衣「なんなんだそれは?衣は初めて聞くぞ?」
染谷「うちの喫茶店で出してる特別限定スペシャルなエビフライじゃからな」
衣「特別・・・スペシャル・・・限定・・・」
染谷「タルタル」
衣「タルタル・・・」
染谷「残念じゃがこれは平日限定で、しかもランチメニューなんじゃ。じゃから今出すというわけにはいかんのう」
衣「ぐぬぬ・・・」
染谷「平日の昼に学校サボって来ても無駄じゃからな。そういう不良は店には入れんけぇのう」
衣「衣はこんなに食べたいのに!意地悪!」
染谷「ひひひ、意地悪で結構。それじゃあまた来てくれ、お客様」
衣「むむ・・・。染谷まこめ・・・」
王波児「意地悪で結構。それじゃあまた来てくれ、お客様」
衣「むむ・・・。王波児・・・」
衣「ということがあったのだ」
ハギヨシ「左様でございますか、衣お嬢様」
衣「でも、衣はなんとしてもあのライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチというものを食してみたいのだ」
ハギヨシ「なるほど・・・」
衣「なあハギヨシ、何か良い知恵はないか?」
ハギヨシ「難しいですね・・・」
衣「のうハギヨシ。もし良い知恵を出してくれるというのであれば、透華の脱ぎたてパンツを今度お主にくれてやっても良いのだぞ?」
ハギヨシ「透華お嬢様の生脱ぎ染み付きプレミアムパンティを・・・ですか!?」ゴクリ
衣「良い考えを提供してくれたら、の話だがな」
ハギヨシ「思いつきました!」
衣「は、早いな・・・」
ハギヨシ「平日に学生が行くというのでは追い出されてしまう。であれば、学生と思われぬよう大人っぽい格好でお店に伺えばそのランチを食べられるのではないでしょうか?」
衣「なるほど・・・」
ハギヨシ「・・・・・・」スッ…
衣「なに手を出しておるのだ。報酬は成功してからに決まっておるだろうに」
ハギヨシ「これは失礼しました」
衣「大人っぽい格好か・・・。ふーむ・・・」
国広「それでボクのところに来たわけか」
衣「うむ。大人っぽい格好をいつもしているだろう?」
国広「まあそれは否定できないけどさ」
衣「頼む。衣に大人っぽい格好を教えてくれないか?」
国広「うーん・・・」
国広(そういう格好なんかさせたりしたら透華が怒ったりしないかな・・・?でも、衣が言い出したことだしな・・・)
衣「何もタダとは言わぬ。この計画が成功した暁には、透華の脱ぎたてブラをくれてやろう」
国広「なんだって!?透華様が一日身に付けて匂いがしっかり付いた生脱ぎブラだって!?」
衣「う、うむ」
国広「わかった。ボクでよかったら協力させてもらうよ」
国広「とりあえず服を着替えさせたはいいけれど・・・」
衣「これで大人っぽくなれたのか?」
ハギヨシ「ダメですね」
衣「ダメなのか!?」
国広「露出を多くして大人の色気を前面に出そうと思ったんだけど、衣の体型じゃちょっと無理があったっていうか・・・」
衣「むぅ・・・」
ハギヨシ「それに、このような格好をしたのでは家の名を第一に考える透華お嬢様が何と言うか・・・」
国広「やっぱりかー」
衣「だったらどうすればいいんだ!お前達、きちんと策を練るのだ!」
純「フッ、話は聞かせてもらたぜ」
国広「な、何者だ!?」
純「俺か?俺はさすらいの・・・」
衣「そういうのはいいから何か考えがあるのなら聞かせてくれ」
純「わかったよ」
国広「で、どういう考えがあるっていうのさ」
純「その前に報酬の話だ。そこの二人には成功したら何かいいものがもらえるんだろ?俺にも何かいいものをくれよ」
衣「そうだな・・・。今度衣がハンバーガーを食べるとき、中に挟まってるピクルスをくれてやろう」
純「マジかよ?ヒャッホー!」
衣「で、ジュンにはどんないい考えがあるっていうんだ?」
純「正面切って堂々と店に入ろうとするからダメなんだよ」
ハギヨシ「では忍び込めと?」
純「そうは言ってないさ。誰かがでかい服を着るだろ?その中に衣を隠して店に入ってその限定メニューだかを注文する。んで、店員の視線がないうちに顔を出して食べるって作戦だ」
国広「・・・・・・・・・」
ハギヨシ「・・・・・・・・・」
衣「・・・・・・・・・」
純「な、なんだよ」
国広「それは盲点だったよ」
ハギヨシ「それなら気付かれる恐れもありませんね」
衣「名案だ。それなら衣がこっそりお店に入ることができる」
純「へへっ、だろー?」
智紀「甘い。そんなの一発でバレる」
国広「なっ・・・!?お前は一体・・・!?」
純「何者だ!名を名乗れ!」
智紀「ふふ・・・。私は」
衣「そういうのはいいから、さっさとダメな理由を話してみよ」
智紀「はい・・・」
純「俺の考えにケチつけようってんだ。一体どんな欠点があんのか説明してもらおうじゃねえか」
智紀「実際にやってみた方が早い。衣、一の服の中に入ってみて」
衣「こうか・・・?」
国広「なっ・・・!?」
ハギヨシ「まさかそんな・・・」
純「こいつは驚いた!」
衣「・・・全然隠れてない!?」
智紀「そう。露出が多い一の服の中に隠れようとしても、衣は丸見えでしかないという結果に」
純「じゃ、じゃあ俺の服の中にだったら・・・」
智紀「いくら衣が小さいからとはいえ、不自然さを隠すことはできない」
ハギヨシ「では、何か代案はあるのでしょうか?」
智紀「あるといえばある」
衣「では早く・・・」
智紀「・・・私もご褒美欲しい」
純「なっ、てめえ図々しいぞ!ハンバーガーにはピクルスは一枚しか入ってねぇんだぞ!?」
国広「そうだよ!透華様だってブラは一着しか身に着けてないんだ!」
ハギヨシ「おパンツもでございます」
衣「よい。して、何か欲しいものはあるのか?」
智紀「セミの抜け殻500個」
衣「いいだろう。そなたの計画が何かは知らぬが、成功した折にはハギヨシに集めさせよう」
智紀「ありがとう」
国広「でもそんなもの一体何に使うっていうのさ?」
智紀「コミケで入場者の背中にこっそりくっつける」
純「うげ」
ハギヨシ「ユニーク」
衣「して、どのような計画なのだ?」
智紀「ハギヨシさんがお昼にそのお店でそのランチを注文する」
ハギヨシ「・・・続けて」
智紀「そして、食べずに夕方学校帰りの衣が到着するまで待つ。そして、衣はハギヨシさんがお昼に頼んだランチを食べる」
純「そりゃ確かにそうすれば食えるかもしれねぇけど・・・」
国広「間違いなく冷めて美味しくなくなるだろうし、主食がご飯だったら固くなるよ!?」
ハギヨシ「何より、店員に片付けさせることなく夕方まで確保しておくというのはなかなか・・・」
衣「う、うん・・・。衣も作りたてがいい・・・」
智紀「でも、衣はランチを食べることはできる。成功といえば成功。それに・・・」
智紀(成功すれば報酬がもらえる・・・)ボソッ
純「確かにな。当初の目的であるライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べるって目的は達成されるわけだから文句はないわな」
国広「そうだねプロテインだね。ボクもともきーの意見には賛成だな」
ハギヨシ「ですね。他にいい考えがあるというのなら別ですが」
衣「うぅ~・・・」
智紀(セミの抜け殻・・・)
純(ハンバーガーに挟まってるピクルス・・・)ゴクリ
国広(透華様のまだぬくもりの残った生脱ぎブラ・・・)ゴクッ
ハギヨシ(透華お嬢様の生脱ぎ染み付きプレミアムパンティ・・・)ジュルリ…
衣「少し考えさせてくれ・・・」
衣「外に出てきてはみたものの、気分は晴れぬ・・・。はぁ・・・」
ザパン
衣「む?今の水音は・・・。龍門渕が作らせた長野の海で海水浴してる者がいたとはな。どれ、顔を拝んでやるとするか」
染谷「これくらいでいいかな・・・っと」
衣「お前は誰だ?ここで何をしている」
染谷「誰だ、とはご挨拶ですね。私ですよ。染谷まこです」
衣「なっ・・・!?だ、だが髪だって真っ直ぐだし、眼鏡だってしてはおらんではないか!」
染谷「そりゃ海水で濡れれば髪だってペタンとなるし、眼鏡をかけて海に入る人はいないですしね」
衣「じゃ、じゃが話し方が変わって・・・」
染谷「海に入るとこうなるんですよ。まあ乾燥して髪にクセが戻る頃には元通りになっていますよ」
衣「で、何をしていたんだ?」
染谷「これです」ピチピチピッチ
衣「これは・・・エビか!」
染谷「ええ。喫茶店で出すライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチのエビは、こうして私が海から新鮮なものを調達しているんですよ」
衣「ま、まあ長野の海は漁業なども龍門渕が許可しているからな」
染谷「天江さんはどうしてこちらに?」
衣「いや、何でもない。ただブラブラしていただけだ」
染谷「そうでしたか」
衣(今の染谷まこは穏やかそうだし、もしかしたら頼めばライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べさせてくれるかもしれない・・・)
衣「あ、あの・・・頼みがあるのだが・・・」
ひざしがつよい
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染谷「なんじゃ、言うてみい」
衣「その、衣にだけ特別にライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを出してはもらえぬかな・・・と・・・」モジモジ
染谷「ダメじゃダメじゃ。そんなん無理に決まっとろうが!」
衣「あ・・・、元に戻った」
染谷「わしは店に戻って仕込みをさせんとあかんけぇの。それじゃあの」テクテク
衣「行ってしまったか・・・。だが、あれだけ新鮮で上物のエビを獲っていたのだ。冷めたものを食べるのでは惜しい。なんとかできたてを食べたい!」
衣「ただいま帰ったぞ」
純「遅かったな。心配したぞ」
国広「で、考えは決まったの?」
衣「衣はできたての熱々を所望する。故に、先ほどの案は却下だ」
智紀「わかった」
衣「ハギヨシ、調べてもらいたいことがある。学校が平日に休みになる日が確かあったはずだな?体育祭の後の日や創立記念日など」
ハギヨシ「創立記念日は祝日ですが、確かに平日が休みになる日もございますね」
衣「今すぐ調べよ。その日に染谷まこの喫茶店、Roof-topに行けばライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチが食べられるはずだ」
ハギヨシ「少々お時間を・・・」
国広「なるほど・・・。そういう方法もあったのか・・・」
純「確かにな」
智紀「合理的」
衣「なに、そう褒めるでない。その日は衣がライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べる特別な日・・・。そう、衣記念日となるのだ。みなは衣のために尽力してくれた故、その日はみなにライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを馳走しよう」
純「マジかよ!?最高だぜ!」
智紀「ありがとう衣」
国広「ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチか・・・。楽しみだな・・・」
衣「して、どうであったのだハギヨシ?」
ハギヨシ「現状では不可能です。メイド麻雀喫茶Roof-topの定休日と重なったり何やらで、おそらくライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べるのは無理かと・・・」
衣「そうか・・・」
国広「諦めるのはまだ早いよ!」
純「おお、そうだぜ」
智紀「透華の力で平日一日だけ休校させてしまえばいい」
衣「ダメだ・・・。透華に迷惑はかけられないし、そんなことをしては沢山の人間が迷惑することになる・・・」
ハギヨシ「ご立派です、衣お嬢様。しかし、そうなるといよいよもってライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べる方法が・・・」
純「いや、待てよ・・・。そういえば他校の生徒がライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べたことがあるという話を聞いたことがあったな」
国広「何だって!?でも、平日限定のランチメニューだし、麻雀喫茶という性質上平日の昼に来るような不良は入店を拒否されるというのにどうして!?」
智紀「すごい説明口調」
純「いや、俺もそこまで詳しくはわからねえ。だが、そいつから話を聞けばあるいは・・・」
衣「なるほどな・・・。で、そやつは何という名なのじゃ?」
純「そいつは風越の生徒だ。名前は覚えていないが麻雀部の生徒だった」
衣「風越か・・・。よし、ハギヨシ、車の用意を」
ハギヨシ「はっ、かしこまりました」
国広「ボクたちも一緒に行くよ。衣が心配だしね」
純「おう」
智紀「ついでにどこかに寄ってもらってチョコエッグを買おう」
衣「わかった。では行くぞみなの者」
智紀「お前の犯した罪の数を数えな」ツケツケ
ヲタ「「コミケでセミの抜け殻くっつけられたんだけど・・・」っと」
VIP「おいお前何しでかしたんだwwww」
VIP「お前なんか悪さしただろ・・・」
VIP「セミの人・・・今年も降臨したか・・・それとも偽か?!」
福路「話は伺っているわ。今部員を集めるからしばらく待っていてちょうだいね、天江さん」
衣「すまないな」
星夏「お茶とお菓子です。どうぞ」
純「悪いな」グビグビ
国広「バリバリ」モグモグ
智紀「ガリゴリ」ムシャムシャ
池田「待たせたな」
衣「お前がライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べたという者か?」
池田「そうだし。いやー、あれは美味しかったな~・・・。さすが限定メニューだけあるし。うんうん」
衣「しかし、あれは平日メニューでランチタイムのみのスペシャルメニュー・・・。一体何故食べることができたというのだ?」
池田「まあまあ、そう焦るなよ。それより周りをよく見てみたらどうだ?」
純「Zzz・・・」
国広「Zzz・・・」
智紀「・・・・・・・・・」スヤスヤ
衣「お前達!?何故眠っているのだ・・・?」
池田「敵地のド真ん中に乗り込んできてのんきに飲み食いしてるからこうなるし!」
衣「ま、まさか眠かったのか・・・?」
衣「こらお前たち!起きぬか!」パパパパパパーン!!!
国広「痛い!?・・・Zzz」グーグー
純「いってー、何だ何だ?・・・眠い」グーグー
智紀「・・・・・・・・・」スヤスヤ
衣「叩いても起きない・・・。これでは迷惑な客ではないか・・・」
池田「去年はお前のおかげで随分と酷い目に遭ったし!ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べた方法がしたかったらこの華菜ちゃんに勝って、実力で聞き出すんだな!」
衣「何だ、そんなのでいいのか。いいだろう、受けて立つ」ゴッ
池田「ここにシュークリームが5つある。この中のうち一つにはワサビが入ってるし。元々はコーチがあたしに買ってきてくれたおやつだったんだけどな。勝負はこのシュークリームを食べてハズレを引かなかった方の勝ちとするし」
衣「面白い。ではどちらから食べる?」
池田「先手必勝だし!いただきますだし!」モグモグ
衣「どうだ?辛いか?」
池田「フーッ・・・フーッ・・・全然だし!からっ、カスタードが甘くて・・・フーッ・・・美味しいし・・・!」
衣(多分嘘だな。あの顔は絶対ワサビ入りを食べている。だが、だとすれば残りは普通のシュークリーム。この勝負もらったな)
衣「いただきまーす♪んむんむ・・・」
衣「ぐっ・・・!?」
池田「えっ?」
衣「うぐっ・・・あ、まくて・・・美味しい・・・。さて、次は池田華菜とやら、お主の番だ・・・ぞ・・・」
池田「あ、ああわかった」
池田(何で涙目になってるし・・・?まさかワサビ入りだった・・・?でも、ワサビ入りはさっきあたしが食べたし・・・)
池田「それじゃあいただきます・・・」
池田「んぐっ!?」
衣「えっ?」
池田「ぐぬぬ・・・フーッ・・・フーッ・・・。うにゃあぁああああああ!!!」
衣「お、お主、まさかハズレを引いたのか?」ドキドキ
池田「ち、違うし。あまりの美味さにおたけびをあげずにはいられなかっただけだし」
衣「そ、そうか。ならよいのだが・・・」
衣(絶対にあの者は嘘をついている・・・。冷や汗と、口の中にわずかに見えたあれが何よりの証拠・・・。だが、ワサビ入りは一個のはず・・・。まさか普通のが一個だとでも・・・?)
池田(どういうことなんだし・・・。ワサビ入りは最初にあたしが食べたし、それにさっき天江衣も食べたはず・・・。何でなんだし・・・!?)
福路(華菜と天江さんが泣きそうだわ・・・。でも、それを我慢してワサビシュークリームを食べている・・・。可哀想・・・。コーチはワサビ入りしか用意してないというのに・・・)
文堂(コーチは池田先輩の泣き顔が大好物なんですよ・・・。気付いて下さい、それは全部ワサビ入りなんですよ・・・)
吉留(華菜ちゃんはちょっと頭が弱いから、この前もコーチが用意してたハズレしかないロシアンタコヤキを全部食べてた・・・。おかしいな、何で当たりが出ないのかな、って言いながら、泣きながらずっと・・・。可哀想な華菜ちゃん・・・)
衣「次は衣の番か・・・。よし、食べるぞ・・・!」パクッ
池田(どうなる・・・?)
衣「んーっ!?んーっ!?」
池田(またワサビ入りだったし!?何でなんだし!?ワサビ入りは一個のはずなのに・・・)
衣「お、おいいいしいぞぞ・・・。カスタードがが絶品であった・・・」ブルブル
池田(でも、美味しいって言ってるし、もしかして本当に普通のシュークリームを食べているのかも・・・?あー、わかんないわかんない!)
池田「これが最後の一個か・・・」
衣「そうだな。だが、今までにハズレが出ていないというのなら必然的にそれはハズレということになる。お主の負けだ、池田華菜」
池田(じゃああたしが今まで食べてた辛いシュークリームは一体・・・?あたしの勘違いだった・・・?まあ仕方ないな・・・)
池田「わかった。この勝負、負けを認めるし」
衣「やった♪」
池田「この余った一個はお土産に持っていくといい」
衣「ありがとう。じゃあ車で待ってるハギヨシに食わせてやろう」
衣「それで、ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べた方法というのは一体・・・?」
池田「ああ、それなら簡単だよ。あそこは麻雀の藤田プロが常連なんだ」
衣「藤田靖子か・・・」
池田「うん。で、あたしの髪型が藤田プロに似てるからよく藤田プロのふりして行くんだし。しかも藤田プロのツケで食うからタダだし」
衣「なっ・・・!?よくもバレないものだ・・・。しかし、そんな方法では衣はライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べられないではないか!?」
池田「そんなのは知らないし。華菜ちゃんは聞かれたことに答えただけだし」
衣「ぐぬぬ・・・。ここは空振りだったか・・・」
ハギヨシ「なるほど、まさか他人に成りすまして食べていたとは驚きでしたね」
国広「ほんとだよ」
純「全く、許せないぜあのヤロー」
智紀「はらいせに藤田プロのブログに池田華菜の悪行を垂れ込みしておいた」
国広「さっすがともきー」
衣「あ、そうだハギヨシ。お土産をもらったから食べるといい」
ハギヨシ「私にですか?ありがとうございます」
国広「あ!それシュークリーム!」
純「ずりーぞ!衣、俺にはないのかよ!?」
衣「一個しかもらえなかったんだよ」
ハギヨシ「モグモグ・・・うぐっ・・・これは・・・」
智紀「どうかしたのですか?」
ハギヨシ「いえ・・・。大変美味しゅうございました。衣お嬢様、わざわざ申し訳ありません」
衣「気にするな。あっ・・・」
衣(そういえばワサビ入りだったんのを忘れてた・・・。でも、美味しいって言ってたから普通のだったのかな?衣が辛いの食べたから普通のだったのかもしれない・・・。ううん、きっと普通のだったんだ。なら問題なしだな)
純「でも、これで振り出しに戻ったわけだな」
国広「これからどうしたものか・・・」
衣「今日はもう疲れた。作戦を練るのはまた明日だな。みなも明日また知恵を貸してもらうつもりだから休んでくれ」
純「おう、それじゃあ今日は休むぜ」
国広「明日までに何か言い考えも浮かぶかもしれないしね」
智紀「ゲームでもしよう」
透華「みなさん、お待ちになってくださらないかしら!?」
衣「とー・・・か・・・」
透華「今日は私をのけ者にして、皆で随分と楽しくやっていたみたいですわね」
国広「ち、違うんですこれは・・・」
透華「お黙りなさい!」
国広「あぅ・・・」
衣「ま、待ってくれ透華・・・。これには訳が・・・」
ちょっと外がセミの声でうるさいからセミを根こそぎ捕まえて池の魚の餌にしてくる
透華「訳・・・?一体何だっていうんですの・・・?」
衣「うぅ・・・」
衣(もし本当のことを言えば、食べものに執着するなんて龍門渕家の恥晒しだと怒られてしまうかもしれない・・・)
透華「言えないんですの?はじめ!」
国広「あ・・・、うぅ・・・」
国広(正直に言ったら透華様が一日身に付けて匂いがしっかり付いた生脱ぎブラ目当ての変態露出狂女だって透華様に嫌われるかもしれない・・・。最悪の場合龍門渕を追い出される・・・)
透華「ハギヨシ!何とかお言いなさい!貴方も一緒だったのでしょう!?」
ハギヨシ「それは・・・」
ハギヨシ(正直に言えば、私が透華お嬢様の生脱ぎ染み付きプレミアムパンティ目当てで動いていた変態執事だと透華お嬢様にバレてしまい、最悪屋敷から追い出されることに・・・。言えません、透華お嬢様・・・)
透華「そんな・・・ハギヨシまで言えないっていいますの!?」
透華「智紀!貴女なら正直に言ってくれますわよね?」
智紀「・・・・・・・・・」
智紀(正直に言ったら私がセミの抜け殻をコミケ来場者の背中にこっそりくっつけて回るオタク女だってバレてしまう・・・。そうなったら恥ずかしいから言えない・・・)
透華「そう・・・。兄貴!」
純「俺は女だ!」
透華「もういいですわ!そこまで皆さんが私を仲間ハズレにするのでしたらもう知りません。好きになさるといいでしょう」
衣「とーか・・・・・・」
ハギヨシ「これはマズイですね。透華お嬢様に誤解させてしまったかもしれません」
国広「ボクが欲望に忠実だったばっかりに・・・!」
純「自分を責めるのはよせ!」
智紀「透華の頭の髪・・・うなだれてた・・・」
衣「・・・・・・・・・ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチだ」
国広「えっ?」
衣「ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチだ。何とかしてそれを食べる算段をつけ、透華も一緒にライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べればきっと透華も笑顔になる!」
ハギヨシ「・・・そうですね」
国広「衣様・・・」
衣「ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチさえなんとかできれば・・・。今夜は皆を寝かせはしないぞ!透華を笑顔にするためにも、ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べる作戦を出すんだ!」
智紀「わかった」
ハギヨシ「では私は現地に赴いて情報収集をして参ります」
衣「うむ」
智紀「私はネットで情報を集めてみる」
衣「頼む」
国広「ボクも手品で何かできないか、道具を探してくるよ」
衣「任せた」
純「俺は知り合いが何か知ってないか長野中を回ってくるよ」
衣「無茶はするな」
衣「・・・・・・・・・」
衣「衣一人になってしまったか・・・」
衣「ふぁぁ・・・もう遅いし寝よう・・・」
衣「Zzz・・・」スヤスヤ
透華「あら、まだ灯りが・・・。衣ったら、こんなところで寝ちゃって・・・」
透華「あら・・・。この衣の落書きは・・・『とーかを連れてライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べに行く作戦』・・・?」
透華「なるほど、私とエビフライを食べに行きたかったんですのね。それで今日はみんな集まって何かしていたということなのかしら・・・」
透華「でも、エビフライを食べることくらいいつでもいいんですのに・・・。ああ、そういえばエビフライは衣の思い出の・・・」
透華「衣・・・。本当に貴女って子は・・・」
透華「ふふ、見なかったことにして差し上げますわ。衣が風邪をひかないように布団をかけたら私は退散しますわ」ファサッ
透華「おやすみなさいまし、衣・・・」
翌日
国広「衣様はあの後部屋で作戦を練りながらそのまま寝てしまわれたようだ」
純「一日に12時間寝ないとダメなあいつが・・・。無茶しやがって・・・」
ハギヨシ「ええ。灯りは点けっぱなしでしたので相当夜更かししたのではないかと」
智紀「衣の頑張りを無駄にしない為にも頑張らないと」
純「俺の方は収穫といえるべきものは特に・・・。わかったことといえばあの喫茶店でつくるエビフライのエビは、店の人間自ら長野の海で漁獲しているってことくらいだ」
国広「なるほど・・・。近場で仕入れるエビだから新鮮なものを用意できるってことか・・・」
智紀「それだけじゃない」
純「どういうことだ?」
智紀「ネットで調べたのだけど、あのエビは極上だということがわかった。みんな知っての通り長野は山が豊か」
ハギヨシ「そうですね」
智紀「木々の生い茂る山に降り注いだ雨は、その木々が育んだ土壌を通過し滋養たっぽりの地下水となり長野の海に・・・」
純「ふむ」
智紀「栄養分に優れた豊かな海水はプランクトンを育み、そしてそれをエサにエビは大きく、丸く、美味しい最高品質の物へと成長する。そしてそのエビを使ったスペシャルなエビフライがあの喫茶店の秘密」
国広「そうだったのか・・・。長野の海にはそんな秘密が・・・」
ハギヨシ「私が現地に赴いてリサーチしてきた情報もすごいですよ」
純「一体何だっていうんだ?」
ハギヨシ「エビフライの味を一番左右するといって過言ではないのがソースです。そして、あそこは自家製タルタルソースを作るために、タルタルソースで使う野菜を自家栽培していたのです」
智紀「長野は田舎だし、野菜を作っているところも多い」
ハギヨシ「確かに自家栽培している程度なら驚くに値しないかもしれません。しかしあの喫茶店で育てていた野菜はおそらく市場では出回っていない・・・」
純「どういうことだってばよ?」
ハギヨシ「あのパセリなどはおそらく全て独自に品種改良されたものです」
国広「何だって!?」
ハギヨシ「形、色、香り・・・。様々な要素が市販されているものとは少し異なっていました。あれはタルタルソースに合う為だけに品種改良の果てに世に生み出された究極の野菜・・・」
智紀「すごい・・・」
国広「そんなすごい野菜がタルタルソースとなり、あの長野の海で漁獲された究極のエビと組み合わさる・・・。最強じゃないか・・・」
ハギヨシ「そうですね。あれらの野菜にしても、土壌から水に至るまで徹底的にこだわり抜かれた至高の一品・・・」
純「ところで国広くんはその・・・」
国広「ああ、ボク?何もしてないわけじゃないからそんな目で見ないでよ。ボクは実家を漁ってきてこんなのを見つけてきたよ」
智紀「これはまさか・・・」
ハギヨシ「噂でしか聞いたことはありませんでしたが、よもや実物を目にする日が来ようとは・・・」
純「何だ何だ?こりゃハチマキか?」
国広「無限バンダナだよ。何かの足しになるかもしれないと思ってね」
智紀「これさえあれば何も恐れることはない」
ハギヨシ「ええ。では衣お嬢様を起こしに行きましょうか」
ハギヨシ「衣お嬢様。衣お嬢様」
衣「うぅーん・・・何だ、朝か?」
国広「勇者よ・・・目覚めるのです」
衣「うぅ~ん・・・。衣は勇者じゃないぞー・・・」ゴロン
智紀「勇者衣は伝説の剣が抜かれるのを待っているのです。その伝説の剣さえ抜かれれば長き眠りから目覚めることでしょう」
純「この抱き枕だな。おりゃっ」ズボッ
衣「うぅ~・・・・・・。衣のほっけみりんが・・・・・・」ゴロゴロ
ハギヨシ「もう朝食の支度もできております。早く支度なさってください」
衣「ふぁぁ・・・は~い・・・」
衣「もぐもぐ・・・それで、昨夜の件だが・・・ムシャムシャ・・・何か進展はあったのか?」
ハギヨシ「食べながら喋るのはみっともないですよ、衣お嬢様」
衣「・・・ゴクン。で、どうなのだ?」
智紀「大きな進展があった」
衣「おお、それは大儀であった」
国広「衣も聞いたらきっと驚くと思うよ~」
衣「なるほど、それは楽しみだ」
純「じゃあ食べながらでいいから聞いてくれ。昨日俺たちが調べたことなんだが・・・」
衣「なるほど、ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチのエビフライにはそんな秘密が・・・。そういえば衣も長野の海で染谷まこがエビを獲って海から上がってきたのを見たことがある」
ハギヨシ「なるほど。看板娘自らがエビを漁獲していたというわけですか」
純「確かにあそこの娘は海に長く浸かってるせいか髪の色、クセも海っぽくなってるもんな」
衣「で、肝心なライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べる方法についてはどうなっておるのだ?」
智紀「それは・・・」
国広「ほ、ほら、ここに無限バンダナがあるからこれで何とか・・・」
衣「ただの紐ではないか。まあよい。先ほどの情報は実に有意義なものであった」
国広「ほっ」
衣「あれを聞いたらますます食してみたいという気持ちが強くなった・・・。何とかならぬものか・・・」
純「それだったらその店で働いたことのある人間に聞いてみるってのも一つの手かもしれないぞ」
衣「それはダメだ。衣だって染谷まこに直接聞いたことがあるんだ」
国広「そりゃ店の顔なんだからおおっぴらに言えないのも無理はないよ」
衣「ではどうするのだ?」
純「清澄の宮永咲と原村和。あいつらはあそこでお手伝いをしたことがあるんだ」
智紀「店の上の人間は口が堅くても、責任能力のない下の人間から極秘情報が漏れるのは往々にしてよくあること」
衣「なるほどな・・・。ノノカと咲か・・・」
ハギヨシ「では、放課後に清澄に向かい、その二人とコンタクトを取るという方向でよろしいですね」
衣「うむ。店でアルバイトをした人間なら内部の情報を握っているか・・・。良い着眼点だ」
純「へへっ」
国広「えへへ」
智紀「ふっ・・・」
放課後
衣「では清澄に向かうとしよう」
ハギヨシ「わかりました。先方には連絡をつけてありますのでこのまま車で向かいましょう」
智紀「待って。手ぶらで行くのは相手に失礼。これ、お菓子が入ってるから持っていって」
衣「おお、気がきくな。助かった」
智紀「気にしないで」
純「じゃあ俺たちは透華のとこで待ってる」
国広「うん。朗報を期待しているよ」
衣「任せておけ。衣が必ずやライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べる方法を聞きだしてみせる」
咲「待ってたよ衣ちゃん」
衣「久しいな、咲にノノカ」
和「天江さんも元気そうで何よりです」
咲「でも、突然どうしたの?ハギヨシさんから京ちゃんに連絡があって、私と和ちゃんに会いたいっていう話が来たみたいなんだけど・・・」
衣「うむ。それはだな・・・。おっと、その前に土産を渡しておこう。せっかく話を聞くんだ、受け取ってくれ」
和「立派な包みですね」
咲「うわ~、楽しみ~」
衣「中身は菓子だ(そう智紀が言っていた)」
和「なんでしょうね」ゴソゴソ
咲「わくわくするよ~」ドキドキ
和「これは・・・」
咲「ウエハースがこんなにたくさん・・・」
和(咲さん、これってもしかして・・・)ヒソヒソ
咲(うん。これ、森羅万象チョコのカードだけ抜いたやつだよ)ヒソヒソ
和(まさかこんなものをお土産で持ってくるなんて、信じられません)ヒソヒソ
咲(これはちょっとお仕置きが必要かな・・・)ヒソヒソ
衣「・・・?」ニコニコ
和(何無邪気に笑っているのでしょうかあの子は・・・)ヒソヒソ
咲(森羅万象チョコを大人買いしてお菓子だけ押し付けてくるなんて、これだからお金持ちは・・・。許せないよ!)ヒソヒソ
衣「もういいか?土産はどうだった?気に入ったか?」
咲「うん、とっても・・・」ゴゴゴゴゴゴ
和「せっかくなんで部室に顔だして行きませんか?お茶も出しますし・・・」ドドドドドド
衣「そうか?気を使わせて悪いな」
どうでもいいけど森羅じゃなくて神羅な
>>209
完全一致で出したら怖い
グルーポンもグノレーポンと書いてるし、焼肉酒家えびすは焼肉酒家ゑびすとしてSSに出している
怖がりなのでわかって欲しい
衣「ここが清澄の部室か・・・。ふふ、ベッドなんかがあるぞ。変わってるな」
咲「さて、衣ちゃん。お話する前にせっかくだからちょっと遊ばない?」
衣「そうだな。少しくらいなら」
咲「そうこなくっちゃ。和ちゃん、準備はできてる?」
和「はい、いつでもオーケーです」
衣「それで一体どんな遊びをするのだ?」
咲「ねぇ衣ちゃん。衣ちゃんは食玩とかって知ってる?」
衣「うむ。衣も透華と買い物に行ったときに買ってもらったことが何度かある(スライムプリキュラ!ソーセージとかかな?)」
和「そうなんですか」
咲「その食玩なんだけど、オマケのオモチャだけ取ってメインのお菓子を他人に押し付けたりする行為についてはどう思う?」
衣「それは嫌だな・・・。衣ならそんなことされたら泣いてしまうかもしれない・・・(衣もスライムプリキュラ!ソーセージのシールだけとられてソーセージだけ渡されたら嫌だ)」
咲「・・・そう、よくわかったよ。それじゃあ始めよっか」
和「そうですね」
衣「これは・・・さっきのウエハースか?」
咲「食べ物を粗末に扱う子は、食べ物によって報いを受けなければならないんだよ」
衣「?」
和「ではルールを説明します」
衣「頼む」
和「ここに衣さんが持ってきてくれた100個のウエハースがあります。箱買いすると20個入っていますから5箱買ったということなのでしょう」
衣「・・・?で、そのたくさんのウエハースをどうするのだ?」
和「これはただのウエハースではありません。この中にはハズレとして間にワサビやハバネロ、カラシなどが挟まっています。順番に食べていってハズレを食べた人の負けです」
咲「もちろんハズレを引いたからといって残したりしたりしたらダメだからね。食べ物は粗末にしたらいけないんだから」
衣「・・・わかった。その代わり、この勝負に勝ったら・・・」
咲「わかってるよ。衣ちゃんの質問には何でも答えるから」
衣「それを聞いて安心した。では勝負といこうか」
京太郎「それじゃあ審判はオレがやろう」
咲「それじゃあ勝負開始だよ!」
衣「それではまず誰から食べる?衣でもいいんだぞ?」
咲「順番か・・・」
和「では私からいかせてもらいます」パクッ
和「・・・・・・」サクサク
衣「ハズレじゃなかったのか・・・?」
和「・・・!?」ビクッ
咲(まさかいきなりハズレを・・・?)
和(この苦さ・・・。これはゴーヤ・・・。不味いですけど・・・でも、我慢できないほどじゃない・・・!)
和「いえ、これは当たりですね。美味しかったですよ」
咲「良かった~。一回目で終わっちゃったかと思ったよ~」
衣「100個もあるんだ。そうやすやすとハズレは出ないであろうよ」
京太郎(不味いな・・・。さっき和に頼まれてウエハースに色々仕込んではいたが、まさかこんな勝負に使われるだなんて・・・)
京太郎(責任を取るつもりで審判を引き受けてはみたが、あのウエハースは全てハズレだぞ・・・?オレはバカだからよくわからずみんな変な味のをサンドしちまった・・・)
京太郎(だが、和がハズレを食べていないと言い張る以上、オレはそれを咎めることはできない・・・)
京太郎(万一他のウエハースを調べられたら、俺のしたことがバレてしまう・・・)
京太郎(誰かが自己申告でハズレを引いたというまでオレは耐えるしかないんだ・・・。すまない、みんな・・・!)
咲「それじゃ次は私がいこっかな」
衣「うむ。ウエハースは美味しいからな。早く衣も食べたい」
咲「さて、それじゃあこれなんかどうかな・・・」サクサク
咲「・・・ッ!!」
和「咲さん!?まさかハズレを・・・?」
咲(これは日本ソバ・・・?しかもこのボソボソ感は十割ソバだよぉ・・・。ウエハースと全然合わない・・・。でも、不味いだけでまだ耐えられる・・・!)
咲「ううん、あまりの美味しさに衝撃が走っただけだよ。心配しないで和ちゃん」
京太郎(咲・・・。一体どんな味のハズレを引いたんだろう・・・。ごめん・・・ごめん・・・!)
衣「そんなに美味かったのか。じゃあ次は衣の番だな」キョロキョロ
衣「じゃあ衣はこれにしよーっと」サクサク…
衣(・・・ハズレを引いた!この爽やかなミントの香り・・・、このウエハースには消臭ガムが挟まってりる!?)クチャクチャ
咲「普通の・・・かな?」
和「みたいですね。特に表情に変化はみられません」
衣(美味しくはない・・・。ここは我慢してハズレじゃなかったことにしよう)ゴクリ
衣「なんともなかったぞ」
咲「100個あるし、先は長そうだね」
和「そうですね」
衣「こんなにあるんじゃ喉が渇きそうだ」
京太郎(みんな・・・ごめんッ・・・)
優希「おいーっす」
咲「優希ちゃん!?」
優希「わぁ~、何それー!みんなでお菓子パーティーやっててずるいじょ!私も食べていいかー?」
和「優希、これは・・・」
京太郎「おう、食え食え。好きなだけ食え!いっそ全部食っちゃってもいいぞ」
優希「ほんとかー?いっただっきまーす♪」
咲「ちょっと京ちゃん!」
京太郎「まあまあ、そう怒るなよ咲。可愛い顔が台無しだぞ」
咲「えっ・・・」
優希「こんなにたくさんお菓子があって幸せだじょ♪」サクサク
衣(衣がハズレを引いたからあとはみんな普通のか・・・。でも、あの量を食べるのはきついだろうし、小さい衣には不利だからあいつに食わせておこう)
優希「モグモグ・・・あれ・・・おかしいじょ・・・ムシャムシャ・・・」
和「どうしたんでしょうか?優希の様子がおかしいですね」
京太郎「そんなことないって。ただ沢山食べてるからそう見えるだけだって」
優希(このお菓子、どれもこれも変な味がするじぇ・・・。でも、そんなことあるわけないじょ・・・。お菓子がこんな味するわけない・・・!これは美味しいお菓子!そうに決まってる!)
優希「うおぉぉぉおおおおお!!!!」サクサクサクサクサクサクサクサク
衣「おお、すごい勢いで食べているぞあやつ・・・」
咲「でも、何で泣いてるんだろう・・・?」
和「さあ・・・?」
京太郎(優希、ありがとう・・・。お前に今度タコスをおごってやろう・・・)
咲「すごい・・・結局優希ちゃん、一人で全部食べちゃったよ」
咲(私がハズレを引いたから残りはみんな普通のだった・・・。となると私が我慢して嘘ついてたのがバレなかったから良しとすべきなのかな・・・?)
和(私がハズレを食べた以上、残りは必然的に全て普通のウエハース・・・。あれだけの量を食べるとなれば苦しかったので、優希には感謝しなければなりませんね・・・)
衣「これでは勝敗はつけられないな。いや、困った困った」
衣(衣がハズレを食べたのがバレずに済んだし、あのタコス娘には感謝せねばな)
優希「うぇぇ・・・食べ過ぎたせいか気持ち悪いじょ・・・」
京太郎(そりゃオレが色々と美味しくないものを挟みまくったからな・・・。優希、オレのせいで・・・)
京太郎「じゃあこの勝負は引き分けだな。オレは保健室まで優希を送ってくから、あとは三人で話をつけてくれ」
優希「襲っちゃイヤだじょ・・・///」
京太郎「バーカ、誰が襲うか」
咲「なんか優希ちゃんの食べっぷり見てたら毒気抜かれちゃったね」
和「そうですね」
衣「ところで、衣がここに来た目的なのだが・・・」
咲「そういえば衣ちゃんは何か聞きたいことがあってここに来たんだっけ。いいよ、何でも聞いて」
和「答えられる範囲でですが」
衣「うん、聞きたいことというのはだな・・・」
咲「ええ、確かに私と和ちゃんはRoof-topでメイドのお手伝いをしたことがあるよ」
和「あのときは恥ずかしかったですね」
衣「なるほど、働いていたというのは真であったか」
咲「それがどうしたの?」
衣「うむ。そこの平日限定のランチメニューなのだが、ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチというのを聞いたことはないか?」
和「ライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチですか・・・。懐かしいですね」
咲「うん。あれは美味しかったよね~」
和「そうですね。あれほどのエビフライは世界広しとはいえあそこだけのものでしょう」
衣「おお、なんと食したことがあったとは・・・。で、それはどのようにすれば食べられるのだ?」
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