キョン「鶴屋さん、同棲しましょうよ」(141)
鶴屋さん「あはは!キョンくん、らしくない冗談だねい」
キョン「いや冗談じゃなく、本気です」
鶴屋さん「んん~?頭うっちゃったんかな?そもそも同棲ってふつーカップルがするもんっしょ?」
キョン「ただ一緒に住むだけですし、大丈夫でしょう」
鶴屋さん「でもさ、付き合ってもないのになんで一緒に住むわけ?」
キョン「鶴屋さんは俺と同棲するの、嫌ですか?」
鶴屋さん「嫌っていうかさ・・・・・・うーん、まず実家暮らしだしねえ」
キョン「じゃあ俺から鶴屋さん家にお願いしてきます」
鶴屋さん「あっはっは!絶対許可してくれないよ!うち、結構厳しいんだよ?」
鶴屋さん「まあ他のとこも普通許してくれないと思うけどね!あはは!」
キョン「まあ試しに言ってみます」
鶴屋さん「えっ本気?」
キョン「めちゃくちゃ本気です」
鶴屋さん「やめときなって!ほんとにほんっとーに無理だよ!」
キョン「好きです」
鶴屋さん「へ?」
キョン「付き合ってください」
鶴屋さん「ちょいまち一旦落ち着かせて」
キョン「これから宜しくお願いします。さあ行きますよ」
鶴屋さん「ちょ、待ってよキョンくん!」
キョン「いやあ相変わらずの豪邸ぶりですね・・・・・・」
鶴屋さん「キョンくん!さっきの告白は本気かい?ねえってばあ」
キョン「ごめんくださーい」
鶴屋さん「なんで答えてくんないのさ・・・・・・」
キョン「心の底から鶴屋さんを愛してますよ」
鶴屋さん「・・・・・・な、ななななな」
キョン「おお、そんな鶴屋さん初めて見ました」
鶴屋さん「あの、あのさ、あたしも本当は」
キョン「家の方来たみたいですよ」
鶴屋さん「キョンくんのこt・・・・・・もう」
お手伝いさん「あら、お嬢様、お帰りなさいませ」
鶴屋さん「・・・・・・ただいま。とりあえずキョンくんも入って」
キョン「どうも、お久しぶりです」
お手伝いさん「あら、今日はいつもの方々とご一緒ではなくて?」
キョン「ええ、大事な話がありまして」
お手伝いさん「大事なお話ですか?」
鶴屋さん「ほらっ!はやくしてって言ってるじゃないかっ」
キョン「うおっと、すんません。それじゃ」
お手伝いさん「は、はあ・・・・・」
キョン「ここにご両親が?」
鶴屋さん「多分ね・・・・・この時間は。本当に行くつもりかい?」
キョン「何度も言ってるじゃないですか。本気ですよ」
キョン「とりあえず鶴屋さんはここで待っててください」
鶴屋さん「あたしがいないとどうしょーもないじゃん!って・・・・・・もう入ってる」
鶴屋さん「絶対無理っさ・・・・・はあ、もうキョンくん出入り禁止になったりして」
鶴屋さん「いきなり同棲させてくれなんて、あたしまでどうなるかわかったもんじゃないよ・・・・・・」
キョン「ふう」
鶴屋さん「キョンくん!」
キョン「OK貰えました」
鶴屋さん「・・・・・・嘘っしょ?」
キョン「いや、結婚を前提としたお付き合いさせて貰ってるって言ったら二つ返事でしたよ」
鶴屋さん「もうっ!いつのまにか付き合ってることになってるし!」
キョン「鶴屋さん・・・・・・そうですよね、俺なんか駄目っすよね・・・・・・調子乗っちまって、すみませんでした」
鶴屋さん「えっ違う!駄目じゃないって!嫌でもないから!」
キョン「鶴屋さん・・・・・・幸せにします」
鶴屋さん「だからそうっ・・・・・・もういいよっ!」
キョン「さあて、親同士で話も終わったみたいですし、ちょっと荷物とってきますんで」
鶴屋さん「・・・・・・」
キョン「ちょっとの時間一人にさせますけど、許して下さい」
鶴屋さん「・・・・・・」
キョン「それじゃあまた」
スッ
鶴屋さん「直球すぎてわけわかんないよ・・・・・・」
鶴屋さん(そりゃやっぱ嬉しいのもあるけどなんか急すぎるし)
鶴屋さん(大体あたしから好きなんて一言も言わせてもらってないし)
鶴屋さん(何よりハルにゃんに悪・・・・・・っあ)
鶴屋さん「ああああたしはべつにそんなつもりはっ!!!!!」
ッス
キョン「どうしたんですか?」
鶴屋さん「帰ってくんの早すぎないかいっ!?」
キョン「鶴屋さんの事を思うと歩いてなんていられませんよ」
鶴屋さん「そ、そうかい。ふーんありがとう」
キョン「顔真っ赤ですよ」
鶴屋さん「・・・・・・ハルにゃん達にはなんて言うのさ」
キョン「ありのままに話しますよ」
鶴屋さん「そっかあ・・・・・・」
キョン「鶴屋さんは・・・・・・俺のこと、好きですか?」
鶴屋さん「な、なんで」
キョン「俺、ほんとは振られるのが怖くてこんだけ強引にやって・・・・・・鶴屋さんの優しさに付け込んで・・・・・・」
鶴屋さん「・・・・・・」
キョン「すみません、卑怯で最低な奴でした」
キョン「・・・・・・鶴屋さんの気持ちを、聞かせてくれませんか」
鶴屋さん「あたしは・・・・・・まあその、あたしも好きだよ」
鶴屋さん「キョンくんにはハルにゃんが居たから、あたしだって逃げてたし」
キョン「鶴屋さん・・・・・・」
鶴屋さん「正直同棲も嬉しいかなっ。強引過ぎなのはおどろきだけどねっ」
キョン「じゃ、じゃあ」
鶴屋さん「・・・・・・ほんとにあたしをお嫁に貰ってくれるなら、お願いしたいな?」
キョン「はい!もちろんですとも!!」
鶴屋さん「約束だよっ?」
キョン「鶴屋さん・・・・・・それ・・・・・・反則です・・・・・・鼻血が・・・・・・溢れ出す・・・・・・!」
鶴屋さん「あっはっは!大袈裟だって!とにかく、これからよろしくねっ!」
キョン「ええ、一生大事にします!!」
キョン「すんません、ちょっと早速至る所に報告してきます!」
鶴屋さん「あ、あたしもみくるに言わなきゃね!」
キョン「じゃ、電話してきますんで」
鶴屋さん「はいはーい」
キョン「おう、古泉か」
古泉「これはこれは、貴方から連絡が来るとは、珍しいですね」
キョン「ちょっとばかし話があってだな。今電話する時間はあるか?」
古泉「構いませんよ。なんなりと」
キョン「実はだな、鶴屋さんと結婚を前提に付き合うことになった」
古泉「・・・・・・すみません、どうやら電波がよろしく無いようで」
キョン「おい、冗談言ってるわけじゃないぞ」
古泉「失礼。・・・・・・いつからでしょうか」
キョン「ついさっきだ。今日から同棲もすることになった」
古泉「眩暈が・・・・・・あまりにも急すぎますよ」
古泉「ともかく、おめでとうございます。心から祝福させて頂きますよ」
キョン「ああ、ありがたく受け取っておく」
古泉「しかしながら、一つ心配な事もありまして」
キョン「何だ?」
古泉「我らが団長様にはなんと報告されるおつもりで?」
キョン「何とって、そのまま伝えるつもりだ」
古泉「そうですか・・・・・・・そうでしょうね」
キョン「どうした?」
古泉「いえ、何も。貴方にお任せしますよ。機関の構成員には僕からお伝えしておきます」
キョン「ん?そうか。わかった」
古泉「では、また学校で。何かあった際は直ぐにご連絡を」
キョン「おう、ありがとな」
キョン「どもっす、終わりました」
鶴屋さん「やっ、あたしも今みくるに電話し終わったところだよっ」
キョン「なんて言ってました?」
鶴屋さん「めがっさおどろいてたねえ。でもおめでとうって言ってくれたよ!」
キョン「なんにせよ急でしたからね。しょうがないっすよ」
鶴屋さん「でもなんだか・・・・・・ありゃなあんか心配してる感じだったね」
キョン「心配を?」
鶴屋さん「気のせいかもしんないけどねっ!」
キョン「はあ・・・・・・」
鶴屋さん「あ、そういやキョンくんお風呂はいつ入るのかな?」
キョン「あー・・・・・・鶴屋さんはどうするんですか?」
鶴屋さん「いっつもごはんの前に入るから、もうすぐだねっ。じゃあ今から入っちゃおっかあ」
キョン「了解っす。まっときますね」
鶴屋さん「へ?一緒にはいるっしょ?」
キョン「はい?」
鶴屋さん「うちのお風呂けっこー広いからさ、二人くらい楽勝だよっ」
キョン「あれ?」
鶴屋さん「ほら、こっちこっち」
キョン「あっはい。ん?」
お手伝いさん「お着替え脱衣所に置いてありますので、お使いくださいね」
鶴屋さん「あんがと!さーて脱いだ脱いだ!」
キョン「うおわっ!ちょっと鶴屋さん!せめてた、タオルを!」
鶴屋さん「・・・・・・そうだよね、あたしの体なんか見たくないよね・・・・・・」
キョン「いえ、見たいです。さて俺も脱ぎましたんで行きましょう」
鶴屋さん「あっはっは!切り替えはやいなあ」
キョン「シャンプーこれっすか?」
鶴屋さん「目泳ぎまくりだね!ほれほれこっち向きなってー」
キョン「シヤ、シャンプコレスカア!」
鶴屋さん「お背中ながしまーす」
キョン「ア、ハイ、サセンス」
鶴屋さん「かゆいとこない?」
キョン「ウィス」
鶴屋さん「目開けたら?」
キョン「シュス」
鶴屋さん「つぎはあたしの背中流してほしいなっ」
キョン「シェアス」
鶴屋さん「ふーいいねえーうまいねえ」
キョン「・・・・・・」
鶴屋さん「・・・・・・」
キョン「鶴屋さん・・・・・・」
鶴屋さん「な、何かな」
キョン「耳真っ赤っすね・・・・・・」
鶴屋さん「そりゃ、あたしもほんとはめっちゃはずいし・・・・・・」
キョン「・・・・・・」
鶴屋さん「でも一緒にお風呂はいりたいから・・・・・・」
キョン「・・・・・・嬉しいです」
鶴屋さん「あ」
キョン「はい?」
鶴屋さん「あたりまえだけど婚前交渉は絶対禁止だよっ」
キョン「・・・・・・初夜が楽しみです」
鶴屋さん「にゃはは、それまで我慢だねっ」
キョン「なに、もとからそのつもりですよ」
鶴屋さん「あんがと、っでも」
ッチュ
鶴屋さん「こんなことなら断然大丈夫だよっ」
キョン「・・・・・・我慢死にしそうですね」
鶴屋さん「あはは!今日さんざん振り回してくれたお礼っさ!」
キョン「いやあ、ちょっとした温泉ですね」
鶴屋さん「我が家自慢のお風呂だからね~」
キョン「毎日、一緒に入りましょうね」
鶴屋さん「そうだねっ」
キョン「たまにバブも入れましょう」
鶴屋さん「ばぶ?」
キョン「シュワシュワの入浴剤っす」
鶴屋さん「楽しそうだね!」
キョン「10個くらい入れちゃいましょう」
鶴屋さん「泡風呂になっちゃうよ!」
キョン「それがならないんですよ・・・・・・なんせ炭酸ですから」
鶴屋さん「ならバブと泡風呂交互にやちゃおっかあ!」
キョン「名案っすね」
鶴屋さん「キョロスケくん、鶴屋さんは発想が豊かなのさっ」
キョン「そこも魅力のひとつですね」
鶴屋さん「あと107個あるねえ」
キョン「煩悩の数丁度ですか」
鶴屋さん「除夜の鐘が鳴る度魅力が減っちゃうから注意しなくちゃだよ」
キョン「お坊さんは厄介な存在だな」
鶴屋さん「そろそろあがろっか!のぼせちゃうよ」
キョン「そうっすね、腹の虫もそろそろ鳴きはじめそうだ」
鶴屋さん「ねえねえキョンくん」
キョン「はい?」
鶴屋さん「拭いてくれないかい?」
キョン(煩悩直撃ッ!)
鶴屋さん「髪乾かすの一人じゃなかなか難しくってね!」
キョン「そっちですか」
鶴屋さん「ん?」
キョン「いえ、どっちにしろご褒美です」
鶴屋さん「よくわかんないけど面白いこと言うね!」
キョン「ふいー腹一杯っすよ」
鶴屋さん「めっさ食べてたね!おいしかった?」
キョン「おいしすぎました」
鶴屋さん「今度あたしも手料理つくったげるからね」
キョン「めがっさ楽しみにしてます」
鶴屋さん「あ、おべんとも作ったげるから。お昼一緒に食べようねっ」
キョン「まじっすか!!」
鶴屋さん「うれしい?」
キョン「幸せです!」
鶴屋さん「あはは!キョンくんはいっつも大袈裟だねい」
鶴屋さん「そんじゃ、電気消すよ?」
キョン「はい、すんません」
鶴屋さん「いいってことよ!」
鶴屋さん「おやすみー!」
キョン「おやすみなさい」
鶴屋さん「ね、キョンくん」
キョン「はい、なんでしょう」
鶴屋さん「そっちのお布団いっていいかな?」
キョン「ちょっとあれが鶴屋さんに当たらないポジションにいかせますんで少々お待ちを」
鶴屋さん「あれ?」
キョン「はい、どうぞ」
鶴屋さん「あんがと、しつれーしまーす」
キョン「おうふ・・・・・・」
鶴屋さん「キョンンくんあったかいねっ」
キョン「ははははい」
鶴屋さん「腕まくらもしてほしいな?」
キョン「はいっ!」
鶴屋さん「抱き枕にもなってほしいっさ」
キョン「どうぞ・・・・・・ご自由に」
鶴屋さん「はあーめっちゃ落ち着くよ」
キョン(パンはパンでも食べられないフライパンはパンでしたパンは小麦粉で作りますが米粉のやつもふわふわしておいしいので僕はすきですついでに言うならぼくはマーガリンよりバターがすきでs)
鶴屋さん「ねえキョンくん」
キョン「はいっ」
鶴屋さん「おやすみのチューは・・・・・・してくれないのかな?」
キョン「させていただきます・・・・・・・」
鶴屋さん「ん」
キョン「・・・・・・」
鶴屋さん「・・・・・・」ギュ
キョン(つつ、鶴屋さんのし、舌が!!)
鶴屋さん「はあ・・・・・ん」
キョン「hお・・・・・・tyさ・・・・・・」
鶴屋さん「ふふ、びっくりした?」
キョン「死にそうです・・・・・・」
キョン(大人の階段登っちまったぜ・・・・・・)
キョン(はたして我慢し続ける事ができるのでしょうか)
鶴屋さん「・・・・・・」
キョン「寝た・・・・・・か・・・・・・」
キョン「うん、大事にしなくちゃ男が廃るぜ」
キョン「おやすみなさい、鶴屋さん」
鶴屋さん「おーい、キョンくん、朝だよー!」
キョン「あh・・・・・・ああ・・・・・・どうもっす・・・・・・おはようございます」
鶴屋さん「早く支度してご飯食べよっ!遅刻はだめだめっさ!」
キョン「はい・・・・・・了解っす」
キョン「くあ・・・・・・ふう」
鶴屋さん「まだおネムさんかなっ?ほらほらシャキッとするよっ!」
キョン「ういっす!・・・・・・やっぱ通学路違うと景色が新鮮っすね」
鶴屋さん「あたしは変わんないからよくわっかんないなー」
キョン「手つないでると人目が気になります」
鶴屋さん「嫌かい?」
キョン「いえ、まったく」
鶴屋さん「つないだまんま下駄箱まで来ちゃったね~」
キョン「流石に色々気になりますよ……」
鶴屋さん「すぐ慣れるからだいじょぶだいじょぶ!そんじゃ、またお昼ね!」
キョン「はい、場所は中庭とかで大丈夫っすか?」
鶴屋さん「はいはーい!んじゃねっ」
キョン「それじゃ、また」
谷口「おい、キョン」
キョン「……」
谷口「おーい、聞こえてんのか?」
キョン「お前が話しかけて来た理由は大体わかる」
谷口「おう、言ってみろ」
キョン「鶴屋さんの事だろ」
谷口「その通りだ。お前いつから涼宮からあの人に乗り換えた?」
キョン「うるせい、そもそもあいつとは何もねえよ」
谷口「へえ……あいつ「とは」ねえ……」
キョン「はいはい、鶴屋さんとは何もある。それでいいか」
キョン「鶴屋さん同棲してください」
鶴屋「んじゃ荷物取ってくるからちょっくら待っててねぇ~ぃ♪」
谷口「よかねえよ!詳しく聞かせろ!」
キョン「付き合ったのは昨日、同棲も始めた」
谷口「は?」
キョン「だから昨日から付き合ってて一緒に住んでる」
谷口「マジかよキョン……さん」
キョン「マジだっての。いいからほら、あっち行け」
谷口「HAWAWAWA……キョンが男に…
…なっちまった……」
キョン「ったくうるせえな……」
ガラッ
キョン「おう、ハルヒ」
ハルヒ「……何ニヤニヤしてんの?」
キョン「してねえよ」
ハルヒ「いいえしてるわ。何か良い事でもあった?気持ち悪いくらいにニヤケてるわよ」
キョン「良い事ね……そうだな、彼女ができたって事くらいか」
ハルヒ「どうせゲームとかの事でしょ、相変わらず下んない……はあ?!」
キョン「鶴屋さんと昨日から付き合い始めてな。なんと同棲中だ」
ハルヒ「え?何?何それ?エイプリルフールはとっくの昔に過ぎてるわよ?」
キョン「事実だ。俺もまさか付き合えると思って無かったからな、夢みたいだよ」
ハルヒ「あ……え……?あんた……」
キョン「団内恋愛とかになっちまうか?でも名誉顧問だからまあ……大丈夫だろ?」
ハルヒ「ええっとまあ……ん?うん……そうね……名誉顧問……うん」
岡部「よし、皆いるかーHR始めるぞー」
キョン「おっと……まあ経緯はまた今度話すさ」
ハルヒ「あーはいはい……わかった」
鶴屋さん「キョンくん!こっちこっちー!」
キョン「どもっす、お待たせしました」
鶴屋さん「すっかりお腹空いちゃったよ。さっ食べよっか!」
キョン「めちゃくちゃ楽しみです」
鶴屋さん「そりゃ!ご覧あれ!」
キョン「おお……これ、全部鶴屋さんが?」
鶴屋さん「モチのロン!100%鶴屋さん印なのさっ!」
キョン「すみません、俺のためにこんなに」
鶴屋さん「あたしが好きで作ってんだから気にしない気にしない。ほら、あーん」
キョン「おっ……どうも、ん」
鶴屋さん「どっかな?」
キョン「ひたすら美味しいです。味的にも気持ち的にも」
鶴屋さん「嬉しいねえ。作った甲斐があるってもんだね!」
鶴屋さん「さ、どんどんがっつり食べてこ~!」
キョン「頂きます!」
谷口「ん?中庭見てどうしたんだ?」
国木田「キョンと鶴屋さん……付き合ったんだってね」
谷口「ああキョンさんか……抜け駆けだ。涼宮だからこそ羨ましくも何とも無かったってのによお」
国木田「あはは……びっくりだね」
谷口「何だよ元気ねーな?ショックなのは俺も同じだ。飯食って忘れようぜ」
国木田「うん……大丈夫だよ」
キョン「ノックしてコンコーン」
キョン「居ないみたいだな……」
ガチャ
長門「……」
キョン「お、うっす」
長門「……」
キョン「ふう……」
長門「……」
長門「……あなたは」
キョン「……ん?」
長門「涼宮ハルヒに伝える事の危険性に気付いて居ない」
キョン「伝える?鶴屋さんの事か?」
長門「そう」
キョン「危険性って何だよ」
長門「彼女はあなたに好意を持っている」
キョン「……は?」
長門「涼宮ハルヒはあなたに対して特別な感情を抱いている」
キョン「いや、それはない」
長門「何故」
キョン「あいつは恋愛は精神病だとか言ってる人間だぞ。そもそも、何も特殊じゃない俺の事なんか好きになるかよ」
長門「……わたしには有機生命体が持つ恋愛感情を完全に理解できていない」
長門「その為、涼宮ハルヒからあなたに好意が向けられていると発言したのは飽くまで予測」
長門「わたしは恋愛感情を完全に把握できてはいないが、通俗的に読まれる恋愛小説などを用いてある程度の知識や一般的に恋愛感情を持った人間の思考は理解している」
キョン「恋愛小説か、なんか長門はイメージ無いな」
長門「涼宮ハルヒがあなたに好意を抱いているとは、個体差のある感情というものがそのものであり、その為第三者がそうであると断言できるものではない。
しかしながら恐らく、それも非常に高い確率でそうであるとわたしは思っている」
長門「もしも先程のわたしの発言、涼宮ハルヒがあなたに好意を抱いているという予測が正しかった場合に、あなたが涼宮ハルヒに彼女との交際を告げた時
この世界そのものを脅かす変化が訪れる可能性は非常に高く、かつ発生した際の事象は多岐に渡るため対策を立てる事も非常に難しい」
長門「わたしたち情報統合思念体及び未来人、超能力者各グループそれぞれに打つ手は無い。
何故ならば涼宮ハルヒが起こすと予測される改変またはそれに等しいアクションは全て
あなたと涼宮ハルヒのみがこの世界と隔絶された空間に存在してしまうと推測される為」
長門「わたしたち統合思念体はあなたが涼宮ハルヒに当該情報を伝える事を阻止しようとしていた。
しかし阻止する事はできなかった。何故か。
それは涼宮ハルヒがあなたに隠し事をして欲しくないと望んでいる為。わたし達は彼女のプロテクトを破壊する事は出来ない」
長門「その為、あなたがその事実を伝えない事が頼みだった。あなたは鍵である為涼宮ハルヒの能力に対して影響を受けにくい。
でもあなたは伝えてしまった」
キョン「な、なるほど……」
長門「今後は注意して欲しい。今後があれば。今回私達の対応、静観のスタンスを変更する事が遅れた。あなたを責めているわけでは無い」
キョン「ああ……いや……そうか。俺は今からどうすりゃ良いんだ?」
長門「涼宮ハルヒに賭けるしかない」
キョン「わかった。と言うか……あいつなら大丈夫だと思うぞ。もし本当にあいつが俺の事を好きだとして、ハルヒがそんな幼稚な事するとは思えん」
長門「……そう」
長門「わたしという個体はあなた達を祝福したいと思っている」
キョン「ありがとよ、鶴屋さんが聞いたら喜ぶぜ」
長門「しかしやはり世界が崩壊してしまう事は望ましく無いとも思っている。そのせいか、心臓のあたりが……苦しい」
キョン「心配すんな、きっと大丈夫だ」
長門「信じる」
キョン「俺もハルヒを信じてるさ」
ガチャ
みくる「あ、こんにちわあ」
長門「……」
キョン「どもっす、今出ますね」
みくる「あの、あ、その前に……」
キョン「何ですか?」
みくる「おめでとうございます。鶴屋さんの事、大切にしてあげてね?」
キョン「ああ、ありがとうございます。勿論そのつもりです」
みくる「きっと涼宮さんも大丈夫です!あっあの何が大丈夫っていうのは、その……」
キョン「わかってますって。俺もそう思います」
みくる「うん……あの……わたしは、それだけです」
キョン「お気持ち確かに受け取りましたよ。んじゃ、出ときますね」
みくる「はいっ。ありがとうございます」
パタン
キョン「ハルヒがハルヒが……あいつはそんなに弱い人間じゃないって……」
古泉「おや、朝比奈さん待ちで?」
キョン「朝比奈さん待ちだ」
古泉「では横に、失礼しますよ」
キョン「相変わらず近いなお前は」
古泉「そうですかね?」
キョン「とりあえずもう少し距離をおいてくれ。女性ならまだしも、男に近寄られるのは良い気分じゃない」
古泉「今の発言、愛しのあの方がお聞きになられるとどう思うか……」
キョン「失言だったな。忘れてくれ」
キョン「お前……バイトは無いのか?」
古泉「ええ、ありませんよ。彼女の精神は寧ろ穏やかです。
予想通りと言いますか……そもそも、人とは成長するものです。以前までのデータなど当てになりませんよ」
キョン「予想通りかよ。本当か?」
古泉「本当ですとも。ご安心を。
それにしても以外なのは貴方ですよ。まさか涼宮さんのお気持ちを理解していらしたとは」
キョン「長門に聞いたんだ。情けないが。相当危険だったみたいだな」
古泉「そうでしたか……。彼らは心配性ですからね。
集めた過去のデータを元に、完璧な予測を立て行動する。良い事なのか悪い事なのか」
古泉「人の成長とは、ある種イレギュラーなものですから、彼らには理解し難い事もあるでしょう」
古泉「心配なさらずとも結構ですよ。彼女の精神においてプロフェッショナルである僕が保証します。
先の世界分裂頃から、彼女は能力を自発的に抑えつつある。その上、人としての成長も目まぐるしい」
古泉「無意識に能力を意識して居ると言うと矛盾が生じているようですが、これがぴったりですね。
恐ろしい方です」
キョン「機関もようやくリラックスできるってとこか」
古泉「ええ、まあ。油断はなりませんがね」
みくる「あのお、もう大丈夫ですよ」
キョン「あ、はい」
古泉「どうも、失礼します」
古泉「今日は何にしましょうか。久しぶりに将棋でもいかがです?」
キョン「最近してなかったな。いいぜ」
みくる「キョンくん、お茶です」
キョン「ありがとうございます……。ん、これ美味しいですね」
みくる「わかりますか?ちょっと奮発しちゃいました!
はい、古泉くんも飲んでみて下さい!」
古泉「これはどうも。……これはこれは、含み香が段違いですね」
みくる「よかったあ、長門さんもさっきお代わりしてくれたんです!」
キョン「おお珍しいな。気に入ったか?」
長門「……とても」
ガチャ!
ハルヒ「お待たせ!はあ、やっと来れたわ。何で生徒に掃除なんかやらせるんでしょうね」
キョン「別に掃除くらい良いだろ、文句言わずにやってやれよ」
ハルヒ「ボランティア部に言えば喜んでやってくれるわきっと。
あたしは一分も無駄にしたくないの」
古泉「教師でボランティア部を作成するのも良さそうですね。
奉仕の心は、先導者が居るからこそ育まれるものですから」
ハルヒ「良い事言うわね!流石古泉くん!まあハンドボール馬鹿は絶対入んないでしょうね。
入ったとしても偉そうに足組みながら指示するだけよ。
みくるちゃん、お茶頂戴」
みくる「はいっ。どうぞ」
ハルヒ「んくっんくっ。ぷはぁ!ちょっとこれ美味しいじゃない!のどごしが違ったわ!」
みくる「うふふ、そうなんですう。……やっぱり美味しく飲んで貰えると嬉しいなあ」
キョン「のどごしに突っ込まないんですか」
ハルヒ「キョンはお茶の飲み方が分かってないわ。
江戸時代の茶室じゃそんな事行った途端に打ち首よ」
キョン「嘘つけ。そんなわけあるか!」
ハルヒ「本当よ!あ、そうそう。ちょっとあんたに話があるから、今日は終わっても残っときなさいよね」
キョン「ん?ああわかった」
キョン「……王手」パチン
古泉「ふむ……」パチン
キョン「王手」パチン
古泉「……」パチン
キョン「王手だ」パチン
古泉「……参りました」
キョン「本当は二歩した時点で終わりだったんだがな」
古泉「いやはや、お恥ずかしい。何分久しぶりですので」
キョン「言い訳にならんぞ」
長門「……」パタン
ハルヒ「今日は終わりね。解散!」
古泉「失礼します」
長門「……」
キョン「一旦出とくぞ」
ハルヒ「はいはい。みんなじゃあね」
バタン
古泉「それでは、また」
長門「……また、明日」
キョン「おう、じゃあな」
キョン「……」
ガチャ
みくる「ふう、キョンくんどうぞ。また明日ね」
キョン「どもっす。また明日」
ハルヒ「ん、とりあえず座りなさいよ」
キョン「おう」
ハルヒ「朝の話なんだけど」
キョン「鶴屋さんの事か」
ハルヒ「うん」
キョン「……」
ハルヒ「どっちから告白したの?」
キョン「それは、俺からだ」
ハルヒ「ふうん……そ」
キョン「……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「あんたさ」
キョン「ああ」
ハルヒ「鶴屋さんの事、本気で好きなの?」
キョン「そうだな。めちゃくちゃ好きだ」
ハルヒ「……そっかあ」
キョン「そうだ」
ハルヒ「なら、まあ良いわ」
キョン「良いって何がだよ」
ハルヒ「鶴屋さんも名誉顧問だから、団内恋愛に近いじゃない」
ハルヒ「でもそんなに好きならしょうがないわ。
特別に許可してあげる」
キョン「そうかい。心の広い団長様だ」
ハルヒ「本当なら死刑の後さらに死刑なのよ?ほんっと、感謝して欲しいわ」
キョン「ありがとうございます、団長様様」
ハルヒ「その代わり」
キョン「お、なんだよ」
ハルヒ「鶴屋さん以外の女に目移りなんかしてたら、鶴屋さんの代わりにボッコボコにして全裸でグラウンド1000周無限タイキックの刑だから」
キョン「絶対ないから大丈夫だ。残念だがな」
ハルヒ「マジ冗談じゃ無いんだからね。鶴屋さん泣かせたら殺すわよ」
キョン「わかったって。肝に銘じとく」
ハルヒ「っふん。ほら、校門とこで待ってんでしょ?あたしからは終わりだから、さっさと行ってきなさいよ」
キョン「ああ、そうみたいだな。……ありがとよ、ハルヒ。
……ポニーテール、最高に似合ってる」
ハルヒ「目移りすんな、バカ」
キョン「忘れてくれ……じゃあな」
バタン
ハルヒ「忘れられるわけ無いでしょ……バカキョン」
キョン「鶴屋さん、すんません。待ってたんですか?」
鶴屋さん「もう、お待ちかねだよっ。髪を長くして待ってたのにっ」
キョン「それ以上長くしてどうするんですか!」
鶴屋さん「ふっふっふ……マフラーにするのさ」
キョン「今でもできそうな気が……」
鶴屋さん「もっと長くしたら、キョンくんも一緒に巻けるからねっ」
キョン「普通のマフラーでお願いします」
鶴屋さん「本音言うとあたしもそっちのがいいかな!」
キョン「結局ですか!」
鶴屋さん「あはは!」
キョン「さてと、今日も一緒の布団で寝ますか?」
鶴屋さん「そうだねえ……枕は別で良いかい?」
キョン「別?」
鶴屋さん「あたしはキョンくんの腕があるからさっ。羨ましいっしょ?」
キョン「全っ然羨ましくないです。ほら、自分でも腕枕できますから」
鶴屋さん「ああっずるいよ!あたしのだからとっちゃ駄目っさ!」
キョン「はいはい、どうぞ」
鶴屋さん「ふふっ……そんじゃ失礼するよっ」
キョン「お休みなさい」
鶴屋さん「お休みキョンくんっ」
谷口「キョンさん、お仲間が呼んでるぜ」
キョン「良い加減さん付けやめろ」
谷口「キョンさん、水くせえこと言ってんじゃねえよ」
キョン「意味わからんぞお前……」
古泉「どうも」
キョン「おうハルヒならさっきどっか行っちまったぞ」
古泉「ええ、知っていますよ。先程すれ違った時に、彼女から貴方へ渡し物を預かっておりまして」
キョン「ん?何だ」
古泉「こちらです」
キョン「SOS団結婚式のお知らせ?」
キョン「何々……この度、SOS団雑用係ことキョンと、SOS団名誉顧問こと鶴屋さんが結婚する事となりました。
本日午後6時より文芸部室にて式を執り行いますので、関係者の方は絶対参加をお願い致します……」
キョン「はぁぁぁぉぁあ!?」
古泉「おめでとうございます。あ、スピーチは僭越ながら僕が務めさせて頂きますので」
キョン「すまん、何が起きているのかさっぱりわからん」
古泉「では、くれぐれも遅れないようにお願いしますよ。
彼女へは朝比奈さんが伝えておりますので、ご安心を。
それでは」
キョン「お、おい。ちょっと待っ……ええ……」
国木田「どうしたのさキョン」
谷口「あれだよ、結婚式だろ」
国木田「ああ、あれか。僕ら余興やるから、よろしくね」
キョン「いや、え?その前に文芸部室に収まらないだろ。
ハルヒは何考えてんだおい」
国木田「キョン、正直悔しいけど……君なら良いかなって思うよ」
キョン「あ、おう……ありがとよ」
谷口「じゃ、キョンさん。余興楽しみにしといてくれよな」
キョン「マジかよ……」
鶴屋さん「キョンくん……」
キョン「……どうしましょっか」
鶴屋さん「いやあ、スピード婚だねい」
キョン「はい……いや籍入れるのとは……」
鶴屋さん「ま、式なんていつしたっていんだから、あたしらはありがたくやってもらおうか!」
キョン「はは……そうですね」
鶴屋さん「よっしゃ、行こう行こう!」
キョン「おあっと、ちょっと待ってくださいよ!」
鶴屋さん「お待たせっ!新郎新婦のおでましだよっ」
古泉「お待ちしてましたよ」
キョン「お、おっす……」
谷口「モッゲッロ!モッゲッロ!」
国木田「待ってたよ」
みくる「この時代の式って学校でするんですね……素敵です」
長門「一般的には違う」
ハルヒ「はい、静粛に!二人も来ましたので、早速始めたいと思います!」
ハルヒ「プログラム1、始めての共同作業。キス」
鶴屋さん「恥ずかしいねっ」
キョン「おいふざけんな」
古泉「目頭が熱くなりますね」
長門「興味深い」
みくる「ひゃあ、み、み、見れませえん」
谷口「おい、もう帰ろうぜ」
国木田「ちょっと同感だね」
ハルヒ「ほら、ちゃちゃっとしなさい!巻で行くわよ!」
キョン「いくらなんでも恥ずかしすぎるだろ!」
鶴屋さん「キョンくん!」
キョン「へっ?」
鶴屋さん「恥ずかしいけど……してくれないとあたし泣いちゃうかもね……」
キョン「う……」
鶴屋さん「……」
ハルヒ「ほら!据え膳食わぬは男の恥よ!」
キョン「何だそりゃ……くっ」
キョン「……」
鶴屋さん「……ん」
鶴屋さん「ふふっ、キョンくん……愛してるよっ」
キョン「俺もです……愛してますよ」
谷口「くっせーこと言いやがって良いからもげ散らかせよ」
国木田「いやあ感動じゃないか。おめでとうキョン」
古泉「えー。あ、あ、スピーチはあと96プログラム後ですか。緊張しますね」
みくる「はわわわ……きき、きす……」
長門「見ているこっちが恥ずかしい」
ハルヒ「見てよキョンの間抜けヅラ。鼻のした伸ばしてるわ」
キョン「国木田以外祝う気ねえだろ!!」
鶴屋さん「皆ありがとねー!」
おわり
支援さるよけありがとうございました
やっぱり鶴屋さんが一番好きです
朝までおなにー付き合ってくれてほんとにありがとー!
エロは難しくて無理っす
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