さやか「別にいいけど、何を買うのさ?」
まどか「ネズミ捕り、かな」
さやか「ネズミ? 部屋にネズミ出るの?」
まどか「うん……。最近下着の入ったタンスが荒らされてて……」
さやか「それって下着ドロじゃないの?」
まどか「でも、鍵とかは閉まってるんだよ!? 誰かいた感じもないし……」
さやか「ふぅん。なんだか気味が悪いね」
――――ジョイフルほむ田
まどか「ええっと、ネズミ捕りは……こっちかな?」
さやか「いやいや、ペットコーナーにはないだろ……」
まどか「え? じゃああっちかな?」
さやか「そっちは車コーナーだよ!?」
まどか「え? レーダー探知機売ってるよね?」
さやか「そっちのネズミ捕りかよ!! そのボケ分かりにくいわ!!」
さやか「ようやくネズミ捕り見つけたよ……」
まどか「うわぁ……結構いい値段するんだね」
さやか「そうねー。最初は粘着シートとかにしてみたら?」
まどか「うん、その方がいいかも! 安いし」
さやか「殺鼠剤はどうする?」
まどか「買ってこうかな?」
さやか「じゃあまずは、累積タイプか急性タイプかを決めようよ」
まどか「それなら急性がいいな! 即効性の高いのがいいよ」
さやか「じゃああとは成分で選ぼうか」
まどか「どんなのがあるのかな?」
さやか「えっと、黄リン、リン化亜鉛、タリウム……」
まどか「私、タリウム入ってるのがいいなー」ゴソゴソ
さやか「タリウム少女かよ!? むしろ頭が足りうむだよ!!」
まどか「……さやかちゃん、自己紹介はいいよ」
さやか「……他には何かある?」
まどか「プルシアンブルーとか売ってるかな?」
さやか「タリウムの解毒剤だよねそれ!? ホントに使うの!?」
まどか「え? 絵の具の話だよ?」
さやか「うわぁホントだ!! 頭が足りうむなのはあたしだったよ!!」
まどか「それに本当に使うなら、別のお店で買わないと疑われちゃうよ」
さやか「黒いよ!! プルシアンブルートークなのに黒いよ!!」
――――夜・まどかの部屋
まどか「……よし、粘着シートと殺鼠剤を置いて、っと」
まどか「うーん、殺鼠剤ってなんか殺風景な感じだよね」
まどか「お皿にあけておこうかな……」
まどか「これなら、ネズミさんも警戒しないよね。多分」
まどか「よし、今日はもう寝よう!」
パチッパチッ ……スースー
――――深夜・まどかの部屋
QB(……さあ、まどかの寝顔でも拝もうかな?)テケテケ
QB(なんだろうこの板? なんだかベタベタするね……)ベタベタ
QB(あれ? 気づいたら脱出できなくなっちゃったよ……)モガキモガキ
QB(仕方ない、舌でも噛み切って死ぬか)
QB「……きゅぷぷい!!!」バタリ
新QB「……やれやれ。この僕がこんな罠に嵌るなんてね……」
新QB(ん? なんかお皿が置いてあるね)
新QB(もしかして、キャットフードってやつかい!?)
新QB(僕のために用意しておいてくれたんだねまどか!! まどっちマジ天使!!!)
新QB(高い栄養価でバランスもとれている、効率的にエネルギーを摂取できる優れたペレットだね!)ムシャムシャ
新QB(あれ? なんだか味がキャットフードと違うような……?)
新QB(まあいいか。これはこれで美味しいし)モグモグ
新QB(結構残しちゃったけど、ごちそうさまどか。いい夢を!)テケテケ
新QB(いやぁ、キャットフード置いておいてくれるなんて、まどかはいい子だなぁ)
「……」スッ
新QB(あれ? なんだか背後に気配を感じるよ?)
「……」パン
新QB「ぎゅぷぷぃぃ!!!」ドサッ
「死んだ、わね……」
「……」ゴソゴソ…
――――翌日・学校
さやか「そういやまどか、昨日ネズミはどうしたの?」
まどか「それがね、粘着シートにキュゥべえがかかってただけだったの」
さやか「殺鼠剤は?」
まどか「綺麗に食べた後はあったんだけどね……」
さやか「じゃあそのうち効果が出るかもしんないじゃん。今は雌伏の時だよ」
まどか「だといいんだけどね……。結局下着は荒らされてたし……」
ほむら「あら? 何の話をしてるの、まどか」
まどか「あ、ほむらちゃん!」
さやか「なんかね、まどかの部屋にネズミが出るんだってさ」
ほむら「で、何の話をしてたの? まどか」
さやか「無視かよ!?」
まどか「なんかね、私の部屋にネズミが出るんだって!」
さやか「他人事かよ!?」
ほむら「なんてことなの……」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「ゆ、許せないわ!!」
ほむら「かわいいまどかを怖がらせるなんて、死すら生ぬるいわ!!!!」
ほむら「絶対に許さんぞ、クソネズミども!」
ほむら「じわじわとなぶり殺しにしてくれる!」
さやか「キャラ変わってるわよあんた……」
ほむら「失礼、取り乱してしまったわ」ファサァ
さやか「あらあら」
ほむら「しかし、どうにかしないとね……」
さやか「? なんであんたがそんなにマジになってんのよ?」
ほむら「まどかの部屋にこっそりお邪魔するとき、ネズミに鉢合わせしたら嫌じゃない!!!」
(私もネズミは嫌いなの。まどかの気持ちがよく分かるわ)
さやか「え?」
ほむら「」
ほむら「……さて、じゃあ今からまどかの家にお邪魔しようかしら?」
さやか「流すなよ!」
まどか「それはいいけど……」
ほむら「まどか、貴女今朝も粘着シートやら殺鼠剤やら仕掛けてきたんでしょう?」
まどか「う、うん。よく分かったねほむらちゃん」
ほむら「貴女のことならなんでも分かるわよ、まどか」
さやか「じゃあとりあえず、行こうか」
――――まどかの部屋
ほむら「お邪魔します」
さやか「お邪魔しまーす……って、えぇ!?」
まどか「杏子……ちゃん!?」
杏子「」
まどか「ねぇ、どうしたの!? ねぇ!!」
ほむら「死んでる……?」
さやか「とりあえず、心肺蘇生法で救命を……」
ほむら「おっぱい蘇生法!?」ガタンッ!!
さやか「ボケてる場合じゃないよ!?」
ほむら「私は本気よ!!!」ドンッ!!!
さやか「分かったから! 今は杏子を助けないと!!」
まどか「えっと、救急車救急車……。電話番号って911番だっけ?」
さやか「欧米か!! レスキュー911だよそれは!?」
QB「……ん? 何してるんだい?」ヒョコッ
まどか「あ、キュゥべえ」
さやか「また面倒なのがきたわね……」
QB「失礼だなあ」
まどか「杏子ちゃんが死んでるの」
さやか「死んでないよ!? 多分まだ生きてるって!!」
QB(魔法少女っていう時点で、ある意味死んでるんだけどね……)
QB「杏子が倒れている原因はこれだろうね」チョンチョン
まどか「これって、殺鼠剤を入れてたお皿……だよね?」
ほむら「ペロッ……これは佐倉杏子の唾液!!」
さやか「まさか、杏子がこれを!?」
QB「多分ね。殺鼠剤を食べたんだろう」
まどか「そんな……」
さやか「そうだ! 解毒剤!! プルシアンブルー!!!」
まどか「あ、私持ってるよ!!」ゴソゴソ
さやか「やっぱり買ってたんだね!? 怖いよまどか!!」
まどか「万が一だけど、誰かが舐めるかも、って思ったから……」
さやか「先見の明ありすぎでしょあんた!!」
まどか「さ、杏子ちゃん、舐めて」ビュルビュル
さやか「って、マジで絵の具かよ!?」
ほむら「悲しいぐらいに真っ青ね……」
杏子「ん、んうぅ……」
さやか「蘇生した!! さすが解毒剤!!」
QB「まあ魔法少女的にはどんな薬物も効果はないからね。多分ショックで倒れてただけじゃないかな」
さやか「なによそれ!? 解毒剤関係ないじゃん!!」
QB「大体まどかが持ってきたのはプルシアンブルーじゃないだろう?」
まどか「え? あれ本当だ! コバルトブルーだったよ」
QB「プルシアンブルーはこんな鮮やかじゃないからね」
――――
杏子「いやぁ、生き返ったよ!!」
さやか「全く、調子狂うわよね……」
ほむら「佐倉杏子、貴女はどこまで愚かなの」
杏子「いやーすまねぇ。ちょっと色々あってね……」
まどか「色々?」
杏子「ああ、実は昨日の夜――」
――――深夜・まどかの部屋
「さて、この家には何か食い物は……っと」ガラガラ
「お? なんか置いてあんじゃん!! いっただっきまーす!!!」モグモグ
「ん! 意外にいける……けどなんだろこれ」ムシャムシャ
「……うわっ!! なんかベタベタするのに引っかかった!!」ベタベタ
「クソッ! 剥がれねぇ!! ていうかなんでキュゥべえが引っかかってんだこれ!?」ビタビタ
「よし、剥がれた!! とりあえず帰ろう!!」ダッシュ
――――昼(十二時間後)
「しまった、あの家にリンゴ忘れてきた……」
「こんにちは……っと」ガラガラ
「おっ! リンゴ発見!!」
「ん? なんかお腹痛いな……うっ!!!」
「なんだこれ……息がしづれぇ……ぐああぁぁ……」ゴロゴロ
「」
杏子「――というわけさ」
さやか「うわぁ……不法侵入じゃないのそれ」
ほむら「全く、ドン引きだわ」
さやか「人のこと言えないだろあんた」
まどか「警察呼んだ方がいいかな……」
杏子「ちょ、待てよ!」
さやか「あんたはキムタクか!!」
ほむら「それにしても、人のものを勝手に食べるとかどうかしてるわ……」
さやか「ホント、あんたどんだけ飢えてんのよ……」
杏子「とりあえず、あたしは帰るよ」スゴスゴ
まどか「あれ? 折角ケーキ出そうと思ってたんだけど、杏子ちゃん帰っちゃうの?」
杏子「……やっぱりしばらくいることにする」ドカッ
さやか「おい」
ほむら「卑しいわね、佐倉杏子」
――――
さやか「お邪魔しましたー」
ほむら「お邪魔しました」
杏子「おっじゃましましたー!! ケーキありがとなー!!」
まどか「また来てね! みんな!!」
――――
マミ(あら? あそこにいるのって……暁美さん鹿目さん佐倉さん美樹さん(五十音順)じゃない!?)
マミ「お買い物の帰り、違う道を通ってみたらこんなことに!!!」ブツブツ
マミ(酷いわみんな……私を仲間はずれにして……)グスグス
マミ「しかもキュゥべえまで一緒じゃない!! 許せないわ!!!」ブツブツ
マミ(今晩はキュゥべえなんかと一緒に寝てあげないんだからっ)フン
マミ「それにしても、楽しそうね……うらやましいわ……」ブツブツ
子供「あのおねーちゃんなんかぶつぶついってるよー?」
母親「こら! 見ちゃダメよ!!」
――――翌日・学校
さやか「そういやまどか、ネズミは昨日どうだったの?」
まどか「それがね、粘着シートにはなにもかかってなかったの」
さやか「殺鼠剤は?」
まどか「また綺麗に食べた後があったよ……」
さやか「杏子じゃないといいけど……」
まどか「杏子ちゃん意地汚いからね……。結局下着は荒らされてたし……」
ほむら「あら? 何の話をしてるの、まどか」
まどか「あ、ほむらちゃん!」
さやか「なんかね、またまどかの部屋にネズミが出たんだってさ」
ほむら「で、何の話をしてたの? まどか」
さやか「また無視かよ!? さやかちゃん泣きそうだよ!?」
まどか「なんかね、杏子ちゃんって意地汚いんだって!」
さやか「他人事みたいに言わないでよ!? 最初に言ったのあんたでしょ!?」
ほむら「ああそうだわ、今日こそクソネズミを撲滅しないと……」
さやか「ん? 何か秘策でもあると?」
ほむら「これよ」スッ
まどか「えっと……イソプロピルメタンフルオロホスホネート?」
さやか「分かりにくいよ!! つまりこれサリンでしょ!?」
ほむら「ライ麦畑でつかまえて、だわ」
さやか「サリンジャーさんが書いたやつだけに!? 分かりにくいよ!! 結局サリンジャーんこれ!!」
まどか「さやかちゃん、最後のはちょっと……」
さやか「え?」
ほむら「美樹さやか、どこまで貴女は愚かなの」
さやか「なによそれ、あたしが悪いの!?」
ほむら「美樹さやか。貴女のギャグ、はっきり言って寒いわ」
まどか「なんかもう、お腹いっぱいだよね」
さやか「」
さやか「……ていうか、なんであんたそんなもの持ってるのよ……」
ほむら「ほーむ真理教って知らないかしら?」
さやか「ストップストップ!! その話題はアウトだよ!!」
まどか「♪ほーむーほーむーほむほむほーむーほ・む・ほ・む尊師!」
さやか「やめてまどか!! 公安にマークされるよ!?」
ほむら「勿論冗談よ。ちょっと自衛隊から拝借して……」
さやか「まさか化学学校!? サリンも、VXガスも、あるけどさ……」
さやか「そんなオ○ム関連の話題ばっかり話してると、アポされちゃうよ!?」
まどか「え?」
ほむら「アポ?」
さやか「え?」
まどか「ポア、だよね?」
ほむら「美樹さやか、貴女知ったかぶりをしたのね」
さやか「」
まどか「ツッコミも面白いわけじゃないし、背伸びしすぎたね」
ほむら「アポイントメントされたらどうなるのかしら? 美樹さやか」
さやか「」
まどか「知ったかぶりさやかちゃん」
ほむら「知ったかぶり美樹さやか」
さやか「あたしって、ほんとバカ……」
まどか「ああっ!! さやかちゃんのソウルジェムがどどめ色に!!!」
ほむら「……? 美樹さやか、貴女……なんともないわね」
さやか「あれ? ……ソウルジェムの濁りがとれてる!?」
まどか「本当だ。どうしたんだろうね」
QB「つまり、どういうことなんだい?」
「間に合ってよかったわね、美樹さん」
さやか「あ、あなたは……!」
ほむら「貴女は、まさか!!」
マミ「そう、魔法少女巴マミよ!!!!」マミーン
まどか「うわぁ……ご丁寧にポーズまで決めちゃって……」ボソッ
ほむら「駄目よまどか。下手なこと言うと魔女化するわ。こらえて」ボソボソ
QB「で、マミ。一体どういうことなんだい?」
さやか「そうですよマミさん。ソウルジェムが濁りきったら浄化できないんじゃないんですか?」
QB「『ソウルジェムが濁りきっているので浄化できません』だよね。まどポ的には」
マミ「普通はそうかもしれないわね、普通は……」フフフ
マミ「なんと、マックポークを近づけると浄化できるのよ!!!!」マミーン
まどか「うわぁ……まずそれを試してみたという時点でドン引きです」
QB「エントロピーとか言ってる場合じゃないよ、全く」
ほむら「……! 本当だわ。私のソウルジェムが綺麗になっていく……」シュウゥゥ
まどか「うわぁ……もう真っ黒だねそのマックポーク」
さやか「MOTTAINAIけど捨てるしかないね……」
「待ちな!!」
杏子「食い物を粗末にするんじゃねぇ!! 殺すぞ!?」ヒョコ
さやか「あ、杏子」
まどか「食べられるの? これ」
杏子「当たり前じゃないか! ちょっとどどめ色なだけだよ」アーン パク
杏子「……」モグモグ
杏子「」バタッ
まどか「杏子ちゃん!?」
まどか「どうしよう、この死体!!!」
マミ「多分まだ死んでないんじゃないかしら……」
さやか「とりあえず、人工呼吸で救命を……」
ほむら「チ○コ呼吸!?」ガタンッ!!
さやか「ボケてる場合じゃないよ!?」
ほむら「私は本気よ!!!」ドンッ!!!
さやか「分かったから! 今は杏子を助けないと!!(二回目)」
海藻少女仁美☆まだか
QB「ソウルジェムが穢れてるだけなんだから、浄化したらいいんじゃないのかい?」
マミ「でももう、マックポークは残ってないし……」
さやか「マミさん!? マックポーク鞄にいっぱい入ってるじゃないですか!?」
マミ「これはおやつ用なの。浄化用ではないわ」キリッ
さやか「おやつの方が優先順位上なの!?」
ほむら「ファミチキじゃ駄目かしら……」グイグイ
さやか「いや、なんでもいいってわけじゃないんじゃないかな!?」
まどか「でも、ソウルジェムが輝きを取り戻してきたよ!?」
さやか「違うよこれ! ファミチキの脂で光ってるだけだよ!! 油脂光沢!!!」
ほむら「確かに、ソウルジェムはどどめ色のままだわ」
さやか「もうどどめ色はいいよ!! 人によって想像する色が異なるから多用されると混乱するんだよ!?」
QB「魔法少女的にはトドメな色だけどね」
ほむら「淫獣は死になさい!!」パン
まどか「あ、キュゥべえ死んだ」
ほむら「あ、よく考えたらグリーフシード持ってたわ」シュウゥゥ
杏子「ん、んうぅ……」ムクッ
まどか「あ、助かったね」
マミ「ふぅ。マックポークが守られたわ……」
さやか「マミさん最低ですね……」
マミ「最低って言われたなら死ぬしかないじゃない!!!」チャキ
さやか「うわ、メンタル弱すぎですって!!」
昨日QB無限1UPしてたから残り97体か
まどか「なんか今さらだけど、私の部屋のネズミの話はどうしたのかな……」
さやか「あ、ごめん。忘れてたわ」
ほむら「失態だわ」
まどか「また私の家で対策会議開こうかな。みんな参加してくれる?」
マミ「あら? 私も参加してもいいのかしら?」ワクワク
まどか「ケーキの付属品としてなら!!」ニコリ
さやか「黒いよまどか!! 黒まどかは色々と荒れるからやめて!!」
――――まどか宅
ほむら「お邪魔します」
さやか「お邪魔しまーす」
杏子「おっじゃましまーす!!」
マミ「私、友達の家に行くなんて初めて!! もう何も怖くない!!」ハシャギハシャギ
まどか「とりあえずあがってて。私飲み物持ってくるから」ドタドタ
杏子「りょーかーい」
ほむら(そうだわ! まどかがいないうちにまどパンを頂いておきましょう!)
ほむら(毎晩物色に来てたけど、今日はその手間が省けるわ……)
ほむら「時間停止」カチッ
ほむら「フヒヒッ……これとこれと……あとこれも貰っておきましょうか」
ほむら「停止解除」カチッ
マミ「あら? 暁美さんどうして変身してるの?」
ほむら「さあね」ファサッ
まどか「さ、こっちだよ」ギィィ
まどか「って、あれ?」
さやか「ん? ……うわあぁ!!」
マミ「お部屋が荒らされてるわ!!」
杏子「おーまいごーっど!!」
ほむら「そんな!! まどかの部屋が荒らされてるなんて!!」
ほむら「ま、全く、どこのどいつがこんな酷いことを……」
さやか「あれ、ほむら。ポケットから何か出てるよ?」ズルズル
ほむら「!?」
杏子「……パンツだな」
マミ「……下着……だわ///」
まどか「……それって……私の!?」
ほむら「あら? あら?」
ほむら(もしかして、まどパン取ったのバレたかしら……?)
ほむら「あの、あのね、これは……」アセアセ
さやか「もしかして、まどかの部屋に出るネズミって……」
ほむら「えっ?」
まどか「嘘……だよね?」
ほむら「えっ? えっ?」
杏子「あんた、盗みとか最低だな……」
さやか「いや、それをあんたが言うか」
ほむら「違うわ!! これはネズミの仕業よ!!」
さやか「証拠は?」
ほむら「……分かったわ。必ずやネズミの死体を差し出してあげるわ!!!」
ほむら「……じゃあ、はいこれ。貴女たちの分の防護服よ」サッ
さやか「防護服?」
ほむら「化学防護衣とも言うわね。ジョイほむで買ったの」シュコー
さやか「ジョイほむ万能だな!! ていうかこの防護服で何すんのよ!?」
ほむら「このサリンでネズミ共に鉄槌を……」ゴソゴソ
さやか「ストーップ!! 見滝原サリン事件が起こっちゃうからね!?」
まどか「そんなことになったら、私もうここには住めなくなっちゃうよぉ……」
ほむら「引っ越し! 引っ越し! さっさと引っ越し! シバくぞ!!」
杏子「これ、キチガイの顔だな」
マミ「佐倉さん、そういう発言はふさわしくないと思うわ……」
さやか「もう収拾がつかないよ……」
ほむら「分かったわ。サリンはやめるわ」
さやか「ほっ……」
ほむら「代わりにVXガスを……」
さやか「もっとダメだよ!? 歴史に残っちゃうって!!」
ほむら「私もついに教科書に乗るのね……」ウットリ
さやか「テロリストとして、だけどね!?」
ほむら「そうと決まれば早速散布しないと」ブッシャ-
さやか「うわっ、防護服防護服……」ゴソゴソ
まどか「さやかちゃん、早く早く!!」シュコー
さやか「ふぅ。間に合ったよ……」シュコー
杏子「あれ? マミ、あんたなんか変じゃないか?」シュコー
マミ「え?」
さやか「うわあぁぁ!!! 髪が防護服からモロにはみ出てますよ!!」シュコー
QB「マミ、それじゃあ気密が保てないんじゃないかな」シュコー
マミ「だって、このティロ・ダブルドリルは私のアイデンティティーで……」
さやか「アイデンティティーと命、どっちが大事なんですか!?」
マミ「うっ……ぐぐっ……」バタリ
さやか「マミさーん!!!!!!!」
QB「密閉された室内でVXガスを噴射するなんて、どうかしてるよ!!!」
杏子「よし、今のうちにマミのマックポーク山分けしようぜ」
さやか「VXガスに汚染された物は危険だって!! 死んじゃうよ!? ていうかあんた最低!!」
さやか「もうこれどうしたらいいのよ……」
ほむら「そのうち薄まるわよ、多分」
杏子「よし、じゃあ手っ取り早くドアと窓開けて換気しようぜ!!」ガラガラ
さやか「ああっ!! そんなことしたら……」
まどか「……嫌あああぁぁ!! パパ!? タツヤ!?」
杏子「ありゃ? やっちまったかな?」
さやか「VXガスが拡散しちゃったじゃん!! もう駄目だこれテロだわ……」
ほむら「大丈夫よまどか。有機リン剤中毒といったらこれ、PAMがあるわ」
さやか「有機リン剤中毒の特異的な解毒剤だね!!」
まどか「パパとタツヤは助かるの……?」
ほむら「タブンね」
さやか「タブンってサリンの仲間の毒ガスだよね!? 不謹慎だよ!! ていうかマミさん忘れてない!?」
杏子「マミの遺したマックポークは後で必ず食べるからな……」グスグス
さやか「勝手に殺すな!!!」
お前こないだのゴキブリのやつだろ
――――
ほむら「結局、駄目だったわ……」
さやか「……あんた、なんてこと……」
まどか「パパ……タツヤ……」ボロボロ
ほむら「あら? その二人は助かったわよ?」
さやか「え?」
ほむら「駄目だったのは巴マミだけよ」
まどか「そんな……マミさん……」
ほむら「どうしましょうか、この死体」
さやか「いや、遺棄するしかないんじゃないかな……?」
杏子「食べられないのかい?」ヒョコ
さやか「カニバリズム!?」
ほむら「意外にいけるかもしれないわね……」
まどか「味見してみなよ!!」
ほむら「ペロッ……これは巴マミの乳房!!!」ペロペロ
杏子「いけるな、これは」ハムハム
さやか「うわぁ……これはさすがのさやかちゃんでも引くわ……」
まどか「よし、お肉パーティーにしよう!!」
ほむら「私、バーベキューグリル持ってくるわ!!」
――――それはすなわち、魔法少女達の晩餐会の始まりであった。
詢子「おっ! この肉うまいじゃん!!」
知久「脂の乗りが違うね」
ほむら「喜んで貰えて嬉しいですわ。お義父さん、お義母さん」
さやか「いつ結婚したのよあんたらは!!!」
タツヤ「きょうは、ぜんいん、にくたべていいのら?」
杏子「おかわりもあるぞ!!」
さやか「カレーじゃないんだからさ……」
「確かに、マミさんはもういません。
でも、私たちの中で確かに生きているんです。
きっと、魔女にやられてしまうより、独りで死に絶えてしまうより。
いつも皆と一緒の方が、マミさんも喜んでくれる気がして」
――――
さやか「まどか? 日記帳なんて開いてどうしたの? お肉、焼けたよ?」
まどか「うん、今行くから――」
世界はいつも、同じじゃない。
同じじゃないから、悔やみ、悲しみ、憤る。
でも、同じじゃないからこそ、得られるものもあって。
――マミさん、私、マミさんのこと忘れません。
それぐらいしかできないけれど、私にだけしかできないから。
何もできない無力な私だけど、忘れないって誓えます。
――――
マミ「ねぇ、キュゥべえ?」ソウルジェム
QB「なんだい?」
マミ「ソウルジェムが魔法少女の本体だっていうのは本当なのよね?」ソウルジェム
QB「そうだよ」
マミ「じゃあ、私は身体を食べられてしまったけど、身体さえあれば復活できるのよね?」ソウルジェム
QB「多分ね。問題は身体をどう調達するかだけれど……」
QB「ソウルジェムだけになってしまった今のマミにはどうしようもないね」
マミ「私、どうすれば……」グスン
QB「大丈夫、僕にいい考えがあるよ!」
マミ「本当!?」パアァ
QB「ジョイほむで案山子でも買ってきて、それに乗り移ればいいんじゃないかな?」
マミ「……こんな終わり方、不完全燃焼だわッ!」
おわり
以上です。
中身の希薄な話ではありましたが、お付き合いありがとうございました。
ほのぼのカニバもたまにはいいですね。
一応書かせて頂きますと、話の中で特定の個人や団体を誹謗・中傷しているつもりは微塵もありません。
もし不快感を抱いた方がいれば、お詫び申し上げます。すみません。
まずないとは思いますが、万が一質問がありましたらお答えします。
乙ありがとうございます
今回はかなりソフトなカニバにしたんですけどダメでしたかね
>>106
お恥ずかしいですがその通りです
>>1が茨城県民である確率50%
>>126
さあなんのことやらわかりませんね
ちなみに最寄のジョイほむは一番大きい店舗のようです
ほむら「まどパンとは取るものである」
ほむら「まどパンとはずらすものである」
ほむら「まどパンとはかぶるものである」
ほむら「まどパンとは臭いを嗅ぐものである」
ほむら「まどパンとは猿轡の代用品である」
ほむら「まどパンとはタンスから取るものである」
ほむら「まどパンとは…まどパンとは…」
>>129
ほむら「つけパン派やらひたパン派やらが台頭しているようだけど」
ほむら「通はやっぱりまどパンよね」ホムホム
ほむら「ほら、オリーブオイルをちょい足しすれば……」タラリ
ほむら「うーん! 最高だわ!! タツヤカワゴエもびっくりよ!!!」ホムホム
ほむら「というわけで、まどパンとは『何にでも合う高級食材』よ」
ほむら「私に取っては白米にも引けをとらない存在だわ……」ホムホム
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