咲「部長がスピリチュアルにハマったらしい」 (42)

立つかな

まこ「そんなわけなんじゃ」

咲「はい?部長がスピリチュアルにハマったですか?」

まこ「どーせまたコレの影響じゃろ」

小指を立てるまこ


和「あぁ……新しい彼女か何かですか」

優希「どーせすぐ別れるじぇ」

まこ「何でも占い師と一緒に住んでるらしいぞ。まぁ、パワースポットが何とかかんとかって言うとった」

ガチャ

久「みんなー、おっはよー」

咲「部長、おはようございます」



久「見て見て。これ、新しいパワーストーン買っちゃった」

咲(パワーストーン?)

和「どこからどう見てもただの石ころにしか見えないです」

久「バカ言わないでよ。これはれっきとしたパワーストーンなのよ!パワーストーン」

まこ「ほーん。でお値段はおいくらなんじゃ?」

久「なんとたったの5000円だったのよ!安いでしょー」

優希(高いじぇ……)

久「さて、パワーストーンのおまけにもう一つ貰ったのよね」

和「石ころですか?」

久「だから石ころじゃないってば!これで、清澄高校麻雀部にいいパワーを引き寄せるのよ」

まこ「部員が増えてくれるといいんじゃがな」

久「ええ、じゃあパワーストーンは部室の入り口付近に置いときましょう」コトッ

優希(すっごい邪魔だじぇ)

ガチャ

京太郎「おはよーございまー、がっ!?」コツン


コケッ、ドシーン!

京太郎「いてて……、なんで石ころが部室の入口に置いてあるんだよ!誰だよ、こんな悪戯したやつは!」

久「ちょっと須賀君、勝手にパワーストーン動かしちゃ駄目よ」コトッ

京太郎「この石っころ、部長が置いたんですか……」




京太郎「おいおい、部長のヤツどうしたんだ?」ヒソヒソ

咲「数日前からスピリチュアルにハマったってさ」ヒソヒソ

和「何かパワーがどうとか言ってますけど。……そんなオカルトありえません」

優希「まぁ……気が済むまでやらせればいいと思うじぇ」

まこ「そうじゃな。とりあえず言う事、聞いてみようかの」

久「あら?あらあら……」ジーーーー

ロッカー「……」



咲「部長、ロッカーがどうかしましたか?」

久「ここが私のパワースポットね。すごくスピリチュアルを感じるわ」

和「ただのロッカーですけど……」

久「私、今日はここに入ってパワーを貯めるわね。よーし」


パンパン!

手を合わせる久

久「ちなみに手の合わせ方も決まりがあるの。手を叩くときは、左手を上にしなければならないのよ!」

久「左は神を指すと言われるから柏手でも上に、鳥居を入るときも左。そしてロッカーに入る時も左足から」

ギィィィィィ、ガチャーン



久「さて、私のスピリチュアルパワーでみんなの悩みを解決してあげる♪」

久「まず最初に。恋愛関係で悩んでる人」


咲・和・まこ・優希・京太郎「……」

>>11「は、はい。……悩んでますけど」

ゆーき

優希「わ、私だじぇ///」

咲「きゃああああああ!優希ちゃん、恋をしてるんだ!?」

まこ「ほほーう、何やらロマンスの香りじゃな」

京太郎「へー、優希が恋愛ね、意外だなー。食い物の悩みじゃねーのか」

優希「私には好きな人……好きなヤツが居るじぇ。そいつは多分、私の好意には気付いてないと思う」

久「ふむふむ、鈍感な人なのね。優希の好きな人は」

優希「鈍感は鈍感だけど……。まぁ、私の態度にも問題があると思うじぇ」

優希「好きな人を前にするといつも真逆の行動を取ってしまうじぇ」

久「ははーん。それはツンデレってやつね」

京太郎「小学生かよ!」

優希「むむむっ……、素直になればいいものの。わかっていてもそれが出来ない。好きだとは言えない」

和「いやでも、優希が抱きついたりするのはあの人の前でしかありませんし、気付かないのもどうかしてると思いますよ」

京太郎「抱きつき?おいおい、案外大胆じゃねーか」



優希「うっうっさい!ただのちょっかいだじぇ!こうして和ちゃんの胸を揉むようにな!」モミモミモミモミ

和「きゃあああああああああ!ゆ、優希、どこ触ってるんですか!?」

久「なるほど、優希はその恋を成就させたいのね?」

優希「うーん。いや……今の関係が壊れるのは嫌な反面、やっぱりもっと仲良くなりたいと言うか……。よ、よくわからないじぇ」

和「焦らずに頑張りましょうよ。後二年以上もありますし」

久「優希の好きな人が男の人か女の人か須賀君かわからないけど、わかったわ!」

久「スピリチュアルを貯めて、恋愛への運気を上げましょう」

優希「スピリチュアルねぇ……。それであのバカから告白してくれたら、万々歳だじぇ」

久「ズバリ>>17しなさい。それがスピリチュアルよ」

びっくりするほどユートピア

久「びっくりするほどユートピアね!間違いない」

京太郎「ぶほっwwwwwwwwwwwwww」

優希「???」


咲「びっくりするほどユートピアってなに?」

和「気分がふさぎ込んでいる時、落ち込んでいる時に自分のお尻を両手でバンバン叩きながら白目をむき、ベッドを昇降しながら大声で唱えると気分が晴れやかになるそうです」

まこ「リュウゼツラン編じゃな」

久「騎士は、くだらぬ薬で己を曲げない!」

優希「本当にやらないと駄目かじぇ?」

久「もちろんじゃない。でないとスピリチュアルにならないし」

和「せめて須賀君は目を瞑っててあげて下さい」

京太郎「お、おぅ。優希もケツ丸出しは恥ずかしいだろうしな」

優希「はぁ~~~、なんでこんな事になったじぇ」ヌギヌギ



優希「びっくりするほどユートピア!」バンバン

優希「びっくりするほどユートピア!!」バンバン

優希「びっくりするほどユートピア!!!」バンバン


まこ「ヒュー、ホントにやりおったわ」

咲「優希ちゃん、もっと白目むいて!」

優希「びっくりするほどユートピア!!!!!!!!!!」シラメ

優希「……あぁ、死にたいじぇ」ズーン

京太郎「でぇじょうぶだって。好きな人に見られてなきゃこんなの問題ねぇよ。優希の恋愛、上手く行くといいな!」ナデナデ

和「はぁ~、この男は……」



久「うん、ばっちし。これで優希の恋愛運向上待った無し」

久「次は同性間の悩みね。恋愛か友情か先輩後輩かはまだわからないけど……。同性間で何か悩みある人?」

>>25「は、はい」

シーン

和(誰も言い出さないですね。正直、私は咲さんの事でかなり悩んでるのですが言い出すかどうか迷います)

和(さっきの優希の惨劇を見てると余計にです)


久「誰か居ないの?おーい」

一「なにやってんの?」ヒョコ

咲「あっ、国広さんだ」

一「衣に言われて、宮永さんに借りてた漫画を返しに来たんだよ」

まこ「かくかくしかじか」

一「ふーん。スピリチュアル相談?変な事してるね。ホント変わった人だなー」



一「一発ぶん殴りたいねー」咲「あっ……わかります。部長が小さい子だったら特に」

一「まぁ、それは置いといて。同性間の悩み?じゃあ、僕の悩みを相談に乗ってくれる?」

久「いいわよー。どしどし来なさい!スピリチュアルに不可能はないんだから!」

一「僕はある同性の人に恋をしてます。ここまではよくある話」

和「わかります」

一「しかし絶対に叶う事のない恋なんだ」

久「叶う事のない恋?どうしてかしら?同性愛は確かに障害は多いけども」

和「諦めないで下さいよ、諦めてはいけません国広さん!どうしてそこでやめるのですかそこで!もう少し頑張ってみましょうよ!ダメダメダメダメ諦めたら。
周りの事思って下さい、応援してくれる人達の事思って下さい。あともうちょっとのところなんですよ。
私だってこの共学の学校で、咲さんがトゥルルって頑張ってますよ!ずっとやってみましょう!必ず目標を達成できます!だからこそNever give Up!!」

一「いやー相手の人はどうやらノンケっぽいし……ってか身分の違う恋だし」

久「身分ねぇ……」

一「僕なんかとくっついたら、仕事失うし下手したら勘当されるし……。あっ相手がね。衣は祝福してくれるような気がするけど」

久「駆け落ちしちゃえば?」

一「はははっ、そんな情熱的な恋は憧れるけどね。僕は極めて冷静な女の子だよ。逃げたその先に何もないよ。多分、二人でご飯食べていける保証もないし」

一「駆け落ちは相手も望んでないよ。せっかく次期当主への勉強や努力を今までして来たのに、それを全部捨てるだなんて……とんでもない」

久「国広さんはその人に好きだとかは伝えた事無いの?」

一「もちろんないよ。ただ彼氏が出来たら嫌だとかは伝えたけどね。まぁ……、相手の人はそれに深い意味があるのを気付いてないと思うよ」

久「ふーん。別に伝えなくてもいいの?」

一「いいよ。僕は遠くから見守ってるだけで。ただ今は彼氏や彼女を作って欲しくないね」

久「わかった。その相手に彼氏彼女が出来ないようにスピリチュアルで呪いをかけましょう!」



久「>>32よ。これをすれば国広さんの好きな人に彼氏彼女が出来る事はないわ」

鼻から熱々うどん

久「鼻から熱々うどんよ!」

一「げっ!?そんなに体張らなきゃいけないの!」


咲「京ちゃん」パチン

京太郎「こんな事もあろうかと思って俺特製の熱々うどんを用意してました」グツグツ

まこ「なんじゃこのうどん。具が入ってないぞ」

京太郎「いや、食べにくいかなと思ってあえて具は入れませんでした」

まこ「せめてワカメくらいは入れようぞ」ブチッ、ブチブチ

久「ささっ冷めない内にどうぞ。スピリチュアルが逃げちゃうから」

グツグツ

一「あ、熱そう……」タラー

久「無理なら無理しなくてもいいわよ。その代わり、龍門渕さんに恋人が出来ても知らないけど」

一「それは嫌だよ……」



一「ええーい、女は度胸。露出は快感」

一「ふごふご」ズルス゚ル

一「ふーふー」ズルッ

一「ごほっ!ごほごほっ、熱いいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!」ゴロゴロ

咲「その後、国広さんは耳鼻科に通院する事になりました」

久「龍門渕さんに恋人が出来る気配はないわね。頑張って口説きに行ったけど、ハギヨシさんに怒られちゃった」てへぺろ(・ω<)

和「もう……、ところでもうスピリチュアルはいいんですか?」

久「あぁ、うん別れたから。何か興味無くなって来た。アイドルするから恋人作れないんだって」



美穂子「うーえーのーさーん」ブンブン

久「あら美穂子じゃない」

美穂子「今日もレズライブしましょう!」

久「もちろんよ、ミュージック、スタート!」


\叶え!私たちの、夢――。/


終わり

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