エルフ「……そ~っ」 男「こらっ!」(1000)
エルフ「ひゃっ!」
男「また勝手に包丁使おうとして。危ないから触っちゃダメだろ!」
エルフ「で、でも私奴隷ですから料理とかしないと……」
男「そんなことはしなくていいの。君はまだ小さいんだから下手なことして怪我でもしたら困るんだ」
エルフ「だったら何をすればいいですか? よ、夜のお世話とか……」テレテレ
男「料理ができるまで黙って座っていなさい」
エルフ「……」
男「料理できたよ~」
エルフ「は~い」トコトコ
男「ほら、たんとお食べ」
エルフ「うわぁ~! とっても美味しそうです。いただきます!」モグモグ
男「……」ジーッ
エルフ「えへへ~」モグモグ
男「君は本当にいつも美味しそうに食べてくれるね」
エルフ「はいっ! だって出される料理全部が美味しいですから!」
男「そうか。ならよかった」
保守ありがとうございます。
今までバイトでしたのでこれから書いていきます。
エルフ「……」モグモグ
男「……」ニコニコ
エルフ「――ハッ! いけません、料理の誘惑につい負けて忘れてましたけど、本来これを作るのは私の役目です。今日こそはそのことについて話し合いましょう!」ダンッ!
男「そうだね~。あ、スープもあるけど食べる?」
エルフ「いただきます!」
男「はい、どうぞ」コトリ
エルフ「わ~い」
エルフ「昨日はまたしても失態を犯してしまいました。今日はまだあの人も起きていませんし、今のうちに洗濯物でも洗いましょう」トテテテ
エルフ「洗濯物……洗濯物」
男「どうかしたの?」
エルフ「あ、おはようございます。実は洗濯物が見つからないんですよ」
男「そうなの? まあ、僕がさっき洗ったからもうないと思うけれど」
エルフ「そうなんですか~」
男「そうなんだよ。それじゃあ、僕は朝食を作るから出来上がるまで待っててね」
エルフ「分かりました~」トテトテ
男「~~♪」ジューッ
エルフ「……あれっ?」
エルフ「ようやくお買い物を任せてもらえました。今まで役目を取られていた分頑張ります!」トコトコ
――市場――
エルフ「すみません~。このお肉もらえますか?」
店主A「ん~? チッ、何だエルフじゃねえか。帰れ、帰れ敗戦した一族が店の前をうろついてたら辛気臭くて客が寄り付かねえ」
エルフ「あ、あの! お肉を……」
店主A「帰れってんだろうが! とっとと失せやがれ」
エルフ「すみません……」ショボーン
?「……」ジーッ
エルフ「こんにちは!」
店主B「……チッ」チラッ
エルフ「あ……。すみません、お野菜売ってもらえませんか?」
店主B「エルフなんぞに売るもんなんてないね。ほら、後ろがつかえてんだからとっとと消えてくれ」
エルフ「……」
?「……」ジーッ
バイトあるのであと一時間半しか書けませんが、それまで頑張ります。
エルフ「うう……。結局買い物ができませんでした。このままじゃあの人に合わせる顔がありません」トボトボ
?「もし、そこの子」
エルフ「えっ!? 私ですか?」
?「そうです。何やらお困りな様子、よろしければお話しくだされ」
エルフ(ローブを被ってて顔が見えないや。でも、あんまり悪い人には見えないですし……)
?「どうかされましたか?」
エルフ「いえ。実は……」
?「ほうほう。エルフだからといって食べ物を売ってもらえなかったと」
エルフ「はい……。私だけならいいんですけれど、このままじゃご主人である男さんに迷惑をかけてしまうので、どうにかしたいんです」
?「……ぅぅっ」
エルフ「どうかしました?」
?「いえいえ、あなたのその心意気に少し感動しただけです」
エルフ「そうですか? でも、私は奴隷ですから当然のことをしてるだけなんですけれど」
?「そんなことはありません。もしよろしければ、これをお受け取りください」
エルフ「これは?」
?「あなたが必要としているものですよ」
エルフ「あっ! お肉にお野菜。いいんですか、いただいても」
?「ええ、それを持って帰ればあなたの主人も喜ぶことでしょう」
エルフ「ありがとうございます! このご恩は忘れません」
?「いえ、気にしないでください。では、僕はここで……」スタスタ
エルフ「本当にいい人でした。でも、どこかで聞いたような声でしたけれど、きっと気のせいですね。私も早く帰りましょう」トテテテ
エルフ「帰りました~」
男「お帰り。どうだった?」
エルフ「えと、親切な方が食材を譲ってくれました。それと……街の人も親切にしてくれましたよ」ニコリ
男「……そっか。そうだ、少しこっちに来てくれるかな」
エルフ「はい、なんでしょう?」トコトコ
男「はい、今日買い物に行ってくれたお礼。クッキーを焼いたから食べて」
エルフ「わ~い。ありがとうございます」
男「それじゃあ、まずは手を洗ってこようか」ナデナデ
エルフ「えへへ~。行ってきまーす」
バイト行ってきます。残っていれば続き頑張りたいです。
帰りました。続きを書かせていただきます。
男「今日は森にある小川にでかけよう」
エルフ「暑いですもんね~」
男「水遊びするのならちゃんと準備してきなよ」
エルフ「馬鹿にしないでください。もう水遊びで喜ぶような年じゃありません」ニコニコ
男「表情と言動が一致してないんだけどな~……」
――小川――
エルフ「ようやく着きました~」
男「さて、持ってきた荷物を置いて……。川で遊ぶならちゃんと身体をほぐさないとダメだぞ」
エルフ「うわ~。ここの水すごく冷たいです。男さんも早く中に入りましょうよ~」
男「聞いてないや……」
エルフ「冷たいですね」チャプチャプ
男「だね。ひんやりとしていて気持ちいいや」
エルフ「男さんもそんな足だけ水につけてないで泳ぎましょうよ~」
男「もう、そんなにはしゃぐような年でもないしな~」
エルフ「そんなことないです! 水遊びは童心に帰ります!」
男「出かける前の発言を一度思い出そうか……」
エルフ「お昼ご飯です! 今日は作るのを手伝わせてもらいました!」
男「サンドイッチだね~」
エルフ「バスケットを開けて……。ほら! 私が作ったのですよ!」
男「そうだね、頑張って具材を挟んでくれてたね」ニコニコ
エルフ「美味しそうです」クキュルル
男「空腹を隠す気が微塵もないね」
エルフ「あうぅぅ///」テレテレ
男「それじゃあ、一緒に食べようか」ニコッ
エルフ「はいっ!」
エルフ「今日は楽しかったです。また遊びに行きたいです」テクテク
男「そうだね。暇ができたらまた行こうか」テクテク
エルフ「やった! あ……でもお仕事も頑張りますから!」
男「そっか。まあ、できることを頑張ってくれれば僕はそれでいいよ」ニコニコ
エルフ「でも男さん私に仕事あまりくれないじゃないですか~」プンプン
男「気のせい、気のせい」
エルフ「も~またそうやって誤魔化して」プンプン
男「あはは。でも、ご主人は僕なんだから命令にはちゃんと従わないと駄目でしょ?」
エルフ「ぐぬぬ。それを言われると何も言い返せません」
男「そうそう。子供はのんびりするのが一番なんだから。……そうしたくてもできなかった奴もいるんだから」
エルフ「何か言いましたか?」
男「いや、何でもないよ。日が沈む前には家に帰ろうか」ギュッ
エルフ(あ……男さんの手)
男「どうかした?」ニコッ
エルフ「いえっ! な、なんでも……」テレテレ
楽しみにしていただけて嬉しいです。
エルフ「今日は男さんの友人さんが来るそうです。精一杯おもてなししなければ!」
エルフ「ですけれど、どうすればいいのかさっぱりです」
エルフ「男さ~ん。今日私は何をしていればいいですか?」
男「ん? ああ、好きにしてくれていいよ」
エルフ「好きにと言われても……」
男「そうだな~。じゃあ、僕が話をしている間部屋の掃除してくれるかな」
エルフ「えっ!? いいんですか?」
男「うん、いいよ。ただ、なるべく置いてあるものは動かさないでおいてね」
エルフ「分かりました。それじゃあ、掃除してきますね~」トコトコ
エルフ(ここが男さんの部屋……。初めて入るので緊張します)ドキドキ
エルフ「失礼しま~す」ギイィィ
エルフ「うわあぁぁ! 本がいっぱいあります。本棚がビッシリ埋まってます」
エルフ「これどんな本なんでしょう。気になります」ジーッ
エルフ「でも、勝手に見たらいけないですし……」
エルフ「ちょ、ちょっとだけならいいですよね! たまたまページが捲れてただけってことで」ソワソワ
エルフ「とりあえず、適当に取って……」パラパラ
エルフ「わぁ。これ魔法関係の本です。あ、こっちも。男さん魔法関係の本をたくさん持ってるんですね」パラパラ
エルフ「……」ジーッ
エルフ「……」パラパラ
エルフ「……はっ! つい読みふけって本来の目的を忘れていました。急いで掃除しないと」ササッ
パタパタパタパタ
エルフ「ふぅ。これで一通りは掃除を終えました。男さんの友人はもう来たでしょうか?」トテトテ
男「久しぶりだね、騎士」
騎士「おう、久しぶりだな。相変わらず貧相な体つきしてんな。ちゃんと食ってるのか?」
男「ひどいなぁ。これでも昔に比べて食べるようになったんだよ?」
騎士「そうか? 肉食って身体動かしておけば体つきよくなるだろ」
男「それは騎士だけだと思うよ。僕は頭脳労働専門なんだ」
騎士「本当にな」アハハ
エルフ(なんだか、すごく楽しそうな雰囲気です。ちょっと、声をかけづらいです)
男「……あれ? どうしたの、そんなところで立って。ほら、こっちに来なよ」
エルフ「あ、はい……」トトトト
騎士「お前……まだエルフを手元に置いているのか?」
男「そうだよ、悪いかな?」
騎士「いや、だってお前……」
男「……」
騎士「いや、お前が決めていることだ。俺が口を出す必要もないか」
エルフ「えっと、もしかしてご迷惑でしたか?」
男「そんなことないよ。ごめんね、それで何か言いたいことがあったのかな?」
エルフ「そうでした。あのですね、掃除が終わったんですけれどどうすればいいですか?」
男「う~ん、特にやることもないから部屋でのんびりしていてくれればいいよ」
エルフ「わかりました。それじゃあ、失礼します」トテテテ
男「お疲れ様」
騎士「……」
男「……」
騎士「変わった……な」
男「そうだね、変わらざるをえなかったんだよ。彼女がいてくれたから……ね」
騎士「そうか。その様子じゃ、隊に戻りそうになさそうだな」
男「ごめんね」
騎士「謝るなよ。お前が幸せそうにしているならいいんだよ。今だから言うが昔のお前は酷くって見ていられたものじゃなかった」
男「そうかな?」
騎士「そうだよ。あ~あ、これで帰ったらまたお偉いさんの小言に付き合わされるな」
男「ごめんってば。あ、そうだお詫びといったらなんだけど焼き菓子があるんだ。よかったら持って帰って」
騎士「まったく……。まあ、また近いうちに顔を出すからな」
男「うん、またね」
保守ありがとうございます。続きを書きます。
――エルフ自室――
エルフ(なんだか、私が間に入れないほど真剣な雰囲気が二人の間にありました)
エルフ(それに、あの騎士さんが言っていたこと……)
エルフ(まだエルフを置いているってどういうことでしょう?)
エルフ(私がここに来てからあの人に会ったことは一度もありませんし……)
エルフ(もしかして、私の前にも誰かが同じようにしてこの家にいたんでしょうか?)
エルフ「ううぅ……。なんでしょう、胸のあたりがモヤモヤします」
エルフ「おはようございます」トボトボ
男「おはよう。今日はいつもより遅くまで眠っていたね」
エルフ「すみません……」シュン
男(なんだか元気がないな……)
男「どうかした? もしかして体調が悪いの?」
エルフ「いえ……。そうじゃないんですけれど」
男「ちょっと、こっちに来てみて」
エルフ「はい」トコトコ
男「う~ん。熱はなさそうだね」ピトリ
エルフ(あうぅ。男さんの手が額に……)
男「でも、顔が結構赤いね。もしかしたら疲れが出たのかもしれないから今日は一日寝ていようか」ニコリ
エルフ「……はい///」
エルフ(ベッドに連れてきてもらったもののまったく眠気がありません)
エルフ(男さんは買い出しにでかけてしまいましたし……)
エルフ(暇ですね~。……そういえば、男さんの部屋にたくさん本が置いてありましたね)
エルフ(こっそり一つ持ってきてもバレませんよね?)
エルフ「……」トコトコ
エルフ「失礼しま~す」ギイイィィ
エルフ「相変わらずたくさん本があります」
エルフ「ど~れ~に~し~よ~う~か~な」ジーッ
エルフ「これだけ多いと迷いますね」トテトテ
エルフ「ん? これは……」
――エルフ自室――
エルフ「なんだか、ずいぶんと綺麗に保管されている本を見つけました」パンパカパーン
エルフ「なんだか、男さんが大事にしているものを盗み見る背徳感がすごいです。いただきます」ドキドキ
エルフ「……」パラリ
私が生きた証をここに残す。
○月×日 この家に奴隷として引き取られて早数日が過ぎた。相変わらず私の主人の見る目は冷たい。きっと私がエルフだからだろう。
エルフ「……」パラリ
○月△日 今日、買出しのために街に出たら子供に石を投げつけられた。敗戦した一族の扱いはどこに行ってもこんなものだ。
奴隷として引き取られて命の保証がある程度ある分は私の立場はまだいいものなんだろう。
エルフ「……」パラリ
○月□日 今日、主人の友人が家を訪れた。私を見て最初は驚いていたものの、私に対する主人の態度を見てどこか納得した様子だった。
仕事を終えたことを報告しに主人に声をかけたが、いつものように無視された。
仕方がないので、主人と友人の話が終わるまでその場でずっと立っていることにした。
エルフ「……これって」パラリ
△月○日 みんなに会いたい……。ここでは私はひとりぼっちだ。この家にいたくなくて主人にバレないようにコッソリと家を抜け出した。
街に出た私をほかの人々が忌避の目で見る。ローブを被ってくればよかったと後悔した。
目立たないように路地裏を通ることにしたが、失敗した。
いやらしい目つきで私をジロジロと見る男が数名後をつけてくる。最初は早歩き、次に駆け足で逃げようとしたが、振り払えない。
行き止まりにたどり着いてしまい、私は男達に囲まれた。
エルフ「……」パラリ
私の身体を気持ち悪くベタベタと触ってくる。いやだ、いやだ。こんなのは嫌だ。
助けて! と大きな声を上げて叫ぶが、路地を見るほかの人々は、私がエルフだとわかると即座に目を背けた。
ああ……もう駄目なんだ。そう理解するのに時間はかからなかった。目を閉じてこのあとに起こることに少しでも楽になれるように身を任せる。
だけど、いつまで経ってもその瞬間がくることはなかった。
エルフ「……」パラパラ
恐る恐る目を開けると、そこには主人がいた。その時のあの人は本当に怒った顔をしていて、怒鳴り声とを上げて「こいつは僕のものだ!」って叫び声を上げた。
最初は強気に出ていた男たちも、主人が魔法を使うところを見てすぐさま逃げ出した。
ゆっくりと私の傍に向かって近づいてくる主人。私は怒られると思って再び目を閉じた。
エルフ「……」パラリ
でもあの人は何も言わずに私を起き上がらせてその場を後にするだけだった。
なんで? どうして? 疑問がいくつも湧き出ては消えていく。その時になって始めた私は彼を本当の意味で見るようになった。
エルフ「……ふう。なんだかものすごいモノを見てしまいました」
エルフ「これって、きっと私の前にここにいた人の日記ですよね……」
エルフ「このことを男さんに聞いてみたいですけれど、こっそり持ち出して日記を見たことをバラしてしまうことになりますし」
エルフ「ひとまずこれは見なかったことに……」
男「ただいま~」ギイィィ
エルフ「ひゃわっ!」ササッ
男「あれ? なんだ、寝ていなかったのか。駄目だろ、疲れが取れないままになるんだから」
エルフ「す、すみません」ションボリ
男「ほら、早く横になって。今日は一日ゆっくりしてなさい」ナデナデ
エルフ「あううぅ。わかりましたから、そんなに頭を撫でないでください」
男「あはは。ごめん、ごめん。それじゃあ、僕は粥を作ってくるからちゃんと寝てるんだよ」
エルフ「ううぅ。とっさに嘘をついて日記も隠してしまいました。罪悪感でいっぱいです」ウワーン
エルフ「これはきっと男さんの大事なものでしょうし、バレないように元に戻しましょう。続きが気になりますけれど、もう見ません」
エルフ「今なら男さんは料理を作ることに集中しているでしょうし、今のうちに……」トテトテ
エルフ「えっと……これがあったところは」ギイィィ
エルフ「……あ、ここです。よかった、男さんに気づかれずに戻せました」
そろそろバイトなので続きは帰ってきたら書きます。
エルフ「いないですよね」キョロキョロ
エルフ「よし、部屋に戻って。任務完了です」
……。
男「粥できたよ~。……って寝入っちゃってるな」コトリ
男「気持ちよさそうに寝てるな~」ナデナデ
男「起こすのも悪いし、粥はまた起きてから食べさせてあげればいいか……。それじゃ、おやすみ」パタン
――男自室――
男「ふう。とりあえず、これでやることはなくなったかな」
男「この部屋もだいぶ散らかっちゃったし、そろそろ一度整理しないとね」ゴソゴソ
男「この本はこの段で、これはあっち……と」トントン
男「あれ……? おかしいな、この日記は動かした覚えはないんだけど……」ジーッ
男「……」
時間ギリギリなのでバイト行ってきます。
エルフ「ふわあああ、よく眠りました。いつの間にかもう外が真っ暗です」
エルフ「喉が少し乾きましたね。ちょっと、水を飲みに行きましょう」トテトテ
エルフ「んぐ、んぐ。――ぷはぁ。身体の隅々まで水分が行き渡るようです!」
エルフ「もう男さんも寝ているでしょうし、音を立てないようにして部屋に戻らないと」ニンニン
ギイィィ、パタン。
エルフ「ふう、どうにか音を立てずに戻れました。さて、もう一度寝て明日からはきちんとお仕事頑張りましょう」
……
…
キイィィ、パタン。
エルフ「……うぅん? なんですか? 今どこかで扉が閉まる音が聞こえました」ムクリ
エルフ「あれ? 男さんの部屋が少し開いています」キョロキョロ
ただいま帰りました~。寝オチするまで続き書いてきます。
キイィィ、パタン。
エルフ「また、音がしました。今度は玄関の方です」トコトコ
――外――
男「……」スタスタ
エルフ「こんな夜遅くに男さん一体どこに向かっているんでしょう?」ジーッ
エルフ「見つかったら駄目な雰囲気ですし、こっそりと後を付けましょう」テクテク
男「……」スタスタ
エルフ「家を出てからだいぶ時間が経ってます。もう街を出てしまいましたし、このままだとこのあいだ行った森の方に着きますね」テクテク
男「……」キョロキョロ
エルフ(……急に立ち止まってどうしたんでしょう? もしかして、ここが目的地なんでしょうか?)
エルフ(でも、ここは森の入口付近で別段何かがあるようには思えませんが……)
男「…さし…り。…きにやってるよ。…新しい同…増えて」
エルフ(男さん、何かに向かって話しかけています。暗くてよく見えないです。それに、声もちょっと距離があって聞き取りづらいです)
男「……れじゃあまた来るよ」
エルフ(あ……話が終わったみたいです。こっちに来ます、どうしましょう!? ど、どこか隠れられる場所に……)コソコソ
男「……」スタスタ
エルフ(……ふぅ。どうにか、見つからずにすみました。それにしても、男さんは一体何に向かって話しかけていたんでしょう?)トコトコ
エルフ「四角い石の前に花が置かれています。もしかしてこれはお墓……でしょうか?」
エルフ「それにしても、一体誰の……?」
……
…
エルフ「おはようございます!」
男「おはよう。今日は体調良さそう?」
エルフ「はい! バッチリです。今日はお仕事頑張ります!」
男「そんなに張り切らなくても……。まあ、元気になったからいいかな」クスリ
エルフ「それで、今日は何をすればいいですか?」
男「そうだね……。実は今日仕事の関係で出かけないといけなくなっちゃったからその間留守番をしていてくれるかな?
留守番をしている間は好きなことをしていていいよ」
エルフ「それじゃあ、仕事にならないじゃないですか! 男さんは甘いです。甘甘です!
私、奴隷として買われたのに仕事を貰えないんじゃここにいる意味がないですよ……」シクシク
男「……そんなことないよ。君がこの家に居てくれるってことに意味があるんだ。僕としては、ただのんびりと過ごしていてもらいたいんだよ」ナデナデ
エルフ「あうぅぅ。で、でも!」
男「……ん?」
エルフ「……なんでもないです。それじゃあ、今日はおとなしく留守番しています」
男「うん、言うことを聞いてくれてありがとう」ニコリ
エルフ「そ、その代わり帰ってきたら男さんは何もしないでくださいね。この家の仕事は私が全部やりますから」
男「仕方ないな~。いいよ、わかった。僕が家に帰ってきたら仕事は全部任せるよ」
エルフ「やった! それじゃあ、今日のお仕事頑張ってくださいね!」
男「気が早いよ。まだ、朝食も食べてないんだから」クスリ
エルフ「あ、そうでした///」カァァ
男「それじゃあ、行ってくるね。しっかり留守番しててよ」
エルフ「はい! 頑張ってきてください!」
キイィィ、パタン。
エルフ「行っちゃいました……。急に家の中が静かになって寂しいです」ショボーン
エルフ「で、でもでも! 夕方くらいに帰ってくるって言っていましたし、それまで頑張ってお留守番していればいいんです」
エルフ「でも、何をしていればいいんでしょう……」ウーン
エルフ「ひとまず洗濯物でも洗いましょう……」トテトテ
この時間はみんな寝てるかな……。
エルフ「おっせんたく~。おっせんたく~♪」チャプチャプ
エルフ「今日もいい天気です。絶好の洗濯日和です」ゴシゴシ
エルフ「~~♪ あ、これ男さんの上着です」
エルフ(……あれっ? な、なんでしょう。なんでか胸のあたりがドキドキしてきました。それに、身体も熱くなって……)
エルフ「……」キョロキョロ
エルフ「何故だかわからないですけれど、無性にこの上着に顔をうずめたい気分です。だ、誰も見てないですよね……」キョロキョロ
エルフ「……えいっ!」モフッ
エルフ「……ふわぁっ。えへへ~これが男さんの匂い……」モフリ
エルフ「……」モフモフ
……
…
エルフ「……はっ! 私は一体何を!? こ、これじゃただの変態です! ……洗濯の続きをしましょう」チャプチャプ
エルフ「洗濯物を洗い終わったらやることがなくなってしまいました。しかたないので、掃除でもしましょう」ハキハキ
エルフ「ううぅ。やっぱり暇です、やることがないって困ります……」フキフキ
エルフ「ほとんど毎日掃除しているせいか、細かい汚れ以外見当たりませんし……。掃除もすぐに終わってしまいました」ハァ……
エルフ「そういえば、好きなことをしていいって男さんが言ってましたけど、もしかして本を読むのもいいんでしょうか?
それなら、いくらでも時間が使えますし……。ひとまず男さんの部屋に向いましょう」トテトテ
変態さんいらっしゃ~い。
ギイィィ、パタン。
エルフ「うわあぁぁっ! 相変わらず、すごい本の数です」ワクワク
エルフ「でもこの前と違って今日は本が散らかっていないですね……。整理整頓されて綺麗になってます。
どうせなら私を使って片付けをしてもいいのに……」ションボリ
エルフ「そんなことより、読書です。適当に本を取りましょう」ゴソゴソ
エルフ「ちょうど読書をするのにいいベッドもありますし……」ジュルリ
エルフ「はっ! いけません。なんだか、このままだとさっきの二の舞いになるような気がします。
居間に本を持って行ってそこで本を読まねば……」テクテク
エルフ「……」ポフリ
エルフ「あ、足が勝手にベッドの方に……。これはきっと男さんがこのベッドに向かう魔法をかけたに違いありません」ゴロゴロ
エルフ「こ、このままではこのベッドの上から抜け出せずに読書をする羽目になります。それだけは避けなければ」グヌヌヌ
……
…
エルフ「……ふむふむ」ゴロゴロ
エルフ「……はっ!? またやってしまいました~! こんなはずじゃなかったのに……」ウワーン
起きてるよー
別スレで語ってるw
今日も朝が来た~。朝食食べようか迷う。
エルフ「あっという間に時間が過ぎてしまいました。もう少ししたら男さんも帰ってくるでしょう……」
エルフ「結局今日一日本を洗濯と簡単な掃除をしただけであとは本を読んで過ごしてしまいました」
エルフ「そもそもあんなところに私の興味を引くような本をたくさん置く男さんがいけません! さてはこれも仕事をさせないための手段の一つですね」プンプン
エルフ「もう許しません! 帰ってきたら一言物申します!」
男「ただいま~」ガチャリ
エルフ「うひゃっ! お、おかえりなさい!?」
男「どうしたの? 変な顔して」
エルフ「い、いえ驚いただけです。そんなことより……」
男「あ、これお土産。帰りに美味しい果物を売っていた露店があったんだ。早速カットして食べようか」ナデナデ
エルフ「……はうっ。し、仕方ありませんね! 早く食べないと鮮度が落ちて悪くなりますしね。食べてあげますよ!」ニコニコ
男「相変わらず素直じゃないな~。そんなこと言ってるとあげないよ」ヒョイッ
エルフ「ああっ!?」
男「素直に食べたいって言ったら?」ニヤニヤ
エルフ「べ、べつにいりませんよ~だ」
男「ホントに?」ジーッ
エルフ「い、いりません……よ」ウルウル
エルフ「……」ウルウルウル
男「欲しいんだね……」
おはようございます。今日は用事あるのであまり書く事はできませんが書ける範囲で書きます。
男「ほら、カットしたよ。一緒に食べようか」コトッ
エルフ「わ~い。いただきます!」シャリシャリ
男「今日はどんなことしていたの?」
エルフ「えっとですね……。洗濯物を干して、簡単な掃除をして……それから男さんの部屋で本を読んでました」
男「なるほど、なるほど。……あれっ?」
エルフ「……あっ!?」ビクッ
男「本を読んだの?」
エルフ「い、いえ。それは……」アウアウ
男「別に怒ったりしないから言ってみて」クスッ
エルフ「よ、よみました……」ビクビク
男「そっか。面白い本はあった?」
エルフ「はい! たくさんありました。読みふけっちゃってつい時間が過ぎてしまいました」
男(へ~。結構難しい本があるんだけどな。エルフはやっぱりそう言った知識欲が強いのかもしれないな)
男「とはいえ勝手に部屋に入ったのは駄目だからちょっとお仕置き。目をつぶって……」ニコリ
エルフ「す、すみません~」メトジル
エルフ「……」ドキドキ
男「……ふふ」ソーッ
コツン
エルフ「あうっ」
男「これでお仕置きは終わり。今度からは勝手に部屋に入らないこと」
エルフ「お仕置きされるからどんなことかと思ったらデコピンですか?」キョトン
エルフ「お仕置きされるからどんなことかと思ったらデコピンですか?」キョトン
男「そうだよ。何されると思ったの」
エルフ「そ、それは……///」ハウゥ
男「そんな暴力なんか振るったりしないって。ひどいな~」
エルフ(い、言えないです。その……えっちなことされると思ったなんて……///)ハウッ
男「それよりもわかった? 次からはちゃんと事前に言うこと。本ならいつでも読ませてあげるから」
エルフ「はい、わかりました。それじゃあ、次からはちゃんと男さんに許可をとります」
男「それじゃあ、この話はここでおしまい。果物食べよっか」シャリシャリ
エルフ「はい! 食べましょう」シャリシャリ
褒めても続きしかでねーぞ、このやろう!
……
…
エルフ「今日は雨です……。お出かけもできませんし、一日家の中で過ごします」
エルフ「やることも特にないので男さんの部屋に行きましょう!」
エルフ「男さ~ん」ギイィィ
エルフ「あれ? まだ寝てます。珍しいです」
エルフ「そういえば、男さんいつも私より早く起きていたので、こうして寝ている姿を見るのは初めてかもしれません」ホワー
エルフ「……」ジーッ
エルフ(な、なんでしょう。また前みたいに胸のあたりがモヤモヤして締め付けられるような感じがします。もしかして、何か変な病気になったんでしょうか)ハウッ
エルフ(ど、どうしましょう……。男さんを見ていると苦しくなってしまいます)
エルフ「お、男さん、男さん。起きてください」ユサユサ
男「……ぅ……ん」
エルフ「おとこさ~ん」アウゥ
男「……」スースー
エルフ(……うぅ。揺すっても起きてくれません。このままじゃ困ります)アタフタ
エルフ「……男さ~ん起きてくださいよ~」
男「うぅ~ん。旧エルフ……」
エルフ「……!」
男「……」スースー
エルフ「……」トテトテ、パタン
――エルフ自室――
エルフ(旧エルフ? 一体誰の名前ですか。私以外にエルフの知り合いがいたなんて……。なんでしょう、男さんはただその人の名前を呼んだだけなのに、胸がとても痛いです)
エルフ(そういえば前に読んだ日記を書いた人もエルフだったような……。もしかしてその人のことなんでしょうか)
エルフ(あの日記ってに出てくる主人ってたぶん男さんのことですよね……。でも、書いてあるのを読んだ限り今と全然性格がちがいます。私はあんなに冷たい男さんを見たことがないです)
エルフ(前は途中までしか日記を読むことができませんでしたけれど、最後まであの日記を読めばこの胸の痛みもなくなるでしょうか?)
……
…
用事あるので出かけてきます。ついでにそのままバイトに行ってくるので続きは夜中になるかも。
バイト前に一度帰ってこれるようならちょこっと更新します。
帰りました~。今から寝オチするまで続きを書きます。
男「ん……うぅん。よく寝たな。」
男「あの子はもう起きてるかな……」テクテク
エルフ「あ……男さん」
男「おはよう。何してるの?」
エルフ「いえ、昼食の準備をしようかと……」
男「あ、そうなんだ。手伝うよ」
エルフ「いえ! 私に作らせてください。これ以上仕事を取られたら困ります」
男「う~ん。そっか、それじゃあ今日は任せようかな?」
エルフ「本当ですか!」パァァ
男「うん。でも、ちゃんと作っているところは見させてもらうね」
エルフ「~~♪」トントン
男「……」ジーッ
エルフ「あ、あの~」
男「ん? どうかした?」
エルフ「そんなにじっと見つめられると、その……恥ずかしいです///」カアァァ
男「気にしない、気にしない」
エルフ(気にしないって言われても……)アウアウ
男「……」ニコニコ
エルフ「……」コトコト
エルフ(うぅ……間が持ちません。何か話題があればいいんですけれど……)
エルフ(そ、そうだ。さりげなく男さんに旧エルフについて尋ねてみましょう。気になりますし……)
エルフ「あの~男さん」
男「うん?」
エルフ「旧エルフってどんな人ですか? もしかして私がここに来る前ににこの家にいたりしましたか……?」
男「……えっ! な、なんで旧エルフのことを……」オロオロ
エルフ(男さん、すごく驚いています。もしかして聞いちゃいけないことだったのかな……。
でも、ここで聞いておかないと胸のモヤモヤが消えない気がしますし。日記のことは黙っておいて聞いてみましょう)
十分更新ないだけで寝落ち扱いはひどいよw
エルフはもっと高貴の方がいい
みんなどんだけ寝落ちにしたいのw 反抗のため更新!
エルフ「えっと……今朝男さんを起こしにいったときに寝言で呟かれていたので。それで、ちょっと気になりまして」
男「そ、そうか……」
エルフ(……どうしましょう。男さん黙り込んでしまいました。しかもかなり空気が重たくなってしまいました。やっぱり聞いちゃいけないことだったんでしょうか)
男「……」
エルフ「……」
コトコト、コトコト。
エルフ「すみません、今の質問は聞かなかったことにしてください」
男「……えっ?」
エルフ「私は男さんの奴隷ですし、主人の話せないようなことを聞くなんてことは、厚かましいにもほどがありました。
男さんがあまりにも優しいので、自分の立場を忘れてつい出過ぎた真似をしてしまいました。すみません」ションボリ
男「……」
エルフ「もう聞かないので安心してください……」トントン
男「……」
エルフ「……」グスッ
>>133
ごめん、一応このエルフ年幼い感じだから高貴な感じじゃないのよ。無邪気な感じ。
……
…
エルフ「あれから男さんと話をするのが少し気まずくなってしまいました……」
エルフ「せっかく優しくしていただいたのに、男さんの好意を無駄にすることにしてしまいました」グスン
エルフ「今日も男さんはお仕事で外に出かけてるので、私はまた一人でお留守番です」
エルフ「……さみしいです。男さんと前みたいにたくさんお話したいです」グスグス
が
ほむ。おはよう! 少しだけ続き書きます。
エルフ「……」フキフキ、ハキハキ
エルフ「掃除も終わってしまいました。留守番中に街に出るわけにも行きませんし、どうしましょう……」
コンコン、コンコン
エルフ「!? は~い」キイィィ
騎士「ん? なんだ、エルフか」
エルフ(あ……この人、男さんの友人の騎士さんです)
エルフ「は、はい。男さんは今お仕事で出かけられています」
騎士「そうか。男が帰ってくるまで少し待たせてもらってもいいかな?」
エルフ「えと、多分大丈夫です。どうぞ、お待ちください」トテトテ
騎士「お邪魔するよ」スタスタ
エルフ「よろしければ、こちら紅茶になります」ススッ
騎士「ああ、わざわざ悪いな」ペコリ
エルフ「よければ焼き菓子もありますけれど……」
騎士「ん? そうだな、もらえるならもらっておくよ」
エルフ「そうですか。それじゃあ、どうぞ」ススッ
モグモグ、モグモグ。ゴクリ
エルフ「……」ジッー
騎士「……」モグモグ
エルフ(沈黙が……沈黙が辛いです。この人と話すのは初めてですし、どう接していいのかわかりません。
こんな時男さんがいてくれたら間に入って話をしてくださるのに……)オロオロ
騎士「ごちそうさま。美味しかったよ」
エルフ「えっ!? あ、ああ。どういたしまして。お口にあったのでしたら嬉しいです」
騎士「……」
エルフ「……」ウゥ
騎士「そういえば、君さ……」
エルフ「ひゃい! なんですか!?」
騎士「そんなに警戒しないでもいいって。それでさ、君男とはどのくらいの仲なの?」
エルフ「それってどういう……」
騎士「いや、つまり夜伽とかしたのかってこと」
エルフ「――ゲフッ! な、な、な……///」カァァ
騎士「その様子じゃ、特になにもしていないみたいだな」
エルフ「いえ、それは……その」
騎士「いやいや、いいんだ。戦争が終わってエルフを奴隷として買う富裕層とかたくさん見てきたけれど、そういった行為をさせているやつらがほとんどだったから、ちょっと気になっただけだ」
エルフ「男さんはそんなことしないです……」
騎士「そうだよな……。あいつがそんなことするわけないよな。でも、前のエルフだったら……」
エルフ「……えっ?」
騎士「なんでもない、独り言だよ。お茶ありがとう、男も来る気配がないから今日は一度帰るとするよ」
バイト行ってきます。続きは夜中だと思います。更新遅れてすいません。
エルフ「あ、ちょっと待ってください!」
騎士「なんだい?」
エルフ「あの、あなたは私を見てなんとも思わないんですか? その、街の人たちは私がエルフってだけで差別するのに……」
騎士「ああ、そのこと。正直言うと俺はエルフが嫌いだよ。戦争中にあいつらに家族を殺されたし、戦っているときも何度も傷を負わされたからな」
エルフ「……」
騎士「男も俺と同じようにエルフに家族を殺されて復讐のために軍に入ったのに……。一時期は一緒の隊で戦場に出たりもした。
それなのに、あいつどういう心境の変化があったのか軍をやめてエルフを買って自分の傍に置くようになって……。
――と、こんな話を君にするつもりはなかったんだが、つい口が滑ったよ。それじゃあ」ギイィィ
エルフ「……」
エルフ「男さんが、エルフに家族を殺された……?」
……
…
騎士「あんなことさっきのエルフに言ったけど、最近の男は昔に比べてよく笑うようになったよな」テクテク
騎士「そうなったのは前のエルフがあいつの傍にいた時からか……」
帰りました~。今から寝落ちまで続き書きます。
過去ログ見たら濡れ場ないのに賢者になってる人が何人かいたw どこ見てそうなったw
……
…
男「ただいま~」ガチャリ
エルフ「あ……男さん、お帰りなさい……」シュン
男「……なにかあった?」
エルフ「い、いえ。なにもありません……」ギクシャク
男「そ、そう? ならいいんだけど……」ギクシャク
エルフ「……」
男「……」
エルフ(騎士さんの言っていたことが本当なら、私の前にこの家にいたエルフと何かがあって男さんは変わったんですよね。そのことについて聞きたい……。
でも、私にはそんなことを聞く資格もないですし……。
そもそも、私はなんでこんなに男さんに干渉しようとしているんでしょう。これは奴隷としてふさわしい行動じゃありません。
主人を立てて、過度の干渉をしない。こんな当たり前のこともできないなんて……。私は奴隷失格です。
でも……それでもっ!)
男「僕は今日はもう寝るから、遅くならないうちに寝なよ」テクテク
エルフ「あっ……ッ!」トテテ
男「えっ……」
エルフ「……」ギュッ
男「どうしたの? やっぱり何かあった?」ジッ
エルフ「……」フルフル
男「え~っと」オロオロ
エルフ(ど、どうしましょう。男さんを行かせたくなくて咄嗟に抱きついてしまいましたけれど、どうするか何も考えていません)
エルフ「あ、あの!」
男「うん?」
エルフ「私も、一緒に寝てもいいですか?」
男「えっ……?」
すまんのう、遅い時間に帰ってきてるから待っててくれた人ほとんど寝てしまってるかね。
――男の自室――
男(帰ってきてエルフの様子が少しおかしかったから心配はしていたけれど、一体どうしてこうなった)アセアセ
エルフ「男さん……」ギュッ
男(一つのベッドに二人が寝ているからやたら狭い。それに密着してるから吐息が首元に……)
エルフ(あうぅ。男さんとの距離が近いです。自分から言っておいて言うのもなんですけれど、これはものすごく恥ずかしいです。
でも、こうでもしないと男さんと話ができませんでしたし……)
男「……」アセアセ
エルフ「……」オロオロ
男「……はぁ。それで、急にこんなことをしてどうしたの? 何か理由があるんでしょ?」
エルフ「それは……」
男「もしかして話せないようなこと?」
エルフ「違います。話せなくはないんですけれど、これを話したら男さんの気分がもしかして悪くなってしまうかもしれなくて……」
男「それって、この間のことかな?」
エルフ「……はい」
男「……」
エルフ「……」
エルフ(うぅ。沈黙が辛いです。でも、今回は前のように途中で引くなんてことはしません。
たとえこれで嫌われて男さんに冷たくされるようになっても全部話してもらうまではテコでも動きません)
おお! ありがとう~。山場なんで頑張ります!
男「そっか……。やっぱり気になるよね。わかった話すよ」ムクリ
エルフ「あ、私も起きます」ムクリ
ベッドに腰掛け。
男「旧エルフはね、君がここに来る前にこの家にいた奴隷なんだ」
エルフ(やっぱり……)
男「僕は昔、まだエルフと人間が戦争をしていた時に家族をエルフに殺されたんだ。
それで、家族の仇を取るために魔法を勉強して軍に入った。もちろん戦争にも参加した」
エルフ「……」
男「たくさんのエルフを殺して、仲間である人を殺されて。戦争の熱に当てられていつの間にか仇を取ることよりも生きることが頭を支配するようになった。
戦時中じゃ、その日その日を生きるのに精一杯で仇を取るために戦うなんてことは二の次になったんだ」
エルフ「……辛くなかったんですか?」
男「辛かったよ。でもそういった実感を持てたのは戦争が終わってからだよ。戦時中はそんなこと考えもしなかった」
男「しばらくして戦争が終わった。人間側の勝利って形でね。戦争に負けたエルフのほとんどは殺されるか奴隷として扱われるかになった。そして、僕は軍を辞めたよ。
やることもなくなったし、戦うことに疲れたっていうのが一番の理由だけど」
男「家族のいなくなった世界で一人で生活していたある日、たまたま市場に来ていた奴隷商が売り出していたエルフがいたんだ。それが旧エルフだよ。君の先輩みたいなものだね」
エルフ「……」
男「最初はホントに興味本位だったんだ。たぶん、行き場のなくなった憎しみをぶつける相手が身近に欲しかったっていうのもあった。その場で商人と交渉して彼女を買った」
男「思い返せば彼女にはひどいことしかしなかったよ。冷たい態度をとって、あしらったり、無視をしたりもした。
そんなことばかりしていたせいか、ある日彼女が僕の目を盗んでこの家から抜け出したんだよ」
エルフ(あ……これって日記に書いてあった)
男「その時僕は何故か無性に焦ったよ。彼女が傍にいる生活があまりにも普通になっていたから、急にいなくなられたことに少なからずショックを受けたんだろうね。
だけど、当時の僕はそんなことを認めたくなくて、自分のものを取り戻すなんて理由で彼女を探したよ。そして、路地裏で男に囲まれてる彼女を見つけた。
その光景を見た瞬間、やたらと頭に血が上って気づいたら魔法を使って男たちを追い払っていたよ。きっと、あの時は酷い顔をしていたと思う」
エルフ(ここから先は日記を見ていないから私の知らない話になります……)
エルフ「それで、そのあとはどうなったんですか?」
男「いや、それだけだよ。ただ、それから旧エルフの態度が変わっていったんだ」
エルフ「どんな風に?」
男「それまでは、黙って僕の言うことを聞いているだけだった彼女がやたらと明るくなって世話を焼きたがったんだ。
街の人にひどいことをされても泣き顔を見せようともしないで、僕に冷たくされても笑顔を浮かべて受け流していた」
男「正直、その変化に僕は戸惑った。どうして、そんな風に笑っていられるのかもわからなかったし、それが打算的なものじゃないっていうのをなんとなく感じていたから。
彼女が僕に向けてくる視線が日を増すごとに強くなって、それが好意なんだって気づくのに時間はかからなかった」
エルフ「それで、男さんは旧エルフを受け入れたんですか」
男「……いや。僕は、彼女を受け入れられなかったよ」
エルフ「受け入れられなかった? 受け入れなかったじゃないんですか?」ドキッ
男「ああ。彼女が好意を向けられているのに気づいて、戸惑って。でも、それを心のどこかで喜んでいる自分がいたんだ。僕自身そんな自分の変化に驚いたよ。
彼女と過ごしているうちに、あれだけ憎かったエルフを受け入れようとしている自分が確かに居るんだってことに気づいてしまったんだ。
でも、それを認めたくなくて僕は彼女を拒絶し続けた。それでも、彼女は僕に好意を向け続けてくれたんだ」
男「これだけ話して、多分旧エルフがどうなったかなんとなく想像がついているんじゃないかな? 彼女が今、ここにいない現状。それがどう言う意味なのかってことに……」
エルフ「それは……」
エルフ(分かってしまいました。男さんが、あの夜の日に向かっていった場所。あの石の意味も、その相手も……。
だから、だからそれ以上悲しそうな顔をして話さないでください……)ウゥ
男「彼女はもうここにいない。随分前に死んだんだ……」
エルフ「……」
男「僕は最後まで彼女を受け入れることができなかった。だから、次にもし奴隷を買うことになったら彼女にできなかったことをしてあげようと思ったんだ。
今度は自分の心の思うままに……素直に」
エルフ「それが……私なんですね」
男「うん。だから、僕は君には出来るだけ優しくしてる。もちろん、君のことは大事だと思っている」
エルフ「でも、それは旧エルフのことがあるからですよね……」
男「少なからず、そういう面がないとは言い切れない。でも、君は大事な家族だと思っている。だから、こうして全部話したんだ。これで、僕の話は全部だけど、満足したかな?」
エルフ「はい……。ありがとうございます」ペコリ
男「それじゃあ、今日はもう寝よう。もうだいぶ遅い時間になったからね」
エルフ「……」
エルフ(このままでいいんでしょうか……。確かに、男さんに全て話してもらって、どうして男さんが私に優しくしてくれるのか、その理由もわかりました。
でも、このままじゃ何も変わりません。男さんは旧エルフのことを引きずったままで、私もそれに甘えているだけ。
そんな、そんな誰かの代わりなだけの私なんて……嫌です!)
エルフ「男さん!」
男「ん?」
エルフ「私、頑張ります! 料理も、お掃除も、お洗濯も。男さんの手伝いもします!
今は全然仕事も未熟で役に立たないような奴隷ですけれど、いつか絶対に役に立つようになってみせます!
だから、私を見てください! 誰かの代わりなんかじゃない、ありのままの私を!
私、頑張りますから……。だからっ……!」ポロポロ
男「あ……」ハッ
エルフ「あれ? おかしいです……。泣くつもりなんて全然なかったのに……。
すみません、すみません……」ポロポロ
男「エルフ……」ギュッ
エルフ(あっ……男さん、初めて私の名前呼んでくれました。それに、抱きしめてくれて。男さんの体大きくて温かい……)
男「ごめん、僕はまた同じ間違いをするところだった。大事にしているだなんて言って、エルフのことを本当に見ていなかった」ギュッ
エルフ「いいんです……今はきっと旧エルフさんへの想いの方がきっと強いと思いますから。でも、いつかきっと私の方を向かせてみせます」
エルフ(ああ……。今まで感じていた胸のモヤモヤや締め付けるような苦しみの意味がようやく分かりました。私はきっと旧エルフに嫉妬していたんですね。
それに、男さんに抱きしめてもらって胸が温かくなるこの感覚。きっと、これが恋なんですね……)
エルフ「私は、絶対にあなたの傍を離れるつもりはありませんから。覚悟してくださいね、男さん」
……
…
あれから、随分と月日が流れた。相変わらず、穏やかな毎日が続いている。
昔に比べて私はだいぶ仕事もできるようになったと思う。最近は料理を作って男さんが笑顔になってくれるのを見ると嬉しくてたまらない。
旧エルフのお墓にも男さんと一緒に行った。やっぱり、お墓の前に来ると男さんは寂しそうな顔をするけれど、帰る時には笑顔を向けてくれる。
いつかきっと、男さんの傷が癒されて私の方を完全に向いてくれた時には私は……
男「お~い、エルフ。市場に買出しに行くけれど一緒に来るか?」
エルフ「……はい! 少し待ってください!」パタン
手元にある一つの日記帳と、ペンを置いて私は男さんの元へと歩いていく。玄関の前で前を向いて私を待つ男さんに気づかれないよう、私はその背にこっそりと忍び寄る。
エルフ「……そ~っ」チュッ
男「こらっ!」
男さんの頬に口づけをし、その背に抱きつく。
エルフ「男さん、大好きです!」
エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 ――完――
これでこのssは終わります。
バイト等で更新が遅れる中読んでくださった方々、五日間お付き合いくださりありがとうございました。
今回初ssということで書き溜めなしで書いたのですが、どうにか終わることができました。
リクエストや質問があれば受け付けます。
お疲れ様でした!
おはようございます。リクエストがありますので、頑張ります。
男「おはよう、エルフ」
エルフ「あ、男さん。おはようございます」
エルフに全てを話してから随分と月日が流れた。昔に比べ、彼女は仕事もできるようになり、ほんの些細なことの気配りも行き届くようになった。
まだまだエルフに対する世間の風当たりはキツイが、街の人々の中にも彼女の人柄に触れて普通に接してくれる人が少しずつ出てきてくれるようになった。
身体もここ最近急激に成長し始め、膨らんだ胸や時折浮かべる色っぽい仕草に目を惹かれてしまう。
それに、あの日以来エルフは度々過度のスキンシップを取るようになってきていて、不意打ち気味にされるそれにはドキリとさせられて困る。
今だって……。
エルフ「男さん、男さん。今日はお仕事お休みですよね!?」トコトコ
男「ああ、そうだね。どうかしたの?」
エルフ「もしよろしかったら私のお願いを聞いてくれませんか」チラリ
男(瞳を潤ませながらの上目遣い……だと。しかも胸元がチラチラ見える。エルフが成長してくれるのは嬉しいけれど、もう少し恥じらいを……)
AAクソワロタw
男「そ、そのお願いっていうのはなんなの?」チラチラ
エルフ「えっとですね、実は以前行った川にまた遊びに行きたいんです。あそこなら旧エルフさんのお墓参りにもついでに行けますし……」ズズズッ
男(近い、近い。見ちゃいけないのに見てしまう。これが男の性なのか、いいやエルフは家族なんだ。そんな目で見るのは間違いなんだ)
男「それくらいだったら、何でもないよ。それじゃあ午後から出かけようか」ソソソ
エルフ「いいんですか! ありがとうございます、ご主人様っ」パアァ
男「ご、ご主人様?」
エルフ「えへへ。普段そう呼ぶことが滅多にないのでちょっと呼んでみました。もしかして嫌でしたか?」テヘッ
ビッチじゃないやい! 小悪魔的な感じだよ! 男一筋のエルフだよ!
男「い、いや。別にエルフの好きな呼び方でいいよ。それじゃあ、ちょっと僕は一度部屋に戻るね」
エルフ「はい。それじゃあ、朝食の調理の続きと昼食の準備もしますね」ニコリ
男(ま、不味かった……。ご主人様ってなんだよ。おもわず抱きしめたくなるところだった。しかもエルフのやつ無意識であれをやってるんだよな、きっと。
過度なスキンシップや無防備な姿を見せてくれるのはきっと僕が彼女の唯一の家族だからだ。そうだよ……な?)テクテク
エルフ(……む~。男さんってばこれだけ私が迫っているっていうのにちっとも手を出してくれません。でも、昔に比べてだいぶ私を見てくれるようになりましたし、身体もちゃんと成長してきました。
でも、あの日以来全然私に触れてくれませんし自分に魅力がないのかなんて思ってしまいます。
男さんに、触れて欲しい、抱きしめて欲しい。もっともっと愛して欲しい。そう思うのは私のわがままなんでしょうか?
ううぅ~男さん、男さん……)ソワソワ
……
…
男「いただきます」
エルフ「はい、どうぞ」
男「今日の料理も美味しいよ。これならどこの家に出しても恥ずかしくないね」
エルフ「えっ!? それってどういう……」
男「あっ……。いや、今のは言葉のあやっていうか」
エルフ「私はもうお払い箱ってことですか……」ウルウル
男「あ、その、えっと、違うってそう言う意味じゃなくて……」オロオロ
エルフ「……グスッ」ウルウル
男(う……。そんな捨てられそうな子犬みたいな目で僕を見ないでくれよ。し、仕方ない。これはあくまでエルフを慰めるためだ……)
男「エルフ……」テクテク
エルフ「男さぁん……」ウルウル
男「……」ギュッ
エルフ「あっ!」パァァ
男「大丈夫、エルフの家はここだよ。お払い箱になんてするわけないよ」
エルフ「私も、男さんが望んでくれるならこの家にずっと居続けます」ギュッ
エルフ(えへへ。ちょっとわがまま言ってみたら男さん抱きしめてくれました。役得、役得です。
そもそも、私は男さんが好きなんですからこの家以外の場所に行くつもりがあるわけないじゃないですか。
たとえ追い出されたって男さんの傍にいますよ、私は!)
エルフ「えへへ~」ニコニコ
男(あ、あれ? エルフの顔がニヤけてる……。もしかして僕からかわれたのか?
ま、まあ嬉しそうだしもうしばらくこのままでもいいかな……)ギュウゥゥ
エルフ「……」ギュッ
男「……」ギュッ
ビッチの意味の一つ→過激な行為や発言をする女性。ごめん、俺が間違ってたw
……
…
男「ふう、ようやく到着だ」
エルフ「はい、森に着きましたね」ニコニコ
男「ひとまず、旧エルフのお墓参りを先にするけれどいいかな?」
エルフ「はい、構いません。私もそのつもりでしたし」
テクテク、テクテク
男「久しぶり、旧エルフ。なかなかこっちに来ることができなくてごめんね。今日はエルフも一緒なんだ」
エルフ「お久しぶりです、旧エルフさん。私たちは元気に毎日過ごしています。今日も、男さんに抱きしめてもらったり……」
男「おい……」
旧エルフ『おい!』
男「え?」
エルフ「え?」
お墓『……』
エルフ「そ、空耳ですか」
男「今、一瞬旧エルフの声が聞こえたような気がしたんだが……」
エルフ「き、気のせいですよ」
エルフ(ま、マズイです。さすがにさっきのは調子に乗りました。あのまま続けていたらもしかして、旧エルフさんの怨念だかなんだかわからないものが出てきそうです)
男「それじゃあ、また来るよ。今度はもう少し面白い話を持ってくるね」テクテク
エルフ「では、また」テクテク
チャプチャプ
エルフ「ダーイブ」ザパーン
男「うわっ! こら、急に飛び込むな。水浸しになったじゃないか」
エルフ「すみません、でも楽しいですよ。バーン!」ザパーン
男「この……。まて、エルフ! 言うこと聞かない子はお仕置きだ!」タタタッ
エルフ「あわわ、待ちませーん。逃げます!」タタタッ
男「待てこら! 逃げるな!」パシッ
エルフ「あうっ、捕まりました」ジタバタ
男「あ、こら。暴れるな!」
エルフ「あうううぅぅぅ」ジッ
男「まったく、手間かけさせ……て」
エルフ「男……さん?」
男(な、な、な! 水浸しになったせいで、エルフの服が透けて。それに、濡れた髪が妙に色っぽい。なんだかいい匂いもするし……。ま、マズイ。理性とは別に本能が……。腕が勝手に動く……)
エルフ「どうしました? もしかして、本当に怒ってます?」ビクビク
男「……エルフ、今からお仕置きする。目を閉じろ」
エルフ「はい、すみません……」メトジル
男「……」
エルフ「……」ビクビク
男「……」ソッ
エルフ「あ、あの男さん。頬に手を添えられてもくすぐったいだけなんですけれど……」
男「……んっ」
エルフ「……! むぐっ、はむっ。あふっ」
男「ちゅっ……ぷはぁ」
エルフ「……はう。お、おとこさん……」ドキドキドキ
男「お仕置き、だ」
エルフ「お仕置き……ですか?」
男「ああ、これに懲りたらちゃんと言うことを聞くようにしなよ」
エルフ「……それじゃあ、私はまだまだ駄目ですね。だって、男さんの言うこと聞きたくないって思っていますもん。またお仕置き……してくれますか?」
男「ったく、本当に世話が焼けるやつだよ。僕を惚れさせたお前が悪いんだからな……」
エルフ「はい、ちゃんと責任とってずっと傍にい続けます。だから、お世話を焼いてください」
男「しょうがないな、ひとまず今日は一日中世話を焼いてあげるよ」チュッ
エルフ「……そ~っ」男「こら!」 after story 男がエルフに惚れるまで ――完――
ひとまず、これで男がエルフに惚れるまでは終わりです。
まだリクエストや質問があれば受け付けます。
>>1乙~~!!
おもしろかったぞ!
できれば、また続きを願う
>>228
どんな続きを御所望で?
ほむ。ちょっと考えるので待っててください。
男「今日もいい天気だな~。こんな日は外に出かけるに限る」
エルフ「男さ~ん。ちょっとお皿を出してもらっていいですか?」
男「ああ。少し待っていてくれ」テクテク
エルフ「今日は自信作です。味見もちゃんとしましたからお口に合うはずですよ」ニコリ
男「そうか、それは楽しみだ」
エルフを受け入れてから早数年が経った。まだまだ世間のエルフに対する扱いは厳しく、結婚を考えていた僕だったが、エルフとの結婚を認めてくれるような法律は存在しなかった。
そのため、エルフとは正式に夫婦という関係ではないが、形だけでもと指輪を彼女に贈り、気持ちは互いに夫婦として生活をしている。
指輪を渡した時のエルフときたら、それはもうボロボロと涙を流して喜んで、こっちとしても思わずもらい泣きをしそうになったほどだ。
穏やかな日々を二人で過ごして、ちょっとした旅行に出たりもして、二人だったこの家にも新しい住人が住むようになった。
エルフ娘「お父さ~ん。おはよ~」
男「ああ、おはよう。しっかり顔を洗ってきたか?」
エルフ娘「うん! お母さんがね、朝起きたら顔を洗って来なさいって言ったの。だから、ちゃんと洗ったよ」
男「そうか、そうか。よくできたな」ナデナデ
エルフ娘「えへへ~。お父さんに褒めてもらっちゃった」テレテレ
エルフ「あっ! エルフ娘ばっかりずるいです。男さん、私も! 私も!」
男「お前な……。子供と一緒の扱いされて嬉しいか?」
エルフ「甘えさせてくれるならなんだっていいです!」キリッ
男「はぁ。しょうがないやつだな」ナデナデ
エルフ「えへへへ~」デレデレ
エルフ娘「あ~。お母さんずる~い。わたしも! わたしも!」
男「二人とも……。僕に朝食を食べさせてくれよ」ナデナデナデナデ
……
…
男「今日は天気もいいし、出かけるとしよう」
エルフ娘「わ~い。おでかけ! おでかけ!」
エルフ「それじゃあ、昼食の準備をしておかないといけないですね。男さん、私が準備している間エルフ娘の面倒見ていてくださいね」フフフ
男「了解。ほら、エルフ娘。お母さんの準備ができるまでお父さんと待ってようか」
エルフ娘「は~い。お父さんの胸にダーイブ」ピョーン
男「あはは。エルフ娘は元気だな~」ヨシヨシ
エルフ娘「くすぐったいよ、お父さん。でもね、わたしお父さんに撫でられるの大好き!」スリスリ
男「おお。この年にしてこの甘えよう。これは将来男を落とす魔性の女エルフになりそうだ。お父さん今から悪い虫がつかないか心配だよ」
エルフ娘「悪い虫ってな~に?」
男「ん? それはね、エルフ娘に手を出そうとする怖~い男の人たちのことだよ。
大人になったら増えると思うけれど、今のエルフ娘も十分魅力的だから、特殊な性癖をもった人たちがエルフ娘を襲おうと鼻息を荒くして機会を伺っているんだ」
エルフ娘「やだ、やだ。怖いよぅお父さん」
男「大丈夫、そんな奴らが現れてもお父さんが魔法で追い払ってあげるからね。エルフ娘に手を出すような男は……ふふふふふふ」
エルフ「……何言ってるんでしょう男さんは。はぁ、エルフ娘が生まれてからというものの子煩悩になってしまって困ります。
私の相手もしてくださらないと、寂しくて泣いちゃいますよ」トントン
だが断る。
――草原――
エルフ娘「わ~い。おっきな原っぱにダ~イブ」ピョーン
男「こらこら、エルフ娘。あんまりはしゃぎすぎると怪我するぞ」
エルフ「あんまり一人で遠くに行っちゃダメですよ」
エルフ娘「大丈夫だよ~。わ~い、わ~い」トコトコトコ
男「まったく、元気すぎるのもある意味困ったものだな」
エルフ「そうですね。でも、楽しそうにしてくれてよかったです」
男「エルフは楽しんでいるか?」
エルフ「それを聞きますか? 私はあなたと一緒にいられるだけで楽しいですよ」フフッ
男「まったく、そんなことばかり言ってるとお仕置きするぞ」
エルフ「最近はあの子がいてご無沙汰でしたし、今夜にお願いしますね」
男「しょがないやつだ。いくつになっても世話が焼けるよ」
エルフ「甘えたがりですから」ニコリ
男「……」ジーッ
エルフ「……」ジーッ
……チュッ
男「……ははっ」テレテレ
エルフ「……ふふっ」テレテレ
エルフ娘「あ~! お父さんとお母さんチューしてる。らぶらぶだ~」
エルフ「あら、見られちゃいましたね」
男「そうだな」
エルフ娘「ずるい、ずる~い。私にもチュー!」
男「はいはい。ほら、こっちおいで」
エルフ娘「うん!」トテテテ
男「それじゃあ、エルフ娘にも」
エルフ「ええ、一緒に」
……チュッ
エルフ娘「ほっぺたにチュー」テレテレ
温かな日差しの下、三人の親子が笑いながら戯れている。世界はまだまだ彼らに厳しい。
だが、ささやかな幸せと共に彼らはこれからも毎日を精一杯過ごしていくだろう。
エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 after story 結婚、そして…… ――完――
ひとまずこれで結婚、その後のお話は終わりです。
今日はまだ時間があるのでリクエストや質問があれば受け付けます。
ふむ。少々お待ちを。
男「旧エルフ……」
旧エルフ「男……さん。泣いてますよ?」
男「バカっ……なんで、僕がそんな」
旧エルフ「うれ、しい。おとこさんが、ないてくれたってことは、わたし、すこしはだいじにおもってもらえたんです……ね」
男「そんな、もう死ぬみたいなこと言うな! 大丈夫、すぐに手当すればまだ……」ギュッ
旧エルフ「だめ、ですよ。わたしを、受け入れてくれるところなんてないです。だから、もうこのまま」フルフル
男「やめろ、そんなこというな。僕はまだお前に……」
旧エルフ「……」パタッ
男「あ、ああ。うあああああぁぁぁぁぁ」
これは、過去の物語。エルフと男が出会う前、彼と共に日々を過ごした一人のエルフの物語。
△月×日
旧エルフ「……男さん、今日の朝食はどうですか?」ニコニコ
男「……普通だ」
旧エルフ「そうですか、普通ですか。では、これからもっと頑張って美味しい料理を出せるように頑張りますね」ニコニコ
男「……」プイッ
旧エルフ「さて、私は洗い物を」テクテク
男(なんなんだ、急に明るくなって。この間まで下をうつむいて僕の言うことに頷くだけだったのに。もしかして、旧エルフのやつ何か変なことを考えているんじゃないだろうな)
男(でも、この料理。普通だなんて言ったけどすごく美味しい。味付けとか僕が好きなように工夫がしてある……)モグモグ
旧エルフ「~~♪」ゴシゴシ
男「……なんだっていうんだよ、ホント」ムスッ
壊れとるwww
△月□日
旧エルフ「あ、食材がもうありません。買出しに出かけないと」
旧エルフ「男さん、すみません」
男「……なんだよ」ムスッ
旧エルフ「食材の買出しに出かけたいのですが、お金をいただけないでしょうか?」
男「はぁ。ほら、これで足りるだろ」チャリン
旧エルフ「あ、ありがとうございます。すぐに買ってきますね!」パァァ
トテテテテ
男「……何が嬉しいんだか」チッ
旧エルフ「では、行ってきます」ギイィィ、パタン
男「……」
シーン
男「静かだな。……ん? あれは……」ジーッ
男「あいつ、急いで行ったせいで買い物用の袋を忘れてるじゃないか。
……くそっ! あいつが買い物をきちんとしないと僕の飯もないからな。仕方ない出かけよう」チッ
……
…
旧エルフ(今日必要なのは、トマトとジャガイモですね。市場にあるいいモノを見つけて美味しい料理を男さんに振舞わないと。
美味しいもの食べれば、男さんも喜んでくれますよね……)
ザワザワ ミテ、エルフヨ ナンデコンナトコロニ
旧エルフ「……」
店主B「へいらっしゃい、新鮮な野菜はいかがかな?」
旧エルフ「あ、すみません。トマトとジャガイモをいただけますか?」
店主B「そうだ、そこの奥さん。旦那さんに美味しい野菜料理を食べさせてはどうかい? 胃袋を掴めば男は他所にいきゃしないで家に帰ってくるよ」
旧エルフ「……」
旧エルフ(これって、やっぱり無視、されてますね。分かってはいますけど、辛いです。でも、私は頑張るんです。あの人にきちんと私を見てもらうために)
旧エルフ「あの! お願いします。私に野菜を売ってください!」ジッ
店主B「……」
旧エルフ「……」ソワソワ
店主B「ふ~ん。よく見たらなかなかいい身体してるじゃねえか。お前ちょっとこっちに来てみろよ」
旧エルフ「……」ムッ
店主B「へえ、結構大きな胸だな。これで、今まで幾度男をたぶらかしてきたんだか」
旧エルフ「そ、そんなことしてません!」
店主B「嘘言ってんじゃねえよ! お前らエルフ、特に女共は誰彼構わず股開くような売女だろうがよ。そうでなきゃ非力な女が殺されずに生き延びているわけないもんな」
旧エルフ「ひどい……。そんなこと……」
店主B「だいたいよ、敗戦した一族が戦に買った俺たちに頼み事するならそれ相応の頼み方ってもんがあんだろ。例えば、こうしたりな!」ギュッ
旧エルフ「きゃっ! 急になにを」
店主B「なにって、そのいやらしく張ったてめえの尻を揉んでんだよ。こういうのが好きなんだろ?」
旧エルフ「やめ、やめてください!」ドン
店主B「うおっと。……てめえっ」
旧エルフ「……はぁ、はぁ。お願いします、私に野菜を売ってください」ペコリ
店主B「はぁ、つまらねえ奴だな。いいぜ、売ってやるよ」ニヤリ
旧エルフ「ほ、ほんとうですか!?」
店主B「ただし、胸を揉ませろ。それが条件だ」ニヤニヤ
旧エルフ「……えっ」
店主B「それができなきゃ商品は売れねえな。もっとも、ほかの場所じゃ俺みたいに商品を売るような親切な奴はいないだろうけどな」ガハハハハ
どういたしましてだ、このやろう!
旧エルフ(なんて、やつ。こんな気持ち悪い人間にベタベタと身体を触られるなんて想像しただけで吐き気がする。
でも、このままだとあの人の食事を作ることができない……。
あの人が笑ってくれるなら、これくらいのことっ!)
旧エルフ「……わかりました」
店主B「あ?」
旧エルフ「好きにしてくれて構いません。その代わり商品を売っていただいた後にしてください」プルプル
店主B「はっ! 話がわかるじゃねえか。ほれ、トマトとジャガイモだ。とっとと金をよこせ」
旧エルフ「……」ソッ
店主B「ほらよ」ヒョイ
旧エルフ「……ありがとうございます」
店主B「礼を言うにはまだ早いんじゃねえか? ほらっ、とっととこっちに来い」グイッ
旧エルフ「あっ!?」
店主B「立派な胸してんな。張りがヤベえぜ」モミモミ
旧エルフ「――くっ、あっ……」
店主B「へへっ……」
男「……」ジーッ
……
…
旧エルフ「……うぇぇぇ」ビチャビチャ
旧エルフ(ようやく、解放してもらえました。あの男、人の胸をいやらしく何度も、何度も揉んで。ずっと悪寒が走りました。我慢も限界だったみたいですね、吐いてしまいました。
買い物袋を置いてきたのは本当に失敗でした。あやうく、買った野菜を私の嘔吐物で汚してしまうところでした。
はやく、帰りましょう。帰って、あの人の顔を見たい……)
……
…
店主B「へへっ、あの女エルフいい乳してやがったぜ。どこに住んでんのか知らねえが、今度会ったときは最後までやらせてもらうとするか」ヘヘッ
男「……おい」
店主B「ん? なんだい、兄ちゃん。なんか野菜買ってくか? どれも新鮮で美味いよ!」
男「ちょっと、話があるんだがいいか?」ジロリ
店主B「あ? なんだ、もしかしてさっきの女エルフのことか? お前も混ざりたかったとかか? まあ、いいや。店があるからなるべく早く話を済ませてくれよ」
男「ああ……すぐに終わる」
ドカ、バキ、ドンッ!
店主B「ひ、ひぃぃぃ」
男「お前、誰に断って人のもんに手出してんだよ。ぶっ殺すぞ」
店主B「す、すまねえ。あんたのもんだって知らなかったんだ。おれぁてっきり生き延びて行き場のないエルフが市場をうろついてるもんだと思ってよ……」
男「ふざけるな。いいか、二度とあいつに手を出すな。もし次同じようなことがあったらてめえの四肢を切り刻んでやるからな!」ギロッ
店主B「わ、わかったから。これ以上は勘弁してくれ!」ヒイイィィ
男「クソッ、胸糞悪すぎる」チッ
男「あいつ……もう家に着いたころか? そろそろ帰るとするか……」テクテク
男「ただいま……」ギイィィ
旧エルフ「……」スースー
男(こいつ、寝てるのか。しかも、顔色が結構よくない。やっぱりさっきの件が原因……だろうな)
男(くそっ、買い物に行かせたのは僕だし、責任がないわけじゃない。しかたない、ベッドに運んで寝かせるとしよう)
男「……」ヨイショ
旧エルフ「……」ギュッ
男「……」テクテク
旧エルフ「……」ホロリ
……
…
BGMが欲しいな
誰かいいの無い?
すみません、バイト行ってくるんで続きは夜中になります。
残っていたら頑張ります!
コノヤローがコノヤロー!( ,,Ծ‸Ծ,,)
ゆっくり休めコヌヤロー!( ,,Ծ‸Ծ,,)
>>292
可愛すぎw
こんな顔文字あるのかww
>>293
うるせーコノヤロー!( ,,Ծ‸Ծ,,)
ここにいるよ~
携帯からだけどいるよ~
>>296
悪いが寝るぞコノヤロー!( ,,Ծ‸Ծ,,)
申し訳無いぞコノヤロー!( ,,Ծ‸Ծ,,)
>>297
起きたら読ませてもらうぞコノヤロー!( ,,Ծ‸Ծ,,)
無理すんなよコノヤロー!!( ,,Ծ‸Ծ,,)
しつこいですね、すいませんでした
おやすみなさい
ただいま~。今から寝オチするまでのんびり書きます。
×月○日
旧エルフ「……うぅ。熱い、身体が熱いです……」アセアセ
旧エルフ(熱が出たみたいです。でも、男さんに心配をかけるわけにもいきませんし、起きないと)フラフラ
旧エルフ「……」フラフラ
ギイィィ、パタン
旧エルフ「……」トントン、コトコト
男「ふぁあ。よく寝た」
旧エルフ「……あ、男さん。おはようございます」フラフラ
男「お前……どうかしたのか?」
旧エルフ「え? なんのことですか」
男「いや、なんでもない」
旧エルフ「今、料理を出しますからね。もう少し待っていてください」フラフラ
男(あいつ……やっぱり様子がおかしいな。なにかあったのか?)
旧エルフ「……あぅ」ドタッ
男「……! お、おい!」
旧エルフ「……」キュゥゥッ
男「おい、しっかりしろ。ああ、もう! 世話が焼ける!」
……
…
旧エルフ(……なんだかひんやりとして気持ちいいです。一体何が……)
男「……」スースー
旧エルフ「あっ……」
旧エルフ(男さん、寝ています。それに、ここは私の自室。今は……もう夜みたいですね。
ああ、思い出しました。私、朝食を作っている最中に倒れて……。
もしかして、男さん一日中私の看病してくださったんでしょうか?)
男「……」スー
旧エルフ(そんなに優しくされると、勘違いしますよ? 私のこと大事にしてもらえているだなんて期待しちゃいますよ?
たとえ冷たくされていても、ずっとあなたの傍に……)ゴソゴソ
ムクリ、テクテク
旧エルフ「男さん……」ソッ
……チュッ
旧エルフ「はむっ、んむっ、はぁ、はぁ……んちゅっ」チュパチュパ
旧エルフ「男さん、男さんっ!」チュッ
旧エルフ「……男さん、ごめんなさい。こんなにいやらしいエルフでごめんなさい。
こんな私ですけれど、あなたをお慕いすることを許してください」ポロポロ
……
…
×月×日
昨晩も男さんはお仕事を遅くまでしていました。体調を崩さないか心配です。相変わらず、私と男さんとの距離は縮まりませんが、でも私は満足しています。
毎日、同じ空間で共に生活をして、時折気にかけてもらえて……。男さんの傍にいられるだけで私は幸せです。
できることなら、この瞬間が永遠に続いてくれるといいななんて思います。男さんと、私。この家に二人でずっと、ずっと暮らしていけたら……なんて。
今日は、明日はどんなことをして過ごしましょう。毎日を楽しく過ごせれる。
奴隷だなんて最初は嫌で、嫌でしかたなかったはずなのに、気がついたらそんな身分でも幸せはあるんだと感じます。
願わくば、この幸せな夢が覚めませんように……。
旧エルフ「ふう。こんなところでしょうか」カキカキ
旧エルフ「我ながら恥ずかしいことを書いていますね。これはさすがに人に見せられません」テレテレ
旧エルフ「ひとまず、日記を書くのはこの辺で止めておいて朝食の準備に取り掛かりましょう。男さんももうすぐ起きてくるでしょうし」テクテク
旧エルフ「今日も一日頑張りましょう!」
ギイィィ、パタン
男「……」ファァ
旧エルフ「男さん、おはようございます!」
男「……ああ、おはよう」ムスッ
旧エルフ「……!」パァァ
旧エルフ「おはようございます!」
男「……なんだよ、そんな嬉しそうな顔して」
旧エルフ「そんな顔してますか?」ニコニコ
男「まあ、なんでもいいよ」
旧エルフ「……あ、すみません。起きていただいたのですけれど、実はまだ朝食の準備が出来ていないんですよ。少し材料が足らなくて……。それで、今から市場にいこうと思うのですけれど、お金をいただけますか?」
男「……ん」チャリン
旧エルフ「ありがとうございます。それじゃ、買出しに行ってきますね」ニコッ
男「……おい」
旧エルフ「……はい?」
男「早く帰ってこいよ。その、僕はお腹減ってるから……さ」
旧エルフ「……はいっ!」
トテトテ、ギィィ、パタン
男「……あ~もう。調子狂うな///」カアァァ
旧エルフ(早く帰ってこいって言われちゃいました。えへへっ、嬉しいです。男さん、私のこと必要としてくれているんですね。
そう考えると口元がニヤけるのを止められないです。嬉しいです、嬉しいですっ!)
ガタガタガタ
旧エルフ(男さん……今なら私の想いを受け入れてくれますか? 決めました、今日帰ったら男さんに告白しましょう。私の想いを、男さんに伝えましょう)
ガタガタガタ
旧エルフ(男さん、私はあなたの奴隷になれて本当に……)
ガタガタ ヒヒーン
旧エルフ(幸せですっ!)
ドカッ
……
…
男(……遅い。いくらなんでも遅すぎる。まさか、また変な店主に捕まっているんじゃないだろうな……)
男(あんまり空腹のまま待たされても困るし、探しに行くとするか。本当に面倒な奴だよ)
ギィィ、パタン
タッタッタッ
男(……ん? 人だかりができてるな。なにかあったのか?)
ヒソヒソ ミテ、エルフガタオレテルワ
ホントウネ、バシャニヒカレタラシイワヨ
デモマア、イイキミネ
ソウネ
ソウネ
男(馬車に引かれた? それに、エルフだって!? まさかっ……!)
男「すいません、どいて、どいてください!」ズイズイ
男「……あっ」ダダッ
男「旧エルフ……」
旧エルフ「男……さん。泣いてますよ?」
男「バカっ……なんで、僕がそんな」
旧エルフ「うれ、しい。おとこさんが、ないてくれたってことは、わたし、すこしはだいじにおもってもらえたんです……ね」
男「そんな、もう死ぬみたいなこと言うな! 大丈夫、すぐに手当すればまだ……」ギュッ
旧エルフ「だめ、ですよ。わたしを、受け入れてくれるところなんてないです。だから、もうこのまま」フルフル
男「やめろ、そんなこというな。僕はまだお前に……」
旧エルフ「……」パタッ
男「あ、ああ。うあああああぁぁぁぁぁ」
あの日、エルフは馬車に引かれて死んだ。この時ほど今までの自分の態度を後悔した時はなかった。
彼女に惹かれていたはずなのに、それを言葉にして伝えることもできず、僕はただ一人この家に残されることになった。
シンと静まり返った家。明るく笑ってくれた彼女はもういない。
どれほど涙を流そうとも、彼女がこの家に帰ってくることはもうない。
エルフというだけで差別にあい、墓地に入れられることすら許されなかった彼女。僕はそんな彼女の墓を街から離れた森の入口に作ることにした。
男「……ごめんな。結局最後までお前を拒絶することしか、僕にはできなかった」
男「僕のせいで嫌な思いをいっぱいしたと思う。今になって思えばお前にもっと優しくしておくべきだったなんて思うよ」
男「でも、もうそれも無理なんだな。話しかけても、お前はいつものように笑いながら返事をしてくれない……」
男「僕、決めたよ。もし、次にエルフを家に迎えることがあったらお前の分も優しくするって。お前にできなかったことをそいつには全部してやるって……」
男「ここなら、お前に嫌がらせをしたり、いじめたりする人間もいない」
男「僕も時間をあけてここに来るようにするからさ……」
男「だから、ここで……安心して……眠ってくれ……」ボロボロボロ
……
…
男「さようなら……旧エルフ」
エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 before days 旧エルフと男 ――完――
ひとまずこれで男と旧エルフの過去編は終わりです。
まだレスが残っているので、リクエストや質問があれば書きます。
もしなければ雑談でもして消費してください。自分も参加します。
みなさんも乙! 長い時間あけてしまったけど、読んでくれてありがとう!
ふむ。ちょっと考えます。ただ、少し疲れたので書くのは翌日でもいいでしょうか?
今はちょっと雑談していたい気分。
正直書き溜めなしでゼロから書いてたから結構行き当たりばったり。
うまいこと話を合わせるのに大変だったw
一応書き始める前に考えていた設定
ss
エルフ奴隷と青年の話。
青年はエルフによって家族と妹を殺される。戦争中
戦争後、負けたエルフたちは奴隷になる。
家族を失った復讐のため、エルフの娘を一人買い、奴隷にしていびる。
しかし、共に過ごしていくうちに愛情が湧いて互いに愛し合う。
だが、そんなある日町の住人の一人がエルフを襲い、死なせてしまう。
青年はそれまでの行為を悔いて自分の本心を素直に明かせなかったことを後悔する。
その後しばらく一人で過ごした後、売られているエルフ娘を見て、今度は間違えないようにすると決める。←始まりココ。
これで書き出した。
>>1乙だこのやろー
おはようございます。
続きを書きたいのですが、出かける用事が出来てしまいまして、続きを書くのは夕方か夜になってしまいました。
なるべく早く書けるようにしたいので、残っていれば頑張ります。
予定よりも早く帰りました。
いくつかリクエストがあるので書いていこうと思います。
個人的考えから順番は
1 旧エルフ後のエルフが来るまで
2 エルフがヤキモチを妬く話
3 男と騎士の過去編
の順に行きます。全部書き終えるのは少し時間がかかりますが、またお付き合いくださいませ。
旧エルフがいなくなって、もう一年の月日が経とうとしていた。自分以外の人の温もりのなくなった家で、男は毎日を過ごしていた……。
男「……」モグモグ
あの日以来、なんとなく物事に対するやる気もなくなってしまい、外に出ることもめっきり減った。
一度家に引き篭もってしまうと人との関わりがこれほどまでに希薄で無意味なものだったのかとどこかで納得もしていた。
外に出かけることなんて食材の調達と旧エルフの墓参り。それから戦時中の時のように酒場で浴びるように酒を飲むことくらい。
それ以外は部屋にある魔法関連の書物を読み漁り、時折来る仕事をこなすことで毎日時間を消費していた。
自分で思っていた以上に旧エルフの死は男に影響を与えていた。瞳に映る世界は灰色に染まり、空虚なものとなった。
人も物資も栄えている都市部とは違い、辺境の一角にあるこの街では、新しいエルフなど来るはずもなく、旧エルフの墓前で誓った約束は、一年がたった今もまだ叶えられずにいた。
男「今日は、何をして過ごそうか……。旧エルフの墓参りでも行こうかな……」ブツブツ
つい先月に行ったばかりの墓参り。いっそのこと日課にしてしまおうかと思うほど、男は頻繁に彼女の元へと通っていた。
男「いい、天気だな……」ジーッ
旧エルフ『男さん、今日はいい天気ですよ! そんなに部屋に篭ってばっかりいないで外に出かけたらどうですか?』ニコッ
聞こえるはずのない声を想像し、男は自虐的な笑みを浮かべた。
男「……出かけよう」テクテク
……
…
ザワザワ ガヤガヤ
酒場の主「おう、兄ちゃん。なんだい、今日も昼間から飲みに来てるのか?」ニヤッ
男「……」グビッ
酒場の主「相変わらず、愛想が悪いねぇ。まあ、こっちとしては金を使ってもらえるから、愛想がよかろうが、悪かろうがあんまり関係ないんだがね」
男「……」グビグビッ
酒場の主「そういや、兄ちゃん知ってるか? 戦時中の数々の逸話。たとえば、一個小隊でエルフたちの中隊を打ち破っただとかって話があるんだぜ。
兄ちゃんくらいの年なら志願兵として採用されていたかもしれないが、そんな貧弱な身体つきじゃ前線には出ていないか……」
男「……その話だけど」チラッ
酒場の主「お!? なんだ、興味があるのか? まあ、やっぱり男なら誰しもそういう経験をしてみたいよな。憧れるよな!」キラキラ
男「おい、ちょっとは人の話を聞いてくれ。その話だけどさ、正確には一個小隊じゃなくて分隊だよ」ボソッ
酒場の主「何言ってんだよ。どこでそんな話を聞いたのか知らないけれど、こっちは戦争に出た人間から聞いたんだ。大体分隊と中隊なら人数比が十倍も違うじゃないか。さすがにそれは話を盛りすぎだ……」
ソウダゼ、ソウダゼ ギャハハハ
男「……」スッ
酒場の主「おっ……?」
男「帰る……勘定を頼むよ」チャリンチャリン
酒場の主「なんだい、もう帰るのか。もっとゆっくりしていってもいいのに」
男「あいにく、今日は長居する気分でもないんだ。また来させてもらうよ」テクテク
酒場の主「あいよ。またよろしく頼むよ!」
……
…
男(酒場を出たものの、特にすることもないな。どうしようか、やっぱり旧エルフの元にでも行こうか……)
男(情けないな、僕は。こんなに引きずるくらいなら、最初から素直に自分の思いを伝えるんだったよ)
男(といっても、それも今となっては後の祭りか。後悔したところで旧エルフが帰ってくるわけない……)
テクテクテク
男(そういえば、僕あいつのこと何にも知らないんだな。好きなもの、嫌いなもの。何が楽しかったとか……)
男(あの部屋もあの日からずっと閉じたままだし。もし、開けたら彼女がいないことを改めて実感してしまうからってずっと開けないで……。未練たらたらじゃないか)
男(あの部屋を開けたら、また昔みたいに笑顔で彼女が迎えてくれるかもなんて夢見て、現実から逃げて)
男(旧エルフ……会いたいよ)
テクテク、テクテク
……
…
男(結局、ここに来ちゃったか……)
男「ごめん、また来ちゃったよ。こう何度も頻繁に来られちゃ迷惑かもしれないな」
男「でも、今の僕にはここが一番落ち着くんだ。街の中は騒がしくて、ちょっと……息苦しい」
男「戦争中にさ、家族が殺されて。それで復讐0ために軍に入って戦った。その時に仲間もできた、旧エルフも一度会ったことあると思うけれど、騎士がその一人だ。
他にもたくさんの仲間がいたけれど、大半は戦時中に死んだよ。軍を辞めて仲間と別れて、一人でこの街に来た。でも僕は心の奥底で一人ぼっちになるのが嫌で、色々な建前を並べて君を買い取った……。
だけど、結局僕はこうしてまた一人ぼっちになったよ。罰が下ったのかもしれないな。
正直……堪えるよ」
男「なんだか、愚痴ばっかりになっちゃったな。ほんとはもっと楽しい話を持ってくるはずだったんだけど……。ごめんな、こんな話ばっかりで。これじゃあ、余計心配かけるよね。
今日はそろそろ帰るとするよ……。それじゃあ、また)テクテク
……
…
男「……ん、ぅんん。もう、朝か……」ムクリ
男「今日は、どうしようかな……」ボーッ
男「とりあえず、朝食を作ろう」スタスタ
ギィィ、バタン
男「……」ジーッ
男(旧エルフの部屋……)
男(いや、あそこはあのままでいいんだ。彼女がいなくなった今、あそこを開ける必要なんて……ない)
男「……」スタスタ
楽しんでくれてありがと~。今日から二日はバイトないからのんびり書いてくよ~。
男「……」ジューッ サッサッ
男「……」モグモグ
男「……」カチャカチャ ザーッ
パリンッ
男「しまった、割っちゃった。旧エルフ、替えの皿を……」
シーンッ
男「……あ」ハッ
男「……馬鹿だなぁ、この家には僕しかいないじゃないか」
サッサッ パラパラ
男「割れた皿を捨てて、洗物の続きっと……」ゴシゴシ
……
…
男「へえ、この魔法研究の論文面白いな。着眼点と独自の発想がすごくいいや」パラリ
男「……」パラパラ
男「……」パラパラ
男「……しまった、また読みふけっちゃった。昼食食べるの忘れて夜になっちゃったよ。まあ、二食分まとめて食べれば大丈夫か」グウゥゥゥ
ギィィ、バタン
男「……」チラッ
男「このままで……いいんだ」スッ
テクテク
ちょっと食材の買い出しに行ってくるので放置で。
ただいま~。続き書きます。
男「……うぅぅ」ビチャビチャ
オイオイ、キタネーナ ハクナラベツノバショデヤレヨ
酒場の主「おいおい、大丈夫か? いくらなんでも飲みすぎだ。とりあえず、水でも飲んで一息ついておけ」スツ
男「……」ゴクゴクゴク
男「はぁ、少し楽になったよありがとう……」
酒場の主「なあ、あんたが何にも話さないから今まで聞かなかったが何かあったのか? 俺でよければ話を聞くぞ?」
男「……あんたは優しいな。だけど、話したところで僕以外に誰も理解できないよ」
酒場の主「いいから話してみなって。話せば楽になることもあるぞ」
男「なら聞くけれど、あんたエルフのことをどう思う?」
酒場の主「エルフ? ああ、あいつらみたいな下等民族が人間様に盾突くなんていい気味だよな」
男「……もういい。帰る……」
酒場の主「あ、おい!」
テクテクテク
酒場の主「なんなんだ……?」
ヒューッ、ビューッ
男(うぅぅ、寒い。さすがに飲んだ後の夜風は身に染みる。早く帰ってベッドの温もりに包まれたい……)
ギィィ、バタン
男(マズイな、足元がおぼつかない。それに……意識のほうも、もう)フラフラ
フラフラフラ
ギィィ、バタン
男(あ……ベッド。よかった、何とか部屋までたどり着いた。もう……限界)バタッ
男「……」スースー
……
…
チュンチュン
男「……ぅ、もう、朝、か」
男「ってぇ。頭が割れるように痛い。これは、二日酔いだな」ズキズキ
男「水、飲もう……」ムクッ
男「……あっ」ハッ
男「ここ、もしかして」サーッ
男「……旧エルフの、部屋?」
ドクンッ、ドク、ドク
男「あっ、あ、あああ……」
男「は、ははっ。あはははははっ! 入った、入っちゃったよ……。僕は、なんて間抜けなんだ」
男「旧エルフがいないなんてのは分かってた、分かってたさ。でも、それを認めたくなかったのに……。確認しなければ逃げていられたのに……」ポロポロ
男「……」ポロポロ
男「……ん?」チラッ
男「これは……」テクテク
男「……」スッ
パラ、パラパラ
男「これ、旧エルフの日記……」
男「あはは、あいつこんなの毎日書いてたんだ。へえ、こんなことがあったんだな……」パラ
パラ、パラパラ
パラパラパラ
男「旧エルフ、お前ここにずっといたんだね。ここで、僕が来るのを待ってたんだ。ごめん、また永遠に待たせる羽目になるところだったよ」
男「ありがとう、旧エルフ。僕、頑張るよ」
……
…
商人「さあ、さあ。寄ってらっしゃい、本日の目玉商品エルフの奴隷だよ! まだ幼い少女。働かせようと夜の相手にしようと自由! 使い方はあなたしだい。どうだい、早い者勝ちだよ!」
ワイワイ、ガヤガヤ
エルフデスッテ シヨウニンナラホシイカシワネ デモキョウボウダッタラドウシヨウ
エルフ(……うぅ、人の視線がいっぱいで息苦しいです。早く終わってください……)
商人「ほら、さっさとお客さんに笑顔を向けな、じゃないとお前さんいつまで経っても売れ残るんだから。処分されるくらいなら買い手に引き取られるほうがお前もいいだろうに」ボソッ
エルフ「……はいっ!」ビクビク
エルフ「ど、どなたか私を買ってくださいませんか?」ニコッ
キャッ、シャベッタワ ヤッパリキミガワルイワネ
エルフ「……」シュン
?「あの~」
商人「ん?」
?「もし誰も買い手がいないのなら僕が買いますけど」
商人「お! 買い手が一人あらわれたよ! 他にはいないかい、いないならこれで決まりだよ!?」
シーン
商人「交渉成立! じゃあ、さっそく契約に移ろうか」
エルフ「……あ、ついに私の買い手が決まったみたいですね。どんな人なんでしょう? 優しい人ならいいな……」
商人「毎度! ほら、顔を伏せてないでさっさとこっちにきな! この人がお前のこれからの主人だよ!」
?「えっと、初めまして。これから君の主人になる相手です」
エルフ「……」スッ
男「あ、やっと顔あげてくれた。僕男って言うんだ、これからよろしく」
エルフ「よろしく、お願いします」
心を覆う長い、長い夜が明け、ここに新しい出会いが訪れた。傷を抱え、それでも前に進んでいく青年とそんな彼の奴隷となったエルフ。
やがて、過去を乗り越えて共に歩んでいく二人の物語が今、始まる。
エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 before days 男がエルフに出会うまで ――完――
ひとまずこれで男がエルフに出会うまでの物語終了です。次の話はちょっと休憩してから書き始めます。
見てくださっている人で時間のある人がいたら雑談としませんか~。
ちょっと雑談したい気分です。
>>1はエルフとは仲良いの?
>>366
仲いいよ~。今日も一緒に晩御飯食べた!
>>367
いいなー、羨ましい><
ちなみに、このss書こうと思ったのは
ここのエルフss見て衝動的になったから
http://blog.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1756432.html
http://blog.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1757972.html
みんなエルフと仲良くて嬉しい。
>>369
読んだ
おもしろかったよw
>>370
それ読んでほかのエルフss探したけど全然なくて……。
それじゃあ、いっそのこと自分で書いちゃえ! って感じでw
予想より全然長く続いているから自分でもびっくり
>>371
そんな突発的な発想でこんな秀逸なものをwww
お見それしました
まだまだ続くから頑張るよ! みんな楽しんでくれると嬉しい!
9時くらいになったら続き書くよ。
まったりでごめんね!
【まっくりしていくね!!】
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧
∧,,∧(´・ω・`)(´・ω・`)∧,,_∧・ω・` )
( ´・ω・`)(つ⌒と つ⌒と)´・ω・`) ∧,,∧
(つ∧( ´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・` ∧,,∧・ω・` )
∧,,( ´・ω(_.__つと_(_.__つと_) ∧,,∧ ∧,,∧
(´・( つ ∧,,∧ __ _(´・ω・` )・ω・` )
( ∧,,∧・ω・`)_____|i\__\ と )∧,,∧と)
( ´・ω・`)と_※ ※ |i i|.====B|ヽノ(・ω・` )
(つとノ`--∧,,∧|\\|_____◎_|_i∧,,∧ ∧,,∧
 ̄( ´・ω・| | ̄ ̄ ̄ ̄ |(・ω・` )(・ω・` )
――再開――
まったり書いてきます! 今からの話はエルフがヤキモチを妬く話!
エルフを受け入れるようになってから少し月日が流れた。今まで以上に過激なスキンシップを取り出したエルフに戸惑う男。
そんな二人の元にある少女が訪れようとしていた。
?「……ここが、先生のいる家……」
?「先生、ようやくあなたの元へ来ることができましたよ」
エルフ「男さん! おはようございます!」ベタァー
男「こらっ、エルフ。ひっつくんじゃない!」ハガシ、ハガシ
エルフ「えへへへ~」ベタベタ
男「ええい、めんどくさい奴だな」ベリベリ
コンコン、コンコン
男「……あっ! ほら、エルフ。誰か来たから離れてくれ」
エルフ「はい、わかりました」ションボリ
男「……」テクテク
ギィィ
男「はい、はい。どちらさまで……っ!」
?「お久しぶりです、先生」
男「え、え? なんで……」
エルフ「男さ~ん。誰が来たんですか?」
男「い、いや。それは……」アセアセ
?「あれ? 誰か中にいるんですか?」
男「すまん、ちょっと待ってて!」バタン
?「……?」
男「エルフ、ちょっとこっちに来い」
エルフ「どうかしました?」トコトコ
男「いいか、今から僕の言うことを聞くんだ。これを破ったら本当に死ぬと思え」ジッ
エルフ「きゅ、急にどうしたんですか……。そんな怖い顔されても困ります」
男「真剣に聞け! 今玄関の向こうにいるのは僕が軍にいた時に一緒の隊にいた人間だ」
エルフ「それって以前ここに来られた騎士さんみたいな方ですか?」
男「まあ、あいつも一緒の隊にいたけれどそれは別に問題じゃない。確かにあいつはエルフが嫌いだが無抵抗なエルフに手を出したりしない」
エルフ「えっと、つまり?」
男「あの扉の向こうにいるのは騎士と違って隙あらば無抵抗なエルフだろうと殺すやつだ。それこそ、昔の僕と同じくらいエルフを憎んでる。
一応君に手を出させないようにするが万が一ってことがあったら困る。だから、今日一日は森にでも行って隠れていてくれ。今なら、まだ裏口から抜け出せるから」
エルフ「わ、わかりました……。それで、男さん。一つだけ聞いてもいいでしょうか?」
男「なんだ? あまり待たせても怪しまれるから急いでくれ」
エルフ「今から男さんがお会いするのって女性ですか?」
男「そうだよ。わかったのなら、早く出る!」シッシッ
エルフ「……いや、です」
男「なんだって?」
エルフ「嫌です、嫌です! 男さんと他の女性を二人っきりにさせるなんて嫌です! 私もここに残ります!」イヤイヤッ
男「言うことを聞いてくれ! このままじゃ、本当に洒落にならない……」
?「先生、もう入ってもいいですか?」
男「ああああああああぁぁぁ! 待って、もう少し。あと少しだから!」
?「そうですか。先生がそう言うなら待ちますね」
男「もう時間がない……こうなったら力ずくで!」ヒョイッ
エルフ「あっ!? 男さん!」ジタバタ
男「こらっ! 暴れるな! いいな、お前は今日一日家に帰ってきちゃいけないぞ。街中で僕の姿を見ても近寄るな!」キッパリ
エルフ「い~や~で~す!」ジタバタ
男「じゃあ、そういうことで!」ポイッ
バタンッ!
エルフ「……」グスン
エルフ「今から、どうしましょう……」
男「……ふう。どうにか間に合った」
?「何が間に合ったんですか?」
男「うわっ! 気配を消して近づかないでくれ驚くから」
?「何言ってるんですか。これを教えてくれたのは先生ですよ」
男「そういえば、そうだっけ。ていうか、何度も言っているけれど、その先生ってのは止めてくれ」
?「先生は先生です。私の尊敬できるたった一人の男性です」
男「大体今の僕はもう軍に所属していないから君の上司でも何でもないんだ。だから普通の呼び方をしてくれよ、女魔法使い」
女魔法使い「先生にそう言われたら仕方ありません。……男さん。これでいいですか?」
男「ああ、それでいいよ。久しぶりだね、女魔法使い」
女魔法使い「……はい。お久しぶりです」
男「今日はまた急にどうしたんだ? 今まで騎士が来ることはあったけれど女魔法使いが来てくれたのは初めてじゃないか」
女魔法使い「いえ、少しお話したいことがありまして」
男「そっか、とりあえず座ろうか」テクテク
女魔法使い「その前に男さん。一つ聞いてもよろしいですか?」
男「えっ? なにかな?」
女魔法使い「この家、エルフの匂いがするんですけれど」ジーッ
男「き、気のせいだと思うぞ」アハハハ
男(女魔法使い昔と全然変わっていないな。こりゃ、エルフのやつを見つけたら問答無用で手にかけそうだ……)
女魔法使い「いえ、微かに匂います。男さんは感じないんですか? エルフ独特の匂いを」ジッ
男「さ、さあ?」ギクッ
女魔法使い「おかしいですね……」
男(し、心臓に悪い……)
――外窓――
エルフ「男さん、何話しているんでしょう。分かってはいますが、全く声が聞こえません」ジーッ
エルフ「それに、あの小柄な女の子。随分と男さんに馴れ馴れしい感じで接している気がします。たしか、軍の人ですよね。ま、まさか男さんを狙ってわざわざここまで!?」グヌヌ
エルフ「男さんの心に住み着くのは私の役目です! あんなポッと出の女の子に男さんの隣を奪われてなるものですか!」
エルフ「決めました。今日は二人の様子を見ながら、男さんと、あの女の子が仲良くならないように妨害工作です」パンパカパーン
続編も楽しいぞ!このやろう!
このやろうが流行ってて、びっくりしたぞ!このやろう!
せっかく、バイトがないなら、早く続きを書いて、さっさと寝やがれ!このやろう!
古代都市ってなによw
男(うっ……悪寒が。まさか、エルフのやつが馬鹿なことを考えているとかじゃないだろうな……)
女魔法使い「どうかしましたか?」
男「いや、何でもないよ。それで、今日は一体何の用なんだ?」
女魔法使い「はい。単刀直入に聞きます。男さん、軍に戻ってきてください」キッパリ
男「こりゃ、また随分と直球だな」
女魔法使い「男さんがいなくなってからも私はずっと軍に残って世の中のために働きました。でも、やっぱり男さんがいた時が一番効率よく物事が進んでいました。軍にはまだ男さんの力が必要なんです!」
男「それは買いかぶりすぎだよ。だいたい、僕が軍に所属していた時は下っ端もいいところだったじゃないか」
女魔法使い「何言ってるんですか! 男さんは下っ端なんかじゃないです。私たちの分隊が一体あの戦時中にどれだけの功績をあげたか……。今の騎士さんの立場を見ても分かることです」
男「それはあくまで騎士の話であって……」
女魔法使い「私、知ってるんですよ。騎士さんが何度も男さんの家に訪れて軍に戻るように説得しに来ていること。男さんを軍に戻すためにそれ相応の地位を用意しているってことも」
男「……」
女魔法使い「戻ってきてください、男さん! 私たちには……いえ、私には男さんが必要なんです! また、昔みたいに私に魔法を教えてください」
_ _ _ _
+ + | | | | | | | | +
| | Π| | | | Π| | +
/ ̄ ̄ ̄ ̄/三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄ ̄l +
/ ̄ ̄ ̄ ̄ /三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄i、 ̄ ̄ ̄ i、
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄',三二二ニl +
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/三三三三// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
古代都市ワクテカ (B.C.8000年頃)
男(……女魔法使いの顔、真剣そのものだ。これは、下手に誤魔化さないでありのままの思いを伝えるのが一番かもしれないな)
男「……ごめん。やっぱり、戻ることはできないよ」
女魔法使い「どうしてですか!?」
男「昔と今じゃ何もかも違う。状況も、心の在り様も。あの時と違ってもう戦争は終わったんだ。軍なんてものが今あっても人々の脅威になるだけだよ」
女魔法使い「そんなことありません! 野生の魔物の脅威から人々を守ったり、まだ反逆の機会を狙っているエルフを捕まえて、起こりうる事件を未然に防ぐことだってできます」
男「だとしても! 今の僕は……軍に入って活動をしたいと思わない。都市部から離れたこの辺鄙な街で穏やかに静かに暮らして行きたいんだ」
女魔法使い「そん……な。本気、なんですか?」
男「ああ、本気だよ。騎士にも女魔法使いにも悪いけれど僕は軍に戻るつもりはない」
シーン
女魔法使い「……」
男(ちょっと、きつく言いすぎたかもしれないな。でも、このくらい言っておかないと女魔法使いも引かないだろうし。仕方ないよな……)
女魔法使い「……うっ」
男「?」
女魔法使い「……うぅぅ。――ひぐっ、えぐっ。うわぁぁぁん」グスグス
男「……えっ?」
女魔法使い「嫌です、嫌です。先生、戻って来てください~。私、急に先生がいなくなっちゃって寂しかったんですよ? 必死に行方を探して、それでも見つからなくて。やっと騎士さんが見つけて会いに行こうと思ったら
『しばらく俺が会いに行くからあいつのことは放っておいてやれ』って命令されて……。
でも、いつまで経っても会いに行く許可が下りなかったから、こうして騎士さんの目を盗んでこっそりと来たんですよっ!
なのに、なのに一緒に来てくれないってどうしてですか? 私たちのこと嫌いになっちゃったんですか?」
男「いや、そういうわけじゃ……」
女魔法使い「だったら、だったら一緒に来てください!?」
男「だからそれはできないって」
女魔法使い「……うわぁぁぁん」グスグス
男「困ったなあ……」ハァァ
なんか久しぶりにそのAA見たわw
――外窓――
エルフ「むむ、あの女の子泣いてしまいました。これはもしや、男さんに告白して振られたと思われます!」ニヤッ
エルフ「これは、私が手を出すまでもなかったですね……」
エルフ「今日のご飯はおいしくなりそうです」フフフ
男(ひとまず、女魔法使いを泣きっぱなしにするわけにもいかないし……。慰めるとしよう)
男「ごめんね、女魔法使い」ヨシヨシ
女魔法使い「……ひっく」ギュッ
男(服の裾握りしめて、相変わらず妙なところでかわいい仕草するな、この子は……)
男「いい子、いい子」ヨシヨシ
女魔法使い「……」ギュウゥゥッ
――外窓――
エルフ「な、な、なんですかあれ! 男さんが、私以外の女の子の頭を撫でてます! そんな……」
エルフ「うぅぅ。こんなことなら、もっと身体を使って他の人に関心がいかないように男さんを誘惑しておくべきでした」ギリギリ
エルフ「こんな光景見ていたくないですけれど、いざという時にいつでも妨害できるようにしなければいけませんし……。もどかしいです」グスン
遅くなってすいません1です。朝方から用事があるのであんまり更新できませんが、
できるだけ長く書いていきたいと思います。
男「ほら、もう大丈夫か?」
女魔法使い「はい……。すみません、ご迷惑をおかけして」グスッ
男「迷惑だなんて。僕と女魔法使いは家族みたいなものなんだからそんなこと思わないよ」
女魔法使い「家族……ですか」シュン
男「うん。軍には戻ることはできないけれど、こうして女魔法使いと僕との間に繋がりはちゃんとあるから、生きていればまたこうして会える。
だからさ、軍っていう狭い場所ばかりに目を凝らさないで、もう少し広い視点で色んなものを見てみようよ。そうすれば、新しいものが見えたりするからさ」
女魔法使い「……はい」
男(これでひとまずは安心かな。それにしてもわざわざ会いに来てくれたのに、このまま返すなんて言うのも悪いよな……)
男「ねえ、女魔法使い。もしよかったら今から街を見て回らないか?」
女魔法使い「……はいっ!」パアァァッ
――市場――
女魔法使い「へえ、この果物。都市部だとなかなか売られていなくて珍しいものですね」
男「そうなの? 普段当たり前のように食べているから珍しいものだなんて思わなくなってたよ」
女魔法使い「男さんはもう長い間都市部を訪れていませんからね……。向こうもこの数年でだいぶ様変わりしたんですよ」
男「そうなのか。また機会があったら都市部の方にも足を運んでみようかな……」
女魔法使い「ぜひ! その時は私が案内をしますね」
男「ああ、よろしく頼むよ」
――遠くの壁――
エルフ「あうぅぅ。男さんとあの女の子、二人で楽しそうに市場を見て回ってます……。私でも最近は男さんとあんな風に出かけていないのに……」グスン
エルフ「でもでも。このまま二人の仲が良くなるのは阻止しなければなりません! ひとまず果物を買いましょう」スイマセーン
店主B「……」
エルフ「すいません! 果物売ってください」
店主B「……」プイッ
エルフ「……どうしましょう、このままじゃ男さんと一緒にいる女の子の妨害ができません」
店主B「……!」
――以下回想――
男にボコボコにされた時……。
――回想終了――
店主B「はん、エルフになんぞ売るもんはないな」ガクブル
エルフ「……そう、ですか」シュン
店主B「売るもんはないが、好きなのひとつ持っていっていいから、とっとと失せろ!」
エルフ「え? は、はい……」スッ
トットットット
エルフ「ふふふ……。この苦い果物をあの女の子に食べさせればきっと嫌な顔をするに違いないです。
そうして、お腹を下して男さんの前で恥をかかせてあげます」フフフ
エルフ「完璧、完璧です!」ニヤッ
エルフ「早速行動に移りましょう。とりあえずこれを誰かに運んでもらわないと」キョロキョロ
エルフ「……」ハッ!
エルフ「しまった! 私、ここに頼れる人がいませんでした……」ショボーン
エルフ「これ、どうしましょう……」
女魔法使い「……はぁ、はぁ、はぁ!」
男「女魔法使い、大丈夫?」
女魔法使い「え……? なにが、ですか?」
男「いや、かなり息切れてるけれど……。もしかして、まだ人ごみが苦手なの治ってない?」
女魔法使い「そ、そんなことないですよ。男さんと別れてからもう何年も経っているんです。その程度の弱点は克服しました……」ゼーハー
男「そ、そうなんだ」
男(相変わらず、自分の弱いところに対しての指摘にはムキになるな……。でも、この子は人に知られないところでこっそりそれを治そうとするんだよな。
今もきっと、人ごみになれる努力はしているんだろうな……)
女魔法使い「……はふぅ」ゼーハー
男「あ、あ~。ちょっと、僕喉が渇いたな……」チラッ
女魔法使い「……え?」
男「市場をずっと見て回るわけにもいかないし、ちょっと座って落ち着ける場所に行って休憩でもしようか」テクテク
女魔法使い「はい、分かりました」トコトコ
――二人から遠く離れた人ごみの中――
エルフ「むむむ、だから男さんの横は私の居場所だって(予定)言ってるのに……」
エルフ「男さんの言ってた旧エルフさんがまだ一番ですけれども……。いずれは、私の場所になるんです! その場所を掠め取ろうだなんていい度胸です。次こそは目にもの見せてあげます!」テクテク
エルフ「……」ソーッ
男「……?」チラッ
エルフ「はっ!」ササッ
男「……気のせい、か?」テクテク
エルフ「……ふぅ。危ないところでした。今見つかっていたら男さんにものすごい怒られるところでした。勝手についてきてるって知れたら、しばらく口も聞いてもらえなさそうです……」
エルフ「そういえば、家を出される前男さんが女の子のことについて何か言っていたような気がしましたが、なんでしたっけ?」ウーン
エルフ「忘れているってことは、たぶんたいしたことじゃありませんね。このままバレないように尾行を続けます」ササッ
男(なんだか、さっきから見られているような気がするんだよな……。でも、悪意とかは感じないし何だろうな、これ)
女魔法使い「せんせ……じゃなかった、男さん?」
男「ん? あ、ごめん何だった?」
女魔法使い「いえ、ボーっとしていたみたいなので。それより、休憩するというお店はどこですか?」
男「ああ、それならもう……ほら、ここだよ」
ギィィ、バタン
酒場の主「ん? あんたは……」
男「久しぶりです。覚えてますか?」
酒場の主「ああ、あんた少し前によくウチに飲みに来てくれていた。なんだ、ずいぶん久しぶりだな」
すいません、眠気が限界なので寝ます。明日は夕方か夜からの更新予定です。
なかなか話が進まなくて申し訳ないです。
遅くなりました。今から書いていきます!
男「ええ、色々ありまして……」
酒場の主「まあ、なんだっていいさ。ウチは酒を出すのが仕事だからな。そういった個人の事情はあまり聞かないでおくよ。
今日はゆっくりして行ってくれ」
男「ありがとうございます。とりあえずですね、酒じゃない飲み物を二つお願いします」
酒場の主「お? 言ったそばから酒を断るとはこりゃ、本当に何かあったみたいだな。可愛らしい彼女も連れて、あの時とは随分と様子が変わったみたいだな」ガハハハ
女魔法使い「……彼女」ボソッ
男「いや、この子は……」
女魔法使い「……!」ギュウゥゥゥ
男「いたたたたっ!? 女魔法使い、なんで急に腕をつねるんだよ」
女魔法使い「……」ツーン
酒場の主「はははっ、こりゃ聞いちゃいけないことを聞いちまったかな? ほら、ドリンクお待ち」ドン
男「ありがとう。今の時間なら酒場に来る人も少ないし、しばらくの間ここでのんびりとしてようか、女魔法使い」ニコッ
女魔法使い「はい、先生……」コクコク
――酒場の入口――
エルフ「ぐぬぬぬ。男さんと女の子が二人で一つのアップルパイを分けあっています……」ムムム
エルフ「妨害しようにも中に入ったら隠れる場所もありませんし、こうして見ていることしかできないとは……」
エルフ「なんにも出来ないのは悔しいです。ただ二人の様子を見ているだけなんて、とても歯がゆいです……。男さんはやっぱり昔の友人と一緒のほうがいいんでしょうか?
騎士さんと一緒にいる時の男さんはいつも楽しげですし……」ウゥゥゥ
エルフ(でも、我が儘を言えば、男さんにはずっとここで一緒に暮らして欲しいです。私と……一緒に///)カァァ
エルフ「男さん……一人ぼっちは寂しいです。早く、帰ってきてください……」
……
…
男「結構長い間のんびりしていたな……。もう夕方か」
女魔法使い「なんだか、こんなにゆっくりしたのはすごく久しぶりな気がします」
男「あはは。普段どんな生活しているんだよ。といっても、軍に入っているんじゃそうそう休む機会もないか」
女魔法使い「一応休みは取れてはいるんですけど、普段は休みがあっても寝て過ごしているだけですので、こうして街を巡ったりすることがなかなかなくて。たまに女騎士さんに連れて食事に行くくらいですかね」
男「そうなんだ。女騎士も元気にしてるかな……」
女魔法使い「気になるなら、都市部に来てくださいよ先生」
男「そうだね、近いうちに一度顔を出すとするよ。何も言わず勝手に出て行った手前、女騎士には殴られそうな気はするけれど……」
今更ですが、名前欄1にしておきますね。
女魔法使い「それぐらいは我慢してください。私だって先生がいなくなった時、すごく悲しくて怒れたんですから……」
男「うん、ホントごめん。というより、結局呼び方戻っちゃってるな」
女魔法使い「あ、すみません。どうしても先生の方が呼び慣れていて……」
男「ううん、いいよ。なんていうか無理に直そうとしても無駄なんだってことが改めてわかったから……」
女魔法使い「それじゃあ、私はそろそろ帰ります。一応ここには黙ってきているので、帰って女騎士さんに怒られるのは覚悟しておきます」ションボリ
男「何かあったら僕のせいにしておいていいから。門のところまで見送るよ」
女魔法使い「いえ、ここで結構です。それよりも先生は私たちの後をずっと付けてきていた人のところへ行ってあげてください」
男「……!」
女魔法使い「その人がどんな人なのか私はあえて聞きません。でも、私と一緒にいる間、先生がその人のことをずっと気にかけていたのに気づきましたから。だから、早く迎えに行ってあげてください」
男「女魔法使い……」
女魔法使い「その代わり、絶対に都市部の方に顔を出してくださいね。みんな、先生のことを待っていますから」ニコッ
男「ああ、約束する」
女魔法使い「……」
男「……」
女魔法使い「それじゃあ、行きますね」
男「ああ、また会おうな」
テクテクテク
――男の家――
エルフ「結局二人とも長い時間酒場の中にいたので、途中で帰ってきてしまいました。いつ男さんが帰ってきてもいいように夕飯の準備もしなくちゃいけませんでしたしね!」トントン、コトコト
エルフ「あれ、玉ねぎを切っているせいか、目がしみます」グスグス
エルフ「だ、大丈夫ですよ。男さんは帰ってきてくれるはずです……だいじょうぶ、です」グスッ
エルフ「……ふぇ」
ギィィ、パタン
男「ただいま~」
エルフ「あ……」チラッ
男「よかった、帰ってたのか。今日は悪かったな、一日放っておくことになっちゃって。女魔法使いも帰ったし、もう大丈夫だぞ」
シーン
男「あ、あれ? エルフ……?」
エルフ「男さんの……」
男「えっ……?」
エルフ「馬鹿ぁっ!」トテテテ、ポカポカ
男「いたっ! ちょ、ちょっとエルフ……」
エルフ「ばか、ばか! ひどいです、私のこと放っておいて女の子と仲良く遊んで……。私だって男さんと遊びたいのに……」グスッ
男「エルフ……」
エルフ「……ふぇぇぇん」ポロポロ
男「ごめんな、エルフ。最近お前の相手をあんまりしてやれてなかったな」ナデナデ
エルフ「いいんです、仕方ないことですから。でも、ちょっぴり不安になるんです。私のこと本当は必要としていないんじゃないかって考えちゃうんです。私なんて、男さんの横に他の女の子がいるのも嫌な心の狭いエルフです」
男「嫉妬、してたのか? 女魔法使いに」
エルフ「……はい」グスッ
男「そっか。可愛いな、エルフは」ナデナデ
エルフ「……うう」テレテレ
男「なあ、エルフ」
エルフ「はい?」
男「明日、二人で遊びに出かけるか」ニコッ
エルフ「……はいっ!」ニコッ
エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 after story エルフが嫉妬する話 ――完――
面白かった
ありがとう
ひとまずこれでエルフが男に嫉妬する話は終わりです。
リクエストや質問は随時受け付けております。とりあえず、今いただいているリクエストは、
男と騎士の過去話。
男がエルフに対して嫉妬する話。
の二つです。
>>530
こちらこそ。遅くまで付き合ってくれてありがとう!
乙ですお
話も少しずつ増えてきたのでこの辺で話の時系列整理をしようと思います。
時系列 古い順
男と騎士の話(前日譚) 未完結
旧エルフと男(前日譚) 完結
男がエルフに出会うまで(前日譚) 完結
男とエルフ(本編) 完結
男がエルフに惚れるまで(後日談) 完結
エルフが嫉妬する話(後日談) 完結
男が嫉妬する話(後日談) 未完結
結婚、そして……(後日談) 完結
>>533
遅くまで乙! 読んでくれてありがとう。
保守してくれたみんなもありがとう!
最初から見てるけど面白いな
>>1乙
よし!今日は寝る
乙
>>536
最初から全部読んでくれてありがと! 明日時間があれば男と騎士の過去話書き出そうと思う。
たぶん本編以外だと一番長くなると思うw
というより、書き出した当初はこんなに長く話しが続くと思わなかった。
なんだかんだで今日でもう書き始めてから10日目www
>>537
お疲れ~。ゆっくり寝ろ! 遅くまで付き合ってくれてありがとう!
やっと追いついた…
ちっくしょう胸がキュンキュンしやがるぜ…
なにこのエルフ
WORKINGの山田みたい可愛い
そしていちもつ
追いつきました!
支援
エルフは可愛い………
しかし、エルフ娘たんには劣る
つーわけで、エルフ娘たんは俺にくれ
保守
じゃぁ魔法使いはもらっていきますね
旧エルフの需要がない……だと
今日の更新は夕方から夜になります。
保守しつつ旧エルフはもらって行く
じゃ俺エルフ貰うわ
じゃ俺は男で
店主Bは頂いた
俺の尻は騎士のもの
帰りました~。みんな保守ありがとう! 嫁(一部阿部さんがいるけれど)が見事に分かれてある意味良かったw
書き溜めなしなので、更新時間かかるかもだけど頑張って書いてくよ!
>>542
自分もキュンキュンしながら書いてる。時々顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなるw
>>543
workingか……。名前は聞くけれど見ていないからキャラがわかんないw 可愛いいのならよし!
>>544
まだ続くから楽しんでって~
>>546
エルフ娘が欲しくば男を倒していけ……。
>>547
女魔法使いはガード硬いぞw
>>549
旧エルフは男の心の嫁
>>550
エルフは男の嫁!
>>551
男はエルフの婿!
>>552
店主B? どうぞ、どうぞ
>>554
アーッ!
>>559
おかえり!
待ってたぞ!!
新しい物語スタートです。そして、まったく関係ない話だけどリトバスアニメ化……だと。
男「ようやく着いた……か」
目の前に広がる多大な建築物。それらは、古き良き建物を残しつつ、いたるところに辺境の地にはない最新の技術が使われていることが一目見て分かる。
今現在住んでいる地域を離れ、都市部を訪れること数日。都市部に向かう荷馬車に乗せてもらい、ようやくこの場所に辿りついた。
かつて何度も訪れ、軍を抜けて以来訪れることなかった懐かしい街を見て男はある種の郷愁を覚えた。
男「帰って……来たんだな」
都市部への入口である門の前に立ち止まる。そこにひと月ほど前に見た顔を見つけたからだ。
男「あ、女魔法使い」
男が彼女の姿を視界に捉えるのと同時に、彼女もまた彼の姿を見つけて駆け出す。
タッタッタッ
女魔法使い「久しぶりです、先生」
男「といっても、ひと月も経ってないけれどな」
女魔法使い「ひと月も会わなければ十分久しぶりです。でも、ちゃんと来てくれて嬉しいです」
喜びを隠しきれずににっこりと笑みを浮かべる女魔法使い。そんな彼女の様子を見て男もまた微笑み返す。
男「約束したからね。これを破ったら女魔法使いがまたこっちに来そうだと思ったから……」
女魔法使い「そうですね。もし来てくれなかったらまた私がそちらに行っていました」
男「やっぱり」アハハ
和やかに談笑する二人。だが、それも束の間。女魔法使いの表情が徐々に陰っていく。
男「どうかした?」
女魔法使い「いえ、これは先生がこちらに来るって手紙を送られてから言うべきか迷っていたのですが、実はあの手紙を女騎士さんが偶然読んでしまいまして……。既に男さんがここに来ることを知っているんですよ」
男「そ、それは……マズイかもね」
女魔法使い「今朝も途中まで私にずっと張り付いていて……。男さんと私がいつ会うか見張っていました」
男「あはははは……。やっぱり相当怒ってる?」
女魔法使い「それは、もう。ここ最近滅多に見ないくらい眉間にシワを寄せていました。しかも、やたらイラついてましたね……」
男「一発殴られるくらいは当然覚悟してたけど、このままじゃ殺されそうな勢いだな……」
女魔法使い「確かに、そうなってもおかしくないような様子でしたね」
男「……うん。その話は聞かなかったことにしよう」
女魔法使い「先生、現実逃避は駄目ですよ」フフッ
男「ひとまず、街の中に入ろうか。朝から食事も取ってないからお腹も空いたしね」
女魔法使い「もう夕方ですしね。ちょうどいいです、オススメのお店があるので紹介します」
男「ああ、よろしく頼むよ」
女魔法使い「あ、そうだ。先生」
男「ん?」
女魔法使い「おかえりなさい」ニコッ
男「……ただいま、女魔法使い」
――静かな店――
男「へえ、こんなお店ができたんだな」
女魔法使い「ええ。男さんが居なくなってからできたんです。静かなところで、夜になると楽器を使った演奏があったりして落ち着けるんです。私みたいに人ごみが苦手な人にはオススメの店です」
男「うん。確かにいい雰囲気の店だ。連れてきてくれてありがとうな、女魔法使い」
女魔法使い「どういたしまして。こんなことでお礼を言って頂ければいくらでも力になります」
男「それはどうも。ただ、僕たち二人とも出不精だから、そんなにお店を知らないと思うけどな……」
女魔法使い「それを自分で言いますか? まあ……確かにそうですけれど」
男「やっぱり」アハハッ
女魔法使い「もう! 笑わないでくださいよ///」カァァァ
男「それじゃあ、料理でも頼も……」
ドカッ! ドン、ドタドタッ
男「……え?」
女魔法使い「……え?」
男「……これ、店の扉?」チラッ
女魔法使い「あわ……あわわわ……」ガクガクブルブル
男(女魔法使いのこの反応。僕の後ろを見て怯えてる……。嫌だな、これだけでこんなことをする相手が誰なのかが分かるのも……。後ろ、振り返りたくないな……)
コツ、コツコツコツ
?「久しぶりだね、男」
男「ひ、ひさしぶり……」
?「どうした? いつも人の目を見て話をしていたあんたらしくないじゃないか。背を向けたまま話すなんて相手に失礼だと思わないの?」
男「い、いや……。失礼だと思うよ? でも、振り向くのを身体が拒絶しているというか……」
?「そうか。ならば私がこっちを向くようにしてやろう」グイッ
男「ぐえっ」
女魔法使い「あわわわわ……」ビクビク
?「久しぶりの旧友との再会に言葉も出ないか? うん、うん。なにしろ突然居なくなったきり、何年も顔を合わせていなかったんだ。成長した私の顔を見て見惚れたりしているんだろ?」ゴゴゴゴゴ
男「あ、はははは。そ、そうだね。うん、また一段と美人になった」
?「そう、褒めるな。なんだ、顔が引きつっているぞ、緊張しているのか?」ゴゴゴゴ
男「ある意味そうと言えるね。身の危険を感じてだけど……」タラリ
?「そうか、そうか。お前にもまだ自分の身の危険を察知する程度の力は残ってたか。うん、よかった。
それで? どうしてそんなことを感じるのか、頭のいいお前ならもう分かっているんだろうな?」
男「うん、それはまあ当然分かってる……よ?」
?「分かっていればいい。私がお前に言うことはただ一つだ。……歯を食いしばれ!」ググッ
男「はい」
ドカッ! ゴロゴロゴロ
男(覚悟してたけど、やっぱり痛いなぁ。ああ、駄目だ……。今のでもう、意識が……)
男(相変わらず……女騎士の一撃は強烈……だ)ガクッ
とりあえず、今書いたのはここまで。眠気が限界なので寝ます。
保守ありがとうございます!
今日の更新は夜中になります。バイトが6連勤なので夜中更新が多くなると思います。
帰りました~。保守ありがとう!
眠気がヤバイので書けるとこまで頑張ります。
……
…
男「……う、ううん」パチッ
男「ここは……?」キョロキョロ
女騎士「目が覚めたか?」
男「あ、女騎士」
女騎士「その、なんだ。再会していきなり殴って悪かったよ。私、ちょっとどうかしてた」
男「いや、そうされても文句は言えないよ。一緒に戦ってきた戦友に何も言わず勝手に姿を消したんだから」
女騎士「それに関してはもういい。私も一発殴って今までずっと胸の中でモヤモヤしてたものがなくなったから」
男「じゃあ、この話はこれでお終いってことで。改めて、久しぶり女騎士」
女騎士「あ、うん。久しぶり。その、なんか改まって再会の言葉を交わすとなんか照れくさいな……」テレッ
男「そうかな? まあ、僕は女騎士以外のみんなと会ってるからそう感じないだけかも」シレッ
女騎士「そっか……。まあ、なんだ。元気そうでちょっと安心した。騎士に聞いていたとはいえ、こうして実際に姿を見るまではちょっと心配してたから……」
男「ありがとう。確かに一人になってからも色々あったけど、今はこうして元気にしてるよ」
女騎士「……」
男「……」
シーン
男(うっ……なんだか急に話題がなくなったぞ。これは、僕の方から話を振るべきなのか? でも、何から聞けばいいのか……)
女騎士「あのさ……」ボソッ
女魔法使い「あっ! 先生、目が覚めたんですね! はぁ、よかった。あのまま死んじゃうんじゃないかって思うと心配でした」
男「やあ、女魔法使い。まあ、どうにか生きてるよ」
女騎士「失礼だな。これでも一応手加減して殴ったんだ。だいたいあの程度で死ぬほど人はヤワじゃない」
女魔法使い「女騎士さんみたいな肉体派の人間と一緒にしないでください! 私や先生は頭脳労働専門なんです」
女騎士「だから、私も騎士もいざという時のために身体を鍛えておいて損はないって言ってるじゃない」
女魔法使い「いいんです! 身体を鍛える代わりに魔法の錬度を上げてますから」
男「まあ、まあ。二人ともそのくらいにして。それよりもここは一体どこなんだ? 宿の一室には見えないけれど」
女魔法使い「ここは私の家の一室です。こんなことになると思っていなかったので片付けが中途半端なままで散らかっていますが……」
男「そうなのか。でも、ここまでどうやって僕を?」
女騎士「ん? 私がお前を運んだんだが、何か問題があったか?」
男「いや、別に……。ちょっと男としてのプライドが傷ついたけど」ショボーン
男「それよりも、二人とも今日は仕事とかないの?」
女騎士「だいたいのことは片付けた。それに、お前が来るって知ってからしばらく休みが取れるように調整しておいたからな。よっぽどのことがなければ仕事はない」
女魔法使い「私も、今は魔法の研究が仕事のようなものなので、休みを取ろうと思えばいつでもとれますからね……」
男「そっか、騎士は?」
女騎士「あいつは、軍の騎士隊の隊長だからな……。早々休みは取れないだろ」
男「その割に結構僕のところに来てたけど……」
女騎士「まあ、あれは仕事の一環のようなものだからな。普段休めない分、そういったところで羽を伸ばしたりしてるんじゃないか?」
男「そっか……」
女魔法使い「よかったら、今からみんなで騎士さんのところに行きませんか?」
男「いいな、それ。女騎士はどう?」
女騎士「私も賛成だ。よし、それじゃあすぐに行こう。あいつは男が来るの知らないだろうし、きっとビックリするぞ」ニヤニヤ
女魔法使い「ふふっ。そうですね、騎士さんの驚いた表情なんてここ最近あまり見てませんし、ちょっと楽しみです」ニヤニヤ
男「二人とも趣味が悪いな……。まあ、いいや。とにかく騎士のところに行こうか」
女騎士「ああ」
女魔法使い「はいっ!」
――騎士の部屋――
トントン
騎士「ん? 誰だ」
女騎士「私だ。今時間空いてるか?」
騎士「ああ、大丈夫だ。勝手に入ってきていいぞ」
女騎士「それじゃあ……」ガチャリ
女魔法使い「失礼しま~す」テクテク
騎士「なんだ、女魔法使いもいたのか。二人してどうしたんだ?」
女騎士「ふふふ」チラッ
女魔法使い「ふふっ」チラッ
騎士「なんだ、二人して見つめ合って」
女騎士「これを見て驚くんじゃないぞ……」
騎士「だからいったい……」
男「……やあ、騎士」
騎士「あ……! 男! お前いつこっちに来たんだ!」
男「つい数時間前。女魔法使いと約束しててさ」
騎士「そうなのか?」
女魔法使い「ええ、もっとも一ヶ月前の件と手紙を見られて女騎士さんには知られてしまってましたけれど」
騎士「なるほどな。それで、何発ぶち込まれた?」ニヤッ
男「生憎一発だけだよ。何発も食らってたら確実に死んでた」フフフ
女騎士「お、お前たち……」ワナワナ
騎士「ははっ。まあ、それだけで済んでよかったな。女騎士も女魔法使いと同じくらい男と会いたがってたし」
女騎士「わ、私は別に……。ただ、勝手にいなくなったのが許せなくて怒りをぶつけたかっただけだ」プイッ
騎士「相変わらず素直じゃない奴だな。まあ、なんにしても久しぶりに四人揃ったな」
男「そうだね。でも、みんな昔と全然変わってないや」
騎士「そりゃ、たかだが数年会ってないだけだからな。まあ、まだ成長期だった女魔法使いが数年経っても変わっていないのはちょっとどうかと思うが……」ハハハ
女魔法使い「余計なお世話です。騎士さんはいつも余計な一言が多いんですよ」
男「確かに。せっかくモテるのに、それでどれだけの女の子からのアプローチを犠牲にしてきたことやら」
騎士「うっせえ。それはお前だって一緒だろ」
男「僕? 僕みたいな奴が何でモテるんだよ。自分で言うのもアレだけど昔の僕は友人もまともにいなかったし、一人で魔法の修行ばかりしていたんだよ?」
騎士「それが一部の女からはミステリアスでいいとか言われてたんだよ」
男「意外だ……。女性の考えることはまったく分からないよ」
女騎士「確かに、最初に会った時のお前は人との関わりをずっと拒んでいたよな。そう思うと今はだいぶ丸くなった」
女魔法使い「そうなんですか? 私は先生が二人と一緒にいるときからしかしらないので、その時の話を聞いてみたいですね」
女騎士「だいたい、なんで昔のお前はそんなに人との関わりを避けていたんだ?」
男「あの時はちょっと色々あってね。一人でいるほうが気が楽だったんだよ」
騎士「なあ、男。別にこの二人なら話してもいいんじゃないか? 今のお前なら心の整理もだいぶできてるだろ」
女騎士「その口ぶりじゃ騎士は男の昔を知ってるんだな」
騎士「まあ、この中じゃ俺が一番男と付き合いが長いからな。こう見えて俺たち昔はすげえ仲悪かったんだぜ。ことあるごとにぶつかりあってたし」
女魔法使い「意外です。今の二人からそんなことは想像できないですね」
女騎士「まあ、軍に入った当初は悪い意味でこの二人は有名だったな。私も隊のメンバーで一緒になるまで二人にはあまりいい印象を持っていなかったしな」
男「他人の口からそういったことを聞くと、当時の僕と騎士って相当ひどかったんだね」
騎士「まあ、水と油みたいなもんだったしな」
女魔法使い「ぜひ、その辺の話を聞かせてください」
男「僕はいいけど。騎士は時間大丈夫?」
朝早くからお疲れ!!
楽しみにしてたよー!!
騎士「さっき仕事が一段落したところだから別に構わないぞ」
男「そっか。それじゃあ、少しだけ。僕が軍に入った辺りの話を……」
……
…
>>621
楽しみにしてくれてありがと~。実は徹夜なんだw キリのいいとこまでひとまず書けたから寝る!
忍法帖のせいで小出しにださないといけなくて長文が乗せられなくて困るw
やっぱ忍法帖リセットされたよな?
俺もしばらく低レベルの感覚忘れててかなり戸惑ってるwww
しばらくたたないと投稿できなかったり、本文短くしなきゃだったり
久しく忘れてたわwww
>>624
自分2ch自体初心者だから忍法帖知らなくて、このss書きたくてスレ立てしてみたんだけど、
急に忍法帖仕様になったから今までみたいに長文乗らなくてビツクリしたwww
本文途切れとぎれになるからぐぬぬって感じw
やべー、やっぱり面白いがエルフ今回はなしかー、、、なしかぁー
おー続きだ!
無理しない程度に頑張ってくれ!この野郎!
いつも楽しく読ませて貰ってる
今からバイト行ってきます。更新は昨日と同じく夜中の予定です。
>>626
残念ながら今回はエルフ無しだ~。男と騎士の話だからね。
>>627
無理ない程度に頑張ってる! 正直バイト一日休みもらってのんびり書きたいwww
>>629
ありがと~。これからも頑張る!
規制でずっと書き込めなかったぞ!このやろう!
保守をしたかった訳じゃないぞ、このやろう!
でも、男が嫉妬するのも、書いてくれるんだ!嬉しいぞ、ありがとう!
追いついたー!別に続きを期待なんかしてないもん!最初から読んで3時間も読んでないもん!
スレうまって、まだ続きが終わらないなら、新しいスレたててあげてもいいんだからね!べ、別にあんたのためじゃなくて、皆がそう望んでるからよ///
みんな保守ありがとう! 今日はいつもより早くバイト終わったよ! と言ってもホントは今日定休日だったんだけどね!
>>636
男が嫉妬するのは騎士の話が終わってからだよ! まだ気が早いよ! 他にリクエストあるなら早めにね!
>>640
ツンデレ乙! 三時間も読むのに時間がかかるほど文章が溜まっていることにビックリw
このまま行ったらもしかしたらスレ埋まるかもしれないから、その時はよろしく!
エルフと男のケンカがみたいぞ
書けかください
>>642
それ上手いことやれば男が嫉妬する話で一緒にできそうだw
――育成所――
司令官「いいか、君たちは今自らの意思でこの場所に足を踏み入れている! エルフとの戦争が激化する昨今。
君たちのような戦術も知らず、大して力のないものを戦場に送ったところですぐに戦死するのがオチだ。せっかく人々のため自らの命を糧に戦場へと飛び込む覚悟を持って軍の門を叩いてくれた若者の命がそんなことで失われるのは私とて避けたい。
ここはそんな君たちを戦場で簡単に死なせない力を付けるための場所だ。大いに学び、力を付け、戦場へ飛び出せ!」
人々「オオオォォォッ!」
騎士「俺はやってやる。みんなの仇をとってやるんだ! 力を付けて、戦えない人々を救ってやる」
女騎士「この司令官はとてもいいことを言う。私もこんな人のようになれるように努力しないと」
男「力、まずは自分を守れる力を……。それすらもないのに、戦場に出るなんて……無謀だ。力が……欲しい」
教官「よし、今から宿舎に案内する。いいか、軍に入る人間に男も女も関係ない。もし、宿舎についてくるなんて当たり前のことすらできず、女のケツを追いかけていくような青くせえガキがいるようなら訓練の一つも受けられれないと思っておけ!」
ザワザワ
教官「私語をする余裕があるとはいい根性してるなお前たち! 戦場に出たらそんなことをしている暇はないぞ! 伝令よりも大事な話があるなら別だがな!」
シーン
教官「よ~し、それでいい。これからお前たちは俺の言うことに黙って従っていればいい。俺がお前たちを立派な軍人に育て上げてやる。付いてこい!」
ザッ、ザッ、ザッ
――宿舎――
教官「よし、全員付いてきたな。これから四人ずつ名前を呼んでいく。その四人はこれから同じ部屋に住むことになる。互いに協力し合って少しでもいい生活ができるようにせいぜい努力することだ!」
教官「……騎士! ……」
騎士「はい!」テクテク
教官「……。……女騎士!」
女騎士「はいっ!」テクテク
教官「……。……男? ほう、お前が……」
教官「男! 出てこい!」
ザワザワ ナンダ、ナンダ
男「はい」
教官「お前が噂の男か……。話は聞いてるぞ、お前はここにいる奴らと違って何度か戦場に出ているようだな」
ナンダッテ マジカヨ
男「はい、確かにそうです。しかし、自分はまだまだ未熟です。戦場で自分の身を守ることすらできない弱者です」
教官「そうだ! お前は軍人でもなんでもないただの一般人だ! 何度か戦場に出てるからっといって調子に乗るんじゃないぞ!」
男「はい。肝に銘じておきます」
教官「よ~し。次! ……」
騎士(あいつ、もう戦場に出たことがあるのか……。よし、時間が出来た時に詳しく話を聞いてみるか……)
女騎士(私とあまり歳が変わらないのに……。負けていられないな、他の者より努力して結果を出してみせる!)
男(……)
……
…
ザワザワ、ガヤガヤ
訓練生A「なあ、なあ。戦場に出たことあるって本当かよ? エルフのやつらヤバかったのか?」
訓練生B「ねえ、ねえ。目の前で人が死んだりした? やっぱり戦うの怖い?」
騎士(うおっ! 案の定訓練生のほとんどがあの男って奴のところに行ってやがるな。やっぱり話を聞いてみたいのか……)
男「……」シラーッ
リクエストってほどでもないが
女魔法使いとエルフが少しでも和解してくれるといいかな…見てみたい
今追いついたぜ!
騎士「にしても、あいつ無愛想だな……。本読んでるだけで、みんなの質問に答える気が全くなさそうだ」
訓練生C「なんだね、その態度。みんなが君にわざわざ質問しているのにその態度はないんじゃないかな? それとも本当は戦場に行ったことなんてなかったってことなのかな? どうなんだ?」
男「……」パラパラ
訓練生C「くっ! あんまり調子に乗らないことだよ! 化けの皮が剥がれるのは一瞬だからね」テクテクテク
訓練生「……」テクテクテク
テクテク追いついた
>>655
追いつかれないようにテクテク行くよ!
騎士(お~お~。一気に人がいなくなった。ちょうどいい、今のうちに話しかけに行ってみるか。もっとも俺も他のやつらと同じような結果になりそうだけど……)
騎士「……」テクテク
男「……」パラパラ
騎士「よお、俺騎士っていうんだ。何読んでんだ?」
男「……」パラパラ
騎士(う~ん、やっぱりおんなじ反応。だけど、ここで引いてちゃ他のやつと変わらないし、もう少し頑張ってみるとするか)
騎士「それ……魔法に関する本か? 詳しくはわかんねーけど魔法陣とか書いてあるもんな。お前もしかして魔法使えるのか?」
男「……少しだけね」ハァ
騎士(た、ため息吐きながら答えやがった……。いや、でも返事はしてくれたんだ。このままいくぞ!)
騎士「そっか、俺検査の時にそっちの素質はないって言われてるから羨ましいよ。まあ、でも俺もここで訓練を受けて力を付けてエルフや魔物から力のない人々を守るつもりだぜ」
男「あ、そう」
自分で書いててあれだけど、やっぱりエルフがいないとモチベーションあがらないwww
騎士「……お前さ、もう少し愛想良くしたほうがよくねえか? 仮にもこれから一緒に生活してくんだぜ?」
男「気に触ったのなら謝るよ。でも、僕は早く自分を守れるだけの力が欲しいんだ」
騎士「自分を守るための力? なんだそれ?」
男「言葉通り、自分の身を守るだけの力だよ」
騎士「……はぁ? お前力ない一般人を守るために力をつけるために俺たちはここにいるんだろ? 自分の身を守る力なんて二の次だろ」
エルフ「>>1さん!その・・・頑張ってくださいね・・・?///」モジモジ
>>660 み、な、ぎ、って、きたああああああああああああああああああ!
しかし、エルフは男の嫁なので手が出せん……。なんというジレンマ。男爆発しねえかなぁ……
エルフ「ふっ、単純な人です」ボソッ
>>662
黒エルフ……だと? そのネタ使えるかもな。ありがとよ!
ネタを提供してしまったww
そろそろ寝ますよ旦那
頑張ってくれるのは嬉しいけど、あんまり無理すんなよこのやろー!
おやすみ!
男「君こそ何言ってるんだ。さっき司令官も言ってただろ、今の僕たちを戦場に送ったところですぐに死ぬだけだって。
それには自分の身を守れるだけの力が必要なんだよ。それすらもないうちは他の人の力になろうなんて考えないほうがいいよ」
騎士「おいおい。仮にそうだとしても力がないからってお前は他の人を見捨ててもいいっていうのか? それはちょっと違うんじゃねーか?
力が無くったって俺たちが命を投げ出してでもその人たちを守ればいいだけじゃねーか。戦場に出るってことは自分の命を賭けるってことなんだから」
男「……ッ! 軽々しく、命を賭けるなんて言うな! どうせなら、自分以外の全てを見捨ててでも生き延びろよ! そんなのは目の前で人が死ぬのを見たことのない甘ちゃんがいうことなんだよ!」
騎士「……言ってくれるじゃねえか。こっちはエルフに家族を殺されてんだよ。確かに俺はまだ戦場に出たことねえけどよ、何度か戦場に出たことがあるってだけで自分は特別だなんて勘違いしているような奴に甘ちゃんだなんて言われる筋あいはねえぜ」ジロッ
>>664
おやすみ~。無理しない程度に頑張るよ~。いつもより三時間も余裕があるからな!
いつもなら、まだ帰って来れてないんだ……
男「……」ジロリ
騎士「……」ジロッ
シーン
教官「こら、貴様ら! 何をやっている! 喋っていないでとっとと自分達の部屋に戻れ!」
騎士「……チッ」
男「……」プイッ
……
…
騎士「いやあ、今日も疲れたな~」テクテク
訓練生A「確かにな~。でも今日の模擬戦ホント惜しかったよな。あとちょっとで勝てたのに……」
訓練生D「それに関しては本当にスマン! 俺が足引っ張っていなければ」
騎士「んなことねえよ。チーム戦なんだから、一人の失態はみんなの責任さ。訓練生Dが気にすることねえよ」
訓練生A「騎士はホントにいいやつだよな~。にしても、相変わらず模擬戦トップは男のいるチームか……」
騎士「……」
訓練生D「でもよ、あいつと一度一緒のチームで組んだことあるけれどさ、ほとんどワンマンプレーだったぜ。確かに魔法を使う才能あるし、実際負けてるから文句言ったところで負け惜しみになるけどさ、もうちょっと協力しろよって思うよな。チーム戦なんだし」
訓練生A「そうそう。あいつなんか他のやつに対して壁作ってんだよな。孤高を気取るのもいいけどよ、あんまし調子乗ってるとそのうち誰かにシメられるんじゃねえか?」アハハッ
騎士「あんなやつのことなんて放っておけよ。それより飯食いに行こうぜ! 腹減ってしょうがねえ」
訓練生A・D「間違いねえ」アハハハハ
――食堂――
男「……」モソモソ
訓練生「でさ~」アハハハ
訓練生「なんだよ、だっせえなぁ……」
男「……」パラパラ
騎士「……」チラッ
訓練生D「どうしたよ、騎士」
騎士「いや……なんでもない」
訓練生A「おっ……。見ろよ、男のやつ他の訓練生たちに連れてかれるぜ。やっぱり灸をすえられるみたいだな。いい気味だぜ」ハッ
騎士「……」ガタッ
訓練生D「騎士?」
騎士「あ、わりぃ。ちょっと用事思い出したわ。先に食っててくれ」タッタッタ
訓練生A「どうしたんだ、あいつ?」
訓練生D「……さあ?」
とりあえず、今書いたのはここまで。今日はもう眠いから寝る! 続きは夜中!
(`・ω・´)乙
これは乙じゃなくポニーテールなんたらかんたら
>>1乙!
できれば、男が戦争終わり、都市を離れるまでのストーリーを欲しいなっ!わがままいってないんだから!
だれかこれ通しでゲームにでもしてくれw
>>676
ノベルゲー? それは無理だろw そもそも絵師がいないw
>>676期待!wwwできればファイアーエンブレム系っぽい感じが似合いそうなんだが・・・。
>>678
おまw どんだけ乗り気なのwww
>>679
私を、ハマらせた主がいけないんだから!!責任とってよね!
>>680
なにそれw 話書くの頑張るからゆるしてくれ。
エルフ人気だな……
なんかごめんw 今日眠いからちょっとだけね!
訓練生C「あのさ、前からずっと思っていたけど君のその態度はどうなのかな? 気に入らないんだよね、協調性の欠片も見られないし。やる気あるの?」
男「……用ってそれだけ? なら戻っていいかな。今から魔法の訓練をするんだ。君の言うやる気っていうのがそれに当てはまらないっていうのなら別に残ってもいいけど」
訓練生C「……くっ! そういう態度が癇に障るって言ってるんだよ! だいたい、今日の模擬戦だって君が独断専行したせいでこっちは大変だったんだ」
男「それについては模擬戦が始まる前に作戦をきちんと立てたじゃないか。実力に見合ったポジションにみんな配置して……」
訓練生C「それだよ、それ! 作戦内容が一番実力のある自分が囮になるからその隙に自分を狙っている相手を強襲しろってやつ! ムカつくな~。自分が一番実力があるってそんなにも周りにアピールしたいのかい?」
男「僕はただ単に一番効率のいい作戦を立てただけだけど……」
訓練生C「だいたいさ、君は確かに魔法は優秀かもしれないけれど肉弾戦になった時が並程度の実力しかないじゃないか。こうして君に魔法を使う隙を与えなければどうすることもできるんだよ」ニヤッ
訓練生達「……」ジリジリ
男「……なに? つまり、ここに呼び出したのは模擬戦の反省とか、僕に対する注意なんかじゃなくただ単に腹いせ?」
訓練生C「ようやく気づいたんだ。そういうことだよ、調子に乗ってる君の鼻を一度折っておこうと思ってね」ニヤニヤ
男「……」
訓練生達「……」ニヤニヤ
男「……ってみろ」
訓練生C「は? なんだって。もしかして怖気づいちゃった?」
男「やりたきゃやってみろって言ったんだよ。確かに、この人数相手に僕一人が応戦したところで最終的には負ける。だけど、命を奪わなければやり返す機会はいくらでもあるんだ。
やり返される覚悟があるって言うんならいくらでもかかって来なよ。ただし、やるんならその後の生活を無事に過ごせると思うなよ……」
訓練生C「つ、強がるんじゃないよ! ほら、みんなやろう!」
訓練生達「あ、ああ……」
ドカッ バキッ ドンッ
男「……ッ」カハッ
訓練生C「は、ははっ! いい気味だ。ホント、これからは自分の分をわきまえてくれよ」
訓練生達「そうだな」アハハハハッ
男「……」ジロッ
訓練生C「な、なんだよ……。くそっ! そんな反抗的な目で僕を見るんじゃない!」ドカッ
男「うぐっ!?」ゴロゴロゴロ
男「……」ジロッ
訓練生C「……うっ。も、もういいや。とっとと行こう」スタスタ
訓練生達「なんだよ、気味悪りーよ」テクテクテク
男(意識が逸れたな……。覚悟しろよ……)スッ
騎士「おい、止めておけ」ボソッ
男「……!」チラッ
騎士「お前、今魔法使おうとしただろ。途中まで魔法紋が構成されてたからな。さすがに不意打ちは卑怯だろ」
男「そんな、ことを戦場でも、言うつもり……?」
騎士「んなこと言わねーよ。ただ、ここは戦場じゃなくて軍の育成所だろ。あいつらを庇うつもりはないけどよ、もう少し肩の力抜いたっていいんじゃねーか?」
男「余計な……お世話だ。なんにも、知らないくせに……」
そういえば絵見てない。見たかった……
男「余計な……お世話だ。なんにも、知らないくせに……」
騎士「そりゃ、確かに何も知らねーよ。だって、お前がなんにも話してくれないんだからな。
なあ、こんだけの目にあっても考えを変えるつもりはないのか? 前にお前が言ってた自分の身を守る力が欲しいってことだけどよ。今のお前はそれすらもできてねーじゃねーか。
俺たちは力がない。それは認める。だから、みんなで協力し合って自分の身を守ることも、他の誰かを救うための力もつけるんじゃないのか?
一人じゃできないことだって、誰かと協力すれば成し遂げることだってできるだろ?」
男「……」
騎士「ほら、肩貸してやるから医務室行くぞ」グイッ
男「なっ! ちょ、ちょっと……」ビクッ
騎士「怪我人は黙って治療の言い訳でも考えてろよ。てか、お前めちゃくちゃ軽いな。ちゃんと飯食えよ。それこそ、戦場に出て食料がなくなったときにまっさきに倒れることになるぜ」ニヤニヤ
男「……うるさいっ」プイッ
……
…
騎士「おい、男。お前またやられてんのかよ」ジーッ
男「うるさい、仕返しはちゃんとしてやった。だいたい騎士こそ女性部屋に何人か連れて忍び込もうとしたらしいじゃないか」
騎士「それな、もうちょっとだったんだけど途中で教官に見つかってな。『訓練を終えてこんなことをしている余裕があるお前たちのために明日から追加メニューを加えてやろう』だなんて言われてそれ以来毎日ヘトヘトだ」
男「……ふん。そんなことやってる暇があるなら剣技を磨いたらどうなの? 力ない人を守るんじゃなかったの?」
騎士「そっちこそ、魔法の特訓ばっかりしてるくせに全然自分の身を守れてねーじゃねーか」
男「いいんだよ、こっちは成長してるんだ」
騎士「生憎だが俺の方も少しは成長してるんだよ。模擬戦でも成果が出るようになってきたからな」
男「……ふん」クスッ
騎士「おっ……。お前今もしかして笑ったか?」
男「笑ってない、うっとうしい。本を読むのに邪魔だからさっさとどっか行け」シッシッ
>>733
403のエラーになるんだ
騎士「つれねえな。たまには一緒に飯食おうぜ」
男「いつ僕と騎士がそんな仲になったんだ」
騎士「え? 一緒に肩を並べたろ?」
男「それは騎士が勝手に僕を医務室へ連れて行った時の話だ。まるで苦楽を共にしてきた仲みたいに言うな」
騎士「冗談だよ、冗談。まあ、お前がよかったらでいいから一緒に飯食おうぜ。じゃあな」タッタッタ
男「騒がしい奴だな……」ハァ
今日はここまで! もうバイト疲れた……。休みが欲しいよ!
>>735
ファイルシークはどうだ?
>>738
見つからない……
1です。帰ってきてコメント返事と続き書こうとしたらなぜか規制されてました。
続き書きたいのですがいい方法ないでしょうか?
ちなみに今は携帯からです
えっとパソコンでいつも更新してるんですけど
文章を書いて投稿しようとしたら
アクセス規制中となりまして……
こうなったの初めてなのでよくわからないんです
わからないwww
エロも書いてないし、なんでこうなったとしかいいようがない
うむ……
携帯だと時間かかるし面倒なので
ネカフェ探してきます
今月バイト沢山入ったから
少しくらい使っても問題ない!
ネカフェが2ちゃんできなければまた案を考えます
ネカフェが書きこめないので
ネカフェのパソコンで打って
携帯に送って書きこみます
携帯の電池もそこまでないので電池切れたら今日は終了で
……
…
教官「今日の模擬戦は近くにある森にて実施する。すでに何回か訪れたことがあると思うが、今日はいつもと違う点がある。
今日は普段模擬戦を行っているチームのメンバーをシャッフルしてチームを構成する」
サ゛ワサ゛ワ マシ゛カヨ サ゛ワサ゛ワ
教官「ええい、黙れ! 私語は禁止だと何度も言ったはずだ! 文句があるやつは模擬戦ではなく俺特製の訓練を課してやるが、どちらがいいか選べ!」
シーン
教官「よーし。わかりやすい反応で結構。では、メンバーを発表する」
教官「訓練生C……。……」
教官「……。……女騎士」
教官「……騎士。……男」
騎士「えっ!?」
男「……」
教官「どうした、騎士。何か問題でもあるのか?」
騎士「いえ、何でもありません……」
訓練生A「ドンマイ、騎士」ボソッ
訓練生D「男と一緒だなんて、お前も運が無いな……」ボソッ
騎士「あ、ああ……そうだな」ボソッ
騎士(男と一緒か……。あいつとうまくやれるかな……。まあ、あいつのフォローをしてやるとするかな。
あいつ、一人にしておくと突っ走って危なっかしいからな……)クスッ
男「……」チラッ
教官「よーし、お前ら。さっそく模擬戦実施所に移動しろ! 少しでも遅れたら評価が下がるから覚悟しておけ!」
……
…
男「それじゃあ、作戦を発表する。今回の模擬戦はいつも通りチームごとの対戦だ。チーム人数は各班四名。
向こうには前に僕と同じチームを組んでいたメンバーが二人居る。だから、僕が作戦を立ててくることも読んでくるだろう」
訓練生E・F「……」シラー
騎士(おいおい。俺以外の二人はまともに男の話聞いていないぞ。わかっちゃいたけど、こいつ周りから相当嫌われてんだな……)
男「それでも、僕はいつも通りの作戦で行くつもりだ。向こうがこちらの手を読んでいようが、それを上回る速さで行動をとればいいだけのこと。
僕が魔法を使って相手メンバーを拡散、各個撃破。相手一人に対してこちらは常に二人で応戦してくれ。二人はどうにか僕がひきつける」
訓練生E「はい、はい。男さまのご自由にどうぞ。どうせ、俺たちの意見なんて聞く気は無いんだろ?」
訓練生F「まあ、俺たちも適当に頑張るからさ、囮役頼んだぞ。お前しかできないらしい役目みたいだからな」クスクス
男「……それじゃあ、ミーティングはこれで以上だ。後は、各自作戦通り動いてくれ」スタスタ
訓練生E・F「は~い」クスクス
騎士「……」
……
…
騎士「おい、男! ちょっと待てよ」テクテク
男「……」スタスタ
騎士「おい、おいって! 止まれよ」グイッ
男「痛いって……。それで? 何だよ」
騎士「お前、あのままでいいのかよ? あの二人どう考えてもお前の作戦をちゃんと聞いていなかったぞ」
男「いつものことだよ……。あの二人が駄目なら僕がその分頑張ればいいだけの話だ」
騎士「前にも言ったけど、もうちょっとお前は周りを頼れよ! これじゃあ、何のための模擬戦なのかわからねえよ」
男「じゃあ、騎士は僕の意見をちゃんと聞いてくれるのか? その指示が実際の戦場で命を賭けるかもしれないものでも、きちんと聞いてくれるのか?」
騎士「それは……」
男「僕が言っているのはそういった類のものだよ。こっちは真剣にやっているんだ。模擬戦だなんて、割り切ったことは一度も無い。実戦だと思っていつもやってる。だから、中途半端なやつに任せるくらいなら、僕一人でやれることをやるだけだ」
騎士「……」
なんだってー! 知らなかった……
教えてくれてありがとう!
騎士(こいつ、そんな風に考えていつも模擬戦を行っていたのか……。確かに、変に意固地なところはあるけど、男は本気で力を付けようとしてる……)
男「僕が言いたいのはそれだけだよ、騎士もやる気がないなら適当にしてくれてていいよ……」スタスタ
騎士(俺は……どうだ? 実戦になった時にこいつに命を預けられるのか?)
男「……」スタスタ
騎士「待てよ……」ボソッ
男「……なんだよ」チラッ
騎士「俺はまだ戦場に出てないからお前の考えに完全には理解できてないと思う。でもさ、人に命を賭けろっていうならさ、お前も俺に命賭けろよ! もっと他人を信用しろ!
でなきゃ、俺はお前に命を預けることなんてできねえ!」
男「……」
それは悪い気がするから自分でどうにかするよ
ありがとね!
騎士「今回限りでもいい。俺を信用してくれ。俺も、お前を信用する。だから……」
男「……」
騎士(だ~もう! うまい言葉が出てこねえ。なんか、考えがぐちゃぐちゃしてしょうがねえよ! でも、このままじゃ駄目だってことはわかるんだよ)
男「……わかった」
騎士「……え?」
男「わかったって言ったんだよ。確かに、相手にだけ命を賭けさせるなんて傲慢すぎた。僕も騎士に命を預ける。これでいい?」
騎士「お、おう……。なんか、やけに素直だな」ポリポリ
男「この間の借りを返すだけだよ。特に深い意味は無い」プイッ
騎士「それじゃあ、模擬戦頑張ろうぜ! 二人には俺から言っておくからよ!」
男「勝手にしてよ。僕は精神集中するから。時間になったら集合場所でね」テクテク
騎士「……おう!」
今日はここまでで
モリタポ調べて規制解除しておきます
モリタポわけわからん
振り込み……
やったことないから困惑してしまった
コンビニ行ったけどできないと言われました……
アカウントは作った
それで振り込みしようとしてよくわからなくなった
それと今からバイトなのでコメント返事できなくなります
バイト終わった~。これで今日から少しの間休みだ~。
というわけでまったり書いてきます。
ちなみにモリタポは解決できてないので
携帯からでの投稿です。
イラストとやコメント、保守ありがとう!
続き書こうと思ったらアステリズムの体験版でてるw
姉好きとして作品チェックしてたからやりたい……
だが、待ってくれた人のために我慢して続き書くよ!ビクン ビクン
……
…
男「時間だ。みんな、準備はいい?」チラッ
騎士「ああ、バッチリだ」ニコッ
訓練生E・F「……」
男「それじゃあ、事前に説明しておいたように僕が囮になって相手を二人引き付ける。三人はその間に一人ずつ相手を撃破。何度も言うようだけど、必ず二人以上で相手と応戦して。
その方が早く、確実に相手を仕留めることができるし、多少の力量差ならどうにかなるから……」
騎士「わかったよ。二人ともそれでいいよな?」
訓練生E「わかった、わかった。ほら、もう時間だろ。集中しねーとな」ニヤニヤ
訓練生F「そうそう。男がいれば模擬戦の成績は必然的にトップになるからな」ニヤニヤ
男「……そうだね。それじゃあ、始めようか」
相手の姿が見えない森、摸擬戦の開始位置に男、騎士を含めた四人が立ち、しばらくすると戦闘開始の角笛の音が辺に響き渡った。
騎士「……! スタートだっ!」
男「よし! それじゃあ、いくよ皆」タッ
訓練生E・F「……」タッタッタッ
男が一人先に進み、それに続くように騎士、訓練生の二人が続く。そこから騎士、訓練生が二手に別れ、男の左右にそれぞれ展開する。
ジメジメとした空気が肌を撫でる。未だ姿を現さない相手に警戒しながら、四人は先へと進んでいく。
森に存在する小動物の駆ける音を敵の足音と勘違いして緊張を高め、逆に自分たちが地面に落ちている小枝を踏み潰して相手に位置を悟られてないかと考える。
模擬戦が開始して半刻ほど経った頃。騎士、訓練生達の前を先行する男が不意に立ち止まり、合図を送る。
男(……見つけた。相手は一人、ほかの三人の姿は見えない。罠……かもしれないな)
瞬時に次に取るべき行動の判断を脳内で下し、男は他のメンバーに指示を出す。
男(騎士と、僕で相手を撃破する。二人はそのままここで待機。もし、他の相手が出てくるようなら、タイミングを見計らって不意を付いてくれ)
騎士(……了解)
男(それじゃ、行くよ。三……二……一……今だっ!)ダッ!
男が合図を送ると同時に、騎士と男が敵の一人の元へと駆け出す。騎士は腰に付けられた模造剣を鞘から抜き放ち、男は指で魔法紋を描いていく。
敵「……! クソッ!」
駆け抜けてくる男と騎士の姿を捉えた敵は即座に模造剣を抜き放ち、構える。己一人に対して同時に襲いかかる二人を見て、敵が判断した考えは単純な肉弾戦なら己よりも弱い男を相手にすることだった。
敵「くらえっ!」ブンッ
近づく男に対して模造剣を横一線になぎ払う敵。それに対して男は……。
男「甘いっ!」
描いていた魔法紋を模造剣が己の体に叩きつけられる直前に完成させる。すると、なぎ払われた剣と男との間に地面を突き上げて石柱が現れ、その剣先を防いだ。
敵「――ッ~」ビリビリ
突然現れた石柱に驚く暇もなく、勢い良く叩きつけた剣は石柱にぶつかった衝撃で敵の腕を痺れさせた。硬直する敵の隙を見逃さず、すかさず掌底を相手の顔面に男は叩きつけた。
敵「カハッ!」ドンッ
男の掌底によって後ろへと吹き飛ばされた敵。それに続くように騎士が追い打ちをかける。
騎士「くらいやがれ!」ザッ
模造剣の腹を起き上がった相手の腕に叩きつける。魔法を使う男と違い、騎士や敵は軽装の鎧を身につけているとはいえ、叩きつけられた剣の衝撃は凄まじく、先ほどの男の攻撃とは比べ物にならないほどの鈍い音が辺に響く。
骨が折れた……とまではいかないものの、衝撃によって飛ばされ、起き上がろうとした敵の腕は力なく垂れ下がっていた。
敵「……参った。俺はここでリタイアする」
敵の降伏宣言を聞くと、男たちは肩の力を抜いた。基本的に、この摸擬戦は相手の交戦の意思がなくなった場合と気絶しているのを確認した場合、リタイアという形になる。
これを確認する術は本来外部の人間にはないが、己の敗北を素直に認めないでいるものは逆に恥知らずとして周りから責められることになるため、事後報告という形でも模擬戦がなりたっているのだ。
さらに、万が一リタイアしたものが再び戦闘に参加するなどといった行為が認められた場合は重いペナルティーがチームメンバー全員に課せられるため、そんなことをするものは皆無なのだ。
今日はここまで! 明日からバイトないからのんびり書いてくよ!
続きは書けないけど質問やリクエストあれば聞くよ~
今日初めてこのスレ見た人はこのスレタイからこんな熱い展開になるとは思いもしなかっただろうな…
そして主は夜遅くまでお疲れ様です
楽しんでるよ!
>>823
そうだねw 自分でもこんな展開になるとは思わなかったwww
楽しんでくれてありがとう!
おつんつん
術+肉弾戦はいいな
遠くから撃つだけが魔術師じゃないぜ
>>825
魔術師だって肉弾戦するよ……人間だもの
とまあこんな具合で専門は違うけど格闘も少しはできる男だよ!
主 乙!早く続きが見たいwww頭ん中が、続きの妄想だらけだぜ。
>>827
続きを楽しみにしてくれてありがとう!
妄想って大事だよね~。
そんなあなたにさりげなく別の作品宣伝。
本当はスレ埋まるあたりにで宣伝しようかと思ったけど……。大分進んだからいいよね!
エルフは出てないけど、雰囲気は似てると思うからよかったら読んでみて!
ttp://ncode.syosetu.com/n9695z/
おはようございます。とりあえず今書いたぶんをあげて少し出かけてきます。
男「よし、まずは一人……」
男が敵を倒して一息ついた瞬間、背後から叫び声が上がった。
訓練生E・F「うわああああ~」
驚き、振り返ると、そこにはわざとらしく地面に倒れ込む訓練生二人の姿があった。そして、その横には敵であり、元は男と模擬戦のメンバーを組んでいたうちの一人、訓練生Cの姿があった。
男「……え?」
一瞬の出来事に、事態が把握できていなかった男だが、倒れこんだ二人の訓練生が浮かべた表情と彼らが告げた一言を聞いて、何が起こっているのかを理解した。
訓練生E・F「参った……ギブアップだ」
たいした怪我もなく、地面に倒れこんだとしか思えない二人が告げた敗北宣言。それに男、それに騎士の両方が驚く。だが、男はすぐに彼らがそんなことを口にした理由を思いついた。
男(なるほど……。つまり最初からあの二人はこうするつもりだったんだね)
おそらくは、ミーティングの前、それから後に彼らは訓練生C達と密会していたのだろう。そして、その時に模擬戦が開始したあとの予定をそれぞれで立てていたのだろう。
どうしてこんなことをするかという理由を問われれば、男自身に原因があるのだろう。男がそれまでとってきた態度が、彼らに模擬戦での勝敗以上に重要な“男を潰す”という共通の目的を与えたのだ。
摸擬戦ならば、多少の無茶をしてもペナルティーも課せられない。しかも、男以外の全員が口裏を合わせればどれだけ痛めつけたところで問題が起こるわけでもない。
そう思ったからこそ、彼らは今こうして敗北宣言を告げ、ただ男を痛めつけるための摸擬戦を開始しようとしているのだろう。
男「……上等だよ。そんなくだらないことをこの場でしようっていうんなら相手になってやる」
予想以上に彼らの行動が癪に障ったのか、男は知らず、歯を食いしばり、怒りを顕にしていた。その表情は普段からは想像できないほど険しいものとなっていた。
さすがに、騎士も今の状況に気づいたが、当事者である男と違い、彼はまだ冷静だった。そして、この状況に呆れていた。
騎士(くだらねえ……。なんだよ、これ。せっかくの模擬戦だってのに、男をリンチするためにみんな手を組んでんのか? これは俺たちが力をつけて人の役に立つための訓練だろうが。なのに、一人をいたぶるためにこんなことやるなんて、ぜってえおかしいだろ!)
怒りを胸に秘めながらも、落ち着いて周りを警戒する騎士。よく見れば訓練生Cから少し離れた位置に別の敵の気配を二つ感じた。
騎士(クソッ! やっぱり罠だったか。ひとまず体制を整えるために一度撤退したいが、普段冷静な男が珍しく頭に血が上ってやがる。このままじゃ、ただいいようにやられちまうだけだ……)
どうするべきか、騎士が迷っていると、それよりも早く男が動いた。
男「お前たちみたいな奴はな、死ぬほど吐き気がするんだよ!」ザッ
魔法紋を描きながら訓練生Cの元へと走り出す男。当然、他に敵がいることに気づいた様子はない。そんな、彼をみて訓練生Cは不敵な笑みを浮かべる。
騎士「……マズイっ! 男!」タッ!
男を止めようとその背を追う騎士。だが、それよりも先に男が訓練生Cの前に到達する。魔法紋の完成まであと少しとなり、至近距離での魔法を発動させようとする。
男「くらいやがれ!」
最後の一筆を描いて魔法を発動させようとした瞬間、訓練生Cの背後から不意をつくように別の敵が現れた。
敵B「馬鹿な奴だな」ハッ
突き出される棍棒。凄まじい勢いで迫るそれを不意をつかれた男は避けられるはずもなく、吸い込まれるようにしてその先端が男の腹部めがけて伸びていく。
騎士「男おぉぉぉぉぉぉっ!」ドンッ
だが、その先端が腹部に直撃する間際、駆け抜けてきた騎士が男を弾き飛ばし代わりにそれを受け止めた。
騎士「……ぐっ!?」ゴロゴロ
帰りました! ただ、夜中に用事があるので今日はそれまでしか書けないです。
苦悶の表情と共に吹き飛ばされる騎士。それに男、訓練生C、敵Bのそれぞれが驚き一瞬動きを止める。
訓練生C「な、何出てきてるんだよ騎士。君だってもうこの状況がどんなものだかわかっただろ? それなのに、なんで、男のやつを庇うんだよ」
男「……騎士」タッ
敵B「……」
騎士「……っぁ。けほっ、けほっ。なんでかって? そんなのな……お前たちのやり方が気に入らねえからだよ! 確かに、男は周りに対して壁作ってるし、気に入らないところもあるかもしれない」
訓練生C「そうだよ! 君だってよく分かっているじゃないか! そいつは一度痛い目を見ないと……」
騎士「だけどな! 少なくともこいつは一度だって訓練に手を抜いたりしていない。他の奴がこいつを気に入らなくて手を抜いたとしても、その分こいつは他のやつの分も頑張ってちゃんと成果を出しているんだよ!
それなのに、お前たちは自分が助けられていることも考えないで、一方的にこいつのことを悪者扱いしてよ。一人じゃ勝てないからって人数使ってきやがって……。俺はそういうやり方は気に入らねえんだよ!」
訓練生C「そう……。君は男の味方なんだね。ならいいよ。たとえ教官に今回の件を告げられようと、僕たちがすることは変わらないから……」スッ
騎士「! 男、逃げるぞ!」タッ
男「……わかった」
タッタッタッ
訓練生C「逃げられると思うのかい?」
男「逃げてみせるさ!」
再び描き出した魔法紋はそれまでよりも早く完成し、敵の周りにいくつもの石柱を作り出す。行く手を阻まれた訓練生Cたちはどうにかその場から抜け出そうとする。
騎士「……すげえ」
男「感心している暇はないよ。今のうちに早くっ!」ザッ
騎士「お、おう!」タッタッ
……
…
訓練生C「逃がした……か。まあ、いいや。時間はまだたっぷりある。せいぜい逃げ回って僕たちに狩られるのを待つんだな」クックックッ
……
…
男「はぁ……はぁっ。どうにか、逃げ切ったか?」ゼーゼー
騎士「……だな。にしてもこんなことになるなんてな……。たく、あいつらもひでえな」
男「……仕方ないさ。こんなことになっても仕方ないような態度を僕は日頃からとってきたんだから。それよりも騎士」
騎士「ん? なんだ」
男「その……巻き込んでごめん。僕のせいでこんなことに。でも、今騎士が摸擬戦を投げ出せば、被害に遭うのは僕だけだから……。だから……」
ポカッ
男「痛っ! ちょ、なんで急に殴るんだよ!」
騎士「バカいってんじゃねえよ! なんで、俺がそんなことしなくちゃいけねーんだよ。そんなことしたら俺まであいつらと同類になるじゃねえか。さっきも言ったろ、俺はあいつらみたいに根性ねじ曲がってねえんだよ。じゃなきゃお前のことかばったりしねえよ!」
男「でも……」
騎士「それに、お前俺に言ったろ? 命を賭けれるかって? それに俺はどう答えた? 命を賭けるって言ったろ。お前も俺に命を預けるって言ってくれただろ。こうなりゃ一蓮托生だ。力を合わせてこの状況を乗り切るしかねえよ」
男「騎士……」
騎士「とにかく今はこの状況を打開する術を考えようぜ。ただでさえ相手は俺たちより人数が多いんだ。追われてる側じゃ不意をつくなんてこともできやしない」
男「ああ、わかった……」
騎士「それじゃあ、作戦会議と行こうぜ!」
……
…
騎士「よし、これで行こう」
男「本当にいいの? はっきり言って半分賭けだよ。僕も発動させる成功率は半分くらいだ」
騎士「そんだけありゃ、十分だ! あいつらの鼻を明かしてやろうぜ」
男「……騎士」
騎士「まあ、俺も正直いえばビビってる。失敗すれば痛い目見るのは俺たちだからな。だけど、このままあいつらにやられっぱなしってのも癪に障るんだよ! だから、俺はお前を信じて動くし、お前も俺を信じてくれ」
男「……ああ、わかった。なあ、騎士ひとつ話したいことがあるんだけどいいか?」
騎士「どうした?」
男「僕がさ、ここに来てからずっと人を避けてた理由。騎士になら話してもいいと思ってさ……」
騎士「そりゃ、聞けるなら聞いてみたいな。いったいなんで、お前はかたくなに人を拒むのさ」
男「僕がこの育成所に入る前に戦場に何度か出てたって話は騎士も知ってるよね?」
騎士「ああ、確か教官がそんなこと言ってたな。それが原因でお前とも口喧嘩したな」
男「その件については悪かったよ。僕も反省してる。それでさ、戦場に出てたって言っても僕は別段戦いに参加してたわけじゃないんだ」
騎士「え? そうなのか」
男「うん、軍のある分隊の従者って形で一緒に行動させてもらってたんだ。魔法もその時にある人から少しだけ教わっていたんだ。だから、僕は人よりも少しだけ魔法がうまく使えるんだ」
騎士「そうだったのか……。それで、それがどうして人との関わりを拒む理由になるんだ?」
男「僕もさ、騎士と同じように家族をエルフに殺されてるんだ。それで、復讐のため力を付けたくて軍に入ろうとした。でも、今よりもまだ幼くて、なんの取り柄もない僕を軍が入れるわけもなくてさ。毎日、毎日軍部の門の前で追い返されたんだ」
騎士「……」
男「そんなある日一人の女性が毎日門の前にいる僕を見て声をかけてくれたんだ。その人が分隊の隊長でさ、どうして毎日ここにいるのかって尋ねられて事情を説明したんだ。そうしたら、上に掛け合ってくれて僕をその分隊の従者として連れてくれることになったんだ」
騎士「なるほどな。それで、そこからどうしたんだよ?」
男「それから僕はその人たちと幾つかの戦場を巡ったよ。エルフとも対峙した。もっとも僕はビビってなんにもできなかったんだけどね……」
騎士「そうだったのか……。でも、その人たちと一緒にいたのならどうしたお前はここにいるんだよ?」
男「最初はさ、復讐のために力をつけたかったんだ。でも、あの人たちと一緒に行動しているうちにみんなの役に立ちたい! って思ったんだ。だから、魔法の勉強や特訓も一生懸命やった。楽しかった、魔法を覚えたことを報告するとよろこんでくれたみんながいたから……」
騎士「……」
男「でも、そんな楽しい日々も長くは続かなかった。ある戦場に出たとき僕達の隊の倍はいる敵に囲まれたんだ。絶体絶命ってやつだね。でも、隊のなかでただ一人、僕だけが戦うには力不足だった。それどころか、自分の身を守るほどの力もなかったんだ。
結局、みんなは僕を守るために戦って、ただ一人僕だけが生き延びることになった……」
騎士「もしかして、それでお前ずっと自分の身を守る力が欲しいって……」
男「そうだよ。自分の身を守る力もないのにでしゃばった結果がこれだ。大切だった人の命を奪うことしかできなかったんだよ、僕は。だから、力をつけたかったんだ。
力もないのに、人と関わってその命が消えてくのを見るのはもう嫌だったから……。だから、僕は周りのみんなを拒み続けたんだ」
騎士(なるほど、な。こいつの過去にそんなことがあっただなんて……。家族を殺されたってことは一緒でもそのあと親類に引き取られて穏やかに過ごしていた俺とは大違いだ……)
男「でも、それも間違いだったのかもしれない。そんなことをしても結局僕の周りにしか敵は生まれなかった。僕はまた、失敗したんだ……」
ポカッ
男「なっ! なんでまた殴るんだよ!」
騎士「お前が一人で勝手に納得してるからだよ! 何が敵しか生まれなかっただ! いるだろ、ここに。たとえ一人でもお前の味方がよ! ったく、さっき言ったこともう忘れたのかよ」
男「……ごめん」
騎士「いいよ、もう。その代わり、この模擬戦終わったら一緒に飯くいに行こうぜ! この話の続きはそれからだ」
男「……ああ、そうだね」
……
…
訓練生C「さて、そろそろ探すのも飽きてきたな。いい加減この辺で幕引きといきたいんだけど、そろそろ姿を現してくれないかな!」
敵B・C「……」
男「そうだね、僕もこんなくだらない争いはこの辺で終わりにしたい!」ザッ
訓練生C「ふうん、ようやく逃げ回ることを諦めてくれたんだね。いい判断だと思うよ。もっとも、騎士の姿が見えないところから反抗する意思は残っているようだけどね」
男「反抗もなにも僕が負ける理由はどこにもないからね。卑怯なてしか使えないお前たちには一度灸を据えてやらないとと思ってさ」
訓練生C「へ、減らず口を……。いいよ、そこまで言うのなら相手になってあげるよ。三体一でどこまで勝負になるか見ものだけどね」
男「かかってきなよ。君たちがいくら束になろうと僕は負けるつもりはないよ」
訓練生C「……そうか。なら、お望み通りにねっ!」ザッ
挑発する男に向かって一斉に駆け出す三人。訓練生Cは模造剣を抜刀し、敵Bは棍棒を構え、先ほど姿の見えなかった最後の敵Cは魔法紋を描きはじめる。迫り来る彼らに男は少しも臆することなく、彼らに対抗するために魔法紋を描いていく。
男「絡みとれ!」ブンッ
素早く魔法紋を完成させた男が腕を払うと、近くにあった樹木の根がまるで生き物のように敵に襲いかかった。
訓練生C「なるほど、これが奥の手ってわけか……。だけど!」ザッ
襲いかかる木の根に対し、訓練生Cは即座に対応した。勢い良く剣を振り抜き、根を弾き、一直線に男の元へと走り抜ける。
男「くっ! やっぱりこれだけじゃ……」
焦る男を見て訓練生Cの表情が愉悦に染まっていく。勝利を確信し、男の腕めがけて全力で剣を振り抜く。
訓練生C「これで……終わりだっ!」ブンッ
迫る凶刃。それを防ぐ術もなく男は……。
訓練生C「……なっ!」
剣が直撃すると思っていた訓練生Cだったが、なんの見間違いか、彼の持っている剣は男の体をすり抜け宙を切り裂くのみだった。驚き、動揺する彼に“遠く”から男の声が聞こえる。
男「驚いた? 幻惑魔法の一つだよ。自分の姿を遠く離れた位置に映し出すっていうね。
いや~見事に引っかかってくれて助かったよ。成功率も半分くらいしかなかったし、正直この魔法を使うのは賭けだったんだけど、うまくいったみたいだ」
訓練生C「そん……な。いや、確かに引っかかったけどこっちにはまだ二人仲間がいる!」
男「それって後ろで気絶してる二人のこと? 悪いけど木の根で動きを封じた後に騎士に倒してもらったよ」
訓練生C「なっ!?」
男の言葉を聞いて慌てて訓練生Cが振り返ると、そこには彼の言うとおり木の根に身体を巻かれて気絶している二人の仲間の姿があった。
訓練生C「こんな……嘘だ!」
男「残念ながら、嘘でも何でもないよ。君の負けだ。僕と騎士二人を相手にしてまだ勝てるって言うんなら続けてもいいよ」
見ればいつの間にか訓練生Cの視線の先に男が現れていた。そして、背後からも剣を持った騎士の姿がある。
訓練生C「ちく……しょう」
敗北を悟ったのか、持っていた剣を落とし、その場に力なくうなだれる訓練生C。そして、悔しさを滲ませながら彼は負けを認める言葉をつぶやいた。
訓練生C「僕の……負けだ」
こうして、男と騎士が初めて力を合わせて戦った模擬戦は終わりを告げたのだった。
……
…
男「と、まあ。こんな具合に僕と騎士は仲悪かったんだけどその摸擬戦を経て交流を深めるようになったんだ。僕の昔についてはまあ、語ったとおりさ」
女騎士「そうだったのか。お前にそんな過去があったなんてな……」グスッ
男「あ、あれ? 女騎士、もしかして泣いてる?」
女騎士「な、泣いてなんかない! これは、そう。ちょっと垂れただけだ!」グスグス
騎士「まあ、そういうことにしておいてやろうぜ、男」
男「僕は何でもいいけどさ……」
女魔法使い「……」
男「それで、女魔法使い。どうだった、聞いてみた感想としては?」
女魔法使い「……ぇい」
男「うん?」
女魔法使い「先生、私感動しました! そんな過去があったのに、今こうしてたくましく生きている先生は立派です。一生ついていきます!」グイグイ
男「ちょ、あんまり近寄らないでって。あ~もう、こんな風になるなら話さなければよかったよ」
騎士「いいじゃねえか。それだけ、お前のことを慕ってくれてるんだからさ」
男「まあ、悪い気はしないんだけどさ。女魔法使いにはもう少し他のことに目を向けてもらいたいんだよね……」
騎士「大変だな、お前も」
男「まあね。でも、悪くない気分だよ。もう、昔と違うからね」
騎士「だったら戻ってこいよここに。戦争が終わってからはお前も思うところがあって一人になったかもしれないけれどさ、今もお前のことを待っている仲間はここにいるんだぜ」
男「……そうだね。でも、今の僕には帰るべき場所があるから」
騎士「そう……か。まあ、気が変わったらいつでも戻ってこい。俺たちはずっとお前を待ってる」
男「ああ」
かけがえのない仲間たち。たとえ長い間離れ離れになっていても、彼らの育んだ絆は消えない。
エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 before days 男と騎士の始まり ――完――
乙!
訓練生Cはその後きちんと反省したのだろうか
>>849
反省したよ! 内心どう思ってるかは別としてね! あいつらには手を出さないでおこうとは思ったんじゃないかなw
乙!
この模擬戦を経て、訓練生Cだけじゃなくて
男も変わっていったのかもね
>>851
そうだね。一人だった男が変わるきっかけにはなったね。
ここで一度リクエスト整理します。要望があれば聞きます。
男がエルフに嫉妬する話
エルフと男が喧嘩する話
女魔法使いとエルフの和解話
エルフを女魔法使いと女騎士に紹介する話
最近男が最遊記の八戒で再生されるなぁ
そしてそろそろエルフが出ないと俺はもう…!
はっ・・・追いついてしまった・・・
やばい面白い・・・!
エルフがもっとーみたいぃぃいーー!
http://beebee2see.appspot.com/i/azuY-e2UBgw.jpg
エルフと言い張ってみる
たのしみ!
リクエスト再整理します。結構多くいただいたのですべて書き終わるまで再リクエストはとらないことにします。
男がエルフに嫉妬する話
エルフと男が喧嘩する話
女魔法使いとエルフの和解話
エルフを女魔法使いと女騎士に紹介する話
騎士と女騎士と女魔術師の話
男の子供時代の話
エルフが男に出会うまで
男の過去 戦争~終戦まで
とりあえず嫉妬する話?
これで書いていきます。各順番はほとんど変更するつもりありませんが、必要があれば変更します。
とりあえず、戦争編はいちばん長くなりそうなので、最後に書くことにします。
>>861
最遊記って漫画の? 見たことないからどんなのかわかんないな……。いいキャラなら嬉しい。
今からエルフでるよ! お待たせ!
>>862
休んでいる間に進んでる予定! フフフフ
>>865
今から久しぶりのエルフ登場だよ!
>>866
イラストありがとう! ついにカラーイラストの登場か……胸が熱くなるな。
>>867
楽しみにしてくれてありがとう!
男がエルフに告白してからしばらく月日が流れた。そして、彼らが住む街にも少しずつある変化が訪れようとしていた。
それは……。
エルフ「男さん! 聞いてください。今日も普通に食材を売ってもらえましたよ!」ニコニコ
男「そうか、それはよかったなエルフ」ニコッ
エルフ「えへへへ~。嬉しいです! 男さん、これって私がみなさんに少しずつ受け入れてもらえているってことですよね!」テレテレ
男「そうだな。でも、それはエルフがいつも頑張っていたからだよ。偉いぞ、エルフ」ナデナデ
エルフ「男さん……くすぐったいですよっ」テレテレテレ
男「嫌がるような口調の割には嬉しそうな顔をしてるけどな……」
エルフ「だって、皆さんに受け入れてもらえはじめたのも嬉しいですけれども、こうして男さんに褒めてもらえるのが私にとって一番嬉しいことですから……」エヘッ
男「あ、あのな……///」
互いに、互いを意識し甘い空気を作り出す男とエルフ。だが、次にエルフが発した一言が男の態度をそれまでと真逆のものにする。
エルフ「あ……そういえば、今日いろんな男の人に声をかけられましたね。みなさん、なぜか恥ずかしそうにしていましたけれど、一体なんだったんでしょう?」
男「なん……だと?」
……
…
エルフ「それじゃあ、今日は少し街の中を見て回ってきますね。男さんもお仕事頑張ってください!」
男「ああ、迷子になったりしないように気をつけろよ」
エルフ「も~っ! 迷子になるような歳じゃありませんよ!」
ギィィ、バタン
男「さて、エルフは予定通り出かけたな。……昨日あいつが言ってた話。もしかして、旧エルフの時みたいにエルフの身体を狙っている奴らが声をかけているかもしれないしな。
うん、別にそんなに気にしてないけれど何かあってからじゃ遅いし、今日は仕事を休みにしてあいつをこっそり見守ることにしよう」コソコソ
ギィィ、バタン
――街中――
エルフ「~~♪ この街はいいですね~。周りは自然で一杯ですし、空気も澄んでいておいしいです。今までは男さん以外の人は私がエルフだってことで避けられていましたけれど、最近は少しずつ話してくれる人も増えてきてくれました」
エルフ(でも……男さんはあの告白以来中々手を出してくれようとしません。やっぱり、私の身体がまだ子供だからなのかな……。ちょっとは身体つきもよくなったと思いましたけど、他の大人の女性に比べるとまだまだ貧相ですよね……。
これでも頑張って男さんに女の私をアピールしてるのに、男さんってば私がギュっ! て抱き着いても顔色一つ変えないで『こら、あんまりそんな風にしているとはしたないぞ』なんて言って……。
もっと、もっと男さんと触れ合って、温かい気持ちになりたいのにな……)ションボリ
エルフ「めげるのはなしです! 男さんに気持ちを受け入れてもらえたことだけでも奇跡みたいなものなんですから!」
エルフ「でも、やっぱりもっと触れ合っていたいなぁ……」
――エルフ後方――
男(今のところエルフの近くに男が来る気配はないようだな。というか、あいつはホントにのんびりと散歩しているだけなんだな……。お金も必要な分は持たせてあるし、てっきり何か買いに行くかと思ったけど。
そういや、旧エルフの時はあいつが普段何やっていたとか日記でしか知ることができなかったんだよな……)
男(いい機会だし、今日はエルフがどんなことをして普段過ごしているのかちょっと見てみるか)
――広場――
エルフ「う~ん。さすがにちょっと歩き疲れましたね。太陽が真上にありますし、そろそろお昼時ですね……」
エルフ「男さんにお金は貰ってますし、何かお腹が膨れそうなものを買うことにしましょう」トコトコ
エルフ「広場ですし、たくさん露店がありますね。何を食べましょう」キョロキョロ
露店店員「へいらっしゃい。新鮮な果物はいかがかな?」
アラ、ヨカッタライタダコウカシラ
ワタシモ、ワタシモ
エルフ「あの、私にもその果物売っていただけますか?」オズオズ
露店店員「……あんたが噂のエルフか」ジーッ
エルフ「えっ?」
露店店員「……ふうん、エルフっていうからもっと怖いもんだと思ってたけど、案外かわいいんだな」ジーッ
エルフ「かわ、かわいいだなんて……。あの、そんなじっと見ないでください」テレッ
露店店員「ああ、悪かったな。ほら、果物が欲しいんだろ?」
エルフ「あっ、はい。でも、売ってくださるんですか? 私、エルフなの」
露店店員「金さえ払ってくれんなら別に問題ないさ。俺は別にエルフに恨みがあるわけでもなんでもないからな」
エルフ「ありがとうございます。それじゃあ、これっ」チャリン、チャリン
露店店員「毎度っ! はい、果物」サッ
エルフ「どうも」サッ
ギュッ
エルフ「?」
露店店員「ふむ、肌触りも俺たち人間と変わらないんだな。なんだ、案外普通だな。やっぱり聞いただけの話と実際に触ってみるのじゃ全然違うもんだな……」フーム
エルフ「あ、あの! すみませんが、私もう行きますので///」サッ
タッタッタッ
男「……」ピキピキ
露店店員「顔真っ赤にしちゃってかわいいな。エルフも案外いいものかもな……」ジーッ
男「……おい、ちょっといいか?」
露店店員「ん? なんだい、お兄さん」
男「いや、少し話がしたいと思ってね……」ゴゴゴゴゴ
露店店員「……」ビクビク
男「とりあえず、路地裏に行こうか」ピキピキ
露店店員「……はい」テクテク
ただいま~。ゆっくりペースで書いてくよ。
……
…
エルフ「のんびり~♪ のんびり~♪ たまにはこうやってゆったりした時間もいいですね~。一つ不満があるとすれば男さんが一緒にいないことですかね……。でも、男さんも仕事を頑張っていますし、無理を言うわけにもいきません。
……そうだ! 帰ってきた男さんの疲れが少しでもとれるような案を何か考えましょう!」パンパカパーン
エルフ「おいしい料理がいいかな~。それとも、疲れを取るのに聞きそうな香を焚くのがいいかな~。何をすれば男さんは喜んでくれるでしょうか?」
エルフ「男さんが喜んでくれるのを想像すると自然と口元が緩んじゃいます。恋人……ですもんねっ」エヘヘ
エルフ「そうだっ! あれにしましょう……」ルンルンッ
――エルフ後方――
男(ひとまず、エルフに軽々しくスキンシップを取ったあの露店店員には灸をすえておいてやった。僕としたことがついムキになって昔を思い出してしまったよ……)
男(にしても、エルフのやつ僕がいるってのにあんな見ず知らずの男に身体を触れられて、あんなに喜んで……。もしかして、最近あんまり構ってやってなかったからか?
いやいや、だってエルフだぞ。自分で言うのも何だけどあれだけ僕にべったりなエルフだぞ?
なんだろう、このもやもやした感じ。なんか、あいつが他の男と仲よさそうにしているの見てたくないなぁ。もしかして、僕嫉妬してるのかな……)
――とある店――
エルフ「着きました! ここです」ギィィ、バタン
老紳士「おや、エルフさんじゃありませんか? どうかしたのですか?」
エルフ「おじいさん! こんにちは!」ニコニコ
老紳士「こんにちは。珍しいですね、お店の方に君が来るなんて」
エルフ「はい。いつもお会いするのは外ですもんね。こっちにも来たいとは思っているんですけれど、普段は私がいると他の人が気まずい思いをしちゃうと思うので……」エヘヘ
老紳士「そんなことは気にしなくてもいいんですよ。この店の中ではエルフも人間も関係ありません。一人、一人が私の大事なお客さんです」
エルフ「おじいさん……」
老紳士「それで? 改めて聞きますが、今日はどうしたんですか?」
エルフ「あっ、はい。実はですね、私が普段お世話になっている人の疲れを取ろうと思いまして。それで、いくつか方法を考えたんですけれど、そのうちの一つをして疲れを取ろうと考えて……。
ただ、私はそれに関してあんまり詳しくないので、物知りなおじいさんなら詳しく知ってそうだと思って今日はここを訪ねたんです」
老紳士「ほう……そうですか。それはあなたがいつも私に話してくれる男さんのことですか?」
エルフ「……はい///」テレテレ
老紳士「なるほど、なるほど。いいですね、若いというのは。いいですよ、私の知っていることであれば喜んで教えて差し上げます」ニコッ
エルフ「おじいさん……。ありがとうございます!」ニコッ
……
…
エルフ「ありがとうございました~」
老紳士「いえいえ。では、またお会いしましょう」
エルフ「はい!」ルンルンッ
男「……」ジーッ
テクテク
男「あの、すみません」
老紳士「はい、なんですか?」
男「今、エルフの女の子がこの店から出て行ったんですけれど何か買っていきましたか?」
老紳士「さあ? お客様の個人的な情報を明かすわけにはいきませんので」
男「そうですか。すみません、突然こんな質問を……」
老紳士「いえいえ、気にしていないので構いませんよ。それにしても、あなたがあの子の言っていた男さんですか……」
男「え? はい、確かに僕がそうですけれども」
老紳士「ふむ、優しそうな目をしていますね。あの子が貴方を慕う気持ちも分からなくはない。あなたの周りは居るだけで居心地がいい」
男「そんな……勘違いですよ。僕は、もっとひどい人間です」
老紳士「ふふっ。確かに、あの子に仕事だと嘘をついてこっそりと後を付いていくだなんてあまりいい趣味ではありませんね」
男「えっ!? どうして仕事に行ったってことを……」アセアセ
老紳士「いえ、中であの子から聞いたもので」
男「そうだったんですか」
老紳士「できることなら、あの子がここに来たことは見なかったことにしてあげてください。それと、日が暮れてからあの子の元に帰るとより良いですね」
男「何かあるんですか?」
老紳士「それを私の口から告げるのは……。まあ、帰ってからのお楽しみということで」
男「はあ……。それが必要であればそうしますが」
老紳士「そうそう。なるべく疲れた様子を見せるとあの子も喜んでくれると思いますよ」
男「?」
老紳士「わからなくてもやってあげてください。それが彼女への気遣いというものですよ」
男「わかりました。それよりも、一つ伺ってもよろしいですか?」
老紳士「なんですか?」
男「えっと、あなたはエルフと仲良くしてくださっているみたいですけれど、一体どういう関係で?」
老紳士「……なに。単に余命短い爺と、そんな爺との会話に付き合ってくれる、かわいらしい話し相手という関係ですよ」ニコッ
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
バン はよ
バン(∩`・д・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
ドゴォォォォン!!
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ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
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ガチホモばっかり……
……
…
男「ただいま~」ギィィ、バタン
エルフ「あっ! 男さん、おかえりなさい!」ニコニコ
男「あ、うん。えっと、エルフ。今日はどうだった?」
エルフ「楽しかったですよ! 男さんもお仕事お疲れさまです!」
男「うん……」
エルフ「なんだか、お疲れですね」ニコニコ
男「あ、あ~。確かにちょっと疲れたかもね」チラッ
エルフ「! そ、そうですか! えへへっ。それじゃあ、ちょっと部屋に行って待っててください」
男「部屋に? なんでまた」
エルフ「い、い、で、す、から! 早く、早く!」グイグイ
男「わかったって。だから、そんなに背中を押すなよ」
エルフ「待っててくださいよ~」ニコッ
わ!初めてかも?リアルタイムに>>1とからめる!
べ、べつに、うれしくないぞ!このやろう!
リクエスト聞いてくれても、うれしくなんなないぞ!このやろう!
とっとと、続きを書きやがれ!このやろう!
……
…
男(部屋に戻って待っているものの、中々エルフのやつ来ないな……)ボーッ
男(なんだか、ちょっと眠くなってきたな)ファァッ
男(……あふっ)パタン
ギィィ
エルフ「お~と~こ~さんっ!」パッ!
エルフ「お待たせしました……って、あれっ?」ジーッ
エルフ「男さん、寝ちゃってます。せっかくおじいさんに教えてもらったマッサージを疲れてる男さんにしようと思ったのに……」グスン
エルフ「でも、男さんの寝顔を見るのも久しぶりですね……」チラチラ
エルフ「……」チュッ
エルフ「えへへへっ。ごめんなさい、男さん」ゴソゴソ
コソッ
エルフ「今日は一緒に寝てくださいね」ギュッ
……
…
男「……う、ううん。もう、朝か?」
男(しまったな、エルフを待っているうちに寝ちゃった……)
ゴソゴソ
男「……ん?」バッ
エルフ「……」スースー
男「まったく、いつの間に潜り込んだのやら。困った子だな」ヨシヨシ
エルフ「ぅ、ぅぅん……」スースー
男(こんなに無防備に傍にいられたんじゃ昨日の僕の嫉妬が馬鹿みたいだな……。エルフは僕のことちゃんと慕ってくれてるんだ。たまにはきちんと僕の方からもエルフのことを好きだって態度を表さないとな……)ナデナデ
エルフ「うう……んっ」デレデレ ニコニコ
男「……」フフッ
男「エルフ……好きだよ」チュッ
ギィィ、バタン
エルフ「……私も、大好きですっ」ポッ
エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 after story 男の嫉妬とエルフの深愛 ――完――
>>896
どうも初めまして。お話があればどんどん声かけてください。
もしかして嫉妬話のリクエストをくれた方ですか?
ちなみに男の嫉妬話はこれでおしまいです。
ちょっとあっさりしすぎたかもですけど、エルフ分が自分を含めた皆が足りてないようでしたのでベタ甘な内容にしておきました。
>>1様、こちらはまだまだエルフ分が欠乏しております(>_<)
>>899
なん……だと。
結構甘い内容にしたのにw
でも次はエルフと男の喧嘩だしな……。
今日は続き書くつもりはないからショートショートでよければリクエストくれれば書くよ。
やった!追いついたぜ!
全く夜中にこんなスレが見つかるとはな
夜遅くのバイトしながら書いてる1に脱帽
まだ書くみたいだけど無理するなよ
>>901
発掘してくれてありがとう!
今は少しの間バイト休みだからのんびり書いてるよ。
今から書くのはちょとした小休止みたいなもの。スレも埋まりそうだし、続き書くにはギリギリかな~って感じだしね。
エルフたんが男に本格的に寄り付こうとしたけど失敗して悩んでる...
そんな妄想が俺の頭に浮かんだんだ
リクエストまだ沢山あるから続き書くためにも、スレが970くらいまでいったら誰か立ててもらえないでしょうか?
その間は残り少ないスレを、ちょっとお遊び形式で安価エルフSSでもやろうかなと思います。
>>903
それはいい妄想だw
>>898
わ!返答がきた!
その通りだ!このやろう!
ありがとうだ!このやろう!
でも、無理するなよ!こんな時間まで!
>>906
なんかあっさりしてごめんね。
実は、最近夜型生活だったから今日昼寝何度かしちゃって、眠れないんだw
>>907
もうちょっと、男がもやもやして、エルフにあたるとこが欲しかったけど、まぁ、これもよかったよ。
安価、楽しみにしてる。
>>908
たぶんそっちは男とエルフの喧嘩で出せると思う。
安価初めてだからどうしようか。とりあえずリレー形式で行こう。
ひとまず970までに終わるように。
この話の主人公は>>912
エルフを密かに好きな村人
安価になった途端みんな出てビックリしたw
どんな話か>>920
安価決まったので話し書いてくよ!
話は、エルフを好きな村人がエルフのストーカーになる話で!
期待。ちなみにこの村人俺な?
>>923
ちょw 相当気持ち悪く書くつもりだからその宣言はマズイwww
>>924
大丈夫だ、れっきとしたヤンデレタイプの男だと医者に言われた俺に隙はない。
いくら皆がエルフたんに萌えたところで、俺がもうエルフたんを征服した。調教した。調教した。調教した。調教した。
エルフたんは俺の女だ。異議は認めない。エルフたんは俺の女だ。異議は認めない。エルフたんは俺の女だ。異議は認めない。エルフたんは俺の女だ。異議は認めない。
>>926
そうか。たぶん今書いた文章の三倍は気持ち悪い。
書き終わるのはもう少しかかるから待っててくれ。
これは、物語の中核に絡まないある一人の観察者の話である。
いつからだろう、この街に訪れたある一人の少女の姿を俺が追いかけ続けるようになったのは。
戦時中、幾度も人々から伝え聞いたエルフの悪評や恨み言。実物を見たことのない俺は、実際にこの目でエルフを見るまではそいつらが凶暴で野蛮な存在としか思っておらず、さして興味を持たなかった。
だが、ある日。一人の男がこの街にやってきた。突然現れ、この街に住みだしたそいつを最初街の誰もが警戒していたが、月日が経つごとにそいつはただのいい人間だと分かり、少しずつ街のやつらの警戒を解いていった。
それからしばらく月日が流れた。戦争が終わり、穏やかな日々が続いていた時だ。この街に流れの商人がやってきて、奴隷としてエルフを売りに出した。
初めて見た実物のエルフ。醜悪のものだと思っていたそいつは、一目見た瞬間俺の心を奪っていった。
ああ、なんて美しいんだ。この街にいる豚みたいな女共の数百、数千倍の美しさを持ったエルフ。直視することさえためらう美しい顔立ちを目の前にして、思わず俺は叫びだしそうになった。だが、俺以外の誰もこのエルフの存在を理解していなかった。
どいつもこいつも、気味が悪いだと言って彼女を忌避した。ああ、理解できない馬鹿はこれだから困る。
この調子では誰もあのエルフの買い手が現れないだろうと俺は確信した。
金、金だ。今家にある全財産を引っ張ってきてでもあのエルフを手に入れたい。俺のものにしたい。
それまで心の奥底に隠され蓋をされていたドス黒い感情が一気に吹き出してきた。
すぐさま、俺は金品を取りに行くために家に向かって駆け出した。だが、金を手にして戻ってきた時にはあのエルフはもういなかった。
村人A「買わ……れた?」
聞けば、俺が家に戻っている最中にあのエルフを買い取ったものがいたというのだ。契約は既に済んでおり、今から金品を上乗せして横取りすることも不可能だった。
誰だ、誰だ!? 俺のエルフを奪った奴は誰だ……。
嫉妬と怒りから気が狂いそうになりながらも、俺はそのエルフを買い取った人物を突き止めた。
そう、エルフを買い取ったのはこの街に移住してきたあの、男だったのだ。
憎い、憎い、憎い。俺からエルフを奪い取ったあの男が憎い。だが、下手に手を出せば俺の身が危うい。俺は仕方なく男に手を出すことを諦め、やつの家に監禁されることになったエルフを見守ることにした。
毎日、毎日。雨の日も、むせ返るような暑さの日も、毎日、毎日見続けた。
次第に、彼女を見守ることが俺の義務になっていった。幸い、男に気づかれた様子はない。
エルフが暴漢に襲われた時も、それを男の奴が助けた時もずっと見守っていた。気づかれないように、優しく。
たとえ男の奴がエルフを見放しても自分だけは、ずっと傍にいるという証明を立てるため……。
だが、そんな幸福な日々も長くは続かなかった。エルフが死んだのだ。馬車に引かれて……。
俺は絶望した。薄暗い自室でありったけの声を張り上げた。彼女を殺した馬車の主に向かって怨嗟と呪詛を呟き続けた。
ああ、これで今までの時間の全てに意味がなくなってしまった。もうだめだ。この街にエルフを売りにくる商人なんていないだろう。これから、俺は抜け殻のようにただ毎日を無駄に過ごしていくのだろう。
そうして一年近くが過ぎた。そして、俺は信じられないものを目にすることになる。
……奇跡が起こったのだ。
エルフが、再びエルフがこの街に訪れたのだ。そのエルフは以前のエルフよりも幼く、保護欲を掻き立てるようなか弱い存在だった。
にもかかわらず、首には奴隷の商品としての証の鎖が繋がれ、まるで神聖な存在を捕え、犯しているような光景を連想させた。
その光景に、俺は、たまらなく、興奮した。
欲しい、欲しい。どうしても彼女が欲しい。彼女の、幼く、未発達な身体をこの手で蹂躙したい。そう思った。
だが、その時の俺にはエルフを買うほどの金はなかった。当然だ、働きもせずにずっと前のエルフを見守ってきたのだから。
だからこそ、再びあの男がエルフを買ったときは血が流れるほど強く唇を噛み締めた。屈辱だった。
許さない、またそうして俺からエルフを奪って己の傍に縛り上げるのか? そんなことは断じて認めない。見守るのは、もうやめだ。彼女を、あの男の手から俺が救い出す。
――The day of fate ――
機は熟した。これより、行動を開始する。
朝。いつものようにエルフが男の洗濯物を干している。可哀想に、あんなに無理やり働かされて。男に言われて作っている笑顔が痛々しくて見ていられない。
だが、そんな痛々しい笑顔ももうすぐ無くなる。俺の手で本当の笑顔を取り戻してやる。
昼。彼女が男にこき使われて買出しに出された。どうせ断られるのは分かっているのに、なんて酷い奴だ。今すぐにでも殺してやりたい。だが、今は彼女を救い出す方が先だ。男を殺すのはいつでも出来る。
村人A「……」ジーッ
エルフ「親切な人でした~。お野菜も、お肉も譲ってもらえるなんて。でも、男さんが今まで私に一人で買い出しをさせなかった理由がなんとなくわかった気がします……」トテテテテ
村人A「……エルフ……俺の、エルフ……」フフフフ
村人A「今から、俺が君を救ってあげるからね……」スッ
?「……」サッ
村人A「なんだ、お前? 邪魔だよ、そこをどけ」
?「あの子に何か用か?」
村人A「はぁ!? なんだよ、何わけのわからないこと言ってるんだよ! いいから、さっさとそこどけよ! 俺はあの子を救い出さないといけないんだ。そして、俺の傍でずっと幸せにさせないといけないんだよ。ああ、もう。彼女の姿が遠のいていく。どけっ! どけよ!」ダッ
スッ
?「ここ最近、ずっと変な視線を感じると思っていたけど、お前のせいだったんだな」パサッ
村人A「はぁ!? 何言って……」ハッ
男「……」
村人A「また……またお前か。またお前は俺の邪魔をするのか。ああ、ホントに、ホントニイヤナヤツダ」ガリガリガリガリ
男「……」
村人A「あは、あはははははははははっ! そうだ、ちょうどいい。彼女を助けるためにもお前は殺しておかなきゃならないとは思ってたし、順番は逆になるけれどここで死ねよ。 しね、シネ、死ね! くはっ! くははははっ!」ブンッ
男「……」パシッ
村人A「……へ?」
男「悪いけど、俺は旧エルフの墓前での約束を果たし続けるためにも死ぬわけにはいかないんだ。お前がこのまま引かないっていうならこっちにも考えがある。それでもまだ、あの子に手を出すというのなら地獄を見てもらう」
村人A「な、なにを……」ギリギリ
男「引く気は……ないみたいだな。なら、宣言通り地獄を見せてやるよ」スッ
男がそう呟くと、目の前に変な模様をした円が現れた。そして……。
村人A「へ、あ、ああ。ああああああああああああああああああああああああああ」ドサッ
俺の意識は消えた。
……
…
明るい。そうだ、俺は男に変な円を見せられて……。
あれ? おかしいな、何も見えない。真っ白だ。見えない、見えない。彼女の姿が見えない!? どこだ、どこにいるんだ?
村人A「……どこだ、どこだっ!」ドンッ
ゴロツキ「いテーな。なんだよ、どこ見て歩いてんだ!?」
村人A「……」チッ
ゴロツキ「おい、待てよ。てめえ人にぶつかっておいて謝罪の一言もなしか」グッ
ドカッ、バキッ、ドコッ
村人A「カハッ!」
ゴロツキ「けっ! これに懲りたら二度と俺の目の前に現れるんじゃねえぞ」ペッ
村人A(くっ……身体が寒い。そういえば、ここ数日何も食べていなかったな……)
その時、ふとある考えが思い浮かんだ。
村人A「ああ、そうだ。死ねば俺は誰からも手出しされずに彼女をずっと見守っていられるじゃないか。なんで、こんな簡単なことに今まで気がつかなかったんだろう」
その結論を出してしまってからの行動はすぐだった。近くにあった割れて尖った石片を拾い、胸の前に構える。
村人A「彼女は、永遠に俺が見守り続ける」フフッ、アハハハハ!
グサッ!
こうして、狂気をその身の内に秘めた一人の観察者は死んだ。死してなお、彼の追い求める少女を追いかけ続けるために……。
できるかな?
できそうなので次スレ立ててきます。
次スレ
エルフ「……そ~っ」 男「こらっ!」2
エルフ「……そ~っ」 男「こらっ!」2 - SSまとめ速報
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うめ。
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