咲「私も和ちゃんの…」(110)
咲「……」ジー
和「咲さん、どうかしたんですか?」
咲「えっ?う、うん。ちょっとね」
和「何か気になるものでもあったんですか?……あっ」
竜華「怜ー、少しは落ち着いた?」
怜「うん……大分楽になってきたわ。いつもごめんな、竜華」
竜華「気にせんでええよ。ゆっくり休み」ナデナデ
怜「ん……。竜華のひざまくらは気持ちええなあ」ゴロゴロ
竜華「あははっ、くすぐったいからあまり動かんとってやー」
和「あの二人、どこかで見たような……」
久「んー?ああ、あれは千里山女子の制服ね」
和「千里山……たしか、大会第4シードの……」
久「ええ、関西最強の名門校ね。私たちとは反対ブロックだから決勝戦でぶつかるかも」
和「なるほど、思い出しました。部長や鶴賀の加治木さんが集めたデータで見た覚えがあります」
咲「……」ジーッ
久(咲があんなに他校の選手に注目するなんてね。無理もないか、あの二人は確か千里山のエースと部長だったはずだし)
和(さすが咲さん、すでに決勝でぶつかる可能性のある相手もマークしているんですね。目指すは優勝のみ、私も気を引き締めないと)
怜「ん~」スリスリ
竜華「ふふっ」ナデナデ
咲「……いいなあ」
咲(私も……)チラッ
和「?」
咲(私も、和ちゃんのひざまくらで思う存分甘えてみたい……!)ウズウズ
久「さっ、眺めてても仕方ないしホテルに戻りましょうか」
和「そうですね。行きましょう、咲さん」
咲「う、うん」
咲(どうやったら和ちゃんのひざまくらに甘えられるかなあ……?)
咲(体調が悪いフリをしてみるとか?)
咲(ううん、それでいきなりひざまくらに持っていくのは不自然だよね。それに私って嘘下手だからすぐにばれちゃうだろうし……)
咲(う~ん……)
……
咲(結局何も思いつかないまま戻ってきちゃった……)
久「ふう、疲れたー!」ノビー
和「人が多いのでホテルと会場を行ったり来たりするだけで一苦労ですね」
久「ゆっくりできる長野に戻りたいわねー」
和「しっかりして下さい。明日から試合なんですよ」
久「ふふっ、大丈夫大丈夫。ところでまこたちはまだ戻ってきてないのかしら?」
和「そのようですね。ゆーきは須賀くんとタコスを食べに行くから遅くなるかも、と言ってましたが」
咲(どうしよう……)ソワソワ
和「咲さん、ソワソワしてどうしたんですか?またおトイレに行きたいけど場所が分からない、ということなら付き合いますけど」
咲「ちっ、違うよ!というか部屋にあるからさすがに迷わないよ!」
久「あら、咲も成長したわね?」クスクス
咲「部長までそんな……」
久「さて、私はお風呂に行こうと思うけど二人はどうする?」
咲「……!」
咲(部長がいなくなれば和ちゃんと私の二人っきりに!これはチャンスだよ!)
咲「わ、私はもう少ししてから入ります。疲れたので少し休んでから……」
久「あらそう?残念ねえ、和は?」
和「そうですね……」
咲(あっ、よく考えたらここで和ちゃんが部長について行ったら二人っきりになれないんじゃ……)
和「……」チラッ
咲(お願い和ちゃん!お風呂はあとにして……!)
和「……咲さんと一緒にあとで入ることにします」
咲「……!」パアアッ
久「あらら、二人ともに振られるなんて私もまだまだね」クスクス
和「またそんな言い方を……別に振ったとかそういうわけでは」
久「冗談よ冗談。じゃあ私はお風呂に行ってくるわねー」ヒラヒラ
和「まったくもう……」
咲(よっし!さすが和ちゃんだよ、ありがとう!)グッ
和「さてと……」
咲(よし、あとはどうひざまくらに持っていくか考えなきゃ!)
和「咲さん?」
咲(急がないと他の人たちが帰ってきちゃうし、良い作戦が思い浮かばないなら多少強引にでも……)
和「咲さん!」ツンッ
咲「わっ!?な、何かな和ちゃん」
和「お体は大丈夫ですか?お布団敷きましょうか?」
咲「えっ、布団?どうして?」
和「いえ、先ほどから様子がおかしいので……ひょっとしたら体調を崩されてしまったのではないかと思って」
咲「……」
咲(和ちゃん、私を心配して残ってくれたんだ……優しいなあ)ジーン
和「無理はしないで下さいね、本当に」
咲(でも今回はその優しさと勘違いに付け込ませてもらうよ!ごめんね和ちゃん!)
和「またボーっとして……とにかくお布団を敷きますから、」
咲「あっ……」フラッ
和「咲さんっ!?」ポフッ
咲「ん……。えへへ……ごめんね、和ちゃん。ちょっと立ちくらみがしちゃって」
和「わわわわっ!?ど、どうしましょう!病院……いえ救急車を!」アタフタ
咲「あはは、そこまでしなくて大丈夫だよ。ちょっと休めば治るから」
和「そ、そうですか?ならお布団を……」
咲「んん……」グイッ
和「ひゃあっ!?」
ドサッ
咲「ご、ごめんね和ちゃん。押し倒すみたいな形になっちゃって」
和「い、いえ私は大丈夫です……///」
咲「あれ……?」モゾモゾ
和「ど、どうかしましたか?」
咲「何だか気持ちいいなって思ったら……今の姿勢、和ちゃんにひざまくらして貰ってるみたいになってるんだね」
和「あ……そ、そうですね」
咲「和ちゃんのひざまくら……あったかくて、柔らかくて、気持ちいい……ずっとこうしてたいな」
和「なっ、何言ってるんですか!もうっ!///」
咲「えへへ、ごめんね。すぐどけるから……」フラフラ
和「……咲さん」グイッ
咲「わわ……和ちゃん?」
和「ふらふらじゃないですか。咲さんがこの体勢で楽なら、しばらくこのままで……」
咲「……ふふ。ありがとう、和ちゃん」
咲(よし!作戦大成功だよ!)
和「……」
咲(念願の和ちゃんのひざまくら……うん、思ってた通りすごく気持ちいい……)ウットリ
和「……咲さん」
咲「……なあに?和ちゃん」
和「そんなにふらふらになるまで我慢しないで下さい。体調が悪いならすぐ私に話して下さい」
咲「うん……ごめんね、心配掛けて」
和「はい。反省して下さい」
咲「でも今回のは、本当にちょっと疲れちゃっただけだから。こうして和ちゃんにひざまくらして貰ってればすぐに治る気がするよ……」
和「な、何を言ってるんですか……」
咲「えへへ、でも本当に気持ちいいよ?疲れもどこかに吹き飛んでいっちゃいそう」
和「そう、ですか……」
咲「……♪」
和「あの、咲さん。私でよければいつでも……その、ひざまくら……してあげますから///」
咲「え……?ほんとに?」
和「はい。咲さんに喜んでもらえるなら私も嬉しいです」ニコッ
咲「わあ……ありがとう、和ちゃん」ニコッ
咲(嬉しいなあ。気持ちよくて、なんだか安心できて……ねむたくなってきちゃうよ……)ウトウト
和「眠いならこのまま眠ってしまっていいですよ。私は大丈夫ですから」ナデナデ
咲「ん……」
咲(のどかちゃんがなでてくれてる……きもちい、なあ……)
和「咲さん……」ナデナデ
咲「すう、すう……」
……
和「本当に大丈夫なんですか?」
咲「大丈夫大丈夫!和ちゃんのおかげですっかり元気になったよ」
和「でも……」
咲「いいからいいから。さあお風呂に行こうよ」グイッ
和「はっ、はい」
咲(はあ~……。和ちゃんのひざまくら、最高だったなあ)ウットリ
和(咲さんと一緒にお風呂……)ポワー
咲(これからは頼めばひざまくらして貰えるんだよね?えへへ、病弱キャラっていうのも悪くないかも……な~んて?)
咲「私も和ちゃんのひざまくらで甘えたいみたいなあ…」
おしまい
和「お風呂気持ちよかったですね」
咲「そうだねー。広いお風呂も悪くないよね」
和「少し長湯してしまいましたけど、体調は大丈夫ですか?」
咲「うん、平気平気。えっと、たしか私たちの部屋はこっちに……あっ」
和「お部屋はそっちじゃありませんよ。……咲さん?」
咲(あれは……)
シロ「だるい……」
胡桃「充電!充電!」
咲「……」
咲(あれも良さそうだなあ……私も)チラッ
和「?」
咲(私も和ちゃんのひざの上に座ってみたい……!)ウズウズ
咲(そう、ずっと思ってたんだよね。エトペンばっかり和ちゃんに抱きかかえられるのは不公平だって)
和「戻りました」
久「おかえりー」
咲(ひざまくらは凄く柔らかくて気持ちよかったし、抱きかかえて貰えば今度は和ちゃんの……)チラッ
和「まだ他の人たちは戻ってきてないんですか?」ポヨン
咲(……そう、あの極上クッションの柔らかさが堪能できるはず!)キラーン
久「そうねえ、風越の子たちもまだだし。どこほっつき歩いてるのやら」
咲(でもどうしよう……さすがにこれは体調悪いフリとかしても無理だよね……)
和「ちょっと退屈ですね……」
久「あら、休むのも大切よ?何もしなくていいって時間は貴重なんだから」
咲(う~ん……)
和「それはそうですけど……」
久「どうしても退屈なら、ネット麻雀でもやる?一応ここでも出来るけど」
咲(和ちゃんがいることに気付かないフリして座ってみるとか……)
和「ネット麻雀ですか」
久「家では毎日やってるんでしょ?普段と同じ生活を心がけることでリラックス効果も生まれるんですって」フフン
咲(エトペンになりすますとか……)
和「またテレビの雑学番組ですか……」
久「意外と役立つわよー?どうする?」
咲(うう、まともな案が全然浮かばないよ)
和「じゃあ……ちょっとだけ」
久「了解。咲はどうする?」
咲「えっ?あっ、私は和ちゃんが打つのを見てます」
久「そう。それじゃ二人ともこっちに」
和「はい」
久「えーっと……はい、これでいいわね」カチカチ
和「ありがとうございます、部長」
久「どういたしまして。私はやることがあるから二人仲良くね」
咲(う~……)
……
咲「……」ジーッ
咲(和ちゃんのひざの上にはいつものようにエトペンが……いいなあ)
和「……」カチッ
ロンッ!
和「あっ、また振り込み……飛んじゃいました」
咲「和ちゃん、調子悪いの?」
和「べ、別にそういうわけでは……」
久「どれどれ?」ヒョイッ
咲「あっ、部長」
久「何これ、イージーミス連発じゃない」
和「す、すみません」
久「うーん、全然集中出来てないわね。いつも通りペンギンも抱いてるのにどうして……って考えるまでもないか」チラッ
咲「?」キョトン
和「う……///」
久(咲が対面にいても気にしなくなったはずなのにねえ。さすがに頬がくっつきそうなくらいの近さで隣にいるとまだ意識しちゃうのね)
咲(どうしたんだろう和ちゃん……)
和(うう、さっきから吐息を感じるくらいの近くに咲さんがいるせいで麻雀に集中出来ません)
久(試合前に変なイメージを持たせるのも良くないし、止めさせるべき?いや、それより……)
咲(はっ、ひょっとしてエトペンじゃ物足りなくなったとか!?和ちゃん、それなら私が代わりに!……あれ?なんか私、頭が弱い子みたいになってる……)
和(お風呂上がりのせいか、良い香りもさっきから……///)
久「よし!和、特訓よ」
和「はい?特訓?」
久「ええ。和は咲を抱きながら打ってちょうだい」
咲(っ!!!!)
和「えっ?咲さんを……抱き……ええええっ!?///」プシュー
久「これを乗り越えれば、和が心乱されることはなくなると思うわ。どう、名案でしょ?」
和「どこが名案なんですかっ」
咲(すごい名案ですよ部長!これは千載一遇のチャンスだよ!)
和「そ、そもそもそんな打ち方、咲さんも嫌がって」
咲「嫌じゃないよ!和ちゃんのためなら喜んで協力するよ!」
和「ふえっ!?」
久(えらく咲の食い付きがいいわね……)
咲「和ちゃん、これも優勝のためにはきっと必要なことだよ。一緒にがんばろうよ!」
和「え、っと……うう」
久「ほら和、咲もこう言ってくれてるんだから。ものは試しよ、一回だけやってみなさい」
和「は……はい……///」
咲「えっと、じゃあ……座るね?」
和「は、はいっ。どうぞ」ポンポン
咲「その……重かったり痛かったりしたら、すぐに言ってね?」
和「さ、咲さんが重いなんてありえませんよ!」
咲「あ、ありがとう和ちゃん……」
久「こらこら、イチャイチャしてないで早く始めなさい。みんな帰ってきちゃうわよ?」
和「いっ、イチャイチャなんてしてませんよ!///」
咲「じゃあ……失礼します」ソッ
和「あ……」ピクンッ
咲「ん……こ、これでいいかな?」ポフッ
和「はい……///」
咲(き、気持ちいいけどちょっとこれは)モゾモゾ
和「さ、咲さん!そんなに動かないで下さいっ」
久「和がちゃんと抱きかかえてあげないから咲が落ちそうになってるのよ。そのおっきな胸で押し出されちゃうんだから、こうやって……」
和「こ、こう……ですか?」ギュウッ
咲「ふわっ!?」
咲(こ、これは……!これは凄いよ!)
咲(さっきまでは体勢が不安定で感じる暇がなかったけど、今は全身が和ちゃんに包み込まれてるようで……)
咲(和ちゃんの柔らかな太ももに加えて、背中にはおっきなのが押し当てられてる感触があって……最高の坐り心地だよこれ……)
咲(ふわあ……きもちいよこれ……♪こんな特訓なら何時間でも出来ちゃうよ……)ウットリ
和(な、何なんでしょうかこれは……)
和(いつもエトペンを抱きかかえると安心感を覚えるのですが、それが咲さんになるとそれ以上の安心感と、その……何だか幸せな気分に……)
和(ずっとこうしていたい……)ギュウッ
和(特訓なんだから麻雀を打たないと……でも……)
和(咲さん……)
咲「和ちゃん……足、痛くない?」
和「ええ、大丈夫です。咲さんは苦しくないですか?」
咲「うん、平気だよ。むしろもっとギュッてしてほしいくらいかな。えへへ……///」
和「さ、咲さん……///」ギュウッ
咲(はあ、和ちゃんって良い匂いするなあ……クセになりそう……)スンスン
和(目の前に咲さんの頭が……。同じシャンプーを使ってるはずなのに、どうして咲さんの髪からはこんなに良い香りがするんでしょう……)スンスン
咲(充電、かあ……これ考えた人は凄いね。なんだかどんどん満たされていく感じがするよ……)
和(咲さんの体、あったかい……)
咲(しあわせ……♪)スリスリ
和(咲さん……)ギュウッ
久「……」
……
ガチャッ
優希「たっだいまーっ!」
久「おかえりー。遅かったわね」
優希「さすが東京、美味いタコスがいっぱいあったじぇ!……あれ?咲ちゃんたちは何してるんだじょ?」
咲「和ちゃん……♪」スリスリ
和「咲さん……♪」ギューッ
久「特訓中。放っといてあげなさい」
優希「特訓って……のどちゃんが咲ちゃんを抱っこしてるだけにしか見えないじぇ。相変わらず仲良しさんだじょ」
久(麻雀打たせるつもりだったけど、結局ずっとあのままだしね。まあ二人とも幸せそうだからいいか)
咲「私も和ちゃんのひざの上で充電したい!」
おしまい
おまけ
咲「ふう……今日はいっぱい和ちゃんに甘えられて楽しかったなあ」
咲「ひざまくらも抱っこもいつでもやってくれるって言ってくれたし、これからもいっぱい甘えていいんだよね?えへへ……」
咲「でも、私も甘えるだけじゃなくて和ちゃんに何かお返し出来るようにしなきゃだね。うん」
咲「……うん?」
玄「お姉ちゃんのおもちはおっきくていいなあ~」フニフニ
宥「ひゃっ!?く、玄ちゃんだめえっ!///」
咲「………………」
……
和「今日の咲さんは、いつもよりスキンシップが多かったですね……」ポワー
和「何というか、私に甘えてきてるというか……」
和「……やはり咲さんも全国大会、そしてお姉さんと会うことに不安を感じているんでしょうか?」
和(その不安を、私が少しでも解消出来るなら……)
和「もっと咲さんに頼ってもらえるよう、頑張らないといけませんね」フンッ
咲「和ちゃん……」フラリ
和「あっ、咲さん。もう明日に備えて眠ったほうがいいですよ。部屋に戻りましょう」
咲「うん……」ジッ
和「咲さん?」ポヨン
咲「……」
咲(私も和ちゃんのおっきなおっぱいをこの手で触ってみたい……!でもさすがにそれは自然に行うのは難易度が高すぎるよ……!)
咲(そう、触りたいならもう直接頼むか……寝ている時に、くらいしか……)ギラッ
和「……?」
和(気のせいでしょうか。咲さんの目が少しギラギラしているような……?)
咲「部屋に戻ろうか、和ちゃん」ニコッ
和「はい、そうしましょう」
和(あ、気のせいだったみたいですね。咲さんの笑顔……)ポワー
咲(ふふふふ……)
咲「私も和ちゃんのおもちを堪能したい!」
おしまい
以上。お粗末
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