P「響が亡くなって一週間か」(165)

@響の部屋


P「よっと………」ドサッ

P「ふぅ。荷物整理は大体こんなところか」


P(響が交通事故で亡くなって一週間が経過した)

P(俺は今、彼女の部屋を整理している。
彼女の葬儀は多数のファンに見守られながら早々に行われた一方、彼女の遺品の整理が未だ済んでいないのだ)

P「ほとんどがペットのおもちゃであったり餌だったり……普段の響の生活はペットが中心だったんだなホント」

P「明日響のお兄さんがペット含め引取りにくるとは言ったが……大変そうだなー」プシュー

P「ってかケモノくせぇ……事務所に来る時までにどうやって匂い消してたんだアイツ」

\ピンポーン/

P「あれ、お兄さんは明日じゃ………?」ガチャ

貴音「どうも」

P「貴音!」

貴音「お邪魔致します……というのも変ですが、上がっても?」

P「おぉ!一番の親友である貴音なら大歓迎だ!俺が言うのも変ですが」

P「簡素な造りだが、線香を―――」

貴音「貴方様、私は響に貸していた私物を返しに伺ったのですが」

P「あ、あぁ!響っぽくないシュミのCDとか本があるなーと思ってたけどあれか!ちょっと待ってろ」ゴソゴソ

P「これでいいか?」スッ

貴音「確かに」

P「じゃあお線香―――」

貴音「では貴方様。失礼いたします」バタン

P「えっ」


           カッカッカッ………プシュー

P「冷たいなーーーー…………」

響『まったくだぞ!』プンプン

P「まぁいいや続き続き」

響『あれっさっき終わったんじゃなかったの?』

Pじゃじゃーん!響のおぱんつー!」

響『のわーーーーーーーー!!HENTAIだったのかプロデューサぁぁぁぁぁ!?』

P「響のかをりがする………」クンクン

響『やーめーてー』

P「響ぃ……何で死んじゃったんだよぉ」グスングスン

響『プロデューサー………』

P「いつか婚約申し込みたかったのにぃ………」グスングスンクンクン

響『えっ………!ぷ、プロデューサーも……自分のこと……』

P「結婚寸前で乗り換えて悲しむ響の泣き顔が見たかったのにぃ」チーン

響『のわーーーーーーーーーーーーーーー!!鬼畜だぞーーーーー!!』

\ピンポーン/

P「お客さんか……次は誰だ?」ガチャ

美希「あっハニー」ギュッ

P「おいおい美希玄関先でイチャつくなよ」

美希「じゃあどこだったらいいの?寝室?」

響『二人とも人の部屋で何やってるさ………』

P「HAHAHA!」

響『何で欧米風!?』

美希「ねぇハニー……もう響にばっか構わないでミキの事もちゃんと見てくれるようになるよね?」シュル…

P「み、美希………っ!」

響『ぎゃああああああっっ!!公然NTR展開だぞーーーーー!!!』

響『人のベッドで何するんだよー!!』

美希「あっ、響が見てるの」

響『もしかして美希……自分が見えるのか!?』

美希「目隠ししててね」パタン

響『写真か!』

響『ってツッコみいれてる場合じゃないよ!このままだとプロデューサーがツッコむけど!』

美希「ハニー、ミキに事愛してる?」

P「俺は―――――」

響『ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!』


ガチャーン!!!

美希「何!?すごい音がしたの!?」

P「あれはペットの部屋からだな………まずいあの子達に何かあったら響に顔向け出来ない!!」

響『今まさに向かい合っているんだけどねー』

P「お前達どうしたんだ!」ガラッ

P(都合により映像をお届けできません)

P(げっ、現実逃避している場合じゃない!)

P「美希!部屋を片付けるのをてつd――――」

P「いねぇ!」

響『美希なら嫌な予感がするのーとか言って帰ったさー』

P「ぎゃぁ!うんこ踏んだぁ!」

P「さっきまで大人しくしてたのになんでー?」グスン

ハム蔵(全く、死んでもご主人のケツ拭くハメになるたぁな………世話の焼ける)

P「すっかり夜になっちゃったよぉ………この子達が心配だし泊まらせてもらおう」

ハム蔵(少し……やりすぎたか?)

P「おやすみー」

ハム蔵(ってご主人のパジャマで寝るなぁぁぁぁ!!!)

響『自分のパジャマで寝るなぁぁぁぁ!!!)

P「zzzzzzzzzzzzzzzzzz.........」スヤスヤ

響『全く………あぁもう、布団がめくれてるぞプロデュs………』スカッ

響『あぁ………そっか。そういえばもう、触ることは出来ないんだったぞー………』

響『プロデューサー……』モゾモゾ

響『横顔なんて今まで何度も見てきたけど、寝顔っていうのは初めてかな』クスリ

P「zzzzzzzzz……うーん……」ネガエリッ

響『うわわわわわわわ!ぷ、プロデューサーの顔がこっちに………っ!』ドキ

響『うわー、死んでも心拍数上がるのかー………』

P「うん……ひび、き………」

響『ぷろ……?』

P「響…………っっうっ、う…………」グズッ

P「しっか、り、しろ………よぉ……大丈夫、だから……俺が、付いてるぞ……」グズッグズッ

響『プロデューサー。あの事故の時の事思い出してるんだね』

響『もういいよ。忘れるのがいちばんさー』

響『よしよし………って頭を撫でてあげたいんだけどね………あはは』

P「…………ひびきぃ……」

響『きっと目が覚めたらプロデューサーは平気。なんくるないさー』

ハム蔵(おっとPの小僧値行儀が悪いな………世話の焼ける奴だぜ)グイッグイッグイッ......

ハム蔵(布団重た………ってか………泣いてんのか?)キョトン?

いぬ美(はいはいあんたはどいた)ズルッ

ハム蔵(おうサンキュー。俺一人じゃ布団は重くて適わないぜ)キュウゥ

いぬ美(ご主人の事思い出して………人間ってのは涙脆いものね)ペロペロ

P「ぅ……っ」ネチョォ

\チュンチュン/\チュンチュン/


P「うーん………夢見がクソ悪かったなー…………あれ?何の夢だっけか?」

P「まぁいいやそれより何か顔面ネチョネチョして臭いんだけど」

P「洗面台借りるぞー」ジャバジャバジャバジャバ

P「ふぅー、スッキリ☆」

P「お兄さんが来るまでは………ってもうすぐ来る時間じゃないかーーー!!」アタフタアタフタ

<ピンポーン

P「はーい、どっちらっさまー?」ガチャ

兄「すいません、我那覇響の兄ですが」

P「あぁはい。私、響のプロデュースを勤めていた者です」ペコリ

兄「あなたがそうなんですかぁ。しかし何だか……」ジロジロ

P「あの、何か?」

兄「いえ、失礼ながら私たちって何か似ているなぁ………って」

P「!えぇ、それは響に何度も聞かされた話ですよ。まるで鏡を見ているようだ」

兄「似ていると言っても私はPさんほどイケメンじゃないんですけどねぇ」アハハ

P「いえいえこちらこそお兄さんほど大人っぽくないですよ」アハハハ

\HAHAHA!/

兄「…………では、積もる話もあるんですが名残惜しくも私はこの辺で」ドッコイショ

P「えらく重そうですけど……私も手伝いますよ?」

兄「大丈夫ですって」ニッコリ

P「でも、沢山の荷物に響のペット達まで………それも飛行機旅でしょう?」

兄「なぁに、鍛えてますから」シュッ

P(か、かっけぇぇぇぇ)

兄「そうだ。ペットと言えば」ヒョイッ

P「ハム蔵?」

兄「この子はPさんが面倒見てくれませんか?」

P「えぇっ、でも―――」

兄「迷惑でしたら無理にお願いはしませんよ。けれど、Pさんには響を忘れないで欲しい………」

P「………」

兄「響のペットはあまり他人に懐かないのに、Pさんには懐いているそうで。こうする事で、響も喜んでくれるかなと」

兄「おっと、ずるい言い方してしまいました。でも、私の本心ですよ」

P「いえ。お兄さんの。そして響の思い。確かに受け取らせていただきます」

P「それに最近独り身として寂しく思ってきたところでしてね」

ハム蔵(別に構わないんだが、俺の意思は)




P「行っちゃったな。響の部屋もちゃんと片付いたことだし帰るか……」

P「ハム蔵、今日からお前が俺の家族になるんだぞー!」

@Pの部屋


P「ふぅ。一日ぶりの我が家だー」

P「ハム蔵のおうちはどうしよう、ってかいつも放し飼いだったから餌くらいしか貰ってないなー」

P「とりあえずAmazzonの空箱に新聞紙………っと」ワクワクサン

ハム蔵(ふぅーんここがPの部屋か。担当アイドルのポスターが沢山貼ってあるが………)

ハム蔵(やっぱご主人のは、剥がしてあるのか)

P「今日から家族が増えるね!」

ハム蔵(やったねPちゃん!)

@765プロ事務所


P「お、オハヨウゴザイマース………」ソロリソロリ

小鳥「あっ、おはようございますプロデューサーさん!!」

P「こっ、声が大きいですよ小鳥さん!」ガバッ

小鳥「!?」ムグムグ

春香「あれ、プロデューサーさん何してるんですか?」

P「!や、やぁ春香………ってわわっ!」

ピョコンッ

ハム蔵「?」

春香「は、ハム蔵ちゃん!?」

小鳥「」ムグムグ

P「は、ハム蔵出ちゃダメだってば!」

春香「プロデューサーさん……ハム蔵ちゃんが何故ここに?」

P「えぇーと……響のお兄さんがかくかくしかじかって事で俺が世話をする事になったんだが」

春香「かくかくしかじかって使う人初めて見ましたよ」

P「家にひとりぼっちにさせるのも不安だったし………つい」

小鳥「響ちゃんがしつけていたんだから大丈夫なんじゃないですか?」

P「わかってはいるんですけど……でももし泥棒に入られてハム蔵を誘拐されたら、って想像したら……」ガクガク

春香・小鳥「ないない」

社長「おはよう諸君……おおっ、ハム蔵君も久しぶりじゃないか!」

ハム蔵(おっす)キュキュ

社長「――ほう。そういう事なら、別に事務所に連れてきたって構わないよ」

P「ありがとうございます社長!」

社長「ハム蔵君はじめ、我那覇君のペット達が皆いい子なのは周知の事実だからね」

ハム蔵(ったりめぇよ)キュップイ

小鳥「社長はハム蔵ちゃん達に甘い気がしますね」

社長「はっはっ、動物というのは癒されるからねぇ……」

P「そうですよね。ハム蔵を引き取ってから一人暮らしにも潤いが出た気がしますよ」

春香・小鳥(………これはチャンスかも!?)

春香「プロデューサーさん!ハム蔵ちゃんを引き取ったのはいいですけどちゃんとお世話出来るんですか?」

小鳥「そうですよ。きっとプロデューサーさんのことだからお家もダンボール箱なんじゃないですか?」

P「いきなりどうしたんだよ二人とも………まぁその辺は勉強中ですけど」

春香「ならば今度私たちとハム蔵ちゃんに必要なもの買いに行きましょうよ!」

春香「ある程度の知識は響から聞いていましたから!」

P「そうか。助かるよ、お願いする」

春香・小鳥(よっしゃ!)グッ

ハム蔵(いいダシにされたなぁ。ま、久しぶりに賑やかになるのは嫌いじゃないな)

ハム蔵(あいつら……元気にしてるかな)

~日曜日~

春香「プロデューサーさん、ペットショップですよペットショップ!」

小鳥「何故か懐かしい匂いね………一週間かそこらぶりな匂い」クンカクンカ

P「へぇー色々なものがあるんですねぇ………」

小鳥「この子可愛いーコリブリ?っていうんですか」

P「うっわ、高いなぁこの餌。こんなのを買うんだー……」

春香「あぁ、でも響ちゃんは自作してましたよね」

小鳥「かわいーなー。私も独り身で寂しいからペット飼おうかなー」チラッチラッ

小鳥(P「はっはっはっ、それなら俺が小鳥さんを飼っちゃおうかな」……なーんて)チラッ

P「水槽タイプと金網タイプの家だとどっちが良いんだろう?」

春香「ハム蔵ちゃんにはこっちのおうちが良いんじゃないですか?」

P「ほう…どれどれ。ちょっと可愛い過ぎないか?」

春香「Pさんのお部屋とも雰囲気合わせた方がいいかな?でも私プロデューサーさんのお部屋見たことないしなぁ」チラッチラッ

春香(P「なら俺の部屋に来いよ、ハム蔵ともども可愛がってやるぜ」……なーんて)チラッ

P「ハム蔵はどういうのがいい?」

ハム蔵「チュゥ」コッチ

P「よしそれにしよう!」

春香・小鳥「ちくしょう」グスン

P「おがくずと………水飲み器……噛じり木……エトセトラ」

春香「たくさん買いましたねー」

P「すいません。俺の買い物なのに荷物持たせちゃって」

小鳥「いいんですよ。困ったことはお互い様ですし」

小鳥(プロデューサーさんのお部屋に上がり込む口実ゲットですからね)グッ

ハム蔵(………この匂いは!)ピョコン

ハム蔵(間違いねぇ!極上ひーまわりのたねー♪だぜ!)ダッ

P「わっ、こらハム蔵!」

春香「ハム蔵ちゃん!?」

P「ハム蔵!逃げちゃダメだろ!危ないから戻りなさい!」

ハム蔵(とっとこ走るぜー超走るぜー)ダダダダダダダ

P「ハム蔵!」

春香「プロデューサーさん危ない!!!」

P「えっ」

キキーーーーッ

ッドォォォォォン!


春香「い、いやあああああああああああああああああああああ!!!!」

小鳥「プロデューサーさん!?しっかりしてください!しっかりして!」













P『ここは…………?』キョロキョロ

P『誰もいない………っていうか何もない部屋だなおい』

P『確か俺、逃げ出したハム蔵を追って……あぁ気が付いたら車道に飛び出して………』

P『轢かれた。わけじゃないんだよなぁ』

P『春香か……小鳥さんかな?俺の背中を押したのは』

P『だから、車には掠っただけで気絶程度で済んでるはずなんだけど』

P『それよりも皆が心配だ。俺を庇ったんじゃ………!』

春香「プロデューサーさん……………うぅっ」グス

小鳥「お医者さんの話によると車には掠っただけだそうよ?」

春香「それでも何で目を覚まさないんですか……っ」

小鳥「脳震盪を起こしているみたい。検査の為に今日は入院する事になるそうよ」

春香「………大丈夫、なんですよね」

小鳥「大げさよ春香ちゃん。それよりも暗くなる前に帰りましょ?社長にお家まで送ってもらいましょう」

春香「大げさって……だって、響ちゃんの時が………」

小鳥「…………」

P「う、うーん」モゾモゾ

春香・小鳥「プロデューサーさん!」

P「おぉ、二人とも無事か」

春香「何言ってるんですか!さんざん心配させておいて!」ダキッ

小鳥「……私、お医者さん呼んできます。もしかしたらなかなか捕まらないかもしれませんけど」

春香「プロデューサーさん………良かった……!本当に……」

P「ごめんな、春香」ナデナデ

~夜~

P(入院かー。なにげに初めての体験で落ち着かないな)

P(ハム蔵はあの後小鳥さんが預かってくれたから心配はないとして………)

P(目の前に漂ってるコレはなんでっしゃろ?)

響『まったくー、プロデューサーとハム蔵はそそっかしいぞー』

響『結局心配で後を追ってたら事故るとか。自分がいなかったら危うくまた葬式だったぞー』

響『こんなんじゃ成仏なんて出来ないじゃないかー』

響『け、決してプロデューサーの事ずっと見ていたいとかじゃないんだからなー』

P(疲れてるのかな。幻覚?)

P(無意識に響の事を考えていたからこんな幻覚を………?)

響『しっかし間抜けだぞプロデューサー。自分が咄嗟に押さなかったら今頃ミンチだったよ』

P(…………幽霊、なのかなぁ?)

P(いやいや科学万歳のこの時代にそんなアホな)

響『ん?プロデューサーこっち見てる…………?もしかして見えてる?』

P(そんな都合良く響の幽霊が俺なんかの枕元にたつかっての)ゴロン

響『寝返り打った……なんだ気のせいか』

P(俺はいつまで彼女を忘れられないんだろうな……)

P(コレだってきっと俺の弱さが見せている幻。明日になれば見えないだろう)ウンウン

響『むー………?』

P(俺にとって都合のいい響像を生み出すなんて……俺ってクズだな)

響『本当に見えてないのかプロデューサー?』

P(見えない見えない)

響『本当に見えてない?』

P(あーあーみえないみえないー)

響『今自分全裸だぞー』

P「えっ!?」グルン

響『……………………』

P「………………………」

響『サイッテー』

P「は、謀ったな幻覚響め!」

響『幻覚って何さ!言っとくが自分は死んだ直後からずぅっとプロデューサーの後ろに這い寄ってたぞ!』

P「つまり………正真正銘の」

響『幽霊だぞ!がおー』

P「」

響『ん?どうしたプロデューs……気絶してる』

響『しょうがないなー本当。ほらほら布団がめくれてるぞー』バサッ

響『これでよし、と』

響『………えっ』

~翌朝~

P「よく寝たなぁ。んー」

P「怖い夢を見たような気もしたけどそんな事は無かったぜ!」

響『プロデューサーおはよー』

P「」

P「………なかったぜ!」

響『見えてないフリとかやめようよ傷つく』

P「………はい」

P「いやしかし、俺の見ている幻でない証拠はどこにもないだろ?」

響『いやー自分幽霊パワーが何かレベルアップしたみたいで』

響『プロデューサーが寝ている間にその辺の証明は済ませたぞー』

P「一体何を?」

響『ふっふーんこれさ!』

P「サイン色紙……?」

響『ちょっと慣れないから時はアレだけど正真正銘自分のサインさ!』

響『プロデューサーならこれが自分の字だってわかるでしょ?』

P「あ、あぁ。間違いないこれは響のサインだ。じゃあ」

響『うん!自分はちゃんとここにいるぞー』

P「」ブクブク

響『うぎゃー!今度は泡吹いたぞー!』

春香「おはよーございますプロデューサーさん。ってまだ寝てるのかー」

響『は、春香。これはどう見ても寝てるって状態じゃ……』

春香「のワの!」ピコーン

春香「」キョロキョロ

響『嫌な予感だぞー』

春香「しばらく目を覚まさないで下さいね……」チュー

響『お前……自分のプロデューサーの寝込みを襲うなよー』ドンッ

春香「きゃっ」スッテン

春香「あいたたた……またこけちゃったよぉ」

響『し、しまった。つい』

P「うぅーん……」ムクリ

春香「あ、おっ、おはよほございますプロデューサーはん!」

P「お、おう。おはよう」

P(何こいつ焦って………もしかして春香も見えてる……のか?)

春香(うぅ……噛んじゃったよぉ……///)

P「春香。お前も……なのか?」

春香「え、えぇっ!?」

春香(『お前も』って、『お前もキスをしたかったのか』っていう意味………!?)

春香(つまりこれはプロデューサーさんもキスをしたい気持ちで……相思相愛ですかっ!)ドキドキ

響『春香が良からぬ事考えてる顔してる』

P(春香が黙り込んでいる……恐らくこれは春香にとってもショックなのだろう)

P(相手が響という大事な元仲間だ。喜ぶべきか戸惑うべきか悩んでいるんだろうな)

春香「プロデューサーさん、実は……っ」

P「いや言わないでいいよ。こんな事聞くのはデリカシーがないな」

春香(愛に言葉は要らないって事ですね!)パァァ

P「春香、退院したら俺と一緒に(響の)墓参りに付き合ってくれないか?」

P(ひとりだと怖いもん)

春香「は、はいっ!喜んで///」

春香(それって(Pさんの)お墓参り……?つまり家族として……?結納………?)カァァァァ

響『何かよく解らないけど二人の思考はきっと平行線だろうね』

小鳥「おはようございますー」

響『うっわ、またややこしいのが来たぞー』

小鳥「あら、もうすっかり元気ですね」

P「え、えぇおかげさまで」

P(小鳥さんには見えていない……?)

小鳥「あ、ハム蔵ちゃんは元気ですよーほら!ほら!ほら!」

P「写メ何枚撮ってるんですか。まぁ安心しましたよ」

響『帰ったらハム蔵にもた~~~っぷりお説教だな!』

小鳥「あぁ、もう可愛い!食べちゃいたいくらい!」

響『冗談でもピヨ子が言うと何か恐ろしいぞ』ゾゾゾ...

P「ところで俺はいつ退院出来るんですか?」

小鳥「まぁ検査入院ですからね。今日明日には結果で問題ナシとされれbはすぐにでも」

P「はぁ~仕事の方が恐ろしいよ」

春香「大丈夫だと思いますよ、律子さんもフォローしてくれていますし」

P「律子のお小言で済むなら、まぁいいかー」

P(その後はしばらく小鳥さんと春香とたわいない雑談をして過ごした)

P(仕事に戻った二人を見送った後はひたすら静かになったように思う)

P(傍らの響は何故かあんま喋らないし……)

P「なぁ響」

響『ん?』

P「お前が俺の幻覚じゃなくて本当の幽霊、だとして」

響『うん』

P「それは、何か未練があるからなのか?」

響『……………』

P「してほしい事があるならどんと言ってくれよ。俺は、お前のプロデューサーなんだから」

響『自分が死んでても?』

P「当たり前だ。俺はお前が嫌っていってもずっとお前のプロデューサーでいるつもりなんだからな」

響(何かカッコイイ事言ってるけれどHENT@I行為した事は忘れてないからなー)クス

P「とは言っても響のして欲しい事なんて大体やったと思うぞ」

P「動物たちを沖縄の家族に任せたし、あぁ、ハム蔵は勿論俺が責任もって面倒みる」

P「仕事に関しても今度のライブもまぁ色々大変だろうけど調整は効くはずだし」

P「響の心残りっていうと何だ?」キョトン

響『んーーーーーそれはだね………』

P「おう、どんとこい」

響『プロデューサーに言いたかった事が言えてない、かな』

P「俺にか?何か言い出せなかった不満とかあったのか?」

響『うん。それはね』

響『プロデューサーの事が、ずっと好きでした』

P「響………えっ?」

響『死んだ身となれば誰に気を遣う必要もないから、堂々と言えるさー』

響『好きだったよ!ずっと!あーあ、何で生前言えなかったかなー』

P「響…………実は、おr」

響『言わないでよ。余計に死んだことが今更悲しくなっちゃう』

P「ごめんな」

響『謝る必要もないさ。辛いことが無い訳じゃないけれど、これはこれで開放感が気持ちいいんだ』

P「………………」

@765プロ事務所

P「しかし消えないなお前」ヒソヒソ

響『いやー自分だって成仏のシステムなんて詳しくないし』

響『別にいいじゃんか。ずっと大好きなプロデューサーの背後霊でいるのも悪くないぞ』

P「ったく………調子の良い奴め」ヒソヒソ

春香「あれ?プロデューサーさん顔赤いですよ?風邪?」

P「気のせいだ」

春香「ダメですよ、そんな風に放置しちゃ。引きはじめって事もあるかもしれないのに」

春香「おでこ失礼しますねー」ピトッ

P「お、おう………」ピトッ

春香「んー、あんまり熱くないですね」

P「だ、だから言ったろう」

春香(ふふ、プロデューサーさんたら顔がもっと赤くなっちゃって。かわいー)

響(ふふん、春香ったら勝ち誇っちゃって)

P(響……感触はないけどそんな風に腕に抱きつくなって……胸の弾力感まで視覚的に再現しやがって)カァァ

小鳥「すっかり元気ですねプロデューサーさん」

P「入院も大げさ過ぎたんじゃないですかね」

小鳥「じゃあここれで退院祝いという事で今夜……」

P「おっ、いいでs」

響『………………』ジー

P「スイマセンキュウヨウヲオモイダシマシタ」

小鳥「えっ、でも今おkって」

P(ハム蔵の世話をしろってか………確かに今朝は急いでたし、朝帰りになると水も古くなっちゃうか………)

響『わかればよろしい』

P「じゃあ、俺ん家とかで飲むっていうのはどうだよ?」ヒソヒソ

響『そっ、そんなの余計だめだぞー』

小鳥「えっ、『俺の家で飲まないか』ですって!?」ガタッ

P・響((なんつー地獄耳))

小鳥「でも少し性急過ぎじゃないかしら………?いえいえ、ここで距離をぐぐぐっと縮めるチャンスかも」

小鳥「そうよ、口実にハム蔵ちゃんもいる事だし!」

P・響((思いっきり口に出てるのはスルーすべきなのかなー))

社長「こらこら。病み上がりの彼を困らせるんじゃないよ音無くん」

小鳥「社長、いらしたんですか」

社長「そんなに飲みたいなら私を誘ってくれたまえよ、釣れないなぁ」

小鳥「ピヨッ!?」

響『さすが社長いいこと言うさー!』

社長「ついでに三浦くんも呼ぼう」ピポパ

P「そ、それではお疲れ様でしたー」

社長「気を付けて帰りたまえよー」

小鳥「ま、待って~~~~」

\バタン/

P「い、いいのかな。放っておいて」

響『いーのいーの。っていうかピヨ子の目はエモノを狙う野獣のそれだったぞ』

P「なんだよそれ」

\イラッシャッセー/

P「じゃあさ、響。大人の付き合いを断らせた代わりに」

響『?』

P「一杯付き合えよ?」

\アザッシター/

@自宅


P「かんぱーい」チン

響『かんぱーい』チンッ

響『っていうかちょっと物に触れるようになっても飲むのはなー』

P「気分だよ、気分」ゴクゴク

P「酒っていうのは飲んでいるという気分を最初に味わえば良いんだよ……多分」

響『ふーん。でも何か大人になった気分だぞ』

響『幽霊に未成年もへったくれもなーい!』

ハム蔵(P………とうとう壊れたか)

響『っていうかぶっちゃけ、ぷろりゅーさーはにぶいと思うぞー』ヒック

P「お前どうやって酔ってるんだよ………」

響『春香も千早もピヨ子だってみんら、ぷろりゅーさーの事狙ってるんだぞー異性としてー』

P「いやいやそんな事ねーから」

響『あのカマのD正直キモいと思ってたからなー』

P「お前お世話になった人になんてこと………否定しきれないけど」

響『美希に至っては自分の部屋でナニしようと―――』

P「ひぃっ、マジお前幽霊だったんだな………」ゾクッ

響『貴音に至っては線香の一本もくれなかったんだぞうわーーーーーーーーーん』

P「絡み酒に泣き上戸かよ………色々開放されすぎだろ………本当に幽霊かよ」

ハム蔵(幽霊………?なにいってんだこいつ)

P(おっかしーなー念のためアルコール0のくっそまずい缶ビールなんだけどなー)

響『冗談はさておいて』

P「芝居だったのかよ!」

ハム蔵(えっなにこれ)

響『実は、ピヨ子が言ってた「退院祝い」で思い出した事があるんだよ』

P「思い出した、こと?」

響『プロデューサー、カレンダー見て』

P「は?シャイニーフェスタ発売日の10月25日くらいしか最近何か……」クルリ

P「あっ」

響『プロデューサー、もうすぐ誕生日だね』

P「そうだった、な。けど、それが………?」

響『やっぱにぶい』クスクス

P「むむっ」

響『完璧な自分は誕生日プレゼントももちろん用意してあるさ―』

P「えっ、でもそんなのどこに?」

響『そこなんだよね。プロデューサー、自分の部屋を片付ける時に一緒に処分しちゃったんじゃないか?』

P「あぁー」

響『ま、自分は特別成仏したいわけでもないしー』

P「そうだな、ずっと一緒にいてくれよ」

響『うんうん………それに今では自分がプレゼントだしね!』

P「マジでそれは嬉しいお言葉」

P(いやーでもエロい事できねーのはちょっとなー)

響『だけどあんまHENT@Iな事考えるのやめてよ』

P「チッ」

P(そんなこと考えてないよ)

響『モノローグとセリフ逆だから』

P(そんなこんなで響の言ってた俺の誕生日当日となった)

P(あれからハム蔵と戯れたり、響と愛しあったり?してカレンダーはハナマルマークまでどんどん×印が近づいていった)

P「まさかサプライズパーチーとはたまげたなぁ」

春香「えへへ、常日頃お世話になってるささやかな恩返しです」

あずさ「どうぞプロデューサーさん」トクトク

P「あずささんのお酌だといつもより美味しいねぇ」

あずさ「あらお世辞が上手ですねぇ」

美希「じゃーん!ミキからハニーにプレゼントなの!」

P「空けてもいいか?」

美希「もっちろん!」

P「おっ、ネクタイとピンか。意外と渋いな」

亜美・真美「兄ちゃん、兄ちゃん、コレ私たちからのプレゼントだYO←」

P「お、おう………でかいな」

亜美・真美「早速空けてみなってばYO!」

P「ぜってぇびっくり箱だろこれ」

亜美「えぇ~~←」

真美「ひっどーい折角二人で一生懸命選んだプレゼントなのに←」

P「はいはい、前フリお疲れさん。覚悟は出来てる」カパッ

P「……………?」

亜美「いや、ナニ床に伏せてるの」

真美「さすがに事務所内で爆発☆とか空気読んでボツにしたってば」

P「いや、考えてたのかよ…………コロンとはまた大人びすぎだな」

ハム蔵(何か知らないが俺も色々もらえてラッキーだぜー)ムシャムシャパクパク

響『………………………』

P「さて、今日はありがとうな皆。気を付けて帰ってくれ」

小鳥「後片付けは私と社長でしますからどうぞプロデューサーも」

社長「!?」

P「いいんですか?じゃあお言葉に甘えて」

社長「ちょ、待ってくれ!双海君らが荒らしたこの惨状を二人っきr」

\バタン/

P「さて、帰るか。ハム蔵、響」

貴音「貴方様」ヌッ

P「あれ、貴音?皆と帰ったんじゃ」

貴音「えぇ、でも貴方様にはぷれぜんとを渡すのをついうっかりわすれてしまいまして」

P「え?何言ってんだ?貴音から高そうな万年筆は貰ったはず――」

貴音「私からではございません。今は亡き、かけがえのない友からのぷれぜんとですよ」

P「え…………っ?」

響『貴音………もしかして』

貴音「そう、響からのぷれぜんとですよ貴方様」スッ

P「これが………響からの?」

貴音「誰よりも早く用意しておいて、誰より早くバレるのも、結局渡せずじまいになるのも」

貴音「どちらも浮かばれませんから」

P「もしかしてあの時響の部屋に来たのはコレを回収するため?」

響『貴音………』

貴音「今日はいっそう月が出ていますね。こんな夜には何か不思議な事があっても……ふふ」

貴音?「たかねっ!」

貴音?「えっ、何なんだコレ?」

P「貴音?どうした?」

貴音?「ぷろでゅー、さー………自分、どうなったんだー?」

P「えっ、もしかして………」

貴音「左用でございますよ。今響は私の中にいます」

貴音(響)「おぉーさっすが貴音だぞー」

P「たk………いや、響」

貴音(響)「えっ、う、うん」

P「ひびきっ!」ギュッ

貴音(響)「!……プロデューサー、……暖かいね」

P「どれだけ、こうしたかったか………」

貴音(響)「自分もだぞ。男の人の腕って、大きくて硬いんだね」

P「響、愛してる」

貴音(響)「知ってる。けど、直接耳元で囁かれて、それがくすぐったくて」

貴音(響)「生きてる内に経験したかった事だね」

P「ごめんな」

貴音(響)「そこで謝らないでって何度」

P「わざとかも」

貴音(響)「もー、怒らせるなー!」チュッ

P「お、おい」

貴音「あらまぁ何と役得」

P「い、言っておくが今のは響が………」

貴音(響)「身体を借りてる以上恩は感じるけど………何かフクザツだぞー」

P(フクザツなのは貴音の顔で響の口調を聞く俺だよ)

P「で、このプレゼント空けていいかな?」

貴音(響)「もらってすぐ空けてばっかだなー。………ダメだぞー」

P「えー何で?」

貴音(響)「だって、その……皆、のと違って、……恥ずかしいかも、だし……」モジモジ

P「いやいや、いずれは家に帰ったら空けちゃうし」

貴音(響)「そ、れでも…ハァ……今、は……ハァ…ダメ。だぞ」

P「?なんか様子がおかしくないか?」

貴音「貴方様」

P「いきなり貴音のほうか。どうしたんだ?」

貴音「その………響は、満足してしまっているようなのです」




P「…………………は?」

貴音「響は、もはやこの世ならざる者です。いずれ召される時が来るのは必然でしょう」

P「いや、だって、いままで……ずっといたんだぞ。消えちゃうような素振りなんかなかったじゃないか」

貴音「それは響の決める事です」

貴音(響)「うん、そうだな貴音。自分は、……これまでにないほど満足……いいや」

貴音(響)「幸せなんだ」

貴音(響)「不思議だけど……、もっと生きていたかったと思って、……いた、のに」

貴音(響)「今なら、貴音を通じて生きていられる……生き続ける事、が、出来るけど……」

貴音(響)「意外と、自分はゲンキンなんだ」

貴音(響)「もう、プロデューサーに抱きしめられたときに、………世界一幸せになっちゃった」

貴音(響)「だから、もう充分、生きる事に満足しちゃったんだ……」

貴音(響)「それにこれ以上、プロデューサーを、縛っちゃいけないって……分かってたのに」

貴音(響)「プロデューサーが、………また自分に話しかけてくれた時、に……高望みしちゃったんだ」

貴音(響)「きっとこれは、神様がくれたささやかな時間だったんだぞ………」

貴音(響)「『だから、本当に今度こそ、……さよならしなくっちゃな……』」

貴音(響)「『ほんの少し短い間だけどいい夢だったから………この夢を糧に、少しぐらい待てるよ』」

響『だから、プロデューサー………泣かないで』






貴音「もう、響は逝きました」

P「そうか」

貴音「貴方様、風邪をひかぬよう、早めに帰って下さいね」

P「わかってる」

貴音「では私はこれで失礼します」

P「うん、おやすみ」








P「帰るか」

@自宅

P「あ、………プレゼント、か……」



P「恥ずかしいほどのプレゼント、ね」



P「どんなもんだって俺は笑わないし、大切にするよ。それがお前からの物なら特に」



P「何だろう………CD?」



P「再生、するか」

響「はいさーい!プロデューサー!」

P「響………!?」

響「お誕生日おめでとー!えへへ、サプライズメッセージCDだよー」

響「わわっ、こら、いぬ美!入ってきちゃダメだぞー!」

響「えー、気を取り直して」コホン

響「改めましてプロデューサー、お誕生日おめでとうございます」

響「日頃お世話になっているプロデューサーに、感謝の言葉を送りたくてこんな形になっちゃったぞー」

響「だって、面と向かって言うの……照れるし……」

響「自分は、いつもレッスンが終わった後『がんばったな』って褒めて、撫でてくれるプロデューサーが大好き」

響「自分が落ち込んでる時はずっとそばに居てくれたプロデューサーが大好き」

響「そんな色んな所のプロデューサーが大好き!!」

響「本当はこんな気持ち、アイドルとしては心の奥にしまっておかないとダメだと思う」

響「だから、このCDを聞いた後は、プロデューサーの所存に任せるぞ」

響「事務所で顔を合わせた時恥ずかしくなるから、今日が終われば忘れてほしいぞ」



響「折角のCDだから、ここで一曲歌っちゃうぞー」

響「ハッピーバースデー系の曲は多分春香のプランに入っちゃってるからそれはナシだけどねっ」

響「じゃあ、敬愛するプロデューサーに。歌います」












@事務所

P「ふぁぁ~~~」

春香「大きなあくびですね」

小鳥「ここ最近忙殺気味でしたからねぇ」ウフフ

ハム蔵(まったく、やれやれだぜ)

\♪~~♪~~/ピッ

P「はいもしもし。あ、○○さん……えぇその件は……はい……はい……よろしくお願いします」ピッ

春香「今の着信音……?」

小鳥「懐かしい歌声でしたけど……聞いたことのない歌……」

P「ん?今のやつですか?聞いたことなくて当然ですよ」

P「世界でたったひとつ、俺だけのための歌ですから」




                                                                         完

アイマスSS投下は初めてでした
読んでくれたりAAもありがとう


尺の適度が解んなかったから長すぎたかも
貼るだけでもめっちゃ疲れたわ

ようやくお風呂行けるよ響ぃ

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