智美「フェリーにのって済州島へ逝くぞー」ワハハ衣「そんなに大きくないな」 (36)

智美「そうなのかー?」ワハハ

衣「うむ、龍門渕にはもっと大きいのがあるぞ」

智美「いつか乗ってみたいなー」ワハハ

衣「なら今度皆で行こう」

智美「約束だぞー」ワハハ

衣「もちろんだ」

衣「なんだ?学生のようなのが多いな」

智美「どうやら修学旅行みたいだなー」ワハハ

衣「智美は韓国語が分かるのか?」

智美「少しだけなー」ワハハ


衣「外からみた割に中は広いな」

智美「そうなのかー?」ワハハ

衣「うむ、せいぜい詰め込めるものなど1000トン程度と思っていたがこの船は凄いな、その倍以上は積んでいる」

智美「どうやらこの船は日本製らしいからなー、性能がいいんだよー」ワハハ

衣「そうか」


衣「そういえば智美ー」

智美「どうしたー?」ワハハ

衣「この船は何という名なんだ?」

智美「そう言えば言ってなかったなー、この船は・・・」ワハハ



智美『世越(セウォル)号だー』ワハハ

 

衣「うーん、霧がこくて月がよく見えないぞ」

智美「そもそもそれで出発が二時間遅れたんだからしかたないよー」ワハハ

衣「なんとなく嫌な予感がするんだ」

智美「海の上だと皆そういう風に考えちゃうんだぞー」ワハハ

衣「う、うむ、ちょっと考えすぎだったのかもしれないな」

智美「よーし、それじゃあ何か食べにいくぞー」ワハハ

衣「エビフライ、エビフライ」



智美「明日にはきっとつくぞー」ワハハ




衣「おやすみー」

翌朝


衣「おぉ!!見ろ智美!!今日は水平線まで綺麗にみえるぞ」

智美「おー、ほんとだなー」ワハハ

衣「あっちにはなんか島も見えるぞ!!」

智美「おいおい、そんなに乗り出したら危な【ドンッ】え?」グラッ

衣「あっーー」ガクッ

智美「こ、衣!!」


その瞬間はまるでスローモーションのようだった

いきなり手すりに掛けていた手が離れたと思ったら天地が反転した

驚いた顔をした智美が一度近づいて来たように見えたが一気に離れていった

違う

これは衣が落ちているんだ

智美が何か叫んでいるのが見える

衣が何か言おうとした瞬間


視界が黒くなった


智美「こ、衣が海に!!誰かライフジャケットを!!」

智美「くっ、みんな慌ててて話を聞いてくれない・・・」

智美「仕方ない、私が取ってくるしか」

智美「待ってろよ、衣っ!!」ダッ


食堂

智美「すみません!!ライフジャケットを!!」

韓国人「あん?ジャップにやるようなジャケットはねーよ!!」

智美「ぐっ、次を」

ホール

智美「ら、ライフジャケットは・・・」

韓国人「んなもんむしろ足りねーくらいだよ!!」

智美「す、すみません」


廊下 

智美「ぐっ、どうしたら」

少年「どうしたの?」

智美「と、友達が海に落ちて、それでライフジャケットを」

少年「それじゃあ僕のをあげるよ」

智美「そんな、それは流石に」

少年「きっと大丈夫だよ、船内放送ではまだ待機してろって言ってるしホントにヤバかったら避難指示も出るでしょ?」

智美「そ、それもそうか・・・じゃあありがたく借りてくぞ!!」

少年「うん、早く行ってあげて」

少年「・・・・・・」カシャッ

少年「本当は分かってるんだ」

少年「この船は沈んでいる、そして船員たちはさっさと逃げ出した」

少年「ボクたちはこのまま死ぬんだろうな・・・」

少年「怖いよ・・・」

少年「でも、だからボクは最期にボクの出来ることをする」カシャッ

少年「この事故の真実を後世に残すんだ」

少年「あの日本人の子が助かりますように・・・」カシャッ

少年「あー、死ぬ前に日本、言ってみたかったなぁ・・・」カシャッ

智美「衣っ!!これで・・・」

智美「そ、そんな、船が傾き過ぎて向こうへ行けない・・・」

智美「どうすれば・・・」

智美「そうだ、客室の方からなら登っていけるんじゃないか!?」

智美「絶対に助けてやる!!」ダッ


『沈没が近い!!乗客は海へ飛び込め!!』

智美「し、しまった、そんなに人の壁が!!」

智美「いや、なんとか突っ切っていけるは」キャーワー

智美「そ、そんな!?水がぐばっ」
  


智美(私も水の中に落ちてしまったかー)ワハハ 

智美(ごめんなー、衣、助けてやれそうにないよ)ワハハ

智美(でも多分私もすぐ向こうへ行くから)


『その役の名前の意味はー』


智美(ワハ?)


『海に映る月を撈(すく)い取る……』


智美(あー、そうか幻聴が聞こえてきたよ)ワハハ


『海底撈月』


智美(もう・・・・意識が・・・・・)ガクッ


智美「う・・・あ・れ?」

智美「こ、ココは?」

衣「すーすー」zzz

智美「・・・天国?」

智美「いや、病院か」

ハギヨシ「お目覚めになられましたか?」

智美「ワハ?衣の執事さん?」

ハギヨシ「はい、船での事は覚えていらっしゃいますか?」

智美「い、いやそれが全然」ワハハ


ハギヨシ「では説明させていただきます」

ハギヨシ「まず、海に落ちた衣様ですが」

ハギヨシ「私がキャッチしました」

智美「え?」

ハギヨシ「透華お嬢様より『あの二人で行動させると必ず不幸なことが起きますわ』とのことで」

ハギヨシ「お二人のフェリーを後ろからボートで追いかけさせては頂いておりました」

ハギヨシ「そうしましたら案の定・・・」

智美「つまりあの時ちゃんと下を確認していれば・・・」

ハギヨシ「衣様の無事が確認出来てましたね」

智美「私は・・・何のために・・・」

智美「あれ?でもどうして私は?」

ハギヨシ「ちょうど蒲原様が沈んでいらっしゃった所の真上にライフジャケットが浮いていまして」

ハギヨシ「まるで誰かの意思が乗り移ったかのように・・・」

智美(あの子だ!!)

智美「あの、ハギヨシさん」

ハギヨシ「どうしましたか?」

智美「乗っていた韓国人の学生の子は・・・」

ハギヨシ「殆どが・・・」

智美「・・・そうですか」

智美(きっとあの子が助けてくれたんだろうな)

ニュース『韓国船沈没事故で被害者のケータイの写真が公開されました』

智美「あれ?この写真」

ニュース『どうやらライフジャケットを持った日本人の女の子のようですね、殆どが無題のなかこの写真だけタイトルが付いていたそうです』

ニュース『ボクの最期に出来ること』

智美「あぁ・・・あぁ・・・」ブワッ

ニュース『意味はよくわかりませんが恐らく最期の風景を残したかったのだと予想します』

ハギヨシ「この写真に映っているのは蒲原様、でございますね」

智美「この子が、助けてくれたんだ」

ハギヨシ「そうでしたか・・・」

衣「あれ?智・・・美?」

智美「そうだぞー」ワハハ

衣「智美!!智美!!智美ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 

智美「ワハハ、ここにいるぞ!!」

衣「智美ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!智美ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

智美「ワハハワハハワハハワハハワハハ」



衣「うわぁぁぁぁぁぁぁん」

衣「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

衣「智美ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

智美だったもの「」 

衣「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」

ハギヨシ「・・・衣様」

衣「衣のせいだ・・・衣が海になんて落ちるから・・」

ハギヨシ「そんなにご自分を責めないで下さい・・・」

衣「うるさい!!」

ハギヨシ「・・・申し訳・・・ありません」 

衣「・・・すまん、衣はしばらく籠もる・・・声も、かけるな」

ハギヨシ「・・・かしこまりました」

数ヶ月後

衣「なぁ、智美、お前は今どこにいるんだ?」

衣「お前が居ないと全然楽しくないよ・・・」

衣「衣が、智美を殺したんだ・・・」

衣「もう、お前の居ない世界なんて・・・」 

?「じゃあ死ぬっす」サクッ

衣「え?」



桃「部長のこと私はどうでも良かったっすけど先輩を奪ったことは許さないっす!!」

衣「どう・・・して・・・?」

桃「部長が居なくなってから先輩が後を追ったんすよ!!」

衣「そん・・・な・・・」

桃「そんなも糞もないっす!!全てはお前と部長のせいっす!!」

衣「ごめん、な・・・」ガクッ

衣だったもの「」

桃「逝ったっすか」

桃「先輩はこんな私を許してくれないっすよね」

桃「きっともう会いたくないと思うっす」 

桃「でも私を見つけたのは先輩っすからちゃんと責任とってもらうっす」

桃「先輩、今逝くっす」ドシャァ

池田「天江衣殺されるとかwwww」

池田「早速スレ立てるしwwww」カタカタ

【合法ロリ】天江衣死亡wwww【訃報】

池田「他人の不幸でメシが美味いしwwww」


カンッ

ハッピーエンドで終わらせるつもりだったのに謎の力が働いた、後悔はしてない

21までは真面目に終わらせようとおもってたんだ、オカルト無しで 

たださ、魔王が囁いたんだ「麻雀って楽しいね」ってさ

個人的に胸糞だからまた後でワハ衣じゃないの真面目にかくよー

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