亜美「惚れ薬...?」 (115)
このSSは
春香「惚れ薬」
の続きです。読んでなくても大丈夫です。
前回の4人とは違い遠回りをしてしまう4人のお話です。
亜美「真美隊員!これを何だと思うね?」
真美「はっ!ただの水のように見えますが...?」
亜美「なんと!これは惚れ薬らしいですぞ!」
真美「えっ?ほんとに?」
亜美「ピヨちゃんと名乗る人物が言ってたよ。まちがいない!」
真美「ピヨちゃんならまちがいない」
真美「誰に使うの?」
亜美「ん?兄ちゃんだよ!」
真美「えっ、兄ちゃん?」
亜美「他に誰がいるのさー!」
真美「...」
亜美「真美?どったの?」
真美「亜美、兄ちゃんに惚れ薬使うの?」
亜美「そうだよー?おもしろそうじゃん!」
亜美と真美では、兄ちゃんに向ける気持ちが違う。
真美「亜美、兄ちゃん好きなの?」
亜美「あったりまえじゃーん!大好きだよ!」
大好きの意味も、真美とは違う。
でももし、惚れ薬なんて使って、真美と同じ気持ちになったら...
亜美「真美?」
真美「そうだね。真美も兄ちゃんのこと、好きだよ」
亜美と兄ちゃんを取り合うことになる。
...かも。
亜美「それにしても、惚れ薬だなんて。にひひ、案外亜美たちがピヨちゃんにハメられてるのかもよ?」
真美「あ...確かに」
そうだ。真美は惚れ薬が本物かどうかわからないし、そんなものがあるなんて信じていない。
真美「じゃあ...飲ませてみようか?」
亜美「おっ!真美も乗り気だね!?よっしゃー!」
ちょっと焦っちゃった。惚れ薬が本物で、亜美に兄ちゃんを取られるんじゃないかって。
...
亜美「うむうむ、亜美たちのココアとなれば飲まざるをえない!」
真美「この薬、全部入れるの?」
亜美「うーん、中身は少ないみたいだから全部入れちゃおう!」
そうだ。飲ませた時に兄ちゃんの近くにいればいいんだ。惚れ薬は飲むと、近くにいる人に惚れちゃうみたいだから。
真美「よし!入れちゃえ入れちゃえ!」
亜美「混ぜろー!」
亜美とイタズラを考える時は、すごく楽しい。
楽しいんだけども、今は本気で楽しめていない。もし、これが原因で、兄ちゃんを取り合うことになったら嫌だなぁ...
...
亜美「兄ちゃん!亜美たち特製ココアだよ!」
P「んー?またタバスコとか入ってないか?」
兄ちゃん。真美たちのプロデューサー。
イタズラしても、笑顔で許してくれる。
亜美「酷いよ兄ちゃん!亜美だってイタズラ以外の部分もあるよ!」
最初は、頼りない人だなあって思ってた。
でも、だんだんとその魅力が分かってきて...
P「本当か?真美が一言も喋らないのが気になるなぁ」
真美「ええっ?い、いや大丈夫だよ!ちゃんとしたココアだから!」
二人きだと目を合わせるのも恥ずかしいし、
さみしい夜とかは、兄ちゃんの顔を思い出すだけでぐっすり眠れる。
これが恋だよね?
亜美「さぁさぁ兄ちゃん!飲んで飲んで!」
P「ま、まぁ...いただきます」
ゴクゴク
亜美真美「...」
飲んだ。
P「うん、なかなか美味いな」
真美「...」
亜美「でしょ?これ、今流行りのカッカのココアなんだよ!」
P「なんだとぅ!あの2日ならんでも手に入らない伝説のココア...だと...!?」
真美「ふふん、そうとは知らずにゴクゴクと...いい飲みっぷりですなぁ!」
P「の、残りはじっくり飲もう...」
_,. : : : ̄ ̄ ̄: : :- 、__ /: : : ヽ
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P「お前たちの分はあるのか?」
亜美「亜美たちの分はないよ」
P「ええっ!いいのか、俺が飲んじゃって」
真美「いいんだよー。いつものお返しだよねっ!」
亜美「うん...」
P「...やっぱり亜美、飲みたそうだな」
亜美「えっ?うっ、うん、だって...でも...」
P「わかった。次は俺が買ってこよう」
真美「えっ!いいの?やったー!よかったね亜美!」
亜美「うん...」
ノヘ,_
,へ_ _, ,-==し/:. 入
ノ"ミメ/".::::::::::::::::. ゙ヮ-‐ミ
// ̄ソ .::::::::::: lヾlヽ::ヽ:::::zU
|.:./:7(.:::::|:::|ヽ」lLH:_::::i::::: ゙l いぇい!
ノ:::|:::l{::.|」ム‐ ゛ ,,-、|::|:|:::: ノ 道端に生えてる草は食べられる草です!
,ゝ:冫 |:ハ、 <´ノ /ソ:::丿
ヽ(_ lt|゙'ゝ┬ イ (τ" ホント 貧乏は地獄です! うっう~~はいたーっち!!!
r⌒ヘ__>ト、
|: ヾ ゞ\ノヽ: __ . ri ri
彳 ゝMarl| r‐ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
ゞ \ | [,|゙゙''―ll_l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
/\ ゞ| | _|_ _High To
亜美、何か言いたそう。
いや、亜美の言いたいことはわかる。双子だもん。
先に言ってしまえば、亜美よりリードできるかな。
亜美「亜美、今飲みたい」
先に言われてしまった。
P「えっ...俺のだけど、いいのか」
真美も飲みたい。
亜美「うん...いいよ、兄ちゃんだから」
兄ちゃんだから。
声がいつもの亜美とは思えない。
恋する乙女の声。
ノヘ,_
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P「あ、ああ」
兄ちゃんはコップを回して亜美に渡した。
自分の口をつけたところを使わせない為だ。
亜美「...んっ」
でも、亜美はあえてもう一度回して、兄ちゃんの口をつけたところで飲んだ。
真美「亜美!」
亜美「うん...おいしい!」
亜美「どったの真美?真美も飲む?」
真美「飲む!」
P「ははは。結局お前たちも飲みたいんじゃないか」
真美「うん。ありがと、兄ちゃん」
P「いやいや、お礼を言うのは俺の方さ。おいしかったよ。ありがとう」
亜美「兄ちゃん、またおいしいもの持ってきたら食べてくれる?」
P「おお。待ってるぞ」
亜美は、兄ちゃんの食べかけを食べたいんだ。あーんしてほしいんだ。
亜美の好きって気持ちは、そんなかんじ。
考えてることは、だいたいわかるよ。亜美。
...
バタン
亜美「...」
真美「亜美」
_,. : : : ̄ ̄ ̄: : :- 、__ /: : : ヽ
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亜美「にっひひ、亜美が逆にドキドキしちゃったよ」
真美「...亜美、亜美は兄ちゃん好き?」
亜美「ん?うん...そうだよ」
真美「兄ちゃんは、真美たちの兄ちゃんだからね」
兄ちゃんは真美の人でいてほしい。
亜美には、あげたくないな...
と、ふと思ってしまう。
亜美「...どったの真美?真美もドキドキしてるの?」
真美「そうだよ。亜美よりもドキドキしてる」
真美「真美、兄ちゃん好きだから」
亜美「うんっ!亜美も兄ちゃん、好きだよ!」
やっぱり、好きって言葉が亜美と真美では違う。LikeとLoveの違い。
気がついてほしくないけど、いつか気がつく。
渡さない。兄ちゃんは、渡したくない。
ひとりじめしたい。
真美「じゃあ、真美、レッスンあるから」
亜美「あっ、うん!」
バタン
亜美「真美、ちょっと怖かったな...どうしたんだろう」
次の日
P「えっ?俺が竜宮小町を?」
高木「ああ...律子くんがインフルエンザで倒れてね。竜宮以外の子には申し訳無いのだが、一時的に活動を抑えてもらう」
P「そうですか...」
高木「さすがに、君に全員を任せることはできないだろう。大変だからね。残りのアイドル達には体がなまらないようレッスンをつけておく」
P「はい。わかりました」
高木「なに、心配することはない。簡単な仕事なら私と音無くんでやるさ!君は、竜宮小町に専念してくれたまえ」
...
P「と、いうわけで...これから一週間は、俺は竜宮小町をメインにプロデュースしていく」
ザワザワ
真美「...」
支援
亜美「んっふー!りっちゃんに変わって兄ちゃんが来てくれた!」
伊織「あんた、ちゃんとできるの?」
あずさ「あらあら~あらあらあ?らあらあら~」
P「ああ。律子からマニュアルはもらってあるから大丈夫だ!」
亜美「兄ちゃんと仕事するの久しぶりだね!」
P「そうだなぁ。竜宮は律子に任せっぱなしだったから...亜美の言うとおり、お前たちと仕事をするのは久しぶりかもな」
亜美「やったー!一週間、兄ちゃんにべったりできる!」
P「ははは、任せろ!」
真美「...」
支援
おもしろくない。
なぜこのタイミングなの?
あの薬、亜美にだけ効いたの?
真美「...」
惚れ薬なんて信じてない。けど...
亜美「じゃあ兄ちゃん!午後は仕事あるから行こう行こう!」
P「おう!亜美は元気だな」
バタン
昨日の今日で、亜美が望んだような展開。
関係を考えずにはいられない。
真美「はぁ...」
雪歩「どうしたの、真美ちゃん?元気なさそうだよ」
真「まぁ、一時的ではあるけどプロデューサーに会う機会が減ったわけだからね」
高木「ま、まぁまぁ!まだ音無くんと私がいるじゃないか!」
響「うーいハムぞー、ういういうい」
美希「まぁプロデューサーいなくてもミキ大丈夫だし」
高木「心折れそう」
真美「兄ちゃん...」
イタズラができる時間が減るとか、会える時間が減るとか、いろいろあるけど。
兄ちゃんが亜美と一緒にいることが辛い。
...
真美「ねぇ兄ちゃん、今時間ある?遊ぼうよ」
P「ああ真美か。ごめんな。今はちょっと待ってくれ」
P「竜宮小町がこんなに忙しかったとは...律子のやつ、スーパーウーマンだな...」
P「ごめんな、真美。今は遊べないんだ」
_,...、
,. . . :―‐-. .、 /:_: : : : ヽ
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亜美「兄ちゃん!そろそろ出発だよ!」
P「ぅええ!もうそんな時間か!わかった、今すぐ行く!」
P「ほら、行くぞ!」
ギュッ
真美「!」
ドタドタバタン
手、繋いでた。
亜美から繋ぎに行ってた。
亜美、やっぱり兄ちゃん好きなんじゃん?
ねぇ、真美はどうしたらいいの?
真美の見えないところで何かが進んでしまいそうで怖い。
亜美とも仲良くしたいけど、兄ちゃんは真美の方を向いていてほしい。
でも、それはきっと無理...
支援
...
亜美「ねぇ兄ちゃん~Mステの仕事とってきてよ~」
P「うーん、まだ難しいかな...」
真美「亜美、ちょっといい?」
亜美「あ...うん、なに?」
真美「こっちに来て」
バタン
亜美「どったの?」
真美「...」
亜美「ねぇ真美、最近真美おかしいよ?」
真美「うん...」
最終支援
真美「真美ね、兄ちゃんと会える時間が少なくてさみしいんだ」
亜美「そうなのか」
亜美「なんかこう、胸がキュンとするかんじだよね!」
真美「え?」
それは。
亜美「亜美ね、最近兄ちゃんといるとすごくドキドキするんだ。苦しいっていうか、ずっと一緒にいたくなる...」
それは、恋...
真美「駄目!!!」
亜美「っ!?」ビク
真美「...」
亜美「ま、真美...?」
亜美「ね、ねぇどうしたの...?」
真美「亜美は、兄ちゃん好き?」
亜美「もー、最近その質問ばっかりだね!」
真美「どうなの?」
亜美「うん...兄ちゃん、だよね。一緒にいるとすごく嬉しいよ」
真美「好きなの?」
亜美「う、うん...///」
以前と違う反応。兄ちゃんが好きになったんだ、亜美は。
もう、きっと戻れない。
真美「真美も、兄ちゃん好きだよ。今の亜美と同じ気持ち」
亜美「そうなんだ」
真美「そう。だから...」
だから、亜美とは恋敵に...
亜美「だったら...」
亜美「いっしょだね!」
真美「え...?」
亜美「なぁんだ。亜美のほうが一歩遅れてたってわけですな!でもこれで真美といっしょ、仲間だね!」
どうしてそんなこと言えるの?
真美は、亜美を押しのけて兄ちゃんを連れて行くつもりだったのに。
亜美「亜美ね、なんとなく、真美の言いたいことわかるよ」
真美「...」
亜美「兄ちゃんが好きで、好きでたまらなかったんだよね?」
亜美「ライクじゃなくてラブで!」
真美「でも...亜美も兄ちゃんが好きになったら...」
亜美「いっしょに好きになろうよ!」
真美は亜美を恋の敵として見ていたのに、亜美は仲間として見てくれた。
何をするにも一緒だったことを思い出した。
亜美は、躊躇せず一緒に行くことを選んだ。
途端、押しのけようとした自分の愚かさに気がつき、
真美「...ふ、ふええええ」
情けなさで泣いてしまった。
亜美「な、何で泣くの!?」わたわた
...
亜美「そっか。兄ちゃんが亜美に取られちゃうんじゃないかって心配してたんだ」
真美「...うん」
亜美「なんとなく、わかってたよ」
真美「だろうね」
亜美「でも、ここまで必死になっちゃうのはわかんなかった。真美のライクはラブだったんだね」
真美「亜美も、ラブになったね」
亜美「うん。そう思う」
真美「真美ね、亜美と戦う事になるかもって思ってたんだ」
亜美「恋は戦争ってやつですな」
真美「兄ちゃんの取り合いで、亜美と仲が悪くなるんじゃないかって思って、怖くて」
亜美「でも兄ちゃんといるときは二人じゃないとつまんないから」
真美「うん。わかってるよ」
亜美「そうだよ。亜美と真美は二人で一人だから大丈夫!」
真美「亜美...うんっ!」
亜美「二人でラブラブ...変わったね、亜美たち」
亜美と真美の気持ちは同じになった。同じ人を想う、同じ気持ちに。
きっと、真美が兄ちゃんをひとりじめしたい気持ちなのも、亜美はわかっていただろう。
亜美「でもっ!」
でも、気持ちが変わっても。
真美「やることは!」
亜美「いっしょだよね」
いつまでも一緒でいたい。
二人で。
亜美「イタズラする?」
真美「もちろんっ!」
亜美真美「兄ちゃーん!」
亜美と真美の場合、おわり
美希「惚れ薬?」
美希「ふーん。メロメロにさせちゃう薬なの?」
美希「でも、ミキにはいらないかなって思うな」
美希「だって、ミキは自分の力でハニーのハートを奪いたいの!」
美希「薬なんて使ったら失礼かなーって」
美希「でも一応、もらっとくの」
美希「ハニー!おはようなの!」
P「おはようございます!な!」
美希「ハニー!おはようございます!」
P「よし。おはよう美希」
美希「今日は午前中、ハニーと二人きりだよ!」
P「ん?ああ、そうだな。美希の仕事は午後だけか」
美希「お部屋でハニーと二人きり...いやんなの」
P「バカ言ってんじゃない。俺は仕事があるから、おとなしくしてるんだぞ?」
美希「はーい!じゃあ雑誌でも読んでるの」
...
美希「はぁ、雑誌読み終わったの」
P「...」カタカタカリカリ
美希「ひまなのハニー」
P「んぇー、俺は暇じゃないぞ」
美希「...」
何か暇つぶしになるものはないかと鞄を探ると、あの薬があった。
美希(惚れ薬...)
使ってみようか?
美希「使っちゃダメなの」
惚れ薬を鞄の奥にしまう。
美希(ハニーは、自分の力で振り向かせるの)
惚れ薬なんて、一度は聞いたことがある。
真君と雪歩が話してた。
でもそんなものを使って、好きにさせても意味がないと思う。
美希「本当に好きなら、本当の気持ちで挑むの!」
P「おうおう、せいが出るな」
美希「ハニー!」
P「歌とダンスが好きな美希に朗報だ。次のステージが決まったぞ」
美希「!」
P「次の出演はSMステーション。トップバッターだぞ」
美希「SMステーション!!」
P「そう。大御所も出るあの番組だ。一気に知名度上がるぞ?」
美希「やったの!ミキがんばるの!」
P「今回はソロではなくユニットだ。雪歩と真美と出てもらう」
美希「変な組み合わせなの」
P「雪歩も真美も、知名度を上げたいからな。だがメインはお前だ。二人は半バックダンサーとなってもらう」
P「これで成功すれば雪歩と真美は二人でユニット、お前はしばらくソロで...って、まず目先のことをやらないとな。明日から猛特訓だぞ!」
美希「はいなの!」
歌とダンス、どちらも自信はある。
雪歩と真美には悪いけど、ハニーには完璧なミキを見てもらって褒めてもらうの!
次の日
ダダン!
美希「はぁ...はぁ...」
P「すごいじゃないか美希!まさか昨日の今日で覚えてしまうなんて...!」
コーチ「動きも、もう少し直すだけで完璧ですね。凄まじいです」
美希「えへへ!見ててねハニー!ミキもっともっと上手くなるから!」
真美「うゆー、まだ1/5も覚えてないよー...」
雪歩「ほぇえ...美希ちゃんかっこいい...」
コーチ「まぁ、美希ちゃんが異常なだけであなた達もしっかり覚えてるわよ?」
P(確かに、美希につられるように雪歩も真美も覚えがいい。伸ばすなら美希と組ませるか...)
美希「こう?」
コーチ「そう。そこ腰をもっと...」
真美「ねぇ兄ちゃん!覚えるだけなら兄ちゃんが見ててよ!」
雪歩「プロデューサー、お暇ですか?」
P「ん、ああいいぞ。細かい指摘はできないけどな」
美希(ハニー、驚いてたの!ずっとミキを見ててくれた...)
コーチ「何が貴方をここまでさせるの...まるで燃え上がるような...」
...
真美「どぅええー!やっと半分覚えた!」
雪歩「あ、脚が...腰が...」
P「おいおい大丈夫か?しかし、お前らも3時間でここまで覚えるとは...凄まじいな...」
P(美希相乗効果とでも名付けるか...)
美希「ハニー!見て欲しいの!」
P「お、よーし見てやろう」
...
ダダン!!
P「よし。美希、当日まで休みだ」
コーチ「もう私が教えることは何もないわ...次の師はあなたよ...」
美希「褒めて!」
P「えらいえらい」ナデナデ
美希「あふぅ」
雪歩「美希ちゃんいいなぁ...」
真美「真美たちも覚えて兄ちゃんにナデナデしてもらおう!」
コーチ(相乗効果以上の効果...!それは恋...!)
P「よし美希、ちょっと休んでろ。体を痛めたら元も子もない」
美希「じゃあ雪歩と真美のを見てるの!」
美希(P「雪歩と真美は完璧じゃないな、やっぱり美希はサイコーだ!」ミキ「ハニー!」的なストーリーなの!完璧なの!)
P「よし、じゃあお前ら...前半の復習だ...」ピシッ
真美「に、兄ちゃんに、なにそのムチは...」
P「前のパーティーで使ったモノだが...たまにはスパルタ教育もしないとな!」ピシャッ!
雪歩「ひょええ(でもちょっとかっこいいかも)」ガタガタ
P「まぁこんなもの使わないけどな」
ミキにだったら夜のレッスンに...いや、ミキがハニーに使うのもいいかな...
これでミキの凄さを再確認させる、というシナリオだったのだが、当然現実はそううまくいかない。
P「ん、ストップ。雪歩、少し右手下がってるぞ」
雪歩「こ、こうですか?」
P「違うな」スタスタ
P「もう少し、こう」グイッ
雪歩「あっ、はっ、はいぃ///」
美希「!...」
真美「ねぇ兄ちゃん、腰の動きこれであってる~?」フリフリ
P「うっ...そ、そういうのはコーチに聞けよ...」
真美「んっふふー、兄ちゃん目そらした!ゆきぴょんも気をつけた方がいいよ~?」
雪歩「えっ!?えっ、はう...///」
なーんか、気に食わないの。
ミキはもうすることと言えば動きの確認くらいだけど、雪歩と真美はああ言えばハニーに教えてもらえる。
美希「...」
でもミキがハニーに教えてって言っても、教えるのは結局コーチになっちゃうし...
P「美希ー」
美希「んぁ!?な、なになの!」
P「はは、ボーッとしてたな?」
せっかくハニーが話しかけてくれたのに、ミキったら変な返事を...
美希「なに、ハニー?」
呼んでもらえたことが嬉しくて、意識しなくても笑顔になる。
でも、
P「この真美の動き、指摘してやってくれ」
ハニーが今必要なのはミキの「指導」。
気に食わないの。
当たり前といえば当たり前なんだろうけど、今ハニーは、ミキじゃなくて星井美希コーチが欲しい。
美希「ここは、こうするの」
ダンスのレッスンなんだから、それは当たり前。
なんだけど...
P「わかったか?真美。雪歩も見てたか?」
雪歩真美「はいっ」
今のハニーは、なんだか雪歩と真美モノのよう。
なんだか、最初の想像と違うの。
ふと鞄を見ると、いつの間に持ってきたのか。
惚れ薬があった。
美希「...」
使ってしまおうか?
美希「!」ブンブン
いけないいけない。そうなの。ハニーは今二人のコーチ。でもきっと心の中で、ミキはすごいって思っててくれるはず。
美希「誘惑に負けちゃ、ダメなの」
ぐいっ、と薬の便を鞄の奥に押し込んだ。
明日にでも明後日にでも、レッスンはある。
その度に褒めてもらえばいいんだから。
美希「今日はもう、ボイトレに行ってもいい?」
コーチ「ええいいわよ。無理をしない程度に復習しておいてね」
美希「はいなの」
P「美希、帰るのか?」
美希「そうなの。ボイトレ行こうかなって」
P「そうか。明日もレッスンあるからな!」
次の日
美希「ふぅ...」
コーチ「すごい...一日で歌を覚えてダンスと合わせるなんて...」
P「すごい...すごいぞ美希...!」
美希「撫でて!」
P「ああ、もちろんだ!」ナデナデ
あふぅ。
またハニーに褒められたの。ハニーに褒められるために頑張ったの!
P「で、だ。美希はもうオンエアできる。お前たちはどうだ?」
真美「ひぃい...」
やっぱりなの。ミキが完璧だから、ハニーは別の方に行く。
そんなの当然のこと。わかってる。
わかってるのに、
美希「...」
気に食わない。気に入らない。拗ねる。
きっと心の中で、ミキはすごいって思っててくれるはず...
そうは思っても、やっぱりこっちを見て欲しい。
美希「この作戦、ダメだったの...」
ハニーが自分に向いてくれたのはいつだっただろうか。何をすれば向いてくれるかな...
美希「この薬、使っちゃおうかな...」
女の子たちが惚れ薬を欲しがる理由もなんとなくわかってきた。
手に入らない心を、簡単に手に入れるモノ...
美希「!」ブンブン
美希「こんなもの...」
また鞄の奥に押し込む。
少し前のミキなら、迷わず使っていただろうな。苦労せず自分の欲しいものが手に入る。
でも、振り返って欲しい人が振り返ってくれない。こっちを見てくれない。そんな美希が出した答えは...
美希「...帰るの」
以前と何も変わらない、拗ねることだった。
P「美希?」
あはっ。ミキの声だけで感づいたみたい。さすがハニー。そういうところだけ、鋭い...。
バタン
雪歩「美希、ちゃん?」
P「...」
P「お前たちは、集中しててくれ」
外、階段
美希「...」
惚れ薬の小瓶を目の前にかざす。
これのせいなのかな?
こんな気持ち、今まではなかった。
この薬があるせいで、ミキはこんな切ない気持ちに...?
そのまま手を伸ばす。
手を離せば、小瓶は下に落ちて割れる。
この気持ちも、無くなるかもしれない。
美希「ミキの気持ちは本物なのに」
しかしだからこそ、薬を捨てられない。
もし薬を捨てて、この気持ちが消えたら...
使おうか。使ってしまおうか。
こんな、本物かどうかもわからない代物にすがるくらい、
美希「ミキは追い詰められてるの...」
美希「ハニー...」
美希「って!ダメなの!こんなもの使ってハニーをメロメロにさせても!それは本当の気持ちじゃないの!」
美希「こんな、もの...!」
捨てようと振りかぶる。
でも、投げることはできなかった。
美希「...」
美希「ねぇ先生、どうしたらいいの?」
カモ「グァー」
美希「ミキね、ハニーが好きなの」
美希「これね、惚れ薬」
美希「惚れ薬なんて使っちゃダメだなって思うの」
美希「でも、ハニーはいくらアピールしても振り向かないし、雪歩や真美にべったりなの」
カモ「ガー」
美希「わかってるの。自分勝手なの」
P「美希の口からその言葉が出るとはな...」
美希「ん!?ハニー!?いつの間になの!」
P「カモに話しかけ始めた所からだ」
美希「最初からなの...」
P「美希、俺はみんなのプロデューサーだ」
美希「うん」
P「お前の気持ちはわかってる。でも今はダメだ」
あはは、そうだよね。わかってた。
言ってくれたら、尚更気は楽。この薬、使っちゃう、の...
美希「ん?今、は?」
P「ほら、みんな待ってるぞ」
美希「ねぇハニー!今はってどういうことなの!」
亜美「惚れ薬...?」[0]
亜美「惚れ薬...?」 - SSまとめ速報
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春香「惚れ薬」[5]
春香「惚れ薬」 - SSまとめ速報
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その言葉は、テレビの収録が終わってから話を聞くという意味なのか、それとも。
P「お前が異常にがんばってるのは、十分よくわかってた」
P「そして、俺があの二人のレッスンをしている時、お前の機嫌が悪いのは分かってた」
美希「ミキ、遠回りしてた?」
P「さぁな」
美希「ハニー、大好きだよ」
P「うんうん。そうやって直接言えばいい」
美希「答えは?」
P「そうだなー。収録が終わった後、で遅くはないだろ?」
美希「ずるいの」
結局、ミキは惚れ薬に振り回されただけだったの。
この薬の正体はきっと、持った人、飲ませた人が恋の病にかかる薬。
でも、もうこんなものいらない。
美希「先生!これあげるの!」
小瓶を放り投げる。
カモ「いてっ」
やっぱり、ミキは惚れ薬のせいで遠回りしてたの。あれのせいで、自分の考えがややこしくなった。
P「さ、帰ろうか」
でも、それを捨てた今は、迷いなく好きと言える。
美希「ハニーはずるいの」
P「今は、付き合うなんてできない。とりあえず答えは保留だな」
ミキにとって、一番効く薬はハニーなの。
美希「ねぇハニー。美希のダンスどう?」
P「前も言っただろ。言うことなし。もうオンエアまで行けるぞ」
美希「そうじゃなくて、ハニーの意見を聞きたいな」
P「俺の意見か?うーむ...」
そしたらハニーは、恥ずかしそうに頬を掻いて。
P「まぁ、綺麗だったぞ」
美希「あはっ」
美希「ハニー...大好きだよ」
やっぱりハニーが、ミキに一番効く薬。この薬は、
美希「やっぱり、惚れ薬なの」
星井美希の場合。おわり
雪歩「惚れ薬なんてもらっちゃった...」
雪歩「ど、どうしよう」
雪歩「男の人苦手でひんそーでひんにゅーでちんちくりんな私は惚れ薬なんて...」
雪歩「............」
雪歩「穴掘ります...」
真「惚れ薬?」
雪歩「うん。もしも、もしもここにあったらどうする?」
真「惚れ薬かぁ...ボクだったら王子様に飲ませちゃうかなぁ」
雪歩「ほぇえ...」
雪歩「なるほど...王子様に...」
雪歩「でも、私の王子様って誰だろう?」
あずさ「私たちの王子様?」
雪歩「はい。皆の王子様です」
あずさ「そんなの決まってるじゃない~プロデューサーさん、よ」
雪歩「あっ...そっかぁ...」
雪歩「プロデューサーが、私たちの王子様...」
雪歩「そうか。そうだよね」
雪歩「男の人苦手だった時助けてくれて、犬だって自分が苦手なのに...」
雪歩「うーん...確かにプロデューサーのこと考えるとへんな気分...」
春香「それが恋だよ雪歩ぉっ!」
雪歩「は、春香ちゃん...そんな目キラキラさせて...」
春香「そうだよねぇ...プロデューサーさんモテるからねぇ...そっかぁ...雪歩もかぁ...」
雪歩「ふぇぇ、これが...恋...なのかな...」
雪歩「恋、なのかなぁ...」
雪歩「穴でも掘ろうかな...」
響「恋?」
雪歩「うん。恋。したことある?」
響「うっ、うん!もちろんだぞ!自分完璧だからな!」
雪歩「えっ?ほんとに?ねぇ、どんなかんじだった?」
響「どっ...どんな...えーと、その...その人のことを思うと心がきゅんとして、一緒にいるだけでしあわせ...だぞ!」
雪歩「はぇ~そうなんだ...」
響(小説のセリフそのまま言っちゃったぞ...)
雪歩「その人のことを思うと心がきゅんとして、一緒にいるだけでしあわせ...」
雪歩「そう、なのかも...」
美希「一緒にいると幸せな人?」
雪歩「うん」
美希「そんなの、ハニーに決まってるの!」
雪歩「あー、そっかぁ。みんな同じ気持ちなのかな?」
美希「ん!?みんなってだれなの?みんな?みんなハニーが好きなの?ちょっとまつのー!」
雪歩「そっかぁ。みんなプロデューサーに恋してるのかなぁ」
貴音「恋?」
雪歩「うん。恋って好きなこと?」
貴音「まこと...奇妙なことを...いえ、雪歩殿もそういう年なのでしょう...」
雪歩「?」
貴音「私が思うに...恋とは、時に世界の全てを懸けてでも成し遂げたいものであると」
雪歩「ほええ...世界を...」
貴音「世界を超え、この世すべてを敵に回してでも手に入れたい、守りたい殿方...とでも言いましょうか...」
雪歩「大人だぁ...」
美希「雪歩!さっきの話どういうことなの!」
雪歩「あっ、美希ちゃん」
美希「ハニーのことなの!」
雪歩「その事なんだけど、もしプロデューサーに恋してる人が他にもいたらどうする?」
美希「押しのけるの!」
雪歩「それはつまり、敵?」
美希「そうなの!一人のハニーを巡る戦争!ハニーの恋人はたった一人!戦いなの!」
雪歩「恋は戦争...戦い...」
やよい「うっうー!」
雪歩「やよいちゃんにはまだ早いかなぁ」
やよい「なんの話ですか?」
雪歩「夜食に海苔食べるって話」
やよい「そうですね!夜食に海苔はおいしいです!」うっうー
雪歩「スライスチーズを海苔で挟むとおいしいよ」
やよい「ぜいたく品です...!」
亜美真美「恋?」
亜美「んっふっふ~ゆきぴょん恋に落ちたのかい?」
雪歩「いやぁ、恋ってなんなのかなーって思って...」
真美「好きな人いるの?」
雪歩「プロデューサーかなぁ」
真美「ぶぶぇっ!!」
亜美「おっと~?ゆきぴょん大胆!!」
真美「ゆ、ゆきぴょんそんな恥ずかしいこと...よく言えるね...」
雪歩「ほえ?恥ずかしいことなの?」
雪歩「伊織ちゃん、プロデューサーのこと、好き?」
伊織「んんっ!?な、何いきなり言ってんのよ!」
雪歩「どうなの?恥ずかしい?」
伊織「えっ...えっ...あ、あいつなんて正直だらしなくて、頼りなくて...この伊織ちゃんがいないと何も...」
雪歩「プロデューサーのことを思うと心がきゅんとして、一緒にいるだけでしあわせ?」
伊織「なっ...なによ...そんな...///」プシュー
雪歩「ああ...やっぱり恥ずかしいことなんだ...」
雪歩「王子様、かぁ...」
雪歩(ふるさと村でライブした時は、すごくかっこよく見えたなぁ)
雪歩「ピンチを救ってくれて、助けてくれて」
雪歩「それが王子様かぁ...」
真「王子様、いいよねぇ...雪歩は王子様、いるの?」
雪歩「うん。たぶんあの人が王子様だと思う」
真「ん?え?雪歩?」
千早「恋?」
雪歩「うん。恋」
千早「私もよく、わからないのだけれども」
雪歩「えーとね、今まで調べた結果だと、メモしたんだけど、王子様で、その人のことを思うと心がきゅんとして、一緒にいるだけでしあわせで、時に世界の全てを懸けてでも成し遂げたいもので、戦争で奪い合いで、とっても恥ずかしいこと」
千早「なんだかよくわからないわね...」
雪歩「あ、千早ちゃんもよくわからない?」
千早「いえ...恋、というものはまだよくわからないけど、多分こういうことだろうっていうものなら...」
雪歩「聞かせて!」
千早「えと...じゃあ萩原さん、好きな人はいる?」
雪歩「プロデューサーかな」
千早「くっ...あなたも...違、え、えと、プロデューサーを思い浮かべて?」
雪歩「うん...」
千早「胸のあたりに何か感じる?」
雪歩「うーんと...うん。気持ちが集まるような、そんな感覚」
千早「それがキュンとするってやつよ」
雪歩「ふええ...」
雪歩「これがキュンキュン...」
雪歩「美希ちゃん、やっぱり私、プロデューサーが好きみたい」
美希「大胆な宣戦布告なの...」
雪歩「やっぱり、戦わなきゃだめなのかな...」
美希「そりゃそうなの!ハニーは一人しか相手を選ばないの!」
雪歩「えっ!?ひ、一人!?」
美希「当たり前なの!ハニーと恋するのはたった一人...たった一人なの!」
雪歩「はええ...たった一人...奪い合い...戦争...」
美希「恋は戦争なの!」
雪歩「はわわわ...急に恥ずかしくなってきた...///」
雪歩「どうしよう、これが恋。これが恋なんだぁ...///」
雪歩「どうしようどうしよう...この先はどうしたら...」
雪歩「誰かに聞いて...だ、だめ...戦争だから...プロデューサーが誰かに取られちゃう...」
コツン
雪歩「あ...これ...」
雪歩「惚れ薬...」
雪歩「お茶になら...お茶になら入れてもバレない...」
雪歩「惚れ薬...ひんそーでひんにゅーでちんちくりんな私を好きになっちゃう薬だよね...」
雪歩「...」
雪歩「プロデューサー、お茶です...」
P「おう。ありがとう、雪歩」
雪歩「えへへ」
雪歩(この笑顔、私だけに向けて欲しいなぁ...)
雪歩(それを飲めば、恋をする)
雪歩(...あれ?)
雪歩(プロデューサーも恋、するよね。当然だよね)
雪歩(胸がキュンとして、王子様で、守りたくて、全てを捨ててでも手に入れたくて...)
雪歩(その気持ちは、本当の気持ち。もし、私のプロデューサーに対する気持ちが、惚れ薬で作られたものだったら...?)
雪歩「...!」
雪歩「ダメですっ!」
P「えっ?」
雪歩「ダメです!作り物じゃ!ダメです!」
バッ!ゴクゴクゴク
雪歩「ぷはぁっ!」
P「の、飲んだ!?」
雪歩「プロデューサー!気持ちは作り物じゃだめなんです!」
P「え?俺怒られてるの?」
雪歩「だめなんです...はう...もうだめです...穴掘ります...」
次の日
...
雪歩「恋の気持ちは本物じゃないといけないって思うの」
春香「そうだよ雪歩!ああいいなぁ恋!春が香る恋!はるこい!」
雪歩「う、うん。それでね。私、ちゃんとプロデューサーに気持ち伝えたいの」
P(雪歩...同じ事務所で話すなよ...)
春香(雪歩は後ろにプロデューサーさんがいるの気がついてるのかな?)
春香「そうだねぇ...プロデューサーさんかっこいいし...」
雪歩「ダメだよ春香ちゃん!プロデューサーさんは渡さないよ!」
春香「プロデューサーさんも愛されてますなぁ...」
P(...)
春香「女の子にここまで言わせておいて断るなんて...そんな男いませんよね!」
P(うっ...)
雪歩「だ、大丈夫かなぁ...こんな私でも...」
春香「大丈夫!プロデューサーさんなら絶対大丈夫だよ!」
P(春香...俺の逃げ道を潰してるな...)
春香「ねっ?プロデューサーさん?」
雪歩「へ?」
P「えっ」
雪歩「ぁ...ああ...ぁ...」パクパク
P「あー、なんだ雪歩、気がついてなかったのか?」
雪歩「あああ...ああ...」パクパク
雪歩「は、春香ちゃぁん...」
春香「じゃっ!私はレッスンがあるので!頑張ってね雪歩!」バタン!
雪歩「は、春香ちゃん...」
P「あー、なんだ雪歩、レッスン行くか?」
雪歩「え...」
ここではいと言えば、うやむやで終わらせる事ができる...
雪歩(でも...)
ここで言わなきゃ。
雪歩「プロデューサー」
P「逃がしては、くれないか...」
好きな人と向かい合う。
後は、一言いうだけ。
雪歩「...」
言葉が口に登ってこない。
P「...」
待っててくれる。待っててくれている。はやく言わなきゃ。
本当の気持ちを、直接。
雪歩「プロデューサー」
P「うん」
雪歩「くじけそうな時、助けていただいて、ありがとうございます」
雪歩「一緒に苦手なものに挑戦して、すごく、すごく嬉しかったです」
P「ああ。そうだな。俺も苦手な犬に挑戦したよ」
雪歩「あのっ!こんな、こんな私ですけど、気持ち、受け取ってください!」
P「...ああ」
雪歩「私、私は、プロデューサーのことが...」
萩原雪歩の場合。おわり
お疲れ様でした。
今回はここまでです。
途中IDが変わってすみませんでした。
春香「プロデューサーさんって本当にどうしようもないですよね」
やよい「うあああ!!!」
P「スプーンがないな。春香スプーン!」
などを書いてました。
次は春香スプーンの続きでも書こうかと思います。
舐めたい人でした。
春香ちゃん舐めたい
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