真美「……おはようございまーす」(118)
事務所
真美「……おはようございまーす」
真美「……」
真美「おはようございまーす!」
真美「……」
真美「……誰もいないの……?」
真美「ピヨちゃ―ん……りっちゃーん……社長ー……」
真美「兄ちゃーん……」
真美「……本当に……誰もいないの……?」
真美「……」
真美「へっへっへー!誰もいないならやりたい放題だもんねー!」
真美「冷蔵庫開けちゃうぞー!ピヨちゃん秘蔵の生チョコレート勝手に食べちゃうぞー!」
真美「いいのかなー?本当に食べちゃうぞー!」
真美「……」
真美「そうかいそうかい。あくまで反応はしないつもりかー!」
真美「……」
真美「……よ、よーし!開けちゃうからねー!」
ガチャッ
真美「……」
真美「空っぽじゃん……」
真美「……」
真美「はぁ……」
真美「本当に誰もいないの……?」
真美「ねぇ……兄ちゃん……」
真美「……」
真美「……どうしようかな」
真美「とりあえず、座っとこうかな」
貴音「zzz」
真美「!!」
真美「お姫ちんいたんだ……」
貴音「zzz」
真美「おーい、お姫ちーん」
貴音「zzz」
真美「……」
真美「邪魔しちゃ悪いかな……」
貴音「zzz」ジュルリ
真美「あ、よだれ垂らしてる」
真美「夢の中でもラーメン食べてるの?」
貴音「zzz」タラーン
真美「……」
真美「……ゲームしよ」
真美「えいっ!この!」
真美「あー!また負けた!」
貴音「zzz」
真美「……飽きた」
真美「……」
貴音「zzz」
真美「めんようなー」ボソッ
貴音「zz……」ピクッ
真美「へへ」
真美「めんようなー」ボソッ
貴音「……!」ピクピクッ
真美「へへへ。めんよ……」
貴音「何奴!?」カッ
真美「!」ビクッ
貴音「真美……?」
真美「あ……ごめんねお姫ちん。邪魔しちゃった」
貴音「私としたことが、うたた寝を……」
真美「よだれ垂らしてたよー」
貴音「!!」
真美「んっふっふー、お姫ちんのことだから、夢でもラーメン食べてたんでしょ」
貴音「ええ、美味なる夢でした」
貴音「双海真美、今日は休みのはずでは……?」
真美「んー?暇だから遊びに来たんだよ」
貴音「そうですか」
真美「そしたら誰もいなくてビックリしちゃったんだけどね。最初お姫ちんに気付かなかったし」
貴音「高木殿は急な出張とかで、律子嬢とぷろでゅーさーは他の者たちの付き添いに、小鳥嬢は……」
真美「ピヨちゃんは……?」
貴音「なにか、急に思い出したように飛び出して行きました」
真美「へぇ……」
真美「鍵もかけないでうたた寝とか、お姫ちん無防備すぎるっしょ」
貴音「満腹になると、つい眠気が……」
真美「何か食べてきたの?」
貴音「ええ、小腹がすいたので、冷蔵庫から少し」
真美「空っぽじゃん……って、アレお姫ちんの仕業?」
貴音「はて?」
真美「昨日あんなに買い置きあったじゃん」
貴音「確かに……」
真美「確かに……じゃないよ。あーあ、兄ちゃんに怒られるんだ―」
貴音「面妖な……」
真美「気になってたんだけどさ、そのめんよーってどういう意味?」
貴音「そうですね、不思議な、とでもいいかえればよいでしょうか」
真美「不思議って……」
真美「どうするの、アレ」
貴音「……そうですね」
真美「うん」
貴音「買い出しに行きましょうか」
真美「行くの?」
貴音「流石にこのままではまずいでしょうし、私が責任をもって補充しておきましょう」
真美「じゃあ真美もついてこっかなー」
貴音「いいのですか?」
真美「うん、どうせこのままでも暇だし、最近あんまりお姫ちんと会えてなかったし」
貴音「では、一緒に行きましょうか。鍵は……ありますね」
真美「お金は持ってるの?」
貴音「ええ、手持ちは十分です」スッ
真美「うわ!お姫ちんちょーお金持ちじゃん」
貴音「いついかなる時でも食事ができるよう、手持ちは常に万全の状態です」
真美「へー」
真美「でもさ、鍵かけちゃったらピヨちゃんとかどうするの?鍵持ってるの?」
貴音「ええ、確かそのはず」
真美「じゃあいっか。そんなに時間かからないよね」
貴音「そうですね、ちょっと買い物をする程度ですから」
真美「よっしゃー。それじゃあ行きますか」
貴音「真美、少し待ちなさい」
真美「うん?」
貴音「一応、書置きを残しておきましょう。誰か帰ってきてもいいように」
真美「そだね」
貴音「……」サラサラ
貴音「これでよいでしょうか」
真美「うん!大丈夫っしょ」
貴音「ええ、では今度こそ」
真美「しゅっぱーつ!」
店
貴音「さて、着きましたね」
真美「店の中すずしー」
貴音「今日は暑いですからね」
真美「とりあえず何から買うの?」
貴音「そうですね、ジュース3本とプリン、ヨーグルトに、あとは……」
真美「ジュース3本って……それだけ飲み食いして居眠りなんて、お姫ちん牛になっちゃうんじゃない?」
貴音「食事は別腹ですが、胃は4つもありませんよ」
真美「いやいや、そうじゃなくて」
貴音「!!」
真美「どったの?」
貴音「真美、ちょっとこっちへ」
真美「?」
貴音「これは……なんと素敵な」
真美「……インスタント麺全品半額?」
貴音「真美、もうひとつカゴを用意してくれますか?」
真美「いいけど……まさか」
貴音「これを目にして買わずにはいられないでしょう」
真美「やっぱりね、こうなっちゃったらお姫ちんとまらないもんね」
貴音「これとこれとこれと……」
真美「だめだこりゃ。もう自分の世界に入っちゃったよ」
貴音「ああ、どれを選べばよいかわかりません。なんと贅沢な悩み……」
真美「……さて、カゴ持ってきてあげますかー」
貴音「ああ……ああっ……!」
真美「……流石にこれはやりすぎっしょ、お姫ちん」
貴音「はて」
真美「帰りどうすんのさー!こんなに持って帰れないよ!」
貴音「問題ありませんよ、真美。真美がいるのですから」
真美「そうじゃないよ!こうなるとは思ってたけど……」
真美「いくつか減らそうよ。カゴ二つ分もいらないでしょ」
貴音「しかし……この出会いもまた一期一会。次に来たときには陳列されてないかもしれません」
真美「じゃあ有名どころだけでも減らそうよ。これじゃあ本末転倒じゃん」
貴音「はて、本末転倒とは……?」
真美「冷蔵庫の中身買いに来たんでしょ?」
貴音「そうでした……私、つい熱くなりすぎてしまいました」
真美「しっかりしてよねお姫ちん」
貴音「では仕方ありませんね。これとこれはあきらめましょう」
真美「これと……これも」
貴音「ああっ!」
真美「あのね、お姫ちん」
貴音「なんでしょう」
真美「お姫ちんは普段からお店のラーメン食べてるのに、なんでインスタント麺なんか買うの?」
貴音「真美」
真美「なに?」
貴音「店は店、インスタントにはインスタントなりの趣というものがあるのです」
真美「やば……」
貴音「それらを一緒くたにしてはいけません。しかしながら……」
真美(まーた、お姫ちんのスイッチが入っちゃったよ……)
真美(この隙に、これとこれも戻しておこう)
貴音「……ですが、最近ではインスタントながら生めんタイプの本格派も……」
真美「お姫ちんお姫ちん」チョンチョン
貴音「……なんでしょう、双海真美」
真美「買い物終わったよ」
貴音「!!」
真美「お姫ちんが熱弁してる間に、全部済ませておいたからね」
貴音「また、やってしまいました」
真美「この前の雑誌のインタビューも、3時間かかった割に掲載量少なかったよね」
貴音「ええ、ぷろでゅーさにも注意を受けました」
真美「お姫ちんの食への情熱は本物だなー。うわっ熱っ!」
貴音「それほどでもありませんよ///」
真美「別に褒めたわけじゃないんだけどなー」
マタノオコシヲー
真美「んぐう……おお重たい……」
貴音「貸しなさい、真美」
真美「良いよ別に。お姫ちんももう一個袋持ってるでしょ」
貴音「構いません。ほら」ヒョイ
真美「おお、お姫ちん力持ち!」
貴音「それほどでもありません。私ならばこれぐらい容易いこと」
真美「お姫ちん頼りになるね!」
貴音「それほどでも……///」
真美「まあ、買い出しに行く羽目になった原因もお姫ちんなんだけどね」
貴音「」
貴音「付き合わせてしまって申し訳ありません、真美」
真美「いいってことよ!同じ事務所の仲間っしょー!」
貴音「真美は優しいのですね」
真美「ふぇっ!そそそそんなことないし!暇だっただけだし!」
貴音「ふふふ」
真美「そんでねー。兄ちゃんったらもう怒って怒ってすごかったんだよー」
通行人「すみません!あの……」
貴音「はい、なんでしょうか」
通行人「もしかして765プロの……」
貴音「はい、私、765ぷろの四条貴音と申します」
通行人「やっぱり!じゃあもう一人は……」
真美「双海真m……」
通行人「双海亜美ちゃんですよね!?僕、竜宮小町のファンなんです!いつも応援してます!」
貴音「……!」
真美「……」
貴音「いえ……彼女は亜美ではなく……」
真美「……。うん!そうだよ!応援してくれてありがとー!」
貴音「!!」
通行人「いやぁ、本物に会えるなんてしあわせだなぁ!次のテレビ出演はいつなんです?」
真美「えっと……その……。まだ秘密!でも近いうちに出れるから楽しみにしててね!」
貴音「……」
通行人「あ、あとサインもらえますか?宛名は通行人で」
真美「……うん」
真美「……」サラサラ ピタッ
真美(これで、いいんだよね……)
貴音「……貴方の目は、節穴ですか」
通行人「?」
真美「いいんだよお姫ちん!」
貴音「私は、貴方の目は節穴かと聞いているのです……!!」
通行人「節穴って……どういう意味ですか?」
貴音「貴方の目の前にいるのは……」
真美「お姫ちん!」
真美「はいこれ!それじゃあ亜美たち急ぐからこの辺でね!」
通行人「ありがとう!家宝にするよ!」
真美「それじゃあねー!」
貴音「……」
貴音「真美……あれでよかったのですか?」
真美「うん、いいんだよ。あれで」
貴音「私は……」
真美「実はさ、結構あるんだよねー。さっきみたいなこと」
貴音「……」
真美「最初は一生懸命説明したんだけどさ、なかなか分かってもらえなくて」
貴音「……」
真美「この前なんか『双子だってごまかすなんて、生意気になったんだな』とか言われちゃってさ……」
真美「それから、亜美に迷惑かけちゃったら悪いと思って、こうしてるんだよね」
貴音「……」
真美「……」
貴音「……そう、ですか……」
真美「お姫ちんどったのー!?なんか暗いよ?もっとテンション上げ上げで行こうよ!」
貴音「!!」
真美「お姫ちんが気に病むことなんかないじゃん!ほら!真美は平気だからさ」
貴音「……そうですね。せっかくこうしていられるのですから」
真美「そうだよ!その調子っしょー!」
貴音「ええ、上げ上げで行きましょう」
真美「あ!お姫ちんが上げ上げなんていうの初めて聞いた」
貴音「上げ上げ!上げ上げ!」
真美「いいよーレアなお姫ちんいいよー!」
貴音「ふふふ」
真美「えへへ」
貴音「真美、あそこ」
真美「どったのお姫ちん」
貴音「あのすいーつ店で、生ちょこを買っておきましょう」
真美「あー、あれないとピヨちゃん発狂しちゃうもんね」
貴音「大変美味でした……」
真美「ほらほら、遠い目になってないでさっさと行こうよ」
貴音「そうでした」
真美「突撃ー!」
貴音「あまり急ぐと危ないですよ!」
真美「うわぁ!」ステーン
貴音「真美!大丈夫ですか!?」
真美「いてて……これじゃあはるるんの事笑えないや……」
貴音「どこか怪我は?」
真美「ちょっとすりむいただけだから、平気平気」
イラッシャイマセー
貴音「生ちょこれーとを一つ」
真美「……」ジーッ
貴音「それと、このけーきも一つ」
真美「えっ」
貴音「私からのお礼を込めて、今日は真美に好きなものを奢りましょう」
真美「いいの!?でも悪いなーそんなつもりはないんだけどなー」
貴音「ほら、よだれが」
真美「えっ?」
貴音「ふふ、冗談ですよ」
真美「びっくりさせないでよお姫ちん!」
貴音「あと、これとこれとこれとこれと……」ジュルリ
真美(お姫ちんの場合冗談じゃないや……)
アリガトウゴザイマシター
真美「……重い」
貴音「流石に買いすぎてしまいました……」
真美「一応765プロ全員分買っちゃったからねー」
貴音「まぁ、食事の前の軽い運動と思えば、それもまたよしとしましょう」
真美「そだね。達成感ハンパないもんね」
貴音「ええ」
真美「あ!もうこんな時間だよお姫ちん!」
貴音「そうですね、少し時間がかかりすぎました」
真美「それじゃ、もどろっか」
貴音「はい」
真美「んふふー。ケーキケーキ♪」
貴音「……」
765プロ
真美「あれ、鍵かかったまんまだ」
貴音「まだ、誰も戻ってきてないのでしょうか」
真美「だね。お姫ちん鍵どこー?」
貴音「左ぽけっとの財布の中に」
真美「あったあった。開けたよー」
貴音「ただ今戻りました」
真美「ただいまー」
貴音「ふぅ……」
真美「うわっあっついなーこの部屋!エアコンエアコン!」ヒョコヒョコ
貴音「……!」
真美「ふわー涼しー。さてと、ケーキケーキ!」
貴音「真美、ちょっとこちらへ」
真美「どったの?」
貴音「ここにかけなさい、真美」
真美「うん」
貴音「すりむいたところは……膝ですね」
真美「ニーソ破けちゃったよ。結構気にいってたんだけどね」
貴音「あと足首も」
真美「え?いいよ別に。足首はなんともないよ」
貴音「そうですか?」スッ
真美「イタッ」
貴音「少し、腫れてますね。やはり」
真美「ばれちゃったか。てへぺろ」
貴音「私は、貴方のことが好きですよ、真美」
真美「ふおっ!これはお姫ちんから大胆な発言が……」
貴音「私は今、まじめな話をしているのです」
真美「えっ」
貴音「先ほどの人違いの件といい、この足首の件といい」
真美「う、うん」
貴音「真美は、少し自分をないがしろにしすぎではありませんか?」
真美「……そんなことないよ」
貴音「私は、そんな貴方が許せない」
真美「……」
真美「そんなの……真美の勝手じゃん」
貴音「……それです」
真美「なにが?」
貴音「どこか自分をないがしろにして、自暴自棄になっているように思えます」
貴音「双海真美、貴方はそんな卑屈に過ごすような人ではありません」
貴音「もっと自分を大切にするべきです。卑屈な真美など、誰も見たくはありませんよ、きっと」
真美「お姫ちんさっきからおかしいよ?」
貴音「はて?」
真美「真美もさ、別にあきらめたわけじゃないよ?」
貴音「……」
真美「そりゃあ、間違われたらむっとするし、怪我してもちょっとぐらいなら我慢するけどね」
真美「だからって、辛いことがあるからって、それは全部悲しいことじゃないよ」
貴音「真美……」
真美「亜美と会えなくてさみしいけどさ、これから真美も有名になって、どんどん活躍してさ」
真美「そしたら、もっと会う機会もなくなっちゃうと思う」
真美「だからさ、今は出来るだけ、亜美の力になってやりたいなーって。亜美が活躍したら、真美もうれしいし」
貴音「……」
真美「ほら、真美ってお姉さんじゃん?ここは姉の意地の見せどころっしょ―!」
真美「だからさ、そんなに気にしなくてもいいって……ぅあ……」
貴音「……」ギュッ
真美「お、お姫ちん!?どどどどったの?」
貴音「双海真美、貴方は……」
真美「……お姫ちんは、やさしいね」
貴音「……今の私には、こうすることしかできません」
真美「んっふっふ。お姫ちんふかふかですなー」
貴音「ふふふ」
貴音「さて、救急箱を持ってきます。怪我の処置をしたら、けーきでも食べましょうか」
真美「まってましたー!」
貴音「さてと、救急箱は……ありました」
貴音「少し、沁みますよ」
真美「うん、いつでもいっちゃっt……くぅ~!」
貴音「あと湿布も」
真美「えぇーいいよいいよー湿布なんて。臭いし」
貴音「ダメです。これだけ腫れているんですから」
真美「ちぇーっ」
その後
真美「それじゃあいっただっきまーす!」
貴音「なんと……素晴らしい……絶妙な甘みと酸味のはーもにー!」
真美「お姫ちん語りますなぁ」
貴音「では語らず、ただ無心に味わうとしましょう」
真美「ケーキ食べるのって結構久々なんだよね」
貴音「去年のクリスマス以来でしょうか?」
真美「うん、そだね……って、お姫ちん食べるの早!」
貴音「あぁ!いつの間に!」
真美「ほんと、食に関してはキャラ変わるねぇ」
貴音「では……」ソー
真美「だめだよお姫ちん、あとは皆の分だから」
貴音「」ショボーン
真美「落ち込みすぎっしょ、お姫ちん……」
真美「あー食べた食べた」
貴音「大変美味でした」
真美「お姫ちんごちそーさま!」
貴音「いえいえ、お粗末さまです」
真美「まだ誰も帰ってこないね」
貴音「ええ……。それにしても小鳥嬢はどこに……?」
真美「まぁ、ピヨちゃんならそのうちもどってくるっしょ」
貴音「だといいんですが……」
真美「ねぇお姫ちん、一緒にゲームしよ?」
貴音「げーむ……・」
真美「うん、やりかた教えてあげるからさ、一緒にやろうよ」
貴音「私で、いいんですか?」
真美「全然問題なし!むしろ対戦相手が増えてラッキーだよ」
貴音「では、そうしましょうか」
貴音「……面妖な……!」
真美「あー!またお姫ちんやられちゃた!」
貴音「む……も、もう一度……!」
真美「オッケー!それじゃいくよ!」
貴音「望むところです!」
真美「そりゃ!うりゃっ!」カチカチカチ
貴音「ふんっ!」ブオン
真美「お姫ちんお姫ちん、本体動かしても意味ないって」
貴音「つい、身体が勝手に……ふっ!」
真美「あーいいよお姫ちん!そこ!そこ!」
貴音「行きなさい!」
真美「やった!やった!お姫ちん初クリア!」
貴音「私にかかれば、これくらい造作もないこと」
真美「17回もコンティニューしたけどね」
貴音「とっぷしーくれっとですよ、真美」
真美「飽きた」
貴音「私は未だ続けたいのですが」
真美「じゃあ一人用で練習する?」
貴音「……」
貴音「やはり、やめておきましょう。私も疲れました」
真美「うん、そだね」
貴音「……」
真美「なんだか眠くなってきちゃった」
貴音「寝るとよいでよう。寝る子は育つと言いますし」
真美「真美これ以上育っちゃったらどうしよう?兄ちゃんなんか瞬殺で悩殺だよ?」
貴音「なら、私も負けませんが」
真美「かーっ!お姫ちんには敵わないや!」
貴音「そんなことはありません。真美は育ちざかりなのですから」
真美「そうかなぁ……」
貴音「ええ、真美は素敵な女性になると思いますよ」
よいでよう→良いでしょうってことで
貴音「真美」
真美「なに?」
貴音「ここへ」ポンポン
真美「膝枕?いいの?」
貴音「ええ、どうぞ」
真美「なんか照れくさいな……それじゃ、お言葉に甘えて……」
貴音「……」
真美「……」
真美「なんか、こうしてると落ち着くね」
貴音「そうですか?」
真美「うん、すごく気持ちいい……」
貴音「ふふふ」
真美「あのさ、お姫ちん」
貴音「はい?なんですか、真美」
真美「さっき、街中で真美が亜美と間違われたときさ、かばってくれようとしたでしょ?」
貴音「その時は、差し出がましい真似を……」
真美「ううん、いいよ別に。あのときさ、すごくうれしかったんだよね」
貴音「……」
真美「お姫ちん、結構マジな顔してて、ちょっと怖かったんだけどさ。でもね」
貴音「……はい」
真美「そこまで、真剣になってくれてたのかなって。そう考えると、うれしくてさ……」
真美「真美は亜美のお姉さんだけどさ、お姫ちんが、真美のお姉さんになってくれたらなって……」
貴音「ふふ」ナデナデ
真美「!!」
貴音「真美……?どうしたのです」
真美「え?」
貴音「涙が……」
真美「あ……いやだな、もう……」
真美「ま、まったく!年取ると涙腺が緩んでたまりませんな!」
貴音「よいのですよ」
真美「え?」
貴音「泣きたいときには、思い切り泣きなさい。そうすれば、きっと笑顔は輝きますよ」
真美「……うん」
貴音「今日ぐらいは、姉を休んでもいいのです。いろいろ想うところもあるでしょうが……」
貴音「もっと自由に生きても、いいのですよ」
真美「うん、ありがとう、お姫ちん」
貴音「よしよし」ナデナデ
真美「あのね、お姫ちん」
貴音「はい」
真美「子守唄、歌ってくれる?」
貴音「ええ、構いませんよ」
貴音『ねんねん ころりよ おころりよ』
真美「……」
貴音『坊やは よい子だ ねんねしな』
真美「……zzz」
貴音「真美?」
真美「zzz……zzz……」
貴音「寝ましたか……」
貴音(真美も、いろいろと大変でしょう)
貴音(だからせめて、今日、今この時ぐらいは、ゆっくりと休ませてあげたい)
貴音(私は、そう思うのです)
貴音「ふふふ、真美は可愛いですね」
貴音「あ……なにやら私も眠気が……」
貴音「……」
真美「zzz……zzz……」
貴音「zzz……」
夜 765プロ
P「あれ?明りがついてないな?誰もいないのか?」
P「鍵は……あいてるな?」
ガチャ
P「ただ今もどりましたー!」
春香「戻りました……ふわぁ……」
響「今日は本当に疲れた……」
P「誰もいないのか?」
春香「あ、プロデューサーさん。こっちこっち」
P「ん?どうした春香」
響「うお……」
P「おお……」
貴音「zzz……」
真美「うぅん……zzz……」
P「貴音と真美……今日はオフのはずなんだが……」
春香「ふふふ、真美ちゃんかわいい」
貴音「……zzz」ジュルリ
真美「うぅう……」
響「あ、貴音のよだれが……」
P「プッ……あはは。真美の顔、よだれまみれだ!」
春香「ふいてあげようかな」
P「いや、そっとしておこう。真美の顔よく見てみなよ」
春香「え?」
P「なんか、幸せそうだろ?そっとしておこう」
響「貴音の膝枕は極上だからな。自分もこうなっちゃうぞ」
春香「よだれまみれに?」
響「……まぁ、確かにそうなってたような……」
バーン!
小鳥「はぁっはぁっ……遅くなりまして……すみません!」
貴音「何奴!!」ガバッ
真美「うわっ!」
響「あ、起きちゃった」
P「小鳥さん、どこいってたんです?」
小鳥「えっ!?あ!いや、その……!?」
小鳥(新刊が出てるの気付いて他県まで飛び出してたなんて言えない……!)
春香「おはよう、貴音さん、真美」
貴音「……ここは?」
真美「うわ……寝すぎちゃった……って、なにこれ!?顔中べたべた!」
響「貴音のよだれだよ、それ」
真美「うわぁ……」
貴音「なんと……」
その後
P「へぇ、今日一日、二人で過ごしてたのか」
真美「うん」
貴音「そうです」
春香「二人で何してたの?」
真美「うーん、買い物行ったり、ゲームしたり……」
貴音「そうでした。皆の分のけーきを買ってあるのですよ」
響「本当か!?貴音!」
貴音「ええ、どうぞ召し上がってください」
さらにその後
P「皆、忘れ物はないか?」
春香「大丈夫です!……多分」
響「自分は大丈夫だぞ!」
小鳥「私も」
貴音「大丈夫ですか?真美?」
真美「うん。亜美の分のケーキも持ったし、大丈夫」
P「残念だったな、真美。亜美たちは直帰したみたいで」
真美「ううん。これからまた亜美に会えるからへいきだよ兄ちゃん」
P「それもそうだな。……よし、戸締りよし!」
P「皆、気をつけて帰るんだぞ」
一同「はーい」
真美「お姫ちん、こっち方向だっけ?家」
貴音「まぁ、似たようなものですよ。もう夜も遅いですからね」
真美「レディに夜道は危険だもんね」
貴音「ええ、私が途中までえすこーとして差し上げましょう」
真美「うん!」
貴音「……」
真美「……」
真美「ねぇ、お姫ちん」
貴音「なんですか、真美」
真美「ううん、やっぱなんでもない」
貴音「そうですか」
真美「えへへ」
貴音「ふふ……」
真美「それじゃあ、ここまでだね、お姫ちん」
貴音「もう、よいのですか」
真美「うん。もうすぐそこだかんね」
貴音「そうですか。それではまた明日」
真美「うん、そんじゃねー」
貴音「……」
真美「……」
真美「……お姫ちーん!」
貴音「!!」
真美「今日はありがとー!すっごく楽しかったよー!」
貴音「ええ!私もです」
真美「それじゃあねー!」
貴音「ええ」
真美(お姫ちんって、優しくて、強くて、頼りがいがあって……)
真美(真美も、あんなふうになりたいなぁ……なんて)
真美(あそこまで大食いにはなれないけどね……)
真美(お姫ちん、本当にありがとう……すっごく、すっごく嬉しかったよ!)
真美「ただいまー!」
亜美「あ!やっと帰ってきた!もー今日は一緒にゲームするって約束だったっしょー」
真美「めんごめんご!あとこれ!」
亜美「うわ!ケーキじゃん!どしたのこれ!?」
真美「んっふっふー!姉に抜かりはないのです!」
亜美「ありがと!真美!」
真美「いえいえ!どういたしまして」
真美(最近結構大変だけどさ、やっぱり真美は、亜美のお姉さんでいなきゃいけないもんね!)
おわり
まみたか増えろ!ってことで、即興でミスしまくったけど
読んでくれた人、支援してくれた人、ありがとうございました
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