御坂「ねえ、今アンタ幸せ?」上条「言わせんな恥ずかしい」(282)


これはとある魔術の禁書目録のssです。

カップリングは上琴

荒らしはスルー推奨。なお、雑談はOKですが、長引きそうな議論は議題をだしたレス >>10が真理とさせていただきます。


前スレ

御坂「アンタを幸せにする!」上条「…はい?」
御坂「アンタを幸せにする!」上条「…はい?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367755765/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373457924

夏真っ盛りの七月の月末


朝日が登り切っていない人もまばらな時間、一人の少女が歩いていた。


灰色のプリーツスカート、半袖のブラウスにサマーセーターの格好であるその少女は御坂美琴である。


彼女はここ超能力開発機関[学園都市]で名のしれた超能力者である。


その二つ名は一見華奢そうな見た目とは裏腹に[超電磁砲の美琴]などと厳つい名で呼ばれてる。


御坂「~♪~♪」


そんな彼女は鼻歌交じりに道を歩んでゆく。


御坂「…フフッ///」


時々、本当に嬉しそうに笑みを浮かばせながら。





第七学区のとある男子寮の一室


その部屋の主は昨晩クーラーが不幸にも故障して、熱帯夜の中を扇風機だけで睡眠をしようとしていたが、とても凌げず結局いつもより早く起きてしまった。


その少年は特徴的なツンツン頭の普通…いや、不幸な高校生。


上条当麻である。


上条「うぅ…畜生……分かってましたよ……ひとつ幸運なことがあったって、そんなことがずっと続くなんて、思っていませんでしたよ…」


とりあえず上条は汗でビショビショになったパジャマを脱いで、朝食を作りはじめる。


上条「~♪~♪」


さっきまでの消沈から気を取り直し、彼は時々口ずさむ鼻歌を歌いながら、上機嫌に朝食を作りはじめるのだった。












~とある二人は上条美琴~














登場人物

上条当麻

みんな大好きな不幸な少年。設定上は少しやさぐれ気味であったが、最近はそうでもない。それ以外は基本原作に忠実なハズである。


御坂美琴

ご存じツンデレ電撃姫である。ツンデレと指摘するとツンデレじゃないと怒る。彼女ほどテンプレなツンデレはいるだろうか?

白井黒子

御坂美琴の同室の後輩。変態行為はここでは自重している。つまり淑女。

今日はここまで。投下はマイペースとなります。

待ってましたぜい

こんばんは 今日も投下してきます


そして遅かったスレ建てすいません。テストが…


それでは投下


御坂は目的地に着き、その目的地の部屋を見上げる。


御坂「…えへ///」


顔が凄くニヤけている御坂。そのままエレベーターに乗ってゆく。




上条「ふぃ~…ご馳走さまでした~…」


朝食を食べ終わり、適当に皿を濯ぎ洗う上条。


彼の補習は昨日で終わり、今日から彼は本当の夏休みを迎えることになる。


上条「……はぁ…時間が待ち遠しい…」


只今の時刻七時。彼が彼女と約束した時間はいつもの公園に十時である。


上条「…仕方ない。土御門のとこに行ってみるか~」



御坂「……///」


エレベーターがゴウンゴウンと上に上がるなか、御坂ずっとこんな調子だった。


御坂「この時間帯…あいつはまだ寝てるハズ…」


御坂「朝食を作り、その後当麻の寝顔をたっぷり見た後、おはようのキスをする…我ながら素晴らしい作戦…うふっ///」


何故御坂がわざわざ上条の所に来ているのかというと、今日彼らは初めてのデートの日なのだ。


しかし御坂は時間まで待ちきれず、上条の所に来てしまったと言う訳である。


エレベーターが上条の部屋の階につき、扉が開く。


そして御坂はそんなテンションであったので、人生の中でBest10には入りそうな黒歴史を刻むとは梅雨知らず、扉が開いたと同時に外にでて、高らかに叫ぶ。














御坂「待っててね~!当麻!私が今から幸せ届けにいくよ~!!」










上条「へ?」


土御門「にゃ?」


舞夏「お?」








御坂「あ」





御坂、発火能力発動五秒前。



投下終了です。短いですが、まだ書き溜めが未完成なので悪しからず

こんばんは。今日も投下しますよ


御坂「うぅ…聞かれた…よりにもよって最も聞かれてはならない人に…」


舞夏「みさかも可哀想にな~」


御坂「いや、アンタよ。一番聞かれたくないの」


舞夏「嘘!?」ガビーン


この小さいメイドさんは件の土御門元春の義理の妹である[土御門舞夏]である。


土御門舞夏は、学園都市の繚乱家政女学校に通う中学生だ。


繚乱家政女学校とは要するにメイド学校である。そのため制服はメイド服である。


土御門舞夏はその学校の[実習]と称して常盤台の女子寮で働いているので、御坂と舞夏はよく出会うのだ。(余談だが常盤台の女子寮までやってくるのはほんの一握りのエリートだけらしい)


舞夏「まあまあ、別に学園都市中に広めようとかそんなゲスいことはメイドさんしないよ~」


御坂「…からかうのに使うでしょ?」


舞夏「おお何で分かったの?」


御坂「ちょ~っと土御門そこ動かないで。頭をチンしてあげるから」


舞夏「おぉ。これが俗に言うツンデレと言うやつなんだなー」


御坂「私はツンデレじゃないわコラー!!」


舞夏「コラコラ怒っちゃダメだぞみさか~。大好きな上条に嫌われちゃうぞ?」


御坂「な、な、ななななななななな何言ってんのよ!だ、誰がこんなやつ大好きなのよ!」


元春「だそうだが?カミやん?」


上条「…うぅ…そうか…御坂は俺が嫌いなのか…」


御坂「え?」


上条「そうだよな…俺は甲斐性なしだし…」


御坂「そんなこと無いわよ!」


上条「馬鹿だし…」


御坂「私が勉強教えるわよ!」


元春(そう言う問題じゃないぜい超電磁砲…)


上条「グスッ…不幸だし…」


御坂「……」


上条「…痛っ!」コツ


上条はそこで額をおさえた。御坂がデコピンしたのだ。


御坂「だがら、言ってるじゃない」


御坂は上条に微笑んで


御坂「アンタに降りかかる不幸は私が振り払ってあげるって」


上条「…御坂…」


元春「……」ニヤニヤ


舞夏「……」ニヤニヤ


御坂「…ハッ!」


元春「いや~青春だにゃ~」ニヤニヤ


舞夏「みさかも年ごろだね~」ニヤニヤ


御坂「だから、私はツンデレじゃないわよ!」


元春(誰もそんなこと言ってないにゃー)


舞夏(ここまで板についてるのか~上条も幸運だな~)


上条「?」


約一名話についていけてなし


舞夏「そういえば今日はみさかたちデートだろ?」


御坂「で、デデデデデデデデート!?そりゃ、ちょっと散歩してお茶してショッピングして遊園地言ってそ、その後手を繋いだりとかしちゃって…ふにゃー!!」


元春(これは面白いにゃー)


舞夏(うんうん。青春だねー)


上条(…可愛いなぁ)←バカ


御坂「ってか、何で土御門が知ってんのよ?」


上条「す、すまん口が滑って…でも、まだ待ち合わせまで時間あるし、いつもの公園で待ち合わせじゃなかったか?何でこんな早くに来たんだ?」


御坂「そ、それは…(い、言えない…まさか寝顔拝んだ後、おはようのキスしようとしたなんて…)」


元春(あー…なるほどにゃー…こりゃ青ピと男どもにチクっとくか)


舞夏「みさかよぉ~、上条はこういうやつだから[私が来るまで起きるんじゃないわよ!]ぐらいは言わなきゃダメだぞ」


上条「え?そうなのか?」


御坂「違うわよ!」


元舞「「ツン入りま~す」」


御坂「だからツンデレじゃないわよ!」

投下終了です。

それではまたノシ

へいへいへーい今日も投下デーす。

上条の部屋


土御門兄弟と別れ、御坂を部屋に上げた。


とりあえず御坂は座らせて、飲み物を振る舞うことにした。


上条「飲み物、麦茶とコーラと紅茶どれがいい?」


御坂「コーラがいいな」


上条「了解(そこは紅茶じゃないのか。まあ御坂らしいけど)」


グラスを二つだし、二つともコーラを注ぎお盆に載せる。その際氷も忘れない。


上条「ほい。おまっとさん」コトッ


御坂「ありがとう」


上条「……」ゴクゴク


御坂「……」ゴクゴク


上条「…ふぅ。それにしても、時間まで暇だよな」


御坂「ん~そうね。何かする?」


上条「あ、そういえば夏休みの宿題やってねーや。ちょっとやろうかな」


御坂「?何よ夏休みの宿題って」


上条「へ?まさか常盤台には夏休みの宿題か無いとかか?いやまさか…」


御坂「あ~何だっけ?夏休み中に勉強が疎かにならないようにするやつだっけ?」


上条「…無いんですかい…流石お嬢様学校」バサッ


御坂「へー…それが夏休みの宿題?」ススッ


上条「ちょ、御坂!?」


御坂は上条の隣に移り、乗り出すようにする。座っている位置上、御坂の頭が上条の目の前になるわけである。


上条(な、なんか甘い匂いが)


御坂「ふ~んこんなもんか。要は復習でしょ?」カリカリ


御坂「ほれ」


上条「…何で出来るの?」←高1


御坂「何で出来ないのよ?」←中2

上条「……」ズーン


御坂「だ、大丈夫よ。私が教えてあげるから!」


上条「うう…ありがとな御坂…」


御坂(うん…?ちょっと待ってよ)


御坂(当麻が宿題に埋もれる→私に会う時間少なくなる→寂しい!?)


御坂(だけど、私が宿題やってあげる→当麻喜ぶ→会う時間増える→嬉しい!?)


御坂「これだ!」ピコーン


上条「な、何が?」


御坂「ちょっとシャーペン貸しなさい!私がやってあげるわよ!」


上条「え?でも流石に悪いし…」


彼女の前で宿題やろうとしたのに今更かと思う方。これが上条さんです。


御坂「う・る・さ・い・わ・ね。早く貸しなさい!」ビリビリ


上条「わ、分かりました!分かりましたから電気は勘弁を!」ピキーン



30分後 ソレカラドウシター?




御坂「はい。終わったわよ」


上条「……」


御坂「ど、どうしたの?」


上条「…御坂さんは神様です」ギュ


上条は御坂の手を強く握った。熱がじんわりと伝わってくる。


御坂「え?ちょ…ちょっと?(きゃわーーーー!!!!)」


上条「あ、わ、悪いつい…」スッ


御坂(そこで離しちゃだめでしょ!?)


御坂「も、もっと…」


上条「へ?」


御坂(はっ!しまった!つい願望がうっかり…か、かくなる上は…)


御坂「も、もっと宿題やりたい!」


上条「…え、いやいや流石に悪いってかもうないぞ…」


御坂「ソ、ソウダヨネー(私はアホかー!?)」


御坂「あ、あのそうじゃなくて…」


上条「そうじゃなくて?」







御坂「あ、あの宿題やってあげたから…その…ご褒美が欲しいな…」モジモジ


上条「ご、ご褒美?」











御坂「…ダメ?」ウワメヅカイ


上条「」ズキューン











御坂「…ダメ…なの…?」ウルッ


上条「」フルコンボダドン






御坂「……」


上条「……」


ギュッ


御坂「あ…」


上条「その…こうでいいか?」


上条は御坂を、ガラス細工を扱うように優しく包み込む。御坂の頭が上条の胸に埋れた。


御坂「…ふにゃ…」


上条「…これでいいか?」


御坂「…撫でて欲しい」


上条「…我儘娘」


御坂「宿題」


上条「ナデナデ」ナデナデ


御坂「…うにゃー…」


御坂は気持ち良さそうに目を細める。まるで猫のようであった。


上条は御坂を、彼女が満足するまで撫で続けた。


投下終了です。それではまた

こんにち。今日も投下しまーす。

御坂「それじゃ、また後で」


御坂は立ち上がり、部屋から出て行こうとする。


上条「え?行っちゃうのか?何でだ?」


御坂「そ、それは…」


御坂(…そういう雰囲気ってあるじゃない…馬鹿…)


上条「時間はあるんだし、ここにいろよ。勿体無いじゃんか」


御坂「……」


御坂「ふぅ。アンタには勝てないね」


上条「え?何の話だ?」


御坂「こっちの話よ」


御坂は元のテーブルの位置に戻り、まだ多く残っているコーラを飲もうとして…ふと止める。


御坂「…ねぇ。私このコーラ飲みきれないから、少し飲んでくれない?」


上条「え?でも…お前いつもヤシの実サイダー飲んでいるじゃないか」


御坂「…察しなさいよ…ばか」ボソッ


上条「?」


御坂「何でもないわ」コトッ


グラスをテーブルに置き、上条に向き直る御坂。



上条「……」


御坂「……」


上条「…あの御坂さん?」


御坂「何よ?」


上条「どうして抱きつき受け身の構えなのでしょう?」


御坂「ん」


上条「…抱きついて来いと?」


御坂「…それ以外何かあるの?」


上条「…恥ずかしい」


御坂「……」


御坂「えい!」ダキッ


上条「ムゴォ!」


御坂「むふー」ギュウギュウ


上条「み、御坂さん!当たってる!控えめだが柔らかい物が当たってます!」


御坂「いいじゃない別に。減るもんじゃあるまいし」ギュウギュウ


上条(ちょー!!御坂さんそれ以上は不味いよ!こ、このままじゃ上条Jrが!下条さんが!上条さんのモノ条さんが!ゲシュタルト崩壊します!!)


御坂「……」


上条「…あれ?」


御坂「…zzz」


上条「…寝ちゃったよ…」


御坂「…zzz」


上条「疲れたのかね~?」


御坂「…んぅ…当麻~…」


上条「…やっぱ可愛いな…」ナデナデ


結局御坂は約束の時間まで眠っていた。

今日は終わりです。ではまた

こんばんは。今日も投下しまーす。いえい!

御坂「…zzz」


御坂「…ん~…うにゃ?」


上条「お、起きたか」


御坂(あれ、私どうして当麻に膝枕して貰ってるんだろう…)


御坂(…まあ、いいか。このまま寝ちゃお…)













御坂「…zzz」


上条「…あれ?また寝ちまったか?でもそろそろ時間だしな…」


御坂「…zzz」


上条「…御坂さ~ん起きて~」


御坂「…zzz」


上条「…起きないと、キスするぞ?」


御坂「…zzz」



上条「…仕方ないな…」


あどけない寝顔を晒す御坂に、上条は顔を寄せる。


御坂「…zzz」


上条「……」


あと十センチ…


御坂「…zzz」


上条「……」


あと五センチ…


御坂「…zzz」


上条「……」


あと一センチ…












御坂「…うぅ?」


上条「お?目覚めたか?」


…あれ?私本当に寝ちゃってたの?


御坂「うーん…よく寝た…気がする」


上条「それは良かった。さ、行こうぜ」


御坂「え?」


時計を見ると、とっくに待ち合わせの時間は過ぎている(もうとっくに待ち合わせているわけだが)


私、こんなに寝ちゃってたの?


上条「ま、まだ時間はあるし焦らなくていいぞ?」


御坂「う、うん。ちょっと顔洗ってくるから待ってて」







御坂「…ん?」


洗面所に着いた時、唇の違和感に気づいた。


御坂「涎でも垂れちゃったのかな…?」


だとしたら恥ずかしいな…


実際はもっと恥ずかしいことをされてるわけだが、本人は知る由もなかった。

これにて投下終了。上条さんの精神がレベルアップ!

中々話が進まない…どうもこんばんは。それでは少し投下しまーす

御坂「ねぇねぇ、今からどこに行くの?」


今日のデートの内容を御坂は知らない。上条が自らエスコートすると行ったからだ。


上条「ん、今日は最近出来た遊園地に行くぞ」










学園ハイランド


上条「ついだぞ。ここだ」


御坂「…どこかで聞いたことあるような…」


上条「気のせいだ。ほいこれチケット」


御坂「え?いつの間に買ったの?」


上条「いや、土御門からこれもらったんだ。丁度二枚」



ガクエンハイランドヘヨウコソ!!ニメイサマデスカ?

ハイ、フタリデス。

チケットカクニンシマシタ。ドウゾタノシンデクダサイ!


学園ハイランドゲート


上条「ほい。パンフレットもらってきたぞ」


御坂「ありがと」


上条「ほんじゃ行こうぜ」


御坂「うん」スッ


上条「…その手は…?」


御坂「手、繋ぎたいな」


上条「恥ずか」


御坂「宿題」


上条「そこでガシッと掴む!」ガシ


御坂「…!えへ…///」


上条(やっべー…マジ可愛い…)


御坂「じゃ、行こう!まずあっちのコーヒーカップ!」


上条「ああ!って速い速い!引っ張らないでくれぇ!」



コーヒーカップ


御坂「そらそら~!!どんどん回すわよ~!!」ビュンビュン


上条「ちょ!回し過ぎ御坂さん!」ビュンビュンビュンビュン


御坂「おりゃぁぁぁぁ!!」バビュンバビュビュビュビュビリビリビリ


上条「NOooooooo!!と言うか漏電してる!漏電してるよ御坂さん!」バビュンバビュビュビュビ






御坂「あ~楽しかった!」


上条「」チーン


御坂「あれ?ちょっとー?」


上条「」チーン


御坂「…回し過ぎたかな…?」

どうも今日は終了です。

テンポ遅いな…何とかしないと

こんばんは。今日も投下しまーす!

ほんとペースなんとかしないと…


上条「御坂さん…上条さんは来てそうそうグロッキーなのですよ…」


御坂「ごめん…調子乗った…」シュン


上条(…落ち込む姿もカワユス)


上条「んじゃ、気を取り直してゴーカートでもやるか!」


御坂「うん!」ピトッ


上条「……」


御坂「……」


上条「えと…御坂さん…」


御坂「?」


上条「何故わたくしの腕にくっつくのでしょうか?」


御坂「…ダメ?」ウワメヅカイ


上条「」ズキューン


上条「ダメじゃないむしろ最高」キリッ

御坂「ほら!早く行こ!」


上条「おう!」





ゴーカート


御坂「ねえ。どっちが早いか勝負しない?」


上条「お、いいね。やろうぜ!」


御坂「あ、負けた方は買った方の言うことを一つだけ何でも聞く条件付きで」


上条「え!?何だそれ!?聞いてねぇぞ!」


御坂「ほらほらスタート!」ブォン


上条「ちょ!待てぃ!」ブォン










御坂「へっへー!私の勝ち~♪」


上条「不意打ちすりゃそりゃそうだぜ…」

御坂「何よー?いいじゃない別に。こういう時ぐらいしか私勝てないし」

上条「まあ、負けは負けだし俺も男だから文句は言わねーよ」


御坂「お、さすがだねぇ?じゃ、美琴センセーのお願いを聞いて貰うわよ」

上条「はいはい何なりと」


御坂「……」


上条「?どうした?」


御坂は少し頬を赤く染めて、軽く微笑んで言う。


御坂「…やっぱ後で頼むわ」


上条「?そうか」


御坂「じゃ、行こ!私お腹減っちゃった!」


上条「ああ!そんじゃお昼にするか!」ギュッ


御坂「…あっ//」


上条は御坂の手を握った。御坂は少し驚いたような表情をした。


上条「あ、わ、悪い!い、嫌だったか?」バッ


慌てて取り繕い手を離す上条。彼なりに勇気を出したが、迷惑をかけたかと心配になる。


御坂「…嫌だ…」


上条「そ、そうだよな。急には嫌だったよな…(うう、勇気だしたんだけどな…)」


やはりダメだったかと落胆してしまう上条。しかし、御坂は


御坂「違う。そういう意味じゃなくて」
































御坂「繋いだ手…離さないでよ…」




























上条「…え?」


聞こえていた。聞こえていたが聞き返してしまう。


御坂「……」


御坂は何も喋らない。ずっと俯いている。


上条「……」


上条「……」ギュッ


御坂「…!///」


上条「その…こうしていていいか…?」


御坂「ううん。違う…」

























御坂「この手を、離さないで」















今日は終了です。

この遊園地編が終わったら、前スレのリクエストにあった、禁書目録が登場する話を書こうと思います。


あらかじめ言っときますが、バッドエンドです

ではまた!ノシ

OK、待ってるよ

あと、なんかカワイイ

待機です
>>1可愛いよ>>1

>>104
おいwwwwww

まあ私生活も大事にした方がいいよ
気長に待ってるぜい

安価の付け方学ぼうぜ>>1

大変長らくお待たせいたしました!今日も凌ぎ投下します!

>>105>>106>>107

いやーほんとすいません…


>>108

いや、半角ってのは分かるんですけど、普段iPhoneなので感覚が…


上条「……///」テレテレ


御坂「……///」テレテレ


昼食をとるために近くのフードコートに来てからもこの二人はずっとこんな感じであった。


上条「…なあ、昼食どうする?」


御坂「…私ホットドッグがいいな」


上条「分かった。今から買ってくる」


御坂「ん、お願いねー」


上条は近くの、昼時だからか少し並びはじめたホットドッグの持つ屋台に駆け寄った。



御坂「……」


御坂(よくよく考えると結構恥ずかしい事言ったな…)


御坂はホットドッグの屋台に並ぶ上条をじっと見つめた。


御坂(でも、後悔はしてない)


そうは言ってもすこし不安だった。


上条は心が脆いのに、自分が傷つくのを良しとしても、自分のために誰かが傷つくことを恐れる。


御坂(あいつは…もし、私が傷つく場面にあったら…どうするんだろう…)


繋いだ手を離してしまうのだろうか…


御坂(いや、違う。そんなことさせない…)


御坂(だって私、ずっとアンタを支えるって決めたから)



上条「悪い悪い!待たせちまったな!」


少し時間が経ち、当麻がお盆を持って帰ってきた。


御坂「…?」


上条「どうした?」


御坂「何でホットドッグ一つと飲み物一つしかないの?」


当麻の持つお盆には、ただっ広い空間の中にホットドッグと飲み物しか無かった。


上条「あー…いやその…俺の注文でパンが切れたらしく、しかも一つしか無くて…だから、その…」


御坂「…いつもの、ね?」


上条「…はい。いつものです」


御坂「…ハァ。仕方ないわね」


私はとりあえず当麻を座らせてホットドッグを一口食べる。パンの間に挟まれたソーセージのプリッとした食感と、ケチャップの甘味とマスタードの酸味が効いてて美味しい。


そしてそれを羨ましげに見る不幸な彼氏に私は


上条「…あの、御坂さん?」


御坂「…何よ?」


私はホットドッグを当麻に向けていた。私が少し食べた部分を向けて、だ。


上条「コレハイワユルアーンデスカ?」


御坂「……」


それだけじゃない。間接であるがキスもだ。今更ながら自分は何て恥ずかしい事をしているのだろうか…


しかしここは引くに引けない。


御坂「…ア、アーン…」カオヲマッカニシメヲソラシガチニ


上条「あ、アーン…もぐ」


御坂「…美味しい?」


上条「…上条さんは今とても幸せです」


どんな意味で言ったのかは問うまでもない。

今日は終わりです。

いやーほんと書き溜めないとなー…

こんにちは。ではでは投下します!

御坂「……///」


上条「……///」


ホットドッグを二人で食べ合った後、急に恥ずかしさがこみ上げてきた上条と御坂は、互いに互いを見ることが出来なかった。


上条「…今思えば、かなり恥ずかしいことしたよな…」


御坂「い、いやこれは普通よ!ほらあっちの人もやってるわよ!」


ハマヅラ、アーン


アーン…ウン、ウマイゾ!タキツボガ
クワセテクレタカラモットウマイ!



御坂「……」


上条「…いや、あそこまでおおっぴらなのも…」


御坂「……」ピトッ


上条「えと、御坂さん?」


御坂「何よ?」


上条「何故上条さんの二の腕にくっつくのでしょう?」


御坂「…何でも」


上条「いや、そんな便利そうにみえて便利じゃない言葉でごまかせないですよ!?ほ、ほら食べ終わったし次のアトラクション行こうぜ!」

御坂「わ、分かった!わかったから急に走りださないでよ!」



ムギノ!チョウヤッチャッテクダサイ!


ハマ/ヅラビーム!


ウオオ!?アブネェ!オマエライツノマニ!?




お化け屋敷


上条「ここ、ここ。ここのアトラクションはこの遊園地の目玉で、すごい怖いので有名らしいぞ」


御坂「へ、へぇ…ソーナンダー…」


上条「ん?」


御坂「……」ガクガクブルブル


上条「…怖いのか?」


御坂「こ、こここここ怖くなんかないわよ!ほら、行くわよ!」


上条「うお!わ、悪かった!悪かったから怒るな走るな引っ張るな~!」



お化け屋敷の中



御坂「…うぅ…」ガクガクブルブル


上条(震えながら俺に縋る美琴可愛い…)


御坂「…う、ねぇ、早くでよ…?」ウルッ


上条(ぐはっ!上目遣いとか反則…)


上条「大丈夫。俺が御坂を守るから」


御坂「う、うん…」ギュ





上条「だいぶ進んだな。もう少しでゴールだ」


御坂「…う、うう」ガクガクブルブル


上条「ん、もう少し頑張ろうな」


御坂「……」コク


御坂にはもう喋るほどの気力も残ってない。それもそのはずだ。後ろから落ち武者が刀振り回して追いかけて来たり、目の前から血のついた指が落ちて来たり、純白のシスターかと思ったらシスターと思えぬ形相で「オナカヘッタンダヨォォォォ!!」とか迫られたら怖い。


と油断しているときだった。


お化け「ばぁぁぁ~ぁ!」


御坂「ひぃぃぃぃぃ!!」


上条「う、うぉぉ!?」


目の前に急に現れたお化け。これは流石に上条も恐怖したが、何よりも驚いたことがある。


それは御坂が驚いて右腕にしがみついたときだ。


ふにゅ


どう考えても胸です本当にありがとうございます。


御坂「と、当麻ー!!こ、怖い~!!」


上条「わ、分かった!分かったから離れるんだ!上条さんもいろいろ危険な状況です!」


んで、次々とお化けが表れ御坂は腰を抜かした


結局、上条が御坂をおんぶしました。

今日はこれで終わりです。


明日から合宿なので投稿不可!以上!

さらば!です!

こんばんは。今日も投下します…と言いたい所ですが、皆様に謝罪がございます。


というのも、前回投下したお化け屋敷編が雑だったことについてです。


少し言い訳になりますが、これを投下した日私は山にいて、中々電波が入らない状態でした。

そこで少しイライラしていたので、言葉も雑、ストーリーも雑になってしまいました…


誠に申し訳ございません

遊園地内カフェ


御坂「…ごめん」


上条「いやいや気にするなよ」


御坂「でも、時間だいぶすぎちゃったわね…」


上条「…時間的に次が最後だな…」


夕日が赤く染まる時間、二人は同じ事を思っていた。







もっと一緒にいたい









しかし時間は待ってはくれない。また、明日も会えるのだからと我が身の我儘を抑え込む


御坂「ねえ」


上条「ん?」


御坂「最後は、あれに乗りたいな」


御坂の指す場所は、恋人なら必ず乗る、大きな大きな観覧車。



大観覧車


御坂「今日は楽しかったわ」


上条「ああ、楽しんでもらえたなら何よりだ」


二人は今日あったことを話し合った。


コーヒーカップを回しまくったこと、ゴーカートで盛り上がったこと、昼食でハプニングがあったこと、お化け屋敷は怖かったこと。


まだまだ楽しい時間をすごしたかった。



御坂「……」


上条「……」


手が自然に繋がった。


二人はそのまま黙り込んだ。


その手から伝わる体温を感じたいから。長く、長く。


でも現実は非常で、時間は止まらなくて、ゴトゴト揺れて進んでゆく観覧車がそれを表しているようだった。



御坂「…ねぇ」


静寂を破ったのは御坂だった。御坂は隣にいる上条に寄り添う。


上条「ん…どうした御坂?」


御坂「…やだ…」


上条「え?」


御坂「…どうして、当麻は私のこと、あの時以来名前で呼ばないの?」


上条「……!」



河原の一件のとき、上条は一回だけ美琴と呼んだ。あの時、上条は始めて御坂を女の子と認めた。


大切に、大切に自分に接してくる彼女を


大切に、大切にしなくてはいけない存在として


御坂「あの日からアンタ…ううん当麻は一度も私の名前読んでくれない…何だか私認められていないみたい…何か、悲しいよ…」


御坂にとって、最近はこの思いが彼女の心の大半を占めていた。


恋人になったと言ってもまだまだ距離があると感じてしまう。



私って、避けられているの?



心の中でそう思ってしまうのだ。



上条「…俺は…」


上条は言葉を紡ぐ。



上条「その、あの時の……スしてないから…」


御坂「え?」




























上条「あの時の、キスを…キスの続きをしてからって、決めていたから」



















御坂「……」


御坂「」ボンッ!


上条「うお!どうした?」


御坂「だ、だだだだだだだって、あ、アンタ、何て恥ずかしげも無くそんなこと言えんのよ!馬鹿!」


上条「ええ!?ちょ、思ったこと言っただけでありますよ!」


御坂「うるさい!うるさい!バカバカバカー!!」


上条「な、何がいけなかったんだ?」

御坂「…だって、そんなこと言われたら…」




























御坂「今すぐ、キスしたくなっちゃうじゃない…」





















上条「……」スッ


御坂「あ…」


上条は御坂の頬に右手を持っていく。そこには、ほんのりと赤い御坂美琴がいた。


上条「…いいよな、美琴」


美琴「…聞くのって、結構野暮なのよ…」






観覧車の中で、二つの影が重なる。


夜空には黄金の大きな照明が役者を照らし、小さな観客達は小さな光を散りばめる。






それはまるで祝福のようで






それはまるで、ささやかな願いのようで






いつまでも、いつまでも、






彼らが輝けるよう、願っているようでした。









はい。これにて遊園地編は終了です。


次回から予告通り番外編を投下します。


で、そこで質問なのですが…


この番外編はどこまでやるべきか。




という点です。



小説で言う一巻で終了させるか、その先も作るか



>>1も考え中です。




それではまた!ノシノシ

どうもお久しぶりです。ええ、まったく話が進みません。考えがまとまらないのです。

ですから、別にプールとかコミケとか海とか山とか祭りとかしてて忘れてたわけじゃないのです!


それでは、投下します

ある少年は願った。






いつかお伽話で颯爽と表れる、ヒーローになりたいと







世界はその少年には甘くも、優しくもなかった。






少年は不幸であったが、誰も助けてくれなかった。







だからこそ、少年は強く決心した。







いつか本物の主人公[ヒーロー]になろうと

御坂「アンタが不幸って言うのなら」


御坂「私は、アンタを幸せにする!」


上条「…え?」


不幸な高校生、上条当麻は現在進行形で戸惑っていた。


というのも目の前の女子中学生がいきなり自分を幸せにするとか言ったからだ。


灰色のプリーツスカート、半袖のブラウスにサマーセーターの格好はエリート中学常盤台の制服。


そのエリート中学の中でも、目の前の少女は、たった二人のLevel5の一人、通称[超電磁砲]の御坂美琴である。


そんなエリートの中のエリートは夕日の中、顔を赤くして俺を幸せにすると叫んでいた。





どうして?






単純な、そんな疑問しか浮かばなかった。


自分の不幸には、この学園都市という最も科学の最先端をゆくテクノロジーな街にいるというのに、非科学的な物が絡んでいると、馬鹿らしいが考えている。


俺の右手に宿る力、[幻想殺し]


どんな異能の力、それが神様の奇跡でも、問答無用で触れたものを無に返す力。


もし運命の赤い糸とか、神様のご加護とかそんなものがあるとするのならば、この右手はそれさえも消してしまう。


俺の不幸は、右手のせい。


どこかで、そう思って諦めていた。


子どものころ、周りの子どもや大人達に散々[疫病神]と罵られるのは仕方ないと思った。


理不尽だと思った。


そう思って、右手を切り落とそうとさえ考えた。


結局、それは不幸にも失敗に終わった。



御坂「……」


目の前の、顔中真っ赤なその少女は、俺を幸せにすると言った。


何故、自分なんかを?


そんな疑問を考えていたら


御坂「ほら!そうゆうことだから!さっさとアンタの寮行くわよ!」


上条「お、おい待てよ!お前俺の寮分かるのかよ!」


河川敷を駆けだした御坂を追いかけるために、その思考は放棄した。

はい。今日はここまで

言い忘れましたが、前スレ>>181あたりからの分岐です


ではまた

どうも今晩は。どうしてもストーリーが進まないこの頃スランプな>>1です。でも上琴スレが増えて嬉しいですねー。最近はダンガンロンパがアニメ化したからダンガンロンパのssも増えてきましたね。


それでは投下です!

御坂(うわ~…結構恥ずかしいこと言っちゃったな…)


御坂美琴は、ほぼ全速力で河原を走っていた。


今思い返すと、あれはプロポーズとも受け取れるような言葉だ。


それを思い出すと体が恥ずかしさで火照って、今にも狂いそうなのだ。


だから全速力で走る。その体に受ける風は、火照った体を冷やしているようだった。


御坂(でも…)


御坂は少し微笑んだ


御坂(本心だもんね…アンタを幸せにしたいのは…)




御坂「で、アンタの寮どこよ?」


上条「だ~!!言わんこっちゃない!通りすぎちまったよ!お前速すぎ!」


追いかける側と追いかけられる側がいつもとは逆の追いかけっこをし、寮から随分離れてしまった。


御坂「まあまあ、怒らない怒らない。大した距離じゃないわよ」


上条「というか、ここどこだよ?見る限りじゃどっかの工場だけど…」


周りを見渡すと、プレスされた金属や廃車がたくさん並んでいた。どうやら廃業したプレス工場みたいだ。


上条「…どこをどうしたらこんなところに辿り着くのやら…」


御坂「わ、悪かったわね!」


その時だった


ドカーーーーーンと近くで爆発音がした。音響は長く、それほど遠い位置でおきた爆発ではないようだ。


御坂「今のは…?」


上条「…発火能力者が、何かを爆発させた…?」


御坂「…ちょっと見てくる」


上条「お、おい!」


御坂「すぐ戻るから!」


上条「ま、待てよ!俺も行くよ!」



とある少女は走っていた。


何のために?逃げるため。


屋内に入ったのは失敗だと少女は思った。


彼女を追いかけるのは、火を扱う魔術師。屋外ならまだ逃げ場があったが、狭い範囲だとどうしても炎で囲まれてしまう。ここまで逃げられているのが奇跡だった。


魔術師「いい加減諦めてくれないかな?鬼ごっこにも飽きてきた」


追ってくるその魔術師はそういいながら手に火球を作り、少女に向かって放った。


それは少女に直撃し、少女は炎に包まれた。


そして少女を包んでいた炎は、すぐに霧散した。


魔術師「まあ、かなりハンデのついた鬼ごっこだよね。さすがは最高防御結界[歩く教会]と言ったところか。まったく、面倒だね」


魔術師は表情をピクリとも変えずにそう言った。まるで遊ばれているようだった。


少女(このままじゃ、まずいかも…)


実際彼女は追い詰められていた。いくら防御結界とは言っても、触れられない訳ではない。相手は男であり自分の身長より遥かに高い。ロープなどで縛られたらそこで終わりなのだ。


絶体絶命。まさにその時


まったく表情を変えなかった魔術師が、少しだけ眉をあげた。


魔術師「本当に面倒だね。事後処理が」


魔術師の後ろには少女と、どこかで出会った不幸な少年がいた。



そこは世界が、住んでいる世界が違う者達が、偶然で出会った。



「だからね、僕達はそいつを保護しにきたんだ。そいつにいくら良心とかがあっても、拷問や薬には耐えられないだろう?」 -魔術師 ステイル=マグヌス


「てめぇは何様なんだぁぁぁぁ!」
-幻想殺し 上条当麻


「だ、ダメだよ!二人とも逃げて!」
-禁書目録






「私は、アンタのような人間がこんな事態を起こして、見て見ぬ振りするような人間じゃないわよ」 -超電磁砲 御坂美琴




第一章「幻想殺しと超電磁砲」


科学と魔術が交差する時、物語は始まる

終了です。

これからは↑を出したら終了という事で。ではまた!

えー…どうしましょう…執筆がまったく進まない>>1です…

つーわけで、今回鬱展開っぽいし禁書目録編で終わらせたいと思います!次回は安価スレでもたてますかねぇ…

では投下です

駆けつけた場所には二メートルはありそうな白人の神父…いや、神父と言っていいのだろうか?髪は赤に染められ、耳には毒々しいピアスと、極めつけには右目の下バーコードのような刺青が刻んてあった。


その神父とは思えない、奇妙な男は不思議そうに呟いた。


魔術師「うーん?おかしいな。一応人払いのルーンは貼ったつもりなんだけど…」


口に咥えているタバコの先を落とし、つまらなそうに言う。


魔術師「ま、僕は関係ない人を殺すほど凄惨な人間ではないよ。君たちが今すぐここから立ち去ってくれるのなら何もしないさ」


その言葉は俺と御坂に向けられた言葉であろう。目の前の男から少なくない威圧感を感じた。


謎のシスター「そ、そこの二人!ここから逃げて!」


叫び声をあげたのは、いつしか会った白い少女のシスター。確か、名前は…


上条「確か…インデックス?」


その言葉に神父はピクリと眉を上げた。


魔術師「…ふむ。何も知らないなら見逃すところだが…どうやら君達は知り合いのようだね」


そこで魔術師は上条に向き直った。







魔術師「なら、殺すしかないね」







それは殺意だった。紛れもないプロの持つそれだった。






ここで黙っていた御坂が口を動かす。


御坂「…アンタ、そんな女の子を攻撃して、何をしようっての?」


魔術師「女の子ね…」


魔術師はタバコを口から離し、煙を吹いた。それから呟く。


魔術師「確かにこの子は君たちのような人達から見たらただの少女だ」


だがねと魔術師は区切る。タバコの先端が焼け焦げて落ちた。


魔術師「僕達、[魔術師]にとっては非常に価値があると同時に、世界を捻じ曲げられる危険なものでもあるんだよ」


上条「…は?」


御坂「魔術師…?」



意味が分からなかった。


ここは学園都市であり、科学の街だ。そんな科学の最先端を行く街の中で、魔術なんてオカルトの話をしたら笑い者にされるだけだろう。


魔術師「…まあ、君たちに言っても理解出来ないだろうね。何にしても、こいつは危険だ。他の魔術師にでも渡ったら、それこそ世界が危ない」


上条「それとその子を襲うことに、何の関係があるんだよ!」


魔術師「決まってるさ」








魔術師「保護するためだよ」








御坂「保…護…?」


魔術師「そうさ。保護だよ」


魔術師はインデックスに視線だけ寄越す。


魔術師「いくらそれに良心があっても、薬や拷問には耐えられないだろう?だから、こうして保護に来たのさ」


飄々と、淡々と、普通のように語る目の前の神父に苛立った。


上条「…て、てめぇは…」


言葉より早く駆け出していた。


上条「てめぇは何様なんだぁぁぁぁ!」


禁書「だ、ダメだよ!」


インデックスは叫んだが、それでも拳を握り、神父に向かって駆けていく。


一方でその神父は、余裕そうだった。タバコを口から落とし、足で踏みつけながら言った。


ステイル「ステイル=マグヌスと名乗りたいところだけど、ここはFortis931と言っておこうかな」


それは自慢のようであった。そんな声で神父は上条に告げる。


ステイル「僕達魔術師には、妙な因習があってね、何でも魔術を使う時には真名を名乗ってはいけないそうだ」


彼はその片手間に火を顕著させる。それはランタンのようなか細い火だった。


ステイル「魔法名、つまり僕の場合はFortis、日本語では強者と言った所か。まあ語源なんてどうでもいいさ。重要なのはこの魔法名は僕達の間では、魔術を使う魔法名というよりも、むしろ」


魔術師は火をアンダースローで投げながら、笑った。








ステイル「殺し名、かな?」









その火はオレンジ色の軌跡を残しながら、上条に向う。


ステイル「炎よ(Kenaz)…」


ステイルが呟いた瞬間、弱々しかった火が轟!と爆発した。


意思の持った炎のように、ステイルの手との間に炎の剣が生み出された。


上条「…ッ!!」


その生き物のような炎を見て、上条は自分を守るように腕を交差する。


上条の持つ[幻想殺し]は異能の力なら一撃で打ち消すことができる。それはどんな威力のものでも、[異能の力]なら例外はない。


けれど、上条は


上条(本当に、右手が通用するのか?)


上条は[超能力]以外の[異能の力]を見たことがない。


それはつまり、試したことがない。


上条(魔術に、あいつらが言う、得体の知れないものに、この右手が通用するのか?)





ステイル「巨人に苦痛の贈り物を(Purisaz Naupiz Gebo)!」


ステイルは笑いながら、灼熱の炎剣を上条へ叩きつけた。


ステイル(ふん…超能力者が集う街と聞いたが、大したことはないんだね)


そんな余裕めいた事を思いながら、彼は炎の剣を振るった。


摂氏3000度の炎を生身の人間がくらえば、焼ける前に溶けるらしい。


彼は目の前の少年が溶けた水飴のようにひしゃげる姿を思いうかべた。











プスッと間抜けな音がした。






ステイル「…は?」


ステイルは意味が分からない、と言うような声を漏らした。


炎が急激に弱まり、少年の目の前で消えたのだ。


ステイル(ど、どう言うことだ?魔力の練成に失敗したのか?)


いや、そんな筈がないと彼は否定する。ならば誰が…?


不思議と言うよりも、予想外を感じ、目の前の少年を見た。







上条「…え?」


一方で上条も自分の右手に違和感を抱いていた。


上条(今、幻想殺しで[異能の力]を消した感触は無かった。だったら誰があの炎…まさか!?)


上条の予想は的中した。


御坂「たっくさー……一応、私もこの場にいるのよねー?それをアンタ達は一人除け者にして……馬鹿にしてるの?」


彼女は不機嫌そうだった。それもそうだ。魔術師は御坂の事など気にも留めてなかった。見た目で上条よりも危険度は低いと判断したのであろう。


御坂「それはいいとして、そこのデカイアンタ。私達がここから立ち去れば、見逃すとかどうのとか言ってたわよね?」


ビリビリと、頭から漏電を起こしながら彼女は言う。


御坂「魔術とか、その子の価値とか、そんなものは私は知らない。けど、これだけは言えるわ」












御坂「私は、アンタのような人間がこんな事態を起こして、見て見ぬ振りするような人間じゃないわよ」









学園都市Level5第三位、[超電磁砲]が魔術界の舞台に立つ。




今日は終了でーす。さて、ダンガンロンパのssでも見に行きますかね

乙です
鬱展開でもいいので禁書目録編の次もその次も見てみたかったです
禁書目録編、頑張って下さい

別に全然構わないんだが、現行スレの上琴の殆どが一巻再構成してるなwww

おちゅ

こんばんは。超電磁砲の最終話を見て創作意欲湧いた>>1です!……テスト前だけどね…そんじゃ投下です!


>>178

えー…まことに申し訳ない。次回は安価スレにして、なんとか継続して書こうかと。


>>180

私は原作とは明らかな差を作ろうと考えております。その辺の差を楽しんでもらえると幸いです。

ステイル(何が起きた!?まさか、摂氏3000度の炎を消したと言うのか!?だが、どうやって…?)


ステイル「チッ!」


舌打ちをして標的を少年から少女へと切り替えるステイル。


右手を水平に払い、その瞬間生み出された炎剣を同じように叩きつける。


御坂「…無駄よ」


そんな呟きに呼応するように、またも炎はボシュッと音をたてて消える。


ステイル(何故だ…何故僕の炎が…)









一方で上条達は


御坂「…アンタはあの子を連れて逃げて。こいつは私がやる」


そう言って身構える御坂。その右手はバチバチと火花を散らし音を鳴らす。


辺りには鼻がツンとくるオゾンの匂いがした。恐らく御坂は空気中の酸素を分解してオゾンにし、局地的に無酸素状態を作っているのだろう。


上条「…大丈夫なのか?」


御坂「平気よ。魔術だか何だかは知らないけど、結局は炎という本質からは逃げられないから」


それだけ答えた御坂は魔術師と向き直る。未だ魔術師は炎が消えてしまう現象の原因に気づけていないようだった。


ベルトコンベアの近くに横たわっている真っ白な少女を左手で担ぎ上げる。少女は少し声を漏らしたが気にしない。そのまま工場の出口に駆けていく。


上条「御坂!すぐに警備員(アンチスキル)を呼ぶからな!」











御坂「…追わなくていいの?」


ステイル「別に、すぐに捕まえる必要はないさ。幸い、リミットまでにはまだ時間がある…それに君は通してくれないだろう?」


御坂「…何でアンタそんな余裕そうなのよ?」


ステイル「そうだね…たったひとつ言えるとしたら、僕があの子をただ追いかけていたわけじゃないってことさ」


多少予定は変わったけどね、と区切り魔術師は両腕を広げた。


ステイル「『世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ」


ステイル「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光、それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅ぼす凍える不幸なり」 


ステイル「その名は炎、その役は剣。顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ』!」


ステイル「殺れ![魔女狩りの王(イノケンティウス)]」


魔術師の胸元が大きく膨らみ、ボタンが弾けた。轟!という音と共に巨大な炎の塊が飛び出した。


やがて炎は形を成し、巨人の形になった。


ステイル「魔女狩りの王(イノケンティウス)…その意味は[必ず殺す]」




禁書「ね、ねぇ!」


抱えていたインデックスが声をかけていた。


今上条はもと来た道を進んでいる。途中に公衆電話があったからだ。そこからなら警備員(アンチスキル)を呼ぶことができる。


アンチスキルというのは対能力者用の特殊部隊のことだ。魔術なんて訳のわからないものでも対応してくれるはずだ。


上条「こんな時になんだ?御坂なら大丈夫だ。あいつはこの街のLevel5の第三位だから」


禁書「ううん、そういう意味じゃないんだよ。どうして君たちは赤の他人である、私を助けてくれるの?」


上条「困っている人がいたらほっとけないんだよ!」


禁書「違う!そんな話じゃないんだよ!」


唐突にインデックスが叫んだ。


公衆電話の所までたどり着いたが、受話器を取る手が止まってしまった。


禁書「君たちで言う困った人って、重い荷物をもった年配の人を手伝うとか、そんなものでしょ?私の抱えているものは、そんな軽いものじゃない!」


上条「じゃあ誰がお前を助けてやるんだよ!」


禁書「だったら君は…ううん君たちは」














禁書「私と一緒に地獄の底までついて来てくれる?」












笑顔だった。辛そうな笑顔だった。上条は言葉を失ってしまった。


この言葉を聞いた普通の人なら、とりあえずは警備員に通報するだけして、それ以上の接触を避けるだろう。



しかし上条は違った。違った思いを感じていた。



上条(この子にどんな価値があって、世界にどれくらい影響力をもつなんて知らない)


上条(でも、根拠なんかねーけどこの子は何も悪くない。何も悪いことはしてないんだ)


きっと少し特別な事情があって、あんなのに追いかけられているんだ。








彼女自身はきっと、そんな事情が、力が欲しかった訳じゃないのに








だとしたら自分は彼女に何て事を言ってしまったのか……



こんな力がいらない?


同じか、同等以上の業を彼女は持っているのかもしれないのに?


平凡な幸せが欲しかった?



それは彼女も望んでいる事なのに












馬鹿だと思った。自分だけが不幸だ不幸だと思って人生を過ごして来た自分を。


ろくに力も振るわず生きてきた自分を。


上条「ああ…そうだな…出会って30分も満たない赤の他人と一緒に地獄に落ちようなんて、考えられねぇよ」


その言葉に禁書は安堵のため息をついた。


禁書「うん。だから君たちは「ちげーよ」…え?」


言葉を上条によって遮られる。


上条「…地獄の底までついて行きたくなけりゃあ」


上条はインデックスを抱えたまま振り返ってもう一度廃工場に向かう。


上条「地獄の底から、引きずりあげてやるしかねーよな!」


拳を強く握った。



御坂「ああ!もう鬱陶しいわね!」


ステイル「そうやってそこで[魔女狩りの王]と踊っているといい。その間に僕はアレを回収させてもらうよ」


御坂は苦戦していた。と言うのも相手が出してきた炎の巨人にいくら攻撃をしても、高速で再生されてしまうのだ。


対する御坂は一口にLevel5と言っても、人間であるから体力に限界があるのだ。


御坂(う…このままじゃジリ貧…)


その時だった。


ビッービッービッー


警報音が鳴り響き、天井のスプリンクラーが作動した。


雨のように水が頭上から降り注ぐ。


ステイル「うん?…廃工場と思って油断していたかな?…一応[魔女狩りの王]には火災警報器には触れないよう命令文を書いたんだが…」


「…ルーン」


声がたったさっき少年が出ていった出口から聴こえた。


上条「[神秘][秘密]を指し示す二十四の文字にして、ゲルマン民族により二世紀から使われる魔術言語で、古代語のルーツとされる…か…」


そう言って少年は頭を抱えた。


上条「いやアンタすげぇよ。正直、ナイフ使って床や壁に刻まれていたら勝ち目0だったよ、こいつは自慢したって構わねーぜ」


言いながら上条は懐から小さなコピー用紙を取り出した。それには[ルーン文字]が刻まれていた。


ステイル「……ふふ」


ステイル「は、はは。はははははは!何しに来たと思えば!3000度の炎を、たかがスプリンクラーで消せると思っているのか!」

ステイル「コピー用紙ってのはトイレットペーパーじゃないんだよ。たかが水に濡れた程度で、完全に溶けてしまうほど弱くはないのさ!」


[魔女狩りの王]!と魔術師は叫んだ。その瞬間炎の巨人は上条に向き合う。


しゅうしゅうと、炎の体に雨粒がぶつかるたびに蒸発され、獣のような音が鳴り響く。


ステイル「殺せ!」


魔術師が叫んだ瞬間、[魔女狩りの王]はその腕をハンマーの如く振り回して上条に突撃する。


御坂「!!あ、アンタ!早く逃げなさい!アンタじゃそいつには勝てないわよ!」


御坂は叫んだが、もう巨人は上条の目の前にまで迫っている。


巨人がその腕を上条に振りかぶった。































上条「邪魔だ」















たった一言。上条が突き出した右手の拳が[魔女狩りの王]に当たった瞬間、それは四方八方へと吹き飛ばされた。


ステイル「な!?」


魔術師は驚愕した。吹き飛ばされた[魔女狩りの王]が、ルーンが刻まれている限り、何度でも復活し敵を追い詰める炎の巨人が、復活しない。


吹き飛ばされた黒い肉片は、バラバラにあたり一面に飛び散ったままであった。


ステイル「ば、か…………な。な、何故!貴様は一体何を…いや、それより!何故だ!僕のコピー用紙(ルーン)はまだ死んでないのに………ッ!」


上条「インクは?」


上条の声は確かにステイルに届いた。確かに届いたのに、五年はかかるかと思った。


上条「コピー用紙は破れなくても、水に濡れりゃ……まっ、水性に限るけど、インクは落ちちまうよな?」


もぞもぞと動いている肉片は、一つ、また一つと空気に溶けるように消えていき、ついには最後の一つも消えた。


ステイル「い、のけんてぃうす……[魔女狩りの王]!」


魔術師は叫んだ。が、何も変わらない。



上条「さて、と」


たった一言。その一言でステイルは震え上がった。


[魔女狩りの王]を打ち消した少年、いや、得体の知れない何かが近づいてくる。


ステイル「い、の……けんてぃうす」


魔術師は呼ぶ……しかし何も起こらない


上条の足はさらにステイルに近づく。


ステイル「いのけんてぃうす……イノケンティウス、魔女狩りの王!」


魔術師は何度も叫ぶ……世界は何も変わらない。


上条は魔術師に向かって駆け出す。


ステイル「ァ、……灰は灰に、塵は塵に、吸血殺しの紅十字!」


魔術師は吠える。二本の炎剣が上条に向かって襲いかかる。


上条は拳を振るい、それを吹き飛ばした。


上条(そうだよな…魔術だのなんだの言われたってわかんねぇけど)


上条(所詮、ただの[異能の力]だ)


上条は拳を握る。魔術師の顔がすぐそこに見えた。その表情は狼狽えていた。


こいつは人間だ。ぶん殴れば痛みを感じるし、カッターで切りつければ赤い血をだす、ただの人間だ。


もう上条は恐怖で足が竦んだり何てしない。いつものように動けていた。



何の変哲もない右手。相手が[異能の力]でない限り、何の役にも立たない右手。不良の一人も倒せず、テストの点も上がらず、女の子にモテたりする事もない、右手。





何の変哲もない右手。相手が[異能の力]でない限り、何の役にも立たない右手。不良の一人も倒せず、テストの点も上がらず、女の子にモテたりする事もない、右手。


























自分の運命を呪った原因である、右手。








































だけど、この右手はとても便利だ。





































目の前のクソ野郎を思う存分ぶん殴れるのだから









































上条の拳がステイルの顔面に突き刺さる。


ステイルの体は、回転して近くのプレス機に激突した。


その体はもう動かない。









「私は、インデックスなんだよ!」
--十万三千冊の魔道図書館[禁書目録]


「…どう考えても偽名じゃない」
--学園都市のLevel5第三位、[御坂美琴]


「教えろよ。お前が抱えているものを」
--幻想殺し[上条当麻]

えー…ただいま大変立て込んでおります。

投稿はもう少しだけお待ちください

どーもお久しぶりです。内部のゴタゴタ落ち着きましたので、投下しまーす


…どうでもいいですけど、先日共闘学園というイベントでニコ生に出たところ、リスナーさんから疲れたサラリーマンに見えるとのコメントを頂きました。高2なのに……それでは投下

どーもお久しぶりです。内部のゴタゴタ落ち着きましたので、投下しまーす


…どうでもいいですけど、先日共闘学園というイベントでニコ生に出たところ、リスナーさんから疲れたサラリーマンに見えるとのコメントを頂きました。高2なのに……それでは投下

サイレンの音が遠くから鳴り響く。廃工場とはいえ、一応火災警報器は機能しているようだ。


御坂「…いま事情説明するのは面倒よね」


上条「そうだな。とりあえずインデックスと合流して、俺の寮に行こう」




………………………………………





上条「ほら。とりあえず上がれよ」


インデックスに家に上がるように促す。御坂はさっきのスプリンクラーで服がずぶ濡れだったのでシャワールームに行かせた。


先にインデックスにシャワーを浴びてもらおうと思ったが、彼女は何故か全く濡れていなかった。


何でも彼女が着ている服は[歩く教会]と言う防御結界で、簡潔に言うと自分に有害な物は弾くみたいだ。(御坂の電撃で実証済み)


じゃあ俺の右手で触れるとどうなるんだ?と思ったが触れたら社会的に死ぬ気がしたからやめておいた。


テーブルにちょこんと座っているインデックスにお茶を出した。


上条「……ほんじゃ、答えてもらうぞ。お前の抱えている物」


禁書「けど……これを話したら……君たちは……」


上条「……」


禁書「……分かったんだよ」
















インデックスはぽつりぽつりと話し始めた。


自分の頭の中には10万3000冊の魔道書があること、それらを使えば世界の法則、いや世界そのものを捻じ曲げられること、それを狙い追ってくる魔術師達がいること。


そして何よりも





彼女は一年前より前の記憶が無いこと。



禁書「私は、目を覚ましたら知らないところに立っていた……それは路地裏だったと思うけど、具体的にどこの国のどの街なのかは分からなかった」


禁書「そんな状況下でも、私を追う魔術師達は容赦なんてしない。頭の中には膨大な魔術書の知識と、自分が10万3000冊の魔導図書館である[禁書目録]という呼び名だけだった…」


上条「……」


上条は目の前の少女を見つめた。見た感じ彼女は自分より年下だ。


話の中にあった10万3000冊の魔術書の話なんて、まだ半信半疑(最も魔術に関しては直接見てしまったので納得せざるを得ないが)だ。













一年前から記憶が無い。


















この言葉は上条に深くのしかかった。













上条(……居場所どころか、自分が何者なのかもハッキリと分かっていない状況の中で、コイツはずっと魔術師なんかに追いかけられていた…)


自分を守ってくれる味方もいない中、こんな少女が逃げ続けるというのはきっと、いや、想像よりもずっと辛い筈だ。


表情から読み取ったのか、インデックスは少し微笑んで


禁書「大丈夫なんだよ」


と答えた


禁書「私はイギリス清教に所属するシスターだから、日本にある支部に匿ってもらえれば大丈夫なんだよ」


そう言いながら彼女はゆっくりと立ち上がった。


上条「!どこに行く気だよ?」


禁書「……やっぱり、これ以上迷惑かけられないんだよ…あ、でももう魔術師から匿っちゃったから、君たちは狙われちゃう……あはは…私って最低だな…」


辛そうだった。辛そうに言葉を並べていた。


彼女は自分の事はこれっぽっちも考えていない、関係ない赤の他人をを巻き込んだことばかりを攻めていた。


そのことに上条は苛立ちを感じた。


何故苛立ちを感じたのか自分のことなのに全く分からない


禁書「…ごめんね」


このインデックスの一言の直後、上条は彼女の脳天にチョップを繰り出した。



禁書「…あう!」


ペチンという小気味の良い音が響く。


上条「ちげーよ。今お前が言うべきなのはそういうのじゃねーだろ?」


禁書「……?え、えと…迷惑かけてごめんなさい…」


ペチン


禁書「あう!ううう……」


上条「ヒント謝罪関連ではありません」


禁書「え、えと……お茶ありがとうね?」


ペチン


禁書「あうあうぅ~~…」


少し涙目のインデックスを見て、やりすぎたかな?と思う上条は咳払いをして


上条「あのな?確かに俺たちで出会ってから短いから、信用しないのも分かるけど、お前が言うべき言葉は[ごめんなさい]じゃねーんだ」






















上条「[助けてくれ]、だろ?」

























インデックスはしばらく保けていたように上条の顔を見ていたが
















禁書「…ふぇ…」

















インデックスの目元に涙が浮かんだ。


















禁書「ウッ…ヒック……グス……う、ううう」


涙を堪えようとするが、嗚咽が漏れてしまい少しのキッカケで大泣きをしてしまいそうな、そんな表情だった。

口を必死に結んで我慢をするがどうしようもなく嗚咽が彼女の口からもれていた。


きっとそんな優しい言葉をかけてくれる人は、ずっといなかったのだろう。


上条はインデックスを胸に抱きとめ、頭を優しく撫でた。


禁書「ウッ…ウッ……グス……う、うぁ…」


ついに我慢が出来なくなったのか、インデックスの瞳から大粒の涙がいくつもいくつも流れ出た。


上条「…大丈夫。大丈夫だ。月並みな言葉だけど、泣きたい時は泣いていいんだぜ。恥ずかしいなら俺に泣きつけ。しっかり受け止めてやっから」


そう言って上条は強くインデックスを抱き締めた。


インデックスは上条の胸に顔をうずめて表情は窺えない。だが、止まらない嗚咽と涙からどんな表情なのかは分かった。


上条はそれから何度もインデックスの頭を撫でていた。


その姿は懺悔をした罪人を、優しく労わる神父ようなものだった。






























この直後、上条が右手をインデックスの背中に手を置き、インデックスの服が弾け跳ばなければ
























ビリッ!








その音が最初何の音かわからなかった。


そして上条の目の前に裸の女の子と、ビリビリの紙吹雪状になった服


禁書「……」


上条「……」


部屋の中は時が止まったような静寂


禁書「!!?~~/////」


状況を悟り、顔を一瞬で羞恥に染め、そして一瞬で表情が怒りに転向する。


禁書「……」


上条「あ、あのー、い、インデックスさん……?」


禁書「…んぁぁぁ……」


なにやらバックに[ゴゴゴゴ…]とかつきそうな程怒っているインデックス。


上条「い、インデックスさん!ふ、不可抗力なんです!だ、だから…その獣のように歯をギラつかせながら近づくのは」


と、そこで後ろからポンッと肩に手を置かれた。


御坂「まったく~。私がシャワー浴びてる間に、アンタは一体何をしていたのかな~?」


そこにはこれまで見たことも無いような笑顔だが、ビリビリと物凄い帯電している御坂がいた。


上条(マズイマズイマズイマズイ!!これは人生の中でもかなりの不幸…!?)


某青ピがいたらご褒美とか言いそうだが、今はシャレにならないほどの場の空気だ。


禁書「グルルルル…」


前方には今にも噛みつきそうなシスター


御坂「……」ビリビリビリビリ


笑顔を貼り付けながら絶賛発電中の中学生


まさに前門の虎後門の狼、弁解の余地なしである。


謝っても殺され、誤魔化しても殺されるこの状況に上条はかなり動転したのか、最後にこのような一言。













上条「……何という…二律背反?」







その日とある男子寮で2回ほど悲鳴があがったとか




今日はここまで。…余談ですが、中間テストが帰って来ました。苦手教科の点数が上がりましたが、倫理が17点……これはマズイ

お久しぶりです>>1です……倫理があまりにもやばかったので勉強してました(お陰様で倫理は89点、保健体育は97点取れました)…あと最近バイト始めて投稿できませんでした…

で、これから先の展開で質問したいんですけど、ちょっと安価で↓5まででアンケートです。

1神裂vs上条
2神裂vs御坂

どっちがいいですか?

あれ意外……てっきり御坂と神裂さんの方が多いかなと思ったんですけど……

1が多いので神裂vs上条でいきます。

……原作よりもちょっと差をつけようかな

こんばんは。かなり遅くなりましたが、投下します。

インデックスが上条の寮に来た翌日


二名から容赦ない断罪を受けて命があることに感謝をしている上条はとりあえず朝食を作ることにした。


御坂は同室の転移能力者が夜に迎えに来たので、一度帰った。(その際強く変態行動を自重するよう釘を刺され、鉄芯を投げられた。理不尽である)


簡単にサラダとベーコンエッグを並べたのだが、インデックスがものの数秒で食べ終えてしまい、まだまだ足りないと言うインデックス。上条家の食料はほとんど食べ尽くされた。


禁書「ふー…お腹いっぱいなんだよ!」


上条「……上条さんの家の食料が…」


禁書「おかわりなんだよ!」


上条「お前は、お腹いっぱいと言った直後に食べ物食うのかよ!?」


これから来るであろう家計のやりくり(主に食費)に頭を痛める上条であった。






600メートルほど離れたビルの屋上で、ステイルは双眼鏡から目を離した。


???「インデックスに同伴していた少年と少女の身元を探りました」


ステイルの後ろから声が聞こえた。彼は振り返らずに声の持ち主に話しかける。


ステイル「神裂か。それで?アレは一体何だ?」


ステイルの指している[アレ]とは御坂の事ではない。上条当麻のことだ。


神裂「それですが、少女については分かりました。彼女は[御坂美琴]と言い、この学園都市では[超電磁砲]と呼ばれている超能力者です」


ステイル「いや、それよりも、僕の炎を消したあの右手をもつ奴のことを聞きたいんだが」


神裂「……少年についての情報は集まりませんでした」


ステイル「…何だ、もしかしてアレがただの高校生とかと言うつもりかい?」


ステイルは口にタバコを加え、右手に火を灯してタバコに火をつける。


ステイル「冗談はよしてくれ。僕はこれでもプロの魔術師だ。何の力も持たない素人が、[魔女狩りの王]を退けられるほど世界は優しく作られちゃいない」


言動からあの少年は禁書目録から事前にルーンについて助言をされたのだろう。それを差し引いても、それを即座に応用し戦術を練り上げる思考速度。さらには正体不明の右手。アレがただの一般人ならまさしく日本は神秘の国だろう。


神裂「そうですね……むしろ問題なのは、アレがただの[普通の高校生]として分類されている事です」


ステイルはタバコをふかしながら呟く。


ステイル「情報の……意図的な封鎖、かな。……これは難しい展開だね」


ステイルの発言と同時に神裂は目を細める。


神裂「…相手の戦力は御坂美琴を含めても未知数、対してこちらの増援はナシ。……最悪、組織間での戦闘に発展すると仮定しましょう。ステイル、貴方のルーンは防水性において致命的な欠点を指摘された、と聞いておりますが」


ステイル「その点は補強済みだ」


神裂の発言に、ステイルは立ち上がり、懐からトレーディングカードのようなものを取り出す。


それはルーン文字の書かれたものであったが、何か透明なカバーのようなものが両面にあった。


神裂(ラミネート……いつの間に)


ステイル「今回は周囲2キロに渡って結界を刻む……使用枚数は16万4千枚、時間にして60時間程で準備を終えるよ」


魔術とは下準備常に必要である。彼等魔術師が敵の事前情報を念入りに調べ上げ、それを参考にし術式を組み上げる。要は魔術戦は[先の読み合い]なのだ。


そういう意味では[敵の戦力は未知数]と言うのは大きな痛手であった。


ステイル「……楽しそうだよね」


不意にステイルは呟く。視線は600メートル先であった。


ステイル「楽しそう、本当に楽しそうだ。あの子はいつでも楽しそうに生きている」


ステイル「……僕たちは、一体いつまでアレを引き裂き続ければいいのかな」


神裂「複雑な気持ちですか?」


神裂「かつて、あの場所にいたあなたとしては」


ステイル「……いつもの事だよ」


その答えはまさしく、いつもの通りであった。


ステイル「……いつもの、ことさ」


いつもの通り。




ごっはん♪ごっはん♪と上条の隣でスキップを刻みながら道を行くインデックス。


今彼女は修道服を着ているが、上条により破壊されたそれは安全ピンで所々を縫いとめられた針の筵だ。


実を言うとホンの数分前まで彼女は修道服を壊されたことを未だ恨みがましく思っており、不機嫌であった。


その状況に耐えかねて、彼が外食(自分の家に食料が何一つないという事もあるが)しようと言うと、インデックスは目を輝かせたという訳だ。


そして彼が外食に行こうと至るのを後押ししたのは、御坂であった。


御坂と上条は魔術という科学とは別の概念を見たうえ、インデックスを匿っている。今後何かしらの魔術側からの接触は高いとのことで、連絡先を交換していた。


そして上条はインデックスの暴食振りを朝一にメールで報告したところ、資金面は自分が担うとの返信が帰ってきた。


上条は悪いと思い最初は遠慮したのだが、彼女はLevel5の第三位の奨学金がかなり余っており、使い所に困っていると主張した。それでも話は平行線を暫く辿り、結局上条が折れた。


上条「あ、インデックス。そこで止まってくれ。そこで御坂と待ち合わせしてるんだ」


禁書「え~?」


インデックスとしては早くご飯を食べたいのであろう、少し不機嫌な声を漏らすが、一応耐えたのか立ち止まった。


しかし近くを行ったり来たりして落ち着きが無い。待つ時間ももったいないのであろう。


それから数分たつと御坂の姿が見えた。俺たちの姿が見えたのだろう、途中から小走りにでこちらに向かってきた。


御坂「ごめん!待たせちゃったかしら?」


上条「いんや。俺たちも今着いたとこだ」


と日本人特有のやりとりをしていると、腹ペコシスターが横槍を入れてきた。


禁書「はやく!早くご飯!」


御坂「はいはい。じゃ、ファミレスでも行きますか」


上条「…すまん御坂」


この謝罪は資金面の工面についてだ。


御坂「別にいいわよ。それに私もあの子と関わっちゃたし、何よりアンタにだけにその責を押し付けるのは悪いし」





ファミレスで(インデックスが)一通り食事を済ませて外に出ると、もう空は真っ暗であった。


御坂は完全下校時刻までまだ少し余裕があるとのことなので一緒に帰ることにした。


今御坂とインデックスはさっきまで食べていたご飯について楽しげに話しあっていた。


その時の上条は今後のことを考えていた。


今後、おそらくは早くて三日後あたりには魔術側からの接触する確率が高い。


上条達が匿っているのは、魔術側からすれば非常に価値のある者だ。このまま放置というのはまずありえない、それからどうするか…












どうするか?








そんなのは決まっている。







インデックスを守る








敵が強いとか、そんなこと関係ない







自分のやることは結局変わらないのだ。










「…ま……とーま!!」



そんなことを考えいたら、目の前の守るべき対象が頬を膨らませて怒っていた。


上条「あ…すまん」


ここは素直に謝りでもしないと噛みつきコースが決定するのだ。だが、インデックスは食い下がってきた。


禁書「何かとーま、さっき怒っているように見えたんだよ」


上条「い、いや怒ってねーよ」


禁書「違う!怒ってた!」


上条「怒ってねーって…」


禁書「…とうまの馬鹿!」


そんな応酬のあと、インデックスは道を走って行ってしまった。


御坂「…何やってんのよ…」


御坂が呆れた視線でこちらを見る。正直言い返せない。


上条「はぁ…追いかけなきゃな」


御坂「ん、じゃ私が追いかるから、後から合流しましょ」


そう言って御坂もインデックスの走り去った道を追いかけた。


その間、もう一度インデックスについて考えた。


とりあえず、自分たちはインデックスを日本の[イギリス教会]に連れて行くまでに魔術師から守ればいい。


…そうすれば、自分の役目は終わりだろうか?


それもそうだ。そもそも生きている世界が違う。


上条は科学の世界、彼女は魔術の世界に住んでいる。立っている次元が違うのだ。


そう思っても、上条の胸には、チクリ、と刺さるものがあった。






不意に思考が停止した。






上条「あれ?」


何かがおかしい。携帯の時計は八時を指している。まだまだ人が眠る時間では無いはずなのに、誰もいないかのように静かだ。


違和感


上条は辺りを見回すが、近くの大手デパートは誰も出入りしていない。歩道は愚か車道は何一つ走っていない。


比喩表現ではなく、本当に人がいない。







「ステイルが人払いの刻印を刻んでいるだけですよ」







その女は隠れていたわけではない。上条の視線の先の本の10メートル先にいきなり現れた。


「この一帯にいる人に[何故かここには近づこうとは思わない]ように集中を逸らしているだけです。多くの人は建物の中でしょう。ご心配なさらずに」


体から嫌な汗が吹き出す、無意識に右手に血が集まっていくような感覚になる。


直感的にヤバイと感じた。


その女は服装はTシャツに片脚が剥き出しのジーンズという大胆な服装ではあるが、普通だ。


問題は彼女の持つ武器だ。腰から拳銃のようにぶら下げられた2メートル以上の日本刀は、まるで凍えるよつな殺意を振りまいている。


このタイミングで現れるようなのは一つしかない。


「率直に言って」











「魔法名を名乗る前に、彼女を保護したいのですが」



魔術師だ。





投下終了です。


で、ちょっと報告なのですが、こんなに遅くなったのは>>1が遅筆というのもありますが、実は>>1クリスマスイブから大晦日まで家出していました。その際携帯は電源をほとんど切っていました。誠に申し訳ございません。

こんな>>1の書くssですが、今年もよろしくお願いします


上条「突然だが!ここでBBSの時間だ!」


御坂「な、何よいきなり…」


上条「御坂よ…この>>1が更新しないのは今日でいつになる?」


御坂「…もうすぐ二ヶ月になるわね」


上条「そう!そうなんだ!この>>1はいつも更新が遅いが今回は輪をかけて遅い!だから生存報告も兼ねて、レス内の幾つかの質問に答えようという企画だ!」


御坂「…それQ&Aじゃないかしら…」


上条「それでは最初の質問!行ってみよー!」


Q>>1の私生活はどうなっているんですか?


御坂「そういえば私も気になるわそれ…クリスマス家出って中々無いわよ?」


上条「まあ、クリスマスは親と大喧嘩したらしいが、>>1の私生活はこの上条さん並…とは言わないが中々不幸な日常だ」


御坂「例えば?」


上条「この前は帰りの電車に乗る際駅の階段を上がっているときに、傘が革靴のかかとに入って転んで、そのまま下に転がり落ちたらしい」


御坂「…ただの不注意じゃない」


上条「それだけじゃない。学校でも授業中って、教科書の音読ってあるだろ?」


御坂「あるの?」


上条「あるんだよ!で、席順に当てられる筈なのに、なぜか>>1だけすっ飛ばされることが一度や二度では無いらしい」


御坂「影が薄いだけじゃない?」


上条「まだあるぞ。ちょっと前に>>1はバイトしてるって書いただろ?」


御坂「そうね」


上条「何でもバイト中に、>>1はオーダー
をキチンと伝えたのに、キッチンの人が間違えて別のものをだして、お客さんからクレームを受けたらしいが、>>1のせいにされ、>>1はそれでバイトをやめたらしい」


御坂「…それは災難ね」


上条「だろ?他にもあるんだけど、書ききれないから最近のだけだけど」


御坂「…最近なんだ…それ」


上条「まあ、これからこんな感じの企画をたまにやるから、みんなドシドシ質問してくれよな!」


御坂「ところで次の更新はいつ頃になるのかしら?」


上条「>>1は今テスト真っ只中だから、今週の金曜日までは無理だそうだ」


御坂上条「「それでは!また今度!」」

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