マミ「可愛い後輩を見守り隊」(155)

マミ「今日は日曜日」

マミ「学校はお休みよ」

マミ「そして魔女の反応もないわ」

マミ「つまり、今日は暇なの!」

キュゥべえ「…」

マミ「暇なの!」

キュゥべえ「そうだね」

マミ「ねえ、キュゥべえ?」

キュゥべえ「なんだい?」

マミ「暇なの…」

キュゥべえ「うん、そうみたいだね」

マミ「……」

キュゥべえ「……」

マミ「構ってよ」

キュゥべえ「嫌だよ」

マミ「えー?何でよ?」

キュゥべえ「だって僕は暇じゃないからね」モグモグ

キュゥべえ「むしろ忙しいくらいだ」

マミ「その割りには美味しそうにケーキを食べてるわよ?」

キュゥべえ「それはマミのケーキが美味しいからだよ」モグモグ

マミ「そう?」

キュゥべえ「きゅっぷい」

キュゥべえ「マミ、おかわりが欲しいな」

マミ「ダメよ、もう4つ目よ?」

キュゥべえ「どうして?いいじゃないか、減るもんじゃなし」

マミ「だって私の分がなくなるじゃない」

キュゥべえ「また作ればいいだろう?」

マミ「作ったら作った分キュゥべえが食べるんでしょ?」

キュゥべえ「うん、そうだよ」

マミ「そこは否定しないのね?」

キュゥべえ「だってマミのケーキが美味しいからね」

マミ「誉めてくれてありがとう」

キュゥべえ「どういたしまして」

キュゥべえ「だからケーキちょうだい」

マミ「ダーメ、いくら美味しいからってたくさん食べちゃダメよ?」

キュゥべえ「どうして?僕は大丈夫だよ」

マミ「ダメなものはダメなの」

キュゥべえ「マミはケチだなぁ」

マミ「はいはい、そうですよーだ」

キュゥべえ「なら僕は帰るね」

マミ「えっ?ま、待って!」

キュゥべえ「なんだい?やっぱりケーキを作ってくれる気になった?」

マミ「それは違うわ」

キュゥべえ「なら帰るね」

マミ「だ、だから待ってってば!」

キュゥべえ「しつこいなぁ」

マミ「もっと私とお話しましょう?」

キュゥべえ「嫌だよ、僕は忙しいんだ」

マミ「でもケーキを食べる時間はあるんでしょ?」

キュゥべえ「うん、否定はしないよ」

マミ「だったらお話しましょうよ」

キュゥべえ「そんなに暇なら出掛ければいいじゃないか」

マミ「う…」

キュゥべえ「それに僕以外にもいくらでも相手はいるだろう?」

キュゥべえ「クラスメイトでもいいし、まどか達でもいい」

キュゥべえ「君は別に一人じゃないんだからね」

マミ「そ、そうだけど…」

キュゥべえ「けど?」

マミ「みんな、今日は予定が入っているから…」

キュゥべえ「だから僕しかいないと?」

マミ「う、うん」

キュゥべえ「そうかい、わかったよ」

マミ「キュゥべえ、なら…!」

キュゥべえ「ケーキをくれたら考えてもいいよ」

マミ「や、やっぱりそう来るのね…」

キュゥべえ「食べたいからね」

マミ「はぁ…仕方ないわね、わかったわ」

マミ「はい、ケーキよ」

キュゥべえ「ありがとう、マミ」

マミ「でもこれが最後よ?」

キュゥべえ「うん、わかったよ」モグモグ

マミ「ねえ、キュゥべえ」

キュゥべえ「なんだい?」モグモグ

マミ「キュゥべえの用事ってなんなの?」

キュゥべえ「僕の用事?そうだね…」モグモグ

マミ「……」

キュゥべえ「……」モグモグ

マミ「………」

キュゥべえ「もぐもぐ」

マミ「…もしかして用事ないの?」

キュゥべえ「きゅっぷい」

キュゥべえ「マミ、おかわり」

マミ「誤魔化しても無駄よ?」

キュゥべえ「じゃあ僕は帰るね」

マミ「ちょ、ちょっと?お話はまだ終わってないわよ?」

キュゥべえ「もう食べ終わったからね」

マミ「ケーキあげたらお話するって約束したじゃない!」

キュゥべえ「僕は考えると言っただけだよ?」

マミ「なら…」

キュゥべえ「そして考えた結果、僕は帰ることにしたんだ」

マミ「えぇ?酷いわ…」

キュゥべえ「と言うわけだよ、マミ」

キュゥべえ「ばいばい」

マミ「なんなのよ、もう…」

マミ「………」

マミ「はぁ、仕方ないわ。ショッピングにでも行きましょう」

マミ「そうね、新しい髪飾りでも買おうかしら?」

マミ「他にも色々欲しいものはあるし」

マミ「食材も買っておかなくちゃね」

マミ「最近、キュゥべえが毎日食べに来るから大変なのよ?」

マミ「そうと決まったから、早く準備しなくっちゃ」

マミ「んっと…」

マミ「うん、これでオッケーね」

マミ「行ってきまーす」

―――

マミ「えっと、何か良い髪飾りはないかな?」

マミ「んー…」

マミ「あっ!このリボン、鹿目さんに似合いそうだわ!」

キュゥべえ「そうだね」

マミ「きゃっ?」

キュゥべえ「やあ、マミ」

マミ「やあ、って…あなたいたの?」

キュゥべえ「ううん、たまたまここにいただけだよ」

マミ「たまたま?ここは、あなたが来るような場所じゃないと思うけど…」

キュゥべえ「魔法少女の素質をもつ子を探していたらたまたまここに辿り着いただけかな」

キュゥべえ「決して、マミの後を着けてきたとかじゃないからね」

マミ「そ、そう…」

キュゥべえ「それに、ここにはたくさん人がいるからね」

マミ「ほら」

まどか「ほむらちゃん、どこにあるの?」

ほむら「こっちだよ、鹿目さん」

まどか「あっ、これがほむらちゃんが言ってたリボンかな?」

ほむら「うん」

マミ「あら?鹿目さんと暁美さんだわ」

キュゥべえ「まだ僕たちには気付いていないようだよ」

マミ「ええ…」

キュゥべえ「一緒に買い物してるみたいだね」

マミ「2人とも予定があるって言ってたけど、このことだったのね」

キュゥべえ「誘ったのに断られたのかい?」

マミ「……」

キュゥべえ「なるほどね」

マミ「うぅ…」

キュゥべえ「まあいいじゃないか、2人っきりが良かったんだと思うよ」

マミ「そ、そうよね…」

まどか「ねえ、似合ってるかな?」

ほむら「うん、似合ってるよ」

まどか「えへへ、ありがとう」

ほむら「そ、それに…」

まどか「それに?」

ほむら「す、すごく可愛いです…!」

まどか「えっ?か、可愛いだなんて…」

まどか「えへへっ!ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「鹿目さん…!」

まどか「それじゃあ買ってくるね」

ほむら「う、うん」

キュゥべえ「相変わらず仲の良い2人だね」

マミ「そうね、羨ましいわ…」

キュゥべえ「マミだって2人との仲はいいじゃないか」

マミ「そ、そうかしら?」

キュゥべえ「僕にはそう見えるよ?仲良しな後輩と先輩とでも言うのかな?」

マミ「キュゥべえ…!」

キュゥべえ「まあ、今日はマミは2人に断られたらしいけどね」

マミ「……」シュン

キュゥべえ「そんなに気を落とさないでよ、マミ」

マミ「だってぇ…」

キュゥべえ「きっと2人にも何か事情があったんだよ」

マミ「事情が…?」

キュゥべえ「うん、だから気にしない方がいいんじゃないかな?」

マミ「……そ、そうね」

キュゥべえ「なんなら、今から話しかけてみたらどうだい」

キュゥべえ「ほむらもそこに居ることだし」

ほむら「わぁ、これも可愛いな」

マミ「暁美さん…」

ほむら「うん、これなら喜んでもらえるかも…!」

まどか「おまたせ、ほむらちゃん」

ほむら「あっ、鹿目さん。これなんてどうかな?」

まどか「えっ?なになに?可愛いの見つかったの?」

ほむら「うん、これなんだけど…」

まどか「わぁ!うん、これならきっと似合うよ!」

ほむら「そ、そうだよね!」

まどか「うんっ!」

マミ「……」

キュゥべえ「ん?どうしたんだい?話しかけないの?」

マミ「……うん」

キュゥべえ「どうして?」

マミ「だって…2人の邪魔はしたくないもの…」

マミ「きっと、今日は2人っきりでいたいんだろうし…」

キュゥべえ「なるほどね」

マミ「だから…私はいいの…」

キュゥべえ「まぁ、マミがそう言うなら僕は何も言わないよ」

まどか「ほむらちゃん」ニコニコ

ほむら「鹿目さん」ニコニコ

まどか「それじゃあ一緒に買おう?」

ほむら「うん、喜んでくれるといいね」

まどか「大丈夫。きっと喜んでくれるよ!」

ほむら「うん…!」

まどか「えへへ、だから早く買おっ?」

ほむら「そうだね、早く渡したいし」

まどか「うんっ」

マミ「何を買うのかしら?」

キュゥべえ「さぁ?僕に聞かれても困るよ」

マミ「冷たいなぁ」

キュゥべえ「別に冷たくはしていないよ?」

マミ「……」

キュゥべえ「僕は本当のことを言っただけじゃないか」

マミ「…はいはい、わかったわよ」

キュゥべえ「拗ねるのはよくないと思うな」

マミ「別に拗ねてなんかないもん」

キュゥべえ「マミはわかりやすいなぁ」

まどか「ほむらちゃん、次は何処にいくかの?」

ほむら「んーと…」

キュゥべえ「まどか達は何処かに行くみたいだよ」

マミ「そうね」

ほむら「他にも何か買って行きたいかな」

まどか「ならさ、色々見て回ろうよ」

ほむら「そえだね」

まどか「行こっ?ほむらちゃん!」テクテク

ほむら「うんっ」テクテク

マミ「あっ…」

キュゥべえ「行っちゃったね」

マミ「……」テクテク

キュゥべえ「あれ?マミ、何処に行くんだい?」

マミ「…ちょっとね」

キュゥべえ「……」

まどか「ねえ、ほむらちゃん」

ほむら「なあに?」

まどか「お腹空いてない?わたし何か甘いものが食べたいなぁって」

ほむら「甘いもの?うん、いいよ」

ほむら「食べに行こうよ、鹿目さん」

まどか「いいの?えへへ、ありがとう」

ほむら「何がいい?クレープとかかな?」

まどか「うーん…クレープもいいかも」

キュゥべえ「何か食べに行くようだよ」

マミ「そうね」

キュゥべえ「…まだ拗ねてるの?」

マミ「拗ねてないわよ」

キュゥべえ「一緒に遊びたいならそう言えばいいのに」

マミ「だから一緒には遊べないと行ってるでしょ?」

キュゥべえ「2人の邪魔ができないからだよね?」

マミ「ええ」

キュゥべえ「ならどうして2人の後を着けてるんだい?」

マミ「……うっ」

まどか「んーと…」

ほむら「わたしは何でも大丈夫だよ?」

キュゥべえ「やっぱり2人のことが気になってるんじゃないか」

マミ「そ、それは…」

キュゥべえ「いっそのこと、思いきって話しかければいいじゃないか」

キュゥべえ「まどか達がそれでも断るとは思えないよ」

マミ「……」

キュゥべえ「だから、話しかけておいでよ」

マミ「も、もう!私はこれでいいの!」

マミ「決めたわ、私は2人を見守るの!」

キュゥべえ「見守る?」

マミ「そう、私とキュゥべえの2人でね」

キュゥべえ「マミがそうしたいなら好きにすると良いけど」

キュゥべえ「なんで僕まで?」

マミ「可愛い後輩を見守り隊結成よ!」

キュゥべえ「無視しないでよ」

キュゥべえ「それに僕にとっては後輩じゃないよ?」

マミ「細かいことは気にしないの」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

キュゥべえ「素直になればいいのに」

マミ「はいはい」

キュゥべえ「それにいいのかい?」

マミ「えっ?何か?」

キュゥべえ「まどか達はもういないよ?」

マミ「あ…」

キュゥべえ「見守ると言ったそばからこれで大丈夫なのかな?」

マミ「うぅ…」

キュゥべえ「だから話しかければって言ったのに」

マミ「さ、探しにいくわよ」タタッ

キュゥべえ「やれやれ」

マミ「えぇっと…何処に行ったのかしら?」キョロキョロ

キュゥべえ「僕は知らないよ」

マミ「なら探して?」

キュゥべえ「仕方ないなぁ」

キュゥべえ「…おや?」

マミ「えっ?見つけたの」

キュゥべえ「うん、まどか達じゃないけどね」

マミ「!」

杏子「なあ、さやかー?次はどこ行く?」

さやか「んーっと、杏子となら何処でも良いよ!」

イチャイチャ

マミ「み、美樹さんと佐倉さん?」

キュゥべえ「うん、見ればわかるじゃないか」

キュゥべえ「何をそんなに驚いているの?」

マミ「だ、だって…」

杏子「あたしとなら何処でもか、ありがとね!」

さやか「えへへ、だから杏子が決めてよ」

杏子「なら何か食いに行こうぜ」

さやか「オッケー!」

マミ「い、いつの間にあんな仲に…?」

キュゥべえ「知らなかったのかい?あの2人は見ての通りの仲だよ」

マミ「そ、そうだったの?」

キュゥべえ「マミはまどかとほむらとは一緒にいることが多くても」

キュゥべえ「さやかや杏子とは一緒に居なかったから知らなかったのかな?」

マミ「……い、意外だわ」

マミ「あの美樹さんと佐倉さんが…」

杏子「よっし、ならケーキにするか!」

さやか「ケーキ?うん、全然オッケーよ!」

キュゥべえ「ケーキだって、僕も食べたいなぁ」

マミ「まだ言ってたの?」

キュゥべえ「うん。さやか達と一緒に食べようよ」

マミ「えぇ?あれってデートでしょ?なおさら邪魔なんてできないわ!」

キュゥべえ「たぶん大丈夫だよ」

マミ「たぶんって…」

キュゥべえ「ほら、行こうよマミ」

マミ「あなたはケーキが食べたいだけでしょ?」

キュゥべえ「否定はしないよ」

マミ「キュゥべえ…」

キュゥべえ「やあ。さやか、杏子」

さやか「ん?キュゥべえじゃん」

杏子「てめぇ、何しに来やがった?」

杏子「さやかは渡さねぇぞ!」

さやか「杏子…!」

キュゥべえ「誰も取ったりなんかしないよ」

さやか「なら何しに来たのよ?杏子は渡さないんだからね」

杏子「さやか…!」

キュゥべえ「だから取ったりなんかしないって言ってるじゃないか」

杏子「なら用はないんだな?」

さやか「あたし達は忙がしいのよ」

さやか「ねー!杏子!」

杏子「ああ!」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

マミ「ほ、ほら…邪魔しちゃダメって言ったでしょ?」

キュゥべえ「だってケーキ食べたいじゃないか」

杏子「あれ?マミじゃん」

マミ「佐倉さん、キュゥべえが邪魔しちゃってごめんなさい」

さやか「マミさん、こんにちは!どうしたの?キュゥべえとデートですか?」

マミ「えっ?」

キュゥべえ「ち、違うよ!」

キュゥべえ「マミが一人で寂しそうにしてるから、一緒にいるだけだよ」

マミ「えっ?そうだったの?」

キュゥべえ「あっ…」

杏子「ふーん?そうなのか」

さやか「あれ?そう言えば今日はまどか達と一緒じゃないんだ」

杏子「何時もは一緒にいるもんな」

マミ「そ、それは…」

キュゥべえ「誘いを断られたんだって」

さやか「えー?珍しいこともあるんだね」

キュゥべえ「だからマミも君たちの仲に入れてもらえないかな?」

マミ「ちょっと?き、キュゥべえ!」

杏子「うーん…どうする?」

さやか「あたしは杏子が一緒なら何でも大丈夫だよ」

杏子「さやか…!うん、わかった」

杏子「マミ。いいよ、一緒に居てやるよ」

マミ「さ、佐倉さん…ほんとにいいの?」

杏子「ああ、マミなら大丈夫だ」

さやか「たまには3人も悪くないしね」

マミ「あ、ありがとう…!」

杏子「ってことで、キュゥべえ」

キュゥべえ「なんだい?」

さやか「後はあたし達に任せてよ」

杏子「あたしらがマミの面倒見てやるからさ」

キュゥべえ「えっ?」

さやか「マミさん、行きましょうよ」

杏子「今からケーキ食いに行くとこなんだ」

マミ「う、うん!」

キュゥべえ「えっ?ま、まってよ!」

杏子「ん?まだ何か用があんの?」

キュゥべえ「ま、マミは…」

マミ「?」

さやか「マミさんのことなら任せてよ」

マミ「キュゥべえ、私はもう大丈夫よ?」

キュゥべえ「いや、僕も一緒に行くよ!」

マミ「でも、忙がしいんでしょう?無理に付き合わせちゃってごめんなさい…」

キュゥべえ「き、気にしなくていいよ!」

キュゥべえ「用事はもう終わったからね」

マミ「そうなの?でも無理しなくていいのよ?」

キュゥべえ「無理なんかじゃないよ」

キュゥべえ「それに僕たちは可愛い後輩を見守り隊じゃないか」

マミ「そうだけど…」

さやか「可愛い後輩を見守り隊?」

杏子「なんだそりゃ?」

マミ「あっ…えぇっと…」

キュゥべえ「さっきまで、マミと一緒にまどかとほむらを見守っていたんだよ」

さやか「へぇ?ならまどか達もここに来てるんだ」

キュゥべえ「見失っちゃったけどね」

杏子「ん?なら探せば見つかるんじゃないの?」

キュゥべえ「うん、そして探していたら君たちを見かけたんだ」

さやか「そっかぁ。ね、杏子」

杏子「んー?」

さやか「まどか達はどうする?探す?」

杏子「そうだなぁ…まどか達は別にいいんじゃないか?」

杏子「たまたま会ったらその時合流でもすりゃいいさ」

さやか「杏子がそれでいいならあたしも賛成かな」

さやか「マミさんもいいですよね?」

マミ「え、ええ」

キュゥべえ「なら早くケーキを食べに行こうよ」

杏子「だからなんでキュゥべえも着いてくるのさ?」

さやか「マミさんと一緒にいたいの?」

マミ「え?」

キュゥべえ「ち、違うって言ってるじゃないか!」

キュゥべえ「僕はただ、ケーキが食べたいだけだよ」

さやか「そう言えばキュゥべえってよくマミさんのケーキ食べてたっけ」

杏子「なんだよ、結局自分がケーキ食いたいだけなんじゃねぇか」

キュゥべえ「悪かったね」

さやか「まっ、いっか。そんなことより早く食べに行こうよ」

杏子「そうだな、無駄話しちまった」

キュゥべえ「ほら、マミも行こうよ」

マミ「う、うん」

マミ(本当にこれで良かったのかしら…?)

―――

さやか「はい、杏子。あーん」

杏子「あーん」

杏子「はむっ」

さやか「どう?おいしい?」

杏子「ああ!」

さやか「えへへ、じゃあ次はあたしの番だね」

杏子「わかってるって。ほら、あーん」

さやか「あーん」

さやか「ぱくっ」

杏子「なっ?旨いだろ?」

さやか「うんっ!」

マミ「……」

キュゥべえ「完全に2人の世界に入ってしまったようだね」

マミ「そ、そうみたいね」

杏子「さやか」ニコニコ

さやか「杏子」ニコニコ

マミ「や、やっぱり私は邪魔…だったわね?」

キュゥべえ「仕方ないよ、それよりも僕たちも食べようよ」

マミ「う、うん…」

キュゥべえ「もぐもぐ」

キュゥべえ「……あれ?」

マミ「?」

マミ「キュゥべえ、どうしたの?」

キュゥべえ「可笑しいな…味がしないんだ」

マミ「えっ?なんで?」

キュゥべえ「わからないよ…」

マミ「私も食べてみるわ」

マミ「あむっ」

キュゥべえ「どうだい?」

マミ「うん、美味しいわ」

キュゥべえ「あれ?じゃあ僕のケーキがおかしいのかな?」

キュゥべえ「マミのを一口貰ってもいいかい?」

マミ「ええ、でも一口だけよ?」

ウサギもどきと豚の絡みとか

キュゥべえ「わかってるよ」

マミ「はい、食べてもいいわよ」

キュゥべえ「ありがとう」モグモグ

マミ「ね?美味しいでしょ?」

キュゥべえ「………」

マミ「…キュゥべえ?」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

マミ「もしかして…味がしないの?」

キュゥべえ「そうみたいだね…マミのケーキはしっかり味を感じるのに」

マミ「なんで…?」

マミ「ねえ、キュゥべえ…たしか前までは味覚がなかったのよね?」

キュゥべえ「うん、でもマミの料理を食べるようになってからは…」

マミ「味覚があった…のね?」

キュゥべえ「そのようだね、たしかに美味しかったんだ」

マミ「…でも今はしないのよね?」

キュゥべえ「…うん」

マミ「どう言うことなのかしら…?」

まどか「あれ?マミさん!」

マミ「鹿目さん?」

ほむら「鹿目さん、どうしたの…あっ」

マミ「暁美さん…」

ほむら「と、巴さん…」

キュゥべえ「まどかとほむらじゃないか」

まどか「あっ…えっと…こ、こんにちは!」

マミ「こ、こんにちは…」

まどか「今日はその…ごめんなさいっ!」

マミ「えっ?」

まどか「誘いを断っちゃって…」

ほむら「す、すみません…」

マミ「あっ…い、いいのよ?気にしなくても」

マミ「私は大丈夫だから…!」

キュゥべえ「さっきまで拗ねてたじゃないか」

マミ「す、拗ねてなんかないわよ!」

ほむら「巴さん…」

まどか「…ね、ほむらちゃん。もう大丈夫だよね?」

ほむら「うん、黙ってちゃ巴さんに悪いよ…」

マミ「どうかしたの?」

まどか「その…実は、マミさんの誘いを断った理由は…」

ほむら「キュゥべえのためなんです」

マミ「えっ?」

キュゥべえ「えっ?」

マミ「キュゥべえのため?」

まどか「はい」

キュゥべえ「どう言う意味だい?」

ほむら「鹿目さんはね?気づいたんだよ」

キュゥべえ「気づいたって…何を?」

まどか「キュゥべえがマミさんのこと好きだってことだよ」

マミ「えっ?」

キュゥべえ「え?え?なんで?」

キュゥべえ「わけがわからないよ?」

マミ「そ、そうよ!キュゥべえが私を?」

まどか「んとね?いつもはマミさんとほむらちゃんとわたしの3人でいたでしょ?」

ほむら「そしてキュゥべえも一緒にいたよ」

マミ「それは…たしかにそうだけど」

キュゥべえ「それと僕がマミを好きなのは何の関係もないじゃないか!」

マミ「私もそう思うわ」

マミ「それに…今日のキュゥべえは冷たかったし…」

ほむら「冷たかった?」

マミ「ええ、今日もいつも通り私の家でケーキを食べてたんだけど…」

まどか「キュゥべえは毎日マミさんの家に行くもんね」

キュゥべえ「ケーキを食べるためだよ」

マミ「でも、私が構ってって言っても、ちょっとしか構ってくれなかったのよ?」

キュゥべえ「し、仕方ないじゃないか」

マミ「すぐに帰るって言うし…」

ほむら「ても、結局は一緒にいるような…」

キュゥべえ「それは偶然会ったからだよ」

キュゥべえ「それに僕の用事は終わったからね」

まどか「だからまたマミさんと一緒にいたの?」

キュゥべえ「うん。でも、その後はさやか達も一緒にいたよ」

さやか「あーん」

杏子「あーん」

イチャイチャ

キュゥべえ「ただ、完全に2人の世界に入ってしまったけどね」

ほむら「あはは…」

まどか「さ、さやかちゃんと杏子ちゃん、凄く目立ってるよね…」

ほむら「う、うん…だから話しかけようと思ってここに来たの」

まどか「そしたら、マミさんがいて驚いちゃって…」

マミ「…なるほどねぇ」

まどか「でも、やっぱりキュゥべえがいたから少し安心したかな」

ほむら「そうだね」

キュゥべえ「さっきから君たちは何が言いたいんだい?」

キュゥべえ「僕がマミのことを好きだなんて…」

まどか「だってそうでしょ?見たらわかるもん」

マミ「何が…?」

ほむら「キュゥべえが巴さんのことを特別に思ってるのかなって」

キュゥべえ「だ、だからなんでそうなるのさ?」

まどか「てぃひひ。わたし達がマミさんと話してる時、絶対に間に入ってきて」

まどか「マミさんとばかり話すのは誰かな?」

マミ「!」

キュゥべえ「え…?」

ほむら「キュゥべえ、いっつも巴さんにばから話しかけてて」

ほむら「わたしと鹿目さんは置いてけぼりになっちゃうんだよ?」

まどか「今のさやかちゃんと杏子ちゃんみたいにね」

さやか「杏子、ほっぺにクリームついてるよ」

杏子「あっ、ほんとだ」

さやか「えへへー、あたしが食べちゃお」

まどか「…さ、さすがにこれほどじゃないけどね」

ほむら「あはは…」

マミ「本当にいつの間にこんな仲になったのかしら…」

キュゥべえ「ほんと、どうかしてるよ」

まどか「えー?キュゥべえも人のこと言えないよ?」

ほむら「そうだよ?」

キュゥべえ「う…いや!おかしいよ」

キュゥべえ「僕はまだマミに彼処までしてほしいとはお願いしてないじゃないか!」

キュゥべえ「ただ僕はマミと一緒にケーキを食べたいだけなんだよ?」

マミ「キュゥべえ…?」

まどか「うぇひひ、口が滑っちゃってるよ?」

キュゥべえ「え?」

ほむら「キュゥべえも素直になった方がいいんじゃないのかな?」

キュゥべえ「素直にって言われても…」

まどか「キュゥべえ、ちょっと向こうに行こうよ」

キュゥべえ「まどか…?何を考えているんだい?」

まどか「いいから、早く早く」

キュゥべえ「…よくわからないけど、行ってくるよ。マミ」

マミ「え、ええ…」

まどか「ほむらちゃん、マミさんのことよろしくね?」

ほむら「うん。あっ、これをキュゥべえに…」

まどか「えへへ、そうだね」

キュゥべえ「?」

まどか「ほら、キュゥべえこっちだよ」

キュゥべえ「う、うん」

杏子「あー!さやかにもついてるぜ」

さやか「え?ほんと?どこどこ?」

杏子「こーこ」

まどか「てぃひひ…すごいなぁ」

マミ「…?」

ほむら「と、巴さん!」

マミ「暁美さん…」

ほむら「あ、あの…その…ごめんなさい…」

マミ「えっ?」

ほむら「わ、わたしが鹿目さんに言ったんです…今日は巴さんを断ろうって…」

マミ「……どうして?キュゥべえのためだから?」

ほむら「は、はい…わたし達がいると、キュゥべえが素直にならない気がして…」

ほむら「だから、一日くらい…キュゥべえのために身を引こうかなって…」

マミ「…そう」

ほむら「だ、だから…あの、ご…ごめんなさい!」

マミ「暁美さん…ふふ、いいのよ?私は気にしていないから」

ほむら「巴さん…」

マミ「それに、暁美さんもたまには鹿目さんと2人っきりが良かったが良かったんでしょ?」

ほむら「え?そんな…わたしは、やっぱり巴さんもいた方が…」

マミ「そう?でも楽しそうだったわよ?」

ほむら「えっ?」

ほむら「み、見ていたんですか…?」

マミ「ええ、とても仲良さそうにショッピングをしていたわ」

ほむら「た、たしかに楽しかったですけど…」

マミ「鹿目さんのリボンを買いに来たの?」

ほむら「そ、それはついでです!」

マミ「ついで?」

ほむら「…はい、わたし達が買いに来たのは鹿目さんのリボンじゃなくて…」

マミ「?」

キュゥべえ「まどか、話ってなんだい?」

まどか「……」

キュゥべえ「まどか?聞いてるの?」

まどか「もう、キュゥべえのおバカ!」

キュゥべえ「えっ?」

まどか「どうしてマミさんに冷たくしちゃったの?」

まどか「せっかくチャンスを作ったんだよ?」

キュゥべえ「…そんなこと言われても困るよ」

キュゥべえ「それに僕はマミのことを好きになったわけじゃ…」

まどか「そんなんじゃダメだよっ!」

ほむら「巴さんのフンドシです!」

マミ「えっ・・・?」

ほむら「巴さんに横綱を目指して欲しいんです!」

マミ「わ、分かったわ・・・私、相撲取りになるわ!」




そしてマミは数年にもわたるトレーニングを行った

まどか「キュゥべえは自分に嘘をついてるよ」

キュゥべえ「嘘?僕が?」

まどか「うん。ほんとは好きなのに、好きじゃないって言ってるもん」

キュゥべえ「…違うよ、本当に好きじゃないんだ」

まどか「どうして?」

キュゥべえ「どうしても何も、僕には感情がないんだよ?」

キュゥべえ「だから愛情だってあるわけないじゃないか」

まどか「キュゥべえ…」

まどか「おかしいよ…感情がないなんてないよ!」

キュゥべえ「何を言っているんだい?」

まどか「自分じゃ気づいてないかも知れないけど、今のキュゥべえはね?」

まどか「絶対に感情があるよ」

キュゥべえ「…そんなまさか」

まどか「驚いたり喜んだり…自分に嘘ついたり」

まどか「そんなことができるのは、感情があるからなんだよ?」

キュゥべえ「…」

まどか「それに、マミさんのケーキも美味しいって感じたんだよね?」

キュゥべえ「うん、マミのケーキは本当に美味しいんだ」

キュゥべえ「でも、さっき食べたケーキは全く味はしなかったよ」

まどか「やっぱり…!」

キュゥべえ「ん?」

まどか「キュゥべえ、マミさんの手作り以外で味があった食べ物はある?」

キュゥべえ「……ないね」

まどか「…キュゥべえ、それはね?マミさんの愛情をキュゥべえが感じてるからなんだと思うな」

キュゥべえ「え?」

まどか「キュゥべえはね?マミさんの愛情を美味しいって感じたの」

キュゥべえ「マミの愛情を?」

まどか「うん、だからキュゥべえは味を感じたの」

キュゥべえ「………」

まどか「キュゥべえ、ほんとはわかってたんでしょ?」

まどか「自分に感情があるってさ」

まどか「そしてマミさんが好きだってね」

キュゥべえ「……」

まどか「だから、わたし達に嫉妬して無理矢理話しに割り込んだりしたんだよね?」

まどか「それに毎日マミさんの家に行くのも、ケーキのためじゃなくて」

まどか「マミさんに会いたいからなんでしょ?」

キュゥべえ「僕は…」

まどか「でも、冷たくしちゃったのは…恥ずかしかったからなの?」

キュゥべえ「……うん」

まどか「…やっぱりそうなんだ」

まどか「なら、さやかちゃん達と一緒にいたのはどうして?」

まどか「せっかく2人っきりだったのに…」

キュゥべえ「…誰かがいないと、恥ずかしくて冷たくしちゃうからだよ」

キュゥべえ「だから君やさやか達を探したんだ」

キュゥべえ「……素直になれないから仕方ないじゃないか」

まどか「キュゥべえ…」

まどか「大丈夫だよ!」

キュゥべえ「えっ?」

まどか「それならさ、今から素直になっちゃえば良いんだよ!」

キュゥべえ「今から…」

まどか「キュゥべえ、これをマミさんにプレゼントしてよ」

キュゥべえ「これは?」

まどか「さっき、ほむらちゃんと一緒に選んで買ったの」

まどか「ほら、キュゥべえはお買い物できないでしょ?」

まどか「だからね、わたし達が代わりに買ってきたんだよ」

キュゥべえ「まどか…」

まどか「ね?だからさ、思いきって頑張ろうよ!」

キュゥべえ「……」

まどか「大丈夫だよ、マミさんだってわかってくれるよ」

キュゥべえ「マミは…」

まどか「だってね?マミさんも毎日楽しそうにケーキを作ってるんだよ?」

まどか「もちろん、キュゥべえのためにね」

キュゥべえ「でもたくさん食べたらダメだって…」

まどか「それはキュゥべえの体を心配してるからだよ」

キュゥべえ「…」

まどか「キュゥべえ、頑張ろ?大丈夫だから…ねっ?」

キュゥべえ「………」

キュゥべえ「そうだね」

まどか「キュゥべえ…!」

マミ「そう…だからキュゥべえは……」

ほむら「…わかってくれましたか?」

マミ「うん…!」

マミ「暁美さん、教えてくれてありがとう」

ほむら「巴さん…!」

まどか「ほむらちゃーん」

ほむら「あっ、鹿目さん」

まどか「どう?大丈夫だった?」

ほむら「うん、大丈夫だよ」

まどか「そっかぁ、良かった」

マミ「鹿目さんも、ありがとう」

マミ「理由は暁美さんから聞いたわ…なのに、私ったら知らずに拗ねちゃって…」

まどか「ううん、いいの。わたし達が勝手にやったことですし」

まどか「それに、キュゥべえもわかってくれたから」

マミ「!」

まどか「ねっ?キュゥべえ!」

キュゥべえ「マミ…」

マミ「キュゥべえ…」

ほむら「鹿目さん、後はもう大丈夫だよね?」

まどか「うん、わたし達は帰ろっか」

キュゥべえ「まどか」

まどか「なあに?」

キュゥべえ「…ありがとう」

まどか「てぃひひ!どういたしまして!」

まどか「それじゃ、わたし達は帰ろ?ほむらちゃん」

ほむら「うん、作戦成功…だよね?」

まどか「うんっ!わたし達、マミさんとキュゥべえを見守り隊は成功しました!」

ほむら「ふふっ、変な名前だね」

まどか「うぇひひ!」

さやか「もういい!杏子のバカッ!」

杏子「なんだよ!さやかのバカッ!」

まどか「えっ?」

ほむら「ど、どうしたの…?」

さやか「あれ?まどかとほむらじゃん」

杏子「いたのか」

ほむら「け、結構前からいたよ?」

杏子「そうなんだ?まぁそれはいいや」

さやか「それよりもまどか、聞いてよ!」

まどか「な、何かな…?」

さやか「杏子ったら、あたしの杏子への愛より」

さやか「杏子のあたしへの愛がおっきいんだって!」

まどか「…へ?」

さやか「あたしの方が杏子を好きなのに…!」

杏子「ちげぇよ!あたしの方がさやかが好きだ!」

さやか「あたしよ!」

杏子「あたしだ!」

ほむら「わわわ…」

まどか「うわぁ…」

さやか「もういいよ、杏子なんて知らないっ!」

杏子「えっ?」

さやか「杏子なんてまどかやほむらとでも仲良くしてればいいんだ!」

さやか「…ぐすっ」

杏子「わわっ?や、やめろよ!」

杏子「あたしはさやかじゃなきゃダメなんだ」

さやか「…ほんと?」

杏子「当たり前だろ?だって、あたしはさやかが好きなんだぜ…?」

さやか「杏子…」

杏子「さやか…!」

さやか「きょうこぉ!」

杏子「さやかっ!」

まどか「……わたし達は帰ろっか」

ほむら「う、うん…」

まどか「好きなのはいいけど、ほどほどにしなきゃね」

ほむら「うん…キュゥべえはどうなのかな?」

まどか「キュゥべえは大丈夫だと思うな」

ほむら「そうだよね…!」

まどか「マミさんも分かってくれるはずだよ」

ほむら「うん…!」

まどか「だからね、キュゥべえ」

まどか「がんばって」

キュゥべえ「ま、マミっ!」

マミ「キュゥべえ…」

キュゥべえ「え、え、えぇっと…こ、これ!」

マミ「まぁ!プレゼント?」

キュゥべえ「う、うんっ!」

マミ「私にくれるの?」

キュゥべえ「そ、そうだよっ!」

マミ「ふふっ、どうもありがとう」

キュゥべえ「ど、どういたしまして!」

マミ「開けてもいい?」

キュゥべえ「い、いいよ!」

マミ「…わぁ!可愛い髪飾りね」

キュゥべえ「き、きっとマミに似合うと思うな!」

マミ「ふふ、着けてみてもいいかしら?」

キュゥべえ「ぼ、僕がつけてあげるよ!」

マミ「あら?あなたにできるのかしら?」

キュゥべえ「…できるよ!」

マミ「ならお願いするわ。ふふっ、おいで」

キュゥべえ「…うんっ!」ピョン

キュゥべえ「えっと…えっと…こ、こうかな?」

マミ「うん、ありがとう。キュゥべえ」

キュゥべえ「う、うん…!」

マミ「…ねえ、キュゥべえ」

キュゥべえ「な、何かな?」

マミ「暁美さんから聞いたわ…ごめんね?気付けなくって…」

キュゥべえ「…!」

マミ「鹿目さんと暁美さんは気づいていたのに、私は…」

キュゥべえ「…マミは悪くないよ、僕が悪いんだ」

マミ「……」

キュゥべえ「自分でもわかってるよ、僕のしていたことが無茶苦茶だって」

キュゥべえ「ほんとは分かってたんだ…僕の気持ちが」

キュゥべえ「でも、認めたくなかった…認めるのが怖かったんだ」

キュゥべえ「僕が人類を…マミを好きになってしまったことが」

マミ「キュゥべえ…」

キュゥべえ「だから僕は…」

キュゥべえ「僕は…マミの作ってくれるケーキが…」

キュゥべえ「マミの手料理が好きなんだ」

キュゥべえ「…ううん、マミが好きなんだ…!」

マミ「キュゥべえ…!」

キュゥべえ「なのに…僕は君と2人っきりになると、素っ気なくなってしまって…」

キュゥべえ「いや、素っ気ない演技をしていたんだ…」

キュゥべえ「恥ずかしかったから…」

キュゥべえ「本当はもっとマミと一緒にいたかったのに、他の誰かといるように仕向けてしまって…」

キュゥべえ「…でも、他の誰かといると嫉妬してしまって…」

キュゥべえ「わけがわからないよ…」

キュゥべえ「どうしてこうなったんだろうね…」

マミ「キュゥべえ」

キュゥべえ「僕は…インキュベーター失格だよ」

マミ「キュゥべえ!」

キュゥべえ「マミ…?」

マミ「何も言わなくてもいい…何も言わなくてもいいの」

キュゥべえ「…」

マミ「キュゥべえ、ありがとう」

マミ「私…嬉しいわ」

キュゥべえ「!」

マミ「ふふ、だからそんな顔をしないで?あなたには感情はなかったのよ?」

キュゥべえ「でも…」

マミ「うん、わかってるわ。でも大丈夫」

マミ「あなたの気持ちはわかったからね」

キュゥべえ「マミ…」

マミ「ふふっ、帰ったら一緒にケーキを食べましょう?」

キュゥべえ「…いいの?」

マミ「もちろん!わたし達だって佐倉さん達に負けないんだから!」

キュゥべえ「マミ…!」

マミ「可愛い異星人と暮らし隊、結成ね!」

マミ「だから帰ろう?」

キュゥべえ「…うん!」

マミ「私たちの家に、ね?」

キュゥべえ「うんっ!」

マミ「こうして私とキュゥべえの生活は再スタートしたの」

マミ「あれから少しの時間が経ったわ」

マミ「鹿目さんと暁美さんとは今まで通りの仲よ」

マミ「佐倉さんと美樹さんも相変わらず2人の世界で楽しんでいるわ」

マミ「ただ、変わったことがあるとすればキュゥべえかしら?」

マミ「前と違って今は…」

キュゥべえ「マミー!」

マミ「キュゥべえ!」

キュゥべえ「誰と話してたんだい?」

マミ「ふふ、内緒だよ?」

キュゥべえ「えー?」

マミ「それよりも、今日は日曜日」

マミ「もちろん、学校はお休みよ」

マミ「そして魔女の反応もないわ」
マミ「つまり、今日は暇なの!」

キュゥべえ「!」
マミ「暇なの!」
キュゥべえ「そうだね!」

マミ「ねえ、キュゥべえ?」

キュゥべえ「なんだい?」

マミ「ふふ、前にもこんなことがあったわね」

キュゥべえ「懐かしいね」

マミ「キュゥべえ、今日も思いっきり遊びましょう?」

キュゥべえ「うんっ!」

おわり

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