兵士「へぇ...喋る勇者の剣かぁ...」(22)

兵士2「そう、しかもその剣を触れるのは「勇者の証」を手に入れた奴にしか触れないって訳よ」

兵士「勇者の証?何それ?」

兵士2「ここの城から北にずっと上っていくつもの山脈を越えて海をさかのぼっていって
神の大陸って言われるとこに行ったらまたいくつもの...」

兵士「も、もう良いよ、その話し何時間かかるんだよ...」

兵士2「え~...ここからだぜ?まぁ聞けや、そんでもって...

上官「コラァ!!何さぼってんだ!?きちんと見張らんか!」

兵士「は、はい!」

上官「ったく...で?何の話ししてたんだ?」

兵士「はい...勇者の証の話しを...」

上官「勇者の証だァ...?ああ、あの伝説の奴か、で?どうしてそれを?」

兵士2「いやぁ...ヒマでして...」

上官「ヒマじゃねえよ...仕事しろや、まぁいいか、報告書書くのめんどくさいし
もう、さぼんじゃねえぞ?!じゃ!」ツカツカ...

兵士「ふぅ...ったくもう、僕まで怒られたじゃんか」

兵士2「いや~すまん、すまん、でも暇だよなぁ...正門なのに誰も来やしねぇ...」

兵士「まぁ、良いじゃんいちいち「誰だ!」って言わなくても良いし」

兵士2「それもそうか...もしかして王様って友達居ねえんじゃね?」

兵士「ちょ...」

上官「くらぁ!!」

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上官「ったくさぁ...何で報告書を何枚の書かなきゃいけねえんだよ...」

兵士「すいません...」

上官「それも話しが話しだから言い訳すんのに苦労したしよぉ...」

兵士2「サーセン...」

上官「いくら奢ってもらっても足りねえや、まぁ良いか...それよりも飯だ!」

『食堂』

ザワザワ...

上官「どうした?おら食え!」ガツガツッ!

兵士2「おら食えって...俺の奢りですよ?」

上官「うるせぇ、あっ!そう言えばよ、お前らさっき「勇者の証」がどうとか
言ってたよな?」

兵士「は...はぁ」

上官「関係有るか分かんねえがよ、ここからずっと南の村から勇者のご一行
の目撃情報があってよ、国王がそのご一行をうちの軍隊に引き入れたいってさ」

兵士「へ?でも良いんですか?何か重大な事があって旅してるかも知れないんじゃ...」

上官「ああ、どうやらただアテも無く旅をしてるって聞いたが...判んねえな」

兵士2「まあ傭兵みたいなもんじゃねえか?勇者も金に困ってるとか?
ソープばっか行ってたりしてな!」

兵士「それは、分かんないけど...」

上官「確か勇者って女かもしれないってウワサもあるんだな、これが」

兵士2「じゃあホスト?」

上官「知らんよ...ま、この国によるかもまだ分かんないしな」

兵士「そうなんですか...」

兵士2「おっ、そろそろ時間だ、兵士、行こうぜ」

兵士「うん」

上官「さぼるなよ、また報告書書きたくないんだよ」

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兵士2「裏門は誰も来ないな...」

兵士「うん...」

兵士2「はあ...ちょっくら便所いってくらぁ...」ツカツカ

兵士「いってらしゃい」

兵士「...」

?「あの...」

兵士「は、はい?」

?「ここはお城ですか?」

兵士「はい城ですよ国王にお会いになられるのなら正門から入れますよ
ここから真反対です」

?「ありがとう」ツカツカ...

兵士「フード被って顔見えなかったけど...まあ良いか...」

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兵士 zzz...

上官「....おい」

兵士「ッハ...あ...」

上官「仕事中に寝るとは良い度胸だなぁ?」

兵士「も...申し訳ありません!」

上官「まぁいい、師団長が全員招集しろって言ってたから、早く中庭に
行くぞ」

兵士「はぁ...?」

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兵士2(おお、来た来たこっちだ)ヒソヒソ

兵士(何処行ってたんだよ?)ヒソヒソ

兵士2(いやぁ人が多くて)ヒソヒソ

師団長「そこ!喋んな!」

兵士「はっ!」

兵士2(ばーか)ボソッ

兵士「...」


師団長「いきなり呼び出してすまんな実は貴様らに良いニュースが有るんだ
勇者殿どうぞ」

勇者「...」

兵士(...あの服...どこかで...)

師団長「このお方は勇者さまだ、今日から貴様らを鍛えて下さるそうだ
有難く思え!」

「「「はっ!」」」

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中庭

兵士2「まさかこんな国に勇者さま来るとはな~つーか女じゃねえし...」

兵士「女顔してたからそういう噂が流れたんじゃない?」

兵士2「まぁシャアねぇやな...それよりさ!」

兵士「どうしたの?」

兵士2「今度の休みに宿屋の隣に出来た居酒屋行かねえか?」

兵士「でも僕酒飲めないよ?」

兵士2「まぁまぁ、行くだけ行ってみようぜ?な?」

兵士「うん...分かった」

兵士2「よし決まり!今度の休みに宿屋の前に集合な?」

兵士「分かったよ...ん?」

兵士2「お?どうした?」

姫「だっかっら!何で私があんなクソ王子と結婚しなけりゃならないのよ!」

王「こ...これ、下品な事を口に出すでない...」

姫「だいたいねぇ!父さんは臆病すぎるのよ!何であんな国と交流しようとするのよ?」

王「い...一応隣国だし...あっちの漬物美味しいし...」

姫「ばっかじゃないの?!」



兵士2「おうおう...やってるねぇ...」

兵士「姫様怖いね...」

兵士2「何であんな怒ってんだ?」

兵士「そりゃぁねぇ...」

兵士2「そろそろ、上官来そうだな...」

上官「おいおい...またサボってんじゃねえのか?」

兵士「あ、上官!」

兵士2「いやぁ...またあの国王と姫がケンカしてて面白そうで...」

上官「またぁ?めんどくさいな...ここはほっといて正門行って来い、あっ
兵士は裏門な?」

兵士「え~?」

上官「いいから行ってこんかい!」

裏門

兵士「一人って凄いヒマなんだよねぇ...」

兵士「はぁ...だれも来ないよこんな所...だいたい王様は変な税金ばっか
作って、変な国と交流ばっかして...自分の国には何にもしないって...」

勇者「ほう?こんな所で政治の話しか?」

兵士「うわっ!ごっご御苦労さまです!!」

勇者「畏まらんでいい、それよりもこの国の国民は王に相当不満をもってるのか?」

兵士「へ?さ...さあ?」

勇者「さぁ?」

兵士「いや、分からないんですよ、今の国王に不満を持ってるやつもいれば
今の国王で十分っていってる奴も居るんで...」

勇者(この国は此処まで落ちぶれたのか...)

勇者「そうか、おっとずいぶん話しこんでしまったな、そろそろ貴様の隊の
怖い上官が来る頃だな...」

兵士「へ?」

上官「おら!誰が勤務中に話しても良いって...こ、これは勇者殿!」

勇者「ああ、こいつを怒らないであげてくれ、私が勝手に話しこんで
しまってな」

上官「はっ!」

勇者「それでは...」ツカツカ...

上官「はぁ...ビビったぁ...何があったんだよ?」

兵士「いや...独り言を言ってたら...勇者様が来て...」

上官「怖いことすんじゃないよ全く...寿命縮まるだろうが...まぁ、いいや
じゃあ俺は見回りに戻るが、さぼんなよ?」ツカツカ...

兵士「はい」

兵士(はぁ...あの何とも言えない緊張感...嫌いじゃ無い)

兵士(そろそろ終わりかな?)

ゴーン...ゴーン...

ーーー
ーーーー

姫の寝室

姫「ったくもう~!腹立つな~!」 ボフッボフッ

勇者「姫、枕なんぞ殴っても気は治まりませんよ?」

姫「だってさぁ...あのバカ親父また出張とか言って隣の国に行ったのよ?
まだ予算会議とかも満足に出来てないし...はぁ~...」

勇者「それは気の毒に」

姫「ホントにそう思ってるの~?」

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