衣「でも、プログラムができない……」
智美「ワハハ…………困ったぞ…………」
衣「どうしよう…………智美…………」
智美「う――ん……ネットでもしてみようかな」
衣「ゲームの作り方を調べるのか?」
智美「ワハハ――! ゲームを作っている人たちのところに行けば、わかるぞ――」
衣「さすが智美だ、賢いな――」
智美「ワハハ――…………ん? これ、プログラムだけじゃない、何かくっついてるぞ」
衣「これは…………ソースコードというやつだ!!」
智美「ソースコード?」
衣「こんなふうに打てば、ここからダウンロードできるゲームにできるんだ!」
智美「!! ということは、このゲームは私達が書いたってことにもできるってことか?」
衣「そうだぞ!! これは凄い!!」
智美「ワハハ――! 運がいいな――」
智紀「あれ? このゲーム…………」
透過「智紀、どうかしましたの?」
智紀「これ、私が作ったゲーム」
透過「あら、受賞なんて凄いじゃありませんの!」
智紀「…………私は応募していない」
透過「!? それっていったいどういうことですの?」
一「それって、盗作なんじゃないかな?」
純「おいおいおい…………智紀のゲームを、どこかの誰かが勝手に応募したっていうのか?」
智紀「多分……」
透過「キ―――――ッ!! 許せませんわ!! ハギヨシッ!!」
ハギヨシ「ハッ!」
透過「この不届き者に制裁を加えてちょうだいっ!」
ハギヨシ「かしこまりました」カタカタカタ……
智紀(あ、2ちゃんねるを開いた……)
衣(どっ、どうしよう…………)ガタガタガタ……
智美「さて、コンテストでも有名になったし、感想でも見てみよう」
智美「ワハハ――どれどれ…………っ!? とっ盗作がバレてる!?」
智美「あ、私の家の住所だ!!」
母「智美――!」
智美「何っ!」
母「何か、家の外でウロウロしている人がいるのよ。智美も気を付けるのよ」
智美「わかった! 見つけたら追い返しておいて」
母「そうね、お爺ちゃんにも言っておくわ」
智美「どうしよう…………あっ、私の写真まで!? 一体誰が!?」
衣(すまない…………智美…………衣はもう関係ない)
ハギヨシ「内部のリークがあり、顔写真まで手にはいりました」
透過「でかしましたわ!! …………あ、この人!!」
一「ボクが対戦した人だっ!!」
純「鶴賀の蒲原か…………そのツラ覚えたぜ」
智紀「…………情報撹乱が行われている…………」
透過「『ワハハ――よ、ワハハ――――』っ!? これって…………」
智紀「本人の書き込みと思われる」
純「反省の色なしか……見つけたらボコボコにしてやるっ!!」
衣(ヒィッ…………!)
その後、蒲原智美は情報が丸裸にされ、学校はもちろんのこと、麻雀部にも居場所は無くなった。
10年経った今でも部屋から出てくる気配はない。
一方衣はというと、ツイッターのログが掘られ、共犯者として暴かれた。
exif情報から晒された衣の住所が、ゲーム製作者である智紀と同一であることが発覚。
龍門渕グループのステマではないかと疑われ、一族は没落した。
それにともない、龍門渕家は離散。
影響を受けた人々は、龍門渕グループの末端まで含めると数万人に登ると試算されている。
カンッ!
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