下妹「働けよ兄」上妹「クソニート乙ww」(164)
兄「うう……」
下妹「大学合格したwwもう勉強しなくていいww」
兄「いや、しっかりしないと俺みたいになるぞ」
下妹「は?あんたとは時違うから」
兄「……」
下妹「あんたは実家から離れたから駄目人間になったんでしょ?」
兄「ダーメダメダメダメ人間wwwwwダーメにんげーんwwwにんげーんwwwww」
下妹「は?」
兄「……」
下妹「私は実家から通うから。堕落なんてしないから」
兄「でもお前下宿も考慮に入れてただろ」
下妹「あんたとは違うから」
兄「……」
兄「で、でもお前の大学俺よりレベル下じゃん」
下妹「ちゃんと自分の興味のある分野ですー。授業サボって中退する人に言われたくありませんー」
兄「俺もちゃんと自分の興味のある分野だったよ」
下妹「あんたは漫画に影響されただけだろ」
兄「そ、そうでもない……ぞ」
下妹「漫画に影響されただけだろ」
兄「ち、ちが……」
兄「……」
上妹「ただいま」ガチャ
兄「おかえりー」
上妹「ただいま帰ったでござるwwwwデュクシデュクシwwww」
兄(今日は機嫌がいいみたいだな)
兄「ごはんがwwwwごはんがススムくんwwwwww」
上妹「おかわり!」
兄「ごはんがwwwwごはんがススムくんwwwwww」
上妹「ごはん、なくなっちゃった」
兄「
┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
_ノ _ノ _ノ ヽ/| ノ ノ 。。
/\___/ヽ
/ノヽ ヽ、
/ ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
| ン(○),ン <、(○)<::| |`ヽ、
| `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl
. ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/ .|:::::i |
/ヽ !l |,r-r-| l! /ヽ |:::::l |
/ |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
/ | .| | .| ,U(ニ 、)ヽ
/ | .| | .|人(_(ニ、ノ」
上妹「wっうぇwww」
兄「wwwwww」
兄「こういうネタに反応してくれるの上妹だけだよ」
上妹「アホだからなあ兄ちゃんは」
兄「いいだろ別に、家族の前でくらいふざけても」
上妹「兄ちゃんのセンスは偏ってるんだよ」
上妹「じゃあ風呂入るから」
兄「そうか」
兄(相変わらず忙しそうだな……)
兄(ゼミに時間取られてるのに内定取れるんだろうかあいつ)
兄(まあ俺が心配する筋合いは無いんだがな……)
兄「ブラゲでもしよう」カチカチ
兄「……」カチカチ
兄「この作業は二時間待ちだな」
兄「エロの気分じゃないし新都社の漫画でも読んで時間を潰すか……」カチカチ
兄「今日はろくなの更新されてないな……」
テクテクテク バタン
兄「……部屋に戻ったか」
兄「暇だし構いに行こう……ネコのぬいぐるみを持って、と」ガザゴソ
兄『ニャー入るにゃー』
上妹「ん?」
兄『遊んで欲しいにゃー』
上妹「ほう」
兄『上妹のあーほ、ばーか』
上妹「何でだよwwとりゃ」
兄「ああっ!俺のにゃー助が!」
上妹「デュクシデュクシwwwwww」ドスドス
兄「こらー殴るな!」
兄(……そろそろ頃合いか。あんまり構うと怒るしな)
兄『ひどいにゃ!上妹くんは鬼畜だにゃー!』ダダッ
上妹「あ、こら待て!」
バタン
兄「さて……あとは2ch見ながらまたブラゲして、酒呑んで寝るか」
兄「……」チラ
兄「求人誌見るのは明日でいいよね」カチカチ
兄「……」カチカチ
父「ただいまー」ガチャ
兄「!!!!!」
兄「やべえ……寝たフリ寝たフリ……」
父「……」ガチャ
兄「ぐーぐー」
父「……早く寝ろよ」バタム
兄「……」
兄「ゲームして現実を忘れよう……」
兄「……」ピコピコ
兄「……」カチャカチャ
兄(どうしてこうなったんだろう)
兄(夢は破れた……俺の怠惰によって)
兄(試してみたい事はあってもかかる金の桁がおかしい)
兄(俺の貯金じゃ何もできない……ニ-トの実家暮らしってだけで負担なのにこれ以上親のスネをかじる事なんてできない……)
兄(だからといって新しいバイトを始める度胸もない……)
兄(やってらんねえ)
女「兄くん!」
兄「……うん?」
女「今度一緒に遊びに行こうよ!」
兄「つまるところデートか」
女「う、うんまあね!」
兄「俺クズだけどいいの?」
女「う、だって……兄くん良いところいっぱいあるし……」
兄「異性の扱いなんて全く分からないんだけどいいの?」
女「い、いいよ!」
兄「じゃあ彼女になってくれるんだ?」
女「///」
兄「……まあ当然夢だよな」
兄「いい夢だったのに目が覚めちまった……」
兄「続き続き……」ウトウト
兄「あれが○○寺の○○の一つ○○像だよ」
女「へー!」
兄「○○寺は○○ばかり有名だけど俺はこっちの方が好きだなあ」
兄「伝説では……」カ
ガタンッ!
兄「ああまた起きちまった……」
兄「人生つまんねえから夢の世界に浸りたいのに邪魔すんなよクソが!」
父「おい」
兄「クソッ!クソックソッ!!」
父「俺はもう出かけるから留守番頼んだぞ」ガチャ
兄「……もう昼か」
兄「取り敢えず飯食うか……」
兄「いただきます……」パクモグ
兄「……御馳走様。食器洗うのは夕方でいいよね」
兄「埃が見えるけど掃除機は一昨日かけたし放置でいいよね」
下妹「……」ガチャ
兄「もう下妹が帰る時間か」
兄「……」カタカタ
下妹「なあパソコン貸してよ」
兄「何に使うんだよ」
下妹「宿題の調べ物」
兄「……じゃあどうぞ」
兄「今日も早いんだな」
下妹「もう今年度は全部午前中で終わるんだよ。前も言ったよな?忘れたのかよアホだな」
兄「……」
下妹「……」
兄(エロ関係はUSBに移してるけど、他人にPC触られるのって何か落ち着かないな)ソワソワ
下妹「……何だよゲームでもしてろよ鬱陶しい」
下妹「あー鬱陶しい!こっち気にすんな!」
兄「いや別に気にしてないけど」
下妹「もういい、粗方終わったし後は自分でやるわ、じゃあな!」バタン
兄「……」
兄「溜まってきたしエロ動画でも見るか……」カチカチ
兄「あー動作カクカクだ……」
兄「早く新しいPCが欲しいな……でも今買うと貯金が一気に減ってしまう」
兄「バイト探さないとなー(働く気もないのに何考えてんだろうなー俺)」
兄「ふぅ……掃除して寝よう」
>>43
兄「あーめんどくせえ、しかも暖房使ってないから寒いし」
兄「めんどくささも寒さも酒呑んで誤魔化そう」ゴク
兄「PCはほぼ一日中点けっぱなのに、エアコンだけは遠慮するというね」ガー
兄「下妹ー、掃除機かけるぞー」ガー
下妹「……」ポチポチ
兄「……こいつの部屋は適当でいいか」ガー
兄「あーだりい、見えるとこは綺麗になったしもう後は放置でいいや」
兄「後は飯炊いて終わりだな、これだけはサボッたらばれるから真面目にしないと……」
兄「終わった……布団が俺を待っている」ボフ
兄「ふあ……」グー
面接官「……で、この数年は何をしてたんですか?」
兄「え、えと……あのその……」
面接官「……?」
兄「きゅ、家事手伝い……?いや、求職活動というか……ハハ」
面接官「……おい」
母「……おい」
母「おい、飯の時間だぞ!!」
兄「はっ!!!またこの手の夢か……」
母「上妹も呼んできてー」
兄(マジかよ……何気なく起きてみれば父も上妹もいるなんて……)
兄(そしてこのいつもより豪華な食事……)
兄(未だに俺の誕生日を祝うってのかよ!!)
父「兄は何歳になるんだ?」
上妹「25じゃないっけ?」
父母「もう25!?(25で無職……!?)」
兄「24……だと思う(大した違いじゃないよな……)」
下妹「自分の年齢も把握してないのかよ」
兄「いや、24で合ってるはず……」
下妹「流石駄目人間は自分の歳も分からないんだな」
兄「やめろよ……」
父「じゃあ乾杯な」トクトク
兄「何これ?」
父「ワイン」
兄「い、いらないよ……」
母「この子は一人でこっそり飲むけど、皆の前では酒呑まないからね」
兄(酒は酔うために呑むもんだろ、家族の前でこれ以上の醜態は晒したくねえ……)
兄「さっさと風呂を沸かしてしまおう」ジャー
兄(やっぱ下妹は俺に失望したのかな)ゴシゴシ
兄(確かに元から生意気だったけど)ゴシゴシ
兄(俺の悪口はそうそう言わなかったし)キュ
兄(きょうだいで一番年上なのに一番のクズ……)
兄「……はぁ」
下妹「兄ー」
兄「なんだ?」
下妹「今回のテストほぼノー勉でいけるわww」
兄「そ、そうか」
下妹「進路も決まったし卒業できればいいんだよ卒業できればwwww」
兄「だからそんな心がけだと俺みたいになるってば」
下妹「ねーよww」
兄「……」
下妹「多少クソな点数でも進路決まって卒業手前だからオマケしてもらえるんだよww」
兄(こんなアホな自慢ができるのも若いからだよなあ)
兄(こいつらに俺みたいな挫折は味わって欲しくないんだがなあ)
下妹「じゃあのwwww」
兄(まあ、大丈夫かな……実家通いなら両親がいるし)
(その両親が突然いなくなったらどうする?)
(50代60代で持病持ちならいつ死んでもおかしくないだろ)
(お前の祖父が死んだのは何歳の時だ?平均寿命まで生きられる保証なんてどこにもないんだよ?)
兄「う、うあああああ!!」
兄(だ、ダメだ……ネットに逃げよう)
兄(この広大かつ煩雑な世界こそ現実を忘れさせてくれる……)カタカタ
兄「……グス」カタカタ
兄「何だか涙もろくなった気がするなあ」
兄「……泣けば心が綺麗になるかな。泣ける話泣けるコピペ泣ける動画……」
兄「ハア、いくら泣いても……大して変わらないか」
兄(下妹は最初は……こうじゃなかった)
兄(少なくとも、俺に直接悪口を言うようになったのは最近のはずだ)
~兄が大学に出て最初の夏休み~
兄「ただいま!」
兄「何だ出迎えも無しかよ……まあいいや手を洗おう」
下妹「ただいま」ガチャ
下妹「うわ兄ちゃんいたのかよ!何か臭いな!」
兄「く、臭い?服か……」クンクン
兄「殺虫剤の臭さかな……洗濯しとくか」
兄「しかし……久々に帰って来たんだしもう少し歓迎してくれてもいいんじゃないのか……?」
兄「寂しいが、こんなもんが普通なのか……」
上妹「ただいま」ガチャ
兄「お?」
兄『ただいまにゃー!兄くんが帰ってきてるにゃー!』
上妹「ぶふwwww相変わらずでござるな兄者www」
上妹「えー、マジぬいぐるみ!?ぬいぐるみ触るのが許されるのは小学生までだよねー!キャハハ!」
兄(おいおい……上妹はしばらく見ない内にヲタになっちまったのかよ)
兄(まあ、俺も人の事は言えんが……)
兄「ぬるぽ」
上妹「ガッ」
兄(なんだかなあ……)
兄(しかし、あれだな)
兄(最初は実家に帰りたくて仕方なかったが、三日もいれば十分だな)
兄(早く上京して向こうの友達と遊びたい)
兄「ねえ、もうそろそろあっちに帰ろうかと思ってるんだけど」
母「え、もう?」
兄「うん」
母「もうちょっと下妹と遊んでやってよ」
兄「?」
母「あの子『兄ちゃんいつ帰ってくるの?何日こっちに居るの?』ってうるさかったんだけど」
兄「……」
兄「2chにスレでも立てるか……」
兄「スレタイ『妹がツンデレっぽいんだけど』」
兄「本文『母に聞いたらいつまで俺が規制してるか気にしてるらしい』っと」
兄「まさかあいつがツンデレ発言するとはなあ、ははは」
下妹「兄ちゃん?」コンコン
兄「ん?どうした?」
下妹「兄ちゃんもう帰るの?お母さんが言ってた」
兄「あともうちょっとかな、母に引き留められてるし」
兄(俺としては夏休み中こっちに滞在する理由がないけど、親からしたら休みの間向こうで過ごす理由が無いんだよなあ)
下妹「そう……」
兄(そしてあの年の冬、既に俺は授業をサボリがちになっていた……)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
兄「クリスマス消えろ、リア充氏ね!」
ブーブー
兄「携帯が鳴ってる……どうせまた親からだろ……この成績で帰省なんかしたくねえよ……」
ブーブー
兄「……」
ブーブー
兄「で、出たくない……電話こわい電話こわい」
ブーブー
カチャ
兄「……お母さんか」
ブーブー……ピッ
兄「は、はいもしもし?」
母「あ、兄?」
兄「う、うん」
母「あのね、お祖父ちゃんがね……」
兄「……」
兄「……」
母「……」
兄「……」
母「……」
兄「……」
母「……聞こえてる?」
兄「き、聞こえてる……」
母「明日……帰って来てね」
兄「う……グスッ」
母「兄?」
兄「わ、分かった」
兄(当時俺は学生会館という飯風呂つきの寮に住んでいた)
兄(公衆浴場で生ぬるい湯に浸かりながらさっきの電話を思い出し、また泣いた)
兄(思えばここで真面目に生まれ変われなかったのが分岐点だったと思う)
兄「……ただいま」
母「おかえり。晩御飯食べる?」
兄「……うん」
兄(妹達は既に寝ていた)
兄(俺は数カ月ぶりの温かいベッドで眠り、翌朝を迎えた)
兄(涙は気紛れだった。気分一つで止まらなくなったり、どうしても流れなくなったりした)
兄(よくある話だが、肉親を亡くして素直に泣けない俺は薄情者なのかと疑ったりもした)
兄(父の運転する車に揺られ、母方の実家、祖父の家へと向かった)
父「パソコン買ったらしいな」
兄「今の時代、PCが無いと授業についていけないからね」
父「どこのにしたんだ?」
兄「○○」
兄(そんな会話をしているうちに祖父の元へと着いた)
兄(祖父は仏壇の前で静かに横たわっていた)
兄(周囲には顔が分かったり分からなかったりする親戚がいた)
兄(俺は祖父の手前に座らされた。自然に正座になった)
兄「……」
兄「う……ぅぐううぅうぅ……」
親戚1「泣くな泣くな」
親戚2「何も泣くような事じゃない。ずっとお別れじゃなくて仏さんになっただけだ」
兄「うぅうぅぅ……ぐぅぅううう……」
親戚3「ちょっと隣の部屋に行ってみかんでも食べてきなさい」
兄「くぅうぅぅうう……」
父「……俺のおばあちゃん、お前のひいばあちゃんだが……覚えてるか」
兄「……うん」
父「俺もその時はお前みたいな状態だった」
兄「……うん」
兄(お通夜の晩は本当に知らない親戚のおっさん達と一緒に、寺で寝ずの番をした)
兄(当時はまだ未成年だった。酒を呑む自分が想像できなかった)
おっさん1「ストーブの近くにこのプラスチックのコップおいて大丈夫かな」
おっさん2「融けなきゃ大丈夫だろ」
おっさん2「お前んとこの息子、今どうしてるんだ」
おっさん1「プーですわ、プー」
青年「へへ……」
兄「……」
この時はこの青年と同じような立場になるとは露とも思っていなかった
兄(いや、思っていなかったと言うと嘘になるか)
兄(そうなる可能性は常に頭の片隅にあった……)
~火葬場にて~
職員「では、このボタンを押しお別れしてださい」
祖母「う、う、うぅぅ……」カチ
兄「……」
上妹「……」
下妹「……」
兄(これでばあちゃんは一人になるんだな……俺達が顔出して支えないと)
兄(俺はそのまま年末年始を迎えた)
兄(祖父や他の先祖に恥じぬ生き方をすると誓った)
兄(喪中に何故「あけましておめでとうと」言わないのかを悟った)
兄(何もめでたくないからだ……)
年始、東京にて
部員1「あけおめー」
デブ女「明けましたおめでとうございます」
兄(あ?)
部員2「お?」
デブ女「うち喪中だからねーw明けましておめでとうございますじゃなくてあけましたって言うんだーw」
兄(あ?)
部員2「お前らあけおめ!」
デブ女「明けましたおめでとうございます!」(ドヤァァァァ)
兄「2008年ですね、なにもめでたくないけど2008年ですね」
二年目、夏
兄「殆ど授業に出ないまま前期は終わってしまった……」
兄「何でこうなったんだ……?俺は一体なにをやっているんだ……?」
ブーブー
兄「……!!」ビクゥ
兄「は、はい」
母「今年の夏も帰ってくるよね?」
兄「はい……」
母「下妹が兄がいつ帰ってくるかしつこく聞いてくるんだからね!」
兄「うん……」
そして、夏休み終盤
兄「ただ、いま……」
下妹「兄ちゃん帰ってきた!……やっぱりくせえええ!!」
兄「……」
兄「何が臭いんだ……?」
兄「生活が自堕落過ぎたからなのか……?」クンクン
母「向こうで服は足りてる?」
兄(そういえば自分で服を買わないからレパートリーがカスだな)
兄(オシャレをすれば生まれ変われるかもしれない)
兄「いや、見に行く
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