触手「うねうね」女「なにこれ」(246)

女「チューリップの球根かと思って植えたら……」

触手「うにゅうにゅ」

女「気持ち悪いなぁ……。なんだろう、この植物」

触手「うにょうにょ」

女「食虫植物の仲間かな。とりあえず水でもあげておこう……」

触手「ぐにゃぐにゃ」

女「植えておいて世話しないのも無責任だし仕方ないよね」

触手「ぐにゅぐにゅ」

翌日

触手「ぐじゅぐじゅ」

女「あれ? なんか昨日より大きくなってない?」

触手「じゅるじゅる」

女「変な粘液垂れてるし……。うええ、昨日にも増して気持ち悪い」

触手「ぐじゅるぐじゅる」

女「男くんに相談した方がいいかな」

女「美味しそう…ジュルリ」

触手「にゅる!?」

男宅

男「なるほど。チューリップを植えたと思ったら生えてきたのがこの触手だったってわけか」

触手「うじゅうじゅ」

女「男くん、植物に詳しいって聞いたから……。どうすればいいのかな?」

男「そうは言われてもこんな植物、エロ本でしか見た事ないし」

触手「じゅるりじゅるり」

女「……! お、男くんの趣味は聞いてないよ」

男「いや、別に趣味ってわけじゃ……。まぁいいや、今のところ水を与えて育ててるの?」

女「うん」

触手「うじゅるうじゅる」

男「それで今日の朝起きたら昨日よりでかくなっていた、と」フーム

触手「ぐしゅぐしゅ」

男「話を聞く限り約三十センチくらいは伸びてる事になるな」

男「このまま順調に成長していくとどうなるのか楽しみなような気もする」

女「念のため聞いておくけど、大きくなって人を襲ったりしないよね?」

男「それは性的な意味でってことか?」

女「ち、違うったら! 食虫植物みたいに人間も捕食したりしないよねって聞いてるの」

男「うーん。現実的に考えればそんな事ありえないと思うけど、実際どうなるかは分からないな」

男「まぁ、育ててみたら? 面白い事になるかもしれないし」

女「……そっか。うん、育ててみる」

十日後

触手「ぐじゅるぐじゅる」

女「…………全長350cmと、ちょっとかな」

男「でかー。幹も立派になって……。そろそろ触手プレイができるんじゃないの」

女「変なこと言わないでよ」

女「そんな事よりこのまま大きくなり続けたら庭中にこの触手が溢れかえる事になっちゃうんだけど……」

男「そりゃ楽しそうだ。しかしどうしたもんかなぁ……。まさかこんなでかくなるとは予想外だった」

触手「ぐじゃあぐじゃあ」

女「最近粘液の分泌量もとんでもない事になってるし……一日二リットルは排出してるよ」

男「ふーむ……」ヌルリ

女「な、なにしてるの?」

男「それ」ペトリ

女「ひゃ!? 粘液つけないでよ!」

男「ごめんごめん。ちょっと実験してみようと思って」

女「なんの実験……?」

男「この粘液が媚薬じゃないかな、と」

女「自分で試せ、変態」

男「で、どうだった? 媚薬効果はあった?」

女「ないよ馬鹿。変態。馬鹿」

男「って事はこの粘液はローションの役割を果たすのか? うーん、興味深い」

女「煩悩爆発させ放題だね……」

男「男子高校生なんてそんなもんだって。今夜のオカズのことしか考えてないオナ猿ばっかりだ」

女「世間の男子高校生が聞いたら憤慨すると思う。馬鹿。変態。馬鹿」

触手「うじゅりうじゅり」

一ヶ月後

触手「ぶじゅらぁぶじゅらぁ」

男「うおおお……」

女「幹だけで全長12mオーバーだって……」

男「うひょー、まるでたたり神だ。絶景かな絶景かな」

触手「うじゅるうじゅる」

男「女さん、ちょっとダイブしてみてよ。この触手まみれの庭に」

女「遠慮しとく。全身粘液まみれになるのが目に見えてるし」

男「ダイブからのレイプって事にもなりかねないしね。ははは」

女「最低なギャグだね。責任とって男くんが飛び込んで」

男「初めてが触手とか嫌だわ」

女「なんで襲われる前提なのかな……。育て親として言わせてもらうけど良い子だと思うよ。この触手」

男「良い子だってセクロスはするよ、お母さん」

男「俺だって良い子だけど、目の前に麻縄で縛られた全裸の美少女がいたら理性を失う可能性だってある」

女「それは間違いなく悪い子だと思うよ、この性犯罪者」

男「予備軍な」

触手「ぐじゅらぁぐじゅらぁ」

男「しかし何故こんなになるまで女さんは律儀に毎日水を与え続けたんだ……」

女「今更見捨てろって言うの? この人でなし」

男「いや、まぁそうだけどさ。流石におかしいと思わないか?」

男「一ヶ月とちょっと水与えただけで十二mだぞ。大人たちに相談するとか、森に植え替えるとかなんか打つ手はあっただろうに」

女「大人って言っても両親は田舎だし……頼れる知り合いは男くんくらいしかいないんだもん」

男「そうか……。なんにしてもこのまま庭で育てるのは無理だな。なんとかしないと」

男「しかしどうしたものか。植え替えるって言ったって重機でもなきゃまず無理だろうし」

女「邪魔な触手を十mくらい切ったら植え替えられるんじゃない?」

男「容赦ないな育て親。それに直径1mは優にある触手をどう切るってんだよ」

女「そっか……」

男「とりあえず今後触手をどうするかは保留だな」

男「俺の知り合いに相談してみるから、その間女さんは触手に水をやるなよ?」

女「……え」

男「これ以上でかくなったらご近所にばれて通報されて自衛隊が飛んで来るぞ」

男「水を与えなくても伸びる可能性はあるが、気休めでもいい。水をあげるのは禁止だ」

女「……分かったよ」

三日後

触手「ぐじゅ……ぐじゅ……」

女(日に日に触手の体表を覆ってた粘液が減っていってる……。乾いてきてるんだ……)

触手「うじゅ……うじゅる……」

女(可哀相……。水が欲しいって触手を動かして……)

女(ごめん。ごめんね……。触手さん……。男くんの連絡があるまで我慢して……)

触手「うじゅぅぅ……ぐじゅ、ぐじゅ……」

一週間後

触手「じゅ……じゅる……」シオシオ

女「どうしよう……。男くんの連絡を待つ事一週間……」

触手「じゅるり……うじゅ……」

女(見てられないよ……。喉の渇きに触手さんが苦しむ姿……)

女(でも、水をあげたらご近所の人にばれちゃう……)

女「頑張って、触手さん! もうすぐの辛抱だから……!」

触手「うにゅ……じゅ……」

十日後

触手「…………ぐじゅ」グッタリ

女「触手さん……」

女(水を与えなくなってからもう十日……。粘液ももう出てない……)

女(あんなに毒々しかった触手の色も今は黄ばんできてるし……)

女(このままじゃ枯れちゃうんじゃ……?)

触手「じゅ……じゅ、じゅ……」ウネウネ

女「ひゃっ。触手さん、なに? こしょぐったい」

触手「ぐじゅぐじゅ……うにゅ……」

女(水が欲しいから私に縋ってるんだ……。お母さん、喉が渇いたよって……)

女「…………!」

女「もうこんなの嫌だ! 触手さんが苦しむ姿、これ以上見たくない!」

触手「……ぐじゅ」

女「水……! 水だよ! 触手さん!」ジャー

触手「じゅじゅじゅじゅ……」ズルズル

女「今ホースでたくさん水あげるからね!」

触手「じゅじゅじゅじゅじゅ」ズルズル

三日後

ガキA「キモイんだよ! 化け物!」ボコッ

触手「じゅるぅ……ふじゅ……じゅ」

ガキB「もっとでかい石もって来いよ! こんなんじゃ化け物退治はできねぇぞ!」バゴッ

触手「うじゅうう……」

女「や、やめて! なにやってるの!?」

ガキC「だってこの家の塀からキモイ蔓がいっぱい伸びてきて邪魔なんだもん」

女「……!」

ガキA「この化け物、お姉さんのペット? うへぇ、趣味悪っ」ギャハハ

女「ど、どっか行って! この子に危害を加えないで!」

ガキB「こんな化け物育てて、頭おかしいんじゃないの?」

ガキA「化け物庇う変人は石投げつけてお仕置きしないとな!」ヒュッ

女「いだっ! いだいいだい! やめて! お願いやめて!」

触手「じゅる……じゅ……」

ガキC「やれやれ!」

女「あぐっ!」ボゴッ

ガキA「やっべ、頭当たった!」

ガキB「逃げろ!」

女「うぅ……ううっ」

女「……大丈夫? 触手さん?」

触手「じゅじゅじゅ……ぐじゅ」

女「皮が剥がれちゃってる……。酷い……」

女「ごめんね……。私がしっかりしてないから……」

女(水をあげたから触手が成長して庭から溢れ出しちゃったんだ……)

女(どうしよう。男くんに相談しなきゃ……)

女「もしもし。男くんのお母さんですか? えっと、女です。あの男くんは……」

女「出かけてるんですか? えっとどこへ……」

女「親戚の家ですか? 分かりました。はい。……はい」

女(携帯も繋がらない山奥の親戚の家に行ってるって……。だから連絡がとれないんだ)

女(もしかするとその親戚の人が男くんの例の知り合いなのかも……)

女(待つしかない、か……)

翌日

隣人「ちょっといいかしら?」

女「は、はい。なんですか?」

隣人「お宅の植物の蔓が家の庭に進出してきてるんだけどどうにかしてもらえない?」

女「ご、ごめんなさい。今週中になんとかしますから!」

隣人「それに塀から垂れ下がった蔓が道にも伸びてて邪魔なのよ。気色悪いし」

隣人「今週中になんとかしてよね。期限を守らないようなら訴えるから」

女「すみません……。分かりました……」

キモいってだけで訴えられるかよ隣人死ね

近所の人A「あの子、化け物屋敷の女の子よ」ヒソヒソ

近所の人B「ああ、なんか庭でおかしな植物育ててるってね。本当どういう神経してるのかしら」

近所の人C「ちょっと声が大きいわよ。化け物の育て親に聞こえたりでもしたら何されるか分かったもんじゃない」ヒソヒソ

近所の人A「正直な所、迷惑だからどっか行ってほしいわよね」

近所の人B「景観も悪いし、他所の人から見たらこの街全体のセンスを疑われそうで嫌だわ」

近所の人C「本当そうよねー」

女「…………っ」ボロボロ

>>57
他人の庭に植物とかが進出してきた場合家庭裁判所かなんかで訴える事は可能じゃなかった?
ただ、よっぽど質が悪くないと無理だろうけど

女「もう嫌だ。耐えられないよ……。外を出歩くだけで蔑むような目で皆に見られる……」

女「わたし……どうすればいいの? 男くん……早く帰ってきて……」

触手「ぐじゅ……ぐじゅ……」

女「触手さんの所為じゃないよ」

女「早い段階で対処しようとしなかった馬鹿な私がいけないんだ……」

女「こんな大きくなる前に触手さんをもっと広い場所に植え替えてあげてれば……」

女「触手さんがこんな辛い思いをしなくてもすんだのに……」

女(今日もまた近所の子供に投石されてた。わたしが来たら逃げたけど……)

電話「プルルル」

女「……もしもし」

男「もしもし?」

女「男くん!? もしかして帰ってきたの!?」

男「おまっ、声がでかいって。今、例の知り合いの所にいてな。明後日帰る予定だ」

女「本当? 良かった……」

男「ごめんな。長い間連絡もとれないで。触手は元気か?」

女「それが……」

男「そんな事があったのか……」

女「……うん」グスッ

男「大丈夫。触手は親戚の叔父さんの庭に植え替えてもいいって話になったんだ」

女「交渉してくれてたの?」

男「まぁな。今すぐ帰りたい所だけど、でかくなった触手の奴を叔父さんの庭まで運ぶのは大変だろ?」

男「どうしても運搬用の大型車両を確保する必要がある。それには明後日までかかりそうなんだ。業者との関係でね」

男「だから、ごめん。辛いだろうけど、待っててくれ」

女「……分かった」

男「俺の携帯は電波の関係で繋がらないから、何かあったら今通話してる番号にかけろよ?」

男「親戚の家の電話番号だ。忘れるなよー?」

女「大丈夫。忘れないって」ニコッ

女「あの、ありがとうね」

男「……いいよ、お礼は。大体お前のためじゃなくて触手のためだからな。俺が植物好きだって設定覚えてるだろ?」

女「あははっ、ツンデレだね」

男「そうですね。じゃあ、切るからな」

女「うん。……待ってるから」

男「はいよ」プツッ

女「…………明後日まで、頑張らなくちゃ」

女「少し安心したらなんだか眠くなってきちゃった……」

女「なんだか熱っぽいな……。風邪引いちゃったかな……?」

女「近所の子供達に触手さんが襲われた時は私が守らなくちゃね」

女「英気を養うために今日はもう寝ておこう……」



天気予報士「例年稀に見る大型台風が迫ってきています。上陸は明日から明後日にかけてと見られるでしょう」

女「…………」zzz

天気予報士「台風上陸にあたってくれぐれも外出には注意してください。台風に伴って竜巻などが発生する可能性もあります」

女「…………」zzz

触手「ぐじゅる……ぐじゅる……」

翌日・夕方

ガキA「やれー! お前達! 化け物退治だ!」

ガキ共「うおおお!」

女「うぐ! やめっ……やめて! もう放っておいてよ!」バシッビシッ

ガキB「おねえちゃんが悪いんだ! 化け物育ててるお姉ちゃんは悪者だよ!」

女「痛い! 痛いよ! お願い、もう石を投げないで……!」

ガキA「その化け物を庇うっていうなら容赦しないぞ! おねえちゃんもろともやっちまえー!」

ガキD「Aくん、もういいだろ? 台風も近付いてるし、そろそろ帰ろうぜー」

ガキC「いくらなんでもやりすぎだって……」

女「はぁ……はぁ……」グッタリ

ガキA「そ、そうだな。分かったよ」

ガキA「今日はこの辺にしといてやるよ! また来るからなー!」ギャハハ

女「……痛っ、うぐ……」

女(熱も上がってきてる気がする……。やっぱり風邪引いたかな……?)

女「今日は……まだ、水あげてないよね、触手さん……」

女「それに暴風避けのシートも被せてあげなきゃ……」

女「待ってて……今、水を汲んで……」グラリ

女「…………」ドサッ

触手「ぐじゅうう……じゅるる……」

隣人「雨風が強くなってきたわ。ほら、Aちゃん中へ入んなさい!」

ガキA「はーい!」

隣人「今回の台風9号はかなりの勢力らしいからね」

隣人「この街は直撃する予報だからお父さんの会社も臨時終業したみたいよ」

隣人「そろそろ帰ってくるんじゃないかしらねー」

女「…………」

女(雨……。私、庭先で倒れて……?)

女(駄目……。体が重くて動けない……)

女「…………うぐっ」

女(このままじゃ……台風が……)

女(………………)ガクリ

触手「じゅじゅじゅじゅじゅ」ズルリ

男(台風の所為で帰るのが遅れそうだって伝えたら……きっと怒るよなぁ)

電話「プルルルル」

男(……駄目だ。何度かけても女が電話に出ない)

男(大丈夫かな。電話に出ないって事は、まさか外出してたり……?)

男(この雨の中、外出するなんて事はしてないと思うけど……)

男(心配だ)

隣人「……なんですって? 電車が止まって帰るに帰れない?」

隣人「大丈夫なんでしょうね、あなた。ああ、こっちは大丈夫だけど気をつけてよ?」

隣人「分かったわ。じゃあね」

ガキA「母ちゃん、誰と電話してたの?」

隣人「お父さんよ。帰り、遅くなるみたい。先に夕飯食べてろって……」

ガキA「そっか。そんな事よりさ。窓の外みてごらんよ! さっきからすっげーんだ、風がびゅうびゅういってさー」

隣人「そんな事よりってあんたねぇ…………って、え?」

隣人「な、なななによあれ! あれって……竜巻じゃない!?」

女(風の音が……凄い……。わたしどうなったんだろ……)

女(さっきより地面が柔らかいような……ん?)

女「しょ、触手さん?」

触手「ずじゅ……じゅじゅじゅ」

女「わたしを触手で包んで雨風から守ってくれてたの……?」

触手「じゅるじゅる……」

女「……雨、いっぱい吸ってまた大きくなって……」ニコッ

女「触手さん、ありがt……」

ごおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

女「な、に? この音……!?」

近所の人A「竜巻よ! こら! Bちゃん外に出ちゃ駄目!」

ガキB「竜巻だああああ!」


女「たつまき……!?」

触手「ぐじゅ……ぐじゅう……」ギュッ

女「触手さn」

ズゥン!!

女「!!?」

ドドドドドドドド!!

ちょっと保守頼みますー

http://i.imgur.com/Ku8on.jpg

>>92
太腿prpr

保守サンクス

倒壊した隣人宅

隣人「いたっ……ぐうっ……」

隣人「……なにが、起こったの?」

ガキA「家崩れたぁ……! 膝すりむいたぁ……!」

隣人「A! なにが起こったかって聞いてるのよ!?」

ガキA「竜巻が……隣の化け物姉ちゃんの家に直撃して……」

隣人「うちも巻き添えをくらったの……? よく助かったわね……」ゲホゲホッ

ガキA「化け物が……」

隣人「?」

ガキA「化け物と竜巻がぶつかって竜巻の軌道が変わったんだ……」

ガキA「だから俺たち、助かったんだよ」

ガキA「家は崩れたけど……」

隣人「…………」

テレビキャスター「只今、竜巻が発生したとの情報が入りました! ○○県××市の……」

男「お、おい。ちょっと待て。これ、俺の住んでる地域じゃないかよ」

男「……女っ!」

電話「prrrrrr」

男「出てくれよ! 女! 頼むから!」

電話「prrrrrr……」

男「くそっ! 駄目だ。台風が過ぎるのを待ってられるか」

男「……早く戻って、女の無事を確認しないと……!」

10時間後

車内

ラジオ「えー、昨夜の竜巻により家屋10棟が全壊しており……」

親戚の兄「……もうすぐ着くぞ。その女の子の家に」

男「……うん」

親戚の兄「ふぁぁ……しかし眠いな。ははっ」

男「……ごめんな。兄ちゃん。昨夜から夜通し運転させて……」

親戚の兄「いいんだよ。大切な女の子なんだろ? お前はその子の心配だけしてりゃいい」

男「……ありがとう」

親戚の兄「さぁ、そろそろだぞ」

倒壊した女宅

男「なんだ、これ……!」

レスキュー隊員「危ないですのでー下がっていてくださいー」

親戚の兄「こいつぁ……酷ぇな……。レスキュー隊員にちょいと話を聞いてくるよ」

男「……分かった。……女さんはもう救助されてるんだよな? まだ、あの家に取り残されてたりしたら……」

男「触手もボロボロだ……。竜巻にやられたのか?」

男「女さん……。無事であってくれ……」

ごめん、また保守頼む
なんどもすみません

保守サンクス
続けます

倒壊した女宅前

消防隊員「ちょっと、君! このテープの中は立ち入り禁止だよ!」

「触手さん……! うああ、触手さんっ!」


男「今の声は……!?」


女「触手さんっ! ……ちょっとそこどいてください!」

消防隊員「駄目だ。もうすぐ救急隊員が到着する。君は安静にして……」

女「…………馬鹿!」ダッ

消防隊員「うお!」

消防隊員「ちょっと君ねぇ……」

消防隊員「ん……これは……!」

女「触手さん……」

触手「…………」

女「竜巻から私を守って……それでこんな……こんな傷だらけに……」

触手「…………」

消防隊員「…………」

女「ねぇ……動いて……」

女「触手さん……動いて……!」

男「女さんの声は確かこっちから聞こえたはず…………いた!」


触手「…………」

女「ううっ……ううううっ……」ボロボロ

男「女さん! 良かった、生きて……」

女「触手さん……」

男「…………?」

女「……ごめんなさい」

女「最初の頃……気持ち悪いなんて酷い事言っちゃって……」

女「計画性もなしに……貴方を育てるなんて無責任な事言って……」

女「喉渇いてたのに……ずっと水あげなくて……」

女「子供達の攻撃からちゃんと守ってあげれなくて……」

女「ごめん……! ごめんね……! ……ごめん、ね……」ボロボロ

男「……女さん」

消防隊員「…………っ、ううっ」ボロボロ

男「……俺が交渉に手間取ったばっかりに……」

親戚の兄「おーい、男ー。女の子ならさっき保護されたって……あれ?」

消防隊員「その保護されたって女の子ならここにいるぞ」ボロボロ

親戚の兄「おっさん……なんで泣いてんだ?」

女「…………」

男「悪い。兄ちゃん。少し静かにしていてほしい」

親戚の兄「……お? おう、すまん」

消防隊員泣くか

女「触手さん……」

触手「…………」

女「……ありがとう……」

触手「…………」

女「……わたし、あなたに会えて良かった」

触手「…………」

女「……あなたのお母さんになれて良かった」

触手「…………」

女「……生まれてきてくれて……ありがとう」ニコ

レスキュー隊員「あのー、消防さん。救急車が到着しまし……」

消防隊員「今良い所なんだ。黙ってろ……」ボロボロ

レスキュー隊員「は、はぁ」





男「…………女さん」

女「……! 男くん……?」

男「ごめん。遅すぎたな……。触手はもう……」

女「…………」グスッ

男「…………」

男(……流石の触手も竜巻の直撃を受けたらひとたまりもないか……)

男(……畜生。あと一日、二日早く帰ってこれていたら…………ん?)

男(…………なんだ? あれ)

ち ょ っ と ま て
レスキューと消防隊員が
泣 く の は お か し い

男「ちょっと待った、女さん」

女「……へ?」グスグス

男「竜巻で地面が抉られて露になった触手の根元に……なんか見えないか……?」

女「…………あ、あれって……」

男「…………ああ」ニコッ

女「…………球根?」

球根「ドクン・・・ドクン・・・」

>>137
おっさんの涙腺が驚くほど脆くてついもらい泣きしたって事にしようぜ!

後日

テロップ「竜巻から近隣の住民を守った……!? 謎の巨大植物」


テレビリポーター「――――なるほど。台風直撃の数日前から、ですか」

近所の人「そうなんですよー。ある日突然、例の家の塀から触手というか蔓のようなものが伸びてきてねー」

テレビキャスター「それについて巨大植物の管理者である女さんからは何か聞きましたか?」

近所の人「特には聞いてないけれど……。まさかあの植物が竜巻を受け止めて被害を抑える事になるだなんてねー」


テレビキャスター「――――巨大植物のおかげで命を救われたんですか」

隣人「そうなんですよ。ええ。どうやら竜巻の軌道上に例の植物があったらしくて……。それにぶつかった事によって軌道がずれたらしいんですよねー」

テレビキャスター「なるほど。巨大植物は竜巻によって再起不能の状態となってしまったようですが……」

隣人「残念ですね。私はあの植物がこの街のシンボルになるんじゃないかと思ってたんですけどねー」

男「心にもない事を言うな、このおばさん。触手が邪魔だから早急にどうにかしろって言ってた人だろ?」

女「まぁ、そうだけど。私はもう怒ってないよ」

男「……そっか」

親戚の兄「おい、そろそろ女ちゃんの取材シーンじゃないか。テレビの音量あげろ、おい」

親戚の弟「ういー」

テレビキャスター『こちら、巨大植物の“保護者”である女さんです』

女『こっ、んにちはー』

親戚の兄「緊張してんなー。可愛いねぇ」

女「……からかわないでくださいよ」ムスッ

女「おかーさん、このお味噌汁の具おいしいねえー」
母「何か大きい球根みつけてねぇ、刻んで入れてみたのよー」

テレビキャスター『学者もこんな形状の個体は見た事ないと言っていますが……』

テレビキャスター『女さんはこの植物の球根をどこで手に入れたんですか?』

女『えと。たんすの、裏から……ころっと』

テレビキャスター『そんな所で発見したんですか?』

女『は、はい。最初は、ちゅーうぃっぴゅの球根かと思ったんですけど……』

テレビキャスター『……はい?』

女『ごめんなさい。チューリップです……』

男「…………」ニヤニヤ

女「なに。その顔は……」

男「テンパりすぎだって、お前」ククク

女「うるさい」

テレビキャスター『――――倒れた女さんを触手で包み込んで竜巻から守り、植物は死んでしまったという事ですか……』

女『…………はい』

テレビキャスター『にわかには信じがたい話ではありますね……』

女『まぁ、そうですよね……。植物が人間を守るだなんて……』

テレビキャスター『これについては、生物学者の研究の成果を待つ他ありませんが……』

女『……そうですね』




男「あれ? 言わなかったのか? 触手の球根が五、六個見つかった事……」

女「うん。そんな事言ったら学者さん達に全部没収されちゃうかもしれないし」

男「それもそうか。じゃあ、叔父さんの庭で触手が続々育ってる事は世間にはまだ知られてないのか」

親戚の兄「ま、言う必要はないだろ。マスコミ共にたかられて取材求められんのはごめんだしな」

男「確かにそれは鬱陶しいな。そう考えると触手をひっそり育てるにはこの山奥はうってつけの場所ってわけか」

女「うん。もう触手さんを傷つけたくないし、私はここで静かに触手さんを育てる事にするよ」

男「そうか……。そうだな。それがお前の幸せなら、俺は何も言わないよ」

女「ありがと、男くん」ニコ

男「……いいって」ニヤ

親戚の兄「………………」

親戚の兄「セ○ロスしたくなったらいつでも言えよ? 俺、席外すから」

男「最低だな、兄ちゃん」

女「誰かさんにそっくりな気もするけどねー」

――――五年後

男「そろそろ飯にしないかー? 女ー」

女「今行くよー。あと二体の触手さんに水をやったらねー」

男「……了解」

触手A~Z「じゅるじゅるじゅるり」ウニョーウニョー

親戚の兄「……五個ばかしの球根から育った触手がたった五年でこんな森を作るとはなー」

男「絶景だな。見た目はアレだけど育て親に忠実な様子は可愛いもんだよ」

親戚の兄「目を離した隙に女ちゃんが寝取られたりする心配もないしな。確かに慣れりゃ可愛いペットだ」

男「女さんの溺愛っぷりからするにペットよりかは家族って言った方が良い気もするけど」

親戚の兄「はは、違いねぇ」

触手Z「うにゅ……うにゅ」

女「はいはい。今、水あげますからねー」ジョォォ

触手Z「うにょーい……うにょーい……」モゾモゾ

女「んふふふふっ。こしょぐったいったら……」

触手Z「うにゅにゅ……」

女「はー、可愛いな。ずっとこの森の中にいたいくらいだけど……」

女「男くんが待ってるから……行かないとね」

女「じゃあ、またね。触手さんたち。お昼ごはん食べたらまた来るからね」

触手A~Z「うにゅにゅ……」




親戚の兄「さっきは女ちゃんを触手に寝取られる心配はないって言ったけどよ」

男「ん?」

親戚の兄「そんな心配する以前に……女ちゃんってお前より触手のが好きなんじゃね?」

男「え」

親戚の兄「実質女ちゃんは触手達のお世話につきっきりだし、お前といる時間より触手といる時間の方が長いだろ」

男「いや、そうだけど……」

親戚の兄「女ちゃんと同棲を始めてもう五年……」

親戚の兄「そろそろお前も男見せる時が来たんじゃないか?」

男「…………」

女「男ー、お待たせー。お兄さんも」ニコ

親戚の兄「おう。飯にすっか」

男「……そうだな」

女「…………?」

こしょぐったいってはじめて聞いた
方言?

男「女」

女「…………はい」

男「好きだ」

親戚の兄「!? ちょ、ちょっと俺は厠行ってくる(決断からの行動が早えよ)」

女「……男?」

男「五年前から、いやもっと前……初めて出会った時から好きでした!」

女「……は、はい」

男「だから、付き合って欲しい!」

>>192
方言なんかね
こしょぐったい=くすぐったい

女「……いきなりだね」

男「ま、まぁな」

女「……あの、ありがとう」

男「……うん」

女「男には今までずっとお世話になってきて凄く感謝してる……」

女「でもね」

男「……?」

女「今はただ、触手さんといたい」

男「…………!」

女「ごめんね。勿論男の事も好きだよ。だけど……」

男「友達として好き、って事か」

女「……うん」

男「……そっか」

女「私は触手さんが好き」

男「…………」

女「ごめんね、男……」

男「いや、いいんだ。俺は……」

男「…………俺は」

女「……ぷっ、あははははっ!」

男「!?」

女「ごめん全部嘘!」

男「…………は?」

女「いや、全部嘘ってわけじゃないけど……」ギュッ

男「は、あ、え?」

女「触手も勿論好きだけど、男も大好きだよ? 私は」ムギュ

男「は、はい?」

親戚の兄「ははは、ドッキリ大成功ってヤツだな」

男「え、兄ちゃん、何言って……」

親戚の兄「五年も女を待たせた罰だよ。まぁ、俺が考えたドッキリだが」

女「五年も同棲してるのにいつまでたっても男は告白も何もしてこないんだもん」

女「五年間焦らされたお返し。私が触手さんのお嫁にでもなると思った?」

男「……な、なんだよ。そういう事か……」

男「…………本気で落ち込んだわ」

女「あははっ。 ごめんね男」

親戚の兄「まぁ、結果オーライだろ。告白は成功したんだからよ」ニヤ

男「……兄ちゃん」ジロ

男「まぁ……いっか」

女「それじゃ、これからもよろしくね……。男」

男「……ああ」

親戚の兄「さーて。茶番はおしまい。初々しい二人の初夜は触手プレイで決まりかな」

男「やかましいわ」














触手「触手プレイまだー?」ウネウネ


おしまい

保守とかコメントくれたりとか色々ありがとう
無事終了できたのも皆のおかげです
これでも本来はエロ書くつもりだったんだけどな
何故こうなったのか……

それではお疲れ様でした
股間の触手弄ったら寝るわ

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