凛「Linkラジオ、どんどん続くよ」(171)
凛「Linkラジオは第11回、皆元気にしてるかな」
凛「あ、私は元気だよ。もちろんプロデューサーもね」
凛「最近冷え込むよね。体調には気をつけないと」
凛「私にはとっておきのカイロがあるから。全然問題ないけどさ」
凛「きらりは、杏が一番のカイロみたいだよ。ほんと仲が良いんだから」
凛「……ね、プロデューサー?」
凛「今日の独り言は、春菜とのかなぁ」
凛「激しい闘いだったよ……」
凛「何せ、事務所一の眼鏡ストだからね。一筋縄じゃなかったし」
凛「周りは全滅、残ったのはただ私のみ……」
凛「藍子、歌鈴、加蓮、愛梨、未央。最初はこれだけ仲間がいたんだ」
凛「けど、気が付いたら藍子が眼鏡の犠牲に……」
凛「『プロデューサーさんは眼鏡フェチですよ』なんて幻惑にも程があるよね」
凛「皆は、そんな思惑に乗るような柔なアイドルじゃない……そう思ってた」
凛「瞬く間に歌鈴と愛梨が飛んでいったんだ……」
凛「頼れる仲間が二人も消えてしまって、つい不安になったけど」
凛「三人で励ましあって、襲い来るメガネに立ち向かった……!」
凛「加蓮が『プロデューサーは守ってやりたい病弱系眼鏡フェチ』という言葉に負けるまで……」
凛「冷静に考えたら、プロデューサーはどれだけマニアックなの、って分かるのに……」
凛「未央と二人、最後の抵抗が始まったよ」
凛「春菜に下った愛梨が、銀縁眼鏡を手に迫る……眼鏡は脱ぎ去らなかったなあ」
凛「激戦の末、未央が捕まって、とうとう眼鏡の餌食に……」
凛「春菜の視線が、こちらに向くのに時間はかからなかったね」
凛「私は最後の最後まで抵抗したんだ」
凛「でも、春菜が耳元で囁くの」
凛『最近のプロデューサーのトレンドは、クールな優等生眼鏡キャラ萌え』
凛「これは……無い。反則」
凛「……で? 似合ってる? これ」
凛「……そう。ふーん……こういうのが好みなんだ……」
凛「……で。次のコーナーは、凛のアンコール」
凛「今回紹介するのは、キラメキラリ」
凛「765プロの、高槻やよいちゃんの曲だね」
凛「元気いっぱい、夢いっぱい」
凛「子供の心の中は、いつだってロマンいっぱいだよね」
凛「やよいちゃんの元気を、あなたにもお届けします」
凛「キラメキラリ、どうぞ」
凛「軽快で元気ハツラツ、聴いてるほうも楽しくなっちゃうね」
凛「ギターソロ、私もやってみたいな」
凛「ギターソロかもーんっ……なんて」
凛「……ねえプロデューサーその目、何?」
凛「あ、口元隠しても無駄。笑うとかヒドいよ、ちょっと!」
凛「……今日の御花シンデレラ、ゲストはこちら」
雪美「……呼ばれた」
凛「うん、呼んだ」
雪美「……凛の……ラジオ……初出演」
凛「毎回出演者が変わるからね。今日のゲストは、佐城雪美ちゃん」
雪美「……よろしく」
凛「雪美ちゃんは事務所では年少組だよ」
雪美「……でも……子供、じゃない」
凛「ふふ、食いしん坊だもんね」
雪美「……違う……かな子と……愛梨……原因。雪美……悪くない」
凛「あの二人は仕方ないよね。かな子はどうしてあれ以上太らないのかな……不思議だなぁ」
雪美「影の努力……雪美……見た……プロデューサーと……秘密特訓」
凛「……秘密特訓?」
雪美「そう……二人だけの……皆……知らない」
凛「ちょっとこれは、かな子のお腹をぷにぷにする必要がありそうだね」
雪美「それは……雪美も……したい。ぜひ」
凛「よし、じゃあ今度一緒にかな子を捕まえよう」
雪美「……おまかせ……捕まえる……秘密……聞き出す」
凛(まあ、多分ただのダイエットなんだろうなー……)
凛「面白そうだし、いっか」
雪美「……凛は……アイドル、楽しい……?」
凛「うん、もちろん。雪美ちゃんは?」
雪美「私も……楽しい……歌う、踊る……」
凛「雪美ちゃんは、小さい子に大人気だからね」
雪美「学校、よく踊る……歌も好き……だから……アイドル……なれて良かった」
雪美「でも……一番……プロデューサー。出会えた……」
凛「……そうだね。私たちの事、プロデューサーが見つけてくれたもんね」
雪美「プロデューサー……必要……アイドルに……」
凛「……そうだね。私たちの事、導いてくれるもんね」
雪美「だから、プロデューサーは……雪美のもの」
凛「……それはおかしいね」
雪美「……不思議……無い。真理……」
凛「いや、どうかな。プロデューサーは皆のものじゃない?」
雪美「……皆には……ちひろ……ぽいっ」
凛「いや『ぽいっ』じゃなくて。私たちが欲しいのは、プロデューサーでさ」
雪美「……ぷい」
凛「いや『ぷい』でもなくて」
雪美「凛……プロデューサー絡む……我がまま……」
凛「そんな事ないよ。むしろ雪美の方が我がままだよ」
雪美「……子供だから」
凛「さっき子供じゃないって、言ってたのに……」
雪美「……でも凛は大人……はず」
凛「……私も子供だよ」
雪美「……年下に……譲るべき……」
凛「駄目。ちゃんとお姉さんの言う事を聞きなさい」
雪美「凛は……いじわる……」
凛「意地悪じゃありません」
雪美「………む」
凛「………む、じゃありません」
雪美「……分かった」
凛「分かったならいいんだ」
雪美「……今回……凛と……プロデューサー……いちゃいちゃ、すればいい」
凛「いや、いちゃいちゃはしないよ」
雪美「……遠慮……しない」
凛「遠慮してない」
雪美「……我慢……しない」
凛「我慢してない」
雪美「……かわいい」
凛「かわいくない」
凛「雪美は、どこか大人びてるというか」
凛「不思議な子なんだよね」
凛「でもそこがチャームポイントかな」
凛「……からかうのは止めて欲しいよね、うん」
凛「さて、お便り紹介のコーナーだよ」
凛「まずはペンネーム、逮捕しちゃうゾさんから」
凛「凛ちゃん超可愛い! もー犯罪級、逮捕しちゃう!」
凛「あはは、ありがとう。でも逮捕はゴメンかな」
凛「逮捕されるんじゃなくて、逮捕する側なら良いけどね?」
凛「次はペンネーム、素敵なステッキさんから」
凛「凛さんは駄洒落、好きですか? 私は好きですが、毎回駄洒落を言うのは誰じゃー、って」
凛「…………っ」
凛「はー、文字だと違ったインパクト……」
凛「駄目だ、お便り書いてる姿想像すると……ふっ、くくっ……」
凛「はー、最後のお便りはペンネーム、キグルミ着やがれでごぜーますさんから」
凛「凛さんはおねーさんですけど、一番子供っぽくもありやがります?」
凛「そ、そうかな……そんなつもりは無いけど」
凛「……子供っぽいのかな」
凛「ねえ、どう思う? プロデューサー」
凛「……そのままの凛が良い?」
凛「ん、誤魔化してない?」
凛「……月並み。もうちょっと気が利いた台詞が欲しいんだけど」
凛「とりあえず、及第点にしといてあげるよ……ふふ」
凛「今日の放送はどうだったかな」
凛「次回もぜひ聴いて欲しいな」
凛「それじゃ、また」
凛「Linkラジオを、よろしくね」
支援ありがとうございます
Linkラジオをリメイクしようと思ったものの、失敗した物が余ってて
新スレもなんだからおまけで流します
凛「Linkテレビ、1日目」
凛「今日からこの時間は、私、渋谷凛のLinkテレビが放送されるよ」
凛「つい最近までラジオやってたのに、不思議な感じ」
凛「もうテレビに進出できちゃうなんて、さ」
凛「ラジオを聞いてくれてた皆も、初めての人も、楽しんでいってね」
凛「それじゃあLinkテレビ、始めるよ」
凛「とはいっても、テレビ番組のメイン進行なんか初めてだな」
凛「……でも、なんでプロデューサーがカメラを?」
凛「カメラマンは……押し付けられた? わけわかんない」
凛「まあ、いいか。余計なもの、撮らないでよ……」
凛「えっと、まずは事務所の仲間達の仕事を突撃取材する企画」
凛「名付けて、凛の密着アイドル24時!」
凛「この企画は、アイドルたちの仕事現場に突撃して、その仕事ぶりを取材するよ」
凛「私も誰なのか、聞いてないんだ。仕事先のメモ渡されてるから、行って確かめてみよう」
凛「今日の現場は、綺麗な湖みたいだね」
凛「白鳥が可愛いな……ここには誰が居るんだろう」
凛「うん、あのスワンボートに誰か乗っているみたいだね」
凛「……こっちに向かってくる」
ボート「……キコキコ」
凛「……」
ボート「……キコキコ」
凛「……」
ボート「……ふぅ……」
凛「……」
ボート「……キコキコ」
凛「…………」
ボート「……疲れた……休む……」
凛「ねえ、一応待ってるんだけどな」
ボート「……凛? ここに……なぜ……?」
凛「それは揚がってからでいいかな…? あと2メートルで着くから、ね?」
ボート「わかった……努力……大事。きこきこ…」
凛「お疲れ、雪美ちゃん」
雪美「……重労働……でも、白鳥は……癒し」
凛「白鳥、可愛いもんね」
雪美「あの店の……白鳥アイスは、絶品……」
凛「雪美ちゃんって、意外と食いしん坊だから」
雪美「……そんな、ことは……」
雪美「……話、戻す……凛が居る理由」
凛「うん、実は雪美ちゃんの仕事を、密着取材しようと思ってね」
雪美「密着取材……つまり、こう。ぎゅう」
凛「あはは、抱きつく方の密着じゃないってば」
雪美「……違う? でも、ぎゅう」
凛「それで、雪美ちゃんはここで何のお仕事をしてたのかな?」
雪美「……白鳥と遊ぶ?」
凛「な、なんで疑問系?」
雪美「なんか……とりあえず乗れば良いよ……って……スタッフが……」
凛「スタッフさん、仕事がいい加減でしょ……」
雪美「構わない……遊び、大事」
凛「たしかに、スワンボートは楽しそうだね」
雪美「ただし……疲れる……でも、凛なら……」
凛「よし、じゃあ今度は一緒に乗ってみようか?」
雪美「……こくこくっ」
凛「出発進行ーっ」
雪美「しんこー……」
凛「……おお、速い速い」
雪美「二人で漕ぐ……速い」
凛「一緒だもんね」
雪美「右も左も……白鳥だらけ……」
凛「へえ……すごい。こんな場所があったんだね」
雪美「寄ってきた……」
凛「雪美ちゃんに懐いちゃってる……おそるべし」
雪美「みんな……友達……?」
凛「それにしても、三人はちょっと狭いね」
雪美「プロデューサー……荷物、大きい」
凛「撮影だから仕方ないよ」
雪美「……じゃあ、もっとくっつく」
凛「その必要は無いよ。私が詰めてあげるから」
雪美「……大丈夫……プロデューサー、もっとくっつく」
凛「いやいや。こっちに寄れば良いよ」
雪美「気遣い……無用。私と凛の……仲」
凛「だからこそだよ。さ、プロデューサー。雪美ちゃんに迷惑掛けちゃ駄目だから」
雪美「くっつく……!」
凛「こっちに……!」
雪美「うー……!」
凛「むむ……!」
雪美・凛「あっ……」
<ドボーンッ
雪美「落ちた……!?」
凛「プ、プロデューサー!?」
雪美「船着場……到着……」
凛「面白かった、たまにはこんなのも良いね」
雪美「スタッフ……ぐっじょぶ……」
凛「うんうん。今度皆も連れてこようか」
雪美「……なら……今度はアイスも……」
凛「ふふ……はいはい。まずはプロデューサーを暖めないとね?」
雪美「ホテル……一等室」
凛「最近のホテルは雰囲気あるね」
雪美「……だーいぶ」
凛「もう、お行儀が悪いよ」
雪美「問題ない……プロデューサーも」
凛「こらこら」
雪美「ホテル……修学旅行、楽しみ……内緒話」
凛「それじゃ、二人でここだけのお話しちゃおうか」
雪美「……プロデューサーは」
凛「カメラマンだから仕方ないね」
雪美「……仕方ない……ね」
雪美「……どきどき」
凛「じゃあ、好きな男性のタイプを聞いちゃおう」
雪美「……タイプ」
凛「うんうん」
雪美「…………ちら」
凛「さり気無いカメラ目線、アイドルの鑑だね」
雪美「……優しい……私……包み込む」
凛「ふむふむ……優しくて包み込んでくれる……」
雪美「……いつも傍……離れない」
凛「いつも傍に居てくれる……」
雪美「それに……暖かい……」
凛「いいね……そういう人」
雪美「凛も……同じ?」
凛「そうだね。私もそういう人に、いつか出会いたいね」
雪美「未来系……?」
凛「えっ?」
凛「あ、もうこんな時間」
雪美「良い子は……寝る……」
凛「雪美ちゃんは良い子だなあ」
雪美「プロデューサーに……言われた」
凛「プロデューサー、お父さんみたいだなあ……」
雪美「じゃあ……お母さんは、凛?」
凛「ぅぇおっ?」
雪美「今の声……どうやって……?」
凛「やだなもう、雪美ちゃんは変な事口走るよね。困る困るほんと。もう寝よっか?」
雪美「そこ……私のベッド……あと、凛は……別の部屋……」
凛「はぁー……」
凛「私のベッドってここだよね」
凛「全く。雪美ちゃんは、たまにおかしなことを口にするんだよね」
凛「真に受けないでよ? 子供の言う事なんだから」
凛「もう寝るよ。明日も撮影早いんだからさ、プロデューサーも早く寝なよ」
凛「おやすみー……」
凛「すー……すー……」
凛「んん……」
凛「……ん」
凛「……んー……」
凛「ぷろでゅーさー……?」
凛「……6時じゃん……」
凛「……まださつえいまで……時間あるよ……」
凛「…………寝ようよ」
凛「ふわ……」
凛「………さむい……ぷろでゅーさー……はやく。こっち」
凛「……うー……さむい……はやく……布団ん中はいって……」
凛「かめらなんか置いといてさ……はやく……」
凛「……ん……はー、あったか……あったかー……」
凛「んー。あったかい……ぬくぬく……すー……」
凛(……ん、そろそろ起き……)
凛(…………なんで一緒に寝てるんだろう)
凛(…………眠たい……)
凛(……あ、夢だ。そう夢)
凛(起きてから考えればいいや……)
凛「……んー」
凛「……んー……んん……」
凛「ふぁ……ふわ……」
凛「ん。起きた。起きたよ。起きたから」
凛「花子はまた潜り込ん……」
凛「…………」
凛「………………」
凛「………………」
凛「…………教会がいいな」
凛「……おはよう。どうして起こしてくれなかったの?」
凛「なんでカメラ撮りっぱなしなの? 」
凛「……えっと、これ放送しないよね。普通に考えて」
凛「きちんと止めておいてよ?」
凛「放送したらプロデューサー、後でひどいからね」
凛「後ろ手に隠したコピーも没収。預かるから」
凛「……なんで泣くの。ほら、今日もお仕事行くよ!」
おしまい
支援ありがとうございます
加蓮ちゃん書きたい
おやすみなさい
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