しとけや!今日のために秘蔵の古酒を引っ張り出してきたぜ!」
ショウちゃん「どうせほとんど自分で飲むんじゃないのか?」
ヤックン「そういうお前はどうすんだよ?」
ショウちゃん「大量のダイナマイトを用意した!」
ヤックン「んなもん差し入れてどうしろっつーんだよ・・・」
虹男「あ~、まあ魚でも釣って行きます。よろしく」
おとうさん「・・・はい」
:::【映画館前】:::
おとうさん「・・・雨天決行~~~!」
アンディ「アメガフッタラドウスルノデスカ?」
おとうさん「・・・・・・電磁バリアを張る」
ケン「本当にやりそうで怖いな」
ジョン「旦那は本気でしょう」
ケン「しかし差し入れねえ。魚でもとってこうか?」
アンディ「ソウデスネ」
:::【最強男の家】:::
最強男「差し入れだと?」
おとうさん「・・・・・・はい」
最強男「馬鹿を言うな。この私が行ってやることこそが最大の差し入れではないか」
最強男の妻「そういうわけにもいかないですよ。何かお料理でも持って行きますわ」
おとうさん「・・・・・・はい」
:::【駄菓子屋】:::
駄菓子屋のばーさん「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
パーカー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
おとうさん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
駄菓子屋のばーさん「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
パーカー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
おとうさん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
駄菓子屋のばーさん「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
パーカー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
おとうさん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
げしっ
ミドリ先生「えーいうっとうしい!」
おとうさん「・・・何故?」
ミドリ先生「何か用があるなら仰ってください!せっかくの休みの日にもう・・・!」
おとうさん「・・・18時からです」
ミドリ先生「18時?ああ、レミィ達の歓迎会ですね?」
おとうさん「・・・はい」
ミドリ先生「わかりました。遅れないようにしましょう」
おとうさん「・・・・・・差し入れ歓迎」
ミドリ先生「言われなくても解ってますよ。何かお酒のつまみになるようなものでも持っていきますから」
おとうさん「・・・雨天決行」
ミドリ先生「は、はあ・・・」
:::【暗くてジメジメしたところ】:::
チカちゃんで~す!
おとうさん「・・・・・・」
:::【鉄道開通予定地】:::
作業員A「我々も行って良いんですか?」
おとうさん「・・・はい」
まるちぷるたいたんぱーーー!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
作業員B「けどこいつも連れて行くとなると、かなりうるさいと思いますよ?」
まるちぷるたいたんぱーーー!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
おとうさん「・・・・・・大丈夫」
作業員B「・・・行くか」
作業員A「うん」
まるちぷるたいたんぱーーー!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
:::【警察所】:::
おとうさん「・・・・・・ベルカー」
おとうさん「・・・・・・いない」
おとうさん「・・・・・・」
レミィ「あれ?何してんだよ旦那」
あ~る「やあ、おとうさんですね」
おとうさん「・・・やあ」
ワッハマン「」
レミィ「こんなとこでどうした?迷子か?」
おとうさん「・・・・・・ベルカを探している」
レミィ「ベルカ・・・ってあの警官か。何となく使えなさそうな」
あ~る「失礼なことを言うもんじゃございませんよ。確かに肝心な時に役に立たなさそうな方ではありましたが」
レミィ「お前が一番失礼だよ」
ワッハマン「」
おとうさん「・・・・・・ベルカを知りませんか?」
あ~る「残念ながら、存じませんねえ」
レミィ「うん」
ワッハマン「」
レミィ「お?さっき見たって?」
ワッハマン「」
レミィ「旦那の家に向かってたらしいぜ?」
おとうさん「・・・・・・なるほど」
あ~る「何か急な御用なのですか?」
おとうさん「・・・伝えなければならない」
レミィ「行っちまった。慌ただしい旦那だぜ」
あ~る「我々も行きませうか」
レミィ「おー」
ワッハマン「」
:::【湖】:::
コロナ「あっレミィだ!おはよう!」
レミィ「おはやうコロナ」
あ~る「おはやうございます」
ワッハマン「」
コロナ「おはやう」
ジッソーくん「うむ、集まったな」
トム「だな」
あ~る「おや、あの方の姿が見えませんね」
トム「あの方?」
あ~る「何でしたっけ?ほら、ラ・・・ラ・・・ライディ-ンさん」
ワッハマン「」
レミィ「フェードインしてどうする。ライカだろライカ」
あ~る「ああ、ライカさんですね」
コーちゃん「誘ったんだけど来なかったんだ~。釣りなんか面倒だってさ」
レミィ「なんだ付き合い悪ぃな。そういう奴には見えなかったが」
コーちゃん「釣りが嫌いなのかなぁ・・・釣り楽しいのになぁ・・・」
ワッハマン「」
ジュンくん「ショベルマウスさんと二人きりでイチャイチャしたかっただけじゃないのかな?」
トム「あり得るかも」
ジッソーくん「まさか」
コロナ「まっさかー!」
あ~る「あっはっは」
ジッソーくん「・・・しかしそんなことを言っていたことがばれたら、多分お前達の命はないぞ」
ジュンくん「そ、そういえば・・・今のは内緒ね!内緒!」
トム「そうだな!誰にも言わないようにしよう!」
レミィ「はいはい・・・(言わなきゃいいのに・・・)」
ジッソーくん「何なのかは知らんが、奴にも何か思うところがあったのだろう。考えなしに遊びに来ないような奴ではない」
コーちゃん「まあねー。去年はまだずいぶんとげとげしてたけど」
ジュンくん「え~?今もトゲだらけでしょー!」
トム「つーかトゲしかないよな」
ジッソーくん「・・・お前達は命知らずだな」
トム「い、今のも内緒だぞ!」
ジッソーくん「陰口は関心しないな」
レミィ「あいつ怒ると怖いのか?」
コロナ「怒るとっていうか・・・」
ジュンくん「いっつも怖いよ」
トム「だよな」
ジッソーくん「・・・あ」
ライカ「ずいぶん楽しそうだなお前ら」
トム「・・・」
ジュンくん「・・・い、いつからいたの?」
ライカ「・・・お前が「ショベルマウスさんと二人きりで--」とか言ってた辺りだな。隠れてればまだまだ面白い話が聞けそうだったもんでな」
ジッソーくん「あーあ」
ジュンくん「ジッソーくん助けて!」
ジッソーくん「自業自得だ。諦めろ」
トム「薄情者!」
ライカ「いいからこっち来い」
げしっげしっ
あ~る「やあ、これがインカ帝国といふやつですね」
コロナ「インカ帝国?」
ワッハマン「」
レミィ「因果応報な。物凄く解り辛いボケをするんじゃない」
コロナ「因果応報・・・って何?」
ジッソーくん「良いことをすれば自分にも良いことが起きるし、悪いことをすれば自分にも悪いことが起きる、っていうことだ」
ワッハマン「」
コロナ「へぇ~」
ジッソーくん「つまりあれだな」
コロナ「なるほど・・・」
トム「見てねーで助けろよ・・・!」
コーちゃん「ところでライカさん、来ないんじゃなかったの?」
ライカ「・・・何だよ来ちゃ悪いのかよ」
ショベルマウス「そう何でもかんでも悪い方にとらえるもんじゃないだよライカさん」
ライカ「うるせー」
レミィ「・・・巨大ネズミが来たぞ」
あ~る「ハハッ」
レミィ「やめなさい」
ワッハマン「」
ショベルマウス「あ~るさんやワッハマンさんとは話しただが、あんたとはまだ面識なかっただな」
レミィ「おう、レミィと呼んでくれ」
ショベルマウス「オラはショベルマウスだ」
レミィ「・・・なんでショベル背負ってんだ?」
ショベルマウス「ショベルマウスだからだ」
レミィ「・・・いや、意味が解らない」
ワッハマン「」
レミィ「そのショベルって何に使うんだ?」
ショベルマウス「穴を掘るだ」
レミィ「なんで?」
ショベルマウス「ショベルで」
レミィ「・・・」
ワッハマン「」
レミィ「まあいいや、釣りをはじめよう」
あ~る「既に釣り始めている方がいらっしゃいますね」
レミィ「本当だ。つーかコーちゃん凄いな!」
コロナ「コーちゃんは釣りの名人なんだ!」
トム「20匹ぐらい同時に釣りあげるなんてコーちゃんにしか出来ないからな。どうやってるのかはわからないけど」
あ~る「よし、負けない」
レミィ「負けないってお前、どうやって張り合うつもりだよ?」
ワッハマン「」
あ~る「ええ、量で勝てないなら質でしゃうぶです」
コロナ「質?」
あ~る「この湖の主を釣り上げてみませう」
コーちゃん「主かあ」
レミィ「適当なこと言ってるんじゃないよ」
あ~る「深いところへ届くように思い切り行きますよ」
レミィ「待て馬鹿、お前が思い切りやったら」
ドンッッッッッ!!
レミィ「うわっ!?」
コロナ「きゃっ?」
ジュンくん「なっ、何?何なの?」
あ~る「・・・」
ワッハマン「」
ジッソー君「・・・何が起きたんだ?」
あ~る「竿の先端が音速を超えました」
レミィ「超えてるんじゃない!」
ライカ「・・・豪快な奴だな」
ワッハマン「」
レミィ「負けないじゃねーやめろ!」
ショベルマウス「竿は壊れたりしてないだか?」
コロナ「それは・・・大丈夫みたい」
トム「頑丈な釣竿だなー・・・」
あ~る「・・・ややっ」
レミィ「どうした?」
あ~る「こ、この手応えは・・・!」
ぐぐぐぐ・・・
コーちゃん「す、凄い引き!まさか本当に湖の主!?」
ジュンくん「あ~るさんが引き摺られてるよ!」
あ~る「う~む・・・」
ずりずり
レミィ「下駄が地面に食い込んでる・・・腕力はともかく、足場がゆるいんだな」
ライカ「冷静に言ってる場合かよ!」
ショベルマウス「皆で手を貸すだよ!」
わぁっ
コロナ「んー・・・!」
トム「これ僕ら役に立ってるか・・・?」
ジッソーくん「微妙だな。ウェイトが違いすぎる」
ワッハマン「」
ジュンくん「そうだよ!少しでも力にならなきゃ!」
コーちゃん「あ~るさんリール巻いて!速く!」
レミィ「長くはもたない!あ~る急げ!」
あ~る「あい」
きりきりきりきり
ライカ「ふんぎぎぎ・・・!なんで私まで・・・!」
ショベルマウス「とか言って自分から力一杯手ぇ貸してる癖に」
ライカ「・・・なんか言ったか?」
ショベルマウス「な~んも?」
ライカ「つうかてめぇ、手ぇ抜くな!」
ショベルマウス「わかってるだよ!」
ぐぐっ・・・
ワッハマン「」
あ~る「ええ、そろそろですね」
レミィ「力いっぱい引き上げろ!」
ワッハマン「」
あ~る「やあ~っ」
ざっぱん
あ~る「・・・・・・」
レミィ「・・・・・・」
ワッハマン「」
ケン「」ぴくっぴくっ
ショベルマウス「なんだケンでねが」
コロナ「釣竿持ってるねえ?」
ライカ「大方こいつも釣りに来てたんだろ。対岸まで届いたんだな。あ~・・・あほらし」
ジッソーくん「壮絶だな」
トム「急に冷静になってる場合じゃないだろ!息してないぞ!」
ジュンくん「だ、誰か人工呼吸を!」
ジッソーくん「人工呼吸のやり方なんか知らないぞ」
あ~る「マウストゥマウスですよ」
ライカ「マウスならここにいるぞ」
ショベルマウス「・・・オラにやれってことか?」
ライカ「少なくとも私はやらないぞ?」
ショベルマウス「・・・」
レミィ「四の五の言ってる場合かよ。いけワッハマン!」
ワッハマン「」
レミィ「え、俺?ってお前、ここでお前がやらずに誰がやると言うんだ?」
コロナ「こういうのは叩けば治るんじゃない?」
ドン!ドン!
レミィ「こらこら無茶すな!」
あ~る「やはりおとうさんの娘さんですねえ」
レミィ「確かに・・・」
ケン「ごふっ・・・ぶへっ!」
ジッソーくん「あ~あ、死んだ」
コロナ「ええ~!?」
ケン「はあ・・・はあ・・・勝手に[ピーーー]な!」
コロナ「大丈夫?」
ケン「あぁ・・・ありがとコロナちゃん。叩いてくれたおかげで肺の中の水が吐き出せたよ」
コロナ「ほら治った!」
レミィ「お、おう。凄ぇドヤ顔だな」
あ~る「なるほど」
ワッハマン「」
レミィ「つーかこの人誰よ?」
ライカ「知らん」
ケン「ちょっとちょっとライカさん!いくらなんでも知らんはないでしょ!」
ライカ「湖で釣れるような知り合いは私にはいない」
ケン「きっつー・・・何気にそれ鯉の太郎がかわいそうなような・・・」
ジュンくん「ライカさんがきついのは今にはじまったことじゃないよね」
トム「いつものことだよな」
ライカ「ほお」
ジュンくん「今のは言葉のあやで・・・」
トム「僕は何も言ってないよ・・・」
ライカ「良いから来い」
げしっげしっ
ショベルマウス「こいつは風来坊のケンだ」
レミィ「風来坊?なんだそれ?」
ジッソーくん「平たく言えば住所不定無職というやつだな」
レミィ「ワッハマンみたいなもんか」
ワッハマン「」
あ~る「なるほど。これが浮浪者の人ですか。浮浪者の人は湖で釣れるんですねえ」
レミィ「奥が深いってか?」
あ~る「ええ、奥が深い」
ケン「何かもう散々だな・・・」
コロナ「大丈夫?」
ケン「ご心配ありがとう」
~~30分後~~
アンディ「イヤア、ケンガイキナリミズウミニヒキズリコマレタトキハドウナルコトカトオモイマシタヨ」
ジョン「無事で良かった」
レミィ「無事とは言い難いだろ・・・」
ケン「まあ命はあったということで」
ワッハマン「」
ぱかっ
あ~る「炊けましたよ」
レミィ「おう。じゃあ一緒におにぎり作ろうか」
あ~る「あい」
コロナ「お魚焼けたよ~!」
ジッソーくん「うむ。焼き魚に刺身におにぎりか。思ったよりしっかりした昼飯が出来たな」
ライカ「魚はちょっと多すぎる気がするけどな」
ショベルマウス「コーちゃんがさっきの騒ぎの間も黙々と釣ってだからなあ」
コーちゃん「えへへ・・・」
ジュンくん「まあ、あまった分は夜の歓迎会に持っていこうよ」
トム「だね」
アンディ「ン?モシカシテ、ソチラモサカナヲモチヨロウトシテイルノデスカ?」
ジュンくん「そうだよ?」
コロナ「そちらも・・・って?」
ジョン「実はこっちも・・・」
ケン「うむ・・・」
ワッハマン「」
コーちゃん「ま、まあ、僕達ぐらいは魚づくししてもいいんじゃないかな?」
ライカ「・・・だといいがな」
あ~る「?」
レミィ「?」
:::【川】:::
虹男「いやあ、釣れた釣れた」
ヤックン「おう、こんだけ持ってきゃ魚は十分だろ!」
ショウちゃん「今日に限ってこんなに釣れるとはな!」
:::【最強男の家】:::
最強男「・・・鯛?なんでまたそんな面倒なものを」
最強男の妻「まあ、おめでたい席じゃないですか」
:::【駄菓子屋】:::
ミドリ先生「めざしにししゃもにさんまに鮎、ちょっと張り切りすぎちゃったかしら」
駄菓子屋のばーさん「ーーーーーー」
ミドリ先生「そうよね。酒の肴って言ったらやっぱり文字通りお魚よね」
:::【円盤家:外】:::
おかあさん「おおー・・・綺麗に焼けたよ」
ター君「鯛ですか。豪勢ですね」
おかあさん「おめでたい席だからね。主催はこれぐらい用意しなきゃ」
ベルカ「姐さーん、会場の飾りつけ終わったよ~」
おかあさん「おおベルカ。すまないねこんなことに駆りだしちまって」
ベルカ「水臭いこと言うなっての」
おとうさん「・・・見つけた、ベルカ」
ベルカ「うわっ!な、なんだよ急に」
おとうさん「・・・18時からです」
ベルカ「え?」
おとうさん「・・・差し入れ歓迎」
ベルカ「え?何?もしかして歓迎会の・・・」
おとうさん「・・・雨天決行~~~!」
げしっ
おかあさん「ベルカはここにいんだからわざわざあんたが伝えなくてもいいだろ」
おとうさん「・・・だって町の皆に」
おかあさん「融通の利かない・・・」
ベルカ「旦那にそれ求めちゃ酷だよ」
ター君「ですねー」
おとうさん「げしょ」
書き溜めてるとスムーズですね。
今回はここまでです。次回はようやく歓迎会です。
小ネタやってる話が進まない進まない・・・
竿の先端が音速を越えた時点で釣り人の人を釣ってしまうオチが予測できてしまった・・・
おつ
素晴らしい原作愛だわ
:::【円盤家】:::
ミドリ先生「あ~るさん、レミィ、ワッハマンの歓迎会の司会を任されました。ミドリです」
トム「わざわざそんなこと言わなくても皆知ってるだろ」
ショウちゃん「いまさら自己紹介なんかされてもな」
ミドリ先生「はいそこうるさい!とりあえず皆さん集まったみたいですし、おかあさんに乾杯の音頭をお願いします」
おかあさん「はいよ」
ヤックン「おめーはまず水な」
あ~る「あい。ありがたうございます」
ケン「皆飲み物持ったか~?」
コロナ「一人持ってない子がいるよ~!」
たいたんぱあ!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
ケン「・・・まあ彼は良いんじゃない?」
レミィ「つーかアレ何?」
ワッハマン「」
おかあさん「それじゃ始めようかね!」
最強男「その前に一ついいだろうか?」
おかあさん「なんだい?こんな時に」
最強男「我々が来たときにはこんな歓迎会はされなかったんだが」
ライカ「まあ私もされてはいないな」
虹男「・・・」
チカちゃんで~す!
おかあさん「・・・それじゃ始めようかね!」
最強男「流されてしまったぞ」
最強男の妻「まあまあ、私達とあ~るさん達は事情も違いますし」
コロナ「?」
おかあさん「今日は皆集まって貰ってありがとうね」
たいたんぱーーーー!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
おかあさん「今日の集まりは先週この町に引っ越してきたあ~るさん、レミィ、ワッハマンの歓迎会だけど、町の皆の交流会も兼ねさせて貰ってるから、皆楽しくやっとくれ」
まるちぷるたいたんぱー!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
おかあさん「・・・ちょっとアレ止められないのかい?」
作業員A「すいません止めてきます」
おかあさん「それじゃ気を取り直して乾杯!」
かんぱ~い!
ミドリ先生「では乾杯も終わったところで、随時ター君とおかあさんが料理を運んできてくれますので、お箸を進めながら歓迎会のイベントへの参加とご観覧をお願いします」
レミィ「イベント?」
あ~る「?」
ワッハマン「」
ミドリ先生「イベント第一弾は腕相撲大会!文字通り腕に覚えのある方のご参加をお願いします」
レミィ「か、歓迎会でやることか?」
ワッハマン「」
あ~る「面白そうで良いではないですか」
レミィ「いやまあいいけどよ」
ベルカ「・・・腕相撲大会って、旦那が出るなら結果はわかってるじゃねーか」
ミドリ先生「そう思ったので、おとうさんは参加不可です」
おとうさん「げしょ」
コロナ「せっかく活躍できそうなのに~!」
ベルカ「お~。なら出てみようぜライカ」
ライカ「嫌だよ一人で行け」
ケン「う~む。数合わせにしかならんだろうけど、やってみようかね」
アンディ「ウデガナインデスガ、アシデデテモイイデショウカ」
ジョン「触手は腕に入りますか?」
ミドリ先生「・・・どちらも不可で」
レミィ「よし、行くぞお前等」
ワッハマン「」
あ~る「ワッハマンさんはわかりますけど、僕も行くんですか?」
レミィ「主賓のあたし達が行かなくてどうするんだ」
あ~る「え~?」
ミドリ先生「優勝賞品はササニシキ一俵です」
あ~る「やります」
レミィ「現金なやつだな」
ベルカ 対 あ~る
ベルカ「主賓だからって手加減しないぜ」
あ~る「そう言わずに、お手柔らかにお願いしますよ旦那」
ベルカ「いやいやそうは行かないよ!」
ビキビキビキ
獣人化現象
それは肉体の潜在能力を限界まで引き出し
一撃で岩をも砕き鉄をも引き裂くベルカの最終必殺芸である!!
ミドリ先生「それでは用意、はじめっ」
あ~る「やあ~っ!」
バキ
ベルカ「」
あ~る「」
ベルカ「こ、拳の骨が粉々に砕けた・・・!」
コーちゃん「そんな大袈裟な・・・」
ミドリ先生「はい!あ~るさんの勝ち!」
おお~!パチパチパチ
ライカ「(やっぱりな。出なくて良かったぜ)」
最強男 対 レミィ
最強男「残念だが、私とあたったことは不運だったな」
レミィ「あ~?なんだと?」
最強男「そんな小柄で私に勝てるはずがない!何せ私は宇宙最強だからな!」
がしゃん!
レミィ(ハンババ)「上等だよ」
最強男「えっ」
ミドリ先生「それでは用意」
最強男「ちょ、ちょっと待て」
ミドリ先生「はじめっ」
バキッ
最強男「うあああああ!!」
ミドリ先生「はい、レミィの勝ち!」
トム「パパ・・・」
ジッソーくん「・・・レミィは怒らせんほうがいいな」
ショベルマウス「んだな」
レミィ 対 あ~る
レミィ(ハンババ)「お前が相手でも手加減しないぜ」
あ~る「う~・・・む」
ミドリ先生「どうしたんですか?早く準備を」
あ~る「いえ少し考え事を」
ミドリ先生「?」
あ~る「・・・!・・・ひらめきました」
ミドリ先生「は、はあ・・・まあいいでしょう。それでは用意」
あ~る「レミィは可愛いですよねえ」
レミィ(ハンババ)「ななっ!何だよこんな時に!?」
ミドリ先生「はじめ!」
あ~る「やあ~っ!」
ババッ
ワッハマン「」
レミィ(ハンババ)「あっ」
ミドリ先生「あ~るさんの勝ち!」
あ~る「うふふふふ」
ヤックン「考えたもんだなおめえ」
あ~る「ある方に負けるなときつく言われておりまして。その方がやりそうなことをしてみました」
ヤックン「いや勝ち負けは良いけどよ、後が怖ぇんじゃねえのか?」
レミィ「あ~る~~~!お前覚えてろよ・・・!」
あ~る「・・・まあ、後のことは後で考えます」
ジュンくん「案外たくましいんだね」
ライカ「問題を先送りにしてるだけだろ」
ケン「描写すらなかったけど負けました」
ジョン「負けたって誰に?」
ケン「そりゃまあ」
ワッハマン 対 あ~る
あ~る「う~む・・・」
ワッハマン「」
ミドリ先生「まだですか?」
あ~る「・・・!・・・何も思いつきませんでした。始めませう」
ミドリ先生「はいはい。それじゃ用意、はじめっ!」
がきんっ
ワッハマン「」
あ~る「むむ!」
ジッソーくん「完全に互角だ」
ベルカ「硬直しちまってる。こっからは体力勝負か?」
レミィ「いや、ワッハマンはまだレベル2だ。力比べに刺激されて3以上になれば・・・」
ワッハマン「」カッ
どかんっ!
ミドリ先生「ど、土台が・・・!」
虹男「土台の負けってところかな」
ミドリ先生「一応特殊合金製なんですけど・・・」
あ~る「・・・こうなった場合ササニシキはどうなるんですか?」
ワッハマン「」
ミドリ先生「お二人とも優勝ということで、あ~るさん一家に進呈しましょう」
あ~る「わあい」
ワッハマン「」
コロナ「よかったね!」
あ~る「あい」
ミドリ先生「それでは気を取り直して次は隠し芸大会です」
あ~る「・・・かくしげ」
レミィ「・・・・・・?」
あ~る「・・・なんでもありません」
ミドリ先生「皆この日のために色々と準備していたみたいなので楽しみですね。一番の方」
ショウちゃん「一番ショウちゃん!大爆発やります!」バチバチバチ
どかっ!げしっ!
ショウちゃん「」
ミドリ先生「はい次、二番の方」
レミィ「容赦ねえな」
ワッハマン「」
あ~る「あははは」
ター君「二番ター君」
r-、
ヽ \_ _,. - 'フ
\ `ー-- 、 _,. '´ _, - '´
` ー- 、 `丶、 _ ,. -──--- 、 ___ ,. '´ ,. '´
`丶、 \ __/_ l -─-ゝ / _  ̄ ̄`ー-、__ _,. '´ ,. '´
\: \ / / ノ´ ̄__ `ヽハ 、 >-⌒ヽ \`ヽ、 _/ /
\ \ ノ / ー-'´  ̄ヽ j i ┐ -' _/ ,/
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,r' >-ヘ j / __∠- ' j l _ \ /、 .」
〃 / / / レ' `ー ´ヽ iヽ  ̄ `ー j ヽ」 \
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」j ,ィ___/ / ̄ / へ--、 | __ __ j >、 j Y.」
j L イ | - '\ /、 `ヽ / ヽ '´ / く \ i l |
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l、_レ' 、  ̄ ー< `ー-( ヽ--┴ィ'´7 __/ | ´ ,r' j 〔 |
} ` ー- _,.- ' ヽ ` - ,/ / 「i 、_/ / \ ⌒ ー─' / ヽ |
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/ 、 ト / ̄` < l.\ \/`ヽ 7 ( 〃 ノ__ / ヽ 丶 i ヽ
| l | `ヽイ´ __ f、ニ、ト、 \j r、 V-'´  ̄`ヽ/ ̄ ̄ `> 7 l | |、 j
j へ >‐ アノ / ヘ ` \ コl、 | ノ ,.--、 ヽ _,〃 ̄ ノ l l l / ̄.∧
| j〃 ̄ヽ┤ r ユ」 ヽ 二ゝ| |イ くミ 、 ト、. i | ⌒く \ヽ ヽ i |
j / l / 7 /、 /ィ'7フ | |´ ヾミ\j j l  ̄ 7 \_ ヽ Y´ j
| Yヘ _ |  ̄l/,イ/ / ,ィLノヾ ij iソ / ̄ミヽ、 >  ̄ ⌒「 / ノ
`|ヽ/ 〕'´、 ,ノ、._ //ニ / //ノ i ヾ /j 7 ,/ヽ二 ー--、く、 _ ヽi_/ |
| l / r-イ i // 7 //ィ | ヽ l { i ヽ.ノヽ \` ー─r' 7 / ヽj |
ヽ ゝ /ヽ\/_ -イ ! Vハl | :: i ijへ ヽi.\ ヽ___ゝ ヽ、 j_ィ'
r | ,.-' \ _∠--、i/∧. lミリ | :: | | i i yiへ \ __ンー─- ' /
\ _ -- ,r イ 」 | j V j :: i | L,<| |<==へ_ゝ、__く / /
`ー-ァ-┬7 7二 彳l彡.」 ,':. :: イ j Y ) 「\ニ -┴=三シヨ-r-‐'´
jレ' Y/レ'∠三ヽj 」´ /.: :: /、 i/ヘ 」 rノ「`rゝrへ\iンシ
げしっ
おかあさん「あんたはさっさと料理を運ぶんだよ」
レミィ「・・・いつのアップは心臓に悪いな」
ワッハマン「」
あ~る「やあ、三番のあ~る・田中一郎君だよ」
レミィ「いつの間に・・・」
ワッハマン「」
あ~る「五合飯の一気をやります」
がばばばばっ
おお~っ!
レミィ「隠し芸か?あれ」
コロナ「凄い凄い!」パチパチ
おとうさん「・・・・・・負けない」
ミドリ先生「あ~るさんありがとうございました!それでは四番」
おとうさん「四番おとうさん」
ケン「あ、あの・・・次は僕なんだけど」
おとうさん「四番おとうさん」
ケン「解かった解かりましたよ」
コロナ「おとうさん何するんだろ?」
ベルカ「危ないことだけはやめて欲しいけどな」
おとうさん「・・・・・・・・・・・(汗」
ミドリ先生「あの~・・・おとうさん?」
虹男「何も考えずとりあえずステージに上がったみたいだね」
ショベルマウス「まあ、旦那らしいんだな」
おとうさん「・・・あそこに見える惑星を破壊します」
げしっ
おかあさん「何を考えてんだい何を」
おとうさん「げしょ」
レミィ「お、奥さんも大変だな」
ワッハマン「」
コロナ「お父さんの馬鹿」
トム「相変わらず恥ずかしい父ちゃんだな~お前の父ちゃん」
コロン「む・・・!」
レミィ「そんなこと言ってて良いのかよ」
トム「え?」
最強男「五番は私だ!そこの円盤を破壊してみせよう!」
げしっ
おかあさん「一緒だ一緒。つーかウチだよありゃ」
コロナ「・・・相変わらず恥ずかしいお父さんね」
トム「・・・ごめん」
ケン「ようやく僕の出番だね。アクロバット飛行をやります!」
ババッバッ
レミィ「おおー」
ワッハマン「」
あ~る「かっこいいですねえ」
レミィ「なんか普通に凄いな」
ジョン「普通に凄くてつまんないね」
ライカ「意外性がねーな」
ワッハマン「」
ケン「そ、そう言うなら自分でなんかやってみてくれよ」
ジョン「よ~し、それじゃ一世一代のご開帳をお見せしよう!」
げしっ
おかあさん「皆食事中だっての」
ジョン「すいませんでした」
レミィ「料理も運んで突っ込みもして大忙しだな奥さん」
あ~る「おかあさんが一番面白いですね」
ミドリ先生「え~、では次7番、パーカー」
パーカー「ーーーーーーーーーーーーーーーーー」
パーカー「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
パーカー「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ワッハマン「」
あ~る「ーーーーーーーーーーー」
レミィ「いや真似しなくていいから。つーか何アレ」
ジュンくん「すごいすごい!パーカー素敵!」ぱちぱちぱち
レミィ「・・・アレには何か隠された意味があるのか?」
ジッソーくん「・・・少なくとも俺にはわからん」
レミィ「・・・そうか」
ミドリ先生「は、はい!次八番!」
チカちゃんで~す!
ミドリ先生「・・・チカちゃんは何をするの?」
チカちゃんで~す!
ミドリ先生「・・・・・・」
・・・・・・
ミドリ先生「はい次、九番!」
ライカ「あいつに隠し芸なんかあるかよ」
ベルカ「常にオープンだからな~・・・」
ミドリ先生「あら、次は誰だったかしら・・・確か」
たいぱんぱーーー!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
ミドリ先生「そうそう、マルチプルタイタンパー君だったわね」
まるちぷるたいたんぱーーー!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
ミドリ先生「・・・・・・あの」
まるちぷるたいたんぱーーー!
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
ミドリ先生「すいません止めてもらえます?」
作業員B「はい」
レミィ「な、何だったんだ?」
あ~る「たいたんぱあ」
レミィ「気に入ったのか?」
ワッハマン「」
レミィ「お前もか」
おとうさん「たいたんぱあ」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!!
レミィ「うるせー!」
アンディ「シュツリョクガオオキイブンハゲシイデスネ」
コロナ「おとうさん!」
おとうさん「・・・・・・・・・(汗」
レミィ「おお・・・一言で黙らせたな」
ワッハマン「」
ミドリ先生「と、とりあえず予定していた隠し芸はここまでです。他にも我こそはという方がいらっしゃいましたら是非ご披露下さい」
???『じゃあ次はあたしがやりましょう』
ミドリ先生「は、はあ・・・え?いやあなたは一体・・・?」
あ~る「???」
小夜子『十番小夜子、幽体離脱をやります』
レミィ「・・・幽体離脱って」
ワッハマン「」
小夜子『あらいけない。あたしもう死んでたわ』
あ~る「???」
ミドリ先生「・・・」
小夜子『あら、何よ皆して静まり返っちゃって』
あ~る「・・・さ、小夜子さんですか?」
小夜子『・・・見ればわかるでしょ?久しぶり。あ~る』
レミィ「・・・」
ワッハマン「」
ベルカ「・・・幽霊って本当にいるんだね」
ライカ「今ここで言うことがそれかよ」
今回はここまでです。
次回もよろしくおねがいします。
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