シャル「町内運動会?」一夏「ああ」 (11)
一夏「俺が住んでる地域で年に1回開催されてるんだ」
シャル「そうなんだ。なんか面白そうだね!」
一夏「まぁ、俺はもう何年も参加してないんだけどな」
シャル「ダメだよ一夏。ご近所さんとの繋がりは大切にしないと」
一夏「だって1人じゃなんか参加し辛いだろ?」
シャル「織斑先生と一緒は嫌だったの?」
一夏「千冬姉は家にいなかった」
シャル「お友達は?」
一夏「町内に同級生が俺しかいないんだよ」
シャル「そっか。それで、どうしてそんな話を僕に?」
一夏「簡潔にいうとシャルに運動会に参加してほしいからかな」
シャル「僕が?」
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一夏「町内の大人たちに今年はどうしても姉弟二人でってお願いされたからさ……頼めないか?」
シャル「参加するのは構わないけど、織斑先生じゃなくてもいいの?」
一夏「シャルが俺の姉だって言い張ればなんとかなるだろ」
シャル「えぇっ!?僕が一夏のお姉さん!?」
一夏「はは、冗談だよ。千冬姉がその日は仕事でどうしても無理だから、シャルに代役を依頼したんだ」
シャル「もう、びっくりさせないでよ!」
一夏「悪い悪い」
当日 織斑家玄関
一夏「お、来たか」
シャル「おはよう、一夏」
一夏「おはよ。よしよし、ちゃんと動きやすい格好をしてきたな」
シャル「僕の格好、変じゃない?」
一夏「ああ。でもジャージだと途中で熱くなるかもしれないな。中に短パンとか履いてきてるのか?」
シャル「ううん、中はなんにも」
一夏「……え?そ、それはさすがにまずいだろ……いや、でも暑さを軽減するという面では……」
シャル「?」
一夏「……シャル」
シャル「なに?」
一夏「……やっぱり下着くらいつけようぜ。千冬姉の貸してやるからさ」
シャル「一夏のばか……」
一夏「いや、だってシャルが中はなんにもとかいうから……普通そう思うだろ!?」
シャル「一夏のエッチ……」
一夏「ぐ……す、すまん。この埋め合わせは必ずするから許してくれ」
シャル「ほんと?」
一夏「ああ。シャルが望むならいますぐにでも」
シャル「じゃあ……」スッ
一夏「ん?」
シャル「う、運動会は近くの公民館グラウンドでやるんだよね?そこに着くまで手を繋いでくれたら許してあげる!」
一夏「なんだ、そんなことかといいたいところだが……ごめんな、シャル」
シャル「だ、だめ……かな?」
一夏「手じゃなくて、足にしないか?」
シャル「え?」
一夏「右!左!右!左!」
シャル「右!左!右!左!」
一夏「……ストップ!よーし、結構早く着いたな」
シャル「はぁ……はぁ……」
一夏「疲れたか?」
シャル「少しね。二人三脚なんて初めてだったから」
一夏「それにしては上手だったぞ。これならぶっつけ本番でも良かったかもな」
シャル「二人三脚が種目に入ってるの?」
一夏「まぁ定番の種目だからな。俺は受付に行ってくるからシャルは先にテントにいっててくれ。3班って書いてあるやつな」
シャル「うん。わかったよ」
一夏「俺の座る場所も確保しといてくれなー」
シャル「はーい!」
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