美希「バイバイバースデイ」 (25)
【夜、事務所】
春香「あれ?皆はどうしたの?」
千早「居るのは私達だけよ」
亜美「いおりん達はどっかいっちゃったみたい」
真美「亜美だけはこっち側に参加してくれるって」
貴音「仕方ありません。わたくし達だけで美希を祝うとしましょう」
春香「そうですね……美希はまだ帰ってないんですか?」
貴音「どうやら急な仕事が入ったらしく……もうすぐ終わる筈なのですが――」
ガチャッ
美希「ただいまなのー!」
春香「あ、美希!おかえり!」
亜美「待ってたよ、ミキミキ!」
真美「こっちに来て!」
美希「わわっ!?な、何?どうしたの?」
千早「どうしたも何も、今日は貴女の誕生日でしょう?」
貴音「ささやかですが、お祝いさせて頂きます」
美希「皆……ありがとうなの!」
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春香「じゃあ、まずはケーキを用意しないとね!」
美希「あれ?今からするの?」
千早「実は、美希と一緒に作っていくという計画なのよ」
貴音「わたくしも楽しみです」
亜美「お姫ちんは食べたいだけっしょー?」
真美「つまみ食いなんてしたら駄目だからね?」
貴音「失礼な。そのような事は絶対にいたしません」
千早「さあ春香。あれを持ってこないと」
春香「そうだったね。それでは、こちらがそのケーキの土台です!」
美希「え?これって……お米?」
春香「そう!題して、『おにぎりケーキを作っちゃいM@SHOW!』」
全員「イエ―イ!」
美希「いやいやいや!ちょっと待つの!」
春香「どうしたの美希?」
美希「どうしたのって言うか……おにぎりケーキって何なの!?」
千早「分からないの?」
美希「分かる訳ないの!」
貴音「おにぎりけぇきとは、美希の好物であるおにぎりと、誕生を祝うけぇきを合体させた至高の一品――」
美希「何で合体させたの!?」
貴音「となる予定の料理です」
美希「しかも予定なの!?」
亜美「そりゃ、予定は未定っしょー」
真美「完成図は見えないから面白いんだよ?」
美希「それは見えてなきゃ駄目なの!」
春香「大丈夫だって。ちゃんと美希が好きなものを使うから。ね?」
千早「そうよ。この土台をよく見て?」
美希「そういえば、なんか茶色いような気が……」
春香「キャラメルマキアートで炊いてみました!」
美希「余計な気遣いノーセンキューなの!」
千早「さて、トッピングをしていきましょうか」
美希「やめて!トッピングはやめて!」
千早「何を言っているの?トッピングしないと土台が剥き出しじゃない」
美希「う……このままだと、あり得ない物が出来上がりそうなの……」
春香「あり得ない物って……ただのケーキに大げさだよー」
亜美「待ってはるるん。これは『あり得ない物を作れ』というミキミキのフリなんじゃ……」
美希「フリじゃないから!絶対にしちゃ駄目だから!」
真美「真美は確信したよ。これは――フリだ!」
春香「やっぱりね……薄々そうじゃないかとは思ってたんだ」
貴音「ならば期待に応えなければなりませんね……」
千早「四条さん。私、こんな物を持ってきたのですが……」
貴音「これは……伊勢海老!早速調理に向かいましょう!」
千早「はいっ!」
ダダッ!
美希「ちょ……待っ――」
亜美「はるるーん。生クリームってどこ―?」
春香「今こっちで泡立ててるよー。その辺に砂糖あるー?」
亜美「砂糖……これかな?」
真美「いや、それは何だか小麦粉っぽいし……多分これじゃない?」
亜美「ザラメってヤツだっけ?」
真美「そうそう。はるるーん、はいこれ!」
春香「ありがとー!」
美希「待って!それ塩なの!」
春香「え?あ、入れちゃった。ごめんね?」
美希「ええぇぇぇ!?ど、どうするの!?」
真美「とりあえず……亜美!」
亜美「合点!砂糖で相殺するよー!」
ドバッ!
美希「いやいやいや!変な味になるだけだから!絶対できないから!」
春香「そうかなー?スイカに塩かけるみたいなものだし、まあ大丈夫だよ!」
美希「何も大丈夫じゃないの!」
春香「元はお米なんだし、きっと合うよ。うん」
美希「アバウトすぎるの……」
千早「春香ー?そっちはどう?」
春香「順調だよー!」
貴音「わたくし達も負けていられませんね」
千早「ええ!」
美希「お願いだから完全敗北して欲しいの……」
貴音「美希……わたくし達に頑張るなと仰るのですか……?」
千早「いつもの感謝を伝えるつもりだったのに……どうしてっ……!」
美希「何で泣くの!?」
貴音「お願いです……わたくしにも貴女を祝わせて欲しいのです……!」
千早「駄目……かしら?」
美希「分かった!分かったから泣くのはやめて!」
貴音「さて、調理開始です」
千早「これはどうしましょう?」
美希「嘘泣き!?でも、さっきは涙が――」
貴音「目薬ですよ」
美希「そこまでする必要はあるの!?」
千早「それだけ誕生日を祝いたいという事よ」
美希「だったらせめてまともな料理にして欲しいの」
貴音「はて?まともでない料理などあるのでしょうか?」
美希「キャラメルマキアートで炊き込んでおいてよく言うの」
貴音「あれは春香がやった事です」
千早「つまり私達はノータッチ。無罪よ」
美希「一応、向こう側が有罪って事は分かってるんだね……」
貴音「それはその……まあ、良いではありませんか」
美希「何もよくないの!」
ピーッ!
千早「あ、炊き上がりましたよ」
美希「何が?」
貴音「いちごばばろあ炊き込みご飯です」
美希「こっちもギルティなの!」
千早「亜美、真美。こっちのご飯を上に載せて貰えるかしら?」
亜美「お任せあれ!」
真美「ちょっと待った!」
美希「真美……!やっとこの異常さに気づいてくれた――」
真美「ここ……まだクリームが塗れてないYO!」
美希「訳ないよね!うん、もう分かってたの!」
春香「何か美希がおかしいような?」
貴音「きっと感情を制御しきれないのでしょう」
美希「そうだね。怒りでね」
千早「落ち着くのよ美希。ほら、これを持って深呼吸して」
美希「……これは?」
千早「小麦粉」
美希「黙れって意味!?ていうか、小麦粉あるならそれで作って欲しいの!」
千早「オリジナリティも必要でしょう?」
美希「それは料理ができる人の話なの!」
貴音「しかし、生くりぃむが足りないのは由々しき事態ですね……」
春香「どうしよう……あ、いい事思いついた!」
美希「絶対ロクな事じゃないの」
春香「まあまあ、聞いてからじゃないと分からないでしょ?」
美希「じゃあ何なの?」
春香「マヨネーズを塗ればいいんだよ!」
美希「やっぱりロクな事じゃなかったの!」
千早「ナイスアイデアだわ!」
美希「ナイスアイデアなの!?」
春香「マヨネーズも油だからね!問題ないっ!」
美希「問題あるの!」
亜美「問題かぁ……色合いが悪いとか?」
真美「確かに、マヨはちょっと黄色がかってるし……」
千早「ふむ……四条さん、あれってどこに置きました?」
貴音「これですか?」
美希「訊くのも怖いんだけど……それ何?」
千早「青色一号よ」
美希「何でそんなのがあるの!?」
貴音「有事に備えてです」
美希「むしろこれが有事そのものなの!」
春香「いちごに青色一号……なーんちゃって」
千早「ぶふっ!や、やるわね春香……!」
美希「漫才してる場合じゃないの!」
亜美「さーて、マヨに混ぜちゃいますか」
真美「どれぐらい入れればいいんだろ?」
亜美「スプーン一杯ぐらいじゃない?」
真美「オッケー!それでは――」
美希「ちょっと待つの!」
真美「どしたのミキミキ?」
美希「青色は食欲を減退させるって聞いた事があるの!だからそれは入れちゃ駄目!」
亜美「ま、まさかそんな落とし穴が……!?」
千早「いいえ。それは間違いよ」
真美「ええっ!?どっちが本当なの!?」
美希「ミキなの!」
千早「はぁ……貴女は重大な勘違いをしているわね」
美希「それはあり得ないって思うな!切実に!」
千早「まあ聞きなさい。美希、ブルーハワイを思い浮かべてみて?」
美希「かき氷だね」
千早「美味しいでしょう?」
美希「うん」
千早「青色でしょう?」
美希「そうだね」
千早「じゃあ、マヨが青くても美味しいわよね」
ドバッ!
美希「暴論なの!」
春香「亜美、ちゃっちゃと混ぜちゃって!」
亜美「了解!それそれそれー!」
真美「おおっ!マヨがみるみる青色に!」
貴音「こ……これはっ――!」
千早「グロいわ……」
春香「グロいね……」
亜美「不味そう……」
真美「吐きそう……」
貴音「はやー」
美希「言わんこっちゃないの!」
貴音「千早。わたくし達は伊勢海老の調理に戻りませんか?」
千早「そうですね。後は春香達に任せましょう」
タタッ
美希「やるだけやって丸投げなの……」
春香「うーん……ちょっと暗い色ばっかりになっちゃったね」
亜美「とりあえず海苔とか貼り付けようよ」
真美「ミキミキ、海苔は好き?」
美希「好きだけど……」
春香「よかったぁ……五種類も買ってきた甲斐があったよ!」
美希「何で海苔だけそんなに買っちゃったの!?」
春香「ついノリで」
美希「面白くないの!」
亜美「でも、千早お姉ちゃんにはウケてるみたいだよ?」
千早『ふっ……くくっ……!はぁ……はぁ……あら、青色一号マシマシになっちゃったわ』
美希「なんて事してくれるの!」
真美「真美に言われても困るんだけど……とりあえず、小魚のカルシウムでもどう?」
美希「マジいらっとするの……」
貴音「さて……何から始めればいいのでしょう?」
千早「思えば、伊勢海老なんて触るのも初めてですね」
貴音「とにかく茹でてみましょうか」
千早「そうですね――きゃあっ!?」
貴音「どうしました!?」
千早「伊勢海老が跳ねて……」
貴音「ま、まだ生きていたというのですか……面妖な」
美希「いいから早く拾って!」
貴音「拾えと言われましても……どこを掴めば――」
美希「そんなの適当に背中を掴めば――うわっ!何これ!?」
千早「青色一号が中途半端にかかってしまったの……」
美希「毒きのこみたいなんだけど!?」
貴音「まあ火を通せば大丈夫でしょう」
美希「より鮮やかな毒きのこにするつもりなの!?」
千早「じゃあ生で――」
美希「それはもっと嫌なの!」
貴音「美希。我儘はいい加減にしなさい」
美希「何でミキが怒られてるの……」
亜美「はるるん。これ赤色足りなくない?」
春香「そう言うと思って……じゃーん!ケチャップです!」
美希「待って!ケチャップはやめてええぇぇぇ!」
春香「大丈夫だよ。これ高かったんだよ?」
美希「値段で味は決まらないの!」
真美「そうだよはるるん。ミキミキの言う通りだよ」
春香「真美……そうだね。私が間違ってた」
美希「よかった……やっと分かって――」
春香「やっぱり料理は愛情だよね!」
美希「今すぐ『愛情』を辞書で引いてこいなの!」
千早「春香。こっちは茹で上がったわよ」
貴音「満足のいく出来です」
美希「じゃあ貴音が食べてよ」
貴音「申し訳ありません。『食べるな』と釘を刺されておりますので」
美希「うぐっ……手強いの……」
春香「ちょっと待ってねー……亜美、真美。そこ離れて」
亜美・真美「アイアイサー!」
春香「じゃあ行くよー!それー!」
ビュルルルッ!
美希「ちょっ……何やってるの!?」
春香「ケチャップかけてるんだけど?」
美希「何でかけちゃったの!?」
春香「ほら、お好み焼き屋さんとかでやってるじゃん?アレだよアレ」
美希「春香はどうしてそうなっちゃったの……?」
貴音「これで完成ですか?」
千早「いえ……まだです。そうよね、春香?」
春香「流石は千早ちゃん。よく見てるね」
美希「まだ何かやるつもりなの!?」
亜美「ミキミキ、本当はもう気づいてる筈だよ……」
美希「これが食べ物じゃないって事ならよく分かってるつもりだけど」
真美「そう。イチゴババロア炊き込みご飯の上にケチャップというのはバランスが悪い……」
美希「そんなの一言も言ってないの」
千早「やはり、圧倒的に緑が足りないわね」
貴音「黄色も足りませんね」
春香「という訳で、ここに野沢菜とたくあんがあります」
美希「ねぇ!何かミキに恨みでもあるの!?」
春香「やだなぁ、そんなのある訳ないでしょ?」
亜美「そうだよー。あ、そこにロウソク代わりの野沢菜ぶっ刺して」
春香「おっけー!」
美希「何もオッケーじゃないの!」
真美「ここにたくあんも載せて……うん、完璧!」
貴音「かなり見栄えが良くなりましたね」
美希「鏡餅!?」
千早「おにぎりケーキ……いえ、ライスケーキね!」
美希「だからそれお餅だよね!?なおさら鏡餅だよね!?」
春香「あれ……野沢菜が刺さってくれない……」
千早「美希の誕生日なのにロウソクが無いというのも寂しいわね……」
美希「じゃあ最初からロウソク買ってこいなの!」
亜美「お姫ちん、何かアイデアない?」
貴音「そう言われましても……」
真美「細くて固い物があればいいんだけど……どう?」
貴音「ふむ……確か、海老の足が折れていた筈です。それで代用してはどうでしょう?」
春香「それいいですね!じゃあ早速――ザクっと!」
千早「何本ぐらい刺せばいいのかしら?」
亜美「ミキミキって今年で何歳?」
美希「16歳だけど……」
亜美「じゃあ16本だね!」
真美「そんなに刺したら後で引っこ抜くの面倒じゃない?」
貴音「ならば海老の頭を――せいっ!」
バキャッ!ドロォ……
貴音「このように中央に載せて、10本分として考えてはいかがでしょう?」
亜美「お姫ちんナイス!」
美希「いやいやいや!何か垂れてきてるんだけど!?」
千早「ミソね。大人になったのだから、きっと美味しい筈よ」
美希「うえぇ……ケチャップと混ざってるの……」
春香「最後に『おめでとう』って書いて……完成!」
千早「いえ、伊勢海老を載せて完成よ」
ズシッ……
亜美「おおー!豪華ですなぁ!」
真美「スペシャルだからねー!」
貴音「さあ美希。どうぞ」
美希「いや何なの……何なのなのこれ……」
亜美「『何なのなの』ってなの多すぎなのだよ?」
美希「そ、そうだね……」
春香「ねぇ美希、早く食べて?」
美希「これ、本当に食べて大丈夫なの……?」
千早「大丈夫。食べられない物は入っていないわ」
美希「結果的に食べられなくなってちゃ世話ないの!」
貴音「そうでしょうか……?鮮やかで美味しそうではありませんか」
美希「ねぇ貴音。眼科に行こう?ミキも付き添うから」
春香「美希、何を心配してるの?」
美希「自分の健康と皆の頭だよ」
春香「ねえ美希」
美希「何?」
春香「美希はキャラメルマキアート、好きだよね?」
美希「うん」
春香「イチゴババロアも、おにぎりも好きだよね?」
美希「好きだよ」
春香「生クリームは美味しいし、ケチャップもマヨネーズも美味しいね?」
美希「そうだね」
春香「じゃあ、美味しい物を詰め込んだら凄く美味しいよね!」
美希「それ小学生の発想だよね!?」
春香「それでは――誕生日おめでとう、美希!」
千早「おめでとう」
貴音「おめでとうございます」
亜美「はいミキミキ。スプーンだよ」
美希「ア、アリガトウナノー」
真美「ささ、食べてミキミキ!」
美希「た、食べるの!?」
貴音「食べ物は食べる為にあるのですよ?」
美希「いや、そうだけど……」
春香「ほら美希!覚悟を決めて!」
美希「覚悟って何!?これがヤバいって分かって言ってるよね!?」
春香「……さぁ?」
美希「今の間は!?」
千早「無理なら食べさせてあげましょうか?」
美希「……千早さんを殺人犯にする訳にはいかないの」
亜美「だったら、さぁ!」
真美「さぁさぁ!」
春香「さぁさぁさぁ!」
美希「やかましいの!」
美希「これを食べるって、どこから――」
プルルルル……
千早「あら?美希、電話が鳴ってるみたいだけど」
美希「ミキ電話大好きなの!」
春香「電話には食いつきいいなぁ……」
美希「あ、もしもし?でこちゃん?え?そっちでパーティ?今すぐ行くの!」
美希「という訳で、バイバイ!」
バタン!
一同「…………」
春香「行っちゃったね……」
千早「ええ……」
亜美「これ、どうするの……?」
真美「勿論、皆で食べる……よね?」
貴音「わたくしは食べない事を約束しましたので」
春香「あー!卑怯ですよそれ!」
千早「私達、仲間だったんじゃないんですか!?」
亜美「裏切るつもりなの!?お姫ちん!」
真美「見損なったよ!」
貴音「ええい、静まりなさい!約束を交わすように言ったのは貴女達でしょう!?」
春香「ぐっ……止めなかった私達も同罪、という事ですか……」
貴音「理解が早くて助かります」
千早「そんな……!」
亜美「じゃあ、これは亜美達が……?」
真美「そ、そんなの死んでもごめんだYO!」
貴音「さあ、どうするのですか?」
一同「…………」
千早「さ――」
春香「さ?」
千早「最初はグー!」
春香・千早・亜美・真美「じゃんけん――」
【移動後、伊織宅】
伊織「あら、遅かったじゃない」
美希「うわああぁぁぁん!でこちゃん会いたかったのおおぉぉぉ!」
伊織「ちょっ……どうしたっていうのよ、もう」
響「ほら、そんなところで泣いてないで、早くこっち来たら?」
美希「響いいぃぃぃ!」
ギュウゥゥゥ!
響「わぷっ!?く、苦しいぞ……」
やよい「どうしたんですか?」
雪歩「美希ちゃんは何で泣いてるの……?」
真「さぁ?」
律子「きっと嬉しかったのね」
美希「ああ、この安心感……素晴らしいの!」
伊織「テンション高すぎでしょ……向こうに料理があるから、着いてきなさい」
美希「うんっ!もうどこまででも着いていくの!」
伊織「いや、そんなストーカー紛いの事されても困るんだけど……」
伊織「ほら、ここよ」
美希「わぁっ!これ、全部ミキの為に?」
響「そうだぞ!自分達が腕によりを掛けて作ったんだからね!」
やよい「私も頑張りましたー!」
美希「ありがとう……本当にありがとうなの……!」
真「ボク達も手伝ったんだよ。ねぇ、雪歩」
雪歩「うん。私はお茶ぐらいしか淹れてないけど……」
律子「人の為に料理するなんて、どれぐらいぶりかしらね?」
伊織「さあ、どれでも好きな物を食べるといいわ」
美希「うんっ……うんっ!じゃあ、頂きますなの!」
パクッ……
響「ど、どうかな……?」
美希「むぐむぐ――んむぅ!?」
バターン!
やよい「美希さんが倒れちゃいました!」
伊織「ええっ!?ちょっと、コック長は――」
あずさ「あら~」
伊織「アンタが原因か!」
あずさ「おかしいわね……見た目は美味しそうに作ったんだけど……」
伊織「味も気にしなさいよ!見た目だけなら食品サンプルで十分でしょうが!」
美希「あ、あずさ……」
あずさ「美希ちゃん……」
美希「ミキ、嬉しかったよ……見た目だけでも美味しそうで……嬉しかった……」
美希「でも、やっぱり食べられる物がよかったな……ごほっ……!」
伊織「あずさ、美希に言うべき事があるでしょう?」
あずさ「それは……」
伊織「楽しみにしていた誕生日にこんな仕打ちを受ける謂われなんて、美希にはなかったのよ」
伊織「さあ、あずさ」
あずさ「ええ、分かっているわ――」
あずさ「ジューシーポーリーバーイ……美希ちゃん」
伊織「別れを告げてどーすんのよ!」
――END――
以上で完結となります。お楽しみ頂ければ幸いです。
元ネタ(?)は『おにぎりケーキの悲劇』と『ゲロゲロキッチン実写版』です。
正直、元ネタのクオリティが高すぎるので少し物足りないかもしれません。その辺りはご容赦を。
元ネタは何度見ても笑えるレベルですので……
中の人についてですが、当作品ほど酷くはありません。
過激な表現をしてしまった事、誠に申し訳ありませんでした。
最後に。
美希、誕生日おめでとう。それとごめんなさい。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません