双葉杏「なんかおなかいたい……」(97)
双葉杏「あー……なんだこれ……あー」
双葉杏「こんな腹痛、杏初めてだよ……いたた」
双葉杏「うあー……いつも以上になんにもしたくないぃ……」
双葉杏「はぁ……今日はお仕事入ってた気もするけど、ほんとの体調不良だし、休んでもいいよね、うん」
双葉杏「あーもう、なんでおへその下がこんなに痛いんだろ、悪いもの食べちゃったかな、いたた」
双葉杏「ん……痛みが引くまでずっと寝てよう……おやすみなさい……」
……ず……!…………あ……ず……!
P「杏、起きろって!杏っ!」
杏「ふぇ……ぷろでゅーさー……?」
P「何やってんだ杏!もうほんっとに仕事の時間ギリギリだぞ!?早く起きて、準備しろって、ほら」
杏「あー……そうだ、いたた。プロデューサー、今日杏お腹痛いからお仕事休んでもいいよね?」
P「はあ……俺だって伊達に杏のプロデューサーやってないんだから、今更そんな手に騙されるかっての」
杏「ホントなんだってば。あー痛い……プロデューサー、病人には優しく接してよ、もう……」
P「はいはい、分かったから、早く起きろって……そりゃっ!」バッ
P「…………えっ、血?」
杏「えっ」
P「えーっと……これってあれだよな、うん」
杏「ち、血なんかいつの間に、あれっ」
P「なんだ、その……そういうことなら言ってくれれば、って言えないか」
杏「えと、血ってその……、プロデューサー、杏どうしちゃったんだろ……」
P「どうしたって、いや、その……こういうことなら杏の方がよく知ってるんじゃないのか?」
杏「知らないよ……お腹から血が出るなんて、杏初めてだし……」
P「……お前、やけに小柄だとは思ってたけど、初潮もまだだったのか……いや、えー……」
杏「初潮って何?杏にも分かるように説明してよ、もう……」
P「確かに最近胸も膨らんで来た気もするしな、いやどうりで」
杏「ひ、一人で納得してないで。杏どうかしちゃったの?プロデューサー……」
よく考えたらぼくも生理とかよくわからませんでした
ごめんなさい
P「杏、とりあえず事務所に行こう」
杏「えー?あんまり動きたくないんだけどなあ……プロデューサーなんとかしてよ」
P「い、いや、こういうことは同じ女性の方が分かりやすいと思うしな。ちひろさんに相談してみよう」
杏「? ふーん……。じゃあ早く連れて行って。今一歩も歩きたくないから」
P「ああ、そうだな。ちょっとの辛抱だから、我慢してくれな」ヒョイッ
杏「んっ……今日はやけに優しいね。いつもこんな風だったらいいのに、いたた」
P「ま、男には分からない痛みでも、こんな辛そうな顔されてちゃな。ところで杏、こういうこと学校の……その、保健体育で習わなかったのか?」
杏「学校?ほとんど寝てたけど」
P「お前な……」
P「ただいま帰りましたーっ。と、すいませんちひろさん、ちょっと」
ちひろ「あらっ、杏ちゃんのお迎えに行ったんじゃなかったんですか?」
P「い、いや……そうなんですけどね、あはは……」
P「……ところで、こんな人の出入りの激しい所で何ですが、少し大切なお話が」
ちひろ「ドリンクですか?ハロウィンパーティーも実施中ですよ!」
P「そういうのじゃなくて、もっと真剣な話なんです」
ちひろ「えっ?は、はあ」
P「その、言いづらいんですが……えっと、ちひろさん」
ちひろ「あ、はい」
P「……生理って、どう対処すればいいんでしょう?」
杏「痛い……いたいよう……いたいぃ……」グスグス
ちひろ「えっ?……ああ、なるほど」
ちひろ「大丈夫、杏ちゃん?って、大丈夫じゃないわよね」
杏「痛ぁ……ちひろさーん、杏のおなかどうしたの?すっごい痛いんだけど……」
ちひろ「え?えっと」
P「そのー、今日が初めてらしいんです」
ちひろ「そうなんですか……あれ?杏ちゃん、服が血塗れじゃない」
ちひろ「……プロデューサーさん!まさかこんな格好の女の子を外に連れ出したんですか!?」
P「あ、いや、一応車で」
ちひろ「同じです!まったくもう、プロデューサーさんはデリカシーってものがないんだから……」
P「すみません……ごめんな、杏」
杏「グスッ……ど、どうでもいいよ服なんて……死にそうだよぉ……」
P「あ、杏……」
やっぱり童貞に生理ネタは無理だったんよ
ちひろ「でも、このままじゃね……とりあえず着替えましょっか」
杏「うぁ……う……動きたくないからいい……」
ちひろ「女の子なんだからこういうことはちゃんと、ね」
ちひろ「それに、血が出たままじゃ困るでしょ?」
杏「ん……。……痛いよぉ……優しくしてね?」
ちひろ「うん、任せて。大丈夫よ、痛くはしないから」
P「…………」
ガチャッ
P「…………!」
杏「う……な、なんかこれ、変な感じ」
ちひろ「でも女の子はこうしないといけないの。血が出たまんまじゃ嫌でしょ?」
杏「うーん……ああ、もうっ……痛みは全然引かないし……何なのこれ……」
ちひろ「うーん、この痛みばっかりはね……耐えるしか」
杏「しょ、しょんな、いたたたたた、いだだっ」
杏「ねえ、杏やっぱりお仕事しなくちゃいけないの……?こ、これはちょっと冗談じゃないよ……?」
P「あ、今日は仕事はいいよ。先方には連絡入れておいたから」
杏「そっか……はー、安心したら眠くなってきたかも……ちょっと横になっててもいい?」
P「ああ。どうせなら家まで送るけど」
杏「おうちか……いいや、誰かと一緒の方が落ち着くし、いたっ、……今は車になんか乗れないし」
ちひろ「そうね、こういう時は心細くなっちゃうもんね。さてと、プロデューサーさん!」
P「は、はい?」
ちひろ「私はこれから少し出るんですけど……杏ちゃんのこと、よろしくお願いしますね?」
P「……ええ、任せてください!」
ちひろ「うん、いい返事です。くれぐれも女の子に恥をかかせないように!」
P「あ、あはは……ま、任せてくださいよ」
杏「ううぅ……プ、プロデューサー、ちょっとこっち来てぇ……」
P「あ、おう、どうした杏」
杏「いや、えっと……その……今ちょっと寝たいんだけど、やっぱりお腹痛くて」
P「うん、うん」
杏「それで、お、お腹なでてもらったら眠れそうって感じがするから……えと」
P「もしかして、撫でて欲しい、ってことか?」
杏「う、うん……そゆこと」
P「そっか、お安い御用だよ。はは、なんか今日の杏はしおらしくて新鮮だな」ナデナデ
杏「うー……こっちはほんとにお腹痛くて困ってるのにー……ぐうっ」
P「悪い悪い、でもなんか子どもみたいで可愛いぞ。……なんてな」ナデナデ
杏「何言ってんだか、ばか……」
杏(……きもち、いいな……このまま……眠れるか……も……)
杏「……くー……すー……」
P「……寝た、みたいだな」
P「さて、俺もいい加減仕事……っと」
杏「…………ん、ん……」ギュッ
P「……はは、仕方ないな。かわいい奴め」ナデナデ
杏「んー……すー……すー……」
P(しかし意識してみると、杏も妊娠できる身体になったわけだ)
P(初潮が来たってことは、この体型でもう充分女なんだよな……)
P(って、俺は何考えてんだ。そんな変態じゃないんだから)
P「…………」
P「あ、杏……起きて……ないよな?」
杏「んにゅ……くーくー……すう」
P「……小っちゃい腹しやがって……かわいいな、まったく」サワサワ
P「杏……杏……」ナデナデ
杏「むにゃ……」
P「杏……かわいいぞ、杏……」
杏「ん……んくっ」
P「ごめんな杏……い、今だけ……今だけだから……」ギュッ
杏「ふぇ……あ、あれっ?ちょ、プロデューサー?あっ、お、お腹いたっ」
P「あ、杏!?わ、わ、悪い!ごめん、すぐ放すから!」
杏「ん……んーん、これもちょっと落ち着くかも……いつつ。もうちょっとこのままでも……いいかな」
P「そ、そうか?杏がそれでいいなら……なんか、悪い気もするけ――」
島村卯月「ただいま帰りましたっ!……って、えええええええええええぇぇぇっ!?」
卯月「なーんだ、そういうことしてたわけじゃないんですね。びっくりしちゃいましたよ、もうっ!」
P「あ、当たり前だろ。何考えてんだ」
杏「て言うか杏はお腹痛すぎて他のことしてる場合じゃないし……あ、また痛み出した、いたた」
P「お、おい……大丈夫か?またさすってやろうか?」
卯月「え?さするって?え?」
杏「えー?さすがに人の見てる前でそれは……そうだプロデューサー、杏のうちに来てお腹撫でてよ」
卯月「え?え?あれ?」
P「ま、今日はあいにく俺の仕事も少ないしな。こんな日くらいは杏にも甘えさせてやろうかな。ははは」
杏「今日だけじゃなくていつも同じくらい甘やかして欲しいんだけどー……ぐっ、は、早く行こっ」
P「だ、大丈夫か?立てるか杏?よしよし……」
卯月「…………あれっ?」
P「おーい、赤飯炊けたぞー」
杏「えー?今日あんまし食欲ないんだけどなー。なんで赤飯?」
P「それは……やっぱりめでたい日だからな。杏が大人になったお祝いとしてだよ」
杏「? ふーん……」
P「ところで杏、結構血色もよくなってきたっぽいけどもう大丈夫なのか?」
杏「ん、痛みはもうだいぶ引いてきたけど、体中だるいかも。仕事した日とおんなじくらい疲れたかな」
P「そうか……そんなになのか。頑張ったな、杏」
杏「ホントだよ、もう。あーもう、せっかくお仕事休んだのに意味ないし……」
杏(…………!)
数日後
P「お、おい杏、今日は急がないとヤバいって!」
杏「うー?あー……今日は杏お腹痛いから休むー……」
P「嘘つけー。大方こないだので味をしめたんだろうけど……」
杏「あー駄目。これ『せーり』だよ『せーり』……あー痛い痛い」
P「……なあ杏、お前生理って何のことか分かってんのか?」
杏「え?お腹痛くなる病気のことじゃないの?」
P「ていっ」ビシッ
杏「あうっ」
おしり
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