モバP「プロダクションを建てて二か月……」(133)

P(アイドルのプロデュースに夢見てプロダクションを建てて二か月がたった…。)

P(所属アイドルが佐城雪美、小早川紗枝、浜口あやめの三名…。)

ちひろ「………」カタカタ

P(フェスエントリー申請期限まで、残り一カ月を切った…。)

ちひろ「Pさん、お知り合いからメール来てますよ。」

P「えっ!あ、ありがとう確認するよ。」

P(このパターンから行くと…。)カチカチ

『 おっすおっすP!
お前プロダクション建てたのに

  挨拶に来ないとか寂しいじゃねーか!
  俺の所はいつでも良いからあ

                      Passion P』

P「………………」

ちひろ「Pさん、これどういう意味ですか?」

P(ちひろさんには解読できなかったか…。)

ちひろ「最後の一文が私にはちょっと…。」

P「メール書いてる最中に送信しちゃったんでしょう。多分、遊びに来いって事ですよ…。」

ちひろ「良くわかりましたねPさん。」

P「あいつのメールはこんなことが多いですから。」

ちひろ(いつもこんなやり取りしてるのかしら…。)

P「ちひろさん、雪美達は午後から3人とも空いてますよね?」

ちひろ「えぇ、特に用事は聞いてませんよ。」

P「それなら、今から連絡入れて午後にPaPプロに行ってこようと思います。」

ちひろ「ふふっ、わかりました。」

--- PaP プロダクション前

あやめ「うわー、大きいビルですね!」

紗枝「うち、ようわかりまへんけど。有名なとこなんどすか?」

P「あぁ、Cute、Cool、Passion。この三社は三大大手プロダクションって言われているよ。」

雪美「……でも…Pの所の方が……良い……」

P「そう言って貰えると嬉しいよ。」

雪美「……うん……」ニコッ

P「取りあえず中に入るとしよう。」

ガーッ

受付「いらっしゃいませ!ご用件をどうぞ!」

P(げ、元気な受付だな…。)

P「お世話になっております。モバプロのPと申します。PaP様はいらっしゃいますでしょうか?」

受付「少々お待ち下さい!」

書き忘れてた。

前に立てたモバP「プロダクションを建てて一か月……」 というスレの続きです。

チーン 18カイデス

P「お、到着したな……ってなんだこりゃ!?」

紗枝「な、なんや可愛い感じのふろあどすなぁ…。」

雪美「……壁が……全部…黄色……」

あやめ「フリフリの飾りもあちこちについてますね…。」

P「と、とりあえずPaPに会いに行こう。」

雪美「……どこに……いるの……?」

P「そう言えば、部屋までは教えてくれなかったな…。」

あやめ「ドアが一杯ありますよ…。」

P「しょうがない、手前から順に尋ねて行くか。」

紗枝「え、ええんどすか?」

P「謝れば怒られる事は無いさ…、多分。」

---- きのこの部屋

あやめ「P殿、ここは違うような気がするのですが…。」

P「そうとも限らないだろう。」

ガチャッ

P「失礼します」

星輝子「キノコーキノコーボッチノコーホシショウコー♪」

喜多日菜子「このキノコをプロデューサーに……むふっ…むふふふ…」

P「失礼しました」

バタン

P「ごめん、違ってたわ。」

雪美「………………?」

紗枝(な、何を見たんやろ…。)

---- 花札の部屋

P「次はここか。」

紗枝「花札どすか?さっきよりは可能性がありそうどすなぁ。」

P「よし、あやめが中を見てくれ。」

あやめ「えぇ、わたくしがですか!?」

ガチャッ

あやめ「し、失礼いたします…。」

村上巴「誰じゃあ、おどれは…。」ギロッ

姫川友紀「コラー!今の球取れるぞー!!」グビグビ

あやめ「し、失礼しました!」

バタン

P「どうだった?」

あやめ「鬼と…お酒飲んでいる人が居ました……。」

紗枝「ど、どういう事ですやろ?」

あやめ「わたくしは何も見て無い事にしたいです…。」

---- 更衣室

P「男のあいつがこんなところに居るわけないだろ…。」

あやめ「でも、誰か知っている人が居るかもしれませんよ。」

雪美「……私が……入る…」

ガチャッ

雪美「…………」

及川雫「キャッ、誰ですかー。」

海老原菜帆「新しく入った子ですかぁ?」

雪美「…………」

バタン

雪美「…………」

あやめ「どうでしたか、雪美殿?」

雪美「……P…は……大きい…方が良い…?」

P「え?何が?」

---- お花の部屋

P「さっきの花札と似たような名前だな。」

紗枝「今回はうちが行きますわぁ」

ガチャ

紗枝「失礼しますぅ」

相葉夕美「あれ、いらっしゃいお客さんかな?」

高森藍子「うちの子じゃないですよね?」

紗枝「初めましてぇ、うちはモバプロの小早川紗枝言います。」

紗枝「PaPという方を探してるんやけど、こちらにはおりまへんやろか?」

夕美「プロデューサーさんはここにはいないよ?」

藍子「もしかしてお仕事の要件ですか!?」

紗枝「え、えぇまぁそうどすが…。」

藍子「済みません!すぐに案内しますね。」

藍子「えぇっ!?もしかして他の部屋にも入ったんですか?」

P「そんなに危なかったんですか?」

藍子「あ、いえ危険というわけではないんですが…。」

P「こ、個性的な部屋でしたね。きのこの飾りが一杯で…。」

あやめ「わたくしは生命の危機を感じましたよ。」

雪美「……凄かった……」

紗枝(皆何を見はったんやろ……)

藍子「ふ、普段はお仕事の話は1階でするんでこんな事は無いんですが…。」

藍子「PaPさんの部屋はここですよ。」

PaPちゃんのお部屋

P「……………」

雪美「……………」

あやめ「わかりやすい部屋名がついてましたね…。」

紗枝「PaPちゃん…どすかぁ……。」

藍子「す、済みません。部屋名は気にしないで下さい…。」

ガチャッ

?「…………」

P「……………」

あやめ「わわっ、P殿」サッ

雪美「……P……」サッ

紗枝「P、Pはん……」ギュッ

あやめ(な、何でしょうこの凄くいかつい人は…。)

P「お前、また背が伸びたんじゃないか?PaP……。」

PaP「おせーじゃねーか!待ちわびてたぞP!」

藍子「ぷ、プロデューサー!お客さんが驚いてますよ。」

PaP「ん?アハハッ!すまねぇすまねぇ!」

P「皆後ろに隠れなくても大丈夫だ害は無いから。」

あやめ「この人がPaPさんだったのですね…。」

雪美「……びっくり……した……」

紗枝「………………」ギュッ

PaP「まぁ好きなところに座れよ!」

藍子「私、お茶入れてきますね。」

P「アイドル用の部屋をあんなに一杯あるなんて結構豪勢なんだな。」

PaP「あぁ、あいつらは一緒に居るとすぐに物を壊すから俺が上から怒られるんだよ。」

P「どんな状況なんだよ…。」

PaP「アハハッ!うちは元気が良いのが揃ってるからな。」

あやめ「うぅ…、何か想像もつきませんね…。」

紗枝「………………」ギュッ

P「紗枝、なんでずっと俺の袖を掴んでるんだ…?」ヒソヒソ

紗枝「すんまへん。うちまだちょっと震えが止まらんくてもう少しこうしてても宜しいやろか…?」ヒソヒソ

P(ショック受けすぎだろ…。)

雪美「………………」

雪美「………P……怖い…」ギュッ

P「嘘つけ……」

--- 1時間後…

PaP「んー、気が付いたらこんな時間じゃねーか。」

藍子「ふふっ、皆さんとお話ししてたらすぐでしたね。」

prrrrr…

P「俺の携帯みたいだ、すまんがちょっと席をはずすよ」

ガチャッ

あやめ「あっ、P殿!」

全員「…………」

藍子(Pさんが居なくなっただけでこんなに沈黙するなんて…。)

あやめ「そういえば、PaPさんはP殿とご友人なんですよね?」

PaP「ん?そうだぜ、あいつとは長い付き合いだからな!」

あやめ「PaPさんは何故P殿とお知り合いになられたのですか?」

雪美「……………」ピクン

紗枝「それはうちも聞いてみたいどすなぁ。」

藍子「私も昔のプロデューサーを知りたいです!」

PaP「変な話を聞きたがるんだな、まぁ良いけどよ。」

PaP「俺とPと後CuPとCoPは昔4人でバンドを組んでただけだよ。」

あやめ「バ、バンドですか?」

PaP「そうだぜ、自分で言うのも何だが仲良かったし結構いい感じだったんだぜ。」

PaP「地元での人気も上々で運の良い事に音楽業界の目に留まって、高校卒業と同時にインディーズデビューし上京さ」

藍子「へー、そんな事があったんですね。」

紗枝「あれ、でも今は全然違う仕事してはりますなぁ。」

PaP「アハハッ!声かけてくれた会社が1年とたたずに潰れちまったからな!」

PaP「それで皆バラバラになったんだが、結局音楽が好きで皆同じ仕事をしてるってわけだ。Pは出遅れたがな。」

雪美「…P……は…ギター…弾いてたの…?」

PaP「あいつはギターとボーカルをやってたよ。」

あやめ「そう言えば、P殿が歌ってるところは見た事ありませんね。」

紗枝「ふふっ、今度お願いしてみんとあきまへんなぁ」

ガチャッ

P「ただいま。」

PaP「お、丁度良かった。今、うちのアイドルが1階についたって連絡があったんだ。今から行くぞ。」

P「それで何で俺達も行くんだ?」

PaP「壮大な計画があるからな。協力しろよ。」

P(嫌な予感しかしないけど……。)

藍子「あ、あはは。大丈夫だと思いますけど…。」

雪美「…P………」クイクイ

P「ん?なんだ雪美。」

雪美「…後で…歌……聞かせて…」

P「………PaPから聞いたのか。」

あやめ「わたくしにもお聞かせ下さいね!」

紗枝「ふふっ、うちもお願いしますえ。」

P(まいったな………)

---- 廊下

メアリー「ハァイ♪ダーリン何してるの?」

PaP「おっす、メアリー。今からちょっと野暮用だ。」

メアリー「ねぇねぇ、そんなのは良いから遊びましょ?」

PaP「残念!はずせねぇ用事なんだよ。」

メアリー「レディのお誘いを断るなんて酷いわよ!あら?」

雪美「……………」ピクン

メアリー「あなた面白そうね、付き合いなさい!」

雪美「……P………」クイクイ

P「行ってくると良いさ、たまには他のプロの子と仲良くするのも良いだろ。」

雪美「……わかった……」コクッ

P「また、こっちの用事が終わったら迎えに行くよ。あやめ一緒に行ってやってくれるか?」

あやめ「承知しました!」

藍子「では、私もメアリーちゃん達に付き添いますね。」

PaP「おう、すまねぇな藍子。」

----- PaPプロダクション 一階

PaP「おっすおっすお待たせ!」

諸星きらり「うきゃー☆PaPちゃんお疲れ様にぃ!」

日野茜「プロデューサー、おっつかれさまでーす!!」

P(また、元気な子が出てきたな…。)

紗枝(大きな方どすなぁ…。)

きらり「にょわ?PaPちゃんこの人達は誰だにぃ?」

P「あぁ、初めまして。モバプロのPと言います。それとこっちがうちのアイドルの小早川紗枝です。」

紗枝「小早川紗枝言います。よろしゅうに…。」

きらり「きらりだよ☆おにゃーしゃー☆」

茜「はじめまして日野茜です!よろしくお願いします!」

PaP「うし、役者はそろったな!今から作戦を説明するぞ!」

P「作戦…?」

きらり「がんばるにぃ!」

PaP「みんなはクリスマスロードって知っているか?」

茜「知ってますよ!!マラソンライブバトルですよね!」

紗枝「Pはん、知ってはります…?」ヒソヒソ

P「あぁ、うちは参加する余裕が無いから参加しないけど」ヒソヒソ

P「ライブバトルを繰り広げながらゴールを目指すイベントの事だな」ヒソヒソ

きらり「きらりん今から楽しみだにぃ!」

PaP「それでクリスマスロード最終日のクリスマスにお疲れ様クリスマスパーティーがあるわけだが…。」

PaP「CuPとCoPに呼び掛けて準備を分担することになったわけだ!」

茜「なるほど!去年は準備が大変だったですからね!!」

PaP「我がPaPプロダクションはツリーの木を用意することになったぞ!」

きらり「にょわーっ☆大木狙っちゃう?やっちゃう?」

茜「ふっふっふ…!私も燃えてきましたぁー!!」

紗枝「Pはん、うちらも入ってるんやろか…?」ヒソヒソ

P(は、入りたくない…。)

---- その頃雪美達は…

市原仁奈「それで、仁奈のコレクションルームに押し掛けてきたわけでごぜーますか。」

メアリー「そうよ、キュートな衣装でダーリンを悩殺するんだから!」

あやめ「す、凄い種類のキグルミですね…。」

雪美「……………」

藍子「ごめんね、仁奈ちゃん急に押し掛けて。」

仁奈「さっきも美羽が入り浸ってたから別にいいでごぜーますよ。」

メアリー「雪美、あやめ!あなた達も選びなさい!」

あやめ「何やら楽しそうですね!」

雪美「……P…を……のーさつ……できる…?」

メアリー「ふふっ、雪美にきっとメロメロになるはずよ?」

雪美「……わかった……」コクッ

藍子「い、いいのかなぁ…。」

----- PaPプロダクション 一階

PaP「ところでPにやってもらう事なんだが…。」

P(良かった、別の仕事があったみたいだ…。)

PaP「お前サンタやれ。」

P「は?」

PaP「当日にCute、Cool、そしてうちのプロにプレゼントを配ってもらう。」

PaP「ちゃんとトナカイとソリは用意しとけよ!」

茜「凄いですね!頑張って下さい!!」

P「ちょっと待てよ、何か俺だけ損じゃないか?」

PaP「何でだよ、プレゼントは用意してあるから運ぶだけだぞ!」

P「それが大変だって言ってんだよ。」

紗枝「ふふっ、Pはんええんやないですか?うちも見てみたいどすわぁ。」

きらり「うきゃー!きらりんサンタさんにお手紙書くにぃ!」

紗枝「うちも書いておかんといけまへんなぁ。」

P(紗枝まで乗り気になってるとは…。)

----------
P「雪美、あやめ。そろそろ行くぞー。」

雪美「……ニャー……」

あやめ「チューチュー。P殿!どうですかこの衣装!」

紗枝「あらっ、かわいいキグルミどすなぁ。」

メアリー「ダーリン!どう?悩殺された?」

PaP「おう、メアリーはウサギか!悩殺されたぜ!」

藍子「すみません、ちょっとキグルミを着て遊んでいたもので…。」

P「あ、いや別に大丈夫ですよ…。」

雪美「……のーさつ……された…?」

P「そうだな、でも俺は普段の雪美の方が良いよ。」

あやめ「P殿!わたくしはどうでしょうか?」

P(そういや、あやめって紗枝と同い年なんだよな…。)

P「紗枝もネズミのキグルミ着てみるか?」

紗枝「う、うちは遠慮しときます!」

P「………………」

----------

ガチャッ

P「お疲れ様です。今戻りました。」

ちひろ「Pさんお帰りなさい。どうでしたPaPプロダクションは?」コトッ

P「プロダクションも色々あるんだなと思い知らされましたよ…。」

木場真奈美「ふふっ、働きやすい環境が一番ってことさ。」コトッ

P「木場さん、紗枝は先に家に送っておきましたよ。」

真奈美「わかった、私もこれが終わったら帰るとするかな…。」コトッ

P「俺も、この後スカウトに行こうと思いますんで、ちひろさん戸締りお願いできますか?」

ちひろ「わかりました。頑張ってきてくださいね。」コトッ

P「ところで、うちにチェスなんて置いてましたっけ?」

真奈美「これは私の持ち込みさ、二人だとこっちの方が良いだろう。」コトッ

ちひろ(木場さん、暇なのかしら…?)コトッ

P「じゃあ、俺は行ってきますね。」

ちひろ「はいっ、行ってらっしゃい。」

-------

P(それから、町に出てスカウトをしてみたものの上手くは行かなかった…。)

P(声をかける事自体は成功してもスカウトしたい人材かというと話は別だ…。)

P(時間が無いための焦りか…いくら考えても上手く思考はまとまらなかった。)

P「ん?雪か…、どうりで冷えるわけだ…。」

ジングルベール ジングルベール

P(まだクリスマスまで数日あるってのに、町はすっかりクリスマスムードだな…。)

P(うちでもクリスマスパーティー開くかな。)

P「今日は次で最後にしよう…。それで無理ならまた明日出直すしかないな…。」

?「……………」

P「最後の一人、あの子に行ってみるか…。」

?「……………」

P「済みません、ちょっとお時間宜しいですか?」

?「ん?」クルッ

P「え!?お、お前何でこんなところに居るんだ!」

-------

ウェイトレス「お待たせいたしました。チョコレートパフェになります。」

?「へへっ♪やったぁ!」

P(厄介な奴を捕まえてしまった……)

?「Pサンは何も食べないの?」

P「俺は良いよ…。ところで何であんなとこほっつき歩いてたんだ?」

?「へへっ。何か面白いことないかなーと思ってぶらついてたら、Pサンに声かけられちゃうなんてね!」

P「俺もお前に会うとは思って無かったよ柚…。」

喜多見柚「そうそう無いよね?アタシ、実はラッキーだったのかな!なーんて!へへっ!」

P「まったく…、もう夜も遅いんだから女の子一人じゃ危ないぞ。」

柚「Pサンは心配しすぎだよ。」

P「お前は心配しすぎるくらいが丁度良いんだよ。」

柚「でも、Pサンに声かけてもらえたから良かったな…とか!」

P「しょうがないやつだな…」

P「とりあえず、今日はもう帰れ。もうそろそろ9時になるだろ。」

柚「えー、帰ってもつまんないじゃん」

P「むくれるなよ、送ってやるからさ。」

柚「でも、家に帰っても誰もいないしなぁー。」

P「え?おばさんいないの?」

柚「明日から旅行だって、柚はお留守番。」

P「そうなのか、まぁ取りあえず電話してみるよ。」

ピポパポ

柚母『はい、喜多見です。』

P『あ、お久しぶりですPです。』

柚母『あら、P君じゃない久しぶりねぇ、電話してくるなんて珍しい。』

柚母『月一回実家に帰る時しか合えないから柚も会いたがってたわよ!』

P『それがですね、今その柚と一緒に居るんですが…。』

柚母『え?そうなの?』

P『えぇ、とりあえず今からそちらに送って行こうと思ってます。』

柚母『………P君。悪いんだけど旅行が終わるまで柚を預かってもらって良いかしら?P君に面倒見てもらえると安心だわ。』

P『え!?いやそれはまずいですよ。仕事もありますし。』

柚母『大丈夫大丈夫、着替えは郵送しておくし、ご飯だけ食べさせておけば大丈夫だから。それにP君の言う事なら聞くでしょうし。』

P『えっ?郵送って!いや、それ以前に年頃の女の子ですし…。』

柚母『別にこっちはP君ならかまわないわよ、じゃ宜しく頼むわね!』

P『あ、ちょっと!』

ピッ

P「…………」

柚「Pサン、お母さん何て言ってたの?」

P(どうしよう……)

ピポパポ

ちひろ『千川ですただいま留守にしています。御用の方は…』

ピッ

P(駄目か……)

柚「ねぇー、Pサンってばぁー。」

P「柚、お前大人しくするって誓えるか?」

柚「何か良くわかんないけど、アタシは大丈夫だよ!」

P「そうか、お前の両親が旅行中、うちで預かる事になった…。」

柚「え!?ホントに!へへっ、やったぁー!」

P「何で喜ぶんだよ…。」

柚「だって、面白そうじゃん!」

P(こいつは……)

---- Pの家

柚「へへっ、ここがPサンの家かぁ!」

P「狭いんだから、暴れるなよ。」

柚「わかってるよー、あっ、さっき買ったチョコピョッキー食べて良い?」

P「甘い物ならさっき食べただろ?」

柚「オンナノコは甘いものが好きなの♪」

P「ほどほどにしとけよ…。」

柚「いっただっきまーす」ポリポリ

P「俺も一本貰うぞ」ポリポリ

柚「CDで一杯なのは相変わらずだね。まだ音楽やってるの?」

P「今は趣味程度だな、仕事は音楽業界だけどな。」

柚「………ふーん。ねっ、歌聞かせてよ!」

P「今の時間は近所迷惑だ。我慢しろ。」

柚「ちぇっ、つまんないの。」

P(結局、こんな調子で柚の話に深夜まで付き合う羽目になってしまった……)

チュンチュン…

P「ん…、朝か……。」

柚「zzz………」

P(柚は、まだ寝てるか……)ガタッ

柚「ん、Pサン……」

P(しまった、起こしてしまった……)

柚「あれっ、もう朝なの?」

P「………そうだ、早く顔洗ってこい。」

柚「へへっ、Pサン?なんか恥ずかしいな…てへ」

P「そうですか……。」

柚「ねぇねぇPサン。」

P「どうした?」

柚「あ…えへへ…なに話すんだっけ…てへ♪」

P「………………」

------

P「おい、俺は仕事だぞついてくるなよ。」

柚「え?だって面白そうだし。」

P「お前ってやつは……。」

柚「………駄目?」

P「大人しくしてるって約束しろよ。」

柚「へへっ!りょーかい!」

P(部屋を荒されるよりマシか……)

P「ふぁー……。」

柚「あっ、おっきいあくびだね!」

P「誰かさんがベッドを占領してたせいでソファーで寝る羽目になったからな…。」

柚「別にベッドで寝れば良かったじゃん。」

P「そうだな、それくらい呑気な人間だったらそうしてたよ。」

柚「柚は別にかまわないよ?」

P「俺はかまわなくないよ。」

------

ガチャッ

P「おはようございます。」

ちひろ「あ、Pさんおはようございます。」

紗枝「おはようさんどす~」

柚「…………」キョロキョロ

P「柚、腕を離してくれ。」

紗枝「あら?後ろの方は誰どすか?」

P「あれ?紗枝はオフじゃなかったのか?」

紗枝「えぇ、オフやけど何や足が向いてしもうてなぁ。」

P「なるほどな、まぁゆっくりして行くと良いよ。」

紗枝「…………で、その方は誰どすか?」ジロッ

P(紗枝ってこんな目する時あるんだな……)ゾクッ

柚(何か急にさ、寒気が……)ブルブル

ちひろ(雪美ちゃんレベルの危険なオーラを感じるわ……)ブルブル

紗枝「なるほどなぁ、Pはんの地元のお知り合いどすかぁ…。」

ちひろ「スカウトしてきたんじゃないんですね。」

P「スカウトしそうになったのは間違いじゃないですけどね…。」

ちひろ「あれ?もしかして昨日電話してきたのはこの事ですか?」

P「あぁ、ちひろさんに預かってもらおうかと電話したんです。」

柚「結局、Pサンの家に泊ったんだけどね。」

紗枝「………そうどすか」

ちひろ(紗枝ちゃんさっきからずっと目が座ってるわ……)

P「……ま、まぁ俺は今日行くところがあるんでそろそろ出ますね。」

柚「柚も付いて行っていい? なんか楽しそうだし♪」

P「まぁ、仕事の用事じゃないから良いけど大人しくしてろよ。」

紗枝「Pはん、うちも付いて行って宜しいどすか?」

P「え?紗枝もか?」

紗枝「………Pはん?宜しいどすか?」

P「う、うん。別にかまわないけど…。」

---------

P「着いたぞ」

柚「何かの工場みたいだね?」

紗枝「ここに何かあるんどすか?」

P「ん、まぁすぐにわかるさ。」

P「えーっと、あいつは確か…。ここだ。」

コンコン

「はーい。勝手に入って良いよー!」

ガチャッ

P「邪魔するよ。」

?「あれ?Pさんじゃない!」

紗枝(何をしてる人なんやろ…?)

柚(誰だろ……?)

?「はい、お茶で良いかな?」

P「悪いな、急に押し掛けて。」

?「んーん、別にあたしはかまわないよ。」

紗枝「Pはん、この人は誰どすか?」

P「あぁ、紹介するよ彼女は原田美世。うちの社用車とかのメンテをしてもらってるんだよ。」

紗枝「あら?そうやったんどすか?」

美世「Pさんは馴染みのお得意さんだからね。Pさん、彼女達は?」

P「うちのアイドルの小早川紗枝と地元の知人の喜多見柚だ。」

紗枝「どうぞ、よろしゅうに。」

柚「よろしくー。」

美世「うん、よろしく。ところで今日は何の用事なの?」

-----

美世「ふーん、そんな事頼まれたんだ。良いね、面白そうじゃない!」

P「言う方は気楽でいいよな…。」

柚「Pサン、Pサン」クイクイ

P「ん?何だ?」

柚「ねね、ちょっと車とか見てきても良いかなぁ?」

P「別にかまわないぞ、でも触るなよ。」

柚「へへっ、いってきまーす!」

美世「気をつけてねぇー。」

P「そんなわけで美世、ソリみたいな車ってあるか?」

美世「ソリねぇ………、軽トラを茶色に塗るとか?」

紗枝「トラックに乗ったサンタどすかぁ…」

P「それはちょっと夢が無いな…。」

美世「それならまだバイクの方が良いんじゃない?」

P「バイクなら軽トラよりはまだマシか…。」

美世「ふふっ、いっその事クリスマス気分で飾り付けちゃう?」

紗枝「それは何や楽しそうどすなぁ。」

ガシャーン

美世「!?」

紗枝「今の音は何ですやろ?」

P「あのバカ!何やってんだ!」

------------

柚「わわっ、Pサン助けて!」

?「オイ!テメー待ちやがれ!!」

P「こりゃ酷いな…。」

美世「あちゃー、また派手にやってくれたね…。」

紗枝「見事に倒れてますなぁ…。」

?「オイ!アンタこいつの連れか?」

P「済みません、迷惑をかけたみたいで…。」

?「済みませんじゃねぇよ!どうしてくれんだ!?」

美世「まぁまぁ、私が直すから許してあげてよ拓海ちゃん。」

拓海「なんだぁ、美世の知り合いか?」

P「柚、ちゃんと謝れ。」

柚「ご、ごめんなさい…。」

拓海「チッ……、しゃあねぇな。」

------------

紗枝「で、柚はんが触って倒してもうたんどすか…。」

拓海「そういうことだよ。ったく!」

柚「…………」

P(………流石に反省しているか。)

美世「ボディに軽いキズがついてるだけだったからすぐに直すよ。」

P「すまんな、美世。余計な仕事を増やしてしまって…。」

美世「別に大丈夫だよ、バイクを弄るのも好きだしね。」

拓海「ところで、美世。こいつら誰だよ?」

--- 自己紹介中 ---

拓海「ふーん、馴染みの客ねぇ…。」

美世「Pさんとは、私が上京してからだからもう数年来の付き合いになるかな。」

紗枝「かなり長い付き合いどすなぁ…。」

拓海「美世が珍しく肩を持つと思ったらそういうワケかよ…。」

美世「そう言うコト、Pさんにはお世話になってるしね。」

P「ん?もう昼か…。美世、そろそろ俺達は帰るよ。」

美世「ん、わかった。ソリに使えそうなバイク探しとくね。」

P「色々迷惑かけてすまないな。」

美世「気にしないで、それよりPさん、たまには一緒にドライブいかない?」

P「そうだな、時間が空いたらお願いするよ。」

美世「ふふっ、期待してるからねっ!」

--------

紗枝「Pはん、次はとなかいを探すんどすか?」

P「そうだな…、誰かに協力してもらうか。」

柚「…………」

P「柚。いつまで、へこんでるんだ。」

柚「…………ごめんなさい。」

P「もう良いって。気にするなよ。」

柚「Pサン……。ありがとう…。」

P「とりあえず、事務所に戻るとするか。」

拓海「オイ!待てよ!」

P「……ん?」

拓海「アタシのバイクにキズをつけといて、そのまま帰るってのかよ?」

P「バイクは済まなかった。もちろん美世に直させて終わりにするつもりは無いよ」

拓海「……おいオマエPって言ったな、腹減った。メシ連れてけ」

P「………わかった。紗枝、済まないが柚を連れて先に帰っててくれるか?」

紗枝「Pはん?うちも行きますえ?」

P「紗枝、今回は俺一人で行くよ。」

紗枝「Pはん……。わかりました…。」

柚「……………」

--- レストラン

ウェイトレス「お待たせいたしました。ハンバーグランチとコーヒーになります。」

拓海「オマエは何も食わねぇのか?」

P「俺はコーヒーだけで良いよ。」

拓海「ふーん、まぁ奢りだから良いけどよ。」

P「好きなだけ食べると良いよ。」

拓海「バイクの件はこれでチャラにしてやるよ。」

ウワーン

P「ん?子供が泣いてるのか?」

拓海「あーあー、しゃあねぇな!ちょっと行ってくるわ。」

P(面倒見が良いんだな………。)

拓海「おーよしよし、もう泣くな。ちょっとコケただけだろ。」

P(…………こいつは適任だな。)

---------

拓海「ふー、食った食った。」

P「なぁ、ひとつお願いがあるんだが良いか?」

拓海「あぁん?何だよ?」

P「今度のクリスマスに予定は空いているか?」

拓海「………どういう意味だ?」

P「お前に手伝って貰いたい事があるんだ!」ガシッ

拓海「オ、オイっ!何だ離せよ!」

P「トナカイやってくれないか?」

拓海「はぁ!?」

--- 説明中 ---

拓海「トナカイだぁ!?アタシは特攻隊長向井拓海だぞ!」

P「それはわかってるけど、他に頼める奴がいないんだよ…。」

拓海「バイクを運転できる奴なら美世がいるじゃねぇか。」

P「美世はソリに協力してもらってるからな、それに当日うちのクリスマスパーティーに呼ぶし…。」

拓海「トナカイとかやんねーぞ!やんねーからなッ!!」

P「そういうなよ、きっと似合うと思うぞ。」

拓海「アンタは黙ってろ!調子狂うから!」

P(説得に時間がかかりそうだな…。)

--- 事務所

P「お疲れ様です。今戻りました。」

ちひろ「Pさん。お疲れ様です。遅かったですね?皆はもう家に帰りましたよ。」

P「えぇ、野暮用に時間喰って、その後の客先に直接行きましたから。そういえば、皆サンタへの手紙書いてくれましたか?」

ちひろ「えぇ、はいどうぞ。ちゃんとプレゼント買っておいてくださいね。」

P「変なプレゼントじゃ無ければね…。えーっとあやめは」

(サンタ殿!わたくし「三匹が斬る!DVD-BOX」が欲しいです!)

ちひろ「渋いものを頼みますね…。」

P「あやめらしいっちゃらしいか…。えーっと次は紗枝か…。」

(Pはん。うちに似合う可愛い物を選んでおくれやすー。)

ちひろ「えらくアバウトですね、紗枝ちゃんの事知らないとわからないんじゃないですか?」

P「サンタじゃなくて俺宛になってるし…。最後は雪美か…。」

(サンタさんへ…私の…欲しい…プレゼント……これからも…ずっと…ずっと…Pと…一緒)

ちひろ「…………」

P「ちひろさん、雪美に書きなおすように言っといてください…。」

--- Pの家

P「ただいまー」

柚「……………」

P「お前なんで布団にくるまってるんだ?」

柚「………Pサン……帰れって言わないよね…。」

P「ほれっ」

柚「わわっ!ひっぱがさないでよ!」

P「下らないこと言ってないで荷物運ぶの手伝え。お前の着替え届いてるぞ。」

柚「えっ?」

P「柚みたいなお転婆はちゃんと目の届く所に居てもらわないとな。」

柚「………へへっ!うんっ!」

P「ところで柚。お前クリスマスは空いてるのか?」

柚「うんっ!Pサン、クリスマスはアタシとデートしよ!」

P「………そうだな、デートするか。」

--- そして、クリスマス当日…

P「全員集合ー、点呼!」

柚「いちー!」

拓海「に……うォォ、恥ずかしいィィィィィ!!」

柚「へへっ!このトナカイのキグルミカワイイね!」

P「一式そろえるの、結構高かったんだぞ。今日はしっかり頑張ってもらうからなトナカイ1号、2号」

柚「了解であります!」

拓海「誰がトナカイ2号だ!」

柚「Pサンはサンタ服なんだね。」

P「俺が先頭切ってプレゼント配らないといけないからな。」

拓海「チッ……、オイP!約束は守れよ…。」

P「わかってるよ。そろそろ行こうか。まずはPassionプロだ。柚は俺の後ろに乗れ。拓海はもう一つのやつな。」

柚「気合入れてこーっ!」

拓海「にしても美世の用意したバイク、電飾つけすぎじゃねぇか?」

P「美世のやつ張り切ってたからなぁ、立派なサイドカーまでついてるしまぁ大丈夫だろう…。」

--- Passionプロ

本田未央「PaPプロデューサー、ホントにサンタさん来るの?」

PaP「あぁ、そろそろ来る時間だぜ!」

ブロロロロロ

藍子「もしかして、あれですか……。」

P「ホーホッホッホッ!メリークリスマス!」

PaP「おっすおっす!P…じゃなかったサンタさんメリクリ!」

未央「えへへっ!メリクリ―!」

藍子(ぼ、暴走族かとおもった…。)

P「早速プレゼントを配るとしよう。トナカイ君達手伝っておくれ。」

柚「頑張るよーっ!」

拓海「チッ!なんでアタシがこんな…おぼえてろよP…。」

藍子(い、今あのトナカイさん舌打ちしなかった…??)

P「ふー、これで一通り配ったかな?」

柚「うんっ、これで全部かな。」

拓海「オイ!終わったんならさっさと次行くぞ!」

P「わかった、では皆の衆良いクリスマスを!」

ブロロロロロ

「…………」

藍子(PaPプロの子たちが固まってるの初めて見たわ…)

PaP「アッハッハッハ!良かったじゃねーか皆!今年は直接サンタさんが来てくれたぞ!」

未央「私、サイン貰っとけばよかったなぁー!」

きらり「きらりんお洋服貰ったにぃ!うふふふ…かわいくて楽すぃー☆」

茜「見てください!!私はランニングシューズですよ!あー走りたくなってきました!!」

藍子(こ、この人達は…)

--- Coolプロ

北条加蓮「CoPさん、もうすぐパーティー始まるのにどうして外に出るの?」

CoP「あぁ、知り合いからこの時間に皆を連れて事務所前に出といてくれって連絡があってな。」

加蓮「何かあるのかな?」

CoP「さぁな、詳しくは聞いて無いがサプライズがあるらしい。」

ブロロロロロ

加蓮「な、何?」

キキィー

P「ホーホッホッホッ!メリークリスマス!」

CoP「……………」

加蓮「……………」

拓海「……んだよ、ジロジロ見てんじゃねーよっ!」

加蓮「C、CoPさん?」

CoP(こ、このアホが…)

拓海「ほらっ、プレゼントだ落とすなよ。」

成宮由愛「ありがとう…ございます……」

P「トナカイの仕事ぶりも板についてきたな。」

拓海「アンタのためじゃねーよP……ばーか」

柚「サンタさん、こっちは終わったよー!」

CoP(あの子は確か……柚ちゃんか?)

P「よし、次に行くか。」

柚「れっつごー!」

拓海「もうなんでも来いだッ!」

P「では皆の衆良いクリスマスを!」

ブロロロロロ

加蓮「CoPさん、私の知っているクリスマスって間違ってたのかな?」

CoP「今日の事は忘れるんだ…。」

--- Cuteプロ

ブロロロロロ

P「ホーホッホッホッ!メリークリスマス!ってCuP一人か?」

CuP「PaP君から連絡あってこんな事だろうと思っていたからね。」

P「まぁ配るのが楽になったから良いけどさ。」

CuP「ふふっ、こんな暴走族みたいなサンタだとうちの子にはショックが強すぎるよ。」

P「そうか、ほれっこれがCuPの事務所の分だ。」

CuP「ありがと、P君。ついでにこれを持って行ってよ。」

P「ん?クーラーボックス?中身は雪??」

CuP「わざわざ新幹線で取りに行ってきたんだよ。PaP君に頼まれたからさ。」

P「お前の担当は雪だったのか…。」

CuP「そういうこと、PaP君らしい注文だけどね。」

CuP「ところであの子は誰?片方は柚ちゃんだよね?」

P「ん?柚ともう一人は臨時で手伝って貰ってる向井拓海って子だよ。」

CuP「ふーん、彼女達はアイドルに誘うつもりなの?」

P「………どうだろうな。」

CuP「3人までは決まったって聞いてるけど。エントリーまでに間に合いそうかい?」

P「まぁ、何とかな……。」

CuP「………P君、わかってると思うけどあえて言わせてもらうよ。」

CuP「例え、フロントメンバーが5人そろったとしてもボク達には勝てないよ。」

P「……………」

CuP「理由は気づいてると思うけどね…。」

P「わかってるさ、でも俺は負けるつもりはない…。」

CuP「ふふっ、それでこそだね。ごめんね生意気言って。」

P「気にするな、心配してくれてこそだろ。」

拓海「オイッP!早くしろよ!」

P「……………」

柚「あれ?Pサンどしたの?」

P「何でもないさ………。」

--- 事務所

雪美「じんぐ…べー…じんぐ…べー…」

紗枝「Pはん、遅いどすなぁ…。」

ちひろ「今しがた、もうすぐ着くって連絡があったから下に降りましょうか。」

あやめ「あれ、何で外に出るんですか?」

ちひろ「ふふっ、それは出てみてからのお楽しみかな。」

--------

警察「君ねぇ、クリスマスで浮かれる気持ちもわかるが気をつけてもらわないと…。」

P「す、すいません。」

雪美「……………」

紗枝「……………」

あやめ「……………P、P殿?」

ちひろ(……さて、どこから突っ込めば良いのかしら……。)

柚「もう…、たくみんがあんなに飛ばすからだよ!」

拓海「誰がたくみんだ!」

ちひろ「はぁ…、Pさんホントに気をつけて下さいよ。免停になったらどうするんですか。」

P「め、面目ない…。」

あやめ「ところでP殿は何故サンタの格好をしているのですか?」

P「あ、あぁ…。サンタさんに頼まれてうちの事務所にプレゼントを運びに来たからだ。」

雪美「……トナカイ……も…いる…」

柚「このキグルミ、カワイイでしょ♪」

紗枝「あら、あんさんは確か?」

拓海「あ、あんまし見んじゃねーよ」

ガチャッ

真奈美「お待たせ。パーティーはもう始まってるかい?」

美世「Pさんお待たせ―!ナイスタイミングだったみたいだね。」

拓海「……………」

美世「…………拓海ちゃんどうしたのその格好?」

拓海「アタシだって恥ずかしいんだよっ!わかれよな!」

真奈美「おやおや、こんなにも人数が増えてるとは料理が足りるかね…。」

美世「あたしも色々買ってきたから大丈夫だと思いますよ。」

あやめ「んっふっふ、木場殿の作られた料理は美味ですね!」

ちひろ「本当においしいですね!今度教えてもらおうかしら…。」

紗枝「木場はんはよう料理の練習してますからなぁ。」

柚「イチゴピョッキーうまーっ!」

P「柚、お前お菓子ばっかり食べすぎだぞ。」

拓海「おーよしよし。コラコラ暴れんじゃねーよ、もうカワイイな!」ニャー

雪美「……P……ペロが……」

P「すまん、雪美。今夜だけ拓海に触らせてやってくれ。約束だからさ。」

雪美「……うん……Pが…言うなら…良い…」

P「そう言えば、ちひろさん。このプレゼントの山は何ですか?」

ちひろ「何って、雪美ちゃん達宛てにファンから届いたプレゼントですよ。」

P「へー、こんなに来るとはたまげたな…。」

ちひろ「ふふっ、それだけ人気が出てきてるって事ですよ。」

P「これじゃあ俺のプレゼントはかすんじゃいますね……。」

雪美「………………」ピクン

雪美「………P………」クイクイ

P「ん?どうした雪美?」

雪美「たくさんの…プレゼント……嬉しい……」

雪美「でも…私…たくさん…いらない………Pのプレゼント……1番……大事…」

ちひろ「ふふっ、余計な心配だったみたいですよ?」

P「ありがとな、雪美。」

雪美「………うん…」

P「さーて、じゃあ皆にプレゼントを配るぞ。まずは雪美にはこれだ。」

雪美「…これ……お洋服……?」

P「うん、雪美の新しいステージ衣装にどうかなって、俺がデザインしてみたんだ。」

雪美「……嬉しい……」

P「喜んでもらえたみたいで良かったよ。それを着ると雪美もマドモアゼルって感じだな。」

雪美「……ありがとう……P……」

あやめ「P殿!わたくしには何でしょうか!」

P「あやめにはこれだ。ほら三匹が斬る!DVD-BOXだったっけ。」

あやめ「おお!素晴らしいです!わたくし今夜は眠れそうにないです!」

P「今すぐ見たかったら事務所のテレビ使って良いぞ。」

あやめ「い、いえ!が、我慢します!」

P「次は紗枝か」

紗枝「ふふっ、うちには何をくださるんですやろ?」

P「紗枝ちょっとこっちに来てもらえるか?」

紗枝「……どうしはりましたん?」

P「ちょっと大人しくしてろよ。ほいっ、終わり。」

紗枝「あっ、これかんざしどすか?」

P「そうだな、似合いそうな奴を選ぶの苦労したよ。」

紗枝「ふふっ、Pはんおおきに…。」

P「えーっと、次は柚と美世と拓海の分だな」

柚「やったー!Pサン早く早くー!」

美世「え、あたしにもあるの?」

拓海「アタシの分もあったのかよ?」

P「柚はロイヤルピョッキー、美世にはミニカーだ。拓海はネコのキーホルダーっと」

ちひろ(き、急にランクがさがったような……。)

柚「へへっ、Pサンありがとう!」

美世「うわー、これ欲しかったんだ!」

拓海「………サンキューな」

ちひろ(まぁ、喜んでもらえてるなら良いってことなのかしら……。)

--------

ガチャッ

P「ただいまー」

ちひろ「お帰りなさい、送迎お疲れ様でした。」

真奈美「すまないね、紗枝は私が送って行くべきだったんだが。」

P「いえ、気にしなくて大丈夫ですよ。」

柚「zzz……」

ちひろ「柚ちゃんは完璧に寝ちゃってますね。」

P「帰る場所は一緒なんで大丈夫ですよ。」

真奈美「ところで、今日は浮かない顔をしていたが何かあったのかい?」

P「………気づかれてましたか。」

P「知り合いにちょっと言われたんですよ、例えアイドルを5人集めた所でフェスでは勝てないって。」

真奈美「ふむ……」

ちひろ「P、Pさんどういう事ですか?」

P「ん、そうですね。今のままでは底が知れてしまっているって事ですかね…。」

ちひろ「え、私にもわかるように言って下さいよ…。」

P「フェスのエントリー枠は最大10人、うちは最低限の5人で参加しようとしている…。」

P「他と違ってLIVEバトルに参加するフロントメンバーの5人は常に固定されている事になりますね。」

真奈美「つまり、相手に手の内を全て明かしている状態での戦いになるわかい?」

ちひろ「じゃあ………。」

P「手の内がバレている以上。それを超えられる準備をされた時点でアウトって事ですよ…。」

真奈美「相手の予想を超える切り札が必要だね。打開策はあるのかい?」

P「………ありますよ。いけるかわかりませんが。」

柚「んんっ……、Pサン…。」

P「柚、起きたか。それじゃ俺もそろそろ帰ります。」

ちひろ「はい、わかりました。戸締りはしておきますね。」

ガチャッ

ちひろ「木場さん。私5人集めれば何とかなると思ってました。」

真奈美「少なくとも彼は今でもそのつもりだと思うが?」

ちひろ「でも、本当に勝てるんでしょうか…。不安です……。」

真奈美「ふふっ、ではちひろ君に私からのクリスマスプレゼントだ。」

ちひろ「これは、アイドル…強化合宿の案内ですか?」

真奈美「私の知り合いがやっているんだ。料金は安くしてもらえるはずだよ。」

ちひろ「………これでフェスまでにレッスンをすれば…。」

真奈美「そういうことだ、この合宿で特訓を行い各自のレベルを上げる。」

真奈美「彼がやる気なら他の皆も答えてやらないとな。」

ちひろ「………木場さん。ありがとうございます。」

真奈美「お礼は勝ってから聞くとするよ。」

--------

ブゥーン

P(打開策か……。そもそもまだ満足にメンバーも集められてもいないのにな。)

柚「Pサン、見てみて!雪だよー!」

P「ん?ホントだホワイトクリスマスってやつだな。」

柚「ちょっと寄り道して行こうよ!」

P「外は冷えるぞ。」

柚「えー、いいじゃん。ちょっとだけだよ!」

P「しょうがないな…。」

---- 公園

柚「ね、Pサン。」

P「どうした?」

柚「ありがとう…。」

P「急にどうしたんだよ。」

柚「女の子なんて星の数ほどいるでしょ? でもアタシの事、人込みの中で見つけ出してくれたのは…Pサンなんだよっ!」

P「……………」

柚「実は結構運命的なんじゃないかなーとか思ってるんだよねっ!こうして今日Pサンと一緒なのは聖なる夜の奇跡って感じ?」

柚「神様からの最高のプレゼントだと思うよっ!へへっ♪Pサンもそう思うでしょ?」

P「…………柚」

柚「ん?どしたの?」

P「お前、アイドルにならないか?」

柚「えっ!?アタシが?」

P「あぁ、前々から少し思っていたんだけど、今の柚を見て確信したんだ。」

柚「……………」

P「何て言うかその…、惹きつけられたって言うか何というか。」

柚「………良いよ。」

P「えっ?じゃあ。」

柚「うん!アタシ、アイドルになる!Pサン、アタシ頑張るから……見ててねっ?」

P「あぁ、一緒に頑張って行こう!」

---- 翌日

P(色々あったが、柚はうちのアイドルとなった。)

P(親御さんとは旧知の仲なので、電話をしたらあっさりとOKをもらった。)

P(しかしまぁ、聖夜に出会った運命のアイドルが昔の知り合いとは世の中わからんもんだな…。)

拓海「ほーら、ペロツーこっちこい!」ニャー

真奈美「おや、雪美ちゃんのネコ以外にもいたのかい?」

P「拓海が拾ってきたネコの面倒をうちで見るかわりに、クリスマス手伝って貰いましたからね。」

あやめ「このネコはペロツーという名前なのですか?」

P「あぁ、俺がつけた名前だよ。」

紗枝「ふふっ、なんやPはんらしい名前の付け方どすなぁ。」

柚「Pサン昔からネーミングセンスが安直だからねー。」

雪美「…良いと……思う……」ニャー

ちひろ(また事務所で暇をつぶす人が一人増えたわ…。)

ガチャッ

P「ただいまー。」

ちひろ「お疲れ様です。今年最後の仕事まであと少しですね。」

P「うん、今日はもうちょっとしたら事務所を閉めようか。」

ちひろ「ふふっ、でもまさか柚ちゃんがアイドルになるとは思いませんでしたね。」

P「……確かに。俺も最初は誘う気が無かったですからね。」

P「皆とも仲良くやってるし、柚もやる気だから良い方向に向かうと思いますよ。」

ちひろ「…Pさん。フェスは大丈夫なんでしょうか?」

P「…大丈夫ですよ。俺はそう思っています。」

ちひろ「あと一人見つかると良いですね。」

P「必ず見つけてきますよ。切り札と呼べる子をね…。」

P(あと一人か…。)

書き忘れてた…

おわり

おつおつ
ところで和久井さんが最初のスレ以降出てないんですがそれは…

>>121 わくわくさんの出番はもうちょっと後です…。

今回で5人揃えてフェスに行くつもりでしたが、

5人目が思いつかなかったので、もうちょっとだけ続きます…。

今回もお付き合い頂いた方々、支援頂いた方々に感謝です。

またどっかで投下します。

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