杏子「先輩杏子ちゃん」(341)

ほむら「あ…」

ほむら「あああの…っ…わたし…」

ほむら「暁美…ほむらです…」

ほむら「どうか…よ、よろしくお願い…します…」

和子「暁美さんは心臓の病気でずっと入院していたの」

和子「みんな仲良くしてあげてね」

ほむら「うぅ…」

「ねぇねぇ暁美さん」

ほむら「あ…」

「前はどこの学校だったの?」

ほむら「えと…」

「部活とかやってた?」

ほむら「あぅ…」

「すっごく長い髪だよねー」

ほむら「その…」

「編むの大変じゃない?」

ほむら「その、わたし…」

まどか「ちょっとごめんね…みんな…」

ほむら「あ…」

「鹿目さん?」

「どうしたの?」

まどか「その…あ、暁美さんに用事があって…」

ほむら「え…」

「なに?」

まどか「んと…暁美さんはね?休み時間は保健室でお薬飲まないといけないの…」

「そうだったの?」

ほむら「は…はい…」

「ごめんね?暁美さん」

ほむら「い、いえ…」

まどか「その…暁美さん…」

ほむら「はい…」

まどか「わたし、保健委員なんだ…その…」

まどか「場所…わかるかな?」

ほむら「あ…いえ…」

まどか「そ、それなら…わたしが案内してあげるね?」

ほむら「あっ…お、お願いします…」

まどか「う、うんっ!…こっちだよ…!」

ほむら「はい…っ」

まどか「…」スタスタ

ほむら「…」スタスタ

まどか「…ごめんね?」

ほむら「えっ…?」

まどか「その…転校生って珍しいから…」

ほむら「は、はい…」

まどか「み、みんなね?はしゃいじゃって…だから…」

ほむら「い、いえ…大丈夫…です」

まどか「そ、そっか…」

ほむら「…」

まどか「…」

ほむら「あ、あの…」

まどか「え…?」

ほむら「その…ありがとうございました…」

まどか「あっ、謝らなくてもいいよ?」

まどか「わたし、保健委員だし…」

まどか「それに、クラスメイト…だから…!」

ほむら「…はい」

ほむら(クラスメイト…!)

ほむら(でも、お友だち…じゃないよね?)

ほむら(わたしに…お友だちなんて…)

まどか「えっと…あ、暁美さん!」

ほむら「は、はいっ」

まどか「わ、わたし…鹿目まどか…!」

まどか「よ、よろしくね!」

ほむら「!」

ほむら(鹿目…さん…!)

ほむら「あっ…えと…はい、よろしく…お願いします…!」

ほむら(わぁ…!)

まどか「うん…!」

ほむら「えと…わたしは暁美…ほ、ほむら…です」

まどか「…てぃひひ!」

ほむら「えっ?」

まどか「あ…その、暁美さんがまた自己紹介したから…おかしくて」

ほむら「あっ…」

まどか「あ…ご、ごめんね?別にバカにしてるとかじゃないんだよ?」

まどか「んと…その…えぇっと…」アタフタ

ほむら「…ふふっ」クスッ

まどか「えっ?」

ほむら「…ううん、少しおかしくて」

まどか「…えへへ、暁美さんが笑ってくれたよ」

ほむら「あっ…ごめんなさい…」

まどか「ううん、嬉しいの」

ほむら「えっ?」

まどか「だって…わたし、暁美さんと…と…」

ほむら「…と?」

まどか「と…友だちになりたいなぁ…って…!」

ほむら「…!」

ほむら(え…!)

まどか「えっ、あ…?そ、そのっ!嫌ならいいんだよ?」

ほむら「……」

>ほむら「その…ありがとうございました…」

>まどか「あっ、謝らなくてもいいよ?」






    / ̄ ̄ヽ  ┏┓
   / (●) ..(● ┏┛
   |   'ー=‐' i  ・
    >     く
 _/ ,/⌒)、,ヽ_

   ヽ、_/~ヽ、__)  \

まどか「わ…わたしなんかと…友だちになっても…面白くないもんね?」

ほむら「…鹿目さん」

まどか「あ、暁美さん…」

ほむら「…ありがとう…ございます…!」

まどか「!」

ほむら「その、えっと…嬉しい…です」

まどか「暁美さん…!」

ほむら「えと…その……」

ほむら「嬉しい…!」ニコッ

まどか「わぁ…!」パァッ

まどか「じゃ…じゃあいいの?ほんとに、わたしなんかと友だちになってくれるの?」

ほむら「は、はい…私なんかでよかったら…」

まどか「わーい!えへへ、やったぁ!」

ほむら「鹿目さん…」クスッ

まどか「な、なら…ね?えぇっと、名前で呼んでもいいかな?」

ほむら「えっ?」

まどか「ほ、ほむらちゃん…って…!」

ほむら「……」

ほむら(ほむら…)

ひむらちゃん!

まどか「あ…ダメ…かな……」シュン

ほむら「あっ?ご、ごめんなさい…」

まどか「うぅ…ごめんね?調子に乗っちゃって…」

ほむら「あ……」

まどか「暁美さん…って呼ぶね?」

ほむら「ち、違うんですっ!鹿目さんは悪くないです!」

まどか「…えっ?」

ほむら「その…わたし、名前で呼ばれるの慣れてなくて…」

ほむら「ほむらって…すごく変な名前だし…」

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら「だから…わたし……」

まどか「ほむらちゃんっ!」

ほむら「っ!…か、鹿目さん?」

まどか「…そんなことないよ」

ほむら「えっ?」

まどか「変な名前なんかじゃないよ…!」

ほむら「…でも」

まどか「カッコいい名前だと思うなぁ…!」

ほむら「…カッコ…いい…?」
ほむら(ほむらなのに…?)

よくよく見たら俺ひむらちゃんて打ってたわ
iとoが近いからしょうがないよね?

まどか「う、うんっ!燃え上がれーって感じで…えへへ」

ほむら「……」

まどか「えと…だからね?ほむらちゃんって…」

ほむら「名前負け…してます…」

まどか「えっ?」

ほむら「私…カッコよくないし…弱くて…泣き虫で…だから」

ほむら「わたし…ほむらだなんて…」

まどか「な、なら…ならね?」

ほむら「…鹿目さん」

まどか「…カッコよくなっちゃえばいいんだよ!」

ほむら「…!」

まどか「わ、わたしも応援するから…!」

ほむら「鹿目さん…」

まどか「だから一緒に頑張ろうよ」

ほむら「……」

まどか「ねっ?」ニコッ

ほむら(わたし…!)

ほむら「…うん」

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら「よろしく…お願いします…!」

まどか「うんっ!わたし…頑張るね!」

ほむら「…」クスッ

まどか「えへへ」

ほむら「…えへ」

まどか「よろしくね、ほむらちゃん!」

ほむら「…うんっ!」

放課後

まどか「えへへ、一緒に帰ってくれてありがとう。ほむらちゃん」

ほむら「いえ、そんな」

まどか「さやかちゃんは今日はお休みだったし、仁美ちゃんは委員会が…」

まどか「だから、今日はわたしだけになっちゃったけど、今度からは4人で帰ろ?」

ほむら「うん」

まどか「えへへ…あっ!」

ほむら「どうしたの?」

まどか「仔猫ちゃんだよ!可愛いー!」

猫「にゃぁ」

まどか「ほむらちゃん、近くで見ようよ」

ほむら「うん、いいよ」

猫「にゃぁにゃぁ」

まどか「てぃひひ!まってよー」タタッ

ほむら「あっ、飛び出したら危な…」

キキーッ

まどか「えっ」

ほむら「!?鹿目さ――」

まどか「あ――」

ドンッ

杏子「バカッ!避けろっ!」ドンッ

まどか「きゃっ?」

ほむら「鹿目さんっ!」タタッ

杏子「ったく!…大丈夫か?」

運転手「急に飛び出したら危ないだろ!」

まどか「あ…ぁ…」ガクガク

ほむら「だ、大丈夫?」

まどか「はっ…はっ…」

運転手「次からは気を付けろよ!」

杏子「ああ、ちゃんと言い聞かせとくよ」

運転手「ったく!」ブロロ

杏子「ふぅ…」

>まどか「てぃひひ!まってよー」タタッ

何故だろう、ここで渋井丸拓男を思い出した

まどか「ぐすっ…」

ほむら「鹿目さん…」

まどか「怖かった…怖かったよぉ…」

ほむら「…でも、よかった」

杏子「はぁ…おい、あんた!」

まどか「ひっ?」ビクッ

杏子「あんたさぁ、ちゃんと前見てなきゃ危ないだろ?」

杏子「学校で習ったよねぇ?」

まどか「は、はい…」

杏子「あんた、あのままじゃ…死んでたぜ」

まどか「……!」

まどか「うぅっ…」ポロポロ

ほむら「あっ…」

杏子「はぁ…泣いても何もかわんねーってば」

まどか「ごめ…なさ…い…」

杏子「……はぁ、何で急に飛び出したりしたのさ?」

まどか「こ、仔猫…」

杏子「ねこぉ?」

猫「にゃあ」

ほむら「あっ、猫が鹿目さんに…」

猫「にゃあにゃあ」ペロペロ

杏子「ん?」

まどか「ふぇ…?」

おい俺と変われ

>>43
QB「やぁ」ヌッ…

猫「にゃあにゃあ」

まどか「ぐすっ…えへへ、くすぐったいよぉ」

ほむら「鹿目さん…!」

杏子「……」ポリポリ

猫「にゃぁ」

まどか「えへへ…」

杏子「はぁ…ま、次からは気を付けなよ?」

まどか「…は、はい」

杏子「怖かったろ?」

まどか「……うん」グスッ

杏子「…ほら、泣くなって。もう大丈夫だからさ」

まどか「でもぉ…」

杏子「いいか?次からは気を付けるんだぞ?」

まどか「うん…」

杏子「猫が好きなのは良いけどさ、そのせいで死んだら、あんたも猫も良い気はしないぜ」

まどか「……」

杏子「だから、もう二度と飛び出したりするんじゃねーぞ?」

まどか「……うん」

杏子「ふっ、わかればいいんだ」

杏子「んじゃ、あたしはこれで」

ほむら「あっ…!」

ほむら「あ、あのっ!」

杏子「ん?何さ?」

ほむら「あ、ありがとう…ございます」ペコッ

杏子「えっ?何が?あたし、あんたに何かしたっけ?」

ほむら「その…わたしのお友だちを、鹿目さんを助けてくれたから…!」

杏子「!」

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら「だから…その、わたし…」

杏子「ふっ…そっか、わかったよ」

ほむら「えと…」

杏子「でも礼はいらないよ、あたしはあたしの好きにしただけだしさ」

ほむら「えっ?だけど…」

杏子「ま、次はねーぞ?わかった?」

まどか「うん…!」

杏子「ふっ、じゃあね」スタスタ

まどか「ま、待って!」

杏子「ん?まだ何かあんの?」

まどか「その…助けてくれてありがとう」ペコッ

まどか「わたし、お礼がしたくて…」

杏子「え?だから礼はいらないってば」

まどか「でも、助けてくれたし…」

杏子「そのことなら気にしなくていいよ、あたしはあんたが無事ならそれでいいんだ」

ほむら「……」

まどか「じゃ、じゃあせめて…」

猫「にゃぁ」ペロペロ

杏子「ん?ふふっ、なんだよ?あたしを舐めても何もでねーぞ?」

俺「にゃあ」ペロペロ

猫「にゃぁにゃぁ」ペロペロ

杏子「あはは、くすぐったいって」

まどか「あ、あの…わたし…」

杏子「ん?腹減ったのか?」

猫「にゃー」

杏子「ふっ、そっか。んじゃついてきな」テクテク

猫「にゃあにゃあ」

ほむら「あっ…」

まどか「あのっ!」

杏子「あたしはこのまま帰るよ、あんたらも気を付けて帰りなよ?」

まどか「名前…!」

杏子「えっ?名前?」

まどか「あなたの名前だけでも…」

杏子「杏子」

まどか「!」

ほむら「杏子…さん」

杏子「あたしの名前は杏子だ。まっ同じ見滝原中だし、また会うかもね」

まどか「う、うんっ」

杏子「じゃあね」スタスタ

まどか「あ、ありがとうございました…!」

ほむら「…杏子さん、かぁ」

まんこ

まどか「次にあった時はちゃんとお礼しなきゃ」

ほむら「うん、そうだね」

まどか「三年生…なのかな?学年は違うけど、きっと会えるよね?」

ほむら「…わたしもお礼したいし、今度一緒にお礼しようよ」

まどか「うん!」

ほむら「杏子さん…カッコよかったなぁ」

まどか「うん…それに、優しかったよ」

ほむら「わたしも杏子さんのようになりたいな…」ボソッ

ほむら(わたし…傍にいたのになにもできなくて…励ますことも…)

ほむら(なのに、杏子さんはたまたま近くにいただけなのに直ぐに鹿目さんを助けて…)

ほむら(それに、お礼も要らないって…)

ほむら(何もできない…わたし何かと全然違うよ)

ほむら(わたしも…杏子さんみたいになりたい…!)

まどか「―ちゃん」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら(ほむらに名前負けしない、わたしになりたい…!)

まどか「ほむらちゃーん」

ほむら「…えっ?」

まどか「どうしたの?ボーッとしてたよ?」

ほむら「あっ…ごめんなさい、考え事をしていて…」

まどか「考え事?」

ほむら「うん、ちょっと…ね」

まどか「そっか、悩みごとなら、わたしに言ってね?」

まどか「…こんなわたしでも、少しは役に立ちたいから」

ほむら「うん、ありがとう。鹿目さん」

まどか「ううん、そんな。それにわたしもね?ほむらちゃんに感謝してるんだ」

ほむら「え?わたしに…?」

まどか「うん、あの時…わたしの変わりにお礼を言ってくれて」

まどか「わたしのことをお友だちって言ってくれて…お友だちになってくれて、嬉しかったんだ」

ほむら「鹿目さん…!」

まどか「だからね?今日はありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「ううん、わたしもだよ?ありがとう、鹿目さん」

ほむら「最初はお友だちができるか…すっごく不安だったの」

ほむら「でも、鹿目さんがいてくれたから…!」

まどか「ほむらちゃん…えへへ」

ほむら「だから鹿目さん、明日からもよろしくお願いします…!」

まどか「うんっ!それに明日からは、さやかちゃんも一緒だよ!」

ほむら「うん…!」

ほむら(わたし、頑張るよ)

ほむら(頑張って、名前負けしない…カッコいいわたしになるの)

ほむら(だって鹿目さんが応援してくれるし、それに…)

ほむら(本当は好きだから)

ほむら(わたしの名前が…ほむらが)

ほむら(だから頑張らなきゃ!頑張って、カッコいいわたしになる!)

ほむら「鹿目さん」

まどか「なあに?」

ほむら「わたし、頑張ります!」

まどか「…うん!頑張ろうね」

数時間後

ほむら「えっと…おつかいはこれで大丈夫かな?」

ほむら「見滝原…やっぱり東京とは違うんだね」

ほむら「お店も景色も空気も、みんな新鮮な気がするよ」

ほむら「えへへ」

ほむら「さてと、帰らなきゃ」

ほむら「……」テクテク

ほむら「………」テクテク

ほむら「……あれ?」

ほむら「ここ…どこ?」キョロキョロ

ほむら「ど、どうしよう…道に迷っちゃった…」

ほむら「うぅ…」オロオロ

「うわーん」

ほむら「?」

「ぐすっ…どうしよぉ…」

ほむら「ど、どうしたの…?」

「みんなのお弁当こぼしちゃったの…」

ほむら「えっ?みんなのお弁当?」

ほむら(1つしかないような…)

「うぅ…お姉ちゃんに怒られるよぉ…」

ほむら「……」

俺俺俺で

「ぐすっ…」

ほむら「えっと…」

ほむら(ど、どうしよう…このまま見捨てるなんてできないよ…)

ほむら(でも…わたしにできることなんて…)

「えぐっ…どうしよ…ぐすっ…どうしよ…」

ほむら(…それでも!)

ほむら「あ、あの…」

「うぅっ…」

ほむら「わ、わたしのお小遣いあげるから…そ、それでまた買おう?」

「えっ?」

ほむら「だから泣かないで…ね?」

「そ、そんな!ダメだよ!」

ほむら「でも…」

「…お姉ちゃんが言ってたもん、人からモノを貰っちゃダメって」

ほむら「それは…大丈夫だよ、わたしは何もしないよ?」

「ううん、いいの…わたしが悪いんだもん…」

ほむら「だけど、みんなのお弁当…なんでしょ?大丈夫なの?」

「うぅっ…」ウルウル

ほむら「わわ?ご、ごめんなさい…」

「ぐすっ…はやく帰って謝らなきゃ…」

ほむら「あ、えと…その…」

ほむら(わたし…やっぱりダメだよ…何にもできない…)

ほむら(誰の役にも…立てない……)

「あ、あの」

ほむら「…?」

「んっと…ありがと、嬉しかったよ」

ほむら「え?」

「じゃあね、ばいばい」

ほむら(ありがとう…?)

杏子「おーい、モモー!」

モモ「あっ、お姉ちゃん…」

ほむら「!」

ほむら(杏子さん…!)

杏子「やっと見つけた…探したんだぞ?」

モモ「ごめんなさい…」

杏子「大丈夫か?何かあったの?」

モモ「そ、その…お弁当を…」

杏子「えっ?…あっ!」

モモ「うぅ……」

杏子「あ、あたしらの飯が…」

モモ「ご、ごめんなさい…!」

杏子「………」

モモ「わ、わたし…」ウルウル

ほむら「…ごめんなさい!」

モモ「…?」

杏子「ん?あっ、あんたは…」

ほむら「わ、わたしがその子にぶつかっちゃって…お弁当をこぼしちゃったの」

モモ「…え?」

杏子「へぇ…?」

ほむら「だ、だから…その子は悪くないよ…わ、悪いのはわたしだから…」

杏子「……」ジィー

ほむら「うぅ…ごめんなさい…」

http://i.imgur.com/Lv6Ua.jpg
http://i.imgur.com/2zeQO.jpg

杏子「嘘だね」

ほむら「えっ?」

杏子「あはは、見りゃわかるっての」

ほむら「うっ……」

モモ「……」

杏子「モモ、こぼしちまったもんは仕方ねーよ。気にすんな」

モモ「…でも」

杏子「それに、まだ食えないわけじゃないんだしさ」

ほむら「え?ひ、拾うの?」

杏子「当たり前じゃん?食えないわけじゃないんだしさ」

杏子「それに猫とかの餌にもなるじゃん」

ほむら「猫…」

モモ「お姉ちゃん…また動物に餌あげたの?」

杏子「ああ、腹減ってたみたいだしさ」

モモ「…それはお姉ちゃんも同じじゃ…」

ほむら「えっ?」

杏子「あたしはいいよ、大丈夫だ」

モモ「お姉ちゃん…」

杏子「さて、これで良しっと」

杏子「帰るぞ、モモ!」

モモ「…うん」

杏子「あんたも早く帰りなよ、親が待ってるだろ?」

おまんこ!!!!!!!!!

ほむら「そ、そうですけど…」

杏子「食いもんも親も大事にしなよー?じゃーね」

ほむら「あ…えと…」

モモ「……」

杏子「ほらモモ、帰るぞ」テクテク

モモ「…う、うん」トボトボ

ほむら「……」

ほむら(気のせい…なのかな?)

ほむら(悲しい目…杏子さん、すごく悲しい目をしてたような…)

ほむら(………)

ほむら「……」コソコソ

数分後

ほむら「ここは…?」

ほむら(すごく古いアパート…)

猫「にゃあ」

ほむら「あっ、この子はあの時の…」

猫「にゃあにゃあ」ペロペロ

ほむら「ふふっ、くすぐったい」

ほむら「……」

ほむら(ここが杏子さんの家…なのかな?)

ほむら(杏子さん…)

杏子「おーい、飯だぞー」

ほむら「!」

杏子「!」

猫「にゃー」

杏子「ははっ、そんなに急がなくても大丈夫だよ」

猫「にゃあ」

ほむら「……」

杏子「ついてきたの?」

ほむら「えっ…」

杏子「あんた、あたしらについてきたのかよ」

ほむら「…ごめんなさい」

杏子「…ま、ついてくるな。とは言わなかったっけ」

杏子「いいよ、上がっていきなよ」

ほむら「お邪魔します…」

モモ「あっ、さっきの!」

杏子「たまたま会ってさ、上がって貰ったんだ」

ほむら「こ、こんばんは」

モモ「遊びに来たの?」

ほむら「えっと…」

モモ「あ、お姉ちゃんのお友だち?」

ほむら「そ、それは…」

杏子「まぁそんなもんかな」

ほむら「杏子さん…」

杏子「き、杏子さん…か、なんか慣れねぇな」

ほむら「でもっ…」

杏子「まぁいいや、好きに呼びなよ」

ほむら「……」

杏子「それよりあんた、あたしらの学年じゃ見かけない顔だよね?1年?2年」

ほむら「…2年生です、今日…その、転校してきて…」

杏子「へぇ?そうなのか!」

ほむら「だから、わたし…えと…」

杏子「ま、これも何かの縁だな!」ニッ

ほむら「杏子さん…」

   (⌒\.  /⌒ヽ
    \ ヽヽ(  ^ิ౪^ิ)
     (mJ     ⌒\
      ノ ________/ /
     (  |  (^o^)ノ | < おやすみー
  /\丿 l|\⌒⌒⌒ \
 (___へ_ノ. \|⌒⌒⌒⌒|





                         ▂ ▪ ▂▄▅▆▇■▀▀〓◣▬ ▪ ■ … .
        /⌒ヽ           .▂▅■▀ ▪ ■ ▂¨ ∵▃ ▪ ・

        (  ^ิ౪^ิ)< おやすみー   ◢▇█▀ ¨▂▄▅▆▇██■■〓◥◣▄▂
      /⌒\  ⌒\     ■ ▂▅██▅▆▇██■〓▀▀ ◥◣ ∴ ▪ .
      ノ \ \,_/ / ▅▇███████▀ ▪ ∴ ….▅ ■  ◥◣
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  /\丿 l|\⌒⌒▒▓\        ■  ¨ ▀▀▀■▀▀▀ ▪ ■
 (___へ_ノ.\|⌒⌒⌒⌒|

杏子「水くらいしか出せるもんねーけど、飲むかい?」

ほむら「は、はい」

モモ「ねえねえ、お名前はなんて言うの?」

杏子「そういや聞いてなかったね」

ほむら「あっ、わ、わたしの名前は…暁美、ほ…」

ほむら「ほむら…です」

杏子「ふぅん、暁美ほむら。ね」

モモ「ほむら…」

ほむら「うぅ…」

ほむら(やっぱり…変だと思われるよね?)

モモ「カッコいい名前だね!」

ほむら「えっ?」

杏子「ああ、いい名前じゃん」

ほむら「…ありがとうございます…!」

杏子「へへっ、礼なんていいって」

ほむら「…でも、名前負けしてます」

モモ「え?名前負け…?」

杏子「ほむらが?なんでさ?」

ほむら「だって…わたし、カッコわるいし…」

ほむら「ほむらだなんて…」

ほむら(好きだけど…鹿目さんも言ってくれたけど…)

杏子「そう?あたしはそうは思わねぇけど?」

ほむら「だって、わたし…何にもできないんだもん…」

ほむら「今日だって、杏子さんが助けてくれなかったら…鹿目さん…」

杏子「……」

ほむら「やっとできた、大切なお友だちなのに、わたし…何もできなくて…!」

ほむら「わたしっ…!」

杏子「あのさぁ、そんなにへこむなって」

ほむら「……」

杏子「あたしは見てたからわかるぜ?」

ほむら「何を…?」

杏子「あんたは必死にそのお友だちを慰めようとしてたのがさ」

ほむら「…!」

杏子「それに、助けたのだって一緒さ」

杏子「あたしは、たまたまあんたらを見てたから反応できただけだよ」

杏子「それに、とっさに突っぱねただけだしさ」

ほむら「……」

杏子「だから、あたしは特別凄いことをしたわけじゃないよ」

ほむら「だけど…」

杏子「しょぼくれてんじゃねーぞ?」

ほむら「……」

杏子「そんな考えじゃ、名前に失礼だぜ」

ほむら「えっ…」

杏子「せっかくカッコいい名前なんだしさ、あんたもカッコよくなっちまえばいいんだ」

ほむら「…!」

杏子「だから、もうそんなことは気にするのやめなよ?」

杏子「わかった?」

ほむら「……」

ほむら(一緒だ…鹿目さんと同じ…)

ほむら(カッコよくなる…なりたい…!)

ほむら(カッコよくならなきゃダメだよ)

ほむら(なら…!)

ほむら「あのっ!」

杏子「ん?」

ほむら「わたし、カッコよくなります!」

杏子「あははっ。うん、それでいいんだよ」

ほむら「杏子さん、あなたのようにカッコよくなりたいの!」

モモ「!」

杏子「あはは…へ?」

杏子「ま、待て!カッコいい?あたしがか?」

ほむら「はいっ!」

杏子「えぇ?あたしなんかの何処がカッコいいのさ?」

ほむら「それは…」

モモ「お姉ちゃんはカッコいいよ!」

杏子「わわ?モモまでなに言ってんのさ?」

モモ「わたし、カッコいいお姉ちゃんが大好きだもん」

杏子「な、なんだよ…調子狂うな」

杏子「何か食いもん探してくる、2人で話してな」

モモ「あっ、逃げちゃった」

ほむら「杏子さん…」

モモ「でも、お姉ちゃんはほんとにカッコいいんだよ」

ほむら「モモちゃんはお姉ちゃんが大好きなんだね」

モモ「わたしの自慢のお姉ちゃんだもん」

ほむら「そっか」

ほむら(自慢のお姉ちゃん…か。いいなぁ)

モモ「それに、お姉ちゃんがいるから寂しくないもん!」

モモ「寂しくなんて…」ウルウル

ほむら「?」

ほむら(どうしたのかな?)

モモ「お父さん…お母さん…」ウルウル

ほむら「!」

ほむら(そういえば、お父さんもお母さんもいない…よね?)

ほむら(共働き…なんだろうな…)

ほむら(わたしもそうだから分かるよ…寂しいよね)

ほむら(二人とも帰りが遅いから、家ではいっつも一人だもん)

ほむら(でも、モモちゃんには杏子さんがいるから羨ましいな)

ほむら(…あれ?)

ほむら「……」キョロキョロ

ほむら(気のせい…かな?4人暮らしの割りには少なすぎるような…)

ほむら(家具や食器…みんな少ないよね?)

ほむら(……お金がないのかな)

ほむら(可哀想…)

モモ「ねえ、ほむらちゃん」

ほむら「ん?なにかな?」

モモ「ほむらちゃんにはお父さんもお母さんもいるんだよね?」

ほむら「え?そうだけど…」

モモ「いいなぁ…」

ほむら「…え?」

モモ「……ぐすっ」

ほむら「あ、あの…」

ほむら(な、なに?もしかして、離婚…?)

杏子「こらモモ!そのことは言っちゃダメだって言ってるじゃんか!」

モモ「だってぇ…」

ほむら「杏子さん…」

杏子「あはは、わりぃ。気にすんなよ」

ほむら「……」

ほむら(何か悪いことした気分…)

ほむら(…あ、謝らなきゃ)

ほむら「ご、ごめんなさい…」

杏子「え?」

ほむら「その…わたしのせいで…」

杏子「ん?よくわかんないけど、謝んなくていいよ」

ほむら「でも、お父さんかお母さん…」

杏子「…これは家の事情だよ、ほむらには関係ないぜ」

ほむら「……」

杏子「…あたしはモモを助けることができた、それだけで十分さ」

杏子「金がなくても、家がボロくてもいい」

ほむら「杏子さん…?」

モモ「お姉ちゃん…」

杏子「……心中なんて認めるかよ」ボソッ

ほむら「!」

ほむら(え…?)

杏子「おっと、悪いね。独り言だよ」

ほむら「……」

杏子「それよりも食いもんが…猫にあげたので最後だったなぁ」

杏子「ごめん、何も出せないよ…」

ほむら「あ、いえ…」

杏子「何かあれば良かったんだけど…」

ピンポーン

杏子「ん?」

モモ「あっ、もしかして!」

杏子「うん、わかってるよ」

ほむら「お客さん?なら、わたし帰らなきゃ…」

杏子「いや、大丈夫さ。あたしの友だちだよ」

モモ「いい人だよ!」

ほむら「え?でも、わたしは…」

杏子「まぁ待ってなって」

ほむら「……」

ピンポーン

杏子「わかってるって、今行くよ」

ガチャ

杏子「よっ」

マミ「こんばんは、杏子ちゃん」ニコニコ

杏子「ああ、マミ」

マミ「よかった、外出してるのかと思ったわ」

杏子「ちょっとお客がいてね」

マミ「あら、お客さん?なら…邪魔しちゃったかしら?」

杏子「いや、大丈夫さ。マミも上がっていきなよ」

マミ「ふふ、ありがとう。ならお邪魔させてもらうわね」

杏子「うん」

マミ「お邪魔します」

モモ「マミちゃん!」

マミ「ふふっ。こんばんは、モモちゃん」

ほむら「あっ…」

マミ「まあ、あなたがお客さんなのね?」

ほむら「あ、はい…」

マミ「その制服は見滝原中よね、1年生…かしら?」

杏子「いや、2年だってさ」

マミ「そう、ごめんなさい…見慣れない顔だったから」

ほむら「いえ、そんな…わたし、今日転校して来たばっかりですし…」

マミ「あら?転校生さんなの?」

ほむら「は、はい…」

マミ「ふふ、年下の転校生ともうお友だちになったのね」

マミ「凄いわ、杏子ちゃん!」

杏子「別に凄くねーって」

マミ「あなた、お名前は何て言うのかしら?」

ほむら「あ、えと…暁美…ほ、ほむらです」

マミ「そう、暁美ほむらさんね」

マミ「じゃあ次は私の番ね?」

マミ「私の名前は巴マミ、見滝原中の3年生」

マミ「そして、杏子ちゃんの親友よ!」ニコッ

ほむら「親友…」

マミ「うんっ」

杏子「ば、ばかっ!恥ずかしいからそう言うのはやめろよ!」

マミ「ふふっ、照れちゃダメよ?」

杏子「あぁ、もう!」

モモ「きゃはは」

ほむら「……」

マミ「私とも仲良くしてくれると嬉しいわ」

ほむら「えっ」

マミ「ねっ、暁美さん」ニコッ

ほむら「あ…んと…」

ほむら「は、はい…!」

マミ「うふふ、ありがとう」

杏子「おいマミ、ほむらが困ってんじゃんか」

ほむら「あはは…」

マミ「ふふ、ならこれを一緒に食べましょう?」

杏子「あっ…」

モモ「わぁ!ケーキだぁ!」

マミ「3人分作ってきたの、仲良く食べてね?」

モモ「わーい!ありがとう、マミちゃん!」

マミ「うふふっ」

杏子「マミ…でもさ…」

マミ「いい?気にしないの。あなたは人から貰うものを気にしすぎよ」

杏子「だって…」

マミ「それに、私と杏子ちゃんの仲でしょ?」

杏子「まぁ…そうだけどさ」

マミ「だから気にしない、わかった?」

杏子「…うん」

マミ「ふふ、ありがとう」

ほむら「あ、あの…」

マミ「ん?」

ほむら「さ、3人分なら…わたしは…」

マミ「いいのよ?暁美さんが食べて?」

ほむら「でも…それじゃ巴さんの分が…」

ほむら「このケーキは巴さんと杏子さんとモモちゃんの3人のものなんです」

ほむら「だから、わたしは…」

マミ「いーの、暁美さん?あなたが食べるの」

ほむら「……」

マミ「それとも、私の手作りは食べられないのかしら?」

ほむら「そ、そんなことは…!」

マミ「ふふ、なら食べられるわね?」

ほむら「はい…!」

マミ「暁美さん、ありがとう」ニコッ

ほむら「い、いえ…わたしこそ」

ほむら「こ、今度お礼します!」

マミ「あら、お礼だなんて…気にしなくていいのよ?」

ほむら「でも…」

マミ「なら…そうね、お願いをしようかしら?」

ほむら「お願い?」

マミ「ええ、マミさんよ」

ほむら「?」

ほむら「マミさん…?」

マミ「そう、私のことはマミさんって呼んで?」

ほむら「!」

マミ「杏子ちゃんは名前で呼んで貰ってるのに、私は名字なんだもの」

マミ「それだと少し寂しいわ…だから、マミさんって呼んでくれると嬉しいの!」

ほむら「…」

杏子「あたしが名前で呼ばれてるのは名字言ってないからだろ」

マミ「えっ?そうなの?」

杏子「ああ、そうだろ?」

ほむら「…は、はい。一応」

杏子「ほらな」

マミ「むぅ…」

杏子「んで、あたしの名字は佐倉。佐倉杏子さ」

ほむら「佐倉…杏子さん」

杏子「そ。まぁ佐倉さんなり杏子さんなり杏子なり好きに呼んでいいよ」

ほむら「よ、呼び捨てなんてできません!」

杏子「ん。なら佐倉さんか杏子さんだね、どうすんの?」

ほむら「…杏子さんで」

杏子「そっか、わかったよ」

マミ「やっぱり名前じゃないの、いいなぁ。杏子ちゃんだけずるい」

杏子「だって、ほむらが決めたことじゃん」

マミ「うぅ…」

ほむら「あ、あの…」

マミ「ねえ暁美さん、あなたにとって杏子ちゃんは何なの?」

ほむら「えっ?」

マミ「あなた、転校してきたばかりでしょ?どうやって知り合ったの?」

ほむら「それは…杏子さんがわたしのお友だちを助けてくれて…」

マミ「助けた?杏子ちゃんが?」

ほむら「はい」

マミ「まあ!凄いわ、杏子ちゃん!」

杏子「別に大したことはしてないって」

マミ「それでもよ。そうよね、暁美さん?」

ほむら「はい…!」

マミ「ほらね?」

杏子「はは…」ポリポリ

ほむら「そして…」

杏子「ん?」

ほむら「わたし、杏子さんに憧れたんです…!」

杏子「えっ」

マミ「まあ!」

モモ「わあ…!」

ほむら「杏子さんは、憧れの先輩です!」

杏子「ちょ…お、おいっ!何言ってんのさ?」

ほむら「うぅ…」

ほむら(やっぱり恥ずかしいよ…)

杏子「あ、憧れの先輩って…」

マミ「凄いわ、やったじゃない!ねっ?」

マミ「先輩杏子ちゃん!」

杏子「だ、誰が先輩杏子だっ」

杏子「あぁもう!何か恥ずかしいじゃねぇか!」

杏子「あたし、食器持ってくる!」

モモ「あはは、また逃げちゃった」

マミ「ふふっ」

ほむら「あ…あのっ、マミさん…」

マミ「あら?私のことも名前で呼んでくれるの?」

ほむら「は、はい」

マミ「暁美さん…ありがとう!」ギュッ

ほむら「…えへ」

マミ「それで、何か聞きたいことがあるの?」

ほむら「は、はい」

マミ「そう、何でも聞いて?答えられるなら答えるわ」

ほむら「…あの、どうして杏子さんは…」

マミ「……」

ほむら「人からものを貰うのを遠慮するんですか…?」

モモ「あっ…」

マミ「……それは…そうね」

ほむら「その…少し気になって…」

ほむら(お金に余裕がなさそうなのに…どうして遠慮するのかな?)

ほむら(貰えるものは貰った方が助かるはずなのに…)

ほむら(わたしや鹿目さんがお礼すると言っても断ったし…)

ほむら(なにか…理由があるのかな?)

モモ「……」

マミ「…暁美さん、それはね?」

ほむら「はい…」

杏子「マミ、余計なことは言うんじゃねーぞ」

ほむら「き、杏子さん…」

マミ「ええ、わかってるわ」

杏子「……」

ほむら「あ…そ、そのっ!わたし…」

杏子「…ほら、ケーキだ。食おうぜ」

ほむら「は、はい…」

モモ「お姉ちゃん…」

マミ「……ほら、私の自信作よ!仲良く食べてね?」

杏子「ああ、サンキューな、マミ」

マミ「ふふっ」

モモ「えと…」

ほむら「……」

ほむら(不味いこと聞いちゃったのかな…?)

ほむら(どうしよう…謝った方がいいよね?)

ほむら「あの…」

杏子「ほむら」

ほむら「は、はいっ!」

杏子「さっきの答えはさ…ただ、あたしのプライドが高いからだよ」

杏子「他人からモノもらうのが恥ずかしくってさ」

モモ「お姉ちゃん…」

マミ「……」

杏子「だからそのことは気にしないでさ、ケーキ食おうぜ!」

杏子「マミの自信作らしいし、きっと旨いよ」

マミ「ええ、美味しいと思うわ」

杏子「ほらっ、モモもさ」

モモ「う、うん!マミちゃん、食べていい?」

マミ「うん、美味しく食べてね」

モモ「ありがと、いただきまーす」

マミ「めしあがれ」

ほむら「……」

杏子「ほむら、食べないならあたしが食うぞ?」

ほむら「あ…ど、どうぞ」

杏子「ははっ、冗談だよ冗談!ほむらも食べなよ」

ほむら「……」

杏子「なっ?」

ほむら「は、はい…いただきます」

杏子「いただきます」

マミ「どうぞ、めしあがれ」

―――

杏子「ごちそうさま、旨かったよ」

モモ「おいしかったー」

マミ「ふふっ、ありがとう」

ほむら「……」

マミ「暁美さん、どうだった?」

ほむら「あっ…おいしかったです!」

マミ「そう、よかった」

杏子「んじゃ、片付けてくるよ」

ほむら「わ、わたしも手伝います」

杏子「サンキュー。でもいいよ、3人で話してな」

ほむら「だけど…少しくらい役に立ちたくて…」

杏子「気にすることねぇのにな…ま、仕方ねぇ」

ほむら「…?」

杏子「ほむら、この食器あらうの手伝ってくれない?」

ほむら「あっ…はい!」

杏子「そこが台所だよ、散らかっててごめんな」

ほむら「いえ、そんな」

ほむら「えと…」

ほむら(食器…全部でこれだけ?少ないよ…)

杏子「はは、やっぱ少ないよね」

ほむら「あ、その…」

杏子「ま、2人分しか必要ないから、こんなもんさ」ボソッ

ほむら「2人…分…」

杏子「っと!これじゃ湿気た話しになっちゃうよね」

杏子「さっさと終わらせよーぜ」

ほむら「は、はいっ!」

ほむら(やっぱり、親とは離ればなれで暮らしてるのかな…?)

ほむら「あれ…?」

ほむら(このお皿だけ場所が違う?)

ほむら(なんでだろう?)

ほむら「ん…」スッ

杏子「あっ、それは!」バッ

ほむら「きゃっ?」ポロッ

杏子「あっ!」

ほむら「あ…」

ガシャーン

杏子「……!?」

ほむら「あぁ…」

マミ「大丈夫?」

モモ「割れた音がしたよ?」

ほむら「あ、え、え、えっと…」

モモ「あっ?」

杏子「……」

モモ「お、お母さんが最後に―」
マミ「!」

杏子「っ!」バッ

モモ「もごもご」

ほむら「あ…あの、わ、わたし…」

ほむら「ご、ごめんなさい…」

杏子「………」

ほむら「杏子さん…んと、べ…弁償します!」

杏子「………」

ほむら「だから…あの、んっと…」

ほむら「ごめんなさい…」

杏子「……」

ほむら「杏子さん…」

杏子「……いいよ、気にしなくて」パッ

モモ「ぷはっ」

マミ「杏子ちゃん…」

ほむら「で、でも…」

杏子「皿なんだ、割れる時は割れるよ」

杏子「それに、ちゃんと閉まってなかったあたしが悪いんだ」

杏子「ほむらは何も悪くないよ」

ほむら「そ、そんな…」

杏子「…片付ける、破片が刺さったら危ないから3人は向こうに行ってな」

モモ「お姉ちゃん…」

杏子「ほら、行きな」

マミ「ええ、わかったわ…モモちゃん」

モモ「うん…」

ほむら「あの…」

マミ「暁美さん?大丈夫だから…行きましょう?」

ほむら「……杏子さん」

杏子「いたっ」

杏子「いてて…指切っちまった…」

杏子「いたいなぁ…」ウルウル

ほむら「……」

マミ「暁美さん」

ほむら「……はい」

杏子「……」

杏子「…行った?」

杏子「……うぅ…」

杏子「ぐすっ…くそっ…お母さん……」

杏子「……」ゴシゴシ

杏子「……!」キッ

杏子(こんなんで泣いてたまるか…!)

―――

ほむら「どうしよう…どうしよう…」オロオロ

モモ「お姉ちゃん……」

マミ「大丈夫よ、杏子ちゃんもそう言ってたでしょ?」

ほむら「だけど…」

杏子「もう大丈夫だ、片付いたぜ」

杏子「あの皿はさ、前にお袋が買ってきたやつなんだけど」

ほむら「!」

杏子「しまうの忘れてたんだよね」

ほむら「えと…」

杏子「別にたいしたもんじゃねぇから気にするんじゃねーぞ?」

杏子「皿ならまた買えばいいんだしさ」

ほむら「な、なら!わたしが買います」

杏子「あはは、いいって。んじゃ捨ててくる」

杏子「ちょっと時間かかるけど、気に寸なよなー」スタスタ

ほむら「あっ…」

モモ「お姉ちゃん…やっぱり…」

マミ「……」

マミ「さーて、私たちは何かして遊んでましょう?」

ほむら「……」

マミ「遊ぶのが嫌なら、勉強でもいいのよ?」

マミ「暁美さんは宿題ある?あるなら教えてあげるわ」

ほむら「…宿題は…大丈夫…です」

マミ「そう?なら…」

ほむら「わ、わたし…やっぱり謝ってきます!」タタッ

マミ「あっ?」

テスト

マミ「ま、待って!」

ガチャッ

タタッ

マミ「あ、暁美さん…」

モモ「ぐすっ…」

マミ「モモちゃん…大丈夫?」

モモ「お姉ちゃん…絶対無理してるよ…」

モモ「ほんとは一番辛いのお姉ちゃんなんだよ?」

マミ「……うん、でも杏子ちゃんは頑張ってるわ」

マミ「私にも気持ちがわかるもの」

マミ「……親がいない寂しさが」

杏子「………」

杏子「っ…」ウルウル

杏子「お母さん…」

杏子「うぅっ…くそっ…くそっ…」

杏子「ちくしょう…」

杏子「ぅ…うぅっ…」

杏子「うぅぅっ…」ポロポロ


ほむら「……」

ほむら(杏子さん…泣いてるの…)

ほむら(わ、わたしのせいだよ…どうしよう…)

ほむら(そんなに大切なお皿だったんだ…)

杏子「………」

杏子「っ…」ウルウル

杏子「お母さん…」

杏子「うぅっ…くそっ…くそっ…」

杏子「ちくしょう…」

杏子「ぅ…うぅっ…」

杏子「うぅぅっ…」ポロポロ


ほむら「……」

ほむら(杏子さん…泣いてるの…)

ほむら(わ、わたしのせいだよ…どうしよう…)

ほむら(そんなに大切なお皿だったんだ…)

ほむら「うぅ…」ガタッ

杏子「っ?」クルッ

ほむら「あっ…」

杏子「ほ、ほむら?」

杏子「っ…」ゴシゴシ

ほむら「あ、あの!わたし…謝りにきたんです」

杏子「……なに言ってんのさ、ほむらは悪くないって言ったろ?」

ほむら「ううん、わたしが余計なことをしたから…」

杏子「いや、ほむらは悪くないってば」

杏子「…何時までも親の残した皿一枚に頼っていたあたしが悪いんだ…」

杏子「あたしが悪いんだよ…」

ほむら「杏子さん…」

杏子「……隠してても仕方ないよね」

ほむら「えっ?」

杏子「いいよ、話すよ…あたしの…私のことをさ」

ほむら「……!」

杏子「あの皿はね…私のお袋…ううん、お母さんが私たちに最後に買ってくれた皿なんだ」

ほむら「…最後に」

杏子「うん、もうお父さんもお母さんもこの世にはいないからね」

ほむら「……えっ?」

杏子「心中だよ、家族4人で死のうとしてね」

杏子「でも私はモモを連れて逃げたんだ」

ほむら「……」

杏子「お父さんは神父だったんだ、しかもすっごく優しい人でさ」

杏子「本気で世のことを…命のこと考えてて、毎日新聞見ては泣いてたんだ」

杏子「お父さんは間違ったことは言ってなかった…なのに、誰も話を聞いてくれなくて…」

杏子「気がつけば教会にはいられなくなってさ…安いボロアパートで住むことになったんだ」

杏子「でも私は家族と一緒にいられるならそれで良かったんだ」

杏子「金なんていらない…みんながいればそれでよかった」

杏子「お父さんはバイト掛け持ち、お母さんはパートをしてお金を稼いでたんだ」

杏子「私はモモと一緒に2人の帰りを待って、一緒にご飯を食べるのが楽しみだった」

杏子「私はそれで幸せだったんだ」

杏子「それに神様もちゃんと私達を見てくれてるって信じてた」

杏子「なのに…なのにお父さんはっ…!」

杏子「これ以上みんなを苦しめたくない…全部自分が悪いって」

杏子「来世で幸せになろうなんて言い出して…」

杏子「お母さんは必死で止めようとしたよ、でも…」

ほむら「あ……」

杏子「でもっ…うぅっ……」

杏子「私がちゃんと幸せだってちゃんと言えてたら…お父さんもおかしくはならなかったのに…」

杏子「…私は、モモを連れて逃げることしかできなかった」

杏子「……それからは私はモモと親戚の家に預けられたよ」

杏子「みんな優しい親戚だと思った…でも、ほんとは違ったんだ」

杏子「どんなに優しい顔してモノくれても…ほんとの狙いは…」

杏子「知りたくはなかったよ…人の欲を、金の力をさ」

杏子「だから私は誓ったんだ、金にも他人にも頼らないでモモと2人で強く生きるって」

杏子「私は…あたしは、強くならなきゃいけないんだ!」

杏子「でもやっぱり金は必要だよ…だから今も親戚に取られなかった残りた少ない金で生活してるんだ」

ほむら「……」

杏子「中学を卒業したら働くよ、あたしがモモを守るんだ」

杏子「モモはあたしに残った最後の幸せなんだ」

杏子「あの皿は…お母さんの形見だと思って今まで毎日眺めながら食器を洗ってたんだ」

ほむら「あっ…」

杏子「…結局、あたしはずっとお母さんに依存してたんだと思う」

ほむら「杏子さん…」

杏子「…だからさ、今回割れて良かったよ…母親離れするいいきっかけになった」

杏子「……これでよかったんだよ、これで」

杏子「……」ウルウル

ほむら「杏子さん…そんなの悲しすぎるよ…」

杏子「だって仕方ないだろ?魔法や奇跡があればあたしだって…」

杏子「でも無いんだよ…奇跡も魔法も無いんだよ」

ほむら「……」

杏子「…だから、あたしは強くなる、強くならなきゃダメなんだ!」

杏子「強く…」グスッ

杏子「うぅ…うぅぅっ…」

ほむら「杏子…さん…」

杏子「あたし…あたしぃ…」ポロポロ

ほむら「ぁ…」

モモ「お姉ちゃん!」タタッ

杏子「モモ…」

モモ「…お姉ちゃん」

杏子「モモ…ごめん…ごめんね」ギュッ

杏子「私が…私が弱いから…カッコ悪いからモモに辛い思いをさせちゃって…」

モモ「そんなことないよ?」

杏子「モモ…」

モモ「お姉ちゃんは弱くないよ?カッコ悪くなんかないよ」

杏子「……」

モモ「お姉ちゃんは世界一カッコいいお姉ちゃんだよっ!」

杏子「モモ…!」

モモ「お姉ちゃんは、わたしの宝物だよ?」

モモ「だってわたし、お姉ちゃんが大好きだもん!」

杏子「うぅっ…うぅ…うわぁぁぁっ」

モモ「お姉ちゃん…」ギュッ

杏子「モモ…ぐすっ…モモぉ…」

杏子「ごめんね…ごめんねっ…」

モモ「いいんだよ」

ほむら「杏子さん…モモちゃん…」

マミ「杏子ちゃんのことはモモちゃんに任せましょう?」

ほむら「マミさん…」

マミ「杏子ちゃんのことは、いっつも一緒にいたモモちゃんが一番よくわかっているわ」

マミ「自称親友の私なんかより…ずっとね」

ほむら「……」

マミ「せっかくだし、今からお話ししましょうか」

マミ「もう暁美さんも他人じゃないからね」

マミ「だって暁美さんは…」

ほむら「…はい」

ほむら(そうだよ…わたしのせいでこんなことになっちゃったんだもん…)

マミ「暁美さんはもう、私達を3人のお友だちなんだからね」ニコッ

ほむら「えっ…?」

マミ「だから包み隠さず、私のこともちゃんとお話しするわ」

ほむら「は、はい…!」

マミ「ふふ、ありがとう。暁美さん…私もね?杏子ちゃんとおなじなの」

ほむら「同じ…?」

マミ「私も…もう両親はいないの」

ほむら「え…?」

マミ「これを話して、慰めてや同情してとは言わないわ」

マミ「ただ、知ってほしいの。私の…そして、杏子ちゃんのことをね」

ほむら「……」

マミ「私はね?家族3人交通事故に巻き込まれて…」

マミ「私だけ助かったの…奇跡だとよく言われるわ」

ほむら「マミさん…」

マミ「でも私は奇跡だとは思ってないわ、お父さんとお母さんが私を守ってくれたって」

マミ「私はそう信じてるの」

ほむら「…」

マミ「私には…身寄りがなかったから施設に行きなさいと言われたわ」

マミ「でも、私は家に残ることを選んだの」

ほむら「…?」

マミ「どうしてかって?それはね?あの2人がいてくれたからよ」

ほむら「あっ…」

マミ「そう、杏子ちゃんとモモちゃんがね」

マミ「私と杏子ちゃんは同じクラスだったの、でも最初は特別仲好しじゃなかったわ」

マミ「仲良くなったのは…私の両親のことをクラスのみんなが知ったときよ」

マミ「クラスのみんなはみんな、私のことを可哀想って言ってたわ」

マミ「慰めてくれた…それは嬉しかったけど…少し寂しかったの」

マミ「誰にも私の気持ちはわからないんだ…ってね」

ほむら「マミさん…」

マミ「そんな中、一人だけ泣いていた…泣いてくれた女の子がいたの」

ほむら「それって…」

マミ「うん、杏子ちゃんよ」

マミ「杏子ちゃんは私の気持ちになって考えてくれて、泣いてくれたの」

マミ「それまではあまり話したことはなかったのによ?」

ほむら「杏子さん…」

マミ「私はそれが嬉しかった…それは今も同じ」

マミ「それから、私と杏子ちゃんは仲良くなったわ」

マミ「そしてモモちゃんもね」

マミ「学校はいつも3人で通って3人で帰った」

マミ「何時もはひとりぼっちの私の家も2人が来てくれるから寂しくなかったわ」

マミ「2人は本当に私の親友なの」

マミ「私はひとりぼっちに見えたかもしれない…でも本当はひとりぼっちじゃなかったわ」

マミ「私は幸せだった、2人が大好きだったのよ」

マミ「…でも、お別れの時がやってきたの」

ほむら「えっ?お別れ…?」

マミ「ええ…2人のご両親が…そして、2人は転校していったの」

ほむら「……」

マミ「だけど、2人はまた私のもとへ帰ってきたの」

マミ「2人っきりでね」

ほむら「そっか…だから…」

マミ「ええ、杏子ちゃんは自分の力で生きるって覚悟をしたのよ」

マミ「……本当は泣き虫で優しい杏子ちゃんがね」

マミ「杏子ちゃんは口調も性格も無理して変えていたわ」

マミ「そして誰の助けも受け取ろうとはしなかった」

マミ「私がそれまでのお礼をしようとして、慰めようとしても…断られて」

ほむら「マミさん…」

マミ「…私は悔しかったの、私は杏子ちゃんに助けられたのに」

マミ「私は…杏子ちゃんを助けられないのかなって…」

ほむら「……」

マミ「…私にできることは1つしかなかったわ」

マミ「杏子ちゃんの親友として、杏子ちゃんを支えること」

マミ「例え杏子ちゃんが拒んでも…諦めるわけにはいかなかったの」

マミ「私も杏子ちゃんのように人の気持ちになって考えて、泣けるような人になりたかったわ」

マミ「でも、それは難しかった…」

マミ「同じ両親をなくした私でも…杏子ちゃんの気持ち全てを知られなかったの」

マミ「杏子ちゃんは両親をなくしてない時に私の気持ちになってくれたのにね」

ほむら「……」

マミ「不思議よね?なんで杏子ちゃんにはわかったんだろうってね」

マミ「でも、私にはわかるわ…それは杏子ちゃんが優しすぎるからよ」

マミ「杏子ちゃんがよく言っていたわ、お父さんはすごく優しい人だって」

マミ「人のために涙を流せる人だってね」

ほむら「…!」

マミ「それはきっと、杏子ちゃんも同じなんだと思うわ」

マミ「杏子ちゃんは優しい女の子よ、本当に…ね」

ほむら「そう…ですね」

マミ「…でも杏子ちゃんは一人で背負いすぎなのよ」

マミ「満足なお金も持ってないのに、モモちゃんとたった2人で生きるだなんて…」

ほむら「それは…」

マミ「私は…1人よ、でも私には2人がいてくれたから」

マミ「それに…私はお金にも困らなかった…」

マミ「でも…2人は……」

マミ「2人はね?本当にギリギリの生活をしているの」

マミ「食事はスーパーの安いお弁当を2人でわけで食べているわ」

ほむら「あ…だから…あの時…」

マミ「自炊はできないみたいなの…だから、私は手伝うと言ったわ」

マミ「それに手料理だって持っていったわ…でも、受け取ってくれなかったの」

マミ「自力でなんとかするって…だからさっきのケーキのように食べてくれることは滅多になかったわ」

マミ「…杏子ちゃんが私の手料理を食べる時は…本当に思い詰めてる時だけなの」

マミ「だから今日も…そしてやっぱり泣いてしまったわ」

マミ「杏子ちゃんは責任をすごく感じてるのよ…そして全てを一人で背負っているの」

マミ「私とは似てるようで、全く似てない状況よ…」

ほむら「マミさん…」

マミ「暁美さん…あなた、杏子ちゃんに憧れたって言ってたわよね?それは何故?」

ほむら「そ、それは…杏子さんがカッコよかったからです…」

マミ「…カッコいい?」

ほむら「は、はい…わたしなんかと違ってカッコいい性格だなって…」

マミ「……」

ほむら「わたし…自分の性格が…名前負けしてるのがすごく嫌で…」

ほむら「それに言われたんです、お友だちに…鹿目さんに」

ほむら「そして杏子さんに、カッコよくなればいいって…」

マミ「…そう、だからカッコよく見えた杏子ちゃんに憧れたのね?」

ほむら「はい…」

マミ「でも、その杏子ちゃんは無理して作った性格の杏子ちゃんよ」

マミ「それは本当の杏子ちゃんではないわ」

マミ「本当の杏子ちゃんは…優しすぎる女の子よ」

マミ「のら猫を見かけては、数少ない自分の食べ物を与えて…」

マミ「お腹を鳴らせながら笑って猫を見てる、優しい女の子なの」

マミ「でも、そんな杏子ちゃんが一番カッコいいと思うわ」

マミ「そうよね?暁美さん」

ほむら「はい…!」

マミ「ふふっ、ありがとう。私もそう言ってくれると嬉しいわ」

ほむら「マミさん…」

マミ「…でも、その杏子ちゃんはもう限界だと思うの」

ほむら「……」

マミ「いつも隠れて泣いているのは知っていたわ…でもね?」

マミ「今日のように私たちの前で泣いたのは初めてなの…」

ほむら「そうなんですか…?」

マミ「…ええ、杏子ちゃんは無理をしすぎたわ」

マミ「だからね?暁美さん…あなたにお願いがあるの?」

ほむら「えっ?わたしに…ですか?」

マミ「ええ――」

杏子「すぅ…すぅ…」

モモ「お姉ちゃん…」

マミ「モモちゃん、杏子ちゃんは…あっ」

モモ「あの後、部屋に戻ってお話しようとしたら…眠っちゃって…」

マミ「そう…」

マミ(あのお皿…お母さんの形見が割れて心の支えがなくなってしまったなのかしら)

マミ(…杏子ちゃん)

杏子「お母さん…」

ほむら「杏子さん…」

モモ「……」

マミ「モモちゃんも休んだら?疲れたでしょ?」

モモ「ううん…わたしは大丈夫だよ、わたしにはお姉ちゃんがいるもん」

モモ「だけど、お姉ちゃんは…」

マミ「モモちゃん…」

マミ「今は…もう夜ね、モモちゃんも無理しちゃダメよ?」

モモ「うん、わたしがお姉ちゃんを助けるだもん」

モモ「無理してお姉ちゃんに迷惑かけちゃダメなんだよね?」

マミ「うん、そうよ。ありがとう、モモちゃん」

モモ「ううん、マミちゃんもありがとう」

マミ「ふふっ」

ほむら「あの…わたしは…」

マミ「暁美さんも帰って休んだ方がいいわ」

マミ「ただでさえ、転校してきたばっかりなのに…疲れたでしょ?」

ほむら「でも…」

マミ「それに、早く帰らないとお母さんに叱られちゃうぞ?」

ほむら「あっ…」

マミ「ふふ、その様子だと連絡はまだみたいね」

ほむら「う…は、はい」

マミ「思いっきり叱られてきなさい!」

ほむら「……」

マミ「ふふ、今のは冗談よ。でも今日は帰りなさい」

マミ「あなたにはあなたの役目があるの、忘れてないわよね?」

ほむら「…はい!」

マミ「ふふっ、よろしい!」

ほむら「マミさん…」

マミ「明日からもよろしくね、暁美さん」

ほむら「は、はい…よろしくお願いします!」

マミ「…ありがとう。ふふ、また明日ね、ばいばい!」

ほむら「さ、さようなら…!」

モモ「ばいばい、ほむらちゃん」

翌日

まどか「おはよー」

さやか「おはようっす!」

仁美「おはようございます」

さやか「まどか、今日から例の転校生も一緒に登校するんだよね?」

まどか「うん、そうだよ」

さやか「くぅー!転校初日を風邪なんかで逃すとは…」

さやか「さやかちゃん一生のふかくっ!」

まどか「うぇひひ、おおげさだよぉ」

さやか「むぅー!まどかはもう転校生と仲良くなったんでしょ?」

まどか「えへへ、そうだよ」

さやか「羨ましいなぁ…ねえ、仁美!」

仁美「はい、私も昨日は忙しくてあまりお話できなかったので…」

さやか「なら今日はあたし達の番だね!」

仁美「ええ、そうですわね!」

まどか「てぃひひ!…あっ」

まどか「ほむらちゃーん!」

ほむら「お、おはようございます…!」

まどか「おはよぉ、ほむらちゃん」

さやか「おっはよー!」

仁美「おはようございます」

ほむら「鹿目さん、志筑さん…それに…」

さやか「あたし?あたしはさやかちゃんだよっ!」

さやか「あたしの名前は美樹さやか!よろしくね?転校生さん!」

ほむら「は、はい!」

さやか「えへへ、まどかから聞いたぞぉ?カッコよくなりたいんだってね」

ほむら「!」

さやか「そーゆーことならこのさやかちゃんに任せなさい!」

さやか「あたしがほむらをカッコよくプロデュースしてあげるね」

ほむら「美樹さん…」

まどか「てぃひひ、さやかちゃんに話したらはしゃいじゃって」

仁美「私も伺いましたわ、私も協力しますね」

まどか「もちろん、わたしもだよ!」

ほむら「…!」

さやか「と言うことで、あたし達に任せてよ」

さやか「何の心配もいらないからね!」

ほむら「…ありがとうございます」

さやか「うんうん!じゃあまずは目標立てよかった」

まどか「さやかちゃん、噛んでる噛んでる」

さやか「はぅ!…た、立てよっか!立てよっかね!」

仁美「ふふっ。そうですわね、どのようなカッコいいほむらさんがいいのでしょうか?」

さやか「暁美ほむらちゃんはクールカッコいいとか意外といけるんじゃない?」

まどか「わたしは…んっとね?炎のように燃え上がれー!みたいな…えへへ」

仁美「どちらも素敵ですわね」

さやか「ねっ、ほむらはどっちがいい?」

ほむら「えへへ、実はもう決まってるんだ」

まどか「えっ?そうなの?」

ほむら「うん、実はね―」

放課後

杏子「……」

杏子(もう終わりか…今日は一日中…集中できなかったな)

杏子(昨日のあれのせい…だよね?やっぱダメだよなぁ…)

杏子(飯はマミが用意してくれてたから助かったよ…流石に断れなかったし)

杏子(それに…何か疲れちゃったよ)

杏子(無理…しすぎたかな?はは…情けねぇや)

杏子(人前で泣いちまったしさ…疲れてるんだよ、きっと)

杏子(今日は帰って寝よう…)

マミ「杏子ちゃん!」

杏子「マミ…?あぁ、昨日はありがとね。礼言うの遅れちゃったよ」

マミ「ううん、大丈夫よ?私は何も気にしていないわ」

マミ「それよりも、今日はあなたに見せたいものがあるの」

杏子「見せたいもの…?」

マミ「うん、だからついてきて?」

杏子「でもさ、あたし…疲れちまって」

マミ「大丈夫、その疲れもきっと治してくれるわ」

杏子「そう…なのか?」

マミ「ええ、だから…ね?」

杏子「……わかったよ、じゃあモモは?」

マミ「モモちゃんは用事があるみたいだから、今日は私と2人よ」

杏子「…そっか」

マミ「ふふっ、行きましょう?」

杏子「はいはい、そう急ぐなって」

杏子「マミー、さっきから歩いてるだけじゃんか」

マミ「まぁまぁ、慌てないで?」

杏子「だってさ…」

マミ「あら?美味しそうなたい焼き屋さん」

杏子「たい焼き…!」

マミ「……杏子ちゃん、たい焼き好きだったわよね?食べていかない?」

杏子「…いや、いいよ。金ないしさ」

マミ「大丈夫、お金は私が出すわ」

杏子「……受け取れないって、いいから次行こうぜ」

マミ「…杏子ちゃん」

杏子「ん?」

マミ「そこで待ってて?」タタッ

杏子「あっ、マミ!」

杏子「……行っちゃった」

杏子「…たい焼き、か」

杏子「昔はよくモモと半分にして食べたっけ」

杏子「旨かったなぁ…あの時のたい焼き」

杏子「でも…今はたい焼き買う金なんて……」

杏子「っ…」

マミ「おまたせー」

杏子「マミ…」

マミ「はい、あーん」

杏子「へっ?」

マミ「食べないのなら、私が食べさせてあげるわ」

杏子「なっ…」

マミ「杏子ちゃん、あーん」

杏子「ばっ、ばかに―」

マミ「えいっ」

杏子「ぱくっ」

杏子「あ……」

マミ「ふふっ、どう?おいしい?」

杏子「ま、マミ!くそっ…仕方ないな」

杏子「もぐ…もぐ…」

杏子「もぐもぐ」

マミ「うふふっ」ニコニコ

杏子「……ごちそうさま、旨かったよ」

マミ「あら?全部食べていいのよ?」

杏子「いや、残りはモモの分だよ」

マミ「モモちゃんの分…ねぇ。ふふっ、杏子ちゃんは優しいわね」

杏子「優しいとかそういう問題じゃねーよ、モモだってお腹空かせてるんだ」

杏子「なのに、あたし一人で全部食べられるわけないじゃんかよ」

マミ「そうね…でも、今日くらい全部食べてもいいのよ?」

杏子「ダメだ!できないって」

マミ「私は杏子ちゃんに買ったのよ?」

杏子「なら尚更だよ、これはモモの分だ」

マミ「そう…ふふ、わかったわ。杏子ちゃんの好きにして」

杏子「ああ、そうさせてもらうよ」

マミ「それじゃ、次に行きましょうか」

杏子「ああ」

―――

杏子「マミ!何時まで歩いてんのさ?もう何時間か経ったぞ」

杏子「いい加減にしないと帰るぞ!」

マミ「…もう大丈夫かしら?」

杏子「え?」

マミ「うん、それじゃあ杏子ちゃんの家に帰りましょう」

杏子「……?」

起きてるけど、さるで書き込めん

???

マミ「今日は付き合わせてしまってごめんね?」

杏子「ったく…ただ歩いてただけじゃねぇか」

マミ「ふふ、ごめんなさい」

杏子「次からはやめろよ?あたしにだってたまにはゆっくり寝たい時もあるんだからさ」

マミ「…そうね、杏子ちゃん…疲れたものね」

杏子「え?あぁ…まぁ、少しね」

マミ「そろそろ、自分に無理をするのはやめた方がいいわ」

杏子「……別に無理なんかしてねぇよ」


マミ「そうかしら?あなた…今もすごく疲れてるでしょ?」

杏子「それはマミが無駄に連れ回すからだろ!」

マミ「本当にそうかしら?」

杏子「え…」

マミ「杏子ちゃん…」ギュッ

杏子「なっ?ま、マミ…?」

マミ「もう…無理するのはやめよう?一人で背負っちゃダメよ…」

杏子「あ、あたしは…無理なんか…無理なんか…」

マミ「もういい、もういいんだよ、杏子ちゃん」

杏子「マミ…」

マミ「あなたは頑張ったわ、だからもう一人で背負い込むのはやめよう?」

杏子「……」

マミ「あなたには、私『達』がいるんだから…!」

杏子「えっ?」

マミ「ふふっ。さ、家についたわ。上がりましょう?」

杏子「あ、ああ…」

杏子(なんだ…?)

杏子「た、ただいま」

パァンッ

杏子「うわっ?」

パァンッパァンッ

杏子「わわわっ?な、なんだ?」

杏子「く、クラッカー?」

ほむら「杏子さん、おかえりなさい」

まどか「おかえりなさいっ」

杏子「あ、あんたら?どうして家に?」

さやか「ほむらとまどかだけじゃないぞぉ」

仁美「こんばんは」

杏子「だ、誰…?」

モモ「お姉ちゃん、おかえりなさい!」

杏子「モモ…これは一体…?」

マミ「パーティーよ」

杏子「ぱ、パーティー?」

ほむら「はい、杏子さんのパーティーです」

杏子「いや、あたしのって…わけわかんねぇよ」

マミ「うふふっ」

杏子「おい、マミ!どういうことだ!」

マミ「見ての通りよ?杏子ちゃん、あなたの為のパーティーよ」

杏子「いやっ、だから!何であたしのパーティーなのさ?」

マミ「私が考えたのよ、あなたの疲れをなくすパーティーをしようって」

ほむら「そして、それにわたしが…わたしとお友だちが賛成したんです」

まどか「一緒にパーティーしようって」

杏子「は、はぁ…」

さやか「そーゆーこと!」

仁美「ふふっ」

杏子「ってか、あんたらは誰なのさ?」

さやか「あたし?あたしは美樹さやか!」

仁美「私は志筑仁美です、よろしくお願いしますわ」

さやか「よろしくぅ!」

杏子「えーと…」ポリポリ

杏子「ま、マミ…話が見えないんだけど…なんでここに7人もいるんだ?」

マミ「私が誘ったからよ」

杏子「で、でもっ!あたしは知らないぞ!」

杏子「ほむらは知ってるけどさ…それと鹿目さんだっけ?」

まどか「はいっ」

杏子「あんたは一応知ってるけど、他の2人は会ったことないぜ?」

さやか「初対面ですからねぇ」

仁美「そうですわね」

杏子「…で、なんで初対面なのにここにいるんだよ」

杏子「マミの友だちかも知れないけどさ、あたしは違うんだぞ?」

マミ「私も暁美さん以外とお友だちになったのは今日の昼休みよ」

モモ「わたしは放課後だよ」

杏子「えっ…?」

さやか「うん、あたしもマミさんとモモと友だちになったのは今日ってわけ」

仁美「初対面でも、すぐに打ち解けることができましたわ」

まどか「みんな、いい子だもん」

ほむら「うん…!」

杏子「……」

杏子「ますますわかんねぇよ…なんであたしの家なんかに…」

マミ「簡単な話よ?みんな、あなたのお友だちになりたいの」

杏子「え?」

ほむら「杏子さん…わたし、決めたんです」

杏子「ほむら…」

ほむら「わたし…自分に自信が持てなくって…何にもできないカッコ悪い自分が嫌で…」

ほむら「そんな時に見た、杏子さんにわたし…憧れたんです」

ほむら「杏子さんのようなカッコいい人になりたいって…!」

杏子「…あたしは別に…カッコよいなんかねーよ」

杏子「昨日も泣いちまったしさ」

ほむら「ううん、そこがカッコいいと思うの」

杏子「えっ」

ほむら「すごく辛いのに…一言も弱音を吐かないで頑張ってるあなたが」

ほむら「わたしにはすごくカッコよく見えたんです」

杏子「……!」

ほむら「だから、わたしもあなたのようにカッコいい人なりたいとおもったの」

ほむら「本当は強くなくてもいい、弱くても泣き虫でもいい」

ほむら「ただ…最後まで諦めない、カッコいいあなたの用になりたいなって」

ほむら「ほむらの名前に負けないわたしになりたいの…!」

杏子「……」

杏子「…そっか、ほむらには目標があるんだね」

ほむら「はい…!」

杏子「なら頑張りなよ?なれるさ、ほむらならね」

ほむら「ありがとう…ございます…!」

杏子「ふっ、でも実際のあたしはカッコよくとも何ともないぜ?」

ほむら「そんなこと…」

まどか「そんなことないです…!」

杏子「え?」

まどか「わたし、昨日助けてもらった時にわかったもん」

まどか「あなたは優しくてカッコいい女の子だって…!」

まどか「ほむらちゃんだけじゃなくて、わたしもそう思ったんだよ?」

杏子「……」

まどか「だから、わたし達…あなたと仲良くなりたいって思ったんだ。ね、ほむらちゃん」

ほむら「うんっ」

杏子「…あたしと仲良く、か」

杏子「ま、それは良いけどさ…」

さやか「んん?じゃあ、あたしと仁美は何かって?」

杏子「…だって完全に初対面じゃんかよ」

さやか「そんなの関係ないよ、ねっ?」

仁美「はいっ」

杏子「…だけどさ」

さやか「友だちの友だちは友だちだよ」

さやか「それに、一人よりも二人よりももっともっと多い方がいいじゃん!」

杏子「…!」

仁美「はい、ですから私も参加したんです」

仁美「佐倉さん、私もあなたとお友だちになりたいんです」

さやか「あたしもあたしも!」

仁美「ダメ…ですか?」

杏子「……」チラッ

モモ「みんな、いい人だよ!わたしもお友だちになったもん!」

杏子「モモ…」

マミ「私も同じよ。みんなと仲良くなりたいわ」

マミ「杏子ちゃん、あなたと一緒にね」ニコッ

杏子「マミ…」

杏子「…あたしは……」

マミ「杏子ちゃん、これからはもう一人で背負い込むのはやめて」

マミ「みんなと一緒に頑張りましょう?」

マミ「みんな…みんなあなたのお友だちよ」

マミ「それはここにいる5人だけじゃないわ、クラスのみんなだってそうよ」

杏子「…!」

マミ「あなたが辛い思いをしているのは…これでもわかっているつもりよ」

杏子「なら…」

マミ「でもね?だからこそ、あなたにはそんな思いを一人でしてほしくないの」

マミ「辛いときは一緒に耐えて、嬉しい時は一緒に笑って…」

マミ「そんなお友だちに、私はなりたいの」

杏子「マミ…」

マミ「だって、私もそうやって助けられて来たんだもの」

マミ「杏子ちゃん、あなたにね」

杏子「あたしに…?」

マミ「うん、私が今日まで頑張ってこれたのはあなたのおかげなの」

杏子「別にあたしはマミに何もしてないぞ…?」

マミ「ううん、たくさん貰ったわ」

杏子「え?だってプレゼントする金なんて…」

マミ「お金じゃないわ、気持ちよ」

杏子「…!」

マミ「わたしにとってね?杏子ちゃん、モモちゃん…二人と過ごした時間は」

マミ「かけがえのない宝物なの」

杏子「マミ…」

マミ「それは、これからも同じよ」

マミ「これからも私と杏子ちゃん、モモちゃん…そして」

ほむら「わたしたちも…一緒にいたいんです…!」

マミ「そう、暁美さん達後輩、そしてクラスのみんな」

マミ「杏子ちゃんは一人じゃない、みんながいるの」

杏子「みんなが…」

マミ「あなたは一人なんかじゃない、それを知ってほしかった」

マミ「そして、これからは一緒に頑張りたいの!」

杏子「…!」

マミ「杏子ちゃん…もういいのよ?」

マミ「一人で無理して…苦しまなくていいの」

マミ「全部私たちが受け止めるから」

マミ「だから…ね?杏子ちゃん」スッ


杏子「マミ…」

マミ「これから一緒に頑張ろう?一緒に楽しもう?」

杏子「……うん!」ギュッ

―――

ほむら「んっと…」

まどか「どうしたの?ほむらちゃん」

ほむら「ふふ、わたしが転校してからどのくらい経ったのかなって」

まどか「あっ、それはね?」

さやか「今日でちょうど半年と一日だよ」

ほむら「あっ、さやかちゃん」

さやか「やっほー!今から杏子ん家に行くんでしょ?」

まどか「うん、さやかちゃんも行くよね?」

さやか「もっちろん!抜け駆けは許さんぞぉ!」

仁美「それはさやかさんもですわ」

さやか「わわっ?ひ、仁美…いつの間に?」

ほむら「仁美ちゃんも一緒に行くんだもんね」

仁美「はい、杏子さんのお家にね」

さやか「あはは、そうだよね」

まどか「今日のお土産はなんなのかな?」

仁美「ふふっ、ついてからの楽しみです」

まどか「えへへ。楽しみだね、ほむらちゃん」

ほむら「うん!…でも、まどかちゃんって意外と食いしん坊だね」

まどか「てぃひひ!だって美味しいんだもん!」

さやか「だからって食べすぎはいかんぞー」

仁美「ちゃんと人数分あるから大丈夫ですわ」

さやか「人数分あってもねぇ…この前あたしの分こっそり食べてたし」

さやか「全く油断も好きもない女だよ、まどかは」

まどか「えー?酷いよぉ!」

ほむら「ふふっ」

まどか「だってね?この前のはさやかちゃんが、わたしの分を食べた仕返しなんだよ?」

さやか「あれ?そうだったっけ?」

まどか「もう!だからさやかちゃんが次は食べていいって言ったの忘れたの?」

さやか「あっ…そうだった、ごめーん!」

まどか「もー」

仁美「あらあら」クスッ

ほむら「あっ、そろそろつくよ」

仁美「まどかさん、さやかさん、先輩方の前で喧嘩しちゃダメですわよ?」

まどか「大丈夫だよ、わたし達は喧嘩なんてしないもん」

さやか「だってあたし達はみーんな親友だからね!」

仁美「ふふ、そうですわね」

ほむら「うんっ!」

まどか「それじゃ、行こうよ」

さやか「あたし達の大切な先輩の」

ほむら「杏子ちゃんのお家にね」

仁美「はいっ!」

マミ「さてと、準備完了!」

モモ「後はみんなが来るのを待つだけだね」

杏子「うん、そうだね」

マミ「杏子ちゃん、今日は何のパーティーでしょう?」

杏子「あれでしょ?私達がほむら達と友だちになってから半年記念のパーティー!」

マミ「ふふ、正解!」

モモ「さすがお姉ちゃん!」

杏子「えへへ」

マミ「ふふっ、杏子ちゃんもすっかり丸くなったわね」

杏子「ほんとほんと、誰のせいなんだか」

マミ「うーん…誰かしら?」

杏子「わかんないならヒントあげよっか?」

マミ「うん、ちょうだい!」

杏子「それはね?えーと…黄色いツインドリルかな」

マミ「え」

モモ「きゃははっ!それは酷いよお姉ちゃん」

杏子「んー?だってそうじゃん」

マミ「も、もう!酷いわ杏子ちゃん!」

マミ「この髪型…昔杏子ちゃんが褒めてくれたから…気に入ってるのに…」

マミ「ぐすん…」

杏子「わわっ?冗談!冗談だよ、マミ!」

杏子「だから泣いちゃダメだ!」

マミ「めそめそ」

杏子「ま、マミ…」ソォー

マミ「ばぁっ!」

杏子「わぁっ!?」

モモ「きゃははっ!」

マミ「てへへ、私も冗談よ」

杏子「なっ…びっくりしたな、もう」

マミ「これでおあいこよ」

杏子「…そうだね」

マミ「ふふっ」

杏子「へへっ」

杏子「…マミ」

マミ「ん?」

杏子「マミにはほんと助けられたよ、ありがとね」

マミ「杏子ちゃん…」

杏子(私はほんとに一人じゃなかった…)

杏子(モモとマミはもちろん)

杏子(ほむら、まどか、さやか、仁美)

杏子(それにクラスのみんな…)

杏子(振り替えれば仲間がいて、気がつけば優しく包まれてたんだ)

杏子(喜びも悲しみも、みんなと分けあえたから嬉しかった)

杏子(このあたし達の声が神様に届くなら)

杏子(きっと奇跡だって起こせるのかもしれない)

杏子(…ううん、もう奇跡は起こったんだ)

杏子(だって、こんなに幸せなんだもん)

杏子(大切な妹が、仲間が友だちが…親友がいるから)

杏子(だから…!)

杏子「マミ」

マミ「杏子ちゃん」

杏子「これからも、あたしの親友でいてほしいんだ」

マミ「!」

杏子「ずっとずっと…一緒にさ!」

マミ「てへへ、ありがとう。杏子ちゃん!」

杏子「マミ…!」

マミ「これからも、よろしくね!」ニコッ

杏子「うんっ!」

杏子(そうだよ、魔法なんかなくっても、私達は奇跡を起こせるんだ)

杏子(私はこんなにも幸せになれるんだから…!)

マミ「杏子ちゃん、モモちゃん。あなた達は私の宝物よ」

モモ「わたしもー!」

杏子「マミ…!モモ…!」

モモ「お姉ちゃんもだよね?」

杏子「うん!もちろんさ!」

杏子「マミもモモも…そして」

ほむら「杏子ちゃーん」

まどか「遊びにきたよっ」

さやか「やっほー!」

仁美「こんにちは」

杏子「ほむら、まどか、さやか、仁美…」

杏子「みんな、みんな、私の大切な宝物だ!」

おわり

即興だからか路線と時間配分は大幅に間違えたが、スレタイは間違ってないよ

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