高木「あぁ、そうなんだよ。PVを撮ったはいいんだけどね、どうしても変なところがあるんだよ」
P「変なところですか?」
高木「あぁ……。アイドル一人一人に個性があるのは承知なのだが、さすがにこれは私も撮り直した方がいいと思ってね」
P「そうですか……。はぁ、また予算がかかりますね」
高木「うむ……」
P「ですが、社長。いくらなんでも全員はないんじゃないですか?」
高木「そういうかもしれないがね。百聞は一見にしかずだ。実際見てもらおう」
高木「まずは天海君のPVだ」
P「…………」
高木「天海君のPVの問題点、気づいたかね?」
P「>>2だからですか?」
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若さが足りない
P「……なんだか春香が年相応に見えないですね」
高木「むむ?」
P「大人に見える……というより、老けて見えるといった感じですね」
高木「おお、よくぞ気づいてくれた!」
P「ここで一時停止すると、40代のおばさんみたいな感じもするし、ここの動きはキレがないし、ここでは人生に疲れ切ったかのような顔をしています」
高木「うむ。このPVの天海君は若さが足りないのだよ」
春香「オハヨウゴザイマース」
高木「おはよう、天海君」
P「おはよう、春香。いきなりで悪いけど、このPVの春香ってやけに疲れ切ってないか?」
春香「そ、そうですか?」のワの;
P「目を逸らすな……。何か思い当たる節でもあるのか?」
春香「最近……転ぶキャラに疲れちゃって……」
P「キャラだったの!?」
春香「いえ、だってほら……転ぶと痛いし」
P「別に自分からキャラを作りにいくことはないんじゃないか?」
P「もしかして、それで悩んで疲れ切ったから、あんなPVになったのか?」
春香「え? あぁ、はい」
P「そんなに悩むな。春香は今の春香でいいんだ」
P「ファンのみんなは春香にキャラを作ってほしいなんて思ってない」
P「ありのままの……元気な姿を見たいんだよ」
春香「プロデューサー……!」
高木「うむ、そうでないとファンは不安になってしまうからね」
P「すみません。ちょっと静かにしてもらえますか?」
P「PV撮りなおして来い」
春香「わかりました!行ってきまーす!」
P「これで春香は大丈夫でしょう。彼女はちょっと方向性を見失っていただけなんだと思います」
高木「あぁ、これなら天海くんの心配する必要はさほどないと思うよ」
P「では次行きましょう」
高木「次は如月君のPVを見てもらおう」
P「千早か……。千早は歌に関してはストイックだけど、PVは慣れてないんだよな」
高木「実際に見てもらおう」
蒼いー鳥ーもし幸せー
高木「どうだった?」
P「これは>>10だからですね?」
若さが足りない
高木「どう思う? 君の意見を聞かせてくれ」
P「千早も……若さが足りないですね」
高木「うむ……そうなんだ」
P「一つ一つの動きにキレがありません。歌は問題ないんですけどね……」
P「仕事だからやってるという感じが滲み出ちゃってるし……。あまり暑いものを感じさせないですね」
千早「みなさんおはようございます」
高木「如月君、おはよう」
P「おはよう、千早。さっそくなんだけどこのPV見てもらっていいか?」
千早「PVですか? 別に構いませんけど」
P「どうだった?」
千早「やはり自分の力不足を痛感します。ここの伸びが思ったよりも」
P「千早、見てほしいのは歌じゃなくて画面の方だ」
千早「が、画面ですか? ……別におかしいと思うところなんて感じません」
P「はっきり言おう。このPVの千早は若さが足りない」
千早「若さですか?」
P「このPVを見たファンはどう思う? 疲れ切った表情、キレのない動き……なんだか燃えるようなものが足りないんだよ」
千早「そうですか。それはそうかもしれませんね。なら、今度の衣装はテニスウェアを着てラケットを持っていきます」
P「そういうことじゃない」
P「千早にもいろいろあるのは分かっているつもりだ。だからこそ、こういう場面ではプロを徹してほしい」
P「千早の歌へのこだわりは、俺もよく知っている。だからここで評価を落とすのは千早だって嫌なはずだ」
千早「ですが……若さが足りないと言われても、私にはどうすればいいのか」
P「楽しめ」
千早「え?」
P「こういう場を楽しむことが大事なんじゃないか? 自分で楽しんでいけば、少しづつ楽しくなってくる。仕事でもアイドルでも……そういうものだと俺は思う」
千早「プロデューサー……。そうですね。難しいかもしれないですが、少しづつ変えていこうと思います」ニコッ
P「あぁ、千早が楽しそうに仕事するのを楽しみにしてるよ」
千早「私、今からPV撮影行ってきます」
P「あぁ! 言ってこい!」
高木「如月君も……少し晴れた表情をしていたね」
P「そうですね。でも千早だったら、きっと乗り越えられますよ」
高木「そうか……。では次のPVを見てもらおう。美希君のPVだ」
P「わかりました見てみましょう」
ねぇ 消えてしまっても 探してくれますか?
P「やっぱり様になっていますね」
高木「うむ」
P「ですが……>>18が気になりました」
覚醒してない
ちょっと出かけてくるので一回ストップします
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