P「ウォーズ・オブ・ウォシュレット」 (50)
ガタンゴトン… ガタンゴトン…
P「……」
P(今日のスケジュールは……と)
P(手帳を見る余裕すらない……ひどいラッシュだな)
P(まぁ、内容は覚えてるから大丈夫かな)
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P(今日は、やよいをラジオの収録に連れて行く)
P(新曲の売り込み……やよい、緊張しないだろうか)
P(それから……)
P「……」
P(ウ○コしたい)
P(間違いない……これは、便意だ)
P(まだ小さいが……確かな便意がそこにある)
P(なんで家で出して来なかったんだよ、俺!)
P「……」
P(そうか、時間が無かったんだ)
P(やよいを待たせる訳にはいかないから、遅刻ギリギリの電車に……)
P(さて、どうするか)
P(便意を解消する最も手っ取り早い手段は、出すことだが……)
P(俺は今、ラッシュの中だ)
P(ここで出せば――――)
P『……んんっ!』ブリッ
『え……何この臭い……』
『おかーさーん! ウ○コー!』
『この人痴漢です!!!!』
P(――――やめておこう)
P(次に考えられるのは、やはり駅のトイレだ)
P(ここなら、社会的地位を失うことなく便意は失われる)
P(だが――――)
P『すいません! ちょっとウ○コを!』
『おいてめぇ、何勝手に進んでんだコラ』ガッ
P『え?』
『俺たちゃ並んでんだよ、順番待てや』
P(――――礼儀正しい不良、ってやつか……)
P(そう、俺が降りる駅のトイレは……混むのだ)
P(礼儀正しく並んでいては、遅刻は避けられない……)
P(ならば、途中の空いている駅で降りるか?)
P(いや、そうすると一本後の電車になる……どの道遅刻か)
P「……」
P(……素直に言おうか)
P(そうだな、ウ○コは生理現象だからな、しょうがないよな)
P(そうなると――――)
P『もしもし』
小鳥『もしもし、プロデューサーさん?』
P『あの、遅刻しそうなので連絡を……と』
小鳥『遅刻? 電車遅れてます?』
P『あ、その……』
小鳥『はい』
P『ウ○コです』
小鳥『はい?』
P『ウ○コで遅れます』
小鳥『……』
P『やよいには、俺から連絡しておきます』
小鳥『……いえ、その必要はありません』
P『え?』
小鳥『今、変わりますね?』
P『え? え?』
やよい『もしもしー』
P『やよい、もう来てたのか』
やよい『プロデューサー、遅れるって本当ですか……?』
P『うっ……』
やよい『でも、事故とかじゃなくて元気ならよかったですーっ!』
P『……』
P『……ンコなんだ』
やよい『え?』
P『ごめんなやよい……俺、ウ○コなんだ……』
やよい『あの、すいません、電波が悪くって……』
P『……俺は…………』
やよい『プロデューサー?』
P『俺はっ……! 社会人にもなって……ウ○コも我慢できない……ド変態なんだ……ッッ!!!』
P「――――なんでだよ!!」バン
P「あ……スイマセン…………」
P「……」
P(おかしい……素直に話すシミュレーションのはずが、なんか堕ちてた……)
P(大体なんで俺があんなことになってるんだよ、逆だろ立場が)
P(いや、逆でもおかしいけど……)
P「……」
P(まずいな……こうしてる間にも、便意は進行している)
P(放っておけば……最悪の事態も……)
P(……発想を、変えよう)
P(どこかで便意を処理しようとするから、問題が生じるんだ)
P(あえて、コレを放置し……出勤する……っ!)
P(そうすると、どうなるか?)
P(時間に間に合い、やよいの笑顔を守ることができる……更なる便意と引き換えに)
P(いや、待てよ?)
P(事務所にも……あるんじゃないか……? トイレ……!)
P(問題無く出勤し、なおかつ便を処理することができるじゃないか……!!)
P(なんてことだ……どうして気付かなかったんだ、こんなことに……!)
P(電車を降りる時が、勝負だ)
P「……」タッ
P(この人混みに浮足立たず、冷静に動く……)
P(重心を動かさず、どっしりと、なおかつ速く……だ)
P「……」ピッ
P(Suicaは袖口に用意しておく……余計な手間はかけない!)
P(目的地…………765プロ)
P「……ふっ」
P(この戦い……勝つのは俺だ……!)
P「……」ザッザッ
P(無心、無心で歩け、邪念を捨てろ)
P(便意を彼方に置き去って……!)
小鳥「……」
P「あ、小鳥さん」
小鳥「あ……おはようございます」
P「……」
P(小鳥さん、同じ電車だったのか)
P(だが……お喋りは禁物だ。 動きが鈍る)
P(挨拶も最低限の会釈にとどめよう、世間話になってしまうからな)
P「……」
小鳥「……」
P(沈黙……か)
P(小鳥さんには悪いけど、今日はこのまま出勤させてもらう)
P(色々と、邪念が入るからな……)
P「……」
小鳥「……」
P(さて……)
P(事務所は、もうすぐだ)
P「……」ガチャ ガチャガチャ
小鳥「あ……閉まってます?」
P「一番乗り、みたいですね……」
小鳥「今開けますね」
P(ついに……ついに、辿り着いたぞ……楽園に)
P(そういえばうちの事務所、音姫とかあったっけ? なーんて、うふふ、呼んでみただけ)
小鳥「……」ガチャッ
P(今! 俺の便意が! ウ○コが!)
P(解き放たれる…………ッ!!)
小鳥「あっ、待って!」ガッ
P「…………え?」
小鳥「……あ、その」
P「小鳥……さん?」
小鳥「何ていうか……言い辛いんですけど……」
P「すいません、俺ちょっとトイレを」
小鳥「ま、待って下さい!」
P「え?」
小鳥「私も……その、行きたいんです…………トイレに……!」
P(ちなみにこの765プロ……トイレは、1つしかない)
P「小鳥さん……大変、申し上げにくいんですけど」
小鳥「……はい」
P「俺は、急いでるんです。 こうしてる間にもべ……いや」
P「実は、ちょーっと大きい方でして……はは」
P(セクハラにならない程度に、ウ○コであることをほのめかす……っ!)
P(小鳥さんも分別のつく方だ。 これで、俺に譲ってくれるだろう)
小鳥「…………もです」
P「え?」
小鳥「私も! ウ○コです!!!」
P「な……ッ!?」
P「小鳥さん……あなたは……今」
小鳥「空耳じゃありません……私も、ウンコがしたいんです」
P「はは、女性がそんな言葉使っちゃ」
小鳥「……何をいい人ぶってるんです?」
P「え?」
小鳥「プロデューサーさん、あなたがしたいのもウ○コですよね……?」
小鳥「何を気取ってるんです? ウ○コに嘘を付くんですか?」
P「そんな、嘘なんて、俺は」
小鳥「ふざけないで下さい!!」バン
小鳥「もう、ずっと気が狂いそうでした……」
P(え、何この語り)
小鳥「朝から、ずっとね。 分かるでしょう? この気持ちが」
P「……」
小鳥「ズッシリと重い、ウ○コの感覚が……ずっとお尻にあるんです。 ずっと。 ずーっと」
P「……小鳥さん」
小鳥「レディーファーストって言葉、知ってますか? プロデューサーさん」
P「…………」
小鳥「あなたは……ウ○コ、譲ってくれますよね」
P「……っけんな」
小鳥「え?」
P「ざっけんなっつってんだよォ!!!」バン
小鳥「……っ!?」
P「ウンコの感覚? 気が狂いそうだって? ハッ!」
小鳥「な、何がおかしいんですか!」
P「笑わせないで下さいよ……小鳥さん」
小鳥「……」
P「俺はね、あなたとは年季が違うんだ。 ずっと、ずーっとウ○コと付き合ってきた」
P「何回も漏らしたさ。 野糞だって、一度や二度じゃない」
小鳥「なっ……」
P「レディーファースト? 冗談も大概にして下さいよ……」
P「あなたにウ○コを語る資格は無いッッ!!!」
小鳥「資格ね……ふふっ」
P「何がおかしい!」
小鳥「ウ○コをするのに、資格が要りますか? つまり、そういうことですよ」
P「……と、言うと?」
小鳥「あなたに、このウォシュレットは使わせない……! 力尽くでも! 奪い取ります!!」
P「上等! 俺も手加減はしません……全身全霊で! このウ○コは今! ここで出す!!」
P・小鳥「「うおおおおおおおおおおおおおお
??「黙れッッッッ!!!!!!」
P・小鳥「「!?」」
??「さっきから黙って聞いていれば……呆れたよ」
P「な…………っ」
??「ウ○コを巡る争いなど、醜いとは思わんのかね?」
小鳥「ど、どうして……」
??「そうだろう? 2人とも」
P「どういうことです……高木社長」
??「ん?」
P「どうして……トイレの中からあなたの声がするのかって、聞いてるんだ…………ッ!!!」バン
社長「フフ、そう焦るな……漏れてしまうぞ」
小鳥「おかしい……私たちが事務所に来たとき、ここには誰もいなかったはず」
社長「誰もいなかった? 本当に?」
小鳥「……えっ」
社長「君たち2人は無駄な論争に夢中で……このトイレを、開けようとはしなかったろう」
P「……まさか、ずっと…………?」
社長「長い夜だったよ、長い、それはそれは長い夜だった」
小鳥「……有り得ません、昨日は私、ちゃんと誰もいないことを確認して」
社長「トイレの中もかね?」
小鳥「……っ」
P「事務所のトイレで一夜を過ごす、か……あまりいい趣味とは言えませんね」
社長「便秘だからね、仕方ないだろう」
小鳥「ちょ、ちょっ、待って下さい」
社長「ん?」
小鳥「それじゃ……社長のウ○コが済むまで、私たち…………」
社長「我慢したまえ」
小鳥「いや……い、いやああああああああああああああああああああ!!!!!」
P「小鳥さん!」
小鳥「……プロデューサーさん」
P「諦めたら、そこで試合終了です……ここは耐えましょう」
小鳥「……」
P(とはいえ、俺も便意のピークが来ている……どうしたものか)
ガチャッ
やよい「おはようございますーっ!」
小鳥「なっ……や、や」
P「やよい……!」
やよい「2人とも、どうかしたんですか?」
P「え?」
やよい「なんだか、とっても苦しそうだなーって……」
小鳥「やよいちゃん……」
P「ありがとうやよい、俺たちなら大丈夫だ」
やよい「そうなんですか?」
P「……」
小鳥「……」
P「あの、小鳥さん」ヒソヒソ
小鳥「はい?」ヒソヒソ
P「分かってると思いますが……やよいは、純粋な子です」
小鳥「はい」
P「魔人ブウ(純粋)ぐらい純粋です」
小鳥「分かりにくい例えですね」
P「そんなやよいに……ウ○コの話なんて、できませんよね」
小鳥「はい……分かってますよ、言われなくても」
やよい「2人とも、ホントに大丈夫ですか? 病院に行った方が……」
P「あー、いいんだ、ちょっとアレ、牡蠣的なアレがあたっただけだから」
小鳥「そうそう、農薬的なアレがあたっただけだから」
やよい「でも、トイレには行った方が」
P「あー、いいんだ、こういう治療法だから」
小鳥「禁煙治療みたいなもんだから、やったことないけど」
やよい「……」
P「それにな、病院は」
やよい「じゃあ……」
P「ん?」
やよい「私……トイレ、使ってもいいですか……?」ブルッ
P「……」
小鳥「……」
P「あの、小鳥さん」ヒソヒソ
小鳥「はい」ヒソヒソ
P「分かってると思いますが、やよいは純粋な子です」
小鳥「はい」
P「某アルプスの少女ぐらい純粋です」
小鳥「また微妙な例えですね」
P「そんなやよいに……ウ○コの話、させたいですよね」
小鳥「急に方向転換しますね……はい、分かってますよ」
P「なぁ、やよい」
やよい「はい」
P「今、トイレを使ってもいいか、って言ったよな」
やよい「はい……」
P「トイレを使って何をするんだ? 掃除か?」
やよい「そ、掃除じゃありません! その……」
P「ん?」
やよい「え、えっと、トイレを……」
P「すまん、聞こえなかった」
やよい「…………う……」
小鳥「う?」
P「う?」
やよい「う…………う………………」
ジャーーーーーーーー ガチャ
社長「ふー、出た出た……うん?」
P「ちょっと社長!」ヒソヒソ
小鳥「今のは流石に無いっすよ!」ヒソヒソ
社長「何を言っているんだ……君たちの方こそ、無いだろう」ヒソヒソ
P「言わせられそうだったので……」
小鳥「もうやよいちゃん入っちゃいましたよ、どうするんですか!」
社長「そう興奮するな、2人とも……漏れても知らんぞ」
P・小鳥「「……」」
P「やばいな……忘れてた……」
小鳥「ちょっと収まったかと思ってたのに……!」
社長「まぁ、やよい君のウ○コが終わったら」
P「やよいのウ○コとか言わないで下さい!」
小鳥「法に抵触しますよ!?」
社長「なんだね、君たちも言わせようとしていたじゃないか……」
P「……まぁ、確かに次の順番は未定だ」
小鳥「今……決めますか?」
P「そうだな……」コキコキ
ガチャ
律子「おはようございまーす」
小鳥「あ、律子さん」
P「おはよう、律子」
律子「どうしたんですか? みんなしてトイレに……」
やよい「おはようございますーっ!」
律子「やよいはその中にいるのね……」
P「あれ、そういえば律子……時間は」
律子「ぐ……すいません、寝坊しちゃって……急いで来たんですけど」
小鳥「珍しいこともあるんですね……」
P「…………」
P「あの、小鳥さん」ヒソヒソ
小鳥「はい」ヒソヒソ
P「もしかして、律子……」
小鳥「はい……もしかしなくても、ウ○コでしょうね」
P「だよな…………」
P「言わせるか」
小鳥「律子さんですよ? そう簡単には……」
P「そこを越えるからいいんだろう?」
小鳥「……本当、ウ○コ我慢してる人とは思えませんね」
P「お互い様です」
律子「……」
P「気になるか? やよいの様子が」
律子「え? いや、そんなこと」
小鳥「やよいちゃん、だいぶ難儀してるみたいですよ……」
律子「難儀て」
P「やよいを待って、何をするんだ? 掃除か?」
律子「違いますよ!」
P「ほう……じゃあ何を?」
律子「何って、トイレに決まって」
小鳥「トイレ? ナンデスカソレハ」
律子「……」
律子「……えっと」
P「ん?」
律子「…………その……」
小鳥「んんん?」
律子「もう! いいですよ! 行ってきます!」
P「え?」
律子「トイレですよ! コンビニで済ませますから!」
小鳥「え? え?」
律子「このっ……セクハラ上司!」
ガチャッ バタン
P「トイレ…………」
小鳥「コンビニ……?」
P・小鳥「「あっ」」
おわり
以上です。読んで下さった方、ありがとうございました。
とりあえず明日は頑張ってウンコ出します
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