恒一「ここが・・・夜見山北中学か」(140)

恒一「ここが・・・夜見山北中学か。クラスは3年3組って言ってたな・・・」

鳴「・・・」

恒一「うわっ・・びっくりした! あれ、その制服・・・もしかして君も夜見北の生徒?」

恒一「(眼帯・・・?)」

鳴「・・・そう」

鳴「・・・気をつけたほうがいいよ」

恒一「え・・・?」

鳴「この学校の3年3組には・・・毎年災いが起きるの・・・」

恒一「災い・・・?」

鳴「そう・・・。毎年卒業時に必ず誰かが死亡するという・・・まぁ呪いみたいなものね」

恒一「・・・」

鳴「信じられないって顔ね・・・。ま、無理もないか・・」

恒一「と・・ところで、僕、榊原恒一っていうんだけど、良かったら君の名前教えてくれる?」

鳴「鳴・・見崎鳴」

恒一「鳴か・・・良い名前だね。もしかして、君も3年3組だったりする?」

鳴「・・・(コクッ)」

恒一「そっか、じゃあこれから1年間よろしくね!」

鳴「・・・よろしくね、榊原くん」

―― 3年3組教室 ――

恒一「榊原恒一です。これからよろしくお願いします!」





勅使河原「しかしまぁ・・・お前もツイてねぇなぁサカキ」

綾野「だよねぇ・・どんまいどんまい!」

恒一「え、なんのこと?」

風見「この学校の3年3組にはね・・とある言い伝えがあるんだ」

恒一「言い伝え?」

恒一「(もしかして見崎さんが言ってたことかな・・?)チラッ」

鳴「 ・・・(意味深な笑み)」

勅使河原「それは・・・だな」

猿田「毎年卒業時に誰かが死んじゃうんだぞな」

王子「ちょっと猿田くん・・そんなストレートに言わなくても」

猿田「ぞな?」

風見「とっとにかく・・そういうことなんだ。誰が死ぬかはランダムだし・・・何人死ぬのかも分からない」

恒一「・・・。災いから逃れる方法って・・・無いの?」

勅使河原「今のところ無いらしいなぁ・・・」

風見「でも・・・災厄が無かった年もあるんだ」

恒一「無かった年?」

赤沢「そうよ。ところで榊原くん・・恒一くんって・・呼んで良い?」

中尾「」

恒一「あっ、どうぞ」

赤沢「ありがと・・//」

桜木「そういえば、第二図書室にいる司書の千曳さんが災厄について詳しいらしいですよ?」

恒一「そっか・・じゃあ後で会いに行ってみるよ」

―― 第二図書室 ――

恒一「ここが第二図書室・・か」

鳴「・・・」

恒一「あ、君も来てたんだ。本が好きなの?」

鳴「・・・今日はあなたの付き添いにきたの」

恒一「そうなの?一人じゃ心許なかったから嬉しいよ。ありがとね」

鳴「・・・(///)」

千曳「おや、見崎さんか。それに見ない顔もあるね?」

恒一「僕は転校生の榊原恒一って言います。今日はちょっとお聞きしたいことがあってきました」

千曳「ふむ。で聞きたいこととは・・?」

恒一「この学校の・・・3年3組の災厄についてです」

千曳「・・・そうかい。少し話が長くなるけどいいかな?」

恒一「お願いします」




千曳「・・而して、26年前に岬くんが死んだことでこの現象が始まるようになったんだ」

恒一「なるほど・・。それで、クラスメイトから聞いたんですけど、災厄が無かった年があったとか・・」

千曳「あったよ。だがどうしてかは分からない・・。ただ・・あった年には共通していることがあるね」

恒一「共通していること?」

千曳「・・あぁ。現象で亡くなった生徒の人数なんだがね、どうも偶数で固定されているんだよ」

恒一「偶数・・・ですか。じゃあ少なくとも二人は死ぬってことですね・・・」

千曳「そうだね。まぁそれが災厄に関連性があるかは分からないが・・・」

恒一「そうですか・・。岬・・・さんについて何か知ってることとかありませんか?」

千曳「・・・そうだね。死んだ者を悪く言うのも何だが・・・お世辞にも顔が良いとは言えず、少々暗い性格だったらしい」

恒一「はぁ・・・」

千曳「あとは・・そうだな、遺品にハーレムもののアダルトビデオや雑誌が多数見つかったとか・・」

千曳「・・・っと失礼、中学生の君たちにこんな話をすべきじゃなかったね・・忘れてくれ」

恒一「あはは(苦笑)」

鳴「・・・」

恒一「・・・見崎?どうしたの・・そんな真剣な顔をして」



キーンコーンカーンコーン


千曳「おや、もう下校時刻のようだね。今日はもう帰りなさい。また何かあったらいつでもくるといい」

恒一「今日はありがとうございました、千曳さん。それでは失礼します」

鳴「・・・(ペコッ)」

―― 帰り道 ――

恒一「見崎、さっきなんか深刻な顔してたけど・・・何かあったの?」

鳴「・・・実は。・・・榊原くんは異能の力とか・・・信じる?」

恒一「異能の力?幻想殺しとか?」

鳴「・・・そう。私、実は子供の頃に死に掛けたことがあったの・・・」

恒一「そうなの・・・?」

鳴「・・・(コクッ)その時、左目を無くしちゃったんだけど・・・」

恒一「あぁ・・・それで眼帯してたんだ」

鳴「・・うん。・・・見せてあげようか、この・・・眼帯の下」

恒一「えっ・・・さすがにそれは」

鳴「大丈夫、この下はお義母さんが作ってくれた義眼だから・・・(スルスルスル)」

恒一「あっ・・綺麗な目・・。眼帯なんかしなくてもいいのに・・・」

鳴「・・・この目はね、見えなくていいものまで見えてしまうの・・・」

恒一「見えなくていいもの・・・? 何が・・・見えるの?」

鳴「それはね・・・死者の魂」

恒一「えっ・・・ということはまさか・・・!?」

鳴「そ・・。3年3組に巣食っている夜見山岬くんも・・・見えるの」

恒一「それで・・現象について何か分かったの?」

鳴「・・・(コクッ) 岬くんはね・・女性にモテたことがないから・・クラスにカップルが居ると激昂してしまうらしいの・・・」

恒一「・・・え?」

鳴「だから・・・卒業式の日にカップルを祟って殺してしまうんだって・・」

恒一「な・・なんだよ・・・それ!そんなの理不尽じゃないか!!」

鳴「・・・」

恒一「あっ・・・ごめん、ついカッとなって・・・。それで・・何か解決策はあるの?」

鳴「・・・(コクッ)」

恒一「本当に!?どうすればいいの!?」

鳴「それはね・・・岬くんの夢を叶えてあげるの」

恒一「夜見山岬の・・・夢?」

鳴「・・・うん。千曳さんが言ってたでしょ・・?遺品にいかがわしい物があったって・・」

恒一「あっ・・・エッチなビデオ・・・ね」

鳴「そうだけど・・・どんなビデオって言ってたか・・・覚えてる?」

恒一「えっ? あっ・・・まさか・・・ハーレム!!」

鳴「・・・そ。だからクラスの誰かにハーレムを作らせて、その人に一時的に取り憑かせれば成仏すると思うの・・」

恒一「じゃあ・・クラスの女子に事情を話して頼んでみれば」

鳴「それは・・無理だと思う。クラスには岬くんが常駐しているし・・・それに演技でハーレムを作っても・・ぎこちないと思う」

恒一「なるほど・・。じゃあ、クラスのモテそうな人に事情を話してクラスの女子全員の好意を集めれば・・」

鳴「それがベストね・・・」

恒一「そっか!じゃあ王子くんあたりが良いんじゃないかな?ルックスも良いし、性格も温厚で優しいし・・!」

鳴「彼は・・・だめ」

恒一「そう? じゃあ・・勅使河原とかどう? 顔もそれなりに良いし、何よりムードメーカーだし・・!」

鳴「彼も・・だめ。第一、彼が赤沢さんにアピールしたところでどうなると思う・・・?」

恒一「・・・殴られるね」

鳴「・・・(コクッ)」

一「じゃあ一体誰が・・・風見くん?前島くん?それとも大穴狙いで和久井くん?」

鳴「・・・はぁ。あのね・・・榊原くん、私はね・・・あなたが適任だと思うの・・・」

恒一「・・・僕!? だって・・・僕は夜見北に来たばかりだし、何より・・そんなカッコよくもないし・・」

鳴「・・・あのね榊原くん、あなたが自己紹介してた時、クラスの女子があなたに注目してたの・・・気づかなかった?」

恒一「え・・そうなの? でも転校生だからただ注目してただけなんじゃない・・・?」

鳴「・・・この鈍感(ボソッ)」

恒一「じゃあ・・・見崎は僕のこと・・・どう思う?」

鳴「・・・イイと思う(ボソッ)」

恒一「え・・・?」

鳴「・・・とにかく、私の目から見てクラスの女子があなたに好意の目を向けてるのは事実だから・・・引き受けてくれる?」

恒一「でも・・・本当にうまくいくかな?」

鳴「ま・・・そこは神のみぞ知るなんたらね・・・。でも榊原くんならきっとうまくいくと思う・・・」

恒一「・・・見崎がそこまでいうなら。僕なんかに務まるか分からないけど・・・やってみるよ!」

鳴「・・・分かった。私も出来るだけ協力する・・・」

恒一「・・ありがとう」

鳴「・・・(//) ・・じゃあ、早速明日から行動開始ね・・・」

恒一「分かった」

―― 翌日放課後 ――

鳴「・・・榊原くん、ちょっとこれ見てくれる?」

恒一「何これ・・・僕の好感度ランキング?」

鳴「・・そ。あくまで私の直感だから確実とは言えないけど、ある程度それを参考にすれば良いと思う・・」

恒一「なんかちょっとこそばゆいな・・・(苦笑)」


『赤沢:A 桜木:A 多々良:A 綾野:A 佐藤:A 有田:A』

『柿沼:B 松井:B 小椋:B 江藤:B 中島:B』

『渡辺:C 藤巻:C 金木:C 杉浦:C』

恒一「このCっていうのは・・・僕のことあまり好いていないってことかな・・(苦笑)」

鳴「・・一概には言えないわ。まぁ良く見積もっても・・普通ってところかしらね」

恒一「じゃあ・・・Aは・・//」

鳴「・・・知らない」

恒一「えぇー・・」

鳴「・・・とにかく、AとBはまだしも、Cの人たちは一筋縄じゃいかないかも・・・」

恒一「・・・そうだね。・・そういえば、好意を持たせるって具体的にどうすればいいのかな?」

鳴「・・・キス・・・とか」

恒一「えっ・・・クラス全員の女子とキスしなきゃいけないの・・・?」

鳴「・・・不満?」

恒一「不満・・ていうか、僕なんかが申し訳無いっていうか・・・まぁ嬉しいけど(ゴニョゴニョ)」

鳴「・・・(キッ)」

恒一「見崎・・・何か怒ってない・・?」

鳴「・・・別に。じゃあ・・早速明日は一人目ね・・誰にするの?」

恒一「じゃあ・・最初は無難にAの人から行こうかな・・・」

鳴「誰・・・?」

恒一「多々良さん・・・とか///」

鳴「ふぅん・・榊原くんはこういう子が好みなんだ・・・」

恒一「あっ・・・えっと・・・その・・・」

鳴「・・・まぁ分かったわ。どうせクラスの女子全員とキスしなきゃいけないんだし・・好きなもの順でも別に問題ないしね・・」

恒一「見崎・・・やっぱりさっきから怒ってない?」

鳴「・・・(プイッ)」

―― FLAG.1 多々良√ ――

鳴「・・・多々良さん、ちょっと良い?」

多々良「見崎さん?嬉しいな、私に話しかけてくれて♪それで何か用?」

鳴「榊原くんが・・放課後に体育館裏で待ってるって・・」

多々良「さっ・・・榊原くんが!?/// わっ・・・分かった!伝えてくれてありがとう、見崎さん♪」

鳴「・・・(コクッ)」

多々良「わっ・・ホントに榊原くんだ// 用事ってなんだろう・・・///」

恒一「あっ・・・多々良さん、来てくれたんだね!」

多々良「はっ・・・はい!/// そ・・それで私に何か・・・!?///」

恒一「あのね多々良さん・・・回りくどいのもアレだから・・・僕、多々良さんのことが好きでした!」

多々良「はわわぁぁぁ!?//(プシュー)」

恒一「た・・・多々良さん・・・?」

多々良「はっ・・・。あっ・・・あの・・・私も・・・好きです・・・///」

恒一「良かった・・・嬉しいよ・・・恵・・・」

多々良「さか・・・恒一・・・くん・・・」




チュッ



鳴「お疲れ様・・・榊原くん」

恒一「あっ・・・う・・うん」

鳴「・・・何か夢見ごこちって感じね」

恒一「・・・(ポーッ)」

鳴「・・・(ギューーッ)」

恒一「いててて!?・・・あっ、見崎・・・」

鳴「・・・しっかりしてくれる?あと14人も残ってるんだから・・・」

恒一「・・・」

鳴「榊原・・くん?」

恒一「やっぱり・・・続けなきゃいけないのかな・・?」

恒一「僕・・・多々良さんを裏切りたくないんだ・・・」

鳴「はぁ・・・あのね、榊原くん。仮に二人がこのまま付き合っても、卒業式に死ぬのは榊原くんと多々良さんになるのよ・・?」

恒一「・・・そうだね・・・見崎の言う通りだ。僕・・自分のことしか考えてなかった・・・」

鳴「私だって・・・榊原くんが死ぬのは絶対イヤ・・・」

恒一「えっ?」

鳴「・・・とにかく、多々良さん含めて、これから落とす子は私が根回ししておくから・・・榊原くんは引き続き作業に集中してね」

恒一「そんなことができるの・・・?」

鳴「・・・私に不可能はないの(ニヤッ)」

恒一「分かった・・・見崎を信用するよ」

鳴「・・・(コクッ)///」

―― FLAG.2 桜木、赤沢、佐藤√ ――

桜木「話ってなぁに?榊原くん(ニコッ)」

恒一「桜木さんってさ・・・付き合ってる人とかいるの・・?」

桜木「えっ?//どっどうしたの急に・・?///」

恒一「いや・・桜木さんって凄く可愛いから・・・男の人は放っとかないだろうなって・・・」

桜木「や・・・やだぁ榊原くんったら・・・/// お世辞なんて言っても何も出ないよ?///」

恒一「お世辞なんかじゃないよ・・・これは僕の本心だよ」

桜木「えっ・・・?」

恒一「僕・・・ずっと桜木さんのことが好きでした!これまでも・・・これからも・・・だから」

桜木「榊原くん・・・私なんかで良かったら・・・」




チュッ


赤沢「こんなところに呼び出して私に何か用?恒一くん(ドキドキ・・・)」

恒一「赤沢さんは・・・頼りになって・・・人一番責任感が強くて・・・でも繊細なところもあって・・・」

赤沢「こっ・・・恒一くん!?とっ突然何言い出すのよ・・・」

恒一「いつも一人で頑張りすぎなんだよ・・・赤沢さんは」

赤沢「えっ・・?」

恒一「でも二人なら・・・その負担を減らすこともできると思うんだ・・・」

赤沢「そ・・・それって・・・」

恒一「赤沢さん・・・いや・・・泉美。・・・これからは僕がキミの負担を一緒に背負うよ」

赤沢「恒一くん・・・」

恒一「・・・僕なんかじゃ頼りないかもしれないけどね。・・・でもこれだけは言わせてほしい。好きだよ・・・泉美」

赤沢「私も・・・」





チュッ


恒一「佐藤さん、僕・・・前々から言おうと思ってたんだけど・・・」

佐藤「好きなんでしょ?私のことが」

恒一「えっ」

佐藤「・・榊原くんは転校してきた時から私のものになるって運命なの」

恒一「ななっ・・・」

佐藤「・・・大人しく私に食べられなさい、恒一くん(ズイッ)」

恒一「わわっ///」


ムチュウウレロレロレロ

―― FLAG.3 綾野、有田√ ――

綾野「よっ・・・用事って何かな?こういっちゃん//」

恒一「綾野さんは・・・いつもクラスに笑顔を振りまいて、皆を元気にしてくれるよね」

綾野「そっ・・そうかな?てれるぜ///」

恒一「そんな綾野さんを見ていると・・・転校してきたばかりで不安だった僕も・・・不思議と勇気づけられたんだ」

綾野「こ・・こういっちゃん?」

恒一「これは僕のわがままかもしれないけど・・・キミの笑顔を独り占めしたいんだ」

綾野「・・・///」

恒一「綾野さん・・君の笑顔に惹かれました・・・僕と付き合ってください」

綾野「///(コクッ)」




チュッ


有田「私に話って珍しいねー、榊原くん。まさか私エッチなことされちゃったり?//」

恒一「・・有田さんはいつも下ネタが多くて・・クラスの人から引かれたりすることもあるけど・・」

有田「榊原・・・くん?」

恒一「でも本当は誰よりもピュアな心の持ち主だってことを・・・僕は気づいてしまったんだ」

有田「えっ・・?」

恒一「いつもクラスの皆が教室に来る前に・・・花瓶の水を取り替えているよね?」

恒一「その時の純粋な微笑みに・・・いつしか有田さんのことを目で追いかけるようになっていました」

有田「し・・・知ってたんだ///」

恒一「僕は・・・キミが望むことなら何だってしてあげたい。エッチなことだって・・・」

有田「そ・・それ女の子に言うセリフじゃないよ// でも・・・」

有田「私・・・榊原くんに甘えたいです・・・良いですか?」

恒一「僕でよかったら・・・」





チュッ


―― とある日 ――

鳴「・・・順調のようね、榊原くん」

恒一「う・・・うん」

鳴「これで好感度Aは全員攻略・・・か。まぁ榊原くんならBまでは問題ないと思う・・」

恒一「そうかな・・・?」

鳴「まさかあんなセリフを一人ひとりに思いつくなんて思わなかったわ・・口説き上手ね・・・榊原くんって」

恒一「それ・・褒められてるのかな?//」

鳴「ま・・これからも頑張ってね、榊原くん」

―― FLAG.4 小椋、江藤√ ――

小椋「話って何?榊原くん」

恒一「あの・・・余計なお節介かもしれないけど・・・お兄さんとあまり仲が良くないって聞いたんだ・・・」

小椋「・・・知ってたんだ。・・・それで?」

恒一「僕・・・母さんが亡くなっていて・・父さんも海外出張で滅多に会えなくて・・」

恒一「だから・・・いつでも会える兄妹って・・掛け替えの無い存在だと思うんだ・・」

小椋「・・・」

恒一「勝手なことして悪いって思ったけど・・・昨日小椋さんのお兄さんと会ってきたんだ」

小椋「えっ?」

恒一「余計なお世話だって怒鳴られたよ・・・。でも・・・小椋さんへの愛情は変わっていなかった」

小椋「何でそう言えるの・・?」

恒一「しばらく話してたら打ち解けてきてね。パソコンの画像ファイルを見せてくれて・・・」

恒一「『これが由美の小さい頃の写真なんだ。昔はもっと大人しくて可愛かったんだけどなぁ』」

恒一「・・・って嬉しそうに話してくれたんだ。今は関係が疎遠なのかもしれないけど・・ちゃんと話し合えばまた元通りになれると思うよ」

小椋「・・・どうして私にそこまで・・・?」

恒一「小椋さんが・・・時折寂しそうな顔をしてたから・・。それでお兄さんのことを聞いて・・・」

小椋「・・・お節介な人ね。・・・でも、やっぱり分からない・・それだけの理由で私のために」

恒一「・・まだ言葉にしてなかったね。小椋さん・・・僕はキミのことが好きでした」

小椋「・・・まったく、やんなっちゃうわ・・・ホント。それじゃストーカーよ・・?」

恒一「ご・・・ごめん。でも・・・ほっとけなくて・・・」

小椋「・・・ここまでされたら・・・あなたのこと・・・好きになっちゃうじゃない・・・」

恒一「あはは・・・ごめん(苦笑)」

恒一「それから最後に一つ、『兄貴としていつまでも由美にかっこ悪いところ見せられないからな・・・就活するよ』」

恒一「・・・お兄さんからの伝言だよ」

小椋「・・・(ギュッ)」

恒一「好きだよ・・・由美」




チュッ


江藤「話って何だ?転校生」

恒一「あはは・・・もう転校してきてから随分経つんだけどね(苦笑)」

江藤「で・・・用件は何?」

恒一「・・・江藤さんのことが好きです。僕と付き合ってください!」

江藤「!?・・・はっ!?///」

恒一「ダメ・・・だよね(シュン)」

江藤「ちょっ・・・そんな哀しそうな顔するなよ!?私が苛めたみたいじゃねーか・・(アセアセ)」

恒一「じゃあ・・・」

江藤「わ・・・分かったよ/// そこまで言うなら・・・ちゃんと責任とれよ?//」

恒一「責任って・・・?」

江藤「べっ別に変な意味じゃねえよ!// だから・・・私のことずっと好きでいろよ?//」

恒一「もちろん・・・誓うよ」

江藤「・・・ん///」




チュッ


―― FLAG.5 松井、柿沼、中島√ ――


恒一「松井さん、良かったら僕と一緒に屋上でお昼食べない?」

松井「・・いいよ」


恒一「松井さん、そのお弁当はお母さんが作ってるの?」

松井「・・そう。私はお料理できないから・・」

恒一「そうなんだ」

松井「・・さかきばらくんのお弁当、おいしそうだね」

恒一「そう?じゃあ良かったら食べてみない?」

松井「・・じゃあ、この卵焼きもらう」

恒一「どうぞ、ちょっと甘いかもしれないけどね」

松井「・・・おいしい。これ・・・さかきばらくんが作ったの?」

恒一「そうだよ。僕、前の学校では料理研究部に入ってたんだ」

松井「・・そうなんだ」

恒一「松井さん、ごはん食べるとき本当に美味しそうに食べるよね」

松井「・・・そ、そう?」

恒一「うん・・・できれば・・ずっと見ていたいな・・その顔」

松井「・・え?」

恒一「あっ・・何でもないよ、気にしないで//」

松井「・・・」

松井「さかきばらくんと恋人になったら・・毎日さかきばらくんのお料理食べられるのかな?」

恒一「もちろん、腕によりをかけて作らせてもらうよ」

松井「・・・あの・・・私を・・恋人にしてくれますか・・?」

恒一「・・・ダメ」

松井「あっ・・・そっか・・・ごめんね・・・変なこと言って・・」

恒一「・・・それは僕のセリフだから」

松井「・・え?」

恒一「松井さん、僕と付き合ってください。そして・・・キミの幸せそうな顔を・・・毎日僕に見せてください」

松井「はっ・・はい//」




チュッ


柿沼「・・・」

恒一「こんなところで何読んでるの?」

柿沼「・・・うわっ!?さ・・榊原くん!?」

恒一「あっ・・・ごめん驚かせちゃって・・・」

柿沼「あ・・・いえ」

恒一「あ、それスティーブン・キングだね。柿沼さんも好きなんだ!」

柿沼「うっ・・うん(ホントは榊原くんがホラー小説好きって聞いたから読んでたんだけど・・・)」

恒一「そうなんだ。でも柿沼さんは恋愛小説のイメージがあったなぁ」

柿沼「そっ・・そうですか?」

恒一「うん。ところで、柿沼さんって・・読書してる時とても良い顔してるよね」

柿沼「そっ・・そんなことないです//」

恒一「なんというか・・・喜怒哀楽がはっきりしてるっていうか・・・さっきもとても怯えた表情してたよね(笑)」

柿沼「もっ・・もう。からかわないでください・・・」

恒一「ごめんごめん。でも・・・とても綺麗だ」

柿沼「えっ?」

恒一「柿沼さんが読書してる時の表情・・・とても魅力的だと思う」

柿沼「・・・///」

恒一「良かったら・・・今度から二人で読書しない?」

柿沼「えっ・・//」

恒一「やっぱり・・僕なんかがいたら邪魔だよね・・・(シュン)」

柿沼「そっ・・・そんなことないです!私ももっと榊原くんと本の話したいです!」

恒一「それじゃ・・・僕と・・付き合ってくれますか?」

柿沼「・・・はい///」




チュッ


中島「(私って地味だよね・・・はぁ)」

恒一「中島さん、こんなところで何してるの?」

中島「さっ・・榊原くん? ちょっと・・・ね」

恒一「こんな川原に居たら・・魚が中島さんを狙って噛み付いてきちゃうよ?」

中島「ぷっ・・」

恒一「あっ・・今笑ってくれたね」

中島「はっ・・・」

恒一「何だか元気なさそうだったから・・・笑ってくれてよかった」

中島「榊原くん・・・」

恒一「僕で良かったら・・・話聞くよ?」

中島「・・・もう大丈夫なの」

恒一「えっ?」

中島「榊原くんがこうして話しかけてきてくれたから・・・」

恒一「何で・・・僕は大丈夫じゃないよ」

中島「え・・?」

恒一「中島さんは・・・いつも大人しいけど、勅使河原や猿田くんが冗談言ってる時にクスって笑ってるよね」

中島「見て・・・たの?」

恒一「あっ・・・ごめん。でも、その時の中島さんの顔・・・とても可愛かったから・・・」

中島「さかき・・ばらくん」

恒一「僕に・・・キミの笑顔を作るお手伝いをさせてくれないかな・・・?」

中島「それって・・・」

恒一「もっと僕に君の笑顔を見せてください・・・好きです、中島さん」

中島「私・・・なんかでいいの?」

恒一「・・君じゃなきゃダメなんだ。・・幸子・・・僕と付き合ってください」

中島「・・・はい///」




チュッ


―― とある日 ――

鳴「・・・さすがね、榊原くん。残すところあと4人・・・ね」

恒一「うん・・・」

鳴「・・・榊原くん?」

恒一「今まで僕が告白してきた人たち・・・あの時の僕の気持ちに偽りはないと思うんだ」

鳴「・・そう」

恒一「もし卒業したら・・・皆どうなっちゃうのかな」

鳴「・・・それを考えるのは、無事に現象を解決してからでも遅くないんじゃない・・・?」

恒一「・・・そうだね」

恒一「ところで、今まで僕が・・その・・キスしてきた子たち・・ところどころ記憶がなくなってるような」

鳴「・・ちょっと、ね。・・好感度だけを残して、恋人になった時の記憶だけ消去してるの」

恒一「なるほど・・」

鳴「恋人になった時の記憶は・・岬くんを成仏する時に元に戻すつもり」

恒一「・・見崎ってそんなこともできるの?」

鳴「ま・・そういう設定らしいんだけどね(ボソッ)」

―― FLAG.6 渡辺、藤巻√ ――


渡辺「はぁー・・災厄の3組になってしまったとはいえ平和なもんねぇ・・・でも・・・退屈・・・」

恒一「あっ渡辺さん、こんなところで会うなんて奇遇だね」

渡辺「・・・榊原くんか」

恒一「あ・・・今あからさまに興味無さそうな顔したでしょ・・?」

渡辺「ばれたか・・・」

恒一「傷付くなぁ・・」

渡辺「ふふっ・・・冗談だよ」

恒一「・・・フォローどうも」

恒一「ところで・・・せっかく良い天気なんだし、これからどこか遊びに行かない?」

渡辺「・・・何それ、デートに誘ってるつもり?」

恒一「あはは、別にどう捉えてくれてもいいよ」

渡辺「ま・・・せっかく勇気を振り絞って私を誘ってきたんだろうし・・・だが断る」

恒一「えぇぇぇ(ズーン)」

渡辺「ふふっ冗談だって・・・まったく、君と話していると飽きないな」

恒一「・・こうなったら無理やりにでも付き合ってもらうからね」

渡辺「・・・はいはい(クスッ)」





渡辺「はぁ~遊んだ遊んだ~!」

恒一「・・・(ゲソー)」

渡辺「ん?なんだ・・・榊原くんはお疲れかい?」

恒一「渡辺さん・・・タフすぎ」

渡辺「こう見えても体力には自信があるからねぇ・・・それに・・・今日は楽しかったよ」

恒一「そう言ってもらえたら疲れが吹っ飛ぶよ(むくり)」

渡辺「うおっ!?びっくりしたぁ・・疲れ飛ぶの早すぎだろう」

恒一「・・・渡辺さんが元気になってくれたからね」

渡辺「・・・なぁ榊原くん」

恒一「何?さすがにこれ以上遊ぶ体力はないよ?」

渡辺「また・・・こうして私と遊んでくれたり・・・するのかな?」

恒一「もちろんだよ」

渡辺「ふふっ・・やっぱり君といると何か調子狂うな」

恒一「調子が狂うんじゃなくて・・・多分それが君の本音なんじゃないかな」

渡辺「え・・・?」

恒一「渡辺さんはいつもどこか上の空な感じだったから・・・でも今日一緒に遊んでみて分かったよ」

恒一「君は元気でとても魅力的な女の子だってこと」

渡辺「・・・そう言われるとさすがに照れるな」

恒一「そんな君が・・・好きになりました・・・僕と付き合って下さい!」

渡辺「・・・まったく、こんな流れで告白とは・・・。でも・・」

渡辺「これから・・・もっと私を楽しませてくれよ・・・恒一」




チュッ


藤巻「あーもぉ男ウゼー・・またギャル男に絡まれちゃったよ・・」

恒一「あれ藤巻さん、どうしたの?こんなところで」

藤巻「ちっ・・また男かよ」

恒一「えっ・・僕何か悪いこと言った!?」

藤巻「・・・別に(スタスタ)」



ギャル男「よぉ姉ちゃん、さっきはよくもやってくれたなぁ?」

藤巻「・・アンタさっきの!?」

ギャル男「へっ・・さすがにあんなフラれ方したんじゃ俺のプライドが許さねぇからな・・(ドンッ)」

藤巻「ちょっ・・・こっ・・・こんなところで・・・やっやめてよ・・・!?(ブルブル)」

ギャル男「おっ・・見た目の割にウブな反応するんだなぁ・・・ゾクゾクしてきたぜ!」

藤巻「はっ・・離しなさいよ!大声出すわよ!!」

ギャル男「それは困るなぁ・・・じゃあタオルで口縛っとくか」

藤巻「!?んっんーんーーーーー!!!」

恒一「おいっお前!!藤巻さんに何やってるんだ!!!」

ギャル男「ちっ!・・・ってガキかよ(笑)このビッチの彼氏か?」

恒一「あぁ・・・そうだ!」

藤巻「!?」

ギャル男「やっぱりそうか・・・だが今は俺とお楽しみ中なんでひっこんどいてもらえねぇかなぁ?(パキッポキッ)」

恒一「そうはいくか!この雰囲気ギャル男野郎!!」

ギャル男「なっ・・・誰が雰囲気ギャル男だ!!」

恒一「だってそうじゃないか・・・本物のギャル男はそこまでダサくないしブサイクでもない!!」

ギャル男「・・んだとぉてめぇ!どうせお前も俺と同じ田舎もんだろぉが!!」

恒一「田舎ものって認めてるじゃないか。それに僕は東京から来たから本物のギャル男のことなんて熟知している!」

ギャル男「言わせておけば・・・口ばっかりじゃなくて男なら拳で語りやがれ!」

恒一「残念だけど・・・もうお前は既に手遅れだ」

ギャル男「!?ま・・まさか俺はもう・・死んでるのか・・?」

恒一「違う!」


ピーポーピーポー


警察「警察だ。未成年略取、強姦未遂および暴行の現行犯で逮捕する」

ギャル男「そ・・・そんな・・・いつのまに電話を!?」

警察「大人しくしろ!!」

恒一「・・・(ありがと、見崎)」





藤巻「・・・何で来たの?」

恒一「何でって・・・放っておけなかったからに決まってるじゃないか」

藤巻「・・・ありがとう」

恒一「別に良いよ。・・・それより、服・・そろそろ戻した方がいいんじゃない?//」

藤巻「はっ・・(カァー//)スケベ・・」

恒一「ご・・ごめん」

藤巻「でもアンタ・・・意外と男気あるのね」

恒一「そう?」

藤巻「普通なら・・こういうヤバそうなことには関わらないものよ」

恒一「・・・か弱い女性を助けるのは紳士の嗜みだからね」

藤巻「・・・///」

恒一「もし・・・助けたお礼をしてくれるっていうなら・・・」

藤巻「・・・なに?」

恒一「もう一人で危険な真似はしないようにして・・・何かあったらいつでも僕に相談してね」

藤巻「・・・わっ分かった//」

恒一「じゃ・・僕はそろそろ行くよ」

藤巻「まっ・・・待って・・・榊原」

恒一「あはは、今日初めて名前を呼んでくれたね。それで何?」

藤巻「そ・・・その・・・(モジモジ)」

恒一「ん・・?」

藤巻「その・・・だから・・・お前に惚れたんだよっ///」

恒一「・・・ありがとう。じゃあいつでも君を守れるように・・・僕の恋人になってくれる?」

藤巻「あ・・・うん//」

恒一「これからよろしくね・・・奈緒美」




チュッ


―― FLAG.7 金木√ ――


金木「(・・・最近松井、私とあまり話さなくなったなぁ)チラッ」


松井「・・ねぇさかきばらくん、今日はどんなお弁当をつくってきたの?」


金木「(それもこれもあの転校生が来てからだ・・・私の松井をとりやがって・・)」


恒一「話って何?金木さん」

金木「あんた・・・松井とどういう関係なんだ?」

恒一「どうって・・・仲の良いクラスメイトだよ」

金木「・・・そう」

恒一「急にどうしたの?そういえば金木さん、最近松井さんと話してないよね?」

金子「・・・るさい」

恒一「・・・え?」

金木「うるさいって言ったんだよ!私の松井をとりやがって!!」

恒一「・・・」

松井「杏子・・・ちゃん?おおきな声だしてどうしたの?」

金木「・・・(ダダッ)」





金木「何やってんだろ私・・・榊原は別に悪くないのに・・」

恒一「あっ・・ここにいたんだ、金木さん・・」

金木「榊原・・・」

恒一「松井さん心配してたよ・・?それに・・金木さん、最近松井さんを避けてたんじゃない?」

金木「わたしが・・・松井を・・・?」

恒一「うん・・・松井さん言ってたよ。『私が近づこうとすると杏子ちゃんがどこかへ行っちゃうの・・』って・・」

金木「そっか・・・避けてたのは私の方だったのか・・・」

恒一「・・・僕のせいで、ごめん」

金木「・・何で榊原が謝るの?」

恒一「僕が最近松井さんと仲良くなったから・・・金木さんちょっと戸惑ってしまったんだよね」

金木「・・・。器がちっちゃいよな・・・私、松井に友達が出来たからって・・嫉妬しちゃってさ・・」

恒一「でも・・・嫉妬っていうのは、愛情があるからこそだと思うよ?」

金木「愛情・・?」

恒一「うん。まぁこの場合は友情かもしれないけど。だって好きでもない人に焼きもちなんて焼かないでしょ?」

金木「・・・そうだな」

恒一「・・・でも羨ましいなぁ、松井さん」

金木「・・・え?」

恒一「だって金木さんみたいに美人にこんなに思われてるんだもんね・・まぁ女同士だけど(苦笑)」

金木「私が・・・美人?」

恒一「もちろん外見だけじゃなくて・・内面もね。・・それは誇るべきことだと思うよ」

金木「・・・榊原」

恒一「・・・あとは二人でゆっくりね」

金木「・・え?」

松井「・・杏子ちゃん?」

金木「松井・・・」

松井「・・良かった・・私・・きらわれたかと・・思ってた・・(シクシク)」

金木「・・私がお前を嫌うわけ・・そんなことあるわけないじゃないか・・!」

松井「・・うん。さかきばらくんも・・・同じこと言ってた・・」

金木「榊原が・・?」

松井「『・・本当に好きじゃない人には嫉妬なんかしたりしないよ』って・・」

金木「(榊原・・ちゃっかり私が嫉妬してることばらしやがって//)」

松井「ところで・・嫉妬って何・・?」

金木「あぁ・・松井は知らなくてもいい感情だよ」

松井「そうなの?」

金木「あぁ。それじゃ・・仲直りしよっか。といっても喧嘩してたわけじゃないんだけどな//」

松井「・・うん!杏子ちゃんと仲直りする!」

金木「よしよし、良い子だな松井は」

松井「えへへー、杏子ちゃんいいにおい♪」



金木「榊原・・ちょっといい?」

恒一「ん、何?金木さん」

金木「その・・松井とのこと・・ありがと」

恒一「え?僕は何にもしてないよ。歩み寄ったのは金木さんじゃないか」

金木「・・・アンタのこと、誤解してたみたいね」

恒一「僕・・どんな風に思われていたんだろう(苦笑)・・聞きたいような聞きたくないような」

金木「まっアンタの名誉の為に内緒にしとくわ」

恒一「そう言われると余計気になるな・・」

金木「あと・・・その・・・(モジモジ)」

恒一「何?」

金木「あの・・・私と・・付き合ってくれないか?//」

恒一「え・・?」

金木「べっ別に変な意味とかじゃなくて・・・恋人になったら・・アンタのこと・・・もうちょっと理解できるかな・・って」

恒一「僕なんかでよければ・・・って言いたいところだけど」

金木「え・・・?」

恒一「僕と付き合って下さい、金木さん!」

金木「なっ・・何を・・//」

恒一「いや・・・何か女の子から言わせるっていうのは・・ちょっと僕の気持ち的に違うかな・・って」

金木「ぷっ・・カッコつけたがりなんだな、恒一は」

恒一「ちょっ・・からかわないでよ・・//」

金木「ふふっ。あの・・これからも・・よろしく・・//」




チュッ


―― FLAG.8 杉浦√ ――


杉浦「(あぁイライラする・・・何で・・・)」

杉浦「(あの転校生が来てから・・クラスの女子の雰囲気が変わったっていうか・・泉美まであんな風になっちゃって・・)」

杉浦「(今度面と向かって話す必要がありそうね・・)榊原くんと・・」

恒一「僕がどうかした?」

杉浦「!!? 何人の心読んでるのよ!?」

恒一「いや・・今声に出てたんだけど・・」

杉浦「・・ゴホンッ。・・ちょっと話したいことがあるから来てくれる?(キッ)」

恒一「う・・うん。分かったよ・・」




恒一「ここは・・・?」

杉浦「この学校の物置よ。・・・ちょっと散らかってるけど、誰も入ってこないだろうから丁度いいわ」

恒一「それで・・・話って何?」

杉浦「アンタ・・・クラスの女子に・・泉美に何をしたの?」

恒一「何って・・・なんのこと?」

杉浦「とぼけないで!!あんたが来てから・・クラスの女子連中の表情が・・・明るくなったというか・・・柔らかくなったというか・・・」

恒一「えっ・・?良く分からないけど・・・それって別に良い事じゃないの?」

杉浦「!!ちがう!! 泉美は・・今まで私にしか悩みを相談してくれなかった・・・」

恒一「杉浦・・・さん?」

杉浦「それなのに・・・最近じゃ普通に他の人とも接するようになって・・・何かから解放されたような・・・」

恒一「・・・」

杉浦「渡辺だって・・・今まで無気力な感じだったのに、最近は表情に色がついたように明るくなって・・・」

杉浦「とっとにかく・・・あんたが来なければ泉美はずっと私だけの親友だったはず・・・」

恒一「それは・・・何か違うんじゃないかな。皆はきっと・・・今まで自分に足りなかったもの・・・心の隙間を埋めようとしているんだと思う」

杉浦「分かったような口を聞かないで!!(ドンッ)」

恒一「!!杉浦さん!!!危ない!!!!(ドスッ)」

杉浦「っ!?つつつ・・・ちょっといきなり何するのよ!?・・・って・・・榊原・・・く・・・ん・・・?」

恒一「・・・杉浦さんが無事で・・・良かった・・・」

杉浦「何で私を庇ったりしたのよ!!私はあんたのこと・・・嫌ってたのよ!?」

恒一「あはは・・・でも・・・本当に・・・そうなのかな・・・?」

杉浦「な・・・何を・・・」

恒一「きっと・・・変わりたかったんじゃないかな・・・杉浦さんも・・・」

杉浦「・・・」

恒一「っ・・・」

杉浦「ちょっと・・・榊原くん!?しっかりして!!榊原くん!!!!」

ドンッ と ドスッだけでは何が起きたか全く分からぬ

>>116
ドンッ→杉浦が物置の棚を殴った音
ドスッ→落ちてきた物から杉浦を庇おうと恒一が突き飛ばした音

で補完して下さい

恒一「う・・・ここ・・・は・・・?」

杉浦「夜見山病院の病室よ・・・。全く・・・何で私を庇ったりなんかしたのよ・・・」

恒一「・・・女の子を守るのは男の役目だからね」

杉浦「っ/// かっ・・からかわないで!」

恒一「からかってなんかないよ・・。君の綺麗な顔に傷が付かなくて・・・本当に良かった」

杉浦「どうして・・・どうしてよ・・・!!? 私は・・・あんたのこと・・・」

恒一「少しは好きになってくれた?」

杉浦「も・・・もう・・・私は真面目な話を・・・」

恒一「僕も真面目に聞いてるんだよ・・?」

杉浦「・・・きに・・なったわよ」

恒一「・・え?」

杉浦「あんたのこと!!どうしようもないくらい好きになったわよ!!!」

恒一「・・・ありがとう。女の子が泣くのを見るのは苦手だけど・・・君の泣き顔はとても綺麗だよ・・・」

杉浦「・・馬鹿っ//」

恒一「僕と・・・付き合ってくれますか?」

杉浦「・・・(コクッ)///」




チュッ


杉浦「木になっちゃったわよ!!!!!!」

鳴「花粉をまき散らす人…嫌い。」

―― LAST FLAG 見崎鳴√ ――


鳴「・・・お疲れ様、榊原くん。本当に15人全員達成しちゃったんだ・・・」

恒一「あはは・・・なんとか・・・ね」

鳴「それじゃ・・そろそろ岬くんの成仏の準備に取り掛かりましょっか・・」

恒一「・・・まだだよ。・・・3年3組の女子は全部で16人だ。つまり・・・最後の一人は・・・君だよ、見崎」

鳴「・・・。別に私がいなくても・・・これだけ数がいれば大丈夫・・・でしょ?」

恒一「ダメだ!!僕は・・・君が欠けるのは絶対に嫌だ・・!!」

鳴「榊原・・・くん・・?」

恒一「・・僕一人の力じゃ・・クラスの女子全員の心を掴むなんて・・・到底できなかったよ・・・」

鳴「・・・」

恒一「いつも見崎が支えてくれたから・・・見崎が・・・いつも傍で見守ってくれてたから・・・」

鳴「榊原くん・・・」

恒一「・・・見崎鳴、僕は・・・君のことが・・・大好きです」

鳴「・・・(コクッ)///」

恒一「鳴・・・」

鳴「さかき・・・ばらくん・・・」




チュッ


―― あくる日 夜見山北中学 3年3組教室 ――


多々良「恒一くん」

恒一「何?恵」

多々良「えへへ・・・大好き///」

恒一「僕もだよ・・//」

綾野「こういっちゃん~、私にも好きって言って♪」

恒一「好きだよ・・・彩」

綾野「てっ・・照れるぜ//」

赤沢「わっ私にも・・」

恒一「泉美・・・愛してる」

赤沢「(プシュー)///」

鳴「・・・」

恒一「鳴もそんなところにいないで・・・こっちに来て?」

鳴「・・・うん」

チュッ

恒一「鳴・・そろそろ」

鳴「・・分かった」

恒一「・・・夜見山岬、そこにいるんだろ!姿を現してくれ!!」

夜見山岬「・・・やぁ」

恒一「この状況・・・見て・・分かるよね? 君が生前に望んだ・・・ハーレム(女の楽園)だよ」

岬「まったく・・・君ってやつは・・・こうもあっさり僕の夢を叶えてしまうんだから・・・」

恒一「じゃあ・・早く僕に取り憑いてくれる?」

岬「・・その必要はないよ」

恒一「えっ・・・!?」

岬「僕の夢は成就された・・・この目で本物のハーレムを見られたんだ・・・もう思い残すことは無い・・」

恒一「岬くん・・・」

岬「僕が祟って殺してしまった人たちも・・・生きていた筈の時間軸を調整して復活させておくよ・・」

恒一「そんなことが・・・」

岬「榊原恒一くん・・・ありがとう。君は・・・ハーレムの主たる資格があるよ」

岬「僕が言うのも何だけど・・・その子たちを幸せにしてやってくれ」

恒一「誓うよ・・」

岬「それを聞いて安心したよ。じゃあ僕は・・・もう逝くよ」

―― 卒業式当日 ――

勅使河原「しかし・・・まさかサカキにこんな才能があったとはな・・・。災厄を止めちまうだけじゃなく・・ハーレムまで作っちまうとはな」

望月「凄いね・・・尊敬しちゃうよ」

勅使河原「え?」

風見「榊原くん・・・ゆかりを幸せにしてあげてね・・」

中尾「・・・赤沢・・・お前のことが好きだ!!」

赤沢「私に触れるな!!!(ボカッ)」

中尾「」

王子「榊原くん、皆を幸せにしてあげてね。餞別代わりに僕の別荘をあげるよ」

猿田「僕の兄もようやく出所したみたいぞな。今日はめでたいぞな!」

―― 榊原の館(元王子家別荘)――

赤沢「これから賑やかになりそうね・・・」

渡辺「ふふっ・・退屈しなさそうだ」

小椋「まさかこんな豪邸に住めるなんてね♪」

有田「毎日はりきって子作りに励んじゃおう♪」

佐藤「・・・死ぬまで毎日食べてあげる」

桜木「恒一くんとずっと一緒に暮らせるなんて幸せです(ニコッ)」

中島「あなたといられるだけで・・・私は幸せ(ジーン)」

綾野「しかしまぁこんなハーレムを作っちゃうなんてね~。さすが私が見込んだ男だよ、こういっちゃんは♪」

江藤「私のこと放っておいたら許さないからな//」

柿沼「毎日一緒に本を読みましょうね♪」

藤巻「まぁ・・あれだ。よろしくたのむ//」

多々良「えへへ・・・好きだよ、恒一くん♪」

松井「・・私も、恒一くんの為に料理がんばってみる・・」

金木「今度さ・・松井と3Pしないか?//」

杉浦「やれやれ・・・これだけ居たら夜の営みが大変でしょ?スケジュール表でも作らないと・・・」

鳴「それは・・・大丈夫。その時だけ恒一くんに分身薬を飲ませるから・・・(ニヤリ)」


恒一「皆・・・これからも・・・ずっと一緒だよ!!」



終わり

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