モバP「2月14日 大雪」 (58)
P「お疲れさん梨沙。今日もよかったぞ。バレンタインだってのに一日中悪かったな」
梨沙「別にいいわ、パパと会えないなら意味ないし。この天気なんとかしなさいよね!」
P「無茶言うなよ。おかげで飛び入りの仕事が入ったんだから雪だってそう悪くないだろ」
梨沙「パパと会えないのも雪のせいなんだけど」
P「交通網が一気に麻痺したからな。朝一で入って昼過ぎにあがろうって話だったのに結局夜だし、本当お疲れ様」
梨沙「アタシの仕事は多くなかったし休憩も十分とれたからそこまで疲れてないわよ。でもそろそろ新しい衣装作りなさいよね、とびきりオシャレなやつ!」
P「うん? その衣装じゃ不満か?」
梨沙「不満って言うか雪の日に着る衣装じゃないでしょこれ。室内でも寒いんだからいくらカワイくても屋外の仕事は無理よ」
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P「そろそろ暖かくなっていくし、パパさんその衣装すごい褒めてたんだがな」
梨沙「うぐ… それは嬉しいけどそろそろパパに新しい衣装をお披露目してもいい頃よ」
P「まあそうだな。近いうちに手配するよ。明日は休みだし女子寮の子と雪遊びでもしたらどうだ」
梨沙「何よそれ。明日はパパと一日電話して過ごすんだから。今年のチョコは力作だったんだからきっと褒めてくれるはずだし!」
梨沙「あとはいケータイ、返す。仮にもプロデューサーなんだからメールばっか打ってないでちゃんとアタシのこと見てなさいよね」
P「見てるよ。第一これだってお前のパパに頼まれてだな… 結構メールきてるな」
梨沙「そこよそこ! なんでパパとアンタがメル友になってんのよ!」
P「お前がパパにメールしろって言ったのがきっかけだろ。趣味が合うんだから仲良くもなるだろ」
梨沙「限度があるでしょ! 久しぶりに会ったパパとの会話がアンタとのメールから始まった時のアタシの気持ちを察しなさいよ! ていうかアンタとパパの共通の趣味なんて思い浮かばないんだけど」
P「お前がアイドルとして輝いてるところを見ることかな」
梨沙「キモい」
P「お、梨沙パパチョコ美味かったってよよかったなー梨沙」
梨沙「アタシの楽しみさらっと暴露してるんじゃないわよ!」
P「反省してまーす。ライラからもきてるな… 雪はアイスじゃないんだけど大丈夫かコレ」
梨沙「ムカつくううっ!」
P「蹴るな、蹴るな! あとは桃華…」
From 桃華
15:01
Pちゃま
帰り道の公園で待っていますわ
お仕事終わったら来てくださいませ
P「……」
梨沙「どうしたのよ固まっちゃって」
P「梨沙、確認なんだが今何時だっけ」
梨沙「もうすぐ8時よ8時、20時。雪もひどくて視界も悪いんだから帰るときは安全運転でいきなさいよね」
P「ちょっと寄るところが出来た。何、時間はとれないちょっと急ぐんだマジで」
梨沙「はぁ!? ちょっと、着替える時間くらいよこしなさいよ! 無理ってちょっと、せめて着替えとコート持ってくから待ちなさい! 待て!」
-女子寮-
みく「それで公園で凍えていた桃華チャンを連れてここにきたと」
P「ああ、今は梨沙に風呂にいれてもらってる」
みく「桃華チャンってそんな雪の中に何時間もいる子には見えないんだけど」
P「ああ見えて結構独特なところあるからな」
みく「ふーん。なんか意外だにゃ… ところでなんでPチャン帰らないのにゃ?」
P「桃華置いて帰れないだろ」
みく「ンー、でもこの雪で桃華チャン送るのも大変じゃないかにゃ? 湯冷めしちゃうし梨沙チャンの部屋に泊まった方がいいと思うけど。なんならみくの部屋でもいいし」
P「泊まれるならその方がいいかな。頼む事になるかもしれないけどいいか」
みく「おっけーにゃ。桃華チャン心配だし様子見てこよっか?」
P「いや待って、待ってみく。あっちは梨沙いるし女子寮に男一人ってのは気まずいんだよ。もう少しここにいてくれ」
みく「別にいいけど」
P「ありがとうございます前川さん」
みく「前川って言うにゃ。なんで敬語にゃ。あと尻尾離すにゃ」
P「え、何そのツッコミ。大阪弁だけじゃなくて芸人根性も抜けないの?」
みく「みくは猫語がデフォなの! あと関西弁と大阪弁は別! そんなこと言うと部屋に戻るからね!」
P「前川悪い。いや本当反省してるんだよ前川はん」
みく「ねこぱんち! ねこぱんちねこぱんちもっかいねこぱんち!」
P「連打はやめろみく!」
みく「ふーっ、ふーっ」
P「悪かった。反省しているこのとおりだ」
みく「いい年した大人が恥ずかしくないの?」
P「一人で風呂場前にいることに比べればなんてことは。みくが通りかかるまで本当居た堪れなくてな…」
みく「帰れにゃ」
P「悪かったよ。二人ほっといて帰れるわけないだろ」
みく「梨沙チャンの部屋は?」
P「誰もいないアイドルの部屋に居座るのもな」
みく「そだね。それじゃロビーいくにゃ」
P「ここ以上に出入りが多くて気まずいんだよ…」
みく「堂々としてれば女の子は気にしないにゃ」
P「理屈じゃわかってるんだが無理だよ」
みく「下着売り場に連れてかれた小学生みたいだにゃ… それじゃはい、チョコあげるから言うこと聞くにゃ」
P「ありがとう。でもその子供をあやす感じはやめろ。せめて彼女に連れてかれた彼氏とか」
みく「彼女に連れてこられてそんなにビクビクしてる彼氏はどうかと思うにゃ」
P「複雑な男心を察しろよ…!」
みく「面倒だにゃ…」
P「猫キャラのくせに魚を食わないお前には言われたくない」
みく「面倒な人ですね」
P「曲げんなよ前川」
みく「あ、梨沙チャン」
梨沙「おつかれみく。あれ、アンタなんでまだいるのよ。とっとと帰りなさいよ」
P「お前らの事40分待ってた俺に対する第一声がそれ?」
梨沙「誰も待っててなんて言ってないし。雪の中5時間も人待たせといて何言ってるんだか」
P「その件についてはもうなんて言っていいやらなんだが本人は大丈夫か? こちらとしても気が気じゃないんだ」
梨沙「女子寮の大浴場で小学生を待つために40分居座ってたってすごいヘンタイっぽいわよね」
P「やめろよマジで。的場梨沙珍プレー好プレー集パパさんに送りつけるぞ」
梨沙「やめなさいよ! でも桃華はアタシの部屋に泊まることになったからホントにアンタがいる意味ないんだけど」
みく「Pチャン… 小学生でも考えつくことに思い至らなかったにゃ」
P「止めろよ… 傷つくだろうが」
みく「ジュース買いに来ただけなのにPチャンの無駄な暇つぶしに付き合わされたみくの方が傷ついてるの!」
P「無駄って言うなよ」
梨沙「こんなの無視しておけばよかったのに」
みく「次からは目を合わせないようにして通り抜けるにゃ。ところで桃華チャンは?」
梨沙「もう来るわよ。ああ来た」
P「本当に体は大丈夫なのか?」
桃華「ええ、問題ありませんわ。熱いお風呂と牛乳で桃華の体は潤っていますもの。着慣れない服ですので少し落ち着きませんが」
P「梨沙の服着た桃華って新鮮だな。今度その方向でプロデュースしてみようか」
桃華「どのような服でも着こなしてみせますわ! 今回は梨沙のセンスに拠るところも大きいのでしょうが」
梨沙「洗濯済みのを上から持ってきただけだからたまたまね。部屋についたらパジャマ出したげるからもう少し我慢しなさい」
みく「それで。大まかに話は聞いたけど桃華チャンはどうしてあんな雪の中公園にいたのにゃ?」
P「俺もそれ聞きたかった」
みく「Pチャンここに来るまでに聞かなかったのにゃ?」
P「桃華の身体冷え切っててそれどころじゃなかったよ。雪落として梨沙の服被せたあとは梨沙に任せて俺は運転に集中」
みく「まあそうなるにゃあ… で、桃華チャン?」
桃華「ええ、今日はバレンタインでしたので」
みく「いや、それは知ってるけど公園でPチャンを待つ理由にはならないんじゃないかにゃ…」
桃華「ホワイトバレンタインでしたので」
みく「尚更公園にいる理由にならないにゃ…」
P「梨沙、どういうことだ」
梨沙「湯冷めするから早く部屋行きたいんだけど」
P「言われてみればそうだ。悪かったな」
みく「みくも気になるからついてっていいかにゃ」
梨沙「別にいいわよ」
桃華「急な押し掛けになりましたけど、お邪魔しますわね梨沙」
梨沙「別にいいわよ」
P「飲み物買ってった方がいいよな」
梨沙「え、アンタ来るの…?」
P「なんでだよ、行くよ。当事者だろ俺」
梨沙「仮にもアイドルの部屋に男が入ろうとかちょっと…」
P「双葉の送迎に先輩Pはよく入ってると聞くが」
梨沙「仮にもアイドルの部屋にアンタの臭いがつくとかちょっと…」
P「せめて匂いって言えよ」
梨沙「くさい」
P「やめろ」
みく「くさいにゃ」
P「やめろよ!」
P「お前らな、そういうこと言われると傷つくんだぞ」
梨沙「自覚はあるってことね」
P「だからやめろ」
桃華「桃華はPちゃまの匂い好きですわよ」
P「俺も桃華の薔薇みたいな香りが大好きだよ」
桃華「まあ。照れてしまいますわ」
梨沙「早苗は内線110だったわよね」
みく「みくは真奈美チャンに連絡するにゃ」
P「止めてくれ。止めて下さい止めろっておい」
とりあえず公園で続き待ってる
>>12→>>19→>>13になります
桃華「Pちゃま、お待たせしましたわ。あら、みくさんごきげんよう」
みく「桃華チャンこんばんわにゃ」
P「桃華、お前だけだよ俺を邪険にしないのは。こいつらひどいんだよ」
梨沙「キモい」
みく「大の大人が泣き真似しても見苦しいだけだからやめるにゃ」
桃華「ふふ、Pちゃまとおふたりの間に信頼があるからこそですわね」
みく「ないにゃ」
梨沙「ないわね」
P「お前ら」
>>18
ありがとうありがとう。でも屋内にいてください
同じような修正を繰り返してたら副業の時間が近づいていたので、次の投下はおそらくアイプロインターバル中になります
もりくぼの順位点がハードル低そうでつい手を出しちゃう悔しい
的場梨沙(12)
http://i.imgur.com/Gg3guPd.jpg
http://i.imgur.com/3iqxXRi.jpg
櫻井桃華(12)
http://i.imgur.com/UZheIwF.jpg
http://i.imgur.com/IvWNQVx.jpg
前川みく(15)
http://i.imgur.com/yUbpS6m.jpg
http://i.imgur.com/eOtY37v.jpg
次はアイプロインターバル中に投下すると言ったな。あれは嘘だ
日が変わる前には復旧しないかなと思って寝てました。トリついてませんが>>1です
画像先輩ありがとうございます
-梨沙の部屋-
P「お邪魔しまーす。おお、女の子の部屋って感じだな」
梨沙「ヘンタイっぽいわ」
みく「オジサンくさいにゃ」
P「お前らの気の合いようは何なの。待ったよ。俺紳士的に桃華と梨沙の着替え待ったよ」
桃華「仲良きことは素晴らしきですわね」
P「昔のみくは可愛かったのに」
みく「Pチャンがからかうのやめないからこうなったんでしょ!」
P「昔は梨沙も可愛かったのに」
梨沙「出会って数ヶ月のアンタに昔を語られても」
P「くそう…」
みく「で、話進めるけど桃華チャンは今日一体どうしたにゃ?」
桃華「ええ、端的に言えばPちゃまにバレンタインのチョコを渡そうと思いまして」
梨沙「昨日仕事で会ったじゃない。アタシと一緒に渡せばよかったのに」
桃華「昨日伺ったところ今日Pちゃまは事務所でお仕事とのことでしたので出来れば当日、と思いましたの。それで昼ごろ事務所に伺いましたら」
梨沙「アタシと仕事に出てた、ってことね。でも昼ってもう雪降ってなかった?」
桃華「ええ、年に一度のバレンタインに雪だなんてこれは公園で渡すしかないと!」
みく「雪の公園って、確かに少女マンガやドラマだと王道シチュエーションだけどにゃあ…」
桃華「ちひろさんに予定を確認しましたらPちゃまは15時ごろに上がる予定との事でしたので」
梨沙「3時にメール打って公園って事? そんなギリギリにしないでもっと早く連絡しなさいよ」
桃華「突然のメールの方がロマンチックかと思いまして」
みく「理解できる事を組み合わせた結果が理解できないにゃ」
P「それならそれで私用じゃなく社用携帯に連絡してくれよ。社用ならよほどの事がない限り手放さないんだから」
桃華「それではロマンに欠けますもの」
梨沙「アンタその結果が大雪の中五時間待ち惚けよ」
桃華「心細さとの戦いでしたわね。東屋に入り込む雪は桃華の心を冷やしていきましたの」
みく「冷えたのは体だと思うにゃ」
梨沙「真っ赤なドレスで真っ青な顔して「私の期待よりは少し遅いけど許してあげますの」って言い出した時は耳を疑ったわ」
みく「よりによって桃華チャンあの衣装着てたにゃ!? あれ防寒性能皆無だよね!?」
桃華「以前Pちゃまにお気に入りの衣装を伺ったときあの衣装が一番と仰ってましたので」
P「どうしよう、本音言うとさっきからすごい嬉しいんだが素直に喜んでいいものなのかなこれ」
一旦切ります
終わりまで書き溜めてますので、昨日のように鯖落ちなどなければアイプロ後に残りを投下したいと思います
>>29修正
桃華「心細さとの戦いでしたわね。東屋に入り込む雪は桃華の心を冷やしていきましたの」
みく「冷えたのは体だと思うにゃ」
梨沙「真っ赤なドレスで真っ青な顔して「私の期待よりは少し遅いけど許してあげますの」って言い出した時は耳を疑ったわ」
みく「よりによって桃華チャンあの衣装着てたにゃ!? あれ防寒性能皆無だよね!?」
桃華「以前Pちゃまにお気に入りの衣装を伺ったときあの衣装が一番と仰ってましたので」
P「どうしよう、本音言うとさっきからすごい嬉しいんだが素直に喜んでいいものなのかなこれ」
梨沙「ダメでしょ。叱るべきところは叱りなさいよプロデューサーなんだから」
おお、復活なされておる。
鯖落ちじゃすまないレベルだったようですが、管理人さん乙です
今井ちゃん誕生日SSとか書きたいけどオチとタイトルが浮かばない悲しみ。ちょいちょいと投下してきます
P「そうだな。桃華、お前の様な子に待っててもらえたことはとてもとても心の底から嬉しいんだがプロデューサーとしてお前を叱らねばならん」
桃華「ええ、やはり防寒はしっかりと行うべきでした」
P「そこじゃねえよ。いや、そこもだけどお前みたいな子が夜の公園に一人でいたらどんなことになるか」
桃華「問題ありませんわ、わたくし一人ではなくSPがおりましたので」
P「え、SPさんいたの?」
梨沙「誰よ」
P「運転手とかボディーガードとか諸々ひっくるめて桃華のお世話やってる人」
みく「…まあ桃華チャンならそのくらいいるよね。なんでPチャン忘れてるの」
P「動転してすっかり頭から抜け落ちていたようだ」
梨沙「ようだじゃなくて! そこ大事なところだから!」
みく「え? っていうかSPさん夜の公園に放置?」
P「気付かなかったとはいえ申し訳ないな…」
みく「というか桃華チャンの近くにSPさんいたわけ?」
桃華「当然ですわ。櫻井家の娘に万一の事がありましたら多くの方にご迷惑がかかりますもの」
梨沙「マトモなこと言ってるようにきこえるんだけど何を言うべきかしら…」
みく「既に万が一の状況な気がするにゃ」
桃華「車内は暖房がかかりますしSPは十分な防寒を行っておりましたもの。抜かりはありませんわ」
みく「気を使う場所がそこじゃないって気づくべきにゃ…」
梨沙「というか流石に止めなさいよSP」
桃華「何度か様子を見には来ていたのですが空気を読むよう伝えましたら車に戻って行きましたの」
梨沙「そこは強引にでも止めなさいよ!」
みく「桃華チャンは言うこと聞かないし倒れたりしたら最悪だしPチャンが来るのを桃華チャン以上に切望してたんじゃないかにゃ…」
P「大変申し訳ないな…」
梨沙「アンタ今度SPに謝っときなさいよね」
P「お前も一緒だからな。桃華、今度SPさんに挨拶する機会を設けてくれ」
桃華「ええ、お望みならばすぐにでも。今も女子寮の近くにいるのではないかしら」
みく「この雪の中Pチャンの車追いかけて、桃華チャンお泊りだと吹雪少し手前の屋外で車中泊ってこと…?」
梨沙「アンタ今すぐSPに謝りにいきなさいよね」
P「桃華は俺が送るから帰ってゆっくり休んでもらうよう伝えよう」
桃華「SPも楽しんでいたと思いますから気にしなくても」
梨沙「ないからね、言っとくけどそれはないから」
桃華「ですがライラさんとかまくらを作ったりカキ氷シロップで雪の食べ比べしてましたわよ」
P「え?」
梨沙「は?」
みく「なにやっとん!?」
桃華「たまたま公園にいたライラさんとお話していたら意気投合したようでして」
梨沙「あ、これ誰にどう突っ込めばいいかわかんないパターンだわ」
桃華「ライラさんもこの興奮をPちゃまにお伝えしたいと仰っていたのでわたくしが撮影を」
P「あれ撮ったの桃華かよ! 言われてみればライラが写ってたんだから撮影者別にいる! あいつシロップ大人買いもしない!
背景も雪の公園でメール着信も桃華が公園着いた後だしライラは俺の社用アドレスしか知らない!」
みく「気付けにゃ」
P「その直後に桃華のメール見たんだぞ、無理言うな。シロップやライラより雪食って大丈夫かとしか思わんかったわ」
梨沙「そういえば携帯支給されたけどカメラやメールの使い方わかんないって言ってたわね…」
桃華「文言はライラさんの仰った通りに入力しましたわ。プライベートなことでしたので宛先はそちらに」
みく「桃華チャンは雪食べたりするのははしたないって止めるタイプだと思ってたにゃ」
桃華「礼節を重んじる場でしたらお諌めするところですが。それにライラさんは雪を見るのは今年が初めてとの事でしたので」
みく「ちなみにみくなら?」
桃華「当然お止めしますわ。梨沙もですわよ」
梨沙「食べないわよ!」
みく「なんかこの扱い見るとSPさん外でかまくら作ったりしてそうにゃ…」
桃華「ライラさんとの買出しついでのお汁粉やカイロなどを定期的に差し入れにきてくれましたので助かりました」
梨沙「ロマンチックという目的すら見失ったわね」
みく「ドラマの舞台裏を見た気分にゃ」
P「いや、でもあの桃華には本気で胸がときめいたからな…」
梨沙「本気? アタシは寒そうとしか思わなかったわ」
P「お前だってオシャレには我慢必要って言ってたろうが」
梨沙「それは認めるけど限度ってものがあるでしょうが。吹雪一歩手前にドレスってアンタ」
P「街灯と雪の反射に照らされた金の髪と紅いドレスが暗闇に浮かぶ白い肌と雪に映えてな。あんなに誰かを抱きしめたいと思ったのは」
梨沙「キモい、キモい! 本気でキモい! このヘンタイ!」
P「途中で遮るなよ!」
梨沙「キモい上に長いのよ! なにポエム読んでんのよ! あそこまで聞いたことを後悔したんだから!」
P「ポエムっていうな! 男は永遠の少年なんだよ! 意外と弱いんだよああいう風景!」
みく「完全に桃華チャンの手の平で転がされてるにゃあ」
P「末恐ろしいな…」
梨沙「12歳に転がされるアンタが情けないのよ」
みく「でもいいの? せっかく寒い中ロマンチックを演出したのに色々ばらしちゃって」
桃華「ふふ、今回は心配をかけてしまったみたいですので、少しでも安心いただけたらと思いまして。それにPちゃまでしたらわたくしの話を聞いてはしたないだなんて思わないと信じてますもの」
みく「この子ホントに12歳なの梨沙チャン?」
梨沙「アタシに振んな! そもそも安心とか言うなら最初から雪降ってる公園になんて行くんじゃないわよ!」
桃華「うふふ」
P「たまに俺自分の人生について考えることがあるよ」
梨沙「何、内線110番?」
みく「今の流れはみく的にもアウトにゃ」
桃華「まあ、そのようなこともありまして。Pちゃまを待つことは期待と不安こそあれ苦痛ではありませんでしたの。ですからお気になさらないで?」
みく「あれ、ごく普通の待ち合わせだったみたいな流れになってるんだけど」
梨沙「蒸し返すのも面倒だしもう何も考えずに眠りたいわアタシ」
桃華「あら、もう休むならほら、こちらに」
みく「Pチャン、桃華チャンがベッドいるからって変な想像してないよね。お迎えしてるのは梨沙チャンだからね」
P「……」
みく「はい、みくと一緒にお部屋出るにゃ。じゃないとお説教にゃ」
P「やめろ! あずきの時だって俺は紳士だった!」
梨沙「余罪が出てきたようね」
みく「アウトにゃ」
桃華「Pちゃま、みくさん、お休みなさいませ。お渡ししたチョコレート、ちゃんと今日中に食べてくださいましね」
P「ああ、そうだな。有難く頂くよ。でも帰る前にお前はお説教だからな」
梨沙「その後アンタにもお説教くれてやるからごゆっくりどうぞ」
-翌々日 事務所-
桃華「ごきげんようですわ!」
ちひろ「おはよう、桃華ちゃん」
梨沙「桃華、こっち」
桃華「あら梨沙、昨日は楽しかったですわね」
梨沙「まあそうね。アンタとあんなに話したのは初めてだったし。パパと話す時間が減ったのは残念だけどたまにはね」
桃華「ふふ、また機会を設けたいですわ! 次はわたくしのお家にいらっしゃいな」
梨沙「休みが重なったら考えるわ」
桃華「近く学校も終わりますしPちゃまに相談すればすぐですわ!」
梨沙「あ、バカ」
ちひろ「Pさんにそんな期待しない方がいいと思いますけど」
桃華「ちひろさん? いかがしまして?」
ちひろ「別にいつも通りですよ」
桃華「梨沙?」
梨沙「まあ、ね。誰が悪いってことはないんだけど」
P「おはようございます! いやあ、先二日が嘘みたいな天気で気分がいいですよね!」
梨沙「…タイミングは悪いみたいね」
P「桃華、梨沙、おはよう。少ししたら出るから準備しといてくれよ。ちひろさんおはようございます」
桃華「おはようですのPちゃま。昨日は送っていただき助かりましたわ」
P「おう、体調は大丈夫か? 少しでも調子が悪かったらすぐに言うんだぞ」
桃華「桃華は元気いっぱいですの!」
P「それはよかった。お前が元気じゃないと俺も寂しいからな。チョコ美味かったぞありがとうな」
桃華「うふふ、それは昨日も伺いましたわ」
P「それは昨日の分のお礼で今のは今日のお礼だよ。二種類入れてくれてただろ、悪いな分けて食べてたから気づかなくて」
桃華「構いませんわ。それにバレンタインのうちに桃華の愛を召し上がっていただけたのは間違いないのですから」
P「その表現禁止な。いやでも本当美味かった。幸せだった」
桃華「そう言っていただけると手作りにした甲斐がありましたわ」
P「うんうん、桃華がチョコ作れたってのがまず驚きだったけど食べてみるとどちらも予想を上回る美味さでな」
ちひろ「お疲れ様ですー」
P「おはようございますちひろさん。…どうかしました? なんか雰囲気が暗いですけど」
ちひろ「いいえー、そんなことはないですよー」
梨沙「桃華、こっち」
P「そうだ、聞いてくださいよちひろさん! 桃華がチョコをくれましてね! ええ、雪の中俺の事待っててくれて! そこはアイドルとして気をつけろって言ったんですけどね」
ちひろ「昨日も思いましたけど桃華ちゃんは努力家ですからね。きっとPさんのために頑張って作ったんでしょうね。ところで今」
P「でもやっぱり嬉しいですししかも手作りでプロ顔負け、は言いすぎかな。とにかく本当に美味しくて!」
桃華「まあPちゃま、そこまで喜んでいただけるとわたくしまたってちょっと梨沙、引っ張らないでちょうだい!」
P「そうそう梨沙! パパさんのついでですけど梨沙も俺にチョコをくれてそれがまたよく出来てて! パパさんとも話したんですけどね。あいつ意外と料理番組もいけるんじゃないかって」
梨沙「いいから黙る。隣行くわよ」
ちひろ「そうですね。梨沙ちゃんは第一印象と中身に差があるタイプだと思います。ところでですね」
P「いやー、言っちゃ何ですがあいつ家庭的なイメージなんて無縁でしたから。これは新しいアプローチができるんじゃないかって」
ちひろ「梨沙ちゃんがチョコくれたって一昨日も喜んでましたものね。他にも担当アイドルのみんなから頂いたとか。それで」
P「プロデューサー冥利に尽きるってやつですよね! 今年もまた頑張ろうって一念発起したところです!」
ちひろ「流石プロデューサーさんですよね。アイドルのみんなに愛情が伝わってる証拠です。ところでプロデューサーさん今少しお時間」
P「やめてくださいよ照れるじゃないですか! ああ、桃華、梨沙、もう出るから準備… あれ、二人ともどこいったんだ? すいません、ちょっと二人の仕事がありますんでこれで」
ガシッ
P「…? どうかしましたかちひろさん? おーい、桃」
ちひろ「待て」
P「えっ」
梨沙「まあ、こういうこと」
ナンナンデスカ! キノウモキョウモアサカラバンマデイソガシイノハショウチノウエデスヨ!?
デモスコシクライワタシノイウコトニミミヲカタムケテクレテモイイジャナイデスカ!
イヤ、ベツニソンナチヒロサンヲナイガシロニシタツモリハ
桃華「ちひろさんが声を荒げるところなんて初めて見ましたわ」
梨沙「ちひろもバレンタイン終わってからでいいって言ってたしプロデューサーに仕事があるのもわかってたんだけどね」
ガンバッテルオンナノコヲオウエンスルオシゴトハステキッテイイマシタヨ!
デモスコシクライガンバッテルアシスタントニモメヲムケテクレテモイインジャナイデスカ!
-隣室-
梨沙「まあ、こういうこと」
ナンナンデスカ! キノウモキョウモアサカラバンマデイソガシイノハショウチノウエデスヨ!?
デモスコシクライワタシノイウコトニミミヲカタムケテクレテモイイジャナイデスカ!
イヤ、ベツニソンナチヒロサンヲナイガシロニシタツモリハ
桃華「ちひろさんが声を荒げるところなんて初めて見ましたわ」
梨沙「ちひろもバレンタイン終わってからでいいって言ってたしプロデューサーに仕事があるのもわかってたんだけどね」
ガンバッテルオンナノコヲオウエンスルオシゴトハステキッテイイマシタヨ!
デモスコシクライガンバッテルアシスタントニモメヲムケテクレテモイインジャナイデスカ!
桃華「ちひろさんならPちゃまに悪気がないことくらい理解してそうなものですが」
梨沙「アイツ誰にチョコもらったどのチョコは美味しいってちひろに報告してたみたいだからね。全部美味しいって言ってたみたいだけど」
エ、イヤ、ソンナチヒロサンノコトモイツモミテマスヨ
フーン、ソウデスカソウデスカ、イマダッテワタシガPサンニコエカケタノスルーシテマシタヨネ!
ソンナコトアリマセンッテバ!
桃華「Pちゃまはデリカシーに欠けるところがありますから。ところで誰かに聞いたような口ぶりですけどどなたに?」
梨沙「ちひろ」
桃華「まあ」
キノウダッテイチニチジュウソウデシタシキョウダッテコレデヨンドメデスヨ! ワタシノハナシナンテドウデモイイッテコトデスカワカリマシタモウ!
梨沙「もう十回は自慢されて、渡そうとしたところで仕事に行くの繰り返しだったって言ってたわ。桃華がチョコ渡したってのも昨日だけで5回は聞いてるって」
桃華「渡した甲斐があるというものですわね」
梨沙「まあ悪気なくても聞かされるほうはストレス溜まるわよね」
ダカラチガイマスッテ! モモカー! リサー! チョットチヒロサンヲオチツカセルノヲダナ
ホラ! ホラソウヤッテウヤムヤニシヨウトシテ! モウPサンナンテシリマセンバカーッ!
アイタッ!? ッテチョコ?! チヒロサンコレ
桃華「食べ物を投げるのは行儀が悪いですわ」
梨沙「そこじゃないから」
エエソウデスヨチョコデスヨモウイイデスハヤクオシゴトイケバイイジャナイデスカホラハリーハリー!
梨沙「ちひろもアシスタントとかアイドルとか気にしないでいいと思うんだけどね」
桃華「レディは素直な自分を出すことが一番ですからね」
梨沙「一昨日までなら素直に同意出来たんだけど」
マッテクダサイヨチヒロサンキャラカワッテマセンカ!?
コノゴニオヨンデイイタイコトハソレデスカーーー!
梨沙「あ、これしばらくかかるわね」
桃華「まあ、どうしましょう」
モモカーッ リサーッ
梨沙「今日は一緒の仕事よね。アタシたちだけで行ったほうがいいわ」
桃華「でしたら車を呼びましょう。運転手も梨沙に会いたいと仰ってましたので」
梨沙「…一昨日のSPじゃないでしょうね」
桃華「そうですけれど?」
梨沙「ならパス。天気もいいんだから歩いて行くわよ。昼間だし二人なら大丈夫でしょ」
桃華「まあ、事務所のお友達とお散歩なんて初めてですわ!」
梨沙「散歩じゃないってば。ほら、行くわよ! まだ雪残ってるんだから足元には気をつけなさいよね!」
おわり
桃華(+ちひろさん)SSです。アイドルを待たせてはいけない(戒め)
最初は謝っていたはずが向こう見ずなポンコツ桃華ちゃまにハラハラする3人だったはずがいつの間にか3人が振り回されていました
やっぱり桃華ちゃまは最高だぜ
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