男「要するにさ」女後輩「なんですか」 (15)

お正月っぽいオリジナルSSだよ

男「人間って孤独な生き物だと思うんよ」
女「突然電話してきたと思ったら、開口一番になんですか。その要するにってどっから来たんですか」
男「話すと長くなるんだが……」
女「電話代勿体無いですね」
男「年賀状が1通しか来ないんだ。少なすぎやしないか」
女「私送りましたよ」
男「だから電話したんだよ」
女「……多少論理の飛躍は見られましたが、概ね理解出来ました」
男「ふっ貴様如きに私が理解出来ると言うのか」
女「自分が限りなくぼっちに近いことに気づき、唯一年賀状を送ってきた私に電話して、孤独を紛らわせたくなったんですね」
男「全くもってその通りでございます」
女「なんて分かりやすい……」


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男「いや、まぁまだ1月1日だしな。それに朝だし、夕方にはまた追加で来るだろう」
女「まぁそうですね」
男「そう考えると、別に俺は孤独でもなんでもないわけだ。ただ俺の友達に12月25日までに年賀状を送らない、ズボラが多いだけで」
女「いつも思うんですが、偶々なのは良く分かりますけど締め切りがクリスマスというのはどうかと思います」
男「どうでも良いな」
女「全体的に先輩の発言の方がどうでも良い事多いです」
男「さもありなん」
女「先輩完全に自己完結しましたからね。先輩のセリフ私が言うならまだしも、先輩が言っちゃったら、私に電話する意味ないですもんね」
男「ほら、意味なく電話したくなる時もあるだろ」
女「じゃぁ切りますね」

男「まて会話はまだ途中じゃないか。これから盛り上がるときじゃないか」
女「この会話これ以上盛り上がる要素とれないですよね」
男「そういえば、盛り上がるといえば、「さわり」って本来、一番盛り上がるところっていう意味らしいぞ。だから曲のさわりだとか言ったら、最初の部分じゃなくてサビの部分って意味らしいな」
女「では早速その先輩の話さわりだけ聞かせてください」
男「ただの会話に盛り上がる部分なんてあるわけないだろ」
女「盛り上がるんじゃないですか!?」
男「強いて言うなら、今のところがさわりだな」
女「もうこれ以上盛り上がらないんですね……」
男「いや、こっから先は女のがんばり次第だ」
女「そうですか。では切ります」ピッ

プルルルルル

男「ひどいよ!」

女「うわーストーカー」

男「ひどいよ!」

女「先輩さっきから発言がコピペですよ。前から人間の言葉を操れるのが不思議だったんで、それくらいでいいんじゃないですか」

男「ひどいよ!」

女「本当は何も喋らないほうがいいんでしょうけどね」

男「ひどいよ!」

女「で、先輩如きに使う電気が勿体ないんで電話切りますね」

男「ひどいよ!」

女「困りました。これ以上先輩にひどいよ!と言わせるために、罵倒を続けて言葉を使うのは勿体ない気がしてきました」

男「ひどいよ!」

女「まぁ楽しいから続けるんですけどね」

男「ひどいよ!」

女「あ、頭の悪い先輩のために確認ですけど、先輩はひどいよ!しかいっちゃいけませんよ」

男「ひどいよ!」

女「先輩が趣旨を理解してくれたみたいでなによ……飽きた」

男「ひどいよ!?」

女「まぁ盛り上がったのでよしとしましょう」

男「俺一言しか喋ってないけどね」

女「うわ、こいつひどいよ以外喋りやがった」

男「ひどいよ!」


女母「女ー!盛り上がっとるとこ悪いけど、年賀状見てきてくれへん?」

女「えー自分でいってぇや」

女母「今雑煮食べるのに忙しいねん」

女「それ忙しい言わへんわ。しゃーへんなぁ行ったるわ」


男「……女って家では関西弁なんだな」

女「そうですよ。雑煮は関西風の白味噌丸餅です。羨ましいでしょ」

男「食べてみたいとは思うが、別に羨ましいとは思わんな」

女「来年は作ってあげましょうか?」

男「今年はー?」

女「今年は、その、まだ作れないので……」

男「じゃあ期待しておくよ。今年だけじゃなくて、来年も、再来年も、その先も宜しくな」

女「はい宜しくお願いしますね」ピッ

第一部。完。誕生日だからケーキ食べてくる。

おら、第二部や
2014年1月2日

男「ズボラすぎやしないか」

女「……あぁ」

男「やめろよ!!なに察してんだよ!!憐れみの目で見るなよ!!」

女「電話越しだから分からないでしょ」

男「あ、否定はしないんだね」

女「で、何通だったんですか?」

男「……3通」


女「まぁ類は友を呼ぶって言いますし、先輩の周りがズボラな人ばっかでも驚かないです」

男「それは俺がズボラだって言いたいのか!!」

女「私まだ先輩の年賀状届いて無いんですけど」

男「30日に出した」

女「……それいつ来るんですか」

男「明後日位……?」

女「へー期待せずに待ってます」

男「いや、だってクリスマス周り忙しいし」

女「忙しいんですか!?」

男「驚きすぎじゃない!?」


男「あ、これはあれだな、ツンデレフラグだな!」

女「だって先輩クリスマスの日サンタの格好で学校来たじゃないですか!」

男「論理的根拠に基づいた推論だった!」

女「しかも午前中部活やった後、午後軽音部のライブ見に行ってたじゃないですか!」

男「あぁ、うんそうだね。朝から晩まで学校にいたね」

女「そんな先輩に、クリスマスの予定があるんですか?」

男「いや、学校に行くのも立派な予定なんじゃないかな」

女「盲点でした」

女「ていうか、今さらなんですけど、先輩あんな格好で部活に来たのに、誰も特に反応しなかったですよね」

男「あぁ、女は今年入ったばかりだから知らなかったんだろうけど、あれ毎年恒例だから」

女「毎年恒例なんですか!?」

男「まぁ流石にあの恰好で家から自転車漕いできたのは初めてだったけど」

女「アホや」

男「案外反応なくて寂しかった」

女「サンタが自転車漕いでて、反応無かったは嘘でしょう」

男「いや、本当に誰も反応しないんだよ。25日の朝方の街なんて、ただの平日でさ。サラリーマンが歩いてんだけどこっちのほう見向きもしなかったんだよ」

女「なんか寂しいですね……」

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