モバP「艦隊が出来たぞ!」ちひろ「え?」(64)

ちひろ「何ですかその艦隊って。模型でも作ってたんですか」

P「あぁ、違いますよ。艦隊って言うのは俺がそう呼んでるだけでして」

ちひろ「そうえいば最近やけに張り切って仕事してましたけど、それと何か関係が?」

P「はい!精力的に活動して、アイドルにも協力して貰って、ついに夢のユニットが完成したんです!」

ちひろ「……艦隊ってユニットの事だったんですね」

P「ええ。ある意味ではファンに一番ウケる最強のユニットと言っても過言ではありません」

ちひろ「す、凄い自信ですね……」

ちひろ「でも何で艦隊って呼んでるんですか?」

P「いえ、特に理由は無くて……気が付いたら自然にそう呼んでいたというか…」

P「敢えて言うなら、『負ける気がしない!』というか、『これ以上ない程統率が取れている』というか」

P「まあ、一目見て『凄ェ!』って分かるユニットなんですよ」

ちひろ「へー……ウチで人気ユニットと言ったら、やっぱりニュージェネの3人ですよね」

ちひろ「彼女達と似たような感じを目指すんですか?」

P「ええ、確かに普通に組むならバランスの取れたあいつらを参考にするでしょう。しかし艦隊は違います」

P「艦隊は複数人のユニットに於いて、敢えて一人だけに焦点を当てるんです」

ちひろ「えっ?」

P「とにかく限界までそいつをアピールし、従来のファンを掴んで離さない戦略で人気を維持しつつ」

P「加えてその異色性を利用し、需要に合わせて積極的にプッシュしていってファンを拡大していきます」

ちひろ「え、えーと……よく分からないんですけど……」

P「要はある意味一人だけのユニットです。それに複数人ならではの相乗効果を加えるのが艦隊の狙いなんですよ」

ちひろ「……つまり、悪い言い方になりますけど……他の子はおまけってことですか?」

P「へ?」

ちひろ「だって今の口ぶりからすると、メインの子以外は引き立て役に徹するみたいな……」

P「いやいや!そんな事ありませんよ。メインも何も皆揃ってのユニットで艦隊なんですから」

P「確かに個人で実力の差はあるでしょうが、ファンに全員を見て貰うことが大事なんです」

ちひろ「え、えぇー……さっぱり分かんないです……」

P「なら一度見て貰いましょうか。きっとちひろさんも驚きますよ?」

ちひろ「はぁ……」

P「おーい、おまえらー」

ちひろ「……?」



凛A「どうしたのプロデューサー?」

凛B「あ、ちひろさんお疲れ様」

凛C「仕事の話?それとも私事?」

凛D「何か悩みがあるんならいつでも言ってよね。プロデューサーは抱え過ぎるんだから」

凛E「それに最近は食事も適当過ぎるよ。外食ばっかりじゃ偏っちゃうよ?」



ちひろ「!?」

重い

凛C「あ、またプロデューサー尾けてたんだ」

凛A「そういうのって常識的にどうかと思うんだけど……」

凛E「単にプロデューサーが心配だからだよ。アイドルとは一連托生ってプロデューサーも言ってたし」

凛D「どうする?今度食事でも作ったほうがいいかな?」

凛B「何でもいいけど、あまり嫌われそうな事はしないでよね」

ちひろ「……え……えっ……あぁ……?」

P「どうです!凄いでしょうちひろさん!」

P「正式なユニット名はまだ検討中ですが」

てっきり拓海雫礼さんレナさんの中に藍子ブチ込むとかそういう事かと思ったのに

ちひろ「いや……まぁ……ビックリは、しました、けど……」

P「これが艦隊ユニットですよ。とはいってもまだユニットとしてのレッスンもしてない状態ですけどね」

ちひろ「………あっ、そういうことですか!」

P「?」

ちひろ「プロデューサーさんも凄いですね!こんな瓜二つの人間を5人も揃えるなんて!」

ちひろ「でもプロデューサーさん駄目ですよ?気に入ったからって誰でも声をかけていたらキリがないですからね!」

ちひろ「細かい手続きは全部私に回って来るんですから!ホント自重してくださいね!?」

P「……えーと、別に俺が凛のそっくりさんをそろえた訳でもないんですけど……」

ちひろ「………」

>>14
荒☆猛☆怒!

ちひろ「じゃあ何ですか、分身の術だとかクローン人間だとか池袋製アンドロイドだとか言うつもりですか?」

P「いやいやいや、何怖いこと言ってるんですか。オレの知る凛は一人だけですよ」



凛A「だからあまり過激な事しちゃダメだよ」

凛B「そうそう、あくまで仕事上の関係なんだから」

凛D「プロデューサーの世話も仕事の延長線上じゃん。別に直接どうこうしようって訳じゃないんだし」

凛E「プロデューサーのパートナーは他のアイドルには任せられないしね」

凛C「私達が見てないとすぐ駄目になっちゃうんだから」



ちひろ「…一人も何も、複数人居るようにしか見えないんですが」

P「そりゃアイドルですから、自己増殖ぐらい出来ますよ」

ちひろ「は?」

ちひろ「……アイドルって増えるんですか?わかめですか?」

P「勿論ある程度経験を積まないと駄目ですけどね

P「ウチで最初に5人になれたのがキャリアの長い凛なのもそういう理由らしいです」

ちひろ「日頃のレッスンに人間を辞める訓練は含まれていないと思ってたんですけど」

P「まあ最初は本人も戸惑ってましたが、要は慣れです」

P「ちなみに今では3、4人まで増えられるアイドルも結構居るんですよ。皆頑張ってる証拠ですね」

ちひろ「なんということでしょう。私の知らない間に事務所は人外の巣窟になっていたようです」

にょわ

ちひろ「……あと、もうひとつ聞きたいんですけど」

P「はい?」

ちひろ「何で凛ちゃん達の態度がそれぞれ微妙に違うんですか?」

P「あー、それは俺もよく分かってないんですが……増える際に記憶が分かれるらしいんですね」

P「基本は凛のままですけど、増える分記憶が断片的になるってトレーナーさんが言ってました」

ちひろ「……んん?……っていうかトレーナーさんって……」

P「例えばあの凛はアイドルに慣れた辺りの凛ですね。他の皆を引っ張っています」

ちひろ「……」

P「あの他の凛をなだめてる凛はアイドルになったばかりの凛で、仕事に慣れない反面頑張って皆のフォローに回ってます」

ちひろ「…………」

P「で、あの凛が今の凛です。アイドルとしての心構えもしっかりしていますね」

ちひろ「成程。さっぱり分かりませんがプロデューサーへの親密度の差でなら見分ける事が可能ですね」

P「ああ、ようやく5人になれたんだから、今日はそれ用のレッスンをするんだ」

ちひろ「え、マジでデビューさせるんですかこれ」

P「……?何かおかしいですか?」

ちひろ「だってこんなの見たらファンが発狂とかするかもしれないじゃないですか!」

凛C「……何で私達を見てファンがそうなるの?」

P「一人でも可愛い凛が更に5人で5倍ですよ?むしろファンも歓喜のあまり失神するんじゃないかと予想してますが」

ちひろ「あれ?それとも私がおかしいんですか?」

凛D「可愛いだって」

凛A「……まあ、悪い気はしないかな」

凛E「うん、だからもっと言って」

凛B「それでプロデューサー。なんで私達に増えて来いって言ったの?」

P「ああ、ようやく5人になれたんだから、今日はそれ用のレッスンをするんだ」

ちひろ「え、マジでデビューさせるんですかこれ」

P「……?何かおかしいですか?」

ちひろ「だってこんなの見たらファンが発狂とかするかもしれないじゃないですか!」

凛C「……何で私達を見てファンがそうなるの?」

P「一人でも可愛い凛が更に5人で5倍ですよ?むしろファンも歓喜のあまり失神するんじゃないかと予想してますが」

ちひろ「あれ?それとも私がおかしいんですか?」

凛D「可愛いだって」

凛A「……まあ、悪い気はしないかな」

凛E「うん、だからもっと言って」

凛B「それじゃ私達はこのままレッスン行ってくるね」

P「おう。細かい内容はトレーナーさんと打ち合わせしてあるからあっちで聞いてくれ」

凛A「分かった」

凛E「それじゃあねプロデューサー。今日の晩御飯楽しみにしておいてね」

凛C「あ、もう行く事は決定してるんだ」

凛D「それじゃあちひろさんも。行ってきます」

ちひろ「あ、はい。行ってらっしゃい……」

P「頑張ってこいよー」

紗南「ベギラマ!ベギラマ!」

ちひろ「………」

P「さて、それじゃあ俺らも一仕事しますか……どうしたんですかちひろさん。ボーっとして」

ちひろ「私、一度病院に行った方がいいんでしょうか」

P「えっ?どうしたんですか急に!?」

ちひろ「そうですよね。きっとコレは夢か幻覚で、日頃の疲れとかスタドリの副作用とかそんなんですよね」

P「ちひろさん?ちひろさーん?」

ちひろ「落ち着くのよ千川ちひろ。……目を閉じて、ゆっくり深呼吸して……」

ちひろ「10秒数えて……目を開ければほら、正常な世界にいつもの事務所が」

みくA「Pチャンおはようにゃ☆」

みくB「お疲れ様ですにゃ!」

みくC「にゃあ」



P「あ、おはようみく」

ちひろ「…事務所が……うん………」



みくA「ちひろさんもお疲れ様ですにゃ!」

みくC「にゃあ」

ちひろ「……はい…みくちゃんもお疲れ様です……」

にゃあにゃあうっさいにゃあ

みくB「何にゃ?ちひろちゃん調子でも悪いのかにゃ?」

P「さっきからどこか上の空だったりしましたけど、体調が悪いなら無理をせずに……」

ちひろ「ああもういいです。大丈夫じゃないけど大丈夫です」

みくA「駄目にゃ!疲れがあるならしっかり休むにゃ!」

P「そうですよ。幸い今日はそこまで仕事も多くないですから」

ちひろ「いえ、本当に大丈夫ですから……」

みくC「にゃあ」

P「……そうですか?でも本当にしんどいようならいつでも言って下さいね?」

みくA「ちひろちゃんも事務所の仲間だからにゃ~」

みくB「みくの手を借りたいならドンと来いにゃ☆」

みくC「にゃあ」

ちひろ「お気遣いありがとうございます……それで、みくちゃんも複数人のレッスンなんですか?」

P「ん、そういえば……なんでお前ら増えてるんだ?」

みくA「」ギクッ

みくB「」ドキッ

みくC「にゃあ」

留美「にゃあ」

P「おいみく、ひょっとしてお前ら……」

みくB「こ、これはその、アレにゃ。トレーナーさんから3人で来るように……」

P「嘘付け。お前らのそのレッスンは昨日だ」

みくA「即バレたにゃ!」

P「……またレッスン終わった後戻らなかったのか」

みくC「にゃあ」

P「……はぁ、いつも言ってるだろ。ずっと増えたままだと疲れも溜まりやすいんだぞ」

P「それに別れたまま記憶を重ねていくと、戻った時に混乱しやすいらしいしな」

みくA「……だってぇ……」

みくB「戻る時の感覚が嫌いなんだにゃ……」

みくC「にゃあ」

ちひろ「も、戻る?」

P「そんなこと言って先延ばしにしてると、いざ戻った時に余計ややこしくなるぞ?」

みくA「Pチャンは増えないからそんなこと言えるんだにゃ!」

みくB「あの頭の中に皆が集中する感覚だけは慣れないにゃ……」

P「だからもう少し2人までで慣らしておけと言っただろうが」

P「お前が昨日調子に乗って3人まで増えるからそうなるんだ」

みくC「え?ひどくない?」

ウワアァ-シャベッタアアァーーー!

P「とにかく今すぐ戻れ。もうすぐレッスンだぞ」

みくA「はーいにゃぁ……」

みくB「今戻るにゃ……みくは我慢できる子にゃ……」

みくC「にゃあ」

ちひろ「ち、ちょっと待って!、戻るって、一体何を―――」



みくA「ていっ!」ズリュッ

みくB「にゃふっ!」グニョッ

みくC「にゃあ」

みくA「む~……」ズヌッ

みくAB「」グニュ グモッ

みくC「」ズズズ

みくABC「」モゾッ

グジュ グニョ ズリッ


ちひろ「……っ……う、ぷっ……」ダッ


グモモモモモモ……



みく「うえっ……やっぱり慣れないにゃあ……」

P「丸一日も増えたままにするからだ。……あれ?ちひろさんが居ない……」

失みフ辞

P「あ、どこ行ってたんですかちひろさん……顔色すっごく悪いですけど、大丈夫ですか?」

ちひろ「……ちょっとお手洗いに……うっ……」

P「……やっぱり今日は帰った方がいいですよ。タクシー呼びましょうか?」

ちひろ「…すいません、お願いします……私はソファーで休んでます……」

P「はい、すぐ呼びますから安静にしておいてくださいね」

ちひろ「………」フラッ ボフッ

P「―――はい、タクシーを一台……場所は……」

ちひろさんもかわいいなあ!

ガチャッ


ちひろ「………?」

藍子「お疲れ様です……ってどうしたんですかちひろさん!?」

ちひろ「……」グッタリ

P「藍子か、丁度いいところに来てくれたな。今タクシー呼んだからちひろさんに付き添ってやってくれないか?」

P「流石に事務所を開ける訳にはいかないから俺は残る。家までだが頼めるか?」

藍子「は、はい。分かりました!」

P「……あ、タクシー来ましたよちひろさん。立てますか?」

ちひろ「……ごめんなさい。ちょっと……」

藍子「わ、私が運びますからそのまま楽な姿勢でいて下さい!」

藍子「………ふっ!」ゴキッ メキッ

P「お、おい……俺が運ぶから別に増えなくても」

ちひろ「………ぇ……」

藍子「」ボゴッ

藍子AB「」ズモッ

藍子ABC「」ズチャッ



グモモモモモモ…



ちひろ「………」

ちひろ「………………」

ちひろ「」バタッ

P「ちひろさん!?」

………
……



P「ちひろさん、起きて下さい。ちひろさん!」

ちひろ「……ん……んぅ……?」

P「…あっ、気が付きましたか?」

ちひろ「………あれ、バケモ……藍子ちゃんは?」

P「へっ?藍子は今日はオフですから来てませんけど……」

ちひろ「………」

P「事務所に帰ってきたらちひろさんが机に突っ伏してるから何事かと思いましたよ」

ちひろ「…………」

P「疲れでも溜まってたんですか?辛いようなら後の仕事は俺が引き受けますが…」

ちひろ「…………そうですよね!夢に決まってますよね!」

P「はい?」

ちひろ「普通の世界にいつもの事務所!いやあ素晴らしいですね!」

P「あの……どうしたんですか?」

ちひろ「いえいえ!ちょーっと変な夢を見ただけなので気になさらず!」

P「は、はぁ」

ちひろ「さぁ!頑張って仕事しましょうね!人間のアイドル達がまともに活躍できるように!」

P「あ、はい……本当に大丈夫なんですよね?」

P「……そうだ、言う事があったのを忘れてました」

ちひろ「ふぅ……どうしました?」

P「あ、テンションも落ち着いたんですね。営業の帰りにレッスン場に寄ったんですけど」

ちひろ「はい」

P「皆凄く張り切ってまして。今日また5人までを達成したアイドルが居たんですよ」

ちひろ「へぇ………」

ちひろ「……………」

ちひろ「……はい?」

P「それだけでも十分な成果だから今日はもう上がるように言ったので、そろそろ帰ってくると思うんですけど……」

ちひろ「……えっ」



ガチャッ



   - おわり -

嫁艦隊を実際に妄想してみたらこんなのになった
今は反省している

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