※閲覧注意
ワーキャー
男「はぁ… はぁ…! くそ、どこまで広がってるんだ…!」
幼馴染「どうしよう… どうしよう男…!」ガタガタ
男「とにかく隠れよう…! これだけ缶詰があるし、2人ならきっと大丈夫だ…!」
幼馴染「う、うん…」
…夜…
幼馴染「ふぅ… ふぅ…!」ガクガクブルブル
男「お、幼馴染… 震えてるのか?」
幼馴染「寒いよ… 怖いよ…! お、男ぉ…! ここにもきっと今に、ゾンビが…!」
男「大丈夫だっ!」ギュッ
幼馴染「ひっく…ひっく…! もうやだよぉ…! うええぇんっ…!」プルプル
男(くそ… もうだめなのか…? だけどせめて、最後まで2人で強く生きよう)ギュッ
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男「大丈夫… 俺が見張っててやるから、ゆっくり休め…」ポンポン
幼馴染「ひっく…ひっく…!」プルプル
男「…寒いのか?」
幼馴染「っ…」ガタガタ
男(…確かに、冷えるな)
男「…くそ、寒さを凌げそうなものがない…!」
幼馴染「…」ピトッ
男「うっ!?」
幼馴染「こ…こーやってくっつけば、き、きっと、あ、あった、かいよ」ドキドキ
男(た、確かにそうだけど…。うう、変なこと気にしてる場合じゃない…!)
男「そ、そう、だな」ドキドキ
幼馴染「…//////」ギュッ
男「わ!?/////」ドキッ
男(だ、抱きしめられたっ…)ドキドキバクバク
幼馴染「…わ、わたしだって、どの、は、恥ずかしいんだから…! が、我慢してよ…!/////」プルプル
男「お、おう…」ギュー
男「…ああ、あったかいな…。なんだか、子供の頃を思い出すな」
幼馴染「…」
男「あの頃は、俺たち仲良く遊びまわってたっけな…」ポンポン
幼馴染「…」
男「…」
幼馴染「…」ギュッ
訂正
× 幼馴染「…わ、わたしだって、どの、は、恥ずかしいんだから…! が、我慢してよ…!/////」プルプル
○ 幼馴染「…わ、わたしだって、その、は、恥ずかしいんだから…! が、我慢してよ…!/////」プルプル
…朝…
男(…眠い…)ボー…
幼馴染「」ウトウト…
男(でも、良かった…。結局今夜はゾンビに襲われずに過ごせた)
男(こんな幸運が、いつまで続くことやら…)
幼馴染「…ぐぅ…」コックリコックリ…
男(ラジオでも聞くか)イヤホン
ラジオ『…政府は、○×大学がゾンビ化した被害者を元に戻す即効性ワクチンの開発に成功したと発表しました』
男(…! ○×大学、この近くか…! 運がいいのかな俺)
ラジオ『捕獲したゾンビへの生体実験の結果、被害者を元の状態に戻すことに成功しています』
ラジオ『現在、本試薬を有効に運用し、事態を鎮静化させる計画を立てています…』
男(大丈夫なのかよ…!? とにかく、昨日見つからなかったのは運が良かっただけだ。ここには長くいられない)
男(もっと安全な場所に避難しないと…! でも、どこだよそれ…!)
幼馴染「くぅ… くぅ…」
男(落ち着け… どうしたらいいんだ…!)
男(幼馴染… 起こした方が、いいな)
男「おい幼馴染、起きよう」ユサユサ
幼馴染「すぅすぅ… はっ!? あ、あたし寝てたの…!?」ハッ
男「とりあえず缶詰くおう。それからどこに逃げるか相談しよう」
幼馴染「うぅ…! う、うん…」カチャカチャ
幼馴染「て、手がかじかんで、うまく開けれない…」ガタガタ
男「お、おれも…」プルプル
…
幼馴染「ごちそうさま…」
男「これからどこに行こうか…?」
幼馴染「…こ、この近くにも、ゾンビいるのかな…」ガタガタ
男「わからない…。下手に移動しないほうがいいのかな?」
ウー… アー…!
幼馴染「!!」ビクッ
男(き、聞こえたか?今の)ヒソヒソ
幼馴染(う、うん…!)ガクガクブルブル
ウアー…!
男(ち、近づいてくる…!)
幼馴染(ど、どうしようどうしようどうしよう…! た、食べられちゃうぅ…!)ガクガクブルブル
男(くっ…や、やるしか、ない!)
男「迷ってたら追いつかれる…! に、逃げよう!」
幼馴染「あ、あううぅぅ…!や、やだ、こ、こわ、い」ガクガクブルブル
男「いいから来るんだっ!」ガシッ タタタッ
ゾンビ「!! …うおおぉぉぉああああああぅぅぅ!!!」ダダダダダッ
幼馴染「ひ、ひ、い、いやあああああああああ!!」トテトテトテ
男「くっ… あ、足はええっ…!」ゼェゼェ
幼馴染「ひいっい、あ、あああ、やだ、し、しにたく!ないいいいいよおおぉぉぉ!!!わあああああ!!!」トタトタ
ゾンビ「うあああああぅぅぅぅぅ!!!」ドタドタ
幼馴染「ぜぇ… はぁ… ひぃ…! はぁはぁ、ぜはぁっ」ゼェゼェ
男(このままじゃ、幼馴染がもたないっ…! 幼馴染だけは、何があっても絶対守らなきゃっ…!)ハァハァ
幼馴染「はひ、はひぃ、お、おと、こ、はっ、どこ、に、いく、の」ヒィヒィ
男「っ… さっきラジオで言ってた、大学病院だ! 少なくともそこはまだ大丈夫なはずだ!」タタタタタ
幼馴染「はぁはぁ、も、もう、むり、だよぉ…! はぁっ、は、はし、れ、な…」ゼェハァ フラフラ…
ゾンビ「あああああ!!」ダダダダダ
男(くそっ、もう少しだってのに…!)
男(こいつをぶっ殺すしかない! でもどうやって!?)タタタタタ
男(…! 下水が流れてる。あそこに、なんとかして、ぶち落すしか…!)グイグイ
男「幼馴染っ! 足を止めるな、走れ!」グイグイ
幼馴染「がひっ、は、は、はひっ」フラフラ ガタガタブルブル…
男(いちかバチかだ…! あいつに引っ掻かれたり噛まれさえしなければ、ゾンビにはならないはず!)
男(はぁはぁ…! ちくしょう超怖えぇ…! でも、やるしか!ない! 思いっきりタックルして、下水にぶち落とすしかねぇっ!)クルッ
ゾンビ「ああああああ!!」ガバッ
男「うああああああっ!」タックル
ドゴッ
ゾンビ「ぅう!?」ヨロ…
男(よろめいた… このまま冷たい水の中に押し込まなきゃ!)グイグイ
幼馴染「はぁ… はぁ…! お、男…!?」ヘナヘナ
男「お、幼馴染っ! 走って逃げろ!」
ガブッ
男「痛ってええええええええええぇぇぇっ!!」
幼馴染「っ…!? お、おとこ!? え、や、やだ、か、かまれた、の…!?」
幼馴染「あぅ… ぁ、あ…! い、いや、お、男ぉぉ…!」ガチガチブルブル
男(あぁ… だ、だめかも、俺…)
男(こいつだけは、道連れにしなきゃ…! 幼馴染の、ためにも…!)グイッ
ゾンビ「ううううううぅぅぅぅ!!!」ガブガブ
男(こいつを押しながら、わざと下水のほうに、後ずさりしてやる)ヨタヨタ
男「幼馴染っ…!俺はもう助からねぇっ!だけど大学病院に行けばワクチンがある! お前はそこで匿ってもらうんだっ!」グイッ
幼馴染「た、たすから、ないって…ね、ねぇ…!?お、おとこ…!?」ガタガタ
男「お前だけでも…逃げてくれっ!」バッ
男(下水ぎりぎりまで近づいて… 急にこいつを俺の方に引けばっ!)グイイッ
ゾンビ「!? うううぅぅぅ!!?」
バッ…
男(やった… ざまあみろ、道連れにしてやったぞ)
ドボーン
男(うあ、つ、つめてぇっ!)
ゾンビ「うああああぁぁごぼぼがばばばばばっ!」バシャバシャ!!
ガブッ
男「痛ってえええええええええ!!」
幼馴染「い、嫌…! 嫌ああああぁぁぁぁあぁあぁ!! 男っ!! あ、上がってきてええええぇぇっ!!!」
男「は、は… も、もうむりだ… は、はやく、にげろ…」プカプカ
男(水の流れが速い… このままコイツと流されていくのかな、俺…)
男(ゾンビには、なりたくねえな…。こいつに全身喰われれば、死ねるのかな…)プカプカ
ゾンビ「あ、あああぁぁぁ…」ブクブク…
男(なんだこいつ… 呼吸してないから、肺が浮かずに沈むのか。はは、ざまあみろ)プカプカ
男(…俺も、ゾンビになるのかな)
~下水~
プカプカ…
男(…さむい… 体温が一瞬で奪われていく…)ガチガチ
男(…)
男(幼馴染、は… 逃げ切れたのかな…)
男(…このまま川に流されれば、俺もゾンビになって沈んでいくのかな)
男(…それで、いいや…)
男(…)
プカプカ…
男(ああ)
男(意識が、なくなってく。立ちくらみしてるみたいだ)
男(死ぬときって、こんな感じ、なのか)
男()
男()
…
…
~???~
男()
男(…)
男(いき、てる)
男(肌の感覚が、ない)
男(どこだ、ここ)
プカプカ…
男(みずだ)
男(流れてない)
男(…なにかに、ぶつかってるのか)
男(どこかに引っかかったのかな)
男(…)
男(俺、なんで、いきてるんだ)
男(…)
…朝…
男(ひが、のぼってきた)プカプカ
男(寒くも、あったかくも、ない)
男(…)
男(腹減った)
男(かんづめ、は… おいてきたんだ)
男(…)
男(そうだ、幼馴染)
男(おさななじみは…ちゃんと逃げ切れたのかな)
男(…)
男(俺…)
男(息… してねぇ…)
男(…心臓も、うごいてない)
男(ああ)
男(俺、ゾンビなのか)
男(腹減った…)グゥー…
男(ゾンビって、人、くうんだよな)
男(俺も、そうなのかな)
プカプカ…
男(なんか、流れてる)
男(…生ごみだ)
男(なんか、食えるもの、入ってないかな)グイグイ
男(なんだ… 手、うごくんじゃん、俺。泳げるのかよ、俺)スイスイ
男(…)
男(いや、手動かしてるだけだ。その場から動いてない)
プカプカ…
男(生ごみが、流れていく…)
男(ああ、なんかくえるもん、入ってなかったのかな…)
ギュルルルルー
男(…腹、へった)
…夜…
男(陽が沈んだ)
男(…)
男(眠くも、ならない)
男(くいもの、探しに、行こうかな)
男(泳げば… いいのかな…)
ビクッ バシャッ
男(?)
男(なんだ?)
ビクビクッ バシャバシャ
男(これ… 俺が足を動かして、ばしゃばしゃしてるのか)バシャバシャ
男(このまま、どっかに流れ着かないかな…)バシャバシャ…
バシャバシャ…
男(止まった…)
男(どっかの浅瀬に、ついたのかな)
男(立てる…か?)ヨロッ
バシャッ
男(起き上れた…)
男(体が、思うように動かない…)フラフラ
男(でも、なんとか歩けるぞ…)
男(このまま、陸に上がろう)パシャパシャ
~浅瀬~
男(ここを登れば、陸に上がれる)
男(腹減った…)
男(なんか、くえるもん、ないかな…)フラフラ…
通行人「はぁ… はぁ…」ゼェゼェ
男(あ)
男(ひとだ)フラ… フラ…
男「すい… ま、せん」ヨロヨロ
通行人「ひ、ひっ!?」ビクッ
男「な、なに… か… たべれる、もの、ない、ですか」フラフラ…
通行人「ぞ、ゾンビ…!? ひ、ひいいぃぃ、くるな、くるなああぁぁ…!!」ズリズリ
男(怖がるのか…当然だよな。今のおれ、どんな格好なんだろう)フラフラ
通行人「うわあああああ!! ひいいいいいい! 誰か、誰かたすけてくれええええええ!!!」ズリズリ
男「? …走って、逃げないん、ですか」フラフラ…
男「あし… けがした、んですか?」
通行人「あ、ああ、あ、やめて、くわないで…!」ガタガタ
男「たべもの、なにか、ください」
通行人「え」
男「なにか、ください」
通行人「ひ、ひ…! こ、これでも、もってけよ…!」ポイッ (パン投げる)
ポスッ
男「あ、ありが、とう、ござい、ます」ムシャムシャ
通行人「あ、ああ、あうう…」ズリズリ
男(パンうめぇ)ムシャムシャ
男(すこし、ましに、なったかな)
通行人「た、たす、け、て、くれぇ…!」ガクガクブルブル
男「ありがと… ござ、います…」ペコリ
通行人「へ…? あ、ああ…」ペコリ
男「では…。 に、にげきって、ください、ね…」フラフラ…
通行人「…?…?」ガタガタ
…
~川沿いの道路~
男(ここ、どこだろ…)フラフラ…
男(これから、どうしよう)
男(…)
ゾンビ「うあ~…」フラフラ
男(あ、ゾンビだ)
男(…俺、もうゾンビだし、逃げなくてもいいのかな)フラフラ
ゾンビ「うぅ…? う、うおおお!」クルッ
男(こっち向いた?)
ゾンビ「おおおおおおあああ!!」ガバッ
男(おそってきた)
ガブッ
男(噛みつかれた…!)
男(や、やっぱり、にげないと)フラフラ…
ゾンビ「んぎいいいぃぃっ!」ブチッ! ムシャムシャ…
男(…?)
男(肩の肉、食いちぎられたのか)
男(やばい、逃げないと)フラフラ…
ゾンビ「おおおおお!」ガバッ
男(また川に逃げよう)
男(その前に、息を吸って、と。よし、飛びこむぞ)スゥーッ… バッ
ドボーンッ
男(…)プカプカ
ドボーンッ
ゾンビ「がああああ!!」バシャバシャ
男(ざまあみろ、カナヅチめ)プカプカ
男(俺は浮くから、ふつうに、およいで陸に上がるぞ)バシャバシャ ザパァッ
ゾンビ「…!」ブクブク…
男(沈んでいく…)
男(…いこう)フラ… フラ…
男(大学病院にいけば、治してもらえるかもしれない)フラフラ…
…
フラフラ…
男(ここ、おれの家の近くだ)
男(だいぶ落ちたところまで戻ってきたんだな…)
男(腹減ったし…。くいもの、ほしい)
男(俺の家に、何か、残って、ないかな)ガチャッ
男(…扉、鍵がかかってる)
ドンドン!
男(…妹か、かあさん、いないかな)
ドンドンドン!
男(…でてこない)
男(腹減った… なんかくいたい)
ドンッ!
男(お)
男(扉が、へこんだ)
男(俺、力強ええ…)
ガンッ! ガンッ!
男(もう少しでドアが壊れそうだ…)
ウワーン!
オ、オクニカクレマショ
男(かあさんと、妹の、声だ)
男(そこに、いるのか…? ああ、会いたい、会いたいよ…)
ドガンッ!
男(玄関の扉、ぶち破ったぞ)
男「かーさん… 妹… ただいま…」フラフラ… ノシノシ…
男(そうだ、靴、ぬがねーと…)グイグイ
男(…ぬげねぇ…)グイグイ
男(いいや。後でぬごう。それより母さんに、会いたい)ドシッ ドシッ
男「かーさーん… はらー… へったよー… どこー?」フラフラ…
男(母さん、どこかな…)フラフラ…
男(俺だったら、どこに隠れるかな? 鍵ついてるところ、といえば…)フラフラ
男(2階にある、妹の、部屋かな)フラフラ…
~階段~
男(…なんか邪魔なのがある。こたつに、勉強机?)
男(じゃまだ。どかそう)グイグイ
男(よし、これでいいや。妹の部屋にいこう)フラフラ…
~妹の部屋の前~
男「いもーとー… いるかー…?」ドンドンドン
男(いいや、ぶち破ろう)
ガンッ! ガンッ! ガンッ! バキンッ
男(ちょろいな)
プラーン…
男(うわ、俺の腕、めちゃめちゃだ)
妹「い、いやぁ!嫌あああああああああああ!!!!」ガクガクブルブル
母「い、妹ちゃん…! ど、どうしよ…! ま、窓から、逃げるしか…!」ガタガタ
男「かーさん… おれ、だよ…」フラフラ
妹「え… お、お兄ちゃんっ…?」ガクガクブルブル
母「そ、そんな、お、男っ…! あ、あああ…!」プルプル
男「かーさーん… はら、へった… ごはん、つくって、くれよ…」ヨタヨタ
母「い、嫌ああああ! い、妹ちゃん、早く! 早くきて!」
男「ま、まって、かあさん、そこから、とびおりたら… けが、するぞ」ヨタヨタ
母「わっ… わああああ!」バッ
妹「嫌あああああああ!!」バッ
男「あっ…」
ドサッ ドサッ
男「…飛び降りた…」
~妹と母の落下地点~
男「…いもーとー… かーさーん… だいじょーぶかー…」フラフラ
妹「ひぐっ… あ、あぁぁぁぁっ… い、いだい、いだいよぉ…」ビクンビクンッ
母「はぁ、はぁ…! げほっ! ごめん、なさい、ごめんなさい、い、いもうと、ちゃん…」ブルブル
男「けが、してるのか…?」
妹「あ、ああああっ… うぐっ、ごほっ…! やだ、やだぁ…!」プルプル
母「い、いもうとちゃん、だけは、助けてっ…!」ブルブル
男(うちの中に、運んでやろう)
男「しっかりしろよ… いま、はこんで、やるからな…」グイッ (母と妹を担ぎ上げる)
妹「ひっ… や、やだ、お、おろ…して…」プルプル
母「あ、あああ…」ビクビク
男(…俺、力、すごいな…)ノッシノッシ
~居間~
男「ここ、で、いいかな…」ソーッ
妹「お、おにい… ちゃん…?」ヒューヒュー ゴボッ
母「お…男…?」フゥフゥ
男「かーさん… けが、いたいか…?」
妹「おに、い、ちゃ…」ガクッ
母「あ、う…!」ブルブル
男(てきとーに…キッチンで、冷蔵庫、漁ろう…)
男「くったくった…」ゲフー
男(そろそろ、行こう…。大学病院に、いけば、いいんだ…)フラフラ…
~街中~
ゾンビ女「あぅ~…」フラフラ
男(あ、ゾンビだ… にげないと…)フラフラ
ゾンビ女「…? きみー… おそって、こないの…?」
男(?)
男「そっち、こそ…」
ゾンビ女「…」
男「…」
ゾンビ女「どこ、いくの…?」
男「びょーいん… そこで、なおして、もらう…」
ゾンビ女「なおる、の?」
男「たぶん」
ゾンビ女「…ついてく…」フラフラ…
男「…いこう…」フラフラ…
グーギュルルルー
ゾンビ女「おなかすいた…」
男「そうだな…」
ゾンビ女「なんか… たべたい…」
男「はら、へるの、すごい、はえー…」フラフラ
ゾンビ女「…きみ… ゾンビなのに… なんで、わたしを、たべないの?」
男「そっちこそ…」
ゾンビ女「…」
男「…」
ゾンビ女「どこ、いくの…?」
男「びょーいん…」
ゾンビ女「なんで? これ…なおる、の?」
男「たぶん…」
ゾンビ女「じゃあ、ついてく…」フラフラ…
男「…いいよ…」フラフラ…
グー…
ゾンビ女「おなかへった…」
男「俺も…」
ゾンビ女「きみは、わたしを、たべないの?」
男「…たべないよ。きみは?」
ゾンビ女「…たべたく、ない」
男「じゃあ、なにか、さがそう」フラフラ…
ゾンビ女「うん…」フラフラ…
男「…あれ、俺たち… どこに、向かってるん、だっけ」ピタッ
ゾンビ女「びょーいん」
男「なんで?」
ゾンビ女「…なおる、らしいよ…」
男「ほんとか」
ゾンビ女「わかんないけど… なおりたい、よね」
男「ああ…」
ゾンビ女「だから、いこう」
男「そうだな… ついてって、いいか?」
ゾンビ女「…びょーいん、どこに、あるの?」
男「こっちだ。ついて来いよ」フラフラ…
ゾンビ女「うん…」フラフラ…
人の死体「」
カラス「ガァーガァー」ツンツン
男「鳥だ」
ゾンビ女「鳥だね」
男「したいだ」
ゾンビ女「死体…だね」
男「…たべる?」
ゾンビ女「たべる」フラフラ…
ガアーガアー バサバサ…
ゾンビ女「にげた」
男「逃げたな」
人の死体「」
ゾンビ女「…ねえ」
男「ん?」
ゾンビ女「…人の死体ってさ、もう、しんでるよね」
男「そうだな」
ゾンビ女「じゃあ、もう、ただの、肉、だよね」
男「そう、だな」
ゾンビ女「たべてもいいかな」
続く
男「…だめ、だ」
ゾンビ女「なんで? ただの、にくだよ?」
男「それは、人だ」
ゾンビ女「でも、もう、お肉だよ」
男「人を、たべたら、俺たちも、ゾンビと、おなじだ」
ゾンビ女「…そう、だね」
男「ゾンビには、なりたく、ないよな」
ゾンビ女「うん…」
男「がまん、しような」
ゾンビ女「うん… あ」
蛆虫「」シャワシャワ…
ゾンビ女「死体に、ちっちゃい虫が、いっぱいついてる」
男「ほんとだ」
ゾンビ女「これなら、たべても、いいかな」
男「うん」
ゾンビ女「いただきます…」プチッ チャクチャク…
ゾンビ女「…あんまり、味、しない」プチプチ…
男「そうだな…」プチプチ
ゾンビ女「もっと、いっぱい、たべる」ベロベロ… プチッ クチャクチャ…
男「そっか、なめれば、いっぱいたべれるな」グチャグチャ
ゾンビ女「むっちゃむっちゃ…」プチプチ
続く
…
ゾンビ女「ぜんぜん、たりない…」
男「そうだな…」
ゾンビ女「…ねえ、ほんとにだめかな」
男「だめだ。おれたちは、人だ」
男「俺たちは、ゾンビじゃない」
ゾンビ女「そうだね… がまん、しなきゃ…」フラフラ…
ゾンビ女「ねえねえ、あれは?」
男「ん?」
猫の頭「」
男「だれかの、たべのこしかな」
ゾンビ女「たべていい?」
男「いいよ」
ゾンビ女「わあい」トテトテ
ゾンビ女「じゃあ、たべよっと。あ~ん…」
男「まって」
ゾンビ女「?」
男「ちゃんと、いただきますって、いわなきゃ」
ゾンビ女「…あー…」
男「ごはんのまえには、ちゃんと、かんしゃをこめて、いただきます、しような」
ゾンビ女「そうだね。いただきます… あーんっ」パクッ ガリッ
ゾンビ女「…かたい…」
男「あたまが? だから、のこしたんだな」
ゾンビ女「でも、めだまなら、たべれそう」チュプチュプ
ゾンビ女「…うん、めだま、おいしい!」クチャクチャ
男「よかったな」
ゾンビ女「あはっ」ガンッ
男「なにしてんの?」
ゾンビ女「こーやって、地面に叩き付けてね、ずがいこつ、割るの。なかにのーみそ、入ってるでしょ?」ガンッ ガンッ
男「そうだね」
パキャッ
ゾンビ女「あ、われたー…! えへっ、のーみそたべよっと。 あむっ」ジュルッ
ゾンビ女「…おーいしい! これ、すごくおいしいよ!」グチャグチャ
男「ほんとか… おれも、たべていいか」
ゾンビ女「えー… つぎになにか、みつけたら、あげる」
男「わ、わかった… はらいっぱい、くえ」
ゾンビ女「うん! もぐもぐ…」グッチャグッチャ
ゾンビ女「…ぷはー! おいしかった! さ、いこ」
男「まった」
ゾンビ女「あー… ごちそうさまでした」ペコリ
男「うん。それで、いいんだ」
ゾンビ女「じゃ、次のごはん、さがしにいこう…」フラフラ…
男「そうだな。どこかに、ごはん、ねーかな…」フラフラ…
男「そうだ」
ゾンビ女「なーに?」
男「小学校にいこう。おれがむかしいた小学校だ」
ゾンビ女「なんで?」
男「あそこには、ニワトリとかウサギとかが、いっぱいいるからな。たしかピー助のやつ、まだいきてるんだ。」
ゾンビ女「そっか、長生きなんだね」
男「だからすこし、わけてもらえるかも、しれないぞ」
ゾンビ女「そっか。じゃ、いこう。どっち?」
男「こっちだ。こい」フラフラ
ゾンビ女「うん…」フラフラ
~小学校~
児童の頭「」
教員の上半身「」
血にまみれた骨「」
男「子供やせんせいが、いっぱい死んでるな」
ゾンビ女「どうしたんだろう…」
男「ゾンビに食べられたんじゃないかな」
ゾンビ女「そうだね…」
~ウサギ小屋~
動物の毛や羽「」
男「だめだ、ぜんぶ食べられてる」
ゾンビ女「お腹すいたよー…」グーギュルル
ウー…
男「おい、見ろ」
ゾンビ女「?」キョトン
ゾンビ「はぐっはぐ、ぐちゃぐちゃ…」クチャクチャ
男「あいつ、子供をたべてるぞ」
ゾンビ女「ほんとだ…」
ゾンビ「ぅぁー…」クルッ
男「あ、こっちむいたぞ」
ゾンビ女「にげなきゃ…」
ゾンビ「…ぅー… むしゃむしゃ…」バキバキグチャグチャ
男「おそってこないな」
ゾンビ女「ほんとだ」
男「なあ」
ゾンビ女「?」
男「あいつ、やっつけれないかな」
ゾンビ女「えー… たぶん、かてないよ。それにわたしたち、ひとごろしに、なっちゃうよ」
男「ちがう。ゾンビはもう、ひとじゃない。あいつらはばけものだ。それに、あいつ、子供、たべてる…!」
ゾンビ女「ひどいね…」
男「きっと、もっといっぱい、ひとを、ころすんだ…」フラフラ…
ゾンビ「ぅー…?」
男「しね!」ドガッ
ゾンビ「がうううう!?」ドサッ
男「おらっ! おらっ!!!」ドガッ グチャッ
ゾンビ「うううううううううううう!!」
ゾンビ女「あ、すごい… おなかやぶれて、内臓いっぱいでてきた」
男「しんじまえ!ばけもの!」ドガッドガッドガッ
ゾンビ「げばっ…」ボキンッ ゴロゴロ…
ゾンビ女「やった…! あたまが、もげたよ」
男「ざまあみろ…」
ゾンビ女「…ねえ」
男「ん?」
ゾンビ女「こいつ、人じゃなくて、バケモノなんだよね?」
男「ああ、そうだ」
ゾンビ女「じゃあ、こいつだったら、たべていいかな?」
男「…」
男「ああ、いいぞ」
ゾンビの体「」ビクンビクン ジタバタ…
ゾンビの頭「」ギロッ ギョロギョロ パクパク…
男「からだもあたまも、まだ動いてやがる… しなないのかな、こいつら…」
ゾンビ女「うう、まずそうだけど…おなかへった。いただきます。あーん…」ボリッ
ゾンビ女「…!」
ゾンビ女「うえっ…! うげえええええっ! げえええええええっ!」ゲボゲボ
男「お、おい?」
ゾンビ女「ぐええええええっ…! うう、まずい、まずいよぉ…! おええええええっ…!」ボタボタ
ゾンビ女「はーはー…!」
男「そっか… ゾンビは、たべれないんだな」
ゾンビ女「ねえ、おなか、すいたよぉ…!」グーキュルルー
男「…じゃあ、池にいこう」
ゾンビ女「いけ?」
男「あっちには、でっかい鯉とか亀がいるんだ。それを食べような」
ゾンビ女「うん…!」ジュルリ
~池~
鯉「」スイスイ
亀「」チャプチャプ
ゾンビ女「わー…! すっごく、おいしそうっ!」
男「そーだろ。俺が小学生だったころも、ここでエサやり係やったんだぞ。幼馴染といっしょにな」
ゾンビ女「そーなんだー!」
男「幼馴染のやつ、昔は亀をすごい怖がっててな。慣れるまでずっと俺がついててやったんだ」
ゾンビ女「ふーん」
男「ちゃんと躾けたんだぞ?ほら、こーやってな、手を叩くと…寄ってくるんだ。やってみろ」パンパン
ゾンビ女「ほんとー?」パンパン
鯉たち「…♪」スイー…
ゾンビ女「わーほんとだ! すごーい!」
鯉たち「♪」パクパク
男「さ、好きなだけ、とっていいぞ。俺も捕まえるからな」バシャッ
鯉「!!?」ビチッ ビタンビタン
鯉たち「…!?」
亀「!?」
ゾンビ女「わーわたしもやるっ! えいっ!」バシャッ
鯉「!!」ビタンビタン
男「よし、じゃあ一緒に食べような。いただきます」ガブッ グチャッ
ゾンビ女「いただきまーす! あーんっ!」ガブッ
男「…うまいなー!」グッチャグッチャ
ゾンビ女「ほんとだ、おいしいー♪」モグモグ
鯉たち「…!!!」スイー…
男「あ、逃げていくぞ」
ゾンビ女「にげないでよー!」パンパン
男「あはは、もうちょっと待てよ。食べ終わってからにしような」モグモグ
ゾンビ女「うん。魚おいしいねー♪」ハグッ ガツガツ…
…
ゾンビ女「ふー、おなかいっぱい」
男「おれも」
鯉たち「」ガタガタブルブル
男「いくらか残しておこう。のこりは今度たべような」
ゾンビ女「そうだねー」
男「…」
ゾンビ女「どしたのー?」
男「なんか、忘れてるような気がする…」
ゾンビ女「なにー?」キョトン
男「…わすれた」
ゾンビ女「そっか」
男「これからどーしよっか?」
ゾンビ女「うーん…」
男「…」
ゾンビ女「…」
男「…おさな、なじみ…」
ゾンビ女「え?」
男「そうだ。俺、だいじなひとがいるんだ… 大好きな、ひとが」
ゾンビ女「だれー?」
男「幼馴染っていってな… あれ?あいつ今、なにしてんだろ…。ああ、久しぶりに会いたいな…」
ゾンビ女「いきてるの?」
男「…!」
男「そうだ、あいつ、おれが逃がしてやったんだ…!今、病院にいるんだ…!」
ゾンビ女「びょういん?なんでー?」
男「わすれた、けど… あいつに、会いたい…」
ゾンビ女「ふーん。びょういんいく?」
男「いこう」
ゾンビ女「でも、おなかへりそう…」
男「そーだな… じゃあ、そこの池の亀をもっていって、お弁当にしような」
ゾンビ女「そうだねー。おいでー」パンパン
鯉たち「」ガタガタ
亀「」プルプル
ゾンビ女「あれー?こないな… なんでだろ」
男「おかしいなー…。まあいいや、こいつらとろいから、池の中に入ってつかまえよう」チャプン
ゾンビ女「うん!」チャプンッ
~街路~
男「もうすぐ病院だぞ」フラフラ…
ゾンビ女「うん…」亀ムシャムシャ
男「ついたぞ」ガサガサ
~大学病院~
軍人たちの死体「」
ゾンビ「うぅぅ~~…」ムシャムシャモグモグ
倒れたゾンビ「ぅ~~…あ~~~…」バタバタ
男「もうすぐワクチンが貰えるぞ、いこうな」フラフラ
ゾンビ女「ワクチン?なにそれ」
男「なんだよ、それがあれば、おれたち元に戻れるんだ」
ゾンビ女「もとにって?」
男「だって俺たち、ゾンビじゃんか」
ゾンビ女「ちがうよ?わたしたちは、人だよ」
男「…あれ?」
男(何だっけ…? なんで俺、ここに来たんだっけ…?)
ゾンビ女「幼馴染さんに会いに行くんじゃないっけ」
男「…そうだ、幼馴染…! 思い出した! 大学病院に、ワクチンがあるんだ…!」
男「それがあれば、みんな元にもどれるんだ…! それに、病院の中は、安全なんだ」
男「もうゾンビに襲われなくっても済むんだ」
ゾンビ女「でもわたしたち、もう襲われないよね」
男「…そうだな…。まあいいや、いこう」フラフラ…
ドキュキュキュキュキュキュキュ!
ゾンビ女「?」
男「なんの音だ?」
軍人「うああああああ!来るな、来るなああああああ!!」ドキュキュキュキュキュ
男「誰かが病院の中から飛び出してきたぞ」
ゾンビ女「どうしたんだろ」
医師ゾンビ「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ダダダダダ
看護師ゾンビ「おあああああああ!!!」タタタタタ
軍人ゾンビ「うううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」ドタドタドタ
男「うわ、ゾンビ達も病院から飛び出してきた」
ゾンビ女「あはは、いろんな格好してて、おもしろいね~」
軍人「ひいいいいいい! 来るな!死ね、死ねえええええ!!」ドキュキュキュキュ
医師ゾンビ「うあああああ!?」ドチャッ
男「あ、鉄砲だ! あの人、鉄砲でゾンビを倒してるぞ!」
ゾンビ女「ほんとだー。ゲームみたい」
軍人「ひっ… た、弾が…! は、はやくリロードしねーと…」ゴソゴソ
看護師ゾンビ「うぁあうぅぅ!!」ガバッ ガブッ ブチブチ…
軍人「ぎゃあああああ!!」ドサッ ブシュウウウウウ
男「あ、あの人がやられた…」
ゾンビ女「ほんとだ」
ゾンビ達「うあ~…」フラフラ…
ゾンビ女「ゾンビ達、みんなどこか行っちゃったね」
男「じゃあ、病院の中に入ってみような」フラフラ…
ゾンビ女「うん…」フラフラ…
~大学病院の中~
研究員の死体「」
教授の死体「」
男「みんな死んでるな…。内臓を食べられてる…」
ゾンビ女「ワクチンって、どれ~…?」
男「おかしいな… ここにくれば、安全なはずなのに…」
研究員の死体「あ、う…」ムクッ
教授の死体「うぅ~…」ムクッ
男「あれ、起き上った… いきてたのか…?」
研究員ゾンビ「うー… ぼ、僕は… なにしてたんだっけか…」ヨロヨロ…
教授ゾンビ「思い出せん…」フラフラ…
男「いきてたんですね、よかった…」
ゾンビ女「よかったー」
男「わくちん… ください…」
ゾンビ女「う~… ワクチン、ほしい…」
教授ゾンビ「…」ボー…
男「あのー… ワクチンは?」
教授ゾンビ「ワクチン… わくちん…? あ、あ…」
教授ゾンビ「き、君… このあたりで、ゾンビと会わなかった、かい…? あいつは、きけんだぞ…」フラフラ
ゾンビ女「…? でも、あなたも、ゾンビですよ…」
教授ゾンビ「…あ、ああ… わ、わしの内臓が…!
教授ゾンビ「…ないぞう、なんちて」
男「ほんとだ」
ゾンビ女「そこの眼鏡の人もだよー…」
研究員ゾンビ「…しっぱい、だったか…」
男「?」
教授「ワクチンは… つかっては、だめ、だ…」
男「なんで?」
教授「…忘れた… それより、腹がへった…」グゥー…
研究員ゾンビ「はら、へった…」グウー
男「内臓、ないのに?」
男「この変な薬がワクチンですか…?」
教授「それに、さわっちゃあ、いかんよ…それは… しっぱいさく、だ」
男「失敗作…?」
教授「そうだ、だから、わたせない…! こんなものは、はやく、なくさないと…」
男(なにいってんだ? ちゃんと、ゾンビがもとにもどったって、いってたじゃないか)
男「じゃあ、この亀あげます」プラーン
亀「」ジタバタ
教授「おお… うまそうじゃ、なぁ…!」ジュルリ
男「そのかわり… ワクチンを、ください…」
教授「そんなもん、いくらでもくれてやる。さあ、その肉をくれ…!」
男「はい、あげます」
教授「おおおー!」
男(よかった、これで、もとに、もどれる…)
バタンッ!!
男「? なんだ…?」
凶化ゾンビ(末期)「ぐぅあはああぅぅぅあうあうあうるるるるるるる…!」ジュルジュル
男「うわ、ゾンビ…なのか? なんかすげーでかい…」
教授「い、いかん…!」
シュバッ! ガシッ
教授ゾンビ「つかまった…」
凶化ゾンビ(末期)「ぎゃあああるるるるるっ! ぐあぶっ!」ガブッ
教授ゾンビ「ごううぅぅっ…!?」
ムシャムシャ… バキパキ…
男「あ、先生が、あのでかいゾンビに食べられてる…!?」
男「お、おい、逃げよう…」クルッ
ゾンビ女「もぐもぐ…♪」グチャグチャ
研究員ゾンビ「うああああ… た、たべないで、くれ…」
男「…? お、おい、なんで、そのひとを、たべてるんだ…!」
ゾンビ女「もぐもぐ…。だってこれ、もう人じゃなくて、ゾンビだもん。たべていいんでしょ?もぐもぐ…♪」ムシャムシャ
研究員ゾンビ「あ、あああぁあぁぁ…」
男「…ごくっ…」
男(う、うまそう、だ…)
男(そうだ。あれはもう人じゃないんだから、食べても…)フラリ
凶化ゾンビ(末期)「ぐあぅ! ふしゅうううううぅぅぅぅぅぅ!!!」ガルルルル
男「あ、あいつがゾンビの教授を食べ終わったぞ…」
凶化ゾンビ(末期)「あああああぅぅぅっ!!」ブンッ
ザンッ
ゾンビ女の頭「」ゴロゴロゴロ…
男「…え…?」
凶化ゾンビ(末期)「ばうっ!」ガシッ
研究員ゾンビ「うぅぅぅ…」
凶化ゾンビ(末期)「ばうっ! ばうっ!」ガツガツ ムシャムシャ…
男「…えものを、よこどり、したのか…」
男「…かてない。にげよう… ワクチンもっていこう」フラリ
亀「…!」ノソノソ
男「そうだ、俺のお弁当、拾っていこう…」スッ
凶化ゾンビ(末期)「ばうっ!」ガシッ
亀「!?」ジタバタ
男「あ…」
凶化ゾンビ(末期)「ふあうぐぐぐっ…」バリバリ ゴリゴリ…
男「あ~… もってかれた…」
男「…まあいいや。ワクチンは手に入ったし、帰ろう…」フラフラ…
ゾンビ女の頭「」キョロッ
男「あれ? どうしたんだお前? …あ、今、やられちゃったのか」
男「ひとりじゃ、あるけないか?」
ゾンビ女の頭「」
男「いっしょに、もどろうな」ヒョイッ
ゾンビ女の頭「」
凶化ゾンビ(末期)「あぐっ、ふぐっ」ボリボリ… モグモグ…
~大学病院の玄関~
男「あれ?俺、何しにここにきたんだっけ…」
ゾンビ女の頭「」パクパク
男(そうだ、ワクチンを、とりにきたんだった)
男(ワクチンは、…これか)
男(これを、そうすればいいんだ? 注射すればいいのかな。よかった、注射器もいっしょについてる)
ゾンビ女の頭「」
男「君、さきに、つかう?」
ゾンビ女の頭「」パクパク
男「とりあえず、頸動脈のあたりにうっとくか」ドスッ
ゾンビ女の頭「」ビクッ
男「ちゅうにゅう、っと」チューッ
ゾンビ女の頭「…!」
女の頭「」
男「あはは、顔色が戻っていくな… どうだ、ぐあいは?」
ボタボタボタッ
男「あ、すごい、血がいっぱい、でてきた…」
女の頭「」
男「おーい、どうしたー…」
男「…ねたのかな」
男「俺も、つかおっと」プスッ チュー…
男(…)
男(あー… なんか体が痺れてきた…)
男(おお…! すげえ、体の感覚が戻っていく!)
ドクン… ドクンドクンドクンッ!
男「げほっ!?」
男「あっ…! はぁ、はぁっ、はぁっ!!??」
男(か… 体があついっ…! ひっ、う、うぅぅぅ…!)
…
男「…」
男「戻った、のか、俺?」鏡チラッ
男「お、おおおー…! すごい! 本当に戻ったっ! ワクチンが効いたんだ!」
ズキンッ
男「な、何だ…!? い、いってえええっ!! か、肩が…!」
男「肩の肉が、えぐれてる…!? あ、そっか。俺、ゾンビになりたての頃、他のゾンビに噛まれたんだ…」
男「くっ…! し、止血しねーと…!」ギュウウウウッ
男「…!」
男「…そ、そうだ、きみの方は…」
女の頭「」ゴロン
男「…」
男「あ、あああ…!」プルプル
男「そ、そっか、ひ、人に、戻ったから…!」ガクガク
男「頭だけじゃあ…!」ガタガタ
女の頭「」
男「あ、あああ…! ごめん、ごめんなぁ…!」ガクガクブルブル
男「そんな、そんな、つもりじゃあ…!」プルプル
続く
~大学病院の外~
男「う…うぅぅ…! ひっく、ひっく…! 約束、破っちまった…! 人に、戻せなかった…!」
男「ごめんな、女さん…! ここに、埋めていくよ」
コツンッ
男「…」ピクッ
男「あ… これ、俺が小学校から持ってきた、池の亀の死骸だ…! さっき、女さんが、食べてたやつ…!」
男「うわ… お、俺、池の鯉なんか食ってたのかよ…!」ガタガタ
男「し、しかも、さっきは死体についてた蛆虫、なめたりしてて…!」ガクガク
男「う…うぼげええええっ!」ゲボッ
男「げっほ、ごほっ…! うえええっ…!」ビタビタビタッ
男「はーはー… まともじゃねえ…! な、なんてもん食ってたんだよ俺…!」プルプル
男「昔、幼馴染と一緒に大切に育てた亀を…!」
男「そ、そうだ… 幼馴染! 幼馴染は、どこに行ったんだ!?」キョロキョロ
男(そういえば、さっき大学病院の中、すげえ数の死体があった…! 教授や研究員の人も、みんな死んでた…!)
男(どういうことだよ… 軍隊の警備がそう簡単にゾンビなんかに突破されるもんなのか…!?)
男(そういや、さっきものすごいデカいゾンビが出てきて、女さんの首を引きちぎって… ゾンビになりたての研究員さん達を食っていた)
男(まさか、あいつが大学病院に突入したせいでこうなったのか…?)
男(…とすると、幼馴染は…!まさか、まさか…!)ガクガクブルブル
男「…ゾンビから戻った俺がもう一度大学病院に入ったら、きっとさっきのあいつに食い殺される…」
男「だけど、ひょっとしたらどこかに、幼馴染が隠れているかも、しれない…!」
男「っ…!」ガクガクブルブル
男(無理だ… 食われる!絶対食われる!)
男(…だけど、このままだって、いつまで生きていられるか… 分かったもんじゃない)
男(それに一度は捨てた命だ)
男(だったら!)クルッ
男「せめて…」スタスタ
男「せめて、お前のために、生きたい… 幼馴染…!」スタスタ
男(体のふるえが止まらない…! ちくしょう、怖ええ、超怖ええっ…!! 食われたくないっ…! でも、お、幼馴染が…!)ヨタヨタ
男(待ってるかも、しれないんだ…!)スタスタ
~大学病院~
男「ごくり…」ソローリ
男(大丈夫だ、まだゾンビの声は、聞こえてこない…! 静かに、静かに歩けば…)ソロリソロリ
カタンッ
男(ん?)
男(なんだ? なんの、音…)クルッ
男「ひいいいいいいいぃぃ」
ごめん、>>58のひいいいいいいいいぃぃは書き間違い
ミスです
男「っ…!」ガクガクブルブル
男(無理だ… 食われる!絶対食われる!)
男(…だけど、このままだって、いつまで生きていられるか… 分かったもんじゃない)
男(それに一度は捨てた命だ)
男(だったら!)クルッ
男「せめて…」スタスタ
男「せめて、お前のために、生きたい… 幼馴染…!」スタスタ
男(体のふるえが止まらない…! ちくしょう、怖ええ、超怖ええっ…!! 食われたくないっ…! でも、お、幼馴染が…!)ヨタヨタ
男(待ってるかも、しれないんだ…!)スタスタ
~大学病院~
男「ごくり…」ソローリ
男(大丈夫だ、まだゾンビの声は、聞こえてこない…! 静かに、静かに歩けば…)ソロリソロリ
カタンッ
男(ん?)
男(なんだ? なんの、音…)クルッ
男(なんか、落ちてる…)
男(なんだ、これ… ファイル?こんなものが落ちてたのか…)ヒョイッ
男「…『避難確認』…?」パラッ
男(…!幼馴染の名前がある! ちゃんとたどり着いてたのか…)
男(『避難』の欄に…)チラッ
男(チェックが、ついてる)
男(よかった…!)ウルッ
男(あのでかい化け物から、ちゃんと逃げ切れたんだな…!)ウルウル
男(よかった…! よかったっ…!)
~裏路地~
アー… ウー…
男「…」コソコソ
男(もう、夜だ…。寒いし、眠い…)ウトウト
男(くそっ、街中にゾンビが増えてきた…。どこで夜を過ごせば、いいんだろう…)コソコソ
男(ゾンビに見つからない場所… どこか、ないのか…)キョロキョロ
男(…! あの民家のガレージ、車が停めてあるっ…)ソローリソローリ
男(でも、鍵閉まってるかな…?)ヒョイッ
ガチャッ
男(ドアが開いた! 鍵が閉まってないのか…ラッキーだ。この中で寝れば安全だろう…)ウトウト
男(ガレージのシャッター、落としてと)ガラガラ
男(…疲れたっ…)ドサッ
男(…)スースー
…
バンッ!
男「!?」ビクッ
男(なんだ…!? 今の音…!)
ウアー! アー!
男(車の外から…! ぞ、ゾンビの… 声っ…!)
バンバンッ
男(ひっ…! く、車のドアを叩いてやがるっ! み、見つかったのか…!)
ゾンビ「うううううぅぅぅーーー! あー!!」ギロッ
男(こっち見てやがるっ…! に、2匹もいるっ…! ひ、ひいいぃぃ…!)ガクガクブルブル
男(い、いやだ、いやだ…! どっか行け! 行けよっ!!)ガタガタ
バンッ! バンッ! ガシャーンッ
男(!? こ、後部座席の窓が… や、破られたっ…!?)
ゾンビ「うううううううーーー…!」ズボッ
男(ま、窓から体、つっこんできやがった…!)ガクガクブルブル
男(やばい… やばい…! 運転席のドアから逃げねーと!)ゴソゴソ ガチャッ
男「わ、わあああああああああああああああっっ!!」タタタタタ…
ゾンビ「!! …うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」ダダダッ
男(このガレージの隣にある家の中に隠れるしかない…!)ガチャガチャ ガラッ
~民家の風呂場~
男(はぁ…! はぁ…!)ガクガクブルブル
男(包丁持ってここに閉じこもったけど… こんなの、すぐにバレるに決まってる…!)ガタガタ
男(俺、もう幼馴染に会えねえのかよっ…!)
ゾンビ1「あああーーー!!」ガラガラガラッ
ゾンビ2「うううううーーぅああああーーっ!」ドスンドスン
男「わ、わあああああああああああああああああっ!!」
男「ひっ…!くるな! くるなあああっ!!」包丁ブンブン
男「食われる! 食われるっ! くわれるううううう!!! 嫌だ、いやだああああああああああああっ!!!」
ゾンビ1「あああっ!」ガバッ
ガブッ
男「んぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!!」
男(か…噛まれたっ…!! あ、ああぁぁ…!)
パアン!
ゾンビ1「があうっ!?」
男(じ…銃声!?)
女性「はぁ、はぁ…! し、死んで!死んでよ!」パンパンパンパンパンパン
ゾンビ1の頭「」ゴロゴロ…
男(なんだ!? 誰か助けに来てくれたのか! …この家の人か!?)
男(でもなんで銃なんて、持ってるんだ!?)
ゾンビ2「しゃあああぅぅぅぅぅううう!!」バッ
女性「い、いやあああああ!!」パパパパパパパパパン
ゾンビ2の頭「…!」ボトッ
ゾンビ1の体&ゾンビ2の体「」ジタバタ…
女性「はぁ… はぁ…!」ガタガタ
男(!? こ、この声…)
カチッ
男(!! 電気が、ついた…!)
幼馴染「え、うそ…! お… 男…? おとこっ… なのっ…!?」フゥフゥ
男「…!」
男「おさな、なじみ…?! なのか!?」
男(な、なんで、ここに…!?)
幼馴染「あ、あぁぁ…! お、おとこ、男っ…! ぞ、ゾンビに、なっちゃったんじゃ…!」ガクガク プルプル
男「幼馴染っ!」ガバッ
幼馴染「っ!!!!」ビクッ
男「あ、会いたかった…!」ダキッ ギューッ
幼馴染「あ… あぅ…!」プルプル
男「会いたかったあぁぁっ…! よかった、よかったっ…! 生きててくれてっ…! あ、あぁぁぁああ…!」ボロボロ
幼馴染「っ…!」プルプル
幼馴染「おと、こ…! ほんとに、おとこ、なの…? あ、あぁぁ…!」ウルウル
幼馴染「ごめんなさい…! ごめんなさいっ…! 噛まれる前に、助けてあげられなくってっ…!」
幼馴染「…ひっく、ひっぐ…!」ギューッ
幼馴染「もう、会えないって、思ってたっ…! だめだって、おもってたっ…!」ヒックヒック
幼馴染「う、うぅぅぅぅっ…! すき、好き…! わああああああん…!」ウルウル スリスリ
カランカラン…
男「? なにか落としたぞ?」
幼馴染「あ、こ、これ、は…」
男「!! …それ…! あの大学にあったワクチンか!?」
幼馴染「し、しってるの? 男…!」
男「よかった…! か、貸してくれっ… 今、噛まれたんだ」カチャカチャ
幼馴染「あ! だ、駄目っ…! こ、これは…!」ビクッ
男「…?」ピタッ
幼馴染「っ…!」プルプル
幼馴染「あ…ぅ…!」ガクガクブルブル
男「…だ、大事な、もの、なのか…?」
幼馴染「そ、そうじゃ、なくって…!」フルフル
男「使っちゃいけないもの、なのか…」
男(きっと、これをどこかに運ぶように頼まれてるんだな…。中にあるのは、最後の1本みたいだし…)
男「いいよ…。幼馴染」ナデナデ
男「それ、大事なもの、なんだな…。いいんだ、俺は。もう、いい…」ポンポン
幼馴染「…どうして、これのこと、しってるの?」
男「俺、さっきまで、ゾンビだったんだ。いちど…死んだんだ」
幼馴染「…!」ピクッ
男「だけど、大学病院の中で、それを見つけて…。それを使って、人に戻ったんだ」
幼馴染「え…! つ、使っちゃったの、それっ…!? う、うそっ…!?」
男「ああ…。 幼馴染、行けよ…」
幼馴染「え…!」
男「最後にもう一度だけ、幼馴染とあえて、よかった…。じゃあな」
幼馴染「う、うぅ…!」プルプル
男「幼馴染は… 強く、生きてくれ」
幼馴染「っ…ねえ、男…」
男「…うん?」
幼馴染「んく…! ひっく、ひぐっ…」つ注射器
男「幼馴染、おまえ…泣いてるのか? それに、それ…!?」
幼馴染「ひっく、ひっぐ…! う、うで、だして…! はやく…! お願いっ…!」プルプル
男「い、いいよ、大事なものなんだろ…! 俺に構うなよ…!」
幼馴染「ち、違う…! そうじゃなくて、も、もう、いいの、これは…! だから、わ、私を信じて…!」
幼馴染「ひっく、ひっぐっ…! お願いだからっ…! もう、ひ、ひとりに、しないでっ…! また男と離れるのは、嫌っ…!」プルプル
幼馴染「うぐ、ぐすっ…!」ギュッ
男(お、幼馴染のほうから、抱きしめてきた…!)
幼馴染「はっ、はっ…! ひぐっ…! お願い、最後まで、わたしといっしょに、居てっ…! おねがいっ…!」プルプル
男「…」
男「ああ、わかった。いっしょに生きよう、幼馴染」スッ
幼馴染「…!」
幼馴染「ひぐっ、ぐすっ…!ごめんなさい、ごめんなさい、男っ…!」プスッ
男「…ありがとな、幼馴染」ポンポン
チューッ
男(…ワクチンを、注射された…)
男「はぁ、はぁ…。よ、よかったのか? これ…」
幼馴染「う、うぅぅぅ…!」プルプル
男「泣いてるのか…?」ポンポン
男「そんなに、怖かったのか…。大丈夫だ、これからは、俺も一緒だ」ナデナデ
幼馴染「うくっ…! わああああああああんっ!」ボロボロ
男「…」ギュッ
幼馴染「おとこ…」スッ
男「ん?」
チュッ
男「…!?/////」
幼馴染「んちゅ…! ひぐっ…! んむっ…」チュッ チュッ
幼馴染「ぷはっ…!」
男「お、おさな、なじみ…!?//////」ドキドキ
男(き、キスされたっ…!///// 大好きだった幼馴染からっ…!?//////)
幼馴染「はぁーっ… はぁーっ… お、おとこ、おねがいっ…」ガクガクブルブル
男「はぁ、はぁ…///// な、なんだ? なんでもいいぞ…」
幼馴染「い、今、ここでっ… わ、わたし、をっ…/////」フゥフゥ
幼馴染「ごくっ…! そ、その、あの…!///// う、うぅぅ…/////」カーッ
男「な、何だ?」
幼馴染「はぁ、はぁっ…! ご、ごめんなさいっ…//// こ、ここはもう危ないからっ…! べ、別のところで、言うわっ…/////」プルプル
男「あ、あ、ああ。そうだな…。大きな音立てたから、もうすぐあいつらがここに来る。…行こう」
…裏路地…
男「ってことがあったんだ。さっき襲われる前までな…」
幼馴染「っ… じゃあ、あの化け物、みたんだ…。あのでっかい奴…」プルプル
男「まあな。でもゾンビになってたおかげで、俺は助かったんだ。女さんは、守ってやれなかったんだけど…」
幼馴染「ごめん… なさい…!」プルプル
男「どうしたんだ幼馴染? お前を助けたことならもういいよ。俺が好きでやったんだから」ヒソヒソ
幼馴染「そ、そうじゃ、なくって…! あ、あぁぁ…!」ガタガタ
男「それに、また人に戻れたんだからな! もう大丈夫だ」ボソボソ
幼馴染「っ…! ごめんなさい…! ごめんなさいっ…!」プルプル
男(何をそんなに…謝ってるんだ?)
男「じゃあ、幼馴染が今まで何してたか教えてくれよ」
幼馴染「っ…わ、わかった…っ」プルプル
続く
この1はNTRスレの人かな?
面白いから期待してる
>>86
なぜわかったし
スタスタ…
幼馴染「あの後… 男がゾンビといっしょに下水に飛び込んだ後…。わたしは男を追いかけたよ」
男「いや、逃げろって言ったのに…」
幼馴染「っ…! だ、だって…!」
幼馴染「そんな事っ!」ギュッ
男「ああ、ごめんごめん。続き話してくれよ」
幼馴染「ひ、ひとりで、男を見捨ててなんて…! ぐすっ…! いやに、決まってるでしょう…!」プルプル
男「悪かったってば!」
幼馴染「ずっとずっと、寂しくって、悲しくって…!ひぐっ、ぐすっ…! ばかぁっ…!」シクシク
男「…ごめんな。ひとりぼっちにして」ポンポン
幼馴染「…こんど勝手にどっか行ったら、許さないからっ…」ギューッ
男(そんな事言われても)
幼馴染「ふぅ…ふぅ…」
男「…それで、追いかけたあとどうしたんだ?」
幼馴染「そ、そうね。必死に追ったんだけど、男どんどん流されちゃって…見えなくなって…」
幼馴染「っ…!」プルプル
男「…大学病院に、行ったのか?」
幼馴染「ごめんなさい、ごめんなさいっ…! わたし、あなたを、見捨てたっ…!」
男「いいんだ。俺はお前を助けるためにやったんだから。それで、いいんだ」ナデナデ
幼馴染「…それで、ゾンビから隠れながら、がんばって大学病院に行ったよ。軍人の人たちに、匿ってもらった」
幼馴染「中ではワクチンの研究をしてて…。いろいろ実験のお手伝いとか、お仕事やってたんだ」
男「そっか…」
幼馴染「でも、突然、あのおっきいのが出てきてっ…! 5匹くらいのやつが暴れてっ…!」
男「…!」
幼馴染「いっぱい、人が食べられて…ゾンビになって…! 教授も、研究員の人たちも、食べられていった…!」ガタガタブルブル
幼馴染「あいつ、鉄砲が効かなくって…!傷がすぐ治って…! 軍人さんたちが頑張って、3匹くらいやっつけてくれたんだけど、みんなやられちゃった…!」ガタガタ
男「そのでかいゾンビは、大学の外の警備を突破してきたのか…? あれだけの警備を…!? マジかよ…!?」
幼馴染「い、いや… そうじゃ、なくって…」
男「どこから湧いたんだ?そいつら…」
幼馴染「っ…!」ガクガクブルブル
幼馴染「そ、そう、だよ…」
幼馴染「そ、外から、き、来たのっ…」ガクガク
男「そうか…」
幼馴染「軍人さんが、私たちを逃がしてくれたんだけど…。車が襲われて、みんな散り散りになって…。」
幼馴染「いっしょに逃げた人や、軍人さん達も、何人か捕まっちゃって…! わ、わたしは、軍人さんから鉄砲をもらって…」
幼馴染「そこの家のガレージにある車の中で、寝てたの…。そしてこの家にたてこもって…」
男「今に至る、と」
幼馴染「うん…。でもまさか、男に会えるなんて…!」
男「小さい頃からいっしょだったし、考え方が似てるのかもな、俺たち」ギュッ
…
~ホー○センター ○サシ店玄関前~
幼馴染「わああぁぁっ!」ジャキッ
パンパンパンッ!
ゾンビの体「」ドサッ バタバタ…
ゾンビの頭「」ギロリ パクパク
幼馴染「はぁ… はぁ…!」フゥフゥ
男「なあ、幼馴染… あと弾、どれくらい残ってる?」
幼馴染「もう… ちょっとだけ。両手で数えれるくらいしか…!」ハァハァ
男「そうか…。くそ、ム○シがゾンビの巣窟になってるなんて…! とにかく逃げるぞ!」スタタタタ
幼馴染「う、うん…!」トテトテトテ
男「はぁ、はぁ…なあ幼馴染、あそこに隠れられないかな?」
幼馴染「あそこって…?」
男「ほら、小さい頃こっそり2人で隠れた…」
幼馴染「ひょっとして、使われなくなった、小学校の大焼却炉の中…?」
男「…籠城するんだ」
幼馴染「…このまま逃げ続けてれば、生き延びれるかな?」
男「…むりだ」
幼馴染「わたし達が頑張ってゾンビを退治すれば、みんな助かるのかな?」
男「それも、無理だ」
幼馴染「だったら、一日でも長く生き延びて、助けを待つ…しか、ないよね…」
男「そうだな」
幼馴染「…うん。行こっか」
男「頑張って、最後まで生き延びるんだ」スタスタ
幼馴染「…」トテトテ
~小学校、建物内焼却炉前~
幼馴染「はぁ…はぁ…! なんとか逃げ切れたね…」ゼェゼェ
男「ここが見つかる前に、早く隠れるぞ!」ヨジヨジ
ガコンッ…
男「せっま…」
幼馴染「うわあ… こ、こんなに狭かったっけ…?」
男「畳3つ分もあるかどうか…。俺らが大きくなったんだな」
幼馴染「それに、けほけほっ、暗い…」
男「それは、我慢しなきゃな…」
幼馴染「うん…」ウトウト
男(…安心したら、急に疲れが襲ってきた…)ウトウト
幼馴染「もう…寝る?」
男「ああ…。少しでも、体力をセーブした方がいい…」
幼馴染「っ…」
男「どう…した…?」フラフラ
幼馴染「そう、だね…。おやすみ」
男「ああ…」
…
幼馴染「…」
男「…」
幼馴染「おとこ…」ガチガチ
男「うん?」
幼馴染「さむい…」フルフル
男「…」ギュッ
幼馴染「ひゃっ!?////」ドキッ
男「…恥ずかしいかもしれないけど、こうすれば… きっと、あったかいぞ…////」ギュー
幼馴染「…うん…////」ギュッ スリスリ…
幼馴染「…ねえ、男…。さっきわたしに、キスされたとき…嫌じゃなかった?」
男「…う、嬉しかったよ//////」
幼馴染「…/////」
幼馴染「ねえ、男…。さっきのお願い、きいて…くれるかな…」
男「うん…?」
幼馴染「っ…!/////」ギュー
男「お、幼馴染?」アセアセ
幼馴染「おねが…いっ…!/////」ハァハァ
男(お、幼馴染…!?)
幼馴染「あ、うぅ…////あうぅ…///// そ、その…!/////」ドキドキバクバク
男「…」スッ
チュッ
幼馴染「/////////!?」
男「なんでも、いいぞ…」
幼馴染「あ、あわ、あわわわわ…/////」
男「言いたいときに、言ってくれれば、いいからな」スッ
男「…ねよう」ギュッ
幼馴染「…///////」ギュッ
…
…朝…
男(もう、朝か…)
幼馴染「すー… すー…」
男(あたまが、ぼーっとする…)ウトウト
幼馴染「すやすや…」
男(外に出るのは得策じゃないし… このまま中にいよう)
男「…」
幼馴染「すやすや…」
男(小さい頃から、ずっと大好きだった幼馴染…)
男(最近はあんまり話すこともなくなっちまって…。嫌われたのかな、とも思ってた…)
男(それが、今はここにいる…)ナデナデ
男(幼馴染の体、あったけぇ…)
男(…/////)ドキドキ
男(え、ええい!! こんな時に何考えてんだ俺!///// へ、変な事考えちゃいかん!////)ムラムラ
男(気持ちを抑えろ、気持ちを!////)ハァハァ
幼馴染「…ん… おはよう…」ムニャムニャ
男「え//// あ、ああ… おはよう…////」ドキドキ
幼馴染「お腹すいたね…。ラジオ聞きながら、缶詰でも食べよっか」ガサゴソ
男「あ、ああ。そうだな…」
…
男「1日、3個… いや、2個たべると考えて…」
幼馴染「ひぃ、ふぅ、みぃ… 5日分かな…」
男「じゃあ、いただきます…」
幼馴染「いただきます」キコキコ
ラジオ『政府は本日未明、感染者を軍事的に排除する方針を固めたと発表しました』
男「…ん?」
幼馴染「」ドキッ
ラジオ『国際連合の支援を受け、まずは都心部を中心に感染者の強制排除を進め、生存者の救出作戦を行う計画を立てています』
男(…なんだろう、なんか引っかかる…)モグモグ
男「う~ん…。ワクチンは、使わないのか?」
幼馴染「え、えっと…!それは…!」アセアセ
幼馴染「き、きっと、たくさん作るのは難しいのよ…! それに今のままじゃ、人に戻してもすぐゾンビにされちゃうから、無駄になっちゃうから…!」
男「…厳しいけれど、そうだな」
幼馴染「だから、ゾンビがみんな退治し終わるまで、待ってよう? …ね?」プルプル
男「あ、ああ… わかった…」
幼馴染「っ…!」プルプル
幼馴染「ねえ、男…」
男「うん…?」
幼馴染「体、どこも具合わるくない…?」
男「ああ… ちょっとだるいけど、ゾンビにはなってないみたいだ。昨日すぐにワクチンうったのがよかったみたいだ」
幼馴染「…そっか…」
男(それから俺たちは、できるだけ明るい話をした)
男(俺たちの昔の話とか… 今までどうしてたとか)
男(何もないこの焼却炉の中で… そうやって時間を過ごした)
…
サアアアアア…
男「雨だ!」
幼馴染「きゃあ!」
男「くっ… 煙突の中から、雨水がいっぱい入ってくる…」
幼馴染「あ、足元がびちゃびちゃ…」
男「で、できるだけ体を起こしてよう、な」スクッ
幼馴染「うん…」スッ
ピチャピチャ…
男「…」ガチガチ
幼馴染「さむ…い、よ…」ガタガタ
男「…」ギュー
…
男「雨が、止んだな」フルフル
幼馴染「うん…。床、びっちょびちょだ…。これじゃ座れないわね…」ガチガチ
男「仕方ないさ…。体冷えちゃうと危ないから、こうやって寄り添ってよう」ギュッ
幼馴染「…」
男「どうした?」
幼馴染「おと…こっ…!」ガバッ
男「わっ!?」グラッ
バシャッ
男「わっぷ… な、なんだよ!? ふ、服が濡れて、体ひえちゃうだろっ…!」
幼馴染「…んっ!」
チュッ
男「…!//////」
男(また…キスされた…!///)
幼馴染「はぁ… はぁ…!/////」ドキドキ
男(か、顔が、近いっ…////)ドキドキ
幼馴染「お、男… もう、今しか… 今しか、たのめ、ないのっ…! きい、て… おねがいっ…!」プルプル
男(さっきから、幼馴染が何か言いたがってる… なんだろう…////)
男「…」ギュッ
男「いいよ、なんでも」
幼馴染「…」ボソ
男「…え?」
幼馴染「だ、だからっ…!//////」カーッ
幼馴染「ぼそぼそ… ひそひそ…/////」ハァハァ
男「き、聞こえないって…」
幼馴染「…も、もうっ…!/////」ヒソッ
幼馴染「女の子に、こんな事、言わせないでっ…!////」ハァハァ
男「…///////」ドキドキ
幼馴染「…ねえ男」
男「ん」
幼馴染「…わたしに、なにか… 言いたいこと、ないの…?/////」
男「…」ドキドキ
幼馴染「わたしだけ、だったの…? 男は、わたしの事、なんとも思って、なかったの…?」ハァハァ
男「…ずっと、大好きだったよ。幼馴染。…こんな事になるまで、伝えられなくって、ごめん」
幼馴染「…っ… あ、あり、がとう、嬉しいっ…////」
男「幼馴染…は?」
幼馴染「っ…///////」コク
男(頷いた…!)
幼馴染「ねえ、そろそろ… わ、わたしの、言いたいこと… わかってよ…!」プルプル
男「え、えっと… と、トイレ行きたいのか?」
幼馴染「…~~~~っ! ち、違うぅ! この…!ばかぁーっ!!//////」ペチッ
男「いてっ!?」
…夜…
男(けっきょく今日は、焼却炉から出ずに一日を過ごした)
幼馴染「…」
男(さっき引っぱたかれてから… 幼なじみはずっと俯いている。何かを考えている様子だ)
男(だいぶ雨の水も引いてきたし… なんとか今夜もぐっすり眠れそうだ)
男(それは、いいんだが… 吊り橋効果というやつだろうか…?)ドキドキ
男(俺は必死に考えないようにしてるが、どうも… 人の体というものは、危機的状況に陥ると、その…)タイイクズワリ
男(どうしても、し、子孫を、残そうとする本能があるもの、らしい)ムラムラ
男(こんな状況でそんなことを考えてしまう自分が恥ずかしい…!)ユサユサ
幼馴染「さっきから何貧乏ゆすりしてるの…?」チラッ
男「うるさかったか? ご、ごめん」
幼馴染「…ねえ、男」
男「?」
幼馴染「こ、こんな狭いところで、そ、その、なんというか… もにょもにょ…/////」ボソボソ
男「な、なんだよ…」ドキッ
幼馴染「だ、だから…! ふ、二人で、男女ふたりっきりで! な、なにか…思うことはないのって!!/////」カーッ
男(う…! そ、それを、我慢してるんだって…!)ドキドキ
幼馴染「はぁ…。まあ、いいよ… 男がその、そういうことに、興味、ないんだったら…。自意識過剰だったよ、わたし」ハァ
男(…悪い。実は興味深々なんです…。)タイイクズワリ
幼馴染「…ただ、その… もしあんたが、そーいう事考えてるんだったら、その…。わ、わたしも…!/////」
幼馴染「うっ、そ、その…うぅぅ…! お、おなじ…だからっ…/////////」カアアアアアア
男「…!?」
幼馴染「たぶん、お、おんなじ気持ち、だからっ!/////む、むしろ、あんたより私の方が…/////」ボンッ
幼馴染「…は、はいもうこの話おしまいっ!///// 寝ましょっ/////」プイッ
男(…い、今の俺と、同じって…!)ムラムラ
幼馴染「もうっ… 男ってば昔っから、ほんっとに男らしくないんだからっ…! バカ…!」ウルウル
幼馴染「ばかぁっ…!」フルフル
男「お、幼馴染… な、泣いてる…?」スッ
幼馴染「うっさいっ!」ペシッ
男「な…」
幼馴染「ひっく、ひっく…! ばかみたい、私っ…! うぅぅ…!」グスングスン
男「…幼馴染」
幼馴染「…なに?」チラッ
男「俺は、どこにも行かないから…。急にいなくなったりしないから… そんな焦らなくていいんだぞ」ナデナデ
幼馴染「…ごめん、なさい…」
男「ん?」
幼馴染「わたし、ひとつ… あなたに、嘘、ついてる…!」プルプル
男「な、なんだよ?」
幼馴染「っ…」
男「…言いたくないのか?」
幼馴染「ごめんなさい… ごめん、なさいっ…!」フルフル
男「大丈夫だ… 無理に聞いたりしないから」ポンポン
男「言いたくないなら、話すな」
幼馴染「っ…!」プルプル
男「もう今日は、晩御飯たべて、寝よう」
幼馴染「やだよ… やだよぉ…!」
男「な、何が、だよ…」
幼馴染「お願い、男…」
男「ん?」
幼馴染「これから、何があっても…急にわたしの前から、いなくなったりしないでね…!」
幼馴染「お願いっ…!」
男「…ああ。分かった。 …今までずっと、一人ぼっちにして、ごめんな」ナデナデ
幼馴染「うぅぅぅぅっ…! 絶対、絶対だから…!」プルプル
…夜…
男(…)ムクッ
男「…まだ、夜か」
幼馴染「すー… すー…」
男「幼馴染は、寝てる」グーギュルルー
男「…なんか、すげー腹減った」チラッ
缶詰×14個
男「…俺の分は、あと7個…。1日2つ食べるなら、3日分か」グー
男「…1個だけ。1個だけなら… きっと耐えられる」コソッ
カチャカチャ
男「…コンビーフうめぇ」モッチャモッチャ
男「…足りない」ゴクン
男「さすがにこれ以上は、もう…」チラッ
男「ごくり…」スッ
…朝…
男(結局、7個とも食べてしまった)
男(幼馴染の分まで手を出さなかった俺を褒めたい)
幼馴染「ん… ふわぁ…」
男「…おはよう、幼馴染」
幼馴染「…おはよう、男。 ご飯たべよ…」スッ
幼馴染「…缶詰、7個しか、ない…」
男「ごめん、昨日腹が減って、俺の分はぜんぶ食っちまった」
幼馴染「…!」
男「俺は、しばらく大丈夫だ。だから気にするな」
幼馴染「っ…! そ、そう…!」プルプル
男「勝手に、約束破って、悪かった」
幼馴染「…ね、ねえ。わたし、1日1個でじゅうぶんだから…。ひとつ、あげる」スッ
男「い、いらない」
幼馴染「…お腹減ったら、いつでも言っていいからね」カチャカチャ
幼馴染「…もぐもぐ…」
男「ごくっ…」
男(缶詰… すげえうまそうだ…)
幼馴染「…くすっ…。 一口、たべる?」
男「いいのか? ありがと…」
幼馴染「はい、あ~ん…」
パクッ
男「う、うめえ…! うめえよ…!」ムシャムシャ
幼馴染「残りは食べていいよ。わたし今、食欲ないから…。動かないからお腹減らないせいかな」
男「お、恩に切る…! もぐもぐ…」
…昼…
グーギュルルー
男(なんか、すごい、腹が減る…)
幼馴染「お腹、すいたの…?」
男「か、缶詰は、いらない」
幼馴染「…そう…」スッ
チュッ
男「?」
幼馴染「男…好きよ」
男「…俺もだ」
幼馴染「大好き…!」ギューッ
男「いきなり、どうした?」
幼馴染「うぅ、おとこぉ…!」ウルウル
男「不安、なのか?」
幼馴染「ぐすっ、ひっく…」スリスリ
男「…いい、安心しろ。俺がついてる」ナデナデ
幼馴染「うん… うんっ…! ずっと、ずっと一緒だからっ…! 約束、したからっ…!」プルプル
男「ああ」
…夜…
男(腹減った!!! 腹減った!!!!!!! 腹減ったっ!!!!!!!!!!!!)
幼馴染「…か、缶詰、半分たべる? わたしは大丈夫だよ…」
男「い、いい。それより、そうだ、ここは小学校だろ?いいものがある」タッ
幼馴染「ど…どこに行くの?」
男「池だ。そこに魚や亀がいる。俺はそれを食うから大丈夫だ」
幼馴染「さ、さかなに、亀って…! それって、私たちがお世話した、あの…!?」
男「そうだ。一生懸命お世話して育ててきてよかったな。こういうときに役立つんだから」
幼馴染「たっ… 食べるの?それ…」ガクガクブルブル
男「そうだ。美味いぞ」
幼馴染「っ… だ、だけど… 一人で外に出るのは危ないよっ…! ゾンビに食べられちゃうっ…!」
男「心配すんな。必ず戻る」トントントン
幼馴染「待って、男! だめ、行っちゃだめええええええっ!!!!」
~池の近く~
ゾンビ「う~~… あぁぁ~…」フラフラ
男(ゾンビがいる)
男(隠れていけば、見つからないだろう)フラフラ…
ゾンビ「あう!?」クルッ
男(気づかれた…?)
ゾンビ「…うぅー…」フラフラ
男(あっちに行った。見つかったと思ったけど、気のせいか)フラフラ
男(池についたぞ)パンパン
鯉「…♪」スイー
男「よかった、ゾンビに捕まってはいなかったか。よいしょっと」バシャッ
鯉「…!?」ビチビチ
男「よし、持って帰ろう」
…
~大焼却炉の中~
鯉「」ビチビチビチビチ
男「ただいま。獲ってきた」
幼馴染「と、とってきたって、それ…! まさか、ぱ、パンダ柄のパンちゃん…? え? た、食べる気…!?」
男「ああ。俺はこっちの魚を食べるから、幼馴染は缶詰たべろ」ガチュガチュ
幼馴染「…う、うん、わかった」キコキコ
男「はむっはむっ… もぐもぐっ…」グチュグチュ
幼馴染「う、うぷっ…」モグモグ
…
男「ごちそうさまでした」ペロリ
幼馴染「ほ、骨まで食べちゃった…!?」
男「ああ」
幼馴染「そ、そう… 美味しかった?」
男「美味いぞ。幼馴染も食いたいか?」
幼馴染「わ、わたしはいい…。うっぷ」
男「遠慮するなよ」
幼馴染「しばらく、この缶詰でいいから…」
男「わかった」
幼馴染「…お、男。口もと汚れてるよ」
男「そうなのか?」
幼馴染「…拭いてあげる」フキフキ
男「ありがとう」
幼馴染「…大好きよ、男」スリスリ
男(そうしてしばらく、俺は鯉を、幼馴染は缶詰を食べた)
男(だけど、3日もすれば、すぐに缶詰はなくなった)
男(俺もなんだかすぐに腹が減るようになり、鯉もどんどん減っていった…)
男(なんでこんなに腹が減るんだ? 分からない…)
…
幼馴染「…」
男「幼馴染、獲ってきたぞ。最後の2匹だ」
鯉×2「ピチピチ」
幼馴染「…いらない…」グゥー…
男「いらないじゃないだろ。幼馴染、おとといから何にも食べてないぞ。お腹減るのは辛いぞ、食え」ポイッ
鯉「ピチピチ」
幼馴染「…」
男「いっしょにいただきますしよう」
幼馴染「…ね、ねえ、せめて焼いたりとかできないかな? 生はちょっと…」オロオロ
男「生でもうまいぞ」
幼馴染「うえっ… わ、わかった。ありがとう男、わたしの分のご飯、獲ってきてくれて。好き、大好きよ」チュッ
男「おい、俺は食い物じゃないぞ」
幼馴染「…! ち、違う。今のはキスよ、口づけ」
男「…そうか」
幼馴染「…男は、してくれないの?」
男(…幼馴染の、きれいな肌…)ズイッ
男(つやつやしてて、張りがあって…!)ゴクリ
幼馴染「…////」目ツブリ
男(はぁ、はぁ…!)ペロペロ
幼馴染「…!? き、きゃあっ//// も、もう何よいきなり! ワンちゃんみたいにっ!/////」ビクッ
男「ごめん、美味そうだったから、つい」
幼馴染「…!」
男(…!? 何言ってるんだ、俺は?)
幼馴染「そ、そう…。 嬉しいわ、褒めてくれたのね…♪」ドキドキ
幼馴染「じゃあ、いっしょに、ご飯にしましょ」
男「ああ。いただきます」
幼馴染「いただきます…」
…
男「ごちそうさまでした」
幼馴染「う、うえっ…! うっぷ…! ひぃひぃ…!」
鯉「パクパク」
男「まだ食べ終わってないのか?」
幼馴染「う、うん…。」
男「貸してくれ、食べやすいようにさばいてやる」ザクザク
幼馴染「つ、爪で?ナイフとか使わないの…?」
…
幼馴染「ごちそうさまでした…。うっぷ…」
男「美味かったか?」
幼馴染「ちょっとニオイがきついわね…。泥臭いし…。そ、それに、子供の頃あなたと一緒に育てた記憶があって、こう…」
幼馴染「…正直、食べ物として見るのは… 心が痛かったわ」
男「でも食えるものは食わなくちゃ生きていけない。それはみんな同じ。そうだろ?」
幼馴染「…そ、そうね、男。あなたの言ってること、正しいわ。そのとおりよ」
男「さて、もう池に生き物はいないし…。何か食えるものが他にないか、探してくる」フラッ
幼馴染「ま、待って男。もう夜だよ。…いま外に出るのは危ないよ…!」
男「大丈夫だ。ゾンビは俺を襲ってこない。俺は隠れるのが上手いんだ」
幼馴染「そ、そうじゃなくって…! ひ、一人で寝るのは、寂しいよ…!」プルプル
男「…そうか、わかった。じゃあ、一緒に寝よう」ゴソゴソ
幼馴染「うん、お休み…」モソモソ…
男「幼馴染、俺も大好きだぞ」ギュッ
幼馴染「ひっ! つ、つめたっ…!」ビクッ
男「…寒いのか?あっためてやる」ギューーーッ
幼馴染「っ…!」ガクガクブルブル ガタガタ…
男「ど、どうした?あったかくないか?」アセアセ
幼馴染「…う、ううん、いいよ、このままで。 …男、私も大好きよ」ギューッ ガチガチブルブル
男(なんでこんなに震えてるんだ、幼馴染?)
男(もしかして、病気か?)
幼馴染「ふーっ、ふーっ… さ、さむい、よぉ…! 男の体、つめたいよぉ…!」ボソボソ
男「うん?」ギュッ
幼馴染「ひうぅっ…! な、何も言ってない、言ってないから… そのまま抱きしめてっ…!」ブルブル
…朝…
幼馴染「ごほっごほっ! はぁはぁ… へっくし」
男(幼馴染が、風邪をひいたみたいだ)
男(あんなにあっためてやったのに…。なんでだろう)
男「幼馴染、ごはん、とってくるぞ」ヨジヨジ
幼馴染「はー、はー… へっくしゅん! うぅ、ど、どこに、いくの?
男「…池にもう何もいないから、別のところから探してくる」
幼馴染「む、むり、しないでね…。そ、それと、男…」ガチガチブルブル
男「うん?」
幼馴染「…ひ、人の肉は、やめてね。わたし絶対食べないから」
男(…何言ってるんだ? 当たり前だろうそんなの)
男「わかった」
幼馴染「…いってらっしゃい、あなた…////」ゴホゴホ
男「いってくる」
…昼…
男(くそ!! くそっ!!!! 食えるものが、何も見つからねえっ…!)
男(どこの店に行っても、食料品類はぜんぶ無くなってる…。なにか、何かないのかよ…!)
ゾンビ「うぅー…」クッチャクッチャ
男(…? なんだ、なんか食ってる…?)
ゾンビ「うあぅー…!」ムッシャムッシャ
狸の腐乱死骸「」グシャグシャ
男「おお、やった、肉だっ!」ダダダッ
ゾンビ「う、うぅ!?」クルッ
男「よこせっ!」ブンッ
ザクッ
ゾンビ「ぎゃああああっ!?」グシュウゥゥ
男「死ねっ! 腐れゾンビっ!」ドカッ
ゾンビの頭「」パンッ
ボタボタッ…
男「やった、頭が破裂して粉々に吹き飛んだぞ。今の奴は弱いゾンビみたいだ」
男「よし、この狸の肉を拾って…」グゥー
男「…」グゥー…
男(そういや、俺も食べてなかったな…。)
男(いや、幼馴染は病気なんだ…! 俺より幼馴染に…!)グウウウウウウウウウ
男(っ…! 食いたい! 食いたい! 食いたいっ!!! 腹減った、はらへった、はらへった!)
男(くいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたい
くいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたい
くいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたいくいたい!!!!!)グウウウウウウウウウ
男「い…いただきます」フウーッフゥーッ
男「はむっ」ガシュッ
男「もぐもぐ… うめぇ… 狸うめぇ…」グシュグシュ…
男「ふう…。ごちそうさまでした…。さて、他の食い物を探すか…」
…夜…
男(見つからない!! 何も!!! 何も見つからなかったっ!!!)グウウウウウ
男(くそ…! 俺も一日中動き回ってたから、腹が減った…! なんでもいい、なんでもいいから、腹に入れないと…!)
男(…そ、そうだ。民家がいっぱいある。あの中になら、保存食とかがあるかもしれない…!)
男(どこかに入ろう…!)
~玄関の前~
男「くそ、鍵、かかってる」ガチャガチャ
男「開け!」ドガンッ
バキィィーーーーンッ
男「うん? なんだ、簡単に壊れたぞ。脆い扉だなぁ」
男「はぁはぁ… くいもの… くいもの…!」ドタドタドタドタ
男「どこかに…なにか…!」キョロキョロ
ワン! ワンワン!
男「…こっちから… 動物の声がした…!」クルッ
男「はぁはぁ、くいものっ!」ガラッ
~民家のトイレの中~
老婆「ひ、ひいいぃぃぃい…! ぞ、ゾンビ…!」ガチガチブルブル
チワワ「きゃんきゃん! きゃんっ!」
男「はぁはぁ…! やった、肉だ!」ハァハァ
男「よこせっ!」バッ
チワワ「くうーんっ!」ジタバタ
老婆「あ、ああぁぁぁ…! こ、コン太ぁ…!」ガクガクブルブル
男(…)
男(だめだ、このままじゃ、今すぐこの動物を食べてしまう。これは幼馴染にあげないと…!)
グウウウウウウウウウウウウ
男(っ…! くそ!だめだ!食欲を抑え切れないっ!!! 肉! 肉! 肉ぅぅっ!!!!!)ヨダレダラダラ
男「はぐっ! あぐっ、がぶがぶっ!」モグモグ
チワワ「」
老婆「あ、あぁぁぁ…! こ、コン太あぁ…! う、ううぅぅぅ…! た、助けて…!」
男「はぁはぁ…! や、やばい…!」
男(お、幼馴染の分なのに… 食っちまったっ…! こ、これじゃあ、幼馴染に食わせてやるものがないっ…!)
男「幼馴染の… 幼馴染の分の、肉さえ、あれば…!」ギロリ
老婆「ひ、ひいいぃぃっ!?」
男(そうだ… この犬の頭は、あるんだ)
男(ようは… 幼馴染が!)
男「ひとだと… わからなければ! いいんだああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!」ガバッ
老婆「ひいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!」
…
男「ふぅ… はらいっぱいだ」ドスドス
チワワの頭「プラーン」
??の肉「」
男(ムサ○から、やくための道具ももらったし、これで幼馴染に、うまい焼肉をくわせてやれる)
男(ついでに毛布や風邪薬ももってきたし…。トイレットペーパーもあった)
男(…)
~大焼却炉前~
男「ただいま、幼馴染。 にくもってきたぞ」
幼馴染「」
男「お、おい!幼馴染!?」ダダッ
幼馴染「ひぅー… ひぅー… お、男ぉ…」ガタガタブルブル
幼馴染「さ、さむい、よぉ… くるしい、よぉ…」ブルブル
男「しっかりしろ! くすり、もってきた!にくももってきたっ! くえ!」
幼馴染「はぁ、はぁ…」風邪薬ゴクッ
男「ほら、肉、持ってきたぞ。やいてやるから、くえ」バチンッ ジュウウウ…
幼馴染「…それ、なんの、にく…?」ゴホゴホッ
男「っ…! い、いぬの、にくだ」ポイッ
チワワの頭「」ドサッ ゴロゴロ…
幼馴染「きゃああああ!!?」ビクッ
男「やいてやるから、まってろ」ジュウウウ パチパチ…
幼馴染「い、犬…!? 犬って、そのチワワの…?あ、あ…! む、むり…! むりだよそんなのぉ…!」
男「だいじょうぶだ、くえる。ほら、やけたぞ、くえ」
幼馴染「…ねえ、そ、それ。今持ってるの…」
幼馴染「人の手、だよね」
男「…」
幼馴染「そ、そう…でしょ? ひ、ひと…なんでしょ?」ガクガクブルブル
男「ちがう、いぬの、てだ」
幼馴染「わ、わたし、それ… ぜ!絶対、絶対食べないから…っ!」ガクガクブルブル
男「ち、ちがう、ちがう…! これはいぬだ! いいからくえっ!」ガシッ
幼馴染「ひぎいっ! いたい、いだいいいいいいっ! やめて、止めて男ぉっ!ひぎいいいいっ!!!!腕折れちゃううううぅぅぅっ!!?」ジタバタ
男「くえって、言ってんだろおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」ギュウギュウ
幼馴染「むぐうううぅっ!?」ズモッ
男「かめ! かんで、のめっ!」
幼馴染「もぐっ… お、おおおおえええええええっ…!」ビタビタビタッ
老婆の手の焼肉「」ドサッ
男「な、な…! だいじなたべものだぞっ! のこさずくえっ!」ヒョイッ ズボッ
幼馴染「はーはー…! 嫌!いやああああっ! もごっ…! ふごおおおおっ!!」フゥフゥ ウルウル
幼馴染「ぺっ!」
ボトッ
男「あっ…!」
幼馴染「いいから… わたしはもう、いいからぁ…! そ、それは、男が、食べてっ…」プルプル
男「だめだっ! たべないと、幼馴染、しんじまうっ! いいからくってくれ、たのむっ!」ギュウギュウ
幼馴染「い…いや…! 離してっ…!?い、いたいいたいいたい痛い痛い痛いいいぃぃいっ!やめ、やめてくださ、」フルフル
ボギンッ
幼馴染「っ…んぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」ゴロンゴロン
男「!? な、なんだ!?」ビクッ
幼馴染「ああああああああああああああ!!!うああああああああああああああああっっっ!!! うでが、腕がああぁぁ!!」ビクンビクン
男「どうしたんだ、幼馴染!」
幼馴染「痛い… いたい、いだいいっ…!」ズキンズキン
男「…う、うでが、おれてる…」
幼馴染「お、男のせい、だよ… おとこが、あたしの、腕、おったんだよっ…! う、うぅぅ…!」プルプル
男「あ、あ…! ご、ごめん、こんな、つもりは…!」カタカタ
幼馴染「あ、あたし、人は食べないって…! 約束したのにっ…! 男が、無理矢理、たべさせようと、するからっ…!」ヒックヒック
男「う… う…! ち、ちがう、お、おさななじみに、げんきになって、ほしくて…!」プルプル
幼馴染「おとこ…」スッ
男「ごめん… ごめん、幼馴染…! 幼馴染、俺、おれ…! ひ、人を、殺した…! ころしたんだ…!」ブルブル
幼馴染「もう、絶対しないって、誓って…くれる…?」ハァー… ハァー…
男「ち、ちかう… ちかうから…!」ガクガクブルブル
幼馴染「ちゅっ」
男「あ…あぅ…!」ガクガクブルブル
幼馴染「今度は、ちゃんと、約束して、くれたね、男…?」
男「す…する…! 今度はもう、こんなこと、しない…!」ガクガク
幼馴染「必ず、だからね…。私はもう、人を食べたり、しないから。…それはあなたが食べて」
男「あ… あ…! でもこれ、人の肉だっ…! こ、こんなの、食ったら…! あ、あぁあ…!」カタカタ
幼馴染「いいの。あなただけは… 男は、いいの」
男「う、うぅぅ…!」フーフー
幼馴染「…悪いと思ってくれたなら、あなたの方から、私に、キスして…?」
男「…!」チュッ
幼馴染「ん…ちゅ…////」
男「…」
幼馴染「ぷはっ… はぁはぁ…//// ゆ、許して、あげる…」ギュッ
男「…だ、だったら。この犬の頭の、顔の肉と、脳みそと、めんたま焼いてやる。だからそれ食え」ジュウウウ
幼馴染「う… わ、わかった…」ウプッ
男「…うで、おって、ごめんな…。そんなつもり、なかった…」
幼馴染「いいの。もう終わったことだし…。私のためを思ってのことだからね。ありがとう、男」
幼馴染「貴方は、ずっと昔から変わらない… とっても優しい、私が大好きな人よ…」スリスリ
続く
…深夜…
幼馴染「っっ…ぁああああ… ああああああああっ…!」
男「幼馴染…! うで、いたむのか…?」
幼馴染「ひぐっ… ひー… ひー…! だ、だいじょっ…ぅ、あ!あぁああああ…!」ウルウル
男「ま、まってろ、手当てしてやる」ガタンッ
…
男「添え木をそえて、包帯をまいて…」クルクル
男「こんな応急処置しか、できない…」
幼馴染「はひー… はひー… じ、じゅうぶん、だよ、あり、がとう、男」チュッ
男「…」
幼馴染「ふぅ、ふぅっ…! そ、そろそろ、寝ましょう…男っ…」
男「ああ、おやすみ…。そうだ、毛布とってきたぞ。これで寝ると、あったかいぞ」ゴロン
幼馴染「…うん… あったかい…」フラッ
幼馴染「…すぅ… すぅ…」
男「…」
男(眠く、ならない…)
男(みょうに、目が、さえる…)
男(…)フラッ
男(…ねむく、なってきた)ポスッ
男「すぅ… すぅ…」
…朝…
男「…あさだ」パチリ
グーギュルルー…
男「…はら、へった… くいもの…」ゴソゴソ
老婆の手の焼肉「」
男「…これ、きのう、幼馴染に、くわせようと、した、にくだ」
男「なんだっけ…? いぬのにく、だっけ? まあいいや、くおう」
男「いただきます」バリバリムシャムシャ…
男「…たりない…」ケフー
男「もっと、くいたい…」グルルルル
幼馴染「くぅ… くぅ…」
男「幼馴染、ねてる」
男「くすり、きいたの、かな…?」
男「なんか、幼馴染… ちいさい…? おさななじみって、こんなに、ちいさかったか?」
男「そ、それに、へやも、せまい…!」
男「なんか、へんだ…! お、おさななじみ! おい!」ユサユサ
幼馴染「う、うーん… えっ!? き、きゃあっ!?」ビクッ
男「な、なんだ?」
幼馴染「…あ…お、男っ…? 男か…。おはよう…////」チュ
男「あっあう… お、幼馴染…! なんか、へんだ…! へやが、せまいし、幼馴染も、ちいさい!」
幼馴染「…っ」プルプル
男「おさななじみ?」
幼馴染「ごめんなさいっ…! ぐすっ…!わ、わたし、こうなること、分かってたのにっ…!ひぐっ…!」グスングスン
男「なんだ、どうした?」
幼馴染「なんでもない、なんでもないのっ…! ぐすっ… それはきっと、気のせいよっ…」シクシク
男「そうか… くいもの、とってくるぞ」
キュ
男「…?」
幼馴染「…待って…。きょうは、いっしょに、いて…」
男「で、でも…! おさななじみの、くいもの、ない…!」
幼馴染「今日はなんだか、食欲がないの…。それに最近、男が側にいてくれないから、寂しいの…!」スリスリ
男「う… わ、わかった。そがにいてやる。いっしょにいよう」ギュッ
幼馴染「うぐっ…!」ズキン
男「…うで、いたむか?」
幼馴染「っ…大丈夫、大丈夫だよ、男」
…
幼馴染「で、そのとき、友くんが持ってたポッキーをあげたのよね…♪」
男(…腹減った腹減った腹減った…!)プルプル
幼馴染「あ、男…喉が渇いたわ。お水、とってくれるかしら…」
男「はらへったああああああああああああっ!!!!」
幼馴染「ひっ!」ビク
男「あああああああああっ! めし、さがしに、いくっ!!!」ガタンッ ヨジヨジ
幼馴染「ま、待って、男…。昨日はもう、どこにもなかったんでしょう?きっと今日も見つからないわよ…。下手に動き回るとよけいな体力を使うよ…」
幼馴染「水だけでも、人は5日くらい生きられるっていうし…。じっとして、ラジオを聞きながら助けを待ちましょう」
男「いやだ!!!いますぐ!!!くいもんくいてえんだよっ!!!!」ガルルルルルルルル
幼馴染「っ…もう、こんな所で…! 何も、食べれるものなんて、見つかるわけないじゃないっ…!」
男「うるせえっ!! あああああああ!! はらへりすぎて、あたまおかしくなるうううううううっ!!!!」ガルルルルルルルル
幼馴染「…そう…。わかったわ、いってらっしゃい…。人は、だめだからね…?」
男「ひと? …わかった」
幼馴染「まって、男」
男「?」
幼馴染「いってきますの、キス… してくれる、かしら?」
男「わかった、いってきま…」ピクッ
男(幼馴染の、はだ… すげーやわらかそうだ…!)グーギュルルー
男(ごくっ… う、うまそうだ、なぁ…)ジュルッ
男(も、もし、かぶりついたら… どんなあじ、するんだろうか…)ゴクリ
男(…ぜったい、ぜったい、うまいだろうなぁ…!)プルプル
幼馴染「どうしたの、男…? ふふ、恥ずかしいの…?」クスッ
男(っ…だめだ、そんなことしたら、おさななじみが、しんじまう…!そんなのいやだっ…! だめだ、だめだ、おれっ…!)ブンブン
男「い、いって、きます…」チュッ
幼馴染「いってらっしゃい、あなた」チュッ
ガコンガコン
男「くっ… で、でぐちが、せまいっ…! と、とおれ、ないっ…」ギュウギュウ
男(どうなってるんだ… なんでこんなに、せまいんだ…!?)
男「っ…は! と、とおれたっ…!」スポンッ
~街中~
男「はぁはぁ…!な、なんにも、ねぇっ…!」ズシンズシン
男(なんだか、まちが、ちいさい…。くるまも、ゾンビも、なにもかも…。なんだか、ちいさくなってる)ズシンズシン
男「はらへった…! く、くいものっ…!」
ゾンビ「うー… あうー…」フラフラ
男(はぁ… はぁ…! むしの、いっぴきも、いねえ…! くさも、ぜんぜん、はえてねえっ…! ゾンビしか、いねえ…!)
男「なんなんだよ! くそ!」ドカッ
ゾンビ「」ボンッ ブシュウウウ… ドサッ
男(はぁ、はぁ…! ゾンビの、にく…!)パクッ
男「っ…おええええええええええっ…! こ、こんなもん、くえねえっ…!」ペッペッ
男(はぁ、はぁ…! あぶねぇ、あさたべたにく、はいちまうところだった…)ピク
男(…? あれ…? …きのうのにく、なんの、にくだっけ? すげー、うまかった…。いままで、たべたなかで、いちばん…)
男(…! おもいだした…!)
男(あれは…!)
男(ひとの、にくだ…!)ゴクリ
男(…)
男(ひと、くっちまったのか、おれ…!? ひ、ひとを、ころして…!)プルプル
男「あ…あぁ、あぁぁぁああ…!」
男「ああああああああああああああああああ…!」
…夜…
男「ううううううぅぅぅう…! あうううううぅぅぅぅ…!」
男(もっと、とおくに、いくんだ…)ズシンズシン
男(もっと、とおくなら。きっと、ごはんが、ある…)ズシンズシン…
…朝…
男(くいもの…!)
男「くいもの、どこだああああああああああああああああああああああああっ…!!!!」
…そしてまた夜…
男「うあぁぁ~… あああああああああああーー…!」フラフラ
男(そうだ、あのばあさんの、いえに、くいもん、ないかな…)ドスンドスン
男(いってみよう)
男「うぅぅーー…」ドスンドスン
~男が殺した老婆の家~
男「…」
老婆ゾンビ「うぅ~… あーうー…」フラフラ
老婆ゾンビ「こんたー… こんだ、どこだー… どこいったぁ~…」フラフラ
老婆ゾンビ「でてきてくれよぉ~… こんたぁ~…!」ヨロヨロ
男(からだが、はんぶん、ない、ゾンビが、いる…)
男(まだ、しんせんそうだ… これなら、くえるかも、しれない…!)
男「あああああああっ!!!」ガバッ
老婆ゾンビ「うぅ~~…?」チラッ
男「しゃぐああああああああああっ!!!」ガブゥゥッ!!!
老婆ゾンビ「う、うああああ…!」ブチッ
男「はぐはぐ…」
男(…だめだ、くえない…。もう、だめになってる…)ペッ
男(…なんにも、ないのか…)ガサゴソ
男(…このいえの、くいものは、みんなこのゾンビが、くっちまった、みたいだ…)
男(…かえろう…)ピクッ
男(かえる?どこに… !お、おさななじみ…!)
男(おさななじみを… ほったらかしに、しちまった…!)
男(やばい! びょうきに、なってるかも…!)ドスンドスン
男(おさななじみ!! まってろ!! いまいくからな!!!)ズズン ズズン ズズン
男「があああああああああああああああああああああっ!!!」
~小学校 大焼却炉前~
男(いりぐちが、せまい…!)ガタンガタン
男(おさななじみ…! おさななじみっ…!)ギュウギュウ
男(はいれたっ…!)ガタンッ
男「おさななじみいいぃぃっ!!」
幼馴染「」
男「おざななじみいい!しっかり!しろおおお!!」ユサユサ
幼馴染「」
男「あああああああああああああ!!!うああああああああ!!!おれだあああああああ!!め、さませえええええええええええっ!!」ブンブン
幼馴染「…おと、こ…?」
男「はぁ…! はぁ…! よ、よがった…! いぎでる…!」
幼馴染「…はー… はー…!さむい、よ…! もっと、近づいて…!」
男「おさな…な、じみっ…!」ギュッ
幼馴染「ああ…////」
幼馴染「男の体、すごく、あったかいよ…///// おとといとは、全然違うね…。あったかい…」ギュー
男「しっかりしろおぉぉ!」
幼馴染「っ…!わたしのこと、ほっといて… どこに、いってたの、よぉっ…」ブルブルブルブルブルブル
幼馴染「みずのめ! みずっ!!」
幼馴染「ごくごく… ぷはっ…」
男「はぁはぁ…! く、くいもん、なんにも、みつからなかった…! ごめんな、ごめんなっ…!」
幼馴染「…わかってたよ…。ごほっ、ごほっ…! わ、わたし、ぜぇぜぇ、前からずっと、言ってたでしょ…?」ブルブル
幼馴染「もう、ご飯はいいから… 私と、ずっと一緒にいてって…! いったでしょっ…!」ウルウル
男「はぁー… はぁー…! ごめん、ごめんっ…!」
幼馴染「ばか…! ゆるさない、からぁっ…! もう、どこにも、いっちゃ… だめ…」スリスリ
グウウウウウウギュルルルルルグウウウウゥゥゥゥ
男「…!」
幼馴染「すごい、おと、だね…」
男(ああ…あ、あぁああああああ…! だ、だめだ、だめだ…!)ガチガチブルブル
男「うああ… あ…! ああああっぁあぁ…!」ガクガクブルブル
グギュウウウーーールルルーーー
男「あ、あ、あぁあ、だ、だめ、だめだ、おれ」ガクガク
男(はぁはぁ、な、なんか、なんかくいたい…!なんか…! なんでもいい、なにか…! 虫でも、いいから…!)
幼馴染「…ごめんなさい… わたし… 男と、もう一度あえて… 嬉しかったの…」ポンポン
男「くっ… う…! ううううぅうぅぅっぅっ…!」
男(しんせんな、にくが…! だめだ! だめだ! だめだ! だめだだめだだめだっ!!!!!)グウウーーーゥゥ
男(はぁー… はぁー…! ぐ、うううぅぅぅ…! ちがう! お、幼馴染は、に、にく、なんかじゃ、ない…!)ブルブル
男「お、さなな、じみ… にげ、ろ…! お、おれの、からだ、なんか、へんなんだ…!」プルプル
幼馴染「…知ってるよ」
男「はらが、すげーはやさで、へって、ちからも、すごくて…! き、きゅうに、でかくなって…! い、いきも、してねえんだ…!」
幼馴染「…ねえ…。私がいままで、何度も、言いかけて止めたこと…あったよね…。なんだか、わかる…?」
男「う… うぅぅ…!」
幼馴染「私…ばかだよね…。こうなる、前に… いってれば、よかったのにね…」スリスリ
男「たのむ… に…にげ…で…ぐれぇ…! も、もう、じぶんを、おさえ、きれねえ…!」ジュルリ
幼馴染「にげて… どうするの…? そこら辺のゾンビに、食べられれば、いいの…?」
男「ぅ…! あ、あぅ…!」ブルブル
幼馴染「…男…。わたし、幸せだよ…」
男「に…にげろっで… いってる…だろぉ…!」プルプルブルブル
男(はらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへった…!)
幼馴染「さいごの、さいごに… 男と、いっしょに、過ごせて… よかった…」ポンポン
男「うぁ…! あ、ああぁぁ…! さ、さいご、なんて、いうなああぁぁ…! うううぅぅぅ…!」
男「お、おさなな、じみは、おれといっしょに、ずっと、ずっと、いきるんだぁ…!」
男(はらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへった
はらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへった
はらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへったはらへった!!!!!!!!!)
幼馴染「男…。こんなことになって、ごめんね…。自分勝手で、ほんとうに、ごめん…」ウルウル
男(肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい
肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい
肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい
肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい肉が食いたい!!!!!!!!)
幼馴染「…好きだよ、男。 …大好き」チュッ
男「うぐうううううあああああああああああああああああああああああああっっっっっっ!!!!!!!」ガバッ
幼馴染「っ…!」ドサッ
男(も、もうだめだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
男(いますぐ!!!!!!!なにか!!!!!!!!)
男(くわないとっ!!!!!!!!!!!)
男「はぁ、はぁっ…」ガシッ
幼馴染「っ」ピクッ
男(このうで、どうせ、おれてるんだから…! うで、いっぽん、くらいなら、いいよな!? し、しなないよな!!)
男「ぐるるるるるるうううぅぅぅぅっ…! うがああああああああっ!!!!」グイイイイッ
幼馴染「っ…!」プルプル
男「はぁー…! はぁー…! ごめんな、ごめんな! おさななじみぃっ!!!」ミキミキ…
ブヂンッ
幼馴染「っっっ…」
幼馴染「…!」
幼馴染「んっぎいいいいいいいいいいいいいいいいあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
ブシュッ ブシュッ… ドクドク…
幼馴染「ひぐぅぅぅぅ…! うぅぅ…! うあぅぅぅっ…! うあああああああああああああああああああ…!」ビクビク ブルブル…
男「はぁ、はぁ…! お、おさななじみの、うで…!」ブランブラン
男(はっ、はっ、ず、ずっと、ずっとまえから…! う、うまそうだと、おもってたんだっ!!)
幼馴染「あ、あひ、はひぃっ、い、いだい、いだい、よぉっ」ブルブルガクガク
男「ごめんな…! はぁはぁ、いたいよな!? う、うで! いっぽん…だけ!!! もらう、だけだから!!! がまん、してくれっ!!!」
男「はむっ… がぶっ…」ブチッ ムシャムシャ
幼馴染「うあああ…! んっ…うぁああああああああああああああああ…!!」ゴロンゴロン
男「はぁ… はぁ…! う、うめえ、うめえよぉ…!」モグモグ
男(…た、足りない…! もっと、もっと、ほしい…!)ブルブル
男(だめだ、もう、これいじょうは、だめだ!!! は、はやく、ちを、とめないと、お、おさなな、じみが、しんで、しまう…!)クルッ
幼馴染「ひぎー… きひいぃー…!」ビクンビクン
男(あ… あ、あああああああ…! だ、だめだ、もっと、もっと、く、くわなきゃ!!!くわなきゃああっ!!!!)ガバッ
男「あ、あああああああっ!!!! お、おさななじみいいいいっ!!!!! あ、あし!!!あし、いっぽんだけ、もらうがらなっ!!!!」ガシッ
男(あと、も、もう、これだけだ…! これで、おわりに、するんだ…! これ、くったら、てあてして、やるんだ…!)グイイイイッ
幼馴染「あがああああああっ…!」ビクンッ
ガブッ ブヂィイイッ
幼馴染「っっっぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」ビクンビクン
ドクドク… ブッシュウウウウ…
男(あ… ああああぁぁ…! ち、ちがいっぱい、でてる…! こ、こんなの、もう、とめらんねえよぉ…!)ガクブルブル
男(おれが…! おれが、おさななじみを、きずつけたんだ…! あ、あああ…! お、おれの、てで…!)
男(はぁー… はぁー…! あ、あし、うまそう…!)
ガブッ
男「むっちゃむっちゃ… もぐもぐ…。」モグモグ
男(うめえ… めっちゃくちゃうめえっ…! うぅ… 幼馴染… おさななじみぃっ…!)ウルウル
ゴクンッ
男(足りない…まだ、足りない…! もっと、もっとくいたいっ…!)ゴクリ
幼馴染「あ… ァ、は… か… は、ひ…」
男「ひぐっ…! ひっく…!お、おさなな、じみ! おさななじみいいいっ!!!」ウルウル
男「うあ… あ、あぁぁああああああ…! ごめん、ごめん…! あ、あああああ…!」
男「う、うで、いっぽんだけ、のこして、やるから!!! も、もうかたっぽの、あし!」ガシッ
男(ちくしょう…!とまれ、とまれとまれ!止まれ止まれ止まれ止まれ止まれっ!!!!!!やめろ…やめろやめろ!!!!!)ブルブル
幼馴染「ぅ… っあ…」
男「も…もらうなっ!」ガブウウッ
幼馴染「うぎいいっ… あ、あ…!!!!」ビグンッ
モグモグ
男「はぁ、はぁ…!」ムシャムシャ
幼馴染「…は… ぁ…」ブルブル
男「う、ううううう…! ぐすっ、も、もう、ち、とめらんねえ、よぉ…!」ペロペロ
男「はっ、はっ…! おさななじみの、ち… はっ、はっ、うめえ、よぉ…! ひぐっ…! あああああぁぁぁ…!」ペチャペチャ
幼馴染「」
男「お、おさななじみ…? し、しんだのか!?」
男「しぬな!!!!!!!!!」ウルウル
男「しぬなっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ボロボロ
幼馴染「…」
男「あああああああああ…! うっ…!」
男(殺した…! 殺したんだ、俺が!!!幼馴染を!!!! だいすきな幼馴染をっ…!)プルプル
男「あっ… あ…! がうううううぅぅぅっ…!!!!」ヒックヒック
幼馴染「…いいの…」ボソ
男「!? …お、おさななじみ!?」ピクッ
幼馴染「いいよ… これで…」
幼馴染「…いい、の」
幼馴染「」
男「あっ…」
男「あ… あ、あぁぁぁ…!」ガクガク
男「…うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…っ!!!!!」ボロボロ…
ガリッガリッ ボギボギ…
男「はぁ… はぁ…」ゲフー
男「…くっちまった… りょうても、りょうあしも… みんな…!」
男「ま、まってろ!おさななじみ! い、いますぐ、ち、とめて、やるからっ!!!」包帯グルグル
男「うっく…! ひぐっ…!」
男「とまれ…!」ウルウル
男「とまれっ!!!!」ギュウウウッ
男「おさななじみの、しんぞう…」
男「とまって、る」
男「っ…」心臓マッサージ
男「はっ…! はっ…!」グッグッ
幼馴染「」
男「うごけ…!」グッグッ
男「うごいて、くれ…!たのむ、たのむっ…!」グッグッグッグッ
男「もう、たべたり、しないから…! ひとりぼっちにも、しないから…!」グッグッグッ
男「もういちど、しゃべって、くれえっ!!!」グッ
グシャボキボキボキッ!!
男「!?」ビクッ
ブッシュウウウウウウ…! ボタボタ…
男「あ、あああ…! お、おさななじみの、むねが」
男「あばらが… つ、つぶれ、ちまった…!」プルプル
男「あ… あぁぁ…! し、しんぞう、も、つぶれたっ…! つ、つよく、しすぎてっ…!」
男「う… あ、あ… あぁぁああああ…!」
男「…ちがうんだあああぁぁ…!」ペタン
幼馴染「」
男「こんなこと… するつもり… なかったんだああああぁぁ…!」ヒックヒック
男「うまいもの、いっぱい、おまえに、くわしてやりたかったんだよおおおぉぉぉっ…!」ウルウル
男「ああああああああああっ…! うぁああああああああああああああああっ…!」ボロボロ
…
死体「」
男「はぁ… はぁ…」
男(ゾンビに、すれば、いいんだ… おれと、おなじように…!)ブルブル
ガブッ
男(こ、これで、おさななじみも、ゾンビに、なる、はずだ…!)
男「お、おきたら、い、いっぱい、しゃべろうな、おさななじみ…!」ガクガクブルブル
男「こんどは、うまいもん、はらいっぱいくわせて、やるからなっ…!」ブルブル
…夜…
男(は、はらへった…。はら、へったぁぁ…!)ガクガク
男(な、なんで、なんでさっきので、いっぱいに、ならねえんだ…! おさななじみの、いのちまで、うばって…!)
男(こんどこそ、な、なにか、みつかるかも、しれないっ…! い、いこうっ!)ガタッ
男「お、おさななじみ、まってろっ! う、うまいにく、いっぱい、もってきて、やるからなっ!!」ガタンガタンッ ガコガコ…
…朝…
~街中~
男「うがああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!」
男(ちくしょう…! やっぱり、なんにもみつかんねぇっ…!)フラフラ
男(おなかすいた… はらへった、よう…)ズシンズシン
男(…かえろう…。おさななじみが、めをさましてるかも、しれない)
~大焼却炉内~
死体「」
男「…なんでだ…!」プルプル
男「なんでだよ…! なんで、なんで…! ゾンビに、なって、ねえんだよっ…!」プルプル
死体「」
男(…しんぞうが、つぶれちまってる…。まさか、そのせいなわけ、ないよな… そんなわけ、ねえっ…!)
男「…じ、じかんが、かかってる、だけだ。す、すこし、まってよう」
死体「」
男「っ…!ごくり…」
男(ま、まだ、しんせんだ…)ブルブル
男(ちょっとだけ… ならっ…!)ガブッ
男(っ…だめだ… だめだだめだだめだっ…!)ギリギリ
バツンッ ズルズル… ブチッ
男「はぁ、はぁ…」クッチャクッチャ
男「ふぅふぅ…!は、はらわた、うんめぇ…! かんぞう、めちゃくちゃうめえっ…」モッチャモッチャ
男(はぁー、はぁー… も、もっと、くいてえっ…!)ゴクリ
男(…き、きっと、は、はい、が、のこって、れば、し、しゃべれるように、なる…!)ブルブル
男(もっと、くいてぇっ…!)ガブッ ズルズル モグモグ…
…2日後…
生首「」
男「…」
男(なまくび、だけに、なっちまった…)
男(でも、ゾンビは、なまくびだけでも、いきて、いられるんだ)ヒョイ
生首「」プラーン…
男「おさななじみ…もう、ここを、でよう…。とおくにいって、くいもん、いっぱい、いっしょに、さがそう…」ヨジヨジ
男「ずっとずっと、いっしょに、どこまでも、いこう…」ガタンガタン ゴソゴソ…
男「めをさましたら… また、いっしょにおしゃべり、しような…」ズボッ ドスンドスン
男「もう、はいも、のども、ないけど…。ずっと、いっしょに、いるからな…」フラフラ…
…
男「うあー… あぅぅー…」フラフラ
男(はら、へった… くいもの、くいもの…)
ゾンビ「ううう… うううーーー…!」ガバッ
男(なんだ、こいつ)
ゾンビ「ああー!」ガシッ
腐った生首「」ブランブラン
男(こいつ…おれがもってる、あたまを、ねらってるのか)
男(ふざけんな!!! これは、おれのもんだっ!!!)
男「うがあああああああああああああああああああっ!!!!」ブンッ
ズシャアッ
ゾンビの体「」ビクッビクッ
男「がううぅー… ぐううぅるるるるるるる…」ズシン ズシン
男(ざまあみろ、あたまを、ぶっつぶしてやったぜ。 ひとのもの、よこどり、しようと、しやがって…)
男(…)
男(あれ?)チラッ
腐った生首「」ブーン… ブゥーン…
男(…なんだっけ、これ? なんでおれ、こんなもん、もちあるいてんだ?)
男(にんげんの、くいのこしか、なんかか?)
男(でも、あたまなんか、かたくってくえねえし…)
男(そうだ)
ガンッ
ガンッ…
男(こーやって、じめんにたたきつけて、ずがいこつ、わるんだ)ガンッ
男(なかに、のーみそ、はいってるからな…)ガンッ ガンッ
おしまい
現時点で全体の何割ですか?
>>181
完結
ワクチンとか外の世界のこととか触れないの?
√分岐でハッピーエンド√あるんだよねっ? ねっ? >>1さんねっ?
ゴミスレ化なったな
まあこっから物語は作れんな
乙でした次回作期待
このSSまとめへのコメント
男の精神力と生命力がスゴイ
でも最後がなぁ