P母「この子、アンタのとこの子ちゃうん?」P「それがなんやねん」 (71)

P母「ほら、名前なんてゆうたかな、あの歌うまい子やろ?」

P「左上に如月千早書いてるやん」

P母「お母さん老眼でもうあんなちっさい字みえへんのよ」

P「せやったら老眼鏡買いーや」

P母「いややわ、近所だれもそんなんかけてへんもん」

P「オカンの年やったらかけとってもええやん」

P母「いやや、かっこ悪い」

P「……ほんで、千早がどないしたん?」

P母「この子、やせすぎちゃうか?」

P「胸小さいだけや」

P母「いやー、いくらなんでもこれはやせ過ぎやで」

P母「ガンちゃうか、この子」

P「なんでやねん。胸小さいだけゆうてるやん」

P母「せやけど、最近の子みんなおっぱい大きいやんか」

P「個人差あるんやろ、オカンもそない大きないやん」

P母「お母さんはええの!それよりこの子や」

P母「こんな小さかったら仕事少ないやろ」

P「歌さえ歌えたらそれでええやん。なんで胸にこだわるんよ」

P母「あんた、こっちでも関西弁なんか」

P「標準語やけど。なんでいきなり話とぶねん」

P母「ほんでな、お隣の子おるやろ。今年高校に入る」

P「ああ、なんか私立受けるらしいな」

P母「あの子な、アンタのとこの子のファンやゆうてるから、サインかいたってよ」

P「誰の?」

P母「誰か聞いとったんやけど、忘れたわ。全員から書いてもらってよ」

P「あかん。ファンの人とかもイベントに金払ってきてサインもらってるんやし」

P「知り合いやからってそういうのはあかんわ」

P母「なんやのアンタ。なんでも金、金て」

P「しゃーないやん、そら俺が書けゆうたらアイツら書くやろうけど」

P母「せやったら書いてもらってよ、お母さん約束してもうてん」

P「あやまったらええやん」

P母「お母さん人に頭さげるの嫌いなんしってるやろ」

P「下げたらええやん」

P母「サインもらってくれへんかったら、ずっとココにいとくで」

P(ほんまこのババアうるさいわ……)

P「わかった、明日もらってくるから。はよ帰って」

P「オトンの飯どないしてんよ」

P母「勝手になんか作って食うてるやろ」

P「はよ帰ったりよ。オトン一人やったらしんどいやろ」

P母「なんやの、お母さんおったらジャマなん?」

P「ジャマちゃうけど、オトン一人やったらアカンやろって」

P母「なあなあ、この子もあんたのとこの子やろ?」

P「いや、そいつはちゃうけど。もうテレビ消せや」

P母「この子男前やわー、名前なんてゆうん?」

P「天ヶ崎とかそんなん」

次の日

P「ほな、事務所いってくるわ」

P母「夕飯なにがええの」

P「何でもええよ」

P母「それが一番困んねん。何かはよゆうて」

P「カレー」

P母「せっかくお母さん来とるんやから、もっとええもんにしーや」

P「せやったらもうオカン食いたいもん作っといたらええやん」

P母「ハンバーグにするで」

P「もっとええもんにしてーな」

765プロ

P「はあ……」

小鳥「プロデューサーさん、お疲れですか?」

P「実家から母が来てましてね。もうあれこれうるさくて」

小鳥「プロデューサーさんのご実家って関西の方でしたっけ」

P「ええ。…だから、余計にうるさいんですよ。まったく、うちの母は……」

小鳥「いいじゃないですか。それだけ大事にされてるんですよ」

P「男からしたら、鬱陶しいだけなんですけど……」

P母「ちょっとアンタ、お弁当忘れてるで!」

P「オカン、何しにきてんねん!」

小鳥「!?」

P母「せっかくお母さんお弁当つくったのに、なんでもってかへんの」

P「せやからゆうて、職場までもってくんなや!小学生ちゃうぞ!」

P母「なにゆうてんの、ほら。アンタの好きな玉子焼きはいってるさかい」

P「ええって、わかったからはよ帰れやオカン」

P母「あかんあかん、ちゃんとみんなに挨拶せーな」

P「いらんことせんでええから、はよ帰って!」

P母「Pの母です~、いつもえらい息子が世話になってもーて」

小鳥「……はッ、い、いえっ!私の方こそ、息子さんにはいろいろと……」

P母「この子、あんたの彼女か?」

P「ちゃうわっ!この人はここの事務員さん、俺より先輩やの」

P母「ええ子やん。ちょっと年はいってそうやけど、この子やったらお母さんうれしいわー」

小鳥「ピヨッ!?」

P「オカンほんまやめてって!」

P母「じゃあなんやの、他にええ子おるんか?」

P「そんなんちゃうて」

P母「あんた、自分とこの子に手ぇだとるんか!」

P「ちゃうて!」

P母「そんな年下の子に……お母さん情けないわ」

P「ちゃうゆーてるやろ!ちょぉ……、小鳥さんもなんかゆうたってーな!」

小鳥「えっ…」

P「……小鳥さんからも、何か言ってください」

小鳥「あ、あの。息子さんは事務所の子たちに手をだすような人じゃ……」

P「ほらみてみぃ」

P母「でも、最近そんなんはやってるやん」

P「あんなん少数派やん。俺はちゃうの」

P母「せやったら事務員さんでええやん」

P「もうその話やめて。ほんまに。」

P母「事務員さん、この子ちゃんとやってますの?」

小鳥「ええ。むしろ息子さんが来てから、いい方向に向かってるんですよ?」

P「せやから心配さんでええゆうてるやん」

P母「せやけど、アンタお父さん似ですぐ調子のるさかい……」

P母「この子が悪いことせんように、見張っててくれます?」

P「オカン、ほんまもう帰って!」

P母「なあなあ、スタジオつれてってーな。浜村淳に会いたいわぁ」

P「浜村淳はMBSでラジオやっとんねん、こっちきてもそうそうあえんわ」

P母「ほな、お母さん帰るわなー」

P「そのまま大阪帰れや」

P母「あ。そうや、アンタの幼馴染のあの子な。結婚したで」

P「はぁっ!?きいてへんぞ、そんなん」

P母「あんた忙しいおもって、連絡せえへんかったんよ」

P母「あの子残念がってたわー」

P「何でやねん、そりゃいかれへんやろうけど電報くらい送りたかったわ」

P母「それとな、お姉ちゃんのとこ、2人目うまれたから。知ってるやろ。」

P「知らんがな。なんでそれもはよ教えてくれへんの?」

P母「手紙とどいてへん?」

P「みてへん」

P母「なんで見ぃへんの!あんた、大事な用事やったらどないすんの!」

P「わかったて、次から電話かメールしてーや」

P母「お母さん携帯よう使わんもん」

P「また今度教えるから、もう帰って。ほなな、バイバイ」

P「……やっと帰った」

小鳥「なんていうか、賑やかなお母さんですね」

P「うるさいだけですよ」

P「……あ、なんか。見苦しい所。みせちゃいましたね」

小鳥「いえいえ。プロデューサーさんの、素の姿がみれてよかったですよ」

P「……おはずかしい。でも、ああやって素でやりとりできるのが家族とか、気の許した友人だけですね。」

P「あ、このことは内緒でお願いします。幸い、まだみんないませんし」

小鳥「ええ、2人だけの秘密ですね」

P「あと、オカ……、母の言ってた事。多分、そこまで本気じゃないと思いますし」

P「さっきも言ってたように、姉の所にもう子供がいて、孫ほしさに結婚させる気もないとおもいますので」

P「……えっと、気に、しないでください」

小鳥「それは……、どうしましょうか?」

P「……ほんまに、頼むて」

小鳥「ふふっ♪」

春香「おはようございまー……」

P「おい、転ぶなよ」

春香「転びませんよ!……もう。おはようございます」

P「ああ。おはよう」

春香「……あれ、プロデューサーさん。なんか疲れてません?」

P(めざと……)

P「ああ、ちょっと色々あってな」

春香「色々?……なんですか?」

P「色々は色々だ。ねえ、小鳥さん」

小鳥「はい。色々は色々ですね」

春香「えっ……、何これ……」

P「さて、春香。みんながそろったら朝のミーティングだぞ」

春香「えっ、ちょっ。色々ってなんですかっ!?」

P「色々だよ」



P「ただいま」

P母「おかえり。ご飯できてるで」

P「なんやの?」

P母「トンカツ」

P「もっとええもん食わしてくれるんちゃうんかい」

P母「そこのスーパーで安かったんよ」

P「そうなん、せやったらええけど」

P母「それとな、お母さん明日帰るから」

P「ふーん」

P母「もう着ぃひん服とかあったら、持って帰るからだしとき」

P「そこのクローゼットの中のやつ全部いらんよ」

P母「こんなけももっていかれへんよ」

P「半分くらいでええよ。それと、ちょっと金ちょうだいよ」

P母「なんでやのん、お父さんとお姉ちゃんにお土産買う金なくなるやん」

P「東京なんかなんもお土産ないやん」

P母「帰りに名古屋で味噌カツ買ってきてってお姉ちゃんにゆわれてるねん」

P「なんで東京きて帰り名古屋でお土産買うんよ」

P母「お姉ちゃん味噌カツ好きなの知ってるやろ?」

P「そんなん大阪でもそれ用の味噌売ってるやろ、もっとちゃんとしたもん買えよ」

P母「そんなことゆうたら、高島屋いったらなんでもおいてあるやん」

P「せやったらもうなんばでなんか買ったらええやんか」

P母「明日もはやいんやろ、はよ寝り」

P「オカン明日何時のに乗るん?」

P母「9時半くらいやわ」

P「早いやん」

P母「お父さんの夕飯つくらなあかんやん」

P「久しぶりなんやから、オトンの好きなもん作ったりよ」

P母「なんでやのん。どうせ好きに食べてるのに」

P「そんなんゆうなや、オトン大人しゅうまっとるんやから」

P母「わかったから、あんたもはよ結婚しーや」

P「うっさいねん、もう寝ろや」

P母「あの子、ええんとちゃうの?」

P「小鳥さんそんなんちゃうから」

P母「事務員さんって一言もゆうてへんよ、オカン」

P「……っ、もうええからはよ寝ろや!」

次の日

P母「あんた、はよせーな遅刻するよ!」

P「わかっとるがな……、眠……」

P母「はよ朝ごはん食べて。お母さん新幹線間にあわへんやん」

P「まだまだ時間あるやん」

P母「ゆっくりしたいの」

P「しらんがな……」

P母「パン焼けてるで、はよ。コーヒー冷める!」

P「聞こえてるて、朝っぱら大声だすなや」

P(……あー、また今日から晩飯自分で作るんか、メンド……)

P母「はよしてって!」

P「へいへい」

P「ほないってくるから」

P「適当にゴミまとめといて、今度出すから」

P母「もうちょいしたら、お母さんも出るから」

P「うん。オトンと姉ちゃんによろしくゆうといて」

P「ほんで、これ。姉ちゃんに出産祝いわたしといて」

P母「いやっ、こんなに出してあんたいけんの?」

P「ほっとけ。姉ちゃんにおめでとうって」

P「その内暇つくって帰るから。そのときには嫁はん連れてこれるようにするよ」

P母「お父さん生きてるうちにしたらな、あんたの結婚楽しみにしてんやで」

P「うるさいねん、オカンもわかってるくせにゆうなや。やらしいねん」

P「ほんまオカン、嫁いびりとかせんといてや。あの人ちょっと抜けてるけど」

P母「あんたがしっかりしとったらそうならん」

P「はいはい。ほな、いってくるわ」

P母「ほなな」

P母「あの子と結婚できると思うて。お父さんそっくりやな、あの調子にのるとこ」

765プロ

小鳥「そうですか、お母さん今日帰るんですね」

P「これでゆっくり羽のばせますよ」

小鳥「またまた、本当は寂しいんじゃないですか?」

P「まさか、そんなわけ」

P「……でも、確かにいままでは母に食事つくっててもらってたので。今日からまた自炊するのが面倒で」

P「今日くらいは、さぼって外食しようかなーと」

P「……どうです?男一人でっていうのも殺風景ですし」

小鳥「……」

小鳥「ええ、喜んで」

一年後

─────────


P母「お父さん、お父さん!あの子から手紙やで」

P父「なんや、仕送りしてくれてか。なんぼや」

P母「ちゃうて。結婚するゆうて手紙おくってきたんよ」

P父「最近のテレビは裏方の家族まではめるようなったんか」

P母「なにゆうてんの、ほんまもんや」

P父「そうかあ」

P母「ちょっと、あの子に電話せな」

P父「別にええやろ」

P母「何をゆうてんの!」

プルルルル

P「何よ」

P母「ちょっとアンタ、何でそっちで式するんよ!」

P「なんやねん」

P母「親戚の人らそっちいかなあかんやん!」

P「交通費出すって書いてあるやん」

P母「そんな出して、どんだけかかるんよ」

P「俺が出すからええやろ」

P母「それに、お母さんに相談せんと」

P「婚約しましたって手紙おくったやん」

P母「みてへん」

P「なんで見ぃへんな!大事な用事やん」

P母「とにかく、そっちの親御さんにも挨拶せーなあかんから」

P母「いまからお父さんとそっちいくわ!」

P「えっ、いきなりはちょっと、まっ、ちょ、オカッ……」  プープープーッ

小鳥「……来るんですか?」

P「はい……、そうみたいです」

小鳥「いいじゃないですか、私もちゃんと挨拶したいですし」

小鳥「そうだ。これを期に、私の前でも素で話してくれません?」

P「えっ、いや、でも」

小鳥「もう、夫婦じゃないですか」

P「ですが、こっちで住む以上、子供に関西弁うつるのは……えっと……」

P「……ああ、もう、じゃまくさい。わかった、小鳥さ、小鳥がそないゆうんやったら」

小鳥「ふふっ」

P「笑うなや……」

小鳥「ごめ……っ、んな……さ……っ……っ!!」

P「マジでわろうとるがな!?」

小鳥「うぇっごほっ…げほっ、げほっ!」

P「あーもう、そんな笑うからむせんねん」 サスサス

小鳥「でも、よくよく考えたら。お義母さんが私たちのキューピッドなんですね」

P「あんな太ったパーマのオバハンがキューピッドってロマンのかけらもないやん」

小鳥「いいんですっ。私は幸せですから。プロデューサーさんは?」

P「まあ、幸せやけど」

小鳥「それでは。今のその気持ちを、私に向けてちゃんと言ってください」

P「……小鳥と幸せになれて、ごっつ幸せやねん」

小鳥「ぶふっ……!」

P「マジ笑いやめい!ごっつはずかしーわ!」

P「……めっちゃすっきゃねん」

小鳥「ぶふっ……、っ……!」

P「もうええわ!何させんねん!」

P(でも、こうやってコイツが笑ってくれるんやったら)

P(……アリやな、大アリや)



おわり

もうPがハマタにしか見えなくなった。
支援とか、レスありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom