にこ「真姫ちゃんってめんどくさい」(106)
にこ「話しかけてもドライな反応ばっか返されるんだけど」
希「それはにこっちの話がつまらないからやない?」
にこ「なんですってぇ!?」
希「冗談やん、冗談」
にこ「ったく……」
絵里「でもそんなこと言う割には真姫によく話しかけてるわよね」
にこ「まぁね。最近真姫ちゃんと話すときのコツがわかったから」
希「ふーん。どんなん?」
にこ「とにかく真姫ちゃんをからかえばいいのよ。真姫ちゃん単純だからすぐ怒って反応してくるから」
希「ああ、ウチがにこっちにやってるのと同じ方法やね」
にこ「そうそう……ってアンタねぇ!?」
希「冗談やって」
絵里「ねぇ、にこ? そこまでして真姫に話しかけるのはどうして?」
にこ「どうしてって言われても……なんかほっとけないだけよ」
希「これはあれやね、類は友を呼ぶってやつやね」
にこ「どーいう意味よ」
希「にこっちも友達少ないから真姫ちゃんをほっとけないんやろ?」
にこ「のーぞーみーっ!」
希「冗談は置いとくとして、ウチは結構いいことやと思うよ」
絵里「そうね。真姫は他人との間に壁を作りがちだから、まわりから話しかけてあげることは大事ね」
希「真姫ちゃんもにこっちにかまってもらうの、まんざらでもないみたいやし」
にこ「アンタ達、体よくにこにめんどくさい役割を押しつけようとしてない?」
絵里「違うわよ。ただ、にこ以上に適役はいないって言ってるだけ」
希「にこっちはなに考えてるかわかりやすいから真姫ちゃんも安心して話せるんやね」
絵里「これからもよろしくね、にこ」
にこ「べ、別にアンタ達に頼まれるようなことじゃないわよ。にこは真姫ちゃんからかうのが好きなだけだし」
希「あれ? さっきは真姫ちゃんってめんどくさいって言ってたやん?」
にこ「さ、最近は少しマシになってきたってことよ!」
希「ふぅん」
にこ「なによ、なにニヤニヤしてんのよ」
希「やっぱりにこっちと真姫ちゃんは似たもの夫婦やなぁと思って」
にこ「どこが似てるって言うのよ」
絵里「素直じゃないところがでしょ」
希(それはエリチも一緒なんやけどね)
穂乃果「真姫ちゃんってにこちゃんと仲良いよね」
真姫「はぁ? どうしてそうなるのよ」
穂乃果「だって真姫ちゃん、にこちゃんだけちゃんづけで呼んでるから」
真姫「え……ええっ!?」
穂乃果「あれ? 違ったっけ?」
真姫「ち、違うわよ! にこちゃん以外でもちゃんづけくらいするわよ!」
穂乃果「例えば?」
真姫「こ、ことり……ちゃん」
穂乃果「真姫ちゃんって嘘つけないタイプだよね」
真姫「な、なによ! 別にいいじゃない、ちゃんづけくらい!」
穂乃果「誰もダメなんて言ってないよ」
真姫「にこちゃんはほら……あ、あんな背丈だし、言動も先輩っていうより子どもっぽくて、だから自然とちゃんづけしちゃうのよ!」
穂乃果「う、うん。そうだね」
真姫「穂乃果だってにこちゃんって呼んでるじゃない!」
穂乃果「私の場合はみんなそうだから……」
真姫「う、う~っ……もういいわよ!」
海未「穂乃果、真姫をあんまり怒らせてはダメですよ」
穂乃果「別に怒らせようとしたわけじゃないよう」
海未「真姫はにこが大好きなんですから、今さら仲良いか聞くなんてナンセンスです」
真姫「ちょっと海未!?」
海未「はい?」
真姫「い、いつから私がにこちゃん大好きになったわけ!?」
海未「たしか秋葉原でライブをしたときくらいから……」
真姫「真面目に答えないでっ!」
真姫(しかもなんでバッチリ合ってるのよっ!?)
にこ「ちょっとーアンタ達、部室の前でなに騒いでんのよ」ガチャ
真姫「に、にこちゃ……っ!?」
にこ「あれ、真姫ちゃん」
真姫「え、えぇと……」
にこ「ん?」
真姫「にこ、ちゃん……」
にこ「え……ま、真姫ちゃん?」
真姫「にこちゃん……」
穂乃果「あ、あのー」
海未「そこで見つめ合われると部室に入れないのですが」
希「面白い組み合わせやね」
海未「ここに向かう途中で偶然真姫に会ったんです」
絵里「ことりは?」
穂乃果「今日はバイトなんだって」
希「ところで3人はさっきなんの話してたん? やけに騒がしかったけど」
穂乃果「あ、それは──」
真姫「穂乃果!」
穂乃果「は、はい?」
真姫「話したらどうなるかわかってるんでしょうねぇ……」
にこ「なによー隠し事?」
真姫「べ、別に隠し事なんかじゃないわよ」
希「ウチらには言えないようなことなん?」
真姫「違う、けど……」
にこ「じゃあいいじゃない。穂乃果、言っちゃいなさい」
穂乃果「いや、私はちょっと……」
真姫「もういいでしょ! この話はおしま──」
海未「真姫とにこは仲が良いという話をしてたんですよ」
真姫「海未ぃ!?」
海未「隠すようなことじゃないなら話してもかまわないでしょう」
真姫「そういう話じゃ……!」
希「ええやん。ウチらもちょうど同じ話してたし」
にこ「希! アンタまた余計なことを……!」
希「にこっちが真姫ちゃんはめんどくさい女だって言い出して」
にこ「ちょ、人の話を聞きなさいよ!」
真姫「めんどくさいですってぇ……?」
にこ「ちが、違うのよ、真姫ちゃん? にこは一言もそんなこと──」
希「でもにこっちはそんなめんどくさい真姫ちゃんが大好きなんやて」
真姫「え……」
にこ「のーぞーみーっ! アンタはホントに……っ!」
希「でも間違ってないやろ?」
にこ「間違ってるわよ!」
真姫「違うの……?」
にこ「へ……? 真姫ちゃん?」
真姫「どうなの?」
にこ「えーっと……」
真姫「答えて、にこちゃん」
にこ「ちが……く、ない、けど」
真姫「そ、そう」
海未「なんで言わせた真姫の方が照れてるんですか」
真姫「照れてないわよ!」
希「みんながいるところで告白なんて、にこっちも大胆やなぁ」
にこ「なんで告白になんのよ!」
絵里「ところで真姫の方はどうなの?」
真姫「どうって……なにがよ」
絵里「にこのことは好きなの?」
真姫「な……っ!?」
穂乃果「私もそれ気になる! さっきは聞けなかったし!」
真姫「な、穂乃果までなに言ってるのよ!」
にこ「にこに言わせといて自分は言わない気じゃないでしょうね」
海未「武士の風上にも置けませんね」
真姫「誰が武士よっ!」
希「それでどうなん? 真姫ちゃん」
真姫(なんなのよこれ……答えなきゃダメなの……?)
にこ「はやく言いなさいよ」
真姫「に、にこちゃんだってハッキリと好きって言ったわけじゃないでしょ!」
にこ「好き」
真姫「へ」
にこ「にこは真姫ちゃんのこと、好き。真姫ちゃんは?」
真姫「ぁ、ぁぅ……」
にこ「真姫ちゃん?」
真姫「き、嫌いじゃないわよ……」
にこ「じーっ」
真姫「あーもうっ! 好きよ! にこちゃんのこと好き!」
にこ「やぁん♪ そんなこと言われてもにこにー困っちゃ~う☆」
真姫「え……か、からかったの!?」
にこ「真姫ちゃんの反応が面白いから、つい」
真姫「~~~っ! にこちゃんなんてもう知らない!」
にこ「そんな怒らないでよ。にこだって少しは恥ずかしかったんだから」
真姫「うるさいっ!」
海未「結局なんだったんですか……」
希「んー……愛情表現?」
絵里「というより茶番ね」
海未「私達全員にこにからかわれただけですか……」
穂乃果「でもやっぱり2人は仲良いね~」
絵里「じゃあそろそろ練習はじめましょう。みんな着替えて」
真姫「編集、まだ終わらないのね」
にこ「んーあとちょっとね……わざわざ戻ってきたんだ」
真姫「そうよ」
にこ「なんて言って抜けてきたの?」
真姫「部室に忘れ物したって」
にこ「ベタねぇ……そんなんじゃホントにいつかバレるわよ」
真姫「今日の感じだと誰も気にしないと思うけど」
にこ「それもそうね」
真姫「にこちゃん」グイッ
にこ「んー?」
真姫「にこちゃん、にこちゃん」グイグイ
にこ「ちょっと待ってよ。もう少しで終わるんだから」
真姫「イヤ。今日にこちゃんに恥ずかしい思いいっぱいさせられたから」
にこ「しょうがないでしょー。ああでもしないとバレちゃいそうだったし。それに真姫ちゃんのせいでもあるのよ」
真姫「なんでよ」
にこ「真姫ちゃんが途中で本気になるから」
真姫「にこちゃんが希達に愚痴もらすのが悪い」
にこ「だって真姫ちゃんホントにめんどくさいときあるんだもん。今だって、ほら」
真姫「甘えていいって言ったのはにこちゃんでしょ」
にこ「そうだけど」
真姫「にこちゃん、はやく」
にこ「わかったわよ……言っとくけど床はイヤよ、背中痛いから」
真姫「敷くものあるわよ」
にこ「それでもイヤ」
真姫「じゃあ座ったままでいいわ」
にこ「はっ、ん……ま、真姫、ちゃ……」
真姫「にこちゃん、可愛い。もっと声聞かせて」
にこ「ここじゃ、無理……よぉ……っ」
真姫「にこちゃんのケチ。じゃあ痕つけてもいい?」
にこ「み、見えないとこにしてよ」
真姫「わかってるわよ……あ、一昨日の痕まだ残ってる」
にこ「そりゃあんだけ強く吸ったら──あンっ!」
真姫「声、出さないんじゃなかったの?」
にこ「いきなりするからでしょ……真姫ちゃんのばか」
真姫「そんなこと言っていいの? もっと鳴かせてやるわ」
にこ「ちょ、待って……やっ、ん! だめ、落ち着いて、あっ、真姫ちゃんっ、ひあっ!」
にこ「ん、はぁ……」
真姫「大丈夫?」
にこ「疲れた」
真姫「私も指攣りそうよ」
にこ「真姫ちゃんのは自業自得でしょ」
真姫「にこちゃん、自業自得なんて言葉使えたのね」
にこ「あのねぇ……あーそれよりPVの編集どうしよ」
真姫「明日の昼休み、2人でやりましょ」
にこ「……真姫ちゃん、昼間はダメだからね。絶対イヤよ」
真姫「別になにもしないわよっ!」
真姫「ところでにこちゃん、これから呼び捨てにしてもいい?」
にこ「え、なんでよ」
真姫「今日穂乃果に言われたのよ。にこちゃんだけちゃんづけにしてるって」
にこ「そんなのにこも同じだけど」
真姫「だから、そういうことしてると怪しまれちゃうでしょ?」
にこ「でも……にこは反対」
真姫「どうしてよ。バレるかもしれないのよ」
にこ「テキトーにごまかせばいいでしょ」
真姫「なんでそんなにこだわるの」
にこ「だって嬉しいじゃない。自分だけ特別扱いされてるみたいで」
真姫「それは、そうだけど……」
にこ「ってことで今までどおりでよろしくね、真姫ちゃん」
真姫「はぁ、わかったわよ……にこちゃん」
にこ「あ、にこにーって呼ぶのはいいわよ?」
真姫「それはイヤ」
にこ「っていうかにこ達が気にしすぎなだけなのよね」
真姫「そうかしら」
にこ「穂乃果とことりなんて隠す気ないでしょ。バレてないつもりみたいだけど」
真姫「まあ、あの2人はね……」
にこ「あと凛と花陽も」
真姫「花陽達も高校入る前からの付き合いだし……」
にこ「あーあ。にこ達だけバカみたい」
真姫「他人は他人よ。私達はこれでいいの」
にこ「ま、そうね。ねえ、真姫ちゃん?」
真姫「なに?」
にこ「すーきっ」
真姫「私も好き、にこちゃん」
絵里「にこも真姫も、あれでバレてないと思ってるんだからおかしいわよね」
海未「絵里も茶番だと言ってたじゃないですか」
絵里「あれは2人に合わせたのよ。そういうことにしてほしいみたいだったから」
海未「そもそも絵里が真姫にどう思ってるか聞かなければ、あそこまでこじれなかったんじゃ……」
絵里「一応確証はほしかったのよ」
亜里沙「なんの話?」
海未「にこと真姫が付き合っているという話ですよ」
亜里沙「ハラショー」
海未「でもμ's内でこんなにカップルができるとは思いませんでした」
絵里「そうね……私も少し戸惑っているわ」
海未「4組のカップルというのはいくらなんでも……」
絵里「私達をカップルと呼んでいいかはわからないけどね」
亜里沙「どうして?」
絵里「カップルって言ったら普通は2人1組を指すからよ」
亜里沙「そっか。亜里沙達は3人だもんね」
海未「はぁ……」
亜里沙「海未さん、どうしたんですか?」
海未「いえ、少し自己嫌悪を……」
絵里「まだ気にしてるの?」
海未「だって亜里沙はまだ中学生なんですよ! というか、姉の絵里が気にしないでどうするんですか!」
絵里「私も海未も亜里沙には手を出してないでしょ?」
海未「それで納得できるわけないでしょう!」
絵里「細かいことはいいのよ、海未」
海未「え、絵里……あっ」
亜里沙「あ、お姉ちゃんずるい。亜里沙も」
海未「亜里沙まで……もう……」
海未「あ、んっ……はうっ」
亜里沙「海未さん、可愛い……」
絵里「亜里沙、ボタン外してあげて」
亜里沙「あ、うん」
絵里「海未、舌出して」
海未「は、はい……ん、んぅ、んんっ」
亜里沙「次、亜里沙ね」
海未「ぁん、はっ、ん、んーっ、んー……」
絵里「今日も気持ちよくしてあげるわ、海未」
海未「ひゃ、あ、あん……あっ、あっ、あっ……」
海未「はぁ……」
絵里「今度はどうしたの」
海未「いえ……中学生に弄ばれる自分が情けなくて」
絵里「じゃあ海未が亜里沙にしてあげれば?」
海未「それはただの犯罪者です! というか、それが姉の言葉ですか!?」
亜里沙「亜里沙は、海未さんだったらいいですよ?」
海未「や、やめてください。これでも理性を保つのに必死なんです」
絵里「その気はあるのね」
海未「もうほっといてください……」
このSSまとめへのコメント
にこまきって素晴らしいな
いぬ