八幡「雪ノ下も由比ヶ浜も病んでて困ってるんだ」(619)

川崎「で、なんで私に相談するの?」

八幡「いや、なんとなく……?」

川崎「ふーん…ま、立ち話も何だし、家来る?」

八幡「は?……えっ……お、おう(こんなヤツだったっけ)」

見たいに追い回される話がいいと思います!

それはわかったからはよ書けよ

俺としては先生に相談してほしかったぜ

>>4
先生だと二人と協力しそう

はよ

最後まで書き切るなら乱立荒らしでも構わないからはよかけ

>>10
立て逃げした奴の態度じゃねぇwww

川崎家

川崎「悪いけどちょっと待っててくれない?片付いてるかわからないし」

八幡「ああ、わかった」


数分後

ガチャッ

川崎「上がって」


八幡(そもそも人の家に上がること自体少ないがやっぱ女子の家となると緊張するな……)

川崎「何ぼーっとしてるの?」

八幡「え!あ、すいません……お邪魔します」

後よろしく

リビング

川崎「……はい、お茶」

八幡「わざわざどうも……」

川崎「……」

八幡「……」

川崎&八幡「あの」

川崎「……話あるのそっちなんだからさっさと話しなよ」

八幡「あ、そうだな……えっと」

川崎「あ、ちょっと待って。先に一つ訊きたいことがある」

八幡「?」

川崎「……何であたしに相談するの?こんなこと……自分でそういう柄とも思えないし」

八幡「いや……元々俺が交友関係狭いのは川崎もなんとなくわかってるとは思うが……」

川崎「それはまあ……でも、平塚先生とか」

八幡「むしろ先生は病んでる側だからあまり意味がないんだよ」

川崎「ああ……」

八幡(納得されちゃったよ平塚先生……)

川崎「じゃあ…………戸塚は?なんかよく話してるし」

八幡「戸塚、戸塚はなあ……なんか相談するのもこちらが申し訳なくなるというか」

川崎「あたしに対してはそうは思わないんですか」

八幡「いや、そういう意味ではなくてですね……」

川崎「じゃあ何」

八幡(別に悪意はないんだろうが川崎は三浦と同系統の喋り方だから苦手だ……自分から言っておいてアレだが)

しえ

八幡「え~と……戸塚はお前より雪ノ下や由比ヶ浜と交流があるだろ?」

八幡「だから多分戸塚も二人の方に肩入れするのではないか、と……」

川崎「……なんとなくあたしにお鉢が回ってきた理由がわかってきた」

川崎「とりあえずそれはもういいから。で、病んでるって?具体的にどういう……」

八幡「病んでるとまで言うと語弊があるかもしれないが……なんというか……重い」

川崎「は?」

八幡「由比ヶ浜の方は……早く一緒に出かける約束を果たせとうるさいし……」

八幡「なんかやたらと体を触られてる感じがするし……」

八幡「雪ノ下の方は……いつの間に入手したのか知らんが俺宛に長文の罵倒メールを送ってくるようになったし」

八幡「しかも返信しないと電話してくるし……」

八幡「最近は二人示し合わせてるのか知らんが俺の学校内の行動パターンを読まれてて一人でお昼は食べれんし……」

川崎「…………アンタバカでしょ」

八幡「バカとは失礼な!いくら失礼な雪ノ下でもそうそう言わない単語だぞ」

川崎「色ボケにバカって言って何が悪い」

川崎「何?あんたこんなのろけ話をするためにここまで来たの?……もう帰って欲しい」

八幡「な……何怒ってんだよ……俺はただ一人の時間を確保したくて……それにのろけってどういう意味だよ」

川崎「ハァ!?雪ノ下も由比ヶ浜もあんたのことが好きだからそうそうことやってんでしょ?まだ分からないの?」

八幡「」

八幡「いや、まさか……正直由比ヶ浜はそういう可能性もあるかなーっと自惚れたことがないとはいえないが」

八幡「さすがに雪ノ下はないだろうよ……」

川崎「あの雪ノ下雪乃が嫌いな人間にわざわざメールとかするとも思えないけど」

八幡「それは……アレだろ、そう!最初の奉仕部の依頼に本腰を入れ始めたんだよ」

川崎「何それ」

八幡「元々俺が奉仕部に入れられたのは平塚先生の罰なんだがその時雪ノ下に『比企谷の孤独体質を更正』するよう頼んだんだよ」

川崎(いかにもこいつらしいというかなんというか……)

川崎「あんたの解釈じゃあ雪ノ下は奉仕部の依頼をこなしてるってことになるんでしょ?」

川崎「で、由比ヶ浜はあんたのことが好きでベタベタしてくる、と」

川崎「どうしようもないじゃん。というか何が問題なの?」

八幡「いやいや、問題大有りだろうが!俺は基本的に一人でいるのが好きなんだよ!」

八幡「……そうだ!例えば俺がお前に毎日メールとかしてきたら嫌だろう?そういうことだよ」




川崎「……別にあんたが相手なら嫌、じゃないけど……」


八幡「」

八幡「いやいや、オカシイだろ!そこは嫌がるところだろうが!」

川崎「何で嫌がらなかったら怒られてるのあたしは……」

ドタドタ

ガチャッ

八幡&川崎「!」

川崎弟「さっきからお姉ちゃん誰と言い争ってるの?」

川崎妹「アレ?もしかしてこの人……」

川崎「あ!コラ、二人とも二階にいなさいって言ったでしょ!」

八幡(以前川崎の弟が言ってた川崎の下の弟と妹か……上の弟はなんて名前だっけ)

八幡「あ……お邪魔してます……川崎さんの同級生の比企谷です」

川崎「!」

川崎妹「あ!やっぱりそうなんだ。お兄ちゃんが話してた人って」

川崎弟「以前お姉ちゃんが比企谷さんにご迷惑をおかけしたみたいで……」

川崎「!……今はそんなこといいからホラ……行った行った」

川崎弟「ちぇー」

川崎妹「ま、王子様との二人の時間を邪魔しちゃアレだしね♪」

川崎「そんなんじゃないから……ホラホラ」

ドタドタ

ガチャッ


トントントン……


ガチャッ

川崎「ふぅ~」

川崎「ごめん……うちの弟と妹がお騒がせをして」

八幡「全然いいって。むしろ騒いでたのは俺達みたいだしな……」

川崎「…………何も言わないの?」

八幡「……何をだよ」

川崎「え、いやさっき弟と妹が言ったこととか……」

八幡「ん?まあ……ただの冷やかしだろ?こっちこそ悪かったな」

川崎「何であんたが謝るの」

八幡「いや……俺なんかが関わらなきゃ今こうしてからかわれることもなかっただろうしな」

川崎「何で……あんたは……いつもそういう……」

川崎「さっきのメールのことも……何で決めつけるの」

八幡「決めつけるというか……合理的な憶測だろ、ただの」

川崎「…………本当は自分の願望も……入ってるくせに」

八幡「俺は一人が好きなだけで人から嫌われたい願望なんてねぇよ」

川崎「……それならあたしと変わらないじゃん」

川崎「例えばさ……あんたはあたしのことどう思ってる」

八幡「なんだよ藪から棒に……川崎はその……一人でいることが多いしブラコンだし口下手だし不器用だが……」



八幡「……でも良い奴だと思ってる」



川崎「あたしもだいたいそんな感じだよ、あんたへの印象」

八幡「!」

川崎「これでもまだ信用できない?あたしの言ってること。あんたが言ったことだよ、殆どは」

八幡「いや、しかし……」

川崎「でも、そうやって自分への想いを否定するから過激化してんじゃないの?あの二人の行動は」

八幡「……それも多分俺の勘違いだろう。今までだってそういうこと何度もあったし……」




川崎「人を勘違いさせるようなこと言った人間の台詞じゃないね」

八幡「………………え?」

川崎「……やっぱり無自覚か……まあ口にした方は得てしてそういうもんだよね」

川崎「……『愛してるぜ、川崎』」

八幡「!!」

川崎「……もちろん冗談だったってことあたしはわかってるつもり……でも」

川崎「自分で言うのも信じられないけど…………少し嬉しかった」

八幡「っ……すまない……」

川崎「全然いいよ……だって『あたしの勘違い』だし」

八幡「本当に済まない、川崎……どう謝ったらいいのか……」

川崎「別に悪いことしてるんじゃなきゃ謝る必要ないよ」

八幡「しかし……」

川崎「あたしが言いたかったのは……そういう勘違いというのはよくある話ってこと」

川崎「あとは……人の想いを自分だけで勝手に決めつけないでってこと。わかった?」

八幡「……ああ」

ちと風呂入る

ごめん、もうちょっと待ってて

八幡「……仮に川崎の気が済んだとしても俺としては……」

川崎「まあ、あんたはそういうこと言いそうだから考えたんだけど……」

川崎「あんたの最初の相談内容と同時に解消するのはどう?」

八幡「……どういう意味だ?」

川崎「あんたは由比ヶ浜と雪ノ下に物理的にも精神的にも追いかけられて困っている。それでいい?」

八幡「……ああ」

川崎「……選択肢は2つあると思う。というか責任の取り方と言った方がいいのか」

八幡「責任の取り方……」

川崎「1つは自分の勘違いを正す、という方法。あんたに取ってもあたしに取ってもね」

八幡「……それは俺があの2人に好かれてないというのを勘違いと認め、俺の告白を川崎が勘違いと認めるってことか」

川崎「そういうこと」

川崎「この方法の場合、あんたは2人の想いを受け止めてあたしとは元通り何もなかったことになる」

川崎「当然、2人の行動が大人しくなるのかは分からない。でも、あんたは精神的に楽になれるんじゃないの?」

八幡「2人も自分を好いてくれる女子がいるなんて俺にとっては天国みたいなもんだしな」

川崎(まあ2人だけかどうかは怪しいとこだけど……)

八幡「……そうするともう1つは勘違いをそのままにするやり方か」

川崎「そう」

川崎「あんたは2人から好かれてないと思い込んだままで、あたしはあんたの告白を本気と思ったまま」

八幡「……責任を取るってそういうことか」

川崎「勘違いしたままのあたしの想いにあんたが答えるの」

八幡「俺がその方法を選んだとして……お前はいいのかよ」

川崎「何が」

八幡「いや、その場合の責任を取るって要は……俺と川崎がつきあうってことになるんだが」

川崎「あたしは別に構わない」


八幡「!」

八幡「いや……なんというか……川崎お前男らしいな!」

川崎「……それ褒めてるつもり?」

八幡「褒めてる褒めてる超褒めてる。そういう風にキッパリ言う人俺は好きだわ」

川崎「!……また……好きとかあんまりすぐ言うもんじゃ……」

八幡「今のは冗談じゃないから安心しろ、川崎」

川崎「!」

川崎「あ、あの……そのつきあうといってもいきなりあまり……その、期待されても困るっていうか」

八幡「仮にそうなったとしてもせいぜい一緒に出かけるくらいが関の山だろうな……」

川崎「あ……あと一応この方法はあの2人を遠ざけるためのもので……」

川崎「だからむしろ距離を置いたままでつきあうことで……『2人も川崎を見習え』的なことを言えば……」

八幡「なるほど…………そうやって遠ざけるという寸法か」

八幡「……いいアイデアだな、これ」

イチャイチャしたいのん

川崎「これが一応あたしの案だけど……あんたどうする?……まあ完全に無視して別の方法というのも……」

八幡「いや、ホントなんか情けない話で済まないが……」

八幡「川崎沙希さん……もし俺なんかでよければ……つきあっていただけませんか?」





川崎「!…………はい」

川崎「自分で提案しておいてこう言うのもアレだけど…………ホントにいいの?」

八幡「……むしろこっちの台詞だ。いいのかよ、俺なんかで」

川崎「あんたには色々助けられたのは事実だし……あたしのことちゃんと見てくれた人も……」

川崎「……それにあんたにとってはあの2人の想いを受け取ってあたしのことなんて無視した方が楽だったんじゃ……」

八幡「それは違うぞ、川崎」

八幡「誤解を避けたいから先に言うが、今さらこんなことをお前にお願いして……」

八幡「お前を2人を遠ざける道具として解釈されても仕方ないのかもしれない」

八幡「でも、川崎にお願いしたのは俺に川崎が好きだという気持があるからだ」

川崎「!」

八幡「……それにちゃんと自分の言ったことの責任は取らないとな」

八幡「今まで散々自分が勘違いして傷ついて……いざ自分が無自覚で言ったことで相手を傷つけるとか……許されないだろ」

八幡「だから……『愛してるぜ』と言ったことの責任を……遅くなって済まないが、取らせてくれ」

八幡「……これが今の俺の気持ちだ」

川崎 ポロポロ

八幡「え?お前泣いて」

川崎「あ、あんたが悪いんだ…ヒック…普段クズのくせに急にカッコイイこと言って……」ポロポロ

川崎「……諦めてたのに……あの言葉は冗談だって…なのに今さらこんな…ウウ」

八幡「と、とりあえず涙拭こう……ほらハンカチ」スッ

川崎 コクリ






八幡「……少しは落ち着いたか?」

川崎「…ん」

川崎「あんたも……何度もこんな目に?」

八幡「え?何度もって……ああ勘違いして玉砕したことか」

八幡「そりゃ恋愛経験豊富な俺レベルになれば枕を濡らした回数も2ケタを超え……」

川崎「……それ恋愛経験というより失恋経験なんじゃ」

八幡「し、失恋も立派な恋愛だ!いいか川崎、俺のこの数々の経験がなければだな……」

川崎「……多分あたしも救われてないね……ありがとう比企谷」

八幡(!……今初めて川崎に名前で呼ばれたような)

八幡「いや、そんな大げさなもんでも……」

川崎「でも、あの2人に好かれてるのも似たような理由なんじゃないの?」

八幡「もう好かれてるのは前提なんだ……」

川崎「ま、あんたが認めないのは勝手にすればいいけど……」

川崎「でもあたしとあんたがつきあってることを伝えればその反応で一発でわかるでしょ」

八幡(うわぁ……なんか嫌な予感しかしない)

八幡「なあ川崎……やっぱりそれって伝えないとマズいかな」

川崎「は?何今さら怖じ気づいてるの……元々そういう作戦だったでしょ」

八幡「で、ですよね……」

八幡(いかん……自業自得とはいえ主導権は川崎に……)

八幡(いや……そんなに心配することもないのか。つきあうといっても距離はあけたままで……)

八幡(その状態を維持することで雪ノ下と由比ヶ浜も遠ざけるんだから)

川崎「……比企谷」

八幡「なんだ」

川崎「その……お互いなかなか時間が取れないかもしれないけど、もし合うときがあれば……」

八幡「……まあ、その時はデートとか、な」

川崎 コクリ

八幡(大丈夫なんだろうか?……これで本当に)

  /⌒ヽ まだー!?

 く/・〝 ⌒ヽ  
  | 3 (∪ ̄]
 く、・〟 (∩ ̄]

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あー良かったなああなたがいて

さがみくんキタ━(゚∀゚)━!!!!!

さがみくんキタ━(゚∀゚)━!!!!!

さがみくんキタ━(゚∀゚)━!!!!!

すいません完全に寝落ちです……2時間以内には再開したい……

川崎「それで……その……あ、明後日の午後、とか……あ、あいてたりしない?」

八幡「次の日曜日か?……まあ、あいてるけど。何で?」

川崎「ハァ?何でって……こ、この話の流れでわ、分からないとかオカシイでしょあんた」

八幡「分からない、……とここでは敢えてそう言うわ」

川崎「何で……」

八幡「ごめん、ちょっと意地悪した。でももうお互い勘違いとかしたくないからさ……」

八幡「それで……どこか行きたいところでもあるのか?」

八幡「こんな早く誘われると思ってなかったから……俺何も考えてないけど」

川崎「ちょっと前から気になってた映画があってさ……ほら、次の日曜はちょうど1日だし」

八幡「ああ、なるほど」

八幡(まあデートで映画は無難なとこだし見てる間は話す必要ないしちょうどいいか)

八幡「わかった……待ち合わせはどうする?」

川崎「2時に××駅の広場……とか?」

八幡「了解」

八幡「しかし……お前本当に俺なんかでいいのか……?」

川崎「……自分から告っといて今さら何言ってんの」

八幡「あ、いや……というよりいきなりデートに誘われたから驚いたというか」

川崎「……何か文句でもあるの」ジロッ

八幡「い、いえ……ないです大丈夫です」

八幡(なんか川崎にこんな積極的に来られるとは……心の準備が)

川崎「……アドレス」

八幡「え?」

川崎「……待ち合わせの時とか……困るかもしれないから」

八幡「あ、そ、そうだな。俺の渡すから川崎打ってくれよ」スッ

川崎「自分のケータイを躊躇なく渡せるって……あんたらしいというか」

八幡「見られて困るようなものもないしな」

川崎「…………本当に?」

八幡「……え?」

八幡(そういって川崎が見せた俺のスマホ画面にはまだ消してない雪ノ下と由比ヶ浜からの長文メールの山が……)

川崎「……あたしは今日事情を知ったから驚かないけど……気をつけなよ」

川崎「……知らない人が見たらビックリすると思うから」

八幡「あ、ああ……気をつけるよ」

川崎(今少しメール読んじゃったけど……)

川崎(この場合、比企谷に同情すべきなのか2人に同情すべきなのか……)

川崎(果たして比企谷があたしと距離を置いてつきあったとして……それで収まるんだろうか)

八幡「川崎」

川崎(このままじゃ……ちょっと2人が可哀想な気も……)

八幡「川崎!」

川崎「え?あ、はい」

八幡「……さっきからそっちのケータイにメール送れてるか訊いてるんだが」

川崎「あ……大丈夫。ちゃんと来てる」

八幡「そうか。……じゃあ今日はそろそろお暇するよ」

川崎「あ……はい」

八幡「何だ?浮かない顔して……俺が帰るのが寂しいのか?」

川崎「ハァ?そんなんじゃないから!」

八幡「悪い悪い……ちょっとからかっただけだ」

川崎「あ、あんまりそういうこと言うと…………勘違いするよ」

八幡「……とりあえず今のは俺が思ったこと言っただけだから勘違いにはならんわ」

川崎「は、恥ずかしいよ……あんたの言ってること」

八幡「そ、そう言われるとなんかこっちまで恥ずかしく感じてきた……」

八幡「な、なんか生まれて初めて彼女ができて……変なテンションになってるのかもしれん」

八幡「ごめんな、川崎……」

川崎「あ、謝る程のことでもないけどさ……」

八幡「……」

川崎「……」

パンツが光る雲を付きぬけた

玄関


八幡「……今まで色々とその……済まなかったな」

川崎「もうそれはいいから……あたしがあんたに助けられた分でチャラってことにしとけばいい」

八幡「ありがとう、川崎」

川崎「その代わり……あたしからはもう逃げないで」

八幡「……わかってる」

川崎(本当はあの2人からも逃げないで欲しいところだけど……今言えることではないか)

川崎「……じゃあまた日曜日に」

八幡「おう、またな」


ガチャッ

     ノ |_   ll__l---||_    
   rj「l__`ー'  ヽlーj  L---┐
   |―┴┴―`ーrュ-‐< ̄.ィj .__jl
   |[][][][][][] i """ _..,,rr=''´ l
   l ̄ ̄ ̄ ̄/7-‐'´     /
f  jL-、 _-‐'      -‐´~~
ヽ |  ̄  _j_ -‐'~´~~

  `ー~´~~~~





比企谷家

小町「もう、お兄ちゃん帰るの遅くなるなら連絡してよ……ご飯冷めちゃってるよ」

八幡「悪い……小町」

小町「お兄ちゃんが小町に連絡するの忘れるなんて珍しいね。ひょっとしてデートとか?」

八幡「……」

小町「え?まさか本当に……いや、最近のお兄ちゃんだと別にあり得ない話でもないか」

八幡「デート、とは呼べんだろう。とりあえず今日は……」

小町「ん?『とりあえず』ということは……今後そういうご予定でもおありですか?」

八幡「……まぁ、な」

八幡(流石我が妹……俺の言葉の隙のつき方を熟知していらっしゃる……)

小町「ふ~ん……で、誰なの誰なの?」

小町「結衣さん?それとも雪乃さん?」




八幡「…………川崎」

小町「……え?」

小町「川崎って……沙希さんのこと?」

八幡「……それ以外に誰がいるんだよ」

小町「そ、そうだよね」

八幡「……どうした小町、鳩が豆鉄砲食らったような顔して」

小町「あ、いやちょっと意外かな~と思っただけ」

小町(最近結衣さんと雪乃さんが随分攻めてたみたいだしてっきりどっちかかと……)

小町「沙希さんか……良い人そうだしまあ小町的にはお兄ちゃんを貰ってくれるならオールOKですよ!」

八幡「何だよそれ……俺を貰ってくれるなら誰でもいいみたいな言い方」

小町「あくまで『小町的に』は誰でもいいよ。でもお兄ちゃん、誤解してもらっちゃ困るかな」

八幡「……どういう意味だよ」

小町「『八幡的に』どうなのかは別問題ってこと」

小町「……もしもお兄ちゃんが雪乃さんと結衣さん以外なら誰でもよくて沙希さんにしたんだったら……」

小町「お兄ちゃんをちょっと、いやかなり、相当見損なうと思うのです」

八幡「!」

 /   , ,ィ ハ i、 、     !   /''⌒ヽ-─‐- 、     、ー'´         \ .イ   , ,ィ ハ i 、 .   |
 /イ  ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 |   ゝ ,、.___,  \  >       ,       !  | ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
  イ /r >r;ヘj=:r‐=r;<ヽ│  「 ./       u \  |  ≧  , ,ィ/ハヽ\   |   |/゙>r;ヘ '-‐ァr;j<`K
  r、H   ┴'rj h ‘┴ }'|ト、  |./        ヽ |  1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 ! .ry   ┴ 〉   └'‐ :|rリ
  !t||u`ー-‐ベ!` ` ー-‐' ルリ r|´゙>n-、ヽ-rj='^vヽ _レ「゙f.:jヽ ーT'f.:j'7`h |t|.   ヾi丶     u レ'
  ヾl.     fニニニヽ  u/‐'  :|r|  ー "j `ー ′ h゙リ {t|!v ̄" }  ` ̄  !リ ヾl u  iニニニヽ   /|
    ト、  ヽ.   ノ u,イl.    ヾ! v  ヾ__ v イ‐' ヾl   ヾ_  v ./'    ト、  、__丿u ,イ ト、
   ,.| : \  `ニ´ / ; ト、    ト.、u L_ フ , ' |.    ト、u ヾー `> /.|.   ,| ::\     / ; / \
-‐''7 {' ::   ` ー '  ,; ゝ:l`ー- ⊥:`ヽ. __ / ,' |    | :\   ̄ /,' ト、_ /〈 ::  ` ー '   ,'/   「
  /  \ ::       , '/  :|     `'''ー- 、 , ' '>-,、.._ノ ::  `ー '   /,.イ   \::     /      |
 /     \    /     |        | ヽ-‐'´ _,.ヘ<  _::   _,. イ/ |     ,.へ、 /´\       |

八幡(流石だな……全く流石過ぎるぜ我が妹よ……もうここまで読んでるとは)

八幡「……あの2人の想いから逃れたいという気持ちがなかったかと訊かれたら、それはNOと答えざるを得ない」

小町「!……それじゃあ沙希さんが……」

八幡「だがそれが理由で彼女とつきあう訳じゃない。いや、これすら全部否定出来ないのが悲しい所だが……」

小町「……」

八幡「……とりあえず川崎は俺のその辺りの事情はもう全て理解している」

八幡「その上で彼女はこう言ったんだ。『責任を取れ』と」

八幡「それは1つは彼女達の想いに応えろ、という意味」

八幡「もう1つは……俺が川崎を勘違いさせた責任を取れ、という意味」

小町「お兄ちゃんが沙希さんを勘違いさせる……?」

八幡「俺もその時は無自覚で……文化祭の時で必死に人を捜していて……」

八幡「その人を捜す手がかりに川崎が役に立って……」

八幡「去り際に『愛してるぜ、川崎』と言ってしまったらしい」

小町(いくらお兄ちゃんとはいえそりゃあかんわ)

八幡「もちろん本気じゃないとわかっていた、と川崎は言った」

八幡「でも、それでも嬉しかった、とも……」

八幡「愕然とした。自分は今まで散々勘違いして玉砕してきたのにそれを無自覚とはいえ他人に……」

八幡「……その彼女の想いを無視するなんてあまりにも虫が良すぎるじゃないか」

八幡「それに嬉しかったと言われた時……正直俺も嬉しいと思った」

八幡「……それに川崎とつきあうのを想像して、それも悪くないんじゃないかと思えたんだ」

八幡「そして…………こんな俺を彼女は受け入れてくれたんだ」

小町「……だいたいのところはわかったよ、お兄ちゃん」

小町(冗談で言った告白の責任を取るとか律義なお兄ちゃんらしいけど……)

小町「ま、そこまで言われちゃあね……小町がとやかく言うつもりはないよ」

八幡「ありがとう、小町」

小町「で・も!」ビシッ

八幡「な、何だよ」

小町「沙希さんのこと……大切にするんだよ」

八幡「……わかってる」

八幡「それと、小町に一つ頼みがあるんだが……」

小町「結衣さんと雪乃さんに沙希さんとのこと黙ってて欲しいってことでしょ?わかってますって」

八幡「……察しが良くて助かる」

小町「まあこういうことは本人が言った方が誤解は起きにくいし……」

小町「でも早めにお兄ちゃん本人が直接言わなきゃダメだよ?そうじゃなきゃ小町、2人に連絡しちゃうから」

八幡「……ああ」

しえ

小町「ふむ……まあ沙希さんとつきあうのはそれで良しとして……」

小町「今度のデートはいつですかな?」ニヤニヤ

八幡「ニヤニヤすんな気持ち悪い、まるで俺がラノベ読んでるときみたいな顔だぞ」

小町「小町を貶してるのか自虐なのかわかりませんな」

八幡「だいたい何で最初の話覚えてんだよ……忘れろよ」

小町「ま、これでも小町、生徒会役員の端くれなもので」

八幡「それなんか関係あるのか……?」

ちょっと飯

小町「いや~……やはり生徒会役員ともなると先生ウケがよく生徒からの人望も厚くないといけませんので……」

八幡「自分で言うな、自分で」

小町「それには人の話をよく聴くというコミュニケーション能力は必須だと思うのですよ」

八幡「まぁ俺が言うのもなんだがお前はコミュ力高いからな」

八幡「俺なんかは先生の話をよく聴いて矛盾を追及した結果よく嫌われたものだが」

小町「お兄ちゃんは他山の石としての性能バツグンなんで感謝してます!」

八幡「全然嬉しくない感謝のされ方だな、オイ……」

小町「……まあ、そんなお兄ちゃんじゃないと出来ないことも沢山あるから結構感謝されてると思うよ~」

八幡「そうですか……」

小町「きっと沙希さんもね。で、いつなの?彼女とのデートは」

八幡「強引に話戻しやがって……明後日映画を見に行く、それだけだ」

小町「あら、意外に早い。まさかお兄ちゃんが……?」

八幡「んな訳ないだろ……向こうからだよ」

小町(意外に沙希さんも攻めるなあ……)

小町「ふ~ん……まあじゃあ日曜の沙希さんとのデート頑張ってね!」

小町「もしお兄ちゃんが泣かせるようなことしたら小町が許さないからね!」

八幡「しねぇから。てか何でそんな話になるんだよ」

小町「だってこのままじゃ少なくとも2人は泣くことになるの確実だし……」

八幡「!…………まあ上手くやるように努めるしかないな」





八幡(その後は雪ノ下と由比ヶ浜から来るメールやら電話やらをあしらいつつ土曜を過ごした。そして……)

                     十
        十       / ̄ ̄ ̄\
    / ̄ ̄ ̄\.   |  比企谷 |          十
    |  雪ノ下  |   | :::::::. |      / ̄ ̄ ̄\
    | :::::::. |   | :::::::. |      | 由比ヶ浜 |.

    | :::::::. |   | :::::::. |      | :::::::. |

    | :::::::. |   |         |      | :::::::. |
    |         |                      | :::::::. |
                                 |         |

日曜日 待ち合わせ場所

13:30

八幡(こういうので後から来るのはなんかカッコ悪い気がするしな……)

八幡(さすがに30分前に来れば川崎もいないだろう……遅刻魔だったし)

八幡(パッと見それらしい格好の人は…………!)

八幡(オイオイマジかよ……いや、でもどう見ても川崎だよな、アレ)

八幡(……待ち合わせ場所に佇んでいたのはパーティードレスっぽい紺のワンピースに黒い上着を羽織った川崎沙希だった)
八幡(結婚式にでも行くつもりなのか、こいつは……)

八幡(……元々大人っぽい雰囲気だったしとても高校生には見えんな)

川崎 クルリ

八幡(ヤバイこっち向いた!)

川崎「!」

八幡「……よ……よう」

川崎「こ……こんにちは」

八幡「待ち合わせって確か2時だよな……来るの早いなお前」

川崎「あんたこそ……あ、あたしは今来たところだから」

八幡「そ……そうか」

川崎「……」

八幡「……」

川崎&八幡「あの」

八幡「……ど、さ、先にどうぞ」

川崎「……へ、変じゃない?」

八幡「…………何がだ」

川崎「あ…………あたしの……服」

八幡「変じゃない」

川崎「!」

八幡「服自体は、な…………」

川崎「……やっぱり着替えてくる」クルッ

八幡「あっ、おい……」

スタスタスタスタ


八幡「ちょっと待てって川崎!そんな靴で急いだら……」


グキッ

川崎(ヤバ!ヒールが地面のタイルに引っかかって……)ヨロッ

ガシッ

八幡「あっぶねー……」

川崎(比企谷の手があたしの肩に……///)

川崎「ご、ごめん」

八幡「!…あ、こちらこそ急に掴んだりして悪い……」パッ

川崎「……」

八幡「……」

八幡「……川崎」

川崎「え、いや……いい。言わなくて。自分でも少し変だと思ってたし」

川崎「も、元々こんなよそ行きの服着る気はなくて……でも下の子達にはデートってバレてて……」

川崎「それでせがまれて仕方なく……」

八幡「よく似合ってるぞ、その服」

川崎「!」

八幡「着替える必要なんてない。……だからこのまま行こうぜ、映画」

川崎「で、でもなんか……周りから浮いてるっていうか……」

八幡「そんなこと気にするなよ。俺なんて存在してるだけで浮いてるぜ?」

川崎「またそういうこと言って……」

八幡「……川崎がTPOわきまえてるって俺がわかれば充分だ。俺は今の姿の川崎とデートしたい。……ダメか?」

川崎「!…………ダメじゃない……けど」

八幡「それに実際問題、映画館なら見てる間は暗くて服なんて見えないしな」

川崎「…………わかった」

八幡「よし、まあ約束の時間よりまだ早いけど……行くか」

川崎 コクリ

テクテク

八幡「?……どうした?」

川崎「あ……あの…………ありがとう」

八幡(!……頬染めた川崎って可愛すぎだろ)

映画館
 
ガヤガヤ
 
八幡「さすがに休みでサービスデーともなると混んでるな」

川崎「……そうだね」

八幡「え~と、お前が見たいって言ってたのってあれで良かったっけ?」

川崎「……そう」

八幡「じゃあチケット買ってくるからその辺りで適当に座ってるなりして待っててくれよ」

川崎「わかった」

チケットカウンター前

八幡(CMとか予告とかを見る限りは恋愛もの?のようだが)

八幡(川崎がラブストーリーをねぇ……そもそも映画を見るイメージ自体がないから意外も何もないが)

八幡(……ってよく見たらダメじゃんこれ。川崎も一緒に並んでもらわないと)

八幡(川崎は……あそこか!)テマネキ

八幡(……全然違う方を見ていて気づいていない)

八幡(ズルするのもアレだし……並び直すか……時間に余裕はあるから)

テクテク

八幡「川崎」

川崎「……チケット買ってもらえた?」

八幡「いや、俺も確認不足だったんだが……あの映画R-15指定だから本人確認必要だよ」

川崎「え?そうなの……あたしが見たいって言ったのに……ごめんなさい」

八幡「……まあ時間は余裕あるから気にするなよ」

川崎「う、うん……」

その後、チケットを買って俺は川崎に飲み物でも買おうかと勧めたが、高いといわれて断られた

あまり無理に勧めてもかえって気を遣わせることになるので結局何も買わずに入場した

とまあ……そこまでは問題なかったんだが……




約2時間後……


喫茶店


ウェイトレス「……ご注文はお決まりですか?」

八幡「あ、え~と……」

八幡(メニューで隠してるから川崎の顔が見えない……)

八幡「……とりあえずコーヒーでいいか?」

川崎 コクコク

八幡(頭が縦に揺れたから肯定、か……)

八幡「コーヒー2つで……お願いします」

ウェイトレス「かしこまりました~」

テクテク

八幡(さて、どうしたものかな……?)

エロシーン有りの映画ミタ━(゚∀゚)━!!!!!

川崎が顔を隠しているのは……先程まで泣いてたからであって何故そんなことになったのかというと……

まあ一種の予告詐欺にやられた、一言でいえばそういうことである

映画の内容をよく調べなかった自分にも非はあるとは思うが、どのみち詳しくは調べなかっただろう

厄介なことにネタバレすると面白さが半減するタイプの映画でもあったんだな、これが

ミステリーの気色もある映画だったからあまり調べると犯人が……てなことになる

一応ラブストーリーではあるのだが純愛というよりドロドロの修羅場であった

そしてR-15指定だったのはエロシーン云々というよりは赤い液体が飛び散るとか肉体の一部が……とかそういう理由

川崎はそういうものが苦手であることは修学旅行の時の体験でなんとなく予想はつく

「マズい、これ映画の選択ミスったかな?」と思った時には俺の手はガッチリと握られていた

おかげでまだ手に痕が残っている

しかし何も俺は彼女が小声で呻いてるのを聞いてそのままにした鬼畜ではないと弁明したい

俺は彼女に何度も「出ようか?」と声をかけたが「お金が勿体ないからいい」と拒否された

何もお金払ってSAN値削らんでもいいのに、と思ったが

そんなこんなでこの有り様である。因みに映画そのものは面白かった、と付け加えておく

彼女が結局最後まで見てしまったのもおそらくはそういう理由だろう

俺個人としてはそんなに悪い体験をしたとは思わない

しかし彼女の立場からすればとてもじゃないがそう言うわけにもいかないだろう



八幡「……少しは落ち着いたか?」

川崎 コクリ

八幡(相変わらず顔が見えん……)

・・・

ウェイトレス「コーヒーをお持ちしました。ご注文の品は以上でよろしかったですか?」

八幡「はい」

ウェイトレス「ではごゆっくりどうぞ~」

・・・

八幡「……」

川崎「……」

八幡「……」

川崎「…………ごめん」

八幡「!……いや、何も悪いことしてないんだから謝る必要ないぞ」

川崎「……でも」

八幡「わかっているとは思うが……川崎が言ったことだからな、今の言葉は」

川崎「…………迷惑をかけてしまったから」

八幡「……少なくとも俺はそうは思ってないから安心しろ」

川崎「……泣いて手握ったり抱きついたりしても?」

八幡「アホかお前……好きな奴に手握られたり抱きつかれたりして迷惑な奴がどこにいるんだよ」

川崎「……時と状況によるでしょ」

八幡「確かにそれはあるかもな」

川崎「だったら……」

八幡「ああもう、わかった。アレだ、こういうのはお互い様なんだよ」

八幡「だから今度は俺がお前に迷惑かける番だ……覚悟してろよ!」

川崎「フフッ……やっぱあんた変だよ」

八幡(やっと笑ってくれた……)

八幡「そろそろそのメニュー……上げてくれないか?」

川崎「それは嫌」

八幡「……どうして」

川崎「……多分あたしの顔、今酷いから」

八幡「川崎……お前俺にケンカ売ってるのか」

川崎「え……?」オロオロ

八幡「俺なんて泣いてもいないのに『目が死んでる』だの『目が腐ってる』だの言われてきたんだぞ」

八幡「今の川崎が顔隠さなきゃならないなら俺は常時ガスマスク生活を強いられるぞ、マジで」

川崎「なんなの……その自虐なのかフォローなのかよくわからないものの言い方……」

川崎「あんたに文句言わせるとめんどくさすぎるから……はい」スッ

八幡(メニュー下げた……これでやっと川崎の顔を……)

川崎「へ……変じゃない……?」

八幡「少し腫れてるくらいで……うん、この程度なら全然気にならないって」

川崎「そ、そう……」

八幡「……化粧は映画見た後で直したのか?」

川崎「ま、まあ……」

八幡「……気にし過ぎだって。大丈夫だから」

川崎「……気にするよ」

八幡「え?」

川崎「好きな人の前なら……出来ればキレイでいたいし良いところを見せたい」

川崎「その程度のことなら……男のあんたにも……分かるでしょ?」

八幡「……今の俺にはあまりよくわからないな」

川崎「……何故」

八幡「多分昔の自分だったらわかっただろうし自分もそういうことをしていたと思う」

八幡「でも……全部ダメだったから……そういうこと考えるのはやめた」

川崎「……」

川崎「あんたと話してると……なんか自分がすごく小さなことで悩んでる気がしてくる」

八幡「悩みって主観的なものだから別に他人と比べる必要はないと思うけどな」

八幡「ただ……それでお前の気が楽になるっていうなら、いくらでも話してやるよ。数々の俺のトラウマをな!」

川崎「そんなことを自慢気に言うなんてやっぱりどうかしてる…………でも、ありがとう」

八幡「どういたしまして」

ちょっと中断……8時までには再開したい

ほしほし

さがみくんキタ━(゚∀゚)━!!!!!

今読み直し中

八幡「あとはまあ……その、なんだ?今日は初めてのデートってことで……」

八幡「お前の立場としてはもう少し上手くやれたんじゃないかと思ってるのかもしれない」

八幡「服とか映画のチョイスとか……」

川崎「そ……それはもう言わないで」

八幡「もしそういうことで俺の川崎への印象が悪くなるんじゃないか、とか心配してるんなら……」

八幡「そんな心配はいらないからな。そんなことは些細なことだ」

川崎「!」

八幡「今まで散々些細なことで嫌われてきたこの俺が言うんだから、まず間違いないぞ」

佐天「完結しててもつまんない奴も多いんだね……」

初春「本文がよくても、後書きや合いの手で興醒めするのもですね」

初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねえ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

佐天「初春?」

川崎「ホントにあんたって……全然自分を良く見せようとか思わないんだね」

八幡「……だからさっきからそう言ってるだろ」

川崎「……ただ、それはそれで良いところだと思う、比企谷の」

八幡「……それはどうも」

川崎「……でも、わざと嫌われるようなことするのはどうして?」

八幡「!」

八幡「いや、それは……下手に好かれたりすると一人の時間がなくなるから……」

川崎「……」

八幡「……」

八幡「……い、色々と事情があったんだよ!個人的な事情が」

川崎「あたしは知りたいけど……その事情とやらを」

八幡「……人には触れられたくない領域っていうものがあるだろ?」

川崎「あたしも一人でいるのが好きな方だから……あんたの言う領域の話はよくわかる」

川崎「でもさ……先にそういう領域に触れてきたのは何処の誰だった?」

八幡「!」

八幡(それを言われてしまったら……もう降参するしかないか)

八幡「……わかったよ。その代わり誰にも言うなよ?」

川崎「あたしもそういうこと話す相手がいないって……」

八幡「……家族もダメだぞ」

川崎(チッ……釘を刺されたか)

川崎「誰にも言わないって約束するから」

八幡「あと先に言っておくが……俺は事実を述べるだけだからな?」

八幡「けっしてその……お前の俺に対する印象を操作しようとかそんなんじゃ……」

川崎「御託はいいからさっさと話しなよ」

八幡「はい……」






八幡「……と、まあ俺の事情はこんな感じだ」

川崎「……」

八幡「……」

川崎「……」

八幡「な、何か言ってくれよ川崎……」

川崎「とりあえず……ここを出てから話す。随分長居しちゃったし……」

八幡「……それもそうだな」

再び待ち合わせ場所

川崎「……」

八幡(あの後川崎に促されてここまで戻ってきたけど……)

八幡(どうするつもりなのか……何も喋らないし)

八幡「あの……川崎?」

川崎「ちょっとこっち来て」ガシッ

八幡「いててて!急に腕掴むなよ」

八幡(なんだ?広場の端の木の傍に連れてきて……)

そうして木の影で俺を向かい合わせると、彼女は大きく深呼吸をした









――――――――

そして俺は骨が折れるかと思うくらい力いっぱい川崎沙希に抱き締められた

さがみくんキタ━(゚∀゚)━!!!!!

八幡(く、苦しいし胸はあたってるし良い匂いはするし気が変になりそうだ……)

川崎「……」

八幡「お、おい川崎……」

川崎「今は黙ってて」

八幡「は、はい……」

川崎「……」

八幡「……」

川崎「……あんたって本当に……バカ、でしょ……」

八幡「失礼な!これでも一応国語は」

川崎「茶化さない」

八幡「はい……」

川崎「……もし、さっきのこと……話すこと自体が苦痛だったのなら……ごめん」

八幡「いや……それはない、と思うが」

川崎「そう……」

八幡「それよりそろそろ、その……」

川崎「ダメ」

八幡「こ、このままだと……苦しい、ので」

川崎「あなたの今までの心よりも?」

八幡「!……(とりあえず今は諦めるか……)」

川崎「沈黙はあたしの主張に同意したと捉えるけど……いい?」

八幡「……こんなことまでされて否定できるほど俺の心は強くはない…………と今わかったよ」

川崎「……その言葉を聴けただけでもあたしは嬉しいよ」

八幡「……」

川崎「もう……強がらなくてもいいから」

川崎「もっと……あたしに甘えてもいいから」

八幡「なんか……自分が情けない」

八幡「お前には俺に嫌われるのを怖がる必要ない、と言っておいて……」

八幡「お前には俺に迷惑かけることを気にしなくていい、と言っておいて……」

八幡「自分が一番……川崎沙希に嫌われるのを怖れていたなんて」

川崎「……お互い様、だよ」

八幡「…………もう少し、このままでいても……いいか?」

川崎「!……もちろん」





広場のベンチにて


川崎「……少しは落ち着いたか?」

八幡「何それ、俺の真似?べ、別に俺は泣いてたわけじゃないし」

川崎「フフッ」

八幡「何だよ……」

川崎「少しは調子が戻ったみたいだから」

八幡「そうですか……」

川崎「ところで……」

八幡「?」

川崎「今までの奉仕部のことは……終わったことだから仕方ないけど……」

川崎「……これからもそうするつもりなの」

八幡「……さあな」

川崎「……そういうと思った」

俺ガイルは
メインヒロイン 比企谷八幡
サブヒロイン 戸塚彩加だからな

川崎「あたしがやめろって言ったところで……やめるとも思えないし」

八幡「……別に俺もやりたくてやってるわけじゃないからな」

川崎「だからせめて……あたしはやめて欲しいと思っていることを伝えておく」

八幡「……そうかい」

川崎「そして奉仕部の他の2人の部員も同じ考えを持っているであろうことも……」

八幡「……」

川崎「まあ、あの2人についてはあたしが直接どうこうすることはできない」

川崎「だから……今後もし同じようなことが起こった時は……」

八幡「……甘えさせてもらうことがあるかもしれません」

川崎「うん」

川崎「……別にそんなことが起きなくても甘えてくれていいけどね」

八幡「……ありがとう、川崎」

ほしほ

川崎「あたしの方こそ……ありがとう」

川崎「今日は……色々とフォロー?してくれて」

八幡「何で疑問形……」

川崎「比企谷のフォローは半分以上があんたの自虐ネタだから」

八幡「否定できんな、それは」

川崎「別にその程度ならまだいいけど……もっと大切にしてよ、自分を」

川崎「あたしが大切に思っている……比企谷八幡のことを」

八幡「……できる範囲でな」

八幡「お前の方こそ……あまり一人で抱え込むなよ」

川崎「また……そういうこともあるかも」

八幡「え?」

川崎「でも、その時は……また助けてくれるんでしょ?」

八幡「おいおい、あんまり期待し過ぎんなよ?」

川崎「じゃあそこそこに期待しとく」

八幡「ああ、そこそこくらいでな」

八幡「……ところで最初の約束、覚えてるよな」

川崎「約束?」

八幡「ほら、俺とお前が適当に距離を置きつつつきあうことであの2人を遠ざけるっていう策のことだよ」

川崎「ああ、それか」

八幡「……なんか不安になってきたんだけど」

川崎「とりあえずあたしは最初の手筈通りのことを言えばそれでいい?」

八幡「とりあえずは、な」

八幡「ん?待てよ、そうなると……お前明日授業終わった後時間あるか?」

川崎「明日は大丈夫かな」

八幡「じゃあ明日の放課後に……少し遅めでいいから奉仕部の部室に来てくれないか?」

川崎「わかった」

八幡「じゃあそういうことで……よろしく頼む」

川崎 コクリ

八幡「こういうことを俺が言うのも変と思われるかもしれないが……」

川崎「?」

八幡「もうそろそろ帰る時間なのに……お前と別れるのが惜しい」

八幡「散々一人の時間が好きとか言っててこのザマだ」

川崎「大丈夫。あたしもちょうど同じこと考えてたから」

八幡「川崎……」

川崎「まあ、そんなこと言ってもキリないし……」

川崎「あと10分だけ……このままベンチに一緒に座ってるってことで……いい?」

八幡「そうだな」

川崎「ねぇ」

八幡「なんだ?」

川崎「手……握ってもらっても……」

八幡「いいよ」スッ

イチャさき

川崎「映画見てた時……あんたの手、握った後は……ちょっと安心できたんだ」

八幡「……そうか」

川崎「……」

八幡「握りたくなったら……いつでも言っていいからな」

川崎「……いつでも?」

八幡「ごめん、訂正するわ……時と状況が許す限りな」

川崎「うん……」






八幡「じゃあそろそろ……今日はこの辺で」

川崎「うん……今日は色々あったけど……比企谷とデートできて……すごく良かった」

八幡「俺も……今滅茶苦茶幸せな気分だ」

川崎「まだなんか惜しいけど……あ、明日も会えるから」

八幡「そうだな」

川崎「じゃあ……また明日」

八幡「また明日な」



月曜日の放課後


奉仕部 部室

ガラッ

八幡「うっす」

雪乃「こんにちは、比企谷君」

結衣「ヒッキーやっはろー!」

八幡「おう」

八幡(ふぅ……とりあえず放課後までは何事もなく済んだ)

八幡(俺と川崎がつきあってることもまだ誰にも知られていないみたいだし……)

八幡(これで全員揃ったし……もう少ししたら川崎をここへ呼ぼう)

八幡(正直なところあまり伝えたい話じゃないが……)

八幡(しかしこのままにしておくわけにもいかない)

八幡(それに時間が過ぎれば小町がバラすから今日言う以外の選択肢はもうないんだ……)






ガラッ



「!?」

平塚「やあやあ諸君、今日も元気にしてるかね?」

雪乃「先生、ノックを」

平塚「ああ、すまんすまん」

結衣「先生、今日は何か用事が?」

平塚「ああ、そのことなんだが……入りたまえ」

「……こんにちは」

平塚「紹介しよう。奉仕部の新たな部員……川崎沙希君だ」
八幡「」

雪乃「!」

結衣「!?」

kwsk

雪乃「先生……これはどういうことか説明してください!」

平塚「説明しろと言われてもなあ……入部希望者がいて特に問題がないから入れただけのことだよ」

雪乃「で、でも私が部長で先に私に何も……」

平塚「……比企谷の時も私は事前に何も説明しなかっただろう」

雪乃「それはそうかもしれませんが……」

平塚「それとも何かね?彼女が入ることで何か不都合でも?」

雪乃「それは……」チラッ

結衣(今ここであたしを頼られても困る……)

八幡(おいおい、俺も川崎から何も聞いてないんだが……)

八幡(やっぱ昨日奉仕部のこと話したのがマズかったか……)

八幡(肝心の本人は澄まし顔だし……)

平塚「諸君が納得いかないのならもう少し詳しく事情を話してやろう」

平塚「雪ノ下、私が君に依頼した案件は覚えているかね?」

雪乃「当然です!何せその案件自体が今そこに存在しているのですから」

結衣「案件自体が存在するってどういうことですか?」

平塚「ふむ……まず比企谷をこの部に強制入部させたのは私なんだが……」

平塚「まあ理由は作文に『リア充爆発しろ』などと書いたからで……」

結衣「う、うわあ……ヒッキーらしいというかなんというか」

平塚「私は彼を入部させた上で雪ノ下に奉仕部として依頼した」

平塚「『彼の腐った根性を叩き直し、孤独体質を更正してほしい』と」

平塚「つまりだ……比企谷という存在自体が依頼の行使中を意味するということになるわけだ」

結衣「な、なるほど……」

平塚「それでどうなんだ?依頼は完遂できたのかね」

雪乃「い、いえ……それは……まだ」

平塚「そこで川崎君という助っ人の登場となるわけだよ」

雪乃「……だいたいの事情はわかりました。彼女を部員として受け入れることにします」

平塚「理解が早くて助かる」

平塚「比企谷と由比ヶ浜は?」

八幡「いや、元々俺に拒否権ないし……」

結衣「ゆ、ゆきのんのがいいならあたしは……」

平塚「よし!他の部員の了解も出たことだし君も晴れて奉仕部員の一員だ!」

川崎「ど、どうも……」

サキサキタ━(゚∀゚)━!!!!!

平塚「では後は若人同士で上手くやってくれたまえ」

スタスタ

八幡「え?あ、ちょっと先生……」

ガラッ

八幡(行っちまったよ……)

雪乃「……」

結衣「……」

川崎「……」

八幡(なんなのこの空気)

八幡「(おい川崎……)」ミミウチ

川崎「(何?)」

八幡「(一体どういうつもりだよ……入部するとまでは聞いてないぞ)」

川崎「(こうした方が多分都合がいいから)」

八幡「(どう都合がいいんだよ……)」

川崎「(もう少ししたらわかる)」

http://i.imgur.com/OoMVgI3.jpg

八幡「(じゃあそれは待つとして……先生には俺と川崎の関係について話したのか?)」

川崎「(それは話してないから安心して)」
八幡「(そ、そうか)」

雪乃「比企谷君、川崎さんと内緒話なんてして随分と楽しそうね」

雪乃「私には理解できないような高尚な話でもしているのかしら」

八幡「大した話じゃねぇよ」

嫉妬のん

八幡「内緒話というよりはその……打ち合わせみたいなものだ」

八幡「今からそれを披露するからよく聴くんだぞ、雪ノ下も由比ヶ浜も」

結衣(ヒッキー改まって何喋るんだろう……)






八幡「え~このたび私比企谷八幡は…………川崎沙希さんとおつきあいをさせて頂くことになりました」


雪乃「」

結衣「」

俺「」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「今、何か私は悪い夢を見ているんだわ」

結衣「だ、だよねー!ヒッキーがあたし以外の人とつきあうとかありえないし!」

八幡「……」

川崎「……」

雪乃「いくら比企谷君とはいえこんなタチの悪い冗談はやめなさい」

八幡「……」

結衣「ウ……ウソって言ってよヒッキー……」

八幡「……ウソじゃないんだ。ごめんな」

結衣「そ、そんな……」

雪乃「……私の何が不満なの?」

八幡「最近の雪ノ下と由比ヶ浜は……ちょっとやり過ぎだったんだよ」

八幡「いつも近すぎで……俺は……疲れてたんだ」

川崎「……」

ゆきのんもう告ってるんですが

八幡「それと……俺は自分の言ったことに対して責任を取らなければならなかったんだ」

八幡「冗談とはいえ……告白まがいのことを川崎にしてしまった」

八幡「それで川崎に期待させて……それで傷つけることは俺が許さなかった」

八幡「だから……俺は川崎とつきあうことにした」

八幡「……それに彼女なら、俺と適切な距離を取ってくれる」

八幡「だから……もし俺とそういうことを望むなら……彼女を見習ってくれ」

川崎(とうとうその言葉を言ったか……)

雪乃「ごめんなさい……ごめんなさい……」シクシク

結衣「も、もうこれからはこんなことしないから……だからヒッキー……うぅ」ポロポロ

川崎(雪ノ下と由比ヶ浜はここまで比企谷のことを……)

川崎(一体彼女たちとあたしで何が違うというんだ……)

川崎(彼女たちは彼が離れていってしまうから近づいただけなのに……)

川崎(彼がここまで変わったのは奉仕部に入ったからなのに……)

川崎(これじゃあまるであたしは彼女らを利用して……)

自分も風呂入る

彩ちゃんの分も

八幡「……」

川崎(何も比企谷もこんな展開を望んでいたわけじゃないだろうに……)

川崎(昨日彼から奉仕部の話を聴いてからある程度覚悟はしていた……)

川崎(彼女らが惚れないわけがない、と)

川崎(あたしに惜しい気持ちがないかといえばウソになるが……またやり直せばいいだけの話)

川崎「比企谷、あんたはさっきあたしのことを見習うように言った。間違いない?」

八幡「え?……ああ」

川崎「比企谷、ちょっと訊きたいんだけど……あんたは雪ノ下と由比ヶ浜のことが嫌いなのか?」

八幡「……いや、嫌いじゃない」

川崎「じゃあ好きか嫌いかで答えたら……?」

八幡「…………好きだ」

雪乃「!」

結衣「!」

川崎(これだけ訊ければ充分だ、後は……)

川崎「次は雪ノ下と由比ヶ浜に訊きたい」

川崎「あんたたちがちょっと過激な行動に出てしまったのは彼が近づくと離れていく性格だから。それでいい?」

雪乃「……そういう理解で構わないわ」

結衣「あ、あたしも……」

川崎「じゃあもしも彼の方から近づいてきてくれるなら……?」

雪乃「……こんなことしないわ」

結衣「それに……ヒッキーに嫌われるなら意味ないし……」

川崎(よし……ここまではあたしの思惑通り……後は……)

川崎「比企谷……あたしはあんたのことが好きだ……でも」





川崎「……一度あたしと別れよう」

八幡「!?」

雪乃「!」

結衣「!」

あたしは都合のいい女じゃないいいいぃぃぃ!!!!

八幡「え?お前何言って……」

川崎「別にあたしの気持ちが変わるわけじゃない……そして今あたしは奉仕部の部員だ」

川崎「…………だから、こうする」






チュッ


八幡「!!?」

雪乃「!?」

結衣「!?」

八幡「お、お前までお……おかしくなっちまったのか?」

川崎「違う。雪ノ下さん、由比ヶ浜さんは…………あたしを見習えばいい」

雪乃「!……なるほど、そういうこと」

結衣「ど、どういうこと?」

もうちょっとで終れそうなんだが……眠すぎなんで寝

佐天「完結しててもつまんない奴も多いんだね……」

初春「本文がよくても、後書きや合いの手で興醒めするのもですね」

初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねえ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

佐天「初春?」

初春「結果として面白くないのは許せます。許せるだけで面白くはないんですが」

初春「パクリ二匹目のドジョウ百番煎じは許せませんね。書いてて恥ずかしくないんですか?」

初春「ドヤ顔してる暇があればとっとと首吊って死ねよ」

初春「まあ、一番の害悪はそういったSSを持ち上げてる人たちなんですが」

初春「そうネットに書いてありました」

佐天「なんだネットか」

佐天「つーかなんでまだあるのこのスレ」

1時間以内には再開したい

雪乃「川崎さん……多分あなたの意図はだいたい理解できたと思う。差し支えなければ私が説明してもいいかしら」

川崎「どうぞ」

雪乃「ただ、もし間違っていたら遠慮なく指摘してちょうだい」

川崎「わかった」

八幡(川崎のやろうとしてることってまさか……)

八幡(でも止めるのにはもう手遅れだ……さっき言質を取られてしまっている)

     ノ |_   ll__l---||_    
   rj「l__`ー'  ヽlーj  L---┐
   |―┴┴―`ーrュ-‐< ̄.ィj .__jl
   |[][][][][][] i """ _..,,rr=''´ l
   l ̄ ̄ ̄ ̄/7-‐'´     /
f  jL-、 _-‐'      -‐´~~
ヽ |  ̄  _j_ -‐'~´~~

  `ー~´~~~~

雪乃「……最近の私と由比ヶ浜さんの行動によって比企谷君は疲弊していた」

八幡「自覚あったのかよ……」

結衣「だってヒッキーは待っててもこっちに来てくれないじゃん」

八幡「そう言われると何も言えん……」

雪乃「そこで彼はどうにかして状況を打開するために川崎さんを頼った。それでいい?」

川崎「いいよ」

雪乃「おそらく最初は逃げ場所を確保したかっただけなのかもしれない」

雪乃「しかし例によって彼は以前に彼女のことを助けていた」

雪乃「だから川崎さんが比企谷君に好感を持っていたとしてもなんら不思議ではない」

雪乃「ただよくわからないのは……比企谷君の告白まがいの行為ってどういうことなのか」

結衣「あ!それはあたしも気になってた……」

川崎「これは比企谷が説明するべきだよ」

八幡「やっぱりそうなるのか……」

八幡「最初に雪ノ下と由比ヶ浜に断っておくが……この時は本気で言ったわけじゃなかった」

八幡「ただ、後から思えば冗談にしてはタチが悪く俺に言い訳の余地はなかった……」

八幡「文化祭でちょうど相模を捜していた時、最終的な居場所の決定打になる情報を川崎が教えてくれた」

八幡「その情報を聞いて俺はもうそこに間違いないと思って……変なテンションだったんだと思う」

八幡「それで去り際に……『愛してるぜ川崎』と……」

雪乃「……」

結衣「……」

八幡「……俺が言うのもオカシイが……勘違いされてもしょうがない言い方だった」

八幡(な……何か喋ってくれ……雪ノ下……由比ヶ浜……)

雪乃「……比企谷君」

八幡「!……は、はい!」

雪乃「確かにあなたは川崎さんに結果的とはいえ酷いことをしたと思う」

八幡「……全く弁解の余地もない」

雪乃「でも……それについて怒るべきなのはあくまで彼女自身であって……私にはその権利はないと思うわ」

八幡「!」

雪乃「元々相模さんを捜索させたのは私であって……あの一件で私も助けられた」

雪乃「それに……勘違いさせたことに関して冗談から本当の告白にするというやり方……筋自体は通っている」

雪乃「だから……私は今回のことについて責めるつもりはない」

川崎「……由比ヶ浜はどう思う?」

結衣「あたしは……ヒッキーと沙希がつきあう、つきあってたこと気持ち的には全然納得してない、けど」

結衣「でも……とりあえずそうなった事情は……まあ……わかったかも」

結衣「だから……ヒッキーのことは許してあげる」

八幡「そりゃどうも……というか由比ヶ浜に許されないといけない立場なんですか、俺は……」

雪乃「それはもちろんそうに決まっているでしょう」

川崎「……あたしもそう思う」

八幡「か、川崎まで……」

結衣「……でも、許してあげる代わりにあたしにも言ってみてよ、その『冗談』を」

八幡「…………はい?」

 /   , ,ィ ハ i、 、     !   /''⌒ヽ-─‐- 、     、ー'´         \ .イ   , ,ィ ハ i 、 .   |
 /イ  ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 |   ゝ ,、.___,  \  >       ,       !  | ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
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  r、H   ┴'rj h ‘┴ }'|ト、  |./        ヽ |  1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 ! .ry   ┴ 〉   └'‐ :|rリ
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  ヾl.     fニニニヽ  u/‐'  :|r|  ー "j `ー ′ h゙リ {t|!v ̄" }  ` ̄  !リ ヾl u  iニニニヽ   /|
    ト、  ヽ.   ノ u,イl.    ヾ! v  ヾ__ v イ‐' ヾl   ヾ_  v ./'    ト、  、__丿u ,イ ト、
   ,.| : \  `ニ´ / ; ト、    ト.、u L_ フ , ' |.    ト、u ヾー `> /.|.   ,| ::\     / ; / \
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八幡「そ、それはどういう……」

雪乃「相変わらず察しが悪いのね……比企谷君は。わざとかもしれないけれど」

結衣「ヒッキーはただあたしに『愛してるぜ結衣』って言えばいいんだよ」

結衣「大丈夫。先に冗談って言ってるから勘違いすることはないし、それで許してあげるから」

八幡「ち、ちなみに許されなかった場合は……?」

結衣「今までみたいなメール攻撃、とか?」

八幡「わかった…………言うから、言うから許してくれ……」

八幡「というか……川崎や雪ノ下は……いいのかよ……俺がこんなことして……」

川崎「あたしは、別に」

雪乃「私はあなたがこれからすることを……良しとはしないわ」

八幡「お、おい!由比ヶ浜……雪ノ下はああ言って」

雪ノ下「その代わり、私に対しても同じことをしてくれたら……相殺してあげる」

八幡「」

八幡「……わ、わかった、わかったから……ああもう!」

八幡「……由比ヶ浜。席立ってちょっとこっち来い」

結衣「うん!」

ガタッ

八幡「念のため言っておくが……今から言うことは冗談だからな?」

結衣「もちろんわかってるよ~」

八幡(じゃあ何でもう頬染めてんだよお前は……)

八幡(そんな顔されたら本気で告白したくなっちまうだろうが……)

結衣(冗談って言ってるのにこんなに赤くなって可愛いなあ、ヒッキーは……)

八幡「……」

結衣「……」

八幡「……あ、愛してるぞ、結衣」

結衣「うん……あたしもヒッキーのこと愛してるよ」

八幡「……そこ、答えるところじゃないから……」

結衣「別にいいでしょ?ヒッキーと違ってこっちは本気なんだから」

八幡「」

八幡「すまん由比ヶ浜……俺の方は冗談でしか言えなくて……」

結衣「ううん、いいよ……それはわかってたから」

結衣「だから……これからはちょっとでいいからさ……ヒッキーの方から近づいて?」

八幡「……ああ」

雪乃「……じゃあ次は私の番ね」

八幡(またこれやんのかよ……も、もう精神がががが)

パンツ脱いだまま1日がたったのですが…

八幡「じゃあ今度は雪ノ下が俺の前に来て……」

ガタッ

雪乃「……お願いします」

八幡(何かの稽古かなにかか、これは……)

八幡「あ、もう一度念を押しておくが俺が今から言うことは冗談だからな」

雪乃「理解しているわ」

八幡「あ、あとその……答えなくていいからな、ウソの告白に対して」

雪乃「……ええ」

八幡「……」

雪乃「……」

八幡「……愛してるよ、雪乃」

雪乃「……私は比企谷君のことを愛しています」

八幡「だっかっら!答えなくていいって……言っただろ……」

雪乃「答えてなんかいないわ。これはただの独り言よ」

八幡「……ああ、そういう寸法ですか……」

雪乃「さて……これでウソ告白の禊も済んだことだし話を元に戻しましょうか」

八幡「あの……浄めるどころか意図的に汚されている気がするんですが……」

雪乃「過程はともあれ晴れて比企谷君と川崎さんはつきあうことになった」

雪乃「しかしあなたは気づいてしまった。比企谷君が別に2人のことを嫌っている訳ではないことに」

雪乃「そしておそらく彼女らが彼を好いている理由も……それこそ比企谷君から直接聴いた可能性もあるけれど」

川崎「多少順番が前後してるけど……だいたいそんな感じ」

雪乃「気づいてしまったあなたは自問自答した……自分に近づけるようになったきっかけは彼女らなのに……」

雪乃「それなのに彼女らを犠牲にして今自分とつきあっている、と」

雪乃「元を正せば彼女らが近づきすぎるのは彼が逃げるから……」

雪乃「だから、彼が逃げないようになればおそらくあの2人の行動も落ち着く、と」

雪乃「そして、今の彼ならおそらくそれが可能だとあなたは思った」

雪乃「何故なら今、比企谷君は自分と恋人としてつきあえているのだから」

川崎「そう。一度比企谷があたしと恋人になれるまで近づいたからこそ……」

川崎「雪ノ下や由比ヶ浜にも近づけるようになれると思ったんだ」

雪乃「その上でのあなたの奉仕部への入部。目的は当然……」

結衣「ヒッキーの孤独体質の更正、か……」

川崎「ただ、それでもまだ足りないと思った。比企谷が逃げないようにするには」

川崎「一番良い方法は何?それは本人にその意志があると言わせること」

川崎「だからあたしはちょっと意地悪をして、言質をとることにした。それが……」

雪乃「『お前らも川崎を見習ってくれ』」

八幡(ああ……やっぱりそういうことか……)

雪乃「元々の比企谷君の目論見では私たち2人と距離を取るためにこの言葉を発した」

雪乃「つまり、近づきすぎない川崎を見習え、という意味で」

雪乃「けれど、今度は逆に川崎さんが比企谷君が2人から逃げないように仕向けるため、この言葉を言わせた」





雪乃「つまり……キスしてしまうくらい近づく川崎を見習え、という意味で」

結衣「!」

八幡「……」

結衣「ねぇ、ヒッキー……」

八幡「な、なんでしょうか」

結衣「……つまり、そういうことでいいんだよね?」

八幡「何がどういうことでいいんでしょうか……」

雪乃「いい加減諦めなさい、比企谷君」

雪乃「あなたは自分の言ったことの責任はきちんと取る人だと思ったけど?川崎さんへの告白の時のように」

八幡「……」

川崎「比企谷」

八幡「……何だよ」

川崎「あんたは雪ノ下のことも由比ヶ浜のことも好きなんでしょ?」

八幡「!……好きか嫌いかでいえば、な」

川崎「そして向こうもあんたのことを好いてくれてるんだ。何も問題ないと思わない?」

八幡「…………お前はいいのかよ、それで」

川崎「元々あたしがあんたとつきあえたのは漁夫の利みたいなものだったしね……」

川崎「多分このままつきあっていたとしても……上手くいかなかったと思う」

川崎「でも、これでやっと同じ土俵に上がれたんだ」

川崎「これからは……あんたがあたしだけを見てくれるように……頑張るだけ」

八幡「そ、そうか……」

結衣「あたしもヒッキーに振り向いてもらえるように……頑張るから!」

八幡「お、おう」

雪乃「私も川崎さんや由比ヶ浜さんと同じ気持ちよ」

八幡「……わかったよ」

八幡「俺が自分で蒔いた種だしな……ちゃんと自分で刈り取ることにする」

八幡「だから、これからは……俺の方から雪ノ下や由比ヶ浜に近づけるように努力する」

雪乃&結衣「!」

結衣「ゆきのん……ヒッキーが……ヒッキーがやっと……」ポロポロ

雪乃「……よしよし」

結衣「今までずっと追いかけるばっかりで……でもヒッキーはもっと遠くに行っちゃって……」ポロポロ

結衣「それで知らない間に恋人とか……」ポロポロ

川崎「ご、ごめんなさい……」

結衣「沙希は悪くないよ……むしろ感謝してる」

結衣「ヒッキーをここに導いてくれたのはあなただから……」

雪乃「私もあなたに感謝してるわ、ありがとう……川崎さん」

川崎「そ、そんな……むしろお礼を言いたいのはこっちの方」

川崎「数日間だけだったけど……比企谷とつきあえたのは雪ノ下と由比ヶ浜のおかげだから」

川崎「あ!その……それはあんたたちが比企谷と仲良くしてくれたからという意味であって嫌味とかでは」

結衣「大丈夫。わかってるから」

雪乃「ええ、誰が欠けても今こうしていることはできなかった……」

雪乃「……というわけで比企谷君、これからは特によろしく」

結衣「あたしもね~、ちゃんとヒッキー仲良くしてよね!」

川崎「……これからはとりあえず部員としてよろしく……」

八幡「よ、よろしく……お、俺からも関わるからこれからはあまり過激なことは……」

結衣「それはヒッキーの行動次第だよ?」

雪乃「……そうね。川崎さんを見習えと言ったので、まずはキスくらいで抑えときましょうか」

八幡「キ、キスくらいって……」

性奴隷キタ━(゚∀゚)━!!!!!

……その直後、雪ノ下と由比ヶ浜が「川崎を見習った」ことは言うまでもない

一応、約束通りに俺が彼女らに関わるようになったことで病的な行動は減ったように感じる

しかし、それは主観でしかなく単に俺が受入れるようになったからストーカー的行為に思えなくなっただけの気もする

むしろ総量的な重さは確実に悪化している……川崎さんも部員になったからだ

同じ量の想いが2人から3人になり、どう考えても俺の負担が増えている。まあ最初に俺が彼女に逃げたのが運の尽きなんですが







八幡「それで、その……」




八幡「雪乃も結衣も沙希も病んでて困ってるんですよ」


平塚「そんなのは病んでるとは言わん!ただの純愛だ!お前は私にただの惚気話をしに来たのか!?」

平塚「くそ!…………リア充爆発しろ!」


~おわり~

乙大変良かった




さて静ちゃんの純愛ルートはまだかね?



パンツ返してください

あとがきまだー?

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