貴音「喰らいなさい｣ｽﾞﾌﾞﾌﾞ

真「痛いっ！ふわぁぁぁぁぁ！」

貴音「はい、どうしましたか」

真「あのさぁ姫初めって知ってる？」

貴音「はて、姫初め」

貴音「……申し訳ありません、そのような言葉は存じておりません」

貴音「しかし姫で初めると読むものですから、きっと素晴らしいものなのでしょう」

貴音「わたくしも是非知りたいものです」

真「だよね、だよね！」

真「初笑いが新年になって初めて笑うことでしょ？初夢が新年になってから初めて見る夢」

真「もしかして新年になってから初めてお姫様になることだったり！」

貴音「それは素晴らしいですね」

真「うんうん！でも初めてお姫様になるってどういうことなんだろ」

真「そもそも本物のお姫様なんて見たことないし、本当になれるのかなぁ」

春香「まーことっ、大丈夫！真ならちゃんとお姫様になれるよ！」

真「えっ、春香姫初め知ってるの!?」

春香「えへへー」

真「良かった、意味教えてよ！」

P「…………」

春香「あっ、プロデューサーさん……」

春香「……」

春香「ごめーん、ウソウソ。姫初めの意味なんて知らなかったー」

真「えっ、何だよもー。すごいワクワクしたのに」

春香「ごめんごめん、わたしは純粋無垢だから何にも知らないんだった」

貴音「そうですか、わたくしも残念です」

春香「ごめんなさい……あ、でも春香さんは本当にわからないけど美希なら知ってるかも？」

春香「ほら、765プロで流行に一番強いって言ったら美希でしょ？うん、美希なら知ってるはず。うんうん」

春香「ということでほら、美希起きてー、真が聞きたいことがあるって」

美希「……もうなに？すっごい気持ち良く寝てたの。108種のおにぎり風シェフの気まぐれ風フルコース風を食べてたとこだったの……」

美希「せっかくのサイコーの初夢を邪魔するなんて本当空気読めてないの」

春香「あはは、ごめん……」

真「ボクもごめん美希、けどその初夢に関係したことなんだけどさ」

真「姫初めって知ってる？」

美希「姫初め？何それ貴音になること？」

美希「うーん、さすが貴音。ついに貴音から新しい言葉が出来ちゃったの」

美希「でもミキ的には美希初めとかミキに関係した言葉が出来た方がもっといいって思うな」

真「あはは……」

春香「あはは！美希初めなんてそんな言葉あるわけないよね！」

美希「むー」

貴音「それと残念ながらわたくしと関係したものでもないらしいのです」

貴音「もしそうであれば流石にわたくしも存じているでしょうし……」

美希「じゃあ前からある言葉ってことかな」

美希「うーん、なら律子に聞いてみるの！」

美希「律子、さーん！聞きたいことがあるの！」

貴音「喰らいなさい｣ｽﾞﾌﾞﾌﾞ

美希「あんっ♪気持ち良いのっ☆」

律子「何よこの忙しい時に」

美希「律子、さん。姫初めってどういう意味か知ってる？」

律子「ぶっ……！アイドルがなんてことを口にするのよ」

真「えっ、律子知ってるの!?」

律子「……あー、しまった」

真「今すごい気になってるんだ。知ってるなら教えてよ律子！」

春香「そうですよ！教えて下さい律子さん！｣ｷﾗｷﾗ

律子「……ハァ」

律子「いい？姫初めって言うのはね、頒暦(はんれき)の正月に記された暦注の一のことで。正月に軟らかく炊いた飯（＝姫飯(ひめいい)）を食べ始める日とも、「飛馬始め」で馬の乗り初めの日とも、「姫糊始め」の意で女が洗濯や洗い張りを始める日ともいわれているわ」

律子「まぁ諸説あるけどこんなところね」

律子「あと、姫初めについて外で絶対に口にするんじゃないわよ」

貴音「御覧なさい｣ｽﾞﾌﾞﾌﾞ

律子「これこれぇ♪｣ﾋﾞｸﾋﾞｸｯ

おわり